(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-29
(45)【発行日】2023-07-07
(54)【発明の名称】モータ及び洗濯機
(51)【国際特許分類】
H02K 5/04 20060101AFI20230630BHJP
H02K 11/30 20160101ALI20230630BHJP
H05K 5/00 20060101ALI20230630BHJP
D06F 37/30 20200101ALI20230630BHJP
【FI】
H02K5/04
H02K11/30
H05K5/00 A
D06F37/30
(21)【出願番号】P 2022513595
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(86)【国際出願番号】 CN2020137628
(87)【国際公開番号】W WO2022057130
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2022-02-28
(31)【優先権主張番号】202010968683.5
(32)【優先日】2020-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521084884
【氏名又は名称】佛山市威▲霊▼洗▲滌▼▲電▼机制造有限公司
【氏名又は名称原語表記】FOSHAN WELLING WASHER MOTOR MANUFACTURING CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】21th Gangqian Road, Beijiao Industrial Park, Shunde, Foshan, Guangdong 528311, CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】521084895
【氏名又は名称】淮安威▲霊▼▲電▼机制造有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAI’AN WELLING MOTOR MANUFACTURING CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 36, Yingbin Avenue, Economic and Technological Development Zone, Huai’an, Jiangsu 223005, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】郭 丙春
(72)【発明者】
【氏名】朱 小▲剛▼
(72)【発明者】
【氏名】于 明湖
【審査官】谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-054628(JP,A)
【文献】特開2006-211835(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/04
H02K 11/30
H02K 5/00
D06F 37/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータであって、コントローラ及びコントローラカバーを含み、前記コントローラは前記コントローラカバーに設置され、前記モータはさらに固定接続された第一エンドカバー及び第二エンドカバーを含み、前記第一エンドカバー及び前記第二エンドカバーはそれぞれステータの対向する両側に固定され、前記コントローラカバーは前記第一エンドカバー又は前記ステータに固定接続されるための第一取付部及び洗濯機の貯水タンクに固定接続されるための第二取付部を有し、前記第一エンドカバー又は前記ステータは前記第一取付部に固定接続されるための第三取付部を有
し、前記第一取付部と前記第三取付部は固定具により接続され、前記固定具は前記第一取付部と前記第三取付部を貫通して設置されることを特徴とするモータ。
【請求項2】
前記第二取付部が前記コントローラカバーの前記コントローラに背向する一側に設けられることを特徴とする請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記コントローラカバーの表面に外向きに延伸して取付脚が形成され、前記第二取付部は前記取付脚に設けられ、前記第二取付部は取付孔又は取付柱であることを特徴とする請求項1に記載のモータ。
【請求項4】
前記コントローラカバーの表面が放熱フィンを有することを特徴とする請求項1に記載のモータ。
【請求項5】
前記コントローラカバーがアルミニウムカバー、アルミニウム合金カバー又は樹脂カバーであることを特徴とする請求項4に記載のモータ。
【請求項6】
前記第一エンドカバー又は前記ステータの前記コントローラカバーに面する一側に第一位置決め部が設置され、前記コントローラカバーに前記第一位置決め部と位置決め嵌合する第二位置決め部が設置されることを特徴とする請求項
1に記載のモータ。
【請求項7】
前記第三取付部は前記第一位置決め部であり、前記第一取付部は前記第二位置決め部であり、
前記第一位置決め部に第一接続孔が開設され、前記第二位置決め部に第二接続孔が開設され、かつ前記固定具が前記第一接続孔及び前記第二接続孔を貫通して設置されることを特徴とする請求項
6に記載のモータ。
【請求項8】
前記コントローラは前記コントローラカバー又は第一エンドカバーに係止接続され、又は、前記コントローラは締結具により前記コントローラカバー又は第一エンドカバーに固定されることを特徴とする請求項1に記載のモータ。
【請求項9】
前記第一エンドカバーが引張成形、鋳造成形又は射出成形されることを特徴とする請求項1に記載のモータ。
【請求項10】
前記第一エンドカバーが金属ケース又は樹脂ケースであることを特徴とする請求項1に記載のモータ。
【請求項11】
前記モータはさらに前記ステータ及び前記ステータに対して回転するロータを含み、前記ロータは回転軸及びそれぞれ前記回転軸の両端に設置された二つの軸受を含み、前記第一エンドカバーと前記第二エンドカバーはいずれも外向きに突起して環状ボスを形成し、前記環状ボスの内部に前記軸受を収容するための軸受キャビティを有し、少なくとも一つの前記環状ボスの根元に溝構造又は突起構造を有することを特徴とする請求項1に記載のモータ。
【請求項12】
前記第一エンドカバーと前記第二エンドカバーのうちの少なくとも一つが前記ステータに密着する止め口フランジを有することを特徴とする請求項
11に記載のモータ。
【請求項13】
前記溝構造は環状溝又は複数段に分離して設置されかつ環状に囲まれた凹リブであり、前記突起構造は環状ボス又は複数段に分離して設置されかつ環状に囲まれた凸リブであることを特徴とする請求項
11に記載のモータ。
【請求項14】
洗濯機であって、請求項1-
13のいずれか一項に記載のモータを含み、さらに貯水タンクを含むことを特徴とする洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2020年9月15日に中国特許庁に提出され、出願番号が202010968683.5であり、発明の名称が「モータ及び洗濯機」である中国特許出願の優先権を要求し、その全ての内容は引用により本願に組み込んでいる。
【0002】
本願は家電製品の技術分野に関し、具体的にはモータ及び洗濯機に関する。
【背景技術】
【0003】
洗濯機の出現は人々の両手を解放し、日常生活に不可欠な電気機器である。洗濯機内のコントローラはモータの回転を制御することにより、揉み洗い動作をシミュレートする。現在、一部の洗濯機はモータとコントローラが一体化された構造を採用し、コントローラがモータに取り付けられ、かつモータが洗濯機の貯水タンクなどの外部構造に取り付ける必要があるため、モータのハウジングに貯水タンクに固定接続された取付構造が設置され、したがってモータのエンドカバー構造が複雑であり、材料の選択範囲が制限され、コストが高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例の目的の一つは、モータ及び洗濯機を提供し、モータハウジングに貯水タンクに接続された取付構造が設置されることによりモータのエンドカバーの構造が複雑であるという問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記技術的課題を解決するために、本願の実施例が採用する技術的解決手段は以下のとおりである。
第一態様では、モータを提供し、コントローラ及びコントローラカバーを含み、前記コントローラは前記コントローラカバーに設置され、前記モータはさらに固定接続された第一エンドカバー及び第二エンドカバーを含み、前記第一エンドカバー及び前記第二エンドカバーはそれぞれステータの対向する両側に固定され、前記コントローラカバーは前記第一エンドカバー又は前記ステータに固定接続されるための第一取付部及び洗濯機の貯水タンクに固定接続されるための第二取付部を有し、前記第一エンドカバー又は前記ステータに前記第一取付部に固定接続されるための第三取付部を有する。
一つの実施例において、前記第二取付部は前記コントローラカバーの前記コントローラに背向する一側に設けられる。
一つの実施例において、前記コントローラカバーの表面に外向きに延伸して取付脚が形成され、前記第二取付部が前記取付脚に設けられ、前記第二取付部が取付孔又は取付柱である。
一つの実施例において、前記コントローラカバーの表面は放熱フィンを有する。
一つの実施例において、前記コントローラカバーはアルミニウムカバー、アルミニウム合金カバー又は樹脂カバーである。
一つの実施例において、前記第一取付部と前記第三取付部は固定具により接続され、前記固定具は前記第一取付部と前記第三取付部を貫通して設置される。
一つの実施例において、前記第一エンドカバー又は前記ステータの前記コントローラカバーに面する一側に第一位置決め部が設置され、前記コントローラカバーに前記第一位置決め部と位置決め嵌合する第二位置決め部が設置される。
一つの実施例において、前記第三取付部は前記第一位置決め部であり、前記第一取付部は前記第二位置決め部であり、
前記第一位置決め部に第一接続孔が開設され、前記第二位置決め部に第二接続孔が開設され、かつ前記固定部材が前記第一接続孔及び前記第二接続孔を貫通して設置される。
一つの実施例において、前記コントローラは前記コントローラカバー又は第一エンドカバーに係止接続され、又は、前記コントローラは締結具により前記コントローラカバー又は第一エンドカバーに固定される。
一つの実施例において、前記第一エンドカバーは引張成形、鋳造成形又は射出成形される。
一つの実施例において、前記第一エンドカバーは金属ケース又は樹脂ケースである。
一つの実施例において、前記モータはさらに前記ステータ及び前記ステータに対して回転するロータを含み、前記ロータは回転軸及びそれぞれ前記回転軸の両端に設置された二つの軸受を含み、前記第一エンドカバーと前記第二エンドカバーはいずれも外向きに突起して環状ボスを形成し、前記環状ボスの内部に前記軸受を収容するための軸受キャビティを有し、少なくとも一つの前記環状ボスの根元は前記軸受キャビティの内部に向かって溝構造又は突起構造を有する。
一つの実施例において、前記第一エンドカバー及び前記第二エンドカバーのうちの少なくとも一つは前記ステータに密着する止め口フランジを有する。
一つの実施例において、前記溝構造は環状溝又は複数段に分離して設置されかつ環状に囲まれた凹リブであり、前記突起構造は環状ボス又は複数段に分離して設置されかつ環状に囲まれた凸リブである。
第二態様において、上記モータを含み、さらに貯水タンクを含む洗濯機を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本願の実施例が提供するモータの有益な効果は以下のとおりである。本願のモータは第一エンドカバー、第二エンドカバー、コントローラ及びコントローラカバーを含み、コントローラはコントローラカバーに設置され、コントローラカバーはその上に設置された第一取付部により第一エンドカバー又はステータに設置された第三取付部に嵌合して固定され、コントローラカバーをハウジング又はステータに固定し、同時に、コントローラカバーに第二取付部を設置することにより、コントローラカバーを洗濯機の貯水タンクに固定し、このように、モータのハウジングはコントローラカバーに固定接続された第三取付部を設置するだけでよく、又は第三取付部を設置する必要がなく、第三取付部をステータに直接設置することにより、コントローラが内蔵されたコントローラカバーに堅固的に取り付けることができ、第一エンドカバーに洗濯機の貯水タンクに固定接続された他の取付構造を追加設置する必要がなく、第一エンドカバーの構造を効果的に簡略化し、それにより洗濯機のコストを低減する。
【0007】
本願の実施例が提供する洗濯機の有益な効果は以下のとおりである。本願の洗濯機は上記モータを使用し、モータのハウジングにコントローラカバーに固定接続された第三取付部を設置するだけでよく、又は第三取付部を設置する必要がなく、第三取付部をステータに直接設置すれば、コントローラを内蔵するコントローラカバーに堅固的に取り付けることができ、第一エンドカバーに洗濯機の貯水タンクに固定接続された他の取付構造を追加設置する必要がなく、第一エンドカバーの構造を効果的に簡略化し、それにより洗濯機のコストを低減する。
【0008】
本願の実施例における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に実施例又は例示的な技術の説明に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に記載の図面は本願のいくつかの実施例だけであり、当業者にとって、創造的な工夫をせずに、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本願の実施例が提供する第一種のモータの立体構造図である。
【
図2】本願の実施例が提供する第一種のモータの断面図である。
【
図3】本願の実施例が提供する第二種のモータの断面図である。
【
図5】本願の実施例が提供するコントローラカバーの立体構造図である。
【
図6】本願の実施例が提供する第二エンドカバーの立体構造図である。
【
図7】本願の実施例が提供する第二エンドカバーの断面図である。
【
図8】本願の実施例が提供する洗濯機の部分的な立体構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本願の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下に図面及び実施例を参照しながら、本願をさらに詳細に説明する。ここで説明された具体的な実施例は本願を説明するためのものに過ぎず、本願を限定するものではないことを理解すべきである。
【0011】
なお、ある部品が他の部品に「固定される」又は「設置される」場合、それが直接的に他の部品に位置するか又は間接的に該部品に位置してもよい。ある部品が他の部品に「接続される」場合、それがこの他の部品に直接的に又は間接的に接続されてもよい。用語「上」、「下」、「左」、「右」等が指示した方位又は位置関係は、図面に示された方位又は位置関係に基づいて説明しやすいためのものに過ぎず、装置又は部品が特定の方位を有しそして特定の方位で構築する又は操作する必要があることを指示又は暗示するためのものではないため、本願を限定するためのものではないことを理解すべきである。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の具体的な意味を理解することができる。また、「第1」、「第2」という用語は説明の目的だけに用いられ、比較的重要性を指示又は暗示するか、あるいは技術的特徴の数を黙示的に指示するためのものと理解してはいけない。別途明確かつ具体的な限定がない限り、「複数」とは、二つ以上を意味する。
【0012】
本願の提供する技術的解決手段を説明するために、以下に具体的な図面及び実施例を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1及び
図2に示すとおり、モータの一つの実施例において、モータ1はハウジング11、コントローラ2及びコントローラカバー3を含み、コントローラ2はロータ13及び洗濯機の他の電気制御部品を制御するために用いられる。コントローラ2はコントローラカバー3の内部又は外部に設置され、コントローラカバー3はモータ1のハウジング11又はモータ1のステータ12に固定される。ハウジング11は第一エンドカバー111及び第二エンドカバー112を含み、第一エンドカバー111及び第二エンドカバー112はそれぞれステータ12の対向する両側に固定される。コントローラカバー3は第一取付部31及び第二取付部320を有し、第一エンドカバー111又はステータ12は第三取付部1111を有する。第一取付部31と第三取付部1111が互いに嵌合して取り付けられることにより、コントローラカバー3が第一エンドカバー111又はステータ12に固定され、コントローラ2がモータ1に集積される。第二取付部320は洗濯機の貯水タンク4に接続するために用いられ、もともとモータ1のハウジング11に設置された構造をコントローラカバー3の上面に移転し、モータ1のハウジング11の構造を簡略化することができる。モータ1のハウジング11はロータ13を支持する必要があるため、モータ1のハウジング11の構造が複雑すぎると、製造の難度を増加させ、モータ1のハウジング11の強度を保証するために、モータ1のハウジング11の材質及び製造プロセスに大きな制限を有する。本実施例におけるモータ1のハウジング11は、第三取付部1111のみが設置され、又は第三取付部1111を設置する必要がなく、第三取付部1111をステータ12に直接設置し、第一エンドカバー111の複雑さを大幅に低減し、第一エンドカバー111の材質及びプロセスをより多く選択し、製造コストを効果的に低減することができる。具体的には、
図2及び
図3を参照し、
図2における第一エンドカバー111は引張プロセスを採用して製造成形され、
図3における第一エンドカバー111は鋳造プロセスを採用して製造成形され、第一エンドカバー111の構造が簡単であるため、第一エンドカバー111は需要に応じて異なるプロセスを採用して製造成形することができ、第一エンドカバー111の製造プロセスに対する要求が低い。第一エンドカバー111は樹脂などの材料で製造される場合、射出成形として選択することができる。第一エンドカバー111は金属ケースとして選択されてもよく、樹脂ケースとして選択されてもよく、第一エンドカバー111の構造が簡単であり、材料に対する性能要求も低く、第一エンドカバー111の製造コストを大幅に低減することができる。かつ、コントローラカバー3はコントローラ2を収容し保護する作用のみを果たし、プロセス及び材質に対する要求が低いため、第二取付部320をコントローラカバー3に設置することは製造難度及びコストを大幅に増加させない。
【0014】
上記実施例におけるモータは、ハウジング11、コントローラ2及びコントローラカバー3を含み、コントローラ2はコントローラカバー3に設置され、ハウジング11は第一エンドカバー111及び第二エンドカバー112を含み、コントローラカバー3はその上に設置された第一取付部31により第一エンドカバー111又はステータに設置された第三取付部1111と嵌合して固定され、同時に、コントローラカバー3に第二取付部320を設置することによりコントローラカバー3と洗濯機の貯水タンク4を固定する。このように、モータ1のハウジング11には、コントローラカバー3に固定接続された第三取付部1111を設置するだけでよく、又は第三取付部1111を設置する必要がなく、第三取付部1111をステータ12に直接設置すれば、コントローラ2が内蔵されたコントローラカバー3に堅固的に取り付けることができ、第一エンドカバー111に洗濯機の貯水タンクに固定接続された他の取付構造を追加的に設置する必要がなく、第一エンドカバー111の構造を簡略化し、第一エンドカバー111に対して、他の価格が低い材料及びより簡単な製造プロセスを選択することができ、それにより洗濯機のコストを低減する。
【0015】
図2及び
図3に示すとおり、本願の一つの実施例において、第二取付部320はコントローラカバー3のコントローラ2に背向する一側に設けられる。コントローラカバー3はキャビティを有し、コントローラ2は該キャビティ内に設置され、かつコントローラカバー3は第一エンドカバー111の外部に覆われると、コントローラカバー3のコントローラ2に背向する一側はコントローラカバー3の外側であり、すなわち第二取付部320はコントローラカバー3の外側に設置され、第一取付部31と第二取付部320はそれぞれハウジング11に面する一側とハウジング11に背向する一側に設置される。このように、コントローラカバー3が貯水タンク4に接続されると、ハウジング11は貯水タンク4と干渉しない。
【0016】
図5に示すとおり、本願の一つの実施例において、コントローラカバー3の表面が外向きに延伸して取付脚32が形成され、第二取付部320が取付脚32に設置され、取付脚32の設置により第二取付部320がコントローラカバー3自体の構造に制限されず、貯水タンク4の接続構造に基づいて第二取付部320の位置を設計することができる。取付脚32の数は複数であってもよく、各取付脚32に少なくとも一つの第二取付部320が設置されることにより、コントローラカバー3は貯水タンク4に安定的に接続される。より具体的には、取付脚32の数は二つであり、二つの取付脚32はコントローラカバー3の表面からいずれも外向きに延び、二つの取付脚32は八字形を呈して設置される。
【0017】
好ましくは、第二取付部320は取付孔又は取付柱である。第二取付部320が取付孔である場合、貯水タンク4に取付柱が設置され、取付柱が取付孔に挿入して設置され、ネジ、ピン等の締結具を用いて第二取付部320を貯水タンク4に固定する。又は、第二取付部320が取付柱である場合、貯水タンク4に取付孔が設置され、取付柱が取付孔に挿入して設置される。取付孔と取付柱が挿着される時、両者の間にガスケット等の緩衝材が設置され、モータ1が動作する時に貯水タンク4への振動影響を低減することができる。
【0018】
図1に示すとおり、本願の一つの実施例において、コントローラカバー3の表面は放熱フィン34を有し、放熱フィン34はコントローラカバー3の表面積を大幅に増加させ、それによりコントローラ2により生成された熱量は放熱フィン34により迅速に放散され、コントローラ2の放熱速度を加速することができる。好ましくは、コントローラカバー3はアルミニウムカバー、アルミニウム合金カバー等の金属カバーであり、金属カバーの放熱性能がより高い。かつアルミニウム、アルミニウム合金等の材料は、成形しやすく、加工しやすく、第二取付部320等の複雑な構造の製造に適用し、製造コストを大幅に増加させない。好ましくは、コントローラカバー3は樹脂カバーであってもよく、コントローラカバー3が樹脂カバーである場合、コントローラカバー3に放熱シートを設置することができる。放熱シートの位置および数は、ここでは限定されない。
【0019】
上記いずれかの実施例において、コントローラ2は係止又は締結具等の固定方式によりコントローラカバー3の内部に固定され、又は、コントローラ2は締結具等の固定方式によりハウジング11に固定され、又は、コントローラ2はコントローラカバー3内に収容され、コントローラカバー3はハウジング11に固定され、それによりコントローラ2をコントローラカバー3とハウジング11との間に押し付ける。
【0020】
本願の一つの実施例において、第一取付部31と第三取付部1111は固定具により固定接続されることにより、コントローラカバー3は第一エンドカバー111又はステータ12に固定される。固定具は第一取付部31及び第三取付部1111を貫通して設置され、固定部材はネジ又はピンであってもよく、第一取付部31及び第三取付部1111を貫通することによりコントローラカバー3と第一エンドカバー111又はステータ12を互いに固定する。
【0021】
好ましくは、
図2及び
図5を参照すると、第一エンドカバー111又はステータ12のコントローラカバー3に面する一側に位置決め溝1113が設けられ、コントローラカバー3に位置決め柱33が設けられ、位置決め柱33が位置決め溝1113に挿入して設けられ、第一エンドカバー111又はステータ12とコントローラカバー3の組立及び固定を容易にする。又は、第一エンドカバー111又はステータ12のコントローラカバー3に面する一側に位置決め柱が設置され、コントローラカバー3に位置決め溝が設置され、位置決め柱が位置決め溝に挿入して設置され、第一エンドカバー111又はステータ12とコントローラカバー3の組立及び固定を容易にする。上記二つの実施例において、第一エンドカバー111又はステータ12とコントローラカバー3との間に取付構造(第一取付部31及び第三取付部1111)が設置されるだけでなく、位置決め構造(位置決め柱33及び位置決め溝1113)が設置されることにより、第一エンドカバー111又はステータ12とコントローラカバー3との位置決めが正確であり、接続が安定する。
【0022】
好ましくは、
図3及び
図4に示すとおり、第三取付部1111は位置決め柱であり、第一取付部31に位置決め溝311が開設され、位置決め柱は位置決め溝311に挿入されることにより、第三取付部1111と第一取付部31が互いに位置決めされる。又は、第一取付部31は位置決め柱であり、第三取付部1111に位置決め溝が開設され、位置決め柱が位置決め溝に挿入されることにより、第三取付部1111と第一取付部31が互いに位置決めされる。より具体的には、位置決め溝311の底部に第一接続孔312が開設され、位置決め柱に第二接続孔1112が開設され、固定具が第一接続孔312及び第二接続孔1112を貫通することにより、第一取付部31と第三取付部1111が互いに固定される。第一接続孔312及び第二接続孔1112は貫通孔又はネジ孔であってもよい。第一接続孔312と第二接続孔1112はいずれもねじが切られていない孔(unthreaded hole)である場合、固定具はピン等の接続具として選択することができる。第一接続孔312と第二接続孔1112のうちの一つはネジ孔であり、もう一つはねじが切られていない孔である場合、固定具はネジ等の接続具として選択することができ、ネジはねじが切られていない孔を貫通してネジ孔に接続されることにより、第一取付部31と第三取付部1111は固定接続される。上記実施例において、第一エンドカバー111又はステータ12とコントローラカバー3との間の取付構造及び位置決め構造はいずれも第一取付部31及び第三取付部1111に集積され、すなわち第一エンドカバー111上の接続構造に多くとも第三取付部1111が設置され、第一エンドカバー111上の構造をできるだけ簡単にする。
【0023】
より具体的には、第一エンドカバー111が引張エンドカバーである場合、第三取付部1111は第二接続孔1112であることに応じて、第一取付部31は位置決め柱であり、位置決め柱に第一接続孔312が開設される。第一エンドカバー111がアルミ鋳造エンドカバーである場合、第三取付部1111は位置決め柱であり、かつ位置決め柱に第二接続孔1112が開設されることに応じて、第一取付部は第一接続孔312である。
【0024】
好ましくは、
図6に示すとおり、第一エンドカバー111及び第二エンドカバー112のうちの少なくとも一つは止め口フランジ1115を有する。第一エンドカバー111と第二エンドカバー112がいずれもステータ12に固定されるため、第一エンドカバー111とステータ12との間、第二エンドカバー112とステータ12との間にいずれも隙間があり、エアギャップを形成し、エアギャップが大きすぎると、モータ1の磁気抵抗を増大させ、モータ1の効率を低下させる。止め口フランジ1115は第一エンドカバー111及び/又は第二エンドカバー112の縁部を折り返して形成され、かつステータ12の表面に密着し、第一エンドカバー111及び/又は第二エンドカバー112とステータ12との間のエアギャップを減少させ、モータ1の効率を保証することができる。止め口フランジ1115の個数及び分布はここで限定されず、第一エンドカバー111及び/又は第二エンドカバー112に周方向に均一に設置されてもよい。
【0025】
好ましくは、
図2、
図3及び
図7に示すとおり、モータ1はハウジング11、ステータ12及びロータ13を含み、ステータ12は固定され、ロータ13はステータ12に対して回転し、ハウジング11はロータ13を支持するために用いられ、かつロータ13及びステータ12に対して一定の保護作用を有する。ロータ13は回転軸131及び二つの軸受132を含み、二つの軸受132は回転軸131の両端に分布して設置され、回転軸131を支持することにより、回転軸131がステータ12に対して回転する。第一エンドカバー111及び第二エンドカバー112はいずれも環状ボス1114を有し、環状ボス1114はモータ1の内部から外部へ突起して設置され、環状ボス1114の内部に軸受キャビティ1116を有し、二つの軸受132はそれぞれ第一エンドカバー111の軸受キャビティ1116及び第二エンドカバー112の軸受キャビティ内に設置される。少なくとも一つの環状ボス1114の根元は溝構造又は突起構造を有し、第一エンドカバー111及び第二エンドカバー112の強度を補強することができる。溝構造は環状溝1117、環状凹リブ等の構造であってもよく、環状溝1117と環状凹リブは分割して設置されてもよく、環状全体的に設置されてもよい。突起構造はボス、凸リブ等の構造であってもよい。環状ボス1114の根元はステータ12に近い部位であり、かつ環状溝1117は軸受キャビティ1116の内部に凹んで形成され、環状溝1117の設置により環状ボス1114の強度を増加させることができ、環状ボス1114が位置する根部が大きな圧力を受ける時に破損、亀裂などの状況が発生することを防止する。
【0026】
本願の提供するモータはさらに洗濯機、食器洗い機などの一般的な家電製品に用いることができ、モータの応用シーンはここで限定されない。
【0027】
本願はさらに洗濯機を提供し、洗濯機は上記いずれかの実施例におけるモータ1を含む。本願が提供する洗濯機は、上記モータ1を採用し、コントローラカバー3はその上に設置された第一取付部31によりハウジング11に設置された第三取付部1111と嵌合して固定され、同時に、コントローラカバー3に第二取付部320を設置することによりコントローラカバー3と洗濯機の貯水タンク4を固定する。このように、モータ1のハウジング11にコントローラカバー3に固定接続された第三取付部1111を設ければよく、コントローラ2が内蔵されたコントローラカバー3に堅固的に取り付けることができ、モータ1のハウジング11に洗濯機の貯水タンクに固定接続された他の取付構造を追加する必要がなく、モータ1のハウジング11の構造を簡略化し、モータ1のハウジング11に対して他の価格が低い材料及びより簡単な製造プロセスを選択することができ、それにより洗濯機のコストを低減する。
【0028】
好ましくは、
図8に示すとおり、洗濯機はさらに貯水タンク4及び回転タンクを含み、貯水タンク4は水を収容するために用いられ、回転タンクは貯水タンク4内に回転可能に取り付けられる。貯水タンク4の外周には、第二取付部320と固定接続するための第四取付部が設けられている。第二取付部320は取付孔であり、第四取付部は取付柱であり、又は第二取付部320は取付柱であり、第四取付部は取付孔であり、取付柱は取付孔に挿入して設置される。第二取付部320と第四取付部とは、ネジ、ピン等の固定具によって固定接続されてよい。
【0029】
以上は本願の好ましい実施例に過ぎず、本願を限定するものではない。当業者にとって、本願は様々な修正及び変更が可能である。本願の精神及び原則内で、行われるいかなる修正、同等置換、改善等は、いずれも本願の特許請求の範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0030】
1…モータ、11…ハウジング、111…第一エンドカバー、1111…第三取付部、1112…第二接続孔、1113…位置決め溝、1114…環状ボス、1115…止め口フランジ、1116…軸受キャビティ、1117…環状溝、112…第二エンドカバー、12…ステータ、13…ロータ、131…回転軸、132…軸受、2…コントローラ、3…コントローラカバー、31…第一取付部、311…位置決め溝、312…第一接続孔、32…取付脚、320…第二取付部、33…位置決め柱、34…放熱フィン、4…貯水タンク。