(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-30
(45)【発行日】2023-07-10
(54)【発明の名称】高塩分の難分解性有機廃水から有機物を回収してエネルギーを同期に貯蔵するための装置
(51)【国際特許分類】
C02F 9/00 20230101AFI20230703BHJP
C02F 1/463 20230101ALI20230703BHJP
C02F 1/78 20230101ALI20230703BHJP
C02F 1/36 20230101ALI20230703BHJP
C02F 1/28 20230101ALI20230703BHJP
C02F 1/00 20230101ALI20230703BHJP
【FI】
C02F9/00
C02F1/463
C02F1/78
C02F1/36
C02F1/28 D
C02F1/28 E
C02F1/00 L
(21)【出願番号】P 2023022033
(22)【出願日】2023-02-15
【審査請求日】2023-02-17
(31)【優先権主張番号】202210850319.8
(32)【優先日】2022-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517428687
【氏名又は名称】重▲慶▼文理学院
(73)【特許権者】
【識別番号】523054517
【氏名又は名称】重慶工商大学
(73)【特許権者】
【識別番号】512077859
【氏名又は名称】北京化工大学
【氏名又は名称原語表記】BEIJING UNIVERSITY OF CHEMICAL TECHNOLOGY
【住所又は居所原語表記】15 Beisanhuan East Road,Chaoyang District,Beijing,100029,P.R.China
(73)【特許権者】
【識別番号】523054528
【氏名又は名称】重慶港力環保股▲ふん▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】523054539
【氏名又は名称】重慶市生態環境科学研究院
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】関偉
(72)【発明者】
【氏名】王小平
(72)【発明者】
【氏名】謝志剛
(72)【発明者】
【氏名】何莉
(72)【発明者】
【氏名】田世超
(72)【発明者】
【氏名】楊粛博
(72)【発明者】
【氏名】張勇
(72)【発明者】
【氏名】宋丹
(72)【発明者】
【氏名】袁菱
【審査官】目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0134080(US,A1)
【文献】中国実用新案第212559577(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第113173626(CN,A)
【文献】特開平06-304569(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F1/00-1/78
C02F9/00-9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
順次接続された第1処理ユニットと、第2処理ユニットと、を含み、前記第1処理ユニッ
トは、第1ハウジングモジュール(1)、前記第1ハウジングモジュール(1)の内部に
取り付けられ
て難分解性有機廃水を前処理するための第1処理モジュール(2)を含む
、
難分解性有機廃水から有機物を回収してエネルギーを同期に貯蔵するための装置であって
、
前記第2処理ユニットは、第2ハウジングモジュール(3)、前記第2ハウジングモジュ
ール(3)の内部に取り付けられて前処理され
た難分解性有機廃水を酸化処理するための
第2処理モジュール(4)、前記第2ハウジングモジュール(3)の内部に取り付けられ
て前処理され
た難分解性有機廃水を電気凝集処理するための第3処理モジュール(5)、
および前記第2ハウジングモジュール(3)の内部に取り付けられてエネルギーを貯蔵す
るためのエネルギーモジュール(6)を含み、
前記第2ハウジングモジュール(3)は、内部に空洞が設けられた装置ハウジング(31
)、前記装置ハウジング(31)の内部に取り付けられて前記空洞を上から下へ順次処理
チャンバー(301)、エネルギー貯蔵チャンバー(302)に分割するための分割ベー
ス(32)、前記分割ベース(32)に取り付けられて前記処理チャンバー(301)を
外側から内側へ酸化チャンバー(303)、電解チャンバー(304)に分割するための
分割チャンバー被覆コンポーネント(33)を含み、
前記装置ハウジング(31)は、ハウジング本体(311)、および前記ハウジング本体
(311)の外側に嵌設されて前記ハウジング本体(311)とともに装置チャンバーを
形成するためのハウジング保護カバー(312)を含み、
前記分割ベース(32)は、上表面にスラグ排出溝(3201)、載置溝(3202)が
設けられ前記ハウジング本体(311)の内部に取り付けられた環状座(321)、およ
び前記環状座(321)に設けられ端口が前記載置溝(3202)を貫通する円錐座(3
22)を含み、前記載置溝(3202)は環状座(321)の中心軸に位置し、前記スラ
グ排出溝(3201)は環状座(321)の最も外側に位置し、
前記分割チャンバー被覆コンポーネント(33)は、前記円錐座(322)に取り付けら
れた下段環状管(331)、外側壁の下端が前記下段環状管(331)の内側壁の上端に
スライドブロックおよび摺動溝を介して可動に接続された中段環状管(332)、内側壁
の下端が前記中段環状管(332)の外側壁の上端にスライドブロックおよび摺動溝を介
して可動に接続された上段環状管(333)、および前記円錐座(322)に設けられ前
記下段環状管(331)、中段環状管(332)、上段環状管(333)の内側に位置す
る分割管(334)を含み、前記中段環状管(332)の外部側壁に第1攪拌コンポーネ
ント(335)が設けられ、前記上段環状管(333)の上端にシールカバーが設けられ
、前記下段環状管(331)と前記中段環状管(332)の接続部に、前記上段環状管(
333)と中段環状管(332)の接続部にそれぞれ廃水が通過するための流動通路が設
けられ、
前記第2処理モジュール(4)は、前記装置チャンバー内部に取り付けられて前記空洞を
超音波処理するための超音波発生器、および前記装置チャンバー内部に取り付けられて前
記空洞にオゾンを提供するためのオゾン発生器を含み、
前記第3処理モジュール(5)は、前記円錐座(322)に取り付けられて前記分割管(
334)の内部に位置し、
前記エネルギーモジュール(6)は、運動エネルギーモジュール(61)、エネルギー貯
蔵モジュール(62)を含み、前記運動エネルギーモジュール(61)は、駆動モータ、
および前記駆動モータの出力端に接続されて前記ハウジング本体(311)、シールカバ
ー、円錐座(322)を貫通する出力軸(610)を含み、前記中段環状管(332)の
内壁に、接続ロッド(3321)を介して前記出力軸(610)が接続され、前記エネル
ギー貯蔵モジュール(62)は、前記エネルギー貯蔵チャンバー(302)の内部に設け
られた真空室ハウジング(621)、前記真空室ハウジング(621)の内部に設けられ
た磁気コイル(622)、前記真空室ハウジング(621)の内部に設けられて前記磁気
コイル(622)の内部を貫通する磁気軸受(623)、および前記磁気軸受(623)
に設けられたフライホイールコンポーネント(624)を含み、前記磁気軸受(623)
はボールベアリングを介して前記出力軸(610)に接続され、前記フライホイールコン
ポーネント(624)は、モータロータ、および前記モータロータに設けられたフライホ
イール本体を含む、ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記第1ハウジングモジュール(1)は、処理ハウジング本体(11)、および前記処理
ハウジング本体(11)の内部に取り付けられて表面に貫通穴(120)が設けられた分
割板(12)を含み、
前記第1処理モジュール(2)は、前記処理ハウジング本体(11)の内部に設けられ
て
難分解性有機廃水を濾過前処理するためのスクリーンコンポーネント(21)、および処
理ハウジング本体(11)の内部に設けられて濾過前処理され
た難分解性有機廃水を吸着
処理するための吸着コンポーネント(22)を含み、
前記スクリーンコンポーネント(21)は、前記分割板(12)の下端に取り付けられて
前記貫通穴(120)に接続された案内管(211)、前記案内管(211)の外側壁に
周方向に均一に取り付けられた複数の取付スタブ(212)、前記取付スタブ(212)
に取り付けられたスクリーン(213)、および前記案内管(211)の外側壁に取り付
けられて前記案内管(211)と連通する濾過溝コンポーネント(214)を含み、
前記吸着コンポーネント(22)は、前記処理ハウジング本体(11)の内部に取り付け
られて前記分割板(12)の上方に位置する載置メッシュ溝(221)、および前記載置
メッシュ溝(221)の内部に載置された吸着材を含む、ことを特徴とする請求項1に記
載の装置。
【請求項3】
前記処理ハウジング本体(11)の内部に、固体廃棄材料の排出を補助するための廃棄材
料収集ホッパー(23)が設けられ、前記スクリーン(213)は、隣接する2つの前記
取付スタブ(212)に取り付けられた円弧状綱(2131)、および前記取付スタブ(
212)の下端に取り付けられた円形綱(2132)を含む、ことを特徴とする請求項2
に記載の装置。
【請求項4】
前記第3処理モジュール(5)は複数設けられ、複数の前記第3処理モジュール(5)は
、前記円錐座(322)に周方向に均一に設けられ前記分割管(334)の内部に位置す
る、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
各前記第3処理モジュール(5)は、側壁に貫通溝(510)が設けられた電解チャンバ
ーハウジング(51)、前記電解チャンバーハウジング(51)の中心軸に可動に設けら
れた伝達軸(52)、前記電解チャンバーハウジング(51)の内部に設けられて陽極コ
ンポーネントを取り付けるための第1取付ラック(53)、前記伝達軸(52)に設けら
れて前記第1取付ラック(53)の内部に位置して陰極コンポーネントを取り付けるため
の第2取付ラック(54)、前記電解チャンバーハウジング(51)の内部に設けられて
前記第2取付ラック(54)の下方に位置するエアフロートコンポーネント(55)をそ
れぞれ含み、前記伝達軸(52)の下端が前記電解チャンバーハウジング(51)を貫通
して前記出力軸(610)に伝達ギアボックスを介して接続され、
前記第1取付ラック(53)の断面は環状構造であり、前記陽極コンポーネントは、周方
向に間隔を空けて前記第1取付ラック(53)の内側壁に均一に設けられた複数の陽極板
を含み、前記陰極コンポーネントは、周方向に間隔を空けて前記第2取付ラック(54)
に均一に設けられた複数の陰極板を含み、
前記エアフロートコンポーネント(55)は、前記電解チャンバーハウジング(51)の
内部に設けられて前記電解チャンバーハウジング(51)の内部を上から下へ反応室(5
01)、取付室(502)に分割するためのエアフロートディスクセット(551)、お
よび前記エアフロートディスクセット(551)にガス源を提供して前記取付室(502
)の内部に取り付けられたエアリリース(552)を含み、前記エアフロートディスクセ
ット(551)は、前記電解チャンバーハウジング(51)の内壁に取り付けられた分割
板(5511)、および前記分割板(5511)に設けられて漏斗状構造を有する案内溝
(5512)を含み、前記案内溝(5512)はエアリリース(552)に接続される、
ことを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記伝達軸(52)の上端は前記電解チャンバーハウジング(51)を貫通し、伝達軸(
52)の上端に第2攪拌コンポーネント(56)が設けられ、前記第2攪拌コンポーネン
ト(56)は、前記伝達軸(52)に取り付けられた取付軸受(561)、前記取付軸受
(561)に取り付けられた攪拌フレーム(562)、および前記攪拌フレーム(562
)に取り付けられた攪拌パドル(563)を含む、ことを特徴とする請求項5に記載の装
置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚水処理の技術分野に関し、具体的には、高塩分の難分解性有機廃水から有機
物を回収してエネルギーを同期に貯蔵するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、高塩分の難分解性有機廃水の処理は、国際的に認められた処理課題となっている。
「高濃度」とは、有機廃水の濃度が高く、一般的に3000mg/L以上、数万~十数万
mg/L以上の濃度に達し、「難分解性」とは、生物化学性が低く、生分解が困難である
ことを意味する。したがって、「高濃度」、「難分解性」という特性から、このような有
機廃水は、従来の通常有機廃水処理方法では処理できない。難分解性の有機汚染源は急性
毒性であるため、水中に長期間存在すると環境や人間の健康い極めて有害である。そこで
、高塩分の難分解性有機廃水を効果的に処理することが、緊急に解決すべき従来の技術課
題となっている。
廃水処理は、生物学的、化学的、生化学的、および複合プロセスの原理に基づく必要があ
るため、多くの有効なプロセスが実験研究段階にとどまり、実際に適用されているものが
ごくわずかである。従来の装置では、高塩分の難分解性有機廃水を処理するときに、その
エネルギー消費が大きく、実用化の可能性が低いため、廃水処理の発展を著しく阻害する
。
【発明の概要】
【0003】
上記の問題を解決するために、本発明は、高塩分の難分解性有機廃水から有機物を回収し
てエネルギーを同期に貯蔵するための装置を提供する。
本発明の設計解決策は、高塩分の難分解性有機廃水から有機物を回収してエネルギーを同
期に貯蔵するための装置であり、順次接続された第1処理ユニット、第2処理ユニットを
含み、前記第1処理ユニットは、第1ハウジングモジュール(1)、前記第1ハウジング
モジュール(1)の内部に取り付けられて高塩分の難分解性有機廃水を前処理するための
第1処理モジュール(2)を含み、
前記第2処理ユニットは、第2ハウジングモジュール(3)、前記第2ハウジングモジュ
ール(3)の内部に取り付けられて前処理された高塩分の難分解性有機廃水を酸化処理す
るための第2処理モジュール(4)、前記第2ハウジングモジュール(3)の内部に取り
付けられて前処理された高塩分の難分解性有機廃水を電気凝集処理するための第3処理モ
ジュール(5)、および前記第2ハウジングモジュール(3)の内部に取り付けられてエ
ネルギーを貯蔵するためのエネルギーモジュール(6)を含み、
前記第2ハウジングモジュール(3)は、内部に空洞が設けられた装置ハウジング(31
)、前記装置ハウジング(31)の内部に取り付けられて前記空洞を上から下へ順次処理
チャンバー(301)、エネルギー貯蔵チャンバー(302)に分割するための分割ベー
ス(32)、前記分割ベース(32)に取り付けられて前記処理チャンバー(301)を
外側から内側へ酸化チャンバー(303)、電解チャンバー(304)に分割するための
分割チャンバー被覆コンポーネント(33)を含み、
前記装置ハウジング(31)は、ハウジング本体(311)、および前記ハウジング本体
(311)の外側に嵌設されて前記ハウジング本体(311)とともに装置チャンバーを
形成するためのハウジング保護カバー(312)を含み、
前記分割ベース(32)は、上表面にスラグ排出溝(3201)、載置溝(3202)が
設けられ前記ハウジング本体(311)の内部に取り付けられた環状座(321)、およ
び前記環状座(321)に設けられ端口が前記載置溝(3202)を貫通する円錐座(3
22)を含み、前記載置溝(3202)は環状座(321)の中心軸に位置し、前記スラ
グ排出溝(3201)は環状座(321)の最も外側に位置し、前記スラグ排出溝によっ
て高塩分の難分解性有機廃水を処理して得られた固体有機物を排出して回収し、
前記分割チャンバー被覆コンポーネント(33)は、前記円錐座(322)に取り付けら
れた下段環状管(331)、外側壁の下端が前記下段環状管(331)の内側壁の上端に
スライドブロックおよび摺動溝を介して可動に接続された中段環状管(332)、内側壁
の下端が前記中段環状管(332)の外側壁の上端にスライドブロックおよび摺動溝を介
して可動に接続された上段環状管(333)、および前記円錐座(322)に設けられ前
記下段環状管(331)、中段環状管(332)、上段環状管(333)の内側に位置す
る分割管(334)を含み、前記中段環状管(332)の外部側壁に第1攪拌コンポーネ
ント(335)が設けられ、前記上段環状管(333)の上端にシールカバーが設けられ
、前記下段環状管(331)と前記中段環状管(332)の接続部に、前記上段環状管(
333)と中段環状管(332)の接続部にそれぞれ廃水が通過するための流動通路が設
けられ、
前記第2処理モジュール(4)は、前記装置チャンバー内部に取り付けられて前記空洞を
超音波処理するための超音波発生器、および前記装置チャンバー内部に取り付けられて前
記空洞にオゾンを提供するためのオゾン発生器を含み、
前記第3処理モジュール(5)は、前記円錐座(322)に取り付けられて前記分割管(
334)の内部に位置し、
前記エネルギーモジュール(6)は、運動エネルギーモジュール(61)、エネルギー貯
蔵モジュール(62)を含み、前記運動エネルギーモジュール(61)は、駆動モータ、
および前記駆動モータの出力端に接続されて前記ハウジング本体(311)、シールカバ
ー、円錐座(322)を貫通する出力軸(610)を含み、前記中段環状管(332)の
内壁に、接続ロッド(3321)を介して前記出力軸(610)が接続され、前記エネル
ギー貯蔵モジュール(62)は、前記エネルギー貯蔵チャンバー(302)の内部に設け
られた真空室ハウジング(621)、前記真空室ハウジング(621)の内部に設けられ
た磁気コイル(622)、前記真空室ハウジング(621)の内部に設けられて前記磁気
コイル(622)の内部を貫通する磁気軸受(623)、および前記磁気軸受(623)
に設けられたフライホイールコンポーネント(624)を含み、前記磁気軸受(623)
はボールベアリングを介して前記出力軸(610)に接続され、前記フライホイールコン
ポーネント(624)は、モータロータ、および前記モータロータに設けられたフライホ
イール本体を含む。
本発明の一側面として、前記第1ハウジングモジュール(1)は、処理ハウジング本体(
11)、および前記処理ハウジング本体(11)の内部に取り付けられて表面に貫通穴(
120)が設けられた分割板(12)を含み、
前記第1処理モジュール(2)は、前記処理ハウジング本体(11)の内部に設けられて
高塩分の難分解性有機廃水を濾過前処理するためのスクリーンコンポーネント(21)、
および処理ハウジング本体(11)の内部に設けられて濾過前処理された高塩分の難分解
性有機廃水を吸着処理するための吸着コンポーネント(22)を含み、
前記スクリーンコンポーネント(21)は、前記分割板(12)の下端に取り付けられて
前記貫通穴(120)に接続された案内管(211)、前記案内管(211)の外側壁に
周方向に均一に取り付けられた複数の取付スタブ(212)、前記取付スタブ(212)
に取り付けられたスクリーン(213)、および前記案内管(211)の外側壁に取り付
けられて前記案内管(211)と連通する濾過溝コンポーネント(214)を含み、
前記吸着コンポーネント(22)は、前記処理ハウジング本体(11)の内部に取り付け
られて前記分割板(12)の上方に位置する載置メッシュ溝(221)、および前記載置
メッシュ溝(221)の内部に載置された吸着材を含み、その中で、吸着材は、吸着活性
炭、吸着ゼオライトなどの市販されている吸着材であり得、スクリーンコンポーネントに
よって前処理として高塩分の難分解性有機廃水を予備粗濾過することで、大きな粒子サイ
ズの物質が装置に侵入して装置内部を干渉することを効果的に防止し、吸着コンポーネン
トの特別な構造により、高塩分の難分解性有機廃水をより細く濾過処理する同時に、さら
に吸着処理を行うこともできる。
本発明の一側面として、前記処理ハウジング本体(11)の内部に、固体廃棄材料の排出
を補助するための廃棄材料収集ホッパー(23)が設けられ、前記スクリーン(213)
は、隣接する2つの前記取付スタブ(212)に取り付けられた円弧状綱(2131)、
および前記取付スタブ(212)の下端に取り付けられた円形綱(2132)を含み、特
別なスクリーン構造により、案内管、濾過溝コンポーネントを包み込み、粗濾過処理を効
果的に行い、その組立式構造特性により、メンテナンスが容易になる。
本発明の一側面として、前記第3処理モジュール(5)は複数設けられ、複数の前記第3
処理モジュール(5)は、前記円錐座(322)に周方向に均一に設けられ前記分割管(
334)の内部に位置する。
本発明の一側面として、各前記第3処理モジュール(5)は、側壁に貫通溝(510)が
設けられた電解チャンバーハウジング(51)、前記電解チャンバーハウジング(51)
の中心軸に可動に設けられた伝達軸(52)、前記電解チャンバーハウジング(51)の
内部に設けられて陽極コンポーネントを取り付けるための第1取付ラック(53)、前記
伝達軸(52)に設けられて前記第1取付ラック(53)の内部に位置して陰極コンポー
ネントを取り付けるための第2取付ラック(54)、前記電解チャンバーハウジング(5
1)の内部に設けられて前記第2取付ラック(54)の下方に位置するエアフロートコン
ポーネント(55)をそれぞれ含み、前記伝達軸(52)の下端が前記電解チャンバーハ
ウジング(51)を貫通して前記出力軸(610)に伝達ギアボックスを介して接続され
、出力軸が伝達ギアボックスによって伝達軸を回転させ、さらに第1取付ラック、第2取
付ラックの相対的な位置を変化させ、陰極コンポーネントと陽極コンポーネントの相対的
な位置を変更し、電解処理により助長し、その回転により、攪拌作用も果たし、電解処理
を効果的に促進することができ、
前記第1取付ラック(53)の断面は環状構造であり、前記陽極コンポーネントは、周方
向に間隔を空けて前記第1取付ラック(53)の内側壁に均一に設けられた複数の陽極板
を含み、前記陰極コンポーネントは、周方向に間隔を空けて前記第2取付ラック(54)
に均一に設けられた複数の陰極板を含み、複数の陽極板、複数の陰極板の特別な取付方法
により、陽極板、陰極板間の位置が常に相対的に変化し、さらに電解処理を効果的に促進
し、
前記エアフロートコンポーネント(55)は、前記電解チャンバーハウジング(51)の
内部に設けられて前記電解チャンバーハウジング(51)の内部を上から下へ反応室(5
01)、取付室(502)に分割するためのエアフロートディスクセット(551)、お
よび前記エアフロートディスクセット(551)にガス源を提供して前記取付室(502
)の内部に取り付けられたエアリリース(552)を含み、前記エアフロートディスクセ
ット(551)は、前記電解チャンバーハウジング(51)の内壁に取り付けられた分割
板(5511)、および前記分割板(5511)に設けられて漏斗状構造を有する案内溝
(5512)を含み、前記案内溝(5512)はエアリリース(552)に接続され、エ
アフロートコンポーネントにより、電解で発生したフロックレスが水流とともに電解チャ
ンバーからスラグ排出溝に移送されて蓄積され、その後排出される。
前記伝達軸(52)の上端は前記電解チャンバーハウジング(51)を貫通し、伝達軸(
52)の上端に第2攪拌コンポーネント(56)が設けられ、前記第2攪拌コンポーネン
ト(56)は、前記伝達軸(52)に取り付けられた取付軸受(561)、前記取付軸受
(561)に取り付けられた攪拌フレーム(562)、および前記攪拌フレーム(562
)に取り付けられた攪拌パドル(563)を含み、第2攪拌コンポーネントにより、電解
チャンバー内部の廃水の流通性を効果的に促進することができる。
【0004】
[発明の効果]
従来技術と比較すると、本発明は以下の有益な効果を有する。本発明は、構造全体が合理
的に設計され、多段処理により高塩分の難分解性有機廃水を処理して有機物を回収し、良
好な処理効果、安定な排水品質という利点を有し、本発明は、処理装置とエネルギー貯蔵
装置を組み合わせ、実際使用中、処理エネルギー消費が低いという利点を有し、環境保護
性能がより良く、また、本発明は、前処理、超音波酸化処理、電気凝集処理を使用して、
衝撃荷重に強く、幅広い普及に適している。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図2】本発明の第1処理ユニットの構造概略図である。
【
図3】本発明のスクリーンコンポーネントの分解図である。
【
図4】本発明の実施例1の第2処理ユニットの構造概略図である。
【
図5】本発明の実施例1の分割チャンバー被覆コンポーネントの内部構造の概略図である。
【
図6】本発明の実施例1の第3処理モジュールの構造概略図である。
【
図7】本発明の実施例2の分割チャンバー被覆コンポーネントの内部構造の概略図である。
【
図8】本発明の実施例2の第3処理モジュールの構造概略図である。
【
図9】本発明の実施例2の第2攪拌コンポーネントの構造概略図である。
【0006】
[符号の説明]
1 第1ハウジングモジュール
11 処理ハウジング本体
12 分割板
120 貫通穴
2 第1処理モジュール
21 スクリーンコンポーネント
211 案内管
212 取付スタブ
213 スクリーン
2131 円弧状綱
2132 円形綱
214 濾過溝コンポーネント
22 吸着コンポーネント
221 載置メッシュ溝
23 廃棄材料収集ホッパー
3 第2ハウジングモジュール
301 処理チャンバー
302 エネルギー貯蔵チャンバー
303 酸化チャンバー
304 電解チャンバー
31 装置ハウジング
311 ハウジング本体
312 ハウジング保護カバー
32 分割ベース
3201 スラグ排出溝
3202 載置溝
321 環状座
322 円錐座
33 分割チャンバー被覆コンポーネント
331 下段環状管
332 中段環状管
333 上段環状管
334 分割管
335 第1攪拌コンポーネント
4 第2処理モジュール
5 第3処理モジュール
501 反応室
502 取付室
51 電解チャンバーハウジング
510 貫通溝
52 伝達軸
53 第1取付ラック
54 第2取付ラック
55 エアフロートコンポーネント
551 エアフロートディスクセット
5511 分割板
5512 案内溝
552 エアリリース
56 第2攪拌コンポーネント
561 取付軸受
562 攪拌フレーム
563 攪拌パドル
6 エネルギーモジュール
61 運動エネルギーモジュール
610 出力軸
62 エネルギー貯蔵モジュール
621 真空室ハウジング
622 磁気コイル
623 磁気軸受
624 フライホイールコンポーネント
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施例1
図1に示す高塩分の難分解性有機廃水から有機物を回収してエネルギーを同期に貯蔵する
ための装置は、順次接続された第1処理ユニット、第2処理ユニットを含み、前記第1処
理ユニットは、第1ハウジングモジュール(1)、前記第1ハウジングモジュール(1)
の内部に取り付けられて高塩分の難分解性有機廃水を前処理するための第1処理モジュー
ル(2)を含み、第1ハウジングモジュール1は、処理ハウジング本体11、および処理
ハウジング本体11の内部に取り付けられて表面に貫通穴120が設けられた分割板12
を含み、
前記第1処理モジュール(2)は、前記処理ハウジング本体(11)の内部に設けられて
高塩分の難分解性有機廃水を濾過前処理するためのスクリーンコンポーネント(21)、
および処理ハウジング本体(11)の内部に設けられて濾過前処理された高塩分の難分解
性有機廃水を吸着処理するための吸着コンポーネント(22)を含み、
スクリーンコンポーネント(21)は、前記分割板(12)の下端に取り付けられて前記
貫通穴(120)に接続された案内管(211)、前記案内管(211)の外側壁に周方
向に均一に取り付けられた複数の取付スタブ(212)、前記取付スタブ(212)に取
り付けられたスクリーン(213)、および前記案内管(211)の外側壁に取り付けら
れて前記案内管(211)と連通する濾過溝コンポーネント(214)を含み、
吸着コンポーネント(22)は、前記処理ハウジング本体(11)の内部に取り付けられ
て前記分割板(12)の上方に位置する載置メッシュ溝(221)、および前記載置メッ
シュ溝(221)の内部に載置された吸着材を含み、処理ハウジング本体(11)の内部
に、固体廃棄材料の排出を補助するための廃棄材料収集ホッパー(23)が設けられ、前
記スクリーン(213)は、隣接する2つの前記取付スタブ(212)に取り付けられた
円弧状綱(2131)、および前記取付スタブ(212)の下端に取り付けられた円形綱
(2132)を含み、その中で、吸着材は具体的に市販されている活性炭を採用し、載置
メッシュ溝221は窪み構造であり、窪みにポンプコンポーネントが載置され、ポンプコ
ンポーネントの出力端が第2処理ユニットに接続され、
第2処理ユニットは、第2ハウジングモジュール(3)、前記第2ハウジングモジュール
(3)の内部に取り付けられて前処理された高塩分の難分解性有機廃水を酸化処理するた
めの第2処理モジュール(4)、前記第2ハウジングモジュール(3)の内部に取り付け
られて前処理された高塩分の難分解性有機廃水を電気凝集処理するための第3処理モジュ
ール(5)、および前記第2ハウジングモジュール(3)の内部に取り付けられてエネル
ギーを貯蔵するためのエネルギーモジュール(6)を含み、
第2ハウジングモジュール(3)は、内部に空洞が設けられた装置ハウジング(31)、
前記装置ハウジング(31)の内部に取り付けられて前記空洞を上から下へ順次処理チャ
ンバー(301)、エネルギー貯蔵チャンバー(302)に分割するための分割ベース(
32)、前記分割ベース(32)に取り付けられて前記処理チャンバー(301)を外側
から内側へ酸化チャンバー(303)、電解チャンバー(304)に分割するための分割
チャンバー被覆コンポーネント(33)を含み、
装置ハウジング(31)は、ハウジング本体(311)、および前記ハウジング本体(3
11)の外側に嵌設されて前記ハウジング本体(311)とともに装置チャンバーを形成
するためのハウジング保護カバー(312)を含み、
分割ベース(32)は、上表面にスラグ排出溝(3201)、載置溝(3202)が設け
られ前記ハウジング本体(311)の内部に取り付けられた環状座(321)、および前
記環状座(321)に設けられ端口が前記載置溝(3202)を貫通する円錐座(322
)を含み、前記載置溝(3202)は環状座(321)の中心軸に位置し、前記スラグ排
出溝(3201)は環状座(321)の最も外側に位置し、前記スラグ排出溝によって高
塩分の難分解性有機廃水を処理して得られた固体有機物を排出して回収し、
分割チャンバー被覆コンポーネント(33)は、前記円錐座(322)に取り付けられた
下段環状管(331)、外側壁の下端が前記下段環状管(331)の内側壁の上端にスラ
イドブロックおよび摺動溝を介して可動に接続された中段環状管(332)、内側壁の下
端が前記中段環状管(332)の外側壁の上端にスライドブロックおよび摺動溝を介して
可動に接続された上段環状管(333)、および前記円錐座(322)に設けられ前記下
段環状管(331)、中段環状管(332)、上段環状管(333)の内側に位置する分
割管(334)を含み、前記中段環状管(332)の外部側壁に第1攪拌コンポーネント
(335)が設けられ、前記上段環状管(333)の上端にシールカバーが設けられ、前
記下段環状管(331)と前記中段環状管(332)の接続部に、前記上段環状管(33
3)と中段環状管(332)の接続部にそれぞれ廃水が通過するための流動通路が設けら
れ、
第2処理モジュール(4)は、前記装置チャンバー内部に取り付けられて前記空洞を超音
波処理するための超音波発生器、および前記装置チャンバー内部に取り付けられて前記空
洞にオゾンを提供するためのオゾン発生器を含み、
第3処理モジュール(5)は、前記円錐座(322)に取り付けられて前記分割管(33
4)の内部に位置し、第3処理モジュール5が6つ設けられ、6つの第3処理モジュール
5は周方向に円錐座322に均一に設けられて分割管334の内部に位置し、各前記第3
処理モジュール(5)は、側壁に貫通溝(510)が設けられた電解チャンバーハウジン
グ(51)、前記電解チャンバーハウジング(51)の中心軸に可動に設けられた伝達軸
(52)、前記電解チャンバーハウジング(51)の内部に設けられて陽極コンポーネン
トを取り付けるための第1取付ラック(53)、前記伝達軸(52)に設けられて前記第
1取付ラック(53)の内部に位置して陰極コンポーネントを取り付けるための第2取付
ラック(54)、前記電解チャンバーハウジング(51)の内部に設けられて前記第2取
付ラック(54)の下方に位置するエアフロートコンポーネント(55)をそれぞれ含み
、伝達軸(52)の下端が前記電解チャンバーハウジング(51)を貫通して前記出力軸
(610)に伝達ギアボックスを介して接続され、第1取付ラック(53)の断面は環状
構造であり、前記陽極コンポーネントは、周方向に間隔を空けて前記第1取付ラック(5
3)の内側壁に均一に設けられた複数の陽極板を含み、前記陰極コンポーネントは、周方
向に間隔を空けて前記第2取付ラック(54)に均一に設けられた複数の陰極板を含み、
その中で、陽極板の材質は鉄であり、陰極板の材質は銅であり、
エアフロートコンポーネント(55)は、前記電解チャンバーハウジング(51)の内部
に設けられて前記電解チャンバーハウジング(51)の内部を上から下へ反応室(501
)、取付室(502)に分割するためのエアフロートディスクセット(551)、および
前記エアフロートディスクセット(551)にガス源を提供して前記取付室(502)の
内部に取り付けられたエアリリース(552)を含み、前記エアフロートディスクセット
(551)は、前記電解チャンバーハウジング(51)の内壁に取り付けられた分割板(
5511)、および前記分割板(5511)に設けられて漏斗状構造を有する案内溝(5
512)を含み、前記案内溝(5512)はエアリリース(552)に接続され、
エネルギーモジュール(6)は、運動エネルギーモジュール(61)、エネルギー貯蔵モ
ジュール(62)を含み、前記運動エネルギーモジュール(61)は、駆動モータ、およ
び前記駆動モータの出力端に接続されて前記ハウジング本体(311)、シールカバー、
円錐座(322)を貫通する出力軸(610)を含み、中段環状管(332)の内壁に、
接続ロッド(3321)を介して前記出力軸(610)が接続され、前記エネルギー貯蔵
モジュール(62)は、前記エネルギー貯蔵チャンバー(302)の内部に設けられた真
空室ハウジング(621)、前記真空室ハウジング(621)の内部に設けられた磁気コ
イル(622)、前記真空室ハウジング(621)の内部に設けられて前記磁気コイル(
622)の内部を貫通する磁気軸受(623)、および前記磁気軸受(623)に設けら
れたフライホイールコンポーネント(624)を含み、磁気軸受(623)はボールベア
リングを介して前記出力軸(610)に接続され、前記フライホイールコンポーネント(
624)は、モータロータ、および前記モータロータに設けられたフライホイール本体を
含む。
なお、本実施例は、PLC制御システムおよび電源システムをさらに含み、これらの特徴
はすべて本分野の通常の技術的特徴であるため、ここで繰り返さなく、本実施例で言及さ
れた超音波発生器、オゾン発生器、エアリリース552はいずれも市販品である。
【0008】
実施例2
実施例1と異なり、伝達軸(52)の上端は前記電解チャンバーハウジング(51)を貫
通し、伝達軸(52)の上端に第2攪拌コンポーネント(56)が設けられ、前記第2攪
拌コンポーネント(56)は、前記伝達軸(52)に取り付けられた取付軸受(561)
、前記取付軸受(561)に取り付けられた攪拌フレーム(562)、および前記攪拌フ
レーム(562)に取り付けられた攪拌パドル(563)を含む。
【0009】
適用例
実施例1の装置を使用してある化学工業団地の廃水を処理し、処理データの収集時間は6
0日であり、廃水汚染物は主に有機化合物と高分子化合物であり、元の廃水の水質は表1
に示される。
表1:元の廃水の水質成分
【0010】
【0011】
処理された廃水の水質は表2に示される。
表2:処理された廃水の水質成分
【0012】
【0013】
その中で、廃水1トン当たりの電気酸化の電気消費量が0.3~0.35KWh/m3で
あり、
結論:表2と表1のデータを比較して分かるように、本発明の装置は、高塩分の難分解性
有機廃水を効果的に処理することができ、かつ得られた固体有機物を回収することもでき
、良い処理効果、安定な排水品質という利点を有し、本装置の廃水処理に必要なエネルギ
ー消費が低く、環境保護性能が優れている。
【要約】 (修正有)
【課題】使用時の処理エネルギー消費が低く、環境保護性能がより良い、高塩分の難分解性有機廃水の処理装置とエネルギー貯蔵装置を組み合わせた装置を提供する。
【解決手段】順次接続された第1処理ユニット、第2処理ユニットを含み、前記第2処理ユニットは、第2ハウジングモジュール3、第2ハウジングモジュール内部にそれぞれ取り付けられて酸化処理するための第2処理モジュール4、電気凝集処理のための第3処理モジュール5、エネルギーを貯蔵するためのエネルギーモジュール6を含む、装置である。
【選択図】
図4