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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-30
(45)【発行日】2023-07-10
(54)【発明の名称】家庭用クレーンゲーム機
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/30 20060101AFI20230703BHJP
【FI】
A63F9/30 502C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019025541
(22)【出願日】2019-02-15
(65)【公開番号】P2020130436
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2022-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】399012929
【氏名又は名称】株式会社アガツマ
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】弁理士法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】戸所 信二
【審査官】右田 純生
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-102810(JP,A)
【文献】特開平11-226241(JP,A)
【文献】特開2004-073574(JP,A)
【文献】実開平01-062886(JP,U)
【文献】自宅でお菓子のクレーンゲームが楽しめる「たいけつ!キャンディキャッチャークレーン」発売決定,GAME Watch [online],2017年07月19日,[2022年12月23日検索], インターネット<URL:https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1071227.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/00- 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能な円板状の載置板と、
前記載置板の周辺に立設された2本の伸縮可能な垂直軸と、
2本の前記垂直軸の各上端から各々水平に延設される水平軸と、
各前記水平軸の先端に各々設けられるキャッチャーと、
垂直とされた中心線を中心として各前記垂直軸を各々水平方向に回転させる回動レバーと、
を有し、
各前記キャッチャーは、各々前記垂直軸の回動により前記載置板の上方から前記載置板の外方上方までの範囲で移動可能とされ、
各前記キャッチャーが前記載置板の外方上方に移動したときに、各前記キャッチャーの側面に各々接触可能とされて各前記キャッチャーの回動を各々制限する解除板を更に有し、
前記キャッチャーは、前記解除板にキャッチャー基部の側面が接触押圧されたときにアームを開き、前記垂直軸を短く縮小させて前記キャッチャーを降下させ、前記キャッチャー基部の下面が景品体に接触押圧されたときに前記アームを閉じることを特徴とする家庭用クレーンゲーム機。
【請求項2】
2本の前記垂直軸は、前記載置板の回転中心を中心として対称の位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載した家庭用クレーンゲーム機。
【請求項3】
2本の前記垂直軸及び各前記垂直軸の上端に各々設けられた前記水平軸、更に各前記水平軸の先端に各々設けられた前記キャッチャーは、各々同一大きさ同一構造とされ、2つの前記キャッチャーは同一の作動を行うことが可能とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した家庭用クレーンゲーム機。
【請求項4】
前記載置板は上面に窪んだ環状溝を有し、前記環状溝は前記載置板の回転中心を中心とした円形とされていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載した家庭用クレーンゲーム機。
【請求項5】
前記載置板は、前記載置板を囲む載置台の周壁よりも低するようにしてクレーンゲーム機の基台部に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載した家庭用クレーンゲーム機。
【請求項6】
各前記解除板の下方に前記景品体を各々受ける落下部を有し、各前記落下部に各々連続して前記落下部に落下した前記景品体を各々収納する収容部を更に有することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載した家庭用クレーンゲーム機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、幼児等が2人で遊ぶ家庭用クレーンゲーム機に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、ゲームセンター等では、種々のクレーンゲーム装置が設置されて使用されている。これらの大型クレーンゲーム装置の動きを模した家庭用のクレーンゲーム装置も種々提案され、提供されている。
【0003】
これらのクレーンゲーム装置は装置内の景品収納空間等に複数個の景品を収納し、景品収納空間等の上方に配置するキャッチャーをモータにより景品収納空間内で前後左右に移動可能としている。そして、前後及び左右にキャッチャーをボタン又はレバーの操作により移動させた後、キャッチャーを景品高さまで降下させると自動的にキャッチャーを閉じてキャッチャーを引き上げる。更に、自動的にキャッチャーを所定の基準位置に戻してキャッチャーを開くことにより、一旦動作を終了するものである。
【0004】
従って、キャッチャーが景品位置に降下してキャッチャーを閉じたとき、キャッチャーのアームで景品を掴んだ場合、景品を基準位置に落下させて景品を獲得することができるものである。
【0005】
また、家庭用のクレーンゲーム装置では、モータによる駆動を行うことなく、幼児等がクレーンゲーム装置を真似て遊ぶシンプルな玩具とされたクレーンゲーム機も提供されている。
【0006】
このシンプルなクレーンゲーム機としては、例えば本件出願人が既に提案し提供している特許文献1に示す如きクレーンゲーム機がある。
【0007】
このクレーンゲーム機は、短円筒状の基台部の上面に立設された伸縮可能とされる棒状の垂直軸を有する。更に、垂直軸の上端から水平に延設された水平軸の先端にキャッチャーを備える。そして、基台部の側方から水平に突出するレバーを左右に移動させて垂直軸を水平方向に回転させ、基台部の側方に設けたプッシュボタンを押し下げて垂直軸を縮めることによりキャッチャーを基台部の上面位置まで降下させることができるようにしているものである。
【0008】
また、このキャッチャーは、2本のアームをフレームから突出させるように備え、2本のアームの先端を通常は開いている。そして、基台部に載置された景品にフレームの下面が接触すると2本のアームを閉じるように作動し、閉じた2本のアームにより景品を掴むことができるようにされている。
【0009】
更に、このクレーンゲーム機は、基台部の側方上方に解除壁を有し、2本のアームを閉じた状態でキャッチャーのフレームの側面を解除壁に衝突させると、2本のアームの先端を開く。また、フレームの下面に設けたセンサ部材が景品等により押し上げられるまで2本のアームを開いた状態とするものである。
【0010】
従って、このクレーンゲーム機では、基台部の側方から突出したレバーを左右に移動させ、基台部に載置した景品の上方にキャッチャーを位置させてプッシュボタンを押しこみ、景品の上方に位置させたキャッチャーを降下させて2本のアームを閉じて景品を掴むことができる。そして、レバー操作によってキャッチャーを解除壁に衝突させることにより、2本のアームで掴んでいた景品を落下させて獲得するようにして遊ぶことができるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開2018-102810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前述の様に、クレーンゲーム装置や家庭用のクレーンゲーム機は、景品収納空間に収納された景品又は基台上に載置された景品を、キャッチャーで掴み取ることにより獲得して遊ぶゲーム装置であって、景品を入手する楽しみを遊戯者に与えることのできる機器である。
【0013】
しかし、ゲームセンターに設置されたクレーンゲーム装置は、収納空間に収納された景品が入手意欲を生じさせる景品か否かでゲームの興味が大きく左右され、操作技能を他人と競争して楽しむのではなく、装置に収納された獲得意欲の高い景品の存在によってクレーンゲーム装置で遊ぶか否かが決定されることが多かった。
【0014】
また、家庭用のクレーンゲーム機では、景品を取得することができるか否かの成功又は失敗に一喜一憂しながら遊び、子供の空間認識や手指による操作感覚などの学習を行うことができるも、1人で遊ぶことにより短時間で飽きることがあった。
【0015】
本発明は、このような欠点を排除し、1人で遊ぶことは勿論、2人でゲームを争って長く遊ぶことを楽しむことのできる家庭用のクレーンゲーム機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る家庭用クレーンゲーム機は、回転可能な円板状の載置板と、前記載置板の周辺に立設された2本の伸縮可能な垂直軸と、2本の前記垂直軸の各上端から各々水平に延設される水平軸と、各前記水平軸の先端に各々設けられるキャッチャーと、垂直とされた中心線を中心として各前記垂直軸を各々水平方向に回転させる回動レバーと、を有し、各前記キャッチャーは、各々前記垂直軸の回動により前記載置板の上方から前記載置板の外方上方までの範囲で移動可能とされ、各前記キャッチャーが前記載置板の外方上方に移動したときに、各前記キャッチャーの側面に各々接触可能とされて各前記キャッチャーの回動を各々制限する解除板を更に有し、前記キャッチャーは、前記解除板にキャッチャー基部の側面が接触押圧されたときにアームを開き、前記垂直軸を短く縮小させて前記キャッチャーを降下させ、前記キャッチャー基部の下面が景品体に接触押圧されたときに前記アームを閉じることができる家庭用クレーンゲーム機である。
【0017】
そして、2本の前記垂直軸は、前記載置板の回転中心を中心として対称の位置に設けられることがある。
【0018】
また、2本の前記垂直軸及び各前記垂直軸の上端に各々設けられた前記水平軸、更に各前記水平軸の先端に各々設けられた前記キャッチャーは、各々同一大きさ同一構造とされ、2つの前記キャッチャーは同一の作動を行うことが可能とされることがある。
【0019】
更に、前記載置板は上面に窪んだ環状溝を有し、前記環状溝は前記載置板の回転中心を中心とした円形とされることがある。
【0020】
そして、前記載置板は、前記載置板を囲む載置台の周壁よりも低するようにしてクレーンゲーム機の基台部に設けられることがある。
【0021】
また、各前記解除板の下方に前記景品体を各々受ける落下部を有し、各前記落下部に各々連続して前記落下部に落下した前記景品体を各々収納する収容部を更に有することがある。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る家庭用クレーンゲーム機は、載置板が回転可能とされ、この載置板の周辺に2本の垂直軸を立設しているため、載置板に景品体を載置し、2本の垂直軸に各々設けたキャッチャーを操作して2人でゲームを行うことができる。
【0023】
また、1人でも一方のキャッチャーを操作して載置板の上に載置した景品体をキャッチャーで掴み上げ、キャッチャーを載置板の外方上方に移動させて解除板にキャッチャー基部を押圧して景品体を落下させるようにして景品体を取得して遊ぶことができる。
【0024】
そして、2本の垂直軸を載置板の回転中心を中心に対称の位置に設ければ、回転する載置板に載置した景品体を2人で向かい合って獲得し合うことができる。
【0025】
また、2つのキャッチャーは同一の作動を行うことが可能とされていれば、1人で遊ぶときはどちらのキャッチャーを使用する場合でも同じ操作で遊ぶことができ、2人で景品体の獲得競争をする場合は平等公平な条件で競争をすることができる。
【0026】
更に、載置板に載置板の回転中心を中心とする円形の環状溝を設ける場合は、この環状溝に景品体を並べて載置板を回転させることにより、複数個の景品体を全て同一条件としてキャッチャーで掬い上げることができる。
【0027】
そして、載置板を囲む周壁よりも載置板を低くすることにより、回転する載置板に載置した景品体をキャッチャーで掴み損なった場合等に、景品体が載置板から載置板の外方に落下することを防止して掴み損なった景品体を載置板の上に残しておくようにすることができる。
【0028】
また、各解除板の下方に落下部と落下部に連続する収容部とを各々設けることにより、2人で景品体の獲得競争をしたとき、各収容部に収容された景品体の個数を容易に比較することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明に係る家庭用クレーンゲーム機の一実施形態を示す外観斜視図。
図2】本発明に係る家庭用クレーンゲーム機の一実施形態における内部構造を示す斜視図。
図3】本発明に係る家庭用クレーンゲーム機の一実施形態における回転駆動機構を示す斜視図。
図4】本発明に係る家庭用クレーンゲーム機の一実施形態におけるクレーン装置の要部分解斜視図。
図5】本発明に係る家庭用クレーンゲーム機の一実施形態におけるキャッチャーを開いた状態を示す断面正面図。
図6】本発明に係る家庭用クレーンゲーム機の一実施形態におけるキャッチャーを開いた状態を示す断面側面図。
図7】本発明に係る家庭用クレーンゲーム機の一実施形態におけるキャッチャーを閉じた状態を示す断面正面図。
図8】本発明に係る家庭用クレーンゲーム機の一実施形態におけるキャッチャーを閉じた状態を示す断面側面図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明に係る家庭用クレーンゲーム機の一実施形態は、図1に示すように、基台部110の中央に設けた載置台125の載置板131の上に乗せた景品体171をキャッチャー240で掴み上げて基台部110の左右端部に設けた落下部145に落下させ、収容部147に集めるようにして遊ぶクレーンゲーム機100である。
【0031】
そして、キャッチャー240を基台部110の左右に各々1個ずつ備え、2個のキャッチャー240を各々個別に操作する回動レバー151も2個備えることにより、2人で景品体171の獲得競争をして遊ぶことができるようにしているものである。
【0032】
尚、長円形又は長方形とされる基台部110の長軸方向を左右、短軸方向を前後又は正面方向として説明する。
【0033】
即ち、このレーンゲーム機100は、略長円形形状とされる基台部110の中央に基台部110の上面121から上方に突出する円形の載置台125を有する。載置台125はその上面に載置板131を備え、載置板131の回転中心を中心として左右の対称の位置に各々垂直軸211を設けて2個のクレーン装置を配置しているものである。
【0034】
このクレーン装置は、図2に示すように、回動レバー151の内側端部に立設する作動軸157により、垂直軸211の下端に設けた回動杆218を垂直軸211の中心軸線を回転中心として水平方向に回動させることができるようにしているものである。そして、垂直軸211の上端から水平方向に延設される水平軸231を有し、水平軸231の先端にキャッチャー240を備えるものである。
【0035】
このクレーン装置は、図1及び図2に示したように、長円形又は長方形とされる基台部110における左右の長軸側両端部中央付近に各々1本ずつ垂直軸211を立設し、この2本の垂直軸211の間に載置板131を備える載置台125を形成しているものである。
【0036】
この垂直軸211は、中間高さ位置に直径を大きくした膨出部213を有する円柱状とされる。そして、下端付近を垂直軸211の直径と等しい直径の穴を有するバネ受部材227の穴に貫通させ、膨出部213の略下半を基台部110に形成した円筒状の軸支持筒161に挿入することにより、上下方向に摺動可能に基台部110に設けられるものである。
【0037】
尚、軸支持筒161は上カバー112における基台部110の上面121から突出させる円筒体であり、バネ受部材227は上カバー112における基台部110の上面121内側にビス等によって固定されるものである。
【0038】
更に、膨出部213とバネ受部材227との間には圧縮した弦巻バネを押上げバネ225として有し、垂直軸211は常に上方に付勢されているものである。そして、この垂直軸211の下端には、垂直軸211の直径よりも大きな径とされた固定板217をバネ受部材227の下方に位置させて有し、固定板217は外方に突出する棒状の回動杆218を備えるものである。
【0039】
また、垂直軸211の膨出部213よりも上方には、外側へ略水平に突出する平板状の押下げレバー215を有する。そして、この垂直軸211の上端には、垂直軸211の上端から水平方向に延設される水平軸231を有し、水平軸231の先端下方にキャッチャー240を有するものである。
【0040】
このキャッチャー240は、2本のアーム251を有するキャッチャー基部241が支持部235により水平軸231の先端に固定されるものである。更に、略直方体形状のキャッチャー基部241から突出した2本のアーム251の先端253をキャッチャー基部241の下方に位置させているものである。
【0041】
そして、略直方体形状とされたキャッチャー基部241の内部には、図4及び図5図7に示すように、取付け軸256によりアーム251の取付け部255が回動可能にキャッチャー基部241へ固定される。また、左右のアーム251の後端257を重ねるようにして連結軸259により左右のアーム251の後端257を結合しているものである。
【0042】
尚、左右のアーム251の後端257に設ける連結穴258は、図4に示すように、一方の連結穴258を長穴として連結軸259を貫通させるものであり、長穴としない連結穴258を有するアーム251の後端257には、バネ受座273を設けて開放バネ271の端部を支持するものである。また、連結軸259は、図6図8に示すように、作動体261に両端を固定されて左右のアーム251の後端257を連結するものである。
【0043】
この作動体261は、平板状の本体板263の前端には前立板265を、本体板263の後端には後立板269を有して略コ字状の形状とされるものである。
【0044】
更に、前立板265の上端前面には、前立板265の略全幅に亘って前方に突出する係合突起266を有し、係合突起266の直近下方には係合突起266よりも幅が狭く、係合突起266よりも突出量が大きな解放突出部267を有するものである。
【0045】
また、この作動体261における本体板263の下面には、短円筒形状の当接体281を有し、キャッチャー基部241の下面に設けた開口245からこの当接体281の下面をキャッチャー基部241の下面よりも下方に突出させるものである。
【0046】
そして、このキャッチャー基部241の前方側の側面には、T字形状の窓を設け、この窓の上方部分は前立板265に設けた係合突起266の幅よりも僅かに広い幅の係止穴243とする。また、下方部分は開放突出部267よりも僅かに幅の広い幅としつつ係止穴243の幅よりも狭い突起穴244とする。このようにして、突起穴244の上方に突起穴244よりも幅の広い係止穴243を有するT字形状の窓とするものである。
【0047】
尚、図1及び図2に示した左側のキャッチャー240には、キャッチャー基部241の前方側の側面にT字形状の窓を形成し、図1及び図2に示した右側のキャッチャー240には、キャッチャー基部241の図示されない後方側の側面に係止穴243と突起穴244とによるT字形状の窓を形成している。
【0048】
また、このキャッチャー240は、図6及び図8に示したように、作動体261の後立板269の後方には付勢バネ275をキャッチャー基部241の内部に収納し、作動体261の上方には開放バネ271を収納しているものである。
【0049】
従って、一方のアーム251の後端257に設けたバネ受座273及び連結軸259を介して作動体261は常に開放バネ271により下方に付勢される。また、付勢バネ275により後立板269を前方に押圧されて前立板265前面や前立板265の上端前面に形成した係合突起266の前面を、キャッチャー基部241の側面内側に接触させるように付勢されるものである。
【0050】
このため、図6に示したように、係合突起266がキャッチャー基部241の側面板の内側に位置するように作動体261が後退して係合突起266の先端前面を基部241の側面内側に当接させているとき、開放バネ271により作動体261が押し下げられる。このようにして、開放突出部267が突起穴244の下端に位置しているとき、このキャッチャー240は、図5に示したようにアーム251の先端253を開いた状態とされる。
【0051】
また、当接体281が上方に押し上げられて作動体261が上昇すると、図8に示したように、係合突起266を係止穴243に挿入するように作動体261が前進し、係合突起266の下面を係止穴243の下方上面に係合させて開放バネ271の弾発力に抗して作動体261を上方位置に係止することができる。
【0052】
従って、図7に示したように、アーム251の先端253は相互の間隔を狭くした閉じた状態とされ、閉じた状態を維持するものである。
【0053】
このため、キャッチャー240を景品体171の上方から降下させ、景品体171の上端で当接体281を押し上げると、作動体261が上昇してアーム251を閉じ、景品体171をキャッチャー240で掴んだ状態を維持させることができる。
【0054】
また、開放突出部267をキャッチャー基部241に押し込むようにして作動体261を後退させると、係合突起266と係止穴243との係合が外れ、開放バネ271の弾発力により作動体261が降下してアーム251を開き、掴んでいた景品体171を落下させることができる。
【0055】
そして、この2個のクレーン装置は、各々回動レバー151を備え、垂直軸211を回転させ、水平軸231の中心軸線を中心として水平軸231を水平方向に旋回可能としているものである。
【0056】
この回動レバー151は、図1に示したように、基台部110の周囲壁117から略水平に突出する板状のレバー本体154を有し、レバー本体154の先端につまみ部153を有するものである。
【0057】
このレバー本体154は、図2に示したように、基台部110の内部に配置する円柱状の回動支持軸155から水平に延設されてつまみ部153側の端部を基台部110から突出させているものである。
【0058】
この回動支持軸155は、下カバー111における底板115に設けた突起を回動支持軸155の下端に収納し、基台部110の上カバー112に取付けるバネ受部材227から突出した突出部228の下面に設けた突起を回動支持軸155の上端に収納するものである。
【0059】
従って、回動支持軸155は、垂直方向とされた中心軸を中心として水平方向に回転可能に、底板115と上カバー112に固定したバネ受部材227の突出部228により固定支持されるものである。
【0060】
また、この回動支持軸155は、レバー本体154と逆方向に突出する平板状の内側軸156を有する。更に、内側軸156は、その先端近傍に内側軸156の上面から上方に延設される棒状の作動軸157を有するものである。
【0061】
そして、この作動軸157は、図4に示す取付け部材221により垂直軸211の下端に固定した固定板217から突出する回動杆218の長穴219に挿入されるものである。
【0062】
従って、回動レバー151のつまみ部153を指先でつまみ、つまみ部153を左右に移動させると、作動軸157が回動支持軸155を中心に左右に回動し、作動軸157が垂直軸211の近傍で左右に移動することになる。
【0063】
このため、作動軸157を貫通させた長穴219を有する回動杆218が垂直軸211の中心軸線を中心として水平方向に回動し、垂直軸211ひいては水平軸231の先端を水平方向に回動させることができる。
【0064】
尚、内側軸156の水平方向回動範囲を規制する規制板159を底板115から突出させ、内側軸156ひいてはレバー本体154の先端に設けたつまみ部153を、左又は右方向に所定量以上に移動させることができないようにしている。
【0065】
即ち、一方向にはキャッチャー240が載置板131の上方からはみ出さないようにし、他方向にはキャッチャー240を載置板131の外方上方まで回動させることができるようにしている。
【0066】
また、垂直軸211の上端に水平軸231を設け、水平軸231の先端にキャッチャー240を有し、回動レバー151により垂直軸211を回転させるクレーン装置の2個は、各々同一構造同一機構とされて載置板131の回転中心を中心に相互に対称として基台部110に取付けられるものである。
【0067】
このため、1人でゲームをするときは、左右のクレーン装置の内の何れのクレーン装置を使用しても、同じ操作で同じ作動をさせて遊ぶことができ、2人で競争する場合は、互いに向き合って同一条件で平等公平に争ってゲームを行うことができる。
【0068】
そして、このクレーンゲーム機100は、図1に示したように、2本の水平軸231の間に載置台125を形成しているものである。この載置台125は、円板状の載置板131を上面に有し、円筒形の周壁127により載置板131を囲むようにして基台部110の上面121に形成するものである。
【0069】
また、周壁127は、水平軸231の作動範囲の下方を除く部分において、上端を高くした障壁部129を載置板131の回転中心を中心とする対称形状として前後方向に各々形成しているものである。
【0070】
更に、載置板131は、その上面に僅かに窪んだ環状溝133を有し、この環状溝133は載置板131の中心を中心とした円形環状に形成されるものである。また、載置板131の上面周縁は、外側を高くする傾斜部132を形成している。
【0071】
更に、載置板131は、周壁127の高さよりも僅かに低い高さ位置として載置台125へ回転可能に組み込まれるものである。
【0072】
このように、載置板131の上面に環状溝133を形成することにより、回転する載置板131に乗せる景品体171を環状溝133に並べることができる。そして、この環状溝133は載置板131の中心を中心とした円形環状に形成しているため、景品体171を常に一定の条件でキャッチャー240により掴むことを可能とし、幼児でも容易に景品体171を獲得することができるようにしているものである。
【0073】
また、載置板131の周縁に傾斜部132を形成し、載置板131の上面よりも周壁127の高さを僅かに高くすることにより、キャッチャー240で掴み損なわれた景品体171が載置板131の外部に押し出され、載置台125から落下することを防止している。
【0074】
そして、この載置板131は、図3に示したように、下面に大歯車135を有し、この大歯車135をモータボックス137から突出させた駆動小歯車138と噛合させるものである。このモータボックス137は、下カバー111の底板115に固定されてモータと減速歯車列を内蔵し、モータの回転を減速歯車列で減速して駆動小歯車138を回転させるものである。
【0075】
尚、載置台125の中央には、装飾体165を設けている。更に、キャッチャー240が載置台125から外れた位置の下方における基台部110には、基台部110の上面121よりも低い上面とした落下部145を形成するものである。
【0076】
この落下部145は、キャッチャー240で掴む景品体171を収納可能な大きさの窪みとして基台部110の左右の端部に各々形成しているものである。
【0077】
また、落下部145に落下した景品体171の複数個を収容可能とする収容部147を基台部110の外周に沿って形成しているものである。
【0078】
従って、キャッチャー240で掴んだ景品体171を落下部145に落下させて収容部147に収容し、2か所の収容部147に各々収容した景品体171の個数を容易に比較することができる。
【0079】
そして、キャッチャー240の作動範囲内であって、落下部145の上方にして載置台125から離れた基台部110の端部近傍の位置には、キャッチャー240の回動を制限する解除板141を設けるものである。
【0080】
この解除板141は、垂直軸211が伸びた状態即ちキャッチャー240を上昇させた位置におけるキャッチャー基部241の高さに合わせ、且つ、キャッチャー基部241の係止穴243や突起穴244を有する側面板と解除板141の平面が相互に面接触可能な向きとして固定部143により基台部110の上面121に取付けるものである。
【0081】
従って、このクレーンゲーム機100は、載置板131の環状溝133に並べた景品体171をキャッチャー240で掴み、キャッチャー240を解除板141にぶつけるように回転させ、開放突出部267を解除板141により押し込んでアーム251を開き、掴んだ景品体171を落下部145に落下させ、落下部145に落下した景品体171を各々の収容部147に収容することができる。
【0082】
即ち、電源スイッチをオンとし、モータにより載置板131を回転させた状態で、2人で景品体171の獲得個数を競争するようにして遊ぶことができるものである。
【0083】
また、載置板131に載置して回転する景品体171の上方にキャッチャー240を位置させるように回動レバー151を操作し、キャッチャー240の下方に景品体171が位置したとき、押下げレバー215を押し下げて水平軸231及びキャッチャー240を降下させ、開いたアーム251の間に景品体171を挟むようにキャッチャー240を降下させると、作動体261の下面に設けた当接体281を景品体171に接触させることができる。
【0084】
当接体281の下面が景品体171に接触した状態で更にキャッチャー240を降下させると、当接体281がキャッチャー基部241の内部へ押し上げられ、係合突起266を係止穴243から外してアーム251を閉じ、景品体171をキャッチャー240で掴むことができる。
【0085】
そして、押下げレバー215の押下力を解放すると、垂直軸211は押上げバネ225により押し上げられるようにして伸び、水平軸231及びキャッチャー240が上昇する。更にキャッチャー240を上昇させた状態で回動レバー151を操作して垂直軸211及び水平軸231を旋回させ、キャッチャー基部241を解除板141に衝突させると、開放突出部267が解除板141によりキャッチャー基部241に押し込まれ、係合突起266が係止穴243から外れて開放バネ271の段発力によりアーム251を開き、景品体171をキャッチャー240から落下部145へ落下させることができるものである。
【0086】
尚、載置板131は、回転速度を早く又は遅くするように速度変更を可能とし、更に、正回転と逆回転の回転方向の切り換えを可能として、遊戯者が飽きないようにキャッチャー240で景品体171を掴み上げる条件を変更可能としているものである。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明に係る家庭用のクレーンゲーム機100は、1人で景品体171を獲得するようにして遊ぶことの他、幼児が2人で景品体171の獲得競争をする様にして遊ぶことができ、飽きることなくゲームを楽しむことのできる家庭用クレーンゲーム機100である。
【符号の説明】
【0088】
100 クレーンゲーム機
110 基台部 111 下カバー
112 上カバー 115 底板
117 周囲壁 121 上面
125 載置台 127 周壁
129 障壁部 131 載置板
132 傾斜部 133 環状溝
135 大歯車 137 モータボックス
138 駆動小歯車
141 解除板 143 固定部
145 落下部 147 収容部
151 回動レバー 153 つまみ部
154 レバー本体 155 回動支持軸
156 内側軸 157 作動軸
159 規制板 161 軸支持筒
165 装飾体 171 景品体
211 垂直軸 213 膨出部
215 押下げレバー 217 固定板
218 回動杆 219 長穴
221 取付け部材 225 押上げバネ
227 バネ受部材 228 突出部
231 水平軸 235 支持部
240 キャッチャー
241 キャッチャー基部 243 係止穴
244 突起穴 245 開口
251 アーム 253 先端
255 取付け部 256 取付け軸
257 後端 258 連結穴
259 連結軸
261 作動体 263 本体板
265 前立板 266 係合突起
267 開放突出部 269 後立板
271 開放バネ 273 バネ受座
275 付勢バネ 281 当接体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8