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  • 特許-透明テーブル 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-30
(45)【発行日】2023-07-10
(54)【発明の名称】透明テーブル
(51)【国際特許分類】
   A47B 13/00 20060101AFI20230703BHJP
   A47B 13/12 20060101ALI20230703BHJP
   A47B 13/10 20060101ALI20230703BHJP
   A47B 13/02 20060101ALI20230703BHJP
   B01L 9/02 20060101ALI20230703BHJP
【FI】
A47B13/00 Z
A47B13/12
A47B13/10
A47B13/02
B01L9/02
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019049144
(22)【出願日】2019-03-15
(65)【公開番号】P2020146409
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2022-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000114891
【氏名又は名称】ヤマト科学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 智之
(72)【発明者】
【氏名】天野 宏之
(72)【発明者】
【氏名】岩本 利彦
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】西独国実用新案公開第9101448(DE,U)
【文献】独国実用新案第202012101080(DE,U1)
【文献】アルテ ジャパン 総合カタログ2017-18,2017年11月,http://www.arte-japan.com/catarog/pdf/Mirror_Table_Accessory_vol45_20171115.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 1/00-41/06
B01L 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テーブル台を構成する透明板と、
前記透明板の下方側に配置され、前記透明板との間に隙間を形成する第2透明板と、
前記透明板と前記第2透明板との間に所定幅の隙間が形成されるように、前記透明板と前記第2透明板とを固定して前記第2透明板から下方に延び出している脚部と、を備え、
前記脚部は、
内側に中空部が形成された透明な脚部本体と、
前記脚部本体の下方側に配置されて前記脚部の底部を構成する照明部と、
前記照明部に配置され、前記中空部を介して前記脚部の底部から上側を照らすように設置されるLEDと、
を備えることを特徴とする透明テーブル。
【請求項2】
前記透明板は、実験台用に強化ガラスで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の透明テーブル。
【請求項3】
前記透明板および第2透明板の平面視の寸法が同じであることを特徴とする請求項1または2に記載の透明テーブル。
【請求項4】
テーブル正面側から見て、前記脚部が左右側に1本ずつ配置され、
前記透明板および前記第2透明板の平面視の側辺形状は、脚部間では直線状であり、脚部よりも左右外側では湾曲凸状となっていることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の透明テーブル。
【請求項5】
テーブル正面側から見て、前記脚部が左右側に1本ずつ配置され、
前記透明板および前記第2透明板の平面視の側辺形状は、脚部間では直線状であり、脚部よりも左右外側では多角形状となっていることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の透明テーブル。
【請求項6】
前記脚部本体は、平面視では、前後方向に細長状に延び長手方向両端部が湾曲凸状にされていることを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の透明テーブル。
【請求項7】
前記照明部は、平面視では、前後方向に細長状に延び長手方向両端部が前記脚部本体の形状に合わせた湾曲凸状にされていることを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の透明テーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明テーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
テーブルが広く使われている。このテーブルは、作業台用、居住用、飾り用など、用途に合わせて形状が異なっていることが多い(例えば特許文献1参照)。
【0003】
このようなテーブルのうち、テーブル上方からテーブル下方を見ることができるようにテーブル台が透けている透明テーブルが存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許6467603
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような透明テーブルであっても、タブレットや用紙などを置く場合にはテーブル上に置くことになる。
【0006】
このため、テーブル上に置いたタブレットや用紙を使用者が見る際に、水や手垢などが付着し易い。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、タブレットやレポートなどの薄型の表示物を汚すことなく見ることができる透明テーブルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の透明テーブルは、テーブル台を構成する透明板と、前記透明板の下方側に配置され、前記透明板との間に隙間を形成する第2透明板と、前記透明板と前記第2透明板との間に所定幅の隙間が形成されるように、前記透明板と前記第2透明板とを固定して前記第2透明板から下方に延び出している脚部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の透明テーブルでは、透明テーブルの使用者が、タブレット、説明書、レポート、メモ書きなどの表示物を透明板と第2透明板との間に差し込んで、透明板の上側から見ることができる。従って、透明板の上側で実験などを行う際、表示物に手を触れることなく表示物を見たり読んだりすることができる。よって、タブレットやレポートなどの薄型の表示物を汚すことなく見ることができる透明テーブルが実現される。
【0010】
本発明の透明テーブルは、前記透明板が、実験台用に強化ガラスで構成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の透明テーブルでは、実験中に不用意に衝撃や強い力が透明板に加えられても透明板が破損し難い。
【0012】
本発明の透明テーブルは、透明板および第2透明板の平面視の寸法が同じであることを特徴とする。
【0013】
本発明の透明テーブルでは、使用者の腕が不用意に透明板や第2透明板14の側部に当たるときには、透明板および第2透明板の片方だけでなく両方に当たることが多い。ので、腕に加えられる衝撃力を分散させることができる。また、意匠性に優れた透明テーブルにすることができる。
【0014】
本発明の透明テーブルは、テーブル正面側から見て、前記脚部が左右側に1本ずつ配置され、前記透明板および前記第2透明板の平面視の側辺形状は、脚部間では直線状であり、脚部よりも左右外側では湾曲凸状となっていることを特徴とする。
【0015】
本発明の透明テーブルでは、テーブル正面側およびその反対側から使用者がテーブル上で作業をする際に、直線状の側辺部でテーブルに向いているので、作業を行い易い。その上、脚部よりも左右外側では、透明板および第2透明板が湾曲凸状なので、テーブルの利用面積を効率的に増大させることができる。
【0016】
本発明の透明テーブルは、テーブル正面側から見て、前記脚部が左右側に1本ずつ配置され、前記透明板および前記第2透明板の平面視の側辺形状は、脚部間では直線状であり、脚部よりも左右外側では多角形状となっていることを特徴とする。
【0017】
本発明の透明テーブルでは、テーブル正面側およびその反対側から使用者がテーブル上で作業をする際に、直線状の側辺部でテーブルに向いているので、請求項4と同様、作業を行い易い。その上、脚部よりも左右外側では、透明板および第2透明板が多角形状なので、請求項4と同様、テーブルの利用面積を効率的に増大させることができる。
【0018】
本発明の透明テーブルは、前記脚部が、透明な脚部本体と、前記脚部本体の下方側に配置されて前記脚部の底部を構成し、LEDを有する照明部と、を備えることを特徴とする。
【0019】
本発明の透明テーブルでは、透明な脚部本体をLEDの光によって照らすことで、使用者が足元の状態を見易くすることを行い易い。
【0020】
本発明の透明テーブルは、前記LEDが、前記照明部の上部に配置されて上側を照らすように設けられていることを特徴とする。
【0021】
本発明の透明テーブルでは、請求項6による効果を大幅に顕著なものにすることができる。
【0022】
本発明の透明テーブルは、前記脚部本体が、内側に中空部を形成していることを特徴とする。
【0023】
本発明の透明テーブルでは、LEDの光が中空部を通過して脚部本体を全体にわたって照らすことが可能になる。
【0024】
本発明の透明テーブルは、前記脚部本体は、平面視では、前後方向に細長状に延び長手方向両端部が湾曲凸状にされていることを特徴とする。
【0025】
本発明の透明テーブルでは、使用者の足が不用意に脚部本体の長手方向端部に当たるときには、足に加えられる衝撃力を分散させることができる。また、意匠性に優れている。
【0026】
本発明の透明テーブルは、前記照明部は、平面視では、前後方向に細長状に延び長手方向両端部が前記脚部本体の形状に合わせた湾曲凸状にされていることを特徴とする。
【0027】
本発明の透明テーブルでは、脚部本体と照明部との段差をなくすことができる。従って、使用者にとって使い勝手が良く、しかも意匠性に優れる。
【0028】
本発明の透明テーブルは、前記脚部本体には、複数の前記照明部が上下に並べられていることを特徴とする。
【0029】
本発明の透明テーブルでは、更に上方位置にまで明るく照らすことができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、タブレットやレポートなどの薄型の表示物を汚すことなく見ることができる透明テーブルを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の一実施形態に係る透明テーブルを示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る透明テーブルを長手方向端側から見た側面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る透明テーブルの変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を用いて実施形態を説明する。
【0033】
(全体構成)
図1は、本実施形態に係る透明テーブルを示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る透明テーブルを長手方向端側から見た側面図である。図3は、本実施形態に係る透明テーブルの変形例を示す平面図である。
【0034】
本実施形態に係る透明テーブル10は、テーブル台を構成する透明板12と、透明板12の下方側に配置され、透明板12との間に隙間Sを形成する第2透明板14とを備える。
【0035】
本実施形態では、透明板12は、実験台用に強化ガラスで構成されている。また、透明板12および第2透明板14の平面視の寸法は同じにされている。
【0036】
また、透明テーブル10は、透明板12と第2透明板14との間に所定幅dの隙間Sが形成されるように、透明板12と第2透明板14とを固定して第2透明板14から下方に延び出している脚部16を備える。本実施形態では、脚部16は、上下方向長さがこの所定幅dと同じにされた支持部18を上部に有する。この所定幅dは、隙間に差し込む表示物(タブレット、取扱説明書、レポート用紙など)の高さ幅に応じて設定する。
【0037】
本実施形態では、透明テーブル10は、テーブル正面側から見て、脚部16が左右側に1本ずつ配置されている。そして、透明板12および第2透明板14の平面視の側辺形状は、脚部間(左右の脚部と脚部との間)では直線状SLであり、脚部16よりも左右外側では湾曲凸状PL1にされている。
【0038】
脚部16は、透明な脚部本体24と、脚部本体24の下方側に配置されて脚部16の底部を構成する照明部26とを備える。照明部26は、LED28を有する。このLED28は、照明部26の上部に配置されて上側に発光するように設けられている。
【0039】
脚部本体24は、内側に中空部24sを形成している。また、脚部本体24は、平面視では、前後方向に細長状に延びていて長手方向両端部が湾曲凸状PL2にされている。そして、照明部26は、平面視では、前後方向に細長状に延びていて、長手方向両端部が脚部本体24の形状に合わせた湾曲凸状PL2にされている。
【0040】
本実施形態では、透明テーブル10の使用者は、タブレット、説明書、レポート、メモ書きなどの表示物を透明板12と第2透明板14との間に差し込んで、透明板12の上側から見ることができる。
【0041】
従って、透明板12の上側で実験などを行う際、表示物に手を触れることなく表示物を見たり読んだりすることができる。よって、タブレットやレポートなどの薄型の表示物を汚すことなく見ることができる透明テーブル10が実現される。
【0042】
また、透明板12は、実験台用に強化ガラスで構成されている。従って、実験中に不用意に衝撃や強い力が透明板12に加えられても透明板12が破損し難い。なお、第2透明板14も強化ガラスで構成されていてもよく、これにより、第2透明板14も破損し難くすることができる。
【0043】
また、透明板12および第2透明板14の平面視の寸法が同じである。これにより、使用者(作業者)の腕が不用意に透明板12や第2透明板14の側部に当たるときには、透明板12および第2透明板14の片方だけでなく両方に当たることが多いので、腕に加えられる衝撃力を分散させることができる。また、意匠性に優れている。
【0044】
また、テーブル正面側から見て、脚部16が左右側に1本ずつ配置され、透明板12および第2透明板14の平面視の側辺形状は、脚部間では直線状SLであり、脚部16よりも左右外側では湾曲凸状PL1となっている。これにより、テーブル正面側およびその反対側から使用者がテーブル上で作業をする際に、直線状SLの側辺部でテーブルに向いているので、作業を行い易い。その上、脚部よりも左右外側では、透明板12および第2透明板14が湾曲凸状PL1なので、テーブルの利用面積を効率的に増大させることができる。
【0045】
また、脚部16は、透明な脚部本体24と、脚部本体24の下方側に配置されて脚部16の底部を構成し、LED28を有する照明部26と、を備える。これにより、透明な脚部本体24をLED28の光によって照らすことで、使用者が足元の状態を見易くすることを行い易い。
【0046】
また、LED28は、照明部26の上部に配置されて上側に発光する(すなわち上側を照らす)ように設けられている。これにより、この効果を大幅に顕著なものにすることができる。
【0047】
また、脚部本体24は、内側に中空部24sを形成している。これにより、LED28の光が中空部24sを通過して脚部本体24を全体にわたって照らすことが可能になる。
【0048】
また、脚部本体24は、平面視では、前後方向に細長状に延び長手方向両端部が湾曲凸状PL2にされている。これにより、使用者の足が不用意に脚部本体24の長手方向端部に当たるときには、足に加えられる衝撃力を分散させることができる。また、意匠性に優れている。
【0049】
また、照明部26は、平面視では、前後方向に細長状に延び長手方向両端部が脚部本体24の形状に合わせた湾曲凸状PL2にされている。これにより、脚部本体24と照明部26との段差をなくすことができる。従って、使用者にとって使い勝手が良く、しかも意匠性に優れる。
【0050】
なお、例えば、複数の照明部26を上下に並べるなどして、脚部本体24にLED28が上下方向に配列される構成にしてもよい(図2の二点鎖線参照)。これにより、更に上方位置にまで明るく照らすことができる。
【0051】
また、図3に示すように、透明板および第2透明板の平面視の側辺形状が、脚部16よりも左右外側では多角形状QLとなっている透明テーブル30であってもよい。これにより、同様に、テーブル正面側およびその反対側から使用者がする際、作業を行い易く、また、意匠性に優れるという効果が奏される。
【0052】
また、LED28の発光色は、赤、青、緑など種々の色に設定することができる。従って、注意喚起、冷静さ、安堵感、など目的に応じた色に設定することができる。
【符号の説明】
【0053】
10 透明テーブル
12 透明板
14 第2透明板
16 脚部
18 支持部
24 脚部本体
24s 中空部
26 照明部
28 LED
30 透明テーブル
d 所定幅
PL1 湾曲凸状
PL2 湾曲凸状
QL 多角形状
S 隙間
SL 直線状
図1
図2
図3