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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-30
(45)【発行日】2023-07-10
(54)【発明の名称】コンロ
(51)【国際特許分類】
   F24C 15/00 20060101AFI20230703BHJP
【FI】
F24C15/00 S
F24C15/00 M
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019155631
(22)【出願日】2019-08-28
(65)【公開番号】P2021032530
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-07-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100166017
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 和政
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 英展
(72)【発明者】
【氏名】井本 琢磨
【審査官】宮部 菜苗
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-132200(JP,A)
【文献】特開2017-009222(JP,A)
【文献】特開2004-139834(JP,A)
【文献】特開2015-207398(JP,A)
【文献】特開2019-071180(JP,A)
【文献】特開2009-216322(JP,A)
【文献】特開2019-035511(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0351232(US,A1)
【文献】特開2014-228217(JP,A)
【文献】特開2009-198127(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 1/00-15/36
H05B 3/68、6/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスバーナを収容する筐体と、
前記筐体の前部に固定されるとともに、自身の下部側において前方側が開放した収納部が設けられるフロント部と、
前記フロント部に組み付けられ、操作領域の少なくとも一部が前記収納部内に位置する収納位置と前記操作領域が前記収納位置のときよりも前側に位置する前方位置とに変位する操作部と、
前記フロント部に対して前側から装着される第1化粧パネルと、
前記操作部に取り付けられる第2化粧パネルと、
無線通信用の電磁波を発する通信モジュールと、
を有し、
前記操作部が前記収納位置にあるときに、前記第2化粧パネルが前記操作部の前側に配置されるとともに前記第1化粧パネルと前記第2化粧パネルとが隙間を介在させて上下に並ぶ構成をなし、
前記通信モジュールは、前記操作部が前記収納位置にあるときの前記操作部の後方側において、前記収納部に直接又は他部材を介して間接的に固定されており、
前記収納部は、前記収納位置にある前記操作部の上方側に位置する上面部と、前記収納位置にある前記操作部の左右方向両側に位置する一対の側面部と、前記収納位置にある前記操作部の後方側において一対の前記側面部間に架設される架設部と、を備え、
前記上面部又は前記架設部若しくは前記上面部と前記架設部との間において、前記通信モジュールの前側には、開口部が形成されており、
前記開口部を介して前記収納部内の空間と前記通信モジュールが存在する空間とが通じている
コンロ。
【請求項2】
前記通信モジュールは、上下方向における前記隙間の下方側の領域のうち、上側に設けられている
請求項1に記載のコンロ。
【請求項3】
前記開口部の開口領域の少なくとも一部が、前記隙間の領域と前後に重なっている
請求項1又は請求項2に記載のコンロ。
【請求項4】
前記通信モジュールは、電磁波を発する部品が実装された基板と、前記基板を収容するケース部と、を備え、
前記ケース部は、自身の左右方向一方側に設けられた第1内壁部の少なくとも一部をなす第1離間壁が前記基板の左右方向一方側の端部から左右方向一方側に離れた構成をなし且つ自身の上側に設けられた第2内壁部の少なくとも一部をなす第2離間壁が前記基板の上端部から上方に離れた構成をなす離間部が設けられており、
前記部品は、前記基板における左右方向一方側の端部寄り且つ前記基板の上端部寄りにおいて前記第1離間壁及び前記第2離間壁から離れて配置されている
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のコンロ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンロに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示される加熱調理器は、本体と、操作部ケースと、プレートと、前面パネルと、操作部前面と、を備えている。本体は、操作部、電源スイッチなどを収容し、前面側からこれらを操作可能にシステムキッチンに組み込まれている。操作部ケースは、本体の前面側に設けられ、操作部を内部に収容している。プレートは、本体の上面に載置され、調理鍋を載置して調理可能になっている。操作部前面は、操作部ケースの前面側に設けられている。前面パネルは、本体における操作部前面の上側に設けられ、操作部前面と同一面となって本体の前面を装飾している。
【0003】
また、従来より、外部機器と通信を行う機能を備えたコンロが知られている。このようなコンロは、コンロ内部に通信モジュールを収容し、通信モジュールを介して外部機器と相互通信することが可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-7847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のような加熱調理器において、本体の内部に通信モジュールを設けて通信機能を付加させる場合、通信モジュールから送信される電磁波が本体の壁によって遮断される虞がある。また、本体の前面において一体的な装飾を形成する前面パネル及び操作部前面によっても、通信モジュールから前方に送信される電磁波が遮断される虞がある。そのため、コンロと外部機器との間で良好な通信状態を担保できなくなってしまう。
【0006】
そこで、上述した課題の少なくとも1つを解決するために、筐体内に通信モジュールが収容されてなるコンロにおいて、通信モジュールと外部装置との間で通信が良好になされやすい構成を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一つであるコンロは、
ガスバーナを収容する筐体と、
前記筐体の前部に固定されるとともに、自身の下部側において前方側が開放した収納部が設けられるフロント部と、
前記フロント部に組み付けられ、操作領域の少なくとも一部が前記収納部内に位置する収納位置と前記操作領域が前記収納位置のときよりも前側に位置する前方位置とに変位する操作部と、
前記フロント部に対して前側から装着される第1化粧パネルと、
前記操作部に取り付けられる第2化粧パネルと、
無線通信用の電磁波を発する通信モジュールと、
を有し、
前記操作部が前記収納位置にあるときに、前記第2化粧パネルが前記操作部の前側に配置されるとともに前記第1化粧パネルと前記第2化粧パネルとが隙間を介在させて上下に並ぶ構成をなし、
前記通信モジュールは、前記操作部が前記収納位置にあるときの前記操作部の後方側において、前記収納部に直接又は他部材を介して間接的に固定されている。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、筐体内に通信モジュールが収容されてなるコンロにおいて、通信モジュールと外部装置との間で通信が良好になされやすい構成を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態のガスコンロを概略的に例示する斜視図である。
図2図2は、図1のガスコンロの右側に設けられる第1フロント部、第1操作部、化粧パネルを例示する前方側且つ斜め上方側から見た斜視図である。
図3図3は、図1のガスコンロの左側に設けられる第2フロント部、第2操作部、化粧パネルを例示する前方側且つ斜め上方側から見た斜視図である。
図4図4は、点火ボタン及び通信モジュールが組み付けられた第2フロント部を後方側且つ斜め上方側から見た斜視図である。
図5図5は、通信モジュールが組み付けられた第2フロント部を前方側且つ斜め上方側から見た斜視図である。
図6図6は、通信モジュールが組み付けられた第2フロント部を後方側且つ斜め上方側から見た斜視図である。
図7図7は、通信モジュールが組み付けられた第2フロント部の正面図である。
図8図8は、通信モジュールが組み付けられた第2フロント部の背面図である。
図9図9は、通信モジュールが組み付けられた第2フロント部の平面図である。
図10図10は、図7のA-A断面図である。
図11図11は、第2フロント部に組み付けられた通信モジュールの断面を説明する背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態を列記して例示する。
【0011】
本開示のコンロは、操作部が収納位置にあるときに第2化粧パネルが操作部の前側に配置されるとともに第1化粧パネルと第2化粧パネルとが隙間を介在させて上下に並ぶ構成をなしており、第1化粧パネルと第2化粧パネルとの間の隙間が操作部の前側となる位置関係となっている。そして、通信モジュールは、操作部が収納位置にあるときの操作部の後方側において収納部に直接又は他部材を介して間接的に固定されており、通信モジュールの前側に操作部が配置される位置関係となっている。つまり、第1化粧パネルと第2化粧パネルとの間の隙間が通信モジュールの前側に存在する構成となっている。このような構成であるため、通信モジュールが筐体内に配置された構成であっても、通信モジュールから発せられる電磁波が、第1化粧パネルと第2化粧パネルとの間の隙間を介して筐体前側に伝搬されやすくなる。よって、通信モジュールとコンロ外に設けられた外部装置との間で通信が良好になされやすくなる。
【0012】
本開示のコンロにおいて、上記通信モジュールは、上下方向における上記隙間の下方側の領域のうち、上側に設けられていてもよい。この構成が採用されたコンロは、第1化粧パネルと第2化粧パネルとの間の隙間の位置(高さ)と、通信モジュールの上下方向の位置(高さ)と、をより近くすることができる。よって、隙間の高さと通信モジュールの高さが大きく異なる構成と比較して、通信モジュールから発せられる電磁波が隙間付近を通りやすくなり、筐体外に伝搬されやすくなる。
【0013】
本開示のコンロにおいて、上記収納部は、上記収納位置にある上記操作部の上方側に位置する上面部と、上記収納位置にある上記操作部の左右方向両側に位置する一対の側面部と、上記収納位置にある上記操作部の後方側において一対の上記側面部間に架設される架設部と、を備えていてもよい。そして、上記上面部又は上記架設部若しくは上記上面部と上記架設部との間において、上記通信モジュールの前側には、開口部が形成されていてもよい。そして、上記開口部を介して上記収納部内の空間と上記通信モジュールが存在する空間とが通じていてもよい。この構成を備えたコンロは、収納部内の空間と通信モジュールが存在する空間とが開口部を介して通じているため、通信モジュールから発せられた電磁波が、通信モジュールが存在する空間から開口部を介して収納部内の空間に伝搬されやすくなる。そして、収納部内の空間に伝搬された電磁波は、第1化粧パネルと第2化粧パネルとの間の隙間を介して筐体外に伝搬されやすくなる。よって、通信モジュールから発せられた電磁波が、より一層、筐体外に伝搬されやすくなる。
【0014】
本開示のコンロにおいて、上記開口部の開口領域の少なくとも一部が、上記隙間の領域と前後に重なっていてもよい。この構成を備えたコンロは、開口部の開口領域と隙間の領域とによって後方側から前方側への電磁波の伝搬路が構成されるため、通信モジュールから発せられた電磁波が、上記伝搬路を介して筐体前方側に伝搬されやすくなる。
【0015】
本開示のコンロにおいて、上記通信モジュールは、電磁波を発する部品が実装された基板と、上記基板を収容するケース部と、を備えていてもよい。上記ケース部は、自身の左右方向一方側に設けられた第1内壁部の少なくとも一部をなす第1離間壁が上記基板の左右方向一方側の端部から左右方向一方側に離れた構成をなし且つ自身の上側に設けられた第2内壁部の少なくとも一部をなす第2離間壁が上記基板の上端部から上方に離れた構成をなす離間部が設けられていてもよい。上記部品は、上記基板における左右方向一方側の端部寄り且つ上記基板の上端部寄りにおいて上記第1離間壁及び上記第2離間壁から離れて配置されていてもよい。この構成を備えたコンロは、電磁波を発する部品から電磁波が発せられた際に当該部品近傍の壁部によって電磁波の伝搬が抑制される事態を生じにくくすることができ、電磁波の伝搬効率をより一層高めることができる。
【0016】
以下、本発明の望ましい例を示す。但し、本発明は、以下の例に限定されない。
【0017】
<第1実施形態>
以下、第1実施形態について、図面を参照して説明する。
1.ガスコンロの概要
図1で示されるガスコンロ1は、コンロの一例に相当し、キャビネット(図1では図示省略)に組み込まれるビルトインコンロとして構成されている。
【0018】
ガスコンロ1は、多数の部品が一体的に構成されたコンロ本体部1Aを備える。コンロ本体部1Aは、ガスバーナ4,5,6、筐体2、天板3、第1フロント部20(図2)、第2フロント部120(図3)、第1操作部60(図2)、第2操作部160(図3)、化粧パネル90,92,190,192などを備える。
【0019】
以下の説明では、図1で示されるガスコンロ1において、板状に構成された天板3の板面方向(天板3の上面をなす所定の平坦面と平行な平面方向)のうち第1方向(図1の例では天板3を平面視したときの短手方向)が前後方向である。そして、上記第1方向と直交する第2方向(図1の例では、天板3を平面視したときの長手方向)が左右方向である。更に、前後方向及び左右方向と直交する方向が上下方向である。なお、図1の例では、上下方向は、天板3の板厚方向である。
【0020】
筐体2は、例えば公知の金属材料を主体として構成され、ガスコンロ1の外郭部を構成しており、ガスバーナ4,5,6やその他の部品を収容する。筐体2は、左右方向両側に一対の側壁部を備えるとともに、これら側壁部の後端部に連結される形で後壁部(図1では図示省略)が設けられる。筐体2の前面部(図1では図示省略)は、フレーム状又は壁状に構成されており、例えば、上述の一対の側壁部に架け渡される形で配置されるフレーム部などを有する。更に、これら前面部、一対の側壁部、後壁部の下部には底壁部(図1では図示省略)が連結されている。筐体2は、これら前面部、一対の側壁部、後壁部、底壁部によって自身の内部空間が囲まれる構成をなし、上部が開口した箱状形態をなしている。
【0021】
天板3は、筐体2の上端部に固定されており、筐体2の上端の開口を部分的に閉塞する構成で筐体2上に配置される。天板3は、平面視矩形状の板状形態をなしており、ガスバーナ4,5,6を露出させるための開口部(貫通孔)が複数個形成された構成をなす。
【0022】
ガスバーナ4,5,6は、天板3に形成された各開口部にそれぞれ対応するように設けられている。具体的には、天板3における右端寄りかつ前端寄りの位置に形成された開口部に挿入される形態でガスバーナ(右バーナ)4が設けられている。また、天板3における左端寄りかつ前端寄りの位置に形成された開口部に挿入される形態でガスバーナ(左バーナ)5が設けられている。更に、また、天板3における中央奥側に形成された開口部に挿入される形態でガスバーナ(奥バーナ)6が設けられている。更に、筐体2の中央付近には、グリル部8が設けられている。グリル部8は、箱状に構成されたグリル庫(図1では図示省略)、グリル庫を開閉するグリル扉8B、ガスバーナとして構成されるとともにグリル庫内に配置されるグリルバーナ(図1では図示省略)、などを備える。
【0023】
図1のように、筐体2の前面の右端寄りには2つの点火ボタン11,14(点火操作部)が設けられ、筐体2の前面の左端寄りにはもう2つの点火ボタン12,13が設けられている。点火ボタン11は、ガスバーナ4の点火操作及び消火操作を行うための操作ボタンである。点火ボタン12は、ガスバーナ5の点火操作及び消火操作を行うための操作ボタンである。点火ボタン13は、ガスバーナ6の点火操作及び消火操作を行うための操作ボタンである。点火ボタン14は、グリル部8のガスバーナの点火操作及び消火操作を行うための操作ボタンである。各点火ボタン11,12,13,14は、前方側から視認可能な構成かつ前方側からの操作が可能な構成で配置されている。各点火ボタン11,12,13,14のいずれも、前方側に突出した突出位置と突出位置よりも後方側に退避した後退位置とに変位可能に構成されており、更に、各点火ボタン11,12,13,14のいずれも、回転可能に構成されている。
【0024】
図2図3で示される第1フロント部20及び第2フロント部120は、例えば、樹脂材料を主体として構成された樹脂フレームを有するとともに樹脂フレームに金属部品などが組み付けられる構成をなしており、グリル部8の左右両側にそれぞれ配置されている。本構成では、筐体2の前面部は、少なくとも一部が開放した構成をなしており、第1フロント部20及び第2フロント部120はいずれも、筐体2の前面部に構成された開放領域を介して筐体2内に一部が挿入される構成で筐体2の前部に組み付けられている。筐体2の前部とは、筐体2における前側の部分(少なくとも筐体2の前後方向の中心よりも前側に位置する部分)であり、上述した前面部は筐体2の前部の一例に相当する。なお、上述した第2フロント部120は、フロント部の一例に相当する。
【0025】
図2図3で示される第1操作部60及び第2操作部160は、ユーザによって操作される部品である。第1操作部60は、上述の第1フロント部20に組み付けられるとともに第1回動軸部35,36を中心として回動する構成をなしている。第1操作部60は、少なくとも操作領域が第1フロント部20の前側に配置される前方位置と操作領域が前方位置のときよりも後方側に退避した退避位置とに変位する構成をなす。第2操作部160は、操作部の一例に相当し、上述の第2フロント部120に組み付けられるとともに第2回動軸部135,136を中心として回動する構成をなしている。図7図10に示すように、第2操作部160の回動の中心となる仮想的な中心線が回動軸Xである。回動軸Xは、左右方向に沿った中心線であり、より具体的には、左右方向と平行な回動中心線である。第2操作部160は、少なくとも操作領域が第2フロント部120の前側に配置される前方位置と操作領域が前方位置のときよりも後方側に退避した退避位置(収納位置)とに変位する構成をなす。
【0026】
化粧パネル90は、第1フロント部20における上側領域を前側から覆うように配置される板状のパネル部材であり、第1フロント部20に対して着脱可能とされている。化粧パネル90は、板厚方向が前後方向に沿った方向となるように第1フロント部20に取り付けられる。化粧パネル90は、樹脂材料によって板状且つ枠状に構成される樹脂体90Aと、金属材料などによって板状に構成される化粧板90Bとを備えており、樹脂体90Aと化粧板90Bとが前後に重ねられた構成をなす。化粧板90Bは、光沢を有し、ガスコンロ1の前面部の一部を構成する。樹脂体90Aは、化粧板90Bと重なる板部91Aと、板部91Aから後方側に延出するとともに枠状形態をなす後方延出部91Bとを備える。化粧パネル90は、枠状に構成された後方延出部91Bが第1フロント部20の前面部に形成された膨出部20Aと嵌まり合う構成をなす。
【0027】
化粧パネル92は、第1操作部60を覆うように配置される板状のパネル部材であり、第1操作部60に対して前側から固定されている。化粧パネル92は、第1操作部60が退避位置にあるときに自身の板厚方向が前後方向に沿った方向となるように且つ第1操作部60を前側から覆うように第1操作部60に取り付けられる。化粧パネル92は、樹脂材料によって板状に構成される樹脂板92Aと、金属材料などによって板状に構成される化粧板92Bとを備えており、全体として板状に構成されている。化粧板92Bは、光沢を有し、ガスコンロ1の前面部の一部を構成する。樹脂板92Aは、第1操作部60の前面部に固定される構成をなす。
【0028】
化粧パネル190は、第1化粧パネルの一例に相当し、第2フロント部120における上側領域を前側から覆うように配置される板状のパネル部材であり、第2フロント部120に対して前側から装着される構成で第2フロント部120に対して着脱可能とされている。化粧パネル190は、板厚方向が前後方向に沿った方向となるように第2フロント部120に取り付けられる。化粧パネル190は、樹脂材料によって板状且つ枠状に構成される樹脂体190Aと、金属材料などによって板状に構成される化粧板190Bとを備えており、樹脂体190Aと化粧板190Bとが前後に重ねられた構成をなす。化粧板190Bは、光沢を有し、ガスコンロ1の前面部の一部を構成する。樹脂体190Aは、化粧板190Bと重なる板部191Aと、板部191Aから後方側に延出するとともに枠状形態をなす後方延出部191Bとを備える。化粧パネル190は、枠状に構成された後方延出部191Bが第2フロント部120の前面部に形成された膨出部120Aと嵌まり合う構成をなす点火ボタン12,13は、図1に示すように、化粧板190Bに形成された一対の開口部にそれぞれ嵌まり込み、前方側からの操作が可能な構成で各開口部にそれぞれ近接して配置されている。つまり、点火ボタン12,13と化粧板190Bとの間に隙間が存在しない構成又は隙間が存在しても極めて狭い構成となっている。
【0029】
化粧パネル192は、第2化粧パネルの一例に相当し、第2操作部160を覆うように配置される板状のパネル部材であり、第2操作部160に対して前側から固定されている。化粧パネル192は、第2操作部160が退避位置(収納位置)にあるときに自身の板厚方向が前後方向に沿った方向となるように且つ第2操作部160を前側から覆うように第2操作部160に取り付けられる。化粧パネル192は、樹脂材料によって板状に構成される樹脂板192Aと、金属材料などによって板状に構成される化粧板192Bとを備えており、全体として板状に構成されている。化粧板192Bは、光沢を有し、ガスコンロ1の前面部の一部を構成する。樹脂板192Aは、第2操作部160の前面部に固定される構成をなす。
【0030】
ガスコンロ1は、図3に示すように、バネ部材180を備えている。バネ部材180は、所定方向に長い板状をなしており、第2操作部160に対して前方位置に向かう回動方向の力を継続的に付与する部材である。バネ部材180は、例えば金属板を折り曲げ加工等して構成されるものである。
【0031】
上述した第2フロント部120は、図3のように、筐体2の前部に固定される構成をなし、自身の下部側において前方側が開放した形態で第2操作部160を収容する操作部収容部(収納部の一例に相当)122が設けられている。また、第2フロント部120は、自身の上部側に点火ボタン12,13を収容する点火ボタン収容部124が設けられている。操作部収容部122は、前面側が開口した箱状形態をなしており、前面の開口部分から第2操作部160が収容される。点火ボタン収容部124は、操作部収容部122の上側に設けられている。点火ボタン収容部124は、前後方向に厚みを有する壁部125を備えている。この壁部125には、前後方向に貫通する孔部126,127が左右に並んで形成されている。孔部126には点火ボタン12が配置され、孔部127には点火ボタン13が配置される。
【0032】
操作部収容部122は、外殻部130と、箱状部131と、ガイド部133と、一対の第2回動軸部135,136と、を備える。外殻部130は、前面に開口した箱状形態をなしている。箱状部131は、外殻部130の内側において外殻部130の左右内側面及び天井面に対して間隔をあけて配置される。外殻部130の内側であって、箱状部131の左右両側及び上方側に、第2操作部160を収容する収容空間が形成される。箱状部131は、下面が外殻部130の底壁部に連結された構成をなし、さらに、背面が外殻部130の後壁部に連結された構成をなす。
【0033】
ガイド部133は、第2操作部160の移動をガイドする部分である。ガイド部133は、第2フロント部120の左右方向他方側(本実施形態では左側)に配置されている。ガイド部133は、例えば公知のギアとして構成されており、外殻部130の左右方向他方側の内側面に設けられている。
【0034】
第2回動軸部135,136は、操作部収容部122の前側の下端部に左右一対で設けられている。第2回動軸部135,136は、それぞれ左右方向に沿って延びる形態をなしており、外殻部130の前方側において外殻部130の前面と間隔をあけて配置される。この第2回動軸部135,136に対して、後述する第2操作部160の支持部162,163が連結されることによって、第2操作部160が回動可能に支持される。
【0035】
上述した第2操作部160は、図3のように、前板部161と、支持部162,163と、上板部167と、操作パネル169とを備える。
【0036】
前板部161は、第2操作部160が退避位置(収納位置)のときに起立状態となり、前方位置のときに傾倒状態となる部位である。前板部161は、第2操作部160が退避位置(収納位置)ののときに操作部収容部122における前面の開口部分を閉塞する。
【0037】
支持部162,163は、前板部161の下端部において左右一対で設けられており、第2フロント部120の第2回動軸部135,136に連結される。これにより、第2操作部160は、第2回動軸部135,136の軸線周り(回動軸X(図7図10)周り)を回動可能に支持される。上板部167は、前板部161の背面から後方側に延びる。
【0038】
操作パネル169は、ユーザがガスコンロ1に対する操作を行うための部品であり、上板部167の上方側に載置される。第2操作部160が退避位置(収納位置)にあるときには操作パネル169の全体が操作部収容部122内に収容され、第2操作部160が前方位置にあるときには操作パネル169の全体が操作部収容部122の外側に露出した状態となる。
【0039】
2.第2フロント部の詳細構造
次に、第2フロント部120の詳細構造について説明する。操作部収容部122は、収納位置にある第2操作部160を収容する。操作部収容部122の外殻部130は、図4に示すように、上面部141と、一対の側面部142,143と、架設部144と、底面部147と、を備えている。上面部141は、収納位置にある第2操作部160の上方側に位置し、第2操作部160を収容する収容空間の上側の壁部を構成する。一対の側面部142,143は、収納位置にある第2操作部160の左右方向両側に位置し、第2操作部160を収容する収容空間の左右両側の壁部を構成する。架設部144は、収納位置にある第2操作部160の後方側において一対の側面部142,143間に架設され、第2操作部160を収容する収容空間の後方側の壁部を構成する。底面部147は、第2操作部160を収容する収容空間の下側の壁部を構成する。上面部141、一対の側面部142,143、架設部144、底面部147は、一体的に連結された構成で前方側が開口した箱状形態をなし、第2操作部160を収容する収容空間の左右両側、上下両側、及び後方側を囲む形態をなす。
【0040】
上面部141は、図6に示すように、第1上面部141Aと、第2上面部141Bと、連結壁141Cと、を備えている。第1上面部141Aは、上面部141の前部側を構成し、点火ボタン収容部124の壁部125の下端に連なっている。第2上面部141Bは、上面部141の後部側を構成し、第1上面部141Aよりも一段下がった配置になっている。連結壁141Cは、第1上面部141Aの後端と、第2上面部141Bの前端と、を連結し、前後方向が板厚方向となっている。
【0041】
上面部141には、図6図10に示すように、前後方向の中心より僅かに後方側の位置(第1上面部141Aと第2上面部141Bとの間の境目)に、スリット(開口部の一例に相当)145が形成されている。スリット145は、図6に示すように、一対の側面部142,143の間における中心側に位置し、左右方向に沿って延びている。スリット145は、上下方向から見て、第1上面部141Aの後端(連結壁141Cの位置)から、第2上面部141Bの前端より僅かに後方側の位置(後述する上面部側第2堰部173の形成位置)までの幅(前後方向の幅)を有している。スリット145の前部側は、前後方向から見て、連結壁141Cを前後方向に貫通している。スリット145は、図10に示すように、左右方向から見て、上方に開放されたU字状の開口縁を有している。
【0042】
架設部144は、図6図8に示すように、後述する通信モジュール150を囲むように、第1延出部144A,144B、第2延出部144Cが後面から後方に延出している。第1延出部144A,144Bは、それぞれ通信モジュール150の右端(図6では左端)と左端(図6では右端)に接している。第2延出部144Cは、通信モジュール150の上端に接している。第1延出部144A,144Bの上端は、それぞれ第2延出部144Cの右端及び左端に連なっている。
【0043】
第2操作部160は、第2フロント部120に組み付けられ、自身の「操作領域」の少なくとも一部(望ましくは全部)が操作部収容部122内に位置する退避位置(収納位置)と「操作領域」が収納位置のときよりも前側に位置する前方位置とに変位する。即ち、「操作領域」の前端は、第2操作部160が退避位置にあるときよりも前方位置にあるときのほうが前側に位置する。第2操作部160の操作領域は、第2操作部160の上面部を構成する操作パネル169のうち、操作パネル169に対する入力操作時にユーザの指等によって操作(接触操作や対向操作など)を受ける領域である。具体的には、第2操作部160の上面のうちの一部又は全部領域が操作領域であり、より詳しくは、矩形状に構成された操作パネル169の上面のうちの一部領域又は全部領域が第2操作部160の操作領域である。本構成では、第2操作部160は、回動軸X(図7図10に示す回動の中心となる仮想的な回動中心線)を中心として回動軸X周りに回動し、上述の退避位置と上述の前方位置との間で変位する。回動軸Xは、左右方向に沿った軸線であり、回動軸Xの延びる方向が左右方向であることがより望ましい。化粧パネル92は、第2操作部160が退避位置(収納位置)にあるときに、第2操作部160の前側に配置される位置関係となる。
【0044】
図1図10に示すように、第2操作部160が収納位置にあるときに化粧パネル192(第2化粧パネル)が第2操作部160の前側に配置されるとともに化粧パネル190(第1化粧パネル)と化粧パネル192(第2化粧パネル)とが隙間194を介在させて上下に並ぶ構成をなしている。すなわち、化粧パネル190と化粧パネル192は、上下方向に伸びる一枚の一体的な板に見えるような装飾及び配置となるように、僅かな大きさの隙間194を介して上下方向に連なっている。隙間194は、化粧パネル190の下端と、化粧パネル192の上端と、によって構成されている。化粧パネル190の下端部及び化粧パネル192の上端部はいずれも左右方向に直線状に延びる構成をなしており、これらによって構成される隙間は左右方向に直線的に伸びる空間となっている。
【0045】
第2フロント部120には、図6図8図9に示すように、通信モジュール150が組み付けられている。通信モジュール150は、無線通信用の電磁波を発するように機能する部位であり、ケース部151内に各種電子部品を収容する構成で一体的にユニット化された部位である。通信モジュール150は、第2操作部160が退避位置(収納位置)にあるときに第2操作部160の後方側に位置するように操作部収容部122の外殻部130に直接固定されている。また、通信モジュール150は、上下方向における隙間194の下方側の領域のうち、上側に設けられている。具体的には、通信モジュール150は、図10に示すように、上下方向において化粧パネル192の上下方向の中心より上側に位置している。なお、図10では、化粧パネル190,192を概略的に図示している。
【0046】
通信モジュール150が存在する空間は、スリット145を介して操作部収容部122内の空間と通じている。ここで、通信モジュール150が存在する空間とは、操作部収容部122の外部の空間(筐体2内において筐体2と操作部収容部122とによって囲まれた空間)である。操作部収容部122内の空間とは、上面部141と、一対の側面部142,143と、架設部144と、によって囲まれた空間(第2フロント部120の下部側の空間)である。
【0047】
図10に示すように、化粧パネル190と化粧パネル192との間の隙間194は、通信モジュール150の前側に位置している。また、スリット145の開口領域の一部(連結壁141Cの開口領域)が、隙間194の開口領域と前後に重なっている。具体的には、第2操作部160が退避位置(収納位置)にある場合において正面視したときに、スリット145の開口領域(スリット145の内縁よりも内側の空間領域)と隙間194の開口領域(化粧パネル190の下端と化粧パネル192の上端との間の領域)とが部分的に重なるような位置関係となっている。より具体的には、図10のように、第2操作部160が退避位置(収納位置)にある場合において第2フロント部120の左右方向中心位置で左右方向と直交する平面方向に切断した場合に、この切断面において、スリット145の上下方向の開口幅が隙間194の上下方向の開口幅よりも大きくなっており、隙間194の上下方向の開口領域AR1の全体がスリット145の上下方向の開口領域AR2に重なるようになっている。即ち、この切断面において、開口領域AR1の上端よりも開口領域AR2の上端のほうが上位置にあり、開口領域AR1の下端よりも開口領域AR2の下端のほうが下位置にある。また、第2操作部160が退避位置(収納位置)にある場合に、隙間194は化粧パネル190及び化粧パネル192における左右方向全体に亘っており、隙間194に左端はスリット145の左端よりも左方に位置し、隙間194に右端はスリット145の右端よりも右方に位置する。このような構成であるため、通信モジュール150から発せられる電磁波は、スリット145、隙間194を介して、筐体2の外部に良好に伝搬する。
【0048】
スリット145は、上面部141上を伝ってスリット145へと流れ込んだ液体(煮汁など)を下方に落とす部位である。スリット145は、図6に示すように、上面部141において左右方向に沿って延びている。そのため、上面部141上を後方側に伝う液体は、スリット145へと流れ込み、スリット145から下方へと落とされることになる。そのため、上面部141上を後方側に伝う液体を通信モジュール150から遠ざけることができ、通信モジュール150に液体が付着することで、通信モジュール150が備える電気部品が損傷することを防ぐことができる。
【0049】
3.通信モジュールの詳細構造
通信モジュール150は、図10図11に示すように、ケース部151と、基板152と、を備えている。基板152は、長方形の板状に形成されている。基板152は、電磁波を発する部品153が実装されている。部品153は、例えばBluetooth(登録商標)方式の近距離無線通信による情報の送受信が可能なICチップとして構成されている。部品153は、図11に示すように、基板152の左端且つ上端に配置されている。基板152には、図示しないコネクタ154が設けられている。コネクタ154は、図示しない電線に接続され、制御信号などが入力される部品である。基板152は、上端における左右方向中心に前後方向に貫通する貫通孔152Aが形成されている。
【0050】
ケース部151は、図8図11に示すように、左右方向に長い箱状である。ケース部151は、図10に示すように、左右方向の中心部分において、前後方向に貫通する貫通孔151Aが形成されている。ケース部151の貫通孔151Aと、基板152の貫通孔152Aと、に挿通されるビスの先端が、架設部144に形成されたねじ穴143Aに嵌め込まれている。このようにして、架設部144に通信モジュール150が組み付けられている。
【0051】
ケース部151は、第1内壁部155と、第2内壁部156と、を備えている。第1内壁部155は、ケース部151の右側の壁部(図11では、左側の壁部)を構成している。第1内壁部155は、下端部分よりも外側(図11では、左側)に位置する第1離間壁155Aを有している。第1離間壁155Aは、基板152の右側の端部(図11では、左側の端部)から左方向に離れた構成をなしている。より具体的には、第1離間壁155Aは、部品153から左方向に離れた構成をなしている。
【0052】
第2内壁部156は、ケース部151の上側の壁部を構成している。第2内壁部156は、右端部分よりも外側(図11では、上側)に位置する第2離間壁156Aを有している。第2離間壁156Aは、基板152の上側の端部から上方向に離れた構成をなしている。より具体的には、第2離間壁156Aは、部品153から上方向に離れた構成をなしている。第1離間壁155Aと、第2離間壁156Aと、によって部品153から離間した壁部である離間部157が構成されている。すなわち、部品153は、基板152における左方向の端部寄り且つ基板152の上端部寄りにおいて第1離間壁155A及び第2離間壁156Aから離れて配置されている。
【0053】
4.堰部の詳細構造
図6のように、操作部収容部122においてスリット145の後方側には、通信モジュール150を囲むように堰部170が設けられている。堰部170は、上面部141の上面、架設部144の後面において突出した構成で設けられている。堰部170は、上面部側第1堰部171,172と、上面部側第2堰部173と、後面部側堰部174,175と、を備えている。通信モジュール150は、上面部側第2堰部173の後方側の領域、且つ、左右方向における上面部側第1堰部171,172の間の領域に設けられている。
【0054】
上面部側第1堰部171,172は、上面部141において左右方向に対をなして配置されている。上面部側第1堰部171,172は、それぞれスリット145の右端(図6では左端)と左端(図6では右端)の後方において、第1上面部141Aの前後方向全体に亘って形成されている。このように、上面部側第1堰部171,172は、上面部141において左右方向に対をなして配置されるため、上面部141上の左右両端側から真ん中側に向かう液体(煮汁など)の流れを遮ることができる。
【0055】
上面部側第2堰部173は、図6に示すように、左右方向に沿って延びるとともに、上面部側第1堰部171,172のそれぞれの前端部側に連結されている。上面部側第2堰部173は、第1上面部141Aにおいてスリット145の後縁に沿って形成されている。これにより、上面部側第2堰部173は、上面部141上において後方側に向かう液体(煮汁など)の流れを遮ることができる。
【0056】
後面部側堰部174,175は、図6に示すように、架設部144において通信モジュール150の左右両側に設けられている。後面部側堰部174,175は、それぞれが上下方向に沿って延びるとともに、それぞれの上端部側が上面部側第1堰部171,172のそれぞれの後端部側に連結されている。これにより、後面部側堰部174,175は、上面部側第1堰部171,172から伝ってくる液体を下方へと導き、通信モジュール150から遠ざけることができる。
【0057】
5.第1実施形態の効果
本開示のガスコンロ1は、第2操作部160が収納位置にあるときに化粧パネル192が第2操作部160の前側に配置されるとともに化粧パネル190と化粧パネル192とが隙間194を介在させて上下に並ぶ構成をなしており、化粧パネル190と化粧パネル192との間の隙間194が第2操作部160の前側となる位置関係となっている。そして、通信モジュール150は、第2操作部160が収納位置にあるときの第2操作部160の後方側において操作部収容部122に直接固定されており、通信モジュール150の前側に第2操作部160が配置される位置関係となっている。つまり、化粧パネル190と化粧パネル192との間の隙間194が通信モジュール150の前側に存在する構成となっている。このような構成であるため、通信モジュール150が筐体2内に配置された構成であっても、通信モジュール150から発せられる電磁波が、化粧パネル190と化粧パネル192との間の隙間194を介して筐体2前側に伝搬されやすくなる。よって、通信モジュール150とガスコンロ1外に設けられた外部装置との間で通信が良好になされやすくなる。
【0058】
また、通信モジュール150は、金属材料を主体として構成される筐体2と、金属材料などによって板状に構成される化粧板190B,192Bと、天板3と、によって囲まれる空間内に配置されている。具体的には、通信モジュール150の左右両側は金属材料を主体とする側面部(筐体2の両側面部)によって覆われ、通信モジュール150の下方側は金属材料を主体とする底面部(筐体2の底面部)によって覆われ、通信モジュール150の後方側は金属材料を主体とする後面部(筐体2の後面部)によって覆われ、これら両側面部、底面部、後面部が連結された箱状構成となっている。つまり、通信モジュール150の左右両側、下方側、後方側は、金属材料によって遮蔽されているため、通信モジュール150から放出される通信用の電磁波は、筐体2の側方、下方、後方には到達しにくくなっている。また、天板3は、例えば、上方に露出する天板本体が金属板によって構成されていてもよく、或いは、天板本体がガラスなどによって構成されるとともに天板本体の裏面に金属板や金属フレームなどの補強部材が固定された構成であってもよいが、いずれにしても、天板3は、金属材料がある程度の領域を占める構成となっている。ゆえに、通信モジュール150から放出される通信用の電磁波は、筐体2の上方にも到達しにくくなっている。このように、通信モジュール150から放出される通信用の電磁波が筐体2の左右両側方、下方、上方、後方に届きにくい構成であるため、通信モジュール150が筐体2の外部と良好に通信を行えるようにするためには、通信モジュール150から放出される電磁波が、機器前側にまで放出されるように構成する必要がある。しかし、化粧板190B,192Bを最小限の隙間でより広く配置しようとすると、通信モジュール150から放出される電磁波が、機器の前側にも到達しにくくなってしまう。特に、本構成では、化粧板190Bに点火ボタン12,13が入り込む開口部が形成されているが、開口部の内縁と点火ボタン12,13の外縁とが非常に近づいた構成で配置されているため、この付近において金属材料が存在しない領域が非常に少なくなっており、何ら対策を講じないと、通信モジュール150から放出される電磁波が、化粧板190B,192Bや点火ボタン12,13によって遮断されてしまい、電磁波が機器前側に届かなくなる。しかし、本構成のガスコンロ1は、化粧板190Bと化粧板192Bとの間に隙間194が形成されているため、上述したように通信モジュール150が金属材料によって囲まれた構成であっても、通信モジュール150から放出される電磁波が隙間194を介して機器前側(即ち、化粧板190B,192Bの前側)に伝搬され易くなる。
【0059】
本開示のガスコンロ1は、化粧パネル190と化粧パネル192との間の隙間194の位置(高さ)と、通信モジュール150の上下方向の位置(高さ)と、をより近くすることができる。よって、隙間194の高さと通信モジュール150の高さが大きく異なる構成と比較して、通信モジュール150から発せられる電磁波が隙間付近を通りやすくなり、筐体2外に伝搬されやすくなる。
【0060】
本開示のガスコンロ1は、操作部収容部122内の空間と通信モジュール150が存在する空間とがスリット145を介して通じているため、通信モジュール150から発せられた電磁波が、通信モジュール150が存在する空間からスリット145を介して操作部収容部122内の空間に伝搬されやすくなる。そして、操作部収容部122内の空間に伝搬された電磁波は、化粧パネル190と化粧パネル192との間の隙間194を介して筐体2外に伝搬されやすくなる。よって、通信モジュール150から発せられた電磁波が、より一層、筐体2外に伝搬されやすくなる。
【0061】
本開示のガスコンロ1は、スリット145の開口領域と隙間194の領域とによって後方側から前方側への電磁波の伝搬路が構成されるため、通信モジュール150から発せられた電磁波が、上記伝搬路を介して筐体2前方側に伝搬されやすくなる。
【0062】
本開示のガスコンロ1は、電磁波を発する部品153から電磁波が発せられた際に当該部品153近傍の壁部によって電磁波の伝搬が抑制される事態を生じにくくすることができ、電磁波の伝搬効率をより一層高めることができる。
【0063】
6.他の実施形態
本発明は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述又は後述の実施形態の特徴は、矛盾しない範囲であらゆる組み合わせが可能である。また、上述又は後述の実施形態のいずれの特徴も、必須のものとして明示されていなければ省略することもできる。更に、上述した実施形態を、次のように変更してもよい。
【0064】
上述の実施形態では、コンロの一例としてビルトインコンロとして構成されるガスコンロ1を例示したが、テーブルコンロなどの他種のコンロであってもよい。
【0065】
上述の実施形態では、第2フロント部120について説明したが、第1フロント部20も同様の構成(スリット145、隙間194、通信モジュール150などと同様の部材が設けられる構成)であってもよい。
【0066】
上述の実施形態では、操作部収容部122の後面側に電子部品として通信モジュール150が設けられていたが、電子部品としてその他の部品が設けられていてもよい。例えば、操作部収容部122の後面側に、振動を検知する感震器が設けられていてもよい。感震器は、公知の感震器として構成され、例えば、水銀スイッチや、ボール入スイッチ(一対の電極と接触状態で配置されたボール形の接点を有し、振動によりそのボールが両電極から離脱して通電を遮断することで振動を検知するスイッチ)などである。
【0067】
上述の実施形態では、通信モジュール150は、操作部収容部122の架設部144に直接固定されていたが、他部材を介して間接的に固定されていてもよい。
【0068】
上述の実施形態では、通信モジュール150は、操作部収容部122の架設部144に直接固定されていたが、操作部収容部122の上面部141(第2上面部141B)上に固定されてもよい。
【0069】
上述の実施形態では、通信モジュール150は、上下方向における隙間194の下方側の領域のうち上側に設けられていたが、下側に設けられていてもよい。
【0070】
上述の実施形態では、部品153が基板152の左端且つ上端に配置されていたが、基板152のその他の位置に配置されていてもよい。この場合、ケース部151の離間部157は、部品153から離れて配置されるように、第1離間壁155A、第2離間壁156Aなどの位置を変更してもよい。
【0071】
上記実施形態では、開口部の一例として、上面部141に形成された細長のスリット145を例示したが、開口部は、スリット145の形状以外の他の形状であってもよい。また、上記実施形態では、上面部141に開口部が形成された例を示したが、上面部141に形成された開口部に代えて又はこの開口部に加えて、架設部144に開口部が形成されていてもよく、上面部141と架設部144との間に開口部が形成されていてもよい。架設部144又は上面部141と架設部144との間のいずれに開口部が形成される場合でも、開口部は、通信モジュール150の前側において当該開口部を介して操作部収容部122(収納部)内の空間と通信モジュール150が存在する空間とが通じるように形成されていればよい。また、いずれの場合でも、開口部の形状は、スリット145と同様の形状(左右方向に延びる細長の開口領域が構成される形状)であってもよく、他の形状であってもよい。
【0072】
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示された範囲内又は特許請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0073】
1…ガスコンロ
2…筐体
4,5,6…ガスバーナ
120…第2フロント部(フロント部)
122…操作部収容部(収納部)
141…上面部
142,143…側面部
144…架設部
145…スリット(開口部)
150…通信モジュール
151…ケース部
152…基板
153…部品(電磁波を発する部品)
155…第1内壁部
155A…第1離間壁
156…第2内壁部
156A…第2離間壁
157…離間部
160…第2操作部(操作部)
190…化粧パネル(第1化粧パネル)
192…化粧パネル(第2化粧パネル)
194…隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11