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特許7305206シミュレーション方法及びシミュレーション装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-30
(45)【発行日】2023-07-10
(54)【発明の名称】シミュレーション方法及びシミュレーション装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0202 20230101AFI20230703BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230703BHJP
【FI】
G06Q30/0202
G06Q50/10
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021114680
(22)【出願日】2021-07-12
(62)【分割の表示】P 2018165041の分割
【原出願日】2018-09-04
(65)【公開番号】P2021168181
(43)【公開日】2021-10-21
【審査請求日】2021-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】520179279
【氏名又は名称】株式会社ゆめいど
(74)【代理人】
【識別番号】100149261
【弁理士】
【氏名又は名称】大内 秀治
(72)【発明者】
【氏名】成田 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】大内 秀治
(72)【発明者】
【氏名】上野 亮祐
(72)【発明者】
【氏名】吉田 瑛利
(72)【発明者】
【氏名】増田 敏行
(72)【発明者】
【氏名】劉 暁▲よ▼
(72)【発明者】
【氏名】盛 宸
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-069377(JP,A)
【文献】特開2007-164417(JP,A)
【文献】特開2003-150218(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービス用ロボットを利用する商業施設をシミュレートするシミュレーション方法であって、
前記商業施設の売上条件及び支出条件を含む経営条件の入力を、入力装置を介して受け付ける経営条件入力ステップと、
施設レイアウトの設定を、前記入力装置を介して受け付けるレイアウト設定ステップと、
仮想ロボットの仕様及び台数の選択を、前記入力装置を介して受け付けるロボット条件選択ステップと、
前記レイアウト設定ステップで設定された前記施設レイアウトにおいて、前記ロボット条件選択ステップで選択された仕様及び台数の前記仮想ロボットを動作させる動作シミュレーションを演算装置が実行する動作シミュレーションステップと、
前記経営条件入力ステップで入力された前記売上条件及び前記動作シミュレーションの結果に基づく予測売上と、前記経営条件入力ステップで入力された前記支出条件、並びに前記ロボット条件選択ステップで選択された前記仮想ロボットの仕様及び台数に基づく予測支出とに基づいて前記演算装置が前記商業施設の予測利益を算出する予測利益算出ステップと、
前記予測利益を出力装置に出力する出力ステップと
を備えることを特徴とするシミュレーション方法。
【請求項2】
請求項1に記載のシミュレーション方法において、
前記動作シミュレーションステップでは、前記動作シミュレーションの様子を、前記出力装置に含まれる表示装置に表示させる
ことを特徴とするシミュレーション方法。
【請求項3】
請求項2に記載のシミュレーション方法において、
前記表示装置は、ヘッドマウントディスプレイであり、
前記動作シミュレーションステップでは、前記動作シミュレーションの様子をバーチャルリアリティとして前記ヘッドマウントディスプレイに表示させる
ことを特徴とするシミュレーション方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のシミュレーション方法において、
前記動作シミュレーションステップでは、前記仮想ロボットに加えて、仮想顧客及び仮想店員の一方又は両方を動作させる
ことを特徴とするシミュレーション方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のシミュレーション方法において、
前記商業施設は、飲食店であり、
前記仮想ロボットは、配膳、下げ膳、席案内、注文受付又はレジ対応をするフロアロボットである
ことを特徴とするシミュレーション方法。
【請求項6】
請求項5に記載のシミュレーション方法において、
前記予測利益算出ステップでは、
前記動作シミュレーションの結果に基づいて前記飲食店の顧客入替え頻度を算出し、
前記売上条件、前記支出条件、前記店舗レイアウト、前記仮想ロボットの仕様及び台数、並びに前記顧客入替え頻度に基づいて前記予測利益を算出する
ことを特徴とするシミュレーション方法。
【請求項7】
請求項6に記載のシミュレーション方法において、
前記売上条件は、顧客単価を含み、
前記レイアウト設定ステップでは、ユーザの操作入力に応じて座席の数及び位置を選択し、
前記予測利益算出ステップでは、前記顧客単価、前記座席の数及び前記顧客入替え頻度を用いて前記飲食店の予測売上を算出する
ことを特徴とするシミュレーション方法。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のシミュレーション方法において、
前記経営条件入力ステップでは、前記仮想ロボットを用いる場合と前記仮想ロボットを用いない場合それぞれについて前記商業施設の売上条件及び支出条件を含む経営条件の入力を受け付け、前記仮想ロボットを用いる場合と前記仮想ロボットを用いない場合それぞれについて前記商業施設の売上条件及び支出条件を含む経営条件の入力を受け付け、
前記仮想ロボットを用いない場合における前記売上条件には、前記顧客入替え頻度を含み、
前記予測利益算出ステップでは、
前記仮想ロボットを用いる場合について前記売上条件、前記支出条件及び前記動作シミュレーションの結果に基づいて前記予測利益を算出し、
前記仮想ロボットを用いない場合について前記商業施設の売上及び支出に基づいて利益を算出する
ことを特徴とするシミュレーション方法。
【請求項9】
サービス用ロボットを利用する商業施設をシミュレートするシミュレーション装置であって、
前記施設の売上条件及び支出条件を含む経営条件の入力、施設レイアウトの設定、並びに仮想ロボットの仕様及び台数の選択をユーザから受け付ける入力装置と、
前記入力装置を介して設定された前記施設レイアウトにおいて、前記入力装置を介して選択された仕様及び台数の前記仮想ロボットを動作させる動作シミュレーションを行う動作シミュレーション実行部と、
前記入力装置を介して入力された前記売上条件及び前記動作シミュレーションの結果に基づく予測売上と、前記入力装置を介して入力された前記支出条件、並びに前記入力装置を介して選択された前記仮想ロボットの仕様及び台数に基づく予測支出とに基づいて前記施設の予測利益を算出する予測利益算出部と、
前記予測利益を前記ユーザに出力する出力装置と
を備えることを特徴とするシミュレーション装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シミュレーション方法及びシミュレーション装置に関する。具体的には、本発明は、サービス用ロボットを利用する商業施設をシミュレートするシミュレーション方法及びシミュレーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、営業員の人件費及び営業所の維持費等を削減して営業コストを低減し得る住宅設計シミュレーションの実行方法、記録媒体及び住宅設計装置を提供することを目的としている([0005]、要約)。当該目的を達成するため、特許文献1(要約及び図1)では、コンピュータ4に、住宅設計のシミュレーション等の実行処理可能なCPU4Eだけでなく、CD-ROM等を収納した外部メモリ4Dが備えられる。CD-ROM等に、住宅設計のシミュレーションができるシミュレーションソフト2が記録される。シミュレーションソフト2内に、住宅設計のシミュレーションの際に必要な情報を入力し得るための手順を有したソフトウェア部分、及び住宅の正確な平面図と正面図を作図できる作図ソフトが含まれる。コンピュータ4には、ディスプレイ4Aだけでなく、キーボード4Bやマウス4Cが接続される。
【0003】
特許文献2、3にも、住宅設計又はレイアウト設計のシミュレーションが可能な構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-235587号公報
【文献】特開2004-185054号公報
【文献】特開2006-331288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、特許文献1~3では、住宅設計又はレイアウト設計のシミュレーションが可能な構成が開示されている。ところで、ロボット技術の進展に伴い、各種の商業施設においてサービス用ロボットの導入が検討されている。しかしながら、特許文献1~3では、サービス用ロボットを利用する商業施設のシミュレーションについて検討されていない。
【0006】
本発明は上記のような課題を考慮してなされたものであり、サービス用ロボットを利用する商業施設を好適にシミュレートすることが可能なシミュレーション方法及びシミュレーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るシミュレーション方法は、
サービス用ロボットを利用する商業施設をシミュレートするシミュレーション方法であって、
前記商業施設の売上条件及び支出条件を含む経営条件の入力を、入力装置を介して受け付ける経営条件入力ステップと、
施設レイアウトの設定を、前記入力装置を介して受け付けるレイアウト設定ステップと、
仮想ロボットの仕様及び台数の選択を、前記入力装置を介して受け付けるロボット条件選択ステップと、
前記施設レイアウトにおいて、前記仮想ロボットを動作させる動作シミュレーションを演算装置が実行する動作シミュレーションステップと、
前記売上条件、前記支出条件、前記施設レイアウト、前記仮想ロボットの仕様及び台数、並びに前記動作シミュレーションの結果に基づいて前記演算装置が前記商業施設の予測利益を算出する予測利益算出ステップと、
前記予測利益を出力装置に出力する出力ステップと
を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、設定された施設レイアウトにおいて仮想ロボットを動作させる動作シミュレーションの結果を反映した商業施設の予測利益を出力する。これにより、ユーザは、動作シミュレーションの結果を反映した予測利益に基づいて、商業施設又はロボットの採否を判断することが可能となる。従って、サービス用ロボットを利用する商業施設を、動作面及び経営面から好適にシミュレーションすることが可能となる。
【0009】
前記動作シミュレーションステップでは、前記動作シミュレーションの様子を、前記出力装置に含まれる表示装置に表示させてもよい。これにより、ユーザは、仮想ロボットの動作を視認することが可能となる。従って、サービス用ロボットを利用する商業施設を、動作面から好適にシミュレーションすることが可能となる。
【0010】
前記表示装置がヘッドマウントディスプレイである場合、前記動作シミュレーションステップでは、前記動作シミュレーションの様子をバーチャルリアリティとして前記ヘッドマウントディスプレイに表示させてもよい。これにより、ユーザは、仮想ロボットの動作を、臨場感を持って認識することが可能となる。
【0011】
前記動作シミュレーションステップでは、前記仮想ロボットに加えて、仮想顧客及び仮想店員の一方又は両方を動作させてもよい。これにより、よりリアルな動作シミュレーションを行うことが可能となる。
【0012】
前記商業施設が飲食店である場合、前記仮想ロボットは、配膳、下げ膳、席案内、注文受付又はレジ対応をするフロアロボットとしてもよい。これにより、配膳、下げ膳、席案内、注文受付又はレジ対応にフロアロボットを用いる飲食店又はフロアロボットの採否を判断し易くなる。
【0013】
前記予測利益算出ステップでは、前記動作シミュレーションの結果に基づいて前記飲食店の顧客入替え頻度を算出してもよい。また、前記予測利益算出ステップでは、前記売上条件、前記支出条件、前記店舗レイアウト、前記仮想ロボットの仕様及び台数、並びに前記顧客入替え頻度に基づいて前記予測利益を算出してもよい。これにより、フロアロボットの導入に伴う顧客入替え頻度の変化を反映した予測利益に基づいて、飲食店又はフロアロボットの採否を判断することが可能となる。
【0014】
前記売上条件は、顧客単価を含んでもよい。また、前記レイアウト設定ステップでは、ユーザの操作入力に応じて座席の数及び位置を選択してもよい。さらに、前記予測利益算出ステップでは、前記顧客単価、前記座席の数及び前記顧客入替え頻度を用いて前記飲食店の予測売上を算出してもよい。これにより、フロアロボットの導入に伴う座席の数又は施設レイアウトの変化を反映した予測売上(及び予測利益)に基づいて、飲食店又はフロアロボットの採否を判断することが可能となる。
【0015】
前記経営条件入力ステップでは、前記仮想ロボットを用いる場合と前記仮想ロボットを用いない場合それぞれについて前記商業施設の売上条件及び支出条件を含む経営条件の入力を受け付けてもよい。また、前記仮想ロボットを用いない場合における前記売上条件には、前記顧客入替え頻度を含んでもよい。さらに、前記予測利益算出ステップでは、前記仮想ロボットを用いる場合について前記売上条件、前記支出条件及び前記動作シミュレーションの結果に基づいて前記予測利益を算出してもよい。さらにまた、前記予測利益算出ステップでは、前記仮想ロボットを用いない場合について前記店舗の売上及び支出に基づいて利益を算出してもよい。
【0016】
これにより、ロボットの導入に伴う顧客入替え頻度の変化を反映した予測売上(及び予測利益)に基づいて、飲食店又はフロアロボットの採否を判断することが可能となる。
【0017】
本発明に係るシミュレーション装置は、サービス用ロボットを利用する商業施設をシミュレートするものであって、
前記商業施設の売上条件及び支出条件を含む経営条件の入力、施設レイアウトの設定、並びに仮想ロボットの仕様及び台数の選択をユーザから受け付ける入力装置と、
前記施設レイアウトにおいて、前記仮想ロボットを動作させる動作シミュレーションを行う動作シミュレーション実行部と、
前記売上条件、前記支出条件及び前記動作シミュレーションの結果に基づいて前記商業施設の予測利益を算出する予測利益算出部と、
前記予測利益を前記ユーザに出力する出力装置と
を備えることを特徴とする。
【0018】
本発明に係るシミュレーション方法は、サービス用ロボットを利用する商業施設をシミュレートする方法であって、
施設レイアウトの設定を受け付けるレイアウト設定ステップと、
仮想ロボットの仕様及び台数の選択を受け付けるロボット条件選択ステップと、
前記施設レイアウトにおいて、前記仮想ロボットを動作させる動作シミュレーションを行う動作シミュレーションステップと
を備え、
前記動作シミュレーションステップでは、前記動作シミュレーションの様子を表示装置に表示させる
ことを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、設定された施設レイアウトにおいて仮想ロボット及び仮想顧客を動作させる動作シミュレーションの様子を表示装置に表示させる。これにより、ユーザは、仮想ロボットの動作を視認することが可能となる。従って、サービス用ロボットを利用する商業施設を、動作面から好適にシミュレーションすることが可能となる。
【0020】
本発明に係るシミュレーション装置は、サービス用ロボットを利用する商業施設をシミュレートするものであって、
施設レイアウトの設定、並びに仮想ロボットの仕様及び台数の選択をユーザから受け付ける入力装置と、
前記施設レイアウトにおいて、前記仮想ロボットを動作させる動作シミュレーションを行う動作シミュレーション実行部と、
前記動作シミュレーションの様子を表示する表示装置と
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、サービス用ロボットを利用する商業施設を好適にシミュレートすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係るシミュレーション装置の概略構成図である。
図2】前記実施形態のシミュレーション装置における画面遷移を示す図である。
図3】前記実施形態における従来経営条件入力画面の一例を示す図である。
図4】前記実施形態における新規経営条件入力画面の一例を示す図である。
図5】前記実施形態におけるレイアウト設定画面の一例を示す図である。
図6】前記実施形態におけるロボット条件入力画面の一例を示す図である。
図7】前記実施形態における店舗・顧客条件入力画面の一例を示す図である。
図8】前記実施形態の動作シミュレーション実行画面の第1例を示す図である。
図9】前記実施形態の動作シミュレーション実行画面の第2例を示す図である。
図10】前記実施形態の経営指標出力画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
A.一実施形態
<A-1.本実施形態の構成>
[A-1-1.全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係るシミュレーション装置10の概略構成図である。シミュレーション装置10は、サービス用ロボットを利用する飲食店(商業施設)に関するシミュレーションを実行する。本実施形態において、シミュレーション装置10が実行するシミュレーションは、飲食店の経営指標をシミュレートする経営シミュレーションと、飲食店内における各動作主体の動作をシミュレートする動作シミュレーションとを含む。また、サービス用ロボットは、配膳、下げ膳、席案内、注文受付又はレジ対応をするフロアロボットである。
【0024】
図1に示すように、シミュレーション装置10は、ハードウェアの構成として、入力装置20、コンピュータ本体22及び出力装置24を有するパーソナルコンピュータ12(以下「PC12」ともいう。)を含む。入力装置20は、ユーザからの操作入力を受け付ける。コンピュータ本体22は、シミュレーション(経営シミュレーション及び動作シミュレーション)の実行主体である。出力装置24は、経営シミュレーションの結果及び動作シミュレーションの様子を出力する。
【0025】
[A-1-2.入力装置20]
入力装置20は、ユーザからの操作入力を受け付けるものであり、例えば、キーボード及びマウスを備える。入力装置20は、飲食店の売上条件Cs及び支出条件Coを含む経営条件Cmの入力をユーザから受け付ける。また、入力装置20は、飲食店のレイアウトL(以下「飲食店レイアウトL」ともいう。)の設定(又は選択)をユーザから受け付ける。レイアウトLの設定では、入力装置20に対するユーザの操作入力に応じて座席の数Ns(以下「席数Ns」という。)及び位置Psが選択される。さらに、入力装置20は、ロボットの仕様及び台数の選択をユーザから受け付ける。
【0026】
[A-1-3.コンピュータ本体22]
(A-1-3-1.コンピュータ本体22の概要)
上記のように、コンピュータ本体22は、シミュレーション(経営シミュレーション及び動作シミュレーション)の実行主体である。コンピュータ本体22は、演算装置30と、記憶装置32とを有する。
【0027】
(A-1-3-2.演算装置30)
演算装置30は、中央演算装置(CPU)を含み、記憶装置32に記憶されているプログラムを実行して各種の演算を行う。図1に示すように、演算装置30は、経営条件設定部50と、動作シミュレーション条件設定部52と、動作シミュレーション実行部54と、経営指標算出部56とを有する。これらの各部は、記憶装置32のプログラムを実行することで実現される機能部である。
【0028】
経営条件設定部50は、経営シミュレーションで用いる経営条件Cmを設定する。経営条件Cmは、売上条件Cs及び支出条件Coを含む。経営条件Cmの詳細は、図4を参照して後述する。
【0029】
動作シミュレーション条件設定部52は、動作シミュレーションを行う条件としての動作シミュレーション条件Cmsを設定する。動作シミュレーション条件Cmsは、店舗レイアウトL、ロボット条件Cr、店舗条件Csh及び顧客条件Cgを含む。動作シミュレーション条件Cmsの詳細は、図5図6及び図7を参照して後述する。
【0030】
動作シミュレーション実行部54は、飲食店(商業施設)における動作シミュレーションを実行する。動作シミュレーションでは、店舗レイアウトLにおいて、仮想ロボットR、仮想店員Cl及び仮想顧客Gを動作させる。上記のように、仮想ロボットRは、配膳、下げ膳、席案内、注文受付又はレジ対応をするフロアロボットである。
【0031】
経営指標算出部56は、経営条件Cm及び動作シミュレーション条件Cms並びに動作シミュレーションの結果に基づいて経営指標Imを算出する。経営指標Imは、予測利益Peを含む。経営指標算出部56は、顧客入替え頻度算出部60と、予測利益算出部62とを含む。
【0032】
顧客入替え頻度算出部60は、動作シミュレーションの結果に基づいて飲食店における顧客入替え頻度Fを算出する。予測利益算出部62は、経営条件Cm及び動作シミュレーション条件Cms並びに動作シミュレーションの結果に基づいて予測利益Peを算出する。顧客入替え頻度F及び予測利益Peの具体的算出方法については後述する。
【0033】
(A-1-3-3.記憶装置32)
記憶装置32は、演算装置30が用いる各種のファイル(プログラム及びデータ)を記憶するものであり、ランダム・アクセス・メモリ(以下「RAM」という。)を備える。RAMとしては、レジスタ等の揮発性メモリと、ハードディスク・ドライブ、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリとを用いることができる。また、記憶装置32は、RAMに加え、リード・オンリー・メモリ(ROM)を有してもよい。
【0034】
図1に示すように、記憶装置32は、設備データベース80(以下「設備DB80」という。)と、ロボットデータベース82(以下「ロボットDB82」という。)と、仮想顧客データベース84(以下「顧客DB84」という。)と、仮想店員データベース86(以下「店員DB86」という。)とを有する。設備DB80は、飲食店で用いる一般的な設備(換言すると、ロボットなしでも利用する設備)のデータ(以下「設備データ」ともいう。)を蓄積する。一般的な設備としては、例えば、テーブル、椅子が含まれる。
【0035】
ロボットDB82は、ロボットに関する各種のデータ(以下「ロボットデータ」ともいう。)を蓄積する。ロボットデータには、例えば、ロボットの用途、メーカー、型式、単価、保守費用が含まれる。顧客DB84は、動作シミュレーションで用いる仮想顧客Gに関する各種のデータ(以下「仮想顧客データ」ともいう。)を蓄積する。仮想顧客データには、例えば、仮想顧客Gの行動パターンが含まれる。仮想店員DB86は、動作シミュレーションで用いる仮想店員Clに関する各種のデータ(以下「仮想店員データ」ともいう。)を蓄積する。仮想店員データには、例えば、仮想店員Clの行動パターンが含まれる。
【0036】
[A-1-4.出力装置24]
出力装置24は、経営シミュレーションの結果及び動作シミュレーションの様子を出力する。経営シミュレーションの結果には、予測利益Peが含まれる。出力装置24は、例えば、表示装置90を含む。また、表示装置90は、例えば、一般的なディスプレイ及びヘッドマウントディスプレイ(HMD)を含む。HMDとしての表示装置90は、動作シミュレーションの様子をバーチャルリアリティとして表示する。
【0037】
<A-2.本実施形態における制御>
[A-2-1.概要]
上記のように、本実施形態のシミュレーション装置10は、サービス用ロボットを利用する飲食店(商業施設)に関するシミュレーションを実行する。また、シミュレーション装置10が実行するシミュレーションは、飲食店の経営指標をシミュレートする経営シミュレーションと、飲食店内における各動作主体の動作をシミュレートする動作シミュレーションとを含む。
【0038】
[A-2-2.各種画面]
(A-2-2-1.画面遷移)
図2は、本実施形態のシミュレーション装置10における画面遷移を示す図である。図2に示すように、本実施形態では、スタート画面110と、従来経営条件入力画面112と、新規経営条件入力画面114と、動作シミュレーション条件入力画面116と、動作シミュレーション実行画面118と、経営指標出力画面120とを有する。本実施形態の動作シミュレーション条件入力画面116は、レイアウト設定画面130と、ロボット条件入力画面132と、店舗・顧客条件入力画面134とを有する。
【0039】
(A-2-2-2.スタート画面110)
スタート画面110は、シミュレーションのタイトル、シミュレーション装置10の提供企業名等を表示する画面である。
【0040】
(A-2-2-3.従来経営条件入力画面112)
図3は、本実施形態における従来経営条件入力画面112(以下「入力画面112」ともいう。)の一例を示す図である。入力画面112は、従来の(換言すると、ロボットを利用しない場合の)経営条件Cmを入力する画面である。図3に示すように、入力画面112は、売上条件入力欄200と、支出条件入力欄202と、利益表示欄204と、入力完了ボタン206と、中止ボタン208とを有する。
【0041】
売上入力欄200は、従来の売上に関する条件(売上条件Cs)を入力及び表示する欄である。売上条件Csとしては、席数Ns、顧客入替え頻度F、顧客単価Pu及び営業日数Nsdが含まれる。また、売上入力欄200では、席数Ns、顧客入替え頻度F、顧客単価Pu及び営業日数Nsdに基づいて売上Sが表示される。売上Sは、下記の式(1)に基づいて算出される
S=Ns×F×Pu×Nsd (1)
【0042】
なお、本実形態の顧客単価Puは、顧客1人当たりの単価である。或いは、顧客1組の単価を顧客単価Puとしてもよい。その場合、席数Nsは、テーブル数として定義される必要がある。
【0043】
支出条件入力欄202は、従来の支出に関する条件(支出条件Co)を入力及び表示する欄である。支出条件Coとしては、食材費Pf、人件費Pe、家賃Prp、水道光熱費Pu及びその他Poが含まれる。食材費Pfの項目に含まれる食材原価率Rfに数値を入力すると、売上S×食材原価率Rf×0.01が食材費Pfの小計STfに表示される。或いは、食材費Pfの小計STfに直接数値を入力してもよい。
【0044】
人件費Peの項目に含まれる正社員人数Nfe、正社員人件費Pef、アルバイト人数Nal及びアルバイト人件費Ppそれぞれに数値を入力すると、正社員人数Nfe×正社員人件費Pef+アルバイト人数Np×アルバイト人件費Ppが人件費Peの小計STeに表示される。或いは、人件費EPの小計STeに直接数値を入力してもよい。
【0045】
家賃Prpの項目に含まれる店舗面積Ash及び面積単価Puaそれぞれに数値を入力すると、店舗面積Ash×面積単価Puaが家賃Prpの小計STrpに表示される。或いは、家賃Prpの小計STrpに直接数値を入力してもよい。
【0046】
支出入力欄202では、食材費Pf、人件費Pe、家賃Prp、水道光熱費Pu及びその他Poに基づいて支出Oが表示される。支出Oは、下記の式(2)に基づいて算出される
O=Pf+Pe+Prp+Pu+Po (2)
【0047】
利益表示欄204では、売上Sと支出Oの差が利益Pとして表示される。なお、従来経営条件入力画面112で入力される経営条件Cm(売上条件Cs及び支出条件Co)は、実績値が入力されることが想定されている。換言すると、経営条件Cm(売上条件Cs及び支出条件Co)は、実績値としての経営指標Im(売上S及び支出位O)を含んでいる。
【0048】
入力完了ボタン206は、従来経営条件入力画面112での入力を終了し、新規経営条件入力画面114への移行を指令するボタンである。中止ボタン208は、シミュレーションの中止を指令するボタンである。
【0049】
(A-2-2-4.新規経営条件入力画面114)
図4は、本実施形態における新規経営条件入力画面114(以下「入力画面114」ともいう。)の一例を示す図である。入力画面114は、新たな(換言すると、ロボットを利用した場合の)経営条件Cmを入力する画面である。図4に示すように、入力画面114は、売上条件入力欄300と、支出条件入力欄302と、予測利益表示欄304と、流用ボタン306と、入力完了ボタン308と、戻るボタン310と、中止ボタン312とを有する。
【0050】
図4の売上条件入力欄300、支出条件入力欄302及び予測利益表示欄304は、基本的に、図3の売上条件入力欄200、支出条件入力欄202及び利益表示欄204と同様の項目を有する。但し、図3は、従来の(換言すると、ロボットを利用しない場合の)経営条件Cm(実績値としての経営指標Imと同等)に関するものである。これに対し、図4は、新たな(換言すると、ロボットを利用した場合の)経営条件Cmに関するものである。そのため、以下の点で両者は異なる。
【0051】
売上条件入力欄300に関し、ロボットを導入した場合の顧客入替え頻度Fは実測されていない。そのため、基本的に、図4の新規経営条件入力画面114では、顧客入替え頻度Fは入力しない。但し、簡易的に予測利益Peを算出するために、顧客入替え頻度Fを入力可能としてもよい。売上条件入力欄300の予測売上Seは、図3の売上S(式(1))と同様に算出される。
【0052】
図4の支出条件入力欄302では、図3の支出条件入力欄202の項目に加えて、ロボットに関する項目を含む。すなわち、ロボット減価償却費Pdr及びロボット保守費用Prmである。ロボットの仕様Rs、台数Nr等は、ロボット条件入力画面132で設定するため、新規経営条件入力画面114では、基本的に入力しない。
【0053】
但し、簡易的に予測利益Peを算出するために、ロボット減価償却費Cdr及びロボット保守費用Crmを入力可能としてもよい。その場合、ロボット減価償却費Cdrの項目に含まれるロボットの単価UPr、台数Nr及び耐用年数Leそれぞれに数値を入力すると、UPr×Nr/Le/12がロボット減価償却費Pdrの小計STcdに表示される。或いは、ロボット減価償却費Pdrの小計STcdrに直接数値を入力してもよい。ここでの単価UPrは、ロボット自体の費用に加えて、システムインテグレータの設計費用、付属設備(充電装置、位置判定用ビーコン等)等を含んだ費用としている。或いは、ロボット自体の費用を単価UPrとし、設計費用及び付属装置を別項目としてもよい。
【0054】
支出条件入力欄302の予測支出Oeは、食材費Pf、人件費Pe、家賃Prp、水道光熱費Pu、ロボット減価償却費Pdr、ロボット保守費用Prm及びその他Poの和として算出される(Oe=Pf+Pe+Prp+Pu+Pdr+Prm+Po)。
【0055】
図4の予測利益表示欄304に関し、上記のように、支出条件入力欄302顧客入替え頻度Fと、支出条件入力欄302のロボット減価償却費Pdr及びロボット保守費用Prmとは、基本的に入力しないことを前提としている。そのため、予測利益表示欄304には、基本的に予測利益Peが表示されない。但し、簡易的に予測利益Peを算出するために、顧客入替え頻度F、ロボット減価償却費Pdr及びロボット保守費用Prmが入力された場合、予測利益表示欄304に予測利益Peを表示する。予測利益Peは、予測売上Seと予測支出Oeの差である。
【0056】
なお、このように、予測利益表示欄304は、基本的には用いないことを前提としているため、新規経営条件入力画面114では、予測利益表示欄304を省略してもよい。予測利益表示欄304を省略する場合、新規経営条件入力画面114では、顧客入替え頻度F、ロボット減価償却費Pdr及びロボット保守費用Prmの入力項目も併せて省略してもよい。
【0057】
流用ボタン306は、従来経営条件入力画面112(図3)の入力内容を、新規経営条件入力画面114(図4)に流用することを指令するボタンである。このため、ユーザが流用ボタン306を押すと、従来経営条件入力画面112(図3)の入力内容が、新規経営条件入力画面114(図4)に入力される。但し、顧客入替え頻度Fについては、後の動作シミュレーションの結果が反映されるため、流用ボタン306を押しても、入力されない。
【0058】
また、流用ボタン306が押された結果、従来経営条件入力画面112(図3)の入力内容が、新規経営条件入力画面114(図4)に入力された場合、各項目の数値は、ユーザの操作で修正可能である。
【0059】
入力完了ボタン308は、新規経営条件入力画面114での入力を終了し、動作シミュレーション条件入力画面116(レイアウト設定画面130)への移行を指令するボタンである。戻るボタン310は、従来経営条件入力画面112に戻ることを指令するボタンである。中止ボタン312は、シミュレーションの中止を指令するボタンである。
【0060】
(A-2-2-5.レイアウト設定画面130)
図5は、本実施形態におけるレイアウト設定画面130(以下「設定画面130」ともいう。)の一例を示す図である。設定画面130は、飲食店の店舗レイアウトL(施設レイアウト)を設定する画面である。図5に示すように、設定画面130は、間取り・素材選択欄500と、レイアウト欄502と、入力完了ボタン504と、戻るボタン506と、中止ボタン508とを有する。
【0061】
間取り・素材選択欄500(以下「選択欄500」ともいう。)は、飲食店(商業施設)の間取りLrと、そこで用いる設備の素材Cを選択する欄である。例えば、図5の場合、テーブルと椅子を含むテーブルセットが素材Cとして示されている。
【0062】
レイアウト欄502は、間取り・素材選択欄500で選択した素材Cを配置する欄である。素材Cの配置は、ドラッグ・アンド・ドロップ操作で行う。すなわち、選択欄500において特定の素材Cをドラッグ操作で選択し、ドラッグ状態で素材Cを所望の位置まで移動させ、ドロップ操作により位置を設定する。
【0063】
レイアウト欄502における店舗の間取りLrは、選択欄500において、間取りLrの設定を選択している際に設定する。なお、間取りLrを設定する際、演算装置30は、ロボットの充電装置の配置スペース(又はロボットの待機位置)の設定を要求する。充電装置の配置スペース(又はロボットの待機位置)が設定されない状態で入力完了ボタン504が押された場合、演算装置30は、エラーメッセージを出す。
【0064】
なお、なお、間取り及び素材Cに関連するデータは、設備DB80から読み出される。レイアウト設定画面130としては、例えば、特許文献1~3に記載のものを用いることができる(但し、例えば、充電装置の配置スペースに関する処理は除く。)。
【0065】
入力完了ボタン504は、レイアウト設定画面130での入力を終了し、ロボット条件入力画面132への移行を指令するボタンである。戻るボタン506は、新規経営条件入力画面114に戻ることを指令するボタンである。中止ボタン508は、シミュレーションの中止を指令するボタンである。
【0066】
(A-2-2-6.ロボット条件入力画面132)
図6は、本実施形態におけるロボット条件入力画面132(以下「入力画面132」ともいう。)の一例を示す図である。入力画面132は、ロボットの条件(ロボット条件Cr)を入力する画面である。図6に示すように、入力画面132は、条件入力欄600と、入力完了ボタン602と、戻るボタン604と、中止ボタン606とを有する。
【0067】
条件入力欄600は、ロボットの種類毎に、用途欄610と、メーカー欄612と、型式欄614と、台数欄616と、単価欄618と、保守費用欄620と、画像表示欄622と、詳細ボタン624とを有する。
【0068】
用途欄610は、ロボットの用途を入力する欄である。用途としては、例えば、配膳、下げ膳、席案内、注文受付又はレジ対応を選択することができる。メーカー欄612は、ロボットのメーカーを入力する欄である。型式欄614は、ロボットの型式を入力する欄である。台数欄616は、ロボットの台数を入力する欄である。単価欄618は、ロボットの単価を表示又は入力する欄である。保守費用欄620は、ロボットの保守費用を表示又は入力する欄である。
【0069】
用途欄610への入力を行うと、メーカー欄612では、メーカーが絞り込まれて、入力された用途に対応するメーカーのみが選択可能となる。また、メーカー欄612及び型式欄614が入力されると、単価欄618及び保守費用欄620が自動的に入力される。但し、単価欄618及び保守費用欄620への入力内容は、ユーザが修正可能である。用途を指定しない状態で、メーカー欄612及び型式欄614が入力されると、用途欄610が自動的に入力される。なお、ロボットに関連するデータは、ロボットDB82から読み出される。
【0070】
画像表示欄622は、ロボットの外観画像を表示する欄である。詳細仕様ボタン624は、ロボットの仕様等の詳細を表示する詳細画面(図示せず)の表示を指令するボタンである。
【0071】
上記以外にも、条件入力欄600には、ロボットの耐用年数を表示又は入力する耐用年数欄、ロボットの初期費用を表示又は入力する初期費用欄等を設けてもよい。
【0072】
入力完了ボタン602は、ロボット条件入力画面132での入力を終了し、店舗・顧客条件入力画面134への移行を指令するボタンである。戻るボタン604は、レイアウト設定画面130に戻ることを指令するボタンである。中止ボタン606は、シミュレーションの中止を指令するボタンである。
【0073】
(A-2-2-7.店舗・顧客条件入力画面134)
図7は、本実施形態における店舗・顧客条件入力画面134(以下「入力画面134」ともいう。)の一例を示す図である。入力画面134は、店舗Sの条件(店舗条件Csh)及び仮想顧客Gの条件(顧客条件Cg)を入力する画面である。図7に示すように、入力画面134は、条件入力欄700と、入力完了ボタン702と、戻るボタン704と、中止ボタン706とを有する。
【0074】
条件入力欄700は、店舗業態欄710と、1組当たり平均人数欄712と、出現頻度欄714とを有する。店舗業態欄710は、店舗Sの業態を入力する欄である。業態としては、例えば、ファミリーレストラン、居酒屋等を選択することができる。業態に基づいて1組当たりの平均在席時間Tgaveを設定する。或いは、業態の入力の代わりに、平均在席時間Tgave自体を入力してもよい。1組当たり平均人数欄712は、1組当たりの平均人数Ngave[人/組]を入力する欄である。出現頻度欄714は、基準時間当たりに発生(来店)する顧客Gの組数としての出現頻度Fgを入力する欄である。なお、出現頻度Fgを組数ではなく、人数で表してもよい。人数で表す場合、従来経営条件入力画面112で入力した顧客入替え頻度F及び席数Nsに基づいて出現頻度Fgを算出することも可能である。
【0075】
入力完了ボタン702は、店舗・顧客条件入力画面134での入力を終了し、動作シミュレーション実行画面118への移行を指令するボタンである。戻るボタン704は、ロボット条件入力画面132に戻ることを指令するボタンである。中止ボタン706は、シミュレーションの中止を指令するボタンである。
【0076】
(A-2-2-8.動作シミュレーション実行画面118)
図8及び図9は、本実施形態の動作シミュレーション実行画面118の第1例及び第2例を示す図である。動作シミュレーション実行画面118は、店舗レイアウトLにおいて、仮想ロボットR、仮想顧客G及び仮想店員Clを動作させる画面である。図8の動作シミュレーション実行画面118(以下「動作シミュレーション実行画面118a」ともいう。)は、動作シミュレーションの様子を2次元表示している。一方、図9の動作シミュレーション実行画面118(以下「動作シミュレーション実行画面118b」ともいう。)は、動作シミュレーションの様子を3次元表示している。動作シミュレーション実行画面118aには、複数の仮想ロボットR、仮想顧客G及び仮想店員Clが含まれている。動作シミュレーション実行画面118bには、1台の仮想ロボットRのみが含まれ、仮想顧客G及び仮想店員Clは含まれていない。
【0077】
動作シミュレーション実行画面118で表示される仮想ロボットRの仕様及び台数は、ロボット条件入力画面132(図6)で設定された内容に従う。また、動作シミュレーション実行画面118で表示される仮想店員Clの人数Nclは、新規経営条件入力画面114(図4)で設定された内容に従う。さらに、動作シミュレーション実行画面118で表示される仮想顧客Gの出現頻度Fg、1組当たり平均人数Ngage及び平均在席時間Tgaveは、店舗・顧客条件入力画面134(図7)で設定された内容に従う。但し、図示しない早送りボタンで動作シミュレーションを早送り表示することも可能である。
【0078】
動作シミュレーションにおける仮想ロボットR、仮想顧客G及び仮想店員Clの動作については後述する。
【0079】
本実施形態では、開始基準時点Tstから終了基準時点Tglまでの時間Pd(以下「計測時間Pdという。」)を測定して顧客入替え頻度Fの算出に用いる。顧客入替え頻度Fは、顧客Gが入れ替わる頻度である。単位としては、「人/単位時間」で定義されるが、「組/単位時間」で定義してもよい。頻度Fが大きいほど、同じ期間で多くの顧客Gが食事を終えることを意味する。
【0080】
開始基準時点Tstとしては、例えば、1番目の顧客Gが出現した時点を用いることができる。或いは、1番目の顧客Gが席に着いた時点等を開始基準時点Tstとして用いてもよい。終了基準時点Tglとしては、例えば、X回目(Xは予め設定した自然数)の下げ膳が終了した時点を用いることができる。或いは、X番目の顧客Gが店舗からいなくなった時点等を終了基準時点Tglとして用いてもよい。本実施形態では、計測時間Pdにおける顧客人数を計測時間Pdで割った商を顧客入替え頻度Fとする。
【0081】
或いは、従来経営条件入力画面114で入力された数の店員Clを動作させた際の計測時間Pd(Pd1)と、新規経営条件入力画面116で入力された数の店員Cl及びロボットRを動作させた際の計測時間Pd(Pd2)を算出する。この際、店舗レイアウトL及び顧客Gの出現頻度Fgは共通とする。そして、計測時間Pd1、Pd2の比と従来の入れ替え頻度F(Fc)に基づいて今回の入れ替え頻度F(Fp)を算出してもよい。その場合、例えば、今回の入れ替え頻度Fp=従来の入れ替え頻度Fc×(従来の計測時間Pd1/今回の計測時間Pd2)で算出する。
【0082】
(A-2-2-9.経営指標出力画面120)
図10は、本実施形態の経営指標出力画面120(以下「出力画面120」ともいう。)の一例を示す図である。出力画面120は、経営指標Imを出力又は表示する画面である。経営指標Imとしては、図3及び図4の経営条件Cmと同様の内容が含まれる。本実施形態の出力画面120は、従来指標表示欄900と、新規指標表示欄902とを有する。従来指標表示欄900は、従来経営条件入力画面112(図3)で入力した経営条件Cmを経営指標Imとして表示する欄である。すなわち、売上欄910、支出欄912及び利益欄914を含む。新規指標表示欄902は、新規経営条件入力画面114(図4)で入力した経営条件Cm及び動作シミュレーションの結果を表示する欄である。すなわち、予測売上欄920、予測支出欄922及び予測利益欄924を含む。
【0083】
売上欄910、支出欄912、予測売上欄920及び予測支出欄922それぞれの近傍には、内訳ボタン930が配置されている。内訳ボタン930が押されると、対応する経営指標Imの詳細が表示される。例えば、売上欄910に対応する内訳ボタン930が押されると、従来の売上Sの内訳(図3参照)が表示される。
【0084】
[A-2-3.動作シミュレーションにおける動作]
(A-2-3-1.動作の概要)
本実施形態の動作シミュレーションでは、動作主体として、仮想ロボットR、仮想顧客G、仮想店員Cl及び仮想管理装置Mが含まれる。仮想管理装置Mは、実際にはクラウドサーバ、パーソナルコンピュータ等として構成され得る構成要素であるが、シミュレーション実行画面118では表示されない。本実施形態において、仮想ロボットR及び仮想店員Clは、いずれも仮想管理装置Mからの指令に基づいて動作する。或いは、仮想ロボットR又は仮想店員Clは、仮想管理装置Mからの指令なしに自律的に動作するようプログラミングしてもよい。
【0085】
(A-2-3-2.席案内時)
仮想顧客Gは、店舗・顧客条件入力画面134で設定された出現頻度Fgで店舗Sの入り口に発生する。なお、仮想顧客Gの発生は、例えば、顧客管理オブジェクト(図示せず)が制御してもよい。新たな仮想顧客Gが店舗Sの入り口に発生した場合、仮想管理装置Mは、その時点でタスクを有していない席案内ロボット又は店員Clを検索する。そして、その時点でタスクを有していない席案内ロボット又は店員Clに対して、席案内信号Sintを送信する。席案内信号Sintには、案内すべき席(テーブル)の番号が含まれている。但し、満席である場合、仮想管理装置Mは、席が空くまで席案内信号Sintの送信を停止する。席案内信号Sintを受信した席案内ロボット又は店員Clは、入り口まで移動する。
【0086】
入り口に到達した席案内ロボット又は店員Clは、顧客Gに対して、追従要求信号Sfreq(現実の世界における「席にご案内します」とのメッセージに相当する)を送信する。顧客Gから追従要求信号Sfreqに対する応答信号Sackを受信した席案内ロボット又は店員Clは、席案内信号Sintで指定された席まで移動する。その際、顧客Gは、席案内ロボット又は店員Clに追従する。
【0087】
席案内信号Sintで指定された席に到達すると、席案内ロボット又は店員Clは、仮想顧客Gに対して席到達信号Srch(現実の世界における「こちらの席にどうぞ」とのメッセージに相当する)を送信する。席到達信号Srchを受信した仮想顧客Gは、案内された席(又はテーブル)で止まる。席案内ロボット又は店員Clは、仮想管理装置Mに対して新たなタスクを問い合わせ、新たなタスクに沿った動きを取る。
【0088】
(A-2-3-3.注文時)
席への移動を終えた仮想顧客Gは、ランダムに注文内容を選択する。そして、注文検討時間Pocを経た後、仮想顧客Gは、注文受付ロボットとしての仮想ロボットR又は仮想店員Clを呼び出す。本実施形態では、各テーブルに呼び出しチャイムがある前提で、仮想顧客Gは、呼出信号Scallを仮想管理装置Mに対して送信する。注文検討時間Pocは、固定値又はランダム値として設定される。
【0089】
呼出信号Scallを受信した仮想管理装置Mは、現在タスクを有していない注文受付ロボット又は仮想店員Clを選択し、注文受付信号Srordを送信する。注文受付信号Srordを受信した注文受付ロボット又は仮想店員Clが、注文受付信号Srordで指定されたテーブルに移動する。テーブルに移動した注文受付ロボット又は仮想店員Clは、顧客Gから注文内容を示す注文信号Sorfを受信し、仮想管理装置Mに対して注文内容を送信する。
【0090】
なお、注文受付は、各テーブルに配置されたタブレット端末を介して行われるものとしてもよい。その場合、仮想顧客Gから例えば仮想管理装置Mに対して注文内容が伝達される。注文受付ロボットは不要となる。
【0091】
(A-2-3-4.配膳時)
注文内容を受信した仮想管理装置Mは、固定値又はランダム値として設定された調理時間の後、厨房内又はその近傍の料理受取基準位置Prefcatに注文内容に対応した料理を発生させる。また、仮想管理装置Mは、現在タスクを有していない配膳ロボット又は仮想店員Clを選択し、配膳信号Scatを送信する。配膳信号Scatを受信した配膳ロボット又は仮想店員Clは、料理受取基準位置Prefcatに移動する。そして、配膳信号Scatで指定されたテーブルまで料理を運ぶ。
【0092】
なお、配膳ロボットに料理を載せる条件として、配膳ロボットの近くに仮想店員Clが存在することを用いてもよい。その場合、仮想管理装置Mは、配膳ロボット及び仮想店員Clのペアに対して配膳信号Scatを送信する。
【0093】
配膳ロボット又は仮想店員Clが、配膳信号Scatで指摘されたテーブルに移動すると、料理をテーブルに移動させる。配膳ロボットが、自ら料理(食器)を移動できず仮想店員Clが料理(食器)をテーブルに移動させる仕様である場合、配膳ロボットは、仮想店員Clがテーブルに来るまで待機する。また、配膳ロボットが、自ら料理(食器)を移動できず顧客Gが料理(食器)を移動させる仕様である場合、仮想店員Clがテーブルに来なくても、料理をテーブルに移動させる。配膳を終えた配膳ロボット又は仮想店員Clは、配膳完了信号Scatcompを仮想管理装置Mに送信する。配膳完了信号Scatcompを受信した仮想管理装置Mは、新たなタスクを配膳ロボット又は仮想店員Clに対して指令する。
【0094】
(A-2-3-5.顧客Gの退席及び会計時)
料理が運ばれた仮想顧客Gは、固定値又はランダム値として設定された食事時間Peatの後、レジに移動する。レジに移動した仮想顧客Gは、仮想管理装置Mに対して会計要求信号Spayreqを送信する。会計要求信号Spayreqを受信した仮想管理装置Mは、現在タスクを有していないレジ対応ロボット又は仮想店員Clを選択し、会計指令信号Srecreqを送信する。会計指令信号Srecreqを受信したレジ対応ロボット又は仮想店員Clが、レジに移動する。レジに移動したレジ対応ロボット又は仮想店員Clは、会計を行う。
【0095】
シミュレーションでは、具体的な金銭の受け渡しは行わないため、レジに移動したレジ対応ロボット又は仮想店員Clは、顧客Gに対して会計終了信号Spaycompを送信する。会計終了信号Spaycompを受信した仮想顧客Gは、画面から消える。また、レジ対応ロボット又は店員Clは、仮想管理装置Mに対して新たなタスクを問い合わせ、新たなタスクに沿った動きを取る。
【0096】
なお、レジ対応ロボットがレジに固定されている場合、レジ対応ロボットは、レジへの移動なしに会計終了信号Spaycompの送信を行うのみである。
【0097】
(A-2-3-6.下げ膳時)
仮想管理装置Mは、仮想顧客Gが退席したか否かを、仮想顧客Gの位置座標を用いて監視している。仮想顧客Gが退席した場合、仮想管理装置Mは、現在タスクを有していない下げ膳ロボット又は仮想店員Clを選択し、下げ膳信号Sclrtblを送信する。但し、現在タスクを有していない主体が仮想店員Clのみである場合、下げ膳よりもレジ対応を優先させる。下げ膳信号Sclrtblを受信した下げ膳ロボット又は仮想店員Clは、下げ膳対象テーブルに移動する。そして、下げ膳対象テーブル上の食器を片付ける。
【0098】
下げ膳ロボットが、自ら食器を移動できず仮想店員Clが食器を片付ける仕様である場合、下げ膳ロボットは、仮想店員Clがテーブルに来るまで待機する。テーブルから食器を片付けた下げ膳ロボット又は仮想店員Clは、テーブル利用可能信号を仮想管理装置Mに送信すると共に、厨房の下げ膳基準位置Prefrtnまで移動する。片付け完了信号を受信した仮想管理装置Mは、満席状態のため席案内信号Sintの送信を停止していたか否かを判定する。満席状態のため席案内信号の送信を停止していた場合、仮想管理装置Mは、新たな席案内信号Sintを送信する。
【0099】
下げ膳ロボット又は仮想店員Clが下げ膳基準位置Prefrtnに到達すると、食器を画面から消滅させる。食器が消滅した時点で、下げ膳ロボット又は仮想店員Clは、下げ膳完了信号を仮想管理装置Mに送信する。下げ膳完了信号を受信した仮想管理装置Mは、新たなタスクを下げ膳ロボット又は仮想店員Clに対して指令する。
【0100】
<A-3.本実施形態の効果>
本実施形態によれば、設定された店舗レイアウトL(施設レイアウト)において仮想ロボットRを動作させる動作シミュレーションの結果を反映した飲食店(商業施設)の予測利益Peを出力する(図10)。これにより、ユーザは、動作シミュレーションの結果を反映した予測利益Peに基づいて、飲食店又はロボットの採否を判断することが可能となる。従って、サービス用ロボットを利用する飲食店を、動作面及び経営面から好適にシミュレーションすることが可能となる。
【0101】
本実施形態の動作シミュレーション実行画面118(動作シミュレーションステップ)では、動作シミュレーションの様子を、出力装置24に含まれる表示装置90に表示させる(図8及び図9)。これにより、ユーザは、仮想ロボットRの動作を視認することが可能となる。従って、サービス用ロボットを利用する飲食店(商業施設)を、動作面から好適にシミュレーションすることが可能となる。
【0102】
本実施形態において、表示装置90は、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)とすることができる。また、動作シミュレーションの様子をバーチャルリアリティとしてHMDに表示させる。これにより、ユーザは、仮想ロボットR及び仮想顧客Gの動作を、臨場感を持って認識することが可能となる。
【0103】
本実施形態では、仮想ロボットRに加えて、仮想顧客G及び仮想店員Clを動作させる(図8)。これにより、よりリアルな動作シミュレーションを行うことが可能となる。
【0104】
本実施形態において、仮想ロボットRは、配膳、下げ膳、席案内、注文受付又はレジ対応をするフロアロボットである。これにより、配膳、下げ膳、席案内、注文受付又はレジ対応にフロアロボットを用いる飲食店又はフロアロボットの採否を判断し易くなる。
【0105】
本実施形態の経営指標出力画面120(予測利益算出ステップ)では、動作シミュレーションの結果に基づいて飲食店の顧客入替え頻度Fを算出する。また、売上条件Cs、支出条件Co、店舗レイアウトL、仮想ロボットRの仕様及び台数、並びに顧客入替え頻度Fに基づいて予測利益Peを算出する(図10)。これにより、フロアロボットの導入に伴う顧客入替え頻度Fの変化を反映した予測利益Peに基づいて、飲食店又はフロアロボットの採否を判断することが可能となる。
【0106】
本実施形態において、売上条件Csは、顧客単価Puを含む(図4)。また、レイアウト設定画面130(レイアウト設定ステップ)では、ユーザの操作入力に応じて座席の数Ns及び位置Psを選択する(図5)。さらに、経営指標出力画面120(予測利益算出ステップ)では、顧客単価Pu、席数Ns及び顧客入替え頻度Fを用いて飲食店の予測売上Seを算出する(図10)。これにより、フロアロボットの導入に伴う席数Ns又はレイアウトLの変化を反映した予測売上Se(及び予測利益Pe)に基づいて、飲食店又はフロアロボットの採否を判断することが可能となる。
【0107】
本実施形態において、従来経営条件入力画面112及び新規経営条件入力画面114(経営条件入力ステップ)では、仮想ロボットRを用いる場合と仮想ロボットRを用いない場合それぞれについて飲食店(商業施設)の売上条件Cs及び支出条件Coを含む経営条件Cmの入力を受け付ける(図3及び図4)。仮想ロボットRを用いない場合における売上条件Csには、顧客入替え頻度Fを含む(図3)。経営指標出力画面120(予測利益算出ステップ)では、仮想ロボットRを用いる場合について売上条件Cs、支出条件Co及び動作シミュレーションの結果に基づいて予測利益Peを算出する(図10)。仮想ロボットRを用いない場合について売上条件Cs及び支出条件Coに基づいて利益Pを算出する(図10)。これにより、ロボットRの導入に伴う顧客入替え頻度Fの変化を反映した予測売上Se(及び予測利益Pe)に基づいて、飲食店の採否を判断することが可能となる。
【0108】
B.変形例
なお、本発明は、上記実施形態に限らず、本明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下の構成を採用することができる。
【0109】
<B-1.適用対象>
上記実施形態のシミュレーションシステム10は、飲食店に適用した(図3図4図5等)。しかしながら、例えば、サービス用ロボットを利用する商業施設をシミュレートする観点からすれば、これに限らない。例えば、小売店、商業ビル、アウトレット施設等の商業施設に本発明を適用することも可能である。例えば、商業ビル又はアウトレット施設に本発明を適用する場合、単一の店舗のみならず、複数の店舗の集合体からなる商業施設に本発明を適用することも可能である。
【0110】
上記実施形態のサービス用ロボットは、飲食店のフロアロボット(配膳、下げ膳、席案内、注文受付又はレジ対応のロボット)であった。しかしながら、例えば、サービス用ロボットを利用する商業施設をシミュレートする観点からすれば、これに限らない。例えば、サービス用ロボットは、清掃ロボット、道案内ロボット等であってもよい。
【0111】
上記実施形態のシミュレーション装置10では、サービス用ロボットについてシミュレーションを行った(図2等)。しかしながら、例えば、動作シミュレーションと経営シミュレーションを組み合わせて用いる観点からすれば、これに限らない。例えば、工場において組立等の作業を行う作業ロボットのシミュレーションについて本発明を適用することも可能である。
【0112】
<B-2.構成>
[B-2-1.全体構成]
上記実施形態では、シミュレーション装置10を単一のPC12として構成した(図1)。しかしながら、例えば、サービス用ロボットを利用する商業施設をシミュレートする観点からすれば、これに限らない。例えば、上記実施形態における演算装置30の機能の一部をクラウドサーバに設けることも可能である。
【0113】
[B-2-2.入力装置20]
上記実施形態における入力装置20は、マウス又はキーボードを想定していた(図1)。しかしながら、例えば、経営条件Cm又は動作シミュレーション条件Cmsを入力する観点からすれば、これに限らない。例えば、マウス若しくはキーボードに加えて又はこれらに代えて、マイクロフォン(音声入力)を用いることも可能である。
【0114】
<B-3.制御>
[B-3-1.画面遷移]
上記実施形態では、図2に示す順番で画面を遷移させた。しかしながら、例えば、動作シミュレーションと経営シミュレーションを組み合わせて用いる観点からすれば、これに限らない。例えば、動作シミュレーションの実行を必須とし、経営シミュレーションを任意で実行する構成とすることも可能である。
【0115】
上記実施形態では、従来経営条件入力画面112、新規経営条件入力画面114及び経営指標出力画面120を別々に設けた(図2)。しかしながら、例えば、動作シミュレーションの結果を経営指標Imに反映する観点からすれば、これに限らない。例えば、経営指標出力画面120のような画面を初期画面とし、その中に動作シミュレーション実行ボタンを配置してもよい。その場合、シミュレーション実行ボタンが押されると、動作シミュレーション条件入力画面116(図2図5図7)を表示させる。入力画面116で動作シミュレーション条件Cmsが入力された後、動作シミュレーション実行画面118(図8及び図9)に移行し、動作シミュレーションの実行後、初期画面に戻ることも可能である。
【0116】
[B-3-2.経営シミュレーション]
上記実施形態では、ロボットなし(従来)の場合と、ロボットあり(新規)の場合とを比較可能とした(図10)。しかしながら、例えば、ロボットありの場合において経営シミュレーションと動作シミュレーションを組み合わせる点に着目すれば、ロボットなし(従来)について入力及び表示しない構成も可能である。或いは、ロボットなし(従来)とロボットあり(新規)の比較を行うモードと、ロボットあり(新規)のみの経営シミュレーションを行うモードを選択可能に構成することも可能である。
【0117】
上記実施形態では、ロボットの導入に伴う顧客入替え頻度Fの変化を経営指標Imに反映した(図10)。しかしながら、例えば、経営シミュレーションにおいて顧客入替え頻度Fを用いる観点からすれば、これに限らない。例えば、従来(ロボットなし)の場合と同等又はそれ以上の顧客入替え頻度Fを実現するために必要なロボットの台数Nrを算出するように経営シミュレーションを行うことも可能である。或いは、ユーザが設定した顧客入替え頻度Fを実現するために必要なロボットの台数Nrを算出するように経営シミュレーションを行うことも可能である。
【0118】
[B-3-3.動作シミュレーション]
上記実施形態の動作シミュレーションでは、2次元表示又は3次元表示(VRを含む)が可能であるとした(図8及び図9)。しかしながら、例えば、動作シミュレーションの様子を表示する観点からすれば、これに限らない。例えば、拡張現実感(AR:Augmented Reality)又は複合現実感(MR:Mixed Reality)を用いて動作シミュレーションの様子を表示することも可能である。
【0119】
上記実施形態では、動作シミュレーションの様子を表示した(図8及び図9)。しかしながら、例えば、動作シミュレーションの結果を経営指標Imに反映する観点からすれば、これに限らない。例えば、動作シミュレーションの様子を表示することなしに経営指標出力画面120を表示することも可能である。或いは、経営シミュレーションの際には動作シミュレーションの様子を表示しないが、別のタイミングで動作シミュレーションの様子を表示可能としてもよい。特に、動作シミュレーションの様子をVRで表示する場合、画像処理に時間がかかることも想定される。そのような場合、動作シミュレーションの表示を、経営シミュレーションと切り離すことで、経営シミュレーションを円滑に行うことが可能となる。
【0120】
上記実施形態では、動作シミュレーションを経営シミュレーションと組み合わせて用いた(図2)。しかしながら、例えば、サービス用ロボットを利用する商業施設における動作シミュレーションの様子を表示する観点からすれば、これに限らない。例えば、経営シミュレーションを伴わずに動作シミュレーションを行うことも可能である。
【0121】
上記実施形態のレイアウト設定画面130(図5)では、ドラッグ・アンド・ドロップ操作により、素材Cの配置を行った。しかしながら、例えば、店舗レイアウトL(施設レイアウト)を設定する観点からすれば、これに限らない。例えば、店舗レイアウトLのパターンを予め複数用意しておき、そのうちの1つを選択して用いることも可能である。その場合、各レイアウトパターンを表示し、クリック操作等により特定のレイアウトパターンを選択する。
【0122】
或いは、店舗レイアウトLに関するCADデータが存在する場合、当該CADデータをシミュレーション装置10に読み込ませることで、店舗レイアウトLを設定することも可能である。
【0123】
上記実施形態では、店舗レイアウトL、ロボット条件Cr、店舗条件Cs及び顧客条件Cgを動作シミュレーション条件入力画面116で入力した(図2図5図7)。しかしながら、例えば、動作シミュレーションの条件を設定する観点からすれば、これに限らない。
【0124】
例えば、仮想店員Clの条件を動作シミュレーション条件入力画面116で入力させてもよい。仮想店員Clの条件としては、例えば、仮想店員Clの属性(ベテラン、中堅、若手等)を用いることができる。或いは、顧客条件Cgを直接入力する代わりに、店舗Sの場所から顧客条件Cgに相当する情報を取得して用いてもよい。
【0125】
上記実施形態では、店舗レイアウトLの設定と、ロボット条件Crの設定を別々の画面で行った(図5及び図6)。しかしながら、例えば、店舗レイアウトLの設定と、ロボット条件Crの設定を行う観点からすれば、これに限らない。例えば、レイアウト設定画面130の間取り・素材選択欄500で選択可能な素材CにロボットRを含めることで、レイアウト設定画面130においてロボット条件Crを入力してもよい。
【0126】
上記実施形態では、移動主体として、仮想ロボットR、仮想顧客G及び仮想店員Clを用いた(図8)。しかしながら、例えば、商業施設におけるロボットの効率的な動きをシミュレートする観点からすれば、これに限らない。例えば、仮想顧客G及び仮想店員Clの一方又は両方を省略することも可能である。例えば、下げ膳ロボットの場合、仮想顧客G及び仮想店員Clを発生させずに、各テーブルに食事を所定タイミングで発生させて効率的な経路をシミュレートすることも可能である。
【0127】
上記実施形態の動作シミュレーションでは、仮想管理装置Mが仮想ロボットR及び仮想店員Clを制御したが、それぞれがより自律的に動作してもよい。
【符号の説明】
【0128】
10…シミュレーション装置 20…入力装置
24…出力装置 30…演算装置
90…表示装置 Cl…仮想店員
Cm…経営条件 Co…支出条件
Cs…売上条件 Fg…顧客入替え頻度
G…仮想顧客
L…店舗レイアウト(施設レイアウト) Pe…予測利益
R…仮想ロボット S…店舗(商業施設)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10