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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-30
(45)【発行日】2023-07-10
(54)【発明の名称】スマート薬入れ
(51)【国際特許分類】
   A61J 7/04 20060101AFI20230703BHJP
【FI】
A61J7/04 Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022130613
(22)【出願日】2022-08-18
(62)【分割の表示】P 2021049677の分割
【原出願日】2021-03-24
(65)【公開番号】P2022159506
(43)【公開日】2022-10-17
【審査請求日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】10-2021-0026470
(32)【優先日】2021-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521124087
【氏名又は名称】ディーエヌエックス(デザイン フォー ネクスト エクスペリエンス)カンパニー, リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】クォン ウン キョン
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-213583(JP,A)
【文献】特開2015-101(JP,A)
【文献】特開平9-168576(JP,A)
【文献】米国特許第6169707(US,B1)
【文献】米国特許第9980881(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0166529(US,A1)
【文献】登録実用新案第3203954(JP,U)
【文献】登録実用新案第3122591(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方に開放され、服用する薬をそれぞれ収容することができる多数の収容空間を提供する薬収容部と、
前記薬収容部の前面をカバーして薬を保護し、薬を取り出すために開放される遮断部と、を含んでなり、
前記薬収容部は、
前方に開放された収容空間を有し、互いに対する組立及び分解が可能な多数の単位ケースで組み立てられて構成されたケース組立体であることを特徴とする、スマート薬入れ。
【請求項2】
前記遮断部には、遮断部の開放を検知するセンサー部が含まれていることを特徴とする、請求項1に記載のスマート薬入れ。
【請求項3】
前記単位ケースの収容空間内に、服用する薬を入れる個別容器がさらに収納されたことを特徴とする、請求項1に記載のスマート薬入れ。
【請求項4】
前記単位ケースは、
前記個別容器を支える底部と、底部の幅方向の両端に一体を成し、個別容器の両側面に対応する側壁部とを有し、
前記側壁部のうち、一側の側壁部には、嵌合孔を有するホルダーが設けられ、他側の側壁部には、側方向に隣り合う単位ケースの嵌合孔に結合するロッキングバックルが設けられ、
両側壁部の上端部には、前方に開放された受入孔(receiving hole)が設けられ、
前記底部の底面には、下部に隣接する単位ケースの受入孔に嵌合される嵌合突起が位置することを特徴とする、請求項3に記載のスマート薬入れ。
【請求項5】
前記側壁部には、
前記単位ケースの収容空間内に収納されている個別容器の側面を露出させ、単位ケース内の個別容器の両側面を把持することができるようにする個別容器露出溝が設けられたことを特徴とする、請求項4に記載のスマート薬入れ。
【請求項6】
四角枠の形状を取り、前記ケース組立体を収容支持する支持フレームがさらに含まれていることを特徴とする、請求項1に記載のスマート薬入れ。
【請求項7】
前記ケース組立体の上部には、前記遮断部の上端を支持する遮断部サポーターがさらに設置されたことを特徴とする、請求項3に記載のスマート薬入れ。
【請求項8】
前記遮断部は、
前記ケース組立体の前面をカバーすることができる広さの可撓性シートであって、上端部が遮断部サポーターに支持された状態で重力の作用によって垂下する遮断カバーであることを特徴とする、請求項7に記載のスマート薬入れ。
【請求項9】
前記遮断カバーには、ユーザーが遮断カバーを持ち上げることを検知し、検知内容を外部へ伝達するカバーセンサー部がさらに設置されたことを特徴とする、請求項8に記載のスマート薬入れ。
【請求項10】
前記遮断部サポーターには、一定の幅を有し、前方に開放された水平収納部が設けられており、
前記水平収納部には、曜日表示がマーキングされている表示部が装着されることを特徴とする、請求項7に記載のスマート薬入れ。
【請求項11】
前記遮断部サポーターには、一定の幅を有し、前方に開放された水平収納部が形成され、
前記水平収納部には、曜日別の薬を区分収容するポータブル薬入れが装着されることを特徴とする、請求項7に記載のスマート薬入れ。
【請求項12】
前記遮断部サポーターは、
物品収容空間を提供し、側方向に連接した状態で結合する多数のアッパーケースを含むことを特徴とする、請求項7に記載のスマート薬入れ。
【請求項13】
前記アッパーケースには、物品収容空間と区分され、曜日表示がマーキングされている表示部が収容される前面ポケットをさらに備えることを特徴とする、請求項12に記載のスマート薬入れ。
【請求項14】
前記個別容器は、曜日別の薬を収容する収納ケースであって、内部には、個別容器の空間を区画する隔壁が備えられたことを特徴とする、請求項9に記載のスマート薬入れ。
【請求項15】
前記個別容器には、
ユーザーが遮断カバーを持ち上げた状態で個別容器を動かしたとき、個別容器の動き信号を発生して外部へ伝送する容器センサー部がさらに装着されたことを特徴とする、請求項14に記載のスマート薬入れ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマート薬入れに係り、より詳細には、組立式構造なので製作費用が安価で使いやすく、薬を服用したか否かを検知することができるスマート薬入れに関する。
【背景技術】
【0002】
高齢人口が増加し且つ各種の疾患に関する医学的基準がより厳しくなるにつれて、薬を長期間服用しなければならない慢性疾患者が増えている。長期投薬対象者にとって、処方された薬を用法に応じて服薬することは非常に重要なことである。用法に適した服薬方法が守られなければ、疾患の治療が適切に行われず、場合によっては副作用も発生することがあるからである。
【0003】
ところが、慢性疾患者にとって、最適な服薬方法を守ることは思いのほか容易ではない。高齢者の場合は、相当数が良くない記憶力及び物忘れを持っており、また、高齢者でなくても、忙しい社会生活をすると、本人が薬を服用したか否かだけでなく、服用しなければならない事実さえ忘れるときがあるのである。
【0004】
このような理由から、長期投与対象者のための様々な服薬管理システムや装置が提案されており、例えば、設定された薬服用時刻にアラームを出力し、服用すべき薬を表示するか、或いは、重量センサーを用いて、ユーザーが薬を服用したか否かを知らせる装置なども知られている。ところが、このような方式のシステムでは、薬を実際服用したか否かが分からない。
【0005】
また、薬ケース自体をカレンダーのように構成し、各日付別の空間に薬を前もって入れておく方式の薬入れも開発されている。ところが、このようなカレンダー型薬入れは、(一ヶ月の日数が31日まであるので)、少なくとも31個の薬収納用空間を持たなければならず、各個別空間も薬を入れることができる体積を持たなければならないので、サイズが大きくならざるを得ない。つまり、薬入れを射出製作するための金型の大きさが大きくなるのである。
【0006】
知られているように、合成樹脂射出用金型の製造費用は、金型自体のサイズが大きくなるほど増加するはずである。結局、従来のカレンダー型薬入れは、製品の単価に金型費用が考慮され、低価格で製作及び供給することができないという欠点を持つのである。薬入れ自体が安くないので、経済的能力がない場合には、購入及び使用することが困難である。
【0007】
服薬に関する背景となる技術として、韓国特許第10-1994258号公報(携帯に便利な服薬カレンダー)が開示されている。
【0008】
開示されている服薬カレンダーは、前面に多数の透明部が設けられ、背面にはマグネットが備えられて磁性のある壁面に付着できるカレンダーボディと;カレンダーボディの透明部に着脱され、上側に開口部が設けられた上広下狭形状の薬ポケットと;を含んでなり、カレンダーボディは、一側に切開溝が設けられ、該切開溝を介してホワイトボードの引き出し及び引き込みが行われ、ホワイトボードに日付を表示すると、透明部を介して前記日付が表示され、薬ポケットは、多数の透明ポケット及びネットポケットからなるものであり、カレンダーボディの一側には、月が表示される第1表示部が着脱され、カレンダーボディの透明部の上側には、曜日が表示される第2表示部が着脱され、薬ポケットの面上には、日が表示される第3表示部が着脱され、カレンダーボディは、縦及び横に使用することができるものであり、切開溝の内側の上下面にはそれぞれのガイド体が備えられ、ガイド体の面上にはガイド溝が設けられ、ホワイトボードの上面及び下面にはガイド突起が備えられ、ガイド突起はガイド溝に挿入されて移送される構造を持つ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】韓国特許第10-1994258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、かかる問題点を解消するためになされたもので、その目的は、製作費用が少なくて低価格で普及することができ、曜日別の色を異にすることができるため、ユーザーが曜日や日付をより容易に区分することができるようにし、遠隔で服薬したか否かを確認することができるので、効率的な服薬指導を行うことができるようにする通信媒体の役割が可能なスマート薬入れを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための本発明に係るスマート薬入れは、前方に開放され、服用する薬をそれぞれ収容することができる多数の収容空間を提供する薬収容部と、前記薬収容部の前面をカバーして薬を保護し、薬を取り出すために開放される遮断部と、を含んでなることを特徴とする。
【0012】
また、前記遮断部には、遮断部の開放を検知するセンサー部が含まれていることを特徴とする。
【0013】
また、前記薬収容部は、前方に開放された収容空間を有し、互いに対する組立及び分解が可能な多数の単位ケースで組み立てられて構成されたケース組立体であることを特徴とする。
【0014】
また、前記単位ケースの収容空間内に、服用する薬を入れる個別容器がさらに収納されたことを特徴とする。
【0015】
また、前記単位ケースは、前記個別容器を支える底部と、底部の幅方向の両端に一体を成し、個別容器の両側面に対応する側壁部とを有し、前記側壁部のうち、一側の側壁部には、嵌合孔を有するホルダーが設けられ、他側の側壁部には、側方向に隣り合う単位ケースの嵌合孔に結合するロッキングバックルが設けられ、両側壁部の上端部には、前方に開放された受入孔(receiving hole)が設けられ、前記底部の底面には、下部に隣接する単位ケースの受入孔に嵌合される嵌合突起が位置することを特徴とする。
【0016】
また、前記側壁部には、前記単位ケースの収容空間内に収納されている個別容器の側面を露出させ、単位ケース内の個別容器の両側面を把持することができるようにする個別容器露出溝が設けられたことを特徴とする。
【0017】
また、四角枠の形状を取り、前記ケース組立体を収容支持する支持フレームがさらに含まれることを特徴とする。
【0018】
また、前記ケース組立体の上部には、前記遮断部の上端を支持する遮断部サポーターがさらに設置されたことを特徴とする。
【0019】
また、前記遮断部は、前記ケース組立体の前面をカバーすることができる広さの可撓性シートであって、上端部が遮断部サポーターに支持された状態で重力の作用によって垂下する遮断カバーであることを特徴とする。
【0020】
また、前記遮断カバーには、ユーザーが遮断カバーを持ち上げることを検知し、検知内容を外部へ伝達するカバーセンサー部がさらに設置されたことを特徴とする。
【0021】
また、前記遮断部サポーターは、一定の幅を有し、前方に開放された水平収納部が設けられており、前記水平収納部には、曜日表示がマーキングされている表示部が装着されることを特徴とする。
【0022】
また、前記遮断部サポーターには、一定の幅を有し、前方に開放された水平収納部が形成され、前記水平収納部には、曜日別の薬を区分収容するポータブル薬入れが装着されることを特徴とする。
【0023】
また、前記遮断部サポーターは、物品収容空間を提供し、側方向に連接した状態で結合する多数のアッパーケースを含むことを特徴とする。
【0024】
また、前記アッパーケースには、物品収容空間と区分され、曜日表示がマーキングされている表示部が収容される前面ポケットをさらに備えることを特徴とする。
【0025】
また、前記個別容器は、曜日別の薬を収容する収納ケースであって、内部には、個別容器の空間を区画する隔壁が備えられたことを特徴とする。
【0026】
また、前記個別容器には、ユーザーが遮断カバーを持ち上げた状態で個別容器を動かしたとき、個別容器の動き信号を発生して外部へ伝送する容器センサー部がさらに装着されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
上述した本発明のスマート薬入れは、多数の単位ケースで組み立てられて構成されるので、製作のための大型金型が不要であるため、その分だけ製作費用が少なく、低価格で普及できる。
【0028】
また、個別単位ケースのカラーを異にし、互いに異なるカラーの単位ケースをさまざまな方法で組み合わせることにより、ユーザーが曜日や日付をより容易に区分することができるようにする。
【0029】
また、部分的な破損の際に、破損した単位ケースのみを交換すればよいので、メンテナンスが簡単であるうえ、長い時間使用することができる。
【0030】
また、カーテン型遮断カバーを備えるので、薬入れが前方にこぼれ出るおそれがなく、遮断カバーにセンサーを装着し、センサーを端末及び外部の管理者に接続することにより、遠隔で服薬指導を行うことができるようにする通信媒体の役割が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の一実施形態によるスマート薬入れの斜視図である。
図2図1に示したスマート薬入れの分解斜視図である。
図3図1に示したスマート薬入れの側面図である。
図4図2の単位ケースの組立方式を説明するための図である。
図5図2の単位ケースの組立方式を説明するための図である。
図6図1に示したスマート薬入れの使用方式を説明するためのブロック図である。
図7】本発明の一実施形態に係るスマート薬入れの変形例を示す図である。
図8図7のスマート薬入れに適用することができる個別容器の倒立切除斜視図である。
図9図7の単位ケースに個別容器が収納された様子を示す断面図である。
図10図7に示した変形例のスマート薬入れの使用方法を示すブロック図である。
図11】本発明の一実施形態によるスマート薬入れに適用可能なポータブル薬入れを示す図である。
図12】他の形態の遮断部サポーターが適用されたスマート薬入れを示す斜視図である。
図13図12の遮断部サポーターを構成するアッパーケースの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明に係る一つの実施形態を添付図面を参照してより詳細に説明する。
【0033】
本発明のスマート薬入れは、長期投薬対象者が使用するものであって、射出成形された多数の単位ケースを組み立てて構成したものである。単位ケースは、曜日別に薬を収容するためのものであって、上下左右に組み立てられてカレンダーの形を取る。特に、小さいサイズの単位ケースを射出形成し、成形されたものを組み立てるものなので、製作のための大型金型が不要であるため、製作費用が安くて低価格での供給が可能である。
【0034】
このようなスマート薬入れは、前方に開放され、服用する薬をそれぞれ収容することができる多数の収容空間を提供する薬収容部と、前記薬収容部の前面をカバーして薬を保護し、薬を取り出すために開放される遮断部とを基本構成とする。
【0035】
図1は本発明の一実施形態に係るスマート薬入れ10の斜視図、図2図1に示したスマート薬入れの分解斜視図である。また、図3はスマート薬入れの側面図、図4及び図5図2の単位ケースの組立方式を説明するための図である。
【0036】
図示の如く、本実施形態に係るスマート薬入れ10は、ケース組立体20、個別容器51、支持フレーム57、遮断部サポーター61、表示部65、及び遮断部を含む。
【0037】
ケース組立体20は、多数の単位ケース30を上下左右に連結したものであって、薬を日付別に収容する薬収容部である。ケース組立体20を構成する単位ケース30は、横方向には7つ、縦方向には5つから構成することができる。横方向の7つは1週の各曜日、縦方向の5つは5週を示すものである。ケース組立体20自体はカレンダーを表現するものである。
【0038】
単位ケース30は、合成樹脂で射出成形されたものであって、すべて同じ形状を有し、互いに対して組立及び分解が可能である。
【0039】
図4及び図5に示すように、単位ケース30は、底部31、側壁部35、後面壁部33及び天井部37からなり、収容空間30aを提供する。収容空間30aは、個別容器51を収容する空間である。
【0040】
底部31は、個別容器51を支える水平面であり、側壁部35は、底部の幅方向の両端に一体を成し、個別容器の両側面に対応する垂直壁である。側壁部35は、個別容器51の側面に対して面接可能である。
【0041】
特に、両方の側壁部のうち、一側の側壁部35の外側面には二つのホルダー35dが設けられ、反対側の側壁部35の外側面には二つのロッキングバックル35aが設けられている。また、各ホルダー35dには、前方に開放された嵌合孔35eが含まれる。本説明における前方とは、ユーザーを向く面である。
【0042】
前記嵌合孔35eは、横に隣接する単位ケース30のロッキングバックル35aを収容固定する孔である。二つの単位ケース30のうち、一側の単位ケースのロッキングバックル35aを他側の単位ケースの嵌合孔35eに挿入することにより、単位ケースの左右方向の結合が行われる。
【0043】
また、側壁部35の上端には、前方に開放された受入孔35fがそれぞれ設けられており、底部31の底面には、嵌合突起31cが設けられている。嵌合突起31cは、下部に隣り合う単位ケースの受入孔35fに嵌合される突起である。嵌合突起31cを受入孔35fに挿入することにより、単位ケースの上下結合が完了する。
【0044】
また、後面壁部33の上端部には支持溝33aが設けられ、後面壁部の下端部には係止突起31eが設けられている。支持溝33aは、係止突起31eを収容することにより、嵌合突起31cが受入孔35fから抜けないように作用する。
【0045】
両方の側壁部35には個別容器露出溝35kが確保されている。個別容器露出溝35kは、いわば四角形の側壁部の一部を切除して作られた溝であって、図2に示すように、個別容器51の両側面の一部を露出させる。個別容器露出溝35kは、単位ケースの収容空間30aに収納されている状態の個別容器の側面を露出させ、ユーザーが個別容器の両側面を把持することができるようにするものである。
【0046】
個別容器露出溝35kを設けることにより、個別容器51の上端部が上側単位ケースの底部31の底面にほぼ接しても、個別容器51をより容易に引き出すことができる。
【0047】
ケース組立体20は、前記構造を持つ多数の単位ケース30を縦横方向に連結して組み立てた構造体である。必要に応じて、横方向または縦方向に単位ケース30をさらに連結することもできる。または、縦横比を異にしてもよく、横方向を6つ以下の単位ケース30、縦方向を4つ以下の単位ケースで構成してもよい。
【0048】
また、それぞれの単位ケース30のカラーを異にすることができる。例えば、各曜日別のカラーを異にするか、或いは行または列方向のカラーを異にすることができる。
【0049】
ケース組立体20を構成する各単位ケース30の内部には、個別容器51が収納される。個別容器51は、服用する薬を収容する容器であって、上部に開放された構造を持つ。特に、個別容器51の内部空間51aには隔板51cが装着される。隔板51cは、内部空間51aを区画し、時間別に薬を区分して収容することができるようにする。例えば、朝の薬と夜の薬を別々に入れることができるようにする。隔板51cを二つ以上設置してより多くの区画空間を実現することもできる。
【0050】
支持フレーム57は、四角枠の形を取り、ケース組立体20を収容固定する。ケース組立体20が支持フレーム57の組立体収容空間57aに挿入される。支持フレーム57によって、外郭に位置する単位ケース30のロッキングバックル35aまたはホルダー35dが隠されることにより、よりシンプルな様子を演出する。
【0051】
前記遮断部サポーター61は、支持フレーム57の上部に装着された状態で後述の遮断カバー53を支持するとともに、表示部65を収容する役割を果たす。
【0052】
遮断部サポーター61は、まるで建具枠のような断面形状を有し、長さ方向に延長される。遮断部サポーター61は固定ボディ61aと横木61bを有する。
【0053】
固定ボディ61aは、支持フレーム57の上面に密着固定される部分である。支持フレーム57に対する固定ボディ61aの結合は、例えば、接着方式やテーピング方式、ねじ締結方式など、多様に適用可能である。
【0054】
横木61bは、固定ボディ61aに対して一体を成し、支持フレーム57の前方に突出した部分であって、水平収納部61cと線形溝61eを提供する。水平収納部61cは、一定の幅をもって前方に開放された空間であって、表示部65やポータブル薬入れ(図11)70を収容する。線形溝61eは、図3に示すように、遮断カバー53の上端部を噛んで固定する溝である。
【0055】
表示部65は、前面に曜日が記載されている帯状板材である。表示部65を介して、ケース組立体20における垂直方向の列がどの曜日に該当するかを肉眼で容易に確認することができる。
【0056】
一方、遮断部は、ケース組立体20の前面をカバーして個別容器51を保護するとともに、個別容器51が前方にこぼれ出ることを防止するものであって、ケース組立体20の全面をカバーすることができる広さの遮断カバー53である。
【0057】
遮断カバー53は、可撓性シートからなり、上端部に係止ワイヤー53eを有する。係止ワイヤー53eは、遮断カバー53の上端部に結合した状態で線形溝61eに挿入固定される。遮断カバー53は、遮断部サポーター61に支持された状態で重力の作用により垂下する。遮断カバー53は、シリコーン生地で製作可能である。
【0058】
また、遮断カバー53の両側にはカバーセンサー部53cが設置される。カバーセンサー部53cは、ユーザーが遮断カバー53を持ち上げることを検知する検知部である。カバーセンサー部53cの検知内容は、ユーザーまたは管理者の端末(図6)81へ伝達される。このような役割を果たすことができる限り、カバーセンサー部53cのセンシング方式や設置位置は幾らでも変わることができる。
【0059】
図6図1に示したスマート薬入れの使用方式を説明するためのブロック図である。
【0060】
ユーザーが薬を服用するために遮断カバー53を持ち上げると、カバーセンサー部53cは、ユーザーの動作を検知し、検知内容を端末81へ送る。端末81は、薬服用者または介護者または管理人のスマートフォンであることができる。
【0061】
端末81は、外部の管理者(AI)83に、服薬が行われたという服薬情報を自動的に送信する。外部の管理者(AI)83は、服薬情報を用いて服薬者が薬を服用したことを確認し、管理情報を端末へ送る。管理情報には、服薬後の注意事項や次の服薬時刻などを含むことができる。管理者83は、病院または保健所の医師、看護師またはAIである。
【0062】
このように、遮断カバーにセンサー部を設置することにより、ユーザーの動作を検知し、AIを活用して生活パターン分析及び服薬時刻など、ユーザーが薬を定められた時間に服用したかの把握が可能となる。さらに、ユーザーが遮断カバー53のみ持ち上げただけで、実際には薬を服用しない場合に備えて、モノのインターネット技術を適用して、物事(冷蔵庫、ガスレンジなど)の動作時刻を一緒に分析して薬服用状況を正確に把握することが可能である。
【0063】
また、端末81はユーザーに服薬指導を行うことができる。例えば、服薬時間が経ったにも拘らず、カバーセンサー部53cから信号が発生していないとき、ユーザーに服薬指示を文字または音響で知らせるのである。
【0064】
図7は本発明の一実施形態に係るスマート薬入れ10の変形例を示す図、図8図7のスマート薬入れに適用することができる個別容器の倒立切除斜視図である。また、図9図7の単位ケースに個別容器が収納された様子を示す断面図である。図10図7に示した変形例のスマート薬入れの使用方法を示すブロック図である。
【0065】
以下、上述した図面符号と同一の図面符号は、同じ機能の同じ部材を指す。
【0066】
図面を参照すると、遮断カバー53の下端にウエイトストリップ53bが備えられていることが分かる。ウエイトストリップ53bは、一定の厚さ及び幅を有し、水平に延長された棒状の部材であって、重力の作用を受けて遮断カバー53を下方にピンと引っ張る。ウエイトストリップ53bを適用することにより、例えば、扇風機の風が吹いても遮断カバー53が持ち上げられることが防止される。
【0067】
また、遮断カバー53の下端部の外側面にはハンドル53fが備えられている。ハンドル53fは、ユーザーが遮断カバー53を開放するために手で握る部分であって、カバーセンサー部53gを有する。カバーセンサー部53gの機能は、上述したカバーセンサー部(図1の53c)のそれと同一である。
【0068】
一方、個別容器51の底面には容器センサー部52が装着される。容器センサー部52は、個別容器51が底部31上で動いたときに信号を発生するセンサーである。容器センサー部52が発生した信号は、図10に示すように端末81へ伝送される。
【0069】
図7に示したタイプのスマート薬入れ10には、二つのセンサー部、すなわち、カバーセンサー部53gと容器センサー部52が使用されるのである。カバーセンサー部53gと容器センサー部52は、独立して駆動する検知部であって、検知内容を端末81へ伝達する。
【0070】
端末81には検知信号が2回入力される。つまり、ユーザーがハンドル53fを取って遮断カバー53を開放するときに1回、個別容器51を取り出したときにもう一回受信されるのである。端末81に受信された情報は、直ちに管理者(AI)83へ伝達される。
【0071】
管理者83は、カバーセンサー部53gの信号と容器センサー部52の信号とが一定の時間間隔で順次入力されたとき、適切な服薬が行われたと判断する。カバーセンサー部53gの信号のみ受信され、容器センサー部52の信号が受信されていないときには、正常な服薬が行われていないものと判断して、端末81を介してユーザーに服薬指導を行う。
【0072】
図11は本発明の一実施形態に係るスマート薬入れに適用可能なポータブル薬入れ70を示す図である。
【0073】
図示の如く、遮断部サポーター61の水平収納部61cにポータブル薬入れ70が装着できる。ポータブル薬入れ70には、曜日別に区分された個別ケース73が含まれる。
【0074】
個別ケース73は、服用する薬を収容する収納空間73aを提供し、支持シャフト72に支持された状態で前後方向に回転可能である。前方に回転して開放され、後方に回転して薬入れボディ71に収納される。
【0075】
また、個別ケース73の前面には表示面部73cが設けられている。表示面部73cは、曜日が表示されている部分であって、上述した前記表示部65の役割を果たす。
【0076】
図12は他の形態の遮断部サポーター63が適用された本実施形態のスマート薬入れ10を示す斜視図、図13図12の遮断部サポーターを構成するアッパーケースの構造を示す図である。
【0077】
図面を参照すると、ケース組立体20の上部に他の形式の遮断部サポーター63が設置されていることが分かる。遮断部サポーター63の基本的な機能は、図2に示した遮断部サポーター61のそれと同じである。
【0078】
図12の遮断部サポーター63は、7つのアッパーケース63aを側方向に連接して構成したものである。各アッパーケース63aは同じ形状を有する。
【0079】
アッパーケース63aは、上方に開放された物品収容空間63cを提供する。物品収容空間63cには様々な物品が収納できる。例えば、バンドエイドや軟膏、液状湿布薬、爪切り、はさみ、スマートフォンなどを入れることができる。また、物品収容空間63cの前方には前面ポケット63gが設けられている。前面ポケット63gは、前記表示部65を入れる空間である。
【0080】
また、アッパーケース63aの一側壁には結合フック63e、反対側の壁にはフック結合溝63fが設けられている。フック結合溝63fは結合フック63eを収容する。側方向に隣り合う二つのアッパーケース63aのうち、一側のアッパーケース63aの結合フック63eを隣接のアッパーケース63aのフック結合溝63fに掛合することにより、アッパーケース63aの結合が維持される。
【0081】
各アッパーケース63aの前面の下端部には弾力フィンガー63hが設けられている。弾力フィンガー63hは、遮断カバー53の上端部を収容固定するものであって、図3に示した線形溝61eの役割を果たす。つまり、遮断カバー53の上端の係止ワイヤー53eを収容固定するのである。このような機能を行うことができる限り、弾力フィンガーの形状はいくらでも変わることができる。
【0082】
以上、本発明を具体的な実施形態によって詳細に説明したが、本発明は、この実施形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で通常の知識を有する者によって様々な変形が可能である。
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