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特許7305233高エネルギーボールミル法による大粒径の純銅又は銅合金粒子の微細化方法
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  • 特許-高エネルギーボールミル法による大粒径の純銅又は銅合金粒子の微細化方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-30
(45)【発行日】2023-07-10
(54)【発明の名称】高エネルギーボールミル法による大粒径の純銅又は銅合金粒子の微細化方法
(51)【国際特許分類】
   B22F 9/04 20060101AFI20230703BHJP
   B22F 1/00 20220101ALI20230703BHJP
   B22F 1/142 20220101ALI20230703BHJP
   C22C 9/00 20060101ALI20230703BHJP
【FI】
B22F9/04 C
B22F1/00 L
B22F1/142
C22C9/00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022513309
(86)(22)【出願日】2020-08-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-04
(86)【国際出願番号】 CN2020111163
(87)【国際公開番号】W WO2021037031
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2022-02-25
(31)【優先権主張番号】201910788291.8
(32)【優先日】2019-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512000569
【氏名又は名称】華南理工大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ ▲維▼平
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲発▼展
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 方方
【審査官】酒井 英夫
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第103949649(CN,A)
【文献】特開平11-241035(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103302297(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 1/00-1/18,9/00-9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高エネルギーボールミル法によって大粒径の純銅又は銅合金粒子を微細化する方法であって、
(1)大粒径の純銅又は銅合金の粗粒を原料とし、シクロヘキサン又は水をプロセス制御剤として使用し、高エネルギーボールミルによって粒子を粉砕して微細化して小粒径の銅又は銅合金粉末を得るステップと、(2)雰囲気の還元によって前記ステップ(1)で得られた銅又は銅合金粉末中の酸素含有量を低減し、純銅又は銅合金粉末を得るステップとを含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
ステップ(1)で使用するミルボールの材質は、軸受鋼又は銅から選択され、軸受鋼のミルボールを選択する場合、ステップ(1)で得られた小粒径の銅又は銅合金粉末を浸出液で処理し、浸出後に濾過してボールミルで導入された不純物を除去し、次に、乾燥してステップ(2)を行う必要があることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ステップ(1)において、前記プロセス制御剤と前記原料を0.2~2ml/gの固液比で混合し、大粒径の純銅又は合金の粗粒のサイズは100~650μmであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ステップ(2)において、還元性雰囲気は、純粋な水素又はアンモニア分解ガスであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ステップ(1)において、高エネルギーボールミル処理におけるミルボールと前記原料との質量比は15:1~50:1であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ステップ(1)において、200~500rpmのボールミル速度で6~20時間ボールミルすることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記濾過は真空濾過であり、前記乾燥は真空乾燥であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記浸出液は、希塩酸、希硫酸、塩化銅水溶液又は硫酸銅水溶液であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記ステップ2において、還元温度は300~750℃、還元時間は1~5時間であり、還元後に得られた純銅又は合金粉末の場合、酸素含有量は0.3wt%未満、鉄含有量は0.11wt%未満であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
大粒径の純銅又は合金の粗粒のサイズが250μmを超える場合、まず、大粒径の純銅又は合金の粗粒をシート状に圧延し、次に高エネルギーボールミルを行うことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体製造の技術分野に関し、具体的に高エネルギーボールミル法による大粒径の純銅又は銅合金粒子の微細化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
1920年代の潤滑性多孔質青銅軸受の発明と発展は、銅粉の工業生産を大いに促進する。初期の銅粉生産方法は、銅の酸化物の還元と電気分解である。1930年代、置換沈殿法によって大量に生産された銅粉が銅ベースの摩擦材料に適用されるようになる。1950年代、噴霧法と湿式製錬法が成功して開発し、大量生産を実現する。
【0003】
銅の酸化物の還元は古い方法である。それは、銅加工過程で生成された銅のスケールを還元し、次に破砕し、銅粉として製造する。一般に、この方法で製造された銅粉の粒度は粗く、現在、生産量は低い。電気分解による銅粉の製造は、電解銅の生産から行われ、その主なプロセスは、電流密度を向上させ、銅イオン濃度を低下させることによって電解銅粉を取得することである。得られた銅粉は樹枝状であり、成形性に優れる。現在、電解銅粉の年間生産量は純銅粉末の70%以上を占め、それが最も重要な製造方法である。しかし、電気分解による銅粉の製造は、エネルギー消費が高く、深刻な環境汚染をもたらす。噴霧法は、高圧流体を利用して溶融金属の流れに作用させ、又は遠心力、機械力などの作用により、溶融金属を迅速に粉末に破砕する方法である。多くの噴霧法の中で、最も広く使用されるのは二流体噴霧法である。それは、噴霧ノズルによって高速高圧の媒体流を生成し、溶融物を微細な液滴に破砕し、粉末として冷却して固化する方法である。噴霧媒体は一般に水又はガスであり、それぞれ水噴霧又はガス噴霧と呼ばれる。噴霧粉砕プロセスは複雑でエネルギー消費が高い。
【0004】
高エネルギーボールミル法は、通常、機械的エネルギーの作用を利用し、固体状態の粉末を微細化することを指し、ナノ粉末、合金又は化合物を製造するための材料製造方法である。ボールミル過程において、異なるボールミルパラメータの下で、ミルボールの衝撃によって粉末粒子の変形、溶接及び破壊などの過程を継続的に繰り返し、時間の延長に伴い、粉末粒子を継続的に微細化する。ボールミル粉砕は、プロセスが容易で、エネルギー消費が低く、汚染が少ないという利点を有する。
【0005】
体心立方構造及び最密六方晶構造を有する金属は、可塑性が低いため、高エネルギーボールミルは優れた微細化効果を有し得る。銅のように面心立方構造を有する金属は、常温で3方向にスライドすることができるため、延性が高く、ボールミルで特に優れた微細化効果を発揮することは難しいと一般に考えられている。
【0006】
現在、高エネルギーボールミル法による銅粒子の微細化に関する研究は、主に75μm未満の銅粉を用いた超微粉の製造に焦点を合わせるが、粒径が100μmを超える大粒子の銅のボールミルによる微細化プロセスは基本的に未開拓の分野である。
【発明の概要】
【0007】
従来技術の上記欠陥及び改良の必要性について、本発明の目的は、高エネルギーボールミル法による大粒径の純銅又は銅合金粒子の微細化方法を提供することであり、該製造方法のプロセスフロー全体及び各プロセスステップのパラメータ条件(例えば、添加剤の種類と調和比率、処理時間などの処理のプロセスパラメータ、特にボールミル処理で使用されたプロセス制御剤、原料の調和比率、ボールミル機の回転速度など)を改良することにより、従来技術と比較し、低エネルギー消費、低汚染などの利点を有する。本発明は、適切なプロセス制御剤を加えることにより、粒子を微細化すると同時に、粒子のその場表面改質を行い、それによって粒子の表面エネルギー及びボールミル機本体との界面エネルギーを低下させ、粉体の分散性を向上させ、微細化された粒子間の溶接を遅くし、大粒子の銅の微細化を実現する。
【0008】
本発明の目的は、以下の技術的解決手段のうちの少なくとも1つによって実現されることである。
【0009】
高エネルギーボールミル法による大粒径の純銅又は銅合金粒子の微細化方法であって、
(1)大粒径の純銅又は銅合金の粗粒を原料とし、シクロヘキサン又は水をプロセス制御剤として使用し、高エネルギーボールミルによって粒子を粉砕して微細化し、小粒径の純銅又は銅合金粉末を得るステップと、
(2)雰囲気の還元によって前記ステップ(1)で得られた純銅又は銅合金粉末中の酸素含有量を低減し、純銅又は銅合金粉末を得るステップとを含む。ボールミル後の粉末中には少量の酸化銅と酸化第一銅が含まれるため、得られた粉末を直接使用することができず、酸化銅と酸化第一銅のこの部分を銅に還元する必要がある。
【0010】
更に、ステップ(1)で使用するミルボールの材質は、軸受鋼又は銅から選択され、軸受鋼のミルボールを選択する場合、前記ステップ(1)で得られた小粒径の純銅又は銅合金粉末を浸出液で処理する必要があり、浸出後に濾過し、それによってボールミルで導入された不純物を除去し、次に、乾燥後、ステップ(2)を行う。
【0011】
更に、前記ステップ(1)において、前記プロセス制御剤はと前記原料を0.2~2ml/gの固液比で混合し、前記純銅又は合金の粗粒のサイズは100~650μmである。
更に、前記ステップ(2)において、還元性雰囲気は、純粋な水素又はアンモニア分解ガスである。
【0012】
更に、前記ステップ(1)において、前記高エネルギーボールミル処理におけるミルボールと前記原料との質量比は15:1~50:1である。遊星ボールミル機を選択して高エネルギーボールミルを行う。
【0013】
更に、前記ステップ(1)において、200~500rpmのボールミル機の回転速度で6~20時間ボールミル処理し、ボールミルした後に得られた小粒径の粒度分布が7~45μmである。
【0014】
更に、前記濾過は好ましくは真空濾過であり、前記乾燥は真空乾燥である。
【0015】
更に、前記浸出液は、希塩酸、硫酸、塩化銅水溶液又は硫酸銅水溶液である。
【0016】
更に、前記ステップ2において、還元温度は200~750℃、還元時間は1~2時間であり、還元後に得られた純銅又は合金粉末の場合、酸素含有量は0.3wt%未満、鉄含有量は0.06wt%未満である。
【0017】
更に、大粒径の純銅又は合金の粗粒のサイズが250μmを超える場合、まず、大粒径の純銅又は合金の粗粒をシート状に圧延し、次に高エネルギーボールミルを行う。
【0018】
大粒径の銅粒子は、延性に優れ、粉砕しにくいという特性について、高エネルギーボールミルを利用し、プロセス制御剤によって粒子のその場表面改質を行い、粉体の分散性及び脆さを向上させ、微細化された粒子間の溶接を遅くし、大粒径の銅粒子を微細化する目的を達成する。本発明の困難な点は、適切なプロセス制御剤を選択する必要があることである。本発明は、大粒子の銅をボールミルによる微細化対象として使用し、シクロヘキサン又は水をプロセス制御剤として使用し、機械力によって銅粒子の粒径を微細化する。ボールミルプロセスを最適化することにより、以下の効果を有し、
(1)粒径が異なる銅粒子に適用でき、粒径の範囲が100~650μmの大粒径の銅粒子に対して優れた微細化効果を有し、それは、該方法が優れた実用性を有することを示す。同時に、銅粉製造全過程は、プロセスが容易で、汚染が低く、エネルギー消費が低く、該プロセスは、従来の銅粉製造プロセスの高投資、高汚染、高エネルギー消費の問題を解決する。
【0019】
(2)高エネルギーボールミルによって大粒径の純銅又は銅合金粒子を微細化することによって粉末を製造する場合、効率的に製造する目的を達成できる。該プロセスは、プロセス制御剤によって粒子のその場表面改質を行い、それによって粒子の表面エネルギー及びボールミル機本体との界面エネルギーを低下させ、粉体の分散性及び脆さを向上させ、微細化された粒子間の溶接を遅くし、大粒子の銅の粉砕及び微細化を実現する。その後、浸出液でボールミルで導入された鉄不純物を除去し、最後に大気圧還元で純銅粉末を得る。純銅粉末を製造するための高エネルギーボールミルは、操作性が高く、プロセスが容易で、得られた粉末の粒径が小さく、純度が高く、前記純銅又は合金粉末中の酸素含有量が0.3wt%未満であり、鉄含有量が0.11wt%未満である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】高エネルギーボールミルによる純銅粉末の製造プロセスフロー図である。
図2】実施例2の高エネルギーボールミルによって破砕して微細化した後に得られた微細材料の微視的トポグラフィーである。
図3】実施例6の高エネルギーボールミルによって破砕して微細化した後に得られた微細材料の微視的トポグラフィーである。
図4】実施例6のより優れた条件下でボールミルによって微細化された後の材料の粒径分布図である。
図5】比較例で高エネルギーボールミルによって破砕して微細化された材料の微視的トポグラフィーである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下では、図面及び実施例を参照して本発明をより詳細に説明する。本明細書に記載の具体的な実施例は、本発明を説明するためにのみ使用され、本発明を限定するものではないことを理解すべきである。なお、以下では説明される本発明の様々な実施形態に含まれる技術的特徴は、それらが互いに矛盾しない限り、互いに組み合わせることができる。
【0022】
本発明の実施例は、高エネルギーボールミル法による大粒径の純銅又は銅合金粒子の微細化方法を提供する。その後、塩酸などを浸出剤として使用し、ボールミルによって導入された鉄不純物を浸出させ、濾過及び乾燥後、純銅又は合金粉末を得て、最後に還元によって粉末中の酸素含有量を低下させ、粉末冶金に使用できる純銅又は合金粉末を得る。大粒径の純銅粒子を微細化して純銅又は合金粉末を製造する方法は、図1に示すステップを有し、
S1、まず、大粒径の純銅又は合金粒子とプロセス制御剤を遊星ボールミル機で共粉砕し、次に、ボールミルした後の材料を200メッシュの標準ふるいでふるい分けし、銅粉の通過率によって最適なボールミルパラメータを確定する。
【0023】
S2、ステップS1で得られた最適条件に基づき、大粒径の純銅又は合金粒子をボールミルし、真空吸引濾過装置によってプロセス制御剤と銅粉を分離し、細粒径の銅粉を得る。
【0024】
S3、塩酸などを浸出剤として使用し、化学浸出の方式でボールミルによって導入された鉄不純物を浸出させ、真空吸引濾過装置によって浸出液と銅粉を分離し、次に、真空乾燥し、純銅又は合金粉末を得る。
【0025】
S4、水素などの還元ガスを使用し、S3に従って得られた純銅又は合金粉末を還元し、粉末中の酸素含有量を低下させ、粉末冶金に使用できる純銅又は合金粉末を得る。
現在、異なる粒径の銅粒子を実験対象として、プロセス制御剤に基づいて粒子のその場表面改質を行い、それによって粉体の分散性及び脆さを向上させ、微細化された粒子間の溶接の作用を遅くし、本発明をより詳細に説明する。
(実施例1)
粒径100~250μmの純銅粒子を実験対象として選択し、シクロヘキサンをプロセス制御剤として設定し、原料に対するシクロヘキサンの添加量が1ml/gであり、両者を250mlのボールミル用ステンレス鋼缶中に入れ、ミルボールと前記原料の質量比を20:1に設定し、ミルボールの直径が5mmであり、材質がGCr15鋼であり、遊星ボールミル機で高エネルギーボールミルを行う。高エネルギーボールミル時間を6時間に設定し、ボールミル機の回転速度を500rpmに設定する。ボールミルが完了した後、材料を2mol/L塩酸で浸出させた後に濾過し、銅粉を得て、次に、真空乾燥した後に還元し、純銅粉末を得て、還元性雰囲気は純粋な水素、還元温度は摂氏750度、時間は2時間、純銅粉末の酸素含有量は0.1%、鉄含有量は0.08%であり、このとき、200メッシュのふるいを通過する純銅粉末の通過率は88.1%である。
(実施例2)
粒径100~250μmの純銅粒子を実験対象として選択し、シクロヘキサンをプロセス制御剤として設定し、原料に対するシクロヘキサンの添加量が1ml/gであり、両者を250mlのボールミル用ステンレス鋼缶中に入れ、ミルボールと原料の質量比を40:1に設定し、ミルボールの直径が5mmであり、材質がGCr15鋼であり、遊星ボールミル機で高エネルギーボールミルを行う。高エネルギーボールミル時間を8時間に設定し、ボールミル機の回転速度を400rpmに設定する。ボールミルが完了した後、材料を2mol/L塩酸で浸出させた後に濾過し、純銅粉末を得て、次に、真空乾燥した後に還元し、純銅粉末を得て、還元用の還元性雰囲気は純粋な水素、還元温度は摂氏300度、時間は5時間、純銅粉末の酸素含有量は0.3%、鉄含有量は0.08%である。このとき、200メッシュのふるいを通過する純銅粉末の通過率は88.5%以上に達し、その微視的トポグラフィーは図2に示され、微細化した後の粉末は粒子状である。
(実施例3)
粒径250μm~650μmの純銅粒子を実験対象として選択し、ボールミルによって微細化する前に機械的圧延によってそれをシート状にする必要がある。水をプロセス制御剤として設定し、原料に対する水の添加量が1ml/gであり、両者を250mlのボールミル用ステンレス鋼缶中に入れ、ミルボールと原料の質量比を20:1に設定し、ミルボールの直径が5mmであり、材質がGCr15鋼であり、遊星ボールミル機で高エネルギーボールミルを行う。高エネルギーボールミル時間を10時間に設定し、ボールミル機の回転速度を400rpmに設定する。ボールミルが完了した後、材料を2mol/L塩酸で浸出させた後に濾過し、純銅粉末を得て、次に、真空乾燥した後に還元し、純銅粉末を得て、還元用の還元性雰囲気は純粋な水素、還元温度は摂氏400度、時間は2時間、純銅粉末の酸素含有量は0.3%、鉄含有量は0.08%である。このとき、200メッシュのふるいを通過する純銅粉末の通過率は95.5%以上に達する。
(実施例4)
粒径100~250μmの銅合金粒子を実験対象として選択し、シクロヘキサンをプロセス制御剤として設定し、原料に対するシクロヘキサンの添加量が0.2ml/gであり、両者を250mlのボールミル用ステンレス鋼缶中に入れ、ミルボールと原料の質量比を15:1に設定し、ミルボールの直径が5mmであり、材質がGCr15鋼であり、遊星ボールミル機で高エネルギーボールミルを行う。高エネルギーボールミル時間を20時間に設定し、ボールミル機の回転速度を500rpmに設定する。ボールミルが完了した後、材料を2mol/L塩酸で浸出させた後に濾過し、粉末を得て、次に、真空乾燥した後に還元し、銅合金粉末を得て、還元用の還元性雰囲気は純粋な水素、還元温度は摂氏550度、時間は1時間、銅合金粉末の酸素含有量は0.3%、鉄含有量は0.11%である。このとき、200メッシュのふるいを通過する銅合金粉末の通過率は99.5%以上に達する。
(実施例5)
粒径100~250μmの銅合金粒子を実験対象として選択し、水をプロセス制御剤として設定し、原料に対する水の添加量が2ml/gであり、両者を250mlのボールミル用ステンレス鋼缶中に入れ、ミルボールと原料の質量比を50:1に設定し、ミルボールの直径が5mmであり、材質がGCr15鋼であり、遊星ボールミル機で高エネルギーボールミルを行う。高エネルギーボールミル時間を20時間に設定し、ボールミル機の回転速度を300rpmに設定する。ボールミルが完了した後、材料を2mol/L塩酸で浸出させた後に濾過し、粉末を得て、次に、真空乾燥した後に還元し、銅合金粉末を得て、還元用の還元性雰囲気は純粋な水素、還元温度は摂氏550度、時間は1時間、銅合金粉末の酸素含有量は0.3%、鉄含有量は0.07%である。200メッシュのふるいを通過する銅合金粉末の通過率は87.5%以上に達する。
(実施例6)
粒径100~250μmの純銅粒子を実験対象として選択し、水をプロセス制御剤として設定し、原料に対する水の添加量が1ml/gであり、両者を250mlのボールミル用ステンレス鋼缶中に入れ、ミルボールと原料の質量比を20:1に設定し、ミルボールの直径が5mmであり、材質がGCr15鋼であり、遊星ボールミル機で高エネルギーボールミルを行う。高エネルギーボールミル時間を7時間に設定し、ボールミル機の回転速度を400rpmに設定する。ボールミルが完了した後、材料を2mol/L塩酸で浸出させた後に濾過し、銅粉を得て、次に、真空乾燥した後に還元し、純銅粉末を得て、還元用の還元性雰囲気は純粋な水素、還元温度は摂氏550度、時間は1時間、純銅粉末の酸素含有量は0.3%、鉄含有量は0.08%である。200メッシュのふるいを通過する純銅粉末の通過率は98.8%以上に達し、その微視的トポグラフィーは図3に示され、微細化した後の粉末は粒子状であり、その粒径分布は図4に示され、粒子サイズ分布は7~45μmである。
(比較例)
該比較例の製造条件は、実施例6と同じであり、唯一の区別は、プロセス制御剤がエタノールに置き換えられることである。該比較例によって得られた製品は図5に示され、ボールミル後の材料が大きなサイズのシート状を呈することは、エタノールをプロセス制御剤として使用する場合、銅粒子の微細化を実現しにくいことを示す。
【0026】
当業者は、上記説明が本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を限定することを意図するものではなく、本発明の精神及び原理内で行われた修正、同等の置換及び改良などは本発明の保護範囲内に含まれるべきであることを容易に理解することができる。
図1
図2
図3
図4
図5