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特許7305266部品実装システム、部品実装システムの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-30
(45)【発行日】2023-07-10
(54)【発明の名称】部品実装システム、部品実装システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20230703BHJP
【FI】
H05K13/02 B
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019128918
(22)【出願日】2019-07-11
(65)【公開番号】P2021015863
(43)【公開日】2021-02-12
【審査請求日】2022-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105935
【弁理士】
【氏名又は名称】振角 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100136836
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 一正
(72)【発明者】
【氏名】谷口 謙
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-229420(JP,A)
【文献】特開2007-201416(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1タイプに属する第1部品実装ユニットと、
前記第1タイプと異なる第2タイプに属する第2部品実装ユニットと、
前記第1タイプに属する第1部品供給台車と、
前記第2タイプに属する第2部品供給台車と
を備え、
前記第1部品実装ユニットは、前記第1部品供給台車が着脱可能に装着される第1台車装着部を有し、前記第1台車装着部に装着された前記第1部品供給台車に保持されるフィーダが供給する部品を基板に実装し、
前記第2部品実装ユニットは、前記第2部品供給台車が着脱可能に装着される第2台車装着部を有し、前記第2台車装着部に装着された前記第2部品供給台車に保持されるフィーダが供給する部品を基板に実装し、
前記第1台車装着部は、第1固定機構を有し、
前記第1部品供給台車は、第1被固定部を有し、
前記第1固定機構は、前記第1台車装着部への前記第1部品供給台車の進入に伴って当該第1固定機構に対する第1所定位置に到達した前記第1被固定部を固定し、
前記第2台車装着部は、第2固定機構を有し、
前記第2部品供給台車は、第2被固定部を有し、
前記第2固定機構は、前記第2台車装着部への前記第2部品供給台車の進入に伴って当該第2固定機構に対する第2所定位置に到達した前記第2被固定部を固定し、
前記第1固定機構と前記第2固定機構とは、同一の構成を有し、
前記第1被固定部と前記第2被固定部とは、同一の構成を有し、
水平方向に延設されたスリットおよびピンのうち、一方部材が前記第1台車装着部および前記第2台車装着部のそれぞれに設けられ、他方部材が前記第1部品供給台車および前記第2部品供給台車のそれぞれに設けられ、
前記第1台車装着部に設けられた前記一方部材である第1一方部材と、前記第1部品供給台車に設けられた前記他方部材である第1他方部材とは、互いに同じ高さに設けられ、前記第1台車装着部への前記第1部品供給台車の進入に伴って互いに嵌りあって、前記第1被固定部の前記第1所定位置への到達を許容し、
前記第2台車装着部に設けられた前記一方部材である第2一方部材と、前記第2部品供給台車に設けられた前記他方部材である第2他方部材とは、互いに同じ高さに設けられ、前記第2台車装着部への前記第2部品供給台車の進入に伴って互いに嵌りあって、前記第2被固定部の前記第2所定位置への到達を許容し、
前記第1一方部材と前記第2他方部材とは、互い異なる高さに設けられ、前記第1一方部材と前記第2他方部材のうち前記ピンは、前記第1台車装着部への前記第2部品供給台車の進入を妨げ、
前記第2一方部材と前記第1他方部材とは、互い異なる高さに設けられ、前記第2一方部材と前記第1他方部材のうち前記ピンは、前記第2台車装着部への前記第1部品供給台車の進入を妨げる部品実装システム。
【請求項2】
第1タイプに属する第1部品実装ユニットと、
前記第1タイプと異なる第2タイプに属する第2部品実装ユニットと、
前記第1タイプに属する第1部品供給台車と、
前記第2タイプに属する第2部品供給台車と
を備え、
前記第1部品実装ユニットは、前記第1部品供給台車が着脱可能に装着される第1台車装着部を有し、前記第1台車装着部に装着された前記第1部品供給台車に保持されるフィーダが供給する部品を基板に実装し、
前記第2部品実装ユニットは、前記第2部品供給台車が着脱可能に装着される第2台車装着部を有し、前記第2台車装着部に装着された前記第2部品供給台車に保持されるフィーダが供給する部品を基板に実装し、
前記第1台車装着部は、第1固定機構を有し、
前記第1部品供給台車は、第1被固定部を有し、
前記第1固定機構は、前記第1台車装着部への前記第1部品供給台車の進入に伴って当該第1固定機構に対する第1所定位置に到達した前記第1被固定部を固定し、
前記第2台車装着部は、第2固定機構を有し、
前記第2部品供給台車は、第2被固定部を有し、
前記第2固定機構は、前記第2台車装着部への前記第2部品供給台車の進入に伴って当該第2固定機構に対する第2所定位置に到達した前記第2被固定部を固定し、
前記第1固定機構と前記第2固定機構とは、同一の構成を有し、
前記第1被固定部と前記第2被固定部とは、同一の構成を有し、
水平方向に延設されたスリットおよびピンのうち、一方部材が前記第1台車装着部および前記第2台車装着部のそれぞれに設けられ、他方部材が前記第1部品供給台車および前記第2部品供給台車のそれぞれに設けられ、
前記第1台車装着部に設けられた前記一方部材である第1一方部材と、前記第1部品供給台車に設けられた前記他方部材である第1他方部材と、前記第2台車装着部に設けられた前記一方部材である第2一方部材と、前記第2部品供給台車に設けられた前記他方部材である第2他方部材とは、互いに同じ高さに設けられ、
前記第1一方部材と前記第1他方部材とは、前記第1台車装着部への前記第1部品供給台車の進入に伴って互いに嵌りあって、前記第1被固定部の前記第1所定位置への到達を許容し、
前記第2一方部材と前記第2他方部材とは、前記第2台車装着部への前記第2部品供給台車の進入に伴って互いに嵌りあって、前記第2被固定部の前記第2所定位置への到達を許容し、
前記第1一方部材と前記第1他方部材のうちの前記スリットと、前記第2一方部材と前記第2他方部材のうちの前記スリットとは、前記水平方向に異なる長さを有する部品実装システム。
【請求項3】
第1タイプに属する第1部品実装ユニットと、
前記第1タイプと異なる第2タイプに属する第2部品実装ユニットと、
前記第1タイプに属する第1部品供給台車と、
前記第2タイプに属する第2部品供給台車と
を備え、
前記第1部品実装ユニットは、前記第1部品供給台車が着脱可能に装着される第1台車装着部を有し、前記第1台車装着部に装着された前記第1部品供給台車に保持されるフィーダが供給する部品を基板に実装し、
前記第2部品実装ユニットは、前記第2部品供給台車が着脱可能に装着される第2台車装着部を有し、前記第2台車装着部に装着された前記第2部品供給台車に保持されるフィーダが供給する部品を基板に実装し、
前記第1台車装着部は、第1固定機構を有し、
前記第1部品供給台車は、第1被固定部を有し、
前記第1固定機構は、前記第1台車装着部への前記第1部品供給台車の進入に伴って当該第1固定機構に対する第1所定位置に到達した前記第1被固定部を固定し、
前記第2台車装着部は、第2固定機構を有し、
前記第2部品供給台車は、第2被固定部を有し、
前記第2固定機構は、前記第2台車装着部への前記第2部品供給台車の進入に伴って当該第2固定機構に対する第2所定位置に到達した前記第2被固定部を固定し、
前記第1固定機構と前記第2固定機構とは、同一の構成を有し、
前記第1被固定部と前記第2被固定部とは、同一の構成を有し、
前記第1台車装着部は、当該第1台車装着部に前記第1部品供給台車が進入して前記第1所定位置に前記第1被固定部が到達した場合に適正と判定する一方、当該第1台車装着部に前記第2部品供給台車が進入して前記第1所定位置に前記第2被固定部が到達した場合に不適正と判定する第1判定部をさらに有し、
前記第2台車装着部は、当該第2台車装着部に前記第2部品供給台車が進入して前記第2所定位置に前記第2被固定部が到達した場合に適正と判定する一方、当該第2台車装着部に前記第1部品供給台車が進入して前記第2所定位置に前記第1被固定部が到達した場合に不適正と判定する第2判定部をさらに有する部品実装システム。
【請求項4】
前記第1判定部は、前記第1台車装着部の幅方向の両端に設けられた第1光源と、第1光センサとを有し、
前記第1光源と前記第1光センサとは、前記第1所定位置に前記第1被固定部が到達するまで前記第1台車装着部に進入した前記第1部品供給台車を挟み、前記第1光源から射出された光は、前記第1部品供給台車に設けられた第1貫通孔を通過して前記第1光センサに到達し、
前記第1光源と前記第1光センサとは、前記第1所定位置に前記第2被固定部が到達するまで前記第1台車装着部に進入した前記第2部品供給台車を挟み、前記第1光源から射出された光は、前記第2部品供給台車に遮断されて前記第1光センサに到達せず、
前記第1判定部は、前記第1光センサが光を検出した場合に適正と判定する一方、前記第1光センサが光を検出しない場合に不適正と判定し、
前記第2判定部は、前記第2台車装着部の幅方向の両端に設けられた第2光源と、第2光センサとを有し、
前記第2光源と前記第2光センサとは、前記第2所定位置に前記第2被固定部が到達するまで前記第2台車装着部に進入した前記第2部品供給台車を挟み、前記第2光源から射出された光は、前記第2部品供給台車に設けられた第2貫通孔を通過して前記第2光センサに到達し、
前記第2光源と前記第2光センサとは、前記第2所定位置に前記第1被固定部が到達するまで前記第2台車装着部に進入した前記第1部品供給台車を挟み、前記第2光源から射出された光は、前記第1部品供給台車に遮断されて前記第2光センサに到達せず、
前記第2判定部は、前記第2光センサが光を検出した場合に適正と判定する一方、前記第2光センサが光を検出しない場合に不適正と判定する請求項に記載の部品実装システム。
【請求項5】
前記第1部品供給台車は、前記第1台車装着部への進入方向の先端に第1被検出部材をさらに有し、
前記第2部品供給台車は、前記第2台車装着部への進入方向の先端に第2被検出部材をさらに有し、
前記第1被検出部材と前記第2被検出部材とは互いに異なる高さに位置し、
前記第1判定部は、前記第1被検出部材と同じ高さに設けられた第1近接センサをさらに有し、
前記第1近接センサは、前記第1所定位置に前記第1被固定部が到達するまで前記第1台車装着部に進入した前記第1部品供給台車の前記第1被検出部材に前記進入方向から対向して前記第1被検出部材を検出して第1検出信号を出力する一方、前記第1所定位置に前記第2被固定部が到達するまで前記第1台車装着部に進入した前記第2部品供給台車の前記第2被検出部材に前記進入方向から対向せずに第1検出信号を出力せず、
前記第2判定部は、前記第2被検出部材と同じ高さに設けられた第2近接センサをさらに有し、
前記第2近接センサは、前記第2所定位置に前記第2被固定部が到達するまで前記第2台車装着部に進入した前記第2部品供給台車の前記第2被検出部材に前記進入方向から対向して前記第2被検出部材を検出して第2検出信号を出力する一方、前記第2所定位置に前記第1被固定部が到達するまで前記第2台車装着部に進入した前記第1部品供給台車の前記第1被検出部材に前記進入方向から対向せずに第2検出信号を出力せず、
前記第1判定部は、前記第1近接センサが前記第1検出信号を出力した場合に適正と判定する一方、前記第1近接センサが前記第1検出信号を出力しない場合に不適正と判定し、
前記第2判定部は、前記第2近接センサが前記第2検出信号を出力した場合に適正と判定する一方、前記第2近接センサが前記第2検出信号を出力しない場合に不適正と判定する請求項に記載の部品実装システム。
【請求項6】
前記第1判定部は、適正と判定した場合に、前記第1固定機構の動作を許可する一方、不適正と判定した場合に、前記第1固定機構の動作を禁止し、
前記第2判定部は、適正と判定した場合に、前記第2固定機構の動作を許可する一方、不適正と判定した場合に、前記第2固定機構の動作を禁止する請求項ないしのいずれか一項に記載の部品実装システム。
【請求項7】
第1タイプに属する第1部品実装ユニットと、前記第1タイプと異なる第2タイプに属する第2部品実装ユニットと、前記第1タイプに属する第1部品供給台車と、前記第2タイプに属する第2部品供給台車とを備えた部品実装システムの制御方法であって、
前記第1部品実装ユニットが有する第1台車装着部への部品供給台車の装着の適否を判定する第1工程と、
前記第2部品実装ユニットが有する第2台車装着部への部品供給台車の装着の適否を判定する第2工程と
を備え、
前記第1部品実装ユニットは、前記第1台車装着部に着脱可能に装着された前記第1部品供給台車に保持されるフィーダが供給する部品を基板に実装し、
前記第2部品実装ユニットは、前記第2台車装着部に着脱可能に装着された前記第2部品供給台車に保持されるフィーダが供給する部品を基板に実装し、
前記第1台車装着部は、第1固定機構を有し、
前記第1部品供給台車は、第1被固定部を有し、
前記第1固定機構は、前記第1台車装着部への前記第1部品供給台車の進入に伴って当該第1固定機構に対する第1所定位置に到達した前記第1被固定部を固定し、
前記第2台車装着部は、第2固定機構を有し、
前記第2部品供給台車は、第2被固定部を有し、
前記第2固定機構は、前記第2台車装着部への前記第2部品供給台車の進入に伴って当該第2固定機構に対する第2所定位置に到達した前記第2被固定部を固定し、
前記第1固定機構と前記第2固定機構とは、同一の構成を有し、
前記第1被固定部と前記第2被固定部とは、同一の構成を有し、
前記第1工程では、前記第1台車装着部に前記第1部品供給台車が進入して前記第1所定位置に前記第1被固定部が到達した場合に適正と判定する一方、当該第1台車装着部に前記第2部品供給台車が進入して前記第1所定位置に前記第2被固定部が到達した場合に不適正と判定し、
前記第2工程では、前記第2台車装着部に前記第2部品供給台車が進入して前記第2所定位置に前記第2被固定部が到達した場合に適正と判定する一方、当該第2台車装着部に前記第1部品供給台車が進入して前記第2所定位置に前記第1被固定部が到達した場合に不適正と判定する部品実装システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、フィーダにより供給された部品を実装する部品実装機に対する部品補給を、フィーダを保持する部品供給台車により実行する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フィーダにより供給された部品を基板に実装する部品実装機では、部品補給のために部品供給台車が用いられる。例えば特許文献1の部品実装機では、所定箇所に対して一括交換台車(部品供給台車)が着脱可能となっている。そして、部品実装機は、当該所定箇所に固定された一括交換台車が保持するフィーダにより供給された部品を基板に実装する。具体的には、一括交換台車に設けられた被ロック部をロック装置によりロックすることで、一括交換台車が固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-143546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、部品実装機のユーザの中には、複数の異なるタイプの部品実装機を所有するユーザが存在する。このようにタイプが異なると、部品供給台車の構成や、当該部品供給台車のフィーダから供給された部品を基板に実装する部品実装ユニットの構成が異なる。これに対して、ユーザにおいては、異なるタイプの間で部品実装ユニットや部品供給台車を将来的に共用できるように、利便性を担保しておきたいといった事情がある。この際、タイプによって部品供給台車を固定するための構成の違いが、かかる利便性にとって障害となっていた。
【0005】
この発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、異なるタイプの部品実装機を所有するユーザにおける利便性を担保することを可能とする技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る部品実装システムは、第1タイプに属する第1部品実装ユニットと、第1タイプと異なる第2タイプに属する第2部品実装ユニットと、第1タイプに属する第1部品供給台車と、第2タイプに属する第2部品供給台車とを備え、第1部品実装ユニットは、第1部品供給台車が着脱可能に装着される第1台車装着部を有し、第1台車装着部に装着された第1部品供給台車に保持されるフィーダが供給する部品を基板に実装し、第2部品実装ユニットは、第2部品供給台車が着脱可能に装着される第2台車装着部を有し、第2台車装着部に装着された第2部品供給台車に保持されるフィーダが供給する部品を基板に実装し、第1台車装着部は、第1固定機構を有し、第1部品供給台車は、第1被固定部を有し、第1固定機構は、第1台車装着部への第1部品供給台車の進入に伴って当該第1固定機構に対する第1所定位置に到達した第1被固定部を固定し、第2台車装着部は、第2固定機構を有し、第2部品供給台車は、第2被固定部を有し、第2固定機構は、第2台車装着部への第2部品供給台車の進入に伴って当該第2固定機構に対する第2所定位置に到達した第2被固定部を固定し、第1固定機構と第2固定機構とは、同一の構成を有し、第1被固定部と第2被固定部とは、同一の構成を有する。
【0007】
このように構成された本発明(部品実装システム)では、それぞれ第1タイプに属する第1部品実装ユニットおよび第1部品供給台車と、それぞれ第2タイプに属する第2部品実装ユニットおよび第2部品供給台車とが具備されている。また、第1部品実装ユニットの第1台車装着部は、第1部品供給台車の第1被固定部を固定する第1固定機構を有し、第2部品実装ユニットは、第2部品供給台車の第2被固定部を固定する第2固定機構を有する。そして、第1固定機構と第2固定機構とは、同一の構成を有し、第1被固定部と第2被固定部とは、同一の構成を有する。このように、部品供給台車を部品実装ユニットに固定するための構成(被固定部および固定機構)を、第1タイプと第2タイプとで共通化している。これによって、異なるタイプの部品実装機を所有するユーザにおける利便性を担保することが可能となっている。
【0008】
また、水平方向に延設されたスリットおよびピンのうち、一方部材が第1台車装着部および第2台車装着部のそれぞれに設けられ、他方部材が第1部品供給台車および第2部品供給台車のそれぞれに設けられ、第1台車装着部に設けられた一方部材である第1一方部材と、第1部品供給台車に設けられた他方部材である第1他方部材とは、互いに同じ高さに設けられ、第1台車装着部への第1部品供給台車の進入に伴って互いに嵌りあって、第1被固定部の第1所定位置への到達を許容し、第2台車装着部に設けられた一方部材である第2一方部材と、第2部品供給台車に設けられた他方部材である第2他方部材とは、互いに同じ高さに設けられ、第2台車装着部への第2部品供給台車の進入に伴って互いに嵌りあって、第2被固定部の第2所定位置への到達を許容し、第1一方部材と第2他方部材とは、互い異なる高さに設けられ、第1一方部材と第2他方部材のうちピンは、第1台車装着部への第2部品供給台車の進入を妨げ、第2一方部材と第1他方部材とは、互い異なる高さに設けられ、第2一方部材と第1他方部材のうちピンは、第2台車装着部への第1部品供給台車の進入を妨げるように、部品実装システムを構成してもよい。かかる構成では、互いに異なるタイプに属する部品実装ユニットと部品供給台車とを装着するといった誤装着の発生を抑制することができる。
【0009】
また、水平方向に延設されたスリットおよびピンのうち、一方部材が第1台車装着部および第2台車装着部のそれぞれに設けられ、他方部材が第1部品供給台車および第2部品供給台車のそれぞれに設けられ、第1台車装着部に設けられた一方部材である第1一方部材と、第1部品供給台車に設けられた他方部材である第1他方部材と、第2台車装着部に設けられた一方部材である第2一方部材と、第2部品供給台車に設けられた他方部材である第2他方部材とは、互いに同じ高さに設けられ、第1一方部材と第1他方部材とは、第1台車装着部への第1部品供給台車の進入に伴って互いに嵌りあって、第1被固定部の第1所定位置への到達を許容し、第2一方部材と第2他方部材とは、第2台車装着部への第2部品供給台車の進入に伴って互いに嵌りあって、第2被固定部の第2所定位置への到達を許容し、第1一方部材と第1他方部材のうちのスリットと、第2一方部材と第2他方部材のうちのスリットとは、水平方向に異なる長さを有するように、部品実装システムを構成しても良い。かかる構成では、第1一方部材と第1他方部材のうちのスリットより、第2一方部材と第2他方部材のうちのスリットが短いとした場合、第2一方部材と第2他方部材のうちのスリットは、第1一方部材と第1他方部材のうちのピンに当接することで、第2台車装着部への第1部品供給部の進入を妨げる。こうして、互いに異なるタイプに属する部品実装ユニットと部品供給台車とを装着するといった誤装着の発生を抑制することができる。
【0010】
また、第1台車装着部は、当該第1台車装着部に第1部品供給台車が進入して第1所定位置に第1被固定部が到達した場合に適正と判定する一方、当該第1台車装着部に第2部品供給台車が進入して第1所定位置に第2被固定部が到達した場合に不適正と判定する第1判定部をさらに有し、第2台車装着部は、当該第2台車装着部に第2部品供給台車が進入して第2所定位置に第2被固定部が到達した場合に適正と判定する一方、当該第2台車装着部に第1部品供給台車が進入して第2所定位置に第1被固定部が到達した場合に不適正と判定する第2判定部をさらに有するように、部品実装システムを構成しても良い。かかる構成では、互いに異なるタイプに属する部品実装ユニットと部品供給台車とを装着するといった誤装着の発生を抑制することができる。
【0011】
また、第1判定部は、第1台車装着部の幅方向の両端に設けられた第1光源と、第1光センサとを有し、第1光源と1光センサとは、第1所定位置に第1被固定部が到達するまで第1台車装着部に進入した第1部品供給台車を挟み、第1光源から射出された光は、第1部品供給台車に設けられた第1貫通孔を通過して第1光センサに到達し、第1光源と1光センサとは、第1所定位置に第2被固定部が到達するまで第1台車装着部に進入した第2部品供給台車を挟み、第1光源から射出された光は、第2部品供給台車に遮断されて第1光センサに到達せず、第1判定部は、第1光センサが光を検出した場合に適正と判定する一方、第1光センサが光を検出しない場合に不適正と判定し、第2判定部は、第2台車装着部の幅方向の両端に設けられた第2光源と、第2光センサとを有し、第2光源と2光センサとは、第2所定位置に第2被固定部が到達するまで第2台車装着部に進入した第2部品供給台車を挟み、第2光源から射出された光は、第2部品供給台車に設けられた第2貫通孔を通過して第2光センサに到達し、第2光源と2光センサとは、第2所定位置に第1被固定部が到達するまで第2台車装着部に進入した第1部品供給台車を挟み、第2光源から射出された光は、第1部品供給台車に遮断されて第2光センサに到達せず、第2判定部は、第2光センサが光を検出した場合に適正と判定する一方、第2光センサが光を検出しない場合に不適正と判定するように、部品実装システムを構成してもよい。かかる構成では、互いに異なるタイプに属する部品実装ユニットと部品供給台車とを装着するといった誤装着の発生を抑制することができる。
【0012】
また、第1部品供給台車は、第1部品供給部への進入方向の先端に第1被検出部材をさらに有し、第2部品供給台車は、第2部品供給部への進入方向の先端に第2被検出部材をさらに有し、第1被検出部材と第2非検出部材とは互いに異なる高さに位置し、第1判定部は、第1被検出部材と同じ高さに設けられた第1近接センサをさらに有し、第1近接センサは、第1所定位置に第1被固定部が到達するまで第1台車装着部に進入した第1部品供給台車の第1被検出部材に進入方向から対向して第1被検出部材を検出して第1検出信号を出力する一方、第1所定位置に第2被固定部が到達するまで第1台車装着部に進入した第2部品供給台車の第2被検出部材に進入方向から対向せずに第1検出信号を出力せず、第2判定部は、第2被検出部材と同じ高さに設けられた第2近接センサをさらに有し、第2近接センサは、第2所定位置に第2被固定部が到達するまで第2台車装着部に進入した第2部品供給台車の第2被検出部材に進入方向から対向して第2被検出部材を検出して第2検出信号を出力する一方、第2所定位置に第1被固定部が到達するまで第2台車装着部に進入した第1部品供給台車の第1被検出部材に進入方向から対向せずに第2検出信号を出力せず、第1判定部は、第1近接センサが第1検出信号を出力した場合に適正と判定する一方、第1近接センサが第1検出信号を出力しない場合に不適正と判定し、第2判定部は、第2近接センサが第2検出信号を出力した場合に適正と判定する一方、第2近接センサが第2検出信号を出力しない場合に不適正と判定するように、部品実装システムを構成してもよい。かかる構成では、互いに異なるタイプに属する部品実装ユニットと部品供給台車とを装着するといった誤装着の発生を抑制することができる。
【0013】
また、第1判定部は、適正と判定した場合に、第1固定機構の動作を許可する一方、不適正と判定した場合に、第1固定機構の動作を禁止し、第2判定部は、適正と判定した場合に、第2固定機構の動作を許可する一方、不適正と判定した場合に、第2固定機構の動作を禁止するように、部品実装システムを構成しても良い。かかる構成では、互いに異なるタイプに属する部品実装ユニットと部品供給台車とが誤って固定されるのを抑制することができる。
【0014】
本発明に係る部品実装システムの制御方法は、第1タイプに属する第1部品実装ユニットと、第1タイプと異なる第2タイプに属する第2部品実装ユニットと、第1タイプに属する第1部品供給台車と、第2タイプに属する第2部品供給台車とを備えた部品実装システムの制御方法であって、第1部品実装ユニットが有する第1台車装着部への部品供給台車の装着の適否を判定する第1工程と、第2部品実装ユニットが有する第2台車装着部への部品供給台車の装着の適否を判定する第2工程とを備え、第1部品実装ユニットは、第1台車装着部に着脱可能に装着された第1部品供給台車に保持されるフィーダが供給する部品を基板に実装し、第2部品実装ユニットは、第2台車装着部に着脱可能に装着された第2部品供給台車に保持されるフィーダが供給する部品を基板に実装し、第1台車装着部は、第1固定機構を有し、第1部品供給台車は、第1被固定部を有し、 第1固定機構は、第1台車装着部への第1部品供給台車の進入に伴って当該第1固定機構に対する第1所定位置に到達した第1被固定部を固定し、第2台車装着部は、第2固定機構を有し、第2部品供給台車は、第2被固定部を有し、 第2固定機構は、第2台車装着部への第2部品供給台車の進入に伴って当該第2固定機構に対する第2所定位置に到達した第2被固定部を固定し、第1固定機構と第2固定機構とは、同一の構成を有し、第1被固定部と第2被固定部とは、同一の構成を有し、第1工程では、第1台車装着部に第1部品供給台車が進入して第1所定位置に第1被固定部が到達した場合に適正と判定する一方、当該第1台車装着部に第2部品供給台車が進入して第1所定位置に第2被固定部が到達した場合に不適正と判定し、第2工程では、第2台車装着部に第2部品供給台車が進入して第2所定位置に第2被固定部が到達した場合に適正と判定する一方、当該第2台車装着部に第1部品供給台車が進入して第2所定位置に第1被固定部が到達した場合に不適正と判定する。
【0015】
このように構成された本発明(部品実装システムの制御方法)では、それぞれ第1タイプに属する第1部品実装ユニットおよび第1部品供給台車と、それぞれ第1タイプに属する第2部品実装ユニットおよび第2部品供給台車とが具備されている。また、第1部品実装ユニットの第1台車装着部は、第1部品供給台車の第1被固定部を固定する第1固定機構を有し、第2部品実装ユニットは、第2部品供給台車の第2被固定部を固定する第2固定機構を有する。そして、第1固定機構と第2固定機構とは、同一の構成を有し、第1被固定部と第2被固定部とは、同一の構成を有する。このように、部品供給台車を部品実装ユニットに固定するための構成(被固定部および固定機構)を、第1タイプと第2タイプとで共通化している。これによって、異なるタイプの部品実装機を所有するユーザにおける利便性を担保することが可能となっている。さらに、第1工程および第2工程を実行することで、互いに異なるタイプに属する部品実装ユニットと部品供給台車とを装着するといった誤装着の発生を抑制することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によれば、異なるタイプの部品実装機を所有するユーザにおける利便性を担保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る部品実装システムが備える部品実装機の一例を模式的に示す平面図。
図2】台車装着部に部品供給台車を装着した状態を示す左後方斜視図。
図3】台車装着部から部品供給台車を取り外した状態を示す左後方斜視図。
図4】部品供給台車の一部を示す右後方斜視図。
図5】部品供給台車の一部を示す左後方斜視図。
図6】台車装着部の右側のガイド側板を示す左後方斜視図。
図7】台車装着部の右側のガイド側板の内側を示す左側面図。
図8】台車装着部の左側のガイド側板を示す右後方斜視図。
図9】台車装着部の左側のガイド側板の内側を示す右側面図。
図10】台車装着部と部品供給台車との電気的構成を示すブロック図。
図11】2個の異なるタイプの部品実装機を備えた部品実装システムの構成を模式的に示す図。
図12】第1タイプに属する部品供給台車およびテープフィーダを示す右後方斜視図。
図13】第2タイプに属する部品供給台車およびテープフィーダを示す右後方斜視図。
図14】部品実装ユニットと部品供給台車との誤装着を抑制する機構の第1例を模式的に示す図。
図15】部品実装ユニットと部品供給台車との誤装着を抑制する機構の第2例を模式的に示す図。
図16】部品実装ユニットと部品供給台車との誤装着を抑制する機構の第3例を模式的に示す図。
図17】部品実装ユニットと部品供給台車との誤装着を抑制する機構の第4例を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は本発明に係る部品実装システムが備える部品実装機の一例を模式的に示す平面図である。同図および以下の図では、それぞれ水平方向に平行なX方向およびY方向と、鉛直方向に平行なZ方向とで構成されるXYZ直交座標を適宜示す。
【0019】
部品実装機1は、基板BをX方向(基板搬送方向)に搬送する基板搬送部2を備える。この基板搬送部2は、X方向に並列に配置された一対のコンベア21を有し、コンベア21によって基板BをX方向に搬送する。これらコンベア21の間隔は、X方向に直交するY方向(幅方向)に変更可能であり、基板搬送部2は、搬送する基板Bの幅に応じてコンベア21の間隔を調整する。この基板搬送部2は、基板搬送方向であるX方向の上流側から所定の実装作業位置22に基板Bを搬入するとともに、実装作業位置22で部品Cが実装された基板Bを実装作業位置22からX方向の下流側に搬出する。
【0020】
基板搬送部2のY方向の両側それぞれでは2つの台車装着部3がX方向に並んでおり、各台車装着部3に対しては、部品供給台車4を着脱可能に装着することができる。こうして部品供給台車4が装着された台車装着部3では、部品供給台車4に保持された複数のテープフィーダ5がX方向に並ぶ。各テープフィーダ5の基板搬送部2側の先端には、部品供給位置51が設けられており、各テープフィーダ5はその部品供給位置51に部品Cを供給する。各テープフィーダ5に対しては、集積回路、トランジスタ、コンデンサ等の小片状の部品Cを所定間隔おきに収容したキャリアテープが巻き付けられた部品供給リールが配置されており、各テープフィーダ5は部品供給リールから引き出されたキャリアテープを間欠的に送り出すことで、その部品供給位置51に部品Cを供給する。
【0021】
また、部品実装機1では、Y方向に延設された一対のY軸レール61と、Y方向に延設されたY軸ボールネジ62と、Y軸ボールネジ62を回転駆動するY軸モーター63とが設けられている。そして、X方向に延設されたX軸ビーム64が一対のY軸レール61にY方向に移動可能に支持された状態で、Y軸ボールネジ62のナットに固定されている。X軸ビーム64には、X方向に延設されたX軸ボールネジ65と、X軸ボールネジ65を回転駆動するX軸モーター66とが取り付けられており、ヘッドユニット7がX軸ビーム64にX方向に移動可能に支持された状態でX軸ボールネジ65のナットに固定されている。したがってY軸モーター63によりY軸ボールネジ62を回転させてヘッドユニット7をY方向に移動させたり、X軸モーター66によりX軸ボールネジ65を回転させてヘッドユニット7をX方向に移動させたりすることができる。
【0022】
ヘッドユニット7は、X方向に直線状に並ぶ複数の実装ヘッド71を有する。各実装ヘッド71は、その下端に着脱可能に装着されたノズルにより、基板Bへの部品Cの実装を行う。つまり、実装ヘッド71は、その下端のノズルを部品供給位置51の上方に位置させつつノズルを下降させることで、テープフィーダ5が部品供給位置51に供給する部品Cにノズルを当接させる。そして、実装ヘッド71は、ノズル内に負圧を与えてノズルにより部品Cを吸着すると、ノズルを上昇させる。実装ヘッド71は、こうして部品供給位置51からピックアップした部品Cをノズルによって吸着・保持しつつ、部品供給位置51の基板Bの上方へ移動する。そして、実装ヘッド71は、ノズルを下降させて部品Cを基板Bに接触させると、ノズルの負圧を解除して、部品Cを基板Bに載置する。
【0023】
図2は台車装着部に部品供給台車を装着した状態を示す左後方斜視図であり、図3は台車装着部から部品供給台車を取り外した状態を示す左後方斜視図である。これらの図および以下の図では、台車装着部3への部品供給台車4の装着のために、部品供給台車4が台車装着部3に向けて進行する装着方向YaがY方向の代わりに示されている。装着方向YaはY方向に平行である。装着方向Yaの矢印側を「前側」と適宜取り扱うとともに、装着方向Yaの矢印の反対側を「後側」と適宜取り扱う。
【0024】
台車装着部3は、X方向に間隔を空けて配置された左右一対のガイド側板31A、31Bと、ガイド側板31A、31Bの上端の間にX方向に掛け渡されたカバー部材32とを有する。ガイド側板31A、31Bのそれぞれは装着方向Yaに延設され、Z方向からの平面視においてカバー部材32から装着方向Yaの後側に突出する。これらガイド側板31A、31Bとカバー部材32とで囲まれた収容空間33には、台車装着部3に装着された部品供給台車4の装着方向Yaの前端部分が収容される。
【0025】
また、台車装着部3は、ガイド側板31A、31Bの間に配置されたカッターユニット34を有する。カッターユニット34は、カバー部材32の下方に位置し、カバー部材32とカッターユニット34とはZ方向に間隔を空けて配置されている。これらカバー部材32とカッターユニット34とは、台車装着部3への部品供給台車4の装着によって収容空間33に収容された部品供給台車4の前端部分をZ方向から挟む。
【0026】
部品供給台車4は、台車本体41を有する。台車本体41は、水平に配置された底板411と、底板411のX方向の両端から垂直に立設された2個の側壁板412とを有する。底板411は平面視において矩形状を有し、各側壁板412は、装着方向YaおよびZ方向に平行に底板411に取り付けられている。また、台車本体41は、底板411の下面の4隅に取り付けられたキャスター414を有し、これらのキャスター414が地面(部品供給台車4の設置面)に対して底板411を支える。したがって、作業者あるいは無人搬送車等からの外力に応じて、部品供給台車4はキャスター414を回転させつつ移動できる。特に、2個の側壁板412それぞれには、上方かつ後方へ斜めに突出したハンドル415が設けられており、作業者はハンドル415を操作することで、部品供給台車4を移動させることができる。
【0027】
この部品供給台車4は、台車本体41の2個の側壁板412の間でX方向に並ぶ複数のリールホルダ42を有する。X方向に隣接するリールホルダ42は、仕切板421で仕切られており、各リールホルダ42に、部品供給リールが着脱可能に保持される。さらに、部品供給台車4は、複数のリールホルダ42の上方において、2個の側壁板412の間でX方向に並ぶ複数のテープガイド43を有する。複数のテープガイド43は、部品供給台車4でX方向に並ぶ複数のテープフィーダ5に対応して設けられ、各テープガイド43は、リールホルダ42に保持されたリールから引き出された部品供給テープを、対応するテープフィーダ5へと案内する。
【0028】
また、部品供給台車4は、リールホルダ42およびテープガイド43の装着方向Yaの前側に設けられた2個の支持脚416を有する。2個の支持脚416は、X方向に間隔を空けて並べられ、Z方向に平行に底板411から立設されている。
【0029】
さらに、部品供給台車4は、2個の支持脚416の上端に支持されるフィーダ支持台45を有し、フィーダ支持台45は、リールホルダ42およびテープガイド43より装着方向Yaの前側に突出する。フィーダ支持台45は、2個の支持脚416の上端に取り付けられたテーブル46と、テーブル46のX方向の両側に設けられたガイドブロック47A、47Bとを有する。テーブル46は、Z方向からの平面視で矩形状を有する。ガイドブロック47A、47Bのそれぞれは、装着方向Yaに延設されるとともに、テーブル46のX方向の両端からZ方向の上側へ突出する。
【0030】
テーブル46の上面では、ガイドブロック47A、47Bの間において、複数のフィーダスロット461がX方向に並んでいる。フィーダスロット461は、X方向においてテープフィーダ5に相当する幅で装着方向Yaに平行に延設されており、複数のフィーダスロット461のそれぞれにテープフィーダ5を装着することができる。
【0031】
また、フィーダ支持台45は、テーブル46の装着方向YAの前端に取り付けられた位置決めプレート48を有する。位置決めプレート48は、テーブル46からZ方向の上側へ突出する。この位置決めプレート48では、上下一対のピン孔481が各フィーダスロット461に対応して設けられ、フィーダスロット461に装着されたテープフィーダ5の前端に設けられた一対のピンが、当該フィーダスロット461に対応する一対のピン孔481に嵌ることで、テープフィーダ5が位置決めされる。
【0032】
なお、フィーダ支持台45は、2個の支持脚416によって台車本体41に対して昇降可能に支持されている。部品供給台車4は、フィーダ支持台45を台車本体41に対して上側へ付勢するばね部材を有し、フィーダ支持台45および当該フィーダ支持台45に取り付けられたテープフィーダ5の自重と、ばね部材による上向きの付勢力とがつりあった高さにフィーダ支持台45は支持される。したがって、フィーダ支持台45の全フィーダスロット461にテープフィーダ5が装着されると、フィーダ支持台45は最低の高さに位置する。
【0033】
台車装着部3への部品供給台車4の装着の際には、ガイド側板31A、31Bとカバー部材32とで囲まれた台車装着部3の収容空間33に、テープフィーダ5が装着された部品供給台車4のフィーダ支持台45が挿入される。そして、台車装着部3および部品供給台車4は、収容空間33に挿入されたフィーダ支持台45をガイド側板31A、31Bに対して案内・固定する機構を備える。続いては、図4図9を用いてこの点を説明する。
【0034】
図4は部品供給台車の一部を示す右後方斜視図であり、図5は部品供給台車の一部を示す左後方斜視図であり、図6は台車装着部の右側のガイド側板の内側を示す左後方斜視図であり、図7は台車装着部の右側のガイド側板の内側を示す左側面図であり、図8は台車装着部の左側のガイド側板の内側を示す右後方斜視図であり、図9は台車装着部の左側のガイド側板の内側を示す右側面図である。
【0035】
部品供給台車4に関する構成は、図4図5に示すとおりである。部品供給台車4のガイドブロック47A、47Bそれぞれは、装着方向Yaの異なる位置に設けられた複数(3個)のカムフォロア471を、X方向の外側面に有する。各カムフォロア471は、X方向に平行な回転軸を中心に回転可能に取り付けられている。ガイドブロック47A、47Bは、その外側面に形成されたザグリ部分を有し、各カムフォロア471はザグリ部分の内側に配置され、ガイドブロック47A、47Bの下面から僅かに下側に突出する。
【0036】
さらに、ガイドブロック47A、47Bは、それぞれの外側面からX方向の外側へ突出するピン472を有する。このピン472は、ガイドブロック47A、47Bの装着方向Yaの略中央部分に位置する。
【0037】
また、ガイドブロック47A、47Bのうち、ガイドブロック47Aは、カムフォロア473を有する。このカムフォロア473は、ガイドブロック47Aの前端の下面に設けられ、Z方向に平行な回転軸を中心に回転可能に取り付けられている。
【0038】
台車装着部3に関する構成は、図6図9に示すとおりである。台車装着部3のガイド側板31A、31Bのそれぞれは、装着方向Yaに延設されたガイド本体311と、ガイド本体311に対してZ方向に昇降可能に支持されたクランパー312とを有する。台車装着部3は、ガイド側板31A、31Bそれぞれの下端にエアシリンダ35を備え、クランパー312はエアシリンダ35によってZ方向に駆動されることで、ガイド本体311に対して昇降する。具体的には、クランパー312は、リリース位置(図6図9で実線で示される)と、当該リリース位置よりZ方向の下側のクランプ位置(図7および図9で二点鎖線で示される)との間で昇降する。
【0039】
ガイド側板31A、31Bそれぞれのガイド本体311の内側には、ガイドレール36が設けられている。ガイドレール36は、台車装着部3のフィーダ支持台45を、カムフォロア471に下側から接することで支持しつつ案内する。具体的には、ガイドレール36は、装着方向Yaにおいて、ガイド側板31A、31Bの後端から前側に向かって登るスロープ部361と、スロープ部361より前側で水平に延設された水平部362とを有し、スロープ部361の頂部と水平部362とは等しい高さに位置する。さらに、ガイドレール36は、スロープ部361と水平部362との間に配置されたカムフォロア363を有する。このカムフォロア363は、X方向に平行な回転軸を中心に回転可能に取り付けられている。
【0040】
また、ガイド側板31A、31Bのうち、ガイド側板31Aのガイド本体311は、ガイドレール36の装着方向Yaの前端に配置された当接ブロック37を有する。この当接ブロック37は、装着方向Yaの後側に開口した当接面371を有する。台車装着部3に部品供給台車4が装着された状態では、台車本体41の右前端に位置するカムフォロア473が、台車装着部3の当接ブロック37の当接面371に突き当たる。これによって、部品供給台車4の位置が、X方向および装着方向Yaにおいて決まる。
【0041】
かかる台車装着部3に対して、部品供給台車4は次の手順で装着される。部品供給台車4のフィーダ支持台45と、フィーダ支持台45に装着されたテープフィーダ5が、台車装着部3の収容空間33に装着方向Yaから挿入される。これに伴って、部品供給台車4の各ガイドブロック47A、47Bに設けられた各カムフォロア471が、台車装着部3のガイドレール36(の上面)により支持されつつ装着方向Yaに移動する。これに伴って、テープフィーダ5を保持するフィーダ支持台45は、スロープ部361に沿って上昇した後に水平部362に沿って水平に移動する。続いて、部品供給台車4のカムフォロア473が台車装着部3の当接面371に突き当たって、部品供給台車4のガイドブロック47A、47Bが台車装着部3における所定の固定位置で停止する。こうして、部品供給台車4のガイドブロック47A、47Bが位置決めされると、図10に示す電気的構成によって、部品供給台車4のガイドブロック47A、47Bが台車装着部3のガイド側板31A、31Bに固定される。
【0042】
図10は台車装着部と部品供給台車との電気的構成を示すブロック図である。部品供給台車4は、装着方向Yaの前端に設けられた被検出部材49を有する。被検出部材49は金属製であり、位置決めプレート48の前面に取り付けられている。一方、台車装着部3は、装着方向Yaの前端に設けられた前端センサ381を有する。この前端センサ381は近接センサであり、台車装着部3の当接ブロック37に突き当たった部品供給台車4の被検出部材49に近接するように設けられ、当該部品供給台車4の被検出部材49を検出する。換言すれば、当接ブロック37は、部品供給台車4のガイドブロック47A、47Bが上記の固定位置に到達したことを検出する。
【0043】
また、台車装着部3は、作業者によるクランプ指令を受け付けるクランプスイッチ382と、前端センサ381の検出結果およびクランプスイッチ382への入力に基づき、エアシリンダ35を制御する制御部39を有する。制御部39は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。この制御部39は、前端センサ381が被検出部材49を検出すると、部品供給台車4の位置決めが完了したと判断し、クランプスイッチ382への入力を監視する。そして、作業者がクランプスイッチ382を操作して、クランプ指令を入力すると、制御部39は、エアシリンダ35を動作させて、クランパー312をリリース位置からクランプ位置に下降させる。その結果、クランプ位置に位置するクランパー312によって、ガイドブロック47A、47Bのピン472がクランプされる。こうして、ガイドブロック47A、47Bは、クランパー312とガイド本体311との間に固定される。
【0044】
ところで、本実施形態では、互いにタイプの異なる複数(2個)の部品実装機1が具備されている。具体的には、タイプが異なると、使用されるテープフィーダ5の種類が異なる。そのため、タイプの違いに応じた管理が必要となる。
【0045】
図11は2個の異なるタイプの部品実装機を備えた部品実装システムの構成を模式的に示す図であり、図12は第1タイプに属する部品供給台車およびテープフィーダを示す右後方斜視図であり、図13は第2タイプに属する部品供給台車およびテープフィーダを示す右後方斜視図である。
【0046】
部品実装システム100は、第1タイプTaに属する部品実装機1と、第2タイプTbに属する部品実装機1とを備える。なお、図11では、第1タイプTaに属する部品実装機1を部品実装機1aと表し、第1タイプTaに属する台車装着部3を台車装着部3aと表し、第1タイプTaに属する部品供給台車4を部品供給台車4aと表し、第1タイプTaに属するテープフィーダ5をテープフィーダ5aと表し、第2タイプTbに属する部品実装機1を部品実装機1bと表し、第2タイプTbに属する台車装着部3を台車装着部3bと表し、第2タイプTbに属する部品供給台車4を部品供給台車4bと表し、第2タイプTbに属するテープフィーダ5をテープフィーダ5bと表す。
【0047】
また、部品実装機1aのうち、部品供給台車4a以外の機構を部品実装ユニット10aと示し、部品実装機1bのうち、部品供給台車4b以外の機構を部品実装ユニット10bと示す。つまり、部品実装機1aでは、台車装着部3aに装着された部品供給台車4aに保持されるテープフィーダ5が供給する部品を、部品実装ユニット10aが基板Bに実装し、部品実装機1bでは、台車装着部3bに装着された部品供給台車4bに保持されるテープフィーダ5が供給する部品を、部品実装ユニット10bが基板Bに実装する。
【0048】
図12に示すように、第1タイプTaに属する部品供給台車4aおよびテープフィーダ5aは、図2図5で示した部品供給台車4およびテープフィーダ5に相当する。一方、図13に示すように第2タイプTbに属する部品供給台車4bおよびテープフィーダ5bは、図2図5で示した部品供給台車4およびテープフィーダ5と異なる。このように第1タイプTaと第2タイプTbとでテープフィーダ5の種類が異なることから、テープフィーダ5による部品供給位置51もY方向において異なる。これに対応するため、第1タイプTaに属する部品実装機1と、第2タイプTbに属する部品実装機1とでは、実装ヘッド71の可動範囲がY方向において異なる。
【0049】
一方、第1タイプTaの部品供給台車4aのガイドブロック47A、47Bと、第2タイプTbの部品供給台車4bのガイドブロック47A、47Bとは、互いに同一の構成を有する。これに対応して、第1タイプTaの台車装着部3aのガイド側板31A、31Bと、第2タイプTbの台車装着部3bのガイド側板31、31Bとは、互いに同一の構成を有する。なお、エアシリンダ35の構成および位置(ガイド側板31A、31Bに対する)も、第1タイプTaと第2タイプTbとで同一である。
【0050】
このように構成された部品実装システム100では、それぞれ第1タイプTaに属する部品実装ユニット10aおよび部品供給台車4aと、それぞれ第2タイプTbに属する部品実装ユニット10bおよび部品供給台車4bとが具備されている。また、部品実装ユニット10aの台車装着部3aは、部品供給台車4aのガイドブロック47A、47Bを固定するガイド側板31A、31Bを有し、部品実装ユニット10bの台車装着部3bは、部品供給台車4bのガイドブロック47A、47Bを固定するガイド側板31A、31Bを有する。そして、台車装着部3aのガイド側板31A、31Bと、台車装着部3bのガイド側板31A、31Bとは、同一の構成を有し、部品供給台車4aのガイドブロック47A、47Bと、部品供給台車4bのガイドブロック47A、47Bとは、同一の構成を有する。このように、部品供給台車4a、4bを部品実装ユニット10a、10bに固定するための構成(ガイド側板31A、31Bおよびガイドブロック47A、47B)を、第1タイプTaと第2タイプTbとで共通化している。これによって、異なるタイプの部品実装機1を所有するユーザにおける利便性を担保することが可能となっている。
【0051】
ところで、ガイド側板31A、31Bおよびガイドブロック47A、47Bを第1タイプTaと第2タイプTbとで共通化した部品実装システム100では、互いに異なるタイプに属する部品実装ユニット10と部品供給台車4とを装着してしまうといった誤装着が発生する可能性がある。ただし、次のようにして、かかる誤装着の発生を抑制することができる。
【0052】
図14は部品実装ユニットと部品供給台車との誤装着を抑制する機構の第1例を模式的に示す図である。同図では、部品供給台車4のガイドブロック47A、47Bの後端部47e(図4図5)と、台車装着部3のガイド側板31A、31Bの後端部31e(図6図8)とが模式的に示されている。
【0053】
台車装着部3のガイド側板31A、31Bの後端部31eには、装着方向Yaの後側に開口して装着方向Yaに平行に延設されたスリットSが設けられている。一方、部品供給台車4のガイドブロック47の後端部47eには、X方向の外側に突出したピンPが取り付けられている。スリットSとピンPはZ方向に同一の幅(遊びを含む)を有する。また、部品供給台車4が台車装着部3のガイドレール36の水平部362に支持された状態(装着直前支持状態)で、当該部品供給台車4のピンPは、台車装着部3のスリットSと同一の高さに位置する。
【0054】
ただし、第1タイプTaと第2タイプTbとでは、装着直前支持状態における一対のスリットSおよびピンPの高さが異なる。つまり、台車装着部3aのスリットSおよび部品供給台車4aのピンPの位置(「パターンA11」の欄を参照)と比較して、台車装着部3bのスリットSおよび部品供給台車4bのピンPの位置(「パターンA12」の欄を参照)は低い。
【0055】
このような構成では、「パターンA11」の欄に示すように、部品供給台車4aが台車装着部3aへ向かって装着方向Yaに進むに連れて、互いに同じ高さに位置するスリットSとピンPとが相互に近接し(「前」の欄)、スリットSにピンPが嵌る(「後」の欄)。これによって、部品供給台車4aのガイドブロック47A、47Bが台車装着部3aの上記の固定位置(第1所定位置)に到達するまで、部品供給台車4aは台車装着部3aに対して前進できる。なお、「後」の欄に示すように、ガイドブロック47A、47Bが固定位置に到達した状況で、スリットSの前端とピンPの前端との位置が一致している必要はなく、スリットSをより長く形成して、スリットSの前端がピンPより前側に位置していてもよい。
【0056】
また、「パターンA12」の欄に示すように、部品供給台車4bが台車装着部3bへ向かって装着方向Yaに進むに連れて、互いに同じ高さに位置するスリットSとピンPとが相互に近接し(「前」の欄)、スリットSにピンPが嵌る(「後」の欄)。これによって、部品供給台車4bのガイドブロック47A、47Bが台車装着部3bの上記の固定位置(第2所定位置)に到達するまで、部品供給台車4bは台車装着部3bに対して前進できる。なお、「後」の欄に示すように、ガイドブロック47A、47Bが固定位置に到達した状況で、スリットSの前端とピンPの前端との位置が一致している必要はなく、スリットSをより長く形成して、スリットSの前端がピンPより前側に位置していてもよい。
【0057】
一方、「パターンA13」の欄に示すように、部品供給台車4bが台車装着部3aへ向かって装着方向Yaに進んだ場合、スリットSとピンPとは異なる高さに位置するため、ピンPは、スリットSに嵌らずに、台車装着部3aの後端に接触する(「後」の欄)。これによって、部品供給台車4bのガイドブロック47A、47Bが台車装着部3aの上記の固定位置(第1所定位置)に到達するのが妨げられる。
【0058】
また、「パターンA14」の欄に示すように、部品供給台車4aが台車装着部3bへ向かって装着方向Yaに進んだ場合、スリットSとピンPとは異なる高さに位置するため、ピンPは、スリットSに嵌らずに、台車装着部3bの後端に接触する(「後」の欄)。これによって、部品供給台車4aのガイドブロック47A、47Bが台車装着部3bの上記の固定位置(第2所定位置)に到達するのが妨げられる。
【0059】
このように、水平方向に延設されたスリットS(一方部材)が、台車装着部3a、3bのそれぞれに設けられ、ピンP(他方部材)が部品供給台車4a、4bのそれぞれに設けられる。そして、台車装着部3aのスリットS(第1一方部材)と部品供給台車4aのピンP(第1他方部材)とは、互いに同じ高さに位置しつつ、部品供給台車4aの台車装着部3aへの進入に伴って互いに嵌りあって、ガイドブロック47A、47Bの上記の固定位置への進入を許容する。また、台車装着部3bのスリットS(第2一方部材)と部品供給台車4bのピンP(第2他方部材)とは、互いに同じ高さに位置しつつ、部品供給台車4bの台車装着部3bへの進入に伴って互いに嵌りあって、ガイドブロック47A、47Bの上記の固定位置への進入を許容する。
【0060】
これに対して、台車装着部3aのスリットS(第1一方部材)と部品供給台車4bのピンP(第2他方部材)とは、互い異なる高さに位置するため、ピンPは、台車装着部3aの部品供給台車4bへの進入を妨げる。また、台車装着部3bのスリットS(第2一方部材)と部品供給台車4aのピンP(第1他方部材)とは、互い異なる高さに位置するため、ピンPは、台車装着部3bへの部品供給台車4aの進入を妨げる。したがって、互いに異なるタイプに属する部品実装ユニット10と部品供給台車4とを装着するといった誤装着の発生を抑制することができる。
【0061】
なお、ここの例とは逆に、台車装着部3にピンPを設けて、部品供給台車4に前方に開口するスリットSを設けても同様の効果を奏することができる。
【0062】
図15は部品実装ユニットと部品供給台車との誤装着を抑制する機構の第2例を模式的に示す図である。同図の例では、台車装着部3のガイド側板31Bには、発光素子L1が設けられ、台車装着部3のガイド側板31Aには、受光素子L2が設けられている。発光素子L1と受光素子L2とは、X方向に平行に並んでおり、発光素子L1は受光素子L2へ向けてX方向に光を射出する。また、部品供給台車4には、X方向に平行な孔Hが貫通する。そして、台車装着部3に部品供給台車4が装着された状態では、発光素子L1、孔Hおよび受光素子L2がX方向に平行に並び、発光素子L1から射出された光は、孔Hを通過して、受光素子L2により検出される。
【0063】
ただし、第1タイプTaと第2タイプTbとでは、これら発光素子L1、孔Hおよび受光素子L2の装着方向Yaへの位置が異なる。つまり、第1タイプTaの台車装着部3aの発光素子L1および受光素子L2の装着方向Yaの位置は、第2タイプTbの台車装着部3bの発光素子L1および受光素子L2の装着方向Yaの位置よりも後側である。これに対応して、第1タイプTaの部品供給台車4aの孔Hの装着方向Yaの位置は、第2タイプTbの部品供給台車4bの孔Hの装着方向Yaの位置よりも後側である。ここで、発光素子L1および受光素子L2の装着方向Yaの位置は、例えば台車装着部3a、3bの前端を基点に定義でき、孔Hの装着方向Yaの位置は、例えば部品供給台車4a、4bの前端を基点に定義できる。
【0064】
かかる構成では、「パターンA21」の欄に示すように、部品供給台車4aの台車装着部3aへの突き当て状態(換言すれば、カムフォロア473が当接ブロック37に状態)では、前端センサ381が被検出部材49を検出すると同時に、発光素子L1、孔Hおよび受光素子L2がX方向に並んで、受光素子L2は光を検出する。この際、台車装着部3aの制御部39は、前端センサ381および受光素子L2の検出結果に基づき、台車装着部3aに対して適正な部品供給台車4aが挿入されたと判定して、クランパー312によるガイドブロック47A、47Bのクランプを許可する。その結果、台車装着部3aに部品供給台車4aが固定される。
【0065】
また、「パターンA22」の欄に示すように、部品供給台車4bの台車装着部3bへの突き当て状態では、前端センサ381が被検出部材49を検出すると同時に、発光素子L1、孔Hおよび受光素子L2がX方向に並んで、受光素子L2は光を検出する。この際、台車装着部3bの制御部39は、前端センサ381および受光素子L2の検出結果に基づき、台車装着部3bに対して適正な部品供給台車4bが挿入されたと判定して、クランパー312によるガイドブロック47A、47Bのクランプを許可する。その結果、台車装着部3bに部品供給台車4bが固定される。
【0066】
これに対して、「パターンA23」の欄に示すように、部品供給台車4bの台車装着部3aへの突き当て状態では、前端センサ381が被検出部材49を検出する一方、発光素子L1、孔Hおよび受光素子L2はX方向に並ばずに、受光素子L2は光を検出しない。この際、台車装着部3aの制御部39は、前端センサ381および受光素子L2の検出結果に基づき、台車装着部3aに不適正な部品供給台車4bが挿入されたと判定して、クランパー312によるガイドブロック47A、47Bのクランプを禁止する。その結果、台車装着部3aに部品供給台車4bは固定されない。
【0067】
また、「パターンA24」の欄に示すように、部品供給台車4aの台車装着部3bへの突き当て状態では、前端センサ381が被検出部材49を検出する一方、発光素子L1、孔Hおよび受光素子L2はX方向に並ばずに、受光素子L2は光を検出しない。この際、台車装着部3bの制御部39は、前端センサ381および受光素子L2の検出結果に基づき、台車装着部3に不適正な部品供給台車4aが挿入されたと判定して、クランパー312によるガイドブロック47A、47Bのクランプを禁止する。その結果、台車装着部3bに部品供給台車4aは固定されない。
【0068】
かかる構成では、台車装着部3aの制御部39は、台車装着部3aに部品供給台車4aが進入して台車装着部3aの固定位置に部品供給台車4aのガイドブロック47A、47Bが到達した場合に適正と判定する一方、台車装着部3aに部品供給台車4bが進入して台車装着部3aの固定位置に部品供給台車4bのガイドブロック47A、47Bが到達した場合に不適正と判定する。同様に、台車装着部3bの制御部39は、台車装着部3bに部品供給台車4bが進入して台車装着部3bの固定位置に部品供給台車4bのガイドブロック47A、47Bが到達した場合に適正と判定する一方、台車装着部3bに部品供給台車4aが進入して台車装着部3bの固定位置に部品供給台車4aのガイドブロック47A、47Bが到達した場合に不適正と判定する。したがって、互いに異なるタイプに属する部品実装ユニット10と部品供給台車4とを装着するといった誤装着の発生を抑制することができる。
【0069】
特に、台車装着部3aの幅方向(X方向)の両端には、発光素子L1と受光素子L2とが設けられている。台車装着部3aの発光素子L1と受光素子L2とは、ガイドブロック47A、47Bが台車装着部3aの固定位置に到達するまで台車装着部3aに進入した部品供給台車4aを挟み、発光素子L1から射出された光は、部品供給台車4aに設けられた孔Hを通過して受光素子L2に到達する。一方、台車装着部3aの発光素子L1と受光素子L2とは、ガイドブロック47A、47Bが台車装着部3aの固定位置に到達するまで台車装着部3aに進入した部品供給台車4bを挟み、発光素子L1から射出された光は、部品供給台車4bに遮断されて受光素子L2に到達しない。そして、台車装着部3aの制御部39は、受光素子L2が光を検出した場合に適正と判定する一方、受光素子L2が光を検出しない場合に不適正と判定する。
【0070】
同様に、台車装着部3bの幅方向(X方向)の両端には、発光素子L1と受光素子L2とが設けられている。台車装着部3bの発光素子L1と受光素子L2とは、ガイドブロック47A、47Bが台車装着部3bの固定位置に到達するまで台車装着部3bに進入した部品供給台車4bを挟み、発光素子L1から射出された光は、部品供給台車4bに設けられた孔Hを通過して受光素子L2に到達する。一方、台車装着部3bの発光素子L1と受光素子L2とは、ガイドブロック47A、47Bが台車装着部3bの固定位置に到達するまで台車装着部3bに進入した部品供給台車4aを挟み、発光素子L1から射出された光は、部品供給台車4aに遮断されて受光素子L2に到達しない。そして、台車装着部3bの制御部39は、受光素子L2が光を検出した場合に適正と判定する一方、受光素子L2が光を検出しない場合に不適正と判定する。したがって、互いに異なるタイプに属する部品実装ユニット10と部品供給台車4とを装着するといった誤装着の発生を抑制することができる。
【0071】
また、台車装着部3aの制御部39は、適正と判定した場合に、台車装着部3aのクランパー312のクランプ動作を許可する一方、不適正と判定した場合に、台車装着部3aのクランパー312のクランプ動作を禁止する。同様に、台車装着部3bの制御部39は、適正と判定した場合に、台車装着部3bのクランパー312のクランプ動作を許可する一方、不適正と判定した場合に、台車装着部3bのクランパー312のクランプ動作を禁止する。したがって、互いに異なるタイプに属する部品実装ユニット10と部品供給台車4とが誤って固定されるのを抑制することができる。
【0072】
なお、発光素子L1、孔Hおよび受光素子L2は、部品供給台車4に保持されるテープフィーダ5に側面視で重複しないように部品供給台車4に設けてもよいし、逆にこれらを重複させてもよい。後者の場合には、テープフィーダ5に対して、当該テープフィーダ5を保持する部品供給台車4の孔Hに対応する位置に貫通孔を設けておけばよい。かかる構成では、同じタイプに属する台車装着部3に部品供給台車4を装着した場合には、発光素子L1からの光は、ガイド側板31Bの孔H、テープフィーダ5の貫通孔およびガイド側板31Aの孔Hを通過して、受光素子L2により検出される。
【0073】
ちなみに、かかる構成では、同じタイプに属する台車装着部3に部品供給台車4を装着した場合であっても、テープフィーダ5が浮いた状態で部品供給台車4に取り付けられたような場合には、受光素子L2は光を検出しない。換言すれば、テープフィーダ5の保持姿勢が不適切であれば、不適正と判定され、クランパー312のクランプ動作を禁止することができる。
【0074】
図16は部品実装ユニットと部品供給台車との誤装着を抑制する機構の第3例を模式的に示す図である。同図の例では、上記の実施形態と同様に、台車装着部3には、前端センサ381(近接センサ)が設けられ、部品供給台車4には、被検出部材49が設けられており、上記の装着直前支持状態において、前端センサ381と被検出部材49とは互いに同じ高さに位置する。
【0075】
ただし、第1タイプTaと第2タイプTbとでは、装着直前支持状態における前端センサ381および被検出部材49の高さが異なる。つまり、第1タイプTaに属する台車装着部3aおよび部品供給台車4aそれぞれ前端センサ381および被検出部材49の位置(「パターンA31」の欄を参照)と比較して、第2タイプTbに属する台車装着部3bおよび部品供給台車4bそれぞれの前端センサ381および部被検出部材49の位置(「パターンA32」の欄を参照)は低い。
【0076】
このような構成では、「パターンA31」の欄に示すように、部品供給台車4aが台車装着部3aへ向かって装着方向Yaに進むに連れて、互いに同じ高さに位置する前端センサ381と被検出部材49との距離が縮まって(「前」の欄)、前端センサ381に被検出部材49が近接する(「後」の欄)。したがって、台車装着部3aの前端センサ381は、被検出部材49を検出したことを示すオン信号(第1検出信号)を台車装着部3aの制御部39に出力し、当該制御部39は、このオン信号に基づき、台車装着部3aに対して適正な部品供給台車4aが挿入されたと判定して、クランパー312によるガイドブロック47A、47Bのクランプを許可する。その結果、台車装着部3aに部品供給台車4aが固定される。
【0077】
また、「パターンA32」の欄に示すように、部品供給台車4bが台車装着部3bへ向かって装着方向Yaに進むに連れて、互いに同じ高さに位置する前端センサ381と被検出部材49との距離が縮まって(「前」の欄)、前端センサ381に被検出部材49g近接する(「後」の欄)。したがって、台車装着部3bの前端センサ381は、被検出部材49を検出したことを示すオン信号(第1検出信号)を台車装着部3bの制御部39に出力し、当該制御部39は、このオン信号に基づき、台車装着部3bに対して適正な部品供給台車4bが挿入されたと判定して、クランパー312によるガイドブロック47A、47Bのクランプを許可する。その結果、台車装着部3bに部品供給台車4bが固定される。
【0078】
一方、「パターンA33」の欄に示すように、部品供給台車4bが台車装着部3aへ向かって装着方向Yaに進んだ場合、前端センサ381と被検出部材49とは異なる高さに位置するため、前端センサ381と被検出部材49とは近接しない(「後」の欄)。したがって、台車装着部3aの前端センサ381は、オン信号を出力しない。そのため、台車装着部3aの制御部39は、台車装着部3aに適正な部品供給台車4aは装着されていない、すなわち不適正と判定し、クランパー312によるガイドブロック47A、47Bのクランプを禁止する。その結果、台車装着部3aに部品供給台車4bは固定されない。
【0079】
一方、「パターンA34」の欄に示すように、部品供給台車4aが台車装着部3bへ向かって装着方向Yaに進んだ場合、前端センサ381と被検出部材49とは異なる高さに位置するため、前端センサ381と被検出部材49とは近接しない(「後」の欄)。したがって、台車装着部3bの前端センサ381は、オン信号を出力しない。そのため、台車装着部3bの制御部39は、台車装着部3bに適正な部品供給台車4bは装着されていない、すなわち不適正と判定し、クランパー312によるガイドブロック47A、47Bのクランプを禁止する。その結果、台車装着部3bに部品供給台車4aは固定されない。
【0080】
かかる構成では、台車装着部3aの制御部39は、台車装着部3aに部品供給台車4aが進入して台車装着部3aの固定位置に部品供給台車4aのガイドブロック47A、47Bが到達した場合に適正と判定する一方、台車装着部3aに部品供給台車4bが進入して台車装着部3aの固定位置に部品供給台車4bのガイドブロック47A、47Bが到達した場合に不適正と判定する。同様に、台車装着部3bの制御部39は、台車装着部3bに部品供給台車4bが進入して台車装着部3bの固定位置に部品供給台車4bのガイドブロック47A、47Bが到達した場合に適正と判定する一方、台車装着部3bに部品供給台車4aが進入して台車装着部3bの固定位置に部品供給台車4aのガイドブロック47A、47Bが到達した場合に不適正と判定する。したがって、互いに異なるタイプに属する部品実装ユニット10と部品供給台車4とを装着するといった誤装着の発生を抑制することができる。
【0081】
また、部品供給台車4aは、台車装着部3aへの装着方向Ya(進入方向)の先端に被検出部材49を有し、部品供給台車4bは、台車装着部3bへの装着方向Yaの先端に被検出部材49を有する。そして、部品供給台車4aの被検出部材49と部品供給台車4bの被検出部材49とは互いに異なる高さに位置する。
【0082】
これに対して、台車装着部3aには、部品供給台車4aの被検出部材49と同じ高さに前端センサ381が設けられている。台車装着部3aの前端センサ381は、台車装着部3aの固定位置にガイドブロック47A、47Bが到達するまで台車装着部3aに進入した部品供給台車4aの被検出部材49に装着方向Yaから対向することで、この被検出部材49を検出してオン信号を出力する。一方、台車装着部3aの前端センサ381は、台車装着部3aの固定位置にガイドブロック47A、47Bが到達するまで台車装着部3aに進入した部品供給台車4bの被検出部材49には装着方向Yaから対向せず、オン信号を出力しない。
【0083】
同様に、台車装着部3bには、部品供給台車4bの被検出部材49と同じ高さに前端センサ381が設けられている。台車装着部3bの前端センサ381は、台車装着部3bの固定位置にガイドブロック47A、47Bが到達するまで台車装着部3bに進入した部品供給台車4bの被検出部材49に装着方向Yaから対向することで、この被検出部材49を検出してオン信号を出力する。一方、台車装着部3bの前端センサ381は、台車装着部3bの固定位置にガイドブロック47A、47Bが到達するまで台車装着部3bに進入した部品供給台車4aの被検出部材49には装着方向Yaから対向せず、オン信号を出力しない。
【0084】
そして、台車装着部3aの制御部39は、当該台車装着部3aの前端センサ381がオン信号を出力した場合に適正と判定する一方、この前端センサ381がオン信号を出力しない場合に不適正と判定する。同様に、台車装着部3bの制御部39は、当該台車装着部3bの前端センサ381がオン信号を出力した場合に適正と判定する一方、この前端センサ381がオン信号を出力しない場合に不適正と判定する。かかる構成では、互いに異なるタイプに属する部品実装ユニット10と部品供給台車4とを装着するといった誤装着の発生を抑制することができる。
【0085】
また、台車装着部3aの制御部39は、適正と判定した場合に、台車装着部3aのクランパー312のクランプ動作を許可する一方、不適正と判定した場合に、台車装着部3aのクランパー312のクランプ動作を禁止する。同様に、台車装着部3bの制御部39は、適正と判定した場合に、台車装着部3bのクランパー312のクランプ動作を許可する一方、不適正と判定した場合に、台車装着部3bのクランパー312のクランプ動作を禁止する。したがって、互いに異なるタイプに属する部品実装ユニット10と部品供給台車4とが誤って固定されるのを抑制することができる。
【0086】
図17は部品実装ユニットと部品供給台車との誤装着を抑制する機構の第4例を模式的に示す図である。同図では、部品供給台車4のガイドブロック47A、47Bの後端部47e(図4図5)と、台車装着部3のガイド側板31A、31Bの後端部31e(図6図8)とが模式的に示されている。
【0087】
台車装着部3のガイド側板31A、31Bの後端部31eには、装着方向Yaの後側に開口して装着方向Yaに平行に延設されたスリットSが形成されている。一方、部品供給台車4のガイドブロック47の後端部47eには、装着方向Yaの外側に突出したピンPが取り付けられている。スリットSとピンPはZ方向に同一の幅(遊びを含む)を有する。また、台車装着部3のガイドレール36の水平部362に支持された状態における部品供給台車4のピンPは、台車装着部3のスリットSと同一の高さに位置する。
【0088】
ただし、第1タイプTaと第2タイプTbとでは、スリットSの長さが異なっており、台車装着部3aのスリットSと比較して、台車装着部3bのスリットSは装着方向Yaに短い。具体的には、台車装着部3bの後端部31eに対して、スリット長調整板Spがネジ等により着脱可能に取り付けられており、このスリット長調整板Spの後端の位置がスリットSの前端を規定する。その結果、台車装着部3aのスリットSの前端の位置よりも、台車装着部3bのスリットSの前端の位置は、装着方向Yaの後側に所定のシフト量だけシフトする。これに対応して、部品供給台車4aのピンPの前端の位置よりも、部品供給台車4bのピンPの前端の位置は、装着方向Yaの後側に同一のシフト量だけシフトする。ここで、スリットSの前端の位置は、例えば台車装着部3a、3bの前端を基点に定義でき、ピンPの前端の位置は、例えば部品供給台車4a、4bの前端を基点に定義できる。
【0089】
このような構成では、「パターンA41」の欄に示すように、部品供給台車4aが台車装着部3aへ向かって装着方向Yaに進むに連れて、互いに同じ高さに位置するスリットSとピンPとが相互に近接し(「前」の欄)、スリットSにピンPが嵌る(「後」の欄)。これによって、部品供給台車4aのガイドブロック47A、47Bが台車装着部3aの上記の固定位置(第1所定位置)に到達するまで、部品供給台車4aは台車装着部3aに対して前進する。
【0090】
また、「パターンA12」の欄に示すように、部品供給台車4bが台車装着部3bへ向かって装着方向Yaに進むに連れて、互いに同じ高さに位置するスリットSとピンPとが相互に近接し(「前」の欄)、スリットSにピンPが嵌る(「後」の欄)。これによって、部品供給台車4bのガイドブロック47A、47Bが台車装着部3bの上記の固定位置(第2所定位置)に到達するまで、部品供給台車4bは台車装着部3bに対して前進する。
【0091】
一方、部品供給台車4aが台車装着部3bへ向かって装着方向Yaに進んだ場合、ピンPの前端の位置はスリットSの前端の位置より前側であるため、部品供給台車4のガイドブロック47A、47Bが台車装着部3の固定位置に到達する前に、ピンPの前端がスリットSの前端に当接する。つまり、部品供給台車4aのガイドブロック47A、47Bが台車装着部3bの固定位置に到達するのが妨げられる。
【0092】
かかる構成では、水平方向に延設されたスリットS(一方部材)が台車装着部3a、3bのそれぞれに設けられ、ピンP(他方部材)が部品供給台車4a、4bのそれぞれに設けられている。これら台車装着部3a、3bのスリットSおよび部品供給台車4a、4bのピンPは互いに同じ高さに設けられている。そして、台車装着部3aのスリットS(第1一方部材)と部品供給台車4aのピンP(第1他方部材)とは、台車装着部3aへの部品供給台車4aの進入に伴って互いに嵌りあって、台車装着部3aの固定位置に対する部品供給台車4aのガイドブロック47A、47Bの到達を許容する。同様に、台車装着部3bのスリットS(第2一方部材)と部品供給台車4bのピンP(第2他方部材)とは、台車装着部3bへの部品供給台車4bの進入に伴って互いに嵌りあって、台車装着部3bの固定位置に対する部品供給台車4bのガイドブロック47A、47Bの到達を許容する。ただし、スリットSの長さは、台車装着部3aと台車装着部3bとで異なるため、上記したように、例えば部品供給台車4aの台車装着部3bへの誤装着の発生を抑制することができる。
【0093】
つまり、台車装着部3aのスリットSより、台車装着部3bのスリットSが短く、台車装着部3bのスリットSは、台車装着部3aのピンPに当接することで、台車装着部3bへの台車装着部3aの進入を妨げる。こうして、互いに異なるタイプに属する部品実装ユニット10と部品供給台車4とを装着するといった誤装着の発生を抑制することができる。
【0094】
なお、ここの例とは逆に、台車装着部3にピンPを設けて、部品供給台車4に前方に開口するスリットSを設けても同様の効果を奏することができる。
【0095】
このように上述の実施形態では、部品実装システム100が本発明の「部品実装システム」の一例に相当し、第1タイプTaが本発明の「第1タイプ」の一例に相当し、第2タイプTbが本発明の「第2タイプ」の一例に相当し、部品実装ユニット10aが本発明の「第1部品実装ユニット」の一例に相当し、部品実装ユニット10bが本発明の「第2部品実装ユニット」の一例に相当し、部品供給台車4aが本発明の「第1部品供給台車」の一例に相当し、部品供給台車4bが本発明の「第2部品供給台車」の一例に相当し、台車装着部3aが本発明の「第1台車装着部」の一例に相当し、台車装着部3bが本発明の「第2台車装着部」の一例に相当し、台車装着部3aのガイド側板31A、31Bが本発明の「第1固定機構」の一例に相当し、部品供給台車4aのガイドブロック47A、47Bが本発明の「第1被固定部」の一例に相当し、台車装着部3bのガイド側板31A、31Bが本発明の「第2固定機構」の一例に相当し、部品供給台車4bのガイドブロック47A、47Bが本発明の「第2被固定部」の一例に相当し、テープフィーダ5が本発明の「テープフィーダ」の一例に相当し、台車装着部3aの制御部39が本発明の「第1判定部」の一例に相当し、台車装着部3bの制御部39が本発明の「第2判定部」の一例に相当する。
【0096】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、部品実装システム100が具備する部品実装機1のタイプは2個に限られず、3個以上の部品実装機1のタイプを有するように部品実装システム100を変形してもよい。
【0097】
この変形例では、部品供給台車4を部品実装ユニット10に固定するための構成(ガイド側板31A、31B、ガイドブロック47A、47B)を、3個以上のタイプの間で共通化するとよい。これによって、異なるタイプの部品実装機1を所有するユーザにおける利便性を担保することが可能となっている。
【0098】
また、上記の誤装着の発生は、図14図17を用いて説明した第1例~第4例を応用することで抑制できる。例えば、第1例を応用する場合には、スリットSとピンPとの対を、タイプ毎に異なる高さに設ければよい。第2例を応用する場合には、発光素子L1、孔Hおよび受光素子L2の組合せを、タイプ毎に装着方向Yaの異なる位置に設ければよい。第3例を応用する場合には、前端センサ381と被検出部材49の対を、タイプ毎に異なる高さに設ければよい。
【0099】
あるいは、第1例~第4例のうちの少なくとも2例を適宜組み合わせてもよい。例えば、3個のタイプの部品実装機1がある場合には、第1タイプと第2タイプとの間の誤装着を第1例で抑制しつつ、第2タイプと第3タイプとの間の誤装着を第2例で抑制するといったことができる。
【符号の説明】
【0100】
100…部品実装システム
10a…部品実装ユニット(第1部品実装ユニット)
10b…部品実装ユニット(第2部品実装ユニット)
3a…台車装着部(第1台車装着部)
3b…台車装着部(第2台車装着部)
31A、31B…ガイド側板(第1固定機構、第2固定機構)
39…制御部(第1判定部、第2判定部)
4a…部品供給台車(第1部品供給台車)
4b…部品供給台車(第2部品供給台車)
47A、47B…ガイドブロック(第1被固定部、第2被固定部)
5…テープフィーダ
Ta…第1タイプ
Tb…第2タイプ
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