(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-30
(45)【発行日】2023-07-10
(54)【発明の名称】パウダー容器
(51)【国際特許分類】
A45D 33/00 20060101AFI20230703BHJP
B65D 51/18 20060101ALI20230703BHJP
【FI】
A45D33/00 615F
A45D33/00 610Z
B65D51/18
(21)【出願番号】P 2020059050
(22)【出願日】2020-03-27
【審査請求日】2022-10-11
(31)【優先権主張番号】P 2020034373
(32)【優先日】2020-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】本間 友梨
(72)【発明者】
【氏名】古澤 光夫
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-141111(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1256879(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 33/00-33/38
B65D 51/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の周壁と前記周壁の下端を閉塞する底壁とを備える容器本体と、
前記周壁に回動操作によって着脱可能な蓋と、
前記周壁に取り付けられ、前記容器本体の前記底壁との間にパウダーを収容するパウダー収容空間を区画し、且つ、前記蓋との間に塗布具を収容する塗布具収容空間を区画し、更に、前記パウダー収容空間と前記塗布具収容空間とを連通させる少なくとも1個の開口を備える中栓と、
凸部と前記回動操作によって前記凸部を乗り越えることで前記中栓を振動させる振動片とで構成される振動機構と、を有することを特徴とするパウダー容器。
【請求項2】
前記中栓が、前記回動操作によって前記蓋と共回りするように構成され、
前記中栓と前記容器本体との一方が前記振動片を有し、
前記中栓と前記容器本体との他方が前記凸部を有する、請求項1に記載のパウダー容器。
【請求項3】
前記中栓と前記周壁との一方が前記振動片を有し、
前記中栓と前記周壁との他方が前記凸部を有する、請求項
1又は2に記載のパウダー容器。
【請求項4】
前記中栓が、前記周壁の内周面に沿って配置される内周壁と、前記内周壁の上端から径方向外側に延びるフランジ壁と、前記フランジ壁の外周縁から垂下するとともに前記周壁の外周面に回動可能に保持される外周壁と、を有し、
前記振動片が、前記内周壁と前記フランジ壁とに跨るように設けられる、請求項3に記載のパウダー容器。
【請求項5】
前記容器本体が、前記底壁から上方に延びる柱状部を有し、
前記中栓と前記柱状部との一方が前記振動片を有し、
前記中栓と前記柱状部との他方が前記凸部を有する、請求項1又は2に記載のパウダー容器。
【請求項6】
前記振動片が前記中栓に設けられる、請求項1~5の何れか1項に記載のパウダー容器。
【請求項7】
前記振動片が、前記回動操作によって前記凸部に弾かれることで振動を生じるように構成される、請求項1~6の何れか1項に記載のパウダー容器。
【請求項8】
前記中栓が、前記パウダー収容空間と前記塗布具収容空間とを隔てる隔壁を有し、
前記隔壁が、下方に凹む凹部を有し、
前記凹部の底面が、前記少なくとも1個の開口の少なくとも1個を有する、請求項1~7の何れか1項に記載のパウダー容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パウダー容器に関する。
【背景技術】
【0002】
ルースパウダー、ベビーパウダー等のパウダーを収容する一般的なパウダー容器として、筒状の周壁と周壁の下端を閉塞する底壁とを備える容器本体と、周壁に着脱可能な蓋と、周壁に取り付けられるとともに、容器本体の底壁との間にパウダーを収容するパウダー収容空間を区画し、且つ、蓋との間にパフ等の塗布具を収容する塗布具収容空間を区画し、更に、パウダー収容空間と塗布具収容空間とを連通させる開口群を備える中栓とを有するものが知られている(例えば、特許文献1の
図9参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来のパウダー容器は、長く使っていたり、持ち運んだりすると、パウダーが中栓上に沢山溜まってきてしまうことがある。その状態で使用すると、蓋を開ける際、又は塗布具を取出す際、パウダーがこぼれてしまい、机や洋服を汚してしまう場合がある。また、中栓の下面と容器本体の内面との間にパウダーが詰まってしまい、使い残し(残量)になってしまう場合もある。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、使用時にパウダーがこぼれにくく、また、パウダーの使い残しを低減することができるパウダー容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のパウダー容器は、筒状の周壁と前記周壁の下端を閉塞する底壁とを備える容器本体と、前記周壁に回動操作によって着脱可能な蓋と、前記周壁に取り付けられ、前記容器本体の前記底壁との間にパウダーを収容するパウダー収容空間を区画し、且つ、前記蓋との間に塗布具を収容する塗布具収容空間を区画し、更に、前記パウダー収容空間と前記塗布具収容空間とを連通させる少なくとも1個の開口を備える中栓と、凸部と前記回動操作によって前記凸部を乗り越えることで前記中栓を振動させる振動片とで構成される振動機構と、を有することを特徴とする。
【0007】
本発明のパウダー容器は、上記構成において、前記中栓が、前記回動操作によって前記蓋と共回りするように構成され、前記中栓と前記容器本体との一方が前記振動片を有し、前記中栓と前記容器本体との他方が前記凸部を有するのが好ましい。
【0008】
本発明のパウダー容器は、上記構成において、前記中栓と前記周壁との一方が前記振動片を有し、前記中栓と前記周壁との他方が前記凸部を有するのが好ましい。
【0009】
本発明のパウダー容器は、上記構成において、前記中栓が、前記周壁の内周面に沿って配置される内周壁と、前記内周壁の上端から径方向外側に延びるフランジ壁と、前記フランジ壁の外周縁から垂下するとともに前記周壁の外周面に回動可能に保持される外周壁と、を有し、前記振動片が、前記内周壁と前記フランジ壁とに跨るように設けられるのが好ましい。
【0010】
本発明のパウダー容器は、上記構成において、前記容器本体が、前記底壁から上方に延びる柱状部を有し、前記中栓と前記柱状部との一方が前記振動片を有し、前記中栓と前記柱状部との他方が前記凸部を有するのが好ましい。
【0011】
本発明のパウダー容器は、上記構成において、前記振動片が前記中栓に設けられるのが好ましい。
【0012】
本発明のパウダー容器は、上記構成において、前記振動片が、前記回動操作によって前記凸部に弾かれることで振動を生じるように構成されるのが好ましい。
【0013】
本発明のパウダー容器は、上記構成において、前記中栓が、前記パウダー収容空間と前記塗布具収容空間とを隔てる隔壁を有し、前記隔壁が、下方に凹む凹部を有し、前記凹部の底面が、前記少なくとも1個の開口の少なくとも1個を有するのが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、使用時にパウダーがこぼれにくく、また、パウダーの使い残しを低減することができるパウダー容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1実施形態であるパウダー容器を示す一部断面側面図である。
【
図3】
図1に示す状態から蓋を取り除いたときの状態を示す一部断面側面図である。
【
図4】
図1に示すパウダー容器の使用時において蓋を閉じた状態を示す説明図である。
【
図5】
図4に示す状態から蓋を取り外す方向に回動させているときの状態を示す説明図である。
【
図6】本発明の第2実施形態であるパウダー容器を示す一部断面側面図である。
【
図7】
図6に示すパウダー容器の使用時において、蓋を閉じた状態から蓋を取り外す方向に回動させているときの状態を示す説明図である。
【
図8】本発明の第3実施形態であるパウダー容器の使用時において蓋を閉じた状態を示す断面図である。
【
図9】
図8に示すパウダー容器の中栓の上面図である。
【
図10】
図8に示す状態から蓋を取り外す方向に回動させているときの状態を示す説明図である。
【
図11】本発明の第4実施形態であるパウダー容器の使用時において蓋を閉じた状態を示す断面図である。
【
図12】
図11に示す状態から蓋を取り外す方向に回動させているときの状態を示す説明図である。
【
図13】本発明の第5実施形態であるパウダー容器の使用時において蓋を閉じた状態を示す断面図である。
【
図14】
図13に示す状態から蓋を取り外す方向に回動させているときの状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ本発明をより具体的に例示説明する。なお、全図を通して、対応する要素には同一の符号を付している。
【0017】
まず、
図1~
図5を参照して本発明の第1実施形態について例示説明する。
【0018】
なお、以下に説明する各実施形態において、上下方向とは、容器本体2の周壁2aの中心軸線Oに沿う方向を意味しており、上方とは、容器本体2の底壁2bから蓋3の天壁3aに向かう方向を意味しており、下方とはその反対方向を意味しており、周方向とは中心軸線Oを周回する方向を意味しており、径方向とは中心軸線Oに直交する直線に沿う方向を意味している。
【0019】
図1~
図3に示す本発明の第1実施形態であるパウダー容器1は、容器本体2、蓋3及び中栓4を有している。容器本体2、蓋3及び中栓4はそれぞれ、例えば合成樹脂によって形成される。合成樹脂に代えて、例えばガラス又は金属等を用いてもよい。
【0020】
容器本体2は、中心軸線Oを中心とする筒状の周壁2aと、周壁2aの下端を閉塞する底壁2bとを有している。周壁2aは中実状である。しかし、周壁2aは中実状に限らず例えば、後述する第3~第5実施形態の場合のように、下方に開口する中空部2c(
図8等参照)を有していてもよい。
【0021】
周壁2aは、中心軸線Oを中心とする円筒状の口部5と、口部5の下端に連なるとともに口部5よりも外径が大きく口部5と同心の円筒状をなす胴部6とを有している。胴部6の下端には底壁2bが連なっている。
【0022】
口部5は、胴部6の上端に連なるとともにねじ部7を介して蓋3を着脱可能な口部本体5aと、口部本体5aの上端に連なるとともに中栓4を中心軸線Oを中心として回動可能に保持する口部上端5bとを有している。口部上端5bと口部本体5aは同心の円筒状をなしており、口部上端5bの外径は口部本体5aの外径よりも小さく、口部上端5bの内径は口部本体5aの内径よりも大きい。口部本体5aの内径と胴部6の内径は実質的に同一であり、口部本体5aの外径は胴部6の外径よりも小さい。
【0023】
蓋3は、蓋3を容器本体2に対して相対的に中心軸線Oを中心に回動させる回動操作(以下、単に回動操作ともいう)によって周壁2aに着脱可能である。
【0024】
蓋3は、中心軸線Oを中心とする円板状の天壁3aと、天壁3aの外周縁から垂下するとともに天壁3aと同心の円筒状をなす筒壁3bとを有している。
【0025】
筒壁3bの内周面には、ねじ部7を構成する雌ねじ7aが設けられている。口部本体5aの外周面には、ねじ部7を構成する雄ねじ7bが設けられている。回動操作によって雌ねじ7aと雄ねじ7bとを螺合或いは螺脱させ、それにより蓋3を周壁2aに着脱することができる。
【0026】
中栓4は、周壁2aに取り付けられて回動操作によって蓋3と共回りするように構成され、容器本体2の底壁2bとの間にパウダー8(
図4、
図5参照)を収容するパウダー収容空間S1を区画し、且つ、蓋3との間に塗布具9を収容する塗布具収容空間S2を区画し、更に、パウダー収容空間S1と塗布具収容空間S2とを連通させる複数(本実施形態では17個)の開口10aからなる開口群10を有している。開口群10は、周方向に全周に亘って等間隔で並ぶ8個の開口10aが径方向に沿って2列に並んだものと、中心軸線O上に位置する1個の開口10aとで形成されている。パウダー8は例えば、ルースパウダー、ベビーパウダー等である。塗布具9は例えばパフである。
【0027】
なお、
図1及び
図3~
図5においては、パウダー収容空間S1に収容されるパウダー8の図示を省略している。また、
図1~
図3においては、塗布具収容空間S2に収容される塗布具9の図示を省略している。
図2においては、1個のみの開口10aに符号を付している。
【0028】
中栓4は、パウダー収容空間S1と塗布具収容空間S2とを隔てる隔壁11を有している。隔壁11は、中心軸線Oを中心とする平らな円板状をなすとともに開口群10を有する底部11aと、底部11aの外周縁から径方向外側に向けて上方に傾斜するように延びる逆円錐面状の傾斜外周部11bとからなっている。つまり、隔壁11は、底部11aと傾斜外周部11bにより、下方に凹むとともに底面に開口群10を有する凹部12を形成している。すなわち、隔壁11は凹部12を有している。
【0029】
また、中栓4は、傾斜外周部11bの外周縁から上方に延びるとともに口部5の内周面に沿って配置される内周壁13と、内周壁13の上端から径方向外側に延びる円環フランジ状をなすフランジ壁14と、フランジ壁14の外周縁から垂下するとともに口部上端部5bの外周面に回動可能に保持される外周壁15とを有している。内周壁13と外周壁15はそれぞれ、中心軸線Oを中心とする円筒状をなしている。
【0030】
口部本体5aの内周面の上端は、下方に向けて径方向内側に傾斜する逆円錐面状のテーパ面16を形成しており、内周壁13の外周面の下端はこのテーパ面16に密接することで、パウダー8を封止している。フランジ壁14の下面には中心軸線Oを中心とする円環状をなす環状凸部17が設けられている。環状凸部17が口部上端5bの上端面に密接することで、パウダー8を封止している。つまり、パウダー容器1は、容器本体2と中栓4との間に、蓋3が閉じたときにパウダー収容空間S1内のパウダー8を封止するための2重の封止部を有している。
【0031】
外周壁15の内周面には、中心軸線Oを中心とする円環状をなす環状凹部18aが設けられている。口部上端5bの外周面には、環状凹部18aと嵌合する嵌合凸部18bが設けられている。嵌合凸部18bは周方向に全周に亘って連続するように設けてもよいし、周方向に断続的に設けてもよい。環状凹部18aと嵌合凸部18bは、外周壁15を口部上端部5bの外周面に回動可能に保持する保持部18を構成している。
【0032】
外周壁15の外周面には、周方向に全周に亘って等間隔で並ぶとともに上下方向に延びる複数(本実施形態では18個)の縦リブ19aからなる中栓リブ群19が設けられている。蓋3の筒壁3bの内周面には、周方向に全周に亘って等間隔で並ぶとともに上下方向に延びる複数(本実施形態では6個)の縦リブ20aからなる蓋リブ群20が設けられている。なお、
図2においては、1個のみの縦リブ19aと、1個のみの縦リブ20aに符号を付している。
【0033】
中栓リブ群19と蓋リブ群20とが噛み合うことにより、中栓4が蓋3と共回りすることができる。つまり、中栓リブ群19と蓋リブ群20は、回動操作によって中栓4を蓋3と共回りさせる共回り機構21を構成している。
【0034】
フランジ壁14の上面は、蓋3が閉じられたときに蓋3の天壁3aの下面に密接し、塗布具収容空間S2内のパウダー8を封止する。
【0035】
口部上端5bの内周面には、周方向に全周に亘って等間隔で並ぶとともに上下方向に延びる縦リブ状の複数(本実施形態では20個)の凸部22aからなる凸部群22が設けられている。中栓4には、周方向に全周に亘って等間隔で並ぶとともに、蓋3との中栓4の共回りにより、凸部群22を乗り越えること、より具体的には凸部群22に弾かれる(つまり、押し曲げられてはね返る)ことで振動を生じる複数(本実施形態では4個)の振動片23aからなる振動片群23が設けられている。なお、
図2においては、1個のみの凸部22aと、1個のみの振動片23aに符号を付している。
【0036】
各々の振動片23aは、内周壁13の外周面とフランジ壁14の下面とに跨るように設けられており、周方向に垂直に延びる矩形板状をなしている。凸部群22と振動片群23は、回動操作により中栓4を振動させる振動機構24を構成している。
【0037】
パウダー容器1の使用時には、まず、パウダー容器1を逆さまにしてから向きを元に戻す、或いは上下又は左右等に振ることで、収容空間S1内のパウダー8を開口群10を通じて塗布具収容空間S2内に移動させ、
図4に示すように、塗布具9の下面と中栓4の隔壁11の上面との間の部分にパウダー8を溜めることができる。そして、蓋3を開く回動操作を行うと、
図5に示すように、中栓4が共回り機構21を介して蓋3と共回りし、それにより振動機構24が振動を生じる。このとき、振動片群23は凸部群22に弾かれ振動することで、効率的に振動を生じることができる。そして、この振動が中栓4の隔壁11に伝わることで、隔壁11の上面に溜まった過剰なパウダー8を凹部12の底面に向けて振り動かして(
図5中の白抜き矢印参照)開口群10から落下させ、収容空間S1内に戻すことができる。蓋3を取り外した後には、塗布具9の下面に付着したままのパウダー8をそのまま、或いは隔壁11上に残った適量のパウダー8を適宜、塗布具9に付着させて使用すればよい。
【0038】
また、パウダー容器1は、長く使っていたり、持ち運んだりすると、パウダー8が塗布具収容空間S2内に沢山溜まってきてしまうことがある。しかし、本実施形態では、上記のように、回動操作によって蓋3を開く際に、振動によって塗布具収容空間S2内の過剰なパウダー8を収容空間S1内に戻すことができる。したがって、蓋3を開ける際や塗布具9を取出す際などにパウダー8がこぼれてしまうことを抑制することができる。
【0039】
また、隔壁11の傾斜外周部11bの下面と口部本体5aの内周面との間の部分や、開口群10内にパウダー8が詰まってしまっている場合でも、パウダー8が詰まった部分に上記の振動が伝わることで、パウダー8を崩して落下させ、収容空間S1内に戻すことができる。したがって、パウダー8の使い残しを低減することができる。
【0040】
なお、上記の振動は、蓋3を開く回動操作だけでなく、蓋3を閉じる回動操作によっても生じさせることができる。したがって、蓋3を閉じる際にも、パウダー8を収容空間S1内に振い落とすことができる。
【0041】
次に、
図6~
図7を参照して本発明の第2実施形態について例示説明する。
【0042】
図6に示す本発明の第2実施形態であるパウダー容器1は、中栓4の隔壁11が有する凹部12の形状が異なる他は第1実施形態の場合と同様の構成になっている。
【0043】
本実施形態では、隔壁11は、中心軸線Oを中心とする平らな円板状の底部11aと、底部11aの外周縁に連なるとともに、下方に凹み中心軸線Oを中心とする円環状をなす凹部12を形成する凹状外周部11cとからなっている。底部11aは、複数の開口10aからなる開口群10の一部を有し、凹状外周部11cの底面は、開口群10の他の一部を有している。中栓4の内周壁13は、凹状外周部11cの外周縁から上方に延びている。
【0044】
本実施形態においても第1実施形態の場合と同様に、
図7に示すように、回動操作によって蓋3を開閉する際に、中栓4が共回り機構21を介して蓋3と共回りし、それにより振動機構24が振動を生じる。
【0045】
そして、この振動が中栓4の隔壁11に伝わることで、隔壁11の凹部12に溜まったパウダー8を凹部12の底面に向けて振り動かして(
図7中の白抜き矢印参照)当該底面に位置する開口群10から落下させ、収容空間S1内に戻すことができる。また、隔壁11の底部11a上に溜まったパウダー8を振り動かして開口群10から落下させ、収容空間S1内に戻すことができる。したがって、蓋3を開ける際や塗布具9を取出す際などにパウダー8がこぼれてしまうことを抑制することができる。
【0046】
また、隔壁11の凹状外周部11cの下面と口部本体5aの内周面との間の部分や、開口群10内にパウダー8が詰まってしまっている場合でも、パウダー8が詰まった部分に上記の振動が伝わることで、パウダー8を崩して落下させ、収容空間S1内に戻すことができる。したがって、パウダー8の使い残しを低減することができる。
【0047】
次に、
図8~
図10を参照して本発明の第3実施形態について例示説明する。
【0048】
図8に示す本発明の第3実施形態であるパウダー容器1は、容器本体2、蓋3及び中栓4を有している。容器本体2、蓋3及び中栓4はそれぞれ、例えば合成樹脂によって形成される。合成樹脂に代えて、例えばガラス又は金属等を用いてもよい。
【0049】
容器本体2は、中心軸線Oを中心とする筒状の周壁2aと、周壁2aの下端を閉塞する底壁2bとを有している。周壁2aは、下方に開口する中空部2cを有している。容器本体2は、底壁2bから上方に延びる柱状部2dを更に有している。
【0050】
周壁2aは、中心軸線Oを中心とする中空円筒状の口部5と、口部5の下端に連なるとともに口部5よりも外径が大きく口部5と同心の中空円筒状をなす胴部6とを有している。胴部6の下端には底壁2bが連なっている。
【0051】
口部5は、胴部6の上端に連なるとともにねじ部7を介して蓋3を着脱可能な口部本体5aと、口部本体5aの上端に連なるとともに中栓4を中心軸線Oを中心として回動可能に保持する口部上端5bとを有している。口部上端5bは中実円筒状をなしており、口部本体5aは中空円筒状をなしており、口部上端5bと口部本体5aは同心に配置されている。口部上端5bの外径は口部本体5aの外径よりも小さく、口部上端5bの内径は口部本体5aの内径と実質的に同一である。口部本体5aの内径と胴部6の上側部分の内径は実質的に同一であり、口部本体5aの外径は胴部6の外径よりも小さい。胴部6の下側部分の内径は、下方に向けて徐々に縮径している。
【0052】
蓋3は、蓋3を容器本体2に対して相対的に中心軸線Oを中心に回動させる回動操作(以下、単に回動操作ともいう)によって周壁2aに着脱可能である。
【0053】
蓋3は、中心軸線Oを中心とする円板状の天壁3aと、天壁3aの外周縁から垂下するとともに天壁3aと同心の円筒状をなす筒壁3bとを有している。
【0054】
筒壁3bの内周面には、ねじ部7を構成する雌ねじ7aが設けられている。口部本体5aの外周面には、ねじ部7を構成する雄ねじ7bが設けられている。回動操作によって雌ねじ7aと雄ねじ7bとを螺合或いは螺脱させ、それにより蓋3を周壁2aに着脱することができる。
【0055】
図8~
図9に示すように、中栓4は、周壁2aに取り付けられて回動操作によって蓋3と共回りするように構成され、容器本体2の底壁2bとの間にパウダー8を収容するパウダー収容空間S1を区画し、且つ、蓋3との間に塗布具9を収容する塗布具収容空間S2を区画し、更に、パウダー収容空間S1と塗布具収容空間S2とを連通させる複数(本実施形態では64個)の開口10aからなる開口群10を有している。開口群10は、周方向に全周に亘って等間隔で並ぶ16個の開口10aが径方向に沿って等間隔で4列に並ぶことで形成されている。なお、
図9においては、1列のみの開口10aに符号を付している。パウダー8は例えば、ルースパウダー、ベビーパウダー等である。塗布具9は例えばパフである。
【0056】
中栓4は、パウダー収容空間S1と塗布具収容空間S2とを隔てる隔壁11を有している。隔壁11は、中心軸線Oを中心とする僅かに逆円錐面状に湾曲する円板状をなすとともに開口群10を有する底部11aと、底部11aの外周縁から径方向外側に向けて上方に傾斜するように延びる略円筒状の傾斜外周部11bとを有している。つまり、隔壁11は、底部11aと傾斜外周部11bにより、下方に凹むとともに底面に開口群10を有する凹部12を形成している。すなわち、隔壁11は凹部12を有している。
【0057】
隔壁11は、径方向外側部分において底部11aから上方に突出する複数(本実施形態では32個)の突起25aからなる突起群25を更に有している。突起群25は、周方向に全周に亘って等間隔で並ぶ16個の突起25aが、周方向に位置をずらしつつ径方向に2列に並ぶことで形成されている。なお、
図9においては、1列のみの突起25aに符号を付している。また、
図9においては、各々の突起25aに網掛けを付している。
【0058】
塗布具9は、蓋3を閉じたときに蓋3の天壁3aと突起群25とで挟持されるように構成されている。突起群25は、少なくとも回動操作時に、塗布具9の下面と隔壁11の底部11aの上面との間に隙間G(
図10参照)を形成することができる。
【0059】
また、中栓4は、傾斜外周部11bの外周縁から上方に延びるとともに口部5の内周面に沿って配置される内周壁13と、内周壁13の上端から径方向外側に延びる円環フランジ状をなすフランジ壁14と、フランジ壁14の外周縁から垂下するとともに口部上端部5bの外周面に回動可能に保持される外周壁15とを更に有している。内周壁13と外周壁15はそれぞれ、中心軸線Oを中心とする円筒状をなしている。
【0060】
内周壁13の外周面の下端は、傾斜外周部11bの外周面の上端よりも拡径しており、口部上端5bの内周面に密接することで、パウダー8を封止している。なお、口部上端5bの内周面は、この密接部よりも上側の部分が拡径しており、この拡径部と内周壁13の外周面との間には隙間が形成されている。フランジ壁14の下面には中心軸線Oを中心とする円環状をなす環状凸部17が設けられている。環状凸部17が口部上端5bの上端面に密接することで、パウダー8を封止している。つまり、パウダー容器1は、容器本体2と中栓4との間に、蓋3が閉じたときにパウダー収容空間S1内のパウダー8を封止するための2重の封止部を有している。
【0061】
外周壁15の内周面には、中心軸線Oを中心とする円環状をなす環状凹部18aが設けられている。口部上端5bの外周面には、環状凹部18aと嵌合する嵌合凸部18bが設けられている。嵌合凸部18bは周方向に全周に亘って連続するように設けてもよいし、周方向に断続的に設けてもよい。環状凹部18aと嵌合凸部18bは、外周壁15を口部上端部5bの外周面に回動可能に保持する保持部18を構成している。
【0062】
外周壁15の外周面には、周方向に全周に亘って等間隔で並ぶとともに上下方向に延びる複数(本実施形態では36個)の縦リブ19aからなる中栓リブ群19が設けられている。蓋3の筒壁3bの内周面には、周方向に全周に亘って等間隔で並ぶとともに上下方向に延びる複数(例えば6個)の縦リブ20aからなる蓋リブ群20が設けられている。なお、
図9においては、1個のみの縦リブ19aに符号を付している。
【0063】
中栓リブ群19と蓋リブ群20とが噛み合うことにより、中栓4が蓋3と共回りすることができる。つまり、中栓リブ群19と蓋リブ群20は、回動操作によって中栓4を蓋3と共回りさせる共回り機構21を構成している。
【0064】
フランジ壁14の上面には、中心軸線Oを中心とする円環状をなす封止凸部14aが設けられている。封止凸部14aは、蓋3が閉じられたときに蓋3の天壁3aの下面に密接し、塗布具収容空間S2内のパウダー8を封止する。
【0065】
容器本体2の柱状部2dの外周面には、周方向の1箇所のみにおいて上下方向に延びる縦リブ状の凸部22aが設けられている。中栓4には、周方向に全周に亘って等間隔で並ぶとともに、蓋3との中栓4の共回りにより、凸部22aの上端を乗り越えること、より具体的には凸部22aに弾かれることで振動を生じる複数(例えば4個)の振動片23aからなる振動片群23が設けられている。
【0066】
中栓4は、隔壁11の底部11aの下面から下方に突出するとともに中心軸線Oを中心とする円筒状をなす支持壁26を更に有している。各々の振動片23aは、支持壁26の内周面と隔壁11の底部11aの下面とに跨るように設けられており、周方向に垂直に延びる矩形板状をなしている。つまり、振動片群23の上端縁は隔壁11の底部11aを介して周方向に連なっており、振動片群23の径方向外側縁は支持壁26を介して周方向に連なっており、振動片群23の下端縁と径方向内側縁はそれぞれ周方向に分離している。凸部22aと振動片群23は、回動操作により中栓4を振動させる振動機構24を構成している。
【0067】
パウダー容器1の使用時には、まず、パウダー容器1を逆さまにしてから向きを元に戻す、或いは上下又は左右等に振ることで、収容空間S1内のパウダー8を開口群10を通じて塗布具収容空間S2内に移動させ、
図8に示すように、塗布具9の下面と中栓4の隔壁11の上面との間の部分にパウダー8を溜めることができる。そして、蓋3を開く回動操作を行うと、
図10に示すように、中栓4が共回り機構21を介して蓋3と共回りし、それにより振動機構24が振動を生じる。このとき、振動片群23は凸部22aに弾かれ振動することで、効率的に振動を生じることができる。そして、この振動が隔壁11の底部11aと傾斜外周部11bに伝わることで、隔壁11の上面に溜まった過剰なパウダー8を凹部12の底面に向けて振り動かして(
図10中の横方向の白抜き矢印参照)開口群10から落下させ、収容空間S1内に戻すことができる。このとき、隔壁11の径方向外側部分に溜まった過剰なパウダー8は、突起群25によって形成される隙間Gを通してスムーズに開口群10まで移動することができる。蓋3を取り外した後には、塗布具9の下面に付着したままのパウダー8をそのまま、或いは隔壁11上に残った適量のパウダー8を適宜、塗布具9に付着させて使用すればよい。
【0068】
また、パウダー容器1は、長く使っていたり、持ち運んだりすると、パウダー8が塗布具収容空間S2内に沢山溜まってきてしまうことがある。しかし、本実施形態では、上記のように、回動操作によって蓋3を開く際に、振動によって塗布具収容空間S2内の過剰なパウダー8を収容空間S1内に戻すことができる。したがって、蓋3を開ける際や塗布具9を取出す際などにパウダー8がこぼれてしまうことを抑制することができる。
【0069】
また、隔壁11の傾斜外周部11bの下面と口部5の内周面との間の部分や、開口群10内にパウダー8が詰まってしまっている場合でも、パウダー8が詰まった部分に上記の振動が伝わることで、パウダー8を崩して落下させ、収容空間S1内に戻すことができる。したがって、パウダー8の使い残しを低減することができる。
【0070】
なお、上記の振動は、蓋3を開く回動操作だけでなく、蓋3を閉じる回動操作によっても生じさせることができる。したがって、蓋3を閉じる際にも、パウダー8を収容空間S1内に振い落とすことができる。
【0071】
次に、
図11~
図12を参照して本発明の第4実施形態について例示説明する。
【0072】
図11に示す本発明の第4実施形態であるパウダー容器1は、振動機構24と隔壁11の構成が異なる他は第3実施形態の場合と同様の構成になっている。
【0073】
本実施形態では、振動片群23は、隔壁11の底部11aから下方に延び、周方向に等間隔で並ぶとともに周方向に垂直に延びる矩形板状をなす複数(例えば4個)の振動片23aからなっている。振動片群23の上端縁は隔壁11の底部11aを介して周方向に連なっており、振動片群23の径方向外側縁、下端縁及び径方向内側縁はそれぞれ周方向に分離している。
【0074】
また、本実施形態では、容器本体2の柱状部2dの外周面には、周方向の複数箇所(例えば4箇所)において上下方向に延びる縦リブ状の凸部22aからなる凸部群22が設けられている。
【0075】
更に、本実施形態では、隔壁11の底部11aと傾斜外周部11bとの連結部において周方向に全周に亘って延びる薄肉部27が設けられている。薄肉部27の上面は、底部11a及び傾斜外周部11bと面一である一方、薄肉部27の下面は、底部11a及び傾斜外周部11bに対して段差を形成している。隔壁11に薄肉部27を設けたことにより、底部11aは傾斜外周部11bに対して上下方向に変位し易くなっている。つまり、底部11aは薄肉部27によって振動し易くなっている。
【0076】
本実施形態においても第3実施形態の場合と同様に、回動操作によって蓋3を開閉する際に、中栓4が共回り機構21を介して蓋3と共回りし、それにより振動機構24が振動を生じる。特に、本実施形態では、振動片群23は、
図12に示すように、回動操作による蓋3と中栓4の共回りにより、隔壁11の底部11aを薄肉部27の弾性変形によって上下方向に変位(
図12中の上下方向の白抜き矢印参照)させながら凸部群22の上端を乗り越えることで振動を生じることができる。なお、振動片群23は、凸部22aに弾かれることで振動片群23自体が振動するように構成してもよいし、振動片群23自体は振動せずに、振動片群23と隔壁11の底部11aとが一体に振動するように構成してもよい。
【0077】
上記の振動により、隔壁11の凹部12に溜まったパウダー8を凹部12の底面に向けて振り動かして(
図12中の横方向の白抜き矢印参照)当該底面に位置する開口群10から落下させ、収容空間S1内に戻すことができる。したがって、蓋3を開ける際や塗布具9を取出す際などにパウダー8がこぼれてしまうことを抑制することができる。
【0078】
また、隔壁11の傾斜外周部11bの下面と口部5の内周面との間の部分や、開口群10内にパウダー8が詰まってしまっている場合でも、上記の振動により、パウダー8を崩して落下させ、収容空間S1内に戻すことができる。したがって、パウダー8の使い残しを低減することができる。
【0079】
次に、
図13~
図14を参照して本発明の第5実施形態について例示説明する。
【0080】
図13に示す本発明の第5実施形態であるパウダー容器1は、薄肉部27を隔壁11ではなく容器本体2の底壁2bに設けた点が異なる他は第4実施形態の場合と同様の構成になっている。
【0081】
本実施形態では、容器本体2の底壁2bには、中心軸線Oを中心とする円環状の薄肉部27が設けられている。底壁2bに薄肉部27を設けたことにより、柱状部2dと凸部群22は周壁2aに対して上下方向に変位し易くなっている。つまり、振動片群23は、薄肉部27により、回動操作時に凸部群22を乗り越え易くなっている。
【0082】
本実施形態においても第4実施形態の場合と同様に、回動操作によって蓋3を開閉する際に、中栓4が共回り機構21を介して蓋3と共回りし、それにより振動機構24が振動を生じる。特に、本実施形態では、振動片群23は、
図14に示すように、回動操作による蓋3と中栓4の共回りにより、凸部群22を上下方向に変位(
図14中の上下方向の白抜き矢印参照)させながら凸部群22の上端を乗り越えることで振動を生じることができる。なお、本実施形態においても、振動片群23は、凸部22aに弾かれることで振動片群23自体が振動するように構成してもよいし、振動片群23自体は振動せずに、振動片群23と隔壁11の底部11aとが一体に振動するように構成してもよい。
【0083】
上記の振動により、隔壁11の凹部12に溜まったパウダー8を凹部12の底面に向けて振り動かして(
図14中の横方向の白抜き矢印参照)当該底面に位置する開口群10から落下させ、収容空間S1内に戻すことができる。したがって、蓋3を開ける際や塗布具9を取出す際などにパウダー8がこぼれてしまうことを抑制することができる。
【0084】
また、隔壁11の傾斜外周部11bの下面と口部5の内周面との間の部分や、開口群10内にパウダー8が詰まってしまっている場合でも、上記の振動により、パウダー8を崩して落下させ、収容空間S1内に戻すことができる。したがって、パウダー8の使い残しを低減することができる。
【0085】
第1~第2実施形態では、振動片群23が内周壁13とフランジ壁14とに跨るように設けられているので、振動を隔壁11に効率的に伝えてパウダー8に作用させることができる。しかし、振動片群23を中栓4における上記以外の部分に設けてもよい。なお、この場合、凸部群22の配置は、振動片群23の配置に応じて適宜変更可能である。例えば、振動片群23は、図示は省略するが、隔壁11の底部11aの外周縁から下方に延び、周方向に等間隔で並ぶとともに周方向に垂直に延びる板状をなす複数(例えば4個)の振動片23aからなってもよい。この場合、凸部群22は、周壁2aの内周面から突出し、周方向に全周に亘って等間隔で並ぶとともに上下方向に延びる縦リブ状の複数(例えば20個)の凸部22aからなるものとすることができる。
【0086】
第3~第5実施形態では、振動片群23が隔壁11の下面に連ねて設けられているので、隔壁11を効率的に振動させてパウダー8に作用させることができる。しかし、振動片群23を中栓4における上記以外の部分に設けてもよい。なお、この場合、柱状部2dを設ける必要はなく、凸部群22の配置は、振動片群23の配置に応じて適宜変更可能である。例えば、振動片群23は、図示は省略するが、隔壁11の底部11aの外周縁から下方に延び、周方向に等間隔で並ぶとともに周方向に垂直に延びる板状をなす複数(例えば4個)の振動片23aからなってもよい。この場合、凸部群22は、周壁2aの内周面から突出し、周方向に全周に亘って等間隔で並ぶとともに上下方向に延びる縦リブ状の複数(例えば20個)の凸部22aからなるものとすることができる。
【0087】
第1~第5実施形態において、振動片23a及び凸部22aの数は適宜変更が可能である。第1~第5実施形態では、複数の振動片23aからなる振動片群23を設けているが、これに限らず、1個のみの振動片23aを設けてもよい。第1、第2、第4及び第5実施形態では、複数の凸部22aからなる凸部群22を設けているが、これに限らず、1個のみの凸部22aを設けてもよい。第3実施形態では、1個のみの凸部22aを設けているが、これに限らず、複数の凸部22aからなる凸部群22を設けてもよい。
【0088】
また、第1~第5実施形態では、振動片群23が中栓4に設けられているので、振動を隔壁11に効率的に伝えてパウダー8に作用させることができる。しかし、振動片群23を容器本体2に設け、凸部群22を中栓4に設けてもよい。
【0089】
また、第1~第5実施形態では、凹部12の底面が開口群10の少なくとも一部を有しているので、振動によってパウダー8を効率的に開口群10から落下させることができる。しかし、隔壁11は凹部12を有していなくてもよい。
【0090】
第1~第2実施形態において、突起群25を設けた構成としてもよい。また、第3~第5実施形態において、突起群25を設けない構成としてもよい。突起25aの数は適宜変更が可能である。
【0091】
第1~第5実施形態において、開口10aの数は適宜変更が可能である。隔壁11は、パウダー収容空間S1と塗布具収容空間S2とを連通させる少なくとも1個の開口10aを有するものであればよい。
【0092】
第1~第5実施形態において、共回り機構21を構成する縦リブ19aと縦リブ20aの数は、適宜変更可能である。また、第1~第5実施形態において、共回り機構21は縦リブ19aと縦リブ20aで構成されるものに限らず、種々変更可能である。
【0093】
第1~第5実施形態において、蓋3を周壁2aに回動操作によって着脱させる機構は、ねじ部7で構成されるものに限らない。
【0094】
本発明は前記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0095】
例えば、前述した各実施形態におけるパウダー容器1は、筒状の周壁2aと周壁2aの下端を閉塞する底壁2bとを備える容器本体2と、周壁2aに回動操作によって着脱可能な蓋3と、周壁2aに取り付けられ、容器本体2の底壁2bとの間にパウダー8を収容するパウダー収容空間S1を区画し、且つ、蓋3との間に塗布具9を収容する塗布具収容空間S1を区画し、更に、パウダー収容空間S1と塗布具収容空間S2とを連通させる少なくとも1個の開口10aを備える中栓4と、凸部22aと回動操作によって凸部22aを乗り越えることで中栓4を振動させる振動片23aとで構成される振動機構24と、を有るものであればよい。例えば、中栓4が、隔壁11の底部11aから上方に延びる柱状部2dを有するとともに周壁2aに固定され、柱状部2dの外周面が凸部群22又は1個のみの凸部22aを有し、蓋3の天壁3aが振動片群23又は1個のみの振動片23aを有する構成としてもよい。なお、この場合、蓋3の天壁3aが支持壁26を有し、振動片群23が支持壁26の内周面と天壁3aの下面とに跨るように設けられた構成としてもよいし、隔壁11の底部11aにおける柱状部2dの根本の近傍部分に、周方向に全周に亘って延びる薄肉部27を設けた構成としてもよい。
【符号の説明】
【0096】
1 パウダー容器
2 容器本体
2a 周壁
2b 底壁
2c 中空部
2d 柱状部
3 蓋
3a 天壁
3b 筒壁
4 中栓
5 口部
5a 口部本体
5b 口部上端
6 胴部
7 ねじ部
7a 雌ねじ
7b 雄ねじ
8 パウダー
9 塗布具
10 開口群
10a 開口
11 隔壁
11a 底部
11b 傾斜外周部
12 凹部
13 内周壁
14 フランジ壁
14a 封止凸部
15 外周壁
16 テーパ面
17 環状凸部
18 保持部
18a 環状凹部
18b 嵌合凸部
19 中栓リブ群
19a 縦リブ
20 蓋リブ群
20a 縦リブ
21 共回り機構
22 凸部群
22a 凸部
23 振動片群
23a 振動片
24 振動機構
25 突起群
25a 突起
26 支持壁
27 薄肉部
O 中心軸線
S1 パウダー収容空間
S2 塗布具収容空間