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特許7305450道路の案内装置、案内方法及びそのコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-30
(45)【発行日】2023-07-10
(54)【発明の名称】道路の案内装置、案内方法及びそのコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20230703BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20230703BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20230703BHJP
【FI】
G08G1/16 D
G08G1/09 F
G01C21/26 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019112546
(22)【出願日】2019-06-18
(65)【公開番号】P2020204927
(43)【公開日】2020-12-24
【審査請求日】2022-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】501271479
【氏名又は名称】株式会社トヨタマップマスター
(74)【代理人】
【識別番号】100095577
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 富雅
(74)【代理人】
【識別番号】100100424
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 知公
(72)【発明者】
【氏名】若杉 友太
【審査官】貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-122733(JP,A)
【文献】特開2019-3579(JP,A)
【文献】国際公開第2014/115309(WO,A1)
【文献】特開2017-207315(JP,A)
【文献】特開2012-3543(JP,A)
【文献】特開2010-238037(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 1/16
G01C 21/00 - 21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に付随する道路用の案内装置であって、
交差点が歩車分離タイプであるか否かの情報を備える交差点情報保存部と、
前記案内装置の位置とその移動状態を特定する案内装置状態特定部と、
該案内装置状態特定部により、前記案内装置が交差点において停止していると特定されたとき、該交差点情報保存部を参照し、前記案内装置が停止している交差点が前記歩車分離タイプであるか否を判定する交差点タイプ判定部と、
前記交差点タイプ判定部により前記案内装置が停止している交差点が前記歩車分離タイプであると判定されたとき、車載カメラの撮像画像に基づき該交差点の信号フェーズを特定する信号フェーズ特定部と、
前記信号フェーズ特定部で特定された信号フェーズに基づきガイダンスを提供するガイダンス提供部と、
を備える道路の案内装置。
【請求項2】
前記案内装置状態特定部は前記案内装置が前記交差点の最前列に位置するか否かを特定し、前記案内装置が最前列に位置するときのみ、前記交差点タイプ判定部を動作させる、
請求項1に記載の案内装置。
【請求項3】
前記交差点情報保存部は交差点の信号パターンと前記信号フェーズとの第1の関係を保存しており、
前記信号フェーズ特定部は、前記車載カメラで撮影した画像から前記信号パターンを特定し、特定された信号パターンを前記第1の関係に照らして前記信号フェーズを特定する請求項1に記載の案内装置。
【請求項4】
交差点が歩車分離タイプであるか否かの情報を備える交差点情報保存部と、案内装置状態特定部と、交差点タイプ判定部と、ガイダンス提供部と、信号フェーズ特定部と、車載カメラとを備えてなり、車両に付随する道路用の案内装置を用いる案内方法であって、
前記案内装置状態特定部に、前記案内装置の位置とその移動状態を特定させ、
該案内装置状態特定部により前記案内装置が交差点において停止していると特定されたとき、前記交差点タイプ判定部に、該交差点情報保存部を参照させて前記案内装置が停止している交差点が前記歩車分離タイプであるか否を判定させ、
前記交差点タイプ判定部により前記案内装置が停止している交差点が前記歩車分離タイプであると判定されたとき、前記信号フェーズ特定部に、前記車載カメラの撮像画像に基づき該交差点の信号フェーズを特定させ、
前記ガイダンス提供部に、前記信号フェーズ特定部で特定された信号フェーズに基づきガイダンスを提供させる、道路の案内方法。
【請求項5】
交差点が歩車分離タイプであるか否かの情報を備える交差点情報保存部と、案内装置状態特定部と、交差点タイプ判定部と、ガイダンス提供部と、信号フェーズ特定部と、車載カメラと備えてなり、車両に付随する道路用の案内装置を制御するコンピュータ用のコンピュータプログラムであって、
前記案内装置状態特定部に、前記案内装置の位置とその移動状態を特定させ、
該案内装置状態特定部により前記案内装置が交差点において停止していると特定されたとき、前記交差点タイプ判定部に、該交差点情報保存部を参照させて前記案内装置が停止している交差点が前記歩車分離タイプであるか否を判定させ、
前記交差点タイプ判定部により前記案内装置が停止している交差点が前記歩車分離タイプであると判定されたとき、前記信号フェーズ特定部に、前記車載カメラの撮像画像に基づき該交差点の信号フェーズを特定させ、
前記ガイダンス提供部に、前記信号フェーズ特定部で特定された信号フェーズに基づきガイダンスを提供させる、道路の案内装置用のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路の案内装置、案内方法及びそのコンピュータプログラムに関する。
本発明の案内装置はスクランブル交差点のような歩車分離タイプの交差点において好適に動作する。
【背景技術】
【0002】
歩車分離タイプの交差点、例えば東西方向の道路と南北方向の道路とが交差する歩車分離タイプの交差点では、次の様に信号が変わる。

信号フェーズ#1 南北方向(青):東西方向(赤):全横断歩道(赤)
信号フェーズ#2 南北方向(赤):東西方向(青):全横断歩道(赤)
信号フェーズ#3 南北方向(赤):東西方向(赤):全横断歩道(青)
信号フェーズ#1 南北方向(青):東西方向(赤):全横断歩道(赤)
以下繰り返し(図1参照)
【0003】
一般的な交差点では、例えば東西方向の道路に対向する信号(以下、単に「東西方向の信号」という)が青から赤に変わると、南北方向の道路に対向する信号(以下、単に「南北方向の信号」という)が赤から青に変わる。この場合、南北方向の道路で信号待ちしていた車両は、東西方向の信号が青から赤に変わったとき、一呼吸をおいて、車両を発進させようとする(歩行者も同じ)。
しかしながら、歩車分離タイプの交差点では、東西方向の信号が青から赤に変わるタイミング(上記信号フェーズ#2~#3への変化時)において、南北方向の信号は赤の状態を維持する。
【0004】
信号フェーズ#2において南北方向の道路で信号待ちをしているドライバが、この交差点が歩車分離式であることを認識していないとき、誤って車両を発進させるおそれがある。
同様なことは、信号フェーズ#3において東西方向の道路で信号待ちしているドライバに対しても言える。信号フェーズが#3から#1へ変わっても、東西方向の信号は赤のままであるからである。
このように歩車分離タイプの交差点では、信号が赤から青に変わらずに赤の状態が続く場合があり、慣れないドライバを困惑させる。
【0005】
そこで、交差点毎にそのタイプを予め案内装置装置に保存させておき、車両が交差点で停止する都度、この情報を読出して、その信号のタイプをドライバに提示するようにすれば、歩車分離タイプの交差点で停止したしてもドライバが困惑することはない。しかしながら、交差点毎にそのタイプが提示されると、ドライバにとっては情報過多となり、煩わしさを感じることとなりかねない。
そこで特許文献1に記載の発明では、適切なタイミングでドライバに歩車分離タイプの交差点であることを提示するため、道路の交通方式の変更後に初めて当該歩車分離タイプの交差点を通過する際に歩車分離タイプの交差点であることの注意を促している。
本件発明に関連する技術を開示する特許文献2を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2017-207315号公報
【文献】特開2009-116508号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の発明においても無駄な交差点情報の提示を避けつつ、歩車分離タイプの交差点で信号停止している旨をドライバに伝えている。
しかしながら、道路の交通方式が変更されることを条件にするなど、制限が掛かりすぎている。
そこで、本発明者らは、信号待ち停止中の交差点が歩車分離タイプであることをタイミングよくドライバに認識させる新たな方式につき検討した。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、かかる検討の結果、以下に規定するこの発明の第1の局面に想到した。即ち、キャリアに付随する道路用の案内装置であって、
交差点が歩車分離タイプであるか否かの交差点情報を備える交差点情報保存部と、
前記案内装置の位置とその移動状態を特定する案内装置状態特定部と、
該案内装置状態特定部により、前記案内装置が交差点において停止していると特定されたとき、該交差点情報保存部を参照し、前記案内装置が停止している交差点が前記歩車分離タイプであるか否を判定する交差点タイプ判定部と、
該交差点タイプ判定部により、前記案内端末が停止している交差点が前記歩車分離タイプであると判定されたとき、使用者にガイダンスを提供するガイダンス提供部と、
を備える道路の案内装置。
このように規定される第1の局面の案内装置によれば、案内装置が付随するキャリアとしての例えば車両が信号待ちで停止している交差点を、交差点タイプ判定部が、歩車分離タイプのものであると判定したとき、ガイダンス提供部により、その旨のガイダンスがドライバに提供される。
よって、ドライバは、信号待ちで停止している交差点が歩者分離タイプの交差点であることを明確に認識できることとなる。
【0009】
この発明の第2の局面は次のように規定される。即ち、
第1の局面に規定の案内装置において、前記交差点タイプ判定部により、前記案内装置が停止している交差点が前記歩車分離タイプであると判定されたとき、該交差点の信号フェーズを特定する信号フェーズ特定部が更に備えられ、
該信号フェーズ特定部で特定された信号フェーズに基づき、前記ガイダンス提供部はガイダンスを提供する。
歩車分離タイプの交差点であっても、特に注意すべきは、特定の信号フェーズにおける特定方向の道路で信号待ち停止している車両のドライバである。既述の例でいえば、下記アンダーラインを付した状況(要注意状況)のドライバである。換言すれば少なくとも、信号フェーズ1で信号待ち停止中のドライバに対するガイダンスは省略できる。

信号フェーズ#1 南北方向(青):東西方向(赤):全横断歩道(赤)
信号フェーズ#2 南北方向(赤):東西方向(青):全横断歩道(赤)
信号フェーズ#3 南北方向(赤):東西方向(赤):全横断歩道(青)
信号フェーズ#1 南北方向(青):東西方向(赤):全横断歩道(赤)
以下繰り返し(図1参照)

よって、第2の局面で規定されるように、信号フェーズを特定することによって、無駄なガイダンスを省いてより適切なタイミングでドライバにガイダンスを提供できる。
上の例からわかる通り、ドライバへガイダンスを提供するタイミングとして、信号フェーズと車両が停止している道路の方向との組合せの状況を用いることができる。例えば、信号フェーズ#3において、東西方向の道路で信号待ち停止中車両のドライバにはガイダンスを提供し、南北方向の道路で信号待ち停止中車両のドライバにはガイダンスを提供しない。なお、車両の位置は案内装置状態特定部で特定できる。
【0010】
この発明の第3の局面は次のように規定される。
第1又は第2の局面に規定の案内装置において、前記案内装置状態特定部は前記案内装置が前記交差点の最前列に位置するか否かを特定し、前記案内装置が最前列に位置するときのみ、前記交差点タイプ判定部を動作させる。
交差点で信号待ち停止中の車両において、信号フェーズが変更して信号が切り替わったとき、先頭の車両から順に動きだす。換言すれば、上記アンダーラインの要注意状況のときであっても先頭車両が停止状態を維持すれば、後続の車両が動きだすことはない。
そこで、第3の局面で規定するように、交差点の最前列に位置する車両を選択してそのドライバのみへガイダンスを提供するようにすれば、後続車両のドライバに対するガイダンスを省略できる。
【0011】
この発明の第4の局面は次のように規定される。
第2の局面に規定の案内装置において、前記信号フェーズ特定部は、外部の装置からの情報に基づいて、前記信号フェーズを特定する。
案内装置の信号フェーズ特定部には素早い信号フェーズの特定が求められる。信号フェーズの切り替わり直前に歩車分離タイプの交差点に停止した車両のドライバに対しても、直ちにその交差点の信号フェーズを特定する必要があるからである。
そのため、第4の局面に規定するように、外部の装置、たとえば当該交差点の信号制御装置からの情報(信号フェーズを直接特定するもの)に基づいて信号フェーズを特定することが好ましい。これにより、迅速かつ正確に信号フェーズを特定することが可能となる。
【0012】
この発明の第5の局面は次のように規定される。
第4の局面に規定の案内装置において、前記外部の装置はカメラであり、
前記交差点情報保存部は交差点の信号パターンと前記信号フェーズとの第1の関係を保存しており、
前記信号フェーズ特定部は、前記カメラで撮影した画像から前記信号パターンを特定し、特定された信号パターンを前記第1の関係に照らし合わせて前記信号フェーズを特定する。
この第4の局面では、交差点の信号制御装置等からの信号が得られないとき、外部装置として車載カメラを用いることとした。
交差点情報保存部に歩車分離タイプの交差点の信号フェーズとその信号パターンとの第1の関係を予め保存させておく。ここに信号パターンとは、信号フェーズにおける各方向の道路の信号の色及び横断歩道信号の色の組合せを指す。歩車分離タイプの交差点で停止した車両の案内装置は、その車両の車載カメラを制御して、当該交差点を撮影する。案内装置の信号フェーズ特定部は、得られた画像を処理して、各信号の色を特定する。このようにして得られた信号パターンを上記第1の関係に照らして、信号フェーズを特定する。
【0013】
この発明の第6の局面は次のように規定される。
第2の局面に規定の案内装置において、前記信号フェーズ特定部は、案内装置が前記交差点に到着するまでに通過した所定の交差点に対する通過状態に基づいて前記信号フェーズを特定する。
このように規定される第6の局面の案内装置によれば、信号フェーズを特定するにあたり何ら外部の装置からの信号情報を必要としない。従って、案内装置の構成がシンプルになる。

信号フェーズ#1 南北方向(青):東西方向(赤):全横断歩道(赤)
信号フェーズ#2 南北方向(赤):東西方向(青):全横断歩道(赤)
信号フェーズ#3 南北方向(赤):東西方向(赤):全横断歩道(青)
信号フェーズ#1 南北方向(青):東西方向(赤):全横断歩道(赤)
以下繰り返し(図1参照)

既述の信号フェーズのパターンで動作する信号機を備えた歩車分離タイプの交差点において、南北方向の道路で信号待ち停止した車両の案内装置からみると、現在の信号フェーズは信号フェーズ#2又は#3のいずれかとなる。
かかる車両が、南北方向の道路を、例えば少なくとも2つの信号付き交差点を何ら減加速することなく通過した後に停車したものであったとき、当該車両が通過した南北方向の道路と交差する道路(東西方向の道路)の交差点の信号は赤であった。即ち、当該車両が停止した現在の信号フェーズより1つ前の信号フェーズにおいて、通過した交差点の信号は南北方向(青)かつ東西方向(赤)であった。通過した信号と停止中の交差点とは連携しているので、車両が停止している歩車分離タイプの交差点の1つまえの信号フェーズも同様に南北方向(青)かつ東西方向(赤)となる。かかる信号パターンは信号フェーズ#1に等しい。よって、既述の車両が停止している赤信号は信号フェーズ#2によるものとなる。
【0014】
同様に、東西方向の道路で信号待ち停止中の車両が、停止する前に、東西方向の道路の少なくとも2つの信号付き交差点を何ら減加速することなく通過した後に停止したものであったとき、当該車両が通過した東西方向の道路と交差する道路(南北方向の道路)の交差点の信号は赤であった。即ち、当該車両が停止した現在の信号フェーズより1つ前の信号フェーズにおいて、通過した交差点の信号は南北方向(赤)かつ東西方向(青)であった。通過した信号と停止中の交差点とは連携しているので、当該車両が停止している歩車分離タイプの交差点の1つまえの信号フェーズも同様に南北方向(赤)かつ東西方向(青)となる。かかる信号パターンは信号フェーズ#2に等しい。よって、既述の車両が停止いている赤信号は信号フェーズ#3によるものとなる。
【0015】
この発明の第7の局面は次のように規定される。
交差点が歩車分離タイプであるか否かの情報を備える交差点情報保存部と、案内装置状態特定部と、交差点タイプ判定部とガイダンス提供部とを備えてなり、キャリアに付随する道路用の案内装置であって、
前記案内装置状態特定部に、前記案内装置の位置とその移動状態を特定させ、
該案内装置状態特定部により前記案内装置が交差点において停止していると特定されたとき、前記交差点タイプ判定部に、該交差点情報保存部を参照させて前記案内装置が停止している交差点が前記歩車分離タイプであるか否を判定させ、
該交差点タイプ判定部により前記案内端末が停止している交差点が前記歩車分離タイプであると判定されたとき、前記ガイダンス提供部にガイダンスを提供させる、道路の案内方法。
このように規定される第7の局面の案内方法によれば、第1の局面と同じ作用が得られる。
【0016】
この発明の第8の局面は次のように規定される。
第7の局面に規定の案内方法において、前記案内装置は信号フェーズ特定部を更に備え、
前記交差点タイプ判定部により、前記案内装置が停止している交差点が前記歩車分離タイプであると判定されたとき、信号フェーズ特定部に該交差点の信号フェーズを特定させ、
該信号フェーズ特定部で特定された信号フェーズに基づき、前記ガイダンス提供部にガイダンスを提供させる。
このように規定される第8の局面の案内方法によれば、第2の局面と同じ作用が得られる。
【0017】
この発明の第9の局面は次のように規定される。
第7又は第8の局面に規定の案内方法において、前記案内装置状態特定部に前記案内装置が前記交差点の最前列に位置するか否かを特定させ、前記案内装置が最前列に位置するときのみ、前記交差点タイプ判定部を動作させる。
このように規定される第9の局面の案内方法によれば、第3の局面と同じ作用が得られる。
【0018】
この発明の第10の局面は次のように規定される。
第8の局面に規定の案内方法において、前記信号フェーズ特定部に、外部の装置からの情報に基づいて、前記信号フェーズを特定させる。
このように規定される第10の局面の案内方法によれば、第4の局面と同じ作用が得られる。
【0019】
この発明の第11局面は次のように規定される。
第10の局面に規定の案内方法において、前記外部の装置はカメラであり、
前記交差点情報保存部は交差点の信号パターンと前記信号フェーズとの第1の関係を保存しており、
前記信号フェーズ特定部に、前記カメラで撮影した画像から前記信号パターンを特定させ、特定された信号パターンを前記第1の関係に照らして前記信号フェーズを特定させる。
このように規定される第11の局面の案内方法によれば、第5の局面と同じ作用が得られる。
【0020】
この発明の第12の局面は次のように規定される。
第8の局面に規定の案内方法において、前記信号フェーズ特定部に、案内装置が前記交差点に到着するまでに通過した所定の交差点に対する通過状態に基づいて前記信号フェーズを特定させる。
このように規定される第12の局面の案内方法によれば、第6の局面と同じ作用が得られる。
【0021】
この発明の第13の局面は次のように規定される。
交差点が歩車分離タイプであるか否かの情報を備える交差点情報保存部と、案内装置状態特定部と、交差点タイプ判定部とガイダンス提供部とを備えてなり、キャリアに付随する道路用の案内装置を制御するコンピュータ用のコンピュータプログラムであって、
前記案内装置状態特定部に、前記案内装置の位置とその移動状態を特定させ、
該案内装置状態特定部により前記案内装置が交差点において停止していると特定されたとき、前記交差点タイプ判定部に、該交差点情報保存部を参照させて前記案内装置が停止している交差点が前記歩車分離タイプであるか否を判定させ、
該交差点タイプ判定部により前記案内端末が停止している交差点が前記歩車分離タイプであると判定されたとき、前記ガイダンス提供部にガイダンスを提供させる、道路の案内装置用のコンピュータプログラム。
このように規定される第13の局面の案内方法によれば、第1の局面と同じ作用が得られる。
【0022】
この発明の第14の局面は次のように規定される。
第13の局面に規定のコンピュータプログラムであって、前記案内装置は信号フェーズ特定部を更に備え、
前記交差点タイプ判定部により、前記案内装置が停止している交差点が前記歩車分離タイプであると判定されたとき、信号フェーズ特定部に該交差点の信号フェーズを特定させ、
該信号フェーズ特定部で特定された信号フェーズに基づき、前記ガイダンス提供部にガイダンスを提供させる。
このように規定される第14の局面の案内方法によれば、第2の局面と同じ作用を奏する。
【0023】
この発明の第15の局面は次のように規定される。
第13又は第14の局面に規定のコンピュータプログラムであって、
前記案内装置状態特定部に前記案内装置が前記交差点の最前列に位置するか否かを特定させ、前記案内装置が最前列に位置するときのみ、前記交差点タイプ判定部を動作させる。
このように規定される第15の局面の案内方法によれば、第3の局面と同じ作用が得られる。
【0024】
この発明の第16の局面は次のように規定される。
第14の局面に規定のコンピュータプログラムであって、前記信号フェーズ特定部に、外部の装置からの情報に基づいて、前記信号フェーズを特定させる
このように規定される第16の局面の案内方法によれば、第4の局面と同じ作用が得られる。
【0025】
この発明の第17の局面は次のように規定される。
第16の局面に規定の案内装置において、前記外部の装置はカメラであり、
前記交差点情報保存部は交差点の信号パターンと前記信号フェーズとの第1の関係を保存しており、
前記信号フェーズ特定部に、前記カメラで撮影した画像から前記信号パターンを特定させ、特定された信号パターンを前記第1の関係に照らして前記信号フェーズを特定させる。
このように規定される第16の局面の案内方法によれば、第5の局面と同じ作用が得られる。
【0026】
この発明の第18の局面は次のように規定される。
第14の局面に規定のコンピュータプログラムであって、前記信号フェーズ特定部に、案内装置が前記交差点に到着するまでに通過した所定の交差点に対する通過状態に基づいて前記信号フェーズを特定させる。
このように規定される第18の局面の案内方法によれば、第6の局面と同じ作用が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は歩車分離タイプの交差点の信号フェーズの循環を説明する図である。
図2図2はこの発明の1つの実施形態の案内装置の機能を示すブロック図である。
図3図3はこの発明の他の実施の形態である案内装置の機能を示すブロック図である。
図4図4はこの発明の他の実施の形態である案内装置の機能を示すブロック図である。
図5図5はこの発明の他の実施の形態である案内装置の機能を示すブロック図である。
図6図6図5の案内装置のハード構成を示す模式図である。
図7図7図2の案内装置の動作を示すフローチャートである。
図8図8図3の案内装置の動作を示すフローチャートである。
図9図9図4の案内装置の動作を示すフローチャートである。
図10図10図5の案内装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図2はこの発明の一実施形態の案内装置1の機能ブロック図である。
図2に示すように、この案内装置1は制御部10、マップ情報保存部20およびガイダンス提供部30を備えている。
制御部10には目的地設定部11とルート検索部13とが備えられる。ルート検索部13は、現在地から目的設定部11を介して設定された目的地までのルートを検索する。この検索に際し、マップ情報保存部20の道路情報保存部21に保存されているリンク及びノードの情報並びに施設情報保存部23に保存されている施設等のデータが参照される。マップ情報保存部20の交差点情報保存部25には交差点の座標とそのタイプ(歩車分離タイプであるか否か)が保存されている。
【0029】
案内装置状態特定部15は、案内装置の備えるGPS機能を利用して、自身の位置の座標を特定する。また、座標の時間変化から、停止中か否かも特定できる。
案内装置状態特定部15で特定された座標は交差点タイプ判定部17へ送られる。この交差点タイプ判定部17は上記特定された座標を道路情報保存部21に保存されている地図情報と照らし合わせて、車両が交差点若しくはその周辺に存在し、かつ停止状態であるとき、当該車両は交差点において信号待ち停止中であると判断する。そして、そのときの交差点の座標に対応する交差点タイプを交差点情報保存部25から読みだし、これを停止中の交差点のタイプとする。
【0030】
このように判定された交差点のタイプが歩車分離タイプのとき、ガイダンス提供部30は、画像案内部31を構成するディスレイにガイダンスの内容を表示し、また音声案内部33を構成するスピーカから音声ガイダンスを出力する。
このようにして、歩車分離タイプの交差点にて車両が信号待ち停止する都度、停止した交差点が歩車分離タイプであることが案内装置を介してドライバに伝えられる。
【0031】
図3に他の実施形態の案内装置1Aを示す。なお、図2と同一の作用を奏する機能には同一の符号を付してその説明を部分的に省略する。
この案内装置1Aでは、交差点タイプ判定部17に信号フェーズ特定部19が備えられる。
交差点タイプ判定部17により、停止中の交差点が歩車分離タイプと判定されたとき、この信号フェーズ特定部19は交差点の信号制御装置35と通信して、当該交差点の信号フェーズを特定する。このようして特定された信号フェーズに基づいて、ガイダンス提供部30はガイダンスを提供する。既述の例では、

信号フェーズ#1 南北方向(青):東西方向(赤):全横断歩道(赤)
信号フェーズ#2 南北方向(赤):東西方向(青):全横断歩道(赤)
信号フェーズ#3 南北方向(赤):東西方向(赤):全横断歩道(青)
信号フェーズ#1 南北方向(青):東西方向(赤):全横断歩道(赤)
以下繰り返し(図1参照)

フェーズ#2及びフェーズ#3のときのみ、停止中の交差点は歩車分離タイプである旨のガイダンスが提供されることなる。
このとき、車両の停止座標より、南北方向の道路で停止しているか若しくは東西方向の道路で停止しているのかまで特定できるときは、アンダーラインが付された要注意状況にある車両のみにガイダンスを提供してもよい。
【0032】
図4に他の実施形態の案内装置1Bを示す。この案内装置1Bにおいて、信号フェーズ特定部19は信号パターン特定部191を備える。車載カメラ37で撮影された交差点の画像がこの信号パターン特定部191で画像処理されて、各道路及び横断歩道の信号の色のパターンが例えば、「南北方向(青):東西方向(赤):全横断歩道(赤)」のように特定される。
他方、交差点情報保存部25の第1の関係保存部251には、例えば下記信号フェーズと信号パターンの関係が、第1の関係として歩車分離タイプの交差点毎に保存される。

第1の関係
信号フェーズ#1 南北方向(青):東西方向(赤):全横断歩道(赤)
信号フェーズ#2 南北方向(赤):東西方向(青):全横断歩道(赤)
信号フェーズ#3 南北方向(赤):東西方向(赤):全横断歩道(青)

信号パターン特定部191により特定された信号パターンを第1の関係保存部251に保存されている第1の関係に照らし合わせることで、停止中の交差点の信号フェーズが特定される。
【0033】
図5に他の実施形態の案内装置1Cを示す。この案内装置1Cにおいて、信号フェーズ特定部19の走行履歴解析部193は、走行履歴保存部39に保存されている車両の走行履歴を解析して、停止中の交差点の信号フェーズを特定する。
走行履歴保存部39は案内装置に一般的に装備されているものを用いることができる。分析の対象となる走行履歴は、車両が停止する直前のものであり、その走行履歴が特定のパターンに該当するときのみ、その信号フェーズを特定できるものとする。例えば、既述の例では、南北方向(東西方向)の道路に停止した車両が、停止するまでは南北方向(東西方向)の道路において少なくとも2つの信号付き交差点を何ら減加速なく通過できたパターンのみが採用され、その信号フェーズが特定される。他方、当該パターンに該当しないときは、信号フェーズの特定は行われず、車両の停止した交差点のタイプのみが判定され、歩車分離タイプの交差点と判定されたときにガイダンスが提供される。
【0034】
案内装置1Cのハード構成を図6に示す。
演算部200はCPU201、ROM203及びRAM205を備え、システム全体の制御をつかさどる。それとともに、ルート検索部13、案内装置状態特定部15、交差点タイプ判定部17、信号フェーズ特定部19、走行履歴解析部193、ガイダンス提供部30としても機能する。ROM203は、演算部200を制御する制御プログラム等が格納された不揮発性メモリである。RAM205は、キーボード等の入力装置280を介して利用者により予め設定された各種設定値を読み出し可能に格納したり、CPU201に対してワーキングエリアを提供したりする。演算部200を制御する制御プログラムはROM203に限らずRAM205や第1、第2記憶装置240及び250に格納されていてもよい。
【0035】
第1記憶装置240に、マップ情報保存部20の各情報が保存される。
第2記憶装置250に、走行履歴保存部39の情報が保存される。
第1、第2記憶装置はハードメモリやフラッシュメモリなど、サーバシステムのメモリ装置の一部の領域を利用することが好ましい。
【0036】
データを一時的に保存する、いわゆるバッファメモリには、演算部のRAMの一部領域を利用できる。
出力装置270はディスプレイや音声出力装置であり、それぞれ画像案内部31及び音声案内部33として機能する。入力装置280は音声入力部や、ディスプレイに重ねて配置されるタッチパネル式のキーボートやマウスなどが該当し、目的地設定部11として機能する。
通信インターフェース230を介して、インターネット等の通信ネットワークへ接続可能となる。
コンピュータを構成する各装置はシステムバス240で連結されている。
以上、図5に示す案内装置1Cのハード構成を例にとり説明してきた。当業者であれば、図2図4に示す各案内装置1、1A、1Bのハード構成も図6を参照すれば、同様に把握できる。
【0037】
次に、図2の案内装置1の作用について図7を参照しながら説明する。
歩車分離タイプの交差点は市街地、特に都市部にその多くが存在する。よって、ステップ1では、市街地を車両が走行しているか否かを判断する。例えば、単位広さあたりの信号付き交差点の数から、市街地か否かを判断できる。そして、市街地走行中のみステップ3に進み、その他郊外や自動車専用道路を走行中の場合は本件実施形態の対象外となる。
ステップ3では、案内装置状態特定部15が車両の座標を取得する。取得した座標に基づき、当該車両が交差点で停止中か否かを交差点タイプ判定部17が判断する(ステップ5)。
【0038】
ステップ5において車両が交差点で停止中であると判断されたとき、ステップ7において、交差点タイプ判定部17は車両の座標に基づき、交差点情報保存部25を参照して、停止中の交差点が歩車分離タイプの交差点であるか否かを判定する。
停止中の交差点が歩車分離タイプであると判定されたとき、ガイダンス提供部30は予め定められているガイダンスをドライバに提供する。このガイダンスには、停止中の交差点が歩車分離タイプである旨が含まれる。
ステップ1~ステップ9までの処理は、車両のエンジンが停止された時点で一旦停止される(ステップ11)。
【0039】
案内装置1A(図3参照)の動作を図8のフォローチャートに基づいて説明する。なお、図8において、図7と同じ動作をするステップには同一の符号を付してのその説明を省略する。
図8のフォローチャートに従えば、図3の案内装置1Aでは、車両が歩車分離タイプの交差点に停止していることを確認した後、信号フェーズが特定される(ステップ21)。ここに、信号フェーズの特定は、交差点の信号を制御する信号制御装置と通信してなされる。
ステップ23では、特定された信号フェーズに即したガイダンスが車両の運転者に提供される。
【0040】
信号フェーズを特定する他の方式が図4及び図5でも提案されている。
図9は、信号フェーズを特定するステップ21につき、図4の方式を採用したときの詳細である。
即ち、ステップ31において車載カメラ37を動作させて交差点の写真を撮影する。
ステップ33では撮影画像を画像処理して、交差点の信号のパターンを特定する。
ステップ35では、第1の関係保存部251に保存されている第1の関係を参照して、特定された信号パターンより交差点の現在の信号フェーズを特定する。
【0041】
図10は、信号フェーズを特定するステップ21につき、図5の方式を採用したときの詳細を説明する。
即ち、ステップ41において、車両の座標をより詳細に検討し、車両が停止する道路を特定する。ステップ43において停止直前の走行履歴を取得し、その走行パターンが特定のパターンに該当するか否かを特定する(ステップ45)。その走行パターンが特定のパターンに合致するときは(ステップ45:YES)、信号フェーズが特定される(ステップ46)。その走行パターンが特定の走行パターンに合致しないときは、何ら信号フェーズは特定されない(ステップ45:No)。この場合、ステップ9のガイダンスが提供されることとなる。
【0042】
以上、案内装置が付属するキャリアとして車両を選択して説明を進めてきたが、バイクや自転車などをキャリアとすることができる。
歩車分離タイプの交差点では、歩行者からみても一般的な交差点に比べて、信号機のパターンが異なる。従って、車両の場合と同様な処理を行い、案内装置を携帯するキャリアとしての歩行者に同様のガイダンスを提供できる。
本発明は、上記実施形態、実施例、変形例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
【符号の説明】
【0043】
1 案内装置
15 案内装置状態特定部
17 交差点タイプ判定部
19 信号フェーズ特定部
25 交差点情報保存部
30 ガイダンス提供部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10