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特許7305694プログラム、情報処理システムおよび情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-30
(45)【発行日】2023-07-10
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理システムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20230703BHJP
   A47L 9/28 20060101ALI20230703BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20230703BHJP
   A63F 13/65 20140101ALI20230703BHJP
【FI】
G06T19/00 A
A47L9/28 E
A63F13/55
A63F13/65
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021052924
(22)【出願日】2021-03-26
(65)【公開番号】P2022150354
(43)【公開日】2022-10-07
【審査請求日】2021-05-28
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】三嶋 文子
(72)【発明者】
【氏名】津原 一成
(72)【発明者】
【氏名】奥山 幹樹
【合議体】
【審判長】五十嵐 努
【審判官】樫本 剛
【審判官】板垣 有紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-18132(JP,A)
【文献】特開2017-192851(JP,A)
【文献】特開2014-204795(JP,A)
【文献】特開2011-155322(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00 - 19/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラムであって、
コンピュータに、次の各ステップを実行させ、
ステージ生成ステップでは、実空間に対応する仮想空間を生成し、ここで
前記実空間は、移動体が移動可能な空間であり、
前記移動体は、
バッテリを備え、
このバッテリに蓄えられた電力を用いて前記実空間を自律的に走行可能に構成され、
管理ステップでは、前記バッテリの充電残量を管理し、
処理制御ステップでは、
前記充電残量に基づいて、前記バッテリを充電させるために前記移動体を所定位置に移動させる制御を含む充電処理を実行し、
前記充電残量に基づいて、前記移動体と連動して前記仮想空間内をキャラクタが移動するゲームの進行を制御する、もの。
【請求項2】
プログラムであって、
コンピュータに、次の各ステップを実行させ、
ステージ生成ステップでは、実空間に対応する仮想空間を生成し、ここで
前記実空間は、移動体が移動可能な空間であり、
前記移動体は、
バッテリを備え、
このバッテリに蓄えられた電力を用いて前記実空間を自律的に走行可能に構成され、
管理ステップでは、前記バッテリの充電残量を管理し、
処理制御ステップでは、
前記仮想空間内をキャラクタが移動するゲームの進行を制御し、
前記ゲームの進行に基づいて、前記移動体の動作を制御し、
ここで制御される前記移動体の動作には、
前記実空間における所定位置への移動、または
前記バッテリを充電させる制御を含む充電処理
が含まれる、もの。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のプログラムにおいて、
前記所定位置は、前記バッテリを充電させるための充電ステーションである、もの。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れか1つに記載のプログラムにおいて、
前記移動体は、前記実空間において行われる実空間タスクを実行可能な移動体であり、
前記処理制御ステップでは、前記移動体の前記実空間タスクに基づく動作にさらに基づいて、前記ゲームの進行を制御する、もの。
【請求項5】
請求項1~請求項4の何れか1つに記載のプログラムにおいて、
前記ステージ生成ステップでは、前記仮想空間を生成するとともに、前記仮想空間内にイベントの発生を伴うオブジェクトを配置し、
前記オブジェクトは、前記仮想空間内を移動するように構成され、
前記処理制御ステップでは、前記移動体および前記オブジェクトの一方の動作が、その他方の動作に影響を与えるように、前記移動体の動作または前記ゲームの進行を制御する、もの。
【請求項6】
請求項1~請求項5の何れか1つに記載のプログラムにおいて、
前記ステージ生成ステップでは、前記仮想空間を生成するとともに、前記仮想空間内にイベントの発生を伴うオブジェクトを配置し、
前記管理ステップでは、予め設定されたパラメータを管理し、
前記処理制御ステップでは、
前記キャラクタが前記オブジェクトと接触した場合に、前記パラメータに基づいて、前記イベントの発生有無またはその内容を決定することで、前記ゲームの進行を制御し、
前記パラメータにさらに基づいて、前記充電処理を実行する、もの。
【請求項7】
請求項6に記載のプログラムにおいて、
前記パラメータは、前記充電残量を示すパラメータである、もの。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載のプログラムにおいて、
前記移動体は、ロボット掃除機であり、
前記パラメータは、前記ロボット掃除機が備えるダストボックス内のゴミの量または空き容量を示すパラメータである、もの。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムにおいて、
前記移動体は、ロボット掃除機であり、
前記ゲームにおいて使用されるゲームパラメータの少なくとも1つは、前記ロボット掃除機に関する掃除パラメータの少なくとも1つに対応し、ここで前記掃除パラメータは、前記充電残量を示すパラメータ、または前記ロボット掃除機が備えるダストボックス内のゴミの量もしくは空き容量を示すパラメータである、もの。
【請求項10】
請求項1~請求項9の何れか1つに記載のプログラムにおいて、
前記管理ステップでは、前記移動体の制御に際して、通常モードおよびゲームモードのうち何れかのモードであることを管理し、
前記処理制御ステップでは、前記モードが前記ゲームモードの場合に、前記ゲームの進行を制御する、もの。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムにおいて、
前記移動体は、前記実空間において行われる実空間タスクを実行可能な移動体であり、
前記管理ステップでは、
前記移動体が動作を開始すると、前記モードを前記通常モードに設定し、
前記移動体が前記実空間タスクを少なくとも1回完了した判定された場合に、前記モードを前記ゲームモードに切り替え、
前記処理制御ステップでは、前記移動体を、少なくとも1回の実空間タスクが完了された前記実空間内でさらに移動させながら、前記ゲームの進行を制御する、もの。
【請求項12】
請求項1~請求項11の何れか1つに記載のプログラムにおいて、
前記移動体は、第1移動体と、前記第1移動体とは機能の異なる第2移動体とを備え、
前記処理制御ステップでは、前記第1移動体と連動して前記仮想空間内をキャラクタが移動するゲームの進行を制御し、
前記第2移動体の動作が、前記ゲームの進行に影響を与える、もの。
【請求項13】
情報処理システムであって、
請求項1~請求項12の何れか1つに記載の各ステップを実行するように構成される、もの。
【請求項14】
コンピュータによって実行される情報処理方法であって、
請求項1~請求項12の何れか1つに記載の各ステップを備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理システムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、様々な分野にロボット等の移動体が採用されている。このような移動体の例として、例えば、実空間の床面を掃除するロボット掃除機が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-181648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような移動体は、与えられたタスクを淡々とこなすに過ぎず、時間の経過とともにユーザが移動体への興味を失ったり、そのメンテナンスを怠ってしまう等の問題を抱えていた。
【0005】
本開示では上記事情を鑑み、ユーザが移動体を使用することに愉悦をもたらすことができるプログラム等を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、プログラムが提供される。このプログラムは、コンピュータに、次の各ステップを実行させる。ステージ生成ステップでは、移動体が移動可能な実空間に対応する仮想空間を生成する。ここで移動体は、バッテリを備える。このバッテリに蓄えられた電力を用いて実空間を自律的に走行可能に構成される。管理ステップでは、バッテリの充電残量を管理する。処理制御ステップでは、充電残量に基づいて、バッテリを充電させるために移動体を所定位置に移動させる制御を含む充電処理を実行する。充電残量に基づいて、移動体と連動して仮想空間内をキャラクタが移動するゲームの進行を制御する。
【0007】
本開示によれば、ユーザが移動体を使用することに愉悦をもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2】ロボット掃除機5のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係る情報処理装置2の機能構成を示すブロック図である。
図4】本実施形態に係るゲーム装置3の機能構成を示すブロック図である。
図5】情報処理システム1によって実行される情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
図6】ロボット掃除機5が移動する実空間の一例である部屋6を俯瞰的に示している。
図7】部屋6に対応する仮想空間7を示している。
図8】ディスプレイ4aに表示された画面4Gの一例であり、仮想空間7に各種オブジェクトを配置した態様を示している。
図9】ディスプレイ4aに表示された画面4Gの一例であり、ゲームを開始してから15分が経過した際のゲームの進行を示している。
図10図9に示した場合の、部屋6を俯瞰的に示している。
図11】ディスプレイ4aに表示された画面4Gの一例であり、ゲームの進行中にプレイヤキャラクタ71にアイテムが付与される態様を示している。
図12】ディスプレイ4aに表示された画面4Gの一例であり、ゲームの進行中にプレイヤキャラクタ71にアイテムが付与される態様を示している。
図13】ディスプレイ4aに表示された画面4Gの一例であり、ゲームの進行中に充電残量Eが所定位置以下となり、その結果充電処理が実行される態様を示している。
図14】ディスプレイ4aに表示された画面4Gの一例であり、ゲームの進行中に充電残量Eが所定位置以下となり、その結果充電処理が実行される態様を示している。
図15】ディスプレイ4aに表示された画面4Gの一例であり、ゲームの進行中に充電残量Eが所定位置以下となり、その結果充電処理が実行される態様を示している。
図16】ディスプレイ4aに表示された画面4Gの一例であり、ゲームの進行中に充電残量Eが所定位置以下となり、その結果充電処理が実行される態様を示している。
図17】ディスプレイ4aに表示された画面4Gの一例であり、ゲームの進行中にプレイヤキャラクタ71の体力が0となり、その結果充電処理が実行される態様を示している。
図18】ディスプレイ4aに表示された画面4Gの一例であり、ゲームの進行中にプレイヤキャラクタ71の体力が0となり、その結果充電処理が実行される態様を示している。
図19】ディスプレイ4aに表示された画面4Gの一例であり、ゲームの進行中にプレイヤキャラクタ71の体力が0となり、その結果充電処理が実行される態様を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
以下、図面を用いて本開示の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、およびメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ゲームの説明
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示す情報処理システム1では、情報処理装置2、複数のゲーム装置3およびロボット掃除機5(移動体の一例)が通信ネットワーク11を介して互いに通信可能に接続され、ゲーム装置3においてゲームが実行される。
【0014】
本実施形態に係るゲームは、情報処理システム1にて実行されるオンラインのゲームである。このゲームでは、ゲーム装置3のユーザは、1または複数のプレイヤキャラクタを仮想ゲーム空間で活動させたり、プレイヤキャラクタを、ノンプレイヤキャラクタである敵キャラクタと対戦させたりする。また、キャラクタは、オブジェクトの一例である。
【0015】
上記のようなゲームは、プレイステーション(登録商標)等の家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)等の携帯用ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等の電子機器であるゲーム装置3を用いて実行される。以下では、ゲーム装置3がスマートフォンである場合を例示する。
【0016】
2.情報処理システム1の概要
図1に示されるように、情報処理システム1は、情報処理装置2および複数のゲーム装置3にて構成される。情報処理装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置3の(下記のアカウント情報ごとの)ゲームデータの管理を行う。情報処理装置2は、例えばサーバにより構成される。複数のゲーム装置3それぞれは、互いに同じ構成を有する。
【0017】
ゲーム装置3は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置3は、通信ネットワーク11を介して、情報処理装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。各ユーザには、ゲーム装置3に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置3から情報処理装置2に送信され、情報処理装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0018】
ユーザ認証を経て、情報処理装置2とゲーム装置3との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置3は、ゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)を情報処理装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ4aおよびスピーカ4bに出力しながら、ゲームを進行させる。
【0019】
また、図1に示されるように、本実施形態では、情報処理システム1は、ロボット掃除機5をさらに備えている。ロボット掃除機5は、予め設定された所定のプログラムに基づいて、実空間内を自律的に移動(走行)することで、フロアを掃除するように構成されている。つまり、ロボット掃除機5は、実空間において行われる実空間タスクを実行可能な移動体の一例である。ここでゲーム装置3およびロボット掃除機5は、同一のユーザに所持されているものとする。ユーザは、ゲーム装置3にインストールされたゲームプログラムおよびゲームデータを用いて、ロボット掃除機5による掃除を行いつつ、ゲームを進行させることができる。
【0020】
2.1 ハードウェア構成
以下、図1を参照して、情報処理システム1の各ハードウェア構成について説明する。
【0021】
<情報処理装置2>
図1に示されるように、情報処理装置2は、通信部21、記憶部22および制御部23を有する。通信部21および記憶部22は、通信バス20を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0022】
通信部21は、インターネットおよびLAN等の通信ネットワーク11を介して各ゲーム装置3またはロボット掃除機5と通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。情報処理装置2が通信部21を介して受信する主な情報としては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ユーザの操作に応じたガチャの抽選要求、クエスト実行要求、オートプレイの実行/終了の要求、アカウント情報、ゲームデータ等が挙げられる。情報処理装置2が通信部21を介して送信する主な情報としては、ゲームプログラムをゲーム装置3が受信したことを確認するための情報、ガチャにて得られたゲーム媒体に関する情報等が挙げられる。
【0023】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)等で構成される。記憶部22には、本実施形態にかかるゲームプログラムの一部を含む各種プログラムやゲームに関する各種データ等が記憶されている。
【0024】
具体的には例えば、記憶部22は、ユーザDBや抽選リスト等を記憶している。ユーザDBには、ゲームをプレイするユーザの識別番号ごとに、ユーザ名、ユーザランク、ユーザが操作するプレイヤキャラクタに関するステータス等の情報、仮想ゲーム空間内にて使用可能な消費媒体の額、パラメータに関する情報等が、対応付けられて記憶されている。抽選リストは、一般にガチャと呼ばれる抽選処理に用いるものであって、選択対象となるゲーム媒体に関する情報を複数含む。抽選リストには、ゲーム媒体に関する情報(名称、能力パラメータ、レアリティ、レベル等)と、抽選による選択割合とが、対応づけられている。また能力パラメータとは、例えば、ゲーム媒体がプレイヤキャラクタの場合、戦力、HP、攻撃力、防御力、賢さ、または速さ等を含む。
【0025】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置である情報処理装置2の動作を制御する。特に、制御部23は、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置である情報処理装置2に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部23は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部23を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0026】
制御部23によって実行される情報処理として、例えば、課金の決済処理、ユーザアカウントの認証処理、ガチャの抽選選択処理等が挙げられる。課金の決済処理は、例えばゲーム中のパラメータを所定量回復するために必要な課金の要求に基づいて実行される。ユーザアカウントの認証処理は、例えばゲーム装置3から受信したユーザの識別情報を用いて実行される。ガチャの抽選選択処理は、ガチャの抽選要求に伴って、抽選リストの中から、ゲーム媒体ごとの選択確率に基づいて1以上のゲーム媒体を抽選により選択する処理である。ガチャの抽選選択処理によれば、選択したゲーム媒体に関する情報と、抽選要求の送信元となる操作を行ったユーザの識別情報とが、ユーザDBにて関連付けられ、これにより、当該ユーザには、自身でガチャを引いた結果当選したゲーム媒体が付与される。
【0027】
ここで、上記をさらに補足すると、「ゲーム媒体」とは、ゲームに関する要素を表した電子データであって、プレイヤキャラクタとして使用するキャラクタの名称、プレイヤキャラクタが仮想ゲーム空間内にて使用するアイテム(武器、防具、道具)等が含まれる。ユーザは、ゲーム媒体を、課金による直接購入やクエストクリアの他、ガチャと呼ばれる抽選方法によって入手することができる。入手したゲーム媒体は、そのゲーム媒体を所有することとなったユーザの識別情報と対応づけて、ユーザDBに記憶され管理される。さらに、「ガチャ」とは、情報処理装置2にて、抽選リストの中から、所定の選択割合に基づき任意のゲーム媒体を抽選により選択する方法である。選択された任意のゲーム媒体は、ユーザのゲーム装置3に付与される。「ガチャで選択したゲーム媒体を、ユーザに付与する/ユーザが所有する」とは、「抽選処理で選択されたゲーム媒体を、ユーザを示す識別情報と関連づける/関連づけられている」ことと同義である。
【0028】
<ゲーム装置3>
ゲーム装置3には、ディスプレイ4a、スピーカ4bおよび入力デバイス4cが外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置3は、通信部31、記憶部32、制御部33、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび操作部34cを有する。通信部31、記憶部32、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび操作部34cは、通信バス30を介して制御部33と電気的に接続されている。
【0029】
通信部31は、ゲーム装置3と情報処理装置2またはロボット掃除機5との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク11に通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。ゲーム装置3が通信部31を介して受信する主な情報としては、アカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、ガチャ実行要求、クエスト実行要求等が挙げられる。ゲーム装置3が通信部31を介して送信する主な情報としては、ダウンロード要求情報に応じて情報処理装置2から送られてきた新たなゲームデータ、抽選処理により選択されたゲーム媒体に関する情報等が挙げられる。
【0030】
記憶部32は、HDD、SSD、RAMおよびROM等で構成される。記憶部32には、情報処理装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、自装置であるゲーム装置3のアカウント情報、ユーザ情報等が格納されている。なお、ユーザ情報は、情報処理装置2の記憶部22で記憶するユーザDBの少なくとも一部の情報である。ユーザDBでユーザ情報のマスタを管理し、ゲーム装置3の記憶部32は、このマスタの少なくとも一部の情報が情報処理装置2から配信され、これを記憶する。
【0031】
制御部33は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置であるゲーム装置3の動作を制御する。特に、制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置であるゲーム装置3に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0032】
特に、制御部33は、自装置であるゲーム装置3のユーザによる入力デバイス4cの操作に従って、ゲームを実行するように構成される。具体的には、制御部33は、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャ等のデータを記憶部32から読み出すか、または情報処理装置2から受信したデータを用いて、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部34aによって処理されることにより、ディスプレイ4aには処理後のゲーム画像が逐次表示される。換言すると、制御部33は、ゲームの実行にあたり、自装置であるゲーム装置3のユーザの操作等に応じてディスプレイ4aの表示制御およびスピーカ4bの音声出力制御を行うように構成される。
【0033】
グラフィック処理部34aは、制御部33から出力されるゲーム画像情報に従って、キャラクタおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部34aは、例えば液晶型であるディスプレイ4aと接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ4a上に表示される。オーディオ処理部34bは、スピーカ4bと接続され、制御部33の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ4bから出力させる。操作部34cは、入力デバイス4cと接続され、操作入力に関するデータを入力デバイス4cとの間で送受信する。ユーザは、入力デバイス4cを操作することで、ゲーム装置3に操作信号を入力する。なお、入力デバイス4cは、ディスプレイ4aと一体化されたタッチパネル、外付けのゲームパッド、マウスやキーボード等の総称である。
【0034】
図2は、ロボット掃除機5のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示されるように、ロボット掃除機5は、本体部5aと、カメラ541と、ゴミ容量センサ542と、ダストボックス543と、給電接点551と、モータ561とを備えている。また、本体部5aは、通信部51と、記憶部52と、制御部53と、センサ処理部54と、バッテリ55と、モータ処理部56とを備え、これらが通信バス50を介して電気的に接続されている。
【0035】
通信部51は、ロボット掃除機5と、情報処理装置2またはゲーム装置3との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク11に無線LAN経由で通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。具体的には、通信部51は、情報処理装置2から送信された移動、方向、速度および加速度の少なくとも1つに関する司令信号を受信する。また、通信部51は、情報処理装置2に、後述のカメラ541によって得られた画像データ等に基づき生成される部屋6のマップ情報MIを、通信ネットワーク11を介して情報処理装置2に送信する。
【0036】
記憶部52は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶するROMやRAMである。例えば、制御部53によって実行されるロボット掃除機5に係る種々のプログラム、またはプログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)等が記憶される。
【0037】
制御部53は、ロボット掃除機5に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部53は、例えば不図示のCPUである。制御部53は、記憶部52に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、ロボット掃除機5に係る種々の機能を実現する。すなわち、ロボット掃除機5は、記憶部52に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部53によって具体的に実現される、という構成を有する。
【0038】
センサ処理部54は、ロボット掃除機5の内部または外部の状態を把握する種々のセンサ類と通信または情報処理を実行するように構成される。具体的には、図2に示されるように、センサ処理部54は、外界の情報を視覚的に把握するためのカメラ541と、ダストボックス543の空き容量を把握するためのゴミ容量センサ542と接続されている。カメラ541は、可視光領域または赤外光領域を知覚するCCDまたはCMOSカメラである。ゴミ容量センサ542は、例えば光学的なセンサである。ダストボックス543は、中空構造を有し、フロアから収集したチリやホコリ等のゴミを蓄えるように構成される。
【0039】
バッテリ55は、充電可能な電池であり、例えば、鉛蓄電池で、NAS電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等である。本実施形態では、バッテリ55に蓄電された電気エネルギーがモータ561の回転駆動という力学的エネルギーに変換されている。また、バッテリ55は、給電接点551と電気的に接続されている。ロボット掃除機5が充電ステーション5b(図6参照)に位置する場合に、給電接点551と、充電ステーション5bにおける不図示の給電接点が接触し、これによりバッテリ55に対する充電が実行される。ロボット掃除機5は、バッテリ55に蓄えられた電力を用いて実空間を自律的に走行可能に構成されている。
【0040】
モータ処理部56は、例えばインバータである。より具体的には、バッテリ55の電力が、制御部53の判断によって、周波数や電圧等を調整するモータ処理部56を介してモータ561に付与される。このモータ561の動力が、不図示のシャフトやギヤ等を介して、不図示の車輪に伝達されることでロボット掃除機5が移動するように構成されている。
【0041】
2.2 機能構成
続いて、図3および図4を参照して、情報処理システム1の各機能構成について説明する。
【0042】
<情報処理装置2>
図3は、本実施形態に係る情報処理装置2の機能構成を示すブロック図である。図3に示されるように、制御部23は、記憶部22に記憶された各種プログラムを実行することにより、情報送受信部231、移動体制御部232、ステージ生成部233、ゲーム制御部234および管理部235として機能する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、制御部23に含まれる各機能部として実行されうる。
【0043】
情報送受信部231は、種々の情報をゲーム装置3またはロボット掃除機5から受け付け、または取得するように構成される。例えば、情報送受信部231は、ロボット掃除機5からバッテリ55の充電残量Eの情報やダストボックス543の空き容量またはゴミの量の情報を取得する。また、情報送受信部231は、種々の情報をゲーム装置3またはロボット掃除機5に送信または出力するように構成される。例えば、情報送受信部231は、ロボット掃除機5を移動させるための制御信号をロボット掃除機5に送信する。
【0044】
移動体制御部232は、必要に応じて、特に好ましくはゲームの進行状況に応じて、ロボット掃除機5の位置、方向、速度および加速度の少なくとも1つを制御するように構成される。なお、前述の通り、ロボット掃除機5は、本来は掃除を目的として自律的に移動(走行)するものであるが、移動体制御部232による制御が実行された場合は、これが優先されるものとする。
【0045】
ステージ生成部233は、ロボット掃除機5が移動可能(走行可能)な部屋6に対応する仮想空間7を生成するように構成される(図6および図7参照)。また、ステージ生成部233は、仮想空間7を生成するとともに、仮想空間7内にイベントの発生を伴うオブジェクトを配置するように構成される(図8参照)。すなわち、仮想空間7に種々のオブジェクトが配置されることで、ゲームのステージが生成される。これについては後にさらに詳述する。
【0046】
ゲーム制御部234は、必要に応じて、特に好ましくはロボット掃除機5の動作に応じて、ゲームの進行を制御するように構成される。より具体的には、ゲーム制御部234は、仮想空間7内に配置されたオブジェクトを移動させたり(例えば、オブジェクトの位置を更新したり)、関連するイベントを発生させたりする。これについては後にさらに詳述する。
【0047】
管理部235は、ゲームの進行に関連する種々のパラメータやモードを管理するように構成される。特に本実施形態では、管理部235は、本来ゲームと無関係なロボット掃除機5に関するパラメータを情報送受信部231によってロボット掃除機5より取得し、これらも管理するように構成される。より具体的には、管理部235は、後述のバッテリ55の充電残量Eを管理する。特に、ロボット掃除機5には、通常モードM1とゲームモードM2の2種類のモードが設定可能である。これについては後にさらに詳述する。
【0048】
<ゲーム装置3>
図4は、本実施形態に係るゲーム装置3の機能構成を示すブロック図である。図4に示されるように、制御部33は、記憶部32に記憶された各種プログラムを実行することにより、情報送受信部331、読出部332および表示制御部333として機能する。すなわち、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。
【0049】
情報送受信部331は、種々の情報を情報処理装置2またはロボット掃除機5から受け付け、または取得するように構成される。例えば、情報送受信部331は、情報処理装置2によって進行を制御されているゲームの状態を表示するための表示情報を取得する。この表示情報とは、画面、画像、アイコン、テキスト等といった、ユーザが視認可能な態様で生成された情報そのものだけでなく、表示させるためのレンダリング情報を含む概念である。また、情報送受信部331は、種々の情報を情報処理装置2またはロボット掃除機5に送信または出力するように構成される。例えば、情報送受信部331は、ユーザが入力デバイス4cを介してゲーム中になんらかの入力を行った場合に、その入力された情報を情報処理装置2またはロボット掃除機5に送信する。
【0050】
読出部332は、情報送受信部331が受け付けた、または予め記憶部32に記憶された種々の情報を読み出すように構成される。特に、読出部332は、情報送受信部331が受け付けた表示情報と、予め記憶部32に記憶された画像データとを読み出す。
【0051】
表示制御部333は、表示情報に基づいて、ディスプレイ4aへの画面4G(図8以降参照)の態様を制御するように構成される。ユーザは、画面4Gを視認することにより、ゲームの進行状況を把握することができる。
【0052】
3.情報処理システム1の動作の流れ
本節では、前述した情報処理システム1の情報処理方法について説明する。図5は、情報処理システム1によって実行される情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
【0053】
3.1 情報処理の概要
先に、図5に含まれる各アクティビティに沿って、情報処理の流れを概説する。まず、ロボット掃除機5を所有しているユーザは、ロボット掃除機5を動作させるために、ロボット掃除機5に必要な情報を予め入力させておく(アクティビティA001)。この情報は、例えば、ロボット掃除機5を稼働させる、曜日、日付、時刻を含み、さらに好ましくは、実空間の情報(間取り、家具の配置等)や、ロボット掃除機5の移動ルートや、ゲームの難易度や、ゲーム中に登場させるオブジェクトの配置等の情報を含む。なお、動作前のロボット掃除機5は、充電ステーション5bで待機しており、動作開始時には、バッテリ55の充電が完了されているものとして説明する。具体的には、ユーザが使用するゲーム装置3において、読出部332が予めインストールされたプログラムを読み出し、表示制御部333がディスプレイ4aにこのプログラムのユーザインターフェースを表示させるように制御し、ユーザが入力デバイス4cを用いて必要な情報を入力する。その後、情報送受信部331が入力された情報を情報処理装置2およびロボット掃除機5に送信する。
【0054】
続いて、ユーザが予め入力した情報に基づき、ロボット掃除機5が動作を開始する。ここで、ロボット掃除機5は、後述のゲームを進行させるか否かに関わらず、アクティビティA101~A105を実行することができる。動作中は、記憶部52および制御部53の機能によって、充電残量Eと、ダストボックス543の容量(吸引力のレベル)とが管理されている(アクティビティA101およびA102)。
【0055】
動作中に充電が必要だと判断された場合またはダストボックス543の容量がいっぱいと判断された場合には、ロボット掃除機5は、実空間タスクである掃除をいったん中断し、制御部53が中断した位置を記憶部52に記憶させる。その後、ロボット掃除機5は、充電ステーション5bに一時的に移動して、自らのバッテリ55を充電させるか、またはダストボックスの容量を減らすことができる(アクティビティA103)。あるいは、充電ステーション5bに移動させる司令信号が移動体制御部232によって生成され、通信ネットワーク11を介して、これをロボット掃除機5の通信部51が受信した場合も、ロボット掃除機5は、充電ステーション5bに移動することができる。これら充電ステーション5bへの移動をまとめて、充電処理と称することとする。換言すると、移動体制御部232は、充電残量Eに基づいて、バッテリ55を充電させるためにロボット掃除機5(移動体)を所定位置に移動させる制御を含む充電処理を実行する。好ましくは、この所定位置は、バッテリ55を充電させるための充電ステーション5bである。
【0056】
充電が完了するか、または移動体制御部232による司令信号をロボット掃除機5の通信部51が受信した場合には、ロボット掃除機5は、記憶部52に記憶された中断した位置を読み出して、充電ステーション5bから中断した位置(再開位置)に戻り、実空間タスクである掃除を再開する(アクティビティA104)。このような再開位置も、充電処理に関する所定位置に含まれる概念である。
【0057】
動作終了の判断が行われると、ロボット掃除機5は、充電ステーション5bに移動して、その動作を終了する(アクティビティA105)。なお、ロボット掃除機5が動作終了の判断を自律的に行うことはできるものの、特に本実施形態では、情報処理装置2における移動体制御部232によって、その判断をさらに制御することが可能である。
【0058】
ここで、ロボット掃除機5の通常モードM1とゲームモードM2の2種類のモードについて説明する。具体的には、情報処理装置2における管理部235は、ロボット掃除機5の制御に際して、通常モードM1およびゲームモードM2のうち何れかのモードであることを管理する。そして、ゲーム制御部234は、モードがゲームモードM2の場合に、ゲームの進行を制御する。すなわち、通常モードM1は非ゲームモードである。
【0059】
さらに具体的には、管理部235は、ロボット掃除機5が動作を開始すると、まず、モードを通常モードM1に設定する。続いて、管理部235は、ロボット掃除機5が実空間タスクである掃除を少なくとも1回完了した判定された場合に、モードをゲームモードM2に切り替える。その後、移動体制御部232は、ロボット掃除機5を、少なくとも1回の実空間タスクが完了された部屋6内でさらに移動させながら、ゲーム制御部234がゲームの進行を制御する。つまり、情報送受信部231が、ロボット掃除機5が自律的に判断した動作終了のフラグを受信すると、ゲームモードM2に進行させるための信号を送信する。そして、管理部235がモードを通常モードM1からゲームモードM2に切り替えて、ゲーム制御部234がゲームを進行させる。
【0060】
このような手順で掃除およびゲームを進行させることで、ゲームの進行によって本来のロボット掃除機5のタスクである掃除がおろそかになることが防止される。
【0061】
なお、ロボット掃除機5が実空間タスクを完了したときの充電残量Eが、ゲームモードM2に利用される充電残量Eとなる。すなわち、実空間タスクである掃除を効率的に(省エネルギーで)実行すると、効率的に掃除を実行しなかった場合に比して充電残量Eが多く残る。また、ロボット掃除機5が実空間タスクを完了したときのダストボックス543の容量(空き容量)のまま、ゲームモードM2に切り替わる。すなわち、実空間タスクである掃除においてゴミを大量に吸引すると、ゴミを大量に吸引しなかった場合に比してダストボックスに引き続き吸引できるゴミの量が少なくなる。このように、通常モードM1が完了した後の充電残量Eおよびダストボックス543の容量に関する情報が、ゲームモードM2に影響を与える。
【0062】
ここでプレイされるゲームは、ロボット掃除機5の動きに伴って、仮想空間7内をプレイヤキャラクタ71が自動的に動き回り、仮想空間7内でイベントを発生させながら、制限時間内にスコアを獲得するゲームであるものとする。すなわち、ゲームのプレイ中にユーザがゲーム装置3を操作する必要はなく、仕事等の外出中の合間にスケジュールされたロボット掃除機5の動作とともに、このゲームがプレイされる。獲得したスコアは、情報処理装置2における記憶部22に、ユーザに紐付けられて記憶されるため、スコアを獲得する楽しさが、ユーザに享受される。
【0063】
ゲームの進行にあたって、まず情報送受信部231が、ロボット掃除機5が1回掃除を終えることで生成されたマップ情報MIをロボット掃除機5から取得する(アクティビティA201)。続いて、情報送受信部231が、ロボット掃除機5の記憶部52において記憶され且つ管理されている充電残量Eおよびダストボックス543の容量に関する情報を、ロボット掃除機5から取得する(アクティビティA202)。これらの情報は、後述するゲーム内でのパラメータとしても使用される。
【0064】
続いて、ステージ生成部233は、マップ情報MIに基づいて、ゲームのステージとなる仮想空間7を生成する(アクティビティA203)。また、ステージ生成部233は、仮想空間7を生成するとともに、仮想空間7内にイベントの発生を伴う各種のオブジェクトを、ランダムまたはアクティビティA001において予め入力された情報に基づいて配置する(アクティビティA204)。
【0065】
その後、ゲーム制御部234は、ロボット掃除機5の実空間タスクに基づく動作に基づいて、ゲームの進行を制御する(アクティビティA205)。特に、ゲーム制御部234は、充電残量Eに基づいて、ロボット掃除機5と連動して仮想空間7内をプレイヤキャラクタ71が移動するゲームの進行を制御する。換言すると、少なくとも充電残量Eによって、プレイヤキャラクタ71がオブジェクトと接触した際の発生するイベントが、異なるように実施することができる。ここで、連動とは、ロボット掃除機5の動作とプレイヤキャラクタ71の動作の連動に限らない。ロボット掃除機5の所定の情報とプレイヤキャラクタ71の所定の情報が連動していればよい。また、連動していればよく(対応付けられていればよく)、必ずしも動作等の情報が、ロボット掃除機5とプレイヤキャラクタ71で一致している必要はない。詳細は後述する。
【0066】
また、ゲームの進行中には、充電残量Eが十分であるにも関わらず、充電処理が実行されることがある。具体的には、情報送受信部231は、ゲームのパラメータの1つであるプレイヤキャラクタ71の体力が0になった場合には、充電残量Eに関わらず、充電処理の司令信号を、通信ネットワーク11を介してロボット掃除機5に送信する(アクティビティA206)。ロボット掃除機5の通信部51が、この指令信号を受信すると、ロボット掃除機5は、充電ステーション5bに移動し(アクティビティA103)、その後再開位置まで戻る(アクティビティA104)ように動作する。もちろん、ゲームの進行中にも、ロボット掃除機5は、アクティビティA101およびA102を繰り返し実行しているので、充電残量Eが所定位置以下となった場合にも、自律的に充電ステーション5bに移動する。なお、ゲームモードM2中においても、ロボット掃除機5は掃除(吸引)を行う。
【0067】
上記のように充電ステーション5bへの移動を含むゲームの進行がなされつつ、予め設定された時間が経過すると、つまりゲームモードM2の開始時から計時が開始された制限時間の残りが0時間0分0秒の状態になると、情報送受信部231は、動作終了の指令信号を、通信ネットワーク11を介してロボット掃除機5に送信する(アクティビティA207)。ロボット掃除機5の通信部51が、この指令信号を受信すると、ロボット掃除機5は、充電ステーション5bに移動し(アクティビティA105)、動作を終了する。
【0068】
以上をまとめると、本実施形態に係る情報処理方法は、次の各ステップを備える。ステージ生成ステップでは、ロボット掃除機5(移動体)が移動可能な部屋6(実空間)に対応する仮想空間7を生成する。ロボット掃除機5は、バッテリ55に蓄えられた電力を用いて実空間を自律的に走行可能に構成されている。管理ステップ(処理制御ステップ)では、バッテリ55の充電残量Eを管理する。移動体制御部232は、充電残量Eに基づいて、バッテリ55を充電させるためにロボット掃除機5(移動体)を所定位置に移動させる制御を含む充電処理を実行する。ゲーム制御ステップ(処理制御ステップ)では、充電残量Eに基づいて、ロボット掃除機5(移動体)と連動して仮想空間7内をプレイヤキャラクタ71が移動するゲームの進行を制御する。
【0069】
また別の観点によれば、本実施形態に係る情報処理方法は、次の各ステップを備える。ステージ生成ステップでは、ロボット掃除機5(移動体)が移動可能な部屋6(実空間)に対応する仮想空間7を生成する。ここでロボット掃除機5(移動体)は、バッテリ55を備える。ロボット掃除機5(移動体)は、このバッテリ55に蓄えられた電力を用いて部屋6(実空間)を走行可能に構成される。管理ステップでは、バッテリ55の充電残量Eを管理する。ゲーム制御ステップ(処理制御ステップ)では、仮想空間7内をプレイヤキャラクタ71が移動するゲームの進行を制御する。移動体制御ステップ(処理制御ステップ)では、ゲームの進行に基づいて、ロボット掃除機5(移動体)の動作を制御する。ここで制御されるロボット掃除機5(移動体)の動作には、部屋6(実空間)における所定位置への移動、またはバッテリ55を充電させる制御を含む充電処理が含まれる。
【0070】
3.2 情報処理の詳細
次に、図6図19を参照しながら、上記概説された情報処理の詳細部分を説明する。
【0071】
図6は、ロボット掃除機5が移動する実空間の一例である部屋6を俯瞰的に示している。図6に示されるように、動作開始前のロボット掃除機5は、部屋6内に設置された充電ステーション5bにおいて、給電されながら待機している。また、部屋6には、机61と、椅子62と、ベッド63と、書棚64が配置されている。机61の下には、不図示のワゴンが配置されており、机61の下にロボット掃除機5が入り込めない構成となっている。一方、ベッド63は、四隅を支持する不図示の脚部を備え、底上げされた状態で設置されている。そのため、ロボット掃除機5がベッド63の下部に潜り込んで、移動することが可能となっている。
【0072】
また、部屋6は、出入口65と、扉66とを有している。蝶番67を介して設置された扉66を旋回させることで、出入口65を開通または遮蔽することができる。なお、図6では扉66が開放された状態にあるため、通常はロボット掃除機5が出入口65から部屋6の外に出ることを妨げない。これに関連して、部屋6には、ロボット掃除機5の付属品である誘導子機5cが設置されている。誘導子機5cについては、後にさらに説明する。以下、理解を容易にするため、ロボット掃除機5は、部屋6のみを掃除し、出入口65の外には出ないものとして説明する。
【0073】
図7は、部屋6に対応する仮想空間7を示している。図6および図7を比較すると、アクティビティA201において情報送受信部231が取得したマップ情報MIに沿って、仮想空間7が生成されていることが分かる。換言すると、図6におけるロボット掃除機5が移動可能な領域に対応するように、仮想空間7が生成されている。
【0074】
図8は、ディスプレイ4aに表示された画面4Gの一例であり、仮想空間7に各種オブジェクトを配置した態様を示している。この状態からゲームが開始される。プレイヤキャラクタ71は、実空間である部屋6を移動可能なロボット掃除機5に連動して、仮想空間7内を移動する。プレイヤキャラクタ71以外のオブジェクトの種類は様々であるが、ここでは、教会72、スライム73、カメレオン74、魔道士75、音符76、ソード771、シールド78および宝箱79が図示されている。ゲーム制御部234は、プレイヤキャラクタ71が他のオブジェクトと接触した場合に、管理部235が管理しているパラメータに基づいて、イベントの発生有無またはその内容を決定することで、ゲームの進行を制御する。
【0075】
例えば、パラメータのうちの1つは、充電残量Eを示すパラメータであり、例えば充電ゲージ81に相当する。あるいは、パラメータのうちの1つは、ロボット掃除機5が備えるダストボックス543内のゴミの量または空き容量を示すパラメータであり、例えばダストゲージ82に相当する。管理部235は、他にも種々のゲームパラメータを管理している。換言すると、ゲームにおいて使用されるゲームパラメータの少なくとも1つは、ロボット掃除機5に関する掃除パラメータの少なくとも1つに対応し、掃除パラメータは、充電残量Eを示すパラメータ、またはロボット掃除機5が備えるダストボックス543内のゴミの量もしくは空き容量を示すパラメータである。このように、本来のロボット掃除機5の機能に関するパラメータをゲーム内のパラメータとして転用することで、ロボット掃除機5を用いることならではの、ゲームの面白さを実現することができる。なお、さらに好ましくは、移動体制御部232は、このようなパラメータに基づいて、充電処理を実行する。これについては、後にさらに詳述する。
【0076】
これらのパラメータに関連し、図8に示されるように、より具体的には、画面4Gには、充電ゲージ81、ダストゲージ82、体力ゲージ83、能力値84、制限時間85、スコア86、アイテム欄87および残機パラメータ88が表示される。充電ゲージ81およびダストゲージ82は、ロボット掃除機5の充電残量Eおよびダストボックス543のゴミの量にそれぞれ対応する。充電ゲージ81は、ゲームにおけるスタミナゲージとして採用される。体力ゲージ83は、プレイヤキャラクタ71の体力を表すゲーム用のパラメータであり、仮想空間内で発生する後述のバトルイベント等を経ることで、その値が減少する。能力値84は、充電ゲージ81の値、ダストゲージ82の値およびアイテム欄87に表示されたアイテムに、一定の重み付け計算を経て決定されるパラメータである。充電ゲージ81の値が高いほど、能力値84が高くなり、ダストゲージ82の値が高いほど、能力値84が低くなる。また、アイテム欄87に表示されたアイテムの種類ごとに能力値84の上昇値が設定されている。後述のバトルイベントでは、能力値84が高いほど、体力の消費を抑えながら強い敵キャラクタを倒すことができる。
【0077】
制限時間85は、例えば図8に示されるように1時間に設定される。ゲームが進行すると、制限時間85として表示される残り時間が1秒ずつ消費される。前述の通り、制限時間85の残り時間が0秒となると、ゲームが終了する。スコア86は、現在獲得しているポイントを表示している。図8では、ゲーム開始時の態様が示されているため、スコア86は、0ptである。アイテム欄87には、ゲーム中に獲得したアイテムが表示される。図8では、ゲーム開始時の態様が示されているため、アイテム欄87は空欄となっている。残機パラメータ88は、ゲームをプレイできる残り回数を示している。残機パラメータ88が0になると、その時点でゲームが終了する。
【0078】
仮想空間7には、部屋6と対応しない仮想壁7aおよび仮想壁7bが配置されている。仮想壁7aは、プレイヤキャラクタ71も敵キャラクタも通過することができないオブジェクトである。つまり、仮想壁7aは、オブジェクトによってロボット掃除機5の動作が制御される一例である。一方、仮想壁7bは、仮想壁7aと異なり、プレイヤキャラクタ71は通過可能で、敵キャラクタは通過することのできないオブジェクトである。すなわち、教会72を含む仮想壁7bで囲まれた領域には、敵キャラクタが侵入しないように構成されている。
【0079】
教会72は、実空間である部屋6に設置された充電ステーション5bに対応する。ロボット掃除機5が充電ステーション5bに待機している状態では、プレイヤキャラクタ71が教会72にいる状態となる。スライム73、カメレオン74および魔道士75は、それぞれ強さの異なる敵キャラクタであり、時間の経過とともに仮想空間7内を移動する。また、本実施形態では、ロボット掃除機5(移動体)およびオブジェクトの一方の動作が、その他方の動作に影響を与えるように、ロボット掃除機5(移動体)の動作またはゲームの進行が制御される。すなわち、ロボット掃除機5の動作に基づいて、スライム73、カメレオン74および魔道士75が移動するように実施されるか、または、スライム73、カメレオン74および魔道士75等の敵キャラクタの動作に基づいて、ロボット掃除機5が移動するように実施される。何れの場合であっても、プレイヤキャラクタ71が、スライム73、カメレオン74または魔道士75と接触すると後述のバトルイベントが発生する。
【0080】
敵キャラクタと接触した場合のバトルイベントについて、以下補足する。バトルイベントは、接触後すみやかに終了するとよい。バトルイベントが終了するとは、プレイヤキャラクタ71が戦闘不能となること、または敵キャラクタを倒すことである。敵キャラクタを倒すと、その敵キャラクタの種類に応じたスコア86が付与される。なお、敵キャラクタを倒すと、そのキャラクタは仮想空間7内から一旦消滅するが、一定時間が経過すると同種の敵キャラクタが仮想空間7内に復活する。また、バトルイベントが終了すると、体力ゲージ83を消費することがある。体力ゲージ83の消費は、プレイヤキャラクタ71の能力値84に依存する。
【0081】
具体的には例えば、敵キャラクタごとに強さを示す強さパラメータが設定され、ここではスライム73の強さパラメータを12、カメレオン74の強さパラメータを25、魔道士75の強さパラメータを40とする。能力値84が、敵キャラクタの強さパラメータを上回っているときは、体力ゲージ83を消費することなく敵キャラクタを倒すことができる。敵キャラクタの強さパラメータから能力値84を引いた差分値が10未満の場合は、その差分値に比例した体力ゲージ83を消費しつつ、敵キャラクタを倒すことができる。差分値が10以上の場合は、敵キャラクタを倒すことができず、スコア86が付与されず、差分値に応じた体力ゲージ83だけが消費される。なお、数値はあくまでも一例でありこの限りではない。このように、ロボット掃除機5の動作や実空間タスクに関連するパラメータによって異なるイベントが発生するように、ゲームの進行が制御される。
【0082】
音符76は、仮想空間7内に固定して配置され、プレイヤキャラクタ71がこれに接触すると、予め定められたポイントのスコア86を獲得することができる。例えば、1回の接触あたり50ptが付与される。ソード771およびシールド78は、能力値84を変化させるアイテムである。プレイヤキャラクタ71がこれらに接触すると、これらのアイテムが付与される。宝箱79は、抽選によってイベントが変化するオブジェクトである。例えば抽選によって、スコア86が付与されるか、能力値84を変化させるアイテムが付与されるか、またはバトルイベントが発生するかが決定される。抽選は予め記憶された抽選テーブルの確率に基づいて実行される。この抽選テーブル(オブジェクトの選択確率)は、通常モードM1中または/およびゲームモードM2中におけるロボット掃除機5の情報に応じて変化する。
【0083】
図9は、ディスプレイ4aに表示された画面4Gの一例であり、ゲームを開始してから15分が経過した際のゲームの進行を示している。すなわち、ユーザが当該時刻にゲーム装置3を用いて、読出部332がゲームプログラムを読み出し、表示制御部333がそのユーザインターフェースをディスプレイ4aに表示させるように制御すると、画面4Gがディスプレイ4aに表示される。これにより、ユーザは、進行中のゲームを必要に応じて確認することができる。
【0084】
図9に示されるように、この15分間、ロボット掃除機5が部屋6を移動することで、プレイヤキャラクタ71が仮想空間7内を移動し、その結果、敵キャラクタまたは音符76との接触が繰り返されたことで、スコア86が350ptに増加している。一方、ロボット掃除機5の動作によってバッテリ55の充電残量Eが少なくなったため、充電ゲージ81が図8の場合に比して消費されている。また、15分間で部屋6のゴミが収集されたため、ダストボックス543内のゴミが増え、ダストゲージ82の値が上昇している。これらに加え、アイテム欄87に変化がないことから、能力値84が開始時の24から21に減少している。
【0085】
図10は、図9に示した場合の、部屋6を俯瞰的に示している。図10に示されるように、ロボット掃除機5の動作中は、誘導子機5cから照射される赤外線によって、バーチャルウォールLが形成されている。ロボット掃除機5は、バーチャルウォールLを感知すると引き返すように構成されている。また、誘導子機5cによるバーチャルウォールLを、好ましいタイミングで解除し、敢えてロボット掃除機5を出入口65から部屋6の外に出させることも可能である。これは、動作させる実空間が広く、部屋6以外の部屋を含む場合に、分割的に各部屋を掃除できるため、掃除の精度を向上させる点で有効であるが、これに連動する仮想空間7の説明がより複雑となるため、本実施形態では、このような場合を割愛している。
【0086】
図11および図12は、ディスプレイ4aに表示された画面4Gの一例であり、ゲームの進行中にプレイヤキャラクタ71にアイテムが付与される態様を示している。図11に示されるように、アイテムが付与される直前の状態では、プレイヤキャラクタ71は、ソード771の近傍に位置している。スコア86は、810ptであり、充電ゲージ81の値と、ダストゲージ82の値とから、能力値84が17にまで減少している。一方、図12に示されるように、アイテムとしてソード771が付与されると、プレイヤキャラクタ71から「ソードGET!」の言葉が発せられるエフェクトが発生し、プレイヤキャラクタ71のグラフィックもソード771を装備した状態に変化している。さらに、アイテム欄87には、ソード771のアイコンが追加され、能力値84が17から25上昇して42となり、スコア86が810ptから500pt付与されて1310ptとなっている。さらに、ソード771がアイテムとして付与されると、仮想空間7内に配置されていたソード771のグラフィックが消滅し、代わりに、ソード771よりも能力値84の上昇が大きく設定されたダブルソード772が、仮想空間7内に新たに出現する。このように、ロボット掃除機5の動作や実空間タスクに関連するパラメータによって、ゲームの進行が制御される。
【0087】
図13図16は、ディスプレイ4aに表示された画面4Gの一例であり、ゲームの進行中に充電残量Eが所定位置以下となり、その結果充電処理が実行される態様を示している。図13に示される充電ゲージ81の値は、所定値以下である。このとき、プレイヤキャラクタ71から「充電しよう!」の言葉が発せられるエフェクトが発生し、実空間において、前述のロボット掃除機5の充電処理が実行される。充電処理が実行されると、ゲームにおいては、プレイヤキャラクタ71と仮想空間7内のオブジェクトとの接触判定が無効となる。例えばプレイヤキャラクタ71が仮想壁7aをすり抜けてもよく、あくまでもロボット掃除機5が好ましいと判断するルート(例えば図13に示される点線矢印)で、ロボット掃除機5が充電ステーション5bに移動する。なお、充電中であっても制限時間85が消費される。図14から図15にかけて、10分間(所定時間の一例)の充電が行われると、ロボット掃除機5が部屋6内の再開位置に戻って動作を再開する。これに連動して、プレイヤキャラクタ71が仮想空間7内の再開位置に戻ってゲームが再開される。このとき、図16に示されるように、プレイヤキャラクタ71から「再開!」の言葉が発せられるエフェクトが発生する。
【0088】
また、図14および図15に示されるように、充電処理が行われ、ロボット掃除機5が充電ステーション5bに移動し、これに連動して仮想空間7内においてプレイヤキャラクタ71が教会72に移動した結果、体力ゲージ83の値を最大値にまで回復させることができる。また、図13図16に示される態様では、アイテム欄87にシールド78が付与されており、能力値84が55にまで上昇している。
【0089】
図17図19は、ディスプレイ4aに表示された画面4Gの一例であり、ゲームの進行中にプレイヤキャラクタ71の体力が0となり、その結果充電処理が実行される態様を示している。図17では、プレイヤキャラクタ71が魔道士75の攻撃を受けた態様が示されている。この攻撃は、魔道士75本体との接触と別に、例えばランダムで発生する。その結果、プレイヤキャラクタ71の体力ゲージ83の値が0となっている。
【0090】
体力ゲージ83の値が0になると、プレイヤキャラクタ71から「やられた~」の言葉が発せられるエフェクトが発生し、充電ゲージ81の値によらず、強制的に充電処理が実行される。すなわち、図13図16に示される場合と同様に、実空間である部屋6においてロボット掃除機5が充電ステーション5bに移動し、所定時間待機した後に、再開位置に戻って動作を再開する。仮想空間7においては、プレイヤキャラクタ71がリスポーン位置である教会72に移動し、所定時間待機した後に、再開位置に戻ってゲームを再開する。このときの充電時間は、実際にバッテリ55への充電が必要な場合よりも短くてもよい。例えば、本実施形態では、図18から図19にかけて、5分間の充電が行われている。
【0091】
また、図17および図18を比較することから分かるように、体力ゲージ83の値が0になったことによって戦闘不能判定がなされ、残機パラメータ88が1減少している。また、これまでに獲得したスコア86が、戦闘不能に対するペナルティとして1400ptから700ptに半減している。なお、ロボット掃除機5が実際に充電されているため、図19に示される再開時には、充電ゲージ81の値が上昇するとともに、これに依存する能力値84の値も38から42に上昇している。再開にあたって、体力ゲージ83の値は、ここでは最大値にまで回復する。
【0092】
このように、ゲーム中の各場面において、少なくとも充電残量Eに基づく様々なゲームの進行がなされる。最終的に、制限時間85の残り時間が0秒となるか、または残機パラメータ88が0の状態になると、ゲーム継続不能となり、ゲームが終了する。
【0093】
本実施形態によれば、ユーザが移動体を使用することに愉悦をもたらすことができる。これにより、従来のように、ロボット掃除機5等の移動体が与えられたタスクを淡々とこなすに過ぎず、時間の経過とともにユーザがロボット掃除機5への興味を失ったり、そのメンテナンスを怠ってしまう、といった問題を解消することができる。
【0094】
[その他]
前述の実施形態に係る情報処理システム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0095】
本実施形態の態様は、情報処理システム1でもよいし、情報処理システム1として機能させるためのプログラムでもよいし、情報処理方法であってもよい。
【0096】
本実施形態では、情報送受信部231、移動体制御部232、ステージ生成部233、ゲーム制御部234および管理部235を、情報処理装置2の制御部23によって実現される機能部として説明しているが、この少なくとも一部を、ゲーム装置3の制御部33によって実現される機能部として実施してもよい。
【0097】
充電処理に際して、ゲーム装置3の表示制御部333がバッテリ55への充電を知らせる通知を、ディスプレイ4aに表示させるように制御してもよい。特に、ロボット掃除機5が給電接点551を有しない場合には、充電処理として、ロボット掃除機5の、充電可能な所定位置への移動までが実行される。その後、通知に気づいたユーザが、ロボット掃除機5に電源ケーブルを挿入することで、充電が行われる等の形態が実施可能である。ここで、充電可能な所定位置とは、例えば電源ケーブルが届く位置、部屋の壁際、椅子62の横、ベッド63の下、またはユーザが指定した位置である。
【0098】
本実施形態では、ロボット掃除機5が自律的に、または情報処理装置2からの指令信号に基づいて、充電処理を実行するものとして説明したが、充電ステーション5bによって実行されてもよい。かかる場合、例えば充電残量Eが残り少ない場合には、充電ステーション5bがロボット掃除機5を呼び寄せるような指令信号をロボット掃除機5に送信する。さらに、充電ステーション5bが通信ネットワーク11に接続され、情報処理装置2からの指令信号が、充電ステーション5bを経由して、ロボット掃除機5に送信されてもよい。
【0099】
充電ステーション5bが、ロボット掃除機5のダストボックス543に蓄えられたゴミを吸い出して、自らがゴミを蓄えるような機能を有してもよい。かかる場合、ロボット掃除機5が充電ステーション5bに到着してドッキングすると、ダストボックス543内のゴミが移送される。このような機能によって、ゲーム中にダストゲージ82の値や、これに依存する能力値84の値を変化させてもよい。
【0100】
本実施形態では、ロボット掃除機5が移動する実空間を部屋6に限るものとして説明したが、実際は、部屋6を含む複数の部屋を移動するように実施してもよい。かかる場合、複数の部屋を含めたマップ情報MIに基づいて、ステージ生成部233が仮想空間7を生成することが好ましい。
【0101】
2回目以降であれば、図5中のアクティビティA001に記載したユーザによる必要情報の入力が省略されてもよい。また、ゲームの進行直前や進行中にユーザが入力デバイス4cを用いて、必要に応じて操作入力を実行するようにしてもよい。さらに、ゲーム装置3における入力デバイス4cを用いた入力に代えて、スマートスピーカ等の音声入力に対応させてもよい。
【0102】
ある一例では、情報送受信部331がユーザによる第1操作入力を受け付け、続いて、ステージ生成部233は、仮想空間7を生成するとともに、この第1操作入力に基づいて、仮想空間7内にオブジェクトを配置することができる。なお好ましくは、この第1操作入力とは、オブジェクトの種類と、これを配置する仮想空間7内の位置とを少なくとも指定する入力であるとよい。
【0103】
別例では、情報送受信部331がユーザによる第2操作入力を受け付け、続いて、移動体制御部232は、第2操作入力に基づいて、ロボット掃除機5(移動体)の動作を制御することができる。なお好ましくは、この第2操作入力とは、ロボット掃除機5(移動体)の移動ルートの少なくとも一部を指定する入力であるとよい。すなわち、移動体制御部232は、この第2操作入力に基づいて、ロボット掃除機5(移動体)が、入力された移動ルートに基づいて移動するように制御することができる。移動ルートとは、部屋6に限らず、他の部屋を含む移動ルートであってよい。
【0104】
スコア86が、ロボット掃除機5の動作に関連する様々な結果に基づいて、決定されるように実施してもよい。好ましくは、掃除時間、移動領域の面積、ゴミの回収量、ゴミの多い箇所の特定回数、障害物への衝突回数の少なくとも1つに基づいて、スコア86が決定されうる。また、ロボット掃除機5が床面の材質を判定するセンサを有している場合は、かかる材質に基づいて、スコア86をさらに変動させるように実施してもよい。
【0105】
上記に説明した部屋6に基づく仮想空間7に代えて、ロボット掃除機5(移動体)のカメラ541が部屋6を撮像した画像と、ステージ内のオブジェクトとを重畳することで、拡張現実感(AR)という態様で画面4Gがゲーム装置3のディスプレイ4aに表示されてもよい。また、AR以外の他のXR技術を用いてプレイヤキャラクタ71とロボット掃除機5の位置とを連携させてもよい。具体的には、ロボット掃除機5が、カメラ541によって撮像された画像から特徴点を抽出することで、マップ情報MIを生成してもよいし、センサ処理部54に接続された他のセンサ、GPS、ポジショントラッキング機能等により得られた情報を用いて、マップ情報MIを生成してもよい。
【0106】
仮想空間7内で、プレイヤキャラクタ71と、敵キャラクタとが接触した際に、プレイヤキャラクタ71が敵キャラクタを捕食することで、プレイヤキャラクタ71のパラメータがパワーアップする構成を採用してもよい。例えば、プレイヤキャラクタ71が敵キャラクタを捕食することで、体力ゲージ83や能力値84が変化するように実施してもよい。このような態様によれば、よりゲームを面白くすることができる。
【0107】
仮想空間7内で、プレイヤキャラクタ71と、敵キャラクタとが接触した際に発生するバトルイベントは、すみやかに終了しなくてもよい。画面4Gが一時的に切り替わって、コマンド形式やアクション形式のバトル等が繰り広げられてもよい。これに関連して、能力値84を、スタミナ、攻撃力、防御力、魔力といった複数のパラメータに分けて実施してもよい。かかる場合であっても、充電ゲージ81やダストゲージ82等、ロボット掃除機5の実空間タスクに関連するパラメータに依存または相当するパラメータであることが好ましい。また、このバトルに関しては、ユーザの操作(コマンド入力)を必要としても良い。そして、このバトル時にはロボット掃除機5は一時停止する。
【0108】
実空間である部屋6に、予め定められた実在する物体を配置することで、生成される仮想空間7に影響を与えるように実施してもよい。例えば、光学的なコードを貼付した物体を配置することで、ロボット掃除機5の動作を制御したり、ゲームの進行を制御したりしてもよい。このような態様によれば、よりゲームを面白くすることができる。
【0109】
部屋6に配置した机61、椅子62、ベッド63等の配置によって、異なるイベントが発生するようにしてもよい。例えば、単なる障害物となるだけではなく、プレイヤキャラクタ71を拘束する罠としてゲーム上表現してもよい。このような障害物にロボット掃除機5が接触すると、プレイヤキャラクタ71の体力ゲージ83を消費するように実施してもよい。また、家具のほか、ロボット掃除機5が図示しない電源コードやおもちゃなどの巻き込むことによって停止する場合は、その停止した位置に対応する仮想空間内にプレイヤキャラクタ71を拘束する罠を表示するなどしてゲーム上表現してもよい。
【0110】
本実施形態では登場していないが、よりゲームを面白くするために、制限時間85の残り時間を回復させるアイテムや、一定時間だけ能力値84を上昇させる、または無敵状態となるアイテム等が登場させてもよい。さらに、別のメインゲームに対するサブゲームとして実施して、サブゲーム中に付与されるアイテムをメインゲームにおいて使用できるものとしてもよい。同様に、サブゲーム中に獲得したスコア86をメインゲームにおいて使用できる何らかの報酬に交換可能としてもよい。例えば、サブゲームによるオートプレイ(ロボット掃除機5による自立走行)によって、メインゲームで使用するアイテムなどを蓄積する。一方、ゲームをシンプルにするために、残機パラメータ88やアイテム欄87を採用せずに実施してもよい。かかる場合であっても、能力値84は少なくとも充電ゲージ81の値に基づいて決定されるとよい。このような態様によれば、よりゲームを面白くすることができる。
【0111】
ロボット掃除機5に入力部を備えさせ、その入力部に仮想空間7内で登場するプレイヤキャラクタ71のモデル情報を入力することもできる。例えば、プレイヤキャラクタ71を模したフィギュアにNFCチップが内蔵されており、そのフィギュアをロボット掃除機5のNFCリーダー(入力部)で読込むことによってプレイヤキャラクタ71を変化させることができてもよい。
【0112】
本実施形態では、本来自律的に走行可能なロボット掃除機5に対して、移動体制御部232によるロボット掃除機5の制御が実行されると、かかる制御が、自律的走行による制御よりも優先するように説明したが、これに限定されず、例えば、ユーザがゲーム装置3における入力デバイス4cを介して設定可能に構成されてもよい。
【0113】
本実施形態では、初めに通常モードM1でロボット掃除機5を動作させ、その後一通りの掃除が完了してからゲームモードM2に切り替わって動作を継続するようにしているが、初めからゲームモードM2で動作するように実施してもよい。
【0114】
本実施形態では、初めに通常モードM1でロボット掃除機5を動作させ、その後一通りの掃除が完了してからゲームモードM2に切り替わって動作を継続するようにしているが、ゲームモードM2で動作する際の実空間タスクの精度を、通常モードM1と異なるように実施してもよい。例えば、ゲームモードM2で動作する場合は、ロボット掃除機5が全くゴミを吸引しないように実施してもよいし、制限された吸引力で動作させてもよい。
【0115】
ロボット掃除機5のメンテナンス通知が出されるようにしてもよい。例えば、ユーザが予め設定したゲームプレイ回数(出撃数)に到達すると、かかるメンテナンス通知が出され、仮に充電残量Eが満タンでもゲームをプレイすることができなくなる(出撃不能)等としてもよい。このような出撃数は、ゲーム装置3を用いてユーザがリセットしてもよく、ロボット掃除機5における不図示のブラシやフィルタ等を掃除することでリセットするようにしてもよい。
【0116】
本実施形態における制限時間85は、ゲームモードM2の開始時から計時が開始されたものとして説明したが、通常モードM1の開始時から持続的に計時されるようにしてもよい。かかる場合、通常モードM1での通常の掃除を効率的に早く終えるようにすると、その分ゲームモードM2に制限時間85を多く充当することができる。このようにすることで、よりゲーム性を高めることができる。さらには、ユーザに対して、日頃から部屋6をきれいにしておく、ロボット掃除機5にとって掃除のしやすい環境を維持しておくといった、意識の向上が図られる。
【0117】
本実施形態では、制限時間85を1時間として説明したが、特に限定されない。具体的には例えば、15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,65,70,75,80,85,90,95,100,105,110,115,120分であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0118】
本実施形態では、体力が0となった所定位置を再開位置として記憶させているが、ロボット掃除機5に不意のトラブルが発生し、エラーとして動作を停止した所定位置を再開位置として記憶させてもよい。例えば、トラブルが発生した日には、これを発見したユーザが手でロボット掃除機5を充電ステーション5bに運び、その翌日にロボット掃除機5が動作を再び開始する際に、前日にエラーとして動作を停止した再開位置から再開するとよい。なお、トラブルとは、例えば、段差に嵌る、コード類等が絡まる等である。このようなエラーによる動作の停止が、ゲームの進行に影響を与えてもよい。好ましくは例えば、アイテム欄87における所持アイテムを失う、スコア86が減少する等のペナルティが想定されうる。
【0119】
本実施形態では、部屋6における充電ステーション5bが、仮想空間7における教会72(リスポーン位置)に対応するように説明したが、これを異なる位置にしてもよい。例えば、通常モードM1においてロボット掃除機5が部屋6の掃除を実施し、この掃除を終了した所定位置が、仮想空間7における教会72に対応するようにしてもよい。かかる場合、即座にゲームモードM2に切り替えて、ゲームを開始させてもよいし、一度充電ステーション5bに戻してしばらく充電させてから、掃除が終了した所定位置まで移動させて、ゲームモードM2に切り替えて、ゲームを開始させてもよい。
【0120】
本実施形態では、ロボット掃除機5を移動体の一例として説明したが、実空間タスクを実行する移動体であれば、その種類は特に限定されるものではないし、複数の移動体を有してもよい。より具体的には例えば、移動体は、例えばロボット掃除機5である第1移動体と、ロボット掃除機5とは機能の異なる不図示の第2移動体とを備えてもよい。このような場合であっても、上記の通り、あくまでも、ゲーム制御部234は、ロボット掃除機5(第1移動体)と連動して仮想空間7内をプレイヤキャラクタ71が移動するゲームの進行を制御する。プレイヤキャラクタ71は、第2移動体の移動には連動しないものの、第2移動体の動作が、ゲームの進行に影響を与えることが好ましい。
【0121】
例えば、プレイヤキャラクタ71をサポートするサポートキャラクタとして、ゲーム内に登場させてもよい。あるいは、第1移動体および第2移動体の何れも、プレイヤキャラクタ71としてもよい。かかる場合、プレイするプレイヤキャラクタ71をチェンジ可能な交代制を採用してもよい。さらには、2つとも同時に移動するプレイヤキャラクタ71として、両者がスコア86の大小を競うような対戦ゲームとして構成されてもよい。なお、第2移動体は、例えば床拭きロボットである。このような態様によれば、よりゲームを面白くすることができる。
【0122】
さらに、上記第2移動体は、ユーザ自身が移動させるゲーム装置3であってもよい。例えば、人が使用する通常の掃除機やモップの柄等にゲーム装置3を取り付け、これを部屋6内で動かすことで、仮想空間7に影響を与えるように実施してもよい。特に、ロボット掃除機5では到達できなかった領域に対して掃除を行うことで、仮想空間7が拡張されたり、新たなアイテムが付与されたりといった、様々なイベントが発生するとよい。
【0123】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
プログラムであって、コンピュータに、次の各ステップを実行させ、ステージ生成ステップでは、移動体が移動可能な実空間に対応する仮想空間を生成し、ここで前記移動体は、バッテリを備え、このバッテリに蓄えられた電力を用いて前記実空間を走行可能に構成され、管理ステップでは、前記バッテリの充電残量を管理し、処理制御ステップでは、前記仮想空間内をキャラクタが移動するゲームの進行を制御し、前記ゲームの進行に基づいて、前記移動体の動作を制御し、ここで制御される前記移動体の動作には、前記実空間における所定位置への移動、または前記バッテリを充電させる制御を含む充電処理が含まれる、もの。
前記プログラムにおいて、前記所定位置は、前記バッテリを充電させるための充電ステーションである、もの。
前記プログラムにおいて、前記移動体は、前記実空間において行われる実空間タスクを実行可能な移動体であり、前記処理制御ステップでは、前記移動体の前記実空間タスクに基づく動作にさらに基づいて、前記ゲームの進行を制御する、もの。
前記プログラムにおいて、前記ステージ生成ステップでは、前記仮想空間を生成するとともに、前記仮想空間内にイベントの発生を伴うオブジェクトを配置し、前記オブジェクトは、前記仮想空間内を移動するように構成され、前記処理制御ステップでは、前記移動体および前記オブジェクトの一方の動作が、その他方の動作に影響を与えるように、前記移動体の動作または前記ゲームの進行を制御する、もの。
前記プログラムにおいて、前記ステージ生成ステップでは、前記仮想空間を生成するとともに、前記仮想空間内にイベントの発生を伴うオブジェクトを配置し、前記管理ステップでは、予め設定されたパラメータを管理し、前記処理制御ステップでは、前記キャラクタが前記オブジェクトと接触した場合に、前記パラメータに基づいて、前記イベントの発生有無またはその内容を決定することで、前記ゲームの進行を制御し、前記パラメータにさらに基づいて、前記充電処理を実行する、もの。
前記プログラムにおいて、前記パラメータは、前記充電残量を示すパラメータである、もの。
前記プログラムにおいて、前記移動体は、ロボット掃除機であり、前記パラメータは、前記ロボット掃除機が備えるダストボックス内のゴミの量または空き容量を示すパラメータである、もの。
前記プログラムにおいて、前記移動体は、ロボット掃除機であり、前記ゲームにおいて使用されるゲームパラメータの少なくとも1つは、前記ロボット掃除機に関する掃除パラメータの少なくとも1つに対応し、ここで前記掃除パラメータは、前記充電残量を示すパラメータ、または前記ロボット掃除機が備えるダストボックス内のゴミの量もしくは空き容量を示すパラメータである、もの。
前記プログラムにおいて、前記管理ステップでは、前記移動体の制御に際して、通常モードおよびゲームモードのうち何れかのモードであることを管理し、前記処理制御ステップでは、前記モードが前記ゲームモードの場合に、前記ゲームの進行を制御する、もの。
前記プログラムにおいて、前記移動体は、前記実空間において行われる実空間タスクを実行可能な移動体であり、前記管理ステップでは、前記移動体が動作を開始すると、前記モードを前記通常モードに設定し、前記移動体が前記実空間タスクを少なくとも1回完了した判定された場合に、前記モードを前記ゲームモードに切り替え、前記処理制御ステップでは、前記移動体を、少なくとも1回の実空間タスクが完了された前記実空間内でさらに移動させながら、前記ゲームの進行を制御する、もの。
前記プログラムにおいて、前記移動体は、第1移動体と、前記第1移動体とは機能の異なる第2移動体とを備え、前記処理制御ステップでは、前記第1移動体と連動して前記仮想空間内をキャラクタが移動するゲームの進行を制御し、前記第2移動体の動作が、前記ゲームの進行に影響を与える、もの。
情報処理システムであって、前記各ステップを実行するように構成される、もの。
コンピュータによって実行される情報処理方法であって、前記各ステップを備える、方法。
もちろん、この限りではない。
【0124】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、開示の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、開示の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された開示とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0125】
1 :情報処理システム
11 :通信ネットワーク
2 :情報処理装置
20 :通信バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :制御部
231 :情報送受信部
232 :移動体制御部
233 :ステージ生成部
234 :ゲーム制御部
235 :管理部
3 :ゲーム装置
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
331 :情報送受信部
332 :読出部
333 :表示制御部
34a :グラフィック処理部
34b :オーディオ処理部
34c :操作部
4G :画面
4a :ディスプレイ
4b :スピーカ
4c :入力デバイス
5 :ロボット掃除機
5a :本体部
5b :充電ステーション
5c :誘導子機
50 :通信バス
51 :通信部
52 :記憶部
53 :制御部
54 :センサ処理部
541 :カメラ
542 :ゴミ容量センサ
543 :ダストボックス
55 :バッテリ
551 :給電接点
56 :モータ処理部
561 :モータ
6 :部屋
61 :机
62 :椅子
63 :ベッド
64 :書棚
65 :出入口
66 :扉
67 :蝶番
7 :仮想空間
7a :仮想壁
7b :仮想壁
71 :プレイヤキャラクタ
72 :教会
73 :スライム
74 :カメレオン
75 :魔道士
76 :音符
771 :ソード
772 :ダブルソード
78 :シールド
79 :宝箱
81 :充電ゲージ
82 :ダストゲージ
83 :体力ゲージ
84 :能力値
85 :制限時間
86 :スコア
87 :アイテム欄
88 :残機パラメータ
E :充電残量
L :バーチャルウォール
M1 :通常モード
M2 :ゲームモード
MI :マップ情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19