(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-30
(45)【発行日】2023-07-10
(54)【発明の名称】基板処理装置及び基板処理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20230703BHJP
【FI】
H01L21/30 563
(21)【出願番号】P 2021206177
(22)【出願日】2021-12-20
【審査請求日】2021-12-20
(31)【優先権主張番号】10-2020-0187533
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518162784
【氏名又は名称】セメス カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒュン ミン
(72)【発明者】
【氏名】アン,ヤン セオ
【審査官】植木 隆和
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-005505(JP,A)
【文献】特開平06-244100(JP,A)
【文献】特開平11-214286(JP,A)
【文献】特開2007-090564(JP,A)
【文献】特開2007-230081(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 7/20
G03F 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する装置において、
内部に処理空間を有する工程チャンバーと、
前記処理空間内に位置して基板を支持する支持部材と、
前記処理空間に表面改質ガスを供給するガス供給ユニットを含み、
前記ガス供給ユニットは、
液状のアルキン系ケミカルを格納する収容空間が提供され、前記収容空間に不活性ガスを供給することによって前記アルキン系ケミカルをバブリングして前記表面改質ガスを生成するバブラータンクと、
前記バブラータンクに格納された前記アルキン系ケミカルを第1温度に加熱するヒーターと、
前記工程チャンバーと前記バブラータンクとの間に結合されて前記処理空間に前記表面改質ガスを供給し、第1バルブが設置されたガス供給ラインを含
み、
前記第1温度は、前記アルキン系ケミカルが沸点に到達する直前の温度である、
基板処理装置。
【請求項2】
前記ガス供給ユニットは、
前記表面改質ガスを構成する前記アルキン系ケミカルの濃度を調節する濃度調節ガスを供給する濃度調節ユニットをさらに含む請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記濃度調節ユニットは、
前記ガス供給ラインに連結されて前記ガス供給ラインに濃度調節ガスを供給する濃度調節
ガス供給ラインを含む請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記濃度調節ユニットは、
前記ガス供給ラインに設置されて前記表面改質ガスの濃度を測定する濃度測定部材をさらに含む請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記濃度測定部材は
、
前記濃度調節ガス供給ラインが前記ガス供給ラインに連結される地点より下流の位置で前記ガス供給ラインに提供される請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記ガス供給ユニットは、
前記バブラータンクに結合されて前記バブラータンクに前記不活性ガスを供給するキャリヤーガス供給ラインをさらに含む請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記ガス供給ユニットを制御する制御器をさらに含み、
前記制御器は、
前記バブラータンクに格納された前記アルキン系ケミカルを前記第1温度に加熱されるように前記ヒーターを制御し、
前記第1温度に加熱された前記アルキン系ケミカルに前記不活性ガスを供給するように制御して前記表面改質ガスを生成する請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記制御器は、前記濃度調節ユニットをさらに制御し、
前記表面改質ガスが前記処理空間に供給される途中に前記ガス供給ラインに前記濃度調節ガスを供給して前記表面改質ガスの濃度を調節するように前記ガス供給ユニット及び前記濃度調節ユニットを制御する請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記第1温度は、前記アルキン系ケミカル
の沸点より30℃乃至5
℃低い温度である請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記アルキン系ケミカルは、
3,5-Dimethyl-1-hexyn-3-olである請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記第1温度は、120℃乃至145℃である請求項
10に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記支持部材に置かれる基板を加熱するように提供された加熱部材と、
前記処理空間を排気する排気ユニットと、をさらに含む請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記濃度調節ユニットを制御する制御器をさらに含み、
前記制御器は、
前記濃度測定部材の測定値に基づいて前記濃度調節ガスの単位時間当たり供給流量を調節し、
前記濃度測定部材の測定値が設定値より高い場合、前記濃度調節ガスの単位時間当たり供給流量を増加させる請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記濃度調節ガスと前記不活性ガスは、同一なガスである請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記濃度調節ガスと前記不活性ガスは、窒素である請求項
14に記載の基板処理装置。
【請求項16】
基板を処理する方法において、
基板に感光液を塗布する前に前記感光液の付着力を向上させる表面改質ガスを基板が提供された処理空間に供給して基板を処理し、
前記表面改質ガスはアルキン系ケミカル及び不活性ガスの混合ガスで提供され、
前記表面改質ガスは、
前記アルキン系ケミカルを液相で格納するバブラータンクで前記アルキン系ケミカルが第1温度に加熱された状態で前記不活性ガスを供給して生成され
、
前記第1温度は、前記アルキン系ケミカルが沸点に到達する直前の温度である、
基板処理方法。
【請求項17】
前記表面改質ガスが前記処理空間に供給される途中
で前記表面改質ガスの濃度
が変更されて前記基板に供給
される請求項
16に記載の基板処理方法。
【請求項18】
前記アルキン系ケミカルは、3,5-Dimethyl-1-hexyn-3-olであり、前記第1温度は、120℃乃至145℃である請求項
16に記載の基板処理方法。
【請求項19】
基板を処理する装置において、
内部に処理空間を有する工程チャンバーと、
前記処理空間内に位置して基板を支持する支持部材と、
前記処理空間にアルキン系ケミカル及び不活性ガスの混合ガスで提供される表面改質ガスを供給するガス供給ユニットと、
前記表面改質ガスを構成する前記アルキン系ケミカルの濃度を調節する濃度調節ガスを供給する濃度調節ユニットと、
前記ガス供給ユニット及び前記濃度調節ユニットを制御する制御器と、を含み、
前記ガス供給ユニットは、
液状のアルキン系ケミカルを格納する収容空間が提供され、前記収容空間に不活性ガスを供給することによって前記アルキン系ケミカルをバブリングして前記表面改質ガスを生成するバブラータンクと、
前記バブラータンクに結合されて前記バブラータンクに前記不活性ガスを供給するキャリヤーガス供給ラインと、
前記バブラータンクに格納された前記アルキン系ケミカルを第1温度に加熱するヒーターと、
前記工程チャンバーと前記バブラータンクとの間に結合されて前記処理空間に前記表面改質ガスを供給し、第1バルブが設置されたガス供給ラインと、を含み、
前記制御器は、
前記第1温度に加熱された前記アルキン系ケミカルに前記不活性ガスを供給するように制御して前記表面改質ガスを生成し、
前記表面改質ガスが前記処理空間に供給される途中に前記ガス供給ラインに前記濃度調節ガスを供給して前記表面改質ガスの濃度を調節するように前記ガス供給ユニット及び前記濃度調節ユニットを制御
し、
前記第1温度は、前記アルキン系ケミカルが沸点に到達する直前の温度である、
基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板を処理する装置及び基板を処理する方法に関り、より具体的に基板に表面改質ガスを供給して基板を処理する基板処理装置及び基板処理方法に係る。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程の中で写真工程(photo-lithography process)はウエハ上に望むパターンを形成させる工程である。一般的に、写真工程は露光設備が連結されて塗布工程、露光工程、そして現像工程を連続的に処理する基板処理設備で進行される。このような基板処理設備はヘキサメチルジシラザン(Hexamethyl disilazane、以下、HMDSとする)処理工程、塗布工程、露光工程、ベーク工程、そして現像工程を順次的に遂行する。
上述したHMDS処理工程は感光液(PR:Photo-resist)の密着効率を上昇させるために感光液を塗布する前にウエハ上にHMDSを供給する工程である。しかし、露光工程に使用される光源がArFのようなエキシマレーザー光源でEUV(extreme ultraviolet;極紫外線)光源であって、技術が発展しながら、パターンサイズ(Pattern Size)が5nm以下に減少することに応じて基板でHMDSがコーティング(Coating)されない領域でのパターン崩壊が発生し、このような問題を解決するための方法が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際特許公開第WO2014168331A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一目的は基板を効率的に処理することができる基板処理装置及び基板処理方法を提供することにある。
【0005】
本発明の一目的は基板と感光液の付着力を高めることができる表面改質ガスを提供する基板処理装置及び基板処理方法を提供することにある。
【0006】
本発明の一目的は基板に表面改質ガスを供給して処理する工程を効率的に遂行することができる基板処理装置及び基板処理方法を提供することにある。
【0007】
本発明が解決しようとする課題はここに制限されなく、言及されないその他の課題は下の記載から当業者に明確に理解されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は基板を処理する装置を提供する。一実施形態において、基板処理装置は、内部に処理空間を有する工程チャンバーと、前記処理空間内に位置して基板を支持する支持部材と、前記処理空間に表面改質ガスを供給するガス供給ユニットと、を含み、前記ガス供給ユニットは、液状のアルキン系ケミカルを格納する収容空間が提供され、前記収容空間に不活性ガスを供給にしたがって前記アルキン系ケミカルをバブリングして前記表面改質ガスを生成するバブラータンクと、前記バブラータンクに格納された前記アルキン系ケミカルを第1温度に加熱するヒーターと、前記工程チャンバーと前記バブラータンクとの間に結合されて前記処理空間に前記表面改質ガスを供給し、第1バルブが設置されたガス供給ラインを含む。
【0009】
一実施形態において、前記ガス供給ユニットは、前記表面改質ガスを構成する前記アルキン系ケミカルの濃度を調節する濃度調節ガスを供給する濃度調節ユニットをさらに含むことができる。
【0010】
一実施形態において、前記濃度調節ユニットは、前記ガス供給ラインに連結されて前記ガス供給ラインに濃度調節ガスを供給する濃度調節ガス供給ラインを含むことができる。
【0011】
一実施形態において、前記濃度調節ユニットは、前記ガス供給ラインに設置されて前記表面改質ガスの濃度を測定する濃度測定部材をさらに含むことができる。
【0012】
一実施形態において、前記濃度測定部材は、前記処理ガス供給ラインと前記濃度調節ガス供給ラインが前記処理ガス供給ラインに連結される地点より下流の位置で前記処理ガス供給ラインに提供されることができる。
【0013】
一実施形態において、前記ガス供給ユニットは、前記バブラータンクに結合されて前記バブラータンクに前記不活性ガスを供給するキャリヤーガス供給ラインをさらに含むことができる。
【0014】
一実施形態において、前記ガス供給ユニットを制御する制御器をさらに含み、前記制御器は、前記バブラータンクに格納された前記アルキン系ケミカルを前記第1温度に加熱するように前記ヒーターを制御し、前記第1温度に加熱された前記アルキン系ケミカルに前記不活性ガスを供給するように制御して前記表面改質ガスを生成することができる。
【0015】
一実施形態において、前記制御器は、前記濃度調節ユニットをさらに制御し、前記表面改質ガスが前記処理空間に供給される途中前記ガス供給ラインに前記濃度調節ガスを供給して前記表面改質ガスの濃度を調節するように前記ガス供給ユニット及び前記濃度調節ユニットを制御することができる。
【0016】
一実施形態において、前記第1温度は前記アルキン系ケミカルが沸点に到達する直前の温度であり得る。
【0017】
一実施形態において、前記第1温度は前記アルキン系ケミカルが沸点より30℃乃至5℃が低い温度であり得る。
【0018】
一実施形態において、前記アルキン系ケミカルは、3,5-Dimethyl-1-hexyn-3-olであり得る。
【0019】
一実施形態において、前記第1温度は120℃乃至145℃であり得る。
【0020】
一実施形態において、前記支持部材に置かれる基板を加熱するように提供された加熱部材と、前記処理空間を排気する排気ユニットと、をさらに含むことができる。
【0021】
一実施形態において、前記制御器は、前記濃度測定部材の測定値に基づいて前記濃度調節ガスの単位時間当たり供給流量を調節し、前記濃度測定部材の測定値が設定値より高い場合、前記濃度調節ガスの単位時間当たり供給流量を増加させることができる。
【0022】
一実施形態において、前記濃度調節ガスと前記不活性ガスは同一なガスであり得る。
【0023】
一実施形態において、前記濃度調節ガスと前記不活性ガスは窒素であり得る。
また、本発明は基板を処理する方法を提供する。 一実施形態において、基板を処理する方法において、基板に感光液を塗布する前に前記感光液の付着力を向上させる表面改質ガスを基板が提供された処理空間に供給して基板を処理し、前記表面改質ガスはアルキン系ケミカル及び不活性ガスの混合ガスで提供され、前記表面改質ガスは、前記アルキン系ケミカルを液相で格納するバブラータンクで前記アルキン系ケミカルが第1温度に加熱された状態で前記不活性ガスを供給して生成される。
【0024】
一実施形態において、前記表面改質ガスが前記処理空間に供給される途中に前記表面改質ガスの濃度を変更させて前記基板に供給することができる。
【0025】
一実施形態において、前記アルキン系ケミカルは3,5-Dimethyl-1-hexyn-3-olであり、前記第1温度は120℃乃至145℃であり得る。
【0026】
本発明の他の観点にしたがう実施形態の基板処理装置は、内部に処理空間を有する工程チャンバーと、前記処理空間内に位置して基板を支持する支持部材と、前記処理空間にアルキン系ケミカル及び不活性ガスの混合ガスに提供される表面改質ガスを供給するガス供給ユニットと、前記表面改質ガスを構成する前記アルキン系ケミカルの濃度を調節する濃度調節ガスを供給する濃度調節ユニットと、前記ガス供給ユニット及び前記濃度調節ユニットを制御する制御器と、を含み、前記ガス供給ユニットは、液状のアルキン系ケミカルを格納する収容空間が提供され、前記収容空間に不活性ガスを供給にしたがって前記アルキン系ケミカルをバブリングして前記表面改質ガスを生成するバブラータンクと、前記バブラータンクに結合されて前記バブラータンクに前記不活性ガスを供給するキャリヤーガス供給ラインと;前記バブラータンクに格納された前記アルキン系ケミカルを第1温度に加熱するヒーターと、前記工程チャンバーと前記バブラータンクとの間に結合されて前記処理空間に前記表面改質ガスを供給し、第1バルブが設置されたガス供給ラインと、を含み、前記制御器は、前記第1温度に加熱された前記アルキン系ケミカルに前記不活性ガスを供給するように制御して前記表面改質ガスを生成し、前記表面改質ガスが前記処理空間に供給される途中に前記ガス供給ラインに前記濃度調節ガスを供給して前記表面改質ガスの濃度を調節するように前記ガス供給ユニット及び前記濃度調節ユニットを制御する。
【発明の効果】
【0027】
本発明の実施形態によれば、基板を効率的に処理することができる。
【0028】
本発明の実施形態によれば、基板と感光液の付着力を高めることができる表面改質ガスが提供されることができる。
【0029】
本発明の実施形態によれば、基板に表面改質ガスを供給して処理する工程を効率的に遂行することができる。
【0030】
本発明の効果が上述した効果によって限定されることはなく、言及されなかった効果は本明細書及び添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の一実施形態に係る基板処理装置を概略的に示す斜視図である。
【
図2】
図1の塗布ブロック又は現像ブロックを示す基板処理装置の断面図である。
【
図4】
図3の搬送ロボットのハンドの一例を示す図面である。
【
図5】
図3の熱処理チャンバーの一例を概略的に示す平断面図である。
【
図7】
図6の加熱ユニットに提供される基板処理装置を示す断面図である。
【
図8】基板を処理する工程の順序を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下では添付した図面を参考として本発明の実施形態に対して本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態に具現されることができ、ここで説明する実施形態に限定されない。また、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明することにおいて、関連された公知機能又は構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすることができていると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。また、類似な機能及び作用をする部分に対しては図面の全体に亘って同一な符号を使用する。
【0033】
ある構成要素を‘含む’ということは、特別に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外することではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。具体的に、“含む”又は“有する”等の用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとすることがであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないことと理解されなければならない。
【0034】
単数の表現は文脈の上に明確に異なりに表現しない限り、複数の表現を含む。また、図面で要素の形状及びサイズ等はより明確な説明のために誇張されることができる。
【0035】
第1、第2等の用語は多様な構成要素を説明するために使用されることができるが、前記構成要素は前記用語によって限定されてはならない。前記用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的として使用されることができる。例えば、本発明の権利範囲から離脱されないまま、第1構成要素は第2構成要素と称されることができ、類似に第2構成要素とも第1構成要素と称されることができる。
【0036】
ある構成要素が他の構成要素に“連結されて”あるか、或いは“接続されて”いると言及された時には、その他の構成要素に直接的に連結されているか、又は接続されているが、中間に他の構成要素が存在することもあると理解されるべきである。反面に、ある構成要素が他の構成要素に“直接連結されて”いるか、或いは“直接接続されて”いると言及された時には、中間に他の構成要素が存在しないことと理解されるべきである。構成要素間の関係を説明する他の表現、即ち“~間に”と“すぐ~間に”又は“~に隣接する”と“~に直接隣接する“等も同様に解析されなければならない。
【0037】
異なりに定義されない限り、技術的であるか、或いは科学的な用語を含んで、ここで使用されるすべての用語は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されることと同一な意味である。一般的に使用される事前に定義されていることと同一の用語は関連技術の文脈の上に有する意味と一致する意味であることと解析されるべきであり、本出願で明確に定義しない限り、理想的であるか、或いは過度に形式的な意味として解釈されない。
【0038】
図1は本発明の一実施形態に係る基板処理装置を概略的に示す斜視図であり、
図2は
図1の塗布ブロック又は現象ブロックを示す基板処理装置の断面図であり、
図3は
図1の基板処理装置の平面図である。
【0039】
図1乃至
図3を参照すれば、基板処理装置1はインデックスモジュール20(index module)、処理モジュール30(treating module)、そしてインターフェイスモジュール40(interface module)を含む。一実施形態によれば、インデックスモジュール20、処理モジュール30、そしてインターフェイスモジュール40は順次的に一列に配置される。以下、インデックスモジュール20、処理モジュール30、そしてインターフェイスモジュール40が配列された方向をX軸方向12とし、上部から見る時、X軸方向12と垂直になる方向をY軸方向14とし、X軸方向12及びY軸方向14に全て垂直になる方向をZ軸方向16とする。
【0040】
インデックスモジュール20は基板Wが収納された容器10から基板Wを処理モジュール30に搬送し、処理が完了された基板Wを容器10に収納する。インデックスモジュール20の長さ方向はY軸方向14に提供される。インデックスモジュール20はロードポート22とインデックスフレーム24を有する。インデックスフレーム24を基準にロードポート22は処理モジュール30の反対側に位置される。基板Wが収納された容器10はロードポート22に置かれる。ロードポート22は複数が提供されることができ、複数のロードポート22はY軸方向14に沿って配置されることができる。
【0041】
容器10としては前面開放一体型ポッド(Front Open Unified Pod:FOUP)のような密閉用容器10が使用されることができる。容器10はオーバーヘッドトランスファー(Overhead Transfer)、オーバーヘッドコンベア(Overhead Conveyor)、又は自動案内車両(Automatic Guided Vehicle)のような移送手段(図示せず)や作業者によってロードポート22に置かれることができる。
【0042】
インデックスフレーム24の内部にはインデックスロボット2200が提供される。インデックスフレーム24内には長さ方向がY軸方向14に提供されたガイドレール2300が提供され、インデックスロボット2200はガイドレール2300上で移動可能に提供されることができる。インデックスロボット2200は基板Wが置かれるハンド2220を含み、ハンド2220は前進及び後進移動、Z軸方向16を軸とした回転、そしてZ軸方向16を沿って移動可能に提供されることができる。
【0043】
処理モジュール30は基板Wに対して塗布工程及び現像工程を遂行する。処理モジュール30は塗布ブロック30a及び現像ブロック30bを有する。塗布ブロック30aは基板Wに対して塗布工程を遂行し、現像ブロック30bは基板Wに対して現像工程を遂行する。塗布ブロック30aは複数が提供され、これらは互いに積層されるように提供される。現像ブロック30bは複数が提供され、現像ブロック30bは互いに積層されるように提供される。
図2の実施形態によれば、塗布ブロック30aは2つが提供され、現像ブロック30bは2つが提供される。塗布ブロック30aは現像ブロック30bの下に配置されることができる。一例によれば、2つの塗布ブロック30aは互いに同一な工程を実行し、互いに同一な構造で提供されることができる。また、2つの現像ブロック30bは互いに同一な工程を実行し、互いに同一な構造で提供されることができる。
【0044】
図3を参照すれば、塗布ブロック30aは熱処理チャンバー3200、搬送チャンバー3400、液処理チャンバー3600、そしてバッファチャンバー3800を有する。熱処理チャンバー3200は基板Wに対して熱処理工程を遂行する。熱処理工程は冷却工程及び加熱工程を含むことができる。液処理チャンバー3600は基板W上に液を供給して液膜を形成する。液膜はフォトレジスト膜又は反射防止膜であり得る。搬送チャンバー3400は塗布ブロック30a内で熱処理チャンバー3200と液処理チャンバー3600との間に基板Wを搬送する。
【0045】
搬送チャンバー3400はその長さ方向がX軸方向12と平行に提供される。搬送チャンバー3400には搬送ユニット3420が提供される。搬送ユニット3420は熱処理チャンバー3200、液処理チャンバー3600、そしてバッファチャンバー3800の間に基板を搬送する。一例によれば、搬送ユニット3420は基板Wが置かれるハンドAを有し、ハンドAは前進及び後進移動、Z軸方向16を軸とした回転、そしてZ軸方向16に沿って移動可能に提供されることができる。搬送チャンバー3400内にはその長さ方向がX軸方向12と平行に提供されるガイドレール3300が提供され、搬送ユニット3420はガイドレール3300上で移動可能に提供されることができる。
【0046】
図4は
図3の搬送ロボットのハンドの一例を示す図面である。
図5を参照すれば、ハンドAはベース3428及び支持突起3429を有する。ベース3428は円周の一部が切断された環状のリング形状を有することができる。ベース3428は基板Wの直径より大きい内径を有する。支持突起3429はベース3428からその内側に延長される。支持突起3429は複数が提供され、基板Wの縁領域を支持する。一実施形態によれば、支持突起3429は等間隔に4つが提供されることができる。
【0047】
再び
図2と
図3を参照すれば、熱処理チャンバー3200は複数に提供される。熱処理チャンバー3200はX軸方向12に沿って並べに配置される。熱処理チャンバー3200は搬送チャンバー3400の一側に位置される。
【0048】
図5は
図3の熱処理チャンバーの一例を概略的に示す平断面図であり、
図6は
図5の熱処理チャンバーの正断面図である。熱処理チャンバー3200はハウジング3210、冷却ユニット3220、加熱ユニット5000、そして搬送プレート3240を有する。
【0049】
ハウジング3210は大体に直方体の形状に提供される。ハウジング3210の側壁には、基板Wが出入される搬入口(図示せず)が形成される。搬入口は開放された状態に維持されることができる。選択的に搬入口を開閉するようにドア(図示せず)が提供されることができる。冷却ユニット3220、加熱ユニット5000、そして搬送プレート3240はハウジング3210内に提供される。冷却ユニット3220及び加熱ユニット5000はY軸方向14に沿って平行に提供される。一例によれば、冷却ユニット3220は加熱ユニット5000に比べて搬送チャンバー3400にさらに近く位置されることができる。
【0050】
冷却ユニット3220は冷却板3222を有する。冷却板3222は上部から見る時、大体に円形の形状を有することができる。冷却板3222には冷却部材3224が提供される。一実施形態によれば、冷却部材3224は冷却板3222の内部に形成され、冷却流体が流れる流路として提供されることができる。
【0051】
搬送プレート3240は大体に円板形状を提供され、基板Wと対応される直径を有する。搬送プレート3240の縁にはノッチ3244が形成される。ノッチ3244は上述した搬送ロボット3420のハンドAに形成された突起3429と対応される形状を有することができる。また、ノッチ3244はハンドAに形成された突起3429と対応される数に提供され、突起3429と対応される位置に形成される。ハンドAと搬送プレート3240が上下方向に整列された位置でハンドAと搬送プレート3240の上下位置が変更すれば、ハンドAと搬送プレート3240との間に基板Wの伝達が行われる。搬送プレート3240はガイドレール3249上に装着され、駆動器3246によってガイドレール3249に沿って移動される。搬送プレート3240にはスリット形状のガイド溝3242が複数が提供される。ガイド溝3242は搬送プレート3240の終端で搬送プレート3240の内部まで延長される。ガイド溝3242はその長さ方向がY軸方向14に沿って提供され、ガイド溝3242はX軸方向12に沿って互いに離隔されるように位置される。ガイド溝3242は搬送プレート3240と加熱ユニット5000との間に基板Wの引受引渡が行われる時、搬送プレート3240とリフトピンが互いに干渉されることを防止する。
【0052】
熱処理チャンバー3200の中で一部の熱処理チャンバー3200に提供された加熱ユニット5000は基板W加熱中にガスを供給してフォトレジストの基板W付着力を向上させることができる。一例によれば、ガスは表面改質ガスであり得る。以下では、熱処理チャンバー3200に提供された加熱ユニット5000の中で基板にフォトレジストの付着力を向上させるガスを供給する装置を説明する。
【0053】
図7は
図6の加熱ユニットに提供される基板処理装置を示す断面図である。以下、
図7を参照すれば、加熱ユニット5000に提供される基板処理装置は、工程チャンバー5010、シーリング部材5020、支持部材5030、ガス供給ユニット5050、濃度調節ユニット5060、排気ユニット5070、そして制御器5090を含む。
【0054】
工程チャンバー5010は内部に処理空間5001を提供する。工程チャンバー5010は円筒形状に提供されることができる。これと異なりに、工程チャンバー5010は直方体形状等設計によって様々な形状に提供されることができる。工程チャンバー5010は上部チャンバー5011と下部チャンバー5013を含むことができる。上部チャンバー5010と下部チャンバー5013は互いに組み合わせて内部に処理空間5001を有することができる。
【0055】
上部チャンバー5011は上部から見る時、円形の形状に提供されることができる。下部チャンバー5013は上部チャンバー5011の下部に位置することができる。下部チャンバー5013は上部から見る時、円形の形状に提供されることができる。
【0056】
駆動器5015は上部チャンバー5011と結合することができる。駆動器5015は上部チャンバー5011を上下に昇下降させることができる。駆動器5015は工程チャンバー5010の内部に基板Wを搬入する時、上部チャンバー5011を上部に移動させて工程チャンバー5010の内部を開放することができる。駆動器5015は基板Wを処理する工程の時、上部チャンバー5011を下部チャンバー5013と接触させて工程チャンバー5010の内部を密閉させることができる。本実施形態では駆動器5015が上部チャンバー5011と連結されて提供されることを例として挙げたが、これと異なりに駆動器5015は下部チャンバー5013と連結されて下部チャンバー5013を昇下降させることができる。
【0057】
シーリング部材5020は処理空間5001の外部から密閉させる。シーリング部材5020は上部チャンバー5011と下部チャンバー5013の接触面に設置される。一例として、シーリング部材5020は下部チャンバー5013の接触面で設置されることができる。
【0058】
支持部材5030は基板Wを支持することができる。支持部材5030は処理空間5001内で基板Wを支持することができる。支持部材5030は上部から見る時、円形の形状に提供されることができる。支持部材5030の上面は基板Wより大きい断面積を有することができる。支持部材5030は熱導電性が良い材質で提供されることができる。支持部材5030は耐熱性が優れた材質で提供されることができる。
【0059】
支持部材5030は基板Wを昇下降させるリフトピンモジュール5032を含むことができる。リフトピンモジュール5032は工程チャンバー5010外部の搬送手段から基板Wを引き受けて支持部材5030上に下げ置くか、或いは基板Wを持ち上げて工程チャンバー5010の外部の搬送手段に引く渡すことができる。一例によれば、リフトピンモジュール5032のリフトピンは3つが提供されることができる。3つのリフトピンは120°(deg)の等間隔に配置されることができる。
【0060】
また、支持部材5030は支持部材5030に置かれる基板Wを加熱する加熱部材5040を含むことができる。例えば、加熱部材5040は支持部材5030の内部に位置することができる。一例として、加熱部材5040はヒーターで提供されることができる。ヒーターは支持部材5030の内部に複数に提供されることができる。
【0061】
ガス供給ユニット5050は処理空間5001内に位置した基板Wに表面改質ガスを供給することができる。一例として、表面改質ガスはアルキン(Alkyne)系ガスを含む。表面改質ガスは基板Wの表面性質を親水性から疎水性に変化させることができる。また、表面改質ガスはアルキン(Alkyne)系ガスとキャリヤーガスの混合ガスで提供されることができる。キャリヤーガスは不活性ガスで提供されることができる。一例として、非活性ガスは窒素ガスであり得る。
【0062】
ガス供給ユニット5050はガス供給管5051、ガス供給ライン5053、そして、バブラータンク5054を含むことができる。ガス供給管5051は上部チャンバー5011の中央領域に連結されることができる。ガス供給管5051はガス供給ライン5053から伝達された表面改質ガスを基板Wに供給することができる。ガス供給管5051が供給する表面改質ガスの供給位置は基板Wの中央上部領域と対向されるように位置することができる。
ガス供給ライン5053はバブラータンク5054と連結されることができる。ガス供給ライン5053はバブラータンク5054で発生させる表面改質ガスをガス供給管5051に伝達することができる。また、ガス供給ライン5053には第1バルブ5056が設置されることができる。第1バルブ5056はオン/オフバルブであるか、或いは流量調節バルブであり得る。
【0063】
バブラータンク5054はアルキン系ケミカルが収容された内部空間を有することができる。また、バブラータンク5054にはキャリヤーガスを供給するキャリヤーガス供給ライン5055が連結されることができる。キャリヤーガス供給ライン5055はバブラータンク5054の内部空間にキャリヤーガスを給してアルキン系ケミカルをバブリングする。これによって、アルキン系ケミカルは蒸気化される。蒸気化されたアルキン系ガスはキャリヤーガスと混合されて表面改質ガスとしてガス供給ライン5053伝達されることができる。一例で、キャリヤーガスは不活性ガスで提供されることができる。一例として、非活性ガスは窒素ガスであり得る。バブラータンク5054にはヒーター5058が提供される。ヒーター5058はバブラータンク5054をなすハウジングに内装されることができる。ヒーター5058はアルキン系ケミカルを設定温度に加熱する。
【0064】
濃度調節ユニット5060は処理空間5001に供給される表面改質ガスの濃度を調節することができる。濃度調節ユニット5060は濃度調節ガス供給ラインと濃度測定部材を含むことができる。濃度調節ガス供給ラインはガス供給ライン5053と連結されることができる。例えば、濃度調節ガス供給ラインは第1バルブ5056が設置された地点より下流で連結されることができる。濃度調節ガス供給ラインはバブラータンク5054で発生された表面改質ガスが処理空間5001に供給される途中にガス供給ライン5053に濃度調節ガスを供給することができる。したがって、処理空間5001に供給される表面改質ガスの濃度を調節することができる。濃度調節ガスは不活性ガスであり得る。一例として、濃度調節ガスは窒素ガスであり得る。また濃度調節ガスはキャリヤーガスと同一なガスであり得る.
【0065】
また、濃度調節ガス供給ラインには流量調節バルブが設置されて、流量調節バルブの開放率を調節してガス供給ライン5053に供給する濃度調節ガスの単位時間当たり供給流量を変更することができる。
【0066】
濃度測定部材は処理空間5001に供給される表面改質ガスの濃度を測定することができる。ここで、表面改質ガスの濃度は表面改質ガスに含まれたアルキン系ガスの濃度を意味する。濃度測定部材はガス供給ライン5053と濃度調節ガス供給ラインが連結される地点より下流の位置に提供されることができる。濃度測定部材は気体の濃度を測定するための公知の装置が適用されることができる。
【0067】
排気ユニット5070は処理空間5001を排気する。排気ユニット5070は排気ライン5073、メーン排気ライン5075、そして減圧部材5077を含むことができる。
【0068】
排気ライン5073は処理空間5001を排気することができる。排気ライン5073は工程チャンバー5010の下壁に形成された排気ポート5074と連結されることができる。したがって、排気ライン5073は処理空間5001の雰囲気を下方向に排気することができる。排気ポート5074は下部チャンバー5013に形成されることができる。排気ポート5074は支持部材5030の外側に位置することができる。排気ポート5074は複数に提供されることができる。排気ライン5073は排気ポート5074と対応される数に提供されることができる。
【0069】
メーン排気ライン5075は排気ライン5073を統合して連結する。メーン排気ライン5075は排気ライン5073の排気物が外部に排出されるように提供される。
【0070】
減圧部材5077は処理空間5001及び処理空間5001の周辺を排気する時、減圧を提供する。減圧部材5077はメーン排気ライン5075に設置されて提供されることができる。一例として、減圧部材5077はポンプで提供されることができる。これとは異なりに、減圧を提供する公知された他の種類の装置に提供されることができる。
【0071】
制御器5090はガス供給ユニット5050と濃度調節ユニット5060とヒーター5058を制御することができる。制御器5090は基板Wに処理ガスを供給する時に供給される表面改質ガスの濃度を調節するように濃度調節ユニット5060を制御することができる。例えば、制御器5090はバブラータンク5054で発生された表面改質ガスが処理空間5001に供給される途中にガス供給ライン5053に濃度調節ガスを供給して表面改質ガスの濃度を変更することができる。制御器5090はヒーター5058を制御してバブラータンク5054に格納されたアルキン系ケミカルを加熱することができる。
【0072】
以下では、本発明の一実施形態に係る基板処理装置を利用して基板を処理する方法を説明する。
【0073】
アルキン(Alkyne)系ガスの場合、[表1]で説明されるHMDSと比較して蒸気圧(Vapor Pressure)が低い短所が存在する。蒸気圧(Vapor Pressure)と関連して常温(20℃)で蒸気圧が高いほど、液体状態の物質は揮発性を有する。アルキン系ガスの低い蒸気圧(Vapor Pressure)を改善するためにバブラータンク5054に提供されたヒーター5058はアルキン系ケミカルを加熱する。一実施形態に係るアルキン系ガスは3,5-Dimethyl-1-hexyn-3-olで提供される。
【表1】
【0074】
制御器5090はヒーター5058を制御してアルキン系ケミカルを沸点に到達する直前の温度まで加熱する。沸点に到達する直前の温度とは、沸点より30℃乃至5℃が低い温度、好ましくは10℃乃至5℃が低い温度を意味するが、数学的に限定しようとすることではない。一実施形態によれば、ヒーター5058はバブラータンク5054に提供された3,5-Dimethyl-1-hexyn-3-olを120℃乃至145℃まで加熱する。
【0075】
制御器5090はバブラータンク5054で加熱されたアルキン系ガスにキャリヤーガスを供給する。キャリヤーガスはアルキン系ケミカルをバブリングする。これによって、加熱されたアルキン系ケミカルは蒸気化される。蒸気化されたアルキン系ガスはキャリヤーガスと混合されてガス供給ライン5053を通じて処理空間5001に供給される。この時、ガス供給ライン5053に設置された第1バルブ5056は開放される。
【0076】
制御器5090はバブラータンク5054で発生された表面改質ガスが処理空間5001に供給される途中に表面改質ガスに含まれたアルキン系ガスの濃度を調節するように濃度調節ユニット5060を制御することができる。例えば、濃度調節ガス供給ラインを通じてガス供給ライン5053に濃度調節ガスを追加に供給することができる。濃度調節ガスは不活性ガスであり得る。一例として、濃度調節ガスは窒素ガスであり得る。また、濃度調節ガスはキャリヤーガスと同一なガスであり得る。供給された濃度調節ガスによって、表面改質ガスの濃度は低くなることができる。
【0077】
他の実施形態として、制御器5090はガス供給ライン5053に設置された濃度測定部材が測定した表面改質ガスの濃度測定値に基づいて、ガス供給ライン5053に追加に供給される濃度調節ガスの単位時間当たり供給流量を調節することができる。例えば、濃度測定部材の測定値が設定値より高い場合、濃度調節ガスの単位時間当たり供給流量を増加させることができる。これによって、処理空間5001に供給されるアルキン系ガスの濃度は低くなる。
【0078】
図8は基板を処理する工程の順序を示すフローチャートである。
図8を参照すれば、基板を処理する工程は上述して処理された表面改質ガスを基板Wに供給して基板を処理する処理段階(S01)と、処理段階の後に処理空間に残留する表面改質ガスを排気するパージ段階(S02)を含むことができる。
【0079】
処理段階(S01)で、処理空間5001の内部は設定された温度に加熱される。その後、上部チャンバー5011が上昇して処理空間5001が外部に開放される。基板Wが処理空間5001内に搬入された後、基板Wは支持ユニット5030に安着する。基板Wが支持ユニット5030に安着された後、工程チャンバー5010は上部チャンバー5011の下降によって密閉される。処理空間5001が密閉された後、ガス供給ユニット5050では表面改質ガスを供給する。
【0080】
パージ段階(S02)で制御器5090は第1バルブ5056は閉め、処理空間5001にパージガスを供給することができる。パージガスは不活性ガスであり得る。一例として、非活性ガスは窒素ガスであり得る。処理空間5001に流入されたパージガスは、排気ユニット5070が処理空間5001に残留する表面改質ガスを効果的に排気することができるようにする。本発明の一実施形態によれば、パージガスの供給は濃度調節ラインを通じて成されることができる。濃度調節ラインは処理段階(S01)で処理ガスの濃度を調節することのみならず、パージ段階(S02)で処理空間5001に残留する処理ガスを処理空間5001の外部に排気することができるようにする。したがって、処理段階(S01)とパージ段階(S02)を各々遂行する別個のガス供給ラインの設置が要求されないので、基板処理装置を単純化することができ、装置の製作費用を節減することができる。
【0081】
本発明の実施形態によれば、バブラータンク5058でアルキン系ケミカルを加熱することに応じて、アルキン系溶液の低い蒸気圧を改善して過度なバブリングが要求されないので、工程タイムの改善と共に、アルキン系ガスの濃度を高めることができるにつれ、付着力(Adhesion)が向上されることができる。また、濃度調節ユニット5060を利用して供給される表面改質ガスに含まれたアルキン系ガスの濃度を制御して付着力を向上させ、表面改質に所要される時間を改善することができる。
【0082】
再び、
図3及び
図4を参照すれば、バッファチャンバー3800は複数に提供される。バッファチャンバー3800の中で一部はインデックスモジュール20と搬送チャンバー3400との間に配置される。以下、これらのバッファチャンバーを前段バッファ3802(front buffer)と称する。前段バッファ3802は複数に提供され、上下方向に沿って互いに積層されるように位置される。バッファチャンバー3802、3804の中で他の一部は搬送チャンバー3400とインターフェイスモジュール40との間に配置される。以下、これらのバッファチャンバーを後段バッファ3804(rear buffer)と称する。後段バフファ3804は複数に提供され、上下方向に沿って互いに積層されるように位置される。前段バッファ3802及びリアーバフファ3804の各々は複数の基板がWを一時的に保管する。前段バッファ3802に保管された基板Wはインデックスロボット2200及び搬送ロボット3420によって搬入又は搬出される。後段バッファ3804に保管された基板Wは搬送ロボット3420及び第1ロボット4602によって搬入又は搬出される。
【0083】
現像ブロック30bは熱処理チャンバー3200、搬送チャンバー3400、そして液処理チャンバー3600を有する。現像ブロック30bの熱処理チャンバー3200、搬送チャンバー3400、そして液処理チャンバー3600は塗布ブロック30aの熱処理チャンバー3200、搬送チャンバー3400、そして液処理チャンバー3600と大体に類似な構造及び配置に提供するので、これに対する説明は省略する。但し、現像ブロック30bで液処理チャンバー3600は全て同様に現像液を供給して基板を現像処理する現像チャンバー3600で提供される。
【0084】
インターフェイスモジュール40は処理モジュール30を外部の露光装置50と連結する。インターフェイスモジュール40はインターフェイスフレーム4100、付加工程チャンバー4200、インターフェイスバッファ4400、そして搬送部材4600を有する。
【0085】
インターフェイスフレーム4100の上端には内部に下降気流を形成するファンフィルターユニットが提供されることができる。付加工程チャンバー4200、インターフェイスバッファ4400、そして搬送部材4600はインターフェイスフレーム4100の内部に配置される。付加工程チャンバー4200は塗布ブロック30aから工程が完了された基板Wが露光装置50に搬入される前に所定の付加工程を遂行することができる。選択的に、付加工程チャンバー4200は露光装置50から工程が完了された基板Wが現像ブロック30bに搬入される前に所定の付加工程を遂行することができる。一実施形態によれば、付加工程は基板Wのエッジ領域を露光するエッジ露光工程、又は基板Wの上面を洗浄する上面洗浄工程、又は基板Wの下面を洗浄する下面洗浄工程である。付加工程チャンバー4200は複数が提供され、これらは互いに積層されるように提供されることができる。付加工程チャンバー4200は全て同一な工程を遂行するように提供されることができる。選択的に、付加工程チャンバー4200の中で一部は互いに異なる工程を遂行するように提供されることができる。
【0086】
インターフェイスバッファ4400は塗布ブロック30a、付加工程チャンバー4200、露光装置50、そして現像ブロック30bとの間に搬送される基板Wが搬送される途中に一時的に留まる空間を提供する。インターフェイスバッファ4400は複数が提供され、複数のインターフェイスバッファ4400は互いに積層されるように提供されることができる。
【0087】
一実施形態によれば、搬送チャンバー3400の長さ方向の延長線を基準として一側面には付加工程チャンバー4200が配置し、他の側面にはインターフェイスバッファ4400が配置されることができる。
【0088】
搬送部材4600は塗布ブロック30a、付加工程チャンバー4200、露光装置50、そして現像ブロック30bとの間に基板Wを搬送する。搬送部材4600は1つ又は複数のロボットが提供されることができる。一実施形態によれば、搬送部材4600は第1ロボット4602及び第2ロボット4606を有する。第1ロボット4602は塗布ブロック30a、付加工程チャンバー4200、そしてインターフェイスバッファ4400との間に基板Wを搬送し、インターフェイスロボット4606はインターフェイスバッファ4400と露光装置50との間に基板Wを搬送し、第2ロボット4604はインターフェイスバッファ4400と現像ブロック30bとの間に基板Wを搬送するように提供されることができる。
【0089】
第1ロボット4602及び第2ロボット4606は各々基板Wが置かれるハンドを含み、ハンドは前進及び後進移動、Z軸方向16に平行である軸を基準とした回転、そしてZ軸方向16に沿って移動可能に提供されることができる。
【0090】
上述した例では本発明の一実施形態に係る基板処理装置に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上述した例に限定されなく、基板を処理するすべての装置に適用可能である。
【0091】
上述した例では、上部排気ホール5073が下部チャンバー5013に形成されることを例として説明した。しかし、これと異なりに上部排気ホール5073は上部チャンバー5011に形成されることができる。
【0092】
上述した例では、ガス供給ライン5053に供給される濃度調節ガスの単位時間当たり供給流量を流量調節バルブを通じて調節することを例として説明した。これと異なりに、濃度調節ガスの単位時間当たり供給流量の調節は、ガスの単位時間当たり供給流量を調節することができる公知の装置によっても可能である。
【0093】
制御器5090は基板処理装置を制御することができる。制御器5090は上述したように基板を設定工程に応じて処理されるように基板処理装置5000の構成要素を制御することができる。また、制御器5090は基板処理装置の制御を実行するマイクロプロセッサー(コンピュータ)で成されるプロセスコントローラと、オペレータが基板処理装置を管理するためにコマンド入力操作等を行うキーボードや、基板処理装置の稼動状況を可視化して表示するディスプレイ等に成されるユーザインターフェイスと、基板処理装置で実行される処理をプロセスコントローラの制御で実行するための制御プログラムや、各種データ及び処理条件に応じて各構成部に処理を実行させるためのプログラム、即ち処理レシピが格納された格納部を具備することができる。また、ユーザインターフェイス及び格納部はプロセスコントローラに接続されていることができる。処理レシピは記憶部の中で記憶媒体に記憶されていることができ、記憶媒体は、ハードディスクであってもよく、CD-ROM、DVD等の可搬性ディスクや、フラッシュメモリ等の半導体メモリであってもよい。
【0094】
以上の詳細な説明は本発明を例示するものである。また、前述した内容は本発明の好ましい実施形態を例として説明することであり、本発明は多様な他の組合、変更、及び環境で使用することができる。即ち、本明細書に開示された発明の概念の範囲、前述した開示内容と均等な範囲、及び/又は当業界の技術又は知識の範囲内で変更又は修正が可能である。前述した実施形態は本発明の技術的思想を具現するための最善の状態を説明することであり、本発明の具体的な適用分野及び用途で要求される様々な変更も可能である。したがって、以上の発明の詳細な説明は開示された実施状態に本発明を制限しようとする意図ではない。添付された請求の範囲は他の実施状態も含むことと解析されなければならない。
【符号の説明】
【0095】
5010 工程チャンバー
5020 シーリング部材
5030 支持部材
5050 ガス供給ユニット
5060 濃度調節ユニット
5070 排気ユニット
5090 制御器