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特許7305765真空下でカプセルをパッケージ化する装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-30
(45)【発行日】2023-07-10
(54)【発明の名称】真空下でカプセルをパッケージ化する装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 3/18 20060101AFI20230703BHJP
   B65B 7/28 20060101ALI20230703BHJP
【FI】
B65B3/18
B65B7/28 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021525807
(86)(22)【出願日】2019-11-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(86)【国際出願番号】 IB2019059542
(87)【国際公開番号】W WO2020099989
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】102018000010250
(32)【優先日】2018-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】519395961
【氏名又は名称】オーペム エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】ファビオ ビナッチ
【審査官】▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-524797(JP,A)
【文献】特開平06-191593(JP,A)
【文献】特開2009-126534(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 1/00~ 3/36
B65B 7/00~ 7/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料を調製するカプセルを真空下で製造する装置であって、
少なくとも直線的で水平な作動トラクトを有する閉ルートに沿って順に配置された複数の支持要素と
該支持要素を前記閉ルートに沿って移動させる駆動システムであって、前記支持要素を所定の前進方向に従って前記作動トラクト内に前進させ、前記支持要素を1つずつ一度に複数の作動ステーション内で停止させる駆動システムと
を備え、
各支持要素が、ハウジングシートの列を備え、該ハウジングシートが、前記閉ルートの前記作動トラクトにおいて、前記前進方向に対して水平および横断方向の位置合わせで相互に位置合わせされ、
前記作動ステーションが、支持要素の前記閉ルートの前記作動トラクトの上方に配置され、少なくとも、
口部を上方向に向けたグラス形状本体を前記ハウジングシートに挿入するための装填ステーションと
飲料を生成する食品物質を前記ハウジングシートに挿入されたグラス形状本体に充填するための、前記支持要素の前記前進方向に対して前記装填ステーションの下流に置かれた充填ステーションと
前記ハウジングシート内に挿入されたグラス形状本体の前記口部上に閉鎖フィルムをあてて固定するための、支持要素の前記前進方向に対して前記充填ステーションの下流に置かれたカバリングステーションと
前記ハウジングシート内に置かれた前記グラス形状本体の内部容積を真空下に置き、前記グラス形状本体の前記口部上に前記閉鎖フィルムをシールするための、支持要素の前記前進方向に対して前記カバリングステーションの下流に置かれたシーリングステーションと
を備え、
前記シーリングステーションが
前記支持要素の前記前進方向に対して横断方向に隣り合わせに相互に置かれて配置された複数のベル形状部材であって、該ベル形状部材のそれぞれが、1つの各ハウジングシートに重なり下方向に向けられた口部を有する複数のベル形状部材と
各ベル形状部材を、各ベル形状部材の口部が前記支持要素から実質的に離隔する上昇位置から、各ベル形状部材の前記口部が前記支持要素に寄せかけられて、対応する前記ハウジングシートを取り囲む下降位置との間で鉛直方向に移動させる移動装置と
ベル形状部材の前記内部容積内の圧力を低減させる真空生成装置と
それぞれが、前記ハウジングシート内に含まれた前記グラス形状本体上に前記閉鎖フィルムを気密に溶接するためにそれぞれのベル形状部材の内側に含まれる複数の溶接要素と
を備え
前記真空生成装置が、前記シーリングステーションのベル形状部材と同数のベンチュリタイプの複数の真空生成器を備え、該真空生成器のそれぞれが、各ベル形状部材の前記内部容積に連結されることにより、前記真空生成装置が、各ベル形状部材の前記内部容積内の圧力を他のベル形状部材から独立して低減させる置。
【請求項2】
前記移動装置が、各ベル形状部材を他のベル形状部材から独立して移動させる請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記移動装置が、複数のジャッキを備え、該ジャッキのそれぞれが、各ベル形状部材に連結されて該ベル形状部材を鉛直方向に移動させる請求項2に記載の装置。
【請求項4】
各溶接要素が、給電レジスタを備える請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
各溶接要素が、対応する前記ベル形状部材の内側で、前記溶接要素が前記ベル形状部材の前記口部から離れる上昇位置と、前記溶接要素が前記口部により近くなる下降位置との間で移動可能である請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記シーリングステーションが、前記上昇位置と前記下降位置との間で各溶接要素を移動させる第2の移動装置を備える請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記第2の移動装置が、各溶接要素を他の溶接要素から独立的に移動させる請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記シーリングステーションが、複数の圧力センサを備え、該圧力センサのそれぞれが、各ベル形状部材の内側の圧力を測定する請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
各圧力センサが、電子制御ユニットに連結され、該電子制御ユニットが、対応する前記圧力センサによって測定された、対応する前記ベル形状部材の内側の圧力値が所定の閾値まで降下したときに各溶接要素を起動させるように、また、前記溶接要素を起動させた後、対応する前記ベル形状部材の内側の真空生成を遮断するように前記真空生成装置を制御するように構成される請求項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばコーヒー、茶、またはハーブティなどの温かい飲料を調製するために抽出機において使用されるように意図されたカプセルをパッケージ化する装置に関する。より詳細には、本発明は、真空下でカプセルをパッケージ化する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
知られているように、上記で言及したものなどの温かい飲料を調製するための最も一般的な方法の1つは、事前にパッケージ化された使い捨てカプセルの抽出機を使用することである。
【0003】
各カプセルは、通常、たとえばアルミニウムまたはプラスチック材料で作製されたグラス形状本体を備える。このグラス形状本体は、煎じ出しおよび/またはパーコレーションによって飲料を調製する食品物質の一回分の用量によって充填され、上部においてアルミニウムまたは他の材料の閉鎖フィルムによってシールされる。
【0004】
カプセルが抽出機に挿入されると、グラス形状本体の底部および閉鎖フィルムが穿孔され、それにより、湯の流れがカプセルを通過して、食品物質と接触し、飲料を生成することができる。
【0005】
カプセルの輸送、保管、および販売の段階中に食品物質をより良好に保存するために、この物質を真空下でカプセルの内側にパッケージ化することができる。
【0006】
この解決手段は、主に、自動的にカプセルが装填される自動販売機において使用するように意図されたカプセルをパッケージ化するために使用される。
【0007】
真空の存在は、実際には、各カプセルの外側寸法を低減し、機械の自動システム内を移動することをより容易にするという効果がある。
【0008】
現在、真空下のこれらのカプセルは、閉ルートに沿って順に前進するようになされた複数の支持要素を備える装置によってパッケージ化され得る。
【0009】
各支持要素は、複数のハウジングシートを有し、ハウジングシートのそれぞれが、カプセルを収容する。
【0010】
支持要素は、これらのルートに沿って前進することにより、一連の作動ステーションにおいて停止される。これらの作動ステーションは、カプセルを作るのに意図されたグラス形状本体がハウジングシートに装填される装填ステーション、グラス形状本体が食品物質によって充填される充填ステーション、閉鎖フィルムがグラス形状本体上にあてられ、部分的に固定されるカバリングステーション、および最後の、グラス形状本体の内部容積が真空下に置かれ、シーリングフィルムがその上に完全にシールされるシーリングステーションである。
【0011】
シーリングステーションは、特に真空ベルを備える。この真空ベルは、1つまたは複数の支持要素上に同時に下降され、それによって複数のカプセルを封入する。
【0012】
下降させられると、ベルは低減させられ、それにより、カプセルの内側に含まれた空気は、グラス形状本体の口部と対応する閉鎖フィルムとの間に依然として存在するスロットを通って逃げることができる。
【0013】
ベルの内側の圧力レベルが所定の値に到達したとき、内側に存在するすべてのカプセルの閉鎖フィルムを完全にシールする特別なシーリング部材が、作動し始める。
【0014】
このステップの最後で、真空ベルが上昇させられ、支持要素は、パッケージ化されたカプセルを取り外すためのゾーンに向かって前進することができる。
【0015】
この解決手段の欠点は、カプセルの内側に得られた真空レベルが完全に均一でないことがあり、その結果、一部のカプセルは必要とされる仕様に準拠せず、欠陥品として破棄されることがあるという事実にある。
【0016】
さらに、真空ベルの大きい内部容積を低減するには通常、エネルギー消費を多くし、時間を幾分多くかけることが必要となり、それによって作動コストが上昇し、装置の時間あたりの生産性に限界が導入される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
上記に鑑み、本発明の目的は、従来技術の言及した欠点を解決するか、または少なくとも大きく低減させることである。
【0018】
別の目的は、簡単で、合理的で、比較的コスト効果の高い解決策という文脈でそのような目的を達成するものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
これらおよび他の目的は、独立請求項1に記載するような本発明の特徴によって達せられる。従属請求項は、本発明の好ましいおよび/または特に有利な態様を概説する。
【0020】
特に、本発明の実施形態は、飲料を調製するためのカプセルを真空下で製造するための装置であって、少なくとも直線的で水平な作動トラクトを有する閉ルートに沿って順に配置された複数の支持要素と、該支持要素を前記閉ルートに沿って移動させるように適合された駆動システムであって、これらの支持要素を所定の前進方向に従って作動トラクト内に前進させ、これらの支持要素を1つずつ一度に複数の作動ステーション内で停止させるように適合される、駆動システムと、を備え、各支持要素が、ハウジングシートの列を備え、ハウジングシートが、閉ルートの作動トラクトにおいて、前進方向に対して水平および横断方向の位置合わせで相互に位置合わせされ、前記作動ステーションが、支持要素の閉ルートの作動トラクトの上方に配置され、少なくとも、口部を上方向に向けたグラス形状本体をハウジングシートに挿入するための装填ステーションと、飲料を生成する食品物質をハウジングシートに挿入されたグラス形状本体に充填するための、支持要素の前進方向に対して装填ステーションの下流に置かれた充填ステーションと、前記ハウジングシート内に挿入されたグラス形状本体の前記口部上に閉鎖フィルムをあてて固定するための、支持要素の前記前進ステーションに対して前記充填ステーションの下流に置かれたカバリングステーションと、前記ハウジングシート内に置かれた前記グラス形状本体の内部容積を真空下に置き、前記グラス形状本体の前記口部上に前記閉鎖フィルムをシールするための、支持要素の前記前進方向に対して前記カバリングステーションの下流に置かれたシーリングステーションと、を備え、前記シーリングステーションが、前記支持要素の前記前進方向に対して横断方向に隣り合わせに相互に置かれて配置された複数のベル形状部材であって、該ベル形状部材のそれぞれが、1つの各ハウジングシートに重なり下方向に向けられた口部を有する複数のベル形状部材と、各ベル形状部材を、ベル形状部材の口部が前記支持要素から実質的に離隔する上昇位置から、各ベル形状部材の前記口部が前記支持要素に寄せかけられて、対応するハウジングシートを取り囲む下降位置との間を鉛直方向に移動させるための移動装置と、ベル形状部材の前記内部容積を低減させる真空生成装置と、それぞれが、ハウジングシート内に含まれた前記グラス形状本体上に前記閉鎖フィルムを気密に溶接するためにそれぞれのベル形状部材の内側に含まれる複数の溶接要素と、を備える装置を提供する。
【0021】
この解決手段によれば、真空は、各カプセルに対して個々に他のカプセルから独立して作られ、それによって各カプセル内で必要とされる仕様に準拠するレベルの真空が得られることを確実にし、欠陥カプセルの割合を低減して、その結果、装置の生産性を大きく向上させる。
【0022】
さらに、ベル形状部材の内部容積は通常、むしろ小さいため、所望の真空値に到達するために必要とされる時間およびエネルギーは、従来技術の大きいベル内で真空を作り出すために通常必要とされるものよりも少なくなり、その結果、プロセス時間および作動コストを低減する。
【0023】
本発明の態様によれば、ベル形状部材を移動させるための装置は、各ベル形状部材を他のベル形状部材から独立して移動させ得る。
【0024】
たとえば、移動装置は、好ましくは空圧タイプの複数のジャッキを備えてもよく、ジャッキのそれぞれが、各ベル形状部材に連結されてこのベル形状部材を鉛直方向に移動させる。
【0025】
このようにして、単一のベル形状部材の移動はまた、有利には分離され、したがって、ベル形状部材のそれぞれを他のベル形状部材から独立して上昇位置または下降位置に変位させることができる。
【0026】
たとえば、欠陥カプセルがシーリングステーションの上流に置かれたラインコントールによって特定される場合、カプセルを真空下に置くようになっているベル形状部材を上昇位置に保ち、相対ステップを実行しないようにして、エネルギーを削減し、故障を回避することができる。
【0027】
そうでない場合、欠陥カプセルの存在は、装置の作動全体を損なう可能性がある。
【0028】
たとえば、何らかの理由で、カプセルの閉鎖フィルムがグラス形状本体に正しく固定されていない場合、真空の発生中、この閉鎖フィルムおよび食品物質は、真空生成装置によって吸引される可能性があり、装置を損傷させ、生産を停止させなければならないというリスクを伴う。
【0029】
新しい解決手段により、欠陥を認識するシステムが装置に設けられていた場合、このカプセルのための真空下でシールするためのステップをスキップするだけでよく、他のカプセルに対して通常通り生産を継続することを可能にすることができる。
【0030】
本発明の別の態様によれば、前記真空生成装置が、各ベル形状部材の内部容積を他のベル形状部材から独立して低減させ得る。
【0031】
たとえば、真空生成装置は、ベンチュリタイプの複数の真空生成器を備えることができ、真空生成器のそれぞれは、各ベル形状部材の内部容積に連結される。
【0032】
このようにして、有利には、各カプセル内で真空レベルを正確に制御することが可能であり、それによって所望の値に到達するとすぐに各ベル形状部材内の真空の発生を遮断し、場合によっては、他のベル形状部材内でこの値にまだ到達していない場合にこのベル形状部材内部で真空を生成し続け、こうしてエネルギー消費を最適化し、各カプセルが必要とされる仕様に準拠することを確実なものとし、廃棄物を低減する。
【0033】
本発明の別の態様によれば、各溶接要素は、給電レジスタを備えることができる。
【0034】
本態様は、カバリングフィルムの効果的なシール作用を可能にするための簡単で機能的な解決手段を提供する。
【0035】
本発明のさらなる態様は、各溶接要素が、対応する前記ベル形状部材の内側で、前記溶接要素が前記ベル形状部材の前記口部から離れる上昇位置と、前記溶接要素が前記口部により近くなる下降位置との間で移動可能となり得ることをもたらす。
【0036】
この解決手段により、加熱要素は、対応するベル形状本体が支持要素上に下降した後、および必要とされる圧力降下値がベル形状本体内側で生成されて真空を得た後に効果的に作動を開始することができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、各溶接要素の変位は、それぞれのベル形状部材を駆動する同じ移動装置によって得られ得る。
【0038】
たとえば、移動装置を溶接要素に剛性に連結することができ、ベル形状部材を懸架システムによって溶接要素に連結することができる。
【0039】
このようにして、溶接要素の下方向の変位中、ベル形状部材は、最初に支持要素に接触することができ、溶接要素のさらなる下降の後で、溶接要素は、この下降位置に到達するまで、ベル形状部材の内側を摺動することができる。
【0040】
しかし、より好ましくは、シーリングステーションは、前記上昇位置と前記下降位置との間で各溶接要素を移動させる第2の移動装置を備えることができる。
【0041】
このようにして、ベル形状部材および溶接要素の駆動は安全でより正確になり得る。
【0042】
また、この第2の移動装置は、各溶接要素を他の溶接要素から独立して移動させ得る。
【0043】
たとえば、第2の移動装置もまた、たとえば空圧タイプの複数のジャッキを備えることができ、ジャッキのそれぞれは、それぞれの溶接要素に連結されてこの要素を鉛直方向に移動させる。
【0044】
このようにして、単一の溶接要素の移動もまた、有利には分離され、溶接要素のそれぞれを必要に応じて起動させる(たとえば下降位置にもっていく)か、または起動停止させる(上昇位置に保つ)ことができる。
【0045】
本発明の別の態様によれば、シーリングステーションは、複数の圧力センサをさらに備えることができ、圧力センサのそれぞれは、それぞれのベル形状部材の内側の圧力を測定する。
【0046】
このようにして、有利には、各ベル形状部材、結果的に処理されている各カプセルに対する圧力降下レベルを個々に監視することが可能である。
【0047】
これらの圧力センサのそれぞれは、電子制御ユニットに連結することもでき、電子制御ユニットは、対応する圧力センサによって測定された、対応するベル形状部材の内側の圧力値が所定の閾値まで低下したときに各溶接要素を起動させる(たとえば下降位置に変位させる)ように、また、前記溶接要素を起動させた後、対応する前記ベル形状部材の内側の真空生成を遮断するように真空生成装置を制御するように構成される。
【0048】
この解決手段により、有利には、装置の作動を自動化し、効率的にすることが可能である。
【0049】
本発明のさらなる特徴および利点は、非限定的な例によって提供される以下の説明を付属の図と共に読み取ることにより、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】本発明の一実装形態による装置の概略側面図である。
図2図1の装置で得ることができるカプセルの底面図である。
図3図2のIII-IIIの断面図である。
図4図2のカプセルの上方から見た図である。
図5図1の装置の充填ステーションを示す詳細図である。
図6図1の装置のカバリングステーションを示す詳細図である。
図7図1の装置のシーリングステーションを示す詳細図である。
図8図1の装置のシーリングステーションを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1は、飲料、典型的にはコーヒー、茶、ハーブティまたは他のものなどの温かい飲み物を調製するように意図された使い捨てカプセル10をパッケージ化する装置100を示す。
【0052】
各カプセル10は、通常、グラス形状本体15を備える。このグラス形状本体は、底壁20と、側壁25とを備え、たとえば円筒状または円錐台形状のものであり、グラス形状本体の上縁は、口部30を画定し、径方向に外方向に突出する周囲フランジ35によって取り囲まれている。
【0053】
グラス形状本体15は、アルミニウムまたはプラスチック材料で、たとえば射出成形プロセスを用いて、または熱成形によって作製され得る。
【0054】
グラス形状本体15は、通常、装置100とは無関係のプラントによって別個に製造される。
【0055】
カプセル10は、たとえば顆粒状または粉末状の形態の食品物質の一回分の用量40をさらに備える。この食品物質の用量は、グラス形状本体15の内側に含まれ、煎じ出しおよび/またはパーコレーションによって飲み物を作るように意図される。
【0056】
食品物質は、たとえば、粉コーヒーまたは他の類似の物質であってもよい。
【0057】
最後に、カプセル10は、閉鎖フィルム45を備える。この閉鎖フィルムは、たとえばグラス形状本体15の周囲フランジ35上に溶接されて固定され、それによって口部30を気密に閉じ、内側の食品物質の用量40をシールする。
【0058】
閉鎖フィルム45もまた、アルミニウムまたはプラスチック材料で作製され得る。
【0059】
カプセル10の内部容積は、外部環境に対して低減され、それにより、食品物質の用量40は、真空下でパッケージ化される。
【0060】
上記で概説したものなどのカプセル10をパッケージ化するために、装置100は、好ましくはすべて互いに同一である複数の支持要素105を備える。
【0061】
図8に示すように、これらの支持要素105のそれぞれは、細長い本体として成形することができ、平坦表面110と、平坦表面110に対して垂直に延びる厚さHと、厚さHに対して垂直に延びる幅Wと、厚さHおよび幅Wに対して垂直に延び、長さLを画定する優勢寸法とを有する。
【0062】
各支持要素105は、複数のハウジングシート115を備え、ハウジングシートのそれぞれは、それぞれのカプセル10のグラス形状本体15を収容し、保持する(たとえば図7を参照)。
【0063】
図示する例では、各ハウジングシート115は、厚さHに対して平行な軸を有して平坦表面110から延びる貫通開口部として画定される。
【0064】
しかし、他の実施形態では、前記開口部を出口無しにすることができ、すなわちこれを、底部が閉じられ、平坦表面110のところでのみ開かれたカップ形状の空洞によって作製できることは排除されない。
【0065】
いずれの場合も、この開口部の形状は、好ましくは、グラス形状本体15の側壁25の形状に相補的であり、それにより、周囲フランジ35を平坦表面110上に載置させたままにして、グラス形状本体を同軸に挿入することができる。
【0066】
各支持要素105のハウジングシート115は、それぞれの軸を互いに平行にして、互いに隣り合わせに置かれて配置され、長さLに沿った列内に配置される。
【0067】
図示する例では、各支持要素105は、6つのハウジングシート115を備えるが、他の実施形態では、ハウジングシート115の数を変更することができる。
【0068】
支持要素105は、たとえば鋼などの金属材料で作製され得る。
【0069】
装置100は、120で全体的に示す駆動システムをさらに備える。駆動システムは、支持要素105を所定の閉ルートに沿って順に前進させる。
【0070】
この閉ルートは、図1ではTで示す作動トラクトを備え、作動トラクト内で支持要素105は、所定の直線および水平の前進方向Aに沿って前進する。
【0071】
作動トラクトTにおいて、支持要素105は、互いに平行に配置され、前進方向Aに対して横断方向に(たとえば垂直に)向けられる。
【0072】
換言すれば、作動トラクトT内の各支持要素105は、この長さLが前進方向Aに対して横断方向(たとえば垂直)であり、作動トラクトT内に位置するすべての他の支持要素Lの長さに対して平行であるように配向される。
【0073】
作動トラクトT内では、支持要素105はまた、隣り合わせに相互に置かれ、このときそれぞれの平坦表面110は、水平に、相互に共平面にして配置され、上方向に向けられている。
【0074】
このようにして、支持要素105は、バンドまたはベルトのようなものを画定し、この幅は、各支持要素105の長さLに対応し、この長さは、作動トラクトTに位置する支持要素105の幅Wの合計に実質的に等しい。
【0075】
支持要素105の駆動システム120は、たとえば、2つのチェーン125(図1では1つのみが見える)を備えることができる。このチェーンは、閉ルート内で、平行および水平回転軸を有する伝達ホイール130および135の対の周りに巻き付けられる。
【0076】
伝達ホイール130は、適切なモータ(図示せず)によって、たとえば電気モータによって回転式に駆動させることができ、こうしてチェーン125を摺動させる。
【0077】
支持要素105は、チェーン125に堅固に固定されて、チェーンのルートを辿ることができる。
【0078】
駆動システム120は、支持要素105を不連続かつ離散的なステップで前進させ、支持要素を複数の作動ステーションに次々に停止させる。
【0079】
これらの作動ステーションは、作動トラクトTの上方に配置され、前進方向Aに対して、順に、装填ステーション145と、充填ステーション150と、カバリングステーション155と、シーリングステーション160とを備える。
【0080】
装填ステーション145には、グラス形状本体15を各支持要素105の各ハウジングシート115に挿入するための手段が設けられる。グラス形状本体は、通常、空であり、閉鎖フィルム45を有さない。
【0081】
各グラス形状本体15は、軸を鉛直にし、グラス形状本体の口部を上方向に向けた状態で配向されて、周囲フランジ35が支持要素105の平坦表面110上に載置するように、相対するハウジングシート115に挿入される。
【0082】
この挿入を可能にするために、装填ステーション145は、可動要素165を備えることができる。可動要素は、これが、グラス形状本体15を送り出すコンベヤ170に重なる(図示しない)ピックアップ位置と、作動トラクトT内に位置する少なくとも1つの支持要素105に重なる(図1に示す)解放位置との間で変位するように適切な移動部材によって駆動される。
【0083】
この可動要素165は、把持部材175の少なくとも1つの配列を備えることができ、把持部材のそれぞれは、グラス形状本体15を保持する。
【0084】
たとえば、各把持部材175は、鉛直ロッドを備えることができる。鉛直ロッドは、グラス形状本体15に嵌まり込むように適合され、鉛直ロッドの下端は、把持システムを担持する。
【0085】
この配列のプレス部材175の数は、各支持要素105のハウジングシート115の数に等しくなることができ、このプレス部材は、可動要素165が解放位置に位置するとき、各把持部材175が装填ステーション145に位置する支持要素105のそれぞれのハウジングシート115に鉛直に位置合わせされるように配置され得る。
【0086】
このようにして、可動要素165は、コンベヤ170からグラス形状本体15の列全体をピックアップし、同時にこれらを支持要素105のハウジングシート115内に解放する。
【0087】
好ましくは、可動要素165は、グラス形状本体15を2つの支持要素105上に一度に装填するように、隣り合わせに相互に置かれた把持部材175の2つの配列を備えることができる。
【0088】
いずれの場合も、グラス形状本体15が解放された後、把持部材175は上昇され、支持要素105が充填ステーション150に向かって前進することを可能にする。
【0089】
充填ステーション150には通常、ハウジングシート115の内側に位置する各グラス形状本体15に食品物質40の用量を充填するための手段が設けられる。
【0090】
たとえば、充填ステーション150は、各支持要素105のハウジングシート115の数に等しい数の複数の分注グループ180を備えることができる。この分注グループは、前進方向Aに対して横断方向(たとえば垂直)に列を形成するように隣り合わせに相互に置かれて配置される。
【0091】
図5に示すように、各分注グループ180は、鉛直軸を有する円筒状本体185を備えることができる。この円筒状本体は、作動トラクトTの上方に配置され、充填ステーション150に位置する支持要素105のそれぞれのハウジングシート115と同軸に位置合わせされる。
【0092】
この円筒状本体185の内側には、知られている伝達システムによって適切なモータ195によって駆動されるオーガ190が同軸に挿入される。
【0093】
円筒状本体185の下端には、較正されたノズル200を関連付けることができる。この較正されたノズルは、オーガ190と同軸の貫通空洞を有して、粉末状物質が下方向に分注されることを可能にする。
【0094】
円筒状本体185の上端は、より大きい寸法を有する収集チャンバ205内に通じることができる。この収集チャンバは、食品物質を送り出すためのシステム、たとえば装填ホッパ210と連通する。
【0095】
オーガ190を回転させることにより、収集チャンバ205内に含まれた食品物質の一部は、制御されて円筒状本体185に沿って摺動させられ、たとえば較正されたノズル200を通って、下にある支持要素105の対応するハウジングシート115内に位置するグラス形状本体15の内側に放出される。
【0096】
各分注グループ180によって分注される粉末状物質の量は、オーガ190の回転速度を調整することによって制御され得る。
【0097】
グラス形状本体15の列全体にわたる食品物質の分注が終了した後、支持要素105は、カバリングステーション155に向かって前進させられる。
【0098】
カバリングステーション155は、通常、支持要素105のハウジングシート115内に挿入されたグラス形状本体15の口部上にそれぞれの閉鎖フィルム45をあて、固定するための手段を備える。
【0099】
たとえば、カバリングステーション155は、各支持要素105のハウジングシート115の数に等しい数の複数の切断および溶接グループ215を備えることができる。この切断および溶接グループは、前進方向Aに対して横断方向(たとえば垂直)に列を形成するように隣り合わせに相互に置かれて配置される。
【0100】
図6に詳細に示すように、各切断および溶接グループ215は、鉛直軸を有する円筒状ブレード220を備えることができる。この円筒状ブレードは、作動トラクトTの上方に配置され、下にある支持要素105のそれぞれのハウジングシート115と同軸に位置合わせされる。
【0101】
円筒状ブレード220は、グラス形状本体15の周囲フランジ35の外径と実質的に等しく、いずれの場合もこの外径を下回らない直径を有する。
【0102】
適切な駆動部材225、たとえば空圧ジャッキを円筒状ブレード220に関連付けることができる。この駆動部材は、円筒状ブレードを鉛直方向に沿って、円筒状ブレード220が支持要素105から離れる(図に示す)上昇位置と、円筒状ブレード220が支持要素105により近づく下降位置(図示せず)との間で移動させる。
【0103】
たとえば、円筒状ブレード220は、駆動部材225によって鉛直に移動される支持ブラケット230に剛性に固定され得る。
【0104】
環状パッド235を円筒状ブレード220に関連付けることもできる。この環状パッドは、円筒状ブレード220上に同軸に挿入され、円筒状ブレードに対して、環状パッド235が円筒状ブレード220の下方にわずかに突出する(図に示す)第1の位置と、環状パッド235が円筒状ブレード220より高くなる第2の位置(図示せず)との間で鉛直に移動可能である。
【0105】
たとえば、環状パッド235を円筒状ブレード220が固定された同じ支持ブラケット230に、ただし懸架システム、たとえばばねによって連結することができ、それによって環状パッドが上述の相対運動を実行することを可能にする。
【0106】
切断および溶接グループ215は、対向ブレード240をさらに備えることができる。この対向ブレードは、プレート250内に得られた円筒状貫通開口部245の縁によって画定され得る。
【0107】
円筒状貫通開口部245は、円筒状ブレード220と同軸に置かれ、円筒状ブレードの直径と実質的に等しく、またはいずれの場合もこれよりも下回らない直径を有する。
【0108】
プレート250は、複数の前記開口部245を備えることができ、開口部のそれぞれは、対応する対向ブレード240を画定することができるようにそれぞれの切断および溶接グループ215の円筒状ブレード220に対して同軸に置かれる。
【0109】
プレート250は、常に定置式であるように固定された構造(図示せず)によって支持され得る。
【0110】
円筒状ブレード220が(図に示すように)上昇位置にあるとき、プレート250は、円筒状ブレード220と下にある支持要素105との間に鉛直に差し込まれる。
【0111】
上昇位置にある円筒状ブレード220とプレート250との間に、たとえばアルミニウムまたはプラスチック材料の、カプセル10の閉鎖フィルム45を作る材料のバンド255が摺動可能に挿入される。
【0112】
このバンド255は、通常、水平に配置され、プレート250と接触して摺動することができ、プレート内に画定されたすべての貫通開口部245を覆うことができる。
【0113】
バンド255は、巻き出しリールと、従来のものであるため図示しない切れ端を収集するためのリールとの間を摺動することができる。
【0114】
各切断および溶接グループ215の作動中、円筒状ブレード220は、上昇位置から下降位置に変位される。
【0115】
この変位に続いて、環状パッド235は最初にバンド255と接触して、これをプレート250に押しつけて局所的にブロックし、その後、環状パッド235に対して鉛直に摺動し続ける円筒状ブレード220は、バンド255を切断して閉鎖フィルム45を画定するディスクを分離する。
【0116】
各切断および溶接グループ215は、溶接要素260をさらに備える。この溶接要素は、円筒状ブレード220内に同軸に含まれた円筒状パンチのように実質的に成形される。
【0117】
この溶接要素260は、駆動部材265、たとえば別の空圧ジャッキに連結される。この駆動部材は、溶接要素を円筒状ブレード220の内側で、溶接要素260が円筒状ブレード220の下縁の上方に置かれる(図に示す)後退位置と、溶接要素260が円筒状ブレード220の下方に突出する(図に示さない)引き出し位置との間で移動させる。
【0118】
このようにして、円筒状ブレード220がバンド255の切断を実行した後、溶接要素260は、後退位置から引き出し位置まで変位され、閉鎖フィルム45を、対応する下にあるハウジングシート115内に位置するグラス形状本体15の周囲フランジ35上に載置するように押し出す。
【0119】
このようにして、閉鎖フィルム45は、グラス形状本体15の口部を覆い、食品物質の用量40をグラス形状本体の内側に閉じ込める。
【0120】
加熱部材270、たとえば、閉鎖フィルム45を周囲フランジ35上に溶接するために溶接要素26の温度を上昇させる給電レジスタが、溶接要素260に関連付けられる。
【0121】
しかし、溶接要素260の形態は、局所的にのみ溶接が行われるように選択され、したがって、閉鎖フィルム45がグラス形状本体15に固定されたままであることを確実にするが、それと同時に閉鎖フィルム45と周囲フランジ35との間で少なくとも1つのスロットが開いたままであることを確実にする。このスロットは、グラス形状本体15の内部容積を外側と連通させる。
【0122】
この溶接ステップが終了した後、溶接要素260は後退位置に戻され、円筒状ブレード220は上昇位置に変位され、それによって支持要素15がシーリングステーション160に向かって前進することを可能にする。
【0123】
シーリングステーション160は、通常、支持要素105のハウジングシート115内に置かれたグラス形状本体15の内部容積を真空下に置き、閉鎖フィルム45をグラス形状本体の口部上に完全にシールする手段を備える。
【0124】
図8に示すように、シーリングステーション160は、各支持要素105のハウジングシート115の数に等しい数の複数の真空グループ275を備える。この真空グループは、作動トラクトTの上方に隣り合わせに相互に置かれて配置されて、前進方向Aに対して横断方向に(たとえば直交して)列を形成する。
【0125】
各真空グループ275は、ベル形状部材280を備える。このベル形状部材は、下方向に向けられた口部を有し、シーリングステーション160(図7を参照)内に位置する支持要素105のそれぞれのハウジングシート115に鉛直に重なる。
【0126】
実際、シーリングステーション160のベル形状部材280は、支持要素105の前進方向Aに対して横断方向に(たとえば直交して)隣り合わせに相互に置かれ、ベル形状部材のそれぞれは、下方向に向けられ、支持要素105のそれぞれのハウジングシート115に重なるように適合された口部を有する。
【0127】
たとえば、各ベル形状部材280は、たとえば、角柱形状の外側本体285を備えることができ、外側本体の内側には、鉛直軸と、実質的に円形の形状であることができる断面とを有する貫通開口部290が、(前記鉛直軸に対して直交する断面平面に対して)形成される。
【0128】
好ましくは、貫通開口部290の軸は、シーリングステーション160に位置する支持要素105の対応するハウジングシート115の軸と同一である。
【0129】
貫通開口部290の下端は、ベル形状部材280の口部を画定し、その一方で上端は、ベル形状部材280の上部を画定するシャッタ本体295によって、好ましくは気密に閉じられる。
【0130】
このようにして、下端とシャッタ本体295との間に含まれる貫通開口部290の容積は、ベル形状部材280の内部容積を表す、下方向のみに開くカップ形状空洞を画定する。
【0131】
下端において、貫通開口部290の直径は、カプセル10の周囲フランジ35の直径と実質的に等しいか、またはこれよりわずかに大きい。
【0132】
シーリングステーション160はまた、全体的に300で示す移動装置を備える。この移動装置は、各ベル形状部材280を、鉛直方向に、ベル形状部材280の口部が支持要素105から離隔して置かれる(図に示す)上昇位置と、ベル形状部材280の口部が支持要素105上に載置し、対応するハウジングシート115のみを取り囲み、封入する、(図に示さない)下降位置との間で移動させる。
【0133】
好ましくは、移動装置300は、各ベル形状部材280を、シーリングステーション160の他のベル形状部材280から独立的に移動させる。
【0134】
たとえば、各ベル形状部材280を、それぞれのジャッキ305、好ましくは空圧ジャッキによって駆動させることができる。このジャッキは、本体310と、本体310に対して軸方向に摺動するステム315とを備える。
【0135】
図示する例では、ステム315を下方向に鉛直に向け、支持シェルフ320に固定することができる。この支持シェルフに対して、シーリングステーション160のジャッキ305すべてのステム315を固定することができ、支持シェルフは、常に定置式であるように支持構造(図示せず)に堅固に固定され得る。
【0136】
その反対に、各ジャッキ305の本体310は、たとえばステム315の反対側で、ジャッキ305の本体310に剛性に固定されたフランジ325と、フランジ325をベル形状部材280の外側本体285に剛性に接合する複数の連結スタッド330とによって、それぞれのベル形状部材280に剛性に連結され得る。
【0137】
このようにして、ステム315の摺動後、各ジャッキ305の本体310は、鉛直に上方向または下方向に移動させられて、対応するベル形状部材280を上昇位置と下降位置との間で変位させる。
【0138】
ベル形状部材280が下降位置にあるとき、この口部は、支持要素105および対応するハウジングシート115内に位置するカプセル10によって閉じられて、外部環境に対して絶縁された容積を境界付ける。
【0139】
各ハウジングシート115が貫通開口部ではなく、出口無しの空洞によって画定される場合では、絶縁された容積は、ベル形状部材280の空洞の容積および前述の出口無しの空洞の容積によって画定され得る。
【0140】
いずれの場合も、前述の絶縁された容積の気密性を確実にするために、各ベル形状部材280は、環状ガスケット335を備えることができる。この環状ガスケットは、ベル形状部材の口部を取り囲み、ベル形状部材280と支持要素105との間で圧縮される。
【0141】
たとえば、この環状ガスケット335は、外側本体285の下端において形成されたシート内に収容され得る。
【0142】
各ベル形状部材280は、全体的に340で示す真空生成装置に連結される。真空生成装置は、ベル形状部材280が下降位置にあるときにベル形状部材280の内部容積を低減させる。
【0143】
好ましくは、真空生成装置340は、各ベル形状部材280の内部容積を他のベル形状部材280から独立的に低減させる。
【0144】
たとえば、真空生成装置340は、シーリングステーション160のベル形状部材280の数に等しい数の、ベンチュリタイプの複数の真空生成器345を備えることができ、真空生成器のそれぞれは、それぞれのベル形状部材280の内部容積に一意的かつ個々に連結される。
【0145】
各真空生成器345は、本体350を備えることができ、この内部には、第2の分岐トラクトが後に続く第1の収束トラクトを備えるダクト355が形成される。
【0146】
収束トラクトと分岐トラクトとの間に備えられるダクト355の制限されたゾーンにおいて、本体350は、ブランチダクト360を備えることができる。ブランチダクトは、対応するベル形状部材280の内部容積と連結することができる。
【0147】
たとえば、ブランチダクト360を、ベル形状部材280の外側本体285内に形成され、ベル形状部材の内部容積と連通する開口部365に連結することができる(図8を参照)。
【0148】
真空生成器345のダクト355は、空気流がこれを横断することができるように圧縮空気源370、たとえばコンプレッサに連結する。
【0149】
この空気流は、実質的にはベンチュリ効果によって、ダクト355の制限されたトラクト内に圧力降下を生成し、それによってブランチダクト360を介して、下降位置にあるベル形状部材280によって画定された絶縁された容積内に含まれた空気を吸引することができる。
【0150】
このようにして、カプセル10内に含まれた空気も吸引される。この空気は、閉鎖フィルム45と、グラス形状本体15の周囲フランジ35との間で開いたままであるスロットを流れ抜けて、カプセル10を真空下にもっていくことができる。
【0151】
圧縮空気源370は、場合によってはそれぞれの遮断弁375を介して、シーリングステーション160の真空生成器345すべてに連結され得る。
【0152】
このようにして、各ベル形状部材280の内側の圧力が、カプセル10内の真空の十分な状態を表す所定の閾値を下回って低下したとき、対応する真空生成器345は、たとえばそれぞれの遮断弁375を他のすべての真空生成器345から独立して閉じることによって起動停止にされ得る。
【0153】
この点に関して、シーリングステーション160の各真空グループ275がそれぞれの圧力センサ380を備えることも好ましい。圧力センサは、対応するベル形状部材280の内側の圧力を測定するように配置される。
【0154】
圧力センサ380は、電子制御ユニット385に連結され得る。この電子制御ユニットは、対応するベル形状部材280が下降位置にもっていかれたときに、たとえば対応する遮断弁375を開くことによって各真空生成器345を起動させるように、また、対応する圧力センサ380によって測定された圧力値が閾値を下回って低下したときのみ、たとえば対応する遮断弁375を閉じることによって各真空生成器345を起動停止するように構成され得る。
【0155】
これにより、すべてのカプセル10内に所望の程度の真空が別個に生成されることが確実にされる。
【0156】
シーリングステーション160の各真空グループ275もまた、それぞれの溶接要素390を備えることができる。この溶接要素は、対応するベル形状部材280の内部容積内に含まれ、それによってカプセル10上の閉鎖フィルム45の溶接を完成させる。
【0157】
たとえば、各溶接要素390は、それぞれのベル形状部材280の上部を画定するシャッタ本体295に剛性に固定可能であるか、またはこの一体部分であることができる。
【0158】
シャッタ本体295と一緒になって、各溶接要素390は、対応するベル形状部材280の内側で、溶接要素390がベル形状部材280の口部から離隔される(図に示す)上昇位置から、溶接要素390が前記口部により近く、好ましくはこれと同一平面またはこれに匹敵する下降位置(図示せず)との間で移動可能となり得る。
【0159】
この鉛直運動を実施するために、シーリングステーション160は、全体的に395で示す第2の移動装置を備えることができる。この第2の移動装置は、各溶接要素390を前記上昇位置と前記下降位置との間で移動させる。
【0160】
好ましくは、前記第2の移動装置395は、各溶接要素390をシーリングステーション160の他の溶接要素390から独立して移動させる。
【0161】
たとえば、各溶接要素390は、それぞれのジャッキ400、好ましくは空圧作動式ジャッキによって駆動させることができる。この空圧作動式ジャッキは、本体405と、本体405に対して軸方向に摺動するステム410とを備える。
【0162】
図示する例では、ステム410を下方向に鉛直に向けて、たとえばシャッタ本体295を介して溶接要素390に剛性に固定することができる。
【0163】
その反対に、本体405は、ジャッキ305をベル形状部材280の外側本体285の移動を駆動するのに適するようにもっていくフランジ325に剛性に連結され得る。
【0164】
たとえば、ジャッキ400およびジャッキ305は、互いに鉛直に重なり合うことができる。
【0165】
このようにして、ステム410の摺動に続いて、溶接要素390は、ベル形状部材280の外側本体285の内側で摺動して、それ自体を上昇位置と下降位置との間で変位させることができる。
【0166】
しかし、他の実施形態では、ベル形状部材280の外側本体285の駆動および相対溶接要素390の駆動が異なって行われ得ることは排除されない。
【0167】
たとえば、溶接要素390を、場合によってはそれぞれのシャッタ本体295を介して駆動ジャッキに剛性に連結することができ、その一方で外側本体285を、カバリングステーション155の円筒状ブレード220および環状パッド235を参照して示したものと同様に、懸架システムによって溶接要素390に連結することができる。
【0168】
このようにして、溶接要素390を下方向に変位させる間、外側本体285は最初に支持要素105との接触に到達し、真空を内部に生成することが可能である絶縁された容積部を作り出し、その後、溶接要素390を下降させ続け、溶接要素は、この下降位置に達するまで外側本体285に対して摺動し続けることができる。
【0169】
いずれの場合も、各溶接要素390は、それぞれのベル形状部材280内で所望の真空度に達した後にのみ、好ましくは他の溶接要素390から独立して作動状態にされ、すなわちこの溶接要素は、下側位置にもっていかれる。
【0170】
たとえば、シーリングステーション160の各溶接要素390の変位は、対応する圧力センサによって実施された測定に基づいて、電子制御ユニット385によって制御され得る。
【0171】
加熱部材415、たとえば、グラス形状本体15の周囲フランジ35上に閉鎖フィルム45を溶接するのに適するように溶接要素390の温度を上昇させる給電レジスタが、溶接要素390に関連付けられる。
【0172】
この点に関して、溶接要素390の形態は、通常、リングものであることができ、下にある支持要素105の対応するハウジングシート115に対して同軸に配置され、明らかに閉鎖フィルム45の介在を伴って、前記ハウジングシート115内に含まれたグラス15の周囲フランジ35上に載置できるような寸法を有する。
【0173】
たとえば、溶接要素390を画定するリングの内径は、周囲フランジ35の内径に実質的に等しくなることができ、その一方でリングの外径は、周囲フランジ35の外径に実質的に等しくなることができる。
【0174】
他の実施形態では、溶接要素390は、上記で概説したリングのものに対応する外径を有する、完全ディスクとして成形され得る。
【0175】
溶接要素390は、カバリングフィルム45をグラス形状本体15の周囲フランジ35全体に溶接し得る。
【0176】
しかし、他の実施形態では、溶接要素390は、カバリングステーション155において事前に溶接されなかった閉鎖フィルム45のゾーンのみを周囲フランジ35上に溶接するように成形され得る。
【0177】
いずれの場合も、この第2の溶接ステップの終了時、カプセル10の内部容積を外部環境に対して気密に絶縁して、食品物質の用量40を真空状態下に維持しなければならない。
【0178】
この目的のために、電子制御ユニット385は、各真空グループ275を他のものから独立して、次のスキームに従って制御するように構成され得る。
【0179】
支持要素105がシーリングステーション160において停止されたとき、電子制御ユニット385は、ベル形状部材280を下降位置に移動するように制御する。
【0180】
この時点で、電子制御ユニット385は、たとえば遮断弁375を開くことによって真空生成器345を起動させる。真空生成器345は、遮断弁を介して圧縮空気源370に連結される。
【0181】
このようにして、ベル形状部材280の内部容積内に圧力降下が作り出され、それによって、閉鎖フィルム45とグラス形状本体15の周囲フランジ35との間で開いたままであるスロットにより、空気をカプセル10から吸引する。
【0182】
ベル形状部材280の内部容積内の圧力レベルは、対応する圧力センサ380によって測定される。
【0183】
圧力センサ380によって測定された圧力が所定の閾値まで低下したとき、電子制御ユニット385は、溶接要素390を、それ自体が下降位置に変位するように制御し、それと同時にベル形状部材280を停止状態に、真空生成器345を動作状態に維持する。
【0184】
溶接要素390が、真空下でカプセル10の内側の食品物質の用量40をシーリングすることによって閉鎖フィルム45の溶接を完了した後すぐに、電子制御ユニット385は、たとえば遮断弁375を閉じることによって真空生成器345を起動停止させることができ、溶接要素390およびベル形状部材280をこれら自体が再度上昇位置に変位するように制御することができる。
【0185】
シーリングステーション160のベル形状部材280すべてが上昇位置に到達したとき、支持要素105は、たとえばカプセル10を取り外すためのステーションに向かって前進させられ得る。
【0186】
予想されるように、これらの作動ステップのすべては、各真空グループ275に対して、したがってシーリングステーション160内に進む各カプセル10に対して独立的に電子制御ユニット385によって制御され得る。
【0187】
このようにして、(単一のベル形状部材280の容積は比較的小さく、したがって所望の真空値に到達するのに少しの時間しか必要とされないため)実行が極めてすばやく、(真空生成器345は、厳密には、対応するベル形状部材280を真空下に置くのに必要な時間しか作動し続けないため)エネルギー削減が大きく、(処理されている単一のカプセル10ごとに所望の真空レベルに到達したかをチェックし、確認するのが可能であるため)非常に効率的であることが、保証される。
【0188】
真空グループ275の独立した制御により、欠陥を有する可能性があり、その後破棄される可能性がある個々のカプセル10を真空下でシールするためのステップを実行することを、他のカプセル10の同じ真空シーリングステップの実行を妨げることなく回避することが可能であることも有利である。
【0189】
明確なことに、当業者は、特許請求する本発明の範囲から逸脱することなく、上記で説明した装置100に対していくつかの技術的に適用可能な改変を加えることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8