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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-30
(45)【発行日】2023-07-10
(54)【発明の名称】ばね支持式の電気コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/24 20060101AFI20230703BHJP
   H01R 13/22 20060101ALI20230703BHJP
   H01R 13/64 20060101ALI20230703BHJP
   H01R 13/62 20060101ALI20230703BHJP
   H01R 12/89 20110101ALI20230703BHJP
【FI】
H01R13/24
H01R13/22 B
H01R13/64
H01R13/62
H01R12/89
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021544230
(86)(22)【出願日】2020-01-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-24
(86)【国際出願番号】 US2020014928
(87)【国際公開番号】W WO2020159816
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-08-23
(31)【優先権主張番号】16/262,085
(32)【優先日】2019-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591137396
【氏名又は名称】アンフェノール コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100102934
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 彰
(72)【発明者】
【氏名】フランク ロナルド アイ.
(72)【発明者】
【氏名】アールメシャロス ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】グラール ジョージ エル. ジュニア.
(72)【発明者】
【氏名】イショーグ ブレイデン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ヘネムス ロバート ジー. ザサード
(72)【発明者】
【氏名】スミス マイケル ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ヤシン マイケル エー.
(72)【発明者】
【氏名】ユーダル ゴードン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】マクネビン ダニエル アール.
【審査官】松原 陽介
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-255901(JP,A)
【文献】特開昭51-000683(JP,A)
【文献】特表2001-508314(JP,A)
【文献】特開平10-340758(JP,A)
【文献】特開2005-302689(JP,A)
【文献】米国特許第5248261(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/00,12/50-12/91
H01R 24/00-24/86
H01R 13/22
H01R 13/64
H01R 13/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容領域および結合用インターフェイスを備えたハウジングと、
前記ハウジング内に収容されたコンタクト搬送体であって、収容部分およびばね接続用部分を含み、コンタクト部材を支持するコンタクト搬送体と、
前記コンタクト搬送体の前記収容部分に、前記コンタクト部材が間に入るように組み込まれたインターポーザと、
前記コンタクト搬送体の前記ばね接続用部分と関連して動作可能な少なくとも1つのばね部材とを備え、
前記コンタクト搬送体は、前記ハウジングに対して、結合相手のコネクタが挿入される長手方向の結合軸に対して、垂直または実質的に垂直な軸に沿って、電気的に非結合の位置と結合した位置との間を移動可能であり、長さに対して外径が小さい電気コネクタ。
【請求項2】
請求項1において、
前記コンタクト部材は、フレキシブル回路基板である、電気コネクタ。
【請求項3】
請求項2において、
前記インターポーザは、前記コンタクト部材と電気的に接続するための少なくとも1つの接続面を含む、電気コネクタ。
【請求項4】
請求項3において、
前記少なくとも1つの接続面は、前記コンタクト搬送体に連結された前記コンタクト部材と電気的に接続する複数の個別の接点を含む、電気コネクタ。
【請求項5】
請求項3において、
前記インターポーザは、前記少なくとも1つの接続面とは反対側の第2の接続面であって、結合相手のコネクタと電気的に接続するための第2の接続面を含む、電気コネクタ。
【請求項6】
収容領域および結合用インターフェイスを備えたハウジングと、
前記ハウジング内に収容されたコンタクト搬送体であって、収容部分およびばね接続用部分を含み、コンタクト部材を支持するコンタクト搬送体と、
前記コンタクト搬送体の前記収容部分に、前記コンタクト部材が間に入るように組み込まれたインターポーザと、
前記コンタクト搬送体の前記ばね接続用部分と関連して動作可能な少なくとも1つのばね部材とを備え、
前記コンタクト搬送体は、前記ハウジングに対して、長手方向の結合軸に対して、垂直または実質的に垂直な軸に沿って、電気的に非結合の位置と結合した位置との間を移動可能であり、さらに
前記コンタクト搬送体を貫通して前記インターポーザ内に至り、前記インターポーザを結合相手のコネクタのコンタクト部材と位置合わせするための少なくとも1つの位置合わせ用のピンをさらに備える、電気コネクタ。
【請求項7】
レセプタクルとプラグとを有し、
前記レセプタクルは、収容領域を含むハウジングと、
前記ハウジング内に収容されたコンタクト搬送体であって、収容部分およびばね接続用部分を含み、第1のコンタクト部材を支持するコンタクト搬送体と、
前記コンタクト搬送体の前記収容部分に、前記第1のコンタクト部材が間に入るように組み込まれたインターポーザであって、前記第1のコンタクト部材と電気的に接続するための第1の接続面と、その反対側で、結合相手の前記プラグの第2のコンタクト部材と電気的に接続するための第2の接続面とを含む両面接続タイプのインターポーザと、
前記コンタクト搬送体の前記ばね接続用部分と関連して動作可能な少なくとも1つのばね部材とを備えており、前記コンタクト搬送体は、前記ハウジングに対して電気的に非結合の位置と結合した位置との間を移動可能であり、
前記プラグは、前記レセプタクルのハウジングの前記収容領域内に挿入されるように構成された結合用インターフェイスと、前記第1のコンタクト部材とは反対側で前記レセプタクルのハウジングの前記インターポーザと接続するように構成された前記第2のコンタクト部材とを含むハウジングを備えている、電気コネクタアセンブリ。
【請求項8】
レセプタクルとプラグとを有し、
前記レセプタクルは、収容領域を含むハウジングと、
前記ハウジング内に収容されたコンタクト搬送体であって、収容部分およびばね接続用部分を含み、第1のコンタクト部材を支持するコンタクト搬送体と、
前記コンタクト搬送体の前記収容部分に、前記第1のコンタクト部材が間に入るように組み込まれたインターポーザと、
前記コンタクト搬送体の前記ばね接続用部分と関連して動作可能な少なくとも1つのばね部材とを備えており、前記コンタクト搬送体は、前記ハウジングに対して電気的に非結合の位置と結合した位置との間を移動可能であり、
前記プラグは、前記レセプタクルのハウジングの前記収容領域内に挿入されるように構成された結合用インターフェイスと、前記第1のコンタクト部材とは反対側で前記レセプタクルのハウジングの前記インターポーザと接続するように構成された第2のコンタクト部材とを含むハウジングを備えており、
前記第1のコンタクト部材および前記第2のコンタクト部材の各々は、フレキシブルプリント回路基板である、電気コネクタアセンブリ。
【請求項9】
請求項7において、
前記コンタクト搬送体は、前記レセプタクルおよび前記プラグの長手方向の結合軸に対して垂直または実質的に垂直である軸に沿って、前記電気的に非結合の位置と結合した位置との間で移動する、電気コネクタアセンブリ。
【請求項10】
レセプタクルとプラグとを有し、
前記レセプタクルは、収容領域を含むハウジングと、
前記ハウジング内に収容されたコンタクト搬送体であって、収容部分およびばね接続用部分を含み、第1のコンタクト部材を支持するコンタクト搬送体と、
前記コンタクト搬送体の前記収容部分に、前記第1のコンタクト部材が間に入るように組み込まれたインターポーザと、
前記コンタクト搬送体の前記ばね接続用部分と関連して動作可能な少なくとも1つのばね部材とを備えており、前記コンタクト搬送体は、前記ハウジングに対して電気的に非結合の位置と結合した位置との間を移動可能であり、
前記プラグは、前記レセプタクルのハウジングの前記収容領域内に挿入されるように構成された結合用インターフェイスと、前記第1のコンタクト部材とは反対側で前記レセプタクルのハウジングの前記インターポーザと接続するように構成された第2のコンタクト部材とを含むハウジングを備えており
当該コネクタアセンブリを前記電気的に結合した位置に保持するためのラッチ機構をさらに備えている、電気コネクタアセンブリ。
【請求項11】
請求項10において、
前記ラッチ機構は、非アクティブな位置とアクティブな位置との間で回転するカム部材を含み、前記プラグの前記第2のコンタクト部材を動かし、前記レセプタクルの前記コンタクト搬送体を前記電気的に非結合の位置と結合した状態の位置との間でそれぞれ動かす、電気コネクタアセンブリ。
【請求項12】
請求項11において、
前記カム部材は、前記非アクティブな位置から前記アクティブな位置まで、約45、約90、約135、約180、または約225のいずれかで回転される、電気コネクタアセンブリ。
【請求項13】
請求項11において、
前記カム部材は、幅および厚さを有するステムを含み、前記幅は前記厚さよりも大きい、電気コネクタアセンブリ。
【請求項14】
請求項11において、
前記カム部材は、前記プラグの連結ナットに連結される端部を含む、電気コネクタアセンブリ。
【請求項15】
請求項11において、
前記プラグは、前記第2のコンタクト部材と関連付けられた昇降支持体を含み、前記昇降支持体は、前記カム部材の前記非アクティブな位置および前記アクティブな位置とそれぞれ協働する第1の位置と第2の位置との間で移動するように構成されている、電気コネクタアセンブリ。
【請求項16】
請求項10において、
前記ラッチ機構は、非アクティブ位置とアクティブ位置との間でスライドするように構成されたスライドラッチ部材であり、前記プラグの前記第2のコンタクト部材を動かし、前記レセプタクルの前記コンタクト搬送体を前記電気的に非結合の位置と結合した状態の位置との間でそれぞれ動かす、電気コネクタ。
【請求項17】
請求項16において、
前記プラグは、前記第2のコンタクト部材と関連付けられた昇降支持体を含み、前記昇降支持体は、前記スライドラッチ部材の前記非アクティブ位置および前記アクティブ位置とそれぞれ協働する第1の位置と第2の位置との間で移動するように構成されている、電気コネクタアセンブリ。
【請求項18】
請求項10において、
前記ラッチ機構は、前記プラグの前記結合用インターフェイスにおいてラッチ動作の解放部を含み、前記解放部は前記プラグが前記レセプタクルと結合したときに押圧するよう
に構成されている、電気コネクタアセンブリ。
【請求項19】
レセプタクルとプラグとを有し、
前記レセプタクルは、収容領域を含むハウジングと、
前記ハウジング内に収容されたコンタクト搬送体であって、収容部分およびばね接続用部分を含み、第1のコンタクト部材を支持するコンタクト搬送体と、
前記コンタクト搬送体の前記収容部分に、前記第1のコンタクト部材が間に入るように組み込まれたインターポーザと、
前記コンタクト搬送体の前記ばね接続用部分と関連して動作可能な少なくとも1つのばね部材とを備えており、前記コンタクト搬送体は、前記ハウジングに対して電気的に非結合の位置と結合した位置との間を移動可能であり、
前記プラグは、前記レセプタクルのハウジングの前記収容領域内に挿入されるように構成された結合用インターフェイスと、前記第1のコンタクト部材とは反対側で前記レセプタクルのハウジングの前記インターポーザと接続するように構成された第2のコンタクト部材とを含むハウジングを備えており、
少なくとも1つの位置合わせ用のピンが、前記第1のコンタクト部材、前記インターポーザ、および前記第2のコンタクト部材を通って延び、それらを位置合わせする、電気コネクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2017年6月6日に出願された「ばね支持式の電気コネクタ」と題する米国特許出願第15/615,470号(現在は米国特許第10,050,367号)の継続出願である、2018年8月3日に出願された「ばね支持式の電気コネクタ」と題する米国特許出願第16/054,746号(現在は米国特許第10,249,973号)の一部継続出願である、2019年1月30日に出願された「ばね支持式の電気コネクタ」と題する米国特許出願第16/262,085号の優先権を主張するものであり、それらの各々の内容は参照により組み込まれる。
【0002】
技術分野
本発明は、ばねで支持された(ばねで懸架された、ばねで押上られた、ばね付勢型の、スプリングローデド)コアまたはコンタクト搬送体(コンタクトキャリア)を有し、結合相手のコネクタとの間で最適な結合用の力が得られ、整合性のある信号が安定して得られる電気コネクタ(電気的接続装置)に関するものである。
【背景技術】
【0003】
従来の高密度電気コネクタは、パッケージサイズを小さくするために間隔を短くして密度を上げる必要性があり、そのため公差が累積して接続障害が発生し、接続が断続的になったり、結合用インターフェイスに結合信頼性の問題があることが多い。さらに、従来の高密度コネクタは、製造コストが高く、信号数を増加すると体積も増加する。したがって、コネクタのサイズを増大させることなく接点の密度を上げることができ、コネクタシステムの別のコネクタと結合されたときに、整合性のある信号が安定して得られるコネクタシステムを提供できる電気コネクタが要望されている。
【発明の概要】
【0004】
このため、本発明により、結合(雄雌結合)用のインターフェイス(接続)端部セクションと、反対側のケーブル終端部セクションと、内部支持部材とを有するハウジングを備える電気コネクタ(電気的接続部、電気的接続装置)を提供してもよい。コアは、ハウジングの内部支持部材にスライド可能に連結され、収容端(受入れ端、受容端)とばね接続用端(ばね係合端)とを含む。ばね部材は、コアのばね接続用端と当接するように、ハウジングの内部のコアの後側に収容される(受入れられる)。インターポーザは、コアの収容端に収容され、ばね部材から離れていてもよい。コアは、内部支持部材に対してハウジングの長手方向の軸に沿って軸方向にスライド可能であり、ばね部材がコアをハウジングのケーブル終端部から離れるように外側に押した状態の非結合位置(結合が解除された位置)と、コアがばね部材に対して内側に押した状態の結合位置との間で動く。
【0005】
1つの好ましい実施形態では、電気コネクタは、コアに連結されたコンタクト(接触部材、接点部材)を含み、コンタクト部材は、インターポーザに隣接する一端と、ハウジングのケーブル終端セクションの近くまたはケーブル終端セクションにある他端とを有する。コンタクト部材は、端面と、その反対側の末端とを有するフレキシブルプリント回路基板であってもよい。インターポーザは、コンタクト部材と電気的に接続するための少なくとも1つの接触面(コンタクトサイド、接触側)を含んでもよい。インターポーザは、ハウジングの内部支持部材によってコアの収容端内に支持されていてもよい。
【0006】
他の実施形態では、上記の少なくとも1つの接続面は、コアに連結されたコンタクト部材と電気的に接続する複数の個々の(独立した)接点を含み、インターポーザは、少なくとも1つの接続面とは反対側の第2の接続面(コンタクトサイド、接続側)であって、結合相手のコネクタと電気的に接続するための第2の接続面を含み、インターポーザを貫通してコア内に延在してインターポーザとコンタクト部材とを位置合わせする少なくとも1つの位置合わせ用のピンを設けてもよい。これらの位置合わせ用のピンは精度よく位置合わせする機能を備えていてもよく、結合相手のコネクタまで延びてコネクタ同士を十分に精度よく位置合わせすることにより、全ての接点が、複数のフレックス回路の結合相手のパッドと整列するようにしてもよい。別の実施形態では、ハウジングの内部支持部材は、長手方向に延びた中央の柱(中心ポスト、センターポスト)であり、センターポストは、ハウジングの結合用のインターフェイス端部を越え、インターポーザを貫通して延びた自由な(遊離した)先端(遠位端)を有する。一実施形態では、ばね部材は少なくとも1つの波形ばねである。
【0007】
本発明はまた、結合用インターフェイス端部セクションと、反対側のケーブル終端部セクションと、内部支持部材とを含むハウジングを備える電気コネクタを含んでもよく、コアは、ハウジングの内部支持部材にスライド可能に連結され、収容端(収納端)とばね接続用端とを含む。ばね部材は、コアのばね接続用端と当接するように、ハウジングの内側のコアの後ろに収容される。第1のコンタクト部材はコアに連結される。両面接続用のインターポーザは、コアの収容端に収容され、ばね部材から離れていてもよく、対向する第1および第2の接続面を含み、第1の接続面(接続側)は第1のコンタクト部材と電気的に接続するように構成され、第2の接続面(接続側)は結合対象のコネクタと電気的に接続するように構成される。コアは、ばね部材がコアをハウジングのケーブル終端部から離れるように外側に押す非結合位置と、コアがばね部材に対して内側に押す結合位置との間で、ハウジングの長手方向(縦方向)の軸に沿って内部支持部材に対して軸方向にスライド可能である。
【0008】
一実施形態では、コアに連結された第1のコンタクト部材は、両面接続型のインターポーザの第1の接続面と接触する端面と、ハウジングのケーブル終端セクション、またはその近くに位置する末端とを有するフレキシブルプリント回路基板である。別の実施形態では、コンタクト部材は、従来の柔軟性のないプリント回路基板であってもよい。両面接続型のインターポーザの第1および第2の接続面(接続側)は、複数の個別の接点を含んでもよい。別の実施形態では、両面接続型のインターポーザは、複数の個別の接点を支持するウェハ本体を有し、複数の個別の接点のそれぞれはCクリップである。ハウジングの内部支持部材は、長手方向に延びた中柱(中心ポスト、センターポスト)であってもよく、センタポストは、ハウジングのインターフェイス端部を越えて両面接続タイプのインターポーザを通って延在する自由な(遊離した)先端(遠位端)を有する。
【0009】
好ましい実施形態の1つでは、結合相手のコネクタは、コアが結合位置にあるときにハウジングに結合され、それにより、結合対象のコネクタの第2のコンタクト部材がコア内に収容され、両面接続型のインターポーザの第2の面と電気的に接続し、第1のコンタクト部材が両面接続型のインターポーザの第1の面と電気的に接続する。第2の接続部材は、両面接続型のインターポーザの第2の接続面に当接する端面を有するフレキシブルプリント回路基板であってもよい。さらに別の実施形態では、外部連結用部材は、結合対象のコネクタをハウジングに結合(連結)するためにハウジングの結合用インターフェイス端部セクションに収容される。他の実施形態では、ハウジングの内部支持部材は、長手方向に延在するセンターポストであり、ポスト(柱)は、ハウジングの結合用インターフェイス端部を越えて、両面接続用のインターポーザを通って延在し、結合相手のコネクタの対応するポストと組み合わされる(噛み合う、係合する)先端(遠位自由端)を有する。少なくとも1つの位置合わせ用のピンが、第1のコンタクト部材、両面接続用のインターポーザ、および第2のコンタクト部材を通って、それらの位置を合わせるように延びている。さらに、ばね部材は少なくとも1つの波形ばねである。別の実施形態では、複数のコネクタを適切に位置合わせするために、全体的な位置合わせ機構として機能するキー溝をコネクタおよび結合対象のコネクタに設けてもよい。
【0010】
本発明はさらに、電気コネクタ(電気的接続器、電気的接続装置)であって、結合用インターフェイス端部セクションおよび反対側のケーブル終端部セクションを含み、内部支持部材を含むハウジングを有し、コンタクトキャリア(接続部搬送体)がハウジングにスライド可能に連結され、そのコンタクトキャリアが収容端およびばね接続用端を含み、コンタクトキャリアが少なくとも1つのコンタクト部材(接続部材、接点部材)を支持し、少なくとも1つのばね部材が、コンタクトキャリアのばね接続用端と接続(接触)するためにハウジングの内部にコンタクトキャリアに隣接するように収納され、インターポーザがコンタクトキャリアの収容端に収容され、ばね部材から離れている電気コネクタを提供してもよい。コンタクトキャリアは、非結合位置と結合位置との間で、結合軸に沿ってハウジングに対してスライド可能である。
【0011】
特定の実施形態では、インターポーザは、コンタクト部材と電気的に接続するための少なくとも1つの接続面を含み、少なくとも1つの接続面は、コンタクトキャリアに連結されたコンタクト部材と電気的に接続する複数の個々(独立した)の接点を含み、および/また、インターポーザは少なくとも1つの接点側とは反対側の接続面であって、結合相手のコネクタと電気的に接続するための第2の接続面を含む。他の実施形態では、インターポーザを通ってコンタクトキャリア内に延在する少なくとも1つの位置合わせ用のピンが、インターポーザをコンタクト部材および/またはハウジングに関連付けられた連結部材と位置合わせして、結合対象のコネクタをハウジングに連結する。
【0012】
本発明はさらに、結合用インターフェイス端部(結合用インターフェイスエンドセクション、メイティングインターフェイスエンドセクション、結合インターフェイス端部)および反対側のケーブル終端部(ケーブルターミネーションエンドセクション)を有するハウジングと、ハウジングにスライド可能に連結されたコンタクトキャリア(コンタクト搬送体、接続用移動体)とを備え、コンタクトキャリアは収容端およびばね接続用端を含み、コンタクトキャリアは少なくとも1つのコンタクト部材を支持し、少なくとも1つのばね部材が、コンタクトキャリアのばね接続用端に接続されるためにハウジングの内側にコンタクトキャリアに隣接して収容され、インターポーザがコンタクトキャリアの収容端内でばね部材から離れて収納され、さらに、連結部材がハウジングと関連付けられている電気コネクタを提供してもよい。コンタクトキャリアは、非結合位置と結合位置との間で、結合軸に沿って、ハウジングに対してスライド可能である。
【0013】
いくつかの実施形態では、コンタクト部材(接続部材、接点部材)は、フレキシブルプリント回路基板であり、インターポーザは、複数の個別の接点を支持するウェハ本体を有し、複数の個別の接点のそれぞれは、Cクリップであり、および/または、少なくとも1つの位置合わせ用のピンが、第1のコンタクト部材、インターポーザ、および第2のコンタクト部材を通って延び、それらを位置合わせする。
【0014】
本発明はまた、収納領域および結合用インターフェイスを含むハウジングと、ハウジング内に収容されたコンタクトキャリアとを有する電気コネクタを提供してもよい。コンタクトキャリアは、収容部分とばね接続用部分(ばね係合部分)とを含んでもよく、コンタクト部材を支持してもよい。インターポーザは、コンタクト部材を間に挟んでコンタクトキャリアの収容部分に搭載される。コンタクトキャリアのばね接続部分と協働して動作するよう少なくとも1つのばね部材が設けられる。コンタクトキャリアは、長手方向の結合軸に対して垂直または実質的に垂直な軸に沿って、電気的に非結合の位置と結合した位置との間でハウジングに対して移動可能である。
【0015】
特定の実施形態では、コンタクト部材はフレキシブル回路基板であり、インターポーザは、コンタクト部材と電気的に接続するための少なくとも1つの接続面(接続側)を含み、その少なくとも1つの接続面は、コンタクトキャリアに連結されたコンタクト部材と電気的に接続する複数の個々の接点(接続部)を含み、および/または、インターポーザは、少なくとも1つの接続面とは反対側の面で、結合相手のコネクタと電気的に接続するための第2の接続面(接続側)を含む。一実施形態では、電気コネクタは、インターポーザを、結合相手のコネクタのコンタクト部材と位置合わせするために、コンタクトキャリアを通してインターポーザ内に、またはインターポーザを貫通して延びる少なくとも1つの位置合わせ用のピンをさらに備えていてもよい。
【0016】
本発明はさらに、レセプタクル(コンセント、受け口)を含む電気コネクタアセンブリ(電気式接続装置組立体)を提供してもよく、レセプタクルは、収容領域を含むハウジングと、ハウジング内に収容されたコンタクトキャリア(接続部搬送体、接点搬送体)であって、収容部分およびばね接続用部分を含み、第1のコンタクト部材(接続部材)を支持するコンタクトキャリアと、コンタクトキャリアの収容部分にコンタクト部材を挟んで搭載されたインターポーザと、コンタクトキャリアのばね接続用部分と協働して動作する(関連付けられて作動する)少なくとも1つのばね部材とを含む。コンタクトキャリアは、電気的に非結合の位置と結合された位置との間でハウジングに対して移動可能である。このアセンブリは、さらに、ハウジングを含むプラグを備えてもよく、ハウジングは、ハウジングの収容領域へ挿入するように構成された結合用インターフェイスを備え、さらに、ハウジングのインターポーザに第1のコンタクト部材の反対側で接合するように構成された第2のコンタクト部材を含む。
【0017】
一実施形態では、アセンブリのコンタクトキャリアは、レセプタクルおよびプラグの長手方向の結合軸に垂直または実質的に垂直な軸に沿って、電気的に非結合の位置(非結合位置)と結合する位置(結合位置)との間で移動する。別の実施形態では、1つまたは複数の位置合わせピンが、第1のコンタクト部材、インターポーザ、および第2のコンタクト部材を貫通して延び、それらを位置合わせする。
【0018】
他の実施形態では、アセンブリは、コンタクトキャリアを電気的に結合した位置に固定するためのラッチ機構(外れ止め機構)をさらに備え、ラッチ機構は、非アクティブ位置とアクティブ位置との間で回転するように構成されたカム部材であり、プラグのコンタクト部材を動かし、それによりレセプタクルのコンタクトキャリアまたはコンタクトシステムを、電気的に非結合の位置と結合した位置との間でそれぞれに動かし、カム部材は、非アクティブな位置からアクティブな位置まで、たとえば、約45度、約90度、約135度、約180度、または約225度などの選択された、または所定の角度(または他の適切な角度)で回転されてもよく、さらに、カム部材は、幅および厚さを有するステム(軸材、細長い部材)を含み、幅は厚さよりも大きく、また、カム部材は、プラグの連結ナットに連結された端部を有し、ラッチ機構は、非アクティブ位置とアクティブ位置との間でスライドするように構成されたスライドラッチ部材であって、レセプタクルのコンタクトキャリアまたはコンタクトシステムを電気的に非結合位置と結合位置との間でそれぞれに移動させるプラグのコンタクト部材を移動するスライドラッチ部材であり、および/または、プラグは、第2のコンタクト部材に関連付けられた昇降支持体を含み、昇降支持体は、スライドラッチ部材の非アクティブ位置およびアクティブ位置とそれぞれ協働する第1の位置と第2の位置との間でそれぞれに移動するように構成され、および/または、ラッチ機構は、プラグがレセプタクルと結合(雄雌結合)されたときに押圧するように構成されたプラグの結合用インターフェイスにおけるラッチ作動解放部(ラッチ動作リリース、ラッチ動作開始部)を含む。
【0019】
別の実施形態では、ラッチ機構は、このシステムが、結合相手のレセプタクル内に組み合わされたとき(噛み合わされたとき、すなわち、完全に結合されたとき)にのみラッチ/結合機構の作動を可能にするラッチ作動解放(ラッチ動作開始、ラッチ動作リリース)システムを備えてもよい。このラッチ作動解放システムは、プラグの先端(鼻部分)にばね式の探針(スプリングプローブ)システムを備えてもよく、レセプタクルと組み合わされると探針が押圧し、それにより連結機構が作動し(噛み合わされ)、外れ止め(ラッチ)が動作する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明および本発明の利点の多くの、より完全な理解を、添付の図面に基づいて以下の詳細な説明を参照することによってよりよく理解でき、得ることができるであろう。
【0021】
図1は、本発明の例示的な実施形態に係る電気コネクタの正面斜視図。
【0022】
図2は、図1に示す電気コネクタの分解斜視図。
【0023】
図3は、図1に示す電気コネクタの断面図であり、非結合の位置にある電気コネクタのコアまたはコンタクトキャリアを示す。
【0024】
図4は、図1に示された電気コネクタの断面図であり、結合相手のコネクタに結合された電気コネクタを示し、結合された位置にある電気コネクタのコアまたはコンタクトキャリアを示す。
【0025】
図5Aは、図1に示す電気コネクタのインターポーザの一方の面の斜視図。
【0026】
図5Bは、図5Aに示されたインターポーザの個々の接点の拡大図。
【0027】
図6は、図1に示す電気コネクタと接合する接合相手のコネクタの分解図。
【0028】
図7Aおよび図7Bは、本発明の異なる例示的な実施形態による、結合された電気コネクタの対(ペア)の斜視図および分解図であり、電気コネクタアセンブリ(コネクタ組立体)を示す。
【0029】
図8は、図7Aおよび図7Bに示された電気コネクタのうちの一方の分解図。
【0030】
図9Aおよび図9Bは、図7Aおよび図7Bに示された電気コネクタの他方の分解図および斜視図。
【0031】
図10Aおよび10Bは、図7Aの電気コネクタのアセンブリの断面図であり、電気的に非結合の位置および電気的に結合した位置をそれぞれ示す。
【0032】
図11は、本発明のさらに異なる例示的な実施形態による電気コネクタアセンブリのアセンブリの断面図。
【発明の詳細な説明】
【0033】
図1図4図5A図5B、および図6を参照すると、本発明は、電気コネクタ(電気的連結装置、電気的接続装置)100に関するものであり、特に、高密度の電気コネクタに関し、この電気コネクタ100には、結合(連結、接合、雄雌結合)するコネクタ200との間で正の電気的接続を提供するように設計された、ばね懸架のコアまたはコンタクト搬送体(接続搬送体、接続キャリア、接点キャリア、コンタクトキャリア)110が組み込まれており、それにより、コネクタシステム全体にわたり確実に(一貫して)正確な信号が伝達され、それはシステムの使用中であっても使用前であっても途切れるようなものではない。ばね懸架式(ばねで付勢された、ばねで支持された)コアまたはコンタクトキャリア110は、コネクタが結合(連結、接合、雄雌結合)したときに積み重なる公差を解消し、それを超えて移動可能なように設計されており、それぞれのコンタクト(各接点)が完全に噛み合う(接触する)ようになっている。さらに、ばねで支持されたコアまたはコンタクトキャリア110は、複数のコネクタが結合したときに、それらの結合用の面のそれぞれが相対的に平面となっていなくても、それらのコネクタの間で電気的接続を維持するようになっている。1つの実施形態では、電気コネクタ100のばねで支持されたコアまたはコンタクトキャリア110は、両面が接続面となったインターポーザ112と協働して、コネクタ100とコネクタ200との間で均等な電気接続を提供する。本発明のコネクタの別の利点は、高密度化、例えば、1mmピッチが可能であり、5,000回まで着脱(結合/分離)することができることである。さらに、本発明のコネクタは、低コストで、5000サイクルまでの信頼性を備えた状態で、信号接点の高密度化が可能である。本発明のコネクタは、ユーザが、コネクタおよび元のケーブルのサイズを変えずに信号数を増加させることを可能とするものである。
【0034】
概略としては、電気コネクタ100は、コアまたはコンタクトキャリア110をスライド可能に支持するハウジング102と、コア110の背後でハウジング102内に収容(受入れ)されたばね部材114と、コア110内に収容された(受入れられた)インターポーザ112と、コンタクト部材116とを含む。コアまたはコンタクトキャリア110は、ハウジング102の長手方向の軸に沿って軸方向にスライドし、コア110が外側に偏り、結合対象のコネクタ200と結合できる状態の、分離した位置(雄雌結合していない位置、unmated position、図3)と、コア110が内側に押されてばね114を圧縮し、結合対象のコネクタと電気的に連結された結合位置(雄雌結合した位置、mated position、図4)との間を動く。ばね部材114は、1つまたは複数の波形ばねなどの任意の付勢部材(偏りを発生させる部材)であってもよい。
【0035】
概略としては、ハウジング102は、結合先のコネクタ200の結合端202とのインターフェイス(接合用の構造、境界面、接触面)となる結合用のインターフェイス端部分(インターフェイスエンドセクション、接触端、接続端)104と、ケーブルCの接続用の端部を収容するケーブル終端部分106と、コア110をスライド可能に支持する内部支持部材108と、内部支持部材108の周囲で、コア110の少なくとも一部とばね部材114とをハウジング102の内部に収容するための内部収容領域(内部受入れ領域、内部受容領域)109とを含む。ケーブル終端部分106は、当該技術分野において周知であるように、ポッティング部材10と、ケーブルCの接続処理済みの端部のための張力緩和部材12、例えば、ブーツを収容してもよい。内部支持部材108は、図3および図4に示すように、長手方向に延びる中柱(センターポスト)またはバレル(銃身)であってもよい。図4に最もよく示されるように、ポスト108は、その先端が結合用インターフェイス端部分104を越えて外側に延びていてもよく、それにより、結合相手のコネクタ200の対応する構成要素204と係合して、コネクタ100および102が結合したときにコネクタシステムがより安定するようにしてもよい。一実施形態では、ポスト108は、その先端が中空であり、結合相手のコネクタ200の対応する構成要素204がポスト108の先端に挿入可能であるようなサイズとなっていれば、それを収容するようになっていてもよい。
【0036】
コアまたはコンタクトキャリア(コンタクト搬送体)110は、ハウジング102の内部ポスト108に搭載された状態で、それに沿って分離位置(非結合位置)と結合位置との間でスライドする。コア110はまた、留め金(スナップ)などによってハウジング102にスライド可能に取り付けられてもよい。コア110の概略構成としては、コア110が結合位置において内側に押されたときにばね部材114に当接する、ばね接合用端部(ばね係合用端部、ばね接続用端部)120と、インターポーザ112を受け入れるようなサイズおよび形状の収容用端部(受入れ端部)122とを含む。コンタクト部材(接続部材、接点部材)116は、コアのばね接続用端部102に搭載されており、一方の端がインターポーザ112に隣接し、他方の端がハウジング102のケーブル終端部分106の近傍またはその部分に位置していることが望ましい。コンタクト部材116は、例えば、フレキシブルプリント回路基板であり、コア110に収容された先端面126であって、インターポーザ112と電気的に接続するように構成された端面126と、ケーブルCに接続する末端128とを備えていてもよい。フレキシブルプリント回路基板の末端128は、コア110が分離位置と結合位置との間を内部ポスト108に沿ってばねに支持された状態で動く際に曲がってもよいようになっている。
【0037】
インターポーザ112は、好ましくはその端面126において、コンタクト部材116と電気的に接続するための少なくとも1つのコンタクトサイド(接続面、接続側)130を含む。好ましい実施形態では、インターポーザ112は、両面接続タイプのインターポーザであり、接続側130の反対側に第2の接続側132を有し、結合相手のコネクタ200のコンタクト部材(接続部材、接点部材)216と電気的に接触するように構成されている。結合相手のコネクタ200のコンタクト部材216も、図6に示すように、コンタクト部材116と同様に、端面226と末端228とを有するフレキシブルプリント回路基板であってもよい。端面226は、インターポーザ112の第2の接続側132に当接するように構成される。
【0038】
一実施形態では、インターポーザ112は、ウェハ本体136を有し、ハウジング102のポスト108を受け入れるようにサイズの中央の開口138を含んでもよい。インターポーザ112の接続側130および132の各々は、図5Aに示すように、コンタクト部材116および216とそれぞれ電気的に接続するための独立した接続部(接点)140を複数含んでもよい。個々の接点140は、例えば、図5Bに示すように、導電性のCクリップなどであってもよい。ばね部材114により押される力(付勢力)は、インターポーザ112上に搭載された、個々の(独立した)Cクリップ140のそれぞれが結合する力よりも高いことが望ましく、ばね部材114により、Cクリップが完全に結合するための圧力が得られる以上に、コアまたはコンタクトキャリア110を動かすようにして(移動するようにして)完全な接続が得られるようにすることが望ましい。これにより、個々の接点140上の接続部材の端面126を完全に圧迫する(十分な圧力を加える)ことができ、その結果、内蔵したばね部材114により、十分な結合用の力を得ることができる。このコネクタシステムの結合力は、異なるばね部材の使用のために調節されてもよい。例えば、インターポーザ112の独立した接点140の数は増減してもよく、それにより、押し付ける力(付勢力)が増減してもよく、ばね部材114の付勢力を、接点140用の押し付ける力(付勢力)の増減を補償するように変えて、コアまたはコンタクトキャリア110が十分に移動するようにしてもよい。すなわち、コネクタシステムは、所定の数の接点に対して必要とされる最大の挿入力を少なくとも備えているように構成することができる。
【0039】
コネクタ100および200が結合(雄雌結合)すると、カップリングナット(結合ナット)などのカップリング部材(結合部材)150を使用して、これらのコネクタを互いに止めて(ラッチして)もよい。カップリングナット150は、例えば、ばねで支持されており、自動的に所定の位置に回転してラッチしてもよい。カップリングナット150は、コネクタ100および200をラッチする(掛かり止める)ために好適であるが、コネクタ100および200をともにラッチまたは固定するために、任意の公知のラッチ機構および/または摩擦結合を使用してもよい。
【0040】
一実施形態では、センターポスト108、および結合相手のコネクタ200のそれに対応する構成要素204により、コネクタシステムの全体的な位置が合わされ、1つまたは複数の位置合わせ用の部材160、例えば位置合わせ用のピンによりコネクタシステムの精密な位置が合わされる。1つまたは複数の位置合わせ用のピン160は、接続用の端面226、インターポーザ112、接続用の端面126を貫通してコア110内に延びており、インターポーザ112、特に、個々の接点140を、コネクタ100および200のそれぞれのコンタクト部材116および216の端面126および226とともに位置合わせすることができる。位置合わせ用のピン160は、また、結合相手のコネクタまで延びていてもよく、コネクタ間における十分に精度の高い位置合わせを可能とし、全ての接点が、フレックス回路の結合相手のパッドと整列するようにしてもよい。
【0041】
図7A図11は、本発明の別の例示的な実施形態であるコネクタ100´を示す。コネクタ100´は、上記実施形態で説明したように、バックスプリングオーバートラベルで(後方にばねがあり、過剰に動くように)設計されたものである。また、コネクタ100´とその結合相手のコネクタ200´とは、それぞれが、コネクタアセンブリの結合軸または長手方向の軸に対して略垂直な方向で互いに噛み合うことを除いて、上述したものと同様に相互に接続する特徴を有するものである。コネクタ100´のデザインは、より高密度の接点の数を可能とするためにコネクタの長さを延ばす代わりに、コネクタの外径を小さくすることができるという長所を含む。これは、カテーテルのハンドル等のような、ユーザがコネクタを取り扱い操作し易いように(すなわち、ユーザの手にフィットするように)外径が小さいことが望ましい手持ち式の用途に特に適したものである。
【0042】
概略としては、コネクタ100と同様に、コネクタ100´は、図8に示すように、コアまたはコンタクトキャリア(コンタクト搬送体、接続キャリア、接点キャリア)110´を移動可能に支持するハウジング102´と、コンタクトキャリア110´に関連してハウジング102´内に収容される1つまたは複数のばね部材114´と、インターポーザ112´と、コンタクトキャリア110´によって支持されるコンタクト部材(接続部材、接点部材)116とを含む。コネクタ100´は、コンタクトキャリア110´がハウジング102´内でコネクタアセンブリの長手方向の結合軸Lに対して垂直または実質的に垂直な方向に移動し、コンタクトキャリア110´が、結合相手のコネクタ200´の方向に向かって支持され(付勢され)て、結合相手のコネクタ200′と電気的に連結する準備ができている分離した(非結合)位置(図10A)と、コンタクトキャリア110´がばね部材114´に対して圧縮されて結合相手のコネクタ200´のコンタクト部材216´と電気的に接続された結合位置(雄雌結合位置)(図10B)との間で、オーバートラベルリリーフとして動作する(余裕をもって過剰に動く)ようにデザインされている。ばね部材114´は、1つまたは複数の波形ばね、圧縮ばね、弾性材料など、任意の偏りを発生させる部材(バイアス部材、付勢部材)とすることができる。
【0043】
概略としては、ハウジング102´は、結合相手のコネクタ200´の結合端202´と結合(雄雌結合)するため結合用インターフェイス端部(結合インターフェイス端部、結合接触端部、結合境界端)104´と、コンタクトキャリア110´、インターポーザ112´、およびばね部材114´をハウジング102´の内部に収容するための内部収容領域109´とを含む。コンタクトキャリア110´は、ハウジング102´内に配置され、図10Aおよび図10Bに示すように、電気的に非結合および結合の位置の間で移動可能となっている。概略としては、コンタクトキャリア110´は、コンタクトキャリア110´が結合相手のコネクタ200´によって結合位置に押されたときにばね部材114´と連結するばね接合用部分120´と、コンタクト部材(接続部材、接点部材)116´およびインターポーザ112´を支持する収容部分122´とを含む。コンタクト部材116´は、例えば、コンタクトキャリア110´の受け部122´上に搭載される一方の面126´と、インターポーザ112´と電気的に接合するように構成された反対側の面128´とを有する、可撓性プリント回路基板(フレキシブルプリント回路基板)であってもよい。
【0044】
インターポーザ112´は、上記の実施形態で説明したインターポーザ112と同様であり、好ましくは面126´に配置される、コンタクト部材116´と電気的に接触するための第1の接続面(接続側、コンタクトサイド)130´と、第1の接続面130´の反対側で、結合相手のコネクタ200´のコンタクト部材(接続部材)216´と電気的に接続するように構成された第2の接続面(接続側、コンタクトサイド)132´とを含む。インターポーザ112と同様に、この実施形態のインターポーザ112´は、ウェハ本体136´を備えていてもよく、それぞれの接続面130´および132´は、導電性Cクリップなどの、複数の独立した接点を含んでもよい。ばね部材114´の偏向力(付勢力)は、好ましくは、インターポーザ112´上に搭載された各独立した接点が結合するための力(結合力、接合力)よりも高く、個々の接点が完全に結合するように圧縮できる状態を超えてコンタクトキャリア110´が移動することでコンタクト部材216´と一様に(完全に、確実に、十分に)接続できるようにしている。これにより、インターポーザ112´のそれぞれの接点上の接触部材(接点部材)を完全に押さえる(圧迫する)ことを可能とし、結合された複数のコネクタからなるコネクタシステムまたはアセンブリが確実な(十分な)接合力を備えるようにしている。
【0045】
図9Aおよび9Bに示すように、結合相手のコネクタ200´は、インターフェイス端(接続端、接触端、接続境界端)204と、その反対側の結合ナット150´とを備えたハウジング(筐体)202´を有してもよい。ハウジング202´は、第2のコンタクト部材(接続部材、接点部材)216´を収容する内部昇降支持体208´を含む。昇降支持体208´は、コンタクトキャリア110´と電気的に非結合の位置(非結合位置)および結合した位置(結合位置)のそれぞれに対応する、第1の位置(図10A)と第2の位置(図10B)との間で移動する。昇降支持体208´は、例えば、昇降用に偏向させる(付勢する)ためのばね208A´により、非結合位置にばねで懸架されていてもよく、電気的に接続される前に、結合先のコネクタ100´と全体を軸方向に位置合わせして接合する際に「衝突」することを防止するようにしてもよい。結合先のコネクタ200´のコンタクト部材216´は、コンタクト部材116´と同様に、接続面226´を備えたフレキシブルプリント回路基板であってもよい。
【0046】
コネクタ100´は、例えば、レセプタクル(コンセント、ソケット)であってもよく、結合相手のコネクタ200´は、例えば、レセプタクルに挿入されるプラグであってもよい。コネクタ100´および200´が軸方向に組み立てられると、即ち、プラグ200´のインターフェイス端204´がレセプタクル100´のハウジング102´内に収容されると、ラッチ機構(外れ止め機構)が作動してもよく、レセプタクルとプラグとの間の電気的接続を完了および維持し得る。ラッチ機構は、プラグのコンタクト部材216´をレセプタクルのインターポーザ112´に向かって、プラグとレセプタクルとの結合軸に実質的に垂直な方向に移動させるように設計される。
【0047】
一実施形態では、ラッチ機構は、プラグによって支持され、非アクティブ位置とアクティブ位置との間で回転可能なカム部材300を備えてもよい。カム部材300は、プラグの連結ナット(カップリングナット)150´に接続された一端304と、反対側のロック端306とを有する細長いステム302を備えてもよい。細長いステム302は、略平坦であってもよく、即ち、厚いというよりは幅が広いものであってもよく、カム部材300が、所定の角度、例えば、90度または約90度、その非アクティブ位置(図10A)から、そのアクティブ位置(図10B)まで回転すると、ステム302は、プラグのコンタクト部材216´を支持するプラグの昇降支持体208´を、その第1の位置から、レセプタクルのインターポーザ112´に向かって(図10Aおよび10Bにおいて下向きに)、その第2の位置まで動かす。すなわち、連結ナット150´が回転されると、カム部材300が作動して、コンタクト部材216´を、昇降支持体208´を介して、動くようにして、電気的に非結合な位置から結合相手のレセプタクル接続システムに向かって動くようにして電気的に結合した位置まで移動させ、それによってプラグとレセプタクルとを電気的に接続する。その位置において、ロック端306はプラグのハウジング202´に対してロックまたはくっついた状態となる。
【0048】
ラッチ機構(外れ止め機構)は、代替として、図9に示されているように、スライドラッチ部材400であってもよい。スライドラッチ部材400は、非アクティブ位置とアクティブ位置との間でスライド(摺動)するように構成される。すなわち、スライドラッチ部材が非アクティブ位置から動いてアクティブ位置にスライドすると、プラグの昇降支持体208´は第1の位置からレセプタクルのインターポーザ112´に向かって第2の位置に移動し、それによってコンタクトキャリア110´が電気的に非結合の位置から電気的に結合した位置に移動し、プラグのコンタクト部材216´をレセプタクルのインターポーザ112´に電気的に接続する。このスライドラッチ部材400は、プラグ/レセプタクルアセンブリが組み立てられる前に、それらの構成要素が早く結合してしまうことを防止する、スナッピング機能(引き寄せ機能)等の機能402を有してもよい。この実施形態では、レセプタクル100´は、プラグ200´内において機能402が干渉しないようにすることができ、スライドラッチ部材400が後で噛み合うようにすることができる。
【0049】
さらに別の実施形態では、プラグがレセプタクル内に完全に収容されたときに(取り付けられたときに)ラッチング(外れ止め)する機構は、摩擦嵌め、ばねクリップ止め(スプリングクリップラッチ)、またはロッキングラッチング(鍵付き外れ止め)機構などで提供されてもよい。ラッチ機構は、プラグとレセプタクルとが組み合わされていないとコンタクトシステムの連結ナットが作動しないように構成されたラッチ動作解放システム(ラッチ動作開始システム、ラッチ動作リリースシステム)が組み込まれていてもよい。これにより、プラグおよびレセプタクルをプラグコンタクトシステム(プラグ結合システム)に損傷を与えることなく収容する(取り付ける)ことが可能となる。ばね式の探針(スプリングプローブ)などのばねにより支持された機構は、プラグのインターフェイス端204´に含まれてもよく、これによりカム部材のインターフェイス端204´とが干渉するためにカム部材300がユーザによって作動/回転されることを防止する(この機構は、組み合わされて作動したときに、レセプタクルに対するロッキング機能として作用してもよい)。プラグのインターフェイス端204´がレセプタクル内に、底に至るまで(完全に)差し込まれると、ばねで支持された機構はカム部材300から押し外され、それによってユーザは連結ナット150´を回転させることができるようになり、連結ナット150´によりプラグコンタクトシステムとレセプタクルコンタクトシステムとを連結させて(装着、組み合わせて)、さらにプラグをレセプタクルに外れないように止めて、ユーザが手動で連結ナット150´を非動作の状態に戻すように回転させなければプラグの組み合わせ(連結、装着)を解除できないようにする。
【0050】
一実施形態では、連結ナット150´は、ばねによりロック状態になってもよい。結合ナット150´は、押し出された状態の複数の突起などの、結合の方向性を規定する機能を備えていてもよく、これは、対応するレセプタクルの結合用の機能、例えば、押し出された状態の複数の突起と関係し(組み合わされ)、結合中に連結ナット150´を回転させてロック解除状態にする。レセプタクルおよびプラグが一体に組み立てられると、連結ナット150´の位置合わせ(方向合わせ)機能がレセプタクルの位置合わせ機能に優先し、所定の場所にラッチされる。したがって、ラッチされるとともに、あるいはほぼ同時に、ラッチ機構(外れ止め機構)により、これらの構成要素間の電気的接続が行われる。
【0051】
別の実施形態では、連結ナット150´は、上記と同様に、レセプタクル上の結合用の位置合わせ(方向合わせ)の機能に対応する結合用の位置合わせ機能として用いられるが、ラッチングおよび電気的な結合が同時に行われなくてもよい。レセプタクルおよびプラグがまず組み立てられた後に、連結ナット150´がロック方向に向かって回転されてもよく、回転により、プラグのコンタクトシステム、すなわち昇降支持体208´およびコンタクト部材´216が、結合相手のレセプタクルのコンタクトシステム、すなわちインターポーザ112´とカムで結合され、それによって、電気的な接合とオーバートラベルするばね114´とを完全に組み合わせることができる。これにより、ユーザは、カム部材300などの機械的な利点を発揮するラッチ機構を用いて、軸方向に強い結合力を得ることができる。
【0052】
1つまたは複数の位置合わせ用の複数のピン160´をレセプタクルのハウジング102´に設けてもよく、カム部材300などのラッチ機構がレセプタクルとプラグとの電気的な結合を完了するために作動されるときに、プラグのコネクタシステムとの位置合わせを容易にすることができる。複数のピン160´は、図10Aに示すように、コンタクトキャリア110´、コンタクト部材116´を貫通して延びてインターポーザ112´に入り、それらの端162´が、プラグのコンタクト部材216´と噛み合うようになっていてもよい。プラグのコンタクト部材216´は、レセプタクルの位置合わせ用の複数のピン160´に対応する複数の孔218´を含んでいてもよく、ラッチ機構が作動されると、プラグの複数の孔218´が、位置合わせ用の複数のピン160´の端162´を受け入れて、精度の高い位置合わせを可能とし、プラグのコンタクト部材216´に対しレセプタクルのインターポーザ112´を整列させて接続することができる。あるいは、位置合わせ用の複数のピンをプラグ200´に設けてもよく、レセプタクル100´の対応する孔と組み合わされるようにしてもよい。
【0053】
本発明を説明するために特定の実施形態が選択されているが、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正を行うことができることが当業者には理解されよう。プラグとレセプタクルとを組み合わせていないときにコンタクトシステムの連結機構が作動するのを防止する方法が組み込まれていてもよい。これにより、プラグおよびレセプタクルは、コンタクトシステムまたはインターポーザに損傷を与えることなく組み合わせる(装着する)ことができる。実施例として示したばね式の探針(プローブ)209´等の、ばねにより支持された機構は、プラグのインターフェイス端204´に含まれてもよく、これにより、カム部材のインターフェイス端204´と干渉するために、カム部材300がユーザによって作動/回転されることを防止できる(これはまた、組み合わされて作動させられると、レセプタクルに対するロッキング機能として作用する)。プラグのインターフェイス端204´がレセプタクル内に完全に差し込まれると、ばね式機構(ばねで支持された機構、スプリング内蔵機構)は、レセプタクル内の結合用の機能によりカム部材300から押し外され、それによってユーザが連結ナット150´を回転させることを可能とし、連結ナット150´によりプラグコンタクトシステムをレセプタクルコンタクトシステムに連結し(係合し)、さらにプラグをレセプタクルにラッチして(外れないように止めて)、連結ナット150´を非作動状態にユーザが手で回して戻して連結を外そうとしない限り、それらの連結が解除できないようにする。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11