(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-30
(45)【発行日】2023-07-10
(54)【発明の名称】農業用作業車両の走行速度制御装置および農業用作業車両の走行速度制御方法
(51)【国際特許分類】
B60W 10/04 20060101AFI20230703BHJP
B60W 10/11 20120101ALI20230703BHJP
B60W 10/06 20060101ALI20230703BHJP
B60W 40/105 20120101ALI20230703BHJP
F16H 61/02 20060101ALI20230703BHJP
F16H 59/08 20060101ALI20230703BHJP
F16H 61/688 20060101ALI20230703BHJP
F16H 63/50 20060101ALI20230703BHJP
A01C 11/02 20060101ALI20230703BHJP
A01D 69/00 20060101ALI20230703BHJP
【FI】
B60W10/00 106
B60W10/06
B60W10/11
B60W40/105
F16H61/02
F16H59/08
F16H61/688
F16H63/50
A01C11/02 313C
A01D69/00 302B
(21)【出願番号】P 2021555332
(86)(22)【出願日】2020-03-19
(86)【国際出願番号】 KR2020003740
(87)【国際公開番号】W WO2020209519
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2021-09-13
(31)【優先権主張番号】10-2019-0041273
(32)【優先日】2019-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】509023012
【氏名又は名称】エル エス エムトロン リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS Mtron Ltd.
【住所又は居所原語表記】127, LS-ro, Dongan-gu, Anyang-si, Gyeonggi-do, 14119 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100158964
【氏名又は名称】岡村 和郎
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジンウン
(72)【発明者】
【氏名】ユ、ジフン
【審査官】藤村 泰智
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-319145(JP,A)
【文献】特開2003-314679(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0057005(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00 ~ 10/30
B60W 40/105
F16H 59/02 ~ 59/12
F16H 61/00 ~ 61/02
F16H 61/68 ~ 61/688
F16H 63/50
A01C 11/00 ~ 11/02
A01D 69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
農業用作業車両が有する走行装置に対する設定変速情報を確認する段階と、
前記走行装置が有するエンジンと変速機を制御するための変速モードを確認する段階と、
前記変速モードが回転数指定モードであれば、前記設定変速情報から前記エンジンの分当り回転数に関する設定回転数を確認した後、前記設定回転数を目標回転数に設定して前記目標回転数に変速するための変速情報を獲得する段階と、
前記変速モードによって獲得された変速情報で前記走行装置を制御する段階と、を含
み、
前記目標回転数に変速するための変速情報を獲得する段階は、
前記設定回転数を前記目標回転数に設定して前記目標回転数に変速するための候補変速情報を導き出す段階と、
前記候補変速情報が一つのみ導き出された場合、前記候補変速情報が有する候補速度を目標速度に決定し、前記候補変速情報が複数個導き出された場合、前記候補変速情報が有する候補速度のうち、前記農業用作業車両の走行速度に関する設定速度との差が最も小さい候補速度を目標速度に決定する段階と、
決定された前記目標速度が含まれた候補変速情報を前記変速情報に決定する段階と、を含む、農業用作業車両の走行速度制御方法。
【請求項2】
前記変速モードが速度指定モードであれば、前記設定変速情報から前記農業用作業車両の走行速度に関する設定速度を確認した後に前記設定速度を目標速度に設定して前記目標速度に変速するための変速情報を獲得する段階と、
前記変速モードが手動モードであれば、前記農業用作業車両の操作部から提供された操作情報に変速するための変速情報を獲得する段階と、を含み、
前記走行装置を制御する段階は、前記回転数指定モード、前記速度指定モード、および前記手動モードの中から選択されたいずれか一つの変速モードによって獲得された変速情報で前記走行装置を制御することを特徴とする、請求項1に記載の農業用作業車両の走行速度制御方法。
【請求項3】
前記変速モードが速度指定モードであれば、前記設定変速情報から前記農業用作業車両の走行速度に関する設定速度を確認した後に前記設定速度を目標速度に設定して前記目標速度に変速するための変速情報を獲得する段階を含み、
前記目標速度に変速するための変速情報を獲得する段階は、
前記設定速度を前記目標速度に設定して前記目標速度に変速するための候補変速情報を導き出す段階と、
前記候補変速情報が複数個導き出された場合、前記変速モードが前記速度指定モードの速度優先モードであれば、前記候補変速情報が有する候補回転数のうち、前記設定回転数との差が最も小さい候補回転数を目標回転数に決定する段階と、
決定された前記目標回転数が含まれた候補変速情報を前記変速情報に決定する段階と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の農業用作業車両の走行速度制御方法。
【請求項4】
前記変速モードが速度指定モードであれば、前記設定変速情報から前記農業用作業車両の走行速度に関する設定速度を確認した後に前記設定速度を目標速度に設定して前記目標速度に変速するための変速情報を獲得する段階を含み、
前記目標速度に変速するための変速情報を獲得する段階は、
前記設定速度を前記目標速度に設定して前記目標速度に変速するための候補変速情報を導き出す段階と、
前記候補変速情報が複数個導き出された場合、前記変速モードが前記速度指定モードのパワーモードであれば、前記候補変速情報が有する候補回転数のうち最も大きい候補回転数を目標回転数に決定する段階と、
決定された前記目標回転数が含まれた候補変速情報を前記変速情報に決定する段階と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の農業用作業車両の走行速度制御方法。
【請求項5】
前記変速モードが速度指定モードであれば、前記設定変速情報から前記農業用作業車両の走行速度に関する設定速度を確認した後に前記設定速度を目標速度に設定して前記目標速度に変速するための変速情報を獲得する段階を含み、
前記目標速度に変速するための変速情報を獲得する段階は、
前記設定速度を前記目標速度に設定して前記目標速度に変速するための候補変速情報を導き出す段階と、
前記候補変速情報が複数個導き出された場合、前記変速モードが前記速度指定モードのエコモードであれば、前記候補変速情報が有する候補回転数のうち最も小さい候補回転数を目標回転数に決定する段階と、
決定された前記目標回転数が含まれた候補変速情報を前記変速情報に決定する段階と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の農業用作業車両の走行速度制御方法。
【請求項6】
前記変速モードによって獲得された変速情報で前記走行装置を制御する段階は、
前記変速機が有する第1先行変速機構と第1後行変速機構それぞれに連結された第1クラッチ機構および前記変速機が有する第2先行変速機構と第2後行変速機構それぞれに連結された第2クラッチ機構のうちいずれか一つが締結されるように前記変速モードによって獲得された変速情報で前記変速機を制御することを特徴とする、請求項1に記載の農業用作業車両の走行速度制御方法。
【請求項7】
農業用作業車両が有する走行装置に対する設定変速情報を確認し、前記走行装置が有するエンジンと変速機を制御するための変速モードを確認する確認部;
前記変速モードが回転数指定モードであれば、前記設定変速情報から前記エンジンの分当り回転数に関する設定回転数を確認して前記設定回転数を基準として変速情報を獲得する獲得部;および
前記変速モードによって獲得された変速情報で前記走行装置を制御する制御部を含
み、 前記獲得部は、
前記変速モードが前記回転数指定モードであれば、前記設定回転数を目標回転数に設定して前記目標回転数に変速するための候補変速情報を導き出す候補導き出しモジュールと、
前記変速情報を決定する決定モジュールと、を含み、
前記変速モードが前記回転数指定モードであるときに、前記候補変速情報が一つのみ導き出された場合は、前記決定モジュールが、前記候補変速情報が有する候補速度を目標速度に決定し、前記候補変速情報が複数個導き出された場合は、前記決定モジュールが、前記候補変速情報が有する候補速度のうち、前記農業用作業車両の走行速度に関する設定速度との差が最も小さい候補速度を目標速度に決定し、前記決定モジュールが、決定された前記目標速度が含まれた候補変速情報を前記変速情報に決定する、農業用作業車両の走行速度制御装置。
【請求項8】
前記獲得部は、前記変速モードが速度指定モードであれば、前記設定変速情報から前記農業用作業車両の走行速度に関する設定速度を確認して前記設定速度を基準として変速情報を獲得し、
前記変速モードが手動モードであれば、前記農業用作業車両の操作部から提供された操作情報に変速するための変速情報を獲得し、
前記制御部は前記回転数指定モード、前記速度指定モード、および前記手動モードの中から選択されたいずれか一つの変速モードによって獲得された変速情報で前記走行装置を制御することを特徴とする、請求項
7に記載の農業用作業車両の走行速度制御装置。
【請求項9】
前記候補導き出しモジュールは、前記変速モードが速度指定モードであれば、前記設定変速情報から前記農業用作業車両の走行速度に関する設定速度を確認し、前記設定速度を目標速度に設定して前記目標速度に変速するための候補変速情報を導き出
し、
前記候補変速情報が複数個導き出された場合、前記変速モードが前記速度指定モードの速度優先モードであれば、
前記決定モジュールは、前記候補変速情報が有する候補速度中で前記設定回転数との差が最も小さい候補回転数を目標回転数に決定し、決定された前記目標回転数が含まれた候補変速情報を前記変速情報に決定す
る、請求項
7に記載の農業用作業車両の走行速度制御装置。
【請求項10】
前記候補導き出しモジュールは、前記変速モードが速度指定モードであれば、前記設定変速情報から前記農業用作業車両の走行速度に関する設定速度を確認し、前記設定速度を目標速度に設定して前記目標速度に変速するための候補変速情報を導き出
し、
前記候補変速情報が複数個導き出された場合、前記変速モードが前記速度指定モードのパワーモードであれば、
前記決定モジュールは、前記候補変速情報が有する候補回転数のうち最も大きい候補回転数を目標回転数に決定し、決定された前記目標回転数が含まれた候補変速情報を前記変速情報に決定す
る、請求項
7に記載の農業用作業車両の走行速度制御装置。
【請求項11】
前記候補導き出しモジュールは、前記変速モードが速度指定モードであれば、前記設定変速情報から前記農業用作業車両の走行速度に関する設定速度を確認し、前記設定速度を目標速度に設定して前記目標速度に変速するための候補変速情報を導き出
し、
前記候補変速情報が複数個導き出された場合、前記変速モードが前記速度指定モードのエコモードであれば、
前記決定モジュールは、前記候補変速情報が有する候補回転数のうち最も小さい候補回転数を目標回転数に決定し、決定された前記目標回転数が含まれた候補変速情報を前記変速情報に決定する決定モジュールを含むことを特徴とする、請求項
7に記載の農業用作業車両の走行速度制御装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記変速機が有する第1先行変速機構と第1後行変速機構それぞれに連結された第1クラッチ機構および前記変速機が有する第2先行変速機構と第2後行変速機構それぞれに連結された第2クラッチ機構のうちいずれか一つが締結されるように前記変速モードによって獲得された変速情報で前記変速機を制御することを特徴とする、請求項
7に記載の農業用作業車両の走行速度制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業用作業車両の走行速度を制御するための制御装置および制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
農業用作業車両は、土地を利用して人間生活に必要な作物の栽培に利用されるものである。例えば、コンバイン(Combine)、トラクター(Tractor)、田植機などが農業用作業車両に該当する。コンバインは、稲、麦、小麦、豆などの作物を刈り取って脱穀する作業を遂行するものである。トラクターは、牽引力を利用して作物の栽培に必要な作業を遂行するものである。田植機は、苗代や育苗箱で育てた苗を水田に移植する作業を遂行するものである。このような農業用作業車両は、作業過程で必要に応じて走行速度を調節する必要がある。このために、農業用作業車両は、走行装置を含む。前記走行装置は、作業に必要な動力を発生させるエンジンおよび前記エンジンで発生した動力のトルク、速度などを調節する変速機を含む。
【0003】
従来技術に係る農業用作業車両は、作業に適合な走行速度に調節するために運転者が手動操作で前記走行装置を制御していた。これに伴い、従来技術に係る農業用作業車両は作業に適合な走行速度に前記走行装置を制御し難い問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前述したような問題点を解決するために案出されたものであって、作業に適合するように走行装置を制御する作業の難しさを解消できる農業用作業車両の走行速度制御装置および農業用作業車両の走行速度制御方法を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記のような課題を解決するために、本発明は、次のような構成を含むことができる。
【0006】
本発明に係る農業用作業車両の走行速度制御装置は、農業用作業車両が有する走行装置に対する設定変速情報を確認し、前記走行装置が有するエンジンと変速機を制御するための変速モードを確認する確認部;前記変速モードが回転数指定モードであれば、前記設定変速情報から前記エンジンの分当り回転数(RPM)に関する設定回転数を確認して前記設定回転数を基準として変速情報を獲得する獲得部;および前記変速モードによって獲得された変速情報で前記走行装置を制御する制御部を含むことができる。
【0007】
本発明に係る農業用作業車両の走行速度制御方法は、農業用作業車両が有する走行装置に対する設定変速情報を確認する段階;前記走行装置が有するエンジンと変速機を制御するための変速モードを確認する段階;前記変速モードが回転数指定モードであれば、前記設定変速情報から前記エンジンの分当り回転数(RPM)に関する設定回転数を確認した後、前記設定回転数を目標回転数に設定して前記目標回転数に変速するための変速情報を獲得する段階;および前記変速モードによって獲得された変速情報で前記走行装置を制御する段階を含むことができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、次のような効果を図ることができる。
【0009】
本発明は設定変速情報と変速モードを利用して自動で農業用作業車両が有する走行装置を制御するための変速情報を獲得できるように具現されることによって、農業用作業車両が遂行する作業に適合するように走行速度を制御する作業の容易性と正確性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】農業用作業車両の一例を示した概略的な側面図である。
【
図2】本発明に係る農業用作業車両の走行速度制御装置に対する概略的なブロック図である。
【
図3】本発明に係る農業用作業車両の走行速度制御方法に対する概略的なフローチャートである。
【
図4】本発明に係る農業用作業車両の走行速度制御方法に対する概略的なフローチャートである。
【
図5】本発明に係る農業用作業車両の走行速度制御方法に対する概略的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本発明に係る農業用作業車両の走行速度制御装置に対する実施形態を、添付された図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1および
図2を参照すると、本発明に係る農業用作業車両の走行速度制御装置1は、農業用作業車両100に適用されるものである。前記農業用作業車両100は、土地を利用して人間生活に必要な作物の栽培に利用されるものである。例えば、前記農業用作業車両100は、トラクター、コンバイン、田植機などであり得る。
【0013】
本発明に係る農業用作業車両の走行速度制御装置1の説明に先立ち、前記農業用作業車両100について説明すると次の通りである。
【0014】
前記農業用作業車両100は、車両本体110、前記車両本体110に設けられた運転席120、前記車両本体110に結合された車輪130、および前記車両本体110に結合された走行装置140を含むことができる。前記走行装置140は、前記車両本体110に結合されたエンジン(Engine、150)、および前記車両本体110に結合された変速機160を含むことができる。
【0015】
前記走行装置140は、前記車両本体110を走行させることができる。この場合、前記農業用作業車両100は、前記エンジン150が発生させた駆動が前記変速機160を通じて変速された後に前記車輪130に伝達されると、前記車輪130が回転することによって前記車両本体100が走行することができる。この場合、前記エンジン150の分当り回転数(RPM)および前記変速機160が遂行した変速段数によって、前記農業用作業車両100の走行速度が変更され得る。前記農業用作業車両100には、作業機(図示されず)が装着され得る。前記農業用作業車両100は、前記エンジン150および前記変速機160によって発生して変速された駆動を利用して前記作業機を作動させることができる。
【0016】
前記変速機160は、前記エンジン150が発生させた駆動に対して変速を遂行するものである。前記変速機160は、デュアルクラッチ変速機(DCT、Dual Clutch Transmission)で具現され得る。この場合、前記変速機160は、第1先行変速機構161、第2先行変速機構162、第1クラッチ機構163、第2クラッチ機構164、第1後行変速機構165、および第2後行変速機構166を含むことができる。
【0017】
前記第1先行変速機構161および前記第2先行変速機構162は、それぞれ前記エンジンから伝達された駆動に対して変速を遂行するものである。前記第1先行変速機構161および前記第2先行変速機構162は、それぞれ複数個のギア(Gear)および少なくとも一つのスリーブ(Sleeve)を含むことができる。前記第1先行変速機構161および前記第2先行変速機構162は、互いに異なる先行変速段数で変速を遂行することができる。前記第1先行変速機構161は、奇数段に該当する先行変速段数を具現し、前記第2先行変速機構162は、偶数段に該当する先行変速段数を具現することができる。例えば、8段で先行変速段数が具現される場合、前記第1先行変速機構161は、1段、3段、5段および7段からなる先行変速段数で変速を遂行し、前記第2先行変速機構162は、2段、4速、6段および8段からなる先行変速段数で変速を遂行するように具現され得る。前記第1先行変速機構161および前記第2先行変速機構162は、主変速部として具現され得る。
【0018】
前記第1クラッチ機構163および前記第2クラッチ機構164は、それぞれ選択的に駆動を伝達するものである。前記第1クラッチ機構163および前記第2クラッチ機構164は、それぞれ複数個の摩擦部材を利用して駆動を選択的に伝達するように具現され得る。例えば、前記第1クラッチ機構163および前記第2クラッチ機構164は、それぞれ摩擦を利用して駆動を選択的に伝達する多板クラッチ(Multiply Disk Clutch)で具現され得る。
【0019】
前記第1クラッチ機構163は、前記第1先行変速機構161および前記第1後行変速機構165それぞれに連結され得る。この場合、前記第1クラッチ機構163は、前記第1先行変速機構161から伝達された駆動を前記第1後行変速機構165に選択的に伝達することができる。前記第1クラッチ機構163が締結された場合、前記第1先行変速機構161から伝達された駆動は、前記第1クラッチ機構163を通じて前記第1後行変速機構165に伝達され得る。前記第1クラッチ機構163が締結解除された場合、前記第1先行変速機構161から伝達された駆動は、前記第1クラッチ機構163を通じて前記第1後行変速機構165に伝達されない。
【0020】
前記第2クラッチ機構164は、前記第2先行変速機構162および前記第2後行変速機構166それぞれに連結され得る。この場合、前記第2クラッチ機構164は、前記第2先行変速機構162から伝達された駆動を前記第2後行変速機構166に選択的に伝達することができる。前記第2クラッチ機構164が締結された場合、前記第2先行変速機構162から伝達された駆動は、前記第2クラッチ機構164を通じて前記第2後行変速機構166に伝達され得る。前記第2クラッチ機構164が締結解除された場合、前記第2先行変速機構162から伝達された駆動は、前記第2クラッチ機構164を通じて前記第2後行変速機構166に伝達されない。
【0021】
前記第1後行変速機構165は、前記第1クラッチ機構163を通じて前記第1先行変速機構161から伝達された駆動に対して変速を遂行するものである。前記第2後行変速機構166は、前記第2クラッチ機構164を通じて前記第2先行変速機構162から伝達された駆動に対して変速を遂行するものである。前記第1後行変速機構165および前記第2後行変速機構166は、それぞれ複数個のギア(Gear)および少なくとも一つのスリーブ(Sleeve)を含むことができる。前記第1後行変速機構165および前記第2後行変速機構166は、それぞれ複数個の後行変速段数で変速を遂行することができる。例えば、3段で後行変速段数が具現される場合、前記第1後行変速機構165および前記第2後行変速機構166は、それぞれハイ(High)段、ミドル(Middle)段、ロー(Low)段からなる後行変速段数で変速を遂行するように具現され得る。前記第1後行変速機構165および前記第2後行変速機構166は、副変速部として具現され得る。図示してはいないが、前記変速機160は、前記第1クラッチ機構163と前記第2クラッチ機構164の双方に連結された一つの後行変速機構を含むように具現されてもよい。
【0022】
本発明に係る農業用作業車両の走行速度制御装置1は、前記走行装置140を制御するために、確認部2、獲得部3、および制御部4を含むことができる。本発明に係る農業用作業車両の走行速度制御装置1は、前記車両本体110に結合され得る。
【0023】
図2を参照すると、前記確認部2は、設定変速情報および変速モードを確認するものである。前記設定変速情報は、前記走行装置140に関するものである。前記設定変速情報は、設定回転数と設定速度のうち少なくとも一つを含むことができる。前記設定回転数は、前記エンジン150の分当り回転数に関するものである。前記設定速度は、前記農業用作業車両100の走行速度に関するものである。前記変速モードは、前記走行装置140を制御するための制御モードに関するものである。この場合、前記走行装置140が有する前記エンジン150と前記変速機160が、前記変速モードによって制御され得る。
【0024】
前記確認部2は、前記農業用作業車両100が有する操作手段170から提供された情報を利用して前記設定変速情報および前記変速モードを確認することができる。前記操作手段170は、運転者が操作できるように前記運転席120に配置され得る。
【0025】
前記確認部2は、前記操作手段170が有する設定部171から提供された前記設定変速情報から前記設定回転数と前記設定速度のうち少なくとも一つを確認することができる。前記設定部171は、前記設定変速情報の設定に利用されるものである。運転者は、前記設定部171を操作して前記設定回転数と前記設定速度のうち少なくとも一つを設定することによって前記設定変速情報を設定することができる。
【0026】
前記確認部2は、前記操作手段170が有するモード選択部172から提供された選択情報を利用して前記変速モードを確認することができる。前記モード選択部172は、前記変速モードの選択に利用されるものである。運転者は、前記モード選択部172を操作して前記変速モードを選択することができる。
【0027】
図2を参照すると、前記獲得部3は、変速情報を獲得するものである。前記変速情報は、前記エンジン150の分当り回転数、前記変速機160の変速段数などを含むものである。例えば、前記変速情報には、前記エンジン150の分当り回転数、そして前記変速機160の前記先行変速段数、前記後行変速段数、前記第1クラッチ機構163の締結の有無、前記第2クラッチ機構164の締結の有無などが含まれ得る。
【0028】
前記獲得部3は、前記確認部2を通じて確認された前記変速モードが回転数指定モードおよび速度指定モードのうちいずれであるかによって互いに異なる変速情報を獲得することができる。前記速度指定モードには、速度優先モード、パワーモード(Power Mode)、エコモード(Eco Mode)等が含まれ得る。この場合、前記獲得部3は、前記確認部2を通じて確認された前記変速モードが、前記回転数指定モード、前記速度優先モード、前記パワーモード、前記エコモードなどのうちいずれのものに選択されたかによって、互いに異なる変速情報を獲得するように具現され得る。運転者は、前記モード選択部172を操作することによって、前記回転数指定モード、前記速度優先モード、前記パワーモード、前記エコモードなどのうちいずれか一つを選択することができる。
【0029】
前記変速モードが前記回転数指定モードであれば、前記獲得部3は、前記設定変速情報から前記設定回転数を確認し、前記設定回転数を基準として前記変速情報を獲得することができる。この場合、前記獲得部3は、走行速度を前記設定速度と互いに異なるように具現しても、前記エンジン150の分当り回転数を前記設定回転数と同一に具現する変速がなされるようにする変速情報を獲得することができる。前記獲得部3は、前記エンジン150の分当り回転数を前記設定回転数と同一に具現するとともに、走行速度を前記設定速度に最も近く具現する変速がなされるようにする変速情報を獲得することができる。これに伴い、前記設定回転数で動作することが重要な作業である場合、前記獲得部3は、該当作業に適合な変速情報を獲得することができる。
【0030】
前記変速モードが前記速度指定モードであれば、前記獲得部3は、前記設定変速情報から前記設定速度を確認し、前記設定速度を基準として前記変速情報を獲得することができる。この場合、前記獲得部3は、前記エンジン150の分当り回転数を前記設定回転数と互いに異なるように具現しても、走行速度を前記設定速度と同一に具現する変速がなされるようにする変速情報を獲得することができる。前記変速モードが前記速度指定モードの中でも前記速度優先モードである場合、前記獲得部3は、走行速度を前記設定速度と同一に具現するとともに、前記エンジン150の分当り回転数を前記設定回転数に最も近く具現する変速がなされるようにする変速情報を獲得することができる。前記変速モードが前記速度指定モードの中でも前記パワーモードである場合、前記獲得部3は、走行速度を前記設定速度と同一に具現するとともに、前記エンジン150の分当り回転数を最大で具現する変速がなされるようにする変速情報を獲得することができる。前記変速モードが前記速度指定モードの中でも前記エコモードである場合、前記獲得部3は、走行速度を前記設定速度と同一に具現するとともに、前記エンジン150の分当り回転数を最小で具現する変速がなされるようにする変速情報を獲得することができる。これに伴い、前記設定速度で走行することが重要な作業である場合、前記獲得部3は、該当作業に適合な変速情報を獲得することができる。
【0031】
前述した通り、本発明に係る農業用作業車両の走行速度制御装置1は、前記設定変速情報および前記変速モードを利用して前記農業用作業車両100が遂行する作業に適合な変速情報を獲得できるように具現される。この場合、前記設定変速情報には、前記設定回転数および前記設定速度のうち少なくとも一つが含まれ得る。前記変速情報には、前記エンジン150の分当り回転数、そして前記変速機160の前記先行変速段数、前記後行変速段数、前記第1クラッチ機構163の締結の有無、前記第2クラッチ機構164の締結の有無などが含まれ得る。したがって、本発明に係る農業用作業車両の走行速度制御装置1は、前記設定変速情報および前記変速モードを利用して自動で前記変速情報を獲得するように具現されることによって、前記農業用作業車両100が遂行する作業に適合するように前記走行装置140を制御する作業の容易性と正確性を向上させることができる。
【0032】
前記獲得部3は、候補導き出しモジュール31および決定モジュール32を含むことができる。
【0033】
前記候補導き出しモジュール31は、候補変速情報を導き出すものである。前記候補導き出しモジュール31は、前記変速モードによって互いに異なる候補変速情報を導き出すことができる。前記候補導き出しモジュール31は、前記候補変速情報を複数個導き出してもよい。
【0034】
前記変速モードが前記回転数指定モードであれば、前記候補導き出しモジュール31は、前記設定回転数を目標回転数に設定し、前記目標回転数に変速するための候補変速情報を導き出すことができる。この場合、前記候補導き出しモジュール31は、走行速度を前記設定速度と互いに異なるように具現しても、前記エンジン150の分当り回転数を前記目標回転数と同一に具現する変速がなされるようにする候補変速情報を導き出すことができる。前記候補導き出しモジュール31は、前記エンジン150の分当り回転数を前記目標回転数と同一に具現するとともに、走行速度を前記設定速度に近く具現する変速がなされるようにする候補変速情報を導き出すことができる。
【0035】
例えば、前記設定回転数が2,000RPM、前記設定速度が20km/hに設定されるとともに、前記変速モードが前記回転数指定モードに選択された場合、前記候補導き出しモジュール31は、2,000RPMを前記目標回転数に設定し、前記エンジン150の分当り回転数を2,000RPMで具現するとともに、走行速度を20km/hに近く具現する変速がなされるようにする候補変速情報を導き出すことができる。前記候補導き出しモジュール31は、前記候補変速情報を複数個導き出してもよい。この場合、前記候補変速情報のうちいずれか一つの候補変速情報は、前記エンジン150の分当り回転数2,000RPM、そして前記変速機160の前記先行変速段数1段、前記後行変速段数ハイ段、前記第1クラッチ機構163締結、前記第2クラッチ機構164締結解除で走行速度22km/hを具現するように導き出され得る(以下、「第1候補変速情報」という。)。この場合、前記候補変速情報のうち他の一つの候補変速情報は、前記エンジン150の分当り回転数2,000RPM、そして前記変速機160の前記先行変速段数8段、前記後行変速段数ミドル段、前記第1クラッチ機構163締結解除、前記第2クラッチ機構164締結で走行速度19km/hを具現するように導き出され得る(以下、「第2候補変速情報」という。)。前記候補導き出しモジュール31は、3個以上の候補変速情報を導き出してもよい。前記候補導き出しモジュール31は、一つの候補変速情報を導き出してもよい。すなわち、前記変速モードが前記回転数指定モードであれば、前記候補導き出しモジュール31は、少なくとも一つ以上の候補変速情報を導き出すことができる。
【0036】
前記候補導き出しモジュール31は、演算を通じて前記エンジン150の分当り回転数を前記目標回転数と同一に具現するとともに、走行速度を前記設定速度に近く具現する変速がなされるようにする候補変速情報を導き出すことができる。前記候補導き出しモジュール31は、予め保存されたデータの読み出しを通じて前記エンジン150の分当り回転数を前記目標回転数と同一に具現するとともに、走行速度を前記設定速度に近く具現する変速がなされるようにする候補変速情報を導き出してもよい。
【0037】
前記変速モードが前記速度指定モードの前記速度優先モードであれば、前記候補導き出しモジュール31は、前記設定速度を目標速度に設定し、前記目標速度に変速するための候補変速情報を導き出すことができる。この場合、前記候補導き出しモジュール31は、前記エンジン150の分当り回転数を前記設定回転数と互いに異なるように具現しても、前記走行速度を前記目標速度と同一に具現する変速がなされるようにする候補変速情報を導き出すことができる。前記候補導き出しモジュール31は、前記走行速度を前記目標速度と同一に具現するとともに、前記エンジン150の分当り回転数を前記設定回転数に近く具現する変速がなされるようにする候補変速情報を導き出すことができる。
【0038】
例えば、前記設定回転数が2,000RPM、前記設定速度が20km/hに設定されるとともに、前記変速モードが前記速度指定モードの前記速度優先モードに選択された場合、前記候補導き出しモジュール31は、20km/hを前記目標速度に設定し、走行速度を20km/hで具現するとともに、前記エンジン150の分当り回転数を2,000RPMに近く具現する変速がなされるようにする候補変速情報を導き出すことができる。前記候補導き出しモジュール31は、前記候補変速情報を複数個導き出してもよい。この場合、前記候補変速情報のうちいずれか一つの候補変速情報は、前記エンジン150の分当り回転数1,850RPM、そして前記変速機160の前記先行変速段数1段、前記後行変速段数ハイ段、前記第1クラッチ機構163締結、前記第2クラッチ機構164締結解除で走行速度20km/hを具現するように導き出され得る(以下、「第3候補変速情報」という。)。前記候補変速情報のうち他の一つの候補変速情報は、前記エンジン150の分当り回転数2,100RPM、そして前記変速機160の前記先行変速段数8段、前記後行変速段数ミドル段、前記第1クラッチ機構163締結解除、前記第2クラッチ機構164締結で走行速度20km/hを具現するように導き出され得る(以下、「第4候補変速情報」という。)。前記候補変速情報のうちさらに他の一つの候補変速情報は、前記エンジン150の分当り回転数2,350RPM、そして前記変速機160の前記先行変速段数7段、前記後行変速段数ミドル段、前記第1クラッチ機構163締結、前記第2クラッチ機構164締結解除で走行速度20km/hを具現するように導き出され得る(以下、「第5候補変速情報」という。)。前記候補導き出しモジュール31は、4個以上の候補変速情報を導き出してもよい。前記候補導き出しモジュール31は、一つの候補変速情報を導き出してもよい。すなわち、前記変速モードが前記速度指定モードの前記速度優先モードであれば、前記候補導き出しモジュール31は、少なくとも一つ以上の候補変速情報を導き出すことができる。
【0039】
前記候補導き出しモジュール31は、演算を通じて前記走行速度を前記目標速度と同一に具現するとともに、前記エンジン150の分当り回転数を前記設定回転数に近く具現する変速がなされるようにする候補変速情報を導き出すことができる。前記候補導き出しモジュール31は、予め保存されたデータの読み出しを通じて前記走行速度を前記目標速度と同一に具現するとともに、前記エンジン150の分当り回転数を前記設定回転数に近く具現する変速がなされるようにする候補変速情報を導き出してもよい。
【0040】
前記変速モードが前記速度指定モードのうち前記パワーモードまたは前記エコモードであれば、前記候補導き出しモジュール31は、前記設定速度を目標速度に設定し、前記目標速度に変速するための候補変速情報を導き出すことができる。この場合、前記候補導き出しモジュール31は、前記走行速度を前記目標速度と同一に具現する変速がなされるようにする候補変速情報を導き出すことができる。
【0041】
例えば、前記設定速度が20km/hに設定されるとともに、前記変速モードが前記速度指定モードのうち前記パワーモードまたは前記エコモードに選択された場合、前記候補導き出しモジュール31は、20km/hを前記目標速度に設定し、走行速度を20km/hで具現する変速がなされるようにする候補変速情報を導き出すことができる。前記候補導き出しモジュール31は、前記候補変速情報を複数個導き出してもよい。この場合、前記候補導き出しモジュール31は、前記第3候補変速情報、前記第4候補変速情報、および前記第5候補変速情報を導き出すことができる。前記候補導き出しモジュール31は、4個以上の候補変速情報を導き出してもよい。前記候補導き出しモジュール31は一つの候補変速情報を導き出してもよい。すなわち、前記変速モードが前記速度指定モードのうち前記パワーモードまたは前記エコモードであれば、前記候補導き出しモジュール31は、少なくとも一つ以上の候補変速情報を導き出すことができる。
【0042】
前記候補導き出しモジュール31は、演算を通じて前記走行速度を前記目標速度と同一に具現する変速がなされるようにする候補変速情報を導き出すことができる。前記候補導き出しモジュール31は、予め保存されたデータの読み出しを通じて前記走行速度を前記目標速度と同一に具現する変速がなされるようにする候補変速情報を導き出してもよい。
【0043】
前記速度優先モード、前記パワーモード、前記エコモードにおいて候補変速情報が同一のものを例に挙げたが、これに限定されるものではなく、モード別に候補変速情報が互いに異なるように導き出されてもよい。
【0044】
前記決定モジュール32は、前記変速情報を決定するものである。前記候補導き出しモジュール31が一つの候補変速情報を導き出した場合、前記決定モジュール32は、該当候補変速情報を前記変速情報に決定することができる。前記候補導き出しモジュール31が複数個の候補変速情報を導き出した場合、前記決定モジュール32は、前記候補変速情報のうちいずれか一つを前記変速情報に決定することができる。この場合、前記決定モジュール32は、前記変速モードによって互いに異なる候補変速情報を前記変速情報に決定することができる。
【0045】
前記変速モードが前記回転数指定モードであれば、前記決定モジュール32は、前記候補変速情報が有する候補速度のうち、前記設定速度との差が最も小さい候補速度を目標速度に決定し、決定された目標速度が含まれた候補変速情報を前記変速情報に決定することができる。例えば、前述した通り、前記設定回転数2,000RPM、前記設定速度20km/h、前記回転数指定モードで前記第1候補変速情報と前記第2候補変速情報が導き出された場合、前記決定モジュール32は、前記設定速度との差が最も小さい候補速度である19km/hを前記目標速度に決定し、前記目標速度が含まれた前記第2候補変速情報を前記変速情報に決定することができる。これに伴い、前記変速情報は、前記エンジン150の分当り回転数2,000RPM、そして前記変速機160の前記先行変速段数8段、前記後行変速段数ミドル段、前記第1クラッチ機構163締結解除、前記第2クラッチ機構164締結で走行速度19km/hを具現するように導き出され得る。一方、前記候補導き出しモジュール31が一つの候補変速情報のみ導き出した場合、前記決定モジュール32は、該当候補変速情報を前記変速情報に決定することができる。
【0046】
前記変速モードが前記速度指定モードの前記速度優先モードであれば、前記決定モジュール32は、前記候補変速情報が有する候補回転数のうち、前記設定回転数との差が最も小さい候補回転数を目標回転数に決定し、決定された目標回転数が含まれた候補変速情報を前記変速情報に決定することができる。例えば、前述した通り、前記設定回転数2,000RPM、前記設定速度20km/h、前記速度優先モードで前記第3候補変速情報、前記第4候補変速情報、および前記第5候補変速情報が導き出された場合、前記決定モジュール32は、前記設定回転数との差が最も小さい候補回転数である2,100RPMを前記目標回転数に決定し、前記目標回転数が含まれた前記第4候補変速情報を前記変速情報に決定することができる。これに伴い、前記変速情報は、前記エンジン150の分当り回転数2,100RPM、そして前記変速機160の前記先行変速段数8段、前記後行変速段数ミドル段、前記第1クラッチ機構163締結解除、前記第2クラッチ機構164締結で走行速度20km/hを具現するように導き出され得る。一方、前記候補導き出しモジュール31が一つの候補変速情報のみ導き出した場合、前記決定モジュール32は、該当候補変速情報を前記変速情報に決定することができる。
【0047】
前記変速モードが前記速度指定モードの前記パワーモードであれば、前記決定モジュール32は、前記候補変速情報が有する候補回転数のうち最も大きい候補回転数を目標回転数に決定し、決定された目標回転数が含まれた候補変速情報を前記変速情報に決定することができる。例えば、前述した通り、前記設定速度20km/h、前記パワーモードで前記第3候補変速情報、前記第4候補変速情報、および前記第5候補変速情報が導き出された場合、前記決定モジュール32は、最も大きい候補回転数である2,350RPMを前記目標回転数に決定し、前記目標回転数が含まれた前記第5候補変速情報を前記変速情報に決定することができる。これに伴い、前記変速情報は、前記エンジン150の分当り回転数2,350RPM、そして前記変速機160の前記先行変速段数7段、前記後行変速段数ミドル段、前記第1クラッチ機構163締結、前記第2クラッチ機構164締結解除で走行速度20km/hを具現するように導き出され得る。一方、前記候補導き出しモジュール31が一つの候補変速情報のみ導き出した場合、前記決定モジュール32は、該当候補変速情報を前記変速情報に決定することができる。
【0048】
前記変速モードが前記速度指定モードの前記エコモードであれば、前記決定モジュール32は、前記候補変速情報が有する候補回転数のうち最も小さい候補回転数を目標回転数に決定し、決定された目標回転数が含まれた候補変速情報を前記変速情報に決定することができる。例えば、前述した通り、前記設定速度20km/h、前記エコモードで前記第3候補変速情報、前記第4候補変速情報、および前記第5候補変速情報が導き出された場合、前記決定モジュール32は、最も小さい候補回転数である1,850RPMを前記目標回転数に決定し、前記目標回転数が含まれた前記第3候補変速情報を前記変速情報に決定することができる。これに伴い、前記変速情報は、前記エンジン150の分当り回転数1,850RPM、そして前記変速機160の前記先行変速段数1段、前記後行変速段数ハイ段、前記第1クラッチ機構163締結、前記第2クラッチ機構164締結解除で走行速度20km/hを具現するように導き出され得る。一方、前記候補導き出しモジュール31が一つの候補変速情報のみ導き出した場合、前記決定モジュール32は、該当候補変速情報を前記変速情報に決定することができる。
【0049】
図2を参照すると、前記制御部4は、前記変速モードによって獲得された変速情報で前記走行装置140を制御することができる。前記変速情報は、前記獲得部3によって獲得されたものである。前記制御部4は、前記変速情報で前記走行装置140が有する前記エンジン150と前記変速機160を制御することができる。前記制御部4は、前記変速情報に含まれた分当り回転数を具現するように前記エンジン150を制御することができる。そして、前記制御部4は、前記第1クラッチ機構163と前記第2クラッチ機構164のうちいずれか一つが締結されるように前記変速情報で前記変速機160を制御することができる。この場合、前記制御部4は、前記第1先行変速機構161と前記第2先行変速機構162のうちいずれか一つが前記変速情報に含まれた先行変速段数を具現するように前記変速機160を制御することができる。前記制御部4は、前記第1後行変速機構165と前記第2後行変速機構166のうちいずれか一つが前記変速情報に含まれた後行変速段数を具現するように前記変速機160を制御することができる。前記制御部4、前記獲得部3、および前記確認部2は、有線通信、無線通信等を通して情報を送受信するように具現され得る。
【0050】
図2を参照すると、本発明に係る農業用作業車両の走行速度制御装置1は、手動操作によって前記変速機160を制御できるように具現されてもよい。この場合、前記確認部2、前記獲得部3、および前記制御部4は、次の通り具現され得る。
【0051】
まず、前記確認部2は、前記モード選択部172から提供された選択情報を利用して、前記変速モードが前記回転数指定モード、前記速度指定モード、および手動モードのうちいずれのものに選択されたかを確認することができる。この場合、運転者は、前記モード選択部172を操作することによって、前記回転数指定モード、前記速度指定モード、および手動モードのうちいずれか一つを選択することができる。前記速度指定モードに前記速度優先モード、前記パワーモード、前記エコモードなどが含まれた場合、前記確認部2は、前記モード選択部172から提供された選択情報を利用して前記変速モードが前記回転数指定モード、前記速度優先モード、前記パワーモード、前記エコモード、前記手動モードなどのうちいずれのものに選択されたかを確認することができる。運転者は、前記モード選択部172を操作することによって、前記回転数指定モード、前記速度優先モード、前記パワーモード、前記エコモード、前記手動モードなどのうちいずれか一つを選択することができる。
【0052】
次に、前記獲得部3は、前記変速モードが前記手動モードであれば、前記操作手段170が有する操作部173から提供された操作情報に変速するための変速情報を獲得することができる。前記操作部173は、手動操作に利用されるものである。運転者は、前記操作部173を操作することによって前記走行装置140を手動で制御することができる。前記操作部173は調速レバー、アクセルペダル、ギアアップ/ダウンスイッチなどを含むことができる。
【0053】
次に、前記制御部4は、前記回転数指定モード、前記速度指定モード、および手動モードの中から選択されたいずれか一つの変速モードによって獲得された変速情報で前記走行装置140を制御することができる。前記速度指定モードに前記速度優先モード、前記パワーモード、前記エコモードなどが含まれた場合、前記制御部4は、前記回転数指定モード、前記速度優先モード、前記パワーモード、前記エコモード、前記手動モードなどの中から選択されたいずれか一つの変速モードによって獲得された変速情報で前記走行装置140を制御することができる。
【0054】
以下では、本発明に係る農業用作業車両の走行速度制御方法に対する実施形態を、添付された図面を参照して詳細に説明する。
【0055】
図1~
図3を参照すると、本発明に係る農業用作業車両の走行速度制御方法は、前記農業用作業車両100が有する走行装置140を制御するものである。本発明に係る農業用作業車両の走行速度制御方法は、前述した本発明に係る農業用作業車両の走行速度制御装置1によって遂行され得る。本発明に係る農業用作業車両の走行速度制御方法は、次のような段階を含むことができる。
【0056】
まず、設定変速情報を確認する(S10)。このような段階(S10)は、前記設定回転数および前記設定速度のうち少なくとも一つを確認することによってなされ得る。前記設定変速情報を確認する段階(S10)は、前記確認部2によって遂行され得る。前記確認部2は、前記設定部171から提供された前記設定変速情報を利用して前記設定回転数および前記設定速度のうち少なくとも一つを確認することができる。
【0057】
次に、変速モードを確認する(S20)。このような段階(S20)は、前記走行装置140を制御するための前記変速モードを確認することによってなされ得る。前記変速モードを確認する段階(S20)は、前記確認部2によって遂行され得る。前記確認部2は、前記モード選択部172から提供された選択情報を利用して前記変速モードを確認することができる。
【0058】
本実施形態では、前記設定変速情報を確認する段階(S10)を遂行した後に前記変速モードを確認する段階(S20)が遂行されるものとして説明しているが、これに限定されはしない。必要に応じて、前記変速モードを確認する段階(S20)を遂行した後に前記設定変速情報を確認する段階(S10)が遂行されてもよい。
【0059】
次に、前記変速モードが回転数指定モードであれば、目標回転数によって変速情報を獲得する(S30)。このような段階(S30)は、前記設定回転数を前記目標回転数に設定し、前記目標回転数に変速するための前記変速情報を獲得することによってなされ得る。前記目標回転数によって変速情報を獲得する段階(S30)は、前記獲得部3によって遂行され得る。前記獲得部3は、走行速度を前記設定速度と互いに異なるように具現しても、前記エンジン150の分当り回転数を前記目標回転数と同一に具現する変速がなされるようにする変速情報を獲得することができる。
【0060】
次に、前記変速モードが前記速度指定モードであれば、目標速度によって変速情報を獲得する(S40)。このような段階(S40)は、前記設定速度を前記目標速度に設定し、前記目標速度に変速するための前記変速情報を獲得することによってなされ得る。前記目標速度によって変速情報を獲得する段階(S40)は、前記獲得部3によって遂行され得る。前記獲得部3は、前記エンジン150の分当り回転数を前記設定回転数と互いに異なるように具現しても、走行速度を前記目標速度と同一に具現する変速がなされるようにする変速情報を獲得することができる。
【0061】
次に、走行装置140を制御する(S50)。このような段階(S50)は、前記変速モードによって獲得された変速情報で前記走行装置140を制御することによってなされ得る。前記走行装置を制御する段階(S50)は、前記制御部4によって遂行され得る。前記制御部4は、前記獲得部3が獲得した変速情報で前記走行装置140を制御することができる。
【0062】
前述した通り、本発明に係る農業用作業車両の走行速度制御方法は、前記設定変速情報および前記変速モードを利用して前記農業用作業車両100が遂行する作業に適合な変速情報で前記走行装置140を制御できるように具現される。この場合、前記設定変速情報には、前記設定速度および前記設定速度のうち少なくとも一つが含まれ得る。前記変速情報には、前記エンジン150の分当り回転数、そして前記変速機160の前記先行変速段数、前記後行変速段数、前記第1クラッチ機構163の締結の有無、前記第2クラッチ機構164の締結の有無などが含まれ得る。したがって、本発明に係る農業用作業車両の走行速度制御方法は、前記設定変速情報および前記変速モードを利用して自動で獲得された変速情報で前記走行装置140を制御するように具現されることによって、前記農業用作業車両100が遂行する作業に適合するように前記走行装置140を制御する作業の容易性と正確性を向上させることができる。
【0063】
ここで、前記走行装置を制御する段階(S50)は、前記変速情報に含まれた分当り回転数を具現するように前記エンジン150を制御することによってなされ得る。そして、前記走行装置を制御する段階(S50)は、前記第1クラッチ機構163と前記第2クラッチ機構164のうちいずれか一つが締結されるように前記変速情報で前記変速機160を制御することによってなされ得る。この場合、前記走行装置を制御する段階(S50)は、前記第1先行変速機構161と前記第2先行変速機構162のうちいずれか一つが前記変速情報に含まれた先行変速段数を具現するように前記変速機160を制御することによってなされ得る。前記走行装置を制御する段階(S50)は、前記第1後行変速機構165と前記第2後行変速機構166のうちいずれか一つが前記変速情報に含まれた後行変速段数を具現するように前記変速機160を制御することによってなされ得る。
【0064】
図1~
図5を参照すると、前記目標回転数によって変速情報を獲得する段階(S30)は、次のような段階を含むことができる。
【0065】
まず、設定回転数を利用して候補変速情報を導き出す(S31)。このような段階(S31)は、前記設定回転数を前記目標回転数に設定し、前記目標回転数に変速するための候補変速情報を導き出すことによってなされ得る。前記設定回転数を利用して前記候補変速情報を導き出す段階(S31)は、前記候補導き出しモジュール31によって遂行され得る。前記候補導き出しモジュール31は走行速度を前記設定速度と互いに異なるように具現しても、前記エンジン150の分当り回転数を前記目標回転数と同一に具現する変速がなされるようにする候補変速情報を導き出すことができる。前記候補導き出しモジュール31は、前記エンジン150の分当り回転数を前記目標回転数と同一に具現するとともに、走行速度を前記設定速度に近く具現する変速がなされるようにする候補変速情報を導き出すことができる。前記設定回転数を利用して前記候補変速情報を導き出す段階(S31)は、前記候補変速情報を複数個導き出すことによってなされてもよい。例えば、前述した通り、前記設定回転数が2,000RPM、前記設定速度が20km/hに設定されるとともに、前記変速モードが前記回転数指定モードに選択された場合、前記設定回転数を利用して前記候補変速情報を導き出す段階(S31)は、前記第1候補変速情報および前記第2候補変速情報を導き出すことができる。
【0066】
次に、最小の差の候補速度を目標速度に決定する(S32)。前記設定回転数を利用して前記候補変速情報を導き出す段階(S31)で前記候補変速情報が複数個導き出された場合、前記最小の差の候補速度を目標速度に決定する段階(S32)は、前記候補変速情報が有する候補速度のうち、前記設定速度との差が最も小さい候補速度を前記目標速度に設定することによってなされ得る。前記最小の差の候補速度を目標速度に決定する段階(S32)は、前記決定モジュール32によって遂行され得る。例えば、前述した通り、前記設定回転数2,000RPM、前記設定速度20km/h、前記回転数指定モードで前記第1候補変速情報と前記第2候補変速情報が導き出された場合、前記最小の差の候補速度を目標速度に決定する段階(S32)は、前記設定速度との差が最も小さい候補速度である19km/hを前記目標速度に決定することができる。一方、前記設定回転数を利用して前記候補変速情報を導き出す段階(S31)で前記候補変速情報が一つのみ導き出された場合、前記最小の差の候補速度を目標速度に決定する段階(S32)は、該当候補変速情報が有する候補速度を前記目標速度に決定することによってなされ得る。
【0067】
次に、目標速度による変速情報を決定する(S33)。このような段階(S33)は決定された目標速度が含まれた候補変速情報を前記変速情報に決定することによってなされ得る。前記目標速度による変速情報を決定する段階(S33)は、前記決定モジュール32によって遂行され得る。例えば、前述した通り、前記設定回転数2,000RPM、前記設定速度20km/h、前記回転数指定モードで19km/hが前記目標速度に決定された場合、前記目標速度による変速情報を決定する段階(S33)は、前記目標速度である19km/hが含まれた前記第2候補変速情報を前記変速情報に決定することができる。これに伴い、前記変速情報は、前記エンジン150の分当り回転数2,000RPM、そして前記変速機160の前記先行変速段数8段、前記後行変速段数ミドル段、前記第1クラッチ機構163締結解除、前記第2クラッチ機構164締結で走行速度19km/hを具現するように導き出され得る。
【0068】
図1~
図5を参照すると、前記目標速度によって変速情報を獲得する段階(S40)は次のような段階を含むことができる。
【0069】
まず、設定速度を利用して候補変速情報を導き出す(S41)。このような段階(S41)は、前記設定速度を前記目標速度に設定し、前記目標速度に変速するための候補変速情報を導き出すことによってなされ得る。前記設定速度を利用して前記候補変速情報を導き出す段階(S41)は、前記候補導き出しモジュール31によって遂行され得る。前記候補導き出しモジュール31は、前記エンジン150の分当り回転数を前記設定回転数と互いに異なるように具現しても、走行速度を前記目標速度と同一に具現する変速がなされるようにする候補変速情報を導き出すことができる。
【0070】
前記変速モードが前記速度指定モードの前記速度優先モードであれば、前記候補導き出しモジュール31は、走行速度を前記目標速度と同一に具現するとともに、前記エンジン150の分当り回転数を前記目標回転数に近く具現する変速がなされるようにする候補変速情報を導き出すことができる。前記設定速度を利用して前記候補変速情報を導き出す段階(S41)は、前記候補変速情報を複数個導き出してもよい。例えば、前述した通り、前記設定回転数が2,000RPM、前記設定速度が20km/hに設定されるとともに、前記変速モードが前記速度優先モードに選択された場合、前記設定速度を利用して前記候補変速情報を導き出す段階(S41)は、前記第3候補変速情報、前記第4候補変速情報、および前記第5候補変速情報を導き出すことができる。そして、前記変速モードが前記速度指定モードの前記パワーモードまたは前記エコモードであれば、前記候補導き出しモジュール31は、走行速度を前記目標速度と同一に具現する変速がなされるようにする候補変速情報を導き出すことができる。この場合、前記設定速度を利用して前記候補変速情報を導き出す段階(S41)は、前記候補変速情報を複数個導き出してもよい。例えば、前述した通り、前記設定回転数が2,000RPM、前記設定速度が20km/hに設定されるとともに、前記変速モードが前記パワーモードまたは前記エコモードに選択された場合、前記設定速度を利用して前記候補変速情報を導き出す段階(S41)は、前記第3候補変速情報、前記第4候補変速情報、および前記第5候補変速情報を導き出すことができる。
【0071】
前記速度優先モード、前記パワーモード、前記エコモードにおいて候補変速情報が同一のものを例に挙げたが、これに限定されるものではなく、モード別に候補変速情報が互いに異なるように導き出されてもよい。
【0072】
次に、前記変速モードが前記速度優先モードであれば、最小の差の候補回転数を目標回転数に決定する(S42)。前記設定速度を利用して前記候補変速情報を導き出す段階(S41)で前記候補変速情報が複数個導き出された場合、前記最小の差の候補回転数を目標回転数に決定する段階(S42)は、前記候補変速情報が有する候補回転数のうち、前記設定回転数との差が最も小さい候補回転数を前記目標回転数に設定することによってなされ得る。前記最小の差の候補回転数を目標回転数に決定する段階(S42)は、前記決定モジュール32によって遂行され得る。例えば、前述した通り、前記設定回転数2,000RPM、前記設定速度20km/h、前記速度優先モードで前記第3候補変速情報、前記第4候補変速情報、および前記第5候補変速情報が導き出された場合、前記最小の差の候補回転数を目標回転数に決定する段階(S42)は、前記設定回転数との差が最も小さい候補回転数である2,100RPMを前記目標回転数に決定することができる。一方、前記設定速度を利用して前記候補変速情報を導き出す段階(S41)で前記候補変速情報が一つのみ導き出された場合、前記最小の差の候補回転数を目標回転数に決定する段階(S42)は、該当候補変速情報が有する候補回転数を前記目標回転数に決定することによってなされ得る。
【0073】
次に、前記変速モードが前記パワーモードであれば、最大候補回転数を目標回転数に決定する(S43)。前記設定速度を利用して前記候補変速情報を導き出す段階(S41)で前記候補変速情報が複数個導き出された場合、前記最大候補回転数を目標回転数に決定する段階(S43)は、前記候補変速情報が有する候補回転数のうち最も大きい候補回転数を前記目標回転数に設定することによってなされ得る。前記最大候補回転数を目標回転数に決定する段階(S43)は、前記決定モジュール32によって遂行され得る。例えば、前述した通り、前記設定速度20km/h、前記パワーモードで前記第3候補変速情報、前記第4候補変速情報、および前記第5候補変速情報が導き出された場合、前記最大候補回転数を目標回転数に決定する段階(S43)は、最も大きい候補回転数である2,350RPMを前記目標回転数に決定することができる。一方、前記設定速度を利用して前記候補変速情報を導き出す段階(S41)で前記候補変速情報が一つのみ導き出された場合、前記最大候補回転数を目標回転数に決定する段階(S43)は、該当候補変速情報が有する候補回転数を前記目標回転数に決定することによってなされ得る。
【0074】
次に、前記変速モードが前記エコモードであれば、最小候補回転数を目標回転数に決定する(S44)。前記設定速度を利用して前記候補変速情報を導き出す段階(S41)で前記候補変速情報が複数個導き出された場合、前記最小候補回転数を目標回転数に決定する段階(S44)は、前記候補変速情報が有する候補回転数のうち最も小さい候補回転数を前記目標回転数に設定することによってなされ得る。前記最小候補回転数を目標回転数に決定する段階(S44)は、前記決定モジュール32によって遂行され得る。例えば、前述した通り、前記設定速度20km/h、前記エコモードで前記第3候補変速情報、前記第4候補変速情報、および前記第5候補変速情報が導き出された場合、前記最小候補回転数を目標回転数に決定する段階(S44)は、最も小さい候補回転数である1,850RPMを前記目標回転数に決定することができる。一方、前記設定速度を利用して前記候補変速情報を導き出す段階(S41)で前記候補変速情報が一つのみ導き出された場合、前記最小候補回転数を目標回転数に決定する段階(S44)は、該当候補変速情報が有する候補回転数を前記目標回転数に決定することによってなされ得る。
【0075】
次に、目標回転数による変速情報を決定する(S45)。このような段階(S45)は、決定された目標回転数が含まれた候補変速情報を前記変速情報に決定することによってなされ得る。前記目標回転数による変速情報を決定する段階(S45)は、前記決定モジュール32によって遂行され得る。
【0076】
例えば、前述した通り、前記設定回転数が2,000RPM、前記設定速度が20km/h、前記速度優先モードで2,100RPMが前記目標回転数に決定された場合、前記目標回転数による変速情報を決定する段階(S45)は、前記目標回転数である2,100RPMが含まれた前記第4候補変速情報を前記変速情報に決定することができる。これに伴い、前記変速情報は、前記エンジン150の分当り回転数2,100RPM、そして前記変速機160の前記先行変速段数8段、前記後行変速段数ミドル段、前記第1クラッチ機構163締結解除、前記第2クラッチ機構164締結で走行速度20km/hを具現するように導き出され得る。
【0077】
例えば、前述した通り、前記設定回転数が2,000RPM、前記設定速度が20km/h、前記パワーモードで2,350RPMが前記目標回転数に決定された場合、前記目標回転数による変速情報を決定する段階(S45)は、前記目標回転数である2,350RPMが含まれた前記第5候補変速情報を前記変速情報に決定することができる。これに伴い、前記変速情報は、前記エンジン150の分当り回転数2,350RPM、そして前記変速機160の前記先行変速段数7段、前記後行変速段数ミドル段、前記第1クラッチ機構163締結、前記第2クラッチ機構164締結解除で走行速度20km/hを具現するように導き出され得る。
【0078】
例えば、前述した通り、前記設定回転数が2,000RPM、前記設定速度が20km/h、前記エコモードで1,850RPMが前記目標回転数に決定された場合、前記目標回転数による変速情報を決定する段階(S45)は、前記目標回転数である1,850RPMが含まれた前記第3候補変速情報を前記変速情報に決定することができる。これに伴い、前記変速情報は、前記エンジン150の分当り回転数1,850RPM、そして前記変速機160の前記先行変速段数1段、前記後行変速段数ハイ段、前記第1クラッチ機構163締結、前記第2クラッチ機構164締結解除で走行速度20km/hを具現するように導き出され得る。
【0079】
図1~
図3を参照すると、本発明に係る農業用作業車両の走行速度制御方法は、操作情報によって変速情報を獲得する段階(S60)を追加で含むことができる。
【0080】
前記操作情報によって変速情報を獲得する段階(S60)は、前記変速モードが手動モードであれば、前記操作部173から提供された操作情報に変速するための変速情報を獲得することによってなされ得る。前記操作情報によって変速情報を獲得する段階(S60)は、前記獲得部3によって遂行され得る。
【0081】
前記操作情報によって変速情報を獲得する段階(S60)が備えられる場合、前記変速モードを確認する段階(S20)は、前記モード選択部172から提供された選択情報を利用して、前記変速モードが前記回転数指定モード、前記速度指定モード、および前記手動モードのうちいずれのものに選択されたかを確認することによってなされ得る。前記速度指定モードに前記速度優先モード、前記パワーモード、前記エコモードなどが含まれた場合、前記変速モードを確認する段階(S20)は、前記モード選択部172から提供された選択情報を利用して、前記変速モードが前記回転数指定モード、前記速度優先モード、前記パワーモード、前記エコモード、前記手動モードなどのうちいずれのものに選択されたかを確認することによってなされ得る。
【0082】
前記操作情報によって変速情報を獲得する段階(S60)が備えられる場合、前記走行装置を制御する段階(S50)は、前記回転数指定モード、前記速度指定モード、および前記手動モードの中から選択されたいずれか一つの変速モードによって獲得された変速情報で前記走行装置140を制御することによってなされ得る。前記速度指定モードに前記速度優先モード、前記パワーモード、前記エコモードなどが含まれた場合、前記走行装置を制御する段階(S50)は、前記回転数指定モード、前記速度優先モード、前記パワーモード、前記エコモード、前記手動モードなどの中から選択されたいずれか一つの変速モードによって獲得された変速情報で前記走行装置140を制御することによってなされ得る。
【0083】
以上で説明した本発明は、前述した実施形態および添付された図面に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で多様な置換、変形および変更が可能であることが本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者において明白であろう。