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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-30
(45)【発行日】2023-07-10
(54)【発明の名称】車両の配車
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/123 20060101AFI20230703BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20230703BHJP
【FI】
G08G1/123 A
G08G1/09 H
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022035885
(22)【出願日】2022-03-09
(62)【分割の表示】P 2019530365の分割
【原出願日】2017-08-17
(65)【公開番号】P2022078248
(43)【公開日】2022-05-24
【審査請求日】2022-04-08
(31)【優先権主張番号】15/240,072
(32)【優先日】2016-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/240,150
(32)【優先日】2016-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520451201
【氏名又は名称】モーショナル エイディー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【弁理士】
【氏名又は名称】末松 亮太
(74)【代理人】
【識別番号】100195408
【弁理士】
【氏名又は名称】武藤 陽子
(72)【発明者】
【氏名】イアグネマ,カール
(72)【発明者】
【氏名】ロベル,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ウォルフ,エリック
(72)【発明者】
【氏名】ラビチャンドラン,ハーシャヴァーダン
【審査官】上野 博史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0171313(US,A1)
【文献】特開2015-191264(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0167648(US,A1)
【文献】特開2012-014482(JP,A)
【文献】特開2015-191641(JP,A)
【文献】特開2013-200540(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G06Q 10/00-10/10
30/00-30/08
50/00-50/20
50/26-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のコンピュータと、動作可能な命令を格納する1つ以上の記憶装置と、を備えるシステムであって、前記命令が前記1つ以上のコンピュータによって実行されると、前記1つ以上のコンピュータに、
(i)第1位置にいる第1の人によって、かつ(ii)1つ以上のビジョン・センサの知覚可能な範囲内で行われた身体的ジェスチャの第1シーケンスに関連付けられたデータを車両の前記1つ以上のビジョン・センサで受け取るステップと、
前記身体的ジェスチャの第1シーケンスから、1つ以上の身体的ジェスチャをデコードするステップであって、各身体的ジェスチャは、ジェスチャ特性をそれぞれ有する、デコードするステップと、
前記1つ以上の身体的ジェスチャの前記ジェスチャ特性のそれぞれに基づいて、前記第1位置における輸送サービスの要求を特定するステップであって、前記輸送サービスの要求には、前記車両について意図された利用に関係する情報が含まれる、特定するステップと、
特定された前記輸送サービスの要求に基づいて、前記第1位置またはその近くにおける停止位置を選択するステップと、
前記車両を前記停止位置で停止させるステップと
を含む動作を実行させる、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記1つ以上のビジョン・センサは、前記車両に近接する風景の動画をキャプチャするように構成された1つ以上のビデオ・センサを備えるシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記1つ以上のビジョン・センサは、1つ以上のLiDARセンサを備えるシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記身体的ジェスチャの第1シーケンスは、1つ以上の顔の表情を含む、システム。
【請求項5】
請求項4に記載のシステムにおいて、
前記1つ以上の顔の表情のうちの第1の顔の表情は、前記第1の人が最小時間期間にわたって前記車両を凝視することを含む、システム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムにおいて、
身体的ジェスチャのジェスチャ特性は、前記第1の人がどれだけ長く前記身体的ジェスチャを行ったかを測る表示期間特性を含み、
前記1つ以上の身体的ジェスチャの前記ジェスチャ特性のそれぞれに基づいて、前記第1位置における輸送サービスの要求を特定するステップは、
前記1つ以上の身体的ジェスチャにおける前記表示期間特性が最小時間期間を超えたことに基づいて、前記輸送サービスの要求を特定するステップを備えるシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記1つ以上の身体的ジェスチャの前記ジェスチャ特性のそれぞれに基づいて、前記第1位置における輸送サービスの要求を特定するステップは、
前記1つ以上の身体的ジェスチャのうちから第1ジェスチャおよび第2ジェスチャを特定するステップを備え、
前記第1の人によって行われた前記第1ジェスチャに続く前記第2ジェスチャは、前記輸送サービスの要求に関連付けられている、システム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記輸送サービスは、複数のサービスのクラスを有し、各サービスのクラスは、(i)前記車両によって前記第1の人に提供される特定水準のサービス、および(ii)身体的ジェスチャの特定シーケンス、に関連付けられており、
前記1つ以上の身体的ジェスチャの前記ジェスチャ特性のそれぞれに基づいて、前記第1位置における輸送サービスの要求を特定するステップは、
前記身体的ジェスチャの第1シーケンスが、前記複数のサービスのクラスのうちの特定のサービスのクラスに関連付けられた身体的ジェスチャの特定シーケンスに一致することを判定するステップと、
前記身体的ジェスチャの第1シーケンスが、前記複数のサービスのクラスのうちの特定のサービスのクラスに関連付けられた身体的ジェスチャの特定シーケンスに一致するとの判定に応じて、
前記輸送サービスの要求を、前記特定のサービスのクラスの要求として特定するステップと、前記特定のサービスのクラスに関連付けられた前記特定水準のサービスを、前記車両によって前記第1の人に提供するステップと、を備えるシステム。
【請求項9】
命令を用いてエンコードされた1つ以上の非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令が1つ以上のコンピュータによって実行されると、前記1つ以上のコンピュータに、
(i)第1位置にいる第1の人によって、かつ(ii)1つ以上のビジョン・センサの知覚可能な範囲内で行われた身体的ジェスチャの第1シーケンスに関連付けられたデータを車両の前記1つ以上のビジョン・センサで受け取るステップと、
前記身体的ジェスチャの第1シーケンスから、1つ以上の身体的ジェスチャをデコードするステップであって、各身体的ジェスチャは、ジェスチャ特性をそれぞれ有する、デコードするステップと、
前記1つ以上の身体的ジェスチャの前記ジェスチャ特性のそれぞれに基づいて、前記第1位置における輸送サービスの要求を特定するステップであって、前記輸送サービスの要求には、前記車両について意図された利用に関係する情報が含まれる、特定するステップと、
特定された前記輸送サービスの要求に基づいて、前記第1位置またはその近くにおける停止位置を選択するステップと、
前記車両を前記停止位置で停止させるステップと
を含む動作を実行させる、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項10】
請求項9に記載のコンピュータ可読記憶媒体において、
前記1つ以上のビジョン・センサは、前記車両に近接する風景の動画をキャプチャするように構成された1つ以上のビデオ・センサを備える非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項11】
請求項9に記載のコンピュータ可読記憶媒体において、
前記1つ以上のビジョン・センサは、1つ以上のLiDARセンサを備える非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項12】
請求項9に記載のコンピュータ可読記憶媒体において、
前記身体的ジェスチャの第1シーケンスは、1つ以上の顔の表情を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項13】
請求項12に記載のコンピュータ可読記憶媒体において、
前記1つ以上の顔の表情のうちの第1の顔の表情は、前記第1の人が最小時間期間にわたって前記車両を凝視することを含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項14】
請求項9に記載のコンピュータ可読記憶媒体において、
身体的ジェスチャのジェスチャ特性は、前記第1の人がどれだけ長く前記身体的ジェスチャを行ったかを測る表示期間特性を含み、
前記1つ以上の身体的ジェスチャの前記ジェスチャ特性のそれぞれに基づいて、前記第1位置における輸送サービスの要求を特定するステップは、
前記1つ以上の身体的ジェスチャにおける前記表示期間特性が最小時間期間を超えたことに基づいて、前記輸送サービスの要求を特定するステップを備える非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
請求項9に記載のコンピュータ可読記憶媒体において、
前記輸送サービスは、複数のサービスのクラスを有し、各サービスのクラスは、(i)前記車両によって前記第1の人に提供される特定水準のサービス、および(ii)身体的ジェスチャの特定シーケンス、に関連付けられており、
前記1つ以上の身体的ジェスチャの前記ジェスチャ特性のそれぞれに基づいて、前記第1位置における輸送サービスの要求を特定するステップは、
前記身体的ジェスチャの第1シーケンスが、前記複数のサービスのクラスのうちの特定のサービスのクラスに関連付けられた身体的ジェスチャの特定シーケンスに一致することを判定するステップと、
前記身体的ジェスチャの第1シーケンスが、前記複数のサービスのクラスのうちの特定のサービスのクラスに関連付けられた身体的ジェスチャの特定シーケンスに一致するとの判定に応じて、
前記輸送サービスの要求を、前記特定のサービスのクラスの要求として特定するステップと、前記特定のサービスのクラスに関連付けられた前記特定水準のサービスを、前記車両によって前記第1の人に提供するステップと、を備える非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項16】
(i)第1位置にいる第1の人によって、かつ(ii)1つ以上のビジョン・センサの知覚可能な範囲内で行われた身体的ジェスチャの第1シーケンスに関連付けられたデータを車両の前記1つ以上のビジョン・センサで受け取るステップと、
前記車両のプロセッサが、前記身体的ジェスチャの第1シーケンスから、1つ以上の身体的ジェスチャをデコードするステップであって、各身体的ジェスチャは、ジェスチャ特性をそれぞれ有する、デコードするステップと、
前記プロセッサが、前記1つ以上の身体的ジェスチャの前記ジェスチャ特性のそれぞれに基づいて、前記第1位置における輸送サービスの要求を特定するステップであって、前記輸送サービスの要求には、前記車両について意図された利用に関係する情報が含まれる、特定するステップと、
前記プロセッサが、特定された前記輸送サービスの要求に基づいて、前記第1位置またはその近くにおける停止位置を選択するステップと、
前記プロセッサが、前記車両を前記停止位置で停止させるステップと
を備える方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、
前記身体的ジェスチャの第1シーケンスは、1つ以上の顔の表情を含む、方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法において、
身体的ジェスチャのジェスチャ特性は、前記第1の人がどれだけ長く前記身体的ジェスチャを行ったかを測る表示期間特性を含み、
前記1つ以上の身体的ジェスチャの前記ジェスチャ特性のそれぞれに基づいて、前記第1位置における輸送サービスの要求を特定するステップは、
前記1つ以上の身体的ジェスチャにおける前記表示期間特性が最小時間期間を超えたことに基づいて、前記輸送サービスの要求を特定するステップを備える方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法において、
前記1つ以上の身体的ジェスチャの前記ジェスチャ特性のそれぞれに基づいて、前記第1位置における輸送サービスの要求を特定するステップは、
前記1つ以上の身体的ジェスチャのうちから第1ジェスチャおよび第2ジェスチャを特定するステップを備え、
前記第1の人によって行われた前記第1ジェスチャに続く前記第2ジェスチャは、前記輸送サービスの要求に関連付けられている、方法。
【請求項20】
請求項16に記載の方法において、
前記輸送サービスは、複数のサービスのクラスを有し、各サービスのクラスは、(i)前記車両によって前記第1の人に提供される特定水準のサービス、および(ii)身体的ジェスチャの特定シーケンス、に関連付けられており、
前記1つ以上の身体的ジェスチャの前記ジェスチャ特性のそれぞれに基づいて、前記第1位置における輸送サービスの要求を特定するステップは、
前記身体的ジェスチャの第1シーケンスが、前記複数のサービスのクラスのうちの特定のサービスのクラスに関連付けられた身体的ジェスチャの特定シーケンスに一致することを判定するステップと、
前記身体的ジェスチャの第1シーケンスが、前記複数のサービスのクラスのうちの特定のサービスのクラスに関連付けられた身体的ジェスチャの特定シーケンスに一致するとの判定に応じて、
前記輸送サービスの要求を、前記特定のサービスのクラスの要求として特定するステップと、前記特定のサービスのクラスに関連付けられた前記特定水準のサービスを、前記車両によって前記第1の人に提供するステップと、を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2016年8月18日に出願された米国特許出願第15/240072、および201
6年8月18日に出願された米国特許出願第15/240,150の優先権を主張するものである。
【従来技術】
【0002】
本開示は、自律車両のような車両の配車に関する。
【0003】
図1に示されるように、タクシーや乗り合い車両のような車両を人が配車するための一般的な方法は、人がモバイル・アプリケーションと相互作用することによって要求を入力するものである。要求は、モバイル・アプリケーションによって処理され、次いで、中央サーバ12にセルラフォン・ネットワークまたはインターネットを介して転送される。中央サーバ12では、要求が処理され、次いで、車両14のドライバにセルラフォン・ネットワークを介して転送される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
全般的に、ある態様においては、自律車両を使用するという見込み乗車者の意思の指示がユーザ・インタフェースを介して受け取られる。指示の受け取り応じて、配車要求は、シグナリング・モードにより1つ以上の自律車両に送られる。1つ以上の自律車両はシグナリング・モードにしたがって配車要求を直接受け取ることができる。
【0005】
実施形態は、次の特徴のうち1つまたは2つ以上の組み合わせを含んでもよい。ユーザ・インタフェースは、モバイル・デバイスのディスプレイを通じて提示される。指示がモバイル・デバイスの入力機構を通じて受け取られる。指示が固定位置にあるデバイスの入力機構を通じて受け取られる。配車要求がモバイル・デバイスから送られる。配車要求が固定位置にあるデバイスから送られる。配車要求が2つ以上のシグナリング・モードの組み合わせによって送られる。シグナリング・モードが視覚モードを含む。視覚モードがグラフィカル要素の表示を含む。視覚モードが光を発することを含む。シグナリング・モードが可聴モードを含む。可聴モードが音を含む。可聴モードが発話を含む。配車要求は、自律車両について意図された利用に関係する配車情報を含めるように構成される。配車情報が目的地の位置を含む。配車情報がサービスのクラスまたはタイプを含む。サービスのタイプが見込み乗車者による利用を含んでもよい。サービスのタイプが荷物配達を含んでもよい。配車情報が乗客の数を含む。配車情報が見込み乗車者または配達される荷物についての情報を含む。配車情報がサービスの優先度を含む。受領確認が自律車両からを受け取られる。受領確認の受信に応じて、自律車両に配車確認が送られる。
【0006】
全般的に、実施形態において、シグナリング・モードにより搬送される配車要求が、自律車両の受け取りデバイスにおいて直接受け取られる。配車要求が自律車両を利用するという見込み乗車者の意図の指示に対応する。配車要求が、配車要求に応じるべきかについて判定するために、自律車両において処理される。
【0007】
実施形態は、次の特徴のうち1つまたは2つ以上の組み合わせを含んでもよい。配車要求が直接のワイヤレス通信によって受け取られる。配車要求がモバイル・デバイスから受け取られる。配車要求が固定位置にあるデバイスから受け取られる。配車要求が見込み乗車者から、または見込み乗車者を代理して受け取られる。配車要求が2つ以上のシグナリング・モードの組み合わせによって受け取られる。シグナリング・モードが視覚モードを
含む。視覚モードがグラフィカル要素の表示を含む。視覚モードが画像または光を含む。シグナリング・モードが可聴モードを含む。可聴モードが音を含む。可聴モードが発話を含む。シグナリング・モードが人間のジェスチャ若しくは顔の表情、またはこれらの双方を含む。配車要求が前記自律車両の利用に関係する配車情報を含む。配車情報が目的地の位置を含む。配車情報がサービスのクラス、タイプ、または優先度を含む。配車情報が乗客の数を含む。配車情報が、前記見込み乗車者または配達される荷物についての情報を含む。受領確認が自律車両からを送られる。受領確認が、配車要求が送られた後に受け取られる。
【0008】
全般的に、実施形態において、自律車両を配車するためのデバイスがある。デバイスが、自律車両を利用するという見込み乗車者の意図の指示を受け取る入力機構を含む。デバイスが、また、配車要求を、シグナリング・モードにより少なくとも1つの自律車両に送る出力機構を含む。少なくとも1つの自律車両が、シグナリング・モードにしたがって配車要求を直接受け取ることができる。
【0009】
実施形態は、次の特徴のうち1つまたは2つ以上の組み合わせを含んでもよい。デバイスがモバイル・デバイスを備える。デバイスが或る位置に固定される。入力機構がタッチ感応ディスプレイを備える。入力機構がマイクロフォンを備える。入力機構がボタンを備える。配車要求が、自律車両の利用に関連する配車情報を搬送し、デバイスがプロセッサを備え、配車情報のうち少なくとも幾らかを配車要求に組み込む。配車情報が目的地の位置を含む。配車情報がサービスのクラス、タイプ、または優先度を含む。配車情報が乗客の数を含む。配車情報が、見込み乗車者または配達される荷物についての情報を含む。出力機構が送信機を備える。出力機構がディスプレイを備える。出力機構が発光機を備える。出力機構が発音機を備える。シグナリング・モードが視覚モードを含む。視覚モードがグラフィカル要素の表示を含む。視覚モードが画像または光を含む。シグナリング・モードが可聴モードを含む。可聴モードが音を含む。可聴モードが発話を含む。シグナリング・モードが人間のジェスチャ若しくは顔の表情、またはこれらの双方を含む。配車要求が2つ以上のシグナリング・モードの組み合わせによって送られる。デバイスが、配車要求が送られた後に自律車両から受領確認を受け取る受信機を備える。
【0010】
全般的に、実施形態において、自律車両において利用するためのデバイスは、配車要求を受け取る受け取り機構を備える。配車要求が自律車両を利用するという見込み乗車の意図の指示に対応する。配車要求が見込み乗車者の近傍にあるデバイスからシグナリング・モードにしたがって直接受け取られる。デバイスは配車要求を処理するプロセッサを備える。
【0011】
実施形態は、次の特徴のうち1つまたは2つ以上の組み合わせを含んでもよい。配車要求が自律車両の利用に関連する配車情報を搬送し、デバイスがプロセッサを備え、配車情報のうち少なくとも幾らかを配車要求に組み込む。配車情報が目的地の位置を含む。配車情報がサービスのクラス、タイプ、または優先度を含む。配車情報が乗客の数を含む。配車情報が、見込み乗車者または配達される荷物についての情報を含む。受け取り機構がカメラを備える。受け取り機構が光検出機を備える。受け取り機構がマイクロフォンを備える。シグナリング・モードが視覚モードを含む。視覚モードがグラフィカル要素の表示を含む。視覚モードが画像または光を含む。シグナリング・モードが可聴モードを含む。可聴モードが音を含む。可聴モードが発話を含む。シグナリング・モードが人間のジェスチャ若しくは顔の表情、またはこれらの双方を含む。配車要求が2つ以上のシグナリング・モードの組み合わせによって受け取られる。プロセッサが、配車要求に基づくアクションを決定するためのプロセスを含む。アクションが、配車要求を受け入れることを含む。アクションが、配車要求を拒絶することを含む。アクションがピックアップ位置を自律車両の自律運転機構に提供することを含む。配車確認が自律車両におけるデバイスで受け取られる。
【0012】
全般的に、実施形態において、自律車両は、プロセッサ、および、特定された位置に当該自律車両を移動させるようプロセッサによって実行されるソフトウェアを含む。自律車両はまた、デバイスを備える。デバイスは、(a)配車要求を受け取り、配車要求が、自律車両を利用するという見込み乗車者の意図の指示に対応し、配車要求が、見込み乗車者の近傍にあるデバイスからシグナリング・モードにしたがって直接受け取られ、また、(b)配車要求に基づいてプロセッサにピックアップ位置を提供する。
【0013】
これらのおよび他の態様、特徴、実施形態、および利点が、方法、装置、システム、コンポーネント、プログラム製品、ビジネス方法、機能を実行するための手段またはステップ等として表現することができる。
【0014】
これらおよび他の態様、特徴、実装、および利点は、以下の説明および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】ブロック図である。
図2】ブロック図である。
図3】車両配車の概略図である。
図4】車両配車の概略図である。
図5】ディスプレイのスクリーン・ショットである。
図6】ディスプレイのスクリーン・ショットである。
図7】ディスプレイのスクリーン・ショットである。
図8】車両配車の概略図である。
図9】ブロック図である。
図10】ブロック図である。
図11】車両の概略図である。
図12】概略図である。
図13】概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
これより、自律車両のような車両を配車する際に人が利用するシステムおよび方法について説明する。図2に示されるように、本明細書で説明するシステムおよび技術の幾らかの実施形態では、ユーザ16は、1つ以上のワイヤレス・シグナリング・モード18を使用して、車両との直接の通信を達成することにより、車両20を配車する。場合によっては、これに加えて、或いはこれに替えて、サーバ12が車両と直接通信することができる。
【0017】
時折、このシステムおよび技術は、広く「配車システム」("hailing system")と称する。「配車」("hailing" or "hail")という語は、例えば、シグナリングする、発呼する、旗を降ろす、アラームする、または、人が(1人または他の人と一緒に)乗車する、サービスをハイヤする、車両(例えば自律車両)によって配達が行われるか或いは車両を利用するのを望むことを指示するために車両の注意をひく如何なる方法で、如何なるコンテキストにおける如何なる人(例えば人)による如何なるアクションをも含むように広く用いられる。
【0018】
配車は、配車デバイスの媒体を通じて、またはその補助によって行うことができる。「配車デバイス」("hailing device")というフレーズは、如何なる装置、機器、器具、または配車に付随する他のデバイスをも含むように広く用いられ、幾らかの例を挙げれば、例えば、電話若しくは他のハンドヘルド・デバイス、スマートウォッチ、ブレスレッド若しくは他のウェアラブル・デバイス、または、歩道若しくは道路縁に、若しくはその近傍に位置する搭載型デバイス或いは固定デバイスである。「見込み乗車者」( "potential rider")というフレーズは、例えば、(1人または他の人と一緒に)乗車する、サービスをハイヤする、車両(例えば自律車両)に配達させるか或いは車両を利用することを望む如何なる文脈における如何なる人を含むように広く用いられる。「車両サービスをハイヤする」( "hire a vehicle for service" )という語は、例えば、車両に乗車する、車両によって配達させる、或いは車両を利用するために、如何なる方法および如何なるコンテキストにおいて車両へのアクセスを得ることを含むように広く用いられる。検討において時折、自律車両について参照することがあるものの、配車システムはまた、半自律車両を利用することができ、幾らかのコンテキストでは他の方法で運転される他の種類の車両も利用することができる。「自律車両」(autonomous vehicle)という語は、時折、このような如何なる車両を参照するのに用いられる。自律車両は、それが見込み乗車者の近くの道路に沿って通過しているとき、それが停止したとき、または他のコンテキストにおいて配車することができる。
【0019】
自律車両は、行程の一部または全行程の間、人間が介入することなく安全に運転することができる。図10および図11に示されるように、自律車両は、センサ、アクチュエータ、コンピュータ、および通信デバイスを含み、環境を通じてルートの自動生成および追従を可能にする。通例、自律車両は、1つ以上のビデオ・センサを収容する。そのうちの少なくとも1つは、前進方向に指向され、車両の前方で風景に関連したデータをキャプチャする。また、自律車両は、1つ以上のLIDARセンサを収容してもよい。通例、自律車両は、ワイヤレスの双方向通信性能を具備し、クラウド・サービスのサーバに格納されるデータおよび情報にアクセスする。また、図10および図11に示されるように、自律車両は、中央位置にあるサーバとワイヤレスで通信することができる。
【0020】
これらのおよび他の性能により、自律車両が、特定の形状、色、テクスチャ、人間のジェスチャ、および他の視覚的刺激を含む、環境内で検出される視覚的または他の物理的特徴に反応するのを可能にすることができる。自律車両はまた、環境内の音をキャプチャして反応する聴覚センサ、および、ホーン、スピーカ、ベルまたは他の音を発するノイズメーカを具備してもよい。これらの視覚的および聴覚的な性能およびデバイス、並びに、広い範囲の他の検出性能およびデバイスについて、「刺激検出機」("stimulus detectors")という一般フレーズで参照することになる。
【0021】
つまり、図12に示されるように、自律車両200の刺激検出機202は、例えば、ビデオ204、オーディオ206、画像208、光210、RF212を含むことができる。
【0022】
本明細書に説明する配車システムによって使用される自律車両はまた、車両の外側から視認することができるように、例えば、ライト、表示スクリーン、発光ダイオード、または車両の外部に搭載される他の発光デバイス216が具備されてもよい。自律車両は、ディスプレイ218、ライト、サイレン、クラクション、若しくは他の発音機220、および例えば車両の外側に搭載される他のシグナリング・デバイスを有してもよい。これらのシグナリング・デバイスおよび技術、並びに広い範囲の他のシグナリング性能および機器のことを「シグナリング・デバイス」( "signaling devices")として参照することになる。シグナリング・デバイスは、しばしば、人々によって認知可能および理解されるモードで動作する。
【0023】
従前、スマートフォン、ラップトップ、タブレット、または他のコンピューティング・デバイス234内に組み込まれるプロセッサ・ユニット232で起動する乗車用配車ソフ
トウェア・プロセス230を用いて、見込み乗車者によってサービスのために、車両(例えば、乗車用配車サービスのために人々によって運転されているタクシーおよび車両)をハイヤすることができる。見込み乗車者236は通例、乗車用配車ソフトウェア・プロセスに対し、所望のピックアップ位置の入力238を行う。また、所望のドロップ・オフ(即ち、到達)位置(例えば、目的地の住所または通りの交差点)を入力してもよい。
【0024】
公知のシステムでは、次いで、所望のピックアップ位置が、1つ以上且つ潜在的に大きい(例えば、何百または何千もの)車隊に移動指示を割り当てることでタスク化された中央サーバにワイヤレスで通信される。次いで、中央サーバは、ルート決めソフトウェア・プロセスを起動し、見込み乗車者のピックアップ位置を、特定の車両にワイヤレス通信によって供給する。次いで、特定の車両は、所望のピックアップ位置まで運転されて、見込み乗車者と出会う。一旦見込み乗車者が車両に入って特定用プロセスを完了すると(必ずしもこの順序でなくてもよい。)、車両はサービスがハイヤされたものとみなして、所望のドロップ・オフ位置までの行程を開始する。
【0025】
自律車両についての幾らかの通例の利用ケースでは、所望のピックアップまたは到達位置は、アルゴリズム(クラウド内の中央サーバ上に配置され、また、車両を配車するときに搭乗者の待機時間を最小化する目的で自律車両の車隊の位置を最適化することでタスク化されてもよい。)によって特定されてもよい。或いは、別のプロセス(例えば、乗車中に検出される医療緊急性に因り、タウ達地点として最も近くにある病院を特定する緊急プロセス)によって提供されてもよい。
【0026】
本明細書で説明する配車システムの実施形態では、車両(例えば、自動運転車両)の見込み乗車者は、単に車両(例えば、道路上を通過している空きのある(unoccupied)自律車両)を配車するのではなく、スマートフォン、ラップトップ、タブレットまたは他のコンピューティング・デバイスに所望のピックアップ位置を入力することなくサービスのために車両をハイヤすることを望む。本明細書で説明する配車システムはまた、特定の位置に停止している自律車両を配車するといった他のシナリオに適用することもできる。
【0027】
図3に示されるように、当該配車システムの実施形態では、自律車両30の配車は、次に説明するものを含む様々なシグナリング・モードのうち1つ、またはこれらの2つ以上の組み合わせを使用して、見込み乗車者32からの情報を、または見込み乗車者32を代理する若しくは付随する情報を、自律車両に送ることによって達成することができる。「シグナリング機構」( "signaling mechanism")という語は、例えば、配車についての情報を自律車両に送信することができる如何なるデバイス、機器、装置、またはシステムをも広く含んで使用される。「シグナリング・モード」( "signaling mode")という語は、例えば、情報をワイヤレス信号によって送ることができる如何なる形態、または非電子的な方法を含む他の方法を広く含んで使用される。とりわけ、シグナリング・モードは、幾らかの例を挙げれば、1つの画像若しくは一連の画像を表示すること、一連の光信号を発すること、一連の音信号を発すること、ワイヤレス通信信号を発すること、または、ジェスチャ表現若しくは顔の表情(facial expression)を関与させること(engaging)を含むことができる。
【0028】
ほとんどの場合、情報のシグナリング機構およびモードは、正しい検出(すなわち、配車要求が車両に向けられていることを自律車両が正しく認識するシナリオ)の発生率を増加させるように設計される。また、誤った検出(すなわち、例えば別の車両に何も送られていない、何かが送信されているときに、配車要求が車両に向けられていることを自律車両が間違って認識するシナリオ)の発生率を減少させるように設計される。
【0029】
図3に示されるように、見込み乗車者32は、モバイル・デバイス(または多様な他の
デバイス)のような配車デバイス34を使用して自律車両をシグナリングすることができる。
【0030】
幾らかの例では、配車は、配車デバイス(例えば、スマートフォン)を携行している見込み乗車者(または他にも同行者)によって実行されてもよい。幾らかの例(図4参照)では、配車は、配車が一般的に生じる構造物(例えば、賑わっているホテルの外)のような固定位置に搭載または取り付けられた配車デバイスを使用して実行されてもよい。幾らかの例では、配車デバイスは、見込み乗車者(またはその者を代行する者)によって実行される通例の人間の能力としてもよい。見込み乗車者は如何なる外部配車デバイスも携行しておらず、手、顔若しくは他のジェスチャ、ホイッスル、大声、または情報を送信する別の音を立てるといった他のシグナリング手法を使用する。幾らかの実施形態では、配車は、自律車両それ自体に取り付けられるデバイス(例えば、ユーザのスマート・カードを読み取ることができるスマート・カード・リーダ、または、ユーザのスマートフォンと通信することができるスマート・デバイス)と相互作用することによって実行されてもよい。
【0031】
配車システムを使用する配車は、予め決められ且つ一般的に受け入れられた配車プロトコルを遵守するようにして行うことができる。配車プロトコルは、シグナリング機構が動作すべき手法、送信されるべき情報、そのフォーマット、および多種多様な他の態様に対応することができる。サービスがハイヤされるために自律車両および自律車両の車群を動作させる多種多様なエンティティ、ソフトウェアを生成するエンティティ、ハードウェア、並びに、自律車両および配車デバイスに使用される他の機器がこのような配車プロトコルに同意することができる。
【0032】
所望の態様の当該配車プロトコルは、専用(proprietary)配車方法の下で特定の1つの
車隊のオペレータによって操作される自律車両を配車することにより為されるのに比べて、更に素早く見込み乗車者が車両を配車するのを可能にする(何故ならば、2つ以上の車隊の操作者が有する車両がそのプロトコルを遵守するからである。)。車隊の操作車間での相互操作性はまた、全ての車隊操作車に配車要求をブロードキャストすることができる共通の中央クラウドまたはシステムを必要とし得る。
【0033】
本明細書に説明する他の所望の態様の配車システムは、(配車システムの実施形態では必要とされない)所望のピックアップ位置を見込み乗車者が入力すること、車両を彼女に割り当てるためにシステムを待機すること、次いで、当該車両がピックアップ位置に到着するのを待機することを求められる場合と比べて、更に素早く車両を配車することができる。他の所望の態様の幾らかの実施形態の配車システムでは、例えば、情報を個人的に特定することを含め、ユーザ・アカウントに紐付けられる搭乗配車ソフトウェア・プロセスを使用することなく見込み乗車者は車両を匿名で配車することができる。換言すれば、見込み乗車者は、彼女がどこに向かっているかについて表明したり、または、配車システムを使用するプロセスにおいて彼女の如何なる個人情報も晒したりする必要はない。
【0034】
一方で、シグナリング機構に応じて、配車要求に関連付けられる特定の種別の情報が、配車システムによって自律車両に送信することができる。当該情報は、これらに限定されないが、乗客の数についての情報、サービスの所望のクラス若しくはコスト(配車要求への応答から特定のサイズまたはクラスの車両を除外するのに使用される。)、優先度若しくは緊急の配信要求についての情報、乗車者について識別する個人情報、または、これらのうち2つ以上の如何なる組み合わせ、および他の情報との組み合わせを含んでもよい。送信された情報は、如何なる見込まれる数多くの暗号化技術をも採用してもよい。
【0035】
配車デバイスは、例えば、次のうちの1つ以上(および多種多様な他のもの)を含むこ
とができる。
【0036】
1.図12の例に示されるように、スマートフォン、タブレット、ハンドヘルドPC、スマートウォッチ、ブレスレット、または他のウェアラブル・デバイス若しくは他の設定可能なモバイル・デバイス。モバイル・デバイスには、少なくとも、プロセッサ232、メモリ・ユニット244、ユーザ・インタフェース248に付随する入力デバイス若しくはプロセス246、表示スクリーン(幾らかの場合は備え付けられる。)、発光ダイオード(複数可)、発光材料、eインク・スクリーン、または、他の光を発するか調整する媒体250が具備される。このような表示および発光媒体は、一連の画像、色、光、またはこれらのうち任意の2つ以上と他の視覚的指標との組み合わせを提示しまたは調整することができる。配車デバイスには1つ以上のビデオ・センサ262が具備されており、環境内で視覚上の特徴を検出することができる。デバイスには、1つ以上のマイクロフォンまたはスピーカ(或いはその両方)が具備されており、音264を検出および発する機能を使用可能する。デバイスには、有線または無線の受信機および送信機が具備され、とりわけ中央のクラウドまたはサーバ242との間で通信を可能にする。
【0037】
2.印刷された紙またはカード。
【0038】
3.ホイッスル、若しくは少なくともプロセッサおよびスピーカに具備されるプログラム可能なノイズメーカを含む他のノイズメーカ、または潜在的にはマイクロフォン。
【0039】
自律車両を配車するモード
自律車両を配車する例示の方法は、これらに限定されないが、次の方法を含み、単独で或いは組み合わせて採用される。
【0040】
画像の表示
図5に示すように、自律車両の配車は、配車デバイス48上で特定の1つの画像または一連の画像44,46(例えば、固定の繰り返しレートで交互に表示される。)を表示することによって達成される。これは、例えば、通過している自律車両に搭載されたビデオ・センサ204の視覚上の見通し線に入れるような手法(例えば、1または複数の画像が肩の高さ以上の位置で道路に向けられて表示されるようにデバイスを指向して提示する。)で行われる。例えば、配車デバイスは、歩道若しくは道路の縁、または見込み乗車者が立っている交差点に、位置することができる。
【0041】
表示されことになる1または複数の画像は、次の特性のうち任意の1つまたは2つ以上の組み合わせを呈する。
【0042】
1.幾何学的特徴50(例えば、幾何学的要素から構成される画像特徴)、または名目上の配車距離(例えば、1~30メートル)で自律車両によって確実に解決できるものよりも小さくはない特徴のような特徴52のパターン。自律車両による解決は、車両に搭載されたビジョン・センサ(複数可)208に基づき、通常の視界(例えば、水平90度×垂直60度)および解像度(例えば、水平640ピクセル×垂直480ピクセル)を有する検出システムを使用する。図13に示すように、配車デバイス上で起動するソフトウェア・プロセス300は、幾何学的要素のプロセス302を含み、幾何学的特徴を形成および提示することができる。
【0043】
2.(図5のような)白黒、グレースケール、または色で形成。白黒の画像ではなくグレースケールまたは色の画像を表示することは有利である。何故ならば、グレースケールおよび色の画像は、白黒の画像よりも多くの情報を収容することができるからである。つまり、配車要求に関連する更に大量の情報をエンコードするのを可能にし、失敗が検出される発生率を低減させるのを可能にし、またはその双方を可能にできるからである。画像に収容される色彩情報の検出には、自律車両が色彩ビデオ・センサを具備することを暗に必要とする。配車デバイス上で起動するソフトウェア・アプロセス300は、白黒、グレースケール、および色のプロセス304を含み、適切な画像を作成することができる。
【0044】
3.テクスチャ(例えば、或る画像または全画像の領域における色または強度の調整)。テクスチャは、車両に搭載されると共に通常の視野および分解能を有するビジョン・センサ(複数可)に基づく検出システムを使用して、名目上の配車距離で自律車両によって確実に解決することができる。配車デバイス上で起動するソフトウェア・プロセス300は、テクスチャ生成プロセス306を含むことができる。
【0045】
4.テクスチャは、あるフォーマットにエンコードされた情報(例えば、図6に示されるQRコード(登録商標)であり、これは、情報をバイナリ・フォーマットにエンコードする。)を含んでもよい。これにより、更に多くの情報が車両に通信されるのを可能にする。付加的な情報は、そのフォーマットの分解能を増加させることにより、配車要求において符号化することができる。配車デバイス上で起動するソフトウェア・プロセス300は、この目的のために、エンコード・プロセス308を含むことができる。
【0046】
5.図7に示されるように、一連の色62,64,66は、配車デバイスによって固定の繰り返しレートで表示することができる。図7は、表示スクリーン68(図12の250)によって発せられた色のライトを示す。幾らかの例を挙げれば、他のライト源(例えばLED、トーチ、およびフラッシュ光)を使用することができる。発せられた光は、可視スペクトルまたは非可視スペクトルとすることができる。光は、単一の波長を有してもよく、または複数の波長を含むことができる。光の強度を変化するように、一時的にパターンを変化させることができる。後に述べるように、シグナリング・モードとして音を使用することができ、音の周波数も同様に制御することができる。光の時間的制御およびスペクトル制御は、配車デバイス300上で起動する光調整プロセス310によって処理することができる。
【0047】
6.画像の出現は、配車デバイスによっては作成されない同一または類似の画像が自律車両のセンサによって検出されることにより検出の失敗となる機会を低減させるために、一般的でないものとすべきである。例えば、画像は、トラフィック・サインまたは他の一般的な歩道にある機構(例えば、新聞入れ、バス停のシェルタ等)に一般的には位置される画像と同様のものとすべきではない
【0048】
配車要求に関連する情報(例えば、サービスの所望のクラス若しくはコスト、または、配車要求の優先度若しくは緊急性の存在)は、次の個別の方法、またはこれら方法の組み合わせを含むが、限定的ではない様々な方法を用いて、エンコーディング・プロセス308および光調整プロセス310によって、画像においてエンコードされる。
【0049】
1.画像特性を変化させること。例えば、配車要求に関連する情報にしたがって単一の画像または一連の画像を表示する。例えば、標準クラスのサービスを提供する自律車両に対し単一の乗客である見込み乗車者によって為される配車要求については特定の画像が表示される。その一方で、プレミアム・クラスのサービスを提供する自律車両に対し、2人の乗客を表す見込み乗車者によって為される配車要求については別の特定の画像が表示される。
【0050】
2.表示される一連の画像を変化させること。これは、表示される一連の画像が有する時間特性を変化させることを含む。例えば、標準クラスのサービスを提供する自律車両に対し、単一の乗客である見込み乗車者によって為される配車要求については特定の一連の画
像が表示される。その一方で、プレミアム・クラスのサービスを提供する自律車両に対し、2人の乗客を表す見込み乗車者によって為される配車要求については別の特定の一連の画像が表示される。時間特性は、例えば、各画像の表示期間であり、付加的な情報をエンコードし、失敗の検出の発生率を低減させるために調整される。
【0051】
3.表示される1つの画像若しくは一連の画像において白黒、グレースケールまたは色特性を変化させること。これは、画像の色の時間特性を変化させることを含む。例えば、標準クラスのサービスを提供する自律車両に対し、単一の乗客である見込み乗車者によって為される配車要求については、特定の赤色の画像が表示される。その一方で、プレミアム・クラスのサービスを提供する自律車両に対し、2人の乗客の組を表すパーティを表す見込み乗車者によって為される配車要求については、同一の特定の画像が緑色で表示される。
【0052】
4.表示される1つの画像または一連の画像の時間特性を変化させること。例えば、標準クラスのサービスを提供する自律車両に対し、単一の乗客である見込み乗車者によって為される配車要求については、特定の黒および白色のチャッカーボード画像が表示される。その一方で、プレミアム・クラスのサービスを提供する自律車両に対し、2人の乗客の組を表す見込み乗車者によって為される配車要求については、特定の緑および黄色のチャッカーボード画像が表示される。
【0053】
5.表示される画像は、広告またはプロモーション情報を伝達する会社ロゴまたは他のシンボルとしてもよい。広告は、自律車両会社(例えば、配車要求に応じる自律車両を運用する会社)または他の事業体についてのものである。
【0054】
光を発すること
自律車両の配車は、配車デバイスから光を発することによって達成される。これは、(例えば、歩道若しくは道路の縁から、または、交差点に立っている見込み乗車者によって)発せられた光が、自律車両に搭載されたビデオ・センサの視覚上の見通し線に入れるような手法(例えば、発せられた光が肩の高さ以上の位置で道路に向けられるように指向してデバイスを提示する。)でなされる。表示されることになる発せられた光は、配車デバイス300のエンコーディング・プロセス308および光調整プロセス310の実行に基づいて、次の特性のうちの1つまたは2つ以上の組み合わせを呈する。
【0055】
1.光の波長は可視スペクトルである。または、配車デバイスに所望の十分な発光性能がある場合は近距離赤外線スペクトル、または、自律車両に搭載されたビデオ・センサによって波長を検出することができる場合は他のスペクトルである。
【0056】
2.可視スペクトルの光の波長が、特定の1つの色または数多くの色に関連付けられたバンドにある。
【0057】
3.光の波長は、一様としても可変としてもよい。
【0058】
4.光の波長は、制御可能としても制御不可能としてもよい。
【0059】
5.光の強度は、一様としても可変としてもよい。光の強度は、典型的な検出感度を有するビジョン・センサ(複数可)または光検出センサ(複数可)に基づく検出システムを利用して、自律車両によって名目上の配車距離で確実に検出可能とすべきである。
【0060】
6.光の強度は、制御可能としても制御不可能としてもよい。
【0061】
7.発せられた光の特徴(例えば、色、波長、強度時間的周波数(即ち、明滅レート)、またはこれらの組み合わせ)は、同一または類似の特徴を有する発せられた光が、自律車両のセンサにより配車要求として誤って検出されることにより検出の失敗となる機会を最小化するように、一般的ではないものとすべきである。例えば、発せられた光は、典型的な車両方向指示機によって発される光とは類似の統制を有するものとすべきではない。
【0062】
配車要求に関連する情報(例えば、サービスの所望のクラス若しくはコスト、または、配車要求の優先度若しくは緊急性の存在)は、次の個別の方法、またはこれら方法の組み合わせを含むが、限定的ではない、様々な方法を用いて、エンコーディング・プロセス308によって、発せられた光においてエンコードされる。
【0063】
1.配車デバイスのディスプレイで光の波長を一様に変化させること。例えば、表示デバイスは色を表示し、特定の時間パターンにしたがって赤色から緑色まで遷移させる。
【0064】
2.ディスプレイにおける特定の空間パターンまたは時間パターンにしたがい光の波長を変化させること(例えば、ディスプレイの別個の空間領域またはディスプレイ全体が、別個の光の波長を一様にまたは時間と共に変化する手法で表示する。)。例えば、別個の頻度で色を変化させるチェックボードの個別のセルによって特定のチェックボード画像が表示されてもよい。
【0065】
3.ディスプレイ全体で一様に、またはディスプレイ上の特定の空間的パターンもしくは時間的パターンにしたがい、光の強度を変化させること。
【0066】
ジェスチャを作ること
図8に示されるように、通過している自律車両の配車は、ある位置で、(歩道もしくは道路の縁から、または見込み乗車者が交差点に立っているときに)自律車両に搭載されたビデオ・センサまたはLIDARセンサの視覚上の見通し線にあるような方位で、(例えば、一般的でない)1つのジェスチャまたは一連のジェスチャ70を実施することによって達成される。次いで、自律車両に搭載されたプロセッサ280上で起動するソフトウェア・プロセス282(図12)は、ビデオ・センサまたはLIDARセンサからキャプチャされたデータを分析して、配車要求を表すように意図されたジェスチャ(複数可)の存在を検出する。示されるジェスチャ(複数可)は、次の特性を呈する。
【0067】
1.1つのジェスチャまたは複数のジェスチャは、見込み乗車者または他の人の腕若しくは脚の1つ以上または両方についての静止位置または動的モーションを含む。これらは、車両に搭載され通常の視野および分解能を有する視覚センサ(複数可)に基づいて、検出システムを使用して自律車両によって名目上の配車距離で正しく解決されることになる通常の手足の位置および動きとは十分に異なる位置および動きを用いる。1つのジェスチャまたは複数のジェスチャはまた顔の表情を含んでもよい。顔の表情は、車両に搭載され通常の視野および分解能を有する視覚センサ(複数可)に基づく検出システムを使用して自律車両によって名目上の配車距離で正しく解決することができる。顔によるジェスチャの例は、幾らかの最小限の時間期間にわたり車を連続して凝視しているというものである。ジェスチャは、配車デバイス72の使用と組み合わることができる。
【0068】
2.1つのジェスチャまたは複数のジェスチャの出現は、自律車両を配車する目的では実施されていない同一または類似のジェスチャが自律車両のセンサによって検出されることにより、検出の失敗となる機会を低減させるように、一般的ではないものとすべきである。例えば、1つのジェスチャまたは複数のジェスチャは、進路変更を示す自転車乗りが使用するジェスチャ、または通行の流れを規制する警察または信号旗手によるジェスチャとは類似のものとすべきではない。
【0069】
3.検出の失敗を減らすために、一般的なジェスチャ(例えば、手または腕を振る)を視覚的に別個の第2の刺激と組み合わせて、自律車両を配車するのに用いることができる。このような視覚的な第2の刺激は、見込み乗車者が一般的なジェスチャを実施している間に、自律車両を見つめること、または彼女の頭部のポーズによって追うことでもよい。次いで、自律車両に搭載されたプロセッサ280で起動するソフトウェア・プロセス282は、ビデオ・センサ若しくはLIDARセンサまたはその両方からキャプチャしたデータを分析することになる。その結果、組み合わせの発生が配車要求を表すことを意図したジャスチャおよび第2の刺激の両方の存在を検出する。
【0070】
配車要求に関連する情報(例えば、サービスの所望のクラス若しくはコスト、または、配車要求の優先度若しくは緊急性の存在)は、次の個別の方法、またはこれら方法の組合せを含むが、限定的ではない様々な方法を通じて、ジェスチャ(複数可)においてエンコードされる。
【0071】
1.特定のジェスチャを変化させること。例えば、配車要求に関係する情報にしたがい一様のジェスチャまたは一連のジェスチャを表わすこと。例えば、標準クラスのサービスを提供する自律車両に対し、単一の見込み乗車者によってなされる配車要求について特定のジェスチャが表される。その一方で、プレミアム・クラスのサービスを提供する自律車両に対し、2人の乗客のパーティを代理する見込み乗車者によってなされる配車要求について別の特定のジェスチャが表される。
【0072】
2.表される一連のジェスチャの時間特性を変化さあせること。これは、表される一連のジェスチャを変化させることを含む。例えば、標準クラスのサービスを提供する自律車両に対し、単一の見込み乗車者によってなされる配車要求について特定の一連のジェスチャが表わされる。その一方で、プレミアム・クラスのサービスを提供する自律車両に対し、2人の乗客のパーティを代理する見込み乗車者によってなされる配車要求について別の特定の一連のジェスチャが表わされる。時間特性は、例えば、各ジェスチャの表示期間であり、付加的な情報をエンコードし、または失敗の検出の発生率を低減させるために調整されるのがよい。
【0073】
音を発すること
通過している自律車両の配車は、十分なボリュームを有する一般的でない1つの音または一連の音を配車デバイス(ここでは、スマートフォン若しくは類似のデバイス、ホイッスル若しくは類似のデバイス、または見込み乗車者が口を使うことを含む。)から発せられることによって達成される。音は、通過している自律車両に搭載されたセンサによって検出することができ、失敗の検出の発生を生じさせない。音を発すること、および発せられた音の特徴および特性は、配車デバイスで起動するエンコーディング・プロセス308および音調整プロセス312のうち1つによって制御および調整することができる。
【0074】
発せられる1つの音または複数の音は、次の特性を呈する。
【0075】
1.音の周波数は、通例の人間に可聴な周波数帯内にあるか、または、配車デバイスが十分な発音性能を有する場合には通例の人間の可聴な周波数外である。特定の周波数の音を発することは、このような周波数を検出することができる、通過中の自律車両に搭載された聴覚センサに依存する。
【0076】
2.通例の人間に可聴な周波数帯の音の周波数は、特定の1または複数の音色(note)に関連付けられるバンドにある。
【0077】
3.音の周波数は、一様としても可変としてもよい。
【0078】
4.音の周波数は、制御可能としても制御不可能としてもよい。
【0079】
5.音のボリュームは、一様としても可変としてもよい。ボリューム・レベルは、通例の検出感度、および所与の通例予測される環境ノイズ・レベルを有する自律車両に搭載された1または複数の音の測定センサによって確実に検出されるように選ばれるべきである。
【0080】
6.音のボリュームは、制御可能としても制御不可能としてもよい。
【0081】
7.1つの音または複数の音は、同一または類似の別個の音が自律車両のセンサによって検出され、配車要求として解釈されることにより、検出の失敗となる機会を低減させるように、一般的ではないものとすることができる。例えば、1つの音または複数の音は、車のホーン、車のアラーム、緊急車両のサイレンのような一般的な音の性質とは類似しないようにすべきである。
【0082】
配車要求に関連する情報(例えば、サービスの所望のクラス若しくはコスト、または、配車要求の優先度若しくは緊急性の存在)は、次の個別の方法、またはこれら方法の組み合わせを含むが、これらに限定されない様々な方法を用いて、エンコーディング・プロセス308および音調整プロセス312によって発せられる音においてエンコードされる。
【0083】
1.一様にまたは特定の時間パターンにしたがい音の周波数を変化させること。発せられる音の周波数のパターンは、会社のジングル、歌、または広告若しくはプロモーション情報を伝達するキャッチフレーズとしてもよい。広告は、自律車両会社(例えば、配車要求に応対する自律車両を管理する会社)または他の事業体についてのものとしてよい。
【0084】
2.一様にまたは特定の時間パターンにしたがい音のボリュームを変化させること。
【0085】
直接のワイヤレス通信
自律車両は、配車デバイスを使用して配車される。配車デバイスは、配車要求が見込み乗車者から自律車両に向けて中央サーバを通過することなく、自律車両とワイヤレスで直接通信する。配車デバイスはモバイル・デバイスとすることができ、または、特定の位置に固定されてもよい。配車デバイスおよび自律車両の通信デバイスは、共に、適切な通信技術をサポートすることを必要とすることになる。例えば、これらは共に、送信機、受信機、および通信ソフトウェアを含むことが必要となる。無線周波数(RF)、赤外線(IR)、WiFi、WiMax、およびブルートゥース(登録商標)のような数多くの既存の通信技術がこの目的のために使用され適合されてもよい。配車デバイスは、車両近くに要求をブロードキャストすることができ、また、特定の自律車両が一旦それに応答すると、次いで、当該車両と独占的に通信することができる。配車デバイスの場合、通信プロセス314は通信をハンドルすることができ、また、適切なプロトコルを遵守することができる。
【0086】
幾らかの例では、直接のワイヤレス通信は、車両を利用することによって、インフラストラクチャ(V2I)互換プロトコルを達成することができるものもある。このような例では、配車デバイスは、(V2I互換プロトコルを使用して)インフラストラクチャへの配車要求を送ることができる。次いで、インフラストラクチャは、近傍(即ち、500メートルの範囲内)にいる車両に対し、配車要求を中継する。自律車両は、そのV2I互換受信機を使用して、中継されてきた配車要求をピックアップする。このモードの配車は、中央サーバが関与しない点で直接的である。インフラストラクチャは、例えば街灯に載置されたWiFiアクセス・ポイントのように、広範囲にわたるデバイスとしてよい。
【0087】
配車モードの組合せ
検討してきた様々なシグナリング・モードのそれぞれは、他のモードの1つ以上と組み合わせて、また、明示的には言及していない追加のモードと組み合わせて使用することができる。モードを組み合わせて使用することにより、検出の失敗の発生率を低減させることができる。例えば、配車方法は、特定のジェスチャ(例えば、1つの頭の上で1本の腕を振る)に依拠するのに加えて、時間的に一連の特定の色を発する配車デバイスを表示する。広範囲にわたる他の組み合わせがまた可能となる。
【0088】
固定された配車デバイス
上述したように、自律車両はまた、ある位置に固定されたキオスクの一部を形成する配車デバイスといった配車デバイスによって配車されてもよい。このことは、これに限定されないが、自律車両が一般的に配車されるエリア、自律車両が近くに存在している良好な機会が通常あるエリア、若しくは、歩行者のスループットが高いエリア、または、自律車両のステーションにおいて特に関連する。固定位置にある配車デバイスは、単純なボタンから更に複雑なものまで様々なモードでユーザ・インタフェースを提供することができる。複雑なモードには、スクリーン、スピーカ、マイクロフォン、タッチスクリーン、またはこれらの組合せ、および類似した入/出力コンポーネントが含まれる。ユーザ・インタフェースは、見込み乗車者(または彼を代理する者)が、目的地の位置、搭乗者数、サービスのクラス、到着時刻、および配車に関する情報についての様々な他のピースを指示することを可能にする。固定位置にある配車デバイスは、配車要求を近くにいる1つ以上の車両にブロードキャストする。これは、近くにいる1つ以上の車両と直接通信を試行することにより、或いは、中央システムを通じた通信により、この目的のために受信機または送信機を備えた適切なワイヤレス通信デバイスを使用する。
【0089】
受信した配車要求の処理
自律車両(図12に示される通信デバイス240のうち1つ)の配車車両の受信機が、一旦、シグナリング・モードのうち1つおよび先に説明したデバイス、または他の同様のシグナリング・モード若しくはデバイスを使用して通信された配車要求を検出すると、自律車両のプロセッサは、配車要求に含まれる情報を処理し、とりわけ、当該要求を受け入れるべきかについて決定する。当該決定は、自律車両で起動するプロセスによって、車両が接続している中央システムによって、またはこれら2つの組み合わせによって行われる。当該決定は、多くの要因の組合せに基づくことができる。これらの要因は、これに限定されないが次を含む。即ち、車両の現在位置、車両の現在速度、周囲のエリアの現在の交通状態、および、安全に停止して乗客をピックアップすることができるかという車両の判定である。近くにいる自律車両はまた、同一の配車要求に複数の車両が応じることがないことを確証するために、車両対車両(V2V)の通信を用いて相互に通信してもよい。この目的のために車両間の通信はまた、中央のシステムを使用して達成することができる。
【0090】
自律車両および配車デバイス間の通信
見込み乗車者から(若しくは見込み乗車者を代理して)、または配車デバイスから、配車要求を送信することにより自律車両を配車し、これにより、見込み乗車者と自律車両の間の片方向通信を生じさせるための様々な方法について説明してきた。幾らかの場合では、配車要求を確認する目的で、見込み乗車者(または付随の配車デバイス)と自律車両間の双方向通信を使用可能にすることが望ましい場合もある。
【0091】
配車要求を確認するために、例えば、画像ベース、ライト・ベース、聴覚、ジェスチャ、または見込み乗車者からの他の配車要求を検出したときに、自型車両は、画像ベース、ライト・ベースまたは聴覚の受領確認信号を送信する。これは、例えば、当該受領確認が、配車デバイスに搭載された1つのセンサまたは複数のセンサによる応答信号として一意に特定可能となるという意思表示によって行われる。配車デバイスによるこの受領確認を受け取ると、配車デバイスは、配車確認信号を自律車両に送信する。配車確認信号は元の配車要求とは異なる。自律車両がこの配車確認を受け取ると、自律車両は、ピックアップ・シーケンスを開始することになる。ピックアップ・シーケンスは、乗車者をピックアップする目的で見込み乗車者の近くで停車することを含む。
【0092】
受領確認を送信するための例示のシグナリング・モードは、配車要求を送信するものを含む。
【0093】
より詳しくは、当該方法は、限定されないが次を含む。
【0094】
1.配車車両に(例えばその外側に)搭載される表示スクリーンにおいて、白黒、グレースケール、または色の1つの画像または一連の画像を表示することによる配車要求への応答。画像特性(例えば、幾何学的特徴、テクスチャ、および外観)は、配車デバイスに搭載され通例の視界および分解能を有する1つの視覚センサまたは複数の視覚センサによってそれらが確実に解決できるように、選ばれるべきである。
【0095】
2.自律車両に(例えば外側に)に搭載された1つ以上の表示スクリーン、発光デバイス、発光ダイオード、サイレン、クラクション、または他のシグナリング・デバイスから、光または音を発することによる配車要求への応答。光の強度は、配車デバイスに搭載され通例の検出感度を有する1つの視覚センサ若しくは複数の視覚センサ、光検出センサ、または聴覚センサによって確実に検出ことができるように、または見込み乗車者によって知覚できるように選ばれるべきである。
【0096】
3.車両に搭載された1つ以上のスピーカから1つの音または一連の音を発することによる配車要求への応答。ボリュームのレベルは、通例の見込まれる環境ノイズ・レベルにおいて、音測定機および配車デバイスに搭載され通例の検出感度を有する1つのセンサまたは複数のセンサによって確実に検出でき、或いは見込み乗車者によって知覚されるように選ばなければならない。
【0097】
表示される1つの画像または複数の画像、表示される1つの光または複数の光、および自律車両によって発せられる1つの音または複数の音は、例えば、表示される1つの画像若しくは複数の画像、表示される1つの光または複数の光、および自律車両によって発せられる1つの音または複数の音について先に述べたものを含む例示の特性を呈する。情報はまた、表示される1つの画像または複数の画像、表示される1つの光または複数の光、自律車両によって発せられる1つの音または複数の音においてエンコードされる。これは、例えば、表示される1の画像または複数の画像、表示される1つの光または複数の光、自律車両によって発せられる1つ音または複数の音について先に述べた方法を使用する。
【0098】
配車デバイスによって一旦受領確認が受け取られると、配車デバイスは配車確認を自律車両に送信する。配車確認を送るためのシグナリング・モードは、配車要求を送信するのに採用することができるものを含むことができる。しかしながら、配車確認は、配車要求に関連する信号において情報(例えば、所望のサービスのクラス若しくはコスト、または優先度若しくは緊急配車要求の存在)をエンコードする必要はない。その結果、配車確認信号は、配車要求よりも更に単純なものとすることができる。
【0099】
通信はまた、車両の外側に搭載された1つ以上のスピーカによるスピーチ出力(発話)を通じた言葉によるものでもよく、また、自律車両に搭載された1つ以上のマイクロフォンを通じて見込み乗車者から受け取られる言葉による応答(発話)でもよい。そのようにするために、自律車両のプロセッサは、車両に収容された音声合成プログラムまたはダイ
アログ・システムを実行してもよく、記録された音声を再生してもよく、または、ワイヤレス・リンクを介して車両に接続された、人間の遠隔操作から受け取られる音声をブロードキャストしてもよい。ボリュームは、見込み乗車者の自律車両との距離に適するように選ばれてもよい。言葉による応答が自律車両によって一旦受け取られると、車両上の音声認識装置またはデコーディング・プログラムは、配車要求の配車確認として受信した音声信号を解釈するかについて判定してもよい。
【0100】
図9に示されるように、配車システムの幾らかの例では、自律車両を配車するプロセスは、例えば、配車デバイスによって提供されるシグナリング・モードを使用するか、或いはジェスチャによって、見込み乗車者に配車要求を送信させることによって開始する90。自律車両は配車要求を検出し、それに組み込まれた情報をデコードする92。自律車両で起動しているプロセスは、要求を受け入れるか拒絶するかを判定する94。そうする際に、中央サーバまたは他の車両と通信してもよい。次いで、自律車両は、シグナリング・モードを用いて、ユーザのために配車デバイスへの応答を送信する96。配車デバイスは、モバイル・デバイス上でユーザに注意を与えることによって、または音若しくは視覚指標を使用するキオスクによって、ユーザに応答を転送する98。自律車両が要求を受け入れる場合、自律車両はそれに応じてその経路を変更し、乗車者100の近くで安全に停車する。幾らかの実施形態では、図9に示される全てのステップが実行される必要があるというわけではない。
【0101】
他の実施形態が次の特許請求の範囲の範囲内にある。
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