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特許7305846ポイント・オブ・ケア診断システム及びその容器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-30
(45)【発行日】2023-07-10
(54)【発明の名称】ポイント・オブ・ケア診断システム及びその容器
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/10 20060101AFI20230703BHJP
【FI】
G01N35/10 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022087953
(22)【出願日】2022-05-30
(62)【分割の表示】P 2020552896の分割
【原出願日】2019-04-08
(65)【公開番号】P2022116228
(43)【公開日】2022-08-09
【審査請求日】2022-06-20
(73)【特許権者】
【識別番号】300004500
【氏名又は名称】アイデックス ラボラトリーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】IDEXX Laboratories, Inc.
【住所又は居所原語表記】One IDEXX Drive, Westbrook, Maine 04092, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】フレッチャー,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】コノリー,デイビッド エル.
(72)【発明者】
【氏名】レアヴィット,アン
(72)【発明者】
【氏名】ファートネイ,マシュー エム.
(72)【発明者】
【氏名】ラバク,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】アイストン,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】オサリバン,ダニエル
【審査官】外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】特表平04-505961(JP,A)
【文献】特開平08-015279(JP,A)
【文献】特開2010-234801(JP,A)
【文献】特開2003-139780(JP,A)
【文献】国際公開第2015/012391(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療診断システムであって、
ハウジングと、
分室を有する容器を受け入れるための、前記ハウジング内の格納部であって、前記格納部は壁を有する、格納部と、
前記分室と係合するための分室係合機構であって、前記分室係合機構は、
前記格納部の壁内に取り付けられるハブと、
前記ハブに固定される少なくとも1つのニードルと、
前記ハブとスライド可能に結合され、前記ニードルを覆うカバー位置を有するニードルカバーと、
前記ハブに固定され、前記ニードルカバーがカバー位置にあるときに前記ニードルカバーをつかむ、少なくとも1つの係合アームと、
を含む、分室係合機構と、
を備える、医療診断システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つのニードルが、被覆されたニードルと、少なくとも1つの被覆されていないニードルを含む、請求項1に記載の医療診断システム。
【請求項3】
前記ニードルカバーが、前記少なくとも1つのニードルに対応する少なくとも1つの孔を有するキャップと、前記ハブとスライド可能に結合される複数のグライドポストを備え、前記複数のグライドポストが前記ハブにスライドするときに、前記少なくとも1つのニードルが前記キャップの少なくとも1つの孔から突き出る、請求項1に記載の医療診断システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの係合アームが、前記ハブに固定されるベース部、前記ベース部に接続されるエルボ部、及び前記エルボ部に接続されるつかみ部を備え、前記エルボ部は、半可撓性であり、前記つかみ部を前記ニードルカバーに半径方向に近づける又は引き離すことができる、請求項1に記載の医療診断システム。
【請求項5】
前記容器をさらに備え、前記容器が、前記分室のネックに固定されるキャップを備え、前記キャップは、前記少なくとも1つの係合アームのつかみ部と接触し、前記分室係合機構が前記容器のキャップと係合するときに前記つかみ部を前記ニードルカバーから半径方向に離れる方に移動させるように寸法設定される、請求項4に記載の医療診断システム。
【請求項6】
前記分室が、前記少なくとも1つの係合アームに対応する少なくとも1つのノッチを有するカラーを備え、前記カラーの少なくとも1つのノッチは、前記容器の分室が前記分室係合機構と十分に係合するときに前記少なくとも1つの係合アームのつかみ部を受け入れる、請求項5に記載の医療診断システム。
【請求項7】
前記容器が、第2のネック及び前記第2のネックに固定される第2のキャップを有する第2の分室を備え、前記医療診断システムが、前記容器の第2の分室と係合するために前記格納部の壁に結合される第2の分室係合機構をさらに備える、請求項5に記載の医療診断システム。
【請求項8】
前記分室係合機構及び前記第2の分室係合機構に結合される水平検出機構をさらに備え、前記水平検出機構は、前記容器が前記格納部内で水平であるかどうかを検出する、請求項7に記載の医療診断システム。
【請求項9】
前記分室係合機構は、前記第2の分室係合機構とは異なるサイズであり、前記キャップは、前記第2のキャップとは異なるサイズである、請求項7に記載の医療診断システム。
【請求項10】
前記分室係合機構及び前記第2の分室係合機構は、前記格納部の壁から異なる距離だけ延び、前記キャップ及び前記第2のキャップは、前記容器の本体から異なる距離だけ延びる、請求項7に記載の医療診断システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2018年3月30日に出願された米国特許出願第15/941,596号に基づく優先権を主張するものであり、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、医療診断に関し、より具体的には、ポイント・オブ・ケア医療診断システムに関する。
【背景技術】
【0003】
血液学分析装置などの多くの医療診断システムの医療ガイダンスでは、サンプルの採取後にできるだけ早くサンプルを分析することが推奨されている。サンプルは医療現場で得られるが、検査は外部の実験室で行われる場合、この推奨は困難なことがある。そのため、多くの医師及び獣医は、新鮮なサンプルを分析するためにポイント・オブ・ケア(POC)システムの導入を希望する。
【0004】
POC医療診断システムは、分析を行うために様々なタイプの試薬及び流体を用いる。試薬及び流体には様々なタイプのパッケージが存在し、このようなパッケージは、POCオフィスに配達され、インストールされなければならない。多数のステップを必要とするインストールは、オペレータを混乱させ、苛立たせることがある。場合によっては、POC診断システムは、パッケージが不適切にインストールされていても動作し得るが、正しくない結果が生じ得る。したがって、POC医療診断システムと、POC医療診断システム用の試薬及び流体のパッケージを改良することに引き続き関心が寄せられている。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、ポイント・オブ・ケア医療診断システムと、このようなシステムのための容器に関する。
【0006】
本開示のいくつかの態様によれば、医療診断システムは、ハウジングと、試薬容器を受け入れるためのハウジング内の第1の格納部と、作動流体・廃液容器を受け入れるためのハウジング内の第2の格納部であって、第2の格納部は第1の格納部よりも大きい、第2の格納部と、第1の格納部内に配置され及び取り付けられ、それぞれ試薬容器にアクセスするように配置される2つの試薬アクセスニードルと、第2の格納部内に配置され及び取り付けられ、作動流体・廃液容器にアクセスするように配置される作動流体アクセスニードル及び廃液アクセスニードルと、を備える。
【0007】
種々の実施形態において、第1の格納部は、上壁、下壁、側壁、及び後壁を備える。2つの試薬アクセスニードルのうちの一方は、下壁に隣接した後壁上に配置される。2つの試薬アクセスニードルのうちの他方は、上壁と下壁との間の中心線に隣接したそれよりも上の後壁上に配置される。種々の実施形態において、試薬容器と第1の格納部は、2つの試薬アクセスニードルが試薬容器にアクセスするために試薬容器が第1の格納部に特定の向きで挿入されなければならないように形状設定される。
【0008】
種々の実施形態において、第2の格納部は、上壁、下壁、側壁、及び後壁を備える。廃液アクセスニードルは、上壁に隣接した後壁上に配置される。作動流体アクセスニードルは、下壁に隣接した後壁上に配置される。種々の実施形態において、作動流体・廃液容器と第2の格納部は、作動流体アクセスニードル及び廃液アクセスニードルが作動流体・廃液容器にアクセスするために作動流体・廃液容器が第2の格納部に特定の向きで挿入されなければならないように形状設定される。種々の実施形態において、第2の格納部の頂部は、第2の格納部の底部よりも狭く、作動流体・廃液容器の頂部は、作動流体・廃液容器の底部よりも狭い。
【0009】
種々の実施形態において、医療診断システムは、エンコードされたデータマトリクスコードを試薬容器上にイメージングするために第1の格納部を見ることができるように配置されるカメラを備える。種々の実施形態において、医療診断システムは、エンコードされたデータマトリクスコードを作動流体・廃液容器上にイメージングするために第2の格納部も見ることができるように配置される同じカメラを使用する。
【0010】
種々の実施形態において、医療診断システムの試薬容器は、流体的に分離している上分室及び下分室を備える。上分室と下分室との間の隔壁は、上分室と下分室とを互いに静止するように接続する。上分室は、上壁と、下壁と、側壁と、上分室の下壁に隣接して配置されるアクセス開口部とを有するハウジングによって画定される。下分室は、上壁と、下壁と、側壁と、下分室の下壁に隣接して配置されるアクセス開口部とを有するハウジングによって画定される。種々の実施形態において、上分室の下壁の少なくとも一部は、上分室のアクセス開口部の方へ下向きに傾斜する。種々の実施形態において、下分室の上壁は、上分室の下壁と実質的に平行である。種々の実施形態において、下分室の上壁の一部は、上分室の下壁の一部よりも高い。
【0011】
種々の実施形態において、医療診断システムの作動流体・廃液容器は、アクセス開口部を有する作動流体分室と、アクセス開口部を有する廃液分室であって、廃液分室が作動流体分室から流体的に分離している廃液分室と、作動流体分室と廃液分室が互いに静止するように作動流体分室と廃液分室との間を接続する隔壁とを備える。種々の実施形態において、ハウジングの第2の格納部は、上壁、下壁、側壁、及び後壁を備える。廃液分室のアクセス開口部は、第2の格納部の上壁に隣接して配置され、作動流体分室のアクセス開口部は、第2の格納部の下壁に隣接して配置される。種々の実施形態において、廃液分室は、内壁及び外壁を有する。内壁及び外壁は、開いたコーナー部をもつ実質的に台形の形状の垂直断面を有する。作動流体分室は、廃液分室の内壁の内側の第1の部分と、開いたコーナー部を通って延び、作動流体分室のアクセス開口部で終端する第2の部分とを有する。
【0012】
本開示のいくつかの態様によれば、医療診断システムのための容器は、上壁と、下壁と、側壁と、上分室の下壁に隣接して配置されるアクセス開口部とを有するハウジングにより画定された上分室と、上壁と、下壁と、側壁と、下分室の下壁に隣接して配置されるアクセス開口部とを有するハウジングにより画定された下分室であって、上分室および下分室が流体的に分離している下分室と、上分室と下分室が互いに静止するように上分室と下分室との間を接続する隔壁とを備える。
【0013】
種々の実施形態において、上分室の下壁の少なくとも一部は、上分室のアクセス開口部の方へ下向きに傾斜する。種々の実施形態において、下分室の上壁は、上分室の下壁と実質的に平行である。
【0014】
本開示のいくつかの態様によれば、医療診断システムのための容器は、アクセス開口部、内壁、及び外壁を有し、内壁及び外壁は、開いたコーナー部をもつ実質的に台形の形状の垂直断面を有する廃液分室と、廃液分室の内壁の内側の第1の部分と、開いたコーナー部を通って延び、作動流体分室のアクセス開口部で終端する第2の部分とを有する作動流体分室であって、作動流体分室が廃液分室から流体的に分離している作動流体分室と、作動流体分室と廃液分室が互いに静止するように作動流体分室と廃液分室との間を接続する隔壁と、を備える。
【0015】
種々の実施形態において、容器は、上壁、下壁、側壁、及び後壁を有する格納部に嵌め込まれるように構成され、廃液分室のアクセス開口部は、格納部の上壁に隣接して配置され、作動流体分室のアクセス開口部は、格納部の下壁に隣接して配置される。
【0016】
本開示のいくつかの態様によれば、医療診断システムは、ハウジングと、分室を有する容器を受け入れるための、壁を有する、ハウジング内の格納部と、分室と係合するための分室係合機構とを備える。分室係合機構は、格納部の壁内に取り付けられるハブと、ハブに固定される少なくとも1つのニードルと、ハブとスライド可能に結合され、ニードルを覆うカバー位置を有するニードルカバーと、ハブに固定され、ニードルカバーがカバー位置にあるときにニードルカバーをつかむ、少なくとも1つの係合アームとを備える。
【0017】
種々の実施形態において、少なくとも1つのニードルは、被覆されたニードルと、少なくとも1つの被覆されていないニードルを含む。
【0018】
種々の実施形態において、ニードルカバーは、少なくとも1つのニードルに対応する少なくとも1つの孔を有するキャップと、ハブとスライド可能に結合される複数のグライドポストを備え、複数のグライドポストがハブにスライドするときに、少なくとも1つのニードルがキャップの少なくとも1つの孔から突き出る。
【0019】
種々の実施形態において、少なくとも1つの係合アームは、ハブに固定されるベース部、ベース部に接続されるエルボ部、及びエルボ部に接続されるつかみ部を備え、エルボ部は、半可撓性であり、つかみ部をニードルカバーに半径方向に近づける又は引き離すことができる。
【0020】
種々の実施形態において、医療診断システムは、容器をさらに備え、容器は、分室のネックに固定されるキャップを備え、キャップは、少なくとも1つの係合アームのつかみ部と接触し、分室係合機構が容器の分室と係合するときにつかみ部をニードルカバーから半径方向に離れる方に移動させるように寸法設定される。
【0021】
種々の実施形態において、分室は、少なくとも1つの係合アームに対応する少なくとも1つのノッチを有するカラーを備え、カラーの少なくとも1つのノッチは、容器の分室が分室係合機構と十分に係合するときに少なくとも1つの係合アームのつかみ部を受け入れる。
【0022】
種々の実施形態において、容器は、第2のネック及び第2のネックに固定される第2のキャップを有する第2の分室を備え、医療診断システムは、容器の第2の分室と係合するために格納部の壁に結合される第2の分室係合機構をさらに備える。
【0023】
種々の実施形態において、医療診断システムは、分室係合機構及び第2の分室係合機構に結合される水平検出機構をさらに備え、水平検出機構は、容器が格納部内で水平であるかどうかを検出する。
【0024】
種々の実施形態において、分室係合機構は、第2の分室係合機構とは異なるサイズであり、キャップは、第2のキャップとは異なるサイズである。種々の実施形態において、分室係合機構及び第2の分室係合機構は、格納部の壁から異なる距離だけ延び、キャップ及び第2のキャップは、容器の本体から異なる距離だけ延びる。
【0025】
本開示の例示的な実施形態のさらなる詳細及び態様を、添付図を参照して以下でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本開示のいくつかの態様に係る、医療診断システムの一実施形態の図である。
図2】本開示のいくつかの態様に係る、試薬容器の一実施形態の図である。
図3】本開示のいくつかの態様に係る、図2の試薬容器の断面図である。
図4】本開示のいくつかの態様に係る、試薬容器の別の実施形態の図である。
図5】本開示のいくつかの態様に係る、作動流体・廃液容器の一実施形態の図である。
図6】本開示のいくつかの態様に係る、図5の作動流体・廃液容器の断面図である。
図7】本開示のいくつかの態様に係る、作動流体・廃液容器の別の実施形態の図である。
図8】本開示のいくつかの態様に係る、作動流体・廃液容器のさらに別の実施形態の図である。
図9】本開示のいくつかの態様に係る、作動流体・廃液容器のまたさらに別の実施形態の図である。
図10】本開示のいくつかの態様に係る、作動流体・廃液容器の別の実施形態の図である。
図11】本開示のいくつかの態様に係る、容器の形状をより明瞭に示す輪郭線を有する、図2の試薬容器の斜視図である。
図12】本開示のいくつかの態様に係る、図2の試薬容器の底面図である。
図13】本開示のいくつかの態様に係る、図2の試薬容器の上面図である。
図14】本開示のいくつかの態様に係る、図2の試薬容器の左側立面図である。
図15】本開示のいくつかの態様に係る、図2の試薬容器の右側立面図である。
図16】本開示のいくつかの態様に係る、図2の試薬容器の前側立面図である。
図17】本開示のいくつかの態様に係る、図2の試薬容器の後側立面図である。
図18】本開示のいくつかの態様に係る、容器の形状をより明瞭に示す輪郭線を有する、図5の作動流体・廃液容器の斜視図である。
図19】本開示のいくつかの態様に係る、図5の作動流体・廃液容器の底面図である。
図20】本開示のいくつかの態様に係る、図5の作動流体・廃液容器の上面図である。
図21】本開示のいくつかの態様に係る、図5の作動流体・廃液容器の左側立面図である。
図22】本開示のいくつかの態様に係る、図5の作動流体・廃液容器の右側立面図である。
図23】本開示のいくつかの態様に係る、図5の作動流体・廃液容器の前側立面図である。
図24】本開示のいくつかの態様に係る、図5の作動流体・廃液容器の後側立面図である。
図25】本開示のいくつかの態様に係る、容器の形状をより明瞭に示す輪郭線を有する試薬容器の別の実施形態の斜視図である。
図26】本開示のいくつかの態様に係る、容器の形状をより明瞭に示す輪郭線を有する作動流体・廃液容器の別の実施形態の斜視図である。
図27】本開示のいくつかの態様に係る、2つの分室係合機構を有する容器係合機構の一実施形態の図である。
図28】本開示のいくつかの態様に係る、図27の分室係合機構の斜視図である。
図29】本開示のいくつかの態様に係る、図27の分室係合機構の別の斜視図である。
図30】本開示のいくつかの態様に係る、図27の分室係合機構の特定の構成要素の図である。
図31】本開示のいくつかの態様に係る、図27の分室係合機構の特定の他の構成要素の図である。
図32】本開示のいくつかの態様に係る、容器と係合する前の図27の容器係合機構の図である。
図33】本開示のいくつかの態様に係る、容器と係合した後の図27の容器係合機構の図である。
図34】本開示のいくつかの態様に係る、分室係合機構の別の実施形態の斜視図である。
図35】本開示のいくつかの態様に係る、図34の分室係合機構の別の斜視図である。
図36】本開示のいくつかの態様に係る、図34の分室係合機構の特定の構成要素の図である。
図37】本開示のいくつかの態様に係る、図36の構成要素の別の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示は、ポイント・オブ・ケア医療診断システム及び医療診断システムのための容器に関する。本明細書で用いられる場合の、ポイント・オブ・ケアは、ヒト又は動物の患者にケアが提供される場所を指し、医療診断システムは、患者から得られたサンプルを分析して患者の病状を診断することができるシステムを指す。したがって、医療診断システムは、限定はされないがフローサイトメータなどの患者サンプル分析装置を含む。
【0028】
以下の説明では、医療診断システムの例としてフローサイトメトリに基づくシステムを用いる。フローサイトメトリに基づく分析装置の例は、米国特許第7,324,194号に示され、説明されており、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、当業者には理解されるであろう。しかしながら、本開示は、他のタイプの医療診断システムにも適用されることを意図されており、そのように理解されるべきである。
【0029】
フローサイトメトリシステムには、流体サブシステム、光学サブシステム、及び電子サブシステムなどのサブシステムが含まれる。流体サブシステムは、サンプルを、細胞のストリームなどの粒子のストリームに配列する。光学サブシステムは、レーザビームを各細胞に誘導し、光検出器を用いて散乱光を検出することによって、各細胞を検査する。細胞のサイズ、複雑さ、粒度、及び直径に応じて光が散乱し、これにより、各細胞タイプの「フィンガープリント」が形成される。電子サブシステムは、サンプルストリームの細胞/粒子を分類する、計数する、及び/又は他の方法で分析するべくフィンガープリントを処理することができる。
【0030】
流体サブシステムは多くの役割を有する。例えば、流体サブシステムは、希釈物(血液又は品質管理物質)を細胞計数及び形態学のためにレーザに及び/又はヘモグロビン測定のためにヘモグロビンモジュールに輸送すること、血球を順次にレーザを通過するように運ぶためにシースとして作用すること、診断システムをクリーニング及び/又はプライミングすること、及び/又は廃液を廃液容器に運ぶことを含めて様々に作動流体を使用する。作動流体の材料は、通常は水ベースであり、塩、界面活性剤、緩衝剤、及び抗菌剤を含有する。流体システムは、一般に、血液サンプルが処理されてシステム内を移動しているときを除いて、常にこの流体で満たされる。
【0031】
流体サブシステムはまた、試薬にアクセスし、それらを患者サンプルに適用して所望の反応を生じさせる。例えば、当業者は理解するように、試薬は、とりわけ、特定の細胞を染色及び区別し、赤血球を溶解し、特定のタイプのアッセイ用に細胞を調製するのに用いることができる。種々の実施形態において、主に赤血球及び血小板の評価のために全血サンプルを調製するのに赤色試薬が用いられる。材料は、水ベースであり、塩、界面活性剤、抗菌剤、及び染色剤(網赤血球用)を含有する。赤色試薬は、適正な希釈濃度で全血と混合されて、赤血球を球形にし、網赤血球を染色する。次いで、希釈されたサンプルが、評価(計数及び分類)のためにフローセルに輸送される。種々の実施形態において、白血球の評価のために全血サンプルを調製するのに白色試薬が用いられる。材料は、水ベースであり、塩、界面活性剤、及び抗菌剤を含有する。白色試薬は、適正な希釈濃度で全血と混合されて、赤血球を溶解させる。残りの白血球及び血小板は、希釈液に残り、評価(計数及び分類)のためにフローセルに輸送される。
【0032】
したがって、作動流体及び試薬は、医療診断システムにインストール及び提供される必要がある。次いで、分析が完了すると、システムによって生じた廃液を収集し、安全な様態で廃棄する必要がある。以下、これらの懸念に対処する医療診断システム及び容器を説明する。
【0033】
ここで図1を参照すると、例示的な医療診断システム100が示されている。例示した医療診断システム100は、ポイント・オブ・ケア(POC)オフィス内に存在するように構成及び寸法設定される。例示したシステムは、医療診断システムの全体構造をなすハウジング110を備える。ハウジング110は、試薬容器122を受け入れることを意図した小格納部120と、作動流体・廃液容器132を受け入れることを意図した大格納部130を備える。試薬容器122は、診断システム100によって用いられることになる試薬を貯蔵し、作動流体・廃液容器132は、診断システム100に作動流体を提供する及び診断システム100から廃液流体を受け入れるように動作する。ハウジング110の右側で、別の格納部140が、とりわけ、患者サンプル、システム洗浄液、及び品質管理物質を含む、種々の流体及び材料を受け入れることができる。
【0034】
以下でより詳細に説明するように、格納部120、130及び容器122、132は、オペレータが容器122、132を格納部にスライドして入れることができるように構成される。本開示の一態様によれば、格納部120、130の内部に流体アクセスニードル(図示せず)が設けられる。容器122、132が格納部120、130にスライドして入る際に、ニードルが容器のアクセス開口部と係合する。種々の実施形態において、格納部120、130の一方又は両方は、オペレータが容器122、132を水平に格納部にスライドして入れることができるように水平又は実質的に水平であり、流体アクセスニードル(図示せず)も水平に配向する又は実質的に水平な配向を有することができる。本明細書で用いられる場合の「水平」という用語は、診断システム100が置かれる表面又は平面に平行な配向を指す。種々の実施形態において、格納部とアクセスニードルは、水平であることを意図されているという点で実質的に水平であるが、例えば、僅かな製造上の欠陥又は限界、或いは格納部内のニードルの摩耗による経時的な僅かな緩み、或いは他の材料、製造、又は環境上の欠陥に起因して完全には水平でない場合がある。種々の実施形態において、格納部120、130の一方又は両方は、オペレータが容器122、132を下向きの或る角度でなどの非水平に格納部にスライドして入れることができるように角度をつけられ、流体アクセスニードル(図示せず)も角度をつけて配向することができる。種々の実施形態において、1つ以上の流体アクセスニードルは、容器122、132が格納部120、130にスライドして入る方向と平行に配向することができる。種々の実施形態において、1つ以上の流体アクセスニードル(図示せず)は、容器122、132が格納部120、130にスライドして入る方向に関して角度をつけて配向することができる。各格納部、容器、又はアクセスニードルを、異なる開示した実施形態によって実装することができるように、開示した実施形態の組み合わせが考えられる。
【0035】
ここで図2を参照すると、例示的な試薬容器200の側面図が示されている。試薬容器は、上分室210及び下分室220を備える。2つの分室210、220は、流体的に分離している。上分室210と下分室220との間の隔壁230が、2つの分室を接続し、それらを互いに静止した状態に保つ。種々の実施形態において、試薬容器は、単一の成形された容器であり、2つの分室と2つの分室間の隔壁は、同じ成形プロセスで形成される。上分室210と下分室220との両方は、アクセス開口部212、222で終端する。アクセス開口部212、222は、診断システムの小格納部120内に存在する試薬アクセスニードル124、126がそれらにアクセスできるように配置される。種々の実施形態において、アクセス開口部は、試薬がこぼれるのを防ぐ流体シールで覆うことができる。試薬アクセスニードル124、126は、試薬にアクセスするべく流体シールを穿刺することができる。試薬アクセスニードル124、126は、明確にするために例示されており、試薬容器の一部ではない。
【0036】
図3は、図2の試薬容器200の垂直断面を示す。上分室210は、上壁214及び下壁216を備え、下分室220は、上壁224及び下壁226を備える。上分室210及び下分室220の側壁は、図2に例示されている。垂直断面の位置に応じて、上分室210と下分室220との間の領域302は、隔壁230であってよく、又は空きスペースであってよい。例えば、図1に示すように、隔壁230は、上分室210及び下分室220の幅よりも狭い。垂直断面が隔壁230の上でとられる場合、隔壁230は、上分室と下分室との間の領域302にある。垂直断面が隔壁230の外部でとられる場合、上分室210と下分室220との間の領域302は空気である。種々の実施形態において、隔壁230は、図1で例示したよりも広い又は狭い又は別の幅とすることができる。
【0037】
図3に示すように、上分室210及び下分室220のアクセス開口部212、222は、下壁216、226に隣接する。試薬アクセスニードル124、126は、可能な限り多くの試薬に届くように、アクセス開口部212、222の底部に挿入されるように配置される。上分室210の下壁216の一部は、上分室のアクセス開口部212の方へ下向きに傾斜している。したがって、上分室210内の本質的にすべての試薬がアクセス開口部212に到達し、流体アクセスニードル124によってアクセスすることができる。対照的に、例示した実施形態では、下分室220は、その下壁226に傾斜を有さない。したがって、下分室220内の試薬の一部は、流体アクセスニードル126にアクセスすることができないであろう。種々の実施形態において、下分室220の下壁226は、下向きの傾斜を有することができる。
【0038】
分室の特定の形状及び相対的な寸法は例示的なものであり、他の変形及び構成が考えられる。例えば、図2及び図3の実施形態では、上分室210は、下分室220よりも小さい。例えば、上分室210は、約60mL~約130mL、約70mL~約120mL、約80mL~約110mL、約90mL~約100mL、又は最も好ましくは約95mLの試薬を保持してよく、下分室220は、約175mL~約100mL、約165mL~約110mL、約155mL~約120mL、約145mL~約130mL、又は最も好ましくは約139mLの試薬を保持してよい。種々の他の実施形態において、他の容量が考えられ、上分室210と下分室220との容量の他の比率が考えられる。
【0039】
例示した実施形態では、上分室210の下壁216と下分室220の上壁224は、平行又は実質的に平行である。それらは、例えば製造上の欠陥のために、それらが完全に平行であることを意図されるときであっても大体の平行であり得る。種々の他の実施形態において、上分室210の下壁216と下分室220の上壁224は、意図的に非平行とすることができる。加えて、例示した実施形態では、下分室220の上壁224の一部は、それらの壁の下向きの傾斜のために上分室210の下壁216の一部よりも高い。種々の他の実施形態において、図4の例のように、これらの壁に下向きの傾斜がなくてもよい。
【0040】
例示した実施形態では、アクセス開口部212、222に隣接する隔壁230は、上分室210の上壁214と下分室220の下壁226のほぼ中間に存在する。したがって、上分室210のアクセス開口部212は、この中心線に隣接してそれよりも上に存在する。試薬アクセスニードル124、126は、対応する位置に存在する。診断システムの小格納部120は、上壁、下壁、後壁、及び側壁(図示せず)を備える。一方の試薬アクセスニードル126は、小格納部120の下壁に隣接した後壁上に配置され、他方の試薬アクセスニードル124は、小格納部120(図示せず)の上壁と下壁との間の中心線に隣接したそれよりも上の後壁上に配置される。したがって、試薬アクセスニードル124、126は、試薬容器200が小格納部120に特定の向きで挿入されるときにのみ、分室210、220にアクセスすることができる。種々の他の実施形態において、アクセス開口部212、222及び試薬アクセスニードル124、126の位置は、例えば、図4に示すように他の位置とすることができる。
【0041】
本明細書において上記で説明したのは、医療診断システム及び試薬容器の態様である。以下、作動流体・廃液容器の態様を説明する。図1に示すように、作動流体・廃液容器132は、試薬容器122よりも大きい。種々の実施形態において、試薬容器122と作動流体・廃液容器132との他の寸法比が考えられる。
【0042】
図5を参照すると、作動流体分室510及び廃液分室520を備える、作動流体・廃液容器500の一実施形態が示されている。作動流体分室510と廃液分室520は、流体的に分離している。隔壁530が、作動流体分室510と廃液分室520との間に配置され、それらを互いに静止するように接続する。種々の実施形態において、作動流体・廃液容器は、単一の成形された容器であり、2つの分室と2つの分室間の隔壁は、同じ成形プロセスで形成される。図6も参照すると、図5の作動流体・廃液容器500の垂直断面が示されている。垂直断面の位置に応じて、廃液分室520と作動流体分室510との間の領域602は、隔壁530であってよく、又は空きスペースであってよい。例えば、図5に示すように、隔壁530は、作動流体分室510及び廃液分室520の幅よりも狭い。垂直断面が隔壁530の上でとられる場合、隔壁530は、作動流体分室510と廃液分室520との間の領域602にある。垂直断面が隔壁530の外部でとられる場合、作動流体分室510と廃液分室520との間の領域602は空気である。種々の実施形態において、隔壁530は、図5で例示したよりも広い又は狭い又は別の幅とすることができる。
【0043】
図6を引き続き参照すると、廃液分室520は、外壁522、内壁524、及び外壁522と内壁524を接続する端壁526を有する。外壁522及び内壁524は、開いたコーナー部をもつ実質的に正方形又は長方形の形状の垂直断面を有する。種々の実施形態において、垂直断面は、台形などの別の形状又は実質的に別の形状を有し得る。断面は、実質的に特定の形状を有し得るが、例えば、丸みのあるコーナー部又は製造上の欠陥又は経時的な材料応力のために正確には特定の形状ではない。種々の実施形態において、断面形状は、様々な方向に配向することができる。例えば、断面形状が台形のとき、台形の底辺は、廃液分室520の任意の側に向けて配向することができる。作動流体分室510は、廃液分室520の内壁524内の部分と、廃液分室520の開いたコーナー部を通って延びてアクセス開口部512で終端する別の部分512を備える。
【0044】
図1の医療診断システムを参照すると、作動流体・廃液容器132は、大格納部130にスライドして入る。大格納部130は、上壁、下壁、後壁、及び側壁(図示せず)を備える。大格納部130を参照すると、廃液分室520のアクセス開口部528は、大格納部130の上壁に隣接して配置され、作動流体分室510のアクセス開口部514は、第2の格納部130の下壁に隣接して配置される。作動流体アクセスニードル134及び廃液アクセスニードル136は、対応する位置に存在する。廃液アクセスニードル134は、大格納部130の上壁に隣接した大格納部130の後壁上に配置され、作動流体アクセスニードル136は、大格納部130の下壁に隣接した大格納部130の後壁上に配置される。種々の実施形態において、作動流体アクセスニードル136は、作動流体分室510用のアクセス開口部514の底部に向けて配置される。これにより、作動流体の実質的にすべてが作動流体アクセスニードル136にアクセス可能である。種々の実施形態において、廃液アクセスニードル134は、廃液分室520用のアクセス開口部528の上部に向けて配置される。これにより、廃液分室520内の古い廃液が廃液アクセスニードル134に接触することなく、廃液分室520に充填することができ、ゆえに、廃液アクセスニードル134を汚染する又は廃液アクセスニードル134を通して逆流するリスクが低減する。種々の実施形態において、アクセス開口部514、528は、流体がこぼれるのを防ぐ流体シールで覆うことができる。作動流体アクセスニードル134及び廃液アクセスニードル136は、分室510、520の内部にアクセスするべく流体シールを穿刺することができる。
【0045】
図1を再び参照すると、本開示のいくつかの態様によれば、作動流体・廃液容器132と大格納部130は、作動流体アクセスニードル136及び廃液アクセスニードル134が作動流体・廃液容器132にアクセスするために作動流体・廃液容器132が大格納部130に特定の向きで挿入されなければならないように形状設定される。種々の実施形態において、大格納部130の上部は、大格納部130の底部よりも狭く、作動流体・廃液容器の頂部132も、作動流体・廃液容器の底部132よりも狭い。したがって、作動流体アクセスニードル136及び廃液アクセスニードル134が作動流体・廃液容器130のアクセス開口部にアクセスするために、作動流体・廃液容器132は正しい向きで挿入されなければならない。
【0046】
図5及び図6の作動流体・廃液容器は例示的なものであり、他の形状及び構成が本開示の範囲内にあると考えられる。例えば、作動流体・廃液容器の他の実施形態が図7図10に示される。
【0047】
図7の実施形態では、作動流体分室710は、実質的にU形を有する。廃液分室720は、作動流体分室とインターロックし、作動流体分室よりも上の部分、作動流体分室のU形内の部分、及び作動流体分室外の隣接する部分を有する。作動流体分室710と廃液分室720は流体的に分離され、隔壁が、作動流体分室710と廃液分室720が互いに静止するように分室間を接続する。廃液分室720のアクセス開口部722は、容器の頂部に隣接し、作動流体分室710のアクセス開口部712は、容器の底部に隣接する。
【0048】
図8の実施形態では、作動流体・廃液容器は、容器の頂部にハンドル802を備える。ハンドル802は、容器が医療診断システムの外部にあるときにオペレータが容器をより容易に運べるようにする。図8に示すハンドル802は、本明細書で開示されるあらゆる他の実施形態又は本開示の範囲内にあると考えられるあらゆる実施形態に適用することができる。図8を引き続き参照すると、作動流体分室810は、実質的に台形の形状であり、廃液分室820は、ハンドル802の形状を考慮しないときに作動流体・廃液容器の全体形状が正方形又は長方形であるように相補的な形状を有する。作動流体分室810と廃液分室820は流体的に分離され、隔壁が、作動流体分室810と廃液分室820が互いに静止するように分室間を接続する。廃液分室820のアクセス開口部822は、容器の頂部に隣接し、作動流体分室810のアクセス開口部812は、容器の底部に隣接する。
【0049】
図9の実施形態では、作動流体・廃液容器は、グリップ強化部902を備える。グリップ強化部902は、容器を医療診断システムに挿入する又は容器を取り外すときにオペレータが容器をより容易に取り扱えるようにする。図9に示すグリップ強化部902は、本明細書で開示されるあらゆる他の実施形態又は本開示の範囲内にあると考えられるあらゆる実施形態に適用することができる。図9を引き続き参照すると、作動流体分室910は、実質的に正方形の形状であり、廃液分室920は、作動流体・廃液容器の全体形状が正方形又は長方形であるように相補的な形状を有する。作動流体分室910と廃液分室920は流体的に分離され、隔壁が、作動流体分室910と廃液分室920が互いに静止するように分室間を接続する。廃液分室920のアクセス開口部922は、容器の頂部に隣接し、作動流体分室910のアクセス開口部912は、容器の底部に隣接する。
【0050】
図10の実施形態では、作動流体・廃液容器は、容器のコーナー部にハンドル1002を備える。図10に示すハンドル1002は、本明細書で開示されるあらゆる他の実施形態又は本開示の範囲内にあると考えられるあらゆる実施形態に適用することができる。図10を引き続き参照すると、作動流体分室1010は、実質的にL形の形状を有し、廃液分室1020は、ハンドル1002の形状を考慮しないときに実質的に長方形の形状を有する。作動流体分室1010と廃液分室1020は流体的に分離され、隔壁が、作動流体分室1010と廃液分室1020が互いに静止するように分室間を接続する。廃液分室1020のアクセス開口部1022は、容器の頂部に隣接し、作動流体分室1010のアクセス開口部1012は、容器の底部に隣接する。
【0051】
したがって、上記で説明したのは、医療診断システムと、医療診断システムのための容器である。図11図17は、試薬容器の形状をより明瞭に例示する輪郭線を有する、図2の試薬容器のさらなる図を示す。特に、図11は、試薬容器の斜視図であり、図12は、その底面図であり、図13は、その平面図であり、図14は、その左側立面図であり、図15は、その右側立面図であり、図16は、その前側立面図であり、図17は、その後側立面図である。図11図17に示すように、例示した試薬容器の外周部は、試薬容器の他の部分よりも広く、オペレータが外周部の任意の部分に沿って試薬容器をより容易につかめるようにする。図18図24は、作動流体・廃液容器の形状をより明瞭に例示する輪郭線を有する、図5の作動流体・廃液容器のさらなる図を示す。特に、図18は、作動流体・廃液容器の斜視図であり、図19は、その底面図であり、図20は、その平面図であり、図21は、その左側立面図であり、図22は、その右側立面図であり、図23は、その前側立面図であり、図24は、その後側立面図である。図18図24に示すように、例示した作動流体・廃液容器の外周部は、容器の他の部分よりも広く、オペレータが外周部の任意の部分に沿って作動流体・廃液容器をより容易につかめるようにする。本明細書で開示される実施形態は単なる例示であり、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0052】
以下、図1を参照して本開示の特徴を説明する。本開示のいくつかの態様によれば、医療診断システムは、エンコードされたデータマトリクスコードを試薬容器122及び作動流体・廃液容器132上にイメージングするための1つ以上のカメラ(図示せず)を備える。容器122、132上のデータマトリクスコードは、とりわけ、有効期限、ロット番号、製造業者ID、及び真正性などの情報をエンコードすることができる。カメラは、この情報を読み取るためにデータマトリクスコードを走査することができ、医療診断システム100は、情報を処理し、様々な方法でそれに応答することができる。
【0053】
種々の実施形態において、大格納部130は、データマトリクスコードを作動流体・廃液容器132上にイメージングするのにカメラ(図示せず)を使用し、小格納部120は、データマトリクスコードを試薬容器122上にイメージングするのに同じカメラ(図示せず)を使用する。種々の実施形態において、データマトリクスコードは、容器122、132が医療診断システム100に特定の向きで挿入されるときにのみデータマトリクスコードがカメラで読み取られるように容器122、132上に配置される。
【0054】
したがって、本開示の種々の態様及び実施形態が上記で説明されている。以下、本開示の他の態様及び実施形態を説明する。
【0055】
図25を参照すると、試薬容器の一実施形態が示されている。図2及び図3に関連して説明した試薬容器と同様に、図25の試薬容器は、アクセス開口部2512で終端する2つの流体的に分離している分室2510を備える。2つの分室2510は、図1の医療診断システムで用いるための試薬を収容する。各アクセス開口部2512は、キャップ(図示せず)を受け入れるためのねじ山を有するネック2514の端にある。ネック2514は、試薬容器のカラー2516内に存在する。種々の実施形態において、ネック2514とカラー2516は、同じ製造プロセスで一体に形成される。種々の実施形態において、ネック2514とカラー2516は、別個の成形プロセスで別々に形成され、次いで、互いに固定される。
【0056】
本開示のいくつかの態様によれば、各カラー2516は、図27図33に関連して説明する容器係合機構を受け入れるための1つ以上のノッチを備える。例示した実施形態では、各カラー2516につき1つのノッチ2518が見られる。種々の実施形態において、カラー2516の他の側に、別のノッチ又は他のノッチがあってよく、又はなくてもよい。種々の実施形態において、各カラー2516は、カラー2516の様々な領域に構成又は配置することができる2つ以上のノッチなどの複数のノッチを備えることができる。種々の実施形態において、異なるカラーが同じ数のノッチ又は異なる数のノッチを有し得る。種々の実施形態において、1つ以上のノッチは、図示したのとは異なる形状又は寸法を有し得る。
【0057】
図26は、作動流体・廃液容器の一実施形態を示す。図5及び図6に関連して説明した作動流体・廃液容器と同様に、図26の作動流体・廃液容器は、廃液分室から流体的に分離している作動流体分室を備える。各分室2610は、アクセス開口部2612で終端し、各アクセス開口部2612は、キャップ(図示せず)を受け入れるためのねじ山を有するネック2614の端にある。ネック2614は、容器係合機構を受け入れるための1つ以上のノッチ2618を有することができるカラー2616に固定される。図25に関連して説明したノッチの実施形態及び変形例は、図26のカラーにもあてはまる。
【0058】
ここで図27を参照すると、容器係合機構2700の一実施形態の図が示されている。例示した容器係合機構2700は、2つの分室係合機構2720を備える。図1も参照すると、容器係合機構2700は、図1に関連して説明した医療診断システム100の格納部120、130内に配置する、例えば格納部120、130の後壁2702に配置することができる。
【0059】
例示した実施形態では、各分室係合機構2720は、ハブ2722、ニードル2724、2つ以上の係合アーム2726、ばね2727、及びニードルカバー2728を備える。ハブ2722は、格納部の後壁などの格納部の壁2702に及びそれを通して固定される。ハブ2722は、ニードル2724、係合アーム2726、及びニードルカバー2728を保持及び固定する。種々の実施形態において、ニードル2724は、格納部の壁2702に垂直又は実質的に垂直に保持することができる。種々の実施形態において、ニードル2724は、ニードル2724が容器の分室にアクセスするときにハブ2722から外れないように、ハブ2722によってしっかりと保持することができる。
【0060】
本開示のいくつかの態様によれば、ハブ2722は、ニードルカバー2728を保持し、ニードルカバー2728がハブ2722を通して又はそれに沿ってスライドできるようにガイドとして作用する。ハブ2722とニードルカバー2728の構造は、図28図30に関連してより詳細に説明される。図27の目的上、ニードルカバー2728は、ニードル2724の方向に平行な方向及び/又は格納部の壁2702に垂直な方向にハブ2722を通して又はそれに沿ってスライドできることに留意されたい。ばね2727は、ニードルカバー2728をニードル2724を覆うカバー位置に付勢する様態で、ニードルカバー2728とハブ2722との間に配置される。
【0061】
ハブ2722は、ニードルカバー2728がカバー位置にあるときに係合アーム2726がニードルカバー2728を固定するように、係合アーム2726も保持する。係合アーム2726は、係合アーム2726がハブ2722を通って移動しないような様態でハブ2722に固定される。しかしながら、各係合アーム2726の少なくとも一部は、各係合アームがニードル2724及びニードルカバー2728から半径方向に離れて屈曲することができるように半可撓性である。種々の実施形態において、分室係合機構2720は、1つの係合アーム2726を備えることができる。種々の実施形態において、分室係合機構2720は、1つよりも多い係合アーム2726を備えることができる。種々の実施形態において、係合アーム2726は、図27に例示した構成とは異なる様々な様態で構成又は配置することができる。
【0062】
図28は、ハブ2722、ニードルカバー2728、2つの係合アーム2726、及び3つのニードル2724を備える、格納部の壁なしの、図27の分室係合機構2720の斜視図を示す。例示した実施形態は3つのニードル2724を備えるが、種々の実施形態において3つよりも少ないニードル又は3つよりも多いニードルなどの別の数のニードルを用いることができる。加えて、ニードル2724は、図28では一列に配列される。種々の実施形態において、複数のニードルを三角形又は別の形状又は別の構成などの別の様態で配列することができる。図28に示すように、ハブ2722は、ニードルカバー2728の一部を受け入れ、ニードルカバー2728の一部がハブ2722を通して又はそれに沿ってスライドすることを可能にする、ガイドスロット2802を備える。
【0063】
図29は、機構の容器に面する端を備える分室係合機構2720の別の斜視図を示す。図29に示すように、ニードルカバー2728の容器に面する端は、孔2902を備える。孔2902は、ニードルカバー2728がハブ2722を通して又はそれに沿ってスライドするときにニードル2724が孔2902を貫通して延びるように、ニードル2724と位置合わせされる。ハブ2722はまた、係合アーム2726を受け入れ、固定する、スロット2904を備える。種々の実施形態において、係合アーム2726がハブ2722に固定されるとき、係合アーム2726は、もはやハブ2722を通してスライドしない。図28及び図29は例示的なものであり、分室係合機構の変形又は他の実施形態が本開示の範囲内にあると考えられる。
【0064】
図30は、係合アーム2726、ニードルカバー2728、及びハブ2722を含む、図27図29の容器係合機構の特定の構成要素2700の図である。例示した実施形態では、ハブ2722は、一対の同一部品から形成され、これらは組み合わされて図27図29に例示したハブ2722を形成する。種々の実施形態において、ハブ2722は、単一の部品として形成されてよい。種々の実施形態において、ハブ2722は、プラスチック材料から作製することができる。
【0065】
例示した実施形態では、ニードルカバー2728は、キャップ3002と、キャップ3002に取り付けられたグライドポスト3004を備える。種々の実施形態において、キャップ3002とグライドポスト3004は、図30に例示したものとは異なる形状を含む様々な形状を有することができる。種々の実施形態において、グライドポスト3004の数は、4つよりも少ないグライドポスト又は4つよりも多いグライドポストというように変えることができる。ハブ2722は、ニードルカバー2728のグライドポスト3004を受け入れるべく、対応する数のガイドスロット3012を備えることができる。種々の実施形態において、ニードルカバー2728は、プラスチック材料から作製することができる。
【0066】
係合アーム2726は、ベース部3022、エルボ部3024、及びつかみ部3026を備える。ベース部3022は、ハブ2722内に着座し、ハブ2722と当接するように配置されたレッジによってハブ2722に固定された状態にとどまるように構成される。ハブ2722は、係合アーム2726のベース部3022を受け入れるスロット3014を備える。係合アーム2726のエルボ部3024は、ベース部3022に接続され、係合アーム2726のつかみ部3026は、エルボ部3024に接続される。エルボ部3024は、つかみ部3026が分室係合組立体のニードルカバーに半径方向により近づく又は遠ざかる方に移動できるように屈曲するべく半可撓性である。つかみ部3026の端は、分室係合組立体のニードルカバーに食い込むくさび形状を有する。種々の実施形態において、係合アーム2726は、プラスチック材料から作製することができる。
【0067】
図31は、水平検出機構3102、被覆されたニードル3104、被覆されていないニードル3106、及びばね2727を含む、分室係合機構2720の特定の他の構成要素の図である。ばね2727は、前述のようにニードルカバー2728をニードルを覆うカバー位置に付勢するように配置することができる。種々の実施形態において、被覆されたニードル3104は、ニードル3104が分室によりスムーズにアクセスできるようにするべく、より低摩擦の材料で被覆することができる。種々の実施形態において、1つ以上の被覆されていないニードル3106は、容器への又は容器からの流量をより大きくするべく、被覆されたニードルに随伴してよい。種々の実施形態において、ニードルは、容器のキャップを穿刺するのに十分に鋭利且つ丈夫である。
【0068】
水平検出機構3102には、検出端及び容器端を有するケーブルが含まれる。容器端で、ケーブルは、容器のアクセス開口部の数に対応する数のリード3108に分岐する。本明細書で上述した容器は2つのアクセス開口部を備える。したがって、例示した水平検出機構3102は、容器端で2つのリード3108に分岐する。各リード3108はニードルカバーに接続される。両方のニードルカバーが同じ速度で移動するとき、両方のリード3108上に張力が残り、ケーブルの検出端は水平なままである。一方のニードルカバーが他方のニードルカバーよりも速く移動するとき、一方のリードは張力を失い、ケーブルの検出端は水平ではなくなる。したがって、容器が容器係合機構への挿入時に傾けられる場合、その傾きを水平検出機構3102が検出し、医療診断システムは適宜ユーザに通知することができる。前述の水平検出機構は例示的なものであり、他の水平検出機構が本開示の範囲内にあると考えられる。
【0069】
図32は、容器のキャップ3202との係合前の容器係合機構2700の図である。容器は、試薬容器又は作動流体・廃液容器とすることができる。作動流体・廃液容器の場合、2つの分室係合機構2720は、例示したよりも大きく分離していてよい。キャップ3202と分室係合機構2720は、互いに結合することができる直径に寸法設定される。例えば、キャップ3202は、係合アーム2726のくさび形の端と接触し、係合アーム2726をニードルカバー2728から離れる方に屈曲させ、ニードルカバー2728を解放するように寸法設定される。ニードルカバー2728がもはや係合アーム2726によってつかまれなくなると、キャップ3202がニードルカバー2728を押してハブ2722の中に又はそれに沿ってスライドさせ、ニードル2724を露出させることができる。ニードル2724は、容器の分室にアクセスするべくキャップ3202を穿刺する。容器が容器係合機構2720と十分に係合するとき、係合アーム2726は、図27及び図28に関連して上述したように及び図33に示すように容器のカラーのノッチによって受け入れられる。種々の実施形態において、係合アーム2726のつかみ部は、図33に示すように容器を格納部内に固定するべくキャップ3202をつかむことができる。
【0070】
図32を再び参照すると、本開示のいくつかの態様によれば、一方の分室係合機構は、他方の分室係合機構よりも小さくてよく、ゆえに、2つの分室係合機構の容器に面する端は、格納部の壁3210から同じ距離でなくてもよい。加えて、容器のキャップ3202も、異なるサイズであってよく、容器の本体から異なる距離だけ延びてよい。分室係合機構2720及び容器のキャップ3202のサイズ及び構成の変形が本開示の範囲内にあると考えられる。
【0071】
図34は、ハブ3410、ニードルカバー3420、2つの係合アーム3412、及び2つのニードル3430を含む、分室係合機構の別の実施形態の斜視図を示す。例示した実施形態は2つのニードル3430を備えるが、種々の実施形態において2つよりも少ないニードル又は2つよりも多いニードルなどの別の数のニードルを用いることができる。種々の実施形態において、複数のニードルを例示したのとは別の様態で配列することができる。図34に示すように、ハブ3410は、ニードルカバー3422の一部を受け入れ、ニードルカバー3422の一部がハブ3410を通して又はそれに沿ってスライドすることを可能にする、ガイド領域3414を備える。例示した実施形態では、係合アーム3412は、ハブ3410の一部と一体であり、ハブ3410から取り外し可能ではない。
【0072】
図35は、機構の容器に面する端を備える、分室係合機構の別の斜視図を示す。図35に示すように、ニードルカバー3420の容器に面する端は、孔3424を備える。孔3424は、ニードルカバー3420がハブ3410を通して又はそれに沿ってスライドするときにニードル3430が孔3424を貫通して延びるように、ニードル3430と位置合わせされる。ニードルカバー3420はまた、ハブ3410の係合アーム3412を受け入れるスロット3426を備える。図34及び図35は例示的なものであり、分室係合機構の変形又は他の実施形態が本開示の範囲内にあると考えられる。
【0073】
図36は、ニードルカバー3640、ばね、2つのハブ構成要素3610、3620、及び2つのニードル3430を含む、図34及び図35の容器係合機構の特定の構成要素の図である。ニードルとばねは、図27図33に関して説明したのと同じ様態で動作することができる。
【0074】
例示した実施形態では、ハブは、2つの構成要素3610、3620から形成され、これらは組み合わされて図34及び図35に例示したハブを形成する。例示した実施形態では、係合アーム3612は、主ハブ構成要素3610と一体であり、ハブから取り外し可能ではない。主ハブ構成要素3610はまた、ニードル3430用の孔3614を備える。他方のハブ構成要素3620は、ニードルクランプとして動作する。例示した実施形態では、最初に、ニードル3430が主ハブ構成要素3610の孔3614に挿入され、次いで、他方のハブ構成要素3620がニードル/ハブ組立体上に嵌められる。例示した実施形態では、他方のハブ構成要素3620は、主ハブ構成要素3610にクリップ留めするように構成され、これによりニードル3630をハブにクランプする。他方のハブ構成要素3620のクリップアーム3622は、主ハブ構成要素3610の係合アーム3612の配向と垂直に配向される。種々の実施形態において、2つのハブ構成要素3610、3620は、例えば摩擦嵌合などの他の方法で互いに係合してよい。種々の実施形態において、ハブは、単一部品として形成されてよい。種々の実施形態において、ハブは、プラスチック材料から作製することができる。
【0075】
主ハブ構成要素3610を再び参照すると、係合アーム3612は、エルボ部3616及びつかみ部3618を備える。係合アーム3612のつかみ部3618は、エルボ部3616に接続される。エルボ部3616は、つかみ部3618が分室係合組立体のニードルカバー3640に半径方向により近づく又は遠ざかる方に移動できるように屈曲するべく半可撓性である。つかみ部3618の端は、分室係合組立体のニードルカバー3640に食い込むくさび形状を有する。種々の実施形態において、係合アーム3612は、プラスチック材料から作製することができる。
【0076】
例示した実施形態では、ニードルカバー3640は、キャップ3642、キャップ3642に取り付けられるグライドポスト3644、及びハブの係合アーム3612を受け入れるスロット3646を備える。種々の実施形態において、キャップ3642、スロット3646、及びグライドポスト3644は、図36に例示したものとは異なる形状を含む様々な形状を有することができる。種々の実施形態において、グライドポスト3644の数は、4つよりも少ないグライドポスト又は4つよりも多いグライドポストというように変えることができる。グライドポスト3644は、ハブを通して又はそれに沿ってスライドする。図34及び図35に示すように、各グライドポスト3644は、2つのハブ構成要素3610、3620の両方と接触し、これにより、2つのハブ構成要素3610、3620が協働してニードルカバー3640のグライドポスト3644のガイド領域を提供する。種々の実施形態において、ニードルカバー3640のスロット3646の数は、係合アーム3612の数と対応することができる。種々の実施形態において、ニードルカバー3640は、プラスチック材料から作製することができる。
【0077】
図37は、図36に示された種々の構成要素の別の斜視図を示す。種々の実施形態において、ハブ3610は、ばね3704を位置合わせするように動作し、後退するニードルカバー3640のストップ部としても作用する、ばね位置合わせ構造体3702を備えることができる。例示した構造体3702の形状は例示的なものであり、他の変形が本開示の範囲内にあると考えられる。種々の実施形態において、ニードルカバー3640も、ハブ3610のばね位置合わせ構造体3702に対するデッドストップとして作用することができる、ばね位置合わせ構造体(図示せず)を備える。種々の実施形態において、ニードルカバー3640のばね位置合わせ構造体は、もしあるとすれば、ハブ3610のばね位置合わせ構造体3702と同じ形状とすることができ、又は異なる形状とすることができる。例示及び説明した実施形態は例示的なものであり、変形が本開示の範囲内にあると考えられる。
【0078】
本明細書で開示される実施形態は、本開示の例であり、様々な形態で具体化され得る。例えば、本明細書で特定の実施形態が個別の実施形態として説明されているが、本明細書での実施形態のそれぞれは、本明細書での他の実施形態のうちの1つ以上と組み合わされてもよい。本明細書で開示される特定の構造的及び機能的詳細は、限定するものとして解釈されるべきではなく、請求項の根拠として、及び事実上任意の適切な詳細な構造で本開示を様々に使用するべく当業者に教示するための代表的根拠として解釈されるべきである。図面の説明の全体を通して、同様の参照符号は、同様の又は同一の要素を指す場合がある。
【0079】
「一実施形態において」、「いくつかの実施形態において」、「種々の実施形態において」、「一部の実施形態において」、「種々の実施形態において」、又は「他の実施形態において」という文言は、それぞれ、本開示に係る同じ又は異なる実施形態のうちの1つ以上を指す場合がある。「A又はB」という形式の文言は、「(A)、(B)、又は(A及びB)」を意味する。「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」という形式の文言は、「(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)、又は(A、B、及びC)」を意味する。
【0080】
上記の説明は本開示の単なる例示であることを理解されたい。当業者は本開示から逸脱することなく種々の代替及び修正を考案することができる。したがって、本開示は、すべてのこのような代替、修正、及び変形を包含することが意図されている。添付図を参照して説明される実施形態は、本開示の特定の例を実証するためにのみ提示されている。上記及び/又は付属の請求項に記載されているものとは実質的に異なる他の要素、ステップ、方法、及び技術が、本開示の範囲内であることが意図されている。
【0081】
本明細書で説明されるシステムはまた、様々な情報を受け取り、受け取った情報を変換して出力を生成するために1つ以上のコントローラを使用することができる。コントローラは、メモリに記憶されている一連の命令を実行することができる任意のタイプのコンピューティングデバイス、計算回路、又は任意のタイプのプロセッサ又は処理回路を含むことができる。コントローラは、複数のプロセッサ及び/又はマルチコア中央処理装置(CPU)を含むことができ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などの任意のタイプのプロセッサを含むことができる。コントローラは、エンドユーザの場所にあるデバイス又はシステム内に配置されてよく、製造業者又はサービス業者の場所にあるデバイス又はシステム内に配置されてよく、又はクラウドコンピューティングプロバイダに配置されたクラウドコンピューティングプロセッサであってよい。コントローラはまた、1つ以上のプロセッサによって実行されるときに1つ以上のプロセッサに1つ以上の方法及び/又はアルゴリズムを行わせるデータ及び/又は命令を記憶するためにメモリを含むことができる。
【0082】
上記の説明は本開示の単なる例示であることを理解されたい。当業者は本開示から逸脱することなく種々の代替及び修正を考案することができる。したがって、本開示は、すべてのこのような代替、修正、及び変形を包含することが意図されている。添付図を参照して説明される実施形態は、本開示の特定の例を実証するためにのみ提示されている。上記及び/又は付属の請求項に記載されているものとは実質的に異なる他の要素、ステップ、方法、及び技術が、本開示の範囲内であることが意図されている。
図1
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