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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-30
(45)【発行日】2023-07-10
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 43/22 20060101AFI20230703BHJP
   B65D 43/02 20060101ALI20230703BHJP
   B65D 53/02 20060101ALI20230703BHJP
【FI】
B65D43/22 100
B65D43/02 100
B65D53/02
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022115547
(22)【出願日】2022-07-20
(62)【分割の表示】P 2022018122の分割
【原出願日】2020-09-18
(65)【公開番号】P2022132552
(43)【公開日】2022-09-08
【審査請求日】2022-07-20
【審判番号】
【審判請求日】2023-02-07
(31)【優先権主張番号】P 2019168944
(32)【優先日】2019-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審理対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591203831
【氏名又は名称】株式会社マーナ
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】谷口 諒太
(72)【発明者】
【氏名】箕浦 香織
(72)【発明者】
【氏名】楢木 美真
【合議体】
【審判長】山崎 勝司
【審判官】武市 匡紘
【審判官】藤原 直欣
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-244111(JP,A)
【文献】特開平10-117866(JP,A)
【文献】特開2011-240951(JP,A)
【文献】特開平8-26314(JP,A)
【文献】実開昭51-60905(JP,U)
【文献】意匠登録第1660576(JP,S)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 53/02
B65D 43/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
調味料を収納可能であって平面視で基端側及び先端側を短辺とする略長方形状の容器本体と、
前記容器本体の先端に、前記容器本体の上部開口を開閉自在に枢着される蓋体と、
前記蓋体に設けられ、閉蓋状態で前記容器本体に密接する弾性部材と、
前記容器本体及び蓋体の枢着部分に設置されて閉蓋状態で弾性変形する弾性片と、
前記容器本体の基端側側面に上部が一体設され、下部が前記容器本体と離隔しかつ前記容器本体の底壁と同様位置まで延びた把手と、
前記把手の上端で軸支されて回動可能に設けられ、押し下げ部が前記把手の上方に位置し、閉蓋状態で前記押し下げ部を下方に操作すると、前記蓋体の基端部が基端側から先端側へ移動して開蓋するレバーと、を備えたことを特徴とする容器。
【請求項2】
前記レバーの押し下げ部を下方に操作して開蓋させる際に、前記弾性片が屈曲形状から弾性復帰する弾発力により前記蓋体の開蓋動作を行うことを特徴とする請求項1に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、さまざまな収納品、特に食品を収納する容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
食料、或いは砂糖、塩などの粉粒状の調味料を収納する容器にあっては、食品などの品質を維持するために密閉性が要求され、そのため容器本体と蓋体との間に弾性材製のシール材を配する構成が一般である。しかしながら密閉性を確保しようとすると容器本体と蓋体との嵌合がきつくなり、蓋体にかけた指が滑って開けにくくなる問題もある。
【0003】
この点を配慮して、容器本体に蓋体を枢着してレバーを押して開く構成の製品が提案されている。例えば図12で示した容器はその典型である。図12において、(a)は容器本体1の上部開口に蓋体2が嵌合した容器の閉蓋状態を示し、(b)は蓋体2が立ち上がって上部開口が開いた開蓋状態を示す。
【0004】
図12に示すように、容器は、蓋体2容器本体1の基端(手元)に枢着された蓋体2を、把手3を把持してレバー4を押し下げることによりワンタッチで開くものである。しかしながらこの構成では、収納物を取出す際に常に開蓋状態を維持するためにレバー4を持続して押し下げていなければならず、また蓋体2が手前側に立ち上がって開いているので蓋体2が取出し操作の邪魔になるといった不都合がみられた。
【0005】
このような点の対処として、従来以下のような提案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2010-116198
【文献】特開2011-131930
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の発明「開閉自在容器」及び特許文献2の発明「ワンタッチ開閉キャップ」は、共に容器本体の先端側(奥側)に枢着された蓋体を基端である手前側のレバーを操作することにより弾発力を介して開くものであり、開閉が容易で開蓋状態を維持することができる。しかしながら弾発力を付与するための構造が複雑であり、そのため、食品を収納する容器として清潔性を維持するために必須である洗浄メンテナンスが難しいといった不満がある。
【0008】
本開示は、密閉性が確保でき、構造が簡略で開閉操作が容易であり、収納物の取出し操作がやり易い密閉容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示に係る密閉容器の第1の実施態様は、容器本体と、該容器本体の先端に開閉自在に枢着される蓋体と、リング形状の弾性材製枠体とを有し、前記容器本体上部内に密嵌入する前記弾性材製枠体の先端部に、前記容器本体上部の先端に設けられた切欠き部内に嵌入係止し、且つ閉蓋状態で内方にU字形状に弾性変形する弾発舌片を、一体設したことを特徴とする密閉容器である。
【0010】
本開示に係る密閉容器の第2の実施態様は、第1の実施態様において、前記容器本体は、別体の上部及び下部がシール体を介して着脱可能に一体に設けられ、前記弾性材製枠体は、前記容器本体の上部に密に嵌め込まれ、閉蓋状態で前記蓋体の内面に設けられた短筒の下端が前記弾性材製枠体に密に接するようにしたことを特徴とする構成である。
【0011】
本開示に係る密閉容器の第3の実施態様は、容器本体と、この容器本体の先端に開閉自在に枢着される蓋体と、この蓋体の内面に設けられた短筒の外周に密に嵌め込まれるリング形状の弾性材製枠体とを有し、閉蓋状態で前記した容器本体上部内に密嵌入する前記した弾性材製枠体の先端部に、前記した容器本体先端上端に設けられた切欠き部内に嵌入係止し、且つ閉蓋状態でU字形状に内方に弾性変形する弾発舌片を、一体設したことを特徴とする構成である。
【0012】
また、前記密閉容器の第4の実施態様は、第1又は第3の実施態様において、弾発舌片の外面に、開蓋状態で蓋体の先端面が弾接するストッパー部を膨設したことを特徴とする構成である。
【0013】
更には、前記密閉容器の第5の実施態様は、第1又は第3の実施態様において、容器本体の基端上端外面に、先端部が閉蓋状態の蓋体の基端部内面に係止するレバーを、回動自在に設けたことを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0014】
本開示に係る密閉容器の第1の実施態様によれば、閉蓋状態から開蓋すると閉蓋状態で容器本体先端上端の切欠き部内に内方にU字形状で弾性変形していた弾性材製枠体の弾発舌片が弾性復帰し、その弾発力により蓋体が開くことができ、容易に開蓋できる。
【0015】
ここでは蓋体を開くための弾発舌片は弾性材製枠体の先端部分に一体設されているので、部材を少なくすることができる。
【0016】
本開示に係る密閉容器の第2の実施態様によれば、前記容器本体は、別体の上部及び下部がシール体を介して着脱可能に一体に設けられ、前記弾性材製枠体は、前記容器本体の上部に密に嵌め込まれ、閉蓋状態で前記蓋体の内面に設けられた短筒の下端が前記弾性材製枠体に密に接するようにしたので、容器本体の密閉が確実に達成される。
【0017】
本開示に係る密閉容器の第3の実施態様によれば、容器本体に開閉自在に枢着された蓋体の閉蓋状態では、容器本体の上部内面に、蓋体の内面に設けられた短筒に外装された弾性材製枠体の外周面が密着し、容器本体の密閉が確実に達成される。
【0018】
そして閉蓋状態で蓋体の手前側である基端を押し上げると、容器本体の上部内面と弾性材製枠体の外周面との密着が解かれるので、容器本体先端上端の切欠き部内に内方にU字形状で弾性変形していた弾性材製枠体の弾発舌片が弾性復帰し、その弾発力により蓋体が開くことになる。
【0019】
また、前記密閉容器の第4の実施態様によれば、弾発舌片の外面にはストッパー部が膨設されてあり、開蓋状態では蓋体の先端面がこのストッパー部に弾接して、それ以上の開蓋回動が防がれる。即ち蓋体は、弾発舌片の弾性復帰の弾発力により緩やかに且つスムーズに開蓋動作を所定の開口量までとることができる。
【0020】
更には、前記密閉容器の第5の実施態様によれば、容器本体の基端上端外面に回動自在に枢着されたレバーは、その先端部が閉蓋状態の蓋体の基端部内面に面接しているので、このレバーの先端部を押し下げるように回動させれば、閉蓋状態の蓋体を簡単に押し上げることができる。
【0021】
従って本開示の密閉容器の実施態様によれば、容器の密閉が確実に達成されながらも開閉操作が円滑且つ容易であり、部材が少ないので取り扱いが便利で経済的で、分解できるので清掃が容易である等、多くの優れた作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本開示の第1実施形態に係る密閉容器の分解斜視図である。
図2図1の密閉容器の斜視図であって、(a)は分解した開蓋状態、(b)は組み立てた開蓋状態である。
図3図1の密閉容器の説明図であって、(a)は閉蓋状態の斜視図、(b)は閉蓋状態の中央断面図である。
図4図1の密閉容器の開蓋状態の中央断面図である。
図5図1の密閉容器の閉蓋状態の部分拡大中央断面図であって、(a)は基端部、(b)は先端部である。
図6図1の密閉容器の開蓋状態の部分拡大中央断面図であって、(a)は基端部、(b)は先端部である。
図7図1の密閉容器の部分説明図であって、(a)は蓋体先端部の部分拡大中央断面図、(b)は容器本体先端部の部分拡大中央断面である。
図8】第2実施形態に係る密閉容器を説明する斜視図である。
図9図8の密閉容器を説明する分解斜視図である。
図10図8の密閉容器の閉蓋状態の中央断面図である。
図11図8の密閉容器の開蓋状態の中央断面図である。
図12】密閉容器の従来例の斜視図であって、(a)は閉蓋状態、(b)は開蓋状態である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示の実施形態を説明する。
図1図7は、第1実施形態に係る密閉容器の説明図である。
【0024】
図1は密閉容器の分解斜視図を示す。図2は密閉容器の斜視図であって、(a)が分解した開蓋状態、(b)が組み立てた開蓋状態を示す。図3は密閉容器の閉蓋状態を示し、(a)が斜視図、(b)が中央断面図を示す。図4は密閉容器の開蓋状態の中央断面図である。図5は閉蓋状態の部分拡大断面図、図6は開蓋状態の部分拡大断面図、図7は部分説明図である。
【0025】
図1図4に示すように、密閉容器は、容器本体10と、この容器本体10の先端に開閉自在に枢着される蓋体20と、この蓋体20の内面に設けられた短筒21の外周に密に嵌め込まれるリング形状の弾性材製枠体30とから構成される。
【0026】
容器本体10の先端上端には切欠き部11が設けられる。弾性材製枠体30の先端部には、前記した切欠き部11内に嵌入係止し、且つ閉蓋状態でU字形状に内方に弾性変形する弾発舌片31が一体設されている。
【0027】
弾発舌片31の外面に、開蓋状態で蓋体20の先端面が弾接するストッパー部32を膨設する(図1図3参照)。
【0028】
容器本体10の基端上端外面に、先端部が閉蓋状態の蓋体20の基端部内面に面接するレバー40を、回動自在に枢着する(図2図4参照)。
【0029】
図3図4に示すように、密閉容器において、食品や砂糖、塩などの粉粒状の調味料を収納する合成樹脂製の容器本体10は、筒壁12の下端に底壁13を連設した有底筒形状で、平面視では基端側及び先端側を短辺とする略長方形状となっている。
【0030】
図1図4に示すように、筒壁12の短辺に相当する手前側である基端面には把手14が連設される。基端上端の中央部に挿入凹部15が切り欠かれる。更にこの挿入凹部15に対応する前記した把手14の上端面には軸ピン16が横架一体設されている。
【0031】
この挿入凹部15に対向し、筒壁12の短辺に相当する奥側である先端上端には前記したように切欠き部11が設けられているが、この切欠き部11両端の筒壁12外面には一対のブレイド17が突設され且つこの両ブレイド17間の下端間は切欠き部11の底面部が延出していて庇状となっている(図1図4図7(b)参照)。
【0032】
図1図4に示すように、合成樹脂製の蓋体20は容器本体10の上端に乗載する平板形状で、前記したようにその内面には閉蓋状態で容器本体10内に遊嵌する短筒21が設けられている。
【0033】
図3図7(a)に示すように、蓋体20の先端側には容器本体10の先端よりも突出する形態で組み付け壁22が垂下設され、更にこの組み付け壁22の中央には組み付け凹部23が設けられている。
【0034】
そこで、蓋体20の組み付け凹部23の両端面を容器本体10の一対のブレイド17の外面に夫々面接させて嵌め込み、この組み付け凹部23の端面とブレイド17とを夫々軸連結(図示省略)することにより枢着して、容器本体10と蓋体20とを開閉自在に組み付けるのである(図3(a)、図5(b)参照)。
【0035】
図1図2図4に示すように、弾性材製枠体30はシリコン等の弾力性に富んだ部材で成形され、蓋体20の内面に設けられた短筒21の外周に密に嵌め込まれるリング形状で、弾性材製枠体30の外周には突条33が周設されている。閉蓋状態ではこの突条33の外周面が容器本体10の上部内面に密接して密閉状態を維持するのであるが、開閉時にこの突条33が適度に弾性変形することにより、開閉動作の円滑性を確保し且つ密閉性を達成するのである(図3図5参照)。
【0036】
弾性材製枠体30の先端部には前述したように弾発舌片31が延出一体設される。弾性材製枠体30を蓋体20の短筒21の外周に密に嵌め込み、容器本体10と蓋体20とを枢着組み付けした状態では、弾発舌片31はその先端部が容器本体10の筒壁12の前記した庇状の切欠き部11内に嵌入係止位置し、先端が容器本体10の基端方向に弾性屈曲している(図5(b)、図6(b)参照)。従って、閉蓋状態では、弾発舌片31は図5(b)で明らかなようにU字形状に内方に弾性変形しているのである。
【0037】
そして蓋体20の基端部を押し上げて容器本体10との密着を解くと弾発舌片31は弾性復帰し、開蓋状態となる。この場合、蓋体20が開き過ぎない(適度の開蓋姿勢にする)ために、弾発舌片31の外面にストッパー部32を膨設する。即ち、開蓋状態で蓋体20の先端面がこのストッパー部32に弾接するのである(図6(b)参照)。この弾接を緩やかに且つクッション性をも持たせるため、蓋体20の先端面をテーパー壁24としておくと良いであろう(図5(b)、図7(a)参照)。
【0038】
図1図4図5(a)、図6(a)に示すように、容器本体10の基端上端外面に回動自在に枢着されるレバー40は、前記した容器本体10の軸ピン16の両端に軸支される押下げ部41の先端に段差を介して肉薄な押上げ部42を連設した構造である。
【0039】
押上げ部42は、容器本体10の筒壁12の基端上端中央部に切り欠かれた挿入凹部15内に挿入され、閉蓋状態の蓋体20の基端部内面に面接する(図5(a)参照)。
【0040】
従って、閉蓋状態で押下げ部41を押し下げ回動させれば、押上げ部42は蓋体20の基端部を押し上げ、蓋体20は開蓋状態になる(図2(b)、図4図6(a)参照)。
【0041】
本開示に係る密閉容器の第2実施形態を説明する。
図8図9は第2実施形態に係る密閉容器を説明する斜視図と分解斜視図、図10図11は同密閉容器の閉蓋状態、開蓋状態を中央断面図である。
【0042】
第2実施形態に係る密閉容器は、容器本体100と、この容器本体100の先端に開閉自在に枢着される蓋体120と、この蓋体120の内面に設けられた短筒121と、リング形状の弾性材製枠体130とを有して構成される。
【0043】
容器本体100の上部110及び下部105はシール体108を介して着脱可能に一体に設けられる。シール体108は上部110及び下部105間を密閉する弾性材であれば弾性材製枠体130と同じ又は異なる材質とすることができる。
【0044】
弾性材製枠体130は、容器本体の上部110に密に嵌め込まれ、閉蓋状態で蓋体120の内面に設けられた短筒121の下端が弾性材製枠体130の上面に密に接するようにしたものである。
【0045】
容器本体100の上部110先端上端には切欠き部111が設けられる。弾性材製枠体130の先端部には、前記した切欠き部111内に嵌入係止し、且つ閉蓋状態でU字形状に内方に弾性変形する弾発舌片131が一体設されている。
【0046】
弾発舌片131の外面に、開蓋状態で蓋体120の先端面が弾接するストッパー部132を膨設する(図10図11参照)。
【0047】
容器本体100の上部110の基端上端外面に、先端部が閉蓋状態の蓋体120の基端部内面に係合するレバー140が、揺動可能に設けられている(図10図11参照)。
【0048】
図8に示すように、密閉容器において、食品や砂糖、塩などの粉粒状の調味料を収納する合成樹脂製の容器本体100は、筒壁112の下端に底壁113を連設した有底筒形状で、平面視では基端側及び先端側を短辺とする略長方形状となっている。
【0049】
図8図9に示すように、容器本体100の筒壁112の短辺に相当する手前側である、上部110の基端上端の中央部に挿入凹部115が切り欠かれる。更にこの挿入凹部115にレバー140が配置されている。レバー140は図示しないが薄板を介して上部110に一体形成されている。
【0050】
この挿入凹部115に対向し、筒壁112の短辺に相当する奥側である先端上端には前記したように切欠き部111が設けられている。
【0051】
また、挿入凹部115内の配設されたレバー140は上部110の基端上端に揺動自在に設けられている。蓋体120の基端部には、突起140aのある壁部が垂下して形成され、レバー140に閉蓋状態の蓋体120の突起140aが係止する凹部140bが形成されている(図10図11参照)。
【0052】
閉蓋状態でレバー140を押下すると突起140aと凹部140bの係止が外れて、蓋体120が弾発舌片131の弾発力で開蓋する。逆に開蓋状態で蓋体120を弾発舌片131の弾発力に抗して閉蓋し、突起140aを凹部140bに係止させて確実に閉蓋状態を維持する構造になっている。係止構造は、これに限定されず、突起と凹部を逆にしたり他の構造にしたり種々に変形できる。
【0053】
図8図9に示すように、透明等の合成樹脂製の蓋体120は容器本体100の上部110上端に乗載する容器本体100に対応した平面視形状の平板形状のものである。蓋体120の内面には、閉蓋状態で容器本体100内に遊嵌して弾性材製枠体に当接して密に接する短筒121が設けられている。
そこで、蓋体120の先端側の組み付け部(図示省略)を容器本体100の上部110の切欠き部111内嵌め込み、この組み付け部の端面と切欠き部111の内壁とを適宜の軸連結(図示省略)することにより枢着して、容器本体の上部110と蓋体120とを開閉自在に組み付けるものである。なお、組み付け部に隣接してテーパー壁124が延在している。
【0054】
図8図9に示すように、弾性材製枠体130はシリコン等の弾力性に富んだ部材で成形され、容器本体100の上部110の内周に密に嵌め込まれるリング形状である。詳しくは、図9図10に示すように、上部110内周の全周に横断面L字形状の係止壁110aが内向きに突出して形成されており、係止壁110aが弾性材製枠体130の外周の溝135に嵌り込んで抜け止められている。
【0055】
閉蓋状態では蓋体120の短筒121下端が弾性材製枠体130の上面に密接して、密閉状態を維持するものである。
【0056】
弾性材製枠体130の先端部には前述したように弾発舌片131が延出一体設される。弾性材製枠体130を容器本体100の上部110の内周に密に嵌め込み、容器本体100と蓋体120とを枢着組み付けした状態では、弾発舌片131はその先端部が容器本体100の上部110の切欠き部111内に嵌入係止して位置し、先端が容器本体100の基端方向に弾性屈曲している(図8図10参照)。従って、閉蓋状態では、図10で明らかなように、弾発舌片131はU字形状に内方に弾性変形しているのである。
【0057】
そしてレバー140によって蓋体120の基端部を押し上げて容器本体100の上部110の密着を解くと弾発舌片131は弾性復帰し、図11に示すように開蓋状態となる。この場合、蓋体120が開き過ぎない(適度の開蓋姿勢にする)ために、弾発舌片131の外面にストッパー部132を膨設する。
即ち、開蓋状態で蓋体120の先端面がこのストッパー部132に弾接する(図11参照)。この弾接を緩やかに且つクッション性をも持たせるため、蓋体120の先端面をテーパー壁124としておくと良い。
【0058】
以上の説明では、本開示の1実施形態、第2実施形態に係る密閉容器を説明したが、本開示の範囲内でさまざまに変形実施ができる。即ち、本開示に係る密閉容器は、容器本体が有底の筒状であれば、平面視で略長方形状以外の形状とすることができる。例えば、容器本体は、平面視で略正方形状、略多角形状、略円形状、略楕円形状、異形状としたり、上端と下端が異なる形状としたり、側壁に凹凸を設けたり等さまざまな形状とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本開示の密閉容器は、食品の他さまざまな収納物を収納するために利用することができる。
【符号の説明】
【0060】
10 容器本体
11 切欠き部
12 筒壁
13 底壁
14 把手
15 挿入凹部
16 軸ピン
17 ブレイド
20 蓋体
21 短筒
22 組み付け壁
23 組み付け凹部
24 テーパー壁
30 弾性材製枠体
31 弾発舌片
32 ストッパー部
33 突条
40 レバー
41 押下げ部
42 押上げ部
100 容器本体
105 下部
108 シール体
110 上部
111 切欠き部
112 筒壁
113 底壁
115 挿入凹部
120 蓋体
121 短筒
130 弾性材製枠体
131 弾発舌片
132 ストッパー部
140 レバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12