(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】蒸気式炊飯器
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20230704BHJP
A47J 27/04 20060101ALI20230704BHJP
F24C 1/00 20060101ALN20230704BHJP
【FI】
A47J27/00 103N
A47J27/04 D
F24C1/00 310C
(21)【出願番号】P 2020537200
(86)(22)【出願日】2019-01-17
(86)【国際出願番号】 CN2019072107
(87)【国際公開番号】W WO2019141207
(87)【国際公開日】2019-07-25
【審査請求日】2021-11-12
(31)【優先権主張番号】201820079900.3
(32)【優先日】2018-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201820376177.5
(32)【優先日】2018-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518253727
【氏名又は名称】ジョイオン カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】朱 ▲澤▼春
(72)【発明者】
【氏名】▲馬▼ ▲艶▼▲龍▼
(72)【発明者】
【氏名】邱 雄杰
(72)【発明者】
【氏名】于 凌振
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲龍▼
【審査官】河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】実公第1651(大正13年)(JP,Y1T)
【文献】米国特許出願公開第2017/0367516(US,A1)
【文献】特開2003-144308(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00~27/13、
27/20~29/06、
33/00~36/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器本体と鍋容器とを備える蒸気式炊飯器であって、
前記機器本体に蒸気発生装置が設けられ、前記機器本体の側方向には、前記鍋容器置き用の開放空間が設けられ、前記開放空間の頂部にヘッドが設けられ、
前記鍋容器は、鍋本体と、前記ヘッドと接合する受部が設けられた蓋体とを有し、前記ヘッドには、前記蒸気発生装置と連通する蒸気吐出口が設けられ、前記受部には、前記蒸気吐出口と接合するための蒸気入口が設けられ
て、
前記蒸気入口には、蒸気案内チューブが着脱可能に接続され、前記蒸気案内チューブは前記蒸気入口に配置されて調理するとき、前記蒸気案内チューブは蒸気を鍋本体の液面下方まで案内して、
前記蒸気案内チューブの上半部の領域には、逆流防止孔が設けられていることを特徴とする蒸気式炊飯器。
【請求項2】
前記ヘッドは、前記蒸気吐出口と前記蒸気入口とを接離させるように、上下伸縮自在に設けられている、請求項1に記載の蒸気式炊飯器。
【請求項3】
前記蒸気吐出口と前記蒸気入口の間には、前記蒸気吐出口と前記蒸気入口を接合するときに両者間の隙間を封止する第1の封止構造が設けられている、請求項1に記載の蒸気式炊飯器。
【請求項4】
接合を実現するために、前記蒸気吐出口と前記蒸気入口のいずれか一方が他方に差込可能に設けられ、前記蒸気吐出口と前記蒸気入口を接合したときに、両者間に隙間が存在し、前記第1の封止構造の全部又は一部が前記隙間内に延在して前記隙間を封止する、請求項3に記載の蒸気式炊飯器。
【請求項5】
前記ヘッドには、さらに蒸気吐出用入口が設けられ、前記受部には、さらに蒸気吐出用出口が設けられ、前記ヘッドと前記受部を接合したときに、前記蒸気吐出用入口と前記蒸気吐出用出口が接合して連通されている、請求項1に記載の蒸気式炊飯器。
【請求項6】
前記蒸気吐出用入口と前記蒸気吐出用出口の間には、前記蒸気吐出用入口と前記蒸気吐出用出口を接合したときに両者間の隙間を封止する第2の封止構造が設けられている、請求項5に記載の蒸気式炊飯器。
【請求項7】
前記蒸気案内チューブは、下端に設けられた第1の蒸気吐出口と、側部に設けられた少なくとも1つの第2の蒸気吐出口とを備える、請求項
1に記載の蒸気式炊飯器。
【請求項8】
前記蒸気入口が蓋体の中央位置に設けられている、請求項1に記載の蒸気式炊飯器。
【請求項9】
前記鍋本体は保温性を有する、請求項1に記載の蒸気式炊飯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2018年01月18日に中国特許庁に提出され、出願番号を201820079900.3とし、発明の名称を「蒸気加熱調理器具」とする中国特許出願と、2018年03月20日に中国特許庁に提出され、出願番号を201820376177.5とし、発明の名称を「蒸気調理装置」とする中国特許出願の優先権を主張し、上記2つの特許出願の全ての内容は援用により本明細書に組み込まれる。
本発明は、キッチン用品の技術分野、特に蒸気式炊飯器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、炊飯器の炊飯機能やお粥機能を実現するためには、内釜の外部を加熱し、例えば底部を加熱し(ホットディスク、電磁加熱)又は四周を加熱する(IH電磁加熱)方式を用い、内釜に熱を吸収させて釜内の水やお米に伝導することにより、ご飯を炊き上げることが一般的であった。しかしながら、前記加熱方式による受熱部位が内釜とお米との接触部位に集中するから、釜内の異なる領域でのお米が不均一に加熱され、底部で受けた熱が上部よりも多く、内釜の周辺で受けた熱が中心部よりも多くなり、結局、炊き上がったご飯の食感に影響を与えてしまう。勿論、炊飯器本体内に蒸気を導入する構造が従来からも存在したものの、全体的な構造として、やはり典型的な炊飯器の構造が用いられ、かつ殆どの場合は従来の炊飯器用蓋の上に蒸気入口を設けるだけであって、内釜の取出しや置きが不便であり、蓋を開いてから内釜を取り出すように設計されているから、ユーザの取り扱いが不便である問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、蒸気加熱プラットフォームとして機能する機器本体と調理用の鍋容器とを備えるとともに、両者間の蒸気対流を実現しやすく、かつ密封性に優れ、調理室を全面的かつ立体的に加熱することが可能な蒸気式炊飯器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記目的を実現するために、本発明の技術案は具体的に以下の通りである。すなわち、機器本体と鍋容器とを備える蒸気式炊飯器であって、前記機器本体に蒸気発生装置が設けられ、前記機器本体の側方向には、前記鍋容器置き用の開放空間が設けられ、前記開放空間の頂部にヘッドが設けられ、前記鍋容器は、鍋本体と、前記ヘッドと接合する受部が設けられた蓋体とを有し、前記ヘッドには、前記蒸気発生装置と連通する蒸気吐出口が設けられ、前記受部には、前記蒸気吐出口と接合するための蒸気入口が設けられている蒸気式炊飯器。開放空間によって、鍋容器を便利に取り出したり収納したりすることが可能となる。開放空間の頂部のヘッドと底部との間には、鍋容器の制限空間が形成されて、鍋容器がヘッドと底部との間に緊密に押し付けられることが可能になる。ヘッドの蒸気吐出口から蒸気を鍋本体内に導入し、鍋本体と蓋体とで形成された調理室内に拡散することにより、調理室を全面的かつ立体的に加熱することができ、鍋本体内の熱受けが均一になり、従来技術において底部や周辺のみで鍋本体を加熱することに起因した加熱ムラという欠点を解決することができる。
【0005】
本発明の幾つかの実施例では、前記ヘッドは、前記蒸気吐出口と前記蒸気入口とを接離させるように、上下伸縮自在に設けられている。機器本体は蒸気加熱するためのプラットフォームとして、ヘッドと、蓋体上の受部とを接合させることによって鍋容器との間の蒸気流通を実現することができる。調理が必要になるとき、鍋容器をヘッドの下方に載置すると、ヘッドが作動位置まで伸縮し、蒸気吐出口と蒸気入口の接合が完了し、これで鍋容器内への蒸気供給が行われる。また、調理が終了し、或いは調理が行われない場合に、ヘッドが復帰し、鍋容器をそのまま取り出して好まれた箇所に放置することができる。機器本体から分離した鍋容器は、蓋体が付いているから、保温性に優れ、加熱されないから食べ物の温度が急に下がることはなく、ユーザーエクスペリエンスが向上され得る。
【0006】
本発明の幾つかの実施例では、蒸気吐出口と蒸気入口の間には、前記蒸気吐出口と前記蒸気入口を接合するときに両者間の隙間を封止する第1の封止構造が設けられている。蒸気吐出口と蒸気入口の間に第1の封止構造が設けられていることにより、蒸気吐出口と蒸気入口の接合が完了後に蒸気が漏洩するのを防止し、これで利用上の安全性とエネルギー利用率を両立することができる。
【0007】
本発明の幾つかの実施例では、接合を実現するために、前記蒸気吐出口と前記蒸気入口のいずれか一方が他方に差込可能に設けられ、前記蒸気吐出口と前記蒸気入口を接合したときに、両者間に隙間が存在し、前記第1の封止構造の全部又は一部が前記隙間内に延在して前記隙間を封止する。蒸気吐出口と蒸気入口のいずれか一方が他方に差込可能に設けられることが図れるから、この接合方式では、差込距離を調節でき、これで蒸気吐出口と蒸気入口の接合位置をある程度調整でき、調理装置の適用性と汎用性が増える。また、蒸気吐出口と蒸気入口を接合するときに、両者間に隙間が存在し、第1の封止構造の全部又は一部が前記隙間内に延在して前記隙間を封止するから、当該構成をもつ第1の封止構造により、蒸気吐出口と蒸気入口が異なる接合位置に設けられても良好な封止性が確保され得る。
【0008】
本発明の幾つかの実施例では、前記蒸気入口の端部または前記蒸気吐出口の端部には、前記第1の封止構造が実装された実装部が設けられている。第1の封止構造を蒸気入口の端部または蒸気吐出口の端部に実装されることにより、蒸気入口と蒸気吐出口の接合開始時に封止性を図ることができる。特に、前記幾つかの実施例に言及された蒸気入口と蒸気吐出口との間の接合位置が調節可能となる場合において、当該第1の封止構造の実装位置により、蒸気入口と蒸気吐出口との間の接合位置の調節可能な範囲が拡大される。
【0009】
本発明の幾つかの実施例では、前記ヘッドには、さらに蒸気吐出用入口が設けられ、前記受部には、さらに蒸気吐出用出口が設けられ、前記ヘッドと前記受部を接合したときに、前記蒸気吐出用入口と前記蒸気吐出用出口が接合して連通されている。前記蒸気吐出用入口と前記蒸気吐出用出口の間には、前記蒸気吐出用入口と前記蒸気吐出用出口を接合したときに両者間の隙間を封止する第2の封止構造が設けられている。蒸気吐出用出口から鍋容器内の残余蒸気を放出することにより、鍋本体の圧力が上昇し続けるのを防止し、熱い蒸気を導入し続けることにも寄与する。
【0010】
本発明の幾つかの実施例では、前記蒸気吐出用入口の端部と蒸気吐出用出口の端部のうちの一方に前記第2の封止構造が実装され、他方に拡径部が形成されている。ヘッドの伸縮時に、第2の封止構造を前記拡径部に押し付けることにより、蒸気吐出用入口と蒸気吐出用出口の封止が実現される。第2の封止構造を押し付けることで蒸気吐出用入口と蒸気吐出用出口の封止を実現する構成によれば、蒸気が接合部から外部へ漏出することは避けられる。
【0011】
本発明の幾つかの実施例では、前記蒸気入口には、蒸気案内チューブが着脱可能に接続され、前記蒸気案内チューブは前記蒸気入口に配置されて調理するとき、蒸気案内チューブは蒸気を鍋本体の液面下方まで案内する。蒸気を案内チューブから鍋本体内の液面下方まで案内して加熱を行うことにより、液体に蒸気の熱を十分に吸い込ませ、液体混合物を十分に舞い上げて炊くことができるため、調理時間を短縮でき、加熱効率が向上され得る。
【0012】
本発明の幾つかの実施例では、前記蒸気案内チューブは、下端に設けられた第1の蒸気吐出口と、側部に設けられた少なくとも1つの第2の蒸気吐出口とを備える。蒸気案内チューブには2つの蒸気吐出口が設けられている。蒸気が上方から下方へと吐出されるから、端部に設けられた第1の蒸気吐出口のみから蒸気を吐出することを想定した場合、第1の蒸気吐出口の孔径が大きく設計されたから、蒸気は液面の下方で大きな気泡が生じ、蒸気の熱を液体に吸い込ませた後、気泡が冷却圧縮で破裂し、破裂後、液体内で破裂の音が生じるから、ユーザーエクスペリエンスが低下してしまう。そこで、蒸気案内チューブの側部には第2の蒸気吐出口が設けられ、第2の蒸気吐出口がメイン蒸気吐出口とされている。第2の蒸気吐出口の数が1つ以上設けられているため、相応に第2の蒸気吐出口の各々の孔径が小さくなり、大量の蒸気が第2の蒸気吐出口から吐出され、かつ第2の蒸気吐出口から吐出された蒸気により液体内に小さな気泡が生成されるから、破裂の声が比較的に小さい。
【0013】
本発明の幾つかの実施例では、前記蒸気入口が蓋体の中央位置に設けられている。これにより、蒸気が鍋本体上方の中央位置から導入され、均一に拡散されるから、食物への加熱も更に均一になり、調理効果がより一層向上する。
【0014】
本発明の幾つかの実施例では、前記鍋本体は保温性を有する。鍋本体を保温することにより、加熱維持能力が向上し、熱エネルギーの喪失などが避けられ、省エネが図れる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施例に係る蒸気式炊飯器の外部構成を示す模式図である。
【
図2】本発明の一実施例に係る蒸気式炊飯器の局部断面的構造を示す断面模式図である。
【
図3】本発明の一実施例に係る蒸気式炊飯器のヘッドと蓋体が接合されていない場合の断面的構造を示す図面である。
【
図4】本発明の一実施例に係る蒸気式炊飯器のヘッドと蓋体とを接合した場合の断面的構造を示す図面である。
【
図6】本発明の一実施例に係る蒸気式炊飯器の断面的構造を示す模式図である(2つの断面図が交差してなる回転断面図である)。
【
図7】本発明の一実施例に係る蒸気式炊飯器の鍋容器の立体的構成を示す模式図である。
【
図8】本発明の別の一実施例に係る蒸気式炊飯器の立体図である。
【
図9】本発明の別の一実施例に係る蒸気式炊飯器の断面図である。
【
図10】本発明の一実施例に係る蒸気式炊飯器の鍋本体の立体図である。
【
図11】本発明の一実施例に係る蒸気式炊飯器の鍋本体(蒸気案内チューブが装着された場合)の断面図である。
【
図12】本発明の一実施例に係る蒸気式炊飯器の鍋本体(蒸気案内チューブが装着されていない場合)の断面図である。
【
図13】本発明の一実施例に係る蒸気式炊飯器の蒸気案内チューブの立体図である。
【
図14】本発明の一実施例に係る蒸気式炊飯器の蒸気案内チューブの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施例に係る技術案について、図面を参照しながら明瞭かつ詳細に説明する。以下に記述される実施例は本発明の一部分に過ぎず、すべての実施例ではないことが明白である。なお、本発明の実施例に基づいて、当業者が進歩性に値する労働を付することなく獲得した全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に該当するとされている。
【0017】
本文は、蒸気式炊飯器を例として技術案及び技術的効果について説明する。勿論、本文の技術案は蒸気式炊飯器での適用に限られるものではなく、さらに他の蒸気調理装置(蒸気調理器具とも称される)であってもよいことが当業者に理解されるべきであろう。
【0018】
図1~2を参照して、本発明は、蒸気式炊飯器に関する。一の実施例に係る蒸気式炊飯器は、機器本体100と鍋容器200を備える。中では、機器本体100は蒸気加熱するためのプラットフォームとして機能しており、鍋容器200は、調理すべき食物、例えばお米を盛るものである。機器本体100には蒸気発生装置(図示なし)が設けられ、機器本体100の側方向には、鍋容器200置き用の開放空間10が設けられ、開放空間10の頂部にヘッド1が設けられている。鍋容器200は、鍋本体3と、ヘッド1と接合する受部4が設けられた蓋体2とを有し、ヘッド1には、蒸気発生装置と連通する蒸気吐出口11が設けられ、受部4には、蒸気吐出口11と接合するための蒸気入口41が設けられている。開放空間により、鍋容器200を便利に取り出したり収納したりすることが可能となる。鍋容器200がヘッド1と底部との間に緊密に押し付けられるように、開放空間10の頂部に設けられたヘッド1と底部との間には、鍋容器200の制限空間が形成されている。また、ヘッド1の蒸気吐出口11から蒸気を鍋本体3内に導入し、鍋本体3と蓋体2とで形成された調理室内に拡散することにより、調理室を全面的かつ立体的に加熱することができ、鍋本体3内の受熱が均一になり、底部や周辺のみで鍋本体を加熱することに起因した加熱ムラという従来の問題点を解決することができる。側方向に設置された開放空間10によって、鍋容器200を便利に取り出したり収納したりすることができる一方、開放空間10の頂部に設けられたヘッド1と底部との間には、鍋容器200の制限空間が形成されているから、鍋容器200をヘッド1と底部との間に緊密に押し付けることができる。ここで、開放空間10の外側からヘッド1までの高さが徐々に低くなることが好ましい。この構成によれば、鍋容器200を側方向から入れることが容易になるとともに、鍋容器200がヘッド1の真下に精度よく置かれたかどうかを視認することにも寄与するから、ユーザの取扱性が向上する。
【0019】
上記の記載によれば、蒸気式炊飯器は調理作動時に、蒸気を鍋本体の内部に導入するために、蒸気吐出口11と蒸気入口41が接合可能となるように構成されている。非調理状態に移行すると、鍋容器200の取り出しや収納を実現するために、蒸気吐出口11と蒸気入口41が分離可能となるように構成されている。
【0020】
さらに、ヘッド1は上下伸縮自在に設けられ、鍋容器200に蒸気を供給するように、ヘッド1は鍋容器200に接続されている。
【0021】
ヘッド1は伸縮して蒸気吐出口11と蒸気入口41とを接合させる。調理する必要があるとき、鍋容器200をヘッド1の下方に置くと、ヘッド1が作動位置まで伸縮し(通常はヘッド1が下降し)、蒸気吐出口11と蒸気入口41の接合が完了し、蒸気が鍋容器200内へと供給される。ここで、受部4は蓋体2の中央位置に位置しているから、蒸気入口41も蓋体4の中央位置に位置し、これにより、蒸気が鍋本体3の上方の中央位置から導入され、均一に拡散され、食物への加熱も更に均一になり、調理効果がより一層向上する。
【0022】
図3を参照して、蒸気吐出口11と蒸気入口41との間には第1の封止構造5が設けられており、第1の封止構造5としては、通常の封止構造、例えばシールリングが用いられてもよい。第1の封止構造5は、蒸気吐出口11と蒸気入口41が接合されたときに両者間の隙間を封止し(
図5をご参照)、結果として蒸気吐出口11と蒸気入口41の接合完了後の蒸気漏洩を防止し、利用上の安全性とエネルギー利用率を向上することが可能となる。
【0023】
調理が終了し、或いは調理が行われない場合に、ヘッド1が復帰し(通常はヘッド1が上昇し)、蓋体2から離れるようになり、このとき、ユーザは鍋容器200を直接に取り出して、好まれた箇所に置くことができる。また、機器本体100から分離した鍋容器200は、蓋体2が付いているから、保温性に優れ、加熱されないから食べ物の温度が急に下がることはなく、そのまま食卓上に運ぶことができ、ユーザが行き来したりしてご飯を装う必要はなくなるから、ユーザーエクスペリエンスが向上され得る。
【0024】
ここでは、ヘッド1の伸縮は、電動レバーや、スクリュー駆動構造、歯車ラック駆動構造、油圧シリンダ駆動構造及びシリンダ駆動構造など、変位を実現できる駆動方式によって駆動される。例えば、本実施例の
図2に用いられたスクリュー駆動構造は、モータ、スクリュー及びナットからなる駆動システムによって伸縮を実現する。
【0025】
さらに
図1に示すように、幾つかの実施例において、ヘッド1が、蒸気吐出口11と蒸気入口41の接合後に受部4に押し付けられることで、蓋体2が鍋本体3に押し付けられる。即ち、ヘッド1が作動位置まで伸縮するとき、受部4に下向きの圧力を印加し、この圧力によって蓋体2が鍋本体3まで押し付けられるようになるから、両者間の密着性が確保されるとともに、この圧力によって鍋容器200全体が固定されるようになるから、調理中の鍋容器200の移動は避けられる。また、受部4は蓋体2の中央位置にあるとき、蓋体2から鍋本体3にかけられる付勢力が均一であり、ずらすことはない。
【0026】
図3~4に示すように、幾つかの実施例において、接合を実現するために、蒸気吐出口11と蒸気入口41のいずれか一方が他方に差込可能に設けられている。以下で、蒸気吐出口11が蒸気入口41に差し込まれたことを例として説明する。差込による接合方式を採用する利点は、差込距離が調節可能であるから、蒸気吐出口11と蒸気入口41の接合位置をある程度調整でき、調理装置の適用性と汎用性が増える。
【0027】
そして、
図5を参照して、蒸気吐出口11が蒸気入口41に差し込まれてから、即ち接合したときに、蒸気吐出口11と蒸気入口41の両者間に隙間6が存在し、隙間6は即ち蒸気吐出口11の外面と蒸気入口41の内面との間に存在している領域である。第1の封止構造5の全部又は一部が隙間6内に延在して隙間6を封止するから、蒸気吐出口11と蒸気入口41が異なる位置で接合されても、良好な密封性が得られる。本実施例では、第1の封止構造5の一部が隙間6に延びることが好ましい。ここで、当該延びた部分は、延在部51と言われ、
図5に示すように、延在部51は封止作用を奏するときに押圧されて変形することにより、封止作用を奏する。
【0028】
幾つかの実施例では、蒸気入口41の端部または蒸気吐出口11の端部に実装部43が設けられ、第1の封止構造5は実装部43に実装されている。第1の封止構造5を蒸気入口41の端部または蒸気吐出口11の端部に実装することにより、蒸気入口41と蒸気吐出口11の接合開始時に封止性を図ることができる。
図3及び5を参照して、本実施例では、蒸気入口41の端部に実装部43が設けられていることが好ましく、即ち第1の封止構造5は蒸気入口41の端部に実装され、実装部43は
図5に示される階段構造とされてもよい。ヘッド1は部品が多く、センサーの実装などがあるから、第1の封止構造5を蒸気入口41の端部に実装することにより、ヘッド1での封止構造の実装が低減され、他の重要な部品をヘッド1に実装するための十分な空間が確保される。
【0029】
図3に示すように、本実施例で用いられた第1の封止構造5において、延在部51は、蒸気吐出口11が差し込まれる前に、蒸気入口41内に向かって水平状にはみ出している。
図5に示すように、蒸気吐出口11が差し込まれると、当該延在部51を下方に押圧するから、延在部51が蒸気入口41と蒸気吐出口11との間の隙間6まで押圧されるようになる。蒸気吐出口11を便利に差し込むために、第1の封止構造5は、蒸気吐出口11を差し込みやすい傾斜ガイド面を有する。
【0030】
通常の封止構造を実装するために、嵌合式や締付式などの方式が採用されうる。本実施例における第1の封止構造の実装は、圧接方式を用いることが好ましい。
図3及び5を参照して、さらに、実装部43に実装された圧接構造7を備え、第1の封止構造5は圧接構造7と実装部43の間に配置され、圧接構造7は第1の封止構造5を実装部43に締め付けて固定し、圧接構造7によって第1の封止構造5がより堅牢に実装されるようになる。ここで、圧接構造はスリーブのような構造とされてもよく、実装部43に嵌設させることによって、第1の封止構造5を固定させる一方、圧接構造7それ自体は第1の封止構造5の弾性的な押圧によって脱落が避けられ、この実装方式では、圧接構造7を着脱しやすく、第1の封止構造5全体を取り外してクリーニングすることが容易になる。また、本実施例において第1の封止構造5が蒸気入口41の端部に取り付けられた場合において、蓋体2は未調理時に自由部材となるため、他部品と衝突することが起こり得るが、本実施例における圧接構造7は第1の封止構造5を部分的に遮蔽するように構成されているため、蓋体2が落ちるときに第1の封止構造5が他部品と衝突することを減らすことができる。
【0031】
幾つかの実施例では、
図3及び
図6を参照して、機器本体100には、蒸気回収装置(図示しない)が更に設けられており、ヘッド1には、蒸気回収装置と連通する蒸気吐出用入口12が更に設けられている。これに応じて、受部4にも蒸気吐出用出口42が設けられており、ヘッド1と受部4が接合されたとき、蒸気吐出用入口12と蒸気吐出用出口42が接合連通されている。導入された加熱蒸気及び加熱中に発生した蒸気はそのまま室内に放出されると、木質家具や他の電気機器に一定の影響を与え得るため、蒸気回収構造によってこれらの蒸気を回収して、蒸気が室内の空気中に放出されるのを回避することにより、蒸気による外界への影響が解消され得る。また、蒸気吐出用入口12がヘッド1にも設置され、蒸気吐出用出口42が受部4にも設置され、この構成により、機器本体100の構造の簡素化を図ることが可能となる。
【0032】
蒸気放出時の蒸気漏洩を防止するために、
図3を参照して、蒸気吐出用入口12と蒸気吐出用出口42との間に第2の封止構造8が設けられており、第2の封止構造8は、蒸気吐出用入口12と蒸気吐出用出口42との接合が完了したときに両者間の隙間を封止することにより、蒸気を漏れることなく調理することができる。第2の封止構造8は同様にシールリングを使用できる。
【0033】
幾つかの好適な実施例では、
図3及び
図5を参照して、蒸気吐出用入口12の端部と蒸気吐出用出口42の端部のうちの一方に第2の封止構造8が実装され、他方に拡径部44が形成されている。以下、蒸気吐出用入口12の端部に第2の封止構造8が実装され、蒸気吐出用出口42に拡径部44が形成されていることを例として説明する。第2の封止構造8の実装方式は、図示される第2の封止構造8を部分的に嵌め合わせて実装する方式を用いてもよい。
【0034】
図2及び
図5を参照して、ヘッド1が下向きに伸縮したとき、ヘッド1は第2の封止構造8により拡径部44に締め付けられることにより、蒸気吐出用入口12と蒸気吐出用出口42の封止を実現する。この封止工程は、締め付け工程であるから、当該締付力によってヘッド1は蓋体2を鍋本体3に締め付けることができ、同時に鍋容器200の全体を押し付けて固定することにより、鍋容器200が調理中に移動するのを防止することができる。
【0035】
第2の封止構造8が拡径部44に精度よく押圧されるように、
図5を参照して、第2の封止構造8の下部には、内方に縮んだ傾斜ガイド部81を有し、当該傾斜ガイド部81は、ヘッド1が下降しているうちに、第2の封止構造8を間違いなく拡径部44内に案内させ、これにより、第2の封止構造8がずらして蒸気吐出用出口42の端縁に押圧され潰されるのを避けることができる。
【0036】
さらに、これら幾つかの実施例では、第2の封止構造8は圧力を受けなければならないから、物体を載せるために外部に露出するように設計する必要がある。斯様な第2の封止構造8が蓋体2に取り付けられるとしたら、蓋体は使用中に任意の場所に置かれ、さらに脱落することがあるから、こうした場合に外部に露出するように設計された第2の封止構造8はぶつかって壊れる可能性が高いと想定されるが、第2の封止構造8がヘッド1に取り付けられると、第2の封止構造8が不意にぶつかることは避けられるようになる。
【0037】
幾つかの好適な実施例では、蒸気入口41と蒸気吐出口11の接合は、蒸気吐出用出口42と蒸気吐出用入口12の接合より先行する。蒸気入口41と蒸気吐出口11の接合を優先して行うことにより、加熱用の蒸気が外部に漏れて調理と加熱効率に影響するのを防止することができる。ここで、接合を先行することとは、蒸気入口41と蒸気吐出口11を接合した後、接合が維持された状態での位置を調節可能とすることが求められていることをいう。このような位置調節は、上記の幾つかの実施例に言及された挿接方式、或いは蒸気入口41及び/又は蒸気吐出口11それ自身に弾性又は伸縮可能性を有する場合に体現されている。
【0038】
特に、上記の幾つかの実施例に言及された、蒸気吐出用出口42と蒸気吐出用入口12の間の第2の封止構造8が、両者によって押し付けられることで封止を実現することについて、このような状況下で、蒸気吐出用出口42と蒸気吐出用入口12を接合する位置の調節性が劣化するから、蒸気吐出用出口42と蒸気吐出用入口12の接合が完了したら、ヘッド1の伸縮が終わったことを意味している。ところで、蒸気入口41と蒸気吐出口11を先に接合することにより、前記ヘッド1の伸縮が終わったとしても、蒸気入口41と蒸気吐出口11が必ず接合状態にあることを確保できるため、機器全体の作動時の信頼性が向上する。
【0039】
調理装置において、鍋容器200は食物を盛る容器であるから、常に取り出してクリーニングする必要がある。通常、鍋容器200の横断面が円形とされる場合が多く、鍋容器200をヘッド1の真下に入れると、鍋容器200の具体的な回動位置を視認することが困難であるから、2つの異なる蒸気通路の接続の容易さという問題を考慮しなければならない。こうした状況に鑑みて、
図7を参照して、幾つかの好適な実施例において、蒸気吐出用出口42は蒸気入口41を中心に蒸気入口41を周りに設置され、第2の封止構造8は蒸気吐出口11を中心に蒸気吐出口11を周りに設置されている。このような構成によれば、ヘッド1と受部4の接合は、鍋容器200それ自体の回動に影響されることなく、ユーザーは鍋容器200をヘッド1の真下に放置すれば済むから、取り扱いが便利で、ユーザーエクスペリエンスが向上する。
【0040】
蒸気加熱の効果を向上するために、本明細書では、以下の改良がさらに提案される。
幾つかの実施例では、
図8及び
図9を参照して、蒸気加熱調理器具、例えば蒸気式炊飯器であって、機器本体100、鍋本体3、鍋本体3を覆う蓋体300を備える。
図8~
図14から明らかなように、鍋本体3と蓋体300とで形成された鍋全体も、機器本体100の側方向の開放空間内に配置され、ヘッドは開放空間の頂部に設けられ、また上述した受部も必ず存在する。機器本体100に蒸気発生装置400が設けられ、蓋体300上には、蒸気入口310及び蒸気吐出用出口340が設けられ、蒸気入口310上には、蒸気案内チューブ500が着脱可能に接続され、蒸気発生装置から発生した蒸気が蒸気案内チューブを経由して鍋本体に注がれて調理に使用される。蒸気案内チューブ500により蒸気を鍋本体に案内して調理を行うことによって、蒸気は十分な熱交換を行え、導入された蒸気は十分な熱交換をせずに吐出されて加熱効率が影響されることを回避することが可能となる。好ましくは、蓋体300と鍋本体3とで調理室が構成され、装備された蒸気案内チューブが蓋体の中心エリアに位置している。蒸気入口から注がれた蒸気は蒸気案内チューブから調理室内へ導入され、蒸気案内チューブが蓋体の中心エリアに位置するため、蒸気案内チューブから噴射された蒸気は、下方へ移動して食物と接触してから、周辺へと拡散し、そして上方へと拡散し、最後に蒸気吐出用出口から吐出されることとなるから、蒸気は調理室内で対流が形成され、調理効果が向上し、蒸気だけで食物を直接に加熱し調理を行うことが可能になる。
【0041】
また、蒸気が蒸気吐出用出口へと移動しているうちに、慣性に加えて、また蒸気を噴出した気流の干渉により、一部の蒸気は蒸気吐出用出口を迂回して蒸気入口へと移動し、最後に注入された蒸気とともに熱対流を再び起こすから、加熱効率が向上する。
【0042】
さらに、蒸気加熱調理器具は、少なくとも第1の調理モードと第2の調理モードを備えている。第1の調理モードにおいて、蒸気案内チューブ5が蒸気入口から分離し、蒸気発生装置から発生した蒸気は蒸気入口から鍋本体へ送入されて調理が行われる。第2の調理モードにおいて、蒸気案内チューブ500が蒸気入口310に据付けられ、蒸気発生装置から発生した蒸気は蒸気案内チューブから鍋本体へ送入されて調理が行われる。
【0043】
蒸気入口310には、蒸気案内チューブ500が着脱自在に設けられ、また、蒸気を十分に利用できるように、具体的な調理モードに応じて蒸気案内チューブが実装されるか、取り外されるようになる。蒸気案内チューブを蒸気入口に据付けると、蒸気の出口を鍋本体の下部領域まで延在させることができ、蒸気は鍋本体から下部領域に噴出された後、一部の蒸気は鍋本体内の液体によって吸収される一方、一部の蒸気は鍋本体の上部領域に再びに上昇するから、蒸気に齎される熱エネルギーを十分に利用することができる。また、蒸気案内チューブを蒸気入口から取り外すと、蒸気入口から注入された蒸気が鍋本体へ導入され、蒸気は鍋本体の上部領域から徐々に下部領域へと移動し、上方から下方へゆっくりと拡散することによって、蒸気に齎される熱エネルギーを利用して調理を行う目的を実現することができる。
【0044】
第1の調理モードと第2の調理モードはそれぞれに異なる2つの調理モードである。ここで、第1の調理モードでは、蒸気を利用して熱伝導を行うだけで調理すればよく、具体的には炊飯モードである。一方、第2の調理モードでは、液体混合物を沸騰させて舞い上げ、調理時間を短縮する必要があり、具体的にはお粥モードである。蒸気案内チューブを調理モードに合わせて使用することによって、的確な調理が行え、調理品質が改良され得る。勿論、炊飯モードでは、鍋本体にお米と水の混合物が入れられるから、蒸気案内チューブを据付けて調理を行い、蒸気案内チューブ500により蒸気を鍋本体の液面下方まで導入することもできることが理解されるべきであろう。
【0045】
蒸気案内チューブを蒸気入口に取り付けて調理を行った場合、即ち第2の調理モードでは、蒸気案内チューブ500は蒸気を鍋本体の液面下方まで案内する。第2の調理モードは、固体と液体を混ぜた調理モード、即ち上述したお粥モードに限定され、蒸気案内チューブの蒸気吐出口が液面以下に限定され、これにより、蒸気案内チューブから吐出された蒸気が液面下方から出てから吐出され、加熱した蒸気と液体が十分に接触して熱交換を行うことができるため、液体の加熱効率が向上する。
【0046】
さらに、蒸気案内チューブの蒸気吐出口が液面から1~3cm程度浸入される(
図9のd1をご参照)。蒸気案内チューブの蒸気吐出口が液面から1cm未満であれば、蒸気の注入速度が速すぎると、噴出された蒸気が液面と衝突するから、蒸気吐出口にある液体が周辺から飛散し、蒸気吐出口から吐出された蒸気が液体と十分に接触できなくなり、調理時間が長くなる虞がある。また、蒸気案内チューブの蒸気吐出口が液面から3cm以上になった場合、蒸気は液面下方で大量な泡が形成され、泡が液面下方から液面上方に上昇し弾けるから、鍋本体の液面以上の内壁には大量の調理物が粘着されるようになり、ユーザーエクスペリエンスが低下してしまう。
【0047】
本実施例では、蒸気案内チューブの具体的な着脱可能な構造について更に説明する。
図10、
図11及び
図12を参照して、蒸気入口310から鍋本体3の底部方向に向かって、案内部320が延在して設けられ、蒸気案内チューブの一端が案内部320に取り付けられている。通常、蒸気入口310は、そのまま蓋体300上に開けられた貫通穴であり、貫通穴に蒸気案内チューブを直接に取り付けると、取付作業が不便になるから、蒸気入口に案内部320が延在して設けられるわけである。この案内部は蒸気案内チューブの取付用部材として扱われ、案内部320は直接に蒸気入口と一体的に成型されてもよいし、取付金具によって案内部を蒸気入口に固定させるようにしてもよい。
【0048】
前記蒸気案内チューブは、締付、嵌合又は磁性構造のうちの何れかの方式によって案内部に固定されている。据付けられる蒸気案内チューブの孔径は、案内部の下部の孔径以上に設置されている。
【0049】
締付、嵌合又は磁性構造は、従来の取付用の主な構造であり、前記取付構造によって、蒸気案内チューブを便利に取り外すことができる。締付方式を採用する場合、案内部320は軟質チューブを用いてもよく、押圧によって蒸気案内チューブを案内部に取り付ける。また、嵌合又は磁性構造のいずれかを採用する場合、案内部320は硬質チューブを用いてもよく、嵌合凸部または凹溝を相応に設置することで、取外し作業が便利になる。
【0050】
長時間使用後、蒸気案内チューブと案内部との接続が弛んで蒸気の排出に影響することを防止するために、案内部の端部辺縁を被覆するシールモジュール330をさらに備え、シールモジュールは蒸気を全部蒸気案内チューブ内に導入し、蒸気案内チューブ500はシールモジュール300に嵌設され、蒸気案内チューブの内壁とシールモジュールの最大外壁が密着されている。
【0051】
さらに、
図13、
図14に示すように、蒸気案内チューブ500は、下端に設けられた第1の蒸気吐出口510と、側部に設けられた少なくとも1つの第2の蒸気吐出口520とを備える。蒸気案内チューブ上に、2つの蒸気吐出用出口が設けられている。蒸気が上方から下方へと吐出されるから、端部に設けられた第1の蒸気吐出口のみから蒸気を吐出することを想定した場合、第1の蒸気吐出口の孔径が大きく設計され、蒸気は液面の下方で大きな気泡が生じ、蒸気の熱を液体に吸い込ませた後、大気泡が冷却圧縮で弾けて、液体中に破裂の音がするから、ユーザーエクスペリエンスが低下してしまう。そこで、蒸気案内チューブの側部には第2の蒸気吐出口が開けられ、第2の蒸気吐出口がメイン蒸気吐出口とされている。第2の蒸気吐出口が1つ以上設けられているため、相応に第2の蒸気吐出口の各々の孔径が小さくなり、大量の蒸気が第2の蒸気吐出口から吐出され、かつ第2の蒸気吐出口から吐出された蒸気により液体内に小さな気泡が生成されるから、破裂の声が比較的に小さい。
【0052】
第2の蒸気吐出口520は消音孔であり、消音孔は第1の蒸気吐出口510から離れるとともに、蒸気案内チューブの管壁を囲繞貫通して配置されている。
【0053】
前記第2の蒸気吐出口が第1の蒸気吐出口から離れて設けられ、管壁の周りに第2の蒸気吐出口が配置されているため、大部分の蒸気が管壁の周囲側から吐出されやすく、吐出効率が高く、かつ少量の蒸気が第1の蒸気吐出口から吐出されるようになった。しかも吐出されたとしても、蒸気量が少なくなったため、液体内で形成された気泡が相応に小さくなった。つまり、相応に、本発明における第2の蒸気吐出口520は消音孔である。
【0054】
さらに、蒸気案内チューブの上半部の領域には、逆流防止孔530が設けられ、この逆流防止孔が第2の蒸気吐出口から離れている。調理中に、蒸気が液体中に注入され続けるため、液体内の圧力は蒸気案内チューブの圧力よりも大きくなる。このとき、蒸気供給を切断すると、液面内の圧力が蒸気案内チューブの内圧より大きいから、液体は下方から蒸気案内チューブへと流れ込むようになる。こうした場合に蒸気案内チューブの上部領域に逆流防止孔を設けることにより、内部に流れ込んだ液体が逆流防止孔から外部へと吐出されるため、液体が拘束されることなく蒸気案内チューブから蒸気入口へと流れ込んで蓋体を汚れてしまい、ユーザーエクスペリエンスに影響を与えるのを防止することができる。
【0055】
縦方向において、逆流防止孔530の最下端と第2の蒸気吐出口520の最上端の間の距離d2を10~50mmとする。本実施例では、前記逆流防止孔と第2の蒸気吐出口との間の距離関係が限定される。逆流防止孔の最下端と第2の蒸気吐出口の最上端の間の距離は10mm未満であれば、液体は下方から蒸気案内チューブ内へと流れ込むと同時に緩衝力が生じるため、逆流防止孔から液体を吐出する余裕はなく、結局、液体が蒸気案内チューブから蒸気入口へと流入するため、蓋体を汚れてしまう。また、逆流防止孔の最下端と第2の蒸気吐出口の最上端の間の距離は50mmを超えた場合、両者間の距離が遠すぎるから、蒸気案内チューブ全体の長さを長くして蓋体の高さを高くする必要があるほか、液体が蒸気案内チューブに流入する距離は50mmを超えることもないから、逆流防止孔の構造の有無にかかわらず、逆流防止機能に影響することはない。
【0056】
前記蒸気案内チューブは硬質プラスチックにより作製されている。硬質プラスチックを採用する場合、蒸気の流れを案内することが便利になるほか、蒸気案内チューブが液体に差し込まれて硬い物体と接触したら折り曲げられ、蒸気の吐出を妨げるのを防止することができる。また、蒸気案内チューブから形成される蒸気通路は、上方から下方まで一貫した横断面孔径を有するから、蒸気の流動速度が比較的に安定である。
【0057】
前記鍋本体は保温性を有する。保温性鍋本体を使用することによって、蒸気加熱でも他の加熱方式でも、鍋本体の加熱維持性能が向上し、熱エネルギーの喪失がなく、省エネが図れる。
【0058】
ここで、前記各実施例に係る蒸気式炊飯器は、炊飯用であることが好ましい。
【0059】
前記各実施例の間の構成要件は、互いに矛盾や衝突が生じない場合に、互いに組み合わせることで他の実施例とすることができる。得られる新たな実施例も、本発明の創造精神から逸脱するものではなく、本発明の技術的範囲にも該当するものと考えられる。
【符号の説明】
【0060】
100 機器本体;10 開放空間; 200 鍋容器;1 ヘッド;11 蒸気吐出口;12 蒸気吐出用入口;2、300 蓋体;320 案内部;330 シールモジュール;3 鍋本体;4 受部;41、310 蒸気入口;42、340 蒸気吐出用出口;43 実装部;44 拡径部;5 第1の封止構造;51 延在部;6 隙間;7 圧接構造;8 第2の封止構造;81 傾斜ガイド部;400 蒸気発生装置;500 蒸気案内チューブ;510 第1の蒸気吐出口;520 第2の蒸気吐出口;530 逆流防止孔。