(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】環境への影響が少ない汚染流体の処理のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
B01D 36/02 20060101AFI20230704BHJP
C02F 11/04 20060101ALI20230704BHJP
C02F 11/12 20190101ALI20230704BHJP
C02F 3/06 20230101ALI20230704BHJP
C02F 3/34 20230101ALI20230704BHJP
B01D 39/20 20060101ALI20230704BHJP
B01D 33/06 20060101ALI20230704BHJP
B01D 29/25 20060101ALI20230704BHJP
B01D 29/37 20060101ALI20230704BHJP
B01D 35/22 20060101ALI20230704BHJP
B01D 29/66 20060101ALI20230704BHJP
B01D 61/02 20060101ALI20230704BHJP
B01D 69/00 20060101ALI20230704BHJP
B01D 71/02 20060101ALI20230704BHJP
C02F 1/44 20230101ALI20230704BHJP
B01D 61/08 20060101ALI20230704BHJP
C02F 1/72 20230101ALI20230704BHJP
C02F 1/32 20230101ALI20230704BHJP
C02F 9/00 20230101ALI20230704BHJP
【FI】
B01D36/02
C02F11/04 A
C02F11/12
C02F3/06
C02F3/34 101A
C02F3/34 101B
B01D39/20 D
B01D33/06
B01D37/08
B01D29/38 520Z
B01D61/02 500
B01D69/00
B01D71/02
C02F1/44 K
B01D61/08
C02F3/34 101D
C02F1/72 101
C02F1/32
C02F9/00
(21)【出願番号】P 2020543864
(86)(22)【出願日】2019-02-23
(86)【国際出願番号】 IB2019051473
(87)【国際公開番号】W WO2019162905
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2022-02-01
(32)【優先日】2018-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】317006661
【氏名又は名称】1934612 オンタリオ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パウエル、アンソニー エル.
(72)【発明者】
【氏名】バターズ、ブライアン イー.
【審査官】谷本 怜美
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-529989(JP,A)
【文献】特開2003-260482(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0224717(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 24/00-37/04
B01D 39/00-41/04
C02F 1/32
C02F 1/44
C02F 1/72
C02F 3/06
C02F 3/34
C02F 9/00-9/14
C02F 11/04
C02F 11/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚染物質を含む吸入流体を処理するためのシステムであって、
(a)前記吸入流体を受け取り、前記吸入流体を第1の保持液と濾された濾過液とに分離するように構成されたストレーナと、
(b)濾された流体コネクタを介して前記ストレーナに接続された濾過ユニットであって、前記濾された流体コネクタが、前記濾された濾過液
を前記ストレーナから前記濾過ユニットへ
移送するように構成され、前記濾過ユニットは、前記濾された濾過液を第2の保持液と濾過ユニット濾過液とに分離するように構成される、濾過ユニットと、
(c)濾過液コネクタを介して前記濾過ユニットに接続された固定膜生物学的フィルタであって、前記濾過液コネクタは、前記濾過ユニットから前記固定膜生物学的フィルタ
へ前記濾過ユニット濾過液
を移送するように構成され、前記濾過ユニット濾過液および汚染物質濃縮モジュール透過液のうちの少なくとも1つの生物学的酸素要求量を減少させて、透過液を形成するように構成される固定膜生物学的フィルタと、
(d)第1の保持液コネクタと第2の保持液コネクタに接続される汚染物質濃縮モジュール(CCM)であって、前記第1の保持液コネクタは、前記ストレーナから前記CCM
へ前記第1の保持液
を移送するように構成され、前記第2の保持液コネクタは、前記濾過ユニットから前記CCM
へ前記第2の保持液
を移送するように構成され、前記第1の保持液および前記第2の保持液の各々を、第3の保持液および前記汚染物質濃縮モジュール透過液に分離するように構成される、CCMと
を備える、システム。
【請求項2】
前記システムが、嫌気性消化装置、光触媒反応器、逆浸透フィルタモジュール、および脱窒バイオリアクタのうちの少なくとも1つをさらに備え、
前記嫌気性消化装置、前記光触媒反応器、前記逆浸透フィルタモジュール、および前記脱窒バイオリアクタのうちの少なくとも1つが、前記固定膜生物学的フィルタ、前記嫌気性消化装置、前記光触媒反応器、前記逆浸透フィルタモジュール、および前記脱窒バイオリアクタのうちの少なくとも1つに1または複数の結合デバイスを介して流体接続されており、
(i)前記嫌気性消化装置は、前記第1の保持液、前記第2の保持液、および前記第3の保持液のうちの少なくとも1つを消化させて、消化液およびガスを生成するように構成され、
(ii)前記光触媒反応器は、透過液、逆浸透透過液、および還元硝酸透過液のうちの少なくとも1つを光触媒反応に供して、光触媒透過液を生成するように構成され、
(iii)前記逆浸透フィルタモジュールは、前記透過液、前記光触媒透過液、および前記還元硝酸透過液のうちの少なくとも1つを逆浸透濾過して、前記逆浸透透過液を生成するように構成され、
(iv)前記脱窒バイオリアクタは、前記透過液、前記光触媒透過液、および前記逆浸透透過液のうちの少なくとも1つを脱窒反応に供して、前記還元硝酸透過液を生成するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ストレーナが回転ドラム式ストレーナを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記濾過ユニットが、
前記濾された流体コネクタを介して前記ストレーナに接続され、前記濾された濾過液を受け取って、曝気流体を生成するように構成された曝気ユニットと、
前記曝気ユニットの下流に配置され、添加剤を計量して前記曝気流体に入れるように構成された化学物質流入口と、
前記化学物質流入口の下流に配置され、保持流体を生成する保持時間の間、前記添加剤を含む前記曝気流体を受け取って、保持するように構成された反応タンクと、
前記保持流体を受け取り、濾過して、前記濾過ユニット濾過液を生成するように構成されたセラミック膜と
を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記濾過ユニットが、可溶化汚染物質の約75%より多くを前記濾された濾過液から除去するように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記固定膜生物学的フィルタによって形成された前記透過液が、約30ppm未満の生物学的酸素要求量および約200ppm未満の化学的酸素要求量のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記固定膜生物学的フィルタが、生物学的に活性化された炭フィルタを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記CCMが、ハウジングタンク、多孔質膜、および動的衝撃発生器を備え、前記多孔質膜は、チロース結合剤を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記嫌気性消化装置が、嫌気性消化タンク、ミキサー、および微生物を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項10】
前記光触媒反応器が、光触媒反応タンク、UV光源、光触媒反応膜、二酸化チタン、および二酸化チタン供給タンクを備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項11】
前記逆浸透フィルタモジュールが、逆浸透フィルタハウジング、高圧ポンプ、および半透膜を備え、
前記半透膜が、0.1nm~5nmのフィルタ孔径を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項12】
前記脱窒バイオリアクタが、脱窒ハウジング、脱窒バイオリアクタ膜、および木材チップを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項13】
汚染物質を含む吸入流体を処理するための方法であって、
(a)ストレーナにより前記吸入流体を濾して、第1の保持液および濾された濾過液を形成する段階と、
(b)前記濾された濾過液を濾過ユニットで濾過して、第2の保持液および濾過ユニット濾過液を形成する段階と、
(c)前記第1の保持液および前記第2の保持液のうちの少なくとも1つを第3の保持液および汚染物質濃縮モジュール透過液に分離する段階と、
(d)前記濾過ユニット濾過液および前記汚染物質濃縮モジュール透過液のうちの少なくとも1つを固定膜生物学的フィルタで濾過して、透過液を形成する段階と
を含む、方法。
【請求項14】
(i)第1の保持液、第2の保持液、および第3の保持液のうちの少なくとも1つを嫌気的に消化させて、消化液およびガスを生成する段階と、
(ii)前記透過液、逆浸透透過液、および還元硝酸透過液のうちの少なくとも1つを光触媒反応に供して、光触媒透過液を生成する段階と、
(iii)前記透過液、前記光触媒透過液、および前記還元硝酸透過液のうちの少なくとも1つを逆浸透濾過して、前記逆浸透透過液を生成する段階と、
(iv)前記透過液、前記光触媒透過液、および前記逆浸透透過液のうちの少なくとも1つを脱窒反応に供して、前記還元硝酸透過液を生成する段階と、
(v)脱窒バイオリアクタを使用して、還元硝酸透過液を生成する段階と
のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
濾過ユニットを用いて前記濾された濾過液を濾過する段階は、
曝気流体を生成するために曝気ユニットを介して前記濾された濾過液を曝気する段階と;
化学物質流入口から添加剤を計量して、前記曝気流体に入れる段階と;
前記添加剤を含む前記曝気流体を反応タンク内に保持して、保持流体を生成する段階と;
前記保持流体をセラミック膜で濾過して、前記濾過ユニット濾過液を形成する段階と、をさらに含む、
請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記濾された濾過液を前記濾過ユニットで濾過する段階が、可溶化汚染物質の約75%より多くを前記濾された濾過液から除去する段階をさらに含む、請求項13から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記濾過ユニット濾過液および前記汚染物質濃縮モジュール透過液のうちの少なくとも1つを前記固定膜生物学的フィルタで濾過する前記段階は、
前記濾過ユニット濾過液および前記汚染物質濃縮モジュール透過液のうちの少なくとも1つを生物学的濾過タンクで受け取る段階と、
前記濾過ユニット濾過液および前記汚染物質濃縮モジュール透過液のうちの少なくとも1つを前記生物学的濾過タンク内の充填材料と接触させる段階と、
前記濾過ユニット濾過液および前記汚染物質濃縮モジュール透過液のうちの少なくとも1つを、生物学的濾過膜を介して濾過して、前記透過液を生成する段階と
をさらに含む、請求項13から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記透過液が、約30ppm未満の生物学的酸素要求量および約200ppm未満の化学的酸素要求量を有する、請求項13から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の保持液および前記第2の保持液のうちの少なくとも1つを分離する前記段階が、
汚染物質濃縮モジュールハウジング内で前記第1の保持液および前記第2の保持液のうちの少なくとも1つを受け取る段階と、
前記汚染物質濃縮モジュールハウジング内に含まれる多孔質膜を使用して、前記第1の保持液および前記第2の保持液の各々を前記第3の保持液と前記汚染物質濃縮モジュール透過液に分離する段階と
をさらに含む、請求項13から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
嫌気的に消化させる前記段階が、
前記第1の保持液、前記第2の保持液、および前記第3の保持液のうちの少なくとも1つを嫌気性消化タンクで受け取る段階と、
前記第1の保持液、前記第2の保持液、および前記第3の保持液のうちの少なくとも1つを前記嫌気性消化タンク内の微生物と組み合わせて、微生物/保持液混合物を形成する段階と、
前記微生物/保持液混合物を微生物により消化させて、前記消化液および前記ガスを生成する段階と
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、いくつかの実施形態では、環境への低減された影響を有する方法で、汚染流体から汚染物質およびガス状排出物を除去することができる流体処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
既存の浄水システムでは、清浄水が生成されるが、有毒な廃棄物副産物により環境を汚染するという犠牲を払って生成される。例えば、化学的処理(例えば、抗生物質など)に依存して生物学的汚染物質を水から除去するシステムは、化学的処理された水がそのシステムから離れると、最終的に天然バイオームがこれらの化学物質に曝露される。残留化学物質(例えば、抗生物質)が水生生態系に漏出して、天然のバイオームを破壊し、全体として生態系の破壊につながる。
【0003】
別の例として、いくつかのシステムでは、浄化される水からスラッジおよび塩などの汚染物質を物理的に分離する濾過方法を用いている。残念ながら、分離された汚染物質は、凝集するため、非常に有毒である高濃度の大きい汚染源を形成する。この有毒廃棄物は、ヒトおよび動物の生命に及ぼす重大な損傷を回避するために慎重に処分する必要がある。これらの有毒廃棄物を、危険性が低く、有用な副産物(例えば、肥料)に変換する新規システムが必要である。
【0004】
さらに、多くの既存の浄化システムは、アンモニアなどの温室効果ガスを生成して、環境に放出する。オゾン層へのさらなる損傷を回避するために、浄化プロセス全体で生成されたガスを含み、それらのガスを無害または有用な材料に変換する新規システムを開発する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
したがって、流体浄化を改善する必要性が生じている。例えば、流体浄化システム、および環境への影響が低減された方法を必要とする。
【0006】
汚染物質を含む吸入流体を処理するための開示されたシステムは、吸入流体を受け取り、吸入流体を第1の保持液と濾された濾過液とに分離するように構成されたストレーナを備える。いくつかの実施形態では、開示されたシステムは、濾された流体コネクタを介してストレーナに接続された濾過ユニットを備えてもよく、濾された流体コネクタは、ストレーナから濾過ユニットへの濾された濾過液の移送を容易にするように構成されてもよい。濾過ユニットは、濾された濾過液を第2の保持液と濾過ユニット濾過液とに分離するように構成されてもよい。開示された固定膜生物学的フィルタは、濾過液コネクタを介して濾過ユニットに接続されてもよい。濾過液コネクタは、濾過ユニットから固定膜生物学的フィルタへの濾過ユニット濾過液の移送を容易にするように構成されてもよい。固定膜生物学的フィルタは、濾過ユニット濾過液および汚染物質濃縮モジュール透過液のうちの少なくとも1つの生物学的酸素要求量を減少させて透過液を形成するように構成されてもよい。開示された汚染物質濃縮モジュール(CCM)は、第1の保持液コネクタおよび第2の保持液コネクタに接続されてもよい。第1の保持液コネクタは、ストレーナからCCMへの第1の保持液の移送を容易にするように構成されてもよく、第2の保持液コネクタは、濾過ユニットからCCMへの第2の保持液の移送を容易にするように構成されてもよい。CCMは、第1の保持液および第2の保持液の各々を第3の保持液および汚染物質濃縮モジュール透過液に分離するように構成されてもよい。
【0007】
いくつかの実施形態によれば、システムは、嫌気性消化装置、光触媒反応器、逆浸透フィルタモジュール、および脱窒バイオリアクタのうちの少なくとも1つを備えてもよく、これらの構成要素の各々は、1または複数の結合デバイスを介して接続される。
【0008】
嫌気性消化装置は、第1の保持液、第2の保持液、および第3の保持液のうちの少なくとも1つを消化させて、消化液およびガスを生成するように構成されてもよい。光触媒反応器は、透過液、逆浸透透過液、および還元硝酸透過液のうちの少なくとも1つを光触媒反応に供して、光触媒透過液を生成するように構成されてもよい。逆浸透フィルタモジュールは、透過液、光触媒透過液、および還元硝酸透過液のうちの少なくとも1つを逆浸透濾過して、逆浸透透過液を生成するように構成されてもよい。脱窒バイオリアクタは、透過液、光触媒透過液、および逆浸透透過液のうちの少なくとも1つを脱窒反応に供して、還元硝酸透過液を生成するように構成されてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、ストレーナは、回転ドラム式ストレーナを含み得る。開示された濾過ユニットは、濾された流体コネクタを介してストレーナに接続された曝気ユニットを備えてもよく、濾された濾過液を受け取って、曝気流体を生成するように構成されてもよい。濾過ユニットは、曝気ユニットの下流に配置された化学物質流入口を備えてもよい。化学物質流入口は、添加剤を計量して曝気流体に入れるように構成されてもよい。開示された濾過ユニットは、化学物質流入口の下流に配置された反応タンクを備えてもよい。反応タンクは、保持流体を生成する保持時間の間、添加剤を含む曝気流体を受け取って保持するように構成されてもよい。セラミック膜は、保持流体を受け取って、濾過して、濾過ユニット濾過液を生成するように構成されてもよい。濾過ユニットは、可溶化汚染物質の約75%より多くを濾された濾過液から除去するように構成されてもよい。固定膜生物学的フィルタによって形成された透過液は、約30ppm未満の生物学的酸素要求量および約200ppm未満の化学的酸素要求量のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0010】
固定膜生物学的フィルタは、生物学的に活性化されたカーボンフィルタを含み得る。本開示の濾過ユニットは、可溶化汚染物質の約75%より多くを濾された濾過液から除去するように構成されてもよい。CCMは、ハウジングタンク、多孔質膜、および動的衝撃発生器を備えてもよい。多孔質膜は、チロース結合剤を含んでもよい。開示された嫌気性消化装置は、嫌気性消化タンク、ミキサー、および微生物を含み得る。光触媒反応器は、光触媒反応タンク、UV光源、光触媒反応器用膜、二酸化チタン、および二酸化チタン供給タンクを備えてもよい。逆浸透フィルタモジュールは、逆浸透フィルタハウジング、高圧ポンプ、および半透膜を備えてもよい。半透膜は、0.1nm~5nmのフィルタ孔径を含み得る。脱窒バイオリアクタは、脱窒ハウジング、脱窒バイオリアクタ膜、および木材チップを含み得る。
【0011】
汚染物質を含む吸入流体を処理するための方法であって、この方法は、吸入流体をストレーナで濾して第1の保持液および濾された濾過液を形成する段階、濾過ユニットにより濾された濾過液を濾過して第2の保持液および濾過ユニット濾過液を形成する段階、および第1の保持液および第2の保持液のうちの少なくとも1つを、第3の保持液および汚染物質濃縮モジュール透過液に分離させる段階を含む。いくつかの実施形態では、方法は、濾過ユニット濾過液および汚染物質濃縮モジュール透過液のうちの少なくとも1つを固定膜生物学的フィルタで濾過して透過液を形成する段階を含み得る。
【0012】
方法は、第1の保持液、第2の保持液、および第3の保持液のうちの少なくとも1つを嫌気的に消化させて、消化液およびガスを生成する段階を含み得る。開示された方法は、透過液、逆浸透透過液、および還元硝酸透過液のうちの少なくとも1つを光触媒反応に供して、光触媒透過液を生成する段階を含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、透過液、光触媒透過液、および還元硝酸透過液のうちの少なくとも1つを逆浸透濾過して、逆浸透透過液を生成する段階を含み得る。方法は、透過液、光触媒透過液、および逆浸透透過液のうちの少なくとも1つを脱窒反応に供して、還元硝酸透過液を生成する段階を含み得る。開示された方法は、脱窒バイオリアクタを用いて還元硝酸透過液を生成する段階を含み得る。
【0013】
濾過ユニットにより濾された濾過液を濾過する段階は、曝気ユニットを介して濾された濾過液を曝気して曝気流体を生成する段階、化学物質流入口から添加剤を計量して曝気流体に入れる段階、反応タンクに添加剤を含む曝気流体を保持して、保持流体を生成する段階、およびセラミック膜を介して保持流体を濾過して、濾過ユニット濾過液を形成する段階を含むことができる。濾過ユニットを用いて濾された濾過液を濾過する段階は、可溶化汚染物質の約75%より多くを濾された濾過液から除去する段階を含み得る。透過液は、約30ppm未満の生物学的酸素要求量および約200ppm未満の化学的酸素要求量を有し得る。いくつかの実施形態によれば、濾過ユニット濾過液および汚染物質濃縮モジュール透過液のうちの少なくとも1つを固定膜生物学的フィルタで濾過する段階は、生物学的濾過タンクにおいて濾過ユニット濾過液および汚染物質濃縮モジュール透過液のうちの少なくとも1つを受け取る段階を含み得る。濾過する段階は、濾過ユニット濾過液および汚染物質濃縮モジュール透過液のうちの少なくとも1つを生物学的濾過タンク内の充填材料と接触させる段階、ならびに濾過ユニット濾過液および汚染物質濃縮モジュール透過液のうちの少なくとも1つを生物学的濾過膜を介して濾過して透過液を生成する段階を含み得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1の保持液および第2の保持液のうちの少なくとも1つを分離する段階は、第1の保持液および第2の保持液のうちの少なくとも1つを汚染物質濃縮モジュールハウジングで受け取って、汚染物質濃縮モジュールハウジング内に含まれる多孔質膜を使用して、第1の保持液および第2の保持液のうちの少なくとも1つを第3の保持液および汚染物質濃縮モジュール透過液に分離する段階を含み得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、嫌気性消化する段階は、嫌気性消化タンク内で第1の保持液、第2の保持液、および第3の保持液のうちの少なくとも1つを受け取ること、第1の保持液、第2の保持液、および第3の保持液のうちの少なくとも1つを嫌気性消化タンク内の微生物と組み合わせて、微生物/保持液混合物を形成する段階、および微生物/保持液混合物を微生物消化させて、消化液およびガスを生成する段階を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本開示のいくつかの実施形態は、本開示および添付の図面を部分的に参照することによって理解され得る。
【0017】
【
図1】本開示の特定の例示的な実施形態による、吸入流体から汚染物質を除去するための汚染除去システムの概略図を示す図である。
【0018】
【
図2】本開示の特定の例示的な実施形態による、吸入流体から汚染物質を除去するための汚染除去システムの概略図を示す図である。
【0019】
【
図3】本開示の特定の例示的な実施形態による、吸入流体から汚染物質を除去するための方法の流れ図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示は、既存のシステムおよび方法と比較して、環境への影響(例えば、少ないカーボンフットプリント)を減少させる方法で、汚染流体から病原体、化学物質、ガス、生物製剤、および固体物質などの汚染物質を除去するためのシステムおよび方法に関する。既存の方法では、有害な廃棄物および温室効果ガスが生成され、環境を脅かしながら、廃棄物を封じ込め、廃棄するコストが増大する。対照的に、開示された方法は、有毒廃棄物および温室効果ガスを無害な副産物(例えば、肥料、無害なガス)に変えながら、汚染物質を含む吸入流体を有利に処理することができる。開示されたシステムおよび方法で分離された固体は、メタン燃料の生成および捕獲に使用でき、硝酸塩は保存されている無害な窒素ガスに変換され、酸素要求物質が排除されることにより、生化学的および化学的酸素要求値が両方とも減少し得る。
【0021】
図1は、本開示の特定の例示的な実施形態による、汚染流体から1または複数の汚染物質(例えば、細菌)を除去するように構成された流体浄化システム100を示す。開示されたシステム100は、吸入流体タンク105、ストレーナ110、汚染物質濃縮モジュール(すなわち、CCM)115、濾過ユニット120、固定膜生物学的フィルタ125、透過流タンク130、およびシステム構成要素を流体接続し、流体および固体の輸送用の経路を提供するように構成されている一連のコネクタ106、111、112、122、121、116、126を備える。
【0022】
流体浄化システム100は、汚染流体の初期貯蔵ユニットとして機能する吸入流体タンク105を備えてもよい。吸入流体タンク105は、ストレーナ110から上流にあり、吸入流体コネクタ106を介してストレーナ110に流体接続されてもよい。流体コネクタ106は、吸入流体タンク105から濾過ユニット120への汚染流体の移送を容易にするように構成されてもよい。ストレーナ110は、例えばスクリーン(例えば、回転スクリーン)を使用して、汚染流体を第1の保持液とストレーナ濾過液とに分離するように構成されてもよい。濾された流体コネクタ111は、ストレーナ110と濾過ユニット120とを流体接続するように構成されてもよく、それにより、濾過ユニット120へのストレーナ濾過液の移送が容易になる。第1の保持液コネクタ112は、ストレーナ110と汚染物質濃縮モジュール(CCM)115とを流体接続するように構成されてもよく、それにより、第1の保持液のCCM115への移送が容易になる。CCM115は、固形廃棄物(例えば、第1の保持液、第2の保持液)を濃縮するように構成されてもよい。
【0023】
濾過ユニット120は、濾された流体コネクタ111からストレーナ濾過液を受け取るように構成された流入口、濾過媒体および1または複数の流出口を備えてもよい。ストレーナ110は、汚染流体からバルク成分を分離するように構成されてもよいが、濾過ユニット120は、ストレーナ濾過液からより細かい粒子状物質を分離して、濾過液および第2の保持液を生成するように構成されてもよい濾過媒体を含む。
【0024】
第2の保持液コネクタ122は、濾過ユニット120とCCM115とを流体接続するように構成されてもよく、それにより、第2の保持液のCCM115への流体移送が容易になる。濾過液コネクタ121は、濾過ユニット120と固定膜生物学的フィルタ125とを流体接続するように構成されてもよく、それによって、濾過ユニット120から固定膜生物学的フィルタ125への濾過液の移送が容易になる。
【0025】
固定膜生物学的フィルタ125は、濾過液コネクタ121から濾過液を受け取り、微視的生物学的汚染物質(例えば、細菌、ウイルス、真菌胞子、バクテリオファージ、寄生虫)を除去して透過液を生成するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、透過液は、流体の生化学的酸素要求量(BOD)として測定することができる生物学的汚染物質を実質的に含まない可能性がある。固定膜生物学的フィルタ125は、濾過タンク、充填材料、固定膜生物学的濾過膜、および1または複数のフィルタ出口を備えてもよい。さらに、固定膜生物学的フィルタ125は、アンモニアガスを硝酸イオンに変換し得る。これらの硝酸イオンは、その後、他のシステム構成要素で無害な窒素ガスに変換される。対照的に、既存の流体浄化システムでは、一般にアンモニアガスを温室効果ガスとして大気中に放出する。
【0026】
図1に示されるように、透過液コネクタ126は、固定膜生物学的フィルタ125を透過液タンク130に流体接続するように構成されてもよい。透過液コネクタ126は、固定膜生物学的フィルタ125から透過液タンク130への透過液の移送が容易になるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、透過液タンク130としては、天然の容器(例えば、池、小川、湖)または製造された容器(例えば、移動式貯蔵タンク、固定タンク)を挙げることができる。
【0027】
上記のとおり、CCM115は、ストレーナ110または濾過ユニット120から受け取った固体または半固体の廃棄物(例えば、第1の保持液、第2の保持液)を処理するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、CCM115は、固体または半固体の廃棄物(例えば、第1の保持液、第2の保持液)を第3の保持液(例えば、濃厚な湿ったスラッジ)およびCCM透過液に分離するように構成されてもよい。
【0028】
図1に示されるように、CCM濾過液コネクタ126は、CCM115を固定膜生物学的フィルタ125に流体接続するように構成されてもよい。CCM濾過液コネクタ126は、CCM115から固定膜生物学的フィルタ125へのCCM濾過液の移送が容易になるように構成されてもよい。
【0029】
図2は、本開示の特定の例示的な実施形態による、汚染流体から1または複数の汚染物質(例えば、金属)を除去するように構成された流体浄化システム200を示す。開示されたシステム200は、吸入流体タンク105、ストレーナ110、汚染物質濃縮モジュール(すなわち、CCM)115、濾過ユニット120、固定膜生物学的フィルタ125、透過流タンク130、およびシステム構成要素に流体接続し、上述のとおり流体および固体を輸送するための経路を提供するように構成される一連のコネクタ106、111、112、122、121、116、126を備える。しかし、システム200は、嫌気性消化装置255、ガス収集ユニット260、光触媒反応器235、逆浸透フィルタモジュール245、脱窒バイオリアクタ250のうちの1または複数、および追加の一連のコネクタ217、218、227、228、229、230、231、232、233、234、236のうちの1または複数をさらに備えてもよい。開示されたシステムは、任意の数の嫌気性消化装置255、ガス収集ユニット260、光触媒反応器235、逆浸透フィルタモジュール245、脱窒バイオリアクタ250、および任意の接続順序を備え得る。さらに、透過液タンク130は、流体が透過液タンク130から1または複数のシステム構成要素に移送され得るように、任意のシステム構成要素への追加のコネクタを備えることができる。例えば、透過液は、透過液タンク130から、固定膜生物学的フィルタ125、光触媒反応器235、逆浸透フィルタモジュール245、および脱窒バイオリアクタ250のうちの1または複数に移送され得る。いくつかの実施形態では、固定膜生物学的フィルタ125、嫌気性消化装置255、光触媒反応器235、逆浸透フィルタモジュール245、および脱窒バイオリアクタ250のうちの少なくとも1つは、1または複数の結合デバイスを介して、固定膜生物学的フィルタ125、嫌気性消化装置255、光触媒反応器235、逆浸透フィルタモジュール245、および脱窒バイオリアクタ250のうちの少なくとも1つに流体接続されてもよい。結合デバイスは、コネクタ、導管、パイプ、およびバルブのうちの1または複数を備え得る。
【0030】
図1を参照して上記で論じたとおり、CCM115は、固体または半固体の廃棄物(例えば、第1の保持液、第2の保持液)を第3の保持液(例えば、濃厚な湿ったスラッジ)およびCCM透過液に分離するように構成されてもよい。
図2に示されるように、第3の保持液コネクタ217は、CCM115を嫌気性消化装置255に流体接続するように構成されてもよい。第3の保持液コネクタ217はさらに、生分解のために第3の保持液の嫌気性消化装置255への移送が容易になるように構成されてもよい。
【0031】
嫌気性消化装置255は、嫌気性消化タンクと、第3の保持液の少なくとも一部分を生分解することができる1または複数の微生物を含んでもよい。生分解プロセス中に、第3の保持液は、無害な固体(例えば、窒素および/またはリンに富む肥料)および1または複数のガス(例えば、メタン)に変換され得る。いくつかの実施形態では、嫌気性消化装置255は、ガスユニットコネクタ218を介してガス収集ユニット260に流体接続されてもよい。ガスユニットコネクタ218は、嫌気性消化装置255からガス収集ユニット260への1または複数のガスの移送が容易になるように構成されてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態によれば、
図2に示されるように、いくつかのシステムは、透過液タンク130内に堆積される前に透過液をさらに精製するように構成された構成要素を備えてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、固定膜生物学的フィルタ125によって生成される透過液は、微量の1または複数の塩、化学物質、生物学的有機体(例えば、細菌、真菌胞子)、ウイルス、またはそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、システム200は、固定膜生物学的フィルタ125から下流に、光触媒反応器235、逆浸透フィルタモジュール245、脱窒バイオリアクタ250、またはそれらの任意の組み合わせを含む、1または複数の追加の処理ユニットを備えてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態によれば、システムは、固定膜生物学的フィルタ125を光触媒反応器235に流体接続し、透過液の光触媒反応器への移送が容易になるように構成される細流フィルタコネクタ227をさらに備えてもよい。光触媒反応器235は、反応タンク、UV光源、二酸化チタン供給流、二酸化チタン、光触媒反応器膜、および二酸化チタン供給タンクを備えてもよい。いくつかの実施形態では、透過液は、微量および残留の化学的成分および生物学的成分を含み得る。光触媒反応器235は、透過液を受け取って、この透過液を光触媒(例えば、二酸化チタン)と組み合わせて、光触媒混合物を生成し、この光触媒混合物をUV光に曝露して、曝露光触媒混合物を生成し、この曝露光触媒混合物を光触媒反応膜に通過させて、光触媒反応透過液および再生利用光触媒を生成するように構成されてもよい。再生利用光触媒は、光触媒反応器235内に保持されてもよい。組み合わせた光触媒およびUV光処理では、受け取った透過液中に残存している化学的成分および生物学的成分を分解する。
【0034】
光触媒反応透過液は、コネクタを介して逆浸透フィルタモジュール245または透過流タンク130のうちの1または複数に移送されてもよい。例えば、光ROコネクタ229およびRO光コネクタ230は、光触媒反応器235および逆浸透フィルタモジュール245を流体接続するように構成されてもよく、RO光コネクタ230は、光触媒反応器235から逆浸透フィルタモジュール245への透過液の移送を容易にすることができる。開示された光ROコネクタ229は、逆浸透フィルタモジュール245から光触媒反応器235への透過液の移送を容易にすることができる。光透過液コネクタ228は、光触媒反応器235と透過液タンク130とを流体接続するように構成されてもよく、それにより、光触媒反応器235から透過液タンク130への透過液の移送が容易になる。
【0035】
システム200で使用される光触媒(例えば、二酸化チタン)は、光触媒反応器235内に保持され得るため、光触媒が、システムから出て、環境汚染物質を作り出すことはない。また、光触媒は汚染除去プロセス中に再生し得るため、流体から汚染を除去するための再生可能な資源であり、補充する必要がなく、これにより、システム200の環境への影響が減少する。対照的に、既存のシステムでは、限定された再生不可能な方法で化学的汚染物質および生物学的汚染物質を分解する、消費可能な化学物質により流体が処理され、これにより、全体的な環境フットプリントが増加する。
【0036】
固定膜生物学的フィルタ125または光触媒反応器235から入る一部の透過液は、残留塩組成物を含み得る。いくつかの実施形態では、システム200は、透過液から塩を除去するように構成された逆浸透フィルタモジュール245を備えてもよい。逆浸透フィルタモジュール245は、コネクタを介して、光触媒反応器235、脱窒バイオリアクタ250、透過液タンク130、またはそれらの任意の組み合わせに接続され得る。例えば、光ROコネクタ229およびRO光コネクタ230は、光触媒反応器235および逆浸透フィルタモジュール245を流体接続するように構成されてもよく、光ROコネクタ229は、光触媒反応器235から逆浸透フィルタモジュール245への透過液の移送を容易にすることができる。開示されたRO光コネクタ230は、逆浸透フィルタモジュール245から光触媒反応器235への透過液の移送を容易にすることができる。RO透過液コネクタ229は、逆浸透フィルタモジュール245と透過液タンク130とを流体接続するように構成されてもよく、それにより、逆浸透フィルタモジュール245から透過液タンク130への透過液の移送が容易になる。RO-DBコネクタ232は、逆浸透フィルタモジュール245を脱窒バイオリアクタ250に流体接続するように構成されてもよく、それにより、逆浸透フィルタモジュール245から脱窒バイオリアクタ250への透過液の移送が容易になる。
【0037】
逆浸透フィルタモジュールは、逆浸透フィルタハウジング、高圧ポンプ、および半透膜を備えてもよく、また1または複数の塩、イオン、分子、および粒子を、光触媒反応器235、脱窒バイオリアクタ250、および透過液タンク130のうちの少なくとも1つから受け取った透過液から除去するように構成されてもよい。例えば、逆浸透フィルタモジュール245は、光触媒反応透過液を受け取って、塩保持液および塩を実質的に含まない逆浸透透過液を生成するように構成されてもよい。塩は他の用途のために採取することができ、逆浸透透過液は、光触媒反応器235、脱窒バイオリアクタ250、および透過液タンク130のうちの1または複数に移送され得る。対照的に、既存の浄化システムは、海植物および動物に深刻な毒性がある汽水を生成する。
【0038】
本開示のいくつかの実施形態によれば、システム200によって生成された硝酸塩などのガスは、脱窒バイオリアクタ250によって無害なガスに変換されてもよい。システム200は、1または複数のコネクタを介して、光触媒反応器235、逆浸透フィルタモジュール245、透過流タンク130、またはそれらの任意の組み合わせと流体連通する脱窒バイオリアクタ250を備えてもよい。DB透過液コネクタ234は、脱窒バイオリアクタ250を透過液タンク130に流体接続するように構成されてもよく、それにより、脱窒バイオリアクタ250から透過液タンク130への透過液の移送が容易になる。DB-ROコネクタ233は、脱窒バイオリアクタ250を逆浸透フィルタモジュール245に流体接続するように構成されてもよく、それにより、脱窒バイオリアクタ250から逆浸透フィルタモジュール245への透過液の移送が容易になる。
【0039】
脱窒バイオリアクタ250は、脱窒ハウジング、脱窒バイオリアクタ膜、および脱窒基質(例えば、木材チップ)を備えてもよい。微生物により促進されるプロセスを通じて、脱窒バイオリアクタ250は、システム200によって生成されたガスの管理を通じて全体的なカーボンフットプリントを減少させるのを補助するように構成されてもよい。例えば、脱窒基質としては、炭素源(例えば、木材チップ、トウモロコシ穂軸、麦わら)が挙げられ、透過液内に含まれる硝酸塩を無害な窒素ガスに分解する細菌のコロニー形成基質として機能する。硝酸塩は、ヒトおよび環境にとって安全ではない。脱窒バイオリアクタ250は、透過液を受け取って、硝酸塩の少なくとも一部分を窒素ガスに変換するように構成されてもよい。対照的に、既存の浄化システムは、硝酸塩を含む水を環境に放出し、ヒトおよび水生生物にとってマイナスの影響となる。
吸入流体タンク
【0040】
図1および2に示されるように、汚染流体を浄化するためのシステムのいくつかの実施形態では、汚染流体は、供給源から吸入流体タンク105に移送され得る。吸入流体タンク105は、いかなる形状およびサイズであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、吸入流体タンク105は、約100mL~約10,000Lの容量を保持するように構成されてもよい。吸入流体タンク105は、球、円筒、直方体、円錐、六角柱、角錐、およびそれらの組み合わせなど、任意の数の形状を有するように構成されてもよい。吸入流体タンク105は、プラスチック、金属、およびそれらの組み合わせで作製され得る。例えば、プラスチック製吸入流体タンク105は、金属またはプラスチックのケージによって補強することができる。吸入流体タンク105はまた、プラスチック製内部ライナ(例えば、フルオロポリマー)を有し、かつ金属で作製されてもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、吸入流体タンク105は、吸入流体コネクタ106を介してストレーナ110に接続されてもよい。しかし、ストレーナ110は、吸入流体タンク105から汚染流体を受け取ることに限定されるものではなく、他の供給源から汚染流体を受け取ることができる。供給源から直接または吸入流体タンク105からストレーナ110に移送され得る汚染流体の供給源としては、これらに限定されないが、池、湖、河川などの環境源および廃棄水源などの製造源などが挙げられる。さらに、汚染流体の供給源としては、汚染流体をストレーナ110に供給できる輸送トラックに含まれるものなどの他のタンクを挙げることができる。いくつかの実施形態によれば、ストレーナ110は、一度に複数の供給源から複数の吸入流体コネクタ106を介して、または供給源から直接、汚染流体を受け取ってもよい。コネクタ
【0042】
吸入流体コネクタ106、濾された流体用コネクタ111、第1の保持液コネクタ112、第2の保持液コネクタ122、CCM濾過液コネクタ116、透過液コネクタ126、細流フィルタコネクタ227、光透過液コネクタ228、光-ROコネクタ229、RO-光コネクタ230、RO-DBコネクタ232、DB-ROコネクタ233、およびDB透過液コネクタ234などのコネクタは、配管作業で使用されるパイプ、導管、およびバルブを備え得る。コネクタは、プラスチック、ゴム、金属、またはそれらの組み合わせなどの任意の数の材料から作製され得、システム構成要素間での流体接続を維持するのに好適である任意の形状またはサイズであり得る。コネクタとしては、構成要素間の流体連通を提供し、かつ維持するために必要なガスケット、バルブ、または他の部品を挙げることができる。コネクタは、ゴムホースなど様々な形状およびサイズに適合するエラストマーから作製され得る。開示されたコネクタは、金属またはプラスチック製導管で補強されたエラストマーなどの補強導管であり得る。ストレーナ
【0043】
ストレーナ110は、タイプ、サイズ、および形状が異なり得る。例えば、ストレーナ110として、バスケット型ストレーナ、y字型ストレーナ、t字型バスケットストレーナ、単一バスケット型ストレーナ、二重バスケット型ストレーナ、およびそれらの組み合わせを挙げることができる。ストレーナ110としては、直列または並列で使用される複数のストレーナを挙げることができる。例えば、ストレーナ110は、粗材料を分離するように構成された第1のストレーナと、より細かい材料を分離するように構成された第2のストレーナとを含み得る。ストレーナ110は、静止していても、動的であってもよい。例えば、ストレーナ110は、回転ドラムハウジング、回転スクリーン、および回転スクリーンガードを有する回転ドラム式ストレーナを備えてもよい。回転ドラムハウジングは、本明細書に記載の技術から逸脱することなく、約1L~約10,000Lの容積を有するものなど、様々な形状およびサイズを含むことができる。さらに、回転ドラムハウジングは、任意の数のポリマー(例えば、高密度ポリプロピレン)、金属(例えば、鋼)、およびそれらの組み合わせなど、様々な組成を有し得る。
【0044】
ストレーナ110は、1または複数のスクリーンを備えてもよく、スクリーンの各々は、指定されたサイズのスクリーン開口部を有する。ストレーナ110のスクリーン開口部の選択されたサイズにより、濾された流体中での粒子サイズを選択できるようになり、下流のシステム構成要素(例えば、濾過ユニット)の汚れを防止するかまたは減少させ得る。例えば、ストレーナ110は、約8mm未満、または6mm未満、または5mm未満、または4mm未満、または3mm未満、または2mm未満、または1mm未満の粒子サイズを有する濾された流体となるスクリーン開口サイズを有し得る。開示された例には、流体を直径約5mmのチャネルを有する濾過ユニット120に移送する前に、濾された流体の固体粒子サイズを約2mm以下に減少させることによって膜面の汚れを減少させることを含む。流体が濾過ユニット120に移送される前の粒子サイズが約5mmより大きい場合、濾過ユニット120の面に汚れが発生する可能性がある。
【0045】
いくつかの実施形態によれば、ストレーナ110は、20mm未満、または15mm未満、または10mm未満、または9mm未満、または8mm未満、または7mm未満、または6mm未満、または5mm未満、または4mm未満、または3mm未満、または2mm未満、または1mm未満、または900μm未満、または800μm未満、または700μm未満、または600μm未満、または500μm未満の開口部を有するスクリーンを備えてもよい。開示されたスクリーンは、ポリマー(例えば、高密度ポリプロピレン)、金属(例えば、鋼)、天然繊維、およびそれらの任意の組み合わせを含み得る。
濾過ユニット
【0046】
濾過ユニット120は、重力機構、加圧機構、またはそれらの組み合わせを介して、濾された流体から固体汚染物質、可溶化汚染物質、またはそれらの組み合わせを除去するように構成されてもよい。例えば、濾過ユニット120は、サイズ排除に基づいて粒子状物質を濾過するセラミック膜を備えてもよい。いくつかの実施形態では、濾過ユニット120は、粒子電荷に基づいて可溶化汚染物質を濾過するイオン交換樹脂などの親和性に基づく濾過媒体を有してもよい。濾過媒体は、セラミック(例えば、粘土)、酸化アルミニウム、二酸化チタン、ジルコニア、二酸化ケイ素、およびそれらの任意の組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、濾過媒体は、限外濾過および精密濾過の両方について、0.001μm~10μmの孔径を有し得る。例えば、セラミック膜は、約0.001μm、または約0.005μm、または約0.01μm、または約0.02μm、または約0.04μm、または約0.06μm、または約0.08μm、または約0.10μmの孔径を有し得る。ここで、約は、プラスマイナス0.005μmを含む。セラミック膜は、チロース、ポリプロピレン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリプロピレンカーボネート、カルボキシメチルセルロース、デンプン、デキストリン、ワックスエマルション、リグニンスルホン酸塩、パラフィン、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、およびベントナイトなどの結合剤により作製され得る。結合剤は、セラミック膜の機械的特性を向上させると共に、様々な濾過サイズを提供できる。濾過ユニット120には、クロスフロー(タンジェンシャルフロー)およびデッドエンド濾過の両方を備えていてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、濾過ユニット120は、2013年11月1日に出願された、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第14/070,263号(米国特許第10,005,686号)、名称「Fluid Treatment System」に記載されているとおり、セラミック濾過ユニットを備えてもよい。
【0048】
濾過ユニット120は、ストレーナ110から受け取った汚染流体から汚染物質を処理し、除去するための追加の構成要素を備えてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、濾過ユニット120は、曝気ユニット、反応器、濾過膜、および動的衝撃発生器を備えてもよい。いくつかの実施形態では、濾過ユニット120は、他の方法で濾過によって分離不可能である可溶化汚染物質を沈殿させるように構成された凝固剤(例えば、塩化第二鉄)と濾された濾過液を組み合わせてもよい。
【0049】
いくつかの実施形態によれば、曝気ユニットは、直径1ミクロン未満の細孔を有する基質を有する溶存酸素添加デバイスに接続された圧縮ガス入口を備えてもよい。曝気ユニットは、濾された流体を入口から受け取り、ある加圧ガス速度で圧縮ガス入口から圧縮ガスが放出されることにより、ある流速で曝気流体が生成され、これにより、加圧ガスが基質を通って移動するようになり、それにより濾された流体が曝気されるように、濾された流体内で気泡が生じ得る。化学物質流入口は、曝気ユニットの下流に配置することができ、凝固剤および沈殿剤などの添加剤を曝気流体に移送するように構成されてもよい。添加剤を含有する曝気流体は、化学物質流入口から下流に配置された反応タンクによって受け取られ得る。流体は、約30秒から約5分の期間保持された後、濾過膜(例えば、セラミック膜)を通して濾過され、反応タンクの下流に配置されかつ反応タンクと流体連通して、処理済み流体を生成する。濾過液は、
図2に示されるように、濾過液コネクタ121を介して固定膜生物学的フィルタ125に移送されてもよい。
【0050】
沈殿剤としては、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、およびそれらの組み合わせを挙げることができる。凝固剤としては、ミョウバン(硫酸アルミニウム)、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、アルミノクロロ-30水和物(ACH)、ベントナイト粘土、塩化アルミニウム、硫酸第一鉄を挙げることができる。開示された凝固剤および沈殿剤は、溶解したまたは部分的に溶解した汚染物質の金属酸化、還元、化学沈殿、および化学凝集を促進して、濾された流体コネクタ111から受け取った濾された流体からの汚染物質の除去を助けることができる。
【0051】
濾過ユニット120はまた、濾過ユニットのセラミック膜に動的衝撃を与えてセラミック膜の汚れを除去(defoul)するように構成された動的衝撃発生器を備えてもよい。動的衝撃発生器から受け取った動的衝撃は、流体または膜自体を通って移動して、多孔質膜から汚染物を分離することができる。
【0052】
流体浄化は、濾過ユニット120により流体流(例えば、スクリーニングされた流体流)を濾過する段階を含み得る。濾過ユニット120は、実質的にすべての可溶化汚染物質を除去するように有利に構成され得る。いくつかの実施形態では、濾過ユニット120は、可溶化汚染物質の部分的な部分を除去するように有利に構成され得る。濾過ユニット120からの流体出力流には、最初の流体吸入流と比較して実質的に可溶化性の低い汚染物質を含み得る。いくつかの実施形態では、少量の凝固剤を利用することにより、可溶化汚染物質の除去が容易になり得る。例えば、開示された濾過ユニット120では、受け取った濾過液から、可溶化汚染物質の約50%より多く、または可溶化汚染物質の約55%より多く、または可溶化汚染物質の約60%より多く、または可溶化汚染物質の約65%より多く、または可溶化汚染物質の約70%より多く、または可溶化汚染物質の約75%より多く、または可溶化汚染物質の約80%より多く、または可溶化汚染物質の約85%より多く、または可溶化汚染物質の約90%より多く、または可溶化汚染物質の約95%より多く、または可溶化汚染物質の約99%より多くを除去し得る。ここで、約は、プラスまたはマイナス5%を含む。固定膜生物学的フィルタ
【0053】
固定膜生物学的フィルタ125は、汚染流体(例えば、濾過液)からの生物学的汚染物質を減少させるように構成されてもよい。
図1および2に示すとおり、濾過液コネクタ121は、濾過ユニット120と固定膜生物学的フィルタ125とを流体接続するように構成されてもよく、それによって、濾過ユニット120から固定膜生物学的フィルタ125への濾過液の移送が容易になる。CCM濾過液コネクタ116は、CCM115を濾過ユニット120に流体接続するように構成されてもよく、それによって、CCM115から濾過ユニット120への濾過液の移送が容易になる。
【0054】
固定膜生物学的フィルタ125は、生物学的濾過タンク、1または複数の充填材料、生物学的濾過膜、および1または複数の出口を備え得る。生物学的濾過タンクは、受け取った濾過液が内部に含まれ、充填材料に接触し、生物学的濾過膜を通過し、細流フィルタコネクタ227または透過液コネクタ126に接続している出口から生物学的濾過タンクを出ることができるように構成されてもよい。生物学的濾過膜は、クロスフローまたはデッドエンドフロー濾過構成で設定されてもよい。いくつかの実施形態では、生物学的濾過膜は、生物学的濾過タンク内に充填材料を保持するように構成されてもよく、これにより、生物学的濾過タンクから充填材料を除去することなく濾過液が生物学的濾過タンクを通過し得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、充填材料としては、岩、砂利、溶岩、コーク、ポリウレタンフォーム、スファグナムピートモス、セラミック、ポリマー、軽石、砂、およびそれらの組み合わせを挙げることができる。充填材料を選択して、流体保持時間および生物学的汚染物質の減少を最適化してもよい。固定膜生物学的濾過膜は、任意の数のポリマー、セラミック、または金属材料から作製され得る。例えば、固定膜生物学的濾過膜としては、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ビニルポリマー、ポリウレタン、およびそれらのコポリマーから選択されるポリマーを挙げることができる。いくつかの実施形態では、固定膜生物学的濾過膜としては、炭化ケイ素、炭化タングステン、アルミナ、シリカ、およびそれらの組み合わせから選択されるセラミックを挙げることができる。いくつかの実施形態によれば、固定膜生物学的濾過膜としては、アルミニウム、真鍮、銅、およびステンレス鋼から選択される金属を挙げることができる。
【0056】
固定膜生物学的フィルタ125は、細流フィルタ、生物学的活性炭(BAC)フィルタ、またはそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、固定膜生物学的フィルタ125は、アンモニアを硝酸イオンに酸化するように構成されてもよい。アンモニアは、濾過ユニット120、CCM115、またはそれらの組み合わせで生成され、濾過液コネクタ121またはCCM濾過液コネクタ116を介して固定膜生物学的フィルタ125に移送されてもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、固定膜生物学的フィルタ125によって処理された流体は、濾過ユニット120によって濾過されているため、浮遊固形物をほとんど有さないか、まったく有さない場合がある。結果として、固定膜生物学的フィルタ125は、目詰まりが原因で汚染される可能性は低い。いくつかの実施形態では、固定膜生物学的フィルタ125は、コロイド状有機材料を除去するかまたは消費する必要がない場合がある。いくつかの実施形態では、固定膜生物学的フィルタ125は、溶解した有機物、アンモニア、またはそれらの組み合わせを除去するかまたは消費することができる。
【0058】
固定膜生物学的フィルタ125は、固定膜生物学的フィルタ吸入流体の少なくとも一部分を、固定膜生物学的フィルタにより回収された粒子と透過液とに分離するように構成されてもよい。透過液は、生物学的汚染物質を実質的に含まない可能性がある。好気性の生物学的汚染物質の濃度は、流体の生化学的酸素要求量(BOD)を測定することで測定され得る。したがって、固定膜生物学的フィルタ125は、入ってくる濾過液またはCCM濾過液のBOD値と比較して、実質的に減少したBOD値を有する透過液を生成し得る。例えば、透過液は、約0ppmのBODを有し得る。いくつかの実施形態では、透過液は、約100ppm未満、または約75ppm未満、または約50ppm未満、または約40ppm未満、または約30ppm未満、または約20ppm未満、または約10ppm未満、または約5ppm未満、または約1ppm未満のBODを有し得る。ここで、約は、プラスまたはマイナス1ppmを含む。約0のBODを有する透過液には、有利には好気性生物学的有機体を実質的に含まなくてもよい。
【0059】
固定膜生物学的フィルタ125は、流体からの化学的酸素要求量(COD)を減少させ得る。CODは、有機物の分解および無機化学物質(例えば、アンモニア、亜硝酸塩)の酸化中に、酸素を消費する水の能力の尺度である。いくつかの実施形態では、透過液は、CODを実質的に含まなくてもよい。例えば、透過液は、約1000ppm未満、約750ppm未満、約500ppm未満、約400ppm未満、約300ppm未満、約200ppm未満、約100ppm未満、約50ppm未満、または約10ppm未満のCODを含み得る。ここで、「約」はプラスまたはマイナス10ppmである。
【0060】
いくつかの実施形態では、透過液は、約5ppm未満のBODおよび約1ppm未満のCODを含み得る。CODおよびBODが低下した透過液は、透過液コネクタ126を介して透過流タンク130に移送することができる。いくつかの実施形態では、CODおよびBODが低下した透過液は、細流フィルタコネクタ227を介して光触媒反応器235に移送することができる。汚染物質濃縮モジュール(CCM)
【0061】
汚染物質濃縮モジュール115は、ストレーナ110および濾過ユニット120から受け取った第1の保持液の脱水を行い、第2の保持液(すなわち、湿ったスラッジ)およびCCM透過液を形成するように構成されている。汚染物質濃縮モジュール(CCM)115は、ハウジングタンク、多孔質膜、および透過液収集手段を備える。ハウジングタンクには、多孔質膜および透過液収集手段を含む。ストレーナ110および濾過ユニット120から受け取った保持液は、ハウジングタンクに入り、多孔質膜に接触する。これにより、第3の保持液が多孔質膜上に収集され、第3の保持液を形成し得る。透過液収集手段は、収集された第3の保持液を多孔質膜から回収して、ハウジングタンクから除去することができる。例えば、第3の保持液が多孔質膜に十分に収集されると、多孔質膜を一時的にハウジングタンクから取り外して、これにより第3の保持液が多孔質膜から外れてコンベヤーベルト上に収集されるか、または第3の保持液コネクタ217を通過できるようになる。第3の保持液が多孔質膜から外れると、多孔質膜は、より多くの保持液を収集するためにハウジングタンクに戻されてもよい。多孔質膜は、ハウジングタンク内に垂直または水平に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、多孔質膜は、クロスフロー濾過またはデッドエンド濾過用に構成される。
【0062】
ハウジングは、任意の形状またはサイズであり得、多孔質膜を支持することができる任意の適切な材料(例えば、金属、プラスチック)から構成され得る。多孔質膜は、0.004μm~10μmの孔径を有する1または複数のセラミック膜を含み得る。いくつかの実施形態では、セラミック膜は、1または複数の炭化物(例えば、炭化ケイ素)、酸化物(例えば、酸化アルミニウム)、窒化物(例えば、窒化ケイ素)、またはそれらの組み合わせから構成されるセラミックを含み得る。CCM多孔質膜の製造中、結合剤を使用して機械的親和性および汚染物質親和性を改善することができる。いくつかの実施形態では、結合剤としては、チロース、ポリプロピレン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリプロピレンカーボネート、カルボキシメチルセルロース、デンプン、デキストリン、ワックスエマルション、リグニンスルホン酸塩、パラフィン、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、およびベントナイトなどを挙げることができる。いくつかの実施形態によれば、CCM多孔質膜は、クロスフローおよびデッドエンド濾過の両方を含み得る。さらに、CCM多孔質膜の汚れを防止するために、CCM115は、膜の汚れを除去するために動的衝撃によりCCM多孔質膜にパルスを送るように構成された動的衝撃発生器を備えてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、CCM保持液は、CCM透過液から分離されてもよく、この保持液は、CCM多孔質膜の下に位置付けられた汚染物質トラップに入り、汚染物質トラップスラグを形成してもよい。汚染物質トラップスラグは、廃棄またはさらなる処理(嫌気性消化など)のために、手動でまたは機械的にCCM115から取り外すことができる。さらに、
図2に示すように、汚染物質トラップスラグを嫌気性消化装置255に移動させて、生分解して肥料にすることができる。いくつかの実施形態では、
図2に示すとおり、第3の保持液は嫌気性消化装置255に移送されて、肥料に生分解され得る。嫌気性消化装置
【0064】
図2に示すように、第3の保持液は、第3の保持液コネクタ217を介してCCM115から嫌気性消化装置255に移送されてもよい。嫌気性消化装置255は、濾過ユニット120から直接第2の保持液を受け取り、ストレーナ110から直接第1の保持液を受け取ることができる。嫌気性消化装置255は、第1の保持液、第2の保持液、および第3の保持液のうちの少なくとも1つを生分解して、消化液およびガスを生成することができる。嫌気性消化装置255内での生分解は、酸素の不在下で汚染物質を生分解する微生物(例えば、細菌)によって行われる。生分解プロセス中に、1または複数のガスが生成され、ガス収集ユニット260によって収集されてもよい。1または複数のガスとしては、メタン、二酸化炭素、窒素、水素、硫化水素、酸素、およびそれらの任意の組み合わせを挙げることができる。嫌気性消化装置255を利用することにより、他の方法では環境に放出されたであろう1または複数の温室効果ガス(例えば、メタン、二酸化炭素)を収集し、貯蔵することにより、除染システムの全体的なカーボンフットプリントを有利に減少させ得る。さらに、消化液は肥料として使用でき、それによって有益な使用法で固形副産物を生成できる。
【0065】
嫌気性消化装置255内で、細菌(例えば、ホモアセトゲン)は、炭水化物およびタンパク質などの有機ポリマーを二酸化炭素、水素、窒素アンモニア、および有機酸に変換することにより、有機材料(例えば、汚染物質)を消化させることができる。存在する他の細菌は、生成されたアンモニアおよび有機酸をさらに分解し得る。例えば、メタン生成菌などの他の細菌(メタン生成細菌など)は、アンモニアおよび有機酸を、ガスタンク内収集できるメタン、窒素、および二酸化炭素に変換することができる。
【0066】
嫌気性消化装置255は、ガスを生成することに加えて、CCM115から受け取った保持液(例えば、第1の保持液、第2の保持液、第3の保持液)を、肥料として使用できる消化液に変換することができる。例えば、酸生成細菌は、ミネラルを含み得るリグニンおよびセルロースなどの繊維状物質などの酸生成消化液を生成し得る。メタノ生成細菌などの細菌は、アンモニウムおよびリン酸塩などの栄養素を含むメタン生成消化液を生成し得る。
【0067】
開示された嫌気性消化装置255は、微生物と共に、第1の保持液、第2の保持液、および第3の保持液のうちの1または複数を含むように構成された嫌気性消化タンクを備えてもよい。嫌気性消化タンクは密封された密閉タンクであり、第3の保持液などの嫌気性消化タンクの内容物全体に微生物を均一に分散させるためのミキサーを含んでもよい。ミキサーは、嫌気性消化タンクの任意の表面から延在し、嫌気性消化タンクの内容物中に延在し得るプロペラを備える。
【0068】
嫌気性消化タンクに含まれる微生物により生成された消化液は、嫌気性消化タンクから固体または液体の消化生成物収集タンクに移送することができる。例えば、嫌気性消化タンクによって、または嫌気性消化タンク内で生成された消化液(例えば、家畜用寝具、堆肥、肥料、栄養素)は、消化生成物収集タンクに移送され得る。嫌気性消化タンク内で生成されたガスは、ガスユニットコネクタ218を介してガス収集ユニット260に移送されてもよい。
【0069】
開示された嫌気性消化装置は、汚染物質の約50%より多く、または汚染物質の約55%より多く、または汚染物質の約60%より多く、または汚染物質の約65%より多く、または汚染物質の約70%より多く、または汚染物質の約75%より多く、または汚染物質の約80%より多く、または汚染物質の約85%より多く、または汚染物質の約90%より多く、または汚染物質の約95%より多く、または汚染物質の約99%より多くを生分解し得る。ここで、約は、プラスまたはマイナス約5%を含む。
【0070】
図2に示されるとおり、嫌気性消化装置255は、ガスユニットコネクタ218を介してガス収集ユニット260に接続されてもよい。嫌気性消化装置255内の第3の保持液からの汚染物質の分解による副産物は、微生物によって生成される1または複数のガス(例えば、メタン)である。ガスは、嫌気性消化装置255からガス収集ユニット260内のガス収集タンクに、ガスユニットコネクタ218を介して移送することができる。ガス収集ユニットは、ガスタンクおよびコンプレッサを備える。ガスが嫌気性消化装置255によって生成されると、ガスはパイプまたは導管などのガスユニットコネクタ218を通ってガス収集ユニット260に移動し、コンプレッサはガスを加圧してガスタンクに収集させるように構成される。嫌気性消化装置によって生成された1または複数のガスを収集することにより、ガス(例えば、温室効果ガス)の大気への放出が制限され、これにより、除染システムの環境への影響が減少する。貯蔵されたガスは、追加の生成物を作るために使用することができる。光触媒反応器
【0071】
流体浄化システム200は、
図2に示されるとおり、透過液、逆浸透透過液、還元窒素透過液、またはそれらの任意の組み合わせの残留化学成分および/または生物学的成分を分解するように構成された光触媒反応器235を備え得る。光触媒反応器235は、光触媒反応タンク、UV光源、二酸化チタン供給流、二酸化チタン、光触媒反応器膜、および二酸化チタン供給タンクを備え得る。いくつかの実施形態では、光触媒反応タンクは、UV光源、二酸化チタン、および光触媒反応膜を収容するか、支持するか、または包み込むように構成されてもよい。光触媒反応タンクは、二酸化チタンを光触媒反応タンクに供給するように構成された二酸化チタン供給タンクに接続されてもよい。いくつかの実施形態では、二酸化チタン供給タンクは、光触媒反応タンクの外部に収容されてもよい。例えば、二酸化チタン供給タンクは、光触媒反応器タンクの外側に配向されてもよく、二酸化チタン供給タンクは、二酸化チタンを光触媒反応タンクに供給してもよい。光触媒反応タンクの内部または外部に収容され得るUV光源は、一定のまたは様々な波長の電磁放射流を任意の時間提供することができる。例えば、UV光源は、約10nm~約400nmの波長で電磁放射を提供することができる。二酸化チタンの他に、光触媒反応器には、ZnO、SnO
2、およびZrO
2などの追加の光触媒を含めることができる。
【0072】
いくつかの実施形態では、光触媒反応器235は、固定膜生物学的フィルタ125または逆浸透フィルタモジュール245または脱窒バイオリアクタ250から受け取った透過液の一部分にUV光を適用してもよく、UV光は化学的または生物学的成分を分解し得る。例えば、生物学的成分は不活性にされ得、化学的成分は分解、酸化、還元、または凝集が行われ得る。
【0073】
図2に示されるように、光触媒反応器235は、固定膜生物学的フィルタ125、逆浸透フィルタモジュール245、脱窒バイオリアクタ250、および透過流タンク130と流体連通していてもよい。例えば、光触媒反応器の入口では、透過液の少なくとも一部分が受け取られ、透過液をUV光および二酸化チタンに曝露して、光触媒反応透過液および再生利用光触媒を形成することができる。光触媒反応器は、光に曝露された流体の少なくとも一部分を二酸化チタン再生利用流と、光触媒(例えば、二酸化チタン)を実質的に含まない光触媒反応透過液とに分離するように構成されてもよい。例えば、光触媒反応透過液には、約10%未満の光触媒MB、または約9%未満の光触媒MB、または約8%未満の光触媒MB、または約7%未満の光触媒MB、または約6%未満の光触媒MB、または約5%未満の光触媒MB、または約4%未満の光触媒MB、または約3%未満の光触媒MB、または約2%未満の光触媒MB、または約1%未満の光触媒MBを含み得、ここで、約は、プラスまたはマイナス0.5%を含む。逆浸透フィルタ
【0074】
いくつかの実施形態では、流体浄化システム200は、
図2に示されるように逆浸透フィルタモジュール245を備えてもよい。逆浸透フィルタモジュール245は、流体から塩、細菌、分子、および粒子を除去することができる。逆浸透フィルタモジュール245によって除去できる塩としては、ナトリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、およびカリウムを含むカチオンを有するもの、ならびに塩化物、硫酸塩、重炭酸塩、炭酸塩、および硝酸塩を含むアニオンを有するものが挙げられる。逆浸透フィルタモジュールは、逆浸透フィルタハウジング、高圧ポンプ、ならびに流体から、イオン、分子、およびより大きい粒子を除去するための半透膜を備えている。逆浸透フィルタモジュール245は、逆浸透タンクおよび逆浸透膜を備え、逆浸透タンクは、逆浸透膜を支持するか、含むか、または包む込むように構成されてもよい。半透膜は、0.1~5nmの範囲の孔径を有し得る。
【0075】
逆浸透フィルタモジュール245は、光触媒反応器235などからの透過液の少なくとも一部分を受け取り、その透過液を逆浸透濃縮物と逆浸透透過液とに分離するように構成されてもよい。例えば、逆浸透フィルタモジュール245は、固定膜生物学的フィルタ125、光触媒反応器235、脱窒バイオリアクタ250、および透過流タンク130から透過液を受け取り、それらと流体連通するように構成されてもよい。さらに、固定膜生物学的フィルタ125は、光触媒反応器235、逆浸透フィルタモジュール245、脱窒バイオリアクタ250、および透過流タンク130と流体連通していてもよい。
【0076】
逆浸透フィルタモジュール245は、透過液の少なくとも一部分を受け取り、約50%未満の塩分MB、または約45%未満の塩分MB、または約40%未満の塩分MB、または約35%未満の塩分MB、または約30%未満の塩分MB、または約25%未満の塩分MB、または約20%未満の塩分MB、または約15%未満の塩分MB、または約10%未満の塩分MB、または約5%未満の塩分MB、または約1%未満の塩分MBを含む逆浸透透過液を生成するように構成されてもよい。ここで、約は、プラスまたはマイナス0.5%を含む。
【0077】
開示された逆浸透フィルタモジュール245は、透過液を受け取り、少なくとも約50%の塩、または少なくとも約55%の塩、または少なくとも約60%の塩、または少なくとも約65%の塩、または少なくとも約70%の塩、または少なくとも約75%の塩、または少なくとも約80%の塩、または少なくとも約85%の塩、または少なくとも約90%の塩、または少なくとも約95%の塩、または少なくとも約99%の塩を透過液から除去することができる。ここで、約は、プラスマイナス5%を含む。脱窒バイオリアクタ
【0078】
いくつかの実施形態では、
図2および3に示されるように、流体浄化システム200は、脱窒バイオリアクタ250を備えてもよい。上記のとおり、脱窒には、硝酸塩を無害な分子窒素に還元するために、流体内に含まれる硝酸塩の微生物により促進されプロセスを含む。例えば、脱窒バイオリアクタ250では、流体の実質的にすべての硝酸塩が窒素ガスに変換されてもよい。脱窒バイオリアクタ250によって生成された窒素ガスは、大気中に放出され得るか、またはガスタンクに収集され得る。これにより、硝酸塩、亜硝酸塩、アンモニア、アンモニウム、一酸化窒素、亜酸化窒素、およびそれらの組み合わせなどを備えるオゾン層破壊の可能性のある物質および温室効果ガスを減少させることによって、システム200の全体的なカーボンフットプリントが減少する。
【0079】
脱窒ハウジングは、開放容器および閉鎖容器を含むことができる。脱窒ハウジングは、脱窒バイオリアクタ膜および木材チップを部分的または実質的に取り囲むか、支持するか、または含むことができる。開示された脱窒ハウジングは、金属、ポリマーおよび泥から作製され得る。例えば、脱窒ハウジングは、土または泥ベースの溝であってもよい。脱窒ハウジングは、金属製容器であってもよい。脱窒バイオリアクタは、木材チップを支持するかまたは包み込む脱窒バイオリアクタ膜で裏打ちされていてもよい。例えば、脱窒バイオリアクタは、脱窒バイオリアクタ膜を支持する土または泥の溝を備えてもよく、脱窒バイオリアクタ膜は、木材チップを支持しており、木材チップから土または泥への接触を部分的にまたは実質的に防止する。脱窒ハウジングによって受け取られた濾過液は木材チップに導入されるが、濾過液は脱窒バイオリアクタ膜によって脱窒ハウジングを離れて分離される。本開示のいくつかの実施形態では、有機リンの無機リンへの効果的な変換がもたらされ得る。例えば、開示された脱窒バイオリアクタ250は、約50%より多く、または約60%より多く、または約70%より多く、または約80%より多く、または約90%より多く、または約95%より多くの有機リンから無機リンへ変換し得る。ここでは、約は、プラスマイナス5%を含む。脱窒バイオリアクタ250は、流体の硝酸塩濃度を約50%質量基準(MB)未満、または約40%MB未満、または約30%MB未満、または約20%MB未満、または約10%MB未満、または約5%MB未満、または約4%MB未満、または約3%MB未満、または約2%MB未満または約1%MB未満に低下させることができる。ここで、約は、プラスまたはマイナス0.5%MBを含む。
【0080】
脱窒バイオリアクタ250は、流体の有機リン濃度を約50%質量基準(MB)未満、または約40%MB未満、または約30%MB未満、または約20%MB未満、または約10%MB未満、または約5%MB未満、または約4%MB未満、または約3%MB未満、または約2%MB未満または約1%MB未満に低下させることができる。ここで、約は、プラスまたはマイナス0.5%MBを含む。
【0081】
さらに、硝酸塩の研磨を望む場合、基本的な木材チップは硝酸塩を脱窒し得る。脱窒バイオリアクタ250は、流体の少なくとも一部分を様々なシステム200の構成要素から受け取り、実質的にすべての硝酸塩を窒素ガスに変換するように構成されてもよい。例えば、脱窒バイオリアクタ250は、コネクタを介して固定膜生物学的フィルタ125、光触媒反応器235、および逆浸透フィルタモジュール245に接続され、これらの構成要素のうちのいずれか1つから流体を受け取り、かつ、硝酸塩濃度を約1%MB未満まで低下させることにより、実質的にすべての硝酸塩を窒素に変換することができる。方法
【0082】
図3は、汚染物質を有する吸入流体を処理し、本方法の全体的な環境フットプリントを最小限に抑えるための方法300を示す。開示された方法300は、上記に記載され、かつ
図1および
図2で参照されているシステム構成要素を組み込む。いくつかの実施形態では、方法300は、吸入流体タンク内で吸入流体を受け取り305、ストレーナ110で吸入流体を濾し、第1の保持液および濾された濾過液を形成させる310段階を含み得る。方法300は、濾された濾過液を濾過ユニット120で濾過して、第2の保持液および濾過ユニット濾過液を形成する段階320を含み得る。開示された方法は、固定膜生物学的フィルタで濾過ユニット濾過液を濾過して、透過液を形成する段階325を含み得、透過液は、生物学的酸素要求量が減少している。方法300は、光触媒反応器235において透過液をUV光で処理する段階335を含み得る。透過液は、固定膜生物学的フィルタ125、透過液タンク130、逆浸透フィルタモジュール245、および脱窒バイオリアクタ250のうちの1または複数から受け取ることができる。いくつかの実施形態では、方法300は、逆浸透フィルタモジュール245により透過液345から塩を除去する段階を含む。いくつかの実施形態では、方法は、固定膜生物学的フィルタ125、透過液タンク130、光触媒反応器235、および脱窒バイオリアクタ250のうちの1または複数から受け取った透過液から塩を除去する段階345を含み得る。
【0083】
吸入流体を処理するための方法300は、脱窒バイオリアクタ250により透過液を脱窒する段階350を含み得る。透過液を脱窒する段階350は、固定膜生物学的フィルタ125、透過液タンク130、光触媒反応器235、および逆浸透フィルタモジュール245のうちの1または複数から受け取った透過液に対して行うことができる。いくつかの実施形態では、透過液を脱窒する段階350によって生成された窒素は、ガスタンク内で窒素を収集する段階360を介して収集されてもよい。
【0084】
開示された方法300には、第1の保持液および第2の保持液のうちの1または複数を第3の保持液とCCM115透過液とに分離し得る汚染物質濃縮モジュールにより分別する段階315を含む。方法300は、保持液(例えば、第1の保持液、第2の保持液、第3の保持液、またはそれらの任意の組み合わせ)を嫌気性消化させて、消化液およびガス(例えば、窒素)を生成する段階355を含んでもよい。いくつかの実施形態では、方法300は、嫌気性消化装置255によって形成されたガスをガス収集ユニット260に収集する段階360を含んでもよい。いくつかの実施形態によれば、方法300は、汚染物質を実質的に含まない透過液330を収集する段階を含み得る。透過液を収集する段階330は、透過液タンク130に透過液を収集する段階を含み得る。汚染水および脱汚染水
【0085】
本開示は、いくつかの実施形態では、吸入流体(例えば、汚染水)から汚染物質を除去するシステムおよび方法に関する。汚染物質としては、病原体、化学物質、ガス、生物製剤、および固形材料を挙げることができる。例えば、病原体は、ウイルス(例えば、ノロウイルス)、細菌(例えば、バークホルデリア・シュードマレイおよびサルモネラ)、寄生虫(例えば、鉤虫および鞭虫属)、原生動物(例えば、ランブル鞭毛虫)、ならびにそれらの組み合わせを含み得る。化学物質としては、重金属(例えば、クロム、カドミウム、ヒ素、水銀、および鉛)、ハロゲン化溶媒、塩(例えば、硝酸塩)、農薬、除草剤、石油、過塩素酸塩、薬物汚染、洗剤、揮発性有機化合物、およびそれらの組み合わせを挙げることができる。固形材料としては、泥、ポリマー、マクロ固形物(例えば、生理用ナプキンおよびおむつ)、食品、下水、およびそれらの組み合わせを挙げることができる。ガスとしては、硫化水素、二酸化炭素、メタン、酸素、およびそれらの組み合わせを挙げることができる。吸入流体から汚染物質を除去する現在開示されているシステムおよび方法では、汚染流体から透過液を生成し得る。
【0086】
透過液(例えば、飲料であってもよい)。開示された透過液は、半導体産業および製薬産業などの産業用途に使用されてもよい。透過液は、病原体、化学物質、ガス、生物製剤、および固形材料を実質的に含まなくてもよい。例えば、透過液は、約11μS/cm以下の導電率および約10mg/L未満の総溶解固形物を有し得る。透過液は、約5mS/m~約50mS/mの導電率を有してもよい。透過液は、25℃で約18Mohm●cmの抵抗率を有し得る。透過液では、カチオン(例えば、ナトリウム、カルシウム、鉄、銅)およびアニオン(塩化物、硝酸塩、硫酸塩)など、ほとんどすべてのミネラルイオンが除去されている可能性がある。透過液は、約5.0~約7.5、または約4.0~約8.0、または約3.0~約9.0のpHを有してもよく、ここで、約は、プラスまたはマイナス1.0を含む。
【0087】
いくつかの実施形態では、透過液は、実質的に硝酸塩を含まなくてもよい。例えば、透過液は、約100ppm未満、または約75ppm未満、または約50ppm未満、または約25ppm未満、または約10ppm未満、または約5ppm未満、または約1ppm未満の硝酸塩濃度を含み得る。ここで、約は、プラスマイナス0.5ppmを含む。透過液は、約0ppmの生化学的酸素要求量(BOD)を有してもよい。例えば、透過液は、約100ppm未満、または約75ppm未満、または約50ppm未満、または約40ppm未満、または約30ppm未満、または約20ppm未満、または約10ppm未満、または約5ppm未満、または約1ppm未満のBODを有し得る。ここで、約は、プラスマイナス0.5ppmを含む。いくつかの実施形態では、BODを実質的に含まない透過液は、好都合には好気性生物学的有機体を実質的に有さなくてもよい。透過液は、化学的酸素要求量(COD)を実質的に含まなくてもよい。例えば、透過液は、約1000ppm未満、または約750ppm未満、または約500ppm未満、または約400ppm未満、または約300ppm未満、または約200ppm未満、または約100ppm未満、または約50ppm未満、または約10ppm未満のCODを含み得る。ここで、約は、プラスマイナス5ppmを含む。いくつかの実施形態では、透過液は、実質的にアンモニアを含まなくてもよい。例えば、透過液は、約100ppm未満、または約75ppm未満、または約50ppm未満、または約40ppm未満、または約30ppm未満、または約20ppm未満、または約10ppm未満、または約5ppm未満、または約1ppm未満のアンモニア濃度を含むことができる。ここで、約は、プラスマイナス0.5ppmを含む。
【0088】
CODを実質的に有さないことにより、開示されたシステムによって生成された透過液は、金属、小さい有機化合物、および溶媒などの化学物質を実質的に含まない。例えば、透過液は、約4.0ppm未満のクロラミン、約4.0ppm未満の塩素、約0.8ppm未満の二酸化塩素、約0.006ppm未満のアンチモン、約0.01ppm未満のヒ素、約2ppm未満のバリウム、約0.005ppm未満のカドミウム、約0.2ppm未満のシアン化物、約4ppm未満のフッ化物、約0.015ppm未満の鉛、約0.002ppm未満の水銀、約10ppm未満の硝酸塩、約1ppm未満の亜硝酸塩、約0.05ppm未満のセレン、約0.002ppm未満のタリウム、約6.5~約8.5のpH、約0.005ppm未満のベンゼン、約0.005ppm未満の四塩化炭素、約0.005ppm未満のハロゲン化有機化合物、および約1ppm未満のトルエンのうちの少なくとも1つを含み得る。透過液は、約0.2ppm未満のアルミニウム、約250ppm未満の塩化物、約1.0ppm未満の銅、約0.5ppm未満の発泡剤、約0.3ppm未満の鉄、約250ppm未満の硫酸塩、約500ppm未満の全溶解固形分、約6.5~約8.5のpH、および約5ppm未満の亜鉛のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0089】
本開示はまた、生化学的酸化およびその後の清澄化、生物固形物の除去、および/またはスラッジの取り扱いを必要とせずに、透過液を提供することができる。例えば、地方自治体での使用に好適である水は、生化学的酸化およびスラッジの取り扱いなく、実現することができる。別の例として、生化学的酸化およびスラッジの取り扱いなく、飲料水を実現することができる。生化学的酸化およびスラッジの取り扱いを必要とすることなく、こうした透過液を生成することは、有利にもカーボンフットプリントを減少させることができ、かつ全体的な環境への影響を低減することができる。さらに、開示されたシステムおよび方法はまた、生化学的酸化のために高い溶存酸素レベルを維持する必要性が低減するか、またはその必要性がなくなり得る。高い溶存酸素レベルを維持するための対応するコストも削減するか、またはこのコストを除去することも可能である。
【0090】
本開示の利益を有する当業者によって理解されるように、吸入流体から汚染物質を除去するための他の同等または代替のデバイス、方法、およびシステムは、本明細書に含まれる説明から逸脱することなく想定され得る。したがって、示され、記載されているように、本開示を実行する方法は、例示のみとして解釈されるべきである。
【0091】
当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、部品の形状、サイズ、数、および/または配置に様々な変更を加えることができる。例えば、入口、開口部、フィルタ、ガスケット、バルブ、ポンプ、センサ、および/または出口の位置および数は、変化し得る。いくつかの実施形態では、フィルタ、シールガスケット、および/または濾過アセンブリは交換可能であり得る。交換可能性により、汚染物質のサイズおよび/または種類をカスタム調整可能であり得る(例えば、使用する孔径および/またはフィルタの種類を変更するかまたは選択することにより)。さらに、デバイスおよび/またはシステムのサイズは、専門家のニーズおよび/または所望に適合するように、拡大するか(例えば、高スループットの商用および自治体の流体濾過用途に使用するために)、または縮小(例えば、低スループットの家庭用途および研究用途で使用するために)してもよい。いくつかの実施形態によれば、各開示された方法および各方法段階は、他の任意の開示された方法または方法段階と関連して、任意の順序で実行されてもよい。動詞「may(してもよい)」で示す場合、それは任意の条件および/または許容条件を伝えることを目的としているが、その使用は、特に指示がない限り、いかなる操作性もないことを示唆することを意図するものではない。当業者は、本開示の組成物、デバイス、および/またはシステムを調製するおよび使用する方法に様々な変更を加えることができる。例えば、組成物、デバイス、および/またはシステムは、動物および/またはヒトに適切であるように(例えば、衛生、感染性、安全性、毒性、生体認証、および他の考慮事項に関して)、調製および/または使用され得る。列挙されていない要素、構成成分、デバイス、システム、方法、および方法段階は、所望のとおり、または必要に応じて、含めたり除外したりすることができる。
【0092】
また、範囲が提供されている場合、開示されたエンドポイントは、特定の実施形態によって望まれるまたは要求される正確であり、かつ/または近似として扱われ得る。エンドポイントが近似値である場合、柔軟性の程度は、範囲の大きさに比例して変化し得る。例えば、一方では、約5~約50の範囲の文脈における約50の範囲のエンドポイントは、50.5を含み得るが、52.5または55を含まなくてもよく、他方では、約0.5~約50の範囲の文脈における約50の範囲のエンドポイントは、55を含み得るが、60または75を含まなくてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、範囲のエンドポイントを混合して一致させることが望ましい場合がある。また、いくつかの実施形態では、(例えば、1または複数の例、表、および/または図面において)開示された各図は、範囲(例えば、描かれた値+/-約10%、描かれた値+/-約50%、描かれた値+/-約100%)の基礎、ならびに/または範囲のエンドポイントを形成し得る。前者に関して、例、表、および/または図面に描かれている50の値は、例えば、約45~約55、約25~約100、および/または約0~約100の範囲の基礎を形成し得る。開示されているパーセンテージは、特に明記されていない限り、重量パーセントである。
【0093】
吸入流体から汚染物質を除去するためのデバイスおよび/またはシステムの全部または一部は、使い捨て可能、保守可能、交換可能、および/または交換可能であるように構成され、配置され得る。これらの同等物および代替物は、明らかな変更および修正とともに、本開示の範囲内に含まれることが意図されている。したがって、前述の開示は、添付の特許請求の範囲によって示されるような開示の範囲を例示することを意図しており、限定することを意図するものではない。
【0094】
名称、要約、背景、および見出しは、規制に準拠して、かつ/または読者の便宜のために提供される。それらは、先行技術の範囲および内容に関する承認を含まず、またすべての開示された実施形態に適用可能な制限を含まない。実施例
【0095】
本開示のいくつかの特定の例示的な実施形態は、本明細書で提供される1または複数の例によって示され得る。実施例1:下水処理に関するベンチテストデータ
【0096】
汚水処理プラント(London,Ontario)から5ガロンの生下水サンプルを回収し、同日に処理し、テストを行った。処理前に、アリコートを採取して分析し、流入物として表1および2で参照されている未処理の対照データを提供した。次に、2つの異なる方法を使用して生下水のアリコートを処理した。第1の方法には、第1のアリコートを、反応タンク、セラミック膜、および動的衝撃発生器を有する濾過ユニットで処理する段階を含んだ。第2の方法は、FeCl
3を反応タンクに添加し、3分間反応させることで、第1の方法からの濾過ユニットで第2のアリコートを処理することを含んだ。次に、処理されたアリコートをTSS、BOD、リン、リン酸塩、アンモニア、およびUV透過率(UVT)について分析した。結果の例を以下の表1および2に示す。
表1:ベンチテストA
【表1】
表2:ベンチテストB
【表2】