(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】空気調和装置用室外機
(51)【国際特許分類】
F24F 1/30 20110101AFI20230704BHJP
F24F 1/32 20110101ALI20230704BHJP
【FI】
F24F1/30
F24F1/32
(21)【出願番号】P 2019056721
(22)【出願日】2019-03-25
【審査請求日】2021-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】滝 英司
(72)【発明者】
【氏名】前田 訓孝
【審査官】町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-120135(JP,A)
【文献】特開2017-180885(JP,A)
【文献】特開2012-013275(JP,A)
【文献】特開2015-086982(JP,A)
【文献】特開2010-096451(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/30
F24F 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和装置に用いられ、複数の室内機が冷媒配管を用いて接続される接続ポートと、複数の前記室内機と同数の膨張弁と、
を筐体の機械室に有するとともに、室外熱交換器と吹出口を
前記筐体の熱交換器室に有
し、前記機械室の開口を着脱可能に覆うサービスパネルが前記吹出口が設けられる面に並んで設けられている室外機であって、
前記接続ポートと前記室外熱交換器とを接続する複数の冷媒分岐管を有し、
複数の前記冷媒分岐管のうち、少なくとも1本の冷媒分岐管の途中部分に、同冷媒分岐管を流れる冷媒の温度を検出する温度センサと、同温度センサを前記機械室の上方前側から装着可能な装着空間を確保するように当該室外機の底板に対して斜めに設けられるとともに、前記温度センサを取り付け可能な長さの傾斜直管部が
前記サービスパネルに対して前記開口の上方前側から脱着可能なように斜めに設けられていることを特徴とする空気調和装置用室外機。
【請求項2】
前記傾斜直管部を有する前記冷媒分岐管は、前記接続ポートに一端が接続されるガス分岐管である請求項1に記載の空気調和装置用室外機。
【請求項3】
前記室内機として、第一室内機および第二室内機とを有し、
前記接続ポートは、前記第一室内機用の第一ガス管接続部と、同第一ガス管接続部よりも低い位置に配置された前記第二室内機用の第二ガス管接続部とを有し、
前記傾斜直管部を有する前記ガス分岐管は、前記第一ガス管接続部に接続される第一ガス分岐管である請求項2に記載の空気調和装置用室外機。
【請求項4】
前記第二ガス管接続部に接続される第二ガス分岐管をさらに有し、前記傾斜直管部を有する前記第一ガス分岐管は、前記第一ガス管接続部から水平方向前方に延びる水平部と、同水平部の前側を斜め下方に向けて曲げて形成された前記傾斜直管部と、同傾斜直管部の下部先端を下方に曲げて形成された垂直直管部と、を有し、前記垂直直管部が、一端が前記第二ガス管接続部に接続される前記第二ガス分岐管に接続するように配管される請求項3に記載の空気調和装置用室外機。
【請求項5】
前記接続ポートは、前記第一室内機用の第一液管接続部と、同第一液管接続部よりも低い位置に配置された前記第二室内機用の第二液管接続部とを有し、
複数の前記冷媒分岐管は、前記第一液管接続部に接続される第一液分岐管と、前記第二液管接続部に接続される第二液分岐管と、を有し、
前記傾斜直管部を有する前記第一ガス分岐管は、前記水平部が、同水平部に上下方向で対向する前記第一液分岐管の水平部分と平行に設けられるとともに、同第一液分岐管に、拘束部材によって固定されている請求項4に記載の空気調和装置用室外機。
【請求項6】
前記膨張弁として、前記第一室内機用の第一膨張弁と、前記第二室内機用の第二膨張弁を有し、
前記各膨張弁は、膨張弁本体と、同膨張弁本体の内部の弁体をスライド移動可能に駆動させるソレノイド部と、をそれぞれ有するとともに、前記各膨張弁のソレノイド部が前記膨張弁本体の上部に装着され、且つ、前記ソレノイド部の可動軸が上下方向となるように設置されており、
前記第一膨張弁の可動軸線が、前記第二膨張弁の可動軸線よりも前記筐体内の前面寄りの位置に設置されている請求項3~5のいずれか一項に記載の空気調和装置用室外機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和装置に用いられ、複数の室内機が接続される室外機に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の室内機が室外機に液管とガス管とで接続されて形成される空気調和装置において、室外機の筐体には、液管が接続される液管接続部とガス管が接続されるガス管接続部が設けられている(以降、液管接続部とガス管接続部とをまとめて接続ポートと記載する場合がある)。
接続ポートは、圧縮機や複数の膨張弁などが格納される機械室に配置されており、この機械室内では、複数の膨張弁が設けられ接続ポートと圧縮機や室外熱交換器などを接続する冷媒配管をできる限り小さくまとめて機械室内に配置することにより、室外機の筐体をコンパクト化することが求められる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の技術では、液管接続部およびガス管接続部を筐体の側面パネルに、各接続部が室外機の筐体の後方に向けて、かつ、筐体の上下方向に一列に並べて配置している。これにより、同文献記載の技術によれば、室外機の筐体の左右方向の寸法を小さくできる。
また、同文献記載の技術では、ガスヘッダ部を液ヘッダ部の右斜め前方に配置している。これにより、同文献記載の技術によれば、室外機の筐体の前後方向の寸法を小さくできる。さらに、同文献記載の技術では、複数の室内機と冷媒配管で接続される複数の接続ポートと液ヘッダ部とを各々接続する複数の液分岐管を有し、この液分岐管の一部を所定角度で上方に曲げることで筐体の底板に対して斜めになるように配置し、折り曲げ箇所より上方に膨張弁を取り付けている。これにより、同文献記載の技術によれば、室外機の筐体の高さ方向の寸法を小さくできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1には、前述した接続ポートとガスヘッダ部とを接続する複数のガス分岐管に、このガス分岐管を流れる冷媒の温度を検出する温度センサを取り付けることについて、何ら言及がない。通常、温度センサは円筒状の外筒を有し、冷媒配管はこの外筒を接触させて固定するための直管部が必要であるため、ガス分岐管に温度センサを取り付ける際にこのガス分岐管に直管部を設ける必要がある。この直管部を室外機の天板や底板に平行な方向もしくは上下方向に配置した場合は、温度センサの外筒の大きさの分、室外機の寸法が前後方向あるいは上下方向に大きくなるという問題があった。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、筐体の機械室内での限られたスペースに、複数の室内機に対応する冷媒配管をコンパクトに収容し得る空気調和装置用室外機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る空気調和装置用室外機は、空気調和装置に用いられ、複数の室内機が冷媒配管を用いて接続される接続ポートと、複数の室内機と同数の膨張弁と、を有する室外機であって、接続ポートと複数の膨張弁とを接続する複数の冷媒分岐管とを有し、複数の冷媒分岐管のうち、少なくとも1本の冷媒分岐管の途中部分に、この冷媒分岐管を流れる冷媒の温度を検出する温度センサと、この温度センサを機械室の上方前側から装着可能な装着空間を確保するように当該室外機の筐体の底板に対して斜めに設けられるとともに、温度センサを取り付け可能な長さの傾斜直管部が設けられていることを特徴とする。
そのため、本発明の一態様に係る空気調和装置用の室外機によれば、筐体の機械室内の限られたスペースに収まるように、液管接続部およびガス管接続部から膨張弁に接続される機械室内部での配管と温度センサとが配置されている。そのため、室外機の水平方向および垂直方向に温度センサが配置される場合と比べて、室外機のそれぞれ上下方向あるいは前後方向への寸法を小さくできる。
【発明の効果】
【0007】
上述のように、本発明によれば、室外機の機械室内での限られたスペースに、コンパクトに冷媒配管を収容できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一態様に係る空気調和装置の回路を説明するブロック図である。
【
図2】本発明の一態様に係る空気調和装置用室外機の斜視図であり、同図では、カバー部材を取り外した状態を示している。
【
図3】本発明の一態様に係る空気調和装置用室外機の内部構造を説明する図であり、同図(a)は、天板を外した状態の平面図、(b)は、前面パネルを外した状態の正面図である。
【
図4】本発明の一態様に係る空気調和装置用室外機の機械室を説明するための右側面図であり、同図では、側面パネルを取り外した状態を示している。
【
図5】本発明の一態様に係る空気調和装置用室外機の機械室を前面上方から見た斜視図であり、同図では、サービスパネルおよび側面パネルを取り外した状態を示している。
【
図6】本発明の一態様に係る空気調和装置用室外機の機械室を背面上方から見た斜視図であり、同図では、サービスパネルおよび側面パネルを取り外した状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について図面を適宜参照しつつ説明する。本実施形態は、1台の室外機に2台の室内機が冷媒配管を介して並列に接続され、各室内機で同時に冷房運転あるいは暖房運転が行える空気調和装置の例である。
なお、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
【0010】
図1に示すように、本実施形態に係る空気調和装置1は、室内機5Aと室内機5Bの2台の室内機が接続可能な1台の室外機2を備える。室内機5Aは、液管8Lとガス管8Gで室外機2に接続されている。室内機5Bは、液管9Lとガス管9Gで室外機2に接続されている。
具体的には、室内機5Aに対しては、液管8Lの一端が室内機5Aの液管接続部52L(本発明の第一液管接続部に相当)に接続されるとともに、液管8Lの他端が室外機2の液管接続部27Lに接続される。また、ガス管8Gの一端が室内機5Aのガス管接続部52Gに接続されるとともに、ガス管8Gの他端が室外機2のガス管接続部27Gに接続される。
【0011】
また、室内機5Bに対しては、液管9Lの一端が室内機5Bの液管接続部53L(本発明の第二液管接続部に相当)に接続されるとともに、液管9Lの他端が室外機2の液管接続部28Lに接続される。
また、ガス管9Gの一端が室内機5Bのガス管接続部53Gに接続されるとともに、ガス管9Gの他端が室外機2のガス管接続部28Gに接続される。このように、室内機5Aと室内機5Bとが室外機2に並列に接続されて、空気調和装置1の冷媒回路100が構成される。
【0012】
<室内機の構成>
次に、各室内機5A、5Bについて説明する。
各室内機5A、5Bは、室内熱交換器51a、51b、液管接続部52L、53L、ガス管接続部52G、53G、および、室内ファン54a、54bをそれぞれ備える。
各室内機5A、5Bは、これら各構成装置(各室内ファン54a、54bを除く)が以下に説明する各冷媒配管によって接続され、上記冷媒回路100の一部をなす室内機冷媒回路50a、50bを形成する。なお、各室内機5A、5Bは同じ構成を有するため、以下の説明では、室内機5Aについて説明し、室内機5Bの構成については説明を省略する。
【0013】
室内機5Aは、室内熱交換器51aの一方の冷媒出入口と液管接続部52Lとが室内機液管71aで接続され、室内熱交換器51aの他方の冷媒出入口とガス管接続部52Gとが室内機ガス管72aで接続される。
液管接続部52Lおよびガス管接続部52Gには、各冷媒配管が溶接やフレアナット等によって接続される。室内熱交換器51aは、室内機5Aが冷房運転を行う場合は蒸発器として機能し、また、室内機5Aが暖房運転を行う場合は凝縮器として機能する。
【0014】
室内ファン54aは、樹脂材で形成されたクロスフローファンであり、室内熱交換器51aの近傍に配置される。室内ファン54aは、図示しないファンモータによって回転駆動される。また、室内機5Aは、吸込口および吹出口を有し、室内ファン54aの回転によって、吸込口から室内機5Aの内部に取り込まれた室内空気を室内熱交換器51aにおいて冷媒と熱交換させ、冷媒と熱交換を行った室内空気が吹出口から室内に吹き出される。
これにより、室内機5Aが設置された部屋の暖房あるいは冷房が行われる。なお、室内機5Aの吸込口の近傍には、室内温度センサ61aが備えられる。室内温度センサ61aは、室内機5Aの内部に流入する室内空気の温度(すなわち室内温度)を検出する。
【0015】
<室外機の構成>
次に、室外機2について詳しく説明する。
室外機2は、
図2に全体斜視図を示すように、直方体状の筐体10を備える。筐体10は、底板11、前面パネル12、側面パネル15および天板16を有する。前面パネル12は、グリル12aおよびサービスパネル12bから構成される。
側面パネル15は、背面パネルの一部を兼ねている。筐体10の隅部には支柱17が設けられる(
図3(b)参照)。支柱17、前面パネル12、および、側面パネル15の上下は、底板11および天板16の適所に設けられたねじ止め部にネジ止めされる。
【0016】
なお、以下の説明では、
図2に示す室外機2の姿勢において、前面パネル12が配置された側を前面、その反対側を背面とし、前面パネル12を正面視したときに、サービスパネル12bが配置された側を右側、その反対側を左側とし、その左右方向を「筐体10の横方向」、前後方向を「筐体10の前後方向」、また、高さ方向を「筐体10の上下方向」として説明する。
【0017】
室外機2は、
図2および
図3に示すように、筐体10の右側面に、二台の室内機5A、5Bを接続するための接続ポート9を有する。接続ポート9は、
図2に示すように、カバー部材7により覆われる。カバー部材7は、箱状に形成された合成樹脂製の部材であり、後述するポートパネル15aを覆うように側面パネル15に着脱可能に取付けられる。接続ポート9は、ガス管接続部27G、28Gと、液管接続部27L、28Lとで形成されている。なお、筐体10の内部は、仕切板18によって左側の熱交換器室4と、右側の機械室3とに区画される(
図3参照)。
【0018】
底板11は、略長方形状の鋼板であり、
図3に示すように、その周縁部は上方に略直角に折り曲げられたフランジ11tを有する。底板11の下面には、筐体10の前後方向に延び、室外機2を地面等に設置するための脚部11fが前後左右に計4脚設けられている。
グリル12aは、樹脂材あるいは鋼材を用いて格子状に形成したものであり、
図2に示すように、熱交換器室4の前面側に設けられた室外機2の吹出口2fを覆うように配置される。
サービスパネル12bは、略長方形状の鋼板であり、機械室3の前面側を覆うように配置される。サービスパネル12bは、室外機2のメンテナンス作業時に機械室3にアクセスしやすいように着脱可能に取付けられる。
【0019】
側面パネル15は、ポートパネル15aおよびコンジットパネル15bを有する。ポートパネル15aは、鋼板で形成され、筐体10の右側面の接続ポート9が配置される範囲を覆うように装着される。ポートパネル15aには、右側外方に張り出すように、上記接続ポート9が配置される。コンジットパネル15bは、略長方形状の鋼板であり、ポートパネル15aの周囲開口部分を覆うように筐体10の右側面に装着される。
筐体10の内部の熱交換器室4には、
図3に示すように、室外熱交換器23と室外ファン26が配置される。室外ファン26は、樹脂材で形成されたプロペラファンであり、室外熱交換器23の前方に配置される。室外ファン26は、モータ29の出力軸に取付けられ、モータ29が室外熱交換器23に固定されたモータ支持部30に取付けられる。
【0020】
室外熱交換器23は、
図3(a)に示すように、上面から見て略L字形状に形成され、筐体10の左側面から背面に沿ってその全面を覆うように配置される。前述したように、室外熱交換器23の前方に室外ファン26が対向して配置される。室外熱交換器23は、室外ファン26のモータ29による回転により、吸込口3sから室外機2の筐体10の内部に取り込まれた外気と冷媒とを熱交換させ、室外熱交換器23を流れる冷媒と熱交換した外気が、熱交換器室4に設けられた吹出口2fから外部に放出される。
【0021】
図3~
図6に図示するように、筐体10の内部の機械室3には、圧縮機21、四方弁22、2個の膨張弁24a、24bおよびアキュムレータ25が設けられる。これら各装置(室外ファン26を除く)は、以下に詳述する各冷媒配管により相互に接続され、上記冷媒回路100の一部をなす室外機冷媒回路20を構成する。
機械室3には、円筒状の圧縮機21が、円筒軸線を縦にした姿勢で底板11の上面に図示しない3つの防振用インシュレータを介して配置される。この圧縮機21は、運転容量を可変できる能力可変型圧縮機である。圧縮機21は、モータ29によって駆動可能に構成され、インバータにより回転数が制御される。
【0022】
ここで、本実施形態の圧縮機21の機械室3での配置位置は、
図3に示すように、前後方向が前面のサービスパネル12b寄りであって、左右方向が熱交換器室4寄りの仕切板18近傍の位置に配置されている。
これにより、機械室3の左右方向において、圧縮機21と側面パネル15との間、および、機械室3の前後方向において、圧縮機21と室外熱交換器23との間に、複数の室内機5A、5Bに接続ポートを介して接続される冷媒配管を収容するために必要な空間が確保される。
【0023】
圧縮機21は、
図5に示すように、圧縮機21の上部中央の冷媒吐出口に吐出管41が接続されるとともに、圧縮機21の下部側面の冷媒吸入口に吸入管42が接続される。そして、
図1に示すように、圧縮機21の冷媒吐出口と四方弁22のポートaとが吐出管41で接続され、圧縮機21の冷媒吸入口とアキュムレータ25の冷媒流出口とが吸入管42で接続される。
アキュムレータ25は、圧縮機21の外径よりも小さい円筒状をなし、圧縮機21の右側面の位置に軸線を縦にして拘束バンドで圧縮機21に装着される。
図4に示すように、アキュムレータ25の上部中央の冷媒流入口には冷媒配管46が接続され、
図1に示すように、この冷媒配管46を介して四方弁22のポートcに冷媒流入口が接続される。
【0024】
また、上述したように、アキュムレータ25の下部中央の冷媒流出口は、圧縮機21の冷媒吸入口に吸入管42を介して接続される。これにより、アキュムレータ25は、自身に流入した冷媒をガス冷媒と液冷媒とに分離し、ガス冷媒のみを吸入管42を介して圧縮機21に吸入させるようになっている。
四方弁22は、冷媒の流れる方向を切り換えるための切換弁である。四方弁22は、
図3乃至
図5に示すように、機械室3の後部寄りの位置であって、アキュムレータ25の上部よりも高い位置に設けられる。
四方弁22は、
図1に示すように、a、b、c、dの4つのポートを有する。四方弁22のポートaは、前述したように圧縮機21の冷媒吐出口と吐出管41で接続される。また、四方弁22のポートbは、室外熱交換器23の一方の冷媒出入口と冷媒配管43をで接続され、ポートcは、前述したようにアキュムレータ25の冷媒流入口と冷媒配管46で接続される。
【0025】
さらに、ポートdは、室外機ガス管45の一端に接続される。四方弁22は、冷媒回路10における冷媒の流れ方向、より具体的には、室内機5A、5Bの室内熱交換器51a、51bにおける冷媒の流れる方向を切り替える。四方弁22によって冷媒の流れる方向が切り替わることで、室内熱交換器51a、51bが凝縮器あるいは蒸発器として機能するように切り替える室外機冷媒回路20が構成される。
【0026】
室外機ガス管45の他端には、2本のガス分岐管45a、45bの各々の一端が接続される。そして、ガス分岐管45aの他端は、ガス管接続部27Gに接続され、ガス分岐管45bの他端は、ガス管接続部28Gに接続される。
室外熱交換器23の他方の冷媒出入口には、室外機液管44の一端が接続される。室外熱交換器23は、冷媒回路100が冷房サイクルとなる場合は凝縮器として機能し、冷媒回路100が暖房サイクルとなる場合は蒸発器として機能するようになっている。
【0027】
本実施形態の室外機2には、膨張弁として、室内機5A用の膨張弁24aと、室内機5B用の膨張弁24bと、が設けられる。室外機液管44の他端には、2本の液分岐管44a、44bの各々の一端が接続される。液分岐管44aの他端は液管接続部27Lに接続され、この液分岐管44aには、膨張弁24aが組み込まれる。液分岐管44bの他端は液管接続部28Lに接続され、この液分岐管44には、膨張弁24bが組み込まれる。
【0028】
各膨張弁24a、24bは、内蔵されたソレノイドにより駆動されるコイル式の電磁弁である。図示は省略するが、各々が液分岐管44a、44bに組み込まれた際に液分岐管44a、44bが接続される膨張弁本体と、この膨張弁本体内の弁体を軸方向に沿ってスライド移動可能に駆動させるソレノイド部と、をそれぞれ有する。各膨張弁24a、24bのソレノイド部は、膨張弁本体の上部に装着される。なお、膨張弁本体は、その可動軸が上下方向となるように配置される。
【0029】
膨張弁24a、24bの各ソレノイド部は、機械室3の上部空間から人が手で着脱可能なように、つまり上方から見て互いに重ならないように設置される。具体的には、膨張弁24aは、膨張弁24bよりも筐体10内の前寄りの位置(コンプレッサ寄りの位置)に設置される。
膨張弁24a、24bは、ソレノイド部によって各膨張弁24a、24bの開度がそれぞれ調整され、各室内機5A、5Bに流れる冷媒量をそれぞれ調整可能になっている。
【0030】
さらに、室外機2には、各種のセンサが設けられる。
図1に示すように、吐出管41には、圧縮機21から吐出される冷媒の圧力を検出する高圧センサ31と、圧縮機21から吐出される冷媒の温度を検出する吐出温度センサ33と、が設けられる。
冷媒配管46には、アキュムレータ25の冷媒流入口近傍に、圧縮機21に吸入される冷媒の圧力を検出する低圧センサ32と、圧縮機21に吸入される冷媒の温度を検出する吸入温度センサ34と、が設けられる。なお、以降の説明では、圧縮機21から吐出される冷媒の圧力を「高圧」、圧縮機21に吸入される冷媒の圧力を「低圧」と記載する場合がある。
【0031】
さらに、室外機液管44には、室外熱交換器23の近傍に、冷媒温度センサ35が設けられる。冷媒温度センサ35は、室外熱交換器23に流入する冷媒の温度、あるいは、室外熱交換器23から流出する冷媒の温度を検出する。また、室外機2の吸込口2f付近には、外気温度センサ38が設けられる。外気温度センサ38は、室外機2の筐体10の内部に流入する外気の温度(すなわち外気温度)を検出する。
【0032】
また、液分岐管44aには、膨張弁24aと液管接続部27Lとの間の位置に、液側温度センサ36aが設けられる。
図7に示すように、液側温度センサ36aは、軸方向の一端が閉塞された有底円筒状をなす金属製の外筒と、外筒内に充填樹脂により封止状態で内蔵されてリード線が接続されたサーミスタ素子とを有するエアコン用サーミスタである。液側温度センサ36aは、検出対象となる液分岐管44aの管路外周面に外筒が密着状態で固定されて、液分岐管44aを流れる冷媒の温度を検出可能になっている。
液分岐管44bには、膨張弁24bと液管接続部28Lとの間の位置に、液側温度センサ36bが設けられる。液側温度センサ36bは、液側温度センサ36aと同様の構成を有するエアコン用サーミスタであり、検出対象となる液分岐管44bの管路外周面に外筒が密着状態で固定されて、液分岐管44bを流れる冷媒の温度を検出可能になっている。
【0033】
また、ガス分岐管45aには、ガス側温度センサ37aが設けられる。
図7に示すように、ガス側温度センサ37aは、軸方向の一端が閉塞された有底円筒状をなす金属製の外筒と、外筒内に充填樹脂により封止状態で内蔵されてリード線が接続されたサーミスタ素子と、を有するエアコン用サーミスタである。ガス側温度センサ37aは、検出対象となるガス分岐管45aの管路外周面に外筒が密着状態で固定されて、ガス分岐管45aを流れる冷媒の温度を検出可能になっている。
ガス分岐管45bには、ガス側温度センサ37bが設けられる。ガス側温度センサ37bは、ガス側温度センサ37a同様の構成を有するエアコン用サーミスタであり、検出対象となるガス分岐管45bの管路外周面に外筒が密着状態で固定されて、ガス分岐管45bを流れる冷媒の温度を検出可能になっている。
【0034】
<機械室の液管接続部およびガス管接続部並びにその近傍における管路配置>
次に、本実施形態の室外機2の機械室3における各液分岐管44a、44b、および、各ガス分岐管45a、45bの配置についてより詳しく説明する。
本実施形態では、各液分岐管44a、44bは、
図7に拡大図示するように、一端が後述する各液管接続部27L、28Lに接続され、膨張弁24a、24b側に向けて戻るように略U字形状に湾曲形成された折り返し部A、Bを有する。なお、折り返し部A、Bを形成する際は、後述する折り返し部A、Bの各曲率半径寸法を各液分岐管44a、44bの外径寸法の二倍以上の曲率半径寸法とすれば、各液分岐管44a、44bを破損させることなく、折り返し部A、Bを形成できる。
折り返し部A、Bの途中部分には、円筒状の外筒を有する液側温度センサ36a、36bの外筒を液側温度センサ36a、36bの外周部に密着させて取り付け可能な長さに形成された直管部(後述するように、折り返し部Aでは、44a
1の部分、折り返し部Bでは、44b
1の部分)が設けられている。
【0035】
詳しくは、接続ポート9は、室内機5Aに一端が接続されている液管8Lの他端が接続される液管接続部27Lと、室内機5Bに一端が接続されている液管9Lの他端が接続される液管接続部28Lとを含み、折り返し部Aに直管部44a1を有する液分岐管44aは、一端が液管接続部27Lに接続され、折り返し部Bに直管部44b1を有する液分岐管44bは、一端が第二液管接続部28Lに接続されている。なお、液分岐管44a、44bの各他端は、室外熱交換器23に室外機液管44を介して接続されている。
【0036】
液分岐管44aの折り返し部Aは、液管接続部27Lから室外機2の筐体10の前面側に向けて底板11と平行に延びる直管部44a1と、直管部44a1の前側を下方に向けて湾曲させて形成された第一湾曲部44a2と、第一湾曲部44a2の先端から室外機2の筐体10の後面側に向けて斜め下方に延びる傾斜部44a3と、傾斜部44a3先端から室外機2の筐体10の後面側に向けて底板11と平行に延びる水平部44a4と、水平部44a4の先端を膨張弁24aの軸線の位置で上方に向けて略直角に湾曲させて形成される第二湾曲部44a5と、第二湾曲部44a5の先端から上方に向かい膨張弁24aの中心軸に沿って延びて膨張弁24aに接続される垂直部44a6とを有する。
【0037】
また、本実施形態では、第二液分岐管44bの折り返し部Bは、液管接続部28Lから膨張弁24bとは室外機2の筐体10の前面側に向けて底板11と平行に延びる直管部44b1と、直管部44b1の前側を下方に向けて湾曲させて形成された第一湾曲部44b2と、第一湾曲部44b2の先端から室外機2の筐体10の後面側に向けて底板11と平行に延びる第一水平部44bhと、第一水平部44bhの先端が後方に向いた位置から斜め下方に延びる傾斜部44b3と、傾斜部44b3先端が筐体10の後面に向いた位置から底板11と平行に延びる第二水平部44b4と、第二水平部44b4の先端を膨張弁24bの軸線の位置で上方に向けて湾曲させてなる第二湾曲部44b5と、第二湾曲部44b5が上方に向いた先端から膨張弁24bの中心軸に沿って上方に延びて膨張弁24bに接続される垂直部44b6とを有する。
【0038】
さらに、接続ポート9には、上記ガス管接続部として、室内機5A用のガス管接続部27Gと、ガス管接続部27Gよりも低い位置に配置された室内機5B用のガス管接続部28Gとが設けられ、四方弁22からの室外機ガス管45が分岐して接続ポート9のガス管接続部27Gに接続されるガス分岐管45aの途中部分には、傾斜直管部45a2が形成されている。
【0039】
本実施形態では、接続ポート9に接続される各液分岐管44a、44bや各ガス分岐管45a、45bのうち、少なくともいずれか1本の冷媒分岐管、例えば、ガス分岐管45aの途中部分に、ガス側温度センサ37aを機械室3の上方前側から装着可能な装着空間S(
図7に破線で示す三角形のエリア)を確保するように、当該室外機2の底板11の底面に対して斜めに設けられるとともに、ガス側温度センサ37aをその外筒の軸線方向全長に亘って外表面に密着させて取り付け可能な長さの傾斜直管部45a
2が設けられている。
【0040】
特に、本実施形態では、
図7に示すように、ガス分岐管45aは、ガス管接続部27Gから室外機2の前面側に向かって底板11と平行に延びる水平部45a
1と、水平部45a
1の前側を室外機2の前面側に向かって斜め下方に向けて曲げて形成された傾斜直管部45a
2と、傾斜直管部45a
2の下部先端を下方に曲げて形成された垂直直管部45a
3とを有し、垂直直管部45a
3が、一端がガス管接続部28Gに接続される第二ガス分岐管45bに接続されるように配管される。
【0041】
さらに、本実施形態では、各液分岐管44a、44bの折り返し部A、Bは、それぞれの水平部44a4と44b4が、各ガス分岐管45a、45bの水平部45a1、45b1と平行するように設けられている。
そして、各水平部44a4、44b4には、筒状の緩衝部材39が巻回されるとともに、この緩衝部材39を介して各液分岐管44a、44bの水平部44a4と44b4と各ガス分岐管45a、45bの水平部45a1、45b1とが、拘束バンド等の拘束部材40によって固定されている。
【0042】
なお、本実施形態の各液分岐管44a、44bの水平部44a4と44b4とこれに平行する各ガス分岐管45a、45bの水平部45a1、45b1とは、上面視で平行するように、あるいは、交差するように配管されていればよく、拘束部材40によって固定する位置は、平行に配置されている場合は平行となっているいずれかの箇所で、交差するように配置されている場合は交点の位置であればよい。
【0043】
<冷媒回路の動作>
次に、本実施形態の空気調和装置1が空調運転を行うときの、冷媒回路100における冷媒の流れや各部の動作を、
図1を適宜参照しつつ説明する。
なお、以下の説明では、各室内機5A、5Bが暖房運転を行う場合について説明し、空気調和装置1が冷房運転を行う場合については詳細な説明を省略する。また、
図1に示す矢印は、冷媒回路100における暖房運転時の冷媒の流れを示している。
空気調和装置1が暖房運転を行う場合、四方弁22は、
図1に実線で示すように、四方弁22のポートaとポートdとが連通するとともに、ポートbとポートcとが連通するように切り換えられる。これにより、冷媒回路100は、
図1に矢印で示す方向に冷媒が流れる状態となり、室外熱交換器23が蒸発器として機能するとともに、室内熱交換器51a、51bがそれぞれ凝縮器として機能する暖房サイクルとなる。
【0044】
冷媒回路100が暖房サイクルの状態で圧縮機21が起動すると、圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、吐出管41から四方弁22に流入し、四方弁22から室外機ガス管45を介してガス分岐管45a、45bに分流する。ガス分岐管45a、45bに分流した冷媒は、ガス管接続部27G、28Gを介してガス管8G、9Gに流入する。
ガス管8Gを流れる冷媒は、室内機5Aのガス管接続部52Gを介して室内機5Aに流入する。室内機5Aに流入した冷媒は、室内機ガス管72aを介して室内熱交換器51aに流入し、室内ファン54aの回転により室内機5Aの内部に取り込まれた室内空気と熱交換を行って凝縮する。
【0045】
また、ガス管9Gを流れる冷媒は、室内機5Bのガス管接続部53Gを介して室内機5Bに流入する。室内機5Bに流入した冷媒は、室内機ガス管72bを介して室内熱交換器51bに流入し、室内ファン54bの回転により、室内機5Bの内部に取り込まれた室内空気と熱交換を行って凝縮する。
このように、各室内機5A、5Bの室内熱交換器51a、51bは、それぞれ凝縮器として機能し、各室内熱交換器51a、51bで冷媒と熱交換を行った室内空気は、各室内機5A、5Bの吹出口から室内に吹き出され、これにより、各室内機5A、5Bが設置された各部屋が暖房される。
そして、室内熱交換器51aから流出した冷媒は室内機液管71aを流れ、液管接続部52Lを介して液管8Lに流出する。液管8Lを流れる冷媒は、液管接続部27Lを介して室外機2に流入し、液管接続部27Lから液分岐管44aに流入する。
【0046】
また、室内熱交換器51bから流出した冷媒は室内機液管71bを流れ、液管接続部53Lを介して液管9Lに流出する。液管9Lを流れる冷媒は、液管接続部28Lを介して室外機2に流入し、液管接続部28Lから液分岐管44bに流入する。
各液分岐管44a、44bのそれぞれを流れる冷媒は、各膨張弁24a、24bによりそれぞれ減圧されて室外機液管44で合流する。室外機液管44で合流した冷媒は、室外機液管44を流れて室外熱交換器23に流入する。
【0047】
室外熱交換器23に流入した冷媒は、室外ファン26の回転により、室外機2の内部に取り込まれた外気と熱交換を行って蒸発する。そして、室外熱交換器23から冷媒配管43に流出した冷媒は、四方弁22、冷媒配管46、アキュムレータ25および吸入管42をこの順に流れ、圧縮機21に吸入されて再び圧縮される。
なお、空気調和装置1が冷房運転を行う場合には、四方弁22を
図1の破線で示す状態、すなわち、四方弁22のポートaとポートbとが連通するとともに、ポートcとポートdとが連通するように切り換えられる。これにより、冷媒回路100は、室外熱交換器23が凝縮器として機能するとともに、室内熱交換器51a、51bがそれぞれ蒸発器として機能する冷房サイクルとなる。
【0048】
<本実施形態に係る室外機における機械室の液管接続部およびガス管接続部並びにその近傍における管路配置による作用効果>
次に、本実施形態の室外機2における、機械室3の液管接続部およびガス管接続部近傍における管路配置による作用効果について説明する。
本実施形態のような、いわゆるマルチ機種の機械室3での冷媒配管は、複数の膨張弁24a、24b、配管接続部27G、28Gおよび27L、28L、並びに、各配管41~46をできる限りコンパクトに配置することで、室外機2の機械室3を小型化することが求められる。
【0049】
これに対し、本実施形態の室外機2では、
図7に示したように、各液分岐管44a、44bや各ガス分岐管45a、45bのうち、少なくともいずれか1本の冷媒分岐管、例えば、ガス分岐管45aの途中部分に、円筒状の外筒を有するガス側温度センサ37aを機械室3の上方前側から装着可能な装着空間Sを確保するように、当該室外機2の底板11に対して斜めに設けられるとともに、ガス側温度センサ37aをその外筒の軸線方向全長に亘って外表面に密着して取り付け可能な長さの傾斜直管部45a
2を設けている。
【0050】
これにより、本実施形態の室外機2によれば、ガス側温度センサ37aを傾斜直管部45a2に取り付けることで、ガス側温度センサ37aを取り付ける直管部が水平方向あるいは上下方向に配置されている場合に比べて、室外機2の筐体10の前後方向および上下方向の寸法を小さくできる。また、ガス側温度センサ37aを取り付ける直管部を傾斜直管部45a2とすることで、傾斜直管部45a2前方に装着空間Sが確保されるので、ガス側温度センサ37aを傾斜直管部45a2に取り付ける際に、機械室3の前方の斜め上方から装着空間Sを介してガス側温度センサ37aを傾斜直管部45a2に近づけることができる。そのため、ガス側温度センサ37aの傾斜直管部45a2への取り付け作業が容易に行える。
【0051】
ここで、室内機が1台のみ接続される室外機の筐体を、複数台の室内機が接続可能な室外機、例えば、本実施形態の空気調和装置1のように、2台の室内機5A、5Bが接続される室外機2に流用して、室外機2の小型化を目指すような場合に、以下の(1)~(4)のような問題がある。
問題(1) 複数の室内機が接続可能な室外機2を実現する上で、機械室3内の限られたスペース(前述した、圧縮機21と側面パネル15との間、および、圧縮機21と室外熱交換器23との間の空間)に接続ポート9から2つの膨張弁24a、24bそれぞれに接続される液分岐管44a、44bが収まるように、コンパクトに配管する必要がある。
問題(2) 但し、液分岐管44a、44bを配管する際、液側温度センサ36a、36bを取り付けるための直管部を、各液分岐管44a、44bに設ける必要がある。
問題(3) しかし、単純に各液分岐管44a、44bに直管部を設ければ、各液分岐管44a、44bが室外機2の前後方向、左右方向、および上下方向に大きくなり、コンパクトに各液分岐管44a、44bを配置できない。
問題(4) そこで、本実施形態の各液分岐管44a、44bのように、折り返し部AおよびBを設ければ、コンパクトに各液分岐管44a、44bを配置できるものの、折り返し部AやBに第一湾曲部44a2や44b2を設ける必要がある。特に、各液分岐管44a、44bには、膨張弁24aや24bが接続されるので、室外機2が落下した際や振動を受けた際に、第一湾曲部44a2や44b2を支点とし、膨張弁24aや24bの重さによって各液分岐管44a、44bが大きく揺られて、各液分岐管44a、44bが破損するおそれがある。
【0052】
以上の問題点(1)~(4)を全て解決するために、本実施形態の室外機2は、
図7に示したように、接続ポート9から各膨張弁24a、24bに接続される液分岐管44a、44bは、湾曲して形成された湾曲部を含む折り返し部A,Bを有しており、その折り返し部A,Bの途中部分には、円筒状の外筒を有するサーミスタである液側温度センサ36a、36bの外筒を密着させて取り付け可能な長さの直管部(折り返し部Aでは、44a
1の部分、折り返し部Bでは、44b
1の部分)を設けている。
【0053】
一例として、本実施形態の室外機2における、各液分岐管44a、44bは、一端が各液管接続部27L、28Lに接続され、膨張弁24a、24b側に向けて戻るように略U字形状に湾曲形成された折り返し部A、Bを有する。なお、折り返し部A、Bを形成する際は、折り返し部A、Bの各曲率半径寸法を各液分岐管44a、44bの外径寸法の二倍以上の曲率半径寸法とすれば、各液分岐管44a、44bを破損させることなく、折り返し部A、Bを形成できる。
【0054】
また、本実施形態の室外機2は、折り返し部A、Bの途中部分には、円筒状の外筒を有する液側温度センサ36a、36bの外筒を液側温度センサ36a、36bの外周部に密着させて取り付け可能な長さに形成された直管部(後述するように、折り返し部Aでは、44a1の部分、折り返し部Bでは、44b1の部分)が設けられている。
これにより、本実施形態の室外機2によれば、各液分岐管44a、44bを湾曲させてコンパクトに配管しつつも、液側温度センサ36a、36bの外筒部分の接触面積を広く確保できる。
【0055】
また、問題(4)に関しては、本実施形態の室外機2では、各液分岐管44a、44b及び各ガス分岐管45a、45bを以下に説明する形状及び配置とすることで、液分岐管44aの水平部44a4とガス分岐管45aの水平部45a1及び液分岐管44bの水平部44b4とガス分岐管45bの水平部45b1とを拘束部材40で固定する。
つまり、ガス分岐管45a、45bよりも液分岐管44a、44bの方が管径が小さいことにより、ガス分岐管45a、45bと比べて液分岐管44a、44bの強度が弱いことに加えて、その強度の弱い液分岐管44a、44bに、重量のある膨張弁24a、24bが取り付けられるため、より強度のあるガス分岐管45a、45bに液分岐管44a、44bを固定させる。そのため、室外機2が落下した際や振動を受けても液分岐管44a、44bが振動することを抑制できるので、液分岐管44a、44bが破損するのを防ぐことができる。
【0056】
本実施形態の室外機2では、一端が各液管接続部27L、28Lに接続され、膨張弁24a、24b側に向けて戻るように略U字形状に湾曲形成された折り返し部A、Bを有する。なお、折り返し部A、Bを形成する際は、折り返し部A、Bの各曲率半径寸法を各液分岐管44a、44bの外径寸法の二倍以上の曲率半径寸法とすれば、各液分岐管44a、44bを破損させることなく、折り返し部A、Bを形成できる。
【0057】
また、本実施形態の室外機2では、各液分岐管44a、44bの折り返し部A,Bが、液管接続部27L、28Lから水平に前方に延びる直管部44a1、44b1と、この直管部44a1、44b1の前側を下方に向けて湾曲させて形成された第一湾曲部44a2、44b2と、この第一湾曲部44a2、44b2の先端が後方に向いた位置から水平方向後方に延びる水平部44a4、44b4と、この水平部44a4、44b4の先端を各膨張弁24a、24bの軸線の位置で上方に向けて湾曲させて各膨張弁24a、24bに接続される垂直部44a6、44b6と、を有する構成として、液側温度センサ36a、36bを装着可能に直管部44a1、44b1を形成している。
【0058】
また、本実施形態の室外機2によれば、各液分岐管44a、44bの折り返し部A,Bは、
図7に示したように、折り返し部A、Bの一部である水平部44a
4、44b
4が、その下方に位置するガス分岐管45a、45bの一部分である水平部45a
1と45b
1と平行に設けられ、液分岐管44a、44bの水平部44a
4、44b
4は、これに平行するガス分岐管45a、45bの水平部45a
1と45b
1との部分に、緩衝部材39が巻回されるとともに、拘束部材40で拘束されることによって固定されている。その結果前述したように、室外機2が落下した際や振動を受けても液分岐管44a、44bが振動することを抑制できるので、液分岐管44a、44bが破損するのを防ぐことができる。
【0059】
さらに、本実施形態の室外機2は、各膨張弁24a、24bが、各膨張弁24a、24bの軸線を縦に設置され且つ膨張弁本体の上部にソレノイド部が設置され、各膨張弁24a、24bのソレノイド部は、機械室3の上部空間から人が手で着脱可能なように、例えば、上方から見て互いに重ならないように設置される。具体的には、膨張弁24aは、膨張弁24bよりも筐体10内の前寄りの位置(コンプレッサ寄りの位置)に設置される。このため、各ソレノイド部の着脱作業が容易となるので、メンテナンス性にも優れている。
【0060】
以上説明したように、本実施形態の空気調和装置1の室外機2によれば、筐体10の機械室3内での限られたスペースに、複数の室内機5A、5Bに対応する冷媒配管を収容し得るコンパクトな管路配置が可能である。なお、本発明に係るマルチ機種用の室外機は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能であることは勿論である。
例えば、上記実施形態では、傾斜直管部が第一ガス分岐管45aに設けられた例を示したが、これに限らず、傾斜直管部は、接続ポート9に接続される複数の冷媒分岐管44a,44b、45a,45bのいずれに対しても設けることができる。
【符号の説明】
【0061】
1 空気調和装置
2 室外機
2f (室外機の)吹出口
3 機械室
3s (室外機の)吸込口
4 熱交換器室
5A 室内機
5B 室内機
6 吹出グリル
7 カバー部材
8G、9G ガス管
8L、9L 液管
9 接続ポート
10 筐体
11 底板
11f 脚部
11t フランジ
12 前面パネル
12a グリル
12b サービスパネル
15 側面パネル
15a ポートパネル
15b コンジットパネル
16 天板
17 支柱
18 仕切板
20 室外機冷媒回路
21 圧縮機
22 四方弁
23 室外熱交換器
24a 第一膨張弁
24b 第二膨張弁
25 アキュムレータ
26 室外ファン
27G、28G (室外機の)ガス管接続部
27L、28L (室外機の)液管接続部
29 モータ
30 モータ支持部
31 高圧センサ
32 低圧センサ
33 吐出温度センサ
34 吸入温度センサ
35 冷媒温度センサ
36a 液側温度センサ
36b 液側温度センサ
37a ガス側温度センサ
37b ガス側温度センサ
38 外気温度センサ
39 緩衝部材
40 拘束部材
41 吐出管
42 吸入管
43 冷媒配管
44 室外機液管
44a 第一液分岐管
44b 第二液分岐管
45 室外機ガス管
45a 第一ガス分岐管
45b 第二ガス分岐管
45a1 (第一ガス分岐管の)水平部
45b1 (第二ガス分岐管の)水平部
46 冷媒配管
50a 室内機冷媒回路
50b 室内機冷媒回路
51a 室内熱交換器
51b 室内熱交換器
52G、53G (室内機の)ガス管接続部
52L、53L (室内機の)液管接続部
54a 室内ファン
54b 室内ファン
61a 室内温度センサ
61b 室内温度センサ
71a 室内機液管
71b 室内機液管
72a 室内機ガス管
72b 室内機ガス管
100 冷媒回路
A (第一液分岐管の)折り返し部
B (第二液分岐管の)折り返し部