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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】包装装置及びその内側箱体
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/05 20060101AFI20230704BHJP
   B65D 5/50 20060101ALI20230704BHJP
   B65D 5/02 20060101ALI20230704BHJP
【FI】
B65D81/05
B65D5/50 101C
B65D5/02 K
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019062396
(22)【出願日】2019-03-28
(65)【公開番号】P2020158186
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2022-03-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】綱島 龍之介
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-059047(JP,A)
【文献】登録実用新案第3210339(JP,U)
【文献】特開2015-160637(JP,A)
【文献】実開昭52-067567(JP,U)
【文献】特開2003-237844(JP,A)
【文献】特開2006-143243(JP,A)
【文献】特開2013-209124(JP,A)
【文献】特開2010-254370(JP,A)
【文献】特開2001-199478(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/00-38
B65D 5/50
B65D 5/02-16
B65D 77/02-04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方が開口し第1物品を収納可能な内側箱体と、第2物品及び前記第2物品上に配置された前記内側箱体を収納可能であり、一対の内フラップ及び一対の外フラップを有する外側箱体とを備えた包装装置であって、
前記内側箱体に形成された保護部であって、前記一対の内フラップ及び前記一対の外フラップが閉じられているときに、前記一対の外フラップの突き合わせ部分において前記一対の内フラップ間に対応する部分と前記第1物品との間に配置されて前記第1物品を保護するための前記保護部と、
前記内側箱体に形成された押圧部であって、前記一対の内フラップ及び前記一対の外フラップが閉じられているときに、前記包装装置の前記押圧部以外の部分と前記第1物品との間に位置し、前記第1物品を前記内側箱体の底面に向けて押圧する前記押圧部とを備えており、
前記押圧部は、前記一対の内フラップ及び前記一対の外フラップが閉じられているときに、その上端が前記内フラップと当接しており、
さらに前記押圧部は、前記保護部と連結されており、
前記押圧部の前記内側箱体の底面側の面には、当該面よりも摩擦係数の高い高摩擦部材が取り付けられていることを特徴とする包装装置。
【請求項2】
前記押圧部は、前記内側箱体の一部が折り曲げられることによって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装装置。
【請求項3】
前記外側箱体は、一方向に沿って長尺な直方体形状を有しており、
前記押圧部は、前記一方向と直交する幅方向において、前記内側箱体の中央に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装装置。
【請求項4】
前記押圧部は、水平部と、前記水平部に対して傾斜した2つの傾斜部とを有する三角形形状であることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の包装装置。
【請求項5】
前記押圧部は、前記内側箱体の一部が折り曲げられることによって三角筒状に構成されていることを特徴とする請求項に記載の包装装置。
【請求項6】
上方が開口し第1物品を収納可能な内側箱体と、第2物品及び前記第2物品上に配置された前記内側箱体を収納可能であり、一対の内フラップ及び一対の外フラップを有する外側箱体とを備えた包装装置の前記内側箱体であって、
前記第1物品を保護するための保護部と、前記第1物品を前記内側箱体の底面に向けて押圧するための押圧部とが形成されており、
前記保護部は、前記一対の内フラップ及び前記一対の外フラップが閉じられたときに、前記一対の外フラップの突き合わせ部分において前記一対の内フラップ間に対応する部分と前記第1物品との間に配置され、
前記押圧部が、前記一対の内フラップ及び前記一対の外フラップが閉じられたときに、前記包装装置の前記押圧部以外の部分と前記第1物品との間に位置しており、
前記押圧部は、水平部と、前記水平部に対して傾斜した2つの傾斜部とを有する三角形形状であることを特徴とする包装装置の内側箱体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1物品を収納可能な内側箱体と、当該内側箱体と第2物品とを収納可能な外側箱体とを有する包装装置及びその内側箱体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、一対の外蓋(外フラップ)の突き合わせ部分に貼着された粘着テープを刃物を用いて切断して開梱するときに、当該刃物によって内容物(第1物品)が損傷しないように、内蓋又は外蓋に形成された保護材について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-223920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の保護材は、一対の外蓋の突き合わせ部分と内容物との間に配置されるように構成されているだけであるため、輸送時の振動などで内容物が移動して、保護材と一対の外蓋の突き合わせ部分との間に入り込むことがある。この場合、刃物を用いて上述のように開梱すると、刃先が内容物に接触し、内容物が損傷する問題が生じる。
【0005】
本発明の目的は、第1物品が損傷しにくくすることが可能な包装装置及びその内側箱体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の包装装置は、上方が開口し第1物品を収納可能な内側箱体と、第2物品及び前記第2物品上に配置された前記内側箱体を収納可能であり、一対の内フラップ及び一対の外フラップを有する外側箱体とを備えた包装装置であって、前記内側箱体に形成された保護部であって、前記一対の内フラップ及び前記一対の外フラップが閉じられているときに、前記一対の外フラップの突き合わせ部分において前記一対の内フラップ間に対応する部分と前記第1物品との間に配置されて前記第1物品を保護するための前記保護部と、前記内側箱体に形成された押圧部であって、前記一対の内フラップ及び前記一対の外フラップが閉じられているときに、前記包装装置の前記押圧部以外の部分と前記第1物品との間に位置し、前記第1物品を前記内側箱体の底面に向けて押圧する前記押圧部とを備えており、前記押圧部は、前記一対の内フラップ及び前記一対の外フラップが閉じられているときに、その上端が前記内フラップと当接しており、さらに前記押圧部は、前記保護部と連結されており、前記押圧部の前記内側箱体の底面側の面には、当該面よりも摩擦係数の高い高摩擦部材が取り付けられている。
【0007】
本発明の内側箱体は、上方が開口し第1物品を収納可能な内側箱体と、第2物品及び前記第2物品上に配置された前記内側箱体を収納可能であり、一対の内フラップ及び一対の外フラップを有する外側箱体とを備えた包装装置の前記内側箱体であって、前記第1物品を保護するための保護部と、前記第1物品を前記内側箱体の底面に向けて押圧するための押圧部とが形成されており、前記保護部は、前記一対の内フラップ及び前記一対の外フラップが閉じられたときに、前記一対の外フラップの突き合わせ部分において前記一対の内フラップ間に対応する部分と前記第1物品との間に配置され、前記押圧部が、前記一対の内フラップ及び前記一対の外フラップが閉じられたときに、前記包装装置の前記押圧部以外の部分と前記第1物品との間に位置しており、前記押圧部は、水平部と、前記水平部に対して傾斜した2つの傾斜部とを有する三角形形状である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の包装装置及びその内側箱体によると、押圧部によって第1物品の移動が規制される。このため、輸送時に第1物品が一対の外フラップの突き合わせ部分において一対の内ラップ間に対応する部分と保護部との間に移動しにくくなる。この結果、一対の外フラップの突き合わせ部分に粘着テープが貼着されて封止された包装装置の開梱時に、例えば、ユーザが刃物で粘着テープを切断しても、第1物品が刃物で損傷しにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る段ボール箱の斜視図である。
図2図1に示す段ボール箱の上部の一対の外フラップ及び一対の内フラップを開いた状態を示す斜視図である。
図3図1に示すIII-III線に沿った矢視図である。
図4図3に示す一点鎖線で取り囲まれた部分の拡大図である。
図5図2に示す内箱の平面図である。
図6図2に示す内箱の斜視図である。
図7】本発明の第1変形例に係る内箱を示しており、(a)は要部斜視図であり、(b)は段ボール箱内に配置された内箱の状態を示す要部断面図である。
図8】本発明の第2変形例に係る内箱を示しており、(a)は要部斜視図であり、(b)は段ボール箱内に配置された内箱の状態を示す要部断面図である。
図9】本発明の第3変形例に係る内箱を示しており、(a)は要部斜視図であり、(b)は段ボール箱内に配置された内箱の状態を示す要部断面図である。
図10】本発明の第4変形例に係る内箱を示しており、(a)は要部斜視図であり、(b)は段ボール箱内に配置された内箱の状態を示す要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る包装装置としての段ボール箱1について説明する。本実施形態においては、図1に矢印を付して示す3つの方向が、上下方向A1、前後方向A2、及び左右方向A3であり、これら方向を用いて、段ボール箱1について説明する。なお、図1に示す3つの方向は、他の図面においても同様である。段ボール箱1は、図1及び図2に示すように、A式のみかん箱タイプのものである外箱(外側箱体)5と、外箱5内に収納された内箱(内側箱体)10(図2参照)とを有する。また、段ボール箱1内には、図2及び図3に示すように、用紙に画像を記録するための略直方体形状のプリンタ(第2物品)7と、プリンタ7と外箱5との間に配置された複数の緩衝材8と、内箱10内に配置された付属品(第1物品)9とが収容されている。本実施形態における付属品9は、ビニール袋内にプリンタ7のマニュアルやドライバソフトが記憶されたCD(コンパクトディスク)などが収容されてなるものであるが、特にこれに限定するものではない。緩衝材8は、発泡スチロールから構成されているが、特にその材質を限定するものではない。
【0011】
外箱5及び内箱10は、ともに段ボールからなるが、段ボール以外の紙から構成されていてもよい。なお、外箱5及び内箱10は紙以外の材質から構成されていてもよい。外箱5は、図1及び図2に示すように、角筒状の本体2と、本体2の上下両端に設けられた一対の外フラップ3と、本体2の上下両端に設けられた一対の内フラップ4とを有する。外箱5は、一対の外フラップ3及び一対の内フラップ4が閉じられているときに、左右方向A3に長尺な直方体形状を有する。
【0012】
本体2は、図2に示すように、上下方向A1に沿って貫通している。一対の外フラップ3は、図1及び図2に示すように、本体2の前後両端に配置されている。一対の内フラップ4は、本体2の左右両端に配置されている。図1に示すように、段ボール箱1を閉じたときに、一対の外フラップ3は先端同士が突き合わされ、一対の内フラップ4は先端同士が離隔するように、構成されている。
【0013】
内箱10は、図2及び図3に示すように、プリンタ7上において、プリンタ7の上角部上に配置された複数の緩衝材8により下方から支持され、外箱5内に収納されている。内箱10は、図5及び図6に示すように、上方に開口したトレイ状の内箱本体11と、内箱本体11の内部領域11aを右領域11a1と左領域11a2とに仕切る仕切り壁12と、付属品9を保護するための保護部13と、押圧部14とを有している。仕切り壁12は、内箱本体11の左右方向A3の中央からやや左寄りの位置において、内箱本体11の底面11cから上方に立設して設けられている。仕切り壁12は、前後方向A2において、内箱本体11の全長に亘って形成されている。仕切り壁12の底面11cからの高さは、内箱本体11の周壁11dと同じ高さとなっている。
【0014】
保護部13は、図4及び図6に示すように、平板状に形成されており、上下方向A1において、仕切り壁12の中央から右方に延在している。保護部13は、図6に示すように、仕切り壁12の一部及び内箱本体11の底部の一部を切り取って形成されている。また、保護部13は、図5に示すように、左右方向A3に長尺であって右端部に切り欠き部13aが形成された略長方形平面形状を有している。保護部13は、一対の内フラップ4が閉じられている状態において、右端部が右側の内フラップ4の下方に配置される位置まで、左側の内フラップ4の下方に配置された仕切り壁12から右方に延在している。また、保護部13の切り欠き部13aは、一対の内フラップ4が閉じられている状態において、右側の内フラップ4の下方に配置されている。このような保護部13は、図4及び図5に示すように、一対の外フラップ3及び一対の内フラップ4が閉じられているときに、一対の外フラップ3の突き合わせ部分において一対の内フラップ4間に対応する部分全体と付属品9との間に配置される。これにより、例えば、一対の外フラップ3の突き合わせ部分を覆うように粘着テープが貼着された段ボール箱1において、図4中二点鎖線で示すように、カッターナイフ(刃物)99の刃99aを一対の外フラップ3の突き合わせ部分に突き刺しつつカッターナイフ99を左方から右方に移動させて粘着テープを切断した際に、刃99aが一対の内フラップ4間に落ち込んでも保護部13により刃99aが付属品9に接触するのを防ぐことが可能となる。このため、付属品9がカッターナイフ99により損傷するのを防ぐことが可能となる。
【0015】
押圧部14は、図6に示すように、保護部13の切り欠き部13aとなる部分を切り取り、その切り取った部分を折り曲げて三角形形状に構成されてなる。つまり、押圧部14は、保護部13と一体的に形成されている。押圧部14は、図4及び図6に示すように、水平部14aと、水平部14aに対して傾斜した2つの傾斜部14b,14cとを有しており、前後方向A2に延在する三角筒状に形成されている。押圧部14は、図4及び図5に示すように、右側の内フラップ4と付属品9との間であって内箱10の前後方向A2の中央に配置されている。また、押圧部14は、図5に示すように、一対の外フラップ3を閉じたときの突き合わせ部分と上下方向A1に重なる位置に配置されている。また、押圧部14は、図4に示すように、一対の外フラップ3及び一対の内フラップ4が閉じられた状態において、上端が内フラップ4に当接可能に構成されている。より詳細には、押圧部14の上端は、一対の外フラップ3及び一対の内フラップ4を閉じることで、内フラップ4と当接し内フラップ4から下方への押圧力を得ることが可能な位置に配置されている。これにより、押圧部14は、内箱10の右領域に収容され保護部13の下方に配置された付属品9を内箱10の底面11cに向けて上方から押圧することが可能となる。
【0016】
押圧部14の水平部14aの下面14a1には、ゴム製のシート(高摩擦部材)15が取り付けられている。本実施形態におけるシート15は、ゴム製であるが、水平部14aの下面14a1よりも摩擦係数が高ければ、他の材質から構成されていてもよく、特に限定するものではない。また、シート15は、一対の外フラップ3及び一対の内フラップ4が閉じられているときに、付属品9と当接し押圧部14からの押圧力を付属品9に加える。
【0017】
以上に述べたように、本実施形態の段ボール箱1によると、押圧部14に押圧されることによって付属品(第1物品)9の移動が規制される。このため、輸送時に付属品9が一対の外フラップ3の突き合わせ部分において一対の内ラップ4間に対応する部分と保護部13との間に移動しにくくなる。この結果、一対の外フラップ3の突き合わせ部分に粘着テープが貼着されて封止された段ボール箱(包装装置)1の開梱時に、例えば、ユーザがカッターナイフ99(刃物)で粘着テープを切断しても、付属品9が刃99aで損傷しにくくなる。
【0018】
押圧部14が、内箱(内側箱体)10の一部である保護部13の一部が折り曲げられることによって構成されている。これにより、押圧部14を比較的容易に形成することができる。
【0019】
また、押圧部14は、一対の内フラップ4及び一対の外フラップ3が閉じられているときに、上端が内フラップ4と当接する。これにより、押圧部14による付属品9に対する押圧力を、押圧部14の上端と内フラップ4との当接により得ることが可能となる。
【0020】
また、押圧部14は、前後方向(幅方向)A2において、内箱10の中央に配置されている。これにより、輸送時において、押圧部14が内箱10の前後方向A2の一方端側にあるよりか付属品9の中央部を押圧することが可能となって、付属品9がより一層移動しにくくなる。
【0021】
また、押圧部14は、保護部13と一体的に連結されており、押圧部14の下面14a1(内箱10の底面11cと対向する面)には、高摩擦部材としてのシート15が取り付けられている。これにより、輸送時に付属品9がより一層移動しにくくなる。
【0022】
続いて、上述の内箱10の第1~第4変形例について、図7図10を参照しつつ以下に説明する。第1変形例における内箱(内側箱体)110は、図7に示すように、保護部113及び2つの押圧部114が上述の内箱10の保護部13及び押圧部14と異なるだけで、それ以外は上述の内箱10とほぼ同じである。このため、上述の実施形態と同様なものについては同符号で示し説明を省略する。
【0023】
保護部113は、図7に示すように、平板状に形成されており、上下方向A1において、仕切り壁12の中央から右方に延在している。保護部113は、仕切り壁12の一部及び内箱本体11の底部の一部を切り取って形成されている。また、保護部113は、左右方向A3に長尺な長方形平面形状を有している。保護部113は、一対の内フラップ4が閉じられている状態において、右端部が右側の内フラップ4の下方に配置される位置まで、仕切り壁12から右方に延在している。このような保護部113は、一対の外フラップ3及び一対の内フラップ4が閉じられているときに、一対の外フラップ3の突き合わせ部分において一対の内フラップ4間に対応する部分全体と付属品9との間に配置される。これにより、保護部13と同様に、カッターナイフ99で粘着テープを切断した際に、刃99aが一対の内フラップ4間に落ち込んでも保護部113により刃99aが付属品9に接触するのを防ぐことが可能となる。このため、付属品9がカッターナイフ99により損傷するのを防ぐことが可能となる。
【0024】
押圧部114は、前後方向A2において、保護部113の前端及び後端にそれぞれ形成されている。押圧部114は、保護部113と同様に、図7に示すように、内箱本体11の底部の一部を切り取って形成されており、保護部113と一体的に形成されている。押圧部114は、切り取った部分を折り曲げて三角形形状に構成されてなる。押圧部114は、図7に示すように、水平部114aと、水平部114aに対して傾斜する2つの傾斜部114b,114cとを有しており、左右方向A3に延在する三角筒状に形成されている。押圧部114は、図7に示すように、右側の内フラップ4と付属品9との間であって、前後方向A2において内箱110の中央を挟んだ両側に配置されている。また、2つの押圧部114は、一対の外フラップ3を閉じたときに、前方にあるものが前方の外フラップ3と上下方向A1に重なって配置され、後方にあるものが後方の外フラップ3と上下方向A1に重なって配置されている。また、各押圧部114は、上述の押圧部14と同様に、一対の外フラップ3及び一対の内フラップ4が閉じられた状態において、上端が内フラップ4に、下端が右領域11a1に収容された付属品9に当接可能に構成されている。これにより、押圧部114は、内箱110の右領域11a1に収容され保護部113の下方に配置された付属品9を内箱110の底面11cに向けて上方から押圧することが可能となる。
【0025】
このような第1変形例による内箱110においても、押圧部114を有していることで、付属品9を押圧することが可能となって、付属品9の移動が規制される。この結果、上述の実施形態と同様に、段ボール箱(包装装置)の開梱時に、例えば、ユーザがカッターナイフ99(刃物)で粘着テープを切断しても、付属品9が刃99aで損傷しにくくなる。なお、上述の実施形態と同様な構成においては、同じ効果を得ることができる。
【0026】
第2変形例における内箱(内側箱体)210は、図8に示すように、保護部213及び押圧部214が上述の内箱10の保護部13及び押圧部14と異なるだけで、それ以外は上述の内箱10とほぼ同じである。このため、上述の実施形態と同様なものについては同符号で示し説明を省略する。なお、保護部213は、上述の保護部113と同様である。
【0027】
押圧部214は、保護部213と同様に、図8に示すように、内箱本体11の底部の一部を切り取って形成されており、保護部213の右端部周りに一体的に形成されている。押圧部214は、切り取った部分を垂直になるように折り曲げて形成されている。つまり、押圧部214は、前後方向A2に平行な第1垂直部214aと、左右方向A3に平行な2つの第2垂直部214b,214cとを有している。押圧部214は、図8に示すように、右側の内フラップ4と付属品9との間であって、前後方向A2において内箱210の中央に配置されている。また、押圧部214の各垂直部214a~214cは、上述の押圧部14と同様に、一対の外フラップ3及び一対の内フラップ4が閉じられた状態において、上端が内フラップ4に、下端が右領域11a1に収容された付属品9に当接可能に構成されている。これにより、押圧部214は、内箱210の右領域11a1に収容され保護部213の下方に配置された付属品9を内箱210の底面11cに向けて上方から押圧することが可能となる。
【0028】
このような第2変形例による内箱210においても、押圧部214を有していることで、付属品9を押圧することが可能となって、付属品9の移動が規制される。この結果、上述の実施形態と同様に、段ボール箱(包装装置)の開梱時に、例えば、ユーザがカッターナイフ99(刃物)で粘着テープを切断しても、付属品9が刃99aで損傷しにくくなる。なお、上述の実施形態と同様な構成においては、同じ効果を得ることができる。
【0029】
第3変形例における内箱(内側箱体)310は、図9に示すように、保護部313及び押圧部314が上述の内箱10の保護部13及び押圧部14と異なるだけで、それ以外は上述の内箱10とほぼ同じである。このため、上述の実施形態と同様なものについては同符号で示し説明を省略する。
【0030】
保護部313は、図9に示すように、平板状に形成されており、上下方向A1において、仕切り壁12の中央から右方に延在している。保護部313は、仕切り壁12の一部及び内箱本体11の底部の一部を切り取って形成されている。また、保護部313は、左右方向A3に長尺であって中央と右端部との間に切り欠き部313aが形成された長方形平面形状を有している。保護部313は、一対の内フラップ4が閉じられている状態において、右端部が右側の内フラップ4の下方に配置される位置まで、仕切り壁12から右方に延在している。また、保護部313の切り欠き部313aは、一対の内フラップ4が閉じられている状態において、右側の内フラップ4の下方に配置されている。このような保護部313は、一対の外フラップ3及び一対の内フラップ4が閉じられているときに、一対の外フラップ3の突き合わせ部分において一対の内フラップ4間に対応する部分全体と付属品9との間に配置される。これにより、上述の保護部13と同様に、カッターナイフ99で粘着テープを切断した際に、刃99aが一対の内フラップ4間に落ち込んでも保護部313により刃99aが付属品9に接触するのを防ぐことが可能となる。このため、付属品9がカッターナイフ99により損傷するのを防ぐことが可能となる。
【0031】
押圧部314は、図9に示すように、保護部313の切り欠き部313aとなる部分を切り取り、その切り取った部分を折り曲げて三角形形状に構成されてなる。つまり、押圧部314は、保護部313と一体的に形成されている。押圧部314は、水平部314aと、水平部314aに対して傾斜する2つの傾斜部314b,314cとを有しており、前後方向A2に延在する三角筒状に形成されている。押圧部314は、内フラップ4が閉じられたときに、右側の内フラップ4と付属品9との間であって内箱310の前後方向A2の中央に配置されている。また、押圧部314は、一対の外フラップ3を閉じたときの突き合わせ部分と上下方向A1に重なる位置に配置されている。また、押圧部314は、一対の外フラップ3及び一対の内フラップ4が閉じられた状態において、上端が内フラップ4に下端が右領域11a1に収容され付属品9に当接可能に構成されている。これにより、押圧部314は、内箱310の右領域11a1に収容され保護部313の下方に配置された付属品9を内箱310の底面11cに向けて上方から押圧することが可能となる。
【0032】
このような第3変形例による内箱310においても、押圧部314を有していることで、付属品9を押圧することが可能となって、付属品9の移動が規制される。この結果、上述の実施形態と同様に、段ボール箱(包装装置)の開梱時に、例えば、ユーザがカッターナイフ99(刃物)で粘着テープを切断しても、付属品9が刃99aで損傷しにくくなる。なお、上述の実施形態と同様な構成においては、同じ効果を得ることができる。
【0033】
第4変形例における内箱(内側箱体)410は、図10に示すように、保護部413及び押圧部414が上述の内箱10の保護部13及び押圧部14と異なるだけで、それ以外は上述の内箱10とほぼ同じである。このため、上述の実施形態と同様なものについては同符号で示し説明を省略する。
【0034】
保護部413は、図10に示すように、平板状に形成されており、上下方向A1において、仕切り壁12の上端とほぼ同じ高さレベルに配置されている。保護部413は、仕切り壁12の一部及び内箱本体11の底部の一部を切り取った一部で形成されている。つまり、切り取られた部分を三角形形状に折り曲げて構成された部分の最も上方に配置された水平部分が、保護部413となっている。また、保護部413は、左右方向A3に長尺な長方形平面形状を有している。保護部413は、一対の内フラップ4が閉じられている状態において、右端部が右側の内フラップ4の下方に配置される位置まで、仕切り壁12から右方に延在している。このような保護部413は、一対の外フラップ3及び一対の内フラップ4が閉じられているときに、一対の外フラップ3の突き合わせ部分において一対の内フラップ4間に対応する部分全体と付属品9との間に配置される。これにより、上述の保護部13と同様に、カッターナイフ99で粘着テープを切断した際に、刃99aが一対の内フラップ4間に落ち込んでも保護部413により刃99aが付属品9に接触するのを防ぐことが可能となる。このため、付属品9がカッターナイフ99により損傷するのを防ぐことが可能となる。また、保護部413は、一対の外フラップ3及び一対の内フラップ4が閉じられているときに、一対の内フラップ4と当接するように、構成されている。
【0035】
押圧部414は、図10に示すように、仕切り壁12の一部及び内箱本体11の底部の一部を切り取った一部で形成されている。つまり、切り取られた部分を三角形形状に折り曲げて構成された部分の最も上方に配置された水平部分(保護部413)以外の部分で、押圧部414が構成されている。押圧部414は、水平部414aと、水平部414aに対して傾斜する2つの傾斜部414b,414cとを有しており、左右方向A3に延在する三角筒状に形成されている。つまり、押圧部414は、保護部413と一体的に形成されている。押圧部414は、保護部413と付属品9との間であって内箱410の前後方向A2の中央に配置されている。また、押圧部414は、一対の外フラップ3を閉じたときの突き合わせ部分と上下方向A1に重なる位置に配置されている。また、押圧部414は、一対の外フラップ3及び一対の内フラップ4が閉じられた状態において、保護部413を介して内フラップ4に当接可能に構成されている。また、押圧部414の下端は、右領域11a1に収容された付属品9と当接する。これにより、押圧部414は、内箱410の右領域11a1に収容された付属品9を内箱410の底面11cに向けて上方から押圧することが可能となる。
【0036】
このような第4変形例による内箱410においても、押圧部414を有していることで、付属品9を押圧することが可能となって、付属品9の移動が規制される。この結果、上述の実施形態と同様に、段ボール箱(包装装置)の開梱時に、例えば、ユーザがカッターナイフ99(刃物)で粘着テープを切断しても、付属品9が刃99aで損傷しにくくなる。また、一対の外フラップ3と一対の内フラップ4とが閉じられているときに、押圧部414が保護部413を介して内フラップ4と当接しているため、押圧部414による付属品9に対する押圧力を、押圧部414の上端(水平部414a)と保護部413との連結により得ることが可能となる。なお、上述の実施形態と同様な構成においては、同じ効果を得ることができる。
【0037】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述の実施形態及び第1~第3変形例における押圧部14,114,214,314は、一対の外フラップ3と一対の内フラップ4とが閉じているときに、上端が内フラップ4と当接しているが、外フラップ3など段ボール箱1の押圧部14,114,214,314以外の部分と当接していてもよい。また、押圧部14,114,214,314が、保護部13,113,213,313上に配置されていてもよい。また、押圧部114,214,314,414の下面に高摩擦部材が取り付けられていてもよい。なお、押圧部14の下面14aにシート15が取り付けられていなくてもよい。
【0038】
また、押圧部14,114,214,314,414は、内側箱体の一部が折り曲げられて構成されていなくてもよいし、保護部13,113,213,313,413と連結されていなくてもよい。また、押圧部14,114,214,314,414は、外箱5に形成されていてもよい。また、外箱5は、左右方向A3に長尺な直方体形状以外の方体形状であってもよい。
【0039】
また、第1物品としての付属品9や第2物品としてのプリンタ7は特に限定するものではなく、どのような物品であってもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 段ボール箱(包装装置)
3 外フラップ
4 内フラップ
5 外箱(外側箱体)
7 プリンタ(第2物品)
9 付属品(第1物品)
10 内箱(内側箱体)
13,113,213,313,413 保護部
14,114,214,314,414 押圧部
15 シート(高摩擦部材)
図1
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図10