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特許7306227ワイヤーハーネスおよびワイヤーハーネスの固定構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】ワイヤーハーネスおよびワイヤーハーネスの固定構造
(51)【国際特許分類】
   H02G 11/00 20060101AFI20230704BHJP
   H02G 3/30 20060101ALI20230704BHJP
   H02G 3/04 20060101ALI20230704BHJP
   H01B 7/00 20060101ALI20230704BHJP
   H01B 7/40 20060101ALI20230704BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20230704BHJP
【FI】
H02G11/00
H02G3/30
H02G3/04 006
H01B7/00 301
H01B7/40 307Z
B60R16/02 620A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019201351
(22)【出願日】2019-11-06
(65)【公開番号】P2021077474
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大野 真実
(72)【発明者】
【氏名】山本 悟司
(72)【発明者】
【氏名】林 佳歩
【審査官】木村 励
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-36667(JP,A)
【文献】特開2010-18106(JP,A)
【文献】特開2012-51494(JP,A)
【文献】特開2012-155990(JP,A)
【文献】特開2010-27242(JP,A)
【文献】特開2002-264710(JP,A)
【文献】特開2015-215077(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 11/00
H02G 3/30
H02G 3/04
H01B 7/00
H01B 7/40
B60R 16/02
B60N 2/90
B60N 2/02
F16B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両座席の下部に配されたフレームに取付けられるワイヤーハーネスであって、
前記フレームに取付けられるシート部材と、
前記シート部材に固定される電線と、を備え
前記シート部材は、平面視において前記フレームの外周縁の内側に収まるように配され、前記フレームに取付けられるワイヤーハーネス。
【請求項2】
前記フレームは、
前記車両座席が載置され、前記車両座席をスライドさせる一対のスライド部と、
前記一対のスライド部を連結する骨格フレームと、を備え、
前記シート部材は、前記骨格フレームに取付けられる請求項1に記載のワイヤーハーネス。
【請求項3】
前記骨格フレームは、平面状をなす平面部を備え、
前記シート部材は、前記平面部に取付けられる請求項2に記載のワイヤーハーネス。
【請求項4】
前記シート部材には、第1固定孔が設けられており、
前記骨格フレームのうち、前記平面部における前記第1固定孔と対応する位置には、第2固定孔が設けられており、
前記第1固定孔および前記第2固定孔には、前記シート部材を前記骨格フレームに固定するクリップ部材が差し込まれる請求項3に記載のワイヤーハーネス。
【請求項5】
前記電線は、
前記シート部材に固定される固定部分と、前記シート部材から離間し、端末がコネクタに接続される離間部分と、を備え、
前記離間部分には、前記離間部分を保護する外装部材が取り付けられている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のワイヤーハーネス。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のワイヤーハーネスと、
車両座席の下部に配されたフレームと、を備えるワイヤーハーネスの固定構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワイヤーハーネスおよびワイヤーハーネスの固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来における車両座席の下部に配索されるワイヤーハーネスは、例えば、下記特許文献1に示されるように、コルゲートチューブで覆われた電線を座席の下部に設けられた配索スペースに配策する構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-36667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年の車両座席の高機能化に伴い、車両座席の下部に配される機器が増加し、ワイヤーハーネスの配索スペースが減少している。また、このような機器の増加に伴い、電線の本数も増加し、ワイヤーハーネスの配索工程が複雑化している。
本明細書に開示された技術は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、省スペースで配索することが可能なワイヤーハーネスおよびワイヤーハーネスの固定構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のワイヤーハーネスは、車両座席の下部に配されたフレームに取付けられるワイヤーハーネスであって、前記フレームに取付けられるシート部材と、前記シート部材に固定される電線と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、省スペースでワイヤーハーネスを配索できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、車両座席の前方斜視図である。
図2図2は、車両座席の骨格部品の一部を取り外した状態における、車両座席の前方斜視図である。
図3図3は、ワイヤーハーネスが固定された状態における骨格フレームの前方斜視図である。
図4図4は、ワイヤーハーネスが固定された状態における骨格フレームの平面図である。
図5図5は、底面から見た、ワイヤーハーネスが固定された状態における骨格フレームの後方斜視図である。
図6図6は、ワイヤーハーネスの前方斜視図である。
図7図7は、骨格フレームの前方斜視図である。
図8図8は、クリップ部材によってシート部材を骨格フレームに固定する構造を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様が列挙されて説明される。本開示のワイヤーハーネスは、
(1)車両座席の下部に配されたフレームに取付けられるワイヤーハーネスであって、前記フレームに取付けられるシート部材と、前記シート部材に固定される電線と、を備える。
【0009】
車両座席の下部に配されたフレームに、電線が固定されたシート部材を取り付けることで、従来のように、例えば、電線が挿通されたコルゲートチューブをシートの下部に配索する構成と比較して、配索スペースを削減できる。これにより、省スペースでワイヤーハーネスを配策できる。また、シート下部に設けられた機器類を回避しながらワイヤーハーネスを配索する必要がないため、ワイヤーハーネスの配索工程を簡易化できる。
【0010】
(2)前記フレームは、前記車両座席が載置され、前記車両座席をスライドさせる一対のスライド部と、前記一対のスライド部を連結する骨格フレームと、を備え、前記シート部材は、前記骨格フレームに取付けられることが好ましい。
【0011】
骨格フレームには、車両座席をスライドさせるスライドモータが取り付けられる場合がある。このような骨格フレームに電線が固定されたシート部材を取り付けることで、例えば、スライド部の側面等にシート部材を固定する場合と比較して、シート部材の面積を大きく取ることができるため、より多くの電線をシート部材に固定できる。
【0012】
(3)前記骨格フレームは、平面状をなす平面部を備え、前記シート部材は、前記平面部に取付けられることが好ましい。
【0013】
骨格フレームにシート部材が取付けられる平面部を設けることで、容易にシート部材を骨格フレームに取り付けることができ、ワイヤーハーネスの配索工程をさらに簡易化できる。
【0014】
(4)前記シート部材には、第1固定孔が設けられており、前記骨格フレームのうち、前記平面部における前記第1固定孔と対応する位置には、第2固定孔が設けられており、前記第1固定孔および前記第2固定孔には、前記シート部材を前記骨格フレームに固定するクリップ部材が差し込まれることが好ましい。
【0015】
クリップ部材によってシート部材を骨格フレームにおける平面部に固定することによって、シート部材が平面部から外れることを確実に抑制できる。
【0016】
(5)前記電線は、前記シート部材に固定される固定部分と、前記シート部材から離間し、端末がコネクタに接続される離間部分と、を備え、前記離間部分には、前記離間部分を保護する外装部材が取り付けられている。
【0017】
離間部分を設けることにより、シート部材から離間した位置に配された機器と電線とを接続できる。また、離間部分に外装部材を取り付けることで、離間部分の周囲に接触するおそれのある機器等が設けられている場合に、離間部分を保護できる。
【0018】
(7)上記(1)から(5)のいずれか一つに記載のワイヤーハーネスと、車両座席の下部に配されたフレームと、を備えるワイヤーハーネスの固定構造としても良い。
【0019】
[本開示の実施形態の詳細]
以下に、本開示の実施形態が説明される。本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0020】
<実施形態>
本開示のワイヤーハーネス10は、図1から図8を参照して説明される。ワイヤーハーネス10は、車両座席12に関連する機器等(例えば、スライドモータ38、ならびに図示しないシートヒータ、ブロア、シートメモリECU、リクライニングモータ、および操作用スイッチ等)に接続されるものである。以降の説明では、図1におけるX方向は左右方向における右方として説明され、Y方向は前後方向における前方として説明され、Z方向は上下方向における上方として説明される。
【0021】
[ワイヤーハーネス10]
図1図2に示されるように、ワイヤーハーネス10は、複数の電線14と、複数のコネクタ16と、車両座席12の下部に配されたフレーム18に固定されるワイヤーハーネスの固定構造20と、を備えて構成されている。なお、本開示においては、車両座席12は、クッション部分の図示は省略されており、骨格部分のみ図示されている。
【0022】
[フレーム18、レール部22、スライド部24、骨格フレーム26]
図1図2に示されるように、フレーム18は、金属部材により構成されており、一対のレール部22と、一対のスライド部24と、骨格フレーム26と、を備えて構成されている。
【0023】
図1図2に示されるように、一対のレール部22は、前後方向に延びて形成されており、左右方向に間隔をあけて配されている。一対のレール部22には、一対のスライド部24が取り付けられている。スライド部24は、前後方向に長い方形筒状をなしており、レール部22上を前後方向にスライドすることが可能となっている。スライド部24の上面には、車両座席12が固定されている。これにより、車両座席12は前後方向にスライドできる。
【0024】
図2に示されるように、骨格フレーム26は、左右方向に延びて形成されており、一対のスライド部24を連結している。図3から図5、および図7に示されるように、骨格フレーム26は、第1平面部30(平面部の一例)と、第2平面部32(平面部の一例)と、モータ収容部34と、を備えて構成されている。
【0025】
[第1平面部30、第2平面部32]
図3に示されるように、第1平面部30は左右方向に長い平面板状をなしており、図2に示されるように、第1平面部30における左右の両端部は、左右のスライド部24に固定されている。これにより、骨格フレーム26は、車両座席12のスライドに合わせて前後方向に変位するようになっている。
【0026】
図3に示されるように、第2平面部32は、第1平面部30と平行な平面板状をなしており、下方に傾斜する傾斜面部36を介して、第1平面部30と連なっている。モータ収容部34は、第1平面部30から下方に凹んだ形状をなしている。モータ収容部34には、車両座席12をスライドさせるスライドモータ38が収容されている。
【0027】
図5図7に示されるように、骨格フレーム26における第1平面部30および第2平面部32には、後述するシート部材40を骨格フレーム26に固定するための複数の第2固定孔42が開口して設けられている。
【0028】
[ワイヤーハーネスの固定構造20、シート部材40]
図3に示されるように、ワイヤーハーネスの固定構造20は、シート部材40を備えて構成されている。シート部材40は、不織布により構成されている。複数の電線14の一部は、シート部材40の表面側に超音波溶着され、シート部材40に固定されている。
【0029】
図3に示されるように、シート部材40は、第1平面部30、第2平面部32、および傾斜面部36に亘って、骨格フレーム26上に貼り付け固定されている。ここで、シート部材40は骨格フレーム26に両面テープによって取り付けられている。
【0030】
図3図6に示されるように、シート部材40には、複数の第1固定孔44が開口して設けられている。シート部材40における各第1固定孔44は、シート部材40が骨格フレーム26に取り付けられた状態において、骨格フレーム26における各第2固定孔42と対応する位置に設けられている。
【0031】
[クリップ部材46]
図8に示されるように、骨格フレーム26側の第2固定孔42、および、シート部材40側の第1固定孔44には、クリップ部材46が上方から差し込まれている。これにより、シート部材40を骨格フレーム26に確実に固定できる。なお、図8においては、1つの第1固定孔44および第2固定孔42にクリップ部材46が差し込まれている状態が図示されているが、他の第1固定孔44および第2固定孔42についても、同様にクリップ部材46が差し込まれている。
【0032】
[コネクタ16、フレーム上コネクタ16A、離間コネクタ16B]
図3に示されるように、複数のコネクタ16は、骨格フレーム26上に面して配されるフレーム上コネクタ16Aと、骨格フレーム26から離間した位置に配される離間コネクタ16Bと、を備えて構成されている。フレーム上コネクタ16Aおよび離間コネクタ16Bの内部には図示しない端子が収容されており、各電線14の端末は、各コネクタ16に収容されている端子に接続されている。
【0033】
図3に示されるように、フレーム上コネクタ16Aは、骨格フレーム26における第1平面部30上に3つ配されており、第2平面部32上に2つ配されている。
【0034】
フレーム上コネクタ16Aのうち、第2平面部32上に配されている第1フレーム上コネクタ16A1および第2フレーム上コネクタ16A2には、車体側ハーネスのWtoW(Wire to Wire)コネクタ(図示せず)が接続される。また、フレーム上コネクタ16Aのうち、第1平面部30上の前端部に配されている第3フレーム上コネクタ16A3には、車体側ハーネスのWtoW(Wire to Wire)コネクタが接続される。
【0035】
図3に示されるように、フレーム上コネクタ16Aのうち、第1平面部30上の後端部に配されているフレーム上コネクタ16A4には、車両座席12の後部に配索されるワイヤーハーネス(シートバック側ハーネス)のWtoWコネクタ(図示せず)が接続される。また、第1平面部30上の前端部に配されている第5フレーム上コネクタ16A5には、車両座席12の操作用スイッチのコネクタ(図示せず)が接続される。
【0036】
図3に示されるように、複数の離間コネクタ16Bは、後述する電線14の離間部分14Bを介して、骨格フレーム26から離れた位置に配されている機器類に接続される。
【0037】
離間コネクタ16Bのうち、骨格フレーム26の前方に位置する左右一対の第1離間コネクタ16B1は、図示しないシートメモリECU(Electronic Control Unit)に接続される。
【0038】
離間コネクタ16Bのうち、骨格フレーム26の後方に位置する第2離間コネクタ16B2は、シートヒータ等を制御するユニット(図示せず)に接続される。
【0039】
離間コネクタ16Bのうち、骨格フレーム26の上方に位置する第3離間コネクタ16B3は、スライドモータ38に接続される。なお、図3においては、第3離間コネクタ16B3はスライドモータ38に未接続の状態となっている。
【0040】
[電線14、固定部分14A、離間部分14B]
図3図6に示されるように、複数の電線14は、シート部材40に融着固定される固定部分14Aと、シート部材40から離間し、離間コネクタ16Bに接続される離間部分14Bと、を有している。
【0041】
図3図6に示されるように、固定部分14Aは、各コネクタ16に接続される電線束ごとに、シート部材40上に並べて固定されている。離間部分14Bは、一対の第1離間部分14B1と、第2離間部分14B2と、第3離間部分14B3と、を備えて構成されている。
【0042】
一対の第1離間部分14B1は、骨格フレーム26における第1平面部30の前端縁から一対の第1離間コネクタ16B1に向けて延びており、その端末は、一対の第1離間コネクタ16B1に収容されている端子(図示せず)に接続されている。
【0043】
第2離間部分14B2は、骨格フレーム26における第1平面部30の後端縁から第2離間コネクタ16B2向けて延びており、その端末は、第2離間コネクタ16B2に収容されている端子(図示せず)に接続されている。
【0044】
第3離間部分14B3は、骨格フレーム26における第1平面部30の後端縁から上方に延びており、その端末は、第3離間コネクタ16B3に収容されている端子(図示せず)に接続されている。
【0045】
図3図6に示されるように、各離間部分14B(第1離間部分14B1、第2離間部分14B2、および第3離間部分14B3)には、外装部材48がそれぞれ取り付けられている。外装部材48は、シート部材40と同様、不織布により構成されており、各離間部分14Bに巻き付け固定されている。
【0046】
骨格フレーム26には、電線14が融着されたシート部材40が取り付けられた状態(図3に示す状態)において、電線14を覆うように、上方からさらにシート部材(図示せず)が貼り付けられる。これにより、各平面部30、32に融着された電線14を外部から視認できなくするとともに、電線14を保護できる。
【0047】
[実施形態の作用効果]
本実施形態のワイヤーハーネス10は、車両座席12の下部に配されたフレーム18に取付けられるワイヤーハーネス10であって、フレーム18に取付けられるシート部材40と、シート部材40に固定される電線14と、を備える。
【0048】
本実施形態によれば、車両座席12の下部に配されたフレーム18に、電線14が固定されたシート部材40を取り付けることで、従来のように、例えば、電線が挿通されたコルゲートチューブをシートの下部に配索する構成と比較して、配索スペースを削減できる。これにより、省スペースでワイヤーハーネス10を配策できる。また、シート下部に設けられた機器類を回避しながらワイヤーハーネス10を配索する必要がないため、ワイヤーハーネス10の配索工程を簡易化できる。
【0049】
また、フレーム18は、車両座席12が載置され、車両座席12をスライドさせる一対のスライド部24と、一対のスライド部24を連結する骨格フレーム26と、を備え、シート部材40は、骨格フレーム26に取付けられる構成となっている。
【0050】
骨格フレーム26には、車両座席12をスライドさせるスライドモータ38が取り付けられる場合がある。このような骨格フレーム26に電線14が固定されたシート部材40を取り付けることで、例えば、スライド部の側面等にシート部材を固定する場合と比較して、シート部材40の面積を大きく取ることができるため、より多くの電線14をシート部材40に固定できる。また、車両座席12をスライドさせるためには大電流が必要なので、より多くの電線14がシート部材40に固定できる本実施形態は、特に有効である。
【0051】
また、骨格フレーム26は、平面状をなす平面部30、32を備え、シート部材40は、平面部30、32に取付けられる構成となっている。
【0052】
骨格フレーム26にシート部材40が取付けられる平面部30、32を設けることで、平面部30、32にシート部材40を敷いて広げるという作業により、容易にシート部材40を骨格フレーム26に取り付けることができ、ワイヤーハーネス10の配索工程をさらに簡易化できる。
【0053】
また、シート部材40には、第1固定孔44が設けられており、骨格フレーム26のうち、平面部30、32における第1固定孔44と対応する位置には、第2固定孔42が設けられており、第1固定孔44および第2固定孔42には、シート部材40を骨格フレーム26に固定するクリップ部材46が差し込まれる構成となっている。
【0054】
クリップ部材46によってシート部材40を骨格フレーム26における平面部30、32に固定することによって、シート部材40が平面部30,32から外れることを確実に抑制できる。
【0055】
また、電線14は、シート部材40に固定される固定部分14Aと、シート部材40から離間し、端末がコネクタに接続される離間部分14Bと、を備え、離間部分14Bには、離間部分14Bを保護する外装部材48が取り付けられている構成となっている。
【0056】
離間部分14Bを設けることにより、シート部材40から離間した位置に配された機器類と電線14とを接続できる。また、離間部分14Bに外装部材48を取り付けることで、離間部分14Bの周囲に接触するおそれのある機器等が設けられている場合に、離間部分14Bを保護できる。
【0057】
また、ワイヤーハーネスの固定構造20は、ワイヤーハーネス10と、車両座席12の下部に配されたフレーム18と、を備える。
【0058】
<他の実施形態>
本開示は上記記述および図面によって説明された実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書に開示された技術の技術的範囲に含まれる。
【0059】
(1)上記実施形態においては、シート部材40は不織布である構成としたがこれに限られることはない。例えば、シート部材は織布であってもよく、また、合成樹脂がシート状に加工されたものであっても良い。
【0060】
(2)上記実施形態においては、クリップ部材46を第1固定孔44および第2固定孔42に差し込むことによって、シート部材40を骨格フレーム26に固定する構成としたが、これに限られることはない。例えば、クリップ部材は、ばねクリップである構成とし、ばねクリップがシート部材および骨格フレームを挟むことにより、シート部材を骨格フレームに固定する構成としても良い。
【0061】
(3)上記実施形態においては、離間部分14Bの外装部材48は、シート部材40と同様、不織布である構成としたが、これに限られることはなく、コルゲートチューブ等、他の種類の外装部材である構成としてもよい。また、離間部分の経路の周囲に接触するおそれのあるものがなければ、離間部分に外装部材を設定しない構成としても良い。
【0062】
(4)上記実施形態においては、電線14はシート部材40に超音波溶着により固定される構成としたが、これに限られることはない。例えば、電線はシート部材に接着剤により固定される構成としても良い。
【符号の説明】
【0063】
10: ワイヤーハーネス
12: 車両座席
14: 電線
14A: 固定部分
14B: 離間部分
14B1: 第1離間部分
14B2: 第2離間部分
14B3: 第3離間部分
16: コネクタ
16A: フレーム上コネクタ
16A1: 第1フレーム上コネクタ
16A2: 第2フレーム上コネクタ
16A3: 第3フレーム上コネクタ
16A4: 第4フレーム上コネクタ
16A5: 第5フレーム上コネクタ
16B: 離間コネクタ
16B1: 第1離間コネクタ
16B2: 第2離間コネクタ
16B3: 第3離間コネクタ
18: フレーム
20: ワイヤーハーネスの固定構造
22: レール部
24: スライド部
26: 骨格フレーム
30: 第1平面部(平面部)
32: 第2平面部(平面部)
34: モータ収容部
36: 傾斜面部
38: スライドモータ
40: シート部材
42: 第2固定孔
44: 第1固定孔
46: クリップ部材
48: 外装部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8