(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】エアバッグの折畳完了体とその折畳方法
(51)【国際特許分類】
B60R 21/237 20060101AFI20230704BHJP
B60R 21/206 20110101ALI20230704BHJP
【FI】
B60R21/237
B60R21/206
(21)【出願番号】P 2020163771
(22)【出願日】2020-09-29
【審査請求日】2022-08-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076473
【氏名又は名称】飯田 昭夫
(72)【発明者】
【氏名】大野 稔
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-62446(JP,A)
【文献】特開2005-247001(JP,A)
【文献】特開2009-262917(JP,A)
【文献】特開2013-203258(JP,A)
【文献】特開2005-271703(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアバッグが、
着座した乗員の膝の前下側の収納部位に折り畳まれて収納され、膨張用ガスの流入時、前記収納部位におけるエアバッグカバーの扉部を押し開いて、斜め上方向の後方側へ突出して、膨張を完了させる膝保護用として構成され、
膨張完了時の外周壁として、相互に略同等の外形形状とした膝側の受止側壁部と車体側の車体側壁部と、を備えて構成されるとともに、
前記受止側壁部と前記車体側壁部とを重ねて平らに展開した状態から、上縁側を下縁側に接近させるように折り畳んだ折畳部位を形成し、該折畳部位の中央部から左右両側に延びる端部側を、それぞれ、山折りと谷折りとの前後方向に沿う折目を付けて、前記中央部の下方側に、折り重ねられた複数の折畳部、を配設させてなるエアバッグの折畳完了体であって、
前記中央部の下方側に配置される複数の前記折畳部が、
左右方向から見て、
前端側を、上下方向に略沿わせ、
前後方向の幅寸法を、前記折畳部位の前記中央部より、小さくしていることを特徴とするエアバッグの折畳完了体。
【請求項2】
前記中央部の下方側に配置される複数の前記折畳部が、
前記中央部から下方の前記折畳部に向かって、順に、前後方向の幅寸法を小さくしていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグの折畳完了体。
【請求項3】
エアバッグが、
着座した乗員の膝の前下側の収納部位に折り畳まれて収納され、膨張用ガスの流入時、前記収納部位におけるエアバッグカバーの扉部を押し開いて、斜め上方向の後方側へ突出して、膨張を完了させる膝保護用として構成され、
膨張完了時の外周壁として、相互に略同等の外形形状とした膝側の受止側壁部と車体側の車体側壁部と、を備えて構成されるとともに、
前記受止側壁部と前記車体側壁部とを重ねて平らに展開した状態から、上縁側を下縁側に接近させるように折り畳んで折畳部位を形成し、該折畳部位の中央部から左右両側に延びる端部側を、それぞれ、山折りと谷折りとの前後方向に沿う折目を付けて折り重ねた複数の折畳部を、前記中央部の下方側に順に重ねて形成されるエアバッグの折畳完了体の折畳方法であって、
前記受止側壁部と前記車体側壁部とを重ねて平らに展開した状態から、上縁側を下縁側に接近させるように折り畳んで、前記折畳部位を形成した後、
該折畳部位における左右方向の端縁側の上縁を、それぞれ、中央部側より左右方向の端縁側の折り幅を広くするように、斜め方向の折目を付けて、下縁側に折り、
ついで、前記折畳部位の前記中央部から左右両側に延びる端部側を、それぞれ、山折りと谷折りとの前後方向に沿う折目を付けて、前記中央部の下方側に前記折畳部を配置させるように折り畳むことを特徴とするエアバッグの折畳完了体の折畳方法。
【請求項4】
前記中央部から左右両側に延びる端部側を、それぞれ、山折りした際の左右方向の幅寸法が、前記折畳完了体を収納する前記収納部位の左右方向の幅寸法と同等とするとともに、
前記折畳部位における左右の端縁側を、それぞれ、左右方向の端縁側の折り幅を中央側より広くするように、斜め方向の折目を付けて下縁側に折る際における前記斜め方向の折目の起点位置が、前記山折りの折目付近としていることを特徴とする請求項3に記載のエアバッグの折畳完了体の折畳方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両における運転席や助手席の前方の下方側に搭載されて、乗員の膝を保護する膝保護用エアバッグ装置、に使用されるエアバッグの折畳完了体とその折畳方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、膝保護用のエアバッグ装置では、エアバッグ、ケース、インフレーター、及び、エアバッグカバー、を備えて構成されていた(例えば、特許文献1,2参照)。エアバッグは、着座した乗員の膝の前下側の収納部位に、折り畳まれた折畳完了体として収納され、膨張用ガスを流入させて膨張する際、収納部位のエアバッグカバーの扉部を押し開いて、収納部位から斜め上方向の後方へ突出して、膨張を完了させていた。ケースは、エアバッグカバーとともに、折り畳まれたエアバッグの収納部位を構成するもので、前端側に配置される底壁部と、底壁部の外周縁から後方に延びる略四角筒形状の側壁部と、を有し、後端側に、膨張するエアバッグの突出用開口を配設させていた。インフレーターは、エアバッグに膨張用ガスを供給可能に、エアバッグ内に収納されるとともに、ケース内の底壁部側に、エアバッグとともに取り付けられる取付ボルト、を備えて構成されていた。エアバッグカバーは、膨張時のエアバッグに押されて開く扉部を配設させて、ケースの突出用開口の後方側を覆い、上端側より下端側を前方側に配置させて搭載される扉配設壁部、を有して構成されていた。さらに、エアバッグは、膨張完了時の外周壁として、下縁側より上縁側の左右方向の幅寸法を広くして、相互に略同等の外形形状として構成される膝側の受止側壁部と車体側の車体側壁部と、を備えて構成されていた。エアバッグの折り畳みは、受止側壁部と車体側壁部とを重ねて平らに展開した状態から、上縁側を下縁側に接近させるように折り畳んだ後、中央部から左右両側に延びる端部側を、それぞれ、中央側に折り重ねた折畳完了体として、ケースに収納したり(特許文献1参照)、あるいは、中央部から左右両側に延びる端部側を、それぞれ、山折りと谷折りとの前後方向に沿う折目を付けて折った二つの折畳部を、中央部の下方側に順に折り重ねる折畳完了体として(特許文献2参照)、ケースに収納する場合があった。なお、エアバッグカバーの扉配設壁部が、上端側より下端側を前方側に配置させるように傾斜させて搭載される理由は、車室内の乗員の膝下前のフロアに、足先等が自由に動かせるスペースを確保するためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-56980号公報
【文献】特開2003-170801号公報(
図18のC参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の特許文献1に記載の膝保護用エアバッグ装置に、特許文献2の折畳完了体を収納させようとすると、折畳完了体の中央部の下方に、二つの折畳部が重なり、すなわち、折畳部位の中央部を合わせると、三つの折畳部が、前後方向の幅寸法を同等として、上下方向に重なってしまい、上端側より下端側を前方側に配置させるように傾斜して配設されるエアバッグカバーにおける扉配設壁部の上端側の前方側には、大きな隙間が空いて、収納スペースに無駄が生じてしまう。逆に、無駄が生じないように、エアバッグカバーの扉配設壁部の上端側の前方側に、三つの折畳部の上端側を接近させれば、その下方の二つの折畳部、特に、下端側の折畳部が、扉配設壁部の下端側を後方に押し出してしまい、エアバッグカバーを変形させてしまう。
【0005】
本発明に係るエアバッグの折畳完了体とその折畳方法は、上記の課題を解決するものであり、傾斜するエアバッグカバーの前方に、効率的かつ円滑に収納できるエアバッグの折畳完了体とその折畳方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るエアバッグの折畳完了体は、エアバッグが、
着座した乗員の膝の前下側の収納部位に折り畳まれて収納され、膨張用ガスの流入時、前記収納部位におけるエアバッグカバーの扉部を押し開いて、斜め上方向の後方側へ突出して、膨張を完了させる膝保護用として構成され、
膨張完了時の外周壁として、相互に略同等の外形形状とした膝側の受止側壁部と車体側の車体側壁部と、を備えて構成されるとともに、
前記受止側壁部と前記車体側壁部とを重ねて平らに展開した状態から、上縁側を下縁側に接近させるように折り畳んだ折畳部位を形成し、該折畳部位の中央部から左右両側に延びる端部側を、それぞれ、山折りと谷折りとの前後方向に沿う折目を付けて、前記中央部の下方側に、折り重ねられた複数の折畳部、を配設させてなるエアバッグの折畳完了体であって、
前記中央部の下方側に配置される複数の前記折畳部が、
左右方向から見て、
前端側を、上下方向に略沿わせ、
前後方向の幅寸法を、前記折畳部位の前記中央部より、小さくしていることを特徴とする。
【0007】
本発明に係るエアバッグの折畳完了体では、折畳部位の中央部の下方で、上下に重なる複数の折畳部が、前後方向の幅寸法を、折畳部位の中央部より、小さくしていることから、折畳部の後端を、その上方の折畳部位の中央部より、前方側にずれて配置させることができて、エアバッグカバーの下端側を前方に配置させるように傾斜して配設される扉配設壁部の前面側に、上下に重なる複数の折畳部を、干渉させずに、配設させることができる。勿論、上下に重なる複数の折畳部は、前端側を上下方向に略沿わせるように配置されることから、その前方側に、エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーター等のエアバッグ装置の構成部品を、省スペースで効率的に配置させることができる。
【0008】
したがって、本発明に係るエアバッグの折畳完了体では、傾斜するエアバッグカバーの前方に、効率的かつ円滑に収納できて、乗員の足下のスペースを十分に確保できる。
【0009】
そして、前記中央部の下方側に配置される複数の前記折畳部が、
前記中央部から下方の前記折畳部に向かって、順に、前後方向の幅寸法を小さくしていること望ましい。
【0010】
このような構成では、複数の折畳部の後端を、下方に向かって、順に、前方側にずらして配置させることができて、折畳完了体の搭載時、エアバッグカバーの下端側を前方に配置させるように傾斜して配設される扉配設壁部の前面側に、複数の折畳部の後端を、略均等に接近させて、配置させることができ、無駄なスペースを生じさせないことから、エアバッグの複数の折畳部を、一層、効率的、かつ、円滑に、配設することができる。
【0011】
また、本発明に係るエアバッグの折畳完了体の折畳方法では、エアバッグが、
着座した乗員の膝の前下側の収納部位に折り畳まれて収納され、膨張用ガスの流入時、前記収納部位におけるエアバッグカバーの扉部を押し開いて、斜め上方向の後方側へ突出して、膨張を完了させる膝保護用として構成され、
膨張完了時の外周壁として、相互に略同等の外形形状とした膝側の受止側壁部と車体側の車体側壁部と、を備えて構成されるとともに、
前記受止側壁部と前記車体側壁部とを重ねて平らに展開した状態から、上縁側を下縁側に接近させるように折り畳んで折畳部位を形成し、該折畳部位の中央部から左右両側に延びる端部側を、それぞれ、山折りと谷折りとの前後方向に沿う折目を付けて折り重ねた複数の折畳部を、前記中央部の下方側に順に重ねて形成されるエアバッグの折畳完了体の折畳方法であって、
前記受止側壁部と前記車体側壁部とを重ねて平らに展開した状態から、上縁側を下縁側に接近させるように折り畳んで、前記折畳部位を形成した後、
該折畳部位における左右方向の端縁側の上縁を、それぞれ、中央部側より左右方向の端縁側の折り幅を広くするように、斜め方向の折目を付けて、下縁側に折り、
ついで、前記折畳部位の前記中央部から左右両側に延びる端部側を、それぞれ、山折りと谷折りとの前後方向に沿う折目を付けて、前記中央部の下方側に前記折畳部を配置させるように折り畳むことを特徴とする。
【0012】
本発明に係る折畳方法では、受止側壁部と車体側壁部とを重ねて平らに展開した状態から、上縁側を下縁側に接近させるように折り畳んだ折畳部位を形成する第1折工程の後において、中央部から左右方向の端部側を、山折りと谷折りの前後方向に沿う折目を付けて、中央部の下方側に順に折畳部を折り重ねる第3折工程の前に、第1折工程で形成した折畳部位の左右方向の端縁側の上縁を、それぞれ、中央部側より左右方向の端縁側の折り幅を広くするように、斜め方向の折目を付けて、下縁側に折る第2折工程を設けている。すなわち、第2折工程後では、第1折工程の折畳部位における中央部から左右方向の端部側に延びる上縁自体が、左右方向の端縁側に向かうにつれて下縁側に接近することとなって、第1折工程後の中央部から左右方向の端部側に向かう折畳部位自体が、前後方向の幅寸法を、端縁側に向かうにつれて、上縁側を下縁側に順に接近させるようにして、小さくさせる。そのため、その後の第3折工程で、中央部から左右方向の端部側を、それぞれ、山折りと谷折りとの前後方向に沿う折目を付けて、中央部の下方側に順に重ねるように折り畳む際、中央部から下方に向かう折畳部自体が、順に、上縁側(搭載時には後端側となる)を、下縁側(前端側)に接近させる状態で、折り重なり、また、下縁側(搭載時に前端側)を、上下方向に沿う状態に折り重ねることとなる。
【0013】
したがって、本発明に係るエアバッグの折畳完了体の折畳方法では、折畳完了体が、複数の折畳部の前後方向の幅寸法を下方に向かって順に小さくしていても、すなわち、複数の折畳部を、後端側を順に前方にずらしつつ、上下方向に折り重ねる形状であっても、斜め方向の折目を付けるように折る第2折工程を加えるだけで、簡単に、形成することができる。
【0014】
そして、この折畳方法では、前記中央部から左右両側に延びる端部側を、それぞれ、山折りした際の左右方向の幅寸法が、前記折畳完了体を収納する前記収納部位の左右方向の幅寸法と同等とするとともに、
前記折畳部位における左右の端縁側を、それぞれ、左右方向の端縁側の折り幅を中央側より広くするように、斜め方向の折目を付けて下縁側に折る際における前記斜め方向の折目の起点位置が、前記山折りの折目付近としていることが望ましい。
【0015】
このような折畳方法では、折り畳んだ折畳完了体が、その左右方向の幅寸法を、収納部位の左右方向の幅寸法と同等とすることから、収納部位への収納を簡便に行うことができる。また、斜め方向の折目の起点位置が、山折りの折目付近としていることから、折畳部位の中央部の下方の折畳部の後端側を、中央部の後端側に接近させた状態で、順に、前方側にずらして配置させることができて、一層、エアバッグカバーの扉配設壁部の前面側に、折畳完了体を接近させて配置させることができて、扉配設壁部の前面側の収納スペースを有効利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係る一実施形態のエアバッグの折畳完了体が使用される膝保護用エアバッグ装置の車両搭載状態を示す概略縦断面図である。
【
図2】同実施形態のエアバッグの折畳完了体が使用されるエアバッグ装置の拡大概略縦断面図であり、
図3や
図5のDのII-II部位付近に対応する。
【
図3】同実施形態のエアバッグの折畳完了体が使用されるエアバッグ装置の概略横断面図である。
【
図4】同実施形態のエアバッグの折畳工程を順に説明する図である。
【
図5】同実施形態のエアバッグの折畳工程を順に説明する図であり、
図4の後の工程を示す。
【
図6】比較例の折畳完了体が使用される膝保護用エアバッグ装置の概略縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を説明すると、実施形態のエアバッグ40の折畳完了体63を使用した膝保護用エアバッグ装置10は、
図1に示すように、運転席の前方のステアリングコラム1の下方に搭載されている。なお、ステアリングコラム1は、乗員としての運転者Mが操舵するステアリングホイール4を組み付けた図示しないステアリングシャフトと、ステアリングシャフトを覆うコラムチューブ2とを備えて構成されて、後部側では、コラムカバー3に覆われている。コラムカバー3は、インストルメントパネル(以下、適宜、インパネと略す)5から後方へ突出されており、膝保護用エアバッグ装置10は、コラムカバー3の下方のインパネ5のロア部6の部位に、搭載されている。
【0018】
膝保護用エアバッグ装置10は、
図1~3に示すように、ケース13、エアバッグカバー20、インフレーター30、及び、エアバッグ40、を備えて構成されている。
【0019】
ケース13は、エアバッグカバー20とともに、折り畳まれたエアバッグ40(折畳完了体63)の収納部位11を構成するものであり、板金製として、前端側に配置される略長方形板状の底壁部14と、底壁部14の外周縁から後方に延びる略四角筒形状の側壁部15と、を備えて構成され、後端側には、膨張するエアバッグ40の突出用開口18を配設させている。底壁部14には、インフレーター30から延びる取付ボルト33を貫通させる貫通孔14aが、配設され、側壁部15の上壁部25aと下壁部25bとには、後端側に、前方に反転するように突出する複数の係止フック16が、配設されている。各係止フック16は、エアバッグカバー20の後述する側壁部25に設けられた係止孔26に挿入されて、側壁部25を係止している。
【0020】
なお、底壁部14や側壁部15には、エアバッグ装置10をインパネリンホースから延びるブラケットに取り付けるために、図示しない複数の取付ブラケットが配設されている。
【0021】
エアバッグカバー20は、ポリオレフィン等の合成樹脂製として、膨張時のエアバッグ40に押されて開く扉部22(U,D)を配設させて、ケース13の突出用開口18の後方側を覆う扉配設壁部21と、扉配設壁部21における扉部22(U,D)の周囲から前方側に延びる略四角筒形状の側壁部25と、を備えて構成されている。扉配設壁部21は、後方側に、運転者Mの足下におけるフロア側のスペースを確保できるように、上端21a側より下端21b側を前方側に配置させるように、傾斜させて、搭載される。なお、扉配設壁部21は、後面21d側の上方と左右両側とを、インパネ5のロア部6に囲まれ、下方側を、アンダカバー7に囲まれている。
【0022】
そして、扉部22U,22Dは、それぞれ、略四角板状として、膨張するエアバッグ40に押された際、周囲の薄肉の破断予定部24を破断させて、上下方向の縁側に配置されたヒンジ部23を回転中心として、上下に開くように、構成されている。
【0023】
また、側壁部25の上下の上壁部25aと下壁部25bとには、ケース13の係止フック16を挿入させる係止孔26が配設されている。側壁部25の左壁部25cと右壁部25dとは、側壁部25の上下の上壁部25aと下壁部25bとがケース13の係止フック16に係止されると、ケース13の側壁部15における左壁部15cと右壁部15dとの外方を覆うように、配設されることとなる。
【0024】
インフレーター30は、膨張用ガスGを吐出させるガス吐出部31aを右端側に配設させた略円柱状の本体31と、本体31を保持する略四角筒形状の板金製のリテーナ32と、を備えて構成されている。リテーナ32には、2本の取付ボルト33が前方側へ突設されている。これらの取付ボルト33は、リテーナ32がエアバッグ40内に収納された状態で、エアバッグ40の後述する貫通孔45aから突出し、さらに、ケース13の底壁部14の貫通孔14aを貫通して、ナット34を締結されることにより、エアバッグ40をケース13の底壁部14に取付固定するとともに、インフレーター30をケース13の底壁部14に取付固定することとなる。
【0025】
なお、各取付ボルト33にナット34が締結される際には、リテーナ32内に収納した本体31が、ケース13の底壁部14に設けられた凸部14bに押されて、リテーナ32の後方の内周面側に押し付けられることから、本体31もリテーナ32に強固に保持されることとなる。
【0026】
また、本体31には、ガス吐出部31aから離れた端面側に、インフレーター30の作動信号を入力するリード線36が結合されている。
【0027】
エアバッグ40は、着座した運転者Mの膝Kの前下側の収納部位11に、折り畳まれた折畳完了体63として収納され、膨張用ガスGを流入させて膨張する際、収納部位11のエアバッグカバー20の扉部22(U,D)を押し開いて、収納部位11から斜め上方向の後方へ突出して、膨張を完了させ、上部41を、下部42より左右方向の幅寸法を広げて、膝Kを保護する構成としている(
図1,4参照)。エアバッグ40は、膨張完了時の外周壁43として、下縁42a側より上縁41a側の左右方向の幅寸法を広くして(WU>WD)、相互に略同等の外形形状として構成される膝側の受止側壁部44と車体側の車体側壁部45と、を備えて構成されている。なお、エアバッグ40は、車両搭載状態で、収納部位11から斜め上方の後方側へ突出して、膨張を完了させることから、上縁41aは、エアバッグ40の後縁でもあり、下縁42aは、前縁でもある。
【0028】
そして、エアバッグ40は、ポリエステルやポリアミド等の織布から形成されて、受止側壁部44と車体側壁部45とを上縁41a側で連なった形状の1枚の基布を、その上縁41a側で折り、重なった外周縁相互を縫製して、形成されている。車体側壁部45の下縁42a側には、2本の取付ボルト33を貫通させる貫通孔45aと、インフレーター30の本体31を挿入させる挿通孔45bと、が開口されている(
図2~4参照)。
【0029】
エアバッグ40を折り畳んで折畳完了体63を形成する際には、まず、
図4のAに示すように、受止側壁部44と車体側壁部45とを重ねて平らに展開した初期展開エアバッグ47を形成する。ついで、第1折工程として、
図4のA,Bに示すように、左右方向の折目H1,H2を付けて、上縁47a(41a)側を下縁47b(42a)側に接近させるように、ロール折りして折り畳んだ折畳部位51を設けた第1折畳体50、を形成する。実施形態の場合、上縁47a側を車体側壁部45の側に配置させて、折っており、そして、折畳部位51は、初期展開エアバッグ47の上縁47a側の折畳エリア48から形成されており、貫通孔45aを設けられた非折畳エリア49には、インフレーター30が配設されることから、前後方向の寸法を狭めるように折り畳まれない。
【0030】
ついで、
図4のB,Cに示すように、第2折工程として、第1折畳体50の折畳部位51における初期展開エアバッグ47の下縁47b側から離れた上縁(後縁)51a側の左右の端縁51c,51d側において、中央側より左右方向の端縁51c,51d側の折り幅BWを広くするように、斜め方向の折目CL,CRを付けて、上縁51a側を下縁51b側に接近させつつ、車体側壁部45の側に折った斜め折部60(L,R)を設けて、第2折畳体55を形成する。この場合、第1折畳体50の折畳部位51の左右方向の中央部52から左右に延びた左側部53と右側部54とが、折目CL,CRの下縁(前縁)51b側の本体部53a,54a側に、折目CL,CRの上縁(後縁)51aの折重部53b,54b(斜め折部60L,60R)が重ねられて、第2折畳体55の折畳部位56が、形成される。
【0031】
その後、第3折工程として、
図4のC,
図5のA~Dに示すように、受止側壁部44の側で、第2折畳体55の折畳部位56における左右方向の中央部57から左右両側に延びる端部側の左側部58と右側部59とを、それぞれ、前後方向に沿った山折りの折目CM(L,R)と谷折りの折目CV(L,R)とを付けて、中央部57の下方側に順に重ねるように折畳部65(L,R),66(L,R)を設けるように、折り畳めば、第3折畳体、すなわち、折畳完了体63を形成することができる(
図2、
図5のD参照)。
【0032】
なお、山折りの折目CM(L,R)で折り畳まれた折畳完了体63の左右方向の幅寸法WM(
図5のD参照)は、収納部位11の幅寸法WS、すなわち、収納部位11のケース13の側壁部15における左壁部15cと右壁部15dとの間の幅寸法WS(
図3参照)と、同等としている。
【0033】
また、山折りの折目CM(L,R)は、斜め方向の折目CL,CRのそれぞれの上縁51aとの交点、すなわち、折目CL,CRの起点位置CL0,CR0、と略一致するように、設定されている。
【0034】
この折畳完了体63は、第2折畳体55の折畳部位56の左右方向の中央部57が、折畳完了体63の中央部64を構成し、この中央部64の直下の左右に、第2折畳体55の折畳部位56における左側部58と右側部59の元部58a,59aからなる元側折畳部65L,65Rが、折り重ねられ、さらに、元側折畳部65L,65Rの直下に、第2折畳体55の折畳部位56における左側部58と右側部59との先端部58b,59bからなる端側折畳部66L,66Rが、折り重ねられている。
【0035】
そして、第3折工程前における第2折工程後では、折目CL,CRで折った斜め折りにより、第1折工程の折畳部位51の中央部52から左右方向の端縁51c,51d側に延びる上縁51a自体が、左右方向の端縁51c,51d側に向かうにつれて下縁51b側に接近することとなって、第1折工程後の中央部52から左右方向の端部側に向かう折畳部位56自体が、前後方向の幅寸法を、端部側に向かうにつれて、上縁51a側を下縁51b側に順に接近させるようにして、中央部57側の幅寸法LFから端縁51c、51d側の幅寸法LBとするように、小さくさせる。そのため、その後の第3折工程で、中央部57から左右方向の端部側を、それぞれ、単に、山折りと谷折りとの前後方向に沿う折目CM(L,R),CV(L,R)を付けて、中央部57の下方側に順に重ねるように折り畳めば、中央部57から下方に向かう折畳部65,66自体が、前後方向の幅寸法LM1,LM2を中央部64の前後方向の幅寸法LFより小さくし(
図2参照)、さらに、順に、上縁65a,66a側(搭載時には後端側となる)を、下縁65b,66b側(前端側)に接近させる状態で、折り重なり、また、下縁65b,66b側(搭載時に前端側)を、上下方向に沿う状態に折り重ねることとなる。
【0036】
なお、このようなエアバッグ40の折り畳みでは、予め、貫通孔45aから取付ボルト33を突出させて、リテーナ32をエアバッグ40内に入れて、折畳完了体63を形成する。そして、折畳完了体63を形成した後には、折り崩れを防止するためのラッピングシート70で折畳完了体63を包むこととなる(
図2参照)。
【0037】
そして、ケース13に収納する前に、挿通孔45bを経て、リテーナ32内に、インフレーター30の本体31を挿入し、本体31にリード線36を結線して、取付ボルト33を貫通孔14aから突出させつつ、折畳完了体63をケース13内の底壁部14側に配置させ、取付ボルト33にナット34を締結する。リード線36の端末は、ケース13の側壁部15に設けた取出凹部から、ケース13外に排出させておく。
【0038】
そして、リード線36の図示しない端末側を、エアバッグ装置10の作動信号入力用の車体側の図示しないリード線と結線するとともに、ケース13の図示しない取付ブラケットを、車体側の所定のブラケットに取り付けるとともに、エアバッグカバー20の側壁部25をケース13の側壁部15の外周側に配置させて、各係止フック16を係止孔26に挿入させて上壁部25aや下壁部25bと連結させて、その後、アンダカバー7を車体側に組み付ければ、エアバッグ装置10を、車両の運転者Mの膝Kの前下方側に搭載することができる。
【0039】
その後、インフレーター30の本体31に作動信号が入力されれば、インフレーター30のガス吐出部31aから膨張用ガスGが吐出され、エアバッグ40が、膨張用ガスGを流入させて膨張し、エアバッグカバー20の扉配設壁部21の扉部22U,22Dを上下に押し開いて、ケース13の突出用開口18から斜め上方向の後方へ突出して、膨張を完了させることとなる。
【0040】
そして、実施形態のエアバッグ40の折畳完了体63では、折畳部位の中央部64の下方で、上下に重なる二つの折畳部65(L,R),66(L,R)が、前後方向の幅寸法LM1,LM2を、中央部64の前後方向の幅寸法LFより、小さくしていることから(LF>LM1,LM2)、折畳部65,66の後端65a,66aを、その上方の中央部64の後端64aより、前方側にずれて配置させることができて、エアバッグカバー20の下端21b側を前方に配置させるように傾斜して配設される扉配設壁部21の前面21c側に、上下に重なる二つの折畳部65,66を、干渉させずに、配設させることができる。勿論、上下に重なる二つの折畳部65,66は、前端65b,66b側を上下方向に略沿わせるように配置されることから、その前方側に、エアバッグ40に膨張用ガスGを供給するインフレーター30等のエアバッグ装置10の構成部品を、省スペースで効率的に配置させることができる。
【0041】
したがって、実施形態のエアバッグ40の折畳完了体63では、傾斜するエアバッグカバー20の前方に、効率的かつ円滑に収納できて、乗員Mの足下のスペースを十分に確保できる。
【0042】
さらに、実施形態のエアバッグ40の折畳完了体63では、中央部64の下方側に配置される二つの折畳部65,66が、中央部64から下方の折畳部65,66に向かって、順に、前後方向の幅寸法LM1,LM2を小さくしている(LF>LM1>LM2)。
【0043】
そのため、実施形態では、二つの折畳部65,66の後端65a,66aを、下方に向かって、順に、前方側にずらして配置させることができて、折畳完了体63の搭載時、エアバッグカバー20の下端21b側を前方に配置させるように傾斜して配設される扉配設壁部21の前面21c側に、二つの折畳部65,66の後端65a,66aを、略均等に接近させて、配置させることができ、無駄なスペースを生じさせないことから、エアバッグ40の二つの折畳部65,66を、一層、効率的、かつ、円滑に、配設することができる。
【0044】
なお、第2折工程を設けずに折り畳んだ折畳完了体103では、
図6に示すような収納状態となる。この折畳完了体103では、
図4のA,Bに示す初期展開エアバッグ47の上縁47aを下縁47bに接近させるロール折りを行い、その後、そのロール折畳部位の左右両側を、前後方向に沿う山折りと谷折りの折目で折って、各折目の先端側の二つの折畳部101,102を、ロール折畳部位の左右方向の中央部100の下方に、重ねて形成したものである。また、ロール折畳部位を形成する際、図例の場合には、左右方向に沿う折目H1,H2,H3として、実施形態の場合より、1回多くしている。
【0045】
この比較例の折畳完了体103では、ロール折畳部位の中央部100を合わせると、三つの折畳部100,101,102が、前後方向の幅寸法L0を同等として、上下方向に重なってしまい、この折畳完了体103を車両に搭載すると、上端21a側より下端21b側を前方側に配置させるように傾斜して配設されるエアバッグカバー20における扉配設壁部21の上端21a側の前方側には、大きな隙間104が空いて、収納スペースに無駄が生じてしまう。
【0046】
さらに、この比較例の折畳完了体103は、初期展開エアバッグ47の上縁47aを下縁47bに接近させるロール折りの折目として、折目H1,H2,H3とした3つとしているのに対し、実施形態の折畳完了体63では、ロール折りの折畳部位51が、ロール折りの折目として、折目H1,H2の二つとしていることから、膨張用ガスGを流入させて膨張する際、ロール折りの折目の数が少ない分、迅速に、ロール折りを解消できて、その結果、エアバッグの膨張開始から膨張完了までの時間を、短縮させることとができて、迅速に、乗員Mの膝Kを保護することができることとなる。
【0047】
そして、実施形態のエアバッグ40の折畳完了体63の折畳方法では、エアバッグ40の受止側壁部44と車体側壁部45とを重ねて平らに展開した状態から、上縁47a側を下縁47b側に接近させるように折り畳んで、折畳部位51を形成した後、折畳部位51における左右方向の端縁51c,51d側の上縁51aを、それぞれ、中央部52側より左右方向の端縁51c,51d側の折り幅BWを広くするように、斜め方向の折目CL,CRを付けて、下縁47b側に折り、ついで、折畳部位56の中央部57から左右両側に延びる端部58,59側を、それぞれ、山折りと谷折りとの前後方向に沿う折目CM(L,R),CV(L,R)を付けて、中央部57の下方側に折畳部65(L,R),66(L,R)を配置させるように折り畳んでいる。
【0048】
そのため、実施形態の折畳方法では、受止側壁部44と車体側壁部45とを重ねて平らに展開した状態から、上縁47a側を下縁47b側に接近させるように折り畳んだ折畳部位51を形成する第1折工程の後において、中央部57から左右方向の端部58,59側を、山折りと谷折りの前後方向に沿う折目CM(L,R),CV(L,R)を付けて、中央部57の下方側に順に折畳部65,66を折り重ねる第3折工程の前に、第1折工程で形成した折畳部位51の左右方向の端縁51c,51d側の上縁51aを、それぞれ、中央側より左右方向の端縁51c、51d側の折り幅BWを広くするように、斜め方向の折目CL,CR(換言すれば、上縁51a側から下縁51b側にかけて相互に拡開して端縁51c,51d側と交差するような直線状の折目CL,CR)を付けて下縁51b側に折る第2折工程を設けている。すなわち、第2折工程後では、第1折工程の折畳部位51における中央部52から左右方向の端部53,54側に延びる上縁51a自体が、左右方向の端縁51c,51d側に向かうにつれて下縁51b側に接近することとなって、第1折工程後の中央部52から左右方向の端部53,54側に向かう折畳部位56自体が、前後方向の幅寸法を、端縁51c,51d側に向かうにつれて、上縁51a側を下縁51b側に順に接近させるようにして(幅寸法LF>幅寸法LBとするようにして)、小さくさせる。そのため、その後の第3折工程で、中央部57から左右方向の端部58,59側を、それぞれ、山折りと谷折りとの前後方向に沿う折目CM,CVを付けて、中央部57の下方側に順に重ねるように折り畳む際、中央部57(64)から下方に向かう折畳部65,66自体が、順に、上縁65a,66a側(搭載時には後端側となる)を、下縁65b,66b側(前端側)に接近させる状態で、折り重なり、また、下縁65b,66b側(搭載時に前端側)を、上下方向に沿う状態に折り重ねることとなる。
【0049】
したがって、実施形態の折畳完了体63の折畳方法では、折畳完了体63が、二つの折畳部65,66の前後方向の幅寸法LM1,LM2を下方に向かって順に小さくしていても、すなわち、二つの折畳部65,66を、後端65a,66a側を順に前方にずらしつつ、上下方向に折り重ねる形状であっても、斜め方向の折目CM,CVを付けるように折る第2折工程を加えるだけで、簡単に、形成することができる。
【0050】
また、実施形態では、中央部57から左右両側に延びる端部58,59側を、それぞれ、山折りした際の左右方向の幅寸法WMが、折畳完了体63を収納する収納部位11の左右方向の幅寸法WSと同等としている。さらに、折畳部位における左右の端縁側を、それぞれ、左右方向の端縁51c,51d側の折り幅BWを中央側より広くするように、斜め方向の折目CL,CRを付けて下縁51b側に折る際における斜め方向の折目CL,CRの起点位置CL0,CR0が、山折りの折目CM付近としている。
【0051】
そのため、実施形態の折畳方法では、折り畳んだ折畳完了体63が、その左右方向の幅寸法WMを、収納部位11の左右方向の幅寸法と同等とすることから、収納部位11への収納を簡便に行うことができる。また、斜め方向の折目CL,CRの起点位置CL0,CR0が、山折りの折目CM付近としていることから、折畳部位56の中央部57(64)の下方の折畳部65,66の後端65a,66a側を、中央部64の後端64a側に接近させた状態で、順に、前方側にずらして配置させることができて、一層、エアバッグカバー20の扉配設壁部21の前面21c側に、折畳完了体63を接近させて配置させることができて、扉配設壁部21の前面21c側の収納スペースを有効利用できる。
【0052】
ちなみに、斜め方向の折目CL,CRの起点位置CL0,CR0が、山折りの折目CM(L,R)より、左右方向の中央側に位置すれば、中央部64の後端64aからの折畳部65,66の後端65a,66a側の前方へのずれが、大きくなって、折畳部65,66の後端65a,66aと扉配設壁部21の前面21cとの距離が大きくなってしまう。また、斜め方向の折目CL,CRの起点位置CL0,CR0が、山折りの折目CM(L,R)より、左右方向の端縁51c,51d側に位置すれば、中央部64の後端64aからの折畳部65,66の後端65a,66a側の前方へのずれが、小さくなり、折畳部65,66の後端65a,66aが扉配設壁部21の前面21c側に接近しすぎる虞れが生ずる。
【0053】
なお、実施形態の折畳完了体63では、中央部64の左右両側の下方に、二つの折畳部65,66を配置させたが、第3折工程において、前後方向に沿う折目を、さらに追加して、第2折工程の折畳部位56の左右方向の端部58,59側を、折り畳んで、中央部64の下方に、3つ以上の折畳部を配置させてもよい。
【0054】
また、実施形態では、運転席の前下方に搭載される膝保護用エアバッグ装置10のエアバッグ40の折畳完了体63について説明したが、本発明は、助手席の前下方に搭載される膝保護用エアバッグ装置のエアバッグの折畳完了体にも、適用することができる。
【符号の説明】
【0055】
10…膝保護用エアバッグ装置、11…(エアバッグの)収納部位、13…ケース、20…エアバッグカバー、22(U,D)…扉部、40…エアバッグ、41a,47a,51a…(後縁)上縁、42a,47b,51b…(前縁)下縁、43…外周壁、44…受止側壁部、45…車体側壁部、51…折畳部位、51c,51d…端縁、52,57,64…中央部、53,58…左側部、54,59…右側部、63…折畳完了体、64a,65a,66a…後端、64b,65b,66b…前端、65(L,R),66(L,R)…折畳部、
LF,LM1,LM2…(折畳部の前後方向の)幅寸法、BW…(斜め方向の折目の)折り幅、CL,CR…(斜め方向の)折目、CL0,CR0…起点位置、CM(L,R)…(山折りの)折目、CV(L,R)…(谷折りの)折目、WU…(エアバッグの上縁側の)幅寸法、WD…(エアバッグの下縁側の)幅寸法、M…(乗員)運転者、K…膝、G…膨張用ガス。