(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】機器登録端末、機器登録方法、および、機器登録プログラム
(51)【国際特許分類】
G01S 19/45 20100101AFI20230704BHJP
【FI】
G01S19/45
(21)【出願番号】P 2020190396
(22)【出願日】2020-11-16
【審査請求日】2022-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】江間 伸明
(72)【発明者】
【氏名】吉田 善貴
(72)【発明者】
【氏名】小灘 聰一郎
(72)【発明者】
【氏名】松田 高明
【審査官】佐藤 宙子
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-046356(JP,A)
【文献】特表2012-524906(JP,A)
【文献】特表2016-540958(JP,A)
【文献】国際公開第2015/040905(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/181552(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00- 5/14
G01S 19/00-19/55
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自身の位置を測位する位置測位部と、
前記自身の位置から登録対象となる機器までの距離を計測する距離計測部と、
前記距離を計測する際における自身の傾きおよび方位の少なくともいずれかを測定する傾き/方位測定部と、
前記自身の位置を測位するための測位手段に関する情報を記憶する測位手段記憶部と、
前記傾きおよび方位の少なくともいずれかを測定するための測定手段に関する情報を記憶する測定手段記憶部と、
前記測位手段に関する情報に基づいて、前記自身の位置における測位誤差を推定
し、前記測定手段に関する情報に基づいて、前記傾きおよび方位の少なくともいずれかにおける測定誤差を推定する誤差推定部と、
前記自身の位置
と、前記距離と、前記傾きおよび方位の少なくともいずれかとを用いて
前記機器の位置を登録するにあたって、前記測位誤差
および前記測定誤差に基づく前記機器の位置における誤差を対応付けて登録する機器登録部と
を備える、機器登録端末。
【請求項2】
前記測位手段記憶部は、前記測位手段における測位方式を示す情報を記憶し、
前記誤差推定部は、前記測位方式に応じて前記測位誤差を推定する、請求項1に記載の機器登録端末。
【請求項3】
前記測位手段記憶部は、前記測位手段におけるバージョンを示す情報を記憶し、
前記誤差推定部は、前記バージョンに応じて前記測位誤差を推定する、請求項1または2に記載の機器登録端末。
【請求項4】
前記測位手段記憶部は、前記測位手段における過去の測位実績を示す情報を記憶し、
前記誤差推定部は、前記測位実績に応じて前記測位誤差を推定する、請求項1から3のいずれか一項に記載の機器登録端末。
【請求項5】
前記距離を計測するための計測手段に関する情報を記憶する計測手段記憶部を更に備え、
前記誤差推定部は、前記計測手段に関する情報に基づいて、前記距離における計測誤差を推定し、
前記機器登録部は、前記計測誤差に更に基づく前記機器の位置における誤差を対応付けて登録する、請求項
1から4のいずれか一項に記載の機器登録端末。
【請求項6】
前記機器登録部は、前記測位誤差に基づく誤差、前記計測誤差に基づく誤差、および、前記測定誤差に基づく誤差を、それぞれ対応付けて登録する、請求項5に記載の機器登録端末。
【請求項7】
前記測定手段記憶部は、前記測定手段に対する補正の情報を示す補正情報を記憶し、
前記誤差推定部は、前記補正情報に応じて前記測定誤差を推定する、請求項
1から6のいずれか一項に記載の機器登録端末。
【請求項8】
前記自身の位置を測位した場所に関する補足情報を取得する補足情報取得部を更に備え、
前記機器登録部は、前記補足情報を更に登録する、請求項1から
7のいずれか一項に記載の機器登録端末。
【請求項9】
前記位置測位部は、衛星測位システムを用いて自身の位置を測位する、請求項1から
8のいずれか一項に記載の機器登録端末。
【請求項10】
前記位置測位部は、屋内測位システムを用いて自身の位置を測位する、請求項1から
9のいずれか一項に記載の機器登録端末。
【請求項11】
自身の位置を測位することと、
前記自身の位置から登録対象となる機器までの距離を計測することと、
前記距離を計測する際における自身の傾きおよび方位の少なくともいずれかを測定することと、
前記自身の位置を測位するための測位手段に関する情報を記憶することと、
前記傾きおよび方位の少なくともいずれかを測定するための測定手段に関する情報を記憶することと、
前記測位手段に関する情報に基づいて、前記自身の位置における測位誤差を推定
し、前記測定手段に関する情報に基づいて、前記傾きおよび方位の少なくともいずれかにおける測定誤差を推定することと、
前記自身の位置
と、前記距離と、前記傾きおよび方位の少なくともいずれかとを用いて
前記機器の位置を登録するにあたって、前記測位誤差
および前記測定誤差に基づく前記機器の位置における誤差を対応付けて登録することと
を備える、機器登録方法。
【請求項12】
コンピュータにより実行されて、前記コンピュータを、
自身の位置を測位する位置測位部と、
前記自身の位置から登録対象となる機器までの距離を計測する距離計測部と、
前記距離を計測する際における自身の傾きおよび方位の少なくともいずれかを測定する傾き/方位測定部と、
前記自身の位置を測位するための測位手段に関する情報を記憶する測位手段記憶部と、
前記傾きおよび方位の少なくともいずれかを測定するための測定手段に関する情報を記憶する測定手段記憶部と、
前記測位手段に関する情報に基づいて、前記自身の位置における測位誤差を推定
し、前記測定手段に関する情報に基づいて、前記傾きおよび方位の少なくともいずれかにおける測定誤差を推定する誤差推定部と、
前記自身の位置
と、前記距離と、前記傾きおよび方位の少なくともいずれかとを用いて
前記機器の位置を登録するにあたって、前記測位誤差
および前記測定誤差に基づく前記機器の位置における誤差を対応付けて登録する機器登録部と
して機能させる、機器登録プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器登録端末、機器登録方法、および、機器登録プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「タブレット端末40の現在の位置情報をセンサモジュール10の取付エリアとして入力する」ことが記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2016-139227
【発明の概要】
【0003】
(項目1)
本発明の第1の態様においては、機器登録端末を提供する。機器登録端末は、自身の位置を測位する位置測位部を備えてよい。機器登録端末は、自身の位置を測位するための測位手段に関する情報を記憶する測位手段記憶部を備えてよい。機器登録端末は、測位手段に関する情報に基づいて、自身の位置における測位誤差を推定する誤差推定部を備えてよい。機器登録端末は、自身の位置を用いて登録対象となる機器の位置を登録するにあたって、測位誤差に基づく機器の位置における誤差を対応付けて登録する機器登録部を備えてよい。
【0004】
(項目2)
測位手段記憶部は、測位手段における測位方式を示す情報を記憶し、誤差推定部は、測位方式に応じて測位誤差を推定してよい。
【0005】
(項目3)
測位手段記憶部は、測位手段におけるバージョンを示す情報を記憶し、誤差推定部は、バージョンに応じて測位誤差を推定してよい。
【0006】
(項目4)
測位手段記憶部は、測位手段における過去の測位実績を示す情報を記憶し、誤差推定部は、測位実績に応じて測位誤差を推定してよい。
【0007】
(項目5)
機器登録端末は、自身の位置から機器までの距離を計測する距離計測部を更に備え、機器登録部は、距離を更に用いて、機器の位置を登録してよい。
【0008】
(項目6)
機器登録端末は、距離を計測するための計測手段に関する情報を記憶する計測手段記憶部を更に備え、誤差推定部は、計測手段に関する情報に基づいて、距離における計測誤差を推定し、機器登録部は、計測誤差に更に基づく機器の位置における誤差を対応付けて登録してよい。
【0009】
(項目7)
機器登録端末は、距離を計測する際における自身の傾きおよび方位の少なくともいずれかを測定する傾き/方位測定部を更に備え、機器登録部は、傾きおよび方位の少なくともいずれかを更に用いて、機器の位置を登録してよい。
【0010】
(項目8)
機器登録端末は、傾きおよび方位の少なくともいずれかを測定するための測定手段に関する情報を記憶する測定手段記憶部を更に備え、誤差推定部は、測定手段に関する情報に基づいて、傾きおよび方位の少なくともいずれかにおける測定誤差を推定し、機器登録部は、測定誤差に更に基づく機器の位置における誤差を対応付けて登録してよい。
【0011】
(項目9)
測定手段記憶部は、測定手段に対する補正の情報を示す補正情報を記憶し、誤差推定部は、補正情報に応じて測定誤差を推定してよい。
【0012】
(項目10)
機器登録端末は、自身の位置を測位した場所に関する補足情報を取得する補足情報取得部を更に備え、機器登録部は、補足情報を更に登録してよい。
【0013】
(項目11)
位置測位部は、衛星測位システムを用いて自身の位置を測位してよい。
【0014】
(項目12)
位置測位部は、屋内測位システムを用いて自身の位置を測位してよい。
【0015】
(項目13)
本発明の第2の態様においては、機器登録方法を提供する。機器登録方法は、自身の位置を測位することを備えてよい。機器登録方法は、自身の位置を測位するための測位手段に関する情報を記憶することを備えてよい。機器登録方法は、測位手段に関する情報に基づいて、自身の位置における測位誤差を推定することを備えてよい。機器登録方法は、自身の位置を用いて登録対象となる機器の位置を登録するにあたって、測位誤差に基づく機器の位置における誤差を対応付けて登録することを備えてよい。
【0016】
(項目14)
本発明の第3の態様においては、機器登録プログラムを提供する。機器登録プログラムは、コンピュータにより実行されてよい。機器登録プログラムは、コンピュータを、自身の位置を測位する位置測位部として機能させてよい。機器登録プログラムは、コンピュータを、自身の位置を測位するための測位手段に関する情報を記憶する測位手段記憶部として機能させてよい。機器登録プログラムは、コンピュータを、測位手段に関する情報に基づいて、自身の位置における測位誤差を推定する誤差推定部として機能させてよい。機器登録プログラムは、コンピュータを、自身の位置を用いて登録対象となる機器の位置を登録するにあたって、測位誤差に基づく機器の位置における誤差を対応付けて登録する機器登録部として機能させてよい。
【0017】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本実施形態に係る機器登録端末200を用いて機器100の位置を登録する様子を模式的に示す。
【
図2】本実施形態に係る機器登録端末200のブロック図の一例を示す。
【
図3】本実施形態に係る機器登録端末200が記憶する測位手段に関する情報の一例を示す。
【
図4】本実施形態に係る機器登録端末200を用いて機器100を登録するフローの一例を示す。
【
図5】本実施形態に係る機器登録端末200を用いて登録された機器100の登録情報の一例を示す。
【
図6】本実施形態の変形例に係る機器登録端末200のブロック図の一例を示す。
【
図7】本実施形態の変形例に係る機器登録端末200が記憶する測定手段に関する情報の一例を示す。
【
図8】本実施形態の変形例に係る機器登録端末200を用いて機器100を登録するフローの一例を示す。
【
図9】本実施形態の変形例に係る機器登録端末200を用いて登録された機器100の登録情報の一例を示す。
【
図10】本実施形態の別の変形例に係る機器登録端末200のブロック図の一例を示す。
【
図11】本実施形態の別の変形例に係る機器登録端末200を用いて登録された機器100の登録情報の一例を示す。
【
図12】本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0020】
図1は、本実施形態に係る機器登録端末200を用いて機器100の位置を登録する様子を模式的に示す。機器登録端末200は、例えば、自身の位置を測位してプラントに設けられた機器100の位置を登録する。この際、本実施形態に係る機器登録端末200は、自身の位置を測位した測位誤差を推定して、推定した測位誤差に基づく機器100の位置における誤差を対応付けて登録する。
【0021】
ここで、このようなプラントは、例えば、化学等の工業プラントの他、ガス田や油田等の井戸元やその周辺を管理制御するプラント、水力・火力・原子力等の発電を管理制御するプラント、太陽光や風力等の環境発電を管理制御するプラント、および、上下水やダム等を管理制御するプラント等であってよい。なお、上述の説明では、機器登録端末200が、プラントに設けられた機器100を登録対象とする場合を一例として示したが、これに限定されるものではない。機器登録端末200は、プラントとは異なる如何なる場所に設けられた機器100を登録対象としてもよい。
【0022】
機器100は、様々な機能を実現するためのあらゆる道具、器具、および、機械等であってよく、電気的に動作するものであってもよいし、機械的に動作するものであってもよい。一例として、機器100は、対象とする物理量を測定するセンサであってよい。このようなセンサは、例えば、プラントに後付けで設けられたIoT(Internet of Things)センサであってよい。一例として、センサは、プラントにおける振動、温度、湿度、照度、臭気、ガス濃度、圧力、気圧、応力、磁界、音、および、画像等の物理量を測定した測定データを取得可能であってよい。このようなセンサが後付けで設けられる場合、プラントの状態を正確に把握し、プラントを効率的に管理するためには、設置されたセンサの位置を登録することが重要である。なお、上述の説明では、センサがプラントに後付けで設けられたIoTセンサである場合を一例として示したが、これに限定されるものではない。例えば、センサは、OT(Operational Technology)領域に予め設けられており、位置が未登録であるプロセス制御(測定)用センサ等であってもよく、プラントに設けられた1または複数のフィールド機器と接続、または、一体に構成された産業用(Industrial)センサ等であってもよい。これより先、機器100がプラントに設けられたセンサである場合を一例として説明する。しかしながら、これに限定されるものではない。機器100は、バルブ等のアクチュエータや、IoTアンテナ等の通信機器等、あらゆる道具、器具、および、機械を含んでよい。
【0023】
センサ機器登録端末200は、自身の位置を測位して、機器100の位置を登録する。ここで、機器登録端末200は、自身の位置を測位するにあたって、様々な測位手段を用いることができる。このような測位手段には、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)、および、RNSS(Regional Navigation Satellite System)等の衛星測位システム、屋内測位システム、および、屋内/外測位システム等を用いた様々な手段が含まれてよい。ここで、衛星測位システムとしては、例えば、SBAS(Satellite-Based Augmentation System)、RTK(Real Time Kinematic)-GPS(Global Positioning System)、DGPS(Differential GPS)、および、単独測位GPS等が挙げられる。また、屋内測位システムとしては、例えば、WiFi CERTIFIED Location(登録商標)やBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)ビーコン方式等が挙げられる。また、屋内/外測位システムとしては、例えば、通信事業者による基地局の情報を用いた基地局測位等が挙げられる。また、これらに加えて、測位手段には、例えば、USBL(Ultra Short Base Line)等の水中測位システムを用いた手段も含まれてよい。
【0024】
このように、自身の位置を測位する技術として様々な測位手段が存在する。そして、このような測位手段は、それぞれ異なる測位誤差を有している。本実施形態に係る機器登録端末200は、登録対象となる機器100の位置を登録するにあたって、このように測位手段ごとにそれぞれ異なる測位誤差に基づく機器100の位置における誤差を対応付けて登録する。
【0025】
図2は、本実施形態に係る機器登録端末200のブロック図の一例を示す。機器登録端末200は、PC(パーソナルコンピュータ)、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、ワークステーション、または汎用コンピュータ等のコンピュータであってよい。また、機器登録端末200は、コンピュータ内で1または複数実行可能な仮想コンピュータ環境によって実装されてもよい。これに代えて、機器登録端末200は、機器100を登録するために設計された専用コンピュータであってもよく、専用回路によって実現された専用ハードウェアであってもよい。また、機器登録端末200は、様々な形態により実現されていてよい。一例として、機器登録端末200は、タブレット型コンピュータのように作業員が直接操作する操作端末であってもよいし、ドローンやROV(Remote Operated Vehicle)のように作業員が遠隔で操作する、または、自立運転するロボット端末等であってもよい。
【0026】
機器登録端末200は、機器情報取得部210と、位置測位部220と、測位手段記憶部230と、誤差推定部240と、機器登録部250とを備える。なお、これらブロックは、それぞれ機能的に分離された機能ブロックであって、実際のデバイス構成とは必ずしも一致していなくてもよい。すなわち、本図において、1つのブロックとして示されているからといって、それが必ずしも1つのデバイスにより構成されていなくてもよい。また、本図において、別々のブロックとして示されているからといって、それらが必ずしも別々のデバイスにより構成されていなくてもよい。
【0027】
機器情報取得部210は、登録対象となる機器100に関する情報を示す機器情報を取得する。例えば、登録対象となる機器100がセンサである場合、機器情報取得部210は、機器情報として、登録対象となるセンサを識別する識別情報(センサID)、センサが測定対象とする物理量の種別、および、センサに割り当てられたネットワークアドレス等の情報を取得してよい。
【0028】
一例として、機器情報取得部210は、コード読み取り機であってよく、機器100に貼付または印刷されたバーコードや二次元コード等を読み取ることによって、機器情報を取得してよい。また、機器情報取得部210は、通信部(例えば、タグリーダ)であってもよく、機器100(または、機器100に貼付または内蔵されたRFタグ等)と通信することによって、機器情報を取得してもよい。なお、上述の説明では、機器情報取得部210が、機器情報を機器100から直接または間接的に取得する場合を一例として示したが、これに限定されるものではない。機器情報取得部210は、機器情報を、他の装置から受信することによって取得してもよいし、各種メモリデバイス等から読み出すことによって取得してもよいし、ユーザ入力を受け付けることによって取得してもよい。機器情報取得部210は、取得した機器情報を機器登録部250へ供給する。
【0029】
位置測位部220は、自身の位置を測位する。位置測位部220は、例えば、RTK-GPS、DGPS、および、単独測位GPS等により自身の位置を測位してよい。すなわち、位置測位部220は、衛星測位システムを用いて自身の位置を測位してよい。また、位置測位部220は、例えば、基地局測位等により自身の位置を測位してよい。すなわち、位置測位部220は、屋内/外測位システムを用いて自身の位置を測位してよい。また、位置測位部220は、例えば、WiFi CERTIFIED LocationおよびBLEビーコン方式等により自身の位置を測位してよい。すなわち、位置測位部220は、屋内測位システムを用いて自身の位置を測位してよい。これらの測位手段自体については広く知られた技術であるので、ここでは説明を省略する。
【0030】
位置測位部220は、このような様々な測位手段のうちの1または複数の手段により、自身の位置を測位可能である。位置測位部220は、測位した自身の位置を示す位置データ(例えば、座標データ)を機器登録部250へ供給する。この際、複数の測位手段により自身の位置を測位可能な場合、位置測位部220は、自身の位置を測位した際に用いた測位手段を特定する特定情報を、測位手段記憶部230へ通知してよい。
【0031】
測位手段記憶部230は、自身の位置を測位するための測位手段に関する情報を記憶する。例えば、測位手段記憶部230は、測位手段における測位方式を示す情報を記憶してよい。また、測位手段記憶部230は、測位手段におけるバージョンを示す情報を記憶してよい。また、測位手段記憶部230は、測位手段における過去の測位実績を示す情報を記憶してよい。そして、位置測位部220が複数の測位手段により自身の位置を測位可能な場合、測位手段記憶部230は、複数の測位手段のそれぞれについて、測位方式を示す情報やバージョンを示す情報、測位実績を示す情報等を記憶してよい。
【0032】
測位手段記憶部230は、測位手段に関する情報を誤差推定部240へ供給する。例えば、位置測位部220から測位手段を特定する特定情報が供給された場合、測位手段記憶部230は、当該特定情報によって特定された測位手段に関する情報を誤差推定部240へ供給する。
【0033】
誤差推定部240は、測位手段に関する情報に基づいて、自身の位置における測位誤差を推定する。例えば、誤差推定部240は、測位手段に関する情報と測位誤差とが対応付けられたルックアップテーブルを予め有していてよい。そして、誤差推定部240は、測位手段記憶部230から供給された測位手段に関する情報を用いて当該ルックアップテーブルを参照することによって対応する測位誤差を特定し、当該特定された測位誤差を自身の位置における測位誤差として推定してよい。なお、上述の説明では、誤差推定部240がルックアップテーブルを予め有している場合を一例として示したが、これに限定されるものではない。誤差推定部240は、測位手段記憶部230から測位手段に関する情報が供給されると、他の装置(例えば、インターネット等)にアクセスして、測位手段に関する情報を検索キーとして検索することによって対応する測位誤差を特定してもよい。これに代えて、または加えて、誤差推定部は、測位手段に関する情報のうちの測位実績に応じて(例えば、測位実績における誤差を測位誤差とみなして)測位誤差を推定してよい。誤差推定部240は、推定した測位誤差を含む誤差情報を機器登録部250へ供給する。
【0034】
機器登録部250は、機器情報取得部210から供給された機器情報を取得する。また、機器登録部250は、位置測位部220から供給された位置データを取得する。また、機器登録部250は、誤差推定部240から供給された誤差情報を取得する。そして、機器登録部250は、機器情報、位置データ、および、誤差情報を用いて機器100を登録する。この際、機器登録部250は、機器情報によって示される登録対象となる機器100の位置情報を、自身の位置を示す位置データを用いて登録する。一例として、機器登録部250は、位置データによって示される自身の位置座標を機器100の設置位置とみなして、当該設置位置を機器100の位置として登録してよい。これに代えて、または、加えて、機器登録部250は、位置データに予め定められた演算を施した結果を機器100の設置位置とみなして、当該設置位置を機器100の位置として登録してもよい。また、機器登録部250は、位置データによって示される自身の位置座標を含むエリアを機器100の設置位置とみなして、当該設置位置を機器100の位置として登録してもよい。この際、位置測位部220が複数の測位手段により自身の位置を測位可能な場合、機器登録部250は、複数の測位手段による測位結果を用いて、機器100の位置を登録してよい。
【0035】
また、この際、機器登録部250は、このように自身の位置を用いて登録対象となる機器100の位置を登録するにあたって、測位誤差に基づく機器100の位置における誤差を対応付けて登録する。例えば、機器登録部250は、誤差情報に含まれる測位誤差を機器100の位置における誤差とみなして、当該誤差を機器100の位置と対応付けて登録してよい。これに代えて、または、加えて、機器登録部250は、誤差情報に含まれる測位誤差に予め定められた演算を施した結果を機器100の位置における誤差とみなして、当該誤差を機器100の位置と対応付けて登録してもよい。
【0036】
機器登録部250は、機器100を登録するにあたって、機器登録端末200自身が有するデータベースに機器100の登録情報を書き込むことによって、機器100を登録してよい。これに代えて、または、加えて、機器登録部250は、機器登録用のデータベースを有する他の装置(例えば、サーバ)に機器100の登録情報を提供することによって、機器100を登録してもよい。なお、このような機器100の位置は、機器登録端末200を用いて測位することなく、外部から直接登録することもできる。例えば、製造時やエンジニアリング時において、CADデータ等から機器100が設けられる位置を抽出して、当該位置を機器100の設置位置として予め登録してもよい。
【0037】
図3は、本実施形態に係る機器登録端末200が記憶する測位手段に関する情報の一例を示す。例えば、測位手段記憶部230は、自身の位置を測位するための測位手段に関する情報として、本図に示すような情報を記憶してよい。本図においては、位置測位部220が6つの測位手段により自身の位置を測位可能な場合を一例として示している。この場合、測位手段記憶部230は、本図に示すように、6つの測位手段のそれぞれについて、測位手段における測位方式を示す情報を記憶してよい。また、測位手段記憶部230は、本図に示すように、6つの測位手段のそれぞれについて、測位手段におけるバージョンを示す情報を記憶してよい。また、測位手段記憶部230は、本図に示すように、6つの測位手段のそれぞれについて、測位手段における過去の測位実績を示す情報を記憶してよい。
【0038】
本図に示すように、位置測位部220は、衛星測位システムを用いて自身の位置を測位してもよいし、屋内測位システムを用いて自身の位置を測位してもよいし、屋内/外測位システムを用いて自身の位置を測位してもよい。このような機器登録端末200を用いた機器100の登録処理を、フローを用いて詳細に説明する。
【0039】
図4は、本実施形態に係る機器登録端末200を用いて機器100を登録するフローの一例を示す。例えば、作業員が持ち運び可能な機器登録端末200を持って、登録対象となる機器100が設置された場所まで行き、機器登録プログラムを起動させる。
【0040】
ステップ410において、機器登録端末200は、機器情報を取得する。例えば、作業員は、機器登録端末200のコード読み取り機を、機器100に貼付された二次元コードにかざす。これにより、機器情報取得部210は、読み取った二次元コードから、登録対象となる機器100に関する情報を示す機器情報を取得する。一例として、登録対象となる機器100がセンサである場合、機器情報取得部210は、機器情報として、センサを識別する識別情報(例えば、「センサID:100a」)、および、センサが測定対象とする物理量の種別情報(例えば、「種別:振動」)を取得する。機器情報取得部210は、取得した機器情報を機器登録部250へ供給する。
【0041】
ステップ420において、機器登録端末200は、自身の位置を測位する。例えば、作業員が現在の位置を測位すべく「測位ボタン」を押下したことに応じて、機器登録端末200は、利用可能な測位手段を表示する。そして、作業員が利用可能な測位手段の中から測位に用いるべき一の測位手段を選択したことに応じて、位置測位部220は、選択された測位手段を用いて、自身の位置を測位する。
【0042】
一例として、機器登録端末200は、利用可能な測位手段として、
図3に示すような測位手段に関する情報を表示してよい。次に、例えば、作業員によって「測位手段:1」が選択された場合、位置測位部220は、RTK-GPSにより自身の位置を測位する。そして、位置測位部220は、測位した自身の位置を示す位置データ(例えば、「X座標:Xa、Y座標:Ya、Z座標:Za」)を機器登録部250へ供給する。また、位置測位部220は、自身の位置を測位した際に用いた測位手段を特定する特定情報(例えば、「測位手段:1」)を測位手段記憶部230へ通知する。
【0043】
なお、上述の説明では、測位手段を作業員が選択する場合を一例として示したが、これに限定されるものではない。機器登録端末200は、作業員による測位手段の選択を省略して、推奨する測位手段を用いて自身の位置を測位してもよい。
【0044】
ステップ430において、機器登録端末200は、測位誤差を推定する。例えば、ステップ420において、位置測位部220から自身の位置を測位した際に用いた測位手段を特定する特定情報が供給された場合、測位手段記憶部230は、当該特定情報によって特定された測定手段に関する情報を誤差推定部240へ供給する。一例として、位置測位部220から特定情報として「測位手段:1」が通知された場合、測位手段記憶部230は、「測位手段:1」における測位方式を示す情報として「RTK-GPS」を、「測位手段:1」におけるバージョンを示す情報として「Ver.1.3.8」を、誤差推定部240へ供給する。
【0045】
そして、誤差推定部240は、測位手段記憶部230から供給された測位手段に関する情報に基づいて、自身の位置における測位誤差を推定する。この際、例えば、誤差推定部240は、測位方式に応じて測位誤差を推定してよい。また、誤差推定部240は、バージョンに応じて測位誤差を推定してよい。一例として、誤差推定部240は、ルックアップキーにおける「測位方式」フィールドに「RTK-GPS」を、「バージョン」フィールドに「Ver.1.3.8」を入力する。これにより、誤差推定部240は、ルックアップテーブルを用いて、入力された「測位方式」および「バージョン」に対応する測位誤差が、例えば「±5cm」であることを特定し、当該特定された測位誤差を自身の位置における測位誤差として推定する。誤差推定部240は、推定した測位誤差を含む誤差情報を機器登録部250へ供給する。なお、上述の説明では、誤差推定部240が測位方式やバージョンに応じて測位誤差を推定する場合を一例として示したが、これに限定されるものではない。測位手段記憶部230は、「測位手段:1」における測位実績を示す情報として「±〇cm」を誤差推定部240へ供給してよい。そして、誤差推定部240は、測位実績に応じて(例えば、測位実績における誤差を測位誤差としてみなして)測位誤差を推定してよい。
【0046】
ステップ440において、機器登録端末200は、機器100を登録する。例えば、機器登録部250は、ステップ410において供給された機器情報、ステップ420において供給された位置データ、および、ステップ430において供給された誤差情報をそれぞれ取得する。そして、機器登録部250は、機器情報、位置データ、および、誤差情報を用いて、機器100を登録する。この際、機器登録部250は、機器情報によって示される登録対象となる機器100の位置情報を、自身の位置を示す位置データを用いて登録する。一例として、機器登録部250は、位置データによって示される自身の位置座標「X座標:Xa、Y座標:Ya、Z座標:Za」を、「センサID:100a」および「種別:振動」である機器100aの設置位置とみなして、当該機器100aを登録してよい。
【0047】
この際、機器登録部250は、このように自身の位置を用いて対象となる機器の位置を登録するにあたって、測位誤差に基づく機器の位置における誤差を対応付けて登録する。例えば、機器登録部250は、誤差情報に含まれる測位誤差を機器100の位置における誤差とみなして、当該誤差を機器100の位置と対応付けて登録してよい。一例として、機器登録部250は、誤差情報に含まれる測位誤差が「±5cm」であった場合、機器100aの位置「X座標:Xa、Y座標:Ya、Z座標:Za」における誤差が「±5cm」であることを併せて登録する。このようにして、機器登録端末200は、機器100を登録する。
【0048】
図5は、本実施形態に係る機器登録端末200を用いて登録された機器100の登録情報の一例を示す。本図に示すように、機器登録端末200は、機器100の登録情報として、機器情報、位置情報、および、誤差情報をそれぞれ登録してよい。本図においては、機器登録端末200が登録した機器100a~機器100f(「機器100」と総称する。)についての登録情報を示している。機器登録端末200は、例えば、振動を測定するセンサである機器100aが「Xa、Ya、Za」の位置に設置されている旨の情報を登録する。ここで、機器登録端末200は、機器100aを登録するにあたって「測位手段1」が用いられたため、測位方式「RTK-GPS」およびバージョン「Ver.1.3.8」に対応する測位誤差「±5cm」を併せて登録している。これは、すなわち、機器100aが「Xa-5cm~Xa+5cm、Ya-5cm~Ya+5cm、Za-5cm~Za+5cm」における範囲のいずれかに位置していることを示している。
【0049】
なお、上述の説明では、全ての軸方向に対して測位誤差が同一である場合を一例として示したが、これに限定されるものではない。例えば、水平方向に対する測位誤差と垂直方向に対する測位誤差とが異なる等、少なくともいずれかの軸方向に対する測位誤差が異なる場合には、誤差推定部240は、各軸に対する測位誤差をそれぞれ推定してよい。そして、機器登録部250は、各軸に対する測位誤差をそれぞれ登録してよい。
【0050】
同様に、機器登録端末200は、例えば、温度を測定するセンサである機器100bが「Xb、Yb、Zb」の位置に設置されている旨の情報を登録する。ここで、機器登録端末200は、機器100bを登録するにあたって「測位手段2」が用いられたため、測位方式「DGPS」およびバージョン「Ver.3.1.2」に対応する測位誤差「±5m」を併せて登録している。同様に、機器登録端末200は、例えば、湿度を測定するセンサである機器100cが「Xc、Yc、Zc」の位置に設置されている旨の情報を登録する。ここで、機器登録端末200は、機器100cを登録するにあたって「測位手段3」が用いられたため、測位方式「単独測位GPS」およびバージョン「Ver.9.2.1」に対応する測位誤差「±20m」を併せて登録している。同様に、機器登録端末200は、例えば、照度を測定するセンサである機器100dが「Xd、Yd、Zd」の位置に設置されている旨の情報を登録する。ここで、機器登録端末200は、機器100dを登録するにあたって「測位手段4」が用いられたため、測位方式「基地局測位」およびバージョン「Ver.5.1.3」に対応する測位誤差「±50m」を併せて登録している。同様に、機器登録端末200は、例えば、ガス濃度を測定するセンサである機器100eが「Xe、Ye、Ze」の位置に設置されている旨の情報を登録する。ここで、機器登録端末200は、機器100eを登録するにあたって「測位手段5」が用いられたため、測位方式「WiFi CERTIFIED Location」およびバージョン「Ver.1.7.2」に対応する測位誤差「±2m」を併せて登録している。同様に、機器登録端末200は、例えば、磁界を測定するセンサである機器100fが「Xf、Yf、Zf」の位置に設置されている旨の情報を登録する。ここで、機器登録端末200は、機器100fを登録するにあたって「測位手段6」が用いられたため、測位方式「BLEビーコン」およびバージョン「Ver.2.1.3」に対応する測位誤差「±5m」を併せて登録している。
【0051】
従来、タブレット端末の位置情報をセンサの取付エリアとして登録する技術が知られている。ここで、自身の位置を測位する技術としては、上述のように様々な測位手段が存在する。そして、このような測位手段は、それぞれ異なる測位誤差を有している。しかしながら、従来の技術においては、タブレット端末の位置情報に含まれる測位誤差については何ら考慮されていない。これに対して、本実施形態に係る機器登録端末200は、対象となる機器100の位置を登録するにあたって、測位手段に応じた測位誤差に基づく機器100の位置における誤差を対応付けて登録する。これにより、本実施形態に係る機器登録端末200によれば、機器100の位置情報がどの程度の誤差を含んで登録されたものであるのかを作業員に知らしめることができる。これにより、バッテリー交換等の保守のために機器100を探すにあたって、作業員は、どの位置をどの範囲まで探せばよいかを機器100ごとに把握することができる。例えば、プラント等において定期修理や保守は数年単位の間隔で行われる。したがって、その間、測位技術も進歩し、作業員も変わることが考えられる。この場合、作業員が保守時における測位誤差が5cm程度だからといって、登録された位置から半径5cm以内の範囲を探しても、機器100の登録時における測位誤差が5mであった場合には、機器100を発見できないことが起こり得る。このような場合であっても、本実施形態の機器登録端末200によれば、どのような誤差を含んで機器100の位置が登録されたかの情報を併せて提供するので、作業員は比較的容易に機器100を発見することができる。
【0052】
また、本実施形態に係る機器登録端末200は、測位手段における測位方式を示す情報やバージョンを示す情報、過去の測位実績を示す情報を記憶し、当該測位方式やバージョン、測位実績に応じて測位誤差を推定する。一般に、測位方式が異なれば測位誤差は異なり得る。また、同一の測位方式であっても、バージョンが異なれば測位誤差は異なり得る。本実施形態に係る機器登録端末200によれば、このような情報をも考慮して測位誤差を推定するので、誤差を精度よく推定して登録することができる。また、本実施形態に係る機器登録端末200によれば、過去の実績をも考慮して測位誤差を推定するので、誤差を経験則に倣って推定して登録することができる。
【0053】
また、本実施形態に係る機器登録端末200は、自身の位置を測位するにあたって、衛星測位システム、屋内/外測位システム、および、屋内測位システムを用いる。これにより、本実施形態に係る機器登録端末200によれば、人工衛星によりグローバルに自身の位置を測位できるとともに、人工衛星による測位が困難なプラントや倉庫内であっても自身の位置を測位することができるので、このような場所に設けられた機器100をも登録対象とすることができる。
【0054】
図6は、本実施形態の変形例に係る機器登録端末200のブロック図の一例を示す。
図6においては、
図2と同じ機能および構成を有する部材に対して同じ符号を付すとともに、以下相違点を除き説明を省略する。上述の説明では、機器登録端末200が、登録対象となる機器100の位置情報を、自身の位置を示す位置データのみを用いて登録する場合を一例として示した。しかしながら、本変形例に係る機器登録端末200は、自身の位置に加えて、自身の位置から機器100までの距離、および、当該距離を計測する際における自身の傾きや方位をも考慮して、登録対象となる機器100の位置情報を登録する。本変形例に係る機器登録端末200は、距離計測部610と、計測手段記憶部620と、傾き/方位測定部630と、測定手段記憶部640とを更に備える。
【0055】
距離計測部610は、自身の位置から登録対象となる機器100までの距離を計測する。距離計測部610は、例えば、機器100との間で通信する信号の受信信号強度に基づいて機器100までの距離を計測してよい。これに代えて、または、加えて、距離計測部610は、例えば、機器100に向けて照射したレーザ光が反射して返ってくるまでの時間に基づいて機器100までの距離を計測してもよい。また、距離計測部610は、例えば、機器100を撮像した画像に基づいて機器100までの距離を計測してもよい。また、機器100の近傍に計測用の発信機を一時的に設置し、距離計測部610が当該発信機と通信することにより機器100までの距離を計測してもよい。このように、機器100が機器登録端末200との通信手段を持たない場合であっても、距離計測部610は、機器100までの距離を計測することができる。距離計測部610は、このような様々な計測手段のうちの1または複数の手段により、機器100までの距離を計測可能である。距離計測部610は、計測した機器100までの距離を示す距離データを機器登録部250へ供給する。この際、複数の計測手段により機器100までの距離を計測可能な場合、距離計測部610は、機器100までの距離を計測した際に用いた計測手段を特定する特定情報を、計測手段記憶部620へ通知してよい。
【0056】
計測手段記憶部620は、自身の位置から登録対象となる機器100までの距離を計測するための計測手段に関する情報を記憶する。例えば、計測手段記憶部620は、計測手段における計測方式を示す情報を記憶してよい。また、計測手段記憶部620は、計測手段におけるバージョンを示す情報を記憶してよい。また、計測手段記憶部620は、計測手段における過去の計測実績を示す情報を記憶してよい。これについては、測位手段記憶部230と同様であるので説明を省略する。
【0057】
計測手段記憶部620は、計測手段に関する情報を誤差推定部240へ供給する。例えば、距離計測部610から計測手段を特定する特定情報が供給された場合、計測手段記憶部620は、当該特定情報によって特定された計測手段に関する情報を誤差推定部240へ供給する。
【0058】
傾き/方位測定部630は、自身の位置から登録対象となる機器100までの距離を計測する際における自身の傾きおよび方位の少なくともいずれかを測定する。例えば、傾き/方位測定部630は、3軸ジャイロセンサを用いて自身の傾きや方位を測定してよい。また、傾き/方位測定部630は、3軸加速度センサと3軸ジャイロセンサが組み合わされた6軸センサモジュールを用いて自身の傾きや方位を測定してもよい。また、傾き/方位測定部630は、3軸加速度センサと3軸ジャイロセンサと3軸コンパスセンサが組み合わされた9軸センサモジュールを用いて自身の傾きや方位を測定してもよい。傾き/方位測定部630は、このような様々な測定手段のうちの1または複数の手段により、自身の傾きや方位を測定可能である。傾き/方位測定部630は、測定した自身の傾きや方位を示す傾き/方位データを機器登録部250へ供給する。この際、複数の測定手段により自身の傾きや方位を測定可能な場合、傾き/方位測定部630は、自身の傾きや方位を測定した際に用いた測定手段を特定する特定情報を、測定手段記憶部640へ通知してよい。
【0059】
測定手段記憶部640は、自身の傾きおよび方位の少なくともいずれかを測定するための測定手段に関する情報を記憶する。例えば、測定手段記憶部640は、測定手段におけるデバイスを示す情報を記憶してよい。また、測定手段記憶部640は、測定手段におけるバージョンを示す情報を記憶してよい。また、測定手段記憶部640は、測定手段における過去の測定実績を示す情報を記憶してよい。これに加えて、測定手段記憶部640は、測定手段に対する補正の情報を示す補正情報を記憶してよい。一般に、ジャイロセンサは、時間とともにドリフト誤差が蓄積される。また、プラント等、金属の多い場所においては地磁気が正確に測定できず、誤差が生じる場合がある。このため、測定手段に対して補正が行われることがある。このような補正としては、例えば、相補フィルタやカルマンフィルタを用いた補正や、既設の目印(マーカ等)を参照した補正等、様々な方式が用いられ得る。そこで、測定手段記憶部640は、このように測定手段に対する補正の情報を示す補正情報を記憶してよい。一例として、測定手段記憶部640は、補正情報として、測定手段に対する補正の方式や、補正が行われた直近のタイミングを示す情報等を記憶してよい。
【0060】
測定手段記憶部640は、測定手段に関する情報を誤差推定部240へ供給する。例えば、傾き/方位測定部630から測定手段を特定する特定情報が供給された場合、測定手段記憶部640は、当該特定情報によって特定された測定手段に関する情報を誤差推定部240へ供給する。
【0061】
本変形例において、誤差推定部240は、更に、計測手段に関する情報に基づいて、自身の位置から登録対象となる機器100までの距離における計測誤差を推定する。また、誤差推定部240は、更に、測定手段に関する情報に基づいて、傾きおよび方位の少なくともいずれかにおける測定誤差を推定する。この際、誤差推定部240は、測定手段に関する情報に含まれる補正情報に応じて測定誤差を推定してよい。誤差推定部240は、推定した測位誤差に加えて計測誤差および測定誤差をも含む誤差情報を機器登録部250へ供給する。
【0062】
本変形例において、機器登録部250は、更に、距離計測部610から供給された距離データを取得する。また、機器登録部250は、更に、傾き/方位測定部630から供給された傾き/方位データを取得する。また、機器登録部250は、誤差推定部240から測位誤差に加えて計測誤差および測定誤差をも含む誤差情報を取得する。そして、機器登録部250は、自身の位置から登録対象となる機器100までの距離を更に用いて、機器100の位置を登録する。また、機器登録部250は、機器100までの距離を計測した際における自身の傾きおよび方位の少なくともいずれかを更に用いて、機器100の位置を登録する。例えば、機器登録部250は、位置データによって示される自身の位置座標から、傾き/方位データによって示される傾き方向や方位へ、距離データによって示される距離だけ離れた位置を、機器100の位置として登録してよい。この際、機器登録部250は、計測誤差に更に基づく機器100の位置における誤差を対応付けて登録する。また、機器登録部250は、測定誤差に更に基づく機器100の位置における誤差を対応付けて登録する。一例として、機器登録部250は、測位誤差に基づく誤差、計測誤差に基づく誤差、および、測定誤差に基づく誤差を、それぞれ対応付けて登録してよい。これに代えて、または、加えて、機器登録部250は、測位誤差に基づく誤差、計測誤差に基づく誤差、および、測定誤差に基づく誤差を合算したトータル誤差を対応付けて登録してもよい。
【0063】
図7は、本実施形態の変形例に係る機器登録端末200が記憶する測定手段に関する情報の一例を示す。例えば、測定手段記憶部640は、自身の傾きや方位を測定するための測定手段に関する情報として、本図に示すような情報を記憶してよい。本図においては、傾き/方位測定部630が3つの測定手段により自身の傾きや方位を測定可能な場合を一例として示している。この場合、測定手段記憶部640は、本図に示すように、3つの測定手段のそれぞれについて、測定手段におけるデバイスを示す情報を記憶してよい。また、測定手段記憶部640は、測定手段におけるバージョンを示す情報を記憶してよい。また、本図では図示を省略しているが、測定手段記憶部640は、測定手段における過去の測定実績を示す情報を記憶してよい。これに加えて、測定手段記憶部640は、測定手段に対する補正の情報を示す補正情報を記憶してよい。測定手段記憶部640は、このような補正情報として、測定手段に対する補正の方式や、補正が行われた直近のタイミングを示す情報等を記憶してよい。このような変形例に係る機器登録端末200を用いた機器100の登録処理を、フローを用いて詳細に説明する。
【0064】
図8は、本実施形態の変形例に係る機器登録端末200を用いて機器100を登録するフローの一例を示す。ステップ820までの処理は、
図4におけるステップ420の処理と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0065】
ステップ830において、機器登録端末200は、機器100までの距離を計測する。例えば、作業員が距離を計測すべく「計測ボタン」を押下したことに応じて、機器登録端末200は、利用可能な計測手段を表示する。そして、作業員が利用可能な計測手段の中から計測に用いるべき一の計測手段を選択したことに応じて、距離計測部610は、選択された計測手段を用いて、自身の位置から登録対象となる機器100までの距離を計測する。例えば、作業員によって「計測手段:2(レーザ)」が選択された場合、距離計測部610は、機器100に向けてレーザ光を照射し、照射したレーザ光が反射して返ってくるまでの時間に基づいて機器100までの距離を計測する。そして、距離計測部610は、計測した機器100までの距離を示す距離データ(例えば、「1.5m」)を機器登録部250へ供給する。また、距離計測部610は、機器100までの距離を計測した際に用いた計測手段を特定する特定情報(例えば、「計測手段:2」)を計測手段記憶部620へ通知する。
【0066】
なお、上述の説明では、計測手段を作業員が選択する場合を一例として示したが、これに限定されるものではない。機器登録端末200は、作業員による計測手段の選択を省略して、推奨する計測手段を用いて機器100までの距離を計測してもよい。
【0067】
ステップ840において、機器登録端末200は、自身の傾きや方位を測定する。例えば、作業員が傾きや方位を測定すべく「測定ボタン」を押下したことに応じて、機器登録端末200は、利用可能な測定手段を表示する。そして、作業員が利用可能な測定手段の中から測定に用いるべき一の測定手段を選択したことに応じて、傾き/方位測定部630は、選択された測定手段を用いて、自身の位置から登録対象となる機器100までの距離を計測する際における自身の傾きおよび方位の少なくともいずれかを測定する。一例として、機器登録端末200は、利用可能な測定手段として、
図7に示すような測定手段に関する情報を表示してよい。次に、例えば、作業員によって「測定手段:3(9軸)」が選択された場合、傾き/方位測定部630は、9軸センサモジュールを用いて自身の傾きや方位を測定する。そして、傾き/方位測定部630は、測定した自身の傾きや方位を示す傾き/方位データを機器登録部250へ供給する。また、傾き/方位測定部630は、自身の傾きや方位を測定した際に用いた測定手段を特定する特定情報(例えば、「測定手段:3」)を測定手段記憶部640へ通知する。
【0068】
なお、上述の説明では、測定手段を作業員が選択する場合を一例として示したが、これに限定されるものではない。機器登録端末200は、作業員による測定手段の選択を省略して、推奨する測定手段を用いて自身の傾きや方位を測定してもよい。
【0069】
ステップ850において、機器登録端末200は、測位誤差に加えて計測誤差および測定誤差を推定する。例えば、ステップ830において、距離計測部610から機器100までの距離を計測した際に用いた計測手段を特定する特定情報が供給された場合、計測手段記憶部620は、当該特定情報によって特定された計測手段に関する情報を誤差推定部240へ供給する。同様に、ステップ840において、傾き/方位測定部630から自身の傾きや方位を測定した際に用いた測定手段を特定する特定情報が供給された場合、測定手段記憶部640は、当該特定情報によって特定された測定手段に関する情報を誤差推定部240へ供給する。
【0070】
そして、誤差推定部240は、計測手段記憶部620から供給された計測手段に関する情報に基づいて、機器100までの距離における計測誤差を推定する。同様に、誤差推定部240は、測定手段記憶部640から供給された測定手段に関する情報に基づいて、自身の傾きや方位における測定誤差を推定する。この際、誤差推定部240は、測定手段に関する情報に含まれる補正情報に応じて測定誤差を推定してよい。計測誤差や測定誤差の推定については測位誤差の推定と同様であるので、ここでは説明を省略する。誤差推定部240は、推定した測位誤差に加えて計測誤差および測定誤差をも含む誤差情報を機器登録部250へ供給する。
【0071】
ステップ860において、機器登録端末200は、機器100を登録する。例えば、機器登録部250は、ステップ810において供給された機器情報、ステップ820において供給された位置データ、ステップ830において供給された距離データ、ステップ840において供給された傾き/方位データ、および、ステップ850において供給された誤差情報をそれぞれ取得する。そして、機器登録部250は、機器情報、位置データ、距離データ、傾き/方位データ、および、誤差情報を用いて機器100を登録する。この際、機器登録部250は、機器情報によって示される登録対象となる機器100の位置情報を、自身の位置を示す位置データを用いて登録する。また、機器登録部250は、自身の位置から登録対象となる機器100までの距離を更に用いて、機器100の位置を登録する。また、機器登録部250は、機器100までの距離を計測した際における自身の傾きおよび方位の少なくともいずれかを更に用いて、機器100の位置を登録する。例えば、機器登録部250は、位置データによって示される自身の位置座標から、傾き/方位データによって示される傾き方向や方位へ、距離データによって示される距離だけ離れた位置を、機器100の位置として登録してよい。
【0072】
この際、機器登録部250は、計測誤差に更に基づく機器100の位置における誤差を対応付けて登録する。また、機器登録部250は、測定誤差に更に基づく機器100の位置における誤差を対応付けて登録する。一例として、機器登録部250は、測位誤差に基づく誤差、計測誤差に基づく誤差、および、測定誤差に基づく誤差を、それぞれ対応付けて登録してよい。これに代えて、または、加えて、機器登録部250は、測位誤差に基づく誤差、計測誤差に基づく誤差、および、測定誤差に基づく誤差を合算したトータル誤差を対応付けて登録してもよい。このようにして、本変形例に係る機器登録端末200は、機器100を登録する。
【0073】
図9は、本実施形態の変形例に係る機器登録端末200を用いて登録された機器100の登録情報の一例を示す。本図に示すように、本変形例に係る機器登録端末200は、誤差情報として、測位誤差に基づく誤差、計測誤差に基づく誤差、および、測定誤差に基づく誤差を、それぞれ対応付けて登録してよい。また、機器登録端末200は、測位誤差に基づく誤差、計測誤差に基づく誤差、および、測定誤差に基づく誤差を合算したトータル誤差を対応付けて登録してよい。この際、機器登録端末200は、このようなトータル誤差を登録するにあたって、各軸方向のそれぞれについてトータル誤差を登録してよい。
【0074】
本変形例に係る機器登録端末200は、自身の位置から機器100までの距離や、当該距離を計測する際における自身の傾きや方位を更に用いて機器100の位置を登録する。これにより、本変形例に係る機器登録端末200によれば、自身の位置を機器100の設置位置とみなすのではなく、自身の位置からどの方向へどの程度離れた位置に機器100が設置されているのかを概ね特定して、機器100の位置を登録することができる。このように、位置に加えて、距離や傾き/方位をも考慮することで、本変形例に係る機器登録端末200は、機器100の三次元座標を特定して登録することが可能となる。
【0075】
また、本変形例に係る機器登録端末200は、距離を計測する計測手段に関する情報や、傾きや方位を測定する測定手段に関する情報に応じて計測誤差や測定誤差を推定し、当計測誤差や測定誤差に基づく機器100の位置における誤差をも対応付けて登録する。これにより、本変形例に係る機器登録端末200によれば、距離や傾きや方位を更に用いて機器100の位置を登録するにあたって、距離における計測誤差や傾きや方位における測定誤差を含めて誤差情報を登録することができる。
【0076】
また、本変形例に係る機器登録端末200は、測定手段に関する情報として、測定手段に対する補正の情報を示す補正情報を記憶し、当該補正情報に応じて測定誤差を推定する。一般に、同一の測定デバイスを用いても、補正の状況が異なれば測定誤差は異なり得る。本変形例に係る機器登録端末200によれば、このような情報をも考慮して測定誤差を推定するので、誤差を精度よく推定して登録することができる。
【0077】
図10は、本実施形態の別の変形例に係る機器登録端末200のブロック図の一例を示す。
図10においては、
図2と同じ機能および構成を有する部材に対して同じ符号を付すとともに、以下相違点を除き説明を省略する。本別の変形例に係る機器登録端末200は、補足情報取得部1010を更に備える。なお、本図においては、
図2に示す本実施形態に係る機器登録端末200が補足情報取得部1010を更に備える場合を一例と示しているが、
図6に示す本実施形態の変形例に係る機器登録端末200が補足情報取得部1010を備えていてもよい。
【0078】
補足情報取得部1010は、自身の位置を測位した場所に関する補足情報を取得する。補足情報取得部1010は、補足情報を、例えば、ユーザ入力を受け付けることによって取得してもよいし、他の装置から受信することによって取得してもよいし、画像を撮像することによって取得してもよい。補足情報取得部1010は、取得した補足情報を機器登録部250へ供給する。
【0079】
本別の変形例に係る機器登録端末200において、機器登録部250は、補足情報取得部1010から供給された補足情報を、登録情報として更に登録する。
【0080】
図11は、本実施形態の別の変形例に係る機器登録端末200を用いて登録された機器100の登録情報の一例を示す。
図10においては、
図5と同じ項目およびパラメータに対して同じ符号を付すとともに、以下相違点を除き説明を省略する。本別の変形例に係る機器登録端末200は、本図に示すように、機器情報、位置情報、および、誤差情報に加えて、更に、補足情報を登録情報として登録する。機器登録端末200は、例えば、「マンホールの上方1.5m」、「配管Xの裏」、および、「ポンプYの近傍」等、機器100の位置を登録すべく自身の位置を測位した場所をより詳細に特定するための情報を補足情報として登録してよい。また、機器登録端末200は、例えば、自身の位置を測位した際の現場の写真等の情報を補足情報として登録してもよい。また、例えば、既設の目印(マーカ)を参照して測定手段を補正した場合、機器登録端末200は、目印に関する情報を補足情報として登録してもよい。
【0081】
本別の変形例に係る機器登録端末200は、自身の位置を測位した場所に関する補足情報を取得して登録する。これにより、本別の変形例に係る機器登録端末200によれば、機器100の位置をより詳細に特定するための情報を提供することができる。
【0082】
このように、本実施形態に係る機器登録端末200によれば、登録対象となる機器100の位置を登録するにあたって、誤差を対応付けて登録するが、このような誤差は、位置を測位する手段や距離を計測する手段、傾きや方位を測定する手段に応じて、様々な範囲に変化し得る。このような変化は、技術の進歩に伴い誤差が低減される方向へ変化する場合だけでなく、誤差が増加する方向へ変化する場合も含み得る。例えば、過去にはDGPSにより高精度に位置を測位できていたにも関わらず、障害物の影響により現在はDGPS基準局の補足状況が得られなくなり、単独測位GPSで測位せざるを得ない場合があり得る。機器登録端末200は、このように過去の誤差よりも現在の誤差が大きくなる場合に、その旨を報知する報知部(例えば、アラーム)を更に備えていてもよい。これにより、機器登録端末200によれば、推定した誤差が過去の誤差よりも大きくなったことを作業員に知らしめることができる。
【0083】
本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0084】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0085】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0086】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0087】
図12は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0088】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インターフェイス2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0089】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0090】
通信インターフェイス2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0091】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0092】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0093】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インターフェイス2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インターフェイス2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0094】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0095】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0096】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0097】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0098】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0099】
100 機器
200 機器登録端末
210 機器情報取得部
220 位置測位部
230 測位手段記憶部
240 誤差推定部
250 機器登録部
610 距離計測部
620 計測手段記憶部
630 傾き/方位測定部
640 測定手段記憶部
1010 補足情報取得部
2200 コンピュータ
2201 DVD-ROM
2210 ホストコントローラ
2212 CPU
2214 RAM
2216 グラフィックコントローラ
2218 ディスプレイデバイス
2220 入/出力コントローラ
2222 通信インターフェイス
2224 ハードディスクドライブ
2226 DVD-ROMドライブ
2230 ROM
2240 入/出力チップ
2242 キーボード