(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/822 20060101AFI20230704BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20230704BHJP
H01L 21/8238 20060101ALI20230704BHJP
H01L 27/092 20060101ALI20230704BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20230704BHJP
H01L 27/088 20060101ALI20230704BHJP
【FI】
H01L27/04 D
H01L27/04 A
H01L27/092 A
H01L27/088 A
H01L27/088 331E
(21)【出願番号】P 2021553874
(86)(22)【出願日】2019-10-25
(86)【国際出願番号】 JP2019042004
(87)【国際公開番号】W WO2021079511
(87)【国際公開日】2021-04-29
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】武野 紘宜
(72)【発明者】
【氏名】岡本 淳
(72)【発明者】
【氏名】ワン ウェンゼン
【審査官】鈴木 聡一郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0187642(US,A1)
【文献】特開平5-206420(JP,A)
【文献】特開平11-102910(JP,A)
【文献】特開2014-165358(JP,A)
【文献】特開昭53-26689(JP,A)
【文献】特開2009-302198(JP,A)
【文献】特開2012-44042(JP,A)
【文献】特開2015-43360(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/822
H01L 21/8238
H01L 21/8234
H01L 27/088
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板の第1の面上に形成された第1の配線層と、を有する第1のチップと、
前記基板の前記第1の面とは反対側の第2の面上に形成された第2の配線層と、
を有し、
前記第2の配線層は、
第1の電源電位が供給される第1の電源線と、
第2の電源電位が供給される第2の電源線と、
を有し、
前記第1のチップは、
第1の接地線と、
前記第1の電源電位が供給される第3の電源線と、
前記第2の電源電位が供給される第4の電源線と、
前記基板に形成され、前記第1の電源線と前記第3の電源線とを接続するビアと、
前記第1の接地線及び前記第4の電源線が配置された第1の領域と、
前記第1の接地線と前記第3の電源線との間に接続された第1の回路と、
を有し、
前記第1の電源線と前記第2の電源線との間にスイッチが接続され、
平面視で、前記第3の電源線、前記ビア及び前記第1の回路は、前記第1の領域内に配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第2の配線層は、前記スイッチを含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1の回路は前記スイッチの制御端子に接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第4の電源線は、
第1の方向に延びる第1の直線上に設けられた第1の電源線片と、
前記第1の直線上に前記第1の電源線片から離間して設けられた第2の電源線片と、
を有し、
前記第3の電源線は、前記第1の電源線片と前記第2の電源線片との間に、前記第1の電源線片及び前記第2の電源線片から離間して配置されていることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第4の電源線は、
第1の方向に延びる第1の直線上に設けられた第1の電源線片と、
前記第1の直線上に前記第1の電源線片から離間して設けられた第2の電源線片と、
を有し、
前記第1のチップは、前記第1の電源線片と前記第2の電源線片との間に、前記第1の電源線片及び前記第2の電源線片から離間して設けられ、前記第1の回路と前記制御端子との間に接続された接続部を有することを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第4の電源線は、
第1の方向に延びる第1の直線上に設けられた第1の電源線片と、
前記第1の直線上に前記第1の電源線片から離間して設けられた第2の電源線片と、
を有し、
前記第3の電源線は、前記第1の電源線片と前記第2の電源線片との間に、前記第1の電源線片及び前記第2の電源線片から離間して配置されており、
前記第1のチップは、前記第1の電源線片と前記第2の電源線片との間に、前記第1の電源線片及び前記第2の電源線片から離間して設けられ、前記第1の回路と前記制御端子との間に接続された接続部を有することを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1のチップは、
第3の接地線と、
前記第1の電源線に接続された第5の電源線と、
前記第3の接地線及び前記第5の電源線が配置された第2の領域と、
を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第3の接地線と前記第5の電源線との間に接続され、前記第1の回路に接続された第2の回路を含むことを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1のチップは、
第3の電源電位が供給される第6の電源線と、
前記第1の接地線と前記第6の電源線との間に接続された第3の回路と、
を有し、
平面視で、前記第3の回路は、前記第1の領域内に配置されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第3の電源電位は前記第1の電源電位と等しいことを特徴とする請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第3の電源電位は前記第1の電源電位とは異なることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記スイッチは、
前記第1の電源線及び前記第2の電源線に接続された半導体層と、
ゲート電極と、
前記半導体層と前記ゲート電極との間に設けられたゲート絶縁膜と、
を有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記ゲート絶縁膜は、前記半導体層の前記第1のチップ側の面上に形成され、
前記ゲート電極は、前記ゲート絶縁膜の前記第1のチップ側の面上に形成されていることを特徴とする請求項12に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記ゲート絶縁膜は、前記半導体層の前記第1のチップ側の面とは反対側の面上に形成され、
前記ゲート電極は、前記ゲート絶縁膜の前記第1のチップ側の面とは反対側の面上に形成されていることを特徴とする請求項12に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記第1のチップ及び前記第2の配線層が搭載された実装基板を有し、
前記スイッチは、前記第1のチップ及び前記第2の配線層とは異なる位置の前記実装基板上に配置されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項16】
複数の前記スイッチを有し、
前記第1の回路は複数の前記スイッチの制御端子のそれぞれに接続することを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項17】
複数の前記スイッチと、複数の前記第1の回路とを有し、
複数の前記第1の回路のそれぞれは、複数の前記スイッチの制御端子のそれぞれに接続することを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置には各種回路領域が含まれており、回路領域の一例としてスタンダードセル領域がある。スタンダードセル領域には各種論理回路が含まれる。半導体装置にVDDの電源電位が供給される場合に、スタンダードセル領域の論理回路にVVDDの電源電位が供給され、VDDの電源線とVVDDの電源線との間に電源スイッチ回路が接続されることがある。
【0003】
電源スイッチ回路は、論理回路のトランジスタへのVVDDの電源電位の供給のオン/オフを切り替える。電源スイッチ回路を用いることで、論理回路を動作させる必要のないときに電源供給をオフとし、論理回路を構成するトランジスタで生じるリーク電流を抑制し、消費電力の低減が可能となる。
【0004】
また、主たる半導体チップの裏側に、配線を含む従たる半導体チップを貼り付け、従たる半導体チップの配線を介して主たる半導体チップのトランジスタに電源電位を供給する技術が提案されている。このような技術はBS-PDN(backside-power delivery network)とよばれることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許出願公開第2015/0162448号明細書
【文献】米国特許第9754923号明細書
【文献】米国特許出願公開第2018/0145030号明細書
【文献】米国特許第8530273号明細書
【文献】特許第6469269号公報
【文献】特許第5358727号公報
【文献】特許第7660902号公報
【文献】特許第6389937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これまでのところ、VVDDの電源電位が供給されるスタンダードセル領域内に、VDDの電源電位が供給されるバッファ等の回路が含まれる構成において、VDDの電源電位が供給される回路に従たる半導体チップから電源電位を供給する場合の具体的な構成について、詳細な検討はされていない。
【0007】
本発明の目的は、回路に効率よく電源電位を供給することができる半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示の技術に係る半導体装置は、基板と、前記基板の第1の面上に形成された第1の配線層と、を有する第1のチップと、前記基板の前記第1の面とは反対側の第2の面上に形成された第2の配線層と、を有し、前記第2の配線層は、第1の電源電位が供給される第1の電源線と、第2の電源電位が供給される第2の電源線と、を有し、前記第1のチップは、第1の接地線と、前記第1の電源電位が供給される第3の電源線と、前記第2の電源電位が供給される第4の電源線と、前記基板に形成され、前記第1の電源線と前記第3の電源線とを接続するビアと、前記第1の接地線及び前記第4の電源線が配置された第1の領域と、前記第1の接地線と前記第3の電源線との間に接続された第1の回路と、を有し、前記第1の電源線と前記第2の電源線との間にスイッチが接続され、平面視で、前記第3の電源線、前記ビア及び前記第1の回路は、前記第1の領域内に配置されている。
【発明の効果】
【0009】
開示の技術によれば、回路に効率よく電源電位を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示が適用される半導体装置の概要を示す断面図である。
【
図2】
図2は、第1のチップのレイアウトを示す図である。
【
図3】
図3は、半導体装置に含まれる回路の一例の構成を示す回路図である。
【
図4】
図4は、バッファの構成を示す回路図である。
【
図5】
図5は、バッファの第1の例の平面構成を示す模式図である。
【
図6】
図6は、バッファの第2の例の平面構成を示す模式図である。
【
図7】
図7は、インバータの構成を示す回路図である。
【
図8】
図8は、インバータの平面構成を示す模式図である。
【
図9】
図9は、第1の実施形態に係る半導体装置の平面構成を示す模式図である。
【
図10】
図10は、第1の実施形態に係る半導体装置を示す断面図(その1)である。
【
図11】
図11は、第1の実施形態に係る半導体装置を示す断面図(その2)である。
【
図13】
図13は、第1の実施形態の第1の変形例に係る半導体装置の平面構成を示す模式図である。
【
図15】
図15は、第1の実施形態の第2の変形例に係る半導体装置の平面構成を示す模式図である。
【
図17】
図17は、第2の実施形態に係る半導体装置の平面構成を示す模式図(その1)である。
【
図18】
図18は、第2の実施形態に係る半導体装置の平面構成を示す模式図(その2)である。
【
図19】
図19は、第2の実施形態に係る半導体装置を示す断面図(その1)である。
【
図20】
図20は、第2の実施形態に係る半導体装置を示す断面図(その2)である。
【
図21】
図21は、第2の実施形態に係る半導体装置を示す断面図(その3)である。
【
図22】
図22は、第2の実施形態の第1の変形例に係る半導体装置の平面構成を示す模式図である。
【
図23】
図23は、第3の実施形態に係る半導体装置の平面構成を示す模式図である。
【
図24】
図24は、第3の実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【
図25】
図25は、第3の実施形態に係る半導体装置における接続関係を示す断面図である。
【
図26】
図26は、第3の実施形態の第1の変形例に係る半導体装置の平面構成を示す模式図である。
【
図27】
図27は、第4の実施形態に係る半導体装置の平面構成を示す模式図である。
【
図29】
図29は、スイッチトランジスタの断面構成の例を示す断面図(その1)である。
【
図30】
図30は、スイッチトランジスタの断面構成の例を示す断面図(その2)である。
【
図31】
図31は、第5の実施形態に係る半導体装置を示す模式図である。
【
図32】
図32は、スイッチトランジスタと駆動バッファとの対応関係の第1の例を示す回路図である。
【
図33】
図33は、スイッチトランジスタと駆動バッファとの対応関係の第2の例を示す回路図である。
【
図34】
図34は、スイッチトランジスタと駆動バッファとの対応関係の第3の例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態について添付の図面を参照しながら具体的に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。また、以下の説明において、基板の表面に平行で互いに直交する2つの方向をX方向、Y方向とし、基板の表面に垂直な方向をZ方向とする。また、本開示での配置の一致とは、厳密に、製造上のばらつきに起因して不一致となったものを排除するものではなく、製造上のばらつきで配置にずれが生じている場合でも、配置が一致しているものとみなすことができる。
【0012】
(本開示が適用される半導体装置の概要)
先ず、本開示が適用される半導体装置の概要について説明する。
図1は、本開示が適用される半導体装置の概要を示す断面図である。
図1に示す半導体装置は、第1のチップ10及び第2のチップ20を含む。
【0013】
第1のチップ10は、例えば半導体チップであり、基板11及び第1の配線層12を含む。基板11は、例えばシリコン基板であり、基板11の表面側にトランジスタ等の半導体素子が形成されている。トランジスタは、例えばソース、ドレイン及びチャネルにフィン13を含むFinFETである。第1の配線層12は基板11の表面上に形成され、配線14及び絶縁層15を含む。配線14の一部はフィン13に接続される。更に、例えば基板11の表面側に、配線14に接続される電源線16が形成されており、基板11に、電源線16から基板11の裏面に達するビア17が設けられている。ビア17は、例えばシリコン貫通ビア(through-silicon via:TSV)である。なお、
図1に示すように、配線14の一部がビアのような形状を持ち、電源線16に接続してもよい。
【0014】
第2のチップ20は、例えば半導体チップであり、第1のチップ10の基板11の裏面に対向して配置される。第2のチップ20は、例えば、第2の配線層22及びパッド23を含む。第2の配線層22は、配線24及び絶縁層25を含む。第2の配線層22の上面は、例えば第1のチップ10の基板11の裏面に対向する。すなわち、基板11は第1の配線層12と第2の配線層22との間に位置する。第2の配線層22は、
図1に示すように、複数の配線24を有してもよい。複数の配線24は、第2の配線層22に設けられたビア28を介して接続されてもよい。パッド23は、例えば配線基板やボード等に接続する外部接続端子である。配線24の一部はビア17に接続される。パッド23は第2の配線層22の裏面に設けられており、ビア28を通じて配線24に接続されている。パッド23を介して第2の配線層22に、電源電位の供給や信号の伝達が行われる。
【0015】
第2のチップ20は第1のチップ10と同程度のサイズを有していてもよく、第1のチップ10より大きなサイズを有していてもよい。また、パッド23が、第1のチップ10に対向する側の第2のチップ20の面において、平面視で第1のチップ10の外側に設けられていてもよい。以下、本明細書において平面視とは、第1のチップ10の主面の平面視をいう。
【0016】
第2の配線層22は、基板11の裏面上に配線24及び絶縁層25等を形成して設けられたものであってもよい。第2の配線層22は、TSVが形成された第2の基板上に形成されていてもよく、第2の基板の裏面にパッド23が設けられていてもよい。
【0017】
なお、
図1に示す断面図は半導体装置の概要を示すものであり、詳細は
図10、
図11等に示す。
【0018】
次に、第1のチップ10のレイアウトについて説明する。
図2は、第1のチップ10のレイアウトを示す図である。
【0019】
図2に示すように、第1のチップ10は、第1のパワードメイン31Aと、第2のパワードメイン31Bと、第3のパワードメイン31Cと、入出力(I/O)セル領域32とを含む。I/Oセル領域32は、例えば、第1のパワードメイン31A及び第2のパワードメイン31Bの周辺に配置されている。第1のパワードメイン31Aの数、第2のパワードメイン31Bの数及び第3のパワードメイン31Cの数は2以上であってもよい。
【0020】
[半導体装置に含まれる回路]
次に、半導体装置に含まれる回路について説明する。
図3は、半導体装置に含まれる回路の一例の構成を示す回路図である。
【0021】
図3に示すように、半導体装置は、第1のパワードメイン31A内に、制御回路41と、バッファ42と、論理回路43とを有する。半導体装置は、第2のパワードメイン31B内に、バッファ51と、バッファ52と、インバータ53と、インバータ54と、スタンダードセル56とを有する。半導体装置は、第3のパワードメイン31C内に、論理回路81を有する。半導体装置は、VDDの電源電位が供給されるVDD配線と、VVDDの電源電位が供給されるVVDD配線と、VSSの接地電位が供給されるVSS配線とを有する。
【0022】
第1のパワードメイン31A内の制御回路41、バッファ42及び論理回路43には、VDDの電源電位及びVSSの接地電位が供給される。例えば、制御回路41の出力信号がバッファ42に入力される。論理回路43は、制御回路41及びバッファ42から独立して動作してもよい。
【0023】
第2のパワードメイン31B内のバッファ51、バッファ52、インバータ53及びインバータ54には、VDDの電源電位及びVSSの接地電位が供給される。例えば、バッファ42の出力信号がバッファ51に入力され、バッファ51の出力信号がインバータ53に入力され、インバータ53の出力信号がインバータ54に入力される。インバータ53及び54は一つのバッファ60を構成することができる。論理回路43の出力信号がバッファ52に入力される。バッファ52は、バッファ51、バッファ52、インバータ53及びインバータ54から独立して動作してもよい。
【0024】
詳細は後述するが、半導体装置は、第1のチップ10の主面の平面視において、第2の配線層22の第2のパワードメイン31Bと重なる領域内にスイッチトランジスタ55を有する。
図3では、便宜上、スイッチトランジスタ55が第2のパワードメイン31B内に図示されているが、スイッチトランジスタ55は第2のパワードメイン31Bの外部に設けられてよい。スイッチトランジスタ55は、例えばPチャネルMOSトランジスタである。例えば、インバータ53の出力信号がスイッチトランジスタ55のゲートに入力される。スイッチトランジスタ55のソース(VDD接続部)がVDD配線に接続され、ドレイン(VVDD接続部)がVVDD配線に接続される。スイッチトランジスタ55の動作は、バッファ42等を介して制御回路41により制御される。制御回路41によりスイッチトランジスタ55のオン/オフが切り替えられ、VDD配線とVVDD配線との間の導通が制御される。インバータ53の入力信号、すなわちバッファ51の出力信号がスイッチトランジスタ55のゲートに入力されてもよく、インバータ54の出力信号がスイッチトランジスタ55のゲートに入力されてもよい。スイッチトランジスタ55は、薄膜トランジスタ(thin film transistor:TFT)から構成されていてもよく、微小電気機械システム(micro electro mechanical systems:MEMS)スイッチであってもよい。
【0025】
第2のパワードメイン31B内のスタンダードセル56には、VVDDの電源電位及びVSSの接地電位が供給される。スタンダードセル56は、例えば、NAND回路、インバータ等の各種論理回路を含む。スタンダードセル56に、SRAM(Static Random Access Memory)やマクロが含まれてもよい。
【0026】
第3のパワードメイン31C内の論理回路81には、VDDの電源電位及びVSSの接地電位が供給される。例えば、バッファ52の出力信号が論理回路81に入力される。なお、論理回路81は第3のパワードメイン31Cに代わって、例えば第1のパワードメイン31A内に設けられてもよい。
【0027】
[バッファ60]
次に、VDDの電源電位及びVSSの電源電位が供給されるバッファ60の構成について説明する。ここでは、2つの例について説明する。
図4は、バッファ60の構成を示す回路図である。
図5は、バッファ60の第1の例の平面構成を示す模式図である。
図6は、バッファ60の第2の例の平面構成を示す模式図である。
【0028】
図4に示すように、バッファ60は、インバータ61及びインバータ62を有する。インバータ61に入力信号INが入力され、インバータ61の出力がインバータ62に入力され、インバータ62から出力信号OUTが出力される。インバータ61はPチャネルMOSトランジスタ610P及びNチャネルMOSトランジスタ610Nを含む。インバータ62はPチャネルMOSトランジスタ620P及びNチャネルMOSトランジスタ620Nを含む。
【0029】
バッファ60の第1の例では、例えば、
図5に示すように、VDD配線に相当する電源線1110と、VSS配線に相当する電源線1120とが設けられている。電源線1110及び1120はX方向に延在する。電源線1110の電源線1120側に、X方向に延びる半導体のフィン651が設けられている。フィン651は、例えば2本設けられている。フィン651の電源線1120側に、X方向に延びる半導体のフィン652が設けられている。フィン652は、例えば2本設けられている。ビア681を介して電源線1110に接続され、Y方向に延在し、フィン651に接続されるローカル配線631が設けられている。ビア682を介して電源線1120に接続され、Y方向に延在し、フィン652に接続されるローカル配線632が設けられている。ローカル配線631及び632よりX方向正側に、フィン651及び652に接続されるローカル配線634が設けられている。ローカル配線631及び632よりX方向負側に、フィン651及び652に接続されるローカル配線636が設けられている。
【0030】
ローカル配線631とローカル配線634との間、及びローカル配線632とローカル配線634との間でゲート絶縁膜(図示せず)を介してフィン651及び652と交差するゲート電極612が設けられている。ローカル配線631とローカル配線636との間、及びローカル配線632とローカル配線636との間でゲート絶縁膜(図示せず)を介してフィン651及び652と交差するゲート電極622が設けられている。ゲート電極612はローカル配線633及びビア641を介して配線611に接続されている。ゲート電極622はローカル配線635及びビア643を介して配線692に接続されている。配線692はローカル配線634にも接続されている。ローカル配線636はビア644を介して配線621に接続されている。配線611に入力信号INが入力され、配線621から出力信号OUTが出力される(
図4参照)。
【0031】
配線692がスイッチトランジスタ55のゲートに接続されてもよい。配線692に代わり、配線611または配線621のいずれか一方がスイッチトランジスタ55のゲートに接続されてもよい。
【0032】
バッファ60の第2の例では、例えば、
図6に示すように、VDD配線に相当する電源線1110と、VSS配線に相当する電源線1120A及び1120Bとが設けられている。電源線1110、1120A及び1120BはX方向に延在する。電源線1110は、Y方向で電源線1120Aと電源線1120Bとの間に位置する。
【0033】
電源線1110の電源線1120A側に、X方向に延びる半導体のフィン651Aが設けられている。フィン651Aは、例えば2本設けられている。フィン651Aの電源線1120A側に、X方向に延びる半導体のフィン652Aが設けられている。フィン652Aは、例えば2本設けられている。電源線1110の電源線1120B側に、X方向に延びる半導体のフィン651Bが設けられている。フィン651Bは、例えば2本設けられている。フィン651Bの電源線1120B側に、X方向に延びる半導体のフィン652Bが設けられている。フィン652Bは、例えば2本設けられている。
【0034】
ビア681を介して電源線1110に接続され、Y方向に延在し、フィン651A及び651Bに接続されるローカル配線631が設けられている。ビア682Aを介して電源線1120Aに接続され、Y方向に延在し、フィン652Aに接続されるローカル配線632Aが設けられている。ローカル配線631及び632AよりX方向正側に、フィン651A及び652Aに接続されるローカル配線634Aが設けられている。ビア682Bを介して電源線1120Bに接続され、Y方向に延在し、フィン652Bに接続されるローカル配線632Bが設けられている。ローカル配線631及び632BよりX方向正側に、フィン651B及び652Bに接続されるローカル配線634Bが設けられている。
【0035】
ローカル配線631とローカル配線634Aとの間、及びローカル配線632Aとローカル配線634Aとの間でゲート絶縁膜(図示せず)を介してフィン651A及び652Aと交差するゲート電極612Aが設けられている。ローカル配線631とローカル配線634Bとの間、及びローカル配線632Bとローカル配線634Bとの間でゲート絶縁膜(図示せず)を介してフィン651B及び652Bと交差するゲート電極612Bが設けられている。
【0036】
ゲート電極612Aはローカル配線633A及びビア641Aを介して配線611に接続されている。ゲート電極612Bはローカル配線633B及びビア641Bを介して配線623に接続されている。ローカル配線634Aはビア642Aを介して配線692に接続されている。ローカル配線634Bはビア642Bを介して配線621に接続されている。配線611、621、692及び623はX方向に延在する。ローカル配線631、632A及び632BよりX方向負側に、Y方向に延在する配線661が設けられている。配線661は、ビア671Aを介して配線692に接続され、ビア671Bを介して配線623に接続されている。配線611に入力信号INが入力され、配線621から出力信号OUTが出力される(
図4参照)。
【0037】
配線692、623及び661がスイッチトランジスタ55のゲートに接続されてもよい。配線611がスイッチトランジスタ55のゲートに接続されてもよい。配線621がスイッチトランジスタ55のゲートに接続されてもよい。
【0038】
例えば、バッファ42、51及び52として、バッファ60と同様の構成のバッファを用いることができる。また、例えば、インバータ53及び54として、インバータ61及び62を用いることもできる。
【0039】
なお、インバータ61及び62の構成は一例であり、例えば、インバータ61及び62に含まれるPチャネルMOSトランジスタ及びNチャネルMOSトランジスタの対は2以上であってもよい。
【0040】
次に、スタンダードセル56に含まれる回路の一例として、インバータの構成について説明する。
図7は、インバータの構成を示す回路図である。
図8は、インバータの平面構成を示す模式図である。
【0041】
図7に示すように、インバータ70はPチャネルMOSトランジスタ710P及びNチャネルMOSトランジスタ710Nを含む。
【0042】
例えば、
図8に示すように、VVDD配線に相当する電源線2110と、VSS配線に相当する電源線2120とが設けられている。電源線2110及び2120はX方向に延在する。電源線2110の電源線2120側に、X方向に延びる半導体のフィン751が設けられている。フィン751は、例えば2本設けられている。フィン751の電源線2120側に、X方向に延びる半導体のフィン752が設けられている。フィン752は、例えば2本設けられている。ビア781を介して電源線2110に接続され、Y方向に延在し、フィン751に接続されるローカル配線731が設けられている。ビア782を介して電源線2120に接続され、Y方向に延在し、フィン752に接続されるローカル配線732が設けられている。ローカル配線731及び732よりX方向正側に、フィン751及び752に接続されるローカル配線734が設けられている。電源線2110及び2120が3本以上の領域にわたって回路が設けられていてもよい。つまり、いわゆるマルチハイトの回路が設けられていてもよい。
【0043】
ローカル配線731とローカル配線734との間、及びローカル配線732とローカル配線734との間でゲート絶縁膜(図示せず)を介してフィン751及び752と交差するゲート電極712が設けられている。ゲート電極712はローカル配線733及びビア741を介して配線711に接続されている。ローカル配線734はビア742を介して配線760に接続されている。配線711に入力信号INが入力され、配線760から出力信号OUTが出力される(
図7参照)。
【0044】
図5、
図6及び
図8には、フィンを用いたトランジスタ(FinFET)を例示しているが、バッファ等の論理回路に、プレーナ型のトランジスタ、相補型電界効果トランジスタ(Complementary Field Effect Transistor:CFET)、ナノワイヤを用いたトランジスタ等が設けられてもよい。
【0045】
(第1の実施形態)
ここで、第1の実施形態について説明する。第1の実施形態は、
図3に示す回路のうちで、例えば、制御回路41、バッファ60、スイッチトランジスタ55及びスタンダードセル56を含む。
図9は、第1の実施形態に係る半導体装置の平面構成を示す模式図である。
図10及び
図11は、第1の実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
図10は、
図9中のX11-X21線に沿った断面図に相当し、
図11は、
図9中のY11-Y21線に沿った断面図に相当する。
図12は、
図9~
図11に示す部分の等価回路図である。
【0046】
[第1のパワードメイン31A]
第1のパワードメイン31Aには、制御回路41が設けられている。制御回路41には、VSSの接地電位とVDDの電源電位が供給される(
図3参照)。
【0047】
[第2のパワードメイン31B]
第2のパワードメイン31Bには、X方向に延在する電源線片2110A及び2110Bと、X方向に延在する電源線2120とがY方向に並んで配置されている。電源線片2110Aと電源線片2110Bとは、X方向に延びる同一の直線上に、間に隙間をあけて配置されている。電源線片2110Aと電源線片2110Bとの間に、X方向に延在する電源線2150と、X方向に延在する接続部5190とが配置されている。例えば、電源線片2110A及び2110BはVVDD配線に相当し、電源線2120はVSS配線に相当し、電源線2150はVDD配線に相当する。以下、電源線片2110A及び2110B等のVVDD配線に相当する電源線片を総称して電源線2110ということがある。
【0048】
図9~
図11に示すように、基板11にX方向に延在する複数の溝が形成され、電源線2110、2120及び2150と、接続部5190とは、これら溝内に形成されている。このような構造の電源線2110、2120及び2150は、BPR(Buried Power Rail)とよばれることがある。基板11の表面に素子分離膜(図示せず)が形成されていてもよい。
【0049】
基板11には、基板11を裏面まで貫通するビア2111A、2111B、2121、2151及び5191が形成されている。ビア2111Aは電源線片2110Aの下に形成され、ビア2111Bは電源線片2110Bの下に形成され、ビア2121は電源線2120の下に形成され、ビア2151は電源線2150の下に形成され、ビア5191は接続部5190の下に形成されている。以下、ビア2111A及び2111B等の、電源線2110の下に設けられ、電源線2110に接続されるビアを総称してビア2111ということがある。
【0050】
電源線2150と電源線2120との間に、例えば
図5に示すバッファ60が接続される。図示を省略するが、電源線2110と電源線2120との間に、
図8に示すインバータ70等のスタンダードセル56に含まれる回路が接続される。
【0051】
[スイッチトランジスタ55]
図9~
図11に示すように、第2のチップ20は、例えば、絶縁層25と、絶縁層25の表層部に形成された電源線4130、4140及び4150とを含む。電源線4130、4140及び4150はY方向に延在する。例えば、電源線4130、4150及び4140は、この順でX方向に複数配置されている。
【0052】
電源線4130、4140及び4150は、平面視で第2のパワードメイン31Bと重なる領域に設けられている。電源線4130はVVDD配線に相当し、電源線4140はVSS配線に相当し、電源線4150はVDD配線に相当する。一部の電源線4130は、ビア2111Aを介して電源線片2110Aに接続され、一部の電源線4130は、ビア2111Bを介して電源線片2110Bに接続されている。電源線2110及び4130は、平面視でメッシュ構造を有してもよい。電源線4140は、ビア2121を介して電源線2120に接続されている。電源線2120及び4140は平面視でメッシュ構造を有してもよい。電源線4150は、ビア2151を介して電源線2150に接続されている。
【0053】
第2のチップ20は、絶縁層25の表層部に形成された制御信号線5170を含む。制御信号線5170は、間に電源線4140を挟まない電源線4130と電源線4150との間に位置する。制御信号線5170はY方向に延在する。制御信号線5170は、ビア5191を介して接続部5190に接続されている。
【0054】
絶縁層25には、間に電源線4140を挟まずに隣り合う電源線4130及び4150の対と平面視で重なる半導体層6110が形成されている。平面視で電源線4130と電源線4150との間に位置するゲート絶縁膜6120が半導体層6110上に形成され、ゲート絶縁膜6120上にゲート電極5120が形成されている。絶縁層25には、制御信号線5170とゲート電極5120とを電気的に接続するビア5171が形成されている。ビア5171は制御信号線5170の下に形成されている。なお、
図9の一部のスイッチトランジスタ55において、ビア5171及び制御信号線5170の図示が省略されている。即ち、複数のスイッチトランジスタ55の各々において、ビア5171及び制御信号線5170が配置される。
【0055】
半導体層6110は、X方向でゲート電極5120を間に挟んでVVDD接続部6111(ドレイン)とVDD接続部6112(ソース)とを有する。絶縁層25には、VVDD接続部6111と電源線4130とを電気的に接続するビア4131と、VDD接続部6112と電源線4150とを電気的に接続するビア4151とが形成されている。ゲート電極5120がスイッチトランジスタ55のゲートとして機能し、VDD接続部6112がスイッチトランジスタ55のソースとして機能し、VVDD接続部6111がスイッチトランジスタ55のドレインとして機能する。スイッチトランジスタ55は、VDD配線に相当する電源線4150と、VVDD配線に相当する電源線4130との間に電気的に接続されている。
【0056】
[バッファ60]
上記のように、バッファ60は電源線2150と電源線2120との間に接続される。バッファ60には、制御回路41からの出力信号が入力され、バッファ60からの出力信号がスイッチトランジスタ55のゲートに入力される。すなわち、スイッチトランジスタ55のオン/オフは、バッファ60を介して制御回路41により制御される。電源線2120には、第2のパワードメイン31B内に配置されるスタンダードセル56も接続される。電源線2150は、基板11に形成されたビア2151を介して電源線4150に接続される。電源線4150は、ビア4151を介して、スイッチトランジスタ55のソースとして機能するVDD接続部6112に接続される。そして、スイッチトランジスタ55がオフのときにスタンダードセル56へのVVDDの電源電位の供給が遮断されるのに対し、バッファ60には、スイッチトランジスタ55のオン/オフに拘わらず、VDDの電源電位が供給される。
【0057】
第1の実施形態では、バッファ60の出力は、ビア5111、接続部5190、ビア5191、制御信号線5170及びビア5171を介して、スイッチトランジスタ55のゲートとして機能するゲート電極5120に接続される。また、VDD配線に相当する電源線4150は、電気的に、バッファ60と、スイッチトランジスタ55のドレインとして機能するVDD接続部6112に電気的に接続される。
【0058】
また、平面視で、電源線2150、ビア2151及びバッファ60は、第2のパワードメイン31B内に配置される。このように、第1の実施形態によれば、平面視で、VVDDの電源電位が供給される第2のパワードメイン31B内に、スイッチトランジスタ55のオン/オフに拘わらずVDDの電源電位で動作するバッファ60を配置することができる。そして、バッファ60及びスイッチトランジスタ55は、平面視で互いに近接して配置され、第2のパワードメイン31B内にVDDの電源電位のための電源線の引き回しは必要とされない。このため、バッファ60とスイッチトランジスタ55との間の配線を短いものとすることができ、回路面積の縮小が可能となる。このように、第1の実施形態によれば、バッファ60に効率よく電源電位を供給することができる。
【0059】
なお、接続部5190及び電源線2150は、VVDD配線に相当する電源線片2110Aと電源線片2110Bとの間でX方向に並んで配置されてもよい。
【0060】
図9~
図11では、複数のゲート電極5120のうち一つのゲート電極5120のみにバッファ60が接続されているが、複数のバッファ60が設けられ、各ゲート電極5120にバッファ60が接続されてもよい。また、複数のゲート電極5120同士が、例えば半導体層6110よりも下方の配線を介して互いに接続されていてもよい。
【0061】
(第1の実施形態の第1の変形例)
次に、第1の実施形態の第1の変形例について説明する。第1の変形例は、主に、バッファ51を更に含む点で第1の実施形態と相違する。
図13は、第1の実施形態の第1の変形例に係る半導体装置の平面構成を示す模式図である。
図14は、
図13に示す部分の等価回路図である。
図13~
図14には、主に、第1の変形例の第1の実施形態と相違する部分を示し、その他の部分の図示を省略する。
【0062】
図13及び
図14に示すように、バッファ60の前段にバッファ51が設けられている。すなわち、制御回路41とバッファ60との間で制御信号線5110にバッファ51が接続されている。バッファ51には、電源線2150からVDDの電源電位が供給され、電源線2120からVSSの接地電位が供給される。他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0063】
スイッチトランジスタ55がオフのときにスタンダードセル56へのVVDDの電源電位の供給が遮断されるのに対し、バッファ51には、バッファ60と同様に、スイッチトランジスタ55のオン/オフに拘わらず、VDDの電源電位が供給される。
【0064】
他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0065】
第1の変形例によっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。例えば、平面視で、VVDDの電源電位が供給される第2のパワードメイン31B内に、スイッチトランジスタ55のオン/オフに拘わらずVDDの電源電位で動作するバッファ51及び60を配置することができる。そして、第1の変形例によれば、バッファ51及び60に効率よく電源電位を供給することができる。
【0066】
(第1の実施形態の第2の変形例)
次に、第1の実施形態の第2の変形例について説明する。第2の変形例は、主に、
図3に示す回路のうちで、主に、スイッチトランジスタ55及びバッファ52に特徴的な部分を有する点で第1の実施形態と相違する。
図15は、第1の実施形態の第2の変形例に係る半導体装置の平面構成を示す模式図である。
図16は、
図15に示す部分の等価回路図である。
図15~
図16には、主に、第2の変形例の第1の実施形態と相違する部分を示し、その他の部分の図示を省略する。
【0067】
図15及び
図16に示すように、第1のパワードメイン31Aに設けられた論理回路43からの出力信号が、第2のパワードメイン31Bに設けられたバッファ52に入力される。バッファ52からの出力信号が、信号線5122を介して第3のパワードメイン31Cに設けられた論理回路81に入力される。
【0068】
バッファ52は電源線2150と電源線2120との間に接続される。電源線2120には、第2のパワードメイン31B内に配置されるスタンダードセル56も接続される。電源線2150は、基板11に形成されたビア2151を介して電源線4150に接続される。電源線4150は、ビア4151を介して、スイッチトランジスタ55のソースとして機能するVDD接続部6112に接続される。そして、スイッチトランジスタ55がオフのときにスタンダードセル56へのVVDDの電源電位の供給が遮断されるのに対し、バッファ52には、バッファ60と同様に、スイッチトランジスタ55のオン/オフに拘わらず、VDDの電源電位が供給される。
【0069】
他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0070】
第2の変形例によっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。例えば、平面視で、VVDDの電源電位が供給される第2のパワードメイン31B内に、スイッチトランジスタ55のオン/オフに拘わらずVDDの電源電位で動作するバッファ52を配置することができる。そして、第2の変形例によれば、バッファ52に効率よく電源電位を供給することができる。
【0071】
バッファ52は、論理回路43から論理回路81までの伝送経路が長い場合等に、論理回路43から論理回路81に伝送される信号の鈍りの抑制に寄与することができる。また、バッファ52は、スイッチトランジスタ55がオフであっても動作し、論理回路43から出力された信号を論理回路81に伝送することができる。
【0072】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、主に、第2のパワードメイン31Bに配置されるスイッチトランジスタ55の数の点で第1の実施形態と相違する。
図17及び
図18は、第2の実施形態に係る半導体装置の平面構成を示す模式図である。
図19~
図21は、第2の実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
図17は、主として、第2のチップ20の平面構成を示し、
図18は、主として、第1のチップ10の平面構成を示す。
図19は、
図17及び
図18のX12-X22線に沿った断面図に相当し、
図20は、
図17及び
図18中のY12-Y22線に沿った断面図に相当し、
図21は、
図17及び
図18中のY13-Y23線に沿った断面図に相当する。
図17~
図21には、主に、第2の実施形態の第1の実施形態と相違する部分を示し、その他の部分の図示を省略する。
【0073】
第2の実施形態では、複数の半導体層6110が格子状に配置されている。また、複数の半導体層6110に対応するように、複数の電源線4130、4140及び4150と、制御信号線5170と、複数のゲート絶縁膜6120(
図11参照)と、複数のゲート電極5120と等が配置されている。このようにして、複数のスイッチトランジスタ55が格子状に配置されている。
【0074】
絶縁層25には、X方向に延在する電源線3140と、電源線3150と、制御信号線3170とが設けられている。電源線3140及び3150と制御信号線3170とは、半導体層6110よりも下方に設けられている。電源線3140はVSS配線に相当し、電源線3150はVDD配線に相当する。電源線3150は、平面視で、Y方向で隣り合う複数の半導体層6110間のすべてに設けられている。なお、電源線3140及び電源線3150は、平面視で半導体層6110の一部と重なっていてもよい。電源線3140と制御信号線3170とは、平面視で、Y方向で隣り合う半導体層6110間の複数の隙間に交互に設けられている。絶縁層25には、電源線3140と電源線4140とを電気的に接続するビア4141と、電源線3150と電源線4150とを電気的に接続するビア4152と、制御信号線3170と制御信号線5170とを電気的に接続するビア5172とが形成されている。ビア4141は電源線4140の下に形成され、ビア4152は電源線4150の下に形成され、ビア5172は制御信号線5170の下に形成されている。電源線3140及び4140は、平面視でメッシュ構造を有する。電源線3150及び4150は、平面視でメッシュ構造を有する。
【0075】
X方向に並ぶ複数のスイッチトランジスタ55のゲート電極5120は、X方向に延在する制御信号線3170に共通に接続されている。このため、バッファ60は、例えばX方向に並ぶ複数のスイッチトランジスタ55に対して1個ずつ設けられていてもよい。また、Y方向で隣り合う2つのスイッチトランジスタ55のゲート電極5120は、Y方向に延在する制御信号線5170に共通に接続されている。このため、例えばY方向で隣り合う2つのスイッチトランジスタ55に対して1個のバッファ60が設けられていてもよい。このように、1つのバッファ60を介して複数のスイッチトランジスタ55を駆動するようにしてもよい。
【0076】
他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0077】
なお、
図21では、バッファ60に含まれるPチャネル型トランジスタ600P及びNチャネル型トランジスタ600Nを簡略して図示している。Pチャネル型トランジスタ600P及びNチャネル型トランジスタ600Nは、例えばFinFETである。
【0078】
第2の実施形態によっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。例えば、複数のバッファ60に効率よく電源電位を供給することができる。
【0079】
(第2の実施形態の第1の変形例)
次に、第2の実施形態の第1の変形例について説明する。第1の変形例は、主に、VSS配線に相当し、Y方向に延在する電源線を更に含む点で第2の実施形態と相違する。
図22は、第2の実施形態の第1の変形例に係る半導体装置の平面構成を示す模式図である。
図22は、主として、第2のチップ20の平面構成を示す。
図22には、主に、第1の変形例の第2の実施形態と相違する部分を示し、その他の部分の図示を省略する。
【0080】
図22に示すように、平面視で、X方向で隣り合う半導体層6110の間にVSS配線に相当する電源線4240が設けられている。電源線4240は、絶縁層25の表層部に形成されている。第1の変形例では、電源線3140、4140及び4240は、平面視でメッシュ構造を有する。
【0081】
他の構成は第2の実施形態と同様である。
【0082】
第1の変形例によっても第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、VSSの電源電位をより強化することができる。
【0083】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、主に、VDDの電源電位の供給経路が異なるバッファを含む点で第1の実施形態等と相違する。
図23は、第3の実施形態に係る半導体装置の平面構成を示す模式図である。
図24は、第3の実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
図25は、第3の実施形態に係る半導体装置における接続関係を示す断面図である。
図24は、
図23中のX13-X23線に沿った断面図に相当する。
図23~
図25には、主に、第3の実施形態の第1の実施形態と相違する部分を示し、その他の部分の図示を省略する。
【0084】
第3の実施形態では、
図23~
図25に示すように、バッファ60に加えて、バッファ60Bが設けられている。バッファ60Bは、バッファ60が駆動するスイッチトランジスタ55とは異なるスイッチトランジスタ55のゲート電極5120に接続されている。バッファ60に電源線2150からVDDの電源電位が供給されるのに対し、バッファ60Bには、絶縁層15に設けられた電源線5310からVDDの電源電位が供給される。
図25には、電源線5310に沿った断面を模式的に示してある。電源線5310は、例えば、第1のパワードメイン31A内で、絶縁層15に設けられたビア5311を介して電源線1110に接続されている。なお、
図23の一部のスイッチトランジスタ55において、ビア5171及び制御信号線5170の図示が省略されている。即ち、複数のスイッチトランジスタ55の各々において、ビア5171及び制御信号線5170が配置される。また、スイッチトランジスタ55は、それぞれバッファ60またはバッファ60Bの何れかによって駆動するものであってもよい。
【0085】
他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0086】
第3の実施形態によっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、バッファ60BへのVDDの電源電位の供給に関し、電源線2150を設けなくもよい。
【0087】
(第3の実施形態の第1の変形例)
次に、第3の実施形態の第1の変形例について説明する。第1の変形例は、主に、バッファ60とはVDDの電源電位の供給経路が異なるバッファの出力先の点で第3の実施形態と相違する。
図26は、第3の実施形態の第1の変形例に係る半導体装置の平面構成を示す模式図である。
図26には、主に、第1の変形例の第3の実施形態と相違する部分を示し、その他の部分の図示を省略する。
【0088】
第1の変形例では、バッファ60Bに代えてバッファ57が設けられている。バッファ57には、バッファ60Bと同様に、絶縁層15に設けられた電源線5310からVDDの電源電位が供給される。バッファ57には、制御回路41から、制御信号線5110から独立した制御信号線5319を介して制御信号が入力され、バッファ57の出力は、スイッチトランジスタ55とは異なる回路に入力される。なお、
図26の一部のスイッチトランジスタ55において、ビア5171及び制御信号線5170の図示が省略されている。即ち、複数のスイッチトランジスタ55の各々において、ビア5171及び制御信号線5170が配置される。
【0089】
他の構成は第3の実施形態と同様である。
【0090】
第1の変形例によっても第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、バッファ57の出力先に関し、接続部5190を設けなくもよい。従って、電源線2110を複数に分割しなくてもよい。
【0091】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、主に、VDDとは異なる電源電位が供給されるバッファを含む点で第1の実施形態等と相違する。
図27は、第4の実施形態に係る半導体装置の平面構成を示す模式図である。
図28は、
図27に示す部分の一部の等価回路図である。
図27~
図28には、主に、第4の実施形態の第1の実施形態と相違する部分を示し、その他の部分の図示を省略する。
【0092】
第4の実施形態に係る半導体装置は、第4のパワードメイン31Dを有する。第4のパワードメイン31Dには、電源線1120と、電源線1910と、バッファ82とが設けられている。電源線1120はVSS配線に相当し、電源線1910はVDD配線とは異なる電源電位のVDDH配線に相当する。電源線1910は電源線1120と同様にX方向に延在する。バッファ82には、VSSの接地電位とVDDHの電源電位とが供給される。
【0093】
第2のチップ20の絶縁層25の表層部には、電源線4950が形成されている。電源線4950はY方向に延在する。電源線4950はVDDH配線に相当する。電源線4950は、基板11に形成されたビア1911を介して電源線1910に接続されている。
【0094】
第4の実施形態では、バッファ60に加えて、バッファ60Cが設けられている。バッファ60Cは、バッファ60が駆動するスイッチトランジスタ55とは異なるスイッチトランジスタ55のゲート電極5120に接続されている。バッファ60に電源線2150からVDDの電源電位が供給されるのに対し、バッファ60Cには、絶縁層15に設けられた電源線5320から、VDDとは異なるVDDHの電源電位が供給される。電源線5320は、例えば、第4のパワードメイン31D内で、絶縁層15に設けられたビア5321を介して電源線1910に接続されている。バッファ60Cには、制御信号線5410を介してバッファ82の出力信号が入力される。バッファ82の前段にバッファ60Cを介してスイッチトランジスタ55のオン/オフを制御する制御回路が接続されていてもよい。なお、
図27の一部のスイッチトランジスタ55において、ビア5171及び制御信号線5170の図示が省略されている。即ち、複数のスイッチトランジスタ55の各々において、ビア5171及び制御信号線5170が配置される。また、スイッチトランジスタ55は、それぞれバッファ60またはバッファ60Bの何れかによって駆動するものであってもよい。
【0095】
他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0096】
第4の実施形態によっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0097】
他の実施形態においても、複数種の電源電位が用いられてもよい。
【0098】
ここで、スイッチトランジスタの断面構成の概要について説明する。
図29及び
図30は、スイッチトランジスタの断面構成の例を示す断面図である。
【0099】
図29に示す第1の例では、絶縁層101中に下地絶縁膜102が設けられ、下地絶縁膜102上に半導体層103、ゲート絶縁膜104及びゲート電極105が設けられている。絶縁層101の表層部に、制御信号線110と、VDD配線に相当する電源線120と、VVDD配線に相当する電源線130が設けられている。半導体層103は、チャネル103Cと、チャネル103Cを間に挟むソース103S及びドレイン103Dを有する。電源線120とソース103Sとがビア121を介して接続され、電源線130とドレイン103Dとがビア131を介して接続されている。下地絶縁膜102の下に、VDD配線に相当する電源線123と、VVDD配線に相当する電源線133とが設けられている。電源線120と電源線123とがビア122を介して接続され、電源線130と電源線133とがビア132を介して接続されている。制御信号線110はビア111を介してゲート電極105に接続されている。
【0100】
図30に示す第2の例では、下地絶縁膜102にゲート絶縁膜204が設けられ、ゲート絶縁膜204の上に半導体層103が設けられ、ゲート絶縁膜204の下にゲート電極205が設けられている。他の構成は第1の例と同様である。
【0101】
下地絶縁膜の材料は、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化炭化シリコン等である。半導体層の材料は、例えばInGaZnO(IGZO)、ZnO、ZnSnO、InZnO等である。ゲート絶縁膜の材料は、例えばSiO2、SiOxNy、SiN、Al2O3等である。ゲート電極の材料は、例えばモリブデン、チタン、クロム、タンタル、マグネシウム、銀、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、ルテニウム、スカンジウム等の金属である。ゲート電極の材料がグラフェン等であってもよい。
【0102】
各実施形態及び各変形例に記載のスイッチトランジスタ55は、いずれも第1の例に該当するが、各実施形態及び各変形例においてスイッチトランジスタ55の構造として第2の例の構造を採用してもよい。
【0103】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。第5の実施形態は、スイッチトランジスタの配置の点で第1の実施形態等と相違する。
図31は、第5の実施形態に係る半導体装置を示す模式図である。
【0104】
第5の実施形態では、実装基板501上に、制御信号線用のバンプ511、VDD配線用のバンプ512及びVVDD配線用のバンプ513を介して半導体装置502が実装されている。実装基板501には、一端がバンプ511に接続された制御信号線521と、一端がバンプ512に接続されたVDD配線522と、一端がバンプ513に接続されたVVDD配線523とが設けられている。実装基板501上に、制御信号線521の他端と、VDD配線522の他端と、VVDD配線523の他端とに接続されたスイッチトランジスタ550が実装されている。
【0105】
半導体装置502は、第1のチップ10及び第2のチップ20を含む。第1のチップ10は、例えば、制御回路41と、スタンダードセル56と、バッファ59とを含む。制御回路41は第1のパワードメイン31Aに設けられている。スタンダードセル56及びバッファ59は第2のパワードメイン31Bに設けられている。バッファ59は、バッファ51、52、60等と同様の構成を有し、バッファ59には、VSSの電源電位とVDDの電源電位とが第2の配線層22や基板11(
図31では省略)に設けられたビアを介して供給される。
【0106】
このように、スイッチトランジスタは第2の配線層に含まれる必要はない。すなわち、半導体装置がスイッチトランジスタを含まず、スイッチトランジスタが半導体装置の外部に設けられていてもよい。例えば、スイッチトランジスタは、他の半導体装置内に設けられていてもよい。
【0107】
なお、1つのスイッチトランジスタに対して、当該スイッチトランジスタを駆動するバッファ(駆動バッファ)が1つ設けられている必要はない。
図32は、スイッチトランジスタと駆動バッファとの対応関係の第1の例を示す回路図である。
図33は、スイッチトランジスタと駆動バッファとの対応関係の第2の例を示す回路図である。
図34は、スイッチトランジスタと駆動バッファとの対応関係の第3の例を示す回路図である。
【0108】
第1の例では、
図32に示すように、1つのスイッチトランジスタ55に対して1つの駆動バッファ60が対応するように設けられている。
【0109】
第2の例では、
図33に示すように、複数のスイッチトランジスタ55に対して1つの駆動バッファ60が対応するように設けられている。
【0110】
第3の例では、複数のスイッチトランジスタ55に対して1つの駆動バッファ60が対応するように設けられ、更に、これらの群が複数設けられている。
【0111】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0112】
10:第1のチップ
20:第2のチップ
31A、31B、31C、31D:パワードメイン
51、52、57、59、60、60B、60C:バッファ
55、550:スイッチトランジスタ
56:スタンダードセル