(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】信号送信方法、装置及び通信システム
(51)【国際特許分類】
H04W 74/08 20090101AFI20230704BHJP
H04W 72/1268 20230101ALI20230704BHJP
H04W 72/21 20230101ALI20230704BHJP
H04W 72/566 20230101ALI20230704BHJP
【FI】
H04W74/08
H04W72/1268
H04W72/21
H04W72/566
(21)【出願番号】P 2021562934
(86)(22)【出願日】2019-04-30
(86)【国際出願番号】 CN2019085333
(87)【国際公開番号】W WO2020220324
(87)【国際公開日】2020-11-05
【審査請求日】2021-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ジア・メイイ
(72)【発明者】
【氏名】リ・グオルゥォン
(72)【発明者】
【氏名】ルゥ・ヤン
【審査官】田畑 利幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/064367(WO,A1)
【文献】特表2018-535611(JP,A)
【文献】特表2019-533326(JP,A)
【文献】LG Electronics Inc.,"4-step RACH procedure for NR-U",3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #105 R2-1901754,[online],2019年02月15日,pages 1-3,[retrieved on 2022-12-20], <URL: https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_105/Docs/R2-1901754.zip>
【文献】Qualcomm,"[DRAFT] LS on RACH agreements for NR-U",3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #105bis R2-1905451,[online],2019年04月12日,pages 1-2,[retrieved on 2022-12-20], <URL: https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_105bis/Docs/R2-1905451.zip>
【文献】Huawei, HiSilicon,"Discussion on RACH in NR-U",3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #105bis R2-1904117,[online],2019年03月29日,pages 1-3,[retrieved on 2022-12-20], <URL: https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_105bis/Docs/R2-1904117.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置に配置される信号送信装置であって、
ランダムアクセスレスポンス受信窓内で1つのランダムアクセスレスポンスを受信する受信ユニットであって、前記ランダムアクセスレスポンスが複数の上りリンクグラントと関連付けられる、受信ユニット;及び
前記複数の上りリンクグラント
を用いてメッセージ3を送信する送信ユニットであって、
前記複数の上りリンクグラントのうちの
第一上りリンクグラントが前記メッセージ3の初期送信のために用いられ
、前記複数の上りリンクグラントのうちの第二上りリンクグラントが前記メッセージ3の再送のために用いられる、送信ユニットを含む、
信号送信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の
信号送信装置であって、
第一処理ユニットをさらに含み、
前記第一処理ユニットは競合解決メッセージを受信し、前記競合解決メッセージに対して復号を行ってMAC PDUを取得し、前記MAC PDUが競合解決IDを含み、かつ前記競合解決IDが前記メッセージ3において含まれており又は送信されているのとマッチしない場合、競合解決が未成功と見なし、前記ランダムアクセスレスポンスにおいて受信した、ペンディングされ、又は残され、又は割り当てられた上りリンクグラントを破棄する、
信号送信装置。
【請求項3】
請求項1に記載の
信号送信装置であって、
第二処理ユニットをさらに含み、
前記第二処理ユニットは競合解決メッセージを受信し、前記競合解決メッセージに対して復号を行ってMAC PDUを取得し、前記MAC PDUが競合解決IDを含み、かつ前記競合解決IDが前記メッセージ3において含まれており又は送信されているのとマッチしない場合、競合解決が未成功と見なす、
信号送信装置。
【請求項4】
請求項
3に記載の
信号送信装置であって、
競合解決が未成功であり、かつ利用可能な前記メッセージ3の送信用の上りリンクグラントがある場合、前記第二処理ユニットは利用可能な上りリンクグラントを用いて前記メッセージ3の伝送を行う、
信号送信装置。
【請求項5】
請求項1に記載の
信号送信装置であって、
第三処理ユニットをさらに含み、
利用可能な前記メッセージ3の送信用の上りリンクグラントがなく、かつ競合解決タイマーが切れたとき又は第一タイマーが切れたときに、前記第三処理ユニットは前記ランダムアクセスレスポンスにおいて受信したTC-RNTIを破棄し、競合解決が未成功と見なし、成功裏に復号されたMAC PDUを破棄する、
信号送信装置。
【請求項6】
請求項1に記載の
信号送信装置であって、
前記複数の上りリンクグラントはライセンスバンド又はアンライセンスバンドにあり、
前記
信号送信装置は第五処理ユニットをさらに含み、
前記第五処理ユニットは、前記メッセージ3の伝送又は再送の機会が終了したときに、競合解決タイマーを起動又は再起動させ、
前記メッセージ3がCCCH SDUを含み、かつTC-RNTIを用いてPDCCH伝送をアドレスする場合、
前記MAC PDUを成功裏に復号したときに、
前記MAC PDUが競合解決IDを含み、かつ前記競合解決IDが前記メッセージ3において送信されているのとマッチすれば、前記第五処理ユニットは前記競合解決タイマーを停止する、
信号送信装置。
【請求項7】
請求項1に記載の
信号送信装置であって、
第七処理ユニットをさらに含み、
前記第七処理ユニットは、前記メッセージ3の1つの伝送又は1つの再送の機会が終了したときに、第一タイマーを起動させ、前記第一タイマーの作動期間内で競合解決メッセージを監視し、かつ前記メッセージ3のHARQ再送のスケジューリング情報を監視し、前記第一タイマーが切れたときに、前記メッセージ3の伝送又は伝送の試みを許可する、
信号送信装置。
【請求項8】
ネットワーク装置に配置される信号送信装置であって、
ランダムアクセスプリアンブルを受信する受信ユニット;及び
ランダムアクセスレスポンス受信窓内で1つのランダムアクセスレスポンスを送信する第一送信ユニットであって、前記ランダムアクセスレスポンスが複数の上りリンクグラントと関連付けられ、前記複数の上りリンクグラントがメッセージ3の伝送のために用いられ、前記複数の上りリンクグラントのうちの
第一上りリンクグラントが前記メッセージ3の初期送信のために用いられ
、前記複数の上りリンクグラントのうちの第二上りリンクグラントが前記メッセージ3の再送のために用いられる、
信号送信装置。
【請求項9】
請求項
8に記載の
信号送信装置であって、
前記ランダムアクセスレスポンスが複数の上りリンクグラントと関連付けられることとは、
1つのランダムアクセスレスポンスが1つの上りリンクグラントと関連付けられ、前記ネットワーク装置がランダムアクセスレスポンス受信窓内で複数のランダムアクセスレスポンスを送信し;又は
1つのランダムアクセスレスポンスが複数の上りリンクグラントと関連付けられることを指す、
信号送信装置。
【請求項10】
請求項
8に記載の
信号送信装置であって、
監視ユニットをさらに含み、
前記監視ユニットは、前記複数の上りリンクグラントのうちの1つの上りリンクグラントで前記メッセージ3を監視し、
前記メッセージ3を受信しており、かつ前記メッセージ3が第一競合解決IDを含む場合、前記第一送信ユニットは競合解決メッセージを送信し、前記競合解決メッセージは第二競合解決IDを含み、前記第二競合解決IDは前記メッセージ3に含まれる第一競合解決IDと同じである、
信号送信装置。
【請求項11】
請求項1
0に記載の
信号送信装置であって、
第一処理ユニットをさらに含み、
前記第一処理ユニットは、前記複数の上りリンクグラントのうち、ペンディングされ、又は残され、又は割り当てられた上りリンクグラントでメッセージ3を監視する、
信号送信装置。
【請求項12】
請求項1
1に記載の
信号送信装置であって、
前記複数の上りリンクグラントのうち、ペンディングされ、又は残され、又は割り当てられた第一上りリンクグラントが存在する場合、前記監視ユニットは前記第一上りリンクグラントで前記メッセージ3を監視し、
前記メッセージ3を受信しており、かつ前記メッセージ3が第一競合解決IDを含む場合、前記第一送信ユニットは競合解決メッセージを送信し、前記競合解決メッセージは第二競合解決IDを含み、前記第二競合解決IDは前記メッセージ3に含まれる第一競合解決IDと同じである、
信号送信装置。
【請求項13】
請求項1
2に記載の
信号送信装置であって、
前記競合解決メッセージは1つのC-RNTIをさらに含み、前記C-RNTIは端末装置を標識するために用いられる、
信号送信装置。
【請求項14】
ネットワーク装置及び端末装置を含む通信システムであって、
前記ネットワーク装置には請求項
8乃至13のうちの何れか1項に記載の
信号送信装置が配置され、前記端末装置には請求項1
乃至7のうちの何れか1項に記載の
信号送信装置が配置される、通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信の分野に関し、特に、信号送信方法、装置及び通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
新無線(NR、New Radio)において、競合ベースのランダムアクセス(contention-based random access、CBRA)プロシージャが
図1に示すようであり、それは4ステップ(4-step)ランダムアクセスと称されても良く、即ち、第1ステップ:端末装置がネットワーク装置にメッセージ1を送信し、該メッセージ1には少なくともランダムアクセスプリアンブル(Random Access Preamble)が含まれ;第2ステップ:ネットワーク装置が端末装置にメッセージ2を送信し、該メッセージ2には少なくともランダムアクセスレスポンス(Random Access Response、RAR)が含まれ;第3ステップ:端末装置がネットワーク装置にメッセージ3を送信し、該メッセージ3には少なくとも、スケジューリングされる伝送(Scheduled Transmission)が含まれ;及び、第4ステップ:ネットワーク装置が端末装置に競合解決メッセージを送信し、該競合解決メッセージには少なくとも競合解決(Contention Resolution)情報が含まれる。
【0003】
図2はメッセージ3の伝送及び競合解決を示す図である。
図2に示すように、一旦、メッセージ3を伝送すると、媒体アクセス制御(Medium Access Control、MAC)実体がメッセージ3の伝送終了後の1番目のシンボルで競合解決タイマー(ra-ContentionResolutionTimer)をスタートさせ、また、毎回のハイブリッド自動再送(Hybrid Automatic Repeat reQuest、HARQ)のメッセージ3の再送時に該タイマーを再スタートさせ、該タイマーがランニングしている期間で、端末が、発生する可能性のある測定間隔に関係なく、物理下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel、PDCCH)を監視する。
【0004】
メッセージ3にC-RNTI MAC CE(C-RNTIはセル無線ネットワーク一時標識(ID)(Cell Radio Network Temporary Identifier)であり、CEは制御エレメント(Control Element)である。)が含まれており、即ち、ランダムアクセスプロシージャがビーム失敗回復のために開始され、かつC-RNTI addressedのPDCCH伝送を使用し、あるいは、ランダムアクセスプロシージャがPDCCH order(命令)により開始され、かつC-RNTI addressedのPDCCH伝送を使用し、あるいは、ランダムアクセスプロシージャがMACサブレイヤー又はRRC(Radio Resource Control、無線リソース制御)サブレイヤーにより開始され、かつC-RNTI addressedのPDCCH伝送を使用し、かつ新たな伝送のUL(UpLink、上りリンク)グラントを含む場合、競合解決が成功したと見なし、そして、競合解決タイマーを停止し;メッセージ3にCCCH SDU(CCCHは共通制御チャネル(common control channel)であり、SDUはサービスデータユニット(service Data Unit)である)が含まれており、かつPDCCH伝送がTC-RNTI(一時セル無線ネットワーク一時標識、Temporary Cell Radio Network Temporary Identifier)によりアドレスされた場合、MAC PDU(Ptotocol data unit、プロトコルデータユニット)の復号(decode)が成功すれば、競合解決タイマーを停止する。競合解決タイマーが切れた場合、TC-RNTIを破棄(discard)し、競合解決が未成功(失敗した)と見なす。
【0005】
なお、上述の背景技術についての紹介は、本発明の技術案を明確かつ完全に説明し、また、当業者がそれを理解しやすいためのものである。これらの技術案は、本発明の背景技術に記述されているため、当業者にとって周知であると解釈してはならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明者が次のようなことを発見しており、即ち、今のところ、3GPPではより多くのメッセージ3の伝送機会(即ち、メッセージ3の伝送機会を増やすこと)が検討されている。例えば、NRにおける上りリンク重複伝送(repeat transmission)である。また、端末側での可能なLBT(Listen Before Talk)失敗を克服するために、メッセージ3の伝送を強化する必要がある。現在の可能な方法は以下のものを含み、即ち、
方法1:時間領域でメッセージ3が重複され;
方法2:RARに複数のグラントがキャリー(carry)され;
方法3:同じRAR窓内で複数のRARsを受信することができ;及び
方法4:ネットワークにより、端末がネットワークによって開始されるメッセージ2のCOT内でメッセージ3を送信するように設定する。
【0007】
そのうち、方法1-3はすべてより多くの伝送機会に基づいて強化を行い、例えば、方法2及び方法3は、ネットワークが端末のために、より多くのメッセージ3の伝送用の上りリンクグラントを提供することで、メッセージ3の送信の可能性を増加させる。
【0008】
しかしながら、ネットワークによって提供されるより多くの上りリンクグラントを如何に処理するか、及び競合解決未成功時に残りの上りリンクグラント(pending UL grant)を如何に処理するかは解決する必要のある問題である。
【0009】
上述の問題のうちの少なくとも1つを解決し、又は、他の類似した問題を解決するために、本発明の実施例は信号送信方法、装置及びシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施例の第一側面によれば、信号送信方法が提供され、前記方法は端末装置に応用され、そのうち、前記方法は、
端末装置がランダムアクセスレスポンスを受信し、前記ランダムアクセスレスポンスは複数の上りリンクグラントと関連付けられ;及び
前記端末装置が前記複数の上りリンクグラントのうちの1つ又は複数の上りリンクグラントを用いてメッセージ3を送信し、そのうち、前記1つ又は複数の上りリンクグラントのうちの少なくとも1つの上りリンクグラントが前記メッセージ3の初期送信のために用いられることを含む。
【0011】
本発明の実施例の第二側面によれば、信号送信方法が提供され、前記方法はネットワーク装置に応用され、そのうち、前記方法は、
ネットワーク装置がランダムアクセスプリアンブルを受信し;及び
前記ネットワーク装置がランダムアクセスレスポンスを送信し、前記ランダムアクセスレスポンスは複数の上りリンクグラントと関連付けられ、前記複数の上りリンクグラントはメッセージ3の伝送のために用いられ、そのうち、前記複数の上りリンクグラントの少なくとも1つの上りリンクグラントが前記メッセージ3の初期送信のために用いられることを含む。
【0012】
本発明の実施例の第三側面によれば、信号送信装置が提供され、前記装置は端末装置に配置され、そのうち、前記装置は、
ランダムアクセスレスポンスを受信する第一受信ユニットであって、前記ランダムアクセスレスポンスは複数の上りリンクグラントと関連付けられる、第一受信ユニット;及び
前記複数の上りリンクグラントのうちの1つ又は複数の上りリンクグラントを用いてメッセージ3を送信する送信ユニットであって、そのうち、前記1つ又は複数の上りリンクグラントのうちの少なくとも1つの上りリンクグラントが前記メッセージ3の初期送信のために用いられる、送信ユニットを含む。
【0013】
本発明の実施例の第四側面によれば、信号送信装置が提供され、前記装置はネットワーク装置に配置され、そのうち、前記装置は、
ランダムアクセスプリアンブルを受信する受信ユニット;及び
ランダムアクセスレスポンスを送信する第一送信ユニットであって、前記ランダムアクセスレスポンスは複数の上りリンクグラントと関連付けられ、前記複数の上りリンクグラントはメッセージ3の伝送のために用いられ、そのうち、前記複数の上りリンクグラントのうちの少なくとも1つの上りリンクグラントが前記メッセージ3の初期送信のために用いられる、第一送信ユニットを含む。
【0014】
本発明の実施例の第五側面によれば、端末装置が提供され、そのうち、前記端末装置は前述の第三側面に記載の装置を含む。
【0015】
本発明の実施例の第六側面によれば、ネットワーク装置が提供され、そのうち、前記ネットワーク装置は前述の第四側面に記載の装置を含む。
【0016】
本発明の実施例の第七側面によれば、通信システムが提供され、前記通信システムは前述の第六側面に記載のネットワーク装置及び前述の第五側面に記載の端末装置を含む。
【0017】
本発明の実施例の他の側面によれば、コンピュータ可読プログラムが提供され、そのうち、端末装置中で前記プログラムを実行するときに、前記プログラムはコンピュータに、前記端末装置中で前述の第一側面に記載の方法を実行させる。
【0018】
本発明の実施例の他の側面によれば、コンピュータ可読プログラムを記憶している記憶媒体が提供され、そのうち、前記コンピュータ可読プログラムはコンピュータに、端末装置中で前述の第一側面に記載の方法を実行させる。
【0019】
本発明の実施例の他の側面によれば、コンピュータ可読プログラムが提供され、そのうち、ネットワーク装置中で前記プログラムを実行するときに、前記プログラムはコンピュータに、前記ネットワーク装置中で前述の第二側面に記載の方法を実行させる。
【0020】
本発明の実施例の他の側面によれば、コンピュータ可読プログラムを記憶している記憶媒体が提供され、そのうち、前記コンピュータ可読プログラムはコンピュータに、ネットワーク装置中で前述の第二側面に記載の方法を実行させる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の有利な効果が次のとおりである。即ち、本発明の実施例の少なくとも1つの側面により、メッセージ3の伝送機会が増加した場合、メッセージ3の伝送を確保し、メッセージ3に対応する上りリンクグラントに対して適切な処理を行うことができる。
【0022】
後述の説明及び図面を参照することで、本発明の特定の実施形態を詳しく開示し、本発明の原理を採用し得る態様を示す。なお、本発明の実施形態は、範囲上ではこれらにより限定されない。添付した特許請求の範囲内であれば、本発明の実施形態は、様々な変更、修正及び代替によるものを含んでも良い。
【0023】
また、1つの実施方式について説明した及び/又は示した特徴は、同じ又は類似した方式で1つ又は複数の他の実施形態に用い、他の実施形態における特徴と組み合わせ、又は、他の実施形態における特徴を置換することもできる。
【0024】
なお、「含む/有する」のような用語は、本明細書に使用されるときに、特徴、要素、ステップ、又はアセンブルの存在を指すが、1つ又は複数の他の特徴、要素、ステップ、又はアセンブリの存在又は付加を排除しないということも指す。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の1つの図面又は1つの実施形態に記載の要素及び特徴は、1つ又は複数の他の図面又は実施形態に示した要素及び特徴と組み合わせることができる。また、図面では、類似した符号は、幾つの図面における対応する部品を示し、複数の実施形態に用いる対応部品を示すためにも用いられる。
【0026】
含まれている図面は、本発明の実施例への更なる理解を提供するために用いられ、これらの図面は、本明細書の一部を構成し、本発明の実施形態を例示し、文字記載とともに本発明の原理を説明するために用いられる。また、明らかのように、以下に記載される図面は、本発明の幾つかの実施例を示すためのものに過ぎず、当業者は、創造性のある労働をせずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【
図1】4ステップランダムアクセスを示す図である。
【
図2】4ステップランダムアクセスプロシージャにおけるメッセージ3の伝送及び競合解決を示す図である。
【
図3】本発明の実施例における通信システムを示す図である。
【
図4】実施例1における信号送信方法を示す図である。
【
図5】規格に記述されるメッセージ3の初期送信方法を示す図である。
【
図6】規格に記述されるRARにおけるUL grantを示す図である。
【
図8】MACサブヘッダのフォーマットを示す図である。
【
図9】実施例2における信号送信方法を示す図である。
【
図10】実施例3における信号送信装置を示す図である。
【
図11】実施例4における信号送信装置を示す図である。
【
図12】実施例5における端末装置を示す図である。
【
図13】実施例6におけるネットワーク装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
添付した図面及び以下の説明を参照することにより、本発明の前述及び他の特徴が明らかになる。なお、明細書及び図面では、本発明の特定の実施形態を開示するが、それは、本発明の原理を採用し得る一部のみの実施形態を示し、理解すべきは、本発明は、記載されている実施形態に限定されず、即ち、本発明は、添付した特許請求の範囲内のすべての変更、変形及び代替によるものも含むということである。
【0028】
本発明の実施例では、用語「通信ネットワーク」又は「無線通信ネットワーク」は、次のような任意の通信規格に準ずるネットワークを指しても良く、例えば、LTE(LTE、Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、WCDMA(登録商標)(Wideband Code Division Multiple Access)、HSPA(High-Speed Packet Access)などである。
【0029】
また、通信システムにおける装置間の通信は、任意の段階の通信プロトコルに従って行われても良く、例えば、次のような通信プロトコルを含んでも良いが、それに限定されず、即ち、1G(generation)、2G、2.5G、2.75G、3G、4G、4.5G及び将来の5G、新無線(NR、New Radio)など、及び/又は、その他の従来の又は将来開発される通信プロトコルである。
【0030】
本発明の実施例では、用語「ネットワーク装置」は、例えば、通信システムにおける、端末装置を通信ネットワークに接続し、かつ該端末装置にサービスを提供する装置を指す。ネットワーク装置は、次のようなものを含んでも良いが、それに限定されず、即ち、基地局(BS、Base Station)、アクセスポイント(AP、Access Point)、送受信ポイント(TRP、Transmission Reception Point)、ブロードキャスト送信機、モバイル管理エンティティ(MME、Mobile Management Entity)、ネットワークゲートウェイ、サーバー、無線ネットワーク制御器(RNC、Radio Network Controller)、基地局制御器(BSC、Base Station Controller)などである。
【0031】
そのうち、基地局は、次のようなものを含んでも良いが、それに限定されず、即ち、ノードB(NodeB又はNB)、進化ノードB(eNodeB又はeNB)及び5G基地局(gNB)などであり、さらにRRH(Remote Radio Head)、RRU(Remote Radio Unit)、リレー(relay)又は低パワーノード(例えば、femto、picoなど)を含んでも良い。また、用語「基地局」は、それらの一部又はすべての機能を含んでも良く、各基地局は、特定の地理的領域に対して通信カバレッジを提供することができる。用語「セル」が指すのは、基地局及び/又はそのカバーする領域であっても良く、これは、該用語のコンテキストによるものである。
【0032】
本発明の実施例では、用語「ユーザ装置」(UE、User Equipment)又は「端末装置」(TE、Terminal Equipment)は、例えば、ネットワーク装置により通信ネットワークにアクセスし、かつネットワークからのサービスを受ける装置を指す。ユーザ装置は、固定したもの又は移動するものであっても良く、また、移動ステーション(MS、Mobile Station)、端末、加入者ステーション(SS、Subscriber Station)、アクセス端末(AT、Access Terminal)、ステーションなどとも称される。
【0033】
そのうち、ユーザ装置は、次のようなものを含んでも良いが、それに限定されず、例えば、セルラーフォン(Cellular Phone)、PDA(Personal Digital Assistant)、無線モデム、無線通信装置、キャリー装置、マシンタイプ通信装置、ラップトップコンピュータ、コードレス電話機、スマートフォン、スマートウォッチ、デジタルカメラなどである。
【0034】
また、例えば、IoT(Internet of Things)などのシナリオにおいて、ユーザ装置は、さらに、監視又は測定を行う機器又は装置であっても良く、例えば、次のようなものを含んでも良いが、それに限定されず、即ち、マシンタイプ通信(MTC、Machine Type Communication)端末、車載通信端末、D2D(Device to Device)端末、M2M(Machine to Machine)端末などである。
【0035】
以下、実例によって本発明の実施例に係るシナリオについて説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0036】
図3は本発明の実施例における通信システムを示す図であり、ユーザ装置及びネットワーク装置を例とするケースを例示的に説明する。
図3に示すように、通信システム300はネットワーク装置301及びユーザ装置302を含んでも良い。なお、便宜のため、
図3では1つのみの端末装置を例として説明を行う。ネットワーク装置301は例えば、NRシステムにおけるネットワーク装置gNBである。
【0037】
本発明の実施例では、ネットワーク装置301とユーザ装置302の間は従来のトラフィック(サービス)又は将来実施し得るトラフィックを行うことができる。これらのトラフィックは、例えば、eMBB(enhanced Mobile Broadband)、mMTC(massive Machine Type Communication)、URLLC(Ultra-Reliable and Low-Latency Communication)などを含んでも良いが、これに限られない。
【0038】
端末装置302はネットワーク装置301にデータを送信することができ、例えば、グラントフリーの伝送方式を使用しても良い。ネットワーク装置301は1つ又は複数の端末装置302によって送信されるデータを受信し、端末装置302に情報、例えば、確認(ACK)情報又は非確認(NACK)情報をフィードバックすることができ、端末装置302はフィードバック情報に基づいて、伝送プロセスの終了を確認し、あるいは、新しいデータの伝送を行い、あるいは、データの再送を行うことができる。
【0039】
以下、図面を参照しながら、様々な実施例について説明を行う。なお、これらの実施例は例示的なものに過ぎず、本発明を限定するものではない。
【実施例1】
【0040】
本実施例は信号送信方法を提供し、該方法は端末装置、例えば、
図3に示す端末装置302に応用される。
【0041】
図4は本実施例に係る信号送信方法を示す図であり、
図4に示すように、該方法は以下のステップを含む。
【0042】
ステップ401:端末装置がランダムアクセスレスポンス(RAR)を受信し、前記ランダムアクセスレスポンスは複数の上りリンクグラント(UL grant)と関連付けられ;及び
ステップ402:前記端末装置が前記複数の上りリンクグラントのうちの1つ又は複数の上りリンクグラントを用いてメッセージ3を送信し、そのうち、前記1つ又は複数の上りリンクグラントのうちの少なくとも1つの上りリンクグラントが上述のメッセージ3の初期送信のために用いられる。
【0043】
本実施例では、ネットワーク装置が複数のUL grantを提供するときに、端末装置はそのうちの少なくとも1つのUL grantを使用してメッセージ3の初期送信を行い、これにより、メッセージ3の伝送を保証することができる。
【0044】
本実施例では、上述の少なくとも1つのUL grantは、1番目の受信したRARにおけるグラントであっても良く、1番目の受信したRARにおける1番目のグラントであっても良く、RARに含まれる上りリンクグラントのうちの、時間上で1番目の到来したグラント、即ち、1番目の可用の(利用可能な)グラントであっても良い。
【0045】
本実施例では、上述のRARが複数のUL grantと関連付けられることは、1つのRARが1つのUL grantと関連付けられ、端末装置がRAR受信窓内で複数のRARを受信し、又は、上述のRARが複数のUL grantと関連付けられても良く、あるいは、1つのRARが複数のUL grantと関連付けられ、端末装置がRAR受信窓内で1つのRARを受信することであっても良い。
【0046】
1つの実施方式において、端末装置は上述の複数のUL grantを使用してメッセージ3を送信し、そのうち、該複数のUL grantのうちの第一UL grantが該メッセージ3の初期送信のために用いられ、該複数のUL grantのうちの第二UL grantが該メッセージ3の再送のために用いられる。第一UL grantは1番目の受信したRARにおけるグラントであっても良く、1番目の受信したRARにおける1番目のグラントであっても良く、RARに含まれる上りリンクグラントのうち、時間上で1番目の到来したグラント、即ち、1番目の可用のグラントであっても良く、第二UL grantとは、複数のUL grantのうち、第一UL grant以外の他のUL grantを指す。
【0047】
本実施方式の方法により、端末装置がRAR受信窓内で1つのRARを受信しており、該RARが複数のUL grantと関連付けられた場合、現在の規格における記述“if the uplink grant was received in a Random Access Response”を“if the uplink grant was the first uplink grant received in a Random Access Response”に変更しても良く;端末装置がRAR受信窓内で複数のRARを受信しており、各RARが1つのUL grantと関連付けられた場合、現在の規格における上述の記述を“if the uplink grant was the first uplink grant received in Random Access Responses”に変更しても良い。
図5には規格中の可能な記述が示されており、そのうち、点線枠内の内容は本実施方式に基づいて行われた変更部分である。なお、前記のように、この部分の内容は“if the uplink grant was the first uplink grant received in Random Access Responses”に変更することもできる。
【0048】
本実施方式の方法により、上述の複数のUL grantは1つの束(bundle)と見なすこともできる。これにより、現在の規格中のRARにおけるUL grantの記述を増加させることができ、例えば、“When the MAC entity is configured with multiple UL grants in Random Access Response,these UL grants are for transmissions of a TB within a bundle of the grant.The first UL grant is for the initial transmission and HARQ retransmissions follow within a bundle.”を増やすことができる。
図6には規格中の可能な記述が示されており、そのうち、点線枠の内容は本実施方式に基づいて増やされた部分である。
【0049】
もう1つの実施方式において、端末装置は上述の複数のUL grantを使用してメッセージ3を送信し、そのうち、該複数のUL grantのうちの第一UL grantがメッセージ3の初期送信のために用いられ、該複数のUL grantのうちの第二UL grantもメッセージ3の初期送信のために用いられる。
【0050】
本実施方式では、該複数のUL grantを用いて行われるメッセージ3の初期送信と、メッセージ3の再送との優先度は、「時間的に後(obtained later)」のメッセージ3の優先度が比較的高くても良く、メッセージ3の初期送信の優先度がメッセージ3の再送の優先度よりも高くても良い。ここで、「時間的に後」とは時間上で後ろ寄りを指し、即ち、RARに含まれる第一UL grantに対応する、動的にスケジューリングされる再送に対応するUL grantと、該RARに含まれる第二UL grantとの間に衝突が存在するときに、HARQプロセスによって、物理層が時間的に後のUL grantに基づいて伝送を生成するように指示することができる。
【0051】
本実施方式では、ネットワーク装置(例えば、Smart gNB)により、上述の衝突を避けることができ、例えば、ネットワーク装置はスケジューリングによって、RARに含まれる第一UL grantに対応する、動的にスケジューリングされる再送のUL grantと、該RARに含まれる第二UL grantとの間の衝突を回避することができる。
【0052】
本実施方式では、各UL grantが1つのHARQプロセスIDに対応しても良く、端末装置は各UL grantに対応するHARQプロセスIDに基づいてメッセージ3の初期送信を行っても良く、各UL grantに対応するHARQプロセスIDは上述のRARに含まれても良く、あるいは、事前設定されても良く、あるいは、端末装置により計算されることで取得されても良い。また、設定されるグラント(Cconfigured Grant、CG)との衝突を避けるために、範囲で各HARQプロセスIDを区別することができ、例えば、CGはHARQプロセスID 4~7を使用し、メッセージ3はHARQプロセスID 0~3を使用するが、これは例示に過ぎず、本実施例はこれに限定されない。本実施例では、上述の対応(correspond)は関連付け(associate)であっても良く、説明の便宜のため、「対応」と総称する。
【0053】
本実施方式では、各UL grantに対応するHARQプロセスIDは上述のRARに含まれても良い。
【0054】
例えば、RARのフォーマットを変更することで、RARがその対応するUL grantに対応するHARQプロセスIDを含むようにさせることができる。
図7はRARのフォーマットを示す図である。
図7に示すように、該RARのフォーマットにはUL grantが含まれるだけでなく、HARQプロセスIDも含まれる。また、
図7では、R及びTACの意味について従来技術を参照することができる。例えば、上述のHARQプロセスIDはRARに含まれるUL grantの中の一部のビットにより指示されても良い。例えば、27個のビットのUL grantの場合、そのうちの4つのビットにより、それに対応するHARQプロセスIDを指示することができる。
【0055】
また、例えば、MACサブヘッダにより、各UL grantに対応するHARQプロセスIDを指示しても良い。
図8はMACサブヘッダを示す図である。
図8に示すように、該MACサブヘッダにおいてHARQプロセスIDが指示されており、また、
図8では、Iは該サブヘッダが1つのバイトであるか、それとも、2つのバイトであるかを指示するために用いられる。なお、R、E、T、RAPIDの意味について従来技術を参照することができる。ここで、上述の
図7及び
図8の2種類の指示方式は例示に過ぎず、また、この2種類の方式は組み合わせて使用することもできる。
【0056】
本実施方式では、各UL grantのプロセスIDは事前設定されても良い。
【0057】
例えば、規格では、HARQプロセスID 0~Aがメッセージ3の伝送のために用いられ、Aは0よりも大きくかつ16よりも小さい任意の整数であっても良いと規定される。
【0058】
また、例えば、ネットワーク装置により、1組のメッセージ3の伝送用のHARQプロセスIDを設定し、その中には0が含まれても良く、0が含まれなくも良い。設定されるプロセスID数がRARにおけるUL grant数と同じであるときに、両者は一対一対応する。UL grant数が設定されるプロセスID数よりも大きいときに、HARQプロセスIDを順次、循環的に使用しても良く、あるいは、所定のルールに従ってマッピングを行っても良い。例えば、時間起始位置が同じシンボル又はスロットにあるUL grantは同じHARQプロセスIDを使用する。
【0059】
本実施方式では、上述の事前設定はブロードキャストメッセージによって実現されても良く、及び/又は、RRC専用メッセージによって実現されても良く、RRC専用メッセージによって設定される情報はブロードキャストメッセージにおける情報をカバーすることができる。
【0060】
本実施方式では、各UL grantのプロセスIDはさらに端末装置によって計算されることで得られても良く、例えば、端末装置は以下の公式に基づいて各UL grantのHARQプロセスIDを計算することができ、
HARQ Process ID=offset+[floor(CURRENT_symbol)] modulo nrofMsg3
そのうち、CURRENT_symbolはRARにおける1つの上りリンクグラントの1番目の伝送時刻のシンボル索引(index)であり、CURRENT_symbol=(SFN×numberOfSlotsPerFrame×numberOfSymbolsPerSlot+slot number in the frame×numberOfSymbolsPerSlot+symbol number in the slot)であり、nrofMsg3は伝送メッセージ3の最大可用のHARQプロセス数を表し、事前定義されても良く、例えば、3、2などであり、あるいは、ネットワークによって設定されても良く、あるいは、RAR受信窓内のRAR数又はRARにおけるUL grant数であっても良く、offsetは偏移量(オフセット)であり、それは設定されるUL grantのHARQプロセスIDと区別するために用いられる。
【0061】
本実施例の前述の実施方式により、ネットワーク装置によって提供される複数の上りリンクグラントを如何に利用してメッセージ3を送信するかの問題を解決することができる。
【0062】
本実施例では、端末装置は上述の複数のUL grantのうちの少なくとも1つを使用してメッセージ3を送信しても良く、また、使用されないUL grantについて、捨ても良く、継続して使用しても良い。以下、それぞれ説明する。
【0063】
1つの実施方式において、端末装置は競合解決メッセージを受信し、該競合解決メッセージに対して復号を行ってMAC PDUを得る。該MAC PDUに競合解決IDが含まれており、かつ該競合解決IDが上述のメッセージ3において含まれる又は送信されるのとマッチしない場合、端末装置は競合解決が失敗したと見なし、該RARにおいて受信した、ペンディング(pending)され、又は残され(remaining)、又は割り当てられる(allocated)UL grantを破棄(discard)する。
【0064】
本実施方式では、競合解決が失敗した場合、上述のRARにおいて受信した上述のUL grant以外に、従来技術と同様に、端末装置はさらに、RARにおいて受信したTC-RNTIを破棄し、また、成功裏に復号された(successfully decoded)MAC PDUを破棄しても良い。
【0065】
本実施方式では、競合解決が失敗した場合、上述のRARにおいて受信した上述のUL grant以外に、従来技術とは異なり、端末装置はさらに、動的にスケジューリングされたUL grant、例えば、メッセージ3の再送用のUL grantを破棄しても良い。
【0066】
本実施方式では、「破棄」は「釈放(release)」、「利用不可と見なす(consider unavailable)」などにより置換されても良い。また、本実施例では、同じ表現は同じ意味を有するため、重複説明を行わない。
【0067】
本実施例では、使用されないUL grantについて、継続して使用する場合、複数の端末装置は、同じTC-RNTIを使用してPDCCHをアドレスする可能性があり、これにより、複数の端末装置の競合が成功したことを引き起こす可能性があり、即ち、マルチ競合解決策である。
【0068】
1つの実施方式において、競合解決が未成功と見なす条件は前の1つの実施方式と同じであり、相違点は端末装置のMAC実体のビヘイビア(behavior)にあり、即ち、端末装置は競合解決メッセージを受信し、競合解決メッセージに対して復号を行うことでMAC PDUを取得し、MAC PDUが競合解決IDを含み、かつ競合解決IDがメッセージ3において含まれる又は送信されるのとマッチしない場合、端末装置は競合解決が未成功と見なす。
【0069】
本実施方式では、競合解決が未成功であり、かつ可用のメッセージ3の送信用の上りリンクグラントがある場合、端末装置のMAC実体は可用の上りリンクグラントを使用してメッセージ3の伝送を行い、即ち、RARにおいて受信した該UL grantを破棄しない。また、端末装置はさらに、継続してPDCCHを監視することで、上述の競合解決メッセージを受信することもできる。
【0070】
本実施方式では、競合解決が未成功であり、かつ可用のメッセージ3の送信用のUL grantがない場合、端末装置のMAC実体は現在の競合解決未成功時のビヘイビアを実行することができ、即ち、次のようなビヘイビアのうちの少なくとも1つを実行し、即ち、メッセージ3のbufferにおけるMAC PDUの伝送のためのHARQ bufferをクリアし;プリアンブル伝送計数器(カウンター)に1をプラスし;該計数器(計数値)が最大値+1に達した場合、上位層にランダムアクセス問題を指示し、ランダムアクセスプロシージャがシステム情報リクエストによってトリガーされた場合、ランダムアクセスプロシージャが完成しているが、失敗したと見なし;ランダムアクセスプロシージャが未完成の場合、ランダムアクセスリソース選択プロシージャに戻る。
【0071】
本実施方式では、競合解決が未成功と見なす条件を満足したときに、端末装置はRARにおいて受信したTC-RNTIを破棄しない。このようにして、端末装置は、記憶したTC-RNTIを用いて伝送しようとするメッセージ3をスクランブルし、また、記憶したTC-RNTIを用いてPDCCHをアドレスし、可能な競合解決メッセージを受信することができる。
【0072】
もう1つの実施方式において、競合解決未成功の条件を変更しており、対応する端末装置のMAC実体のビヘイビアが不変であり、即ち、可用のメッセージ3の送信用のUL grantがなく、かつ競合解決タイマーが切れた又は第一タイマーが切れた場合、端末装置はTC-RNTIを破棄し、競合解決が未成功と見なし、成功裏に復号されたMAC PDUを破棄する。
【0073】
本実施方式では、上述の「競合解決タイマーが切れた又は第一タイマーが切れた」の条件は選択可能であり、即ち、可用のメッセージ3の送信用のUL grantがない場合、端末装置はTC-RNTIを破棄し、競合解決が未成功と見なし、成功裏に復号されたMAC PDUを破棄しても良い。
【0074】
本実施方式では、上述の第一タイマーは端末装置が競合解決メッセージを監視するためのタイマーであっても良く、即ち、端末装置は第一タイマーのワーキング期間内で競合解決メッセージを監視し、第一タイマーが切れたときに、メッセージ3のもう1回の伝送又は伝送の試みを行うことができる。本実施例では第一タイマーの呼び方について限定しない。
【0075】
本実施例では、マルチ競合解決策について、端末装置は現在のTC-RNTIによってアドレスされるPDCCHを継続して監視することができる。
【0076】
例えば、上述の複数のUL grantがライセンスバンド(NR licensed)又はアンライセンスバンド(NR Unlicensed、NR-U)にあり、端末装置のMAC実体はメッセージ3の伝送又は再送の機会が終了したときに、競合解決タイマーを起動又は再起動させることができる。メッセージ3がCCCH SDUを含んでおり、かつTC-RNTIによってPDCCH伝送をアドレスする場合、MAC PDUを成功裏に復号しているときに、MAC PDUに競合解決IDが含まれており、かつ該競合解決IDがメッセージ3において送信されるのとマッチすれば、端末装置は競合解決タイマーを停止させ、即ち、競合解決は成功した。該実施方式は前述の実施方式と組わせて使用されても良く、単独で使用されても良い。
【0077】
また、例えば、上述の複数のUL grantがアンライセンスバンドにあり、端末装置のMAC実体はメッセージ3の伝送のLBTが成功したときに、競合解決タイマーを起動させることができる。すべてのメッセージ3の伝送が失敗しており、及び/又は、競合解決タイマーが切れたときに、端末装置のMAC実体はランダムアクセスリソース選択プロシージャから再開始し、又は上位層にランダムアクセス問題を指示する。
【0078】
この例では、さらに、1つの新しいタイマー(第一タイマーという)を導入しても良く、前述のように、端末装置のMAC実体は、メッセージ3の1つの伝送又は1つの再送の機会が終了したときに、メッセージ3のLBT結果に関係なく、該第一タイマーを起動させ、該第一タイマーのラニング期間内で競合解決メッセージを監視し、オプションとして、さらに、メッセージ3のHARQ再送のスケジューリング情報を監視しても良く、該第一タイマーが切れたときに、端末装置はメッセージ3の伝送を許可する。これにより、メッセージ3の頻繁な送信を避け、端末装置のエネルギー消費を節約することができる。ここで、メッセージ3のHARQ再送は、「特定のTC-RNTIを用いてアドレスしたPDCCH」により置換されても良く、特定のTC-RNTIとは、端末装置が記憶したものを指し、又は、受信したRARにおいて端末装置自身に割り当てられたものであっても良い。
【0079】
本実施例では、「伝送」、即ち、「端末装置が送信する」はすべて、「伝送の試み」又は「MACが1つのTBを生成する」により置換されても良い。LBT失敗又はパワー制御が原因で、該伝送の試みは失敗する可能性がある。ここで、MAC実体は1つの上りリンクグラントについて、1つのメッセージ3の初期送信又はメッセージ3の再送があり、その後、1つのTBを生成し、そして、物理層が伝送するように指示することができる。よって、上述の‘伝送’は「MACが1つのTBを生成する」により置換されても良い。
【0080】
本実施例では、マルチ競合解決策について、競合解決メッセージにはさらに新しいC-RNTIが含まれても良く、競合が成功しているが、TC-RNTIが他の端末装置により占用されている場合、端末装置は該C-RNTIを自分のC-RNTIとして使用してPDCCHをアドレスすることができる。
【0081】
本実施例の方法により、端末装置はネットワーク装置によって提供される複数の上りリンクグラントを合理的に処理することができるため、ランダムアクセスの信頼性を向上させることができる。
【実施例2】
【0082】
本実施例は信号送信方法を提供する。該方法はネットワーク装置に応用され、それは実施例1の方法に対応するネットワーク側の処理である。ここでは実施例1と同じ内容の重複説明を省略する。
【0083】
図9は本実施例における信号送信方法を示す図である。
図9に示すように、該方法は以下のステップを含む。
【0084】
ステップ901:ネットワーク装置がランダムアクセスプリアンブル(RA preamble)を受信し;及び
ステップ902:前記ネットワーク装置がランダムアクセスレスポンス(RAR)を送信し、前記ランダムアクセスレスポンスは複数の上りリンクグラント(UL grant)と関連付けられ、前記複数の上りリンクグラントはメッセージ3の伝送のために用いられ、そのうち、前記複数の上りリンクグラントのうちの少なくとも1つの上りリンクグラントが前記メッセージ3の初期送信のために用いられる。
【0085】
本実施例では、実施例1に記載のように、上述のRARが複数のUL grantと関連付けられることとは、1つのRARが1つのUL grantと関連付けられ、ネットワーク装置がRAR受信窓内で複数のRARを送信し、あるいは、1つのRARが複数のUL grantと関連付けられ、ネットワーク装置がRAR受信窓内で1つ又は複数のRARを送信することを指す。ここではその詳しい説明を省略する。
【0086】
1つの実施方式において、実施例1に記載のように、上述の複数のUL grantのうちの第一UL grantがメッセージ3の初期送信のために用いられ、該複数のUL grantのうちの第二UL grantがメッセージ3の再送のために用いられる。
【0087】
もう1つの実施方式において、実施例1に記載のように、上述の複数のUL grantにおける第一UL grantがメッセージ3の初期送信のために用いられ、上述の複数のUL grantのうちの第二UL grantもメッセージ3の初期送信のために用いられる。
【0088】
本実施方式では、上述の第二UL grantと、上述の第一UL grantに対応するメッセージ3の再送に対応するUL grantとは、異なる時間領域リソースを占用しても良い。これにより、RARに含まれる第一UL grantに対応する、動的にスケジューリングされる再送に対応するUL grantと、該RARに含まれる第二UL grantとの間の衝突を避けることができる。
【0089】
上述の第一UL grant及び第二UL grantの意味は実施例1と同じであり、ここではその詳しい説明を省略する。
【0090】
本実施方式では、実施例1に記載のように、上述のRARはUL grantに対応するHARQプロセスIDを含んでも良く、該HARQプロセスIDに対応するHARQプロセスはUL grantに対応するメッセージ3の伝送のために用いられる。
【0091】
本実施方式では、実施例1に記載のように、ネットワーク装置はさらに設定情報を送信することができ、該設定情報にはUL grantに対応するHARQプロセスIDが設定されている。該HARQプロセスIDの数が上述の複数のUL grantの数と同じである場合、該HARQプロセスIDは上述の複数のUL grantと一対一対応しても良い。該HARQプロセスIDの数が上述の複数のUL grantの数よりも少ない場合、該HARQプロセスIDと、上述の複数のUL grantとは所定のルールに従って「マッピング」を行っても良い、ここでの「マッピング」とは「対応」を指しても良い。
【0092】
本実施例では、ネットワーク装置はさらに上述の複数のUL grantのうちの1つのUL grant上でメッセージ3を監視することができる。メッセージ3を受信しており、かつメッセージ3に第一競合解決IDが含まれている場合、ネットワーク装置は競合解決メッセージを送信することができ、該競合解決メッセージは第二競合解決IDを含み、かつ該第二競合解決IDはメッセージ3に含まれる第一競合解決IDと同じである。上述の「監視」は「受信」又は「受信の試み」であっても良いが、説明の便宜のため、本実施例では「監視」と記され、以下の説明では、同じ表現は同じ意味を有する。
【0093】
1つの実施方式において、メッセージ3を受信した後に、ネットワーク装置は、上述の複数のUL grantのうち、ペンディングされ、又は残され、又は割り当てられたUL grant上でメッセージ3を監視することを停止しても良い。また、ネットワーク装置はさらに、動的にスケジューリングされたUL grant上でメッセージ3を監視することを停止しても良い。
【0094】
もう1つの実施方式において、メッセージ3を受信した後に、ネットワーク装置はさらに、上述の複数のUL grantのうち、ペンディングされ、又は残され、又は割り当てられたUL grantを使用してデータ伝送を行っても良い。ここで、データ伝送は受信を含み、端末装置が信号を送信するようにスケジューリングすることなどを含んでも良い。
【0095】
もう1つの実施方式において、メッセージ3を受信した後に、上述の複数のUL grantに、ペンディングされ、又は残され、又は割り当てられた第一UL grantが存在する場合、ネットワーク装置はさらに、該第一UL grant上でメッセージ3を監視することができる。メッセージ3を受信しており、かつメッセージ3に第一競合解決IDが含まれる場合、ネットワーク装置はさらに競合解決メッセージを送信することができ、該競合解決メッセージは第二競合解決IDを含み、かつ第二競合解決IDはメッセージ3に含まれる第一競合解決IDと同じである。
【0096】
もう1つの実施方式において、メッセージ3を受信した後に、上述の複数のUL grantに、ペンディングされ、又は残され、又は割り当てられた第一UL grantが存在し、かつ第二タイマーがラニングしている場合、ネットワーク装置は第一UL grant上でメッセージ3を監視する。メッセージ3を受信しており、かつメッセージ3に第一競合解決IDが含まれている場合、ネットワーク装置は競合解決メッセージを送信し、該競合解決メッセージは第二競合解決IDを含み、かつ第二競合解決IDはメッセージ3に含まれる第一競合解決IDと同じである。
【0097】
もう1つの実施方式において、メッセージ3を受信した後に、複数のUL grantに、ペンディングされ、又は残され、又は割り当てられた第一UL grantがない場合、ネットワーク装置はメッセージ3の監視を停止しても良く、又は、上述の第二タイマーが切れたときに、ネットワーク装置は第一UL grant上でのメッセージ3の監視を停止しても良い。
【0098】
本実施例では、ネットワーク装置は上述の第二タイマーを作動させても良く、かつ該第二タイマーの持続時間は競合解決タイマーと同じである。
【0099】
本実施例では、ネットワーク装置はさらに第一タイマーを作動させても良く、ネットワーク装置はメッセージ3を受信したときに、該第一タイマーを起動させ、ネットワーク装置は該第一タイマーのラニング期間内で競合解決メッセージを送信し、又は、ネットワーク装置はメッセージ3の1つの伝送又は再送の機会が終了したときに、該第一タイマーを起動させ、ネットワーク装置は該第一タイマーのラニング期間内でメッセージ3のHARQ再送のスケジューリング情報を送信し、前記第一タイマーが切れたときに、メッセージ3の伝送の受信を開始することができる。該第一タイマーについては実施例1で説明されているため、ここではその詳しい説明を省略する。
【0100】
本実施例では、上述の競合解決メッセージはさらに1つのC-RNTIを含んでも良く、該C-RNTIは端末装置を標識するために用いられる。
【0101】
本実施例の方法により、端末装置はネットワーク装置によって提供される複数の上りリンクグラントを合理的に処理することができるため、ランダムアクセスの信頼性を向上させることができる。
【実施例3】
【0102】
本実施例は信号送信装置を提供する。該装置は端末装置に配置される。該装置が問題を解決する原理は実施例1の方法と同様であり、その具体的な実施は実施例1を参照することができ、内容が同じ重複説明は省略される。
【0103】
図10は本実施例に係る信号送信装置を示す図である。
図10に示すように、該装置1000は以下のものを含む。
【0104】
受信ユニット1001:ランダムアクセスレスポンスを受信し、前記ランダムアクセスレスポンスは複数の上りリンクグラントと関連付けられ;及び
送信ユニット1002:前記複数の上りリンクグラントのうちの1つ又は複数の上りリンクグラントを使用してメッセージ3を送信し、そのうち、前記1つ又は複数の上りリンクグラントのうちの少なくとも1つの上りリンクグラントが前記メッセージ3の初期送信のために用いられる。
【0105】
本実施例では、上述のランダムアクセスレスポンスが複数の上りリンクグラントと関連付けられるとは、受信ユニット1001がランダムアクセスレスポンス受信窓内で複数のランダムアクセスレスポンスを受信し、各ランダムアクセスレスポンスが1つの上りリンクグラントと関連付けられること、又は、受信ユニット1001がランダムアクセスレスポンス受信窓内で1つのランダムアクセスレスポンスを受信し、前記ランダムアクセスレスポンスが複数の上りリンクグラントと関連付けられることを指す。
【0106】
本実施例の1つの実施方式において、送信ユニット1002は上述の複数の上りリンクグラントを使用してメッセージ3を送信し、そのうち、該複数の上りリンクグラントのうちの第一上りリンクグラントがメッセージ3の初期送信のために用いられ、該複数の上りリンクグラントのうちの第二上りリンクグラントがメッセージ3の再送のために用いられる。
【0107】
本実施例のもう1つの実施方式において、送信ユニット1002は上述の複数の上りリンクグラントを使用してメッセージ3を送信し、そのうち、該複数の上りリンクグラントのうちの第一上りリンクグラントがメッセージ3の初期送信のために用いられ、該複数の上りリンクグラントのうちの第二上りリンクグラントもメッセージ3の初期送信のために用いられる。
【0108】
本実施方式では、メッセージ3の初期送信と、メッセージ3の再送との優先度の関係は、時間的に後のメッセージ3の優先度が比較的高く、又は、メッセージ3の初期送信の優先度がメッセージ3の再送の優先度よりも高いことである。
【0109】
本実施方式では、各上りリンクグラントが1つのプロセスIDに対応し、送信ユニット1002は各上りリンクグラントに対応するプロセスIDに基づいてメッセージ3の初期送信を行い、各上りリンクグラントに対応するプロセスIDはランダムアクセスレスポンスに含まれ、又は、事前設定され、又は、端末装置によって計算されることにより得られても良い。
【0110】
本実施例のもう1つの実施方式において、送信ユニット1002は上述の複数の上りリンクグラントのうちの少なくとも1つを使用してメッセージ3を送信し、
図10に示すように、装置1000はさらに以下のものを含んでも良い。
【0111】
第一処理ユニット1003:競合解決メッセージを受信し、前記競合解決メッセージに対して復号を行ってMAC PDUを取得し、前記MAC PDUが競合解決IDを含み、かつ前記競合解決IDが前記メッセージ3において含まれる又は送信されるのとマッチしない場合、競合解決が未成功と見なし、前記ランダムアクセスレスポンスにおいて受信した、ペンディングされ、又は残され、又は割り当てられた上りリンクグラントを破棄する。
【0112】
本実施方式では、競合解決が未成功と見なしたときに、第一処理ユニット1003はさらに動的にスケジューリングされた上りリンクグラントを破棄する。
【0113】
本実施例のもう1つの実施方式において、送信ユニット1002は上述の複数の上りリンクグラントのうちの少なくとも1つを使用してメッセージ3を送信し、
図10に示すように、装置1000はさらに以下のものを含む。
【0114】
第二処理ユニット1004:競合解決メッセージを受信し、前記競合解決メッセージに対して復号を行ってMAC PDUを取得し、前記MAC PDUが競合解決IDを含み、かつ前記競合解決IDが前記メッセージ3において含まれる又は送信されるのとマッチしない場合、競合解決が未成功と見なす。
【0115】
本実施方式では、競合解決が未成功であり、かつ可用の前記メッセージ3の送信用の上りリンクグラントがある場合、第二処理ユニット1004は可用の上りリンクグラントを使用して前記メッセージ3の伝送を行う。
【0116】
本実施方式では、競合解決が未成功であり、かつ可用の前記メッセージ3の送信用の上りリンクグラントがない場合、第二処理ユニット1004は以下のBehaviorのうちの少なくとも1つを実行し、即ち、前記メッセージ3のbufferにおけるMAC PDUの伝送のためのHARQ bufferにクリアし;プリアンブル伝送計数器に1をプラスし;該計数器が最大値+1に達した場合、上位層にランダムアクセス問題を指示し、ランダムアクセスプロシージャがシステム情報リクエストによってトリガーされた場合、ランダムアクセスプロシージャが完成しているが、失敗した(未成功)と見なし;ランダムアクセスプロシージャが未完成の場合、ランダムアクセスリソース選択プロシージャに戻る。
【0117】
本実施方式では、競合解決が未成功である場合、第二処理ユニット1004はランダムアクセスレスポンスにおいて受信したTC-RNTIを破棄しない。
【0118】
本実施例の1つの実施方式において、送信ユニット1002は上述の複数の上りリンクグラントのうちの少なくとも1つを使用してメッセージ3を送信し、
図10に示すように、装置1000はさらに以下のものを含む。
【0119】
第三処理ユニット1005:可用の前記メッセージ3の送信用の上りリンクグラントがなく、かつ競合解決タイマーが切れたとき又は第一タイマーが切れたときに、第三処理ユニット1005はランダムアクセスレスポンスにおいて受信したTC-RNTIを破棄し、競合解決が未成功と見なし、成功裏に復号されたMAC PDUを破棄する。
【0120】
本実施例の1つの実施方式において、送信ユニット1002は上述の複数の上りリンクグラントのうちの少なくとも1つを使用してメッセージ3を送信し、
図10に示すように、装置1000はさらに以下のものを含む。
【0121】
第四処理ユニット1006:可用の前記メッセージ3の送信用の上りリンクグラントがない場合、第四処理ユニット1006はランダムアクセスレスポンスにおいて受信したTC-RNTIを破棄し、競合解決が未成功と見なし、成功裏に復号されたMAC PDUを破棄する。
【0122】
本実施例の1つの実施方式において、上述の複数の上りリンクグラントはライセンスバンド又はアンライセンスバンドにあり、
図10に示すように、装置1000はさらに以下のものを含む。
【0123】
第五処理ユニット1007:メッセージ3の伝送又は再送の機会が終了したときに、競合解決タイマーを起動又は再起動させ、メッセージ3がCCCH SDUを含み、かつTC-RNTIを用いてPDCCH伝送をアドレスした場合、MAC PDUを成功裏に符号しているときに、MAC PDUが競合解決IDを含み、かつ競合解決IDが前記メッセージ3において送信されるのとマッチすれば、第五処理ユニット1007は競合解決タイマーを停止させる。
【0124】
本実施例の1つの実施方式において、上述の複数の上りリンクグラントはアンライセンスバンドにあり、
図10に示すように、装置1000はさらに以下のものを含む。
【0125】
第六処理ユニット1008:メッセージ3の伝送のLBTが成功したときに、競合解決タイマーを起動させ、すべてのメッセージ3の伝送が失敗した及び/又は競合解決タイマーが切れたときに、第六処理ユニット1008はランダムアクセスリソース選択プロシージャから再開始し、又は、上位層にランダムアクセス問題を指示する。
【0126】
本実施例の1つの実施方式において、
図10に示すように、装置1000はさらに以下のものを含む。
【0127】
第七処理ユニット1009:メッセージ3の1つの伝送又は1つの再送の機会が終了したときに、第一タイマーを起動させ、第一タイマーのラニング期間内で競合解決メッセージを監視し、かつ前記メッセージ3のHARQ再送のスケジューリング情報を監視し、第一タイマーが切れたときに、メッセージ3の伝送又は伝送の試みを許可する。
【0128】
本実施例では、上述の競合解決メッセージはC-RNTIを含んでも良く、端末装置は該C-RNTIを自己のC-RNTIとして使用することができる。
【0129】
本実施例の装置により、端末装置はネットワーク装置によって提供される複数の上りリンクグラントを合理的に処理することができるため、ランダムアクセスの信頼性を向上させることができる。
【実施例4】
【0130】
本実施例はさらに信号送信装置を提供する。該装置はネットワーク装置に配置される。該装置が問題を解決する原理は実施例2の方法と同様であり、その具体的な実施は実施例2を参照することができ、内容が同じ重複説明は省略される。
【0131】
図11は本実施例による信号送信装置1100を示す図である。
図11に示すように、該装置1100は以下のものを含む。
【0132】
受信ユニット1101:ランダムアクセスプリアンブルを受信し;及び
第一送信ユニット1102:ランダムアクセスレスポンスを送信し、前記ランダムアクセスレスポンスは複数の上りリンクグラントと関連付けられ、前記複数の上りリンクグラントはメッセージ3の伝送のために用いられ、そのうち、前記複数の上りリンクグラントのうちの少なくとも1つの上りリンクグラントが前記メッセージ3の初期送信のために用いられる。
【0133】
本実施例では、前記ランダムアクセスレスポンスが複数の上りリンクグラントと関連付けられるとは、1つのランダムアクセスレスポンスが1つの上りリンクグラントと関連付けられ、前記ネットワーク装置がランダムアクセスレスポンス受信窓内で複数のランダムアクセスレスポンスを受信すること、又は、1つのランダムアクセスレスポンスが複数の上りリンクグラントと関連付けられることを指す。
【0134】
1つの実施方式において、前記複数の上りリンクグラントはメッセージ3の伝送のために用いられ、そのうち、前記複数の上りリンクグラントのうちの第一上りリンクグラントが前記メッセージ3の初期送信のために用いられ、前記複数の上りリンクグラントのうちの第二上りリンクグラントが前記メッセージ3の再送のために用いられる。
【0135】
もう1つの実施方式において、前記複数の上りリンクグラントはメッセージ3の伝送のために用いられ、そのうち、前記複数の上りリンクグラントのうちの第一上りリンクグラントがメッセージ3の初期送信のために用いられ、前記複数の上りリンクグラントにおける第二上りリンクグラントもメッセージ3の初期送信のために用いられる。
【0136】
本実施方式では、前記第二上りリンクグラントと、前記第一上りリンクグラントに対応するメッセージ3の再送に対応する上りリンクグラントとは、異なる時間領域リソースを占めることができる。
【0137】
本実施方式では、前記ランダムアクセスレスポンスは前記上りリンクグラントに対応するHARQプロセスIDを含んでも良く、前記HARQプロセスIDに対応するHARQプロセスは前記上りリンクグラントに対応する前記メッセージ3の伝送のために用いられる。
【0138】
本実施方式では、
図11に示すように、前記装置1100はさらに以下のものを含んでも良い。
【0139】
第二送信ユニット1103:設定情報を送信し、前記設定情報には前記上りリンクグラントに対応するHARQプロセスIDが設定されており、前記HARQプロセスIDの数が記複数の上りリンクグラントの数と同じである場合、前記HARQプロセスIDは前記複数の上りリンクグラントと一対一対応し、前記HARQプロセスIDの数が前記複数の上りリンクグラントの数よりも小さい場合、前記HARQプロセスIDと、前記複数の上りリンクグラントとは所定のルールに従ってマッピングを行っても良い。
【0140】
本実施方式では、
図11に示すように、前記装置1100はさらに以下のものを含んでも良い。
【0141】
監視ユニット1104:前記複数の上りリンクグラントのうちの1つの上りリンクグラント上で前記メッセージ3を監視し、前記メッセージ3を受信しており、かつ前記メッセージ3が第一競合解決IDを含む場合、前記第一送信ユニット1102は競合解決メッセージを送信し、前記競合解決メッセージは第二競合解決IDを含み、かつ前記第二競合解決IDは前記メッセージ3に含まれる第一競合解決IDと同じである。
【0142】
1つの例において、
図11に示すように、前記装置1100はさらに以下のものを含んでも良い。
【0143】
第一処理ユニット1105:前記複数の上りリンクグラントのうち、ペンディングされ、又は残され、又は割り当てられた上りリンクグラント上でメッセージ3を監視することを停止する。オプションとして、前記第一処理ユニット1105はさらに、動的にスケジューリングされた上りリンクグラント上でのメッセージ3の監視を停止しても良い。
【0144】
もう1つの例子中、
図11に示すように、前記装置1100はさらに以下のものを含んでも良い。
【0145】
第二処理ユニット1106:前記複数の上りリンクグラントのうち、ペンディングされ、又は残され、又は割り当てられた上りリンクグラントを使用してデータ伝送を行う。
【0146】
もう1つの例において、前記複数の上りリンクグラントに、ペンディングされ、又は残され、又は割り当てられた第一上りリンクグラントが存在する場合、前記監視ユニット1104は前記第一上りリンクグラント上で前記メッセージ3を監視することができ、前記メッセージ3を受信しており、かつ前記メッセージ3が第一競合解決IDを含む場合、前記第一送信ユニット1102は競合解決メッセージを送信し、前記競合解決メッセージは第二競合解決IDを含み、かつ前記第二競合解決IDは前記メッセージ3に含まれる第一競合解決IDと同じである。
【0147】
もう1つの例において、前記複数の上りリンクグラントに、ペンディングされ、又は残され、又は割り当てられた第一上りリンクグラントが存在し、かつ第二タイマーがラニングしているときに、前記監視ユニット1104は前記第一上りリンクグラント上で前記メッセージ3を監視し、前記メッセージ3を受信しており、かつ前記メッセージ3が第一競合解決IDを含む場合、前記第一送信ユニット1102は競合解決メッセージを送信し、前記競合解決メッセージは第二競合解決IDを含み、かつ前記第二競合解決IDは前記メッセージ3に含まれる第一競合解決IDと同じである。
【0148】
もう1つの例において、前記複数の上りリンクグラントに、ペンディングされ、又は残され、又は割り当てられた第一上りリンクグラントがない場合、前記監視ユニット1104は監視メッセージ3を停止させ、又は、第二タイマーが切れたときに、前記監視ユニット1104は前記第一上りリンクグラント上でのメッセージ3の監視を停止することができる。
【0149】
本実施例では、
図11に示すように、前記装置1100はさらに以下のものを含んでも良い。
【0150】
第三処理ユニット1107:前記第二タイマーを作動(operate)させ、前記第二タイマーの持続時間は競合解決タイマーと同じである。
【0151】
本実施例では、
図11に示すように、前記装置1100はさらに以下のものを含んでも良い。
【0152】
第四処理ユニット1108:第一タイマーを作動(operate)させ、前記監視ユニット1104は前記メッセージ3を受信したときに、前記第四処理ユニット1108は前記第一タイマーを起動させ、前記第一送信ユニット1102は前記第一タイマーのランニング期間内で競合解決メッセージを送信し、又は、前記第四処理ユニット1108は前記メッセージ3の1つの伝送又は再送の機会が終了したときに、前記第一タイマーを起動させ、前記第一送信ユニット1102は前記第一タイマーのランニング期間内で前記メッセージ3のHARQ再送のスケジューリング情報を送信し、前記監視ユニット1104は前記第一タイマーが切れたときに、前記メッセージ3の伝送の受信を開始する。
【0153】
本実施例では、前記競合解決メッセージはさらに1つのC-RNTIを含んでも良く、前記C-RNTIは端末装置を標識するために用いられる。
【0154】
本実施例の装置により、端末装置はネットワーク装置によって提供される複数の上りリンクグラントを合理的に処理することができるため、ランダムアクセスの信頼性を向上させることができる。
【実施例5】
【0155】
本発明の実施例はさらに端末装置を提供する。そのうち、該端末装置は実施例3に記載の装置を含む。
【0156】
図12は本発明の実施例における端末装置を示す図である。
図12に示すように、該端末装置1200は中央処理器1201及び記憶器1202を含んでも良く、記憶器1202は中央処理器1201に接続される。なお、該図は例示に過ぎず、さらに他の類型の構造を以って該構造に対して補充又は代替を行うことで電気通信機能又は他の機能を実現することもできる。
【0157】
1つの実施方式において、実施例3に記載の装置の機能は中央処理器1201に統合することができ、中央処理器1201によって実施例3に記載の装置の機能を実現することができる。なお、実施例3に記載の装置の機能はここに合併され、ここではその詳しい説明を省略する。
【0158】
もう1つの実施方式において、実施例3に記載の装置は中央処理器1201と別々で配置されても良く、例えば、該実施例3に記載の装置を、中央処理器1201に接続されるチップとして構成し、中央処理器1201の制御によって該実施例3に記載の装置の機能を実現することもできる。
【0159】
図12に示すように、該端末装置1200はさらに、通信モジュール1203、入力ユニット1204、音声処理ユニット1205、表示器1206、電源1207などを含み得る。なお、端末装置1200は
図12に示す全部の部品を含む必要がない。また、端末装置1200はさらに
図12に無いものを含んでも良く、これについては従来技術を参照することができる。
【0160】
図12に示すように、中央処理器1201は制御器又は操作コントロールと称される場合があり、マイクロプロセッサ又は他の処理器装置及び/又は論理装置を含んでも良く、該中央処理器1201は入力を受信して端末装置1200の各部品の操作を制御することができる。
【0161】
そのうち、記憶器1202は例えば、バッファ、フレッシュメモリ、HDD、可移動媒体、揮発性記憶器、不揮発性記憶器又は他の適切な装置のうちの1つ又は複数であっても良く、上述の設定に関する情報を記憶することができ、また、さらに情報処理用のプログラムを記憶することもできる。中央処理器1201は該記憶器1202に記憶された該プログラムを実行することで、情報の記憶、処理などを実現することができる。なお、他の部品の機能が従来と類似しているため、ここではその詳しい説明を省略する。また、端末装置1200の各部品は専用ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はその組み合わせにより実現されても良いが、そのすべては本発明の範囲内に属する。
【0162】
本実施例の端末装置により、ネットワーク装置によって提供される複数の上りリンクグラントを合理的に処理することができるため、ランダムアクセスの信頼性を向上させることができる。
【実施例6】
【0163】
本発明の実施例はさらにネットワーク装置を提供し、そのうち、該ネットワーク装置は実施例4に記載の装置を含む。
【0164】
図13は本発明の実施例に係るネットワーク装置の1つの実施方式の構成の示す図である。
図13に示すように、ネットワーク装置1300は中央処理器(CPU)1301及び記憶器1302を含んでも良く、記憶器1302は中央処理器1301に接続される。そのうち、該記憶器1302は各種のデータを記憶することもでき、また、さらに情報処理用のプログラムを記憶することもでき、かつ中央処理器1301の制御下で該プログラムを受信することで、端末装置送信の各種情報を受信したり、端末装置に各種の情報を送信したりすることがきる。
【0165】
1つの実施方式において、実施例4に記載の装置の機能は中央処理器1301に統合し、中央処理器1301によって実施例4に記載の装置の機能を実現することができる。なお、実施例4に記載の装置の機能はここに合併され、ここではその詳しい説明を省略する。
【0166】
もう1つの実施方式において、実施例4に記載の装置は中央処理器1301と別々で配置されても良く、例えば、該実施例4に記載の装置を、中央処理器1301に接続されるチップとして構成し、中央処理器1301の制御によって該実施例4に記載の装置の機能を実現しても良い。
【0167】
また、
図13に示すように、ネットワーク装置1300はさらに送受信機1303、アンテナ1304などを含んでも良く、そのうち、これらの部品の機能は従来技術と類似しているので、ここではその詳しい説明を省略する。なお、ネットワーク装置1300は
図13に示す全ての部品を含む必要がない。また、ネットワーク装置1300はさらに
図13にない部品を含んでも良く、これについては従来技術を参照することができる。
【0168】
本実施例のネットワーク装置により、端末装置はネットワーク装置によって提供される複数の上りリンクグラントを合理的に処理することができるため、ランダムアクセスの信頼性を向上させることができる。
【実施例7】
【0169】
本発明の実施例はさらに通信システムを提供する。該通信システムはネットワーク装置及び端末装置を含み、ネットワーク装置は例えば、実施例6に記載のネットワーク装置1300であり、端末装置は例えば、実施例5に記載の端末装置1200である。
【0170】
本実施例では、該端末装置は例えば、gNBがサービングするUEであり、それは実施例3に記載の装置の機能以外に、実施例5に記載のように、端末装置の通常の構成及び機能をさらに含んでも良いが、ここではその詳しい説明を省略する。
【0171】
本実施例では、該ネットワーク装置は例えば、NRにおけるgNBであり、それは実施例4に記載の装置の機能以外に、実施例6に記載のように、ネットワーク装置の通常の構成及び機能をさらに含んでも良いが、ここではその詳しい説明を省略する。
【0172】
本実施例の通信システムにより、端末装置はネットワーク装置により提供される複数の上りリンクグラントを合理的に処理し得るため、ランダムアクセスの信頼性を向上させることができる。
【0173】
本発明の実施例はさらにコンピュータ可読プログラムを提供し、そのうち、端末装置中で前記プログラムを実現するときに、前記プログラムはコンピュータに、前記端末装置中で実施例1に記載の方法を実行させる。
【0174】
本発明の実施例はさらにコンピュータ可読プログラムを記憶した記憶媒体を提供し、そのうち、前記コンピュータ可読プログラムはコンピュータに、端末装置中で実施例1に記載の方法を実行させる。
【0175】
本発明の実施例はさらにコンピュータ可読プログラムを提供し、そのうち、ネットワーク装置中で前記プログラムを実行するときに、前記プログラムはコンピュータに、前記ネットワーク装置中で実施例2に記載の方法を実行させる。
【0176】
本発明の実施例はさらにコンピュータ可読プログラムを記憶した記憶媒体を提供し、そのうち、前記コンピュータ可読プログラムはコンピュータに、ネットワーク装置中で実施例2に記載の方法を実行させる。
【0177】
また、上述の装置及び方法は、ソフトウェア又はハードウェアにより実現されても良く、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせにより実現されても良い。本発明はさらに、下記のようなコンピュータ読み取り可能なプログラムに関し、即ち、該プログラムは、ロジック部品により実行されるときに、該ロジック部品に上述の装置又は構成部品を実現させ、又は、該ロジック部品に上述の各種の方法又はステップを実現させる。ロジック部品は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)、マイクロプロセッサ、コンピュータに用いる処理器などであっても良い。本発明は、さらに、上述のプログラムを記憶した記憶媒体、例えば、ハードディスク、磁気ディスク、光ハードディスク、DVD、フラッシュメモリなどにも関する。
【0178】
さらに、図面に記載の機能ブロックのうちの1つ又は複数の組み合わせ及び/又は機能ブロックの1つ又は複数の組み合わせは、本明細書に記載の機能を実行するための汎用処理器、デジタル信号処理器(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラム可能な論理部品、ディスクリートゲート又はトランジスタ論理部品、ディスクリートハードウェアアセンブリ又は他の任意の適切な組み合わせとして実現されても良い。また、図面に記載の機能ブロックのうちの1つ又は複数の組み合わせ及び/又は機能ブロックの1つ又は複数の組み合わせは、さらに、計算装置の組み合わせ、例えば、DSP及びマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPと通信により接続される1つ又は複数のマイクロプロセッサ又は他の任意のからなる組み合わせとして構成されても良い。
【0179】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されず、本発明の趣旨を離脱しない限り、本発明に対するあらゆる変更は本発明の技術的範囲に属する。
【0180】
また、上述の実施例などに関し、さらに以下のような付記を開示する。
【0181】
(付記1)
端末装置に配置される信号送信装置であって、
ランダムアクセスレスポンスを送信する受信ユニットであって、前記ランダムアクセスレスポンスが複数の上りリンクグラントと関連付けられる、受信ユニット;及び
前記複数の上りリンクグラントのうちの1つ又は複数の上りリンクグラントを使用してメッセージ3を送信する送信ユニットであって、前記1つ又は複数の上りリンクグラントのうちの少なくとも1つの上りリンクグラントが前記メッセージ3の初期送信のために用いられる、送信ユニットを含む、装置。
【0182】
(付記2)
付記1に記載の装置であって、
前記ランダムアクセスレスポンスが複数の上りリンクグラントと関連付けられるとは、
前記受信ユニットがランダムアクセスレスポンス受信窓内で複数のランダムアクセスレスポンスを受信し、各ランダムアクセスレスポンスが1つの上りリンクグラントと関連付けられ;又は
前記受信ユニットがランダムアクセスレスポンス受信窓内で1つのランダムアクセスレスポンスを受信し、前記ランダムアクセスレスポンスが複数の上りリンクグラントと関連付けられることを指す、装置。
【0183】
(付記3)
付記1に記載の装置であって、
前記送信ユニットは前記複数の上りリンクグラントを使用してメッセージ3を送信し、そのうち、前記複数の上りリンクグラントのうちの第一上りリンクグラントが前記メッセージ3の初期送信のために用いられ、前記複数の上りリンクグラントのうちの第二上りリンクグラントが前記メッセージ3の再送のために用いられる、装置。
【0184】
(付記4)
付記1に記載の装置であって、
前記送信ユニットは前記複数の上りリンクグラントを使用してメッセージ3を送信し、そのうち、前記複数の上りリンクグラントのうちの第一上りリンクグラントが前記メッセージ3の初期送信のために用いられ、前記複数の上りリンクグラントのうちの第二上りリンクグラントも前記メッセージ3の初期送信のために用いられる、装置。
【0185】
(付記5)
付記4に記載の装置であって、
前記メッセージ3の初期送信と、前記メッセージ3の再送との間の優先度の関係は、
時間的に後のメッセージ3の優先度が比較的高く;又は
前記メッセージ3の初期送信の優先度が前記メッセージ3の再送の優先度よりも高いことである、装置。
【0186】
(付記6)
付記4に記載の装置であって、
各上りリンクグラントが1つのプロセスIDに対応し、前記送信ユニットは各上りリンクグラントに対応するプロセスIDに基づいて前記メッセージ3の初期送信を行い、各上りリンクグラントに対応するプロセスIDは前記ランダムアクセスレスポンスに含まれ、又は、事前設定され、又は、前記端末装置により算出される、装置。
【0187】
(付記7)
付記1に記載の装置であって、
前記送信ユニットは前記複数の上りリンクグラントのうちの少なくとも1つを使用してメッセージ3を送信し、
前記装置は第一処理ユニットをさらに含み、
前記第一処理ユニットは競合解決メッセージを受信し、前記競合解決メッセージに対して復号を行ってMAC PDUを取得し、前記MAC PDUが競合解決IDを含み、かつ前記競合解決IDが前記メッセージ3において含まれる又は送信されるのとマッチしない場合、競合解決が未成功と見なし、前記ランダムアクセスレスポンスにおいて受信した、ペンディングされ、又は残され、又は割り当てられた上りリンクグラントを破棄する、装置。
【0188】
(付記8)
付記7に記載の装置であって、
競合解決が未成功と見なしたときに、前記第一処理ユニットはさらに、動的にスケジューリングされた上りリンクグラントを破棄する、装置。
【0189】
(付記9)
付記1に記載の装置であって、
前記送信ユニットは前記複数の上りリンクグラントの少なくとも1つを使用してメッセージ3を送信し、
前記装置は第二処理ユニットをさらに含み、
前記第二処理ユニットは、競合解決メッセージを受信し、前記競合解決メッセージに対して復号を行ってMAC PDUを取得し、前記MAC PDUが競合解決IDを含み、かつ前記競合解決IDが前記メッセージ3において含まれる又は送信されるのとマッチしない場合、競合解決が未成功と見なす、装置。
【0190】
(付記10)
付記9に記載の装置であって、
競合解決が未成功であり、かつ可用の前記メッセージ3の送信用の上りリンクグラントがある場合、前記第二処理ユニットは可用の上りリンクグラントを使用して前記メッセージ3の伝送を行う、装置。
【0191】
(付記11)
付記9に記載の装置であって、
競合解決が未成功であり、かつ可用の前記メッセージ3の送信用の上りリンクグラントがない場合、前記第二処理ユニットは次のBehaviorのうちの少なくとも1つを実行し、即ち、前記メッセージ3のbufferにおけるMAC PDUの伝送のためのHARQ bufferをクリアし;プリアンブル伝送計数器の計数値に1をプラスし;該計数器の計数値が最大値+1に達したときに、上位層にランダムアクセス問題を指示し、ランダムアクセスプロシージャがシステム情報リクエストによってトリガーされた場合、ランダムアクセスプロシージャが完成しているが、未成功であると見なし;ランダムアクセスプロシージャが未完成である場合、ランダムアクセスリソース選択プロシージャに戻ることである、装置。
【0192】
(付記12)
付記9に記載の装置であって、
競合解決が未成功である場合、前記第二処理ユニットは前記ランダムアクセスレスポンスにおいて受信したTC-RNTIを破棄しない、装置。
【0193】
(付記13)
付記1に記載の装置であって、
前記送信ユニットは前記複数の上りリンクグラントのうちの少なくとも1つを使用してメッセージ3を送信し、
前記装置は第三処理ユニットをさらに含み、
可用の前記メッセージ3の送信用の上りリンクグラントがなく、かつ競合解決タイマーが切れたとき又は第一タイマーが切れたときに、前記第三処理ユニットは前記ランダムアクセスレスポンスにおいて受信したTC-RNTIを破棄し、競合解決が未成功と見なし、成功裏に復号されたMAC PDUを破棄する、装置。
【0194】
(付記14)
付記1に記載の装置であって、
前記送信ユニットは前記複数の上りリンクグラントの少なくとも1つを使用してメッセージ3を送信し、
前記装置は第四処理ユニットをさらに含み、
可用の前記メッセージ3の送信用の上りリンクグラントがない場合、前記第四処理ユニットは前記ランダムアクセスレスポンスにおいて受信したTC-RNTIを破棄し、競合解決が未成功と見なし、成功裏に復号されたMAC PDUを破棄する、装置。
【0195】
(付記15)
付記1に記載の装置であって、
前記複数の上りリンクグラントはライセンスバンド又はアンライセンスバンドにあり、
前記装置は第五処理ユニットをさらに含み、
前記第五処理ユニットは、前記メッセージ3の伝送又は再送の機会が終了したときに、競合解決タイマーを起動又は再起動させ、
前記メッセージ3がCCCH SDUを含み、かつTC-RNTIを用いてPDCCH伝送をアドレスする場合、前記MAC PDUを成功裏に復号したときに、前記MAC PDUが競合解決IDを含み、かつ前記競合解決IDが前記メッセージ3において送信されるのとマッチすれば、前記第五処理ユニットは前記競合解決タイマーを停止する、装置。
【0196】
(付記16)
付記1に記載の装置であって、
前記複数の上りリンクグラントはアンライセンスバンドにあり、
前記装置は第六処理ユニットをさらに含み、
前記第六処理ユニットは、前記メッセージ3の伝送のLBTが成功したときに、競合解決タイマーを起動させ、
すべてのメッセージ3の伝送が失敗しており、及び/又は、前記競合解決タイマーが切れたときに、前記第六処理ユニットは、ランダムアクセスリソース選択プロシージャから再スタートし、又は、上位層にランダムアクセス問題を指示する、装置。
【0197】
(付記17)
付記1に記載の装置であって、
第七処理ユニットをさらに含み、
前記第七処理ユニットは、前記メッセージ3の1つの伝送又は1つの再送の機会が終了したときに、第一タイマーを起動させ、前記第一タイマーのランニング期間内で競合解決メッセージを監視し、かつ前記メッセージ3のHARQ再送のスケジューリング情報を監視し、前記第一タイマーが切れたときに、前記メッセージ3の伝送又は伝送の試みを許可する、装置。
【0198】
(付記18)
付記9又は10又は12又は13に記載の装置であって、
前記競合解決メッセージはC-RNTIを含み、前記端末装置は前記C-RNTIを自分のC-RNTIとして使用する、装置。
【0199】
(付記1A)
ネットワーク装置に配置される信号送信装置であって、
ランダムアクセスプリアンブルを受信する受信ユニット;及び
ランダムアクセスレスポンスを送信する第一送信ユニットであって、前記ランダムアクセスレスポンスが複数の上りリンクグラントと関連付けられ、前記複数の上りリンクグラントがメッセージ3の伝送のために用いられ、前記複数の上りリンクグラントのうちの少なくとも1つの上りリンクグラントが前記メッセージ3の初期送信のために用いられる、第一送信ユニットを含む、装置。
【0200】
(付記2A)
付記1Aに記載の装置であって、
前記ランダムアクセスレスポンスが複数の上りリンクグラントと関連付けられるとは、
1つのランダムアクセスレスポンスが1つの上りリンクグラントと関連付けられ、前記ネットワーク装置はランダムアクセスレスポンス受信窓内で複数のランダムアクセスレスポンスを受信し;又は
1つのランダムアクセスレスポンスが複数の上りリンクグラントと関連付けられることを指す、装置。
【0201】
(付記3A)
付記1Aに記載の装置であって、
前記複数の上りリンクグラントはメッセージ3の伝送のために用いられ、そのうち、前記複数の上りリンクグラントのうちの第一上りリンクグラントが前記メッセージ3の初期送信のために用いられ、前記複数の上りリンクグラントのうちの第二上りリンクグラントが前記メッセージ3の再送のために用いられる、装置。
【0202】
(付記4A)
付記1Aに記載の装置であって、
前記複数の上りリンクグラントはメッセージ3の伝送のために用いられ、そのうち、前記複数の上りリンクグラントのうちの第一上りリンクグラントが前記メッセージ3の初期送信のために用いられ、前記複数の上りリンクグラントのうちの第二上りリンクグラントも前記メッセージ3の初期送信のために用いられる、装置。
【0203】
(付記5A)
付記4Aに記載の装置であって、
前記第二上りリンクグラントと、前記第一上りリンクグラントに対応するメッセージ3の再送に対応する上りリンクグラントとは、異なる時間領域リソースを占める、装置。
【0204】
(付記6A)
付記4Aに記載の装置であって、
前記ランダムアクセスレスポンスは前記上りリンクグラントに対応するHARQプロセスIDを含み、前記HARQプロセスIDに対応するHARQプロセスは前記上りリンクグラントに対応する前記メッセージ3の伝送のために用いられる、装置。
【0205】
(付記7A)
付記4Aに記載の装置であって、
第二送信ユニットをさらに含み、
前記第二送信ユニットは設定情報を送信し、前記設定情報には前記上りリンクグラントに対応するHARQプロセスIDが設定されており、前記HARQプロセスIDの数が前記複数の上りリンクグラントの数と同じである場合、前記HARQプロセスIDは前記複数の上りリンクグラントと一対一対応し、前記HARQプロセスIDの数が前記複数の上りリンクグラントの数よりも小さい場合、前記HARQプロセスIDと、前記複数の上りリンクグラントとは、所定のルールに従ってマッピングを行う、装置。
【0206】
(付記8A)
付記1Aに記載の装置であって、
監視ユニットをさらに含み、
前記監視ユニットは、前記複数の上りリンクグラントのうちの1つの上りリンクグラントで前記メッセージ3を監視し、
前記メッセージ3を受信しており、かつ前記メッセージ3が第一競合解決IDを含む場合、前記第一送信ユニットは競合解決メッセージを送信し、前記競合解決メッセージは第二競合解決IDを含み、かつ前記第二競合解決IDは、前記メッセージ3に含まれる第一競合解決IDと同じである、装置。
【0207】
(付記9A)
付記8Aに記載の装置であって、
第一処理ユニットをさらに含み、
前記第一処理ユニットは、前記複数の上りリンクグラントのうち、ペンディングされ、又は残され、又は割り当てられた上りリンクグラントでメッセージ3を監視することを停止する、装置。
【0208】
(付記10A)
付記9Aに記載の装置であって、
前記第一処理ユニットはさらに、動的にスケジューリングされた上りリンクグラントでメッセージ3を監視することを停止する、装置。
【0209】
(付記11A)
付記8Aに記載の装置であって、
第二処理ユニットをさらに含み、
前記第二処理ユニットは、前記複数の上りリンクグラントのうち、ペンディングされ、又は残され、又は割り当てられた上りリンクグラントを使用してデータ伝送を行う、装置。
【0210】
(付記12A)
付記8Aに記載の装置であって、
前記複数の上りリンクグラントのうち、ペンディングされ、又は残され、又は割り当てられた第一上りリンクグラントが存在する場合、前記監視ユニットは前記第一上りリンクグラントで前記メッセージ3を監視し、
前記メッセージ3を受信し、かつ前記メッセージ3が第一競合解決IDを含む場合、前記第一送信ユニットは競合解決メッセージを送信し、前記競合解決メッセージは第二競合解決IDを含み、かつ前記第二競合解決IDは前記メッセージ3に含まれる第一競合解決IDと同じである、装置。
【0211】
(付記13A)
付記8Aに記載の装置であって、
前記複数の上りリンクグラントのうち、ペンディングされ、又は残され、又は割り当てられた第一上りリンクグラントが存在し、かつ第二タイマーがランニング中の場合、前記監視ユニットは前記第一上りリンクグラントで前記メッセージ3を監視し、
前記メッセージ3を受信し、かつ前記メッセージ3が第一競合解決IDを含む場合、前記第一送信ユニットは競合解決メッセージを送信し、前記競合解決メッセージは第二競合解決IDを含み、かつ前記第二競合解決IDは前記メッセージ3に含まれる第一競合解決IDと同じである、装置。
【0212】
(付記14A)
付記8Aに記載の装置であって、
前記複数の上りリンクグラントのうち、ペンディングされ、又は残され、又は割り当てられた第一上りリンクグラントがない場合、前記監視ユニットはメッセージ3の監視を停止し;又は
第二タイマーが切れたときに、前記監視ユニットは前記第一上りリンクグラントでメッセージ3を監視することを停止する、装置。
【0213】
(付記15A)
付記13A又は14Aに記載の装置であって、
第三処理ユニットをさらに含み、
前記第三処理ユニットは前記第二タイマーを作動させるために用いられ、前記第二タイマーの持続時間は競合解決タイマーと同じである、装置。
【0214】
(付記16A)
付記8Aに記載の装置であって、
第一タイマーを作動させるための第四処理ユニットをさらに含み、
前記監視ユニットが前記メッセージ3を受信したときに、前記第四処理ユニットは前記第一タイマーを起動させ、前記第一送信ユニットは前記第一タイマーのランニング期間内で競合解決メッセージを送信し、又は、前記第四処理ユニットは前記メッセージ3の1つの伝送又は再送の機会が終了したときに、前記第一タイマーを起動させ、前記第一送信ユニットは前記第一タイマーのランニング期間内で前記メッセージ3のHARQ再送のスケジューリング情報を送信し、
前記監視ユニットは、前記第一タイマーが切れたときに、前記メッセージ3の伝送の受信を開始する、装置。
【0215】
(付記17A)
付記12A又は13Aに記載の装置であって、
前記競合解決メッセージは1つのC-RNTIをさらに含み、前記C-RNTIは端末装置を標識するために用いられる、装置。