(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】人員追跡消毒システム及び方法
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20230704BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20230704BHJP
H04Q 9/02 20060101ALI20230704BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20230704BHJP
G07C 9/27 20200101ALI20230704BHJP
G07C 9/22 20200101ALI20230704BHJP
G07C 9/25 20200101ALI20230704BHJP
G06Q 50/22 20180101ALI20230704BHJP
【FI】
H04Q9/00 301B
H04M11/00 301
H04Q9/02 B
G08B25/04 K
G07C9/27
G07C9/22
G07C9/25
G06Q50/22
(21)【出願番号】P 2022010081
(22)【出願日】2022-01-26
【審査請求日】2022-01-26
(31)【優先権主張番号】202111060176.2
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】596039187
【氏名又は名称】台達電子工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DELTA ELECTRONICS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲テイ▼嘉仁
(72)【発明者】
【氏名】蔡志偉
(72)【発明者】
【氏名】王志賢
【審査官】阿部 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-205192(JP,A)
【文献】特開2009-282442(JP,A)
【文献】特表2012-513052(JP,A)
【文献】特開2009-134590(JP,A)
【文献】特表2016-517590(JP,A)
【文献】特開2021-068298(JP,A)
【文献】特開2020-057303(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
H04M 11/00
H04Q 9/02
G08B 25/04
G07C 9/27
G07C 9/22
G07C 9/25
G06Q 50/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主要エリアと少なくとも1つの拡張エリアとを含む場所に適用される人員追跡消毒システムであって、
対応する人員の身分を取得するように、前記場所内の人員を認識するための複数の認識装置と、
前記場所内の人員を消毒するための少なくとも1つの消毒装置と、
人員消毒記録データベースを記憶するためのメモリと、
複数の前記認識装置、前記消毒装置及び前記メモリに結合される中央制御装置と、
を備え、
前記主要エリアには複数の前記認識装置の第1の認識装置及び前記消毒装置が設けられ、前記拡張エリアには複数の前記認識装置の第2の認識装置が設けられ、
前記中央制御装置は、
前記場所内の人員を認識するように前記複数の認識装置を制御し、
前記複数の認識装置と協働して前記場所内の人員の位置を判断し、
前記消毒装置を起動して前記主要エリア内の人員を消毒し、前記第1の認識装置が生成した認識結果に基づいて消毒記録を生成し、且つ前記消毒記録を前記人員消毒記録データベースに記憶し、
前記第2の認識装置が生成した認識結果に基づいて、前記拡張エリア内の人員に消毒記録があるか否かを判断することに用いられ
、
前記場所内の人員が前記拡張エリアに入る前に少なくとも1つの他のエリアを通過し、前記中央制御装置は、消毒するように少なくとも1つの前記他のエリアに設けられる消毒装置を制御することに更に用いられる、人員追跡消毒システム。
【請求項2】
前記中央制御装置は、
前記拡張エリア内の人員の消毒記録に基づいて、前記拡張エリア内の人員が消毒基準を満たしているか否かを判断し、
前記消毒基準を満たさない人員を消毒の必要がある者として示すことに更に用いられる請求項1に記載の人員追跡消毒システム。
【請求項3】
前記消毒基準は、前回の消毒からの経過時間が第1のプリセット時間を超えないことである請求項2に記載の人員追跡消毒システム。
【請求項4】
前記消毒基準は、前回の消毒の運行時間が第2のプリセット時間を超えることである請求項2に記載の人員追跡消毒システム。
【請求項5】
前記拡張エリアには、警報装置が更に設けられ、
前記中央制御装置は、
前記拡張エリア内の人員に知らせるように前記警報装置を制御し、
人員を消毒するように前記消毒装置を制御することに更に用いられる請求項1から4のいずれか一項に記載の人員追跡消毒システム。
【請求項6】
人員追跡消毒システムに適用される人員追跡消毒方法であって、前記人員追跡消毒システムは、主要エリアと少なくとも1つの拡張エリアとを含む場所に設けられ、複数の認識装置と、少なくとも1つの消毒装置と、メモリと、中央制御装置と、を備え、前記主要エリアには複数の前記認識装置の第1の認識装置及び前記消毒装置が設けられ、前記拡張エリアには複数の前記認識装置の第2の認識装置が設けられ、
前記人員追跡消毒方法は、
前記中央制御装置によって、対応する人員の身分を取得するように、複数の前記認識装置を制御して前記場所内の人員を認識することと、
前記中央制御装置によって、複数の前記認識装置と協働して前記場所内の人員の位置を判断することと、
前記中央制御装置によって、前記消毒装置を起動して前記主要エリア内の人員を消毒し、前記第1の認識装置が生成した認識結果に基づいて消毒記録を生成し、前記消毒記録を人員消毒記録データベースに記憶することと、
前記中央制御装置によって、前記第2の認識装置が生成した認識結果に基づいて、前記拡張エリア内の人員に消毒記録があるか否かを判断することと、
を備え
、
前記場所内の人員が前記拡張エリアに入る前に少なくとも他のエリアを通過し、前記人員追跡消毒方法は、
前記中央制御装置によって、消毒するように少なくとも1つの前記他のエリアに設けられる消毒装置を制御することを更に備える、人員追跡消毒方法。
【請求項7】
前記拡張エリア内の人員に消毒記録があるか否かを判断する操作の後、前記人員追跡消毒方法は、
前記拡張エリア内の人員の消毒記録に基づいて、前記拡張エリア内の人員が消毒基準を満たしているか否かを判断することと、
前記消毒基準を満たさない人員を消毒の必要がある者として示すことと、
を更に備える請求項
6に記載の人員追跡消毒方法。
【請求項8】
前記消毒基準は、前回の消毒からの経過時間が第1のプリセット時間を超えないことである請求項
7に記載の人員追跡消毒方法。
【請求項9】
前記消毒基準は、前回の消毒の運行時間が第2のプリセット時間を超えることである請求項
7に記載の人員追跡消毒方法。
【請求項10】
前記拡張エリアには、警報装置が更に設けられ、前記人員追跡消毒方法は、
前記中央制御装置によって、前記拡張エリア内の人員に知らせるように前記警報装置を制御することと、
前記中央制御装置によって、人員を消毒するように前記消毒装置を制御することと、を更に備える請求項
6から
9のいずれか一項に記載の人員追跡消毒方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示内容は、人員追跡消毒システム及び方法に関し、特に、場所に適用される人員追跡消毒システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
流行疾患の感染リスクを低減するために、現行では建物の主要な出入口に消毒や名前記録の管制を施すやり方が多い。しかしながら、現行のやり方は、例えば、名前記録の動作により人員が出入口を通過する効率を低下させること、人員が消毒されずに前記場所に入り再消毒できなくなること、及び消毒動作が両手にアルコールをかけることに限られる、などの問題が生じやすい。
【発明の概要】
【0003】
本開示内容の一態様は、主要エリアと少なくとも1つの拡張エリアとを含む場所に適用され、複数の認識装置と、少なくとも1つの消毒装置と、メモリと、中央制御装置と、を備える人員追跡消毒システムである。複数の前記認識装置は、対応する人員の身分を取得するように、前記場所内の人員を認識することに用いられる。前記消毒装置は、前記場所内の人員を消毒することに用いられ、前記主要エリアには複数の前記認識装置の第1の認識装置及び前記消毒装置が設けられ、前記拡張エリアには複数の前記認識装置の第2の認識装置が設けられている。前記メモリは、人員消毒記録データベースを記憶することに用いられる。前記中央制御装置は、複数の前記認識装置、前記消毒装置及び前記メモリに結合され、前記場所内の人員を認識するように複数の前記認識装置を制御し、複数の前記認識装置と協働して前記場所内の人員の位置を判断し、前記消毒装置を起動して前記主要エリア内の人員を消毒し、前記第1の認識装置が生成した認識結果に基づいて消毒記録を生成し、前記消毒記録を前記人員消毒記録データベースに記憶し、前記第2の認識装置が生成した認識結果に基づいて、前記拡張エリア内の人員に消毒記録があるか否かを判断することに用いられる。
【0004】
本開示内容の別の態様は、人員追跡消毒システムに適用される人員追跡消毒方法であって、前記人員追跡消毒システムは、主要エリアと少なくとも1つの拡張エリアとを含む場所に設けられ、複数の認識装置と、少なくとも1つの消毒装置と、メモリと、中央制御装置と、を備え、前記主要エリアには複数の前記認識装置の第1の認識装置と前記消毒装置が設けられ、前記拡張エリアには複数の前記認識装置の第2の認識装置が設けられ、前記人員追跡消毒方法は、前記中央制御装置によって、対応する人員の身分を取得するように、複数の前記認識装置を制御して前記場所内の人員を認識することと、前記中央制御装置によって、複数の前記認識装置と協働して前記場所内の人員の位置を判断することと、前記中央制御装置によって、前記消毒装置を起動して前記主要エリア内の人員を消毒し、前記第1の認識装置が生成した認識結果に基づいて消毒記録を生成し、前記消毒記録を前記人員消毒記録データベースに記憶することと、前記中央制御装置によって、前記第2の認識装置が生成した認識結果に基づいて、前記拡張エリア内の人員に消毒記録があるか否かを判断することと、を備える人員追跡消毒方法である。
【0005】
以上をまとめると、本開示内容の人員追跡消毒システム及び人員追跡消毒方法は、場所内に散在する認識装置と消毒装置とによって、場所内の人員を消毒するとともに、人員の消毒記録を生成する。また、消毒装置を選択的に起動するように、人員追跡消毒システムは、データベースに記憶された消毒記録に基づいて、場所内の人員が消毒されたか否か、又は予め設定された消毒基準を満たすか否かを更に判断することができる。このようにして、場所全域内の消毒カバー率を向上させてリスクを低減することができ、例えば、主要エリアにおいて消毒することを回避して、且つ主要エリアの認識装置によって認識されない人員が、拡張エリアに現れると、拡張エリアの認識装置によってリアルタイムでその人員が認識されることとして、中央制御装置は判断した後、依然としてその人員のいる場所及びその隣接走行軌跡の経過場所の消毒装置を起動して、消毒を追加する。また、環境リスクを低減するとともに、消毒装置の利用コストを低減することができ、必要なタイミングのみで消毒装置を起動する。非接触式の人員認識及び消毒方法は、人員が出入口を通過する速度も速くする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本開示内容の一部の実施例による人員追跡消毒システムを示すブロック図である。
【
図2】本開示内容の一部の実施例による人員追跡消毒システムがある場所に設けられる時の模式図である。
【
図3】本開示内容の一部の実施例による人員追跡消毒方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付図面と合わせて、実施例を挙げて詳細に説明するが、説明する具体的な実施例は、単に本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するためのものではなく、また、構造操作の説明は、その実行の順序を制限するためのものではなく、構成要素から改めて組み立てされる構造や均等な効果を有する装置は、いずれも本開示内容に含まれる範囲である。
【0008】
明細書全文及び特許請求の範囲に使用される用語(terms)は、特に明記されない限り、通常、この分野、ここで開示される内容及び特殊内容で使用される一般的な意味を有する。
【0009】
図1及び
図2を参照すると、
図1は、本開示内容の一部の実施例による人員追跡消毒システム100を示す図であり、
図2は、人員追跡消毒システム100が場所1に設けられることを示す模式図である。人員追跡消毒システム100は、場所1に設けられると、場所1に入る人員の消毒状態を監視及び管理するために使用されてもよい。
【0010】
いくつかの実施例において、
図1に示すように、人員追跡消毒システム100は、中央制御装置110と、メモリ120と、複数の認識装置130_1~130_nと、複数の消毒装置140_1~140_mと、を含む。ここで、中央制御装置110は、メモリ120、認識装置130_1~130_n及び消毒装置140_1~140_mに結合されるとともに、メモリ120、認識装置130_1~130_n及び消毒装置140_1~140_mを制御することに用いられる。他の実施例において、人員追跡消毒システム100は、少なくとも1つの警報装置150(
図2に示す)を更に含み、且つ警報装置150は、同様に、中央制御装置110に結合される。
【0011】
本明細書で使用される「m」及び「n」は、それぞれ、消毒装置の数及び認識装置の数を示すためのものだけであり、ここで「m」及び「n」は、いずれも0より大きい正の整数であり、互いに同一であっても異なっていてもよいことが理解される。
【0012】
いくつかの実施例において、中央制御装置110は、1つ又は複数の中央処理ユニット(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロプロセッサ、システムオンチップ(SoC)、又は他の適切な処理ユニットによって実現されてもよい。
【0013】
いくつかの実施例において、メモリ120は、人員データベース、エリアデータベース、消毒装置データベース、認識装置データベース、及び人員消毒記録データベースを記憶することに用いられる。ここで、人員データベースは、認識装置130_1~130_nによって認識され得る複数の人員の人員身分(例えば、氏名、従業員番号等)及び/又は認識情報(例えば、顔画像、無線周波数タグシリアル番号、指紋画像等)を記録している。エリアデータベースは、場所1内の全てのエリアと、各エリアに隣接するエリアの地理的な関連性とを記録している。消毒装置データベースは、消毒装置140_1~140_mの認識情報(例えば、装置番号)と所在位置を記録している。認識装置データベースは、認識装置130_1~130_nの認識情報(例えば、装置番号)と所在位置を記録する。人員消毒記録データベースは、場所1内の人員の消毒記録を記録し、且つ各消毒記録は、人員の身分、消毒時間及び/又は消毒場所などの情報を含む。場所1内のある人員について人員消毒記録データベースに対応する消毒記録が存在しないと、前述したある人員が消毒されていないことを表すことが理解され得る。いくつかの実施例において、メモリ120は、サーバによって実現されてもよい。
【0014】
いくつかの実施例において、認識装置130_1~130_nはそれぞれ、場所1内の人員を認識し、認識結果を生成することに用いられ、認識結果は、顔画像、無線周波数タグシリアル番号及び/又は指紋画像等であってもよい。これにより、中央制御装置110は、前述した認識結果と人員データベースにおける複数の認識情報とを比較して、被認識者の人員身分を取得することができる。いくつかの実施例において、認識装置130_1~130_nは、顔認識カメラ、近距離無線周波数認識(RFID)リーダ及び/又は指紋認識機によって実現されてもよい。
【0015】
いくつかの実施例において、消毒装置140_1~140_mはそれぞれ、場所1内の人員を消毒することに用いられる。他の実施例において、消毒装置140_1~140_mは、場所1内のエリアを消毒するためにも使用されてもよい。消毒装置140_1~140_mの一方が消毒のために起動されると、中央制御装置110は、消毒装置140_1~140_mの一方の認識情報に基づいて消毒装置データベースを検索して、対応する消毒時間及び対応する消毒場所を取得することができる。いくつかの実施例において、消毒装置140_1~140_mは、222ナノメートルの紫外線照射機及び/又はアルコール噴霧機によって実現されてもよい。
【0016】
図2に示すように、場所1は、主要エリア10と、主要エリア10と異なる少なくとも1つの拡張エリア(例えば、拡張エリア20A及び拡張エリア20B)と、を含み、主要エリア10と拡張エリアとは互いに連通可能である。いくつかの実際の用途では、場所1はオフィスビルであってもよく、主要エリア10は1階(ground floor)のロビー又は他の主要な出入口などであってもよく、且つ、拡張エリアは会議室、給湯室又は業務エリアなどであってもよい。
図2において2つの拡張エリア20A及び20Bが示されているのは、便宜上及び説明の簡略化のためだけであり、実務では延在エリアの数は
図2に示された数に限定されないことが理解され得る。
【0017】
場所1の主要な出入口として、主要エリア10には、通常、消毒装置140_1~140_mのいずれか1つと、認識装置130_1~130_nのいずれか1つとが併設されている。主要エリア10と比較して、拡張エリアには必ずしも消毒装置140_1~140_mの一方が設けられているわけではない。
図2に示す実施例において、主要エリア10には、消毒装置140_1及び認識装置130_1が設けられ、拡張エリア20Aには、消毒装置140_2及び認識装置130_2が設けられ、また拡張エリア20Bには、警報装置150及び認識装置130_3が設けられている。
【0018】
図3を参照すると、
図3は、本開示内容の一部の実施例による人員追跡消毒方法200を示すフローチャートである。人員追跡消毒方法200は、
図1又は
図2における中央制御装置110によって実行されてもよい。しかしながら、本開示内容はこれに限定されない。本発明をより良く理解するために、以下の段落で、人員追跡消毒方法200を、
図2及び
図3を併せて説明する。
図3に示すように、人員追跡消毒方法200は、操作S201~S210を含む。
【0019】
操作S201において、中央制御装置110は、認識装置130_1~130_nを制御して場所1内の人員を認識する。操作S202において、中央制御装置110は、場所1内の人員が主要エリア10又は拡張エリアに位置すると判断する(すなわち、中央制御装置110は、認識装置130_1~130_nと協働して場所1内の人員の位置を判断する)。
【0020】
いくつかの実施例において、主要エリア10に人員が位置すると、主要エリア10内の認識装置130_1は、人員を認識し、認識結果を中央制御装置110に送信することができる。これにより、中央制御装置110は、認識装置130_1の認識情報に基づいて、認識装置データベースを検索して、被認識者が主要エリア10に位置することを知ることができる。他の実施例において、人員が拡張エリア20A又は20Bに位置すると、拡張エリア20A又は20B内の認識装置130_2又は130_3は、人員を認識し、認識結果を中央制御装置110に送信することができる。これにより、中央制御装置110は、認識装置130_2又は130_3の認識情報に基づいて、認識装置データベースを検索して、被認識者が拡張エリア20A又は20Bに位置することを知ることができる。つまり、中央制御装置110は、認識結果を送信する認識装置の認識情報に基づいて認識装置データベースを検索して、被認識者の所在位置を知ることができる。
【0021】
操作S203において、人員が主要エリア10に位置すると判断されると、中央制御装置110は、主要エリア10内の消毒装置140_1を起動して、主要エリア10内の人員を消毒する。操作S204において、中央制御装置110は、主要エリア10内の認識装置130_1が生成した認識結果に基づいて、消毒記録を生成する。いくつかの実施例において、中央制御装置110は、認識装置130_1が生成した認識結果に基づいて、被認識者の人員身分を取得するとともに、主要エリア10で作動する消毒装置140_1に基づいて、被認識者の消毒時間及び消毒場所を取得して、消毒記録を生成する。
【0022】
操作S205において、中央制御装置110は消毒記録を人員消毒記録データベースに記録する。いくつかの実施例において、中央制御装置110は、現在生成された消毒記録における人員身分に基づいて、人員消毒記録データベースを検索して、人員消毒記録データベースに被認識者の以前の消毒記録があるか否かを判断する。被認識者の以前の消毒記録があると、中央制御装置110は、現在生成された消毒記録に基づいて、前述した以前の消毒記録における消毒時間と消毒場所を更新する。被認識者の以前の消毒記録がないと、中央制御装置110は、現在生成された消毒記録を、人員消毒記録データベースに新たに追加する。
【0023】
操作S206において、人員が拡張エリアに位置すると判断されると、中央制御装置110は、拡張エリア内の人員に消毒記録があるか否かを判断する。いくつかの実施例において、被認識者は、
図2に示す拡張エリア20Aに位置する。これにより、中央制御装置110は、認識装置130_2が生成した認識結果に基づいて、被認識者の人員身分を取得するとともに、被認識者の人員身分に基づいて、人員消毒記録データベースを検索して、人員消毒記録データベースに被認識者の以前の消毒記録があるか否かを判断する。
【0024】
操作S207において、拡張エリア20A内の人員に既に消毒記録があると判断されると、中央制御装置110は、拡張エリア20A内の人員が消毒基準を満たしているか否かを更に判断する。いくつかの実施例において、中央制御装置110は、人員消毒記録データベースに記憶された以前の消毒記録における以前の消毒時間に基づいて、経過時間を算出する。例えば、中央制御装置110は、現在の時間から前述した以前の消毒時間を減算して、前述した経過時間を算出してもよい。前述した経過時間を算出した後、中央制御装置110は、前述した経過時間を第1のプリセット時間(例えば、1時間)と比較する。
【0025】
前述した経過時間が第1のプリセット時間を超えない(即ち、消毒基準を満たしていることを示す)と、中央制御装置110は操作S208を実行する。操作S208において、中央制御装置110は、拡張エリア20A内の人員を消毒しない。言い換えれば、中央制御装置110は、拡張エリア20A内の消毒装置140_2を起動しない。前述した経過時間が第1のプリセット時間を超える(すなわち、消毒基準を満たさないことを示す)と、中央制御装置110は、拡張エリア20A内の人員を消毒の必要がある者として示し(例えば、拡張エリア20A内の人員の消毒記録に「消毒が必要」に関連付けられた情報又は/及びラベルを新たに追加する)、同時に操作S209を実行する。操作S209において、中央制御装置110は、拡張エリア20A内の消毒装置140_2を起動させることによって、拡張エリア20A内の人員を消毒する。
【0026】
他の実施例において、前述した被認識者の以前の消毒記録は、運行時間を更に含む。いくつかの実際の用途では、被認識者は、拡張エリア20Aに入る前に、紫外線照射機(すなわち、消毒装置140_1~140_mの1つ)によって3秒間照射されたので、中央制御装置110の、以前の消毒記録に記録した動作時間は、3秒である。従って、操作S207において、中央制御装置110は、拡張エリア20A内の人員が消毒基準を満たしているか否かを判断するように、以前の消毒記録における運行時間が第2のプリセット時間(例えば5秒)を超えているか否かを判断する。
【0027】
前述した運行時間が第2のプリセット時間を超える(即ち、消毒基準を満たしていることを示す)と、中央制御装置110は操作S208を実行する。前述した運行時間が第2のプリセット時間を超えない(すなわち、消毒基準を満たさないことを示す)と、中央制御装置110は、拡張エリア20A内の人員を消毒の必要がある者として示し、同時に操作S209を実行する。操作S208及びS209の説明は、前述の実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0028】
操作S210において、中央制御装置110は、消毒記録を生成し、消毒記録を人員消毒記録データベースに記憶する。例えば、中央制御装置110は、拡張エリア20A内で作動する消毒装置140_2に基づいて、被認識者の消毒時間及び消毒場所を取得し、且つ操作S206で取得した人員の身分に基づいて、前述した以前の消毒記録における消毒時間及び消毒場所を更新する。
【0029】
別の実施例において、中央制御装置110は、操作S206において拡張エリア20A内の人員に消毒記録がないと判断し、更に拡張エリア20A内の消毒装置140_2を制御して拡張エリア20A内の人員を消毒する(すなわち、操作S209)。操作S210において、中央制御装置110は、拡張エリア20Aで作動する消毒装置140_2に基づいて、被認識者の消毒時間及び消毒場所を取得し、且つ操作S206で取得した人員の身分、消毒時間及び消毒場所に基づいて、消毒記録を生成する。次に、中央制御装置110は、現在生成された消毒記録を、人員消毒記録データベースに新たに追加する。
【0030】
別の実施例において、中央制御装置110は、操作S202において、被認識者が
図2に示す拡張エリア20Bに位置すると判断し、且つ操作S206又はS207において、拡張エリア20B内の人員を消毒する必要があると判断する。これにより、操作S209が実行される。
図2に示すように、拡張エリア20Bに消毒装置が設けられていないため、中央制御装置110は、隣接するとともに消毒装置が設けられている別の拡張エリア(例えば、拡張エリア20Aであるが、これに限定されない)に移動することを拡張エリア20B内の人員に知らせるように警報装置150を制御し、別の拡張エリアでの消毒装置によって人員を消毒する。次に、中央制御装置110は、消毒記録を生成し、消毒記録を人員消毒記録データベースに記憶する(すなわち、操作S210)。操作S210の説明は、前述の実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。いくつかの実施例において、警報装置150は、スピーカー、ディスプレイ又は他の適切な出力装置によって実現されてもよく、これにより、中央制御装置110は、音声及び/又は画像を再生することによって、場所1内の人員に知らせることができる。
【0031】
更に別の実施例において、場所1内の人員は、拡張エリア20A又は20B(又は別の拡張エリア)に入る前に、少なくとも1つの他のエリア(図示せず)を更に経過し、かつ中央制御装置110は、操作S206又はS207において、拡張エリア20A又は20B内の人員を消毒する必要があると判断する。これにより、中央制御装置110は、前記少なくとも1つの他のエリアを消毒するように、前記少なくとも1つの他のエリアに設けられる消毒装置を更に制御してもよい。言い換えれば、疾患感染のリスクを更に低減するように、中央制御装置110は、拡張エリアに入る前に人員が経過した経路を消毒してもよい。
【0032】
以上をまとめると、本開示内容の人員追跡消毒システム100及び人員追跡消毒方法200は、場所1内に散在する認識装置130_1~130_nと消毒装置140_1~140_mとによって、場所1内の人員を消毒するとともに、人員の消毒記録を生成する。また、消毒装置を選択的に起動するように、人員追跡消毒システム100は、データベースに記憶された消毒記録に基づいて、場所1内の人員が消毒されたか否か、又は予め設定された消毒基準を満たすか否かを更に判断することができる。
【0033】
本開示内容を実施形態で上記のように開示したが、これは、本開示内容を限定するものではなく、当業者であれば、本開示内容の精神と範囲から逸脱しない限り、様々な変更や修正を加えることができ、したがって、本開示内容の保護範囲は、添付の特許請求の範囲で定義したものを基準とする。
【符号の説明】
【0034】
1 場所
10 主要エリア
20A、20B 拡張エリア
100 人員追跡消毒システム
110 中央制御装置
120 メモリ
130_1~130_n 認識装置
140_1~140_m 消毒装置
150 警報装置
200 人員追跡消毒方法
S201~S210 操作