(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】測定装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
G01B 15/02 20060101AFI20230704BHJP
G01N 23/02 20060101ALI20230704BHJP
A61B 6/10 20060101ALN20230704BHJP
【FI】
G01B15/02 A
G01N23/02
A61B6/10 300
(21)【出願番号】P 2022057651
(22)【出願日】2022-03-30
【審査請求日】2023-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(74)【代理人】
【識別番号】100202326
【氏名又は名称】橋本 大佑
(72)【発明者】
【氏名】王 剛
(72)【発明者】
【氏名】田島 志帆
【審査官】信田 昌男
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-185939(JP,A)
【文献】特公平6-76885(JP,B2)
【文献】特開2014-198563(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 15/02
G01N 23/00
A61B 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線を用いて被測定物の厚さを測定する測定装置であって、
放射線源が放射した前記放射線を遮断可能な遮断部と、
前記遮断部の開閉により前記放射線の非遮断及び遮断を制御する第1制御ライン及び第2制御ラインと、
を備え、
前記第1制御ラインは、第1制御部と、前記遮断部を駆動する第1駆動部と、を有し、
前記第2制御ラインは、第2制御部と、前記遮断部を駆動する第2駆動部と、を有し、
前記第1制御部は、前記第1駆動部及び前記第2駆動部を制御し、
前記第2制御部は、前記第1駆動部及び前記第2駆動部を制御し、
前記第1制御部と前記第2制御部とは、互いに通信可能に接続されている、
測定装置。
【請求項2】
前記第1駆動部は、前記第1制御部及び前記第2制御部と接続されている第1リレーと、前記第1リレーから出力される制御信号に基づいて前記遮断部を駆動する第1モータと、を有し、
前記第2駆動部は、前記第1制御部及び前記第2制御部と接続されている第2リレーと、前記第2リレーから出力される制御信号に基づいて前記遮断部を駆動する第2モータと、を有する、
請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記第1制御部は、通常条件を満たすと判定すると、前記遮断部の通常の開閉制御を実行させる第1制御情報に基づく前記制御信号を前記第1リレーに出力し、
前記第2制御部は、前記通常条件を満たすと判定すると、前記第1制御情報に基づく前記制御信号を前記第2リレーに出力し、
前記通常条件は、前記第1制御部及び前記第2制御部が前記第1制御情報を互いに生成していることを含む、
請求項2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記第1制御部は、前記通常条件を満たさないと判定すると、前記第1モータを用いて前記遮断部を閉じ、かつ前記第2リレーをオフにする前記制御信号を前記第1リレー及び前記第2リレーに出力し、
前記第2制御部は、前記通常条件を満たさないと判定すると、前記第2モータを用いて前記遮断部を閉じ、かつ前記第1リレーをオフにする前記制御信号を前記第1リレー及び前記第2リレーに出力する、
請求項3に記載の測定装置。
【請求項5】
前記第1制御部は、前記第1制御情報を含む任意の制御情報が前記第2制御部から受信されないと前記通常条件を満たさないと判定し、
前記第2制御部は、前記第1制御情報を含む任意の制御情報が前記第1制御部から受信されないと前記通常条件を満たさないと判定する、
請求項4に記載の測定装置。
【請求項6】
前記第1制御部は、前記第1制御情報とは異なる第2制御情報を前記第2制御部から受信すると前記通常条件を満たさないと判定し、
前記第2制御部は、前記第1制御情報とは異なる第2制御情報を前記第1制御部から受信すると前記通常条件を満たさないと判定する、
請求項4又は5に記載の測定装置。
【請求項7】
前記第1制御ラインは、パラメータの状態を検出する第1センサ部であって、第1検出情報を前記第1制御部に出力する前記第1センサ部を有し、
前記第2制御ラインは、前記パラメータの状態を検出する第2センサ部であって、第2検出情報を前記第2制御部に出力する前記第2センサ部を有し、
前記第2制御情報は、前記第1検出情報の異常により前記第1モータを用いて前記遮断部を閉じる制御情報、又は前記第2検出情報の異常により前記第2モータを用いて前記遮断部を閉じる制御情報を含む、
請求項6に記載の測定装置。
【請求項8】
前記第2制御ラインに含まれる各構成部は、通常電源とは異なる補助電源を有する、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項9】
前記第2制御部は、通常電源がオフになっていると判定すると、前記第2駆動部を用いて前記遮断部を閉じる制御信号を前記第2駆動部に出力する、
請求項8に記載の測定装置。
【請求項10】
放射線を用いて被測定物の厚さを測定する測定装置であって、第1制御部と第2制御部とを備える前記測定装置を制御する制御方法であって、
前記第1制御部が通常条件を満たすか否かを判定するステップと、
前記第2制御部が通常条件を満たすか否かを判定するステップと、
前記第1制御部が通常条件を満たすと判定すると、放射線源が放射した前記放射線を遮断可能な遮断部の通常の開閉制御を実行させる第1制御情報に基づく制御信号を第1制御ラインに出力するステップと、
前記第2制御部が通常条件を満たすと判定すると、前記第1制御情報に基づく前記制御信号を第2制御ラインに出力するステップと、
を含み、
前記通常条件は、前記第1制御部及び前記第2制御部が前記第1制御情報を互いに生成していることを含む、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、測定装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被測定物の厚さを含むパラメータを測定する厚さ計に関する技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、放射線を放射する側に放射線を遮るシャッタを設けて、上下ヘッドのズレを検出した場合にシャッタを閉じた上で駆動モータを停止させて装置の安全性を向上させる厚さ計安全装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術では、厚さ計を含む測定装置は、例えば測定装置を囲むフェンスのドアの異常、及び測定装置が有するセンサからの検出情報の異常などを検知すると、モータ及びばねのいずれかによってシャッタを閉じる。すなわち、シャッタを閉じる手段として、二重の手段が確保されている。しかしながら、測定装置内のいずれかの部品が故障した場合、及び通常電源が失われた場合には、モータによるシャッタの制御が不可能となる。このとき、シャッタを閉じる手段は、ばねのみとなる。ばねによるシャッタの動作が正しく行われないと、放射線に対する測定装置の安全機能が失われる。
【0006】
本開示は、シャッタを含む遮断部をより確実に駆動して放射線に対する安全性を向上可能な測定装置及び制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
幾つかの実施形態に係る測定装置は、放射線を用いて被測定物の厚さを測定する測定装置であって、放射線源が放射した前記放射線を遮断可能な遮断部と、前記遮断部の開閉により前記放射線の非遮断及び遮断を制御する第1制御ライン及び前記第2制御ラインと、を備え、前記第1制御ラインは、第1制御部と、前記遮断部を駆動する第1駆動部と、を有し、前記第2制御ラインは、第2制御部と、前記遮断部を駆動する第2駆動部と、を有し、前記第1制御部は、前記第1駆動部及び前記第2駆動部を制御し、前記第2制御部は、前記第1駆動部及び前記第2駆動部を制御し、前記第1制御部と前記第2制御部とは、互いに通信可能に接続されている。
【0008】
これにより、シャッタを含む遮断部をより確実に駆動して放射線に対する安全性を向上可能である。測定装置は、遮断部の開閉により放射線の非遮断及び遮断を制御する第1制御ライン及び第2制御ラインを有する。測定装置は、これのように制御ラインを二重化することで、一方の制御ラインに含まれる複数の構成部のうちのいずれかが故障したとしても、他方の制御ラインを用いて遮断部をより確実に駆動することができる。測定装置は、放射線による危険区域を、遮断部を用いてより確実に遮断することで、安全を確保できる。
【0009】
一実施形態における測定装置では、前記第1駆動部は、前記第1制御部及び前記第2制御部と接続されている第1リレーと、前記第1リレーから出力される制御信号に基づいて前記遮断部を駆動する第1モータと、を有し、前記第2駆動部は、前記第1制御部及び前記第2制御部と接続されている第2リレーと、前記第2リレーから出力される制御信号に基づいて前記遮断部を駆動する第2モータと、を有してもよい。
【0010】
これにより、測定装置は、第1制御ラインの接続及び遮断を、第1リレーを用いて制御することができる。測定装置は、第2制御ラインの接続及び遮断を、第2リレーを用いて制御することができる。測定装置は、第1制御ラインにおける制御信号に従って制御される第1モータにより遮断部を駆動することができる。測定装置1は、第2制御ラインにおける制御信号に従って制御される第2モータにより遮断部を駆動することができる。
【0011】
一実施形態における測定装置では、前記第1制御部は、通常条件を満たすと判定すると、前記遮断部の通常の開閉制御を実行させる第1制御情報に基づく前記制御信号を前記第1リレーに出力し、前記第2制御部は、前記通常条件を満たすと判定すると、前記第1制御情報に基づく前記制御信号を前記第2リレーに出力し、前記通常条件は、前記第1制御部及び前記第2制御部が前記第1制御情報を互いに生成していることを含んでもよい。
【0012】
これにより、測定装置は、放射線に対する測定装置の安全性をより向上可能である。測定装置は、第1制御部及び第2制御部の両方により安全と判断できる場合にのみ遮断部の通常の開閉制御を実行し、それ以外の場合には遮断部を閉じて放射線に対する測定装置の安全機能を確実に提供可能である。
【0013】
一実施形態における測定装置では、前記第1制御部は、前記通常条件を満たさないと判定すると、前記第1モータを用いて前記遮断部を閉じ、かつ前記第2リレーをオフにする前記制御信号を前記第1リレー及び前記第2リレーに出力し、前記第2制御部は、前記通常条件を満たさないと判定すると、前記第2モータを用いて前記遮断部を閉じ、かつ前記第1リレーをオフにする前記制御信号を前記第1リレー及び前記第2リレーに出力してもよい。
【0014】
これにより、例えば測定装置の第1制御部は、異常が発生していると推定される第2制御ラインを、第2リレーをオフにして遮断し、遮断部が誤って開くことを抑制可能である。一方で、第1制御部は、自身の第1制御ラインに基づいて遮断部をより確実に閉じることができる。第2制御部についても同様の効果が当てはまる。
【0015】
一実施形態における測定装置では、前記第1制御部は、前記第1制御情報を含む任意の制御情報が前記第2制御部から受信されないと前記通常条件を満たさないと判定し、前記第2制御部は、前記第1制御情報を含む任意の制御情報が前記第1制御部から受信されないと前記通常条件を満たさないと判定してもよい。
【0016】
これにより、測定装置は、例えば第2制御部が故障して第2制御ラインが正常に機能しないようなときであっても、第1制御ラインを用いて遮断部をより確実に閉じることができる。したがって、測定装置は、放射線に対する安全性を向上可能である。第2制御部についても同様の効果が当てはまる。
【0017】
一実施形態における測定装置では、前記第1制御部は、前記第1制御情報とは異なる第2制御情報を前記第2制御部から受信すると前記通常条件を満たさないと判定し、前記第2制御部は、前記第1制御情報とは異なる第2制御情報を前記第1制御部から受信すると前記通常条件を満たさないと判定してもよい。
【0018】
これにより、測定装置は、例えば第1センサ部からの第1検出情報が正常である一方で、第2センサ部からの第2検出情報が異常であるようなときであっても、第2制御ラインを遮断しつつ、第1制御ラインを用いて遮断部をより確実に閉じることができる。したがって、測定装置は、放射線に対する安全性を向上可能である。第2制御部についても同様の効果が当てはまる。
【0019】
一実施形態における測定装置では、前記第1制御ラインは、パラメータの状態を検出する第1センサ部であって、第1検出情報を前記第1制御部に出力する前記第1センサ部を有し、前記第2制御ラインは、前記パラメータの状態を検出する第2センサ部であって、第2検出情報を前記第2制御部に出力する前記第2センサ部を有し、前記第2制御情報は、前記第1検出情報の異常により前記第1モータを用いて前記遮断部を閉じる制御情報、又は前記第2検出情報の異常により前記第2モータを用いて前記遮断部を閉じる制御情報を含んでもよい。
【0020】
これにより、測定装置は、パラメータの状態を、2つのセンサ部を用いてより精度良く検出することができる。例えば、測定装置は、パラメータの異常状態を、2つのセンサ部を用いてより精度良く検出することができる。
【0021】
一実施形態における測定装置では、前記第2制御ラインに含まれる各構成部は、通常電源とは異なる補助電源を有してもよい。これにより、通常電源が停電及び故障などの異常によって失われても、第2制御ラインに対して補助電源により電源供給が行われる。したがって、第2制御ラインは、通常電源が失われても動作可能となる。これにより、測定装置は、第2駆動部の第2モータを動作させて遮断部を駆動することができる。測定装置は、第2制御ラインの第2モータを用いて遮断部をより確実に閉じることができる。測定装置は、放射線による危険区域を、遮断部を用いてより確実に遮断することで、安全を確保できる。
【0022】
一実施形態における測定装置では、前記第2制御部は、通常電源がオフになっていると判定すると、前記第2駆動部を用いて前記遮断部を閉じる制御信号を前記第2駆動部に出力してもよい。これにより、測定装置は、通常電源が失われているような場合であっても、補助電源を有する第2制御ラインを用いて遮断部をより確実に駆動することができる。測定装置は、放射線による危険区域を、遮断部を用いてより確実に遮断することで、安全を確保できる。
【0023】
幾つかの実施形態に係る制御方法は、放射線を用いて被測定物の厚さを測定する測定装置であって、第1制御部と第2制御部とを備える前記測定装置を制御する制御方法であって、前記第1制御部が通常条件を満たすか否かを判定するステップと、前記第2制御部が通常条件を満たすか否かを判定するステップと、前記第1制御部が通常条件を満たすと判定すると、放射線源が放射した前記放射線を遮断可能な遮断部の通常の開閉制御を実行させる第1制御情報に基づく制御信号を第1制御ラインに出力するステップと、前記第2制御部が通常条件を満たすと判定すると、前記第1制御情報に基づく前記制御信号を第2制御ラインに出力するステップと、を含み、前記通常条件は、前記第1制御部及び前記第2制御部が前記第1制御情報を互いに生成していることを含む。
【0024】
これにより、シャッタを含む遮断部をより確実に駆動して放射線に対する安全性を向上可能である。測定装置は、遮断部の開閉により放射線の非遮断及び遮断を制御する第1制御ライン及び第2制御ラインを有する。測定装置は、これのように制御ラインを二重化することで、一方の制御ラインに含まれる複数の構成部のうちのいずれかが故障したとしても、他方の制御ラインを用いて遮断部をより確実に駆動することができる。測定装置は、放射線による危険区域を、遮断部を用いてより確実に遮断することで、安全を確保できる。
【発明の効果】
【0025】
本開示によれば、シャッタを含む遮断部をより確実に駆動して放射線に対する安全性を向上可能な測定装置及び制御方法を提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本開示の第1実施形態に係る測定装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【
図2】
図1の第1制御ラインに基づいて測定装置を制御するときの制御方法の一例を示すフローチャートである。
【
図3】
図1の第2制御ラインに基づいて測定装置を制御するときの制御方法の一例を示すフローチャートである。
【
図4】測定装置を制御するときの制御方法の第1例を示すシーケンス図である。
【
図5】測定装置を制御するときの制御方法の第2例を示すシーケンス図である。
【
図6】測定装置を制御するときの制御方法の第3例を示すシーケンス図である。
【
図7】測定装置を制御するときの制御方法の第4例を示すシーケンス図である。
【
図8】測定装置を制御するときの制御方法の第5例を示すシーケンス図である。
【
図9】測定装置を制御するときの制御方法の第6例を示すシーケンス図である。
【
図10】測定装置を制御するときの制御方法の第7例を示すシーケンス図である。
【
図11】
図1の測定装置の第1変形例を示す機能ブロック図である。
【
図12】
図1の測定装置の第2変形例を示す機能ブロック図である。
【
図13】
図1の測定装置の第3変形例を示す機能ブロック図である。
【
図14】本開示の第2実施形態に係る測定装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【
図15】
図14の第1制御ラインに基づいて測定装置を制御するときの制御方法の一例を示すフローチャートである。
【
図16】
図14の第2制御ラインに基づいて測定装置を制御するときの制御方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
従来技術の背景及び問題点についてより詳細に説明する。
【0028】
被測定物の厚さを測定する厚さ計などを含む、放射線を使用する従来の測定装置では、放射線の遮断を可能にするシャッタの動作は、1つの制御ラインによって制御される。当該制御ラインは、パラメータの状態を検出し、その検出情報を出力するセンサと、当該センサからの出力を受けるマイコン(Microcontroller Unit)と、を有する。当該制御ラインは、マイコンからの制御信号を受けて出力するリレーと、リレーから出力された制御信号により動作するモータと、を有する。当該制御ラインは、モータにより駆動されるシャッタを有する。
【0029】
従来の測定装置の動作について主に説明をする。
【0030】
測定装置の操業時にセンサからの検出情報に異常がなく、かつ通常電源がオンとなっている場合の動作について説明する。マイコンは、フェンスのドアが閉じている、及びセンサからの検出情報が正常であると判定すると、リレーを介してモータを制御し、シャッタの通常の開閉制御を実行させる。
【0031】
測定装置のメンテナンス時にセンサからの検出情報に異常がなく、かつ通常電源がオンとなっている場合の動作について説明する。マイコンは、フェンスのドアを開けた状態を維持しながら、フェンス内部に作業者が立ち入った状態でシャッタの通常の開閉制御をモータに実行させる。
【0032】
測定装置の操業時にセンサからの検出情報に異常があり、かつ通常電源がオンとなっている場合の動作について説明する。例えば、測定装置が配置されている環境及び測定装置の内部などの温度が許容範囲を超えて上昇しているような場合、マイコンは、高温による異常を検出したセンサからの検出情報を取得する。マイコンは、当該検出情報が異常であると判定すると、リレーを介してモータを制御し、シャッタを閉じる制御を実行させる。シャッタは、モータにより駆動されて閉じ、放射線を遮断する。
【0033】
測定装置の操業時にモータなどの測定装置内の部品に異常があり、かつ通常電源がオンとなっている場合の動作について説明する。例えばモータ及びマイコンなどが故障すると、モータによるシャッタの駆動制御が失われる。したがって、シャッタは、シャッタに取り付けられているばねであって、シャッタを閉じる方向に常時付勢しているばねの力で機械的に閉じる。
【0034】
例えば、通常電源が失われて通常電源がオフになるような場合にも、モータによるシャッタの駆動制御が失われる。したがって、この場合も、上記と同様にばねによる動作が実行される。
【0035】
【0036】
表1は、モータによるシャッタの駆動制御の可否を条件ごとにまとめた表である。表1において、「〇」はモータによるシャッタの駆動制御が可能であることを示す。「×」はモータによるシャッタの駆動制御が不可能であり、ばねによる動作が必要となることを示す。通常電源がオンの場合であって、測定装置内の部品に異常がない場合には、モータによるシャッタの駆動制御が可能である。例えば、全て正常である場合、並びに測定装置を囲むフェンスのドアの異常、及びセンサからの検出情報の異常などを検知した場合には、シャッタを閉じる手段として、モータによる駆動制御及びばねによる動作の2つが確保されている。
【0037】
しかしながら、内部部品に異常があったり、通常電源がオフになっていたりする場合には、モータによるシャッタの駆動制御が失われる。このとき、シャッタを閉じる手段は、ばねによる動作のみとなる。
【0038】
以上のように、従来の測定装置では、所定の場合には、シャッタを閉じる手段としてモータによる駆動制御及びばねによる動作の2つが確保されている。しかしながら、それ以外の場合については、モータによるシャッタの駆動制御が失われ、シャッタを閉じる手段は、ばねによる動作のみとなる。このとき、ばねによるシャッタの動作が正しく行われないと、放射線に対する測定装置の安全機能が失われる。
【0039】
本開示は、以上のような問題点を解決するために、シャッタを含む遮断部をより確実に動作させて放射線に対する安全性を向上可能な測定装置及び制御方法を提供することを目的とする。以下では、添付図面を参照しながら本開示の一実施形態について主に説明する。
【0040】
(第1実施形態)
図1は、本開示の第1実施形態に係る測定装置1の概略構成を示す機能ブロック図である。
図1を参照しながら、第1実施形態に係る測定装置1の構成の概略について主に説明する。
【0041】
測定装置1は、放射線を用いて被測定物の厚さを測定する。測定装置1は、放射線の透過又は反射時の減衰を利用して被測定物の厚さを測定する厚さ計を含む。本明細書において、「被測定物」は、例えば、紙、並びに数ミリ以下の比較的薄いフィルム及びプラスチックシートなどを含む。
【0042】
測定装置1は、フェンス2により囲まれている。フェンス2は、放射線による作業者の被ばくを抑制するために測定装置1の周りを囲む柵を含む。フェンス2は、例えば測定装置1のメンテナンス時に作業者がフェンス2内に立ち入ってメンテナンス作業を行えるように開閉可能なドアを有する。
【0043】
フェンス2は、測定装置1の操業時にフェンス2のドアと連動するドアスイッチ21を有する。例えば、ドアスイッチ21は、フェンス2のドアが開くとオンになり、フェンス2のドアが閉じるとオフになる。ドアスイッチ21は、測定装置1と接続されている。ドアスイッチ21は、フェンス2のドアの開閉状態を反映したドアスイッチ21のオンオフ情報を、測定装置1に出力する。ドアスイッチ21は、測定装置1のメンテナンス時に無効化される。
【0044】
測定装置1は、被測定物の厚さを測定するために用いられる放射線源が放射した放射線を遮断可能な遮断部10を有する。遮断部10は、例えばシャッタを有する。遮断部10は、測定装置1による制御により閉じることで放射線源からの放射線を遮断する。遮断部10は、測定装置1による制御により開くことで放射線源からの放射線を遮断せずに通過させる。遮断部10は、後述する第1駆動部40a及び第2駆動部40bによって遮断部10を駆動することができないときのために、例えばシャッタに取り付けられているばねであって、シャッタを機械的に閉じる方向に常時付勢しているばねを有する。
【0045】
測定装置1は、遮断部10の開閉により放射線の非遮断及び遮断を制御する第1制御ラインL1及び第2制御ラインL2を有する。第1制御ラインL1は、第1センサ部20aと、第1制御部30aと、遮断部10を駆動する第1駆動部40aと、を有する。第2制御ラインL2は、第2センサ部20bと、第2制御部30bと、遮断部10を駆動する第2駆動部40bと、を有する。第2制御ラインL2に含まれる各構成部は、通常電源とは異なる補助電源を有する。
【0046】
本明細書において、「通常電源」は、例えば測定装置1の動作を可能にする外部電源を含む。「補助電源」は、例えば、使い切りタイプの一次電池、繰り返し充電して使用できる二次電池、及びUPS(Uninterruptible Power Supply)などを含む。第2制御ラインL2に含まれる各構成部は、通常電源が失われてオフになった場合であっても補助電源により動作することができる。補助電源は、通常電源がオンになって供給された場合に充電可能である。
【0047】
第1センサ部20aは、パラメータの状態を検出する。第1センサ部20aは、パラメータの状態の検出結果を第1検出情報として第1制御部30aに出力する。本明細書において、「パラメータ」は、例えば測定装置1が配置されている環境、すなわちフェンス2内の温度、測定装置1の内部温度、測定装置1内で生じる電圧、並びに放射線をそれぞれ放射及び検出する一対のヘッド間の相対位置などを含む。第1センサ部20aは、例えば温度センサ、電圧センサ、及び位置センサなどを含む。第1センサ部20aは、例えば高温、過電圧、ヘッド分離などのパラメータの異常状態を第1検出情報として検出し、当該第1検出情報を第1制御部30aに出力する。
【0048】
第1制御部30aは、1つ以上のプロセッサを含む。一実施形態において「プロセッサ」は、汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限定されない。第1制御部30aは、測定装置1を構成する各構成部と通信可能に接続され、測定装置1全体の動作を制御する。
【0049】
第1制御部30aは、フェンス2のドアの開閉状態を反映したドアスイッチ21のオンオフ情報を、フェンス2のドアスイッチ21から取得する。第1制御部30aは、第1センサ部20aから出力された第1検出情報を第1センサ部20aから取得する。第1制御部30aは、第2制御部30bと通信可能に接続されている。第1制御部30aは、第2制御部30bの動作状態、第2制御部30bの演算により導き出された判定情報及び制御情報、並びに測定装置1の動作に必要とされる他の任意の情報を第2制御部30bから取得する。第1制御部30aは、第1駆動部40a及び第2駆動部40bを制御する。
【0050】
第1駆動部40aは、第1制御部30a及び第2制御部30bと接続されている第1リレー41aと、第1リレー41aを介して第1制御部30aから出力される制御信号に基づき遮断部10を駆動する第1モータ42aと、を有する。
【0051】
第1リレー41aは、第1制御部30a又は第2制御部30bからの制御信号に基づいてオン及びオフのいずれか一方となり、第1制御ラインL1の接続状態及び遮断状態のいずれか一方を実現する。第1リレー41aは、通常電源が失われると自動的にオフになり第1制御ラインL1の遮断状態を実現する。第1モータ42aは、第1リレー41aを介して第1制御部30aから出力される制御信号に基づき遮断部10の開閉動作を実行する。
【0052】
第1制御部30aは、ドアスイッチ21及び第1センサ部20aを監視する。第1制御部30aは、例えばフェンス2のドアに異常があったり、第1センサ部20aからの第1検出情報に異常があったりすると第1モータ42aにより遮断部10を駆動して閉じる。
【0053】
第2センサ部20bは、パラメータの状態を検出する。第2センサ部20bは、パラメータの状態の検出結果を第2検出情報として第2制御部30bに出力する。第2センサ部20bは、例えば温度センサ、電圧センサ、及び位置センサなどを含む。第2センサ部20bは、例えば高温、過電圧、ヘッド分離などのパラメータの異常状態を第2検出情報として検出し、当該第2検出情報を第2制御部30bに出力する。
【0054】
第2制御部30bは、1つ以上のプロセッサを含む。一実施形態において「プロセッサ」は、汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限定されない。第2制御部30bは、測定装置1を構成する各構成部と通信可能に接続され、測定装置1全体の動作を制御する。
【0055】
第2制御部30bは、フェンス2のドアの開閉状態を反映したドアスイッチ21のオンオフ情報を、フェンス2のドアスイッチ21から取得する。第2制御部30bは、第2センサ部20bから出力された第2検出情報を第2センサ部20bから取得する。第2制御部30bは、第1制御部30aと通信可能に接続されている。第2制御部30bは、第1制御部30aの動作状態、第1制御部30aの演算により導き出された判定情報及び制御情報、並びに測定装置1の動作に必要とされる他の任意の情報を第1制御部30aから取得する。第2制御部30bは、第1駆動部40a及び第2駆動部40bを制御する。
【0056】
第2駆動部40bは、第1制御部30a及び第2制御部30bと接続されている第2リレー41bと、第2リレー41bを介して第2制御部30bから出力される制御信号に基づき遮断部10を駆動する第2モータ42bと、を有する。
【0057】
第2リレー41bは、第1制御部30a又は第2制御部30bからの制御信号に基づいてオン及びオフのいずれか一方となり、第2制御ラインL2の接続状態及び遮断状態のいずれか一方を実現する。第2リレー41bは、通常電源が失われると自動的にオフになり第2制御ラインL2の遮断状態を実現する。第2モータ42bは、第2リレー41bを介して第2制御部30bから出力される制御信号に基づき遮断部10の開閉動作を実行する。
【0058】
第2制御部30bは、ドアスイッチ21及び第2センサ部20bを監視する。第2制御部30bは、例えばフェンス2のドアに異常があったり、第2センサ部20bからの第2検出情報に異常があったりすると第2モータ42bにより遮断部10を駆動して閉じる。
【0059】
第1制御部30aと第2制御部30bとは、互いに通信可能に接続されている。第1制御部30aと第2制御部30bとは、定期的又は非定期的に互いを監視する。第1制御部30a及び第2制御部30bの各々は、第1リレー41a及び第2リレー41bの両方に制御信号を出力することができる。
【0060】
図2は、
図1の第1制御ラインL1に基づいて測定装置1を制御するときの制御方法の一例を示すフローチャートである。
図2を参照しながら、
図1の第1制御ラインL1に基づく測定装置1の制御方法について主に説明する。
【0061】
ステップS100に示すとおり、通常電源が供給されてオンになっているか否かによって、第1制御ラインL1に基づく測定装置1の制御方法のその後の各ステップが異なる。通常電源がオンになっている場合、第1制御ラインL1の第1制御部30aは、ステップS102以降の処理を実行する。
【0062】
通常電源が失われてオフになっている場合、ステップS101に示すとおり、第1制御ラインL1の第1リレー41aはオフになる。より具体的には、第1リレー41aがオンになっている状態で通常電源がオフになると第1リレー41aはオン状態からオフ状態に移行する。第1リレー41aがオフになっている状態で通常電源がオフになると第1リレー41aはオフ状態を維持する。以上により、第1制御ラインL1が第1リレー41aにおいて遮断状態となる。
【0063】
ステップS102では、第1制御部30aは、ステップS100において通常電源がオンになったことに伴い動作可能となる。このとき、第1制御部30aは、測定装置1に関する状態監視を開始する。
【0064】
ステップS103では、第1制御部30aは、測定装置1がメンテナスモードに設定されているか否かを判定する。第1制御部30aは、測定装置1がメンテナンスモードに設定されていると判定するとステップS106の処理を実行する。第1制御部30aは、測定装置1がメンテナンスモードではなく操業モードに設定されていると判定するとステップS104の処理を実行する。
【0065】
ステップS104では、第1制御部30aは、ステップS103において測定装置1が操業モードに設定されていると判定すると、フェンス2のドアが閉じているか否かを判定する。すなわち、第1制御部30aは、ドアスイッチ21がオフになっているか否かを判定する。第1制御部30aは、フェンス2のドアが閉じていると判定すると、ステップS106の処理を実行する。第1制御部30aは、フェンス2のドアが開いていると判定するとステップS105の処理を実行する。
【0066】
ステップS105では、第1制御部30aは、ステップS104においてフェンス2のドアが開いていると判定すると、第1駆動部40aの第1モータ42aを用いて遮断部10を閉じる制御信号を第1リレー41aに出力する。これにより、第1制御部30aは、遮断部10を閉じるように第1リレー41aを介して第1モータ42aを制御する。
【0067】
ステップS106では、第1制御部30aは、ステップS104においてフェンス2のドアが閉じていると判定すると、第1センサ部20aからの第1検出情報が正常であるか否かを判定する。第1制御部30aは、第1検出情報が正常であると判定するとステップS107の処理を実行する。第1制御部30aは、第1検出情報が異常であると判定するとステップS105の処理を実行する。
【0068】
ステップS107では、第1制御部30aは、ステップS106において第1検出情報が正常であると判定すると、通常条件を満たすか否かを判定する。本明細書において、「通常条件」は、例えば第1制御部30a及び第2制御部30bが第1制御情報を互いに生成していることを含む。「第1制御情報」は、例えば遮断部10の通常の開閉制御を実行させる制御情報を含む。第1制御部30aは、通常条件を満たすと判定するとステップS109の処理を実行する。第1制御部30aは、通常条件を満たさないと判定すると、ステップS108の処理を実行する。
【0069】
ステップS108では、第1制御部30aは、ステップS107において通常条件を満たさないと判定すると、第1駆動部40aの第1モータ42aを用いて遮断部10を閉じ、かつ第2駆動部40bの第2リレー41bをオフにする制御信号を第1リレー41a及び第2リレー41bに出力する。これにより、第1制御部30aは、遮断部10を閉じるように第1リレー41aを介して第1モータ42aを制御し、かつオフになるように第2リレー41bを制御する。
【0070】
第1制御部30aは、例えば第2制御部30bが故障しており、第1制御情報を含む任意の制御情報が第2制御部30bから受信されないと通常条件を満たさないと判定する。第1制御部30aは、第1制御情報とは異なる第2制御情報を第2制御部30bから受信すると通常条件を満たさないと判定する。本明細書において、「第2制御情報」は、例えば第1検出情報の異常により第1モータ42aを用いて遮断部10を閉じる制御情報、又は第2検出情報の異常により第2モータ42bを用いて遮断部10を閉じる制御情報を含む。ステップS107において、第2制御情報は、第2センサ部20bからの第2検出情報の異常により第2モータ42bを用いて遮断部10を閉じる制御情報を含む。
【0071】
ステップS109では、第1制御部30aは、ステップS107において通常条件を満たすと判定すると、遮断部10の通常の開閉制御を実行させる第1制御情報に基づく制御信号を第1リレー41aに出力する。すなわち、第1制御部30aは、遮断部10の通常の開閉制御を第1モータ42aにより実行する。
【0072】
ステップS110では、第1制御部30aは、測定装置1に関する状態監視を終了する。その後、第1制御部30aは、ステップS102以降の処理を再度繰り返す。
【0073】
図3は、
図1の第2制御ラインL2に基づいて測定装置1を制御するときの制御方法の一例を示すフローチャートである。
図3を参照しながら、
図1の第2制御ラインL2に基づく測定装置1の制御方法について主に説明する。
【0074】
ステップS200では、第2制御ラインL2の第2制御部30bは、通常電源又は補助電源により動作可能となる。このとき、第2制御部30bは、測定装置1に関する状態監視を開始する。
【0075】
ステップS201では、第2制御部30bは、通常電源が供給されてオンになっているか否かを判定する。第2制御部30bは、通常電源がオンになっていると判定するとステップS203の処理を実行する。第2制御部30bは、通常電源がオフになっていると判定すると、ステップS202の処理を実行する。
【0076】
ステップS202では、第2制御部30bは、ステップS201において通常電源がオフになっていると判定すると、第2駆動部40bの第2モータ42bを用いて遮断部10を閉じる制御信号を第2リレー41bに出力する。これにより、第2制御部30bは、遮断部10を閉じるように第2リレー41bを介して第2モータ42bを制御する。第2制御ラインL2による以上の一連の処理は、各構成部の補助電源を用いて実行される。
【0077】
ステップS203では、第2制御部30bは、測定装置1がメンテナスモードに設定されているか否かを判定する。第2制御部30bは、測定装置1がメンテナンスモードに設定されていると判定するとステップS205の処理を実行する。第2制御部30bは、測定装置1がメンテナンスモードではなく操業モードに設定されていると判定するとステップS204の処理を実行する。
【0078】
ステップS204では、第2制御部30bは、ステップS203において測定装置1が操業モードに設定されていると判定すると、フェンス2のドアが閉じているか否かを判定する。すなわち、第2制御部30bは、ドアスイッチ21がオフになっているか否かを判定する。第2制御部30bは、フェンス2のドアが閉じていると判定すると、ステップS205の処理を実行する。第2制御部30bは、フェンス2のドアが開いていると判定するとステップS202の処理を実行する。このとき、ステップS202に関する第2制御ラインL2による一連の処理は、各構成部の補助電源を用いて実行されてもよいし、通常電源を用いて実行されてもよい。
【0079】
ステップS205では、第2制御部30bは、ステップS204においてフェンス2のドアが閉じていると判定すると、第2センサ部20bからの第2検出情報が正常であるか否かを判定する。第2制御部30bは、第2検出情報が正常であると判定するとステップS206の処理を実行する。第2制御部30bは、第2検出情報が異常であると判定するとステップS202の処理を実行する。このとき、ステップS202に関する第2制御ラインL2による一連の処理は、各構成部の補助電源を用いて実行されてもよいし、通常電源を用いて実行されてもよい。
【0080】
ステップS206では、第2制御部30bは、ステップS205において第2検出情報が正常であると判定すると、通常条件を満たすか否かを判定する。第2制御部30bは、通常条件を満たすと判定するとステップS208の処理を実行する。第2制御部30bは、通常条件を満たさないと判定すると、ステップS207の処理を実行する。
【0081】
ステップS207では、第2制御部30bは、ステップS206において通常条件を満たさないと判定すると、第2駆動部40bの第2モータ42bを用いて遮断部10を閉じ、かつ第1駆動部40aの第1リレー41aをオフにする制御信号を第1リレー41a及び第2リレー41bに出力する。これにより、第2制御部30bは、遮断部10を閉じるように第2リレー41bを介して第2モータ42bを制御し、かつオフになるように第1リレー41aを制御する。
【0082】
第2制御部30bは、例えば第1制御部30aが故障しており、第1制御情報を含む任意の制御情報が第1制御部30aから受信されないと通常条件を満たさないと判定する。第2制御部30bは、第1制御情報とは異なる第2制御情報を第1制御部30aから受信すると通常条件を満たさないと判定する。ステップS206において、第2制御情報は、第1センサ部20aからの第1検出情報の異常により第1モータ42aを用いて遮断部10を閉じる制御情報を含む。
【0083】
ステップS208では、第2制御部30bは、ステップS206において通常条件を満たすと判定すると、遮断部10の通常の開閉制御を実行させる第1制御情報に基づく制御信号を第2リレー41bに出力する。すなわち、第2制御部30bは、遮断部10の通常の開閉制御を第2モータ42bにより実行する。
【0084】
ステップS209では、第2制御部30bは、測定装置1に関する状態監視を終了する。その後、第2制御部30bは、ステップS200以降の処理を再度繰り返す。
【0085】
図2及び
図3を参照すると、測定装置1は、第1制御部30a及び第2制御部30bが共に通常条件を満たすと判定した場合にのみ、遮断部10の通常の開閉制御を実行する。このとき、測定装置1では、第1制御部30aによるステップS109の処理及び第2制御部30bによるステップS208の処理のうちより早く実行されるいずれか一方の処理のみが実現される。すなわち、測定装置1は、最終的には、第1駆動部40a及び第2駆動部40bのいずれか一方のみに基づいて遮断部10の通常の開閉制御を実行する。
【0086】
一方で、測定装置1は、第1制御部30a及び第2制御部30bが共に通常条件を満たすと判定した場合を除くすべての場合について、第1駆動部40a及び第2駆動部40bのいずれか一方により遮断部10を閉じる。すなわち、測定装置1は、第1制御部30a及び第2制御部30bの両方により安全と判断できる場合にのみ遮断部10の通常の開閉制御を実行し、それ以外の場合には遮断部10を閉じて放射線に対する測定装置1の安全機能を確実に提供する。
【0087】
例えば、通常電源がオンになっており、第1検出情報が正常であり、第2検出情報が異常であるような場合の具体的な処理内容を説明する。以下の説明は、第1検出情報が異常であり、第2検出情報が正常であるような場合にも同様に当てはまる。
【0088】
第1制御部30aは、ステップS106の直後で、かつステップS107の直前に第1制御情報を生成する。第2制御部30bは、ステップS205の直後で、ステップS202の直前に第2制御情報を生成する。このときの第2制御情報は、第2センサ部20bからの第2検出情報の異常により第2モータ42bを用いて遮断部10を閉じる制御情報を含む。第1制御部30aは、ステップS107において第1制御情報とは異なる第2制御情報を第2制御部30bから受信するので、通常条件を満たさないと判定する。第1制御部30aは、予め生成された第1制御情報をステップS108の処理に沿った新たな制御情報に更新して、ステップS108の処理を実行する。第2制御部30bは、予め生成された第2制御情報に基づいてステップS202の処理を実行する。
【0089】
このとき、測定装置1では、第1制御部30aによるステップS108の処理及び第2制御部30bによるステップS202の処理のうちより早く実行されるいずれか一方の処理のみが実現される。測定装置1は、いずれの処理であっても、遮断部10を閉じることで放射線に対する測定装置1の安全機能を提供する。
【0090】
以下では、その他の様々な場合に限定して、具体的な処理内容の一例を説明する。
【0091】
図4は、測定装置1を制御するときの制御方法の第1例を示すシーケンス図である。
図4のシーケンス図は、通常電源がオンになっており、測定装置1が操業モードに設定されており、かつ第1検出情報及び第2検出情報のいずれも正常である場合の具体的な処理内容を示す。
【0092】
ステップS301では、第1制御部30aは、フェンス2のドアが閉じていると判定する。
【0093】
ステップS302では、第2制御部30bは、フェンス2のドアが閉じていると判定する。
【0094】
ステップS303では、第1制御部30aは、第1センサ部20aからの第1検出情報が正常であると判定する。
【0095】
ステップS304では、第2制御部30bは、第2センサ部20bからの第2検出情報が正常であると判定する。
【0096】
ステップS305では、第1制御部30aは、第1駆動部40aの第1モータ42aを用いて遮断部10の通常の開閉制御を実行させる第1制御情報を生成する。
【0097】
ステップS306では、第2制御部30bは、第2駆動部40bの第2モータ42bを用いて遮断部10の通常の開閉制御を実行させる第1制御情報を生成する。
【0098】
ステップS307では、第1制御部30aは、ステップS305において生成された第1制御情報に関する通知処理を第2制御部30bに対して実行する。例えば、第1制御部30aは、ステップS305において生成された第1制御情報そのものを第2制御部30bに送信する。第1制御部30aは、これに限定されず、ステップS305において生成された第1制御情報そのものではなく、第1制御情報が第1制御部30aにおいて生成されたことを通知する通知情報を第2制御部30bに送信してもよい。
【0099】
ステップS308では、第2制御部30bは、ステップS306において生成された第1制御情報に関する通知処理を第1制御部30aに対して実行する。例えば、第2制御部30bは、ステップS306において生成された第1制御情報そのものを第1制御部30aに送信する。第2制御部30bは、これに限定されず、ステップS306において生成された第1制御情報そのものではなく、第1制御情報が第2制御部30bにおいて生成されたことを通知する通知情報を第1制御部30aに送信してもよい。
【0100】
ステップS309では、第1制御部30aは、ステップS308における第2制御部30bからの通知処理に基づいて通常条件を満たすと判定する。
【0101】
ステップS310では、第2制御部30bは、ステップS307における第1制御部30aからの通知処理に基づいて通常条件を満たすと判定する。
【0102】
ステップS311では、第1制御部30aは、第1駆動部40aの第1モータ42aを用いて遮断部10の通常の開閉制御を実行させる第1制御情報に基づく制御信号を第1リレー41aに出力する。すなわち、第1制御部30aは、遮断部10の通常の開閉制御を第1モータ42aにより実行する。
【0103】
ステップS312では、第2制御部30bは、第2駆動部40bの第2モータ42bを用いて遮断部10の通常の開閉制御を実行させる第1制御情報に基づく制御信号を第2リレー41bに出力する。すなわち、第2制御部30bは、遮断部10の通常の開閉制御を第2モータ42bにより実行する。
【0104】
図5は、測定装置1を制御するときの制御方法の第2例を示すシーケンス図である。
図5のシーケンス図は、通常電源がオンになっており、測定装置1がメンテナンスモードに設定されており、かつ第1検出情報及び第2検出情報のいずれも正常である場合の具体的な処理内容を示す。
【0105】
ステップS401では、第1制御部30aは、第1センサ部20aからの第1検出情報が正常であると判定する。
【0106】
ステップS402では、第2制御部30bは、第2センサ部20bからの第2検出情報が正常であると判定する。
【0107】
ステップS403では、第1制御部30aは、第1駆動部40aの第1モータ42aを用いて遮断部10の通常の開閉制御を実行させる第1制御情報を生成する。
【0108】
ステップS404では、第2制御部30bは、第2駆動部40bの第2モータ42bを用いて遮断部10の通常の開閉制御を実行させる第1制御情報を生成する。
【0109】
ステップS405では、第1制御部30aは、ステップS403において生成された第1制御情報に関する通知処理を第2制御部30bに対して実行する。例えば、第1制御部30aは、ステップS403において生成された第1制御情報そのものを第2制御部30bに送信する。第1制御部30aは、これに限定されず、ステップS403において生成された第1制御情報そのものではなく、第1制御情報が第1制御部30aにおいて生成されたことを通知する通知情報を第2制御部30bに送信してもよい。
【0110】
ステップS406では、第2制御部30bは、ステップS404において生成された第1制御情報に関する通知処理を第1制御部30aに対して実行する。例えば、第2制御部30bは、ステップS404において生成された第1制御情報そのものを第1制御部30aに送信する。第2制御部30bは、これに限定されず、ステップS404において生成された第1制御情報そのものではなく、第1制御情報が第2制御部30bにおいて生成されたことを通知する通知情報を第1制御部30aに送信してもよい。
【0111】
ステップS407では、第1制御部30aは、ステップS406における第2制御部30bからの通知処理に基づいて通常条件を満たすと判定する。
【0112】
ステップS408では、第2制御部30bは、ステップS405における第1制御部30aからの通知処理に基づいて通常条件を満たすと判定する。
【0113】
ステップS409では、第1制御部30aは、第1駆動部40aの第1モータ42aを用いて遮断部10の通常の開閉制御を実行させる第1制御情報に基づく制御信号を第1リレー41aに出力する。すなわち、第1制御部30aは、遮断部10の通常の開閉制御を第1モータ42aにより実行する。
【0114】
ステップS410では、第2制御部30bは、第2駆動部40bの第2モータ42bを用いて遮断部10の通常の開閉制御を実行させる第1制御情報に基づく制御信号を第2リレー41bに出力する。すなわち、第2制御部30bは、遮断部10の通常の開閉制御を第2モータ42bにより実行する。
【0115】
図6は、測定装置1を制御するときの制御方法の第3例を示すシーケンス図である。
図6のシーケンス図は、通常電源がオンになっており、測定装置1が操業モードに設定されており、かつ第1検出情報及び第2検出情報のいずれも異常である場合の具体的な処理内容を示す。
【0116】
ステップS501では、第1制御部30aは、フェンス2のドアが閉じていると判定する。
【0117】
ステップS502では、第2制御部30bは、フェンス2のドアが閉じていると判定する。
【0118】
ステップS503では、第1制御部30aは、第1センサ部20aからの第1検出情報が異常であると判定する。
【0119】
ステップS504では、第2制御部30bは、第2センサ部20bからの第2検出情報が異常であると判定する。
【0120】
ステップS505では、第1制御部30aは、第1検出情報の異常により第1モータ42aを用いて遮断部10を閉じる第2制御情報を生成する。
【0121】
ステップS506では、第2制御部30bは、第2検出情報の異常により第2モータ42bを用いて遮断部10を閉じる第2制御情報を生成する。
【0122】
ステップS507では、第1制御部30aは、ステップS505において生成された第2制御情報に基づく制御信号を第1リレー41aに出力する。すなわち、第1制御部30aは、第1モータ42aにより遮断部10を閉じる。
【0123】
ステップS508では、第2制御部30bは、ステップS506において生成された第2制御情報に基づく制御信号を第2リレー41bに出力する。すなわち、第2制御部30bは、第2モータ42bにより遮断部10を閉じる。
【0124】
測定装置1では、第1制御部30aによるステップS507の処理及び第2制御部30bによるステップS508の処理のうちより早く実行されるいずれか一方の処理のみが実現される。すなわち、測定装置1は、最終的には、第1駆動部40a及び第2駆動部40bのいずれか一方のみに基づいて遮断部10を閉じる。
【0125】
図7は、測定装置1を制御するときの制御方法の第4例を示すシーケンス図である。
図7のシーケンス図は、通常電源がオンになっており、測定装置1がメンテナンスモードに設定されており、かつ第1検出情報及び第2検出情報のいずれも異常である場合の具体的な処理内容を示す。
【0126】
ステップS601では、第1制御部30aは、第1センサ部20aからの第1検出情報が異常であると判定する。
【0127】
ステップS602では、第2制御部30bは、第2センサ部20bからの第2検出情報が異常であると判定する。
【0128】
ステップS603では、第1制御部30aは、第1検出情報の異常により第1モータ42aを用いて遮断部10を閉じる第2制御情報を生成する。
【0129】
ステップS604では、第2制御部30bは、第2検出情報の異常により第2モータ42bを用いて遮断部10を閉じる第2制御情報を生成する。
【0130】
ステップS605では、第1制御部30aは、ステップS603において生成された第2制御情報に基づく制御信号を第1リレー41aに出力する。すなわち、第1制御部30aは、第1モータ42aにより遮断部10を閉じる。
【0131】
ステップS606では、第2制御部30bは、ステップS604において生成された第2制御情報に基づく制御信号を第2リレー41bに出力する。すなわち、第2制御部30bは、第2モータ42bにより遮断部10を閉じる。
【0132】
測定装置1では、第1制御部30aによるステップS605の処理及び第2制御部30bによるステップS606の処理のうちより早く実行されるいずれか一方の処理のみが実現される。すなわち、測定装置1は、最終的には、第1駆動部40a及び第2駆動部40bのいずれか一方のみに基づいて遮断部10を閉じる。
【0133】
図8は、測定装置1を制御するときの制御方法の第5例を示すシーケンス図である。
図8のシーケンス図は、通常電源がオンになっており、測定装置1が操業モードに設定されており、かつ第1制御部30aが故障している場合の具体的な処理内容を示す。
図8に関する以下の説明では、第1制御部30aが故障して第2制御部30bが正常に動作している場合に限定されているが、第2制御部30bが故障して第1制御部30aが正常に動作している場合についても同様の説明が当てはまる。
【0134】
ステップS701では、第2制御部30bは、フェンス2のドアが閉じていると判定する。
【0135】
ステップS702では、第2制御部30bは、第2センサ部20bからの第2検出情報が正常であると判定する。
【0136】
ステップS703では、第2制御部30bは、第2駆動部40bの第2モータ42bを用いて遮断部10の通常の開閉制御を実行させる第1制御情報を生成する。
【0137】
ステップS704では、第2制御部30bは、ステップS703において生成された第1制御情報に関する通知処理を第1制御部30aに対して実行する。例えば、第2制御部30bは、ステップS703において生成された第1制御情報そのものを第1制御部30aに送信する。第2制御部30bは、これに限定されず、ステップS703において生成された第1制御情報そのものではなく、第1制御情報が第2制御部30bにおいて生成されたことを通知する通知情報を第1制御部30aに送信してもよい。
【0138】
ステップS705では、第2制御部30bは、第1制御情報を含む任意の制御情報が第1制御部30aの故障により第1制御部30aから受信されないため、通常条件を満たさないと判定する。
【0139】
ステップS706では、第2制御部30bは、第2駆動部40bの第2モータ42bを用いて遮断部10を閉じ、かつ第1駆動部40aの第1リレー41aをオフにする制御信号を第1リレー41a及び第2リレー41bに出力する。これにより、第2制御部30bは、遮断部10を閉じるように第2リレー41bを介して第2モータ42bを制御し、かつオフになるように第1リレー41aを制御する。このように、第2制御部30bは、ステップS703において生成された第1制御情報を新たな制御情報に更新してステップS706の処理を実行する。
【0140】
図9は、測定装置1を制御するときの制御方法の第6例を示すシーケンス図である。
図9のシーケンス図は、通常電源がオンになっており、測定装置1がメンテナンスモードに設定されており、かつ第1制御部30aが故障している場合の具体的な処理内容を示す。
図9に関する以下の説明では、第1制御部30aが故障して第2制御部30bが正常に動作している場合に限定されているが、第2制御部30bが故障して第1制御部30aが正常に動作している場合についても同様の説明が当てはまる。
【0141】
ステップS801では、第2制御部30bは、第2センサ部20bからの第2検出情報が正常であると判定する。
【0142】
ステップS802では、第2制御部30bは、第2駆動部40bの第2モータ42bを用いて遮断部10の通常の開閉制御を実行させる第1制御情報を生成する。
【0143】
ステップS803では、第2制御部30bは、ステップS802において生成された第1制御情報に関する通知処理を第1制御部30aに対して実行する。例えば、第2制御部30bは、ステップS802において生成された第1制御情報そのものを第1制御部30aに送信する。第2制御部30bは、これに限定されず、ステップS802において生成された第1制御情報そのものではなく、第1制御情報が第2制御部30bにおいて生成されたことを通知する通知情報を第1制御部30aに送信してもよい。
【0144】
ステップS804では、第2制御部30bは、第1制御情報を含む任意の制御情報が第1制御部30aの故障により第1制御部30aから受信されないため、通常条件を満たさないと判定する。
【0145】
ステップS805では、第2制御部30bは、第2駆動部40bの第2モータ42bを用いて遮断部10を閉じ、かつ第1駆動部40aの第1リレー41aをオフにする制御信号を第1リレー41a及び第2リレー41bに出力する。これにより、第2制御部30bは、遮断部10を閉じるように第2リレー41bを介して第2モータ42bを制御し、かつオフになるように第1リレー41aを制御する。このように、第2制御部30bは、ステップS802において生成された第1制御情報を新たな制御情報に更新してステップS805の処理を実行する。
【0146】
図10は、測定装置1を制御するときの制御方法の第7例を示すシーケンス図である。
図10のシーケンス図は、通常電源がオフになっている場合の具体的な処理内容を示す。
【0147】
ステップS901では、通常電源が失われてオフになっているため、第1制御ラインL1の第1リレー41aはオフになる。
【0148】
ステップS902では、補助電源により動作する第2制御部30bは、通常電源がオフになっていると判定する。
【0149】
ステップS903では、第2制御部30bは、第2駆動部40bの第2モータ42bを用いて遮断部10を閉じる制御信号を第2リレー41bに出力する。これにより、第2制御部30bは、遮断部10を閉じるように第2リレー41bを介して第2モータ42bを制御する。第2制御ラインL2による以上の一連の処理は、各構成部の補助電源を用いて実行される。
【0150】
以上のような第1実施形態に係る測定装置1によれば、シャッタを含む遮断部10をより確実に駆動して放射線に対する安全性を向上可能である。測定装置1は、遮断部10の開閉により放射線の非遮断及び遮断を制御する第1制御ラインL1及び第2制御ラインL2を有する。測定装置1は、これのように制御ラインを二重化することで、一方の制御ラインに含まれる複数の構成部のうちのいずれかが故障したとしても、他方の制御ラインを用いて遮断部10をより確実に駆動することができる。測定装置1は、放射線による危険区域を、遮断部10を用いてより確実に遮断することで、安全を確保できる。
【0151】
測定装置1は、第1駆動部40aが第1リレー41aを有することで、第1制御ラインL1の接続及び遮断を、第1リレー41aを用いて制御することができる。測定装置1は、第2駆動部40bが第2リレー41bを有することで、第2制御ラインL2の接続及び遮断を、第2リレー41bを用いて制御することができる。測定装置1は、第1駆動部40aが第1モータ42aを有することで、第1制御ラインL1における制御信号に従って制御される第1モータ42aにより遮断部10を駆動することができる。測定装置1は、第2駆動部40bが第2モータ42bを有することで、第2制御ラインL2における制御信号に従って制御される第2モータ42bにより遮断部10を駆動することができる。
【0152】
測定装置1は、第1制御部30a及び第2制御部30bの両方が通常条件を満たすと判定したときにのみ第1制御情報に基づく制御信号を第1リレー41a及び第2リレー41bにそれぞれ出力することで、放射線に対する測定装置1の安全性をより向上可能である。測定装置1は、第1制御部30a及び第2制御部30bの両方により安全と判断できる場合にのみ遮断部10の通常の開閉制御を実行し、それ以外の場合には遮断部10を閉じて放射線に対する測定装置1の安全機能を確実に提供可能である。
【0153】
測定装置1では、第1制御部30aは、通常条件を満たさないと判定すると、第1モータ42aを用いて遮断部10を閉じ、かつ第2リレー41bをオフにする制御信号を第1リレー41a及び第2リレー41bに出力する。第2制御部30bは、通常条件を満たさないと判定すると、第2モータ42bを用いて遮断部10を閉じ、かつ第1リレー41aをオフにする制御信号を第1リレー41a及び第2リレー41bに出力する。
【0154】
これにより、例えば測定装置1の第1制御部30aは、異常が発生していると推定される第2制御ラインL2を、第2リレー41bをオフにして遮断し、遮断部10が誤って開くことを抑制可能である。一方で、第1制御部30aは、自身の第1制御ラインL1に基づいて遮断部10をより確実に閉じることができる。第2制御部30bについても同様の効果が当てはまる。
【0155】
第1制御部30aは、第1制御情報を含む任意の制御情報が第2制御部30bから受信されないと通常条件を満たさないと判定する。これにより、測定装置1は、例えば第2制御部30bが故障して第2制御ラインL2が正常に機能しないようなときであっても、第1制御ラインL1を用いて遮断部10をより確実に閉じることができる。したがって、測定装置1は、放射線に対する安全性を向上可能である。第2制御部30bについても同様の効果が当てはまる。
【0156】
第1制御部30aは、第1制御情報とは異なる第2制御情報を第2制御部30bから受信すると通常条件を満たさないと判定する。これにより、測定装置1は、例えば第1センサ部20aからの第1検出情報が正常である一方で、第2センサ部20bからの第2検出情報が異常であるようなときであっても、第2制御ラインL2を遮断しつつ、第1制御ラインL1を用いて遮断部10をより確実に閉じることができる。したがって、測定装置1は、放射線に対する安全性を向上可能である。第2制御部30bについても同様の効果が当てはまる。
【0157】
測定装置1は、第1制御ラインL1が第1センサ部20aを有し、第2制御ラインL2が第2センサ部20bを有することで、パラメータの状態を、2つのセンサ部を用いてより精度良く検出することができる。例えば、測定装置1は、パラメータの異常状態を、2つのセンサ部を用いてより精度良く検出することができる。
【0158】
第2制御ラインL2に含まれる各構成部が通常電源とは異なる補助電源を有することで、通常電源が停電及び故障などの異常によって失われても、第2制御ラインL2に対して補助電源により電源供給が行われる。したがって、第2制御ラインL2は、通常電源が失われても動作可能となる。これにより、測定装置1は、第2駆動部40bの第2モータ42bを動作させて遮断部10を駆動することができる。測定装置1は、第2制御ラインL2の第2モータ42bを用いて遮断部10をより確実に閉じることができる。測定装置1は、放射線による危険区域を、遮断部10を用いてより確実に遮断することで、安全を確保できる。
【0159】
【0160】
表2は、各駆動部による遮断部10の駆動制御の可否を条件ごとにまとめた表である。表2において、「〇」は各駆動部による遮断部10の駆動制御が可能であることを示す。測定装置1では、補助電源を使用することで、通常電源のオン及びオフに関わらず、各駆動部による遮断部10の制御が可能である。以上のように、モータによるシャッタの制御が不可能となり、シャッタを閉じる手段がばねのみとなる従来技術の問題点は、測定装置1では生じにくくなる。測定装置1は、いずれの場合であっても、少なくとも1つの駆動部を確実に動作させ、駆動部及びばねによる二重の安全機能を常時確保することができる。したがって、測定装置1は、放射線に対する安全性をさらに向上可能である。
【0161】
第2制御部30bは、通常電源がオフになっていると判定すると、第2駆動部40bを用いて遮断部10を閉じる制御信号を第2リレー41bに出力する。これにより、測定装置1は、通常電源が失われているような場合であっても、補助電源を有する第2制御ラインL2を用いて遮断部10をより確実に駆動することができる。測定装置1は、放射線による危険区域を、遮断部10を用いてより確実に遮断することで、安全を確保できる。
【0162】
上記第1実施形態では、第1駆動部40aが第1リレー41a及び第1モータ42aを有すると説明したが、これに限定されない。第1駆動部40aは、制御信号に基づいて遮断部10の開閉駆動を可能にする任意の構成を有してもよい。例えば、第1駆動部40aは、第1リレー41aを有さなくてもよい。第2駆動部40bが第2リレー41b及び第2モータ42bを有すると説明したが、これに限定されない。第2駆動部40bは、制御信号に基づいて遮断部10の開閉駆動を可能にする任意の構成を有してもよい。例えば、第2駆動部40bは、第2リレー41bを有さなくてもよい。
【0163】
上記第1実施形態では、第1制御部30aは、通常条件を満たさないと判定すると、第1モータ42aを用いて遮断部10を閉じ、かつ第2リレー41bをオフにする制御信号を第1リレー41a及び第2リレー41bに出力すると説明したが、これに限定されない。第1制御部30aは、遮断部10が閉じる任意の他の処理を実行してもよい。例えば、第1制御部30aは、第2リレー41bをオフにする制御を実行しなくてもよい。
【0164】
上記第1実施形態では、第2制御部30bは、通常条件を満たさないと判定すると、第2モータ42bを用いて遮断部10を閉じ、かつ第1リレー41aをオフにする制御信号を第1リレー41a及び第2リレー41bに出力すると説明したが、これに限定されない。第2制御部30bは、遮断部10が閉じる任意の他の処理を実行してもよい。例えば、第2制御部30bは、第1リレー41aをオフにする制御を実行しなくてもよい。
【0165】
上記第1実施形態では、第1制御ラインL1は第1センサ部20aを有し、第2制御ラインL2は第2センサ部20bを有すると説明したが、これに限定されない。測定装置1は、第1センサ部20a及び第2センサ部20bの少なくとも一方を有さなくてもよい。
【0166】
図11は、
図1の測定装置1の第1変形例を示す機能ブロック図である。
【0167】
上記第1実施形態では、測定装置1は、1つのフェンス2により囲まれていると説明したが、これに限定されない。測定装置1は、2つ以上のフェンス2により囲まれていてもよい。例えば、測定装置1は、内側に位置する第1フェンス2aと外側に位置する第2フェンス2bとにより二重に囲まれていてもよい。
【0168】
フェンス2の二重化に伴い、作業者が立ち入るドアが2つ存在する。第1制御部30aは、第1フェンス2aの第1ドアスイッチ21aからのオンオフ情報に基づいて第1フェンス2aのドアの開閉状態を監視する。第2制御部30bは、第2フェンス2bの第2ドアスイッチ21bからのオンオフ情報に基づいて第2フェンス2bのドアの開閉状態を監視する。
【0169】
第1制御部30a及び第2制御部30bは、2つのドアが共に閉じている場合に遮断部10の通常の開閉制御を実行させる。第1制御部30a及び第2制御部30bは、少なくとも一方のフェンス2のドアが動作不良により正常に動作しない場合、第1制御部30a及び第2制御部30b間の相互フィードバックによりドアの異常を検知し、遮断部10を閉じる制御を実行させる。
【0170】
図12は、
図1の測定装置1の第2変形例を示す機能ブロック図である。
【0171】
上記第1実施形態では、測定装置1は、1つの遮断部10を有すると説明したが、これに限定されない。測定装置1の遮断部10は、第1遮断部10a及び第1遮断部10aとは異なる第2遮断部10bを有してもよい。このとき、第1モータ42aは、第1遮断部10a及び第2遮断部10bの両方を駆動可能である。第2モータ42bは、第1遮断部10a及び第2遮断部10bの両方を駆動可能である。
【0172】
このように、測定装置1は、遮断部10を二重化することにより、一方の遮断部10が動作不良により閉じることができない場合であっても、他方の遮断部10を閉じることで放射線を遮断することができる。
【0173】
図13は、
図1の測定装置1の第3変形例を示す機能ブロック図である。
【0174】
上記第1実施形態では、第2制御ラインL2に含まれる各構成部のみが補助電源を有すると説明したが、これに限定されない。第2制御ラインL2に加えて、第1制御ラインL1に含まれる各構成部も補助電源を有してもよい。
【0175】
これにより、測定装置1は、通常電源が失われた場合であっても、第1制御ラインL1及び第2制御ラインL2に含まれる各構成部を補助電源により動作させることが可能となる。例えば、第1制御部30a及び第2制御部30bは、通常電源がオフになっていると判定したときに、第1駆動部40a及び第2駆動部40bにそれぞれ、遮断部10を閉じる制御信号を出力することも可能となる。このときも同様に、測定装置1では、第1制御部30aによる処理及び第2制御部30bによる処理のうちより早く実行されるいずれか一方の処理のみが実現される。すなわち、測定装置1は、最終的には、第1駆動部40a及び第2駆動部40bのいずれか一方のみに基づいて遮断部10を閉じる。
【0176】
上記第1実施形態では、測定装置1は、厚さ計を含むと説明したが、これに限定されない。測定装置1は、使用する放射線の漏洩を抑制する上述した安全機能を搭載可能な任意の装置を含んでもよい。測定装置1は、モータなどの外部動力で駆動する遮蔽扉などの装置により危険区域を遮断する安全機能を有する任意の装置を含んでもよい。
【0177】
(第2実施形態)
図14は、本開示の第2実施形態に係る測定装置1の概略構成を示す機能ブロック図である。
図14を参照しながら、第2実施形態に係る測定装置1の構成の概略について主に説明する。第2実施形態に係る測定装置1は、2つの線量計をさらに有する点で第1実施形態と相違する。
【0178】
その他の構成、機能、効果、及び変形例などについては、第1実施形態と同様であり、対応する説明が第2実施形態に係る測定装置1にも当てはまる。以下では、第1実施形態と同様の構成部については同一の符号を付し、その説明を省略する。第1実施形態と異なる点について主に説明する。
【0179】
測定装置1は、第1制御部30aと接続されている第1線量計50aをさらに有する。第1線量計50aは、放射線量を検知するためのセンサを含む。第1線量計50aは、検知した第1放射線量を測定値として第1制御部30aに出力する。
【0180】
第1制御部30aは、遮断部10の開閉状態それぞれに応じた第1閾値を設定する。第1制御部30aは、第1閾値以上となる第1放射線量を測定値として第1線量計50aから取得すると、異常であると判定し、遮断部10を閉じる。
【0181】
測定装置1は、第2制御部30bと接続されている第2線量計50bをさらに有する。第2線量計50bは、放射線量を検知するためのセンサを含む。第2線量計50bは、検知した第2放射線量を測定値として第2制御部30bに出力する。第2線量計50bは、通常電源とは異なる補助電源を有する。
【0182】
第2制御部30bは、遮断部10の開閉状態それぞれに応じた第2閾値を設定する。第2制御部30bは、第2閾値以上となる第2放射線量を測定値として第2線量計50bから取得すると、異常であると判定し、遮断部10を閉じる。
【0183】
図15は、
図14の第1制御ラインL1に基づいて測定装置1を制御するときの制御方法の一例を示すフローチャートである。
図15を参照しながら、
図14の第1制御ラインL1に基づく測定装置1の制御方法について主に説明する。
【0184】
ステップS1000に示すとおり、通常電源が供給されてオンになっているか否かによって、第1制御ラインL1に基づく測定装置1の制御方法のその後の各ステップが異なる。通常電源がオンになっている場合、第1制御ラインL1の第1制御部30aは、ステップS1002以降の処理を実行する。
【0185】
通常電源が失われてオフになっている場合、ステップS1001に示すとおり、第1制御ラインL1の第1リレー41aはオフになる。より具体的には、第1リレー41aがオンになっている状態で通常電源がオフになると第1リレー41aはオン状態からオフ状態に移行する。第1リレー41aがオフになっている状態で通常電源がオフになると第1リレー41aはオフ状態を維持する。以上により、第1制御ラインL1が第1リレー41aにおいて遮断状態となる。
【0186】
ステップS1002では、第1制御部30aは、ステップS1000において通常電源がオンになったことに伴い動作可能となる。このとき、第1制御部30aは、測定装置1に関する状態監視を開始する。
【0187】
ステップS1003では、第1制御部30aは、測定装置1がメンテナスモードに設定されているか否かを判定する。第1制御部30aは、測定装置1がメンテナンスモードに設定されていると判定するとステップS1006の処理を実行する。第1制御部30aは、測定装置1がメンテナンスモードではなく操業モードに設定されていると判定するとステップS1004の処理を実行する。
【0188】
ステップS1004では、第1制御部30aは、ステップS1003において測定装置1が操業モードに設定されていると判定すると、フェンス2のドアが閉じているか否かを判定する。すなわち、第1制御部30aは、ドアスイッチ21がオフになっているか否かを判定する。第1制御部30aは、フェンス2のドアが閉じていると判定すると、ステップS1006の処理を実行する。第1制御部30aは、フェンス2のドアが開いていると判定するとステップS1005の処理を実行する。
【0189】
ステップS1005では、第1制御部30aは、ステップS1004においてフェンス2のドアが開いていると判定すると、第1駆動部40aの第1モータ42aを用いて遮断部10を閉じる制御信号を第1リレー41aに出力する。これにより、第1制御部30aは、遮断部10を閉じるように第1リレー41aを介して第1モータ42aを制御する。
【0190】
ステップS1006では、第1制御部30aは、ステップS1004においてフェンス2のドアが閉じていると判定すると、第1センサ部20aからの第1検出情報が正常であるか否かを判定する。第1制御部30aは、第1検出情報が正常であると判定するとステップS1007の処理を実行する。第1制御部30aは、第1検出情報が異常であると判定するとステップS1005の処理を実行する。
【0191】
ステップS1007では、第1制御部30aは、ステップS1006において第1検出情報が正常であると判定すると、第1線量計50aから測定値として取得した第1放射線量が第1閾値未満であるか否かを判定する。第1制御部30aは、第1放射線量が第1閾値未満であると判定するとステップS1008の処理を実行する。第1制御部30aは、第1放射線量が第1閾値以上であると判定するとステップS1005の処理を実行する。
【0192】
ステップS1008では、第1制御部30aは、ステップS1007において第1放射線量が第1閾値未満であると判定すると、通常条件を満たすか否かを判定する。第1制御部30aは、通常条件を満たすと判定するとステップS1010の処理を実行する。第1制御部30aは、通常条件を満たさないと判定すると、ステップS1009の処理を実行する。
【0193】
ステップS1009では、第1制御部30aは、ステップS1008において通常条件を満たさないと判定すると、第1駆動部40aの第1モータ42aを用いて遮断部10を閉じ、かつ第2駆動部40bの第2リレー41bをオフにする制御信号を第1リレー41a及び第2リレー41bに出力する。これにより、第1制御部30aは、遮断部10を閉じるように第1リレー41aを介して第1モータ42aを制御し、かつオフになるように第2リレー41bを制御する。
【0194】
ステップS1010では、第1制御部30aは、ステップS1008において通常条件を満たすと判定すると、遮断部10の通常の開閉制御を実行させる第1制御情報に基づく制御信号を第1リレー41aに出力する。すなわち、第1制御部30aは、遮断部10の通常の開閉制御を第1モータ42aにより実行する。
【0195】
ステップS1011では、第1制御部30aは、測定装置1に関する状態監視を終了する。その後、第1制御部30aは、ステップS1002以降の処理を再度繰り返す。
【0196】
図16は、
図14の第2制御ラインL2に基づいて測定装置1を制御するときの制御方法の一例を示すフローチャートである。
図16を参照しながら、
図14の第2制御ラインL2に基づく測定装置1の制御方法について主に説明する。
【0197】
ステップS1100では、第2制御ラインL2の第2制御部30bは、通常電源又は補助電源により動作可能となる。このとき、第2制御部30bは、測定装置1に関する状態監視を開始する。
【0198】
ステップS1101では、第2制御部30bは、通常電源が供給されてオンになっているか否かを判定する。第2制御部30bは、通常電源がオンになっていると判定するとステップS1103の処理を実行する。第2制御部30bは、通常電源がオフになっていると判定すると、ステップS1102の処理を実行する。
【0199】
ステップS1102では、第2制御部30bは、ステップS1101において通常電源がオフになっていると判定すると、第2駆動部40bの第2モータ42bを用いて遮断部10を閉じる制御信号を第2リレー41bに出力する。これにより、第2制御部30bは、遮断部10を閉じるように第2リレー41bを介して第2モータ42bを制御する。第2制御ラインL2による以上の一連の処理は、各構成部の補助電源を用いて実行される。
【0200】
ステップS1103では、第2制御部30bは、測定装置1がメンテナスモードに設定されているか否かを判定する。第2制御部30bは、測定装置1がメンテナンスモードに設定されていると判定するとステップS1105の処理を実行する。第2制御部30bは、測定装置1がメンテナンスモードではなく操業モードに設定されていると判定するとステップS1104の処理を実行する。
【0201】
ステップS1104では、第2制御部30bは、ステップS1103において測定装置1が操業モードに設定されていると判定すると、フェンス2のドアが閉じているか否かを判定する。すなわち、第2制御部30bは、ドアスイッチ21がオフになっているか否かを判定する。第2制御部30bは、フェンス2のドアが閉じていると判定すると、ステップS1105の処理を実行する。第2制御部30bは、フェンス2のドアが開いていると判定するとステップS1102の処理を実行する。このとき、ステップS1102に関する第2制御ラインL2による一連の処理は、各構成部の補助電源を用いて実行されてもよいし、通常電源を用いて実行されてもよい。
【0202】
ステップS1105では、第2制御部30bは、ステップS1104においてフェンス2のドアが閉じていると判定すると、第2センサ部20bからの第2検出情報が正常であるか否かを判定する。第2制御部30bは、第2検出情報が正常であると判定するとステップS1106の処理を実行する。第2制御部30bは、第2検出情報が異常であると判定するとステップS1102の処理を実行する。このとき、ステップS1102に関する第2制御ラインL2による一連の処理は、各構成部の補助電源を用いて実行されてもよいし、通常電源を用いて実行されてもよい。
【0203】
ステップS1106では、第2制御部30bは、ステップS1105において第2検出情報が正常であると判定すると、第2線量計50bから測定値として取得した第2放射線量が第2閾値未満であるか否かを判定する。第2制御部30bは、第2放射線量が第2閾値未満であると判定するとステップS1107の処理を実行する。第2制御部30bは、第2放射線量が第2閾値以上であると判定するとステップS1102の処理を実行する。このとき、ステップS1102に関する第2制御ラインL2による一連の処理は、各構成部の補助電源を用いて実行されてもよいし、通常電源を用いて実行されてもよい。
【0204】
ステップS1107では、第2制御部30bは、ステップS1106において第2放射線量が第2閾値未満であると判定すると、通常条件を満たすか否かを判定する。第2制御部30bは、通常条件を満たすと判定するとステップS1109の処理を実行する。第2制御部30bは、通常条件を満たさないと判定すると、ステップS1108の処理を実行する。
【0205】
ステップS1108では、第2制御部30bは、ステップS1107において通常条件を満たさないと判定すると、第2駆動部40bの第2モータ42bを用いて遮断部10を閉じ、かつ第1駆動部40aの第1リレー41aをオフにする制御信号を第1リレー41a及び第2リレー41bに出力する。これにより、第2制御部30bは、遮断部10を閉じるように第2リレー41bを介して第2モータ42bを制御し、かつオフになるように第1リレー41aを制御する。
【0206】
ステップS1109では、第2制御部30bは、ステップS1107において通常条件を満たすと判定すると、遮断部10の通常の開閉制御を実行させる第1制御情報に基づく制御信号を第2リレー41bに出力する。すなわち、第2制御部30bは、遮断部10の通常の開閉制御を第2モータ42bにより実行する。
【0207】
ステップS1110では、第2制御部30bは、測定装置1に関する状態監視を終了する。その後、第2制御部30bは、ステップS1100以降の処理を再度繰り返す。
【0208】
以上のような第2実施形態に係る測定装置1は、第1実施形態と同様の効果を奏する。加えて、第2実施形態に係る測定装置1は、放射線の漏洩を抑制可能であり、放射線に対する安全性をさらに向上させることが可能である。第2実施形態に係る測定装置1は、2つの線量計に基づいて検知される放射線量から異常状態を判定可能であり、より確実に放射線の漏洩を抑制可能である。第2実施形態に係る測定装置1は、第1実施形態と異なり、実際に放射性物質が遮断できているか否かを判定可能である。したがって、測定装置1は、正常に動作しているときに、放射線物質を扱うコンテナの破損などによる異常を容易に判定できる。結果として、放射性物質の漏洩が抑制される。
【0209】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形及び修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0210】
例えば、本開示は、上述した測定装置1の各機能を実現する処理内容を記述したプログラム又はプログラムを記録した記憶媒体としても実現し得る。本開示の範囲には、これらも包含されると理解されたい。
【0211】
例えば、上述した各構成部の配置及び個数は、上記の説明及び図面における図示の内容に限定されない。各構成部の配置及び個数は、その機能を実現できるのであれば、任意に構成されてもよい。
【符号の説明】
【0212】
1 測定装置
2 フェンス
2a 第1フェンス
2b 第2フェンス
21 ドアスイッチ
21a 第1ドアスイッチ
21b 第2ドアスイッチ
10 遮断部
10a 第1遮断部
10b 第2遮断部
20a 第1センサ部
20b 第2センサ部
30a 第1制御部
30b 第2制御部
40a 第1駆動部
40b 第2駆動部
41a 第1リレー
41b 第2リレー
42a 第1モータ
42b 第2モータ
50a 第1線量計
50b 第2線量計
L1 第1制御ライン
L2 第2制御ライン
【要約】
【課題】シャッタを含む遮断部をより確実に駆動して放射線に対する安全性を向上可能な測定装置を提供する。
【解決手段】本開示に係る測定装置1は、放射線を用いて被測定物の厚さを測定する測定装置1であって、放射線源が放射した放射線を遮断可能な遮断部10と、遮断部10の開閉により放射線の非遮断及び遮断を制御する第1制御ラインL1及び第2制御ラインL2と、を備え、第1制御ラインL1は、第1制御部30aと、遮断部10を駆動する第1駆動部40aと、を有し、第2制御ラインL2は、第2制御部30bと、遮断部10を駆動する第2駆動部40bと、を有し、第1制御部30aは、第1駆動部40a及び第2駆動部40bを制御し、第2制御部30bは、第1駆動部40a及び第2駆動部40bを制御し、第1制御部30aと第2制御部30bとは、互いに通信可能に接続されている。
【選択図】
図1