(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】予熱時間が短縮されたエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20230704BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20230704BHJP
A24F 40/57 20200101ALI20230704BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/46
A24F40/57
(21)【出願番号】P 2021515074
(86)(22)【出願日】2020-12-21
(86)【国際出願番号】 KR2020018746
(87)【国際公開番号】W WO2021153908
(87)【国際公開日】2021-08-05
【審査請求日】2021-04-09
(31)【優先権主張番号】10-2020-0011902
(32)【優先日】2020-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、チュル ホ
(72)【発明者】
【氏名】ゴ、ギョウン ミン
(72)【発明者】
【氏名】ベ、ヒュン ジン
(72)【発明者】
【氏名】セオ、ジャン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】ジェオン、ミン セオク
(72)【発明者】
【氏名】ジェオン、ジョン セオン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ジン チュル
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/063016(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03571940(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生基材が含まれたエアロゾル発生物品が挿入される物品挿入部を含み、一面に開口部が形成されたケースと、
前記ケースの前記一面に位置して前記開口部に対する開閉機能を提供し、且つ、前記開口部を閉鎖するにつれて、前記挿入されたエアロゾル発生物品のエアロゾル発生基材部分を機械的に圧着するように構成された開閉型カバーと、
前記挿入されたエアロゾル発生物品を加熱するヒーターと、を含み、
前記ヒーターは、前記圧着されたエアロゾル発生基材部分の一面を加熱する第1ヒーターと、前記一面の反対面を加熱する第2ヒーターと、を含み、
前記開閉型カバーは、前記開口部を閉鎖するにつれて、前記エアロゾル発生基材部分の前記一面を加熱する前記第1ヒーターの面と、前記エアロゾル発生基材部分の前記反対面を加熱する前記第2ヒーターの面との距離が短くなるように、前記挿入されたエアロゾル発生物品の前記エアロゾル発生基材部分を、前記物品挿入部の挿入方向の軸と交差する径方向に機械的に圧着するように構成される、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記開閉型カバーは、前記ケースの前記ヒーターが設けられた側面へと近接する回転運動により前記開口部を閉鎖することにより、前記エアロゾル発生基材部分を前記物品挿入部の挿入方向の軸と交差する径方向に機械的に圧着する、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記挿入されたエアロゾル発生物品を挿入方向の反対方向に押し出すように構成された抽出器と、を含み、
前記開閉型カバーは、
前記ケースの前記ヒーターが設けられた側面から離隔する回転運動により前記開口部を開放し、
前記回転運動を直線運動に変換する連動部材により前記抽出器と機械的に連動し、
前記抽出器は、前記開閉型カバーが前記開口部を開放するにつれて、前記直線運動により前記挿入されたエアロゾル発生物品を押し出すように機械的に作動する、請求項1または2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記回転運動の回転軸を含むヒンジを含み、
前記連動部材は、前記ヒンジと、前記抽出器とを連結する、請求項3に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記ヒンジから前記物品挿入部の開口が設けられる前記ケースの一面と反対側の一面までの距離は、前記物品挿入部の前記開口が設けられる端部と反対側の端部から前記物品挿入部の前記開口が設けられる前記ケースの前記一面と反対側の前記一面までの距離より短い、請求項4に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記ヒーターを制御する制御部をさらに含み、
前記制御部は、前記第1ヒーターおよび前記第2ヒーターを独立して制御する、請求項1から5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1ヒーター及び前記第2ヒーターのデューティー比の合計が100%未満となるよう制御する、請求項6に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記第1ヒーターのオンデューティ区間と、前記第2ヒーターのオンデューティ区間とが重ならないよう制御する、請求項6または7に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記エアロゾル発生物品は、円筒形の形状を有し、
前記開閉型カバーは、前記エアロゾル発生物品の直径
が10%~50%の範囲で
減少するように、前記エアロゾル発生基材部分を圧着させる、請求項1から8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記圧着されたエアロゾル発生基材部分は、平たい形状を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記圧着されたエアロゾル発生基材部分は、傾斜した形状を有する、請求項1から10のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
エアロゾル発生基材が含まれたエアロゾル発生物品が挿入される物品挿入部を含み、一面に開口部が形成されたケースと、
前記ケースの前記一面に位置して前記開口部に対する開閉機能を提供する開閉型カバーと、
前記開閉型カバーが前記開口部を開放するにつれて、前記挿入されたエアロゾル発生物品を挿入方向の反対方向に押し出すように構成された抽出器と、
前記挿入されたエアロゾル発生物品を加熱するヒーターと、を含み、
前記ヒーターは、前記エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基材部分の一面を加熱する第1ヒーターと、前記一面の反対面を加熱する第2ヒーターと、を含み、
前記開閉型カバーは、前記開口部を閉鎖するにつれて、前記エアロゾル発生基材部分の前記一面を加熱する前記第1ヒーターの面と、前記エアロゾル発生基材部分の前記反対面を加熱する前記第2ヒーターの面との距離が短くなるように、前記挿入されたエアロゾル発生物品の前記エアロゾル発生基材部分を、前記物品挿入部の挿入方向の軸と交差する径方向に機械的に圧着するように構成される、エアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記開閉型カバーは、前記開口部を閉鎖するにつれて、前記挿入されたエアロゾル発生物品の前記エアロゾル発生基材部分を機械的に圧着するように構成される、請求項12に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記開閉型カバーは、
回転運動により前記開口部を開放し、
前記回転運動を直線運動に変換する連動部材により前記抽出器と機械的に連動し、
前記抽出器は、
前記直線運動により前記挿入されたエアロゾル発生物品を押し出すように機械的に作動する、請求項12または13に記載のエアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、予熱時間が短縮されたエアロゾル発生装置に関する。より詳しくは、予熱時間が短縮され、初期の喫味および霧化量不足現象が改善されたエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、伝統巻きタバコの短所を克服する代替喫煙物品に関する需要が増加している。例えば、巻きタバコを電気的に加熱することによってエアロゾルを発生させるエアロゾル発生装置(e.g.巻きタバコ型電子タバコ)に関する需要が増加しており、これに伴い、電気加熱式エアロゾル発生装置に対する研究が活発に進行されている。
【0003】
一般的な電気加熱式エアロゾル発生装置は、巻きタバコの周辺に配置されたヒーターが巻きタバコの媒質外郭部分を加熱する構造を採用している。ところが、このような構造では、媒質の外郭部分から中心部まで均一に加熱されるまで相当な時間がかかるので、装置の予熱時間が長くなる。
【0004】
例えば、
図1は、上述した加熱構造において巻きタバコ媒質の部位別の温度変化を示しているが、
図1に示されたように、ヒーターから比較的遠くにある媒質の中央部分は、最外郭部分に比べてゆっくり加熱される。したがって、媒質全体が均一に加熱されるまで相当な時間(e.g.T1)がかかるが、これは、つまり装置の予熱時間が長くなることを意味する。
【0005】
結論的に、上述した加熱構造を採用している電気加熱式エアロゾル発生装置は、加熱構造の特性上、予熱時間が長くなり、これは、消費者の不満をもたらすことができ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示のいくつかの実施例を通じて解決しようとする技術的課題は、初期予熱時間が短縮されたエアロゾル発生装置を提供することにある。
【0007】
本開示のいくつかの実施例を通じて解決しようとする他の技術的課題は、初期の喫味および霧化量不足現象が改善されたエアロゾル発生装置を提供することにある。
【0008】
本開示のいくつかの実施例を通じて解決しようとするさらに他の技術的課題は、エアロゾル発生物品に対する容易除去機能を具備したエアロゾル発生装置を提供することにある。
【0009】
本開示の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていないさらに他の技術的課題は、下記の記載から本開示の技術分野における通常の技術者に明確に理解され得る。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記技術的課題を解決するための、本開示のいくつかの実施例によるエアロゾル発生装置は、エアロゾル発生基材が含まれたエアロゾル発生物品が挿入される物品挿入部を含み、一面に開口部が形成されたケースと、前記ケースの前記一面に位置して前記開口部に対する開閉機能を提供し、且つ、前記開口部を閉鎖するにつれて前記挿入されたエアロゾル発生物品のエアロゾル発生基材部分を機械的に圧着するように構成された開閉型カバーと、前記挿入されたエアロゾル発生物品を加熱するヒーターと、を含むことができる。
【0011】
いくつかの実施例において、前記ヒーターは、前記圧着されたエアロゾル発生基材部分の一面を加熱する第1ヒーターと、前記一面の反対面を加熱する第2ヒーターと、を含むことができる。
【0012】
いくつかの実施例において、前記挿入されたエアロゾル発生物品を挿入方向の反対方向に押し出すように構成された抽出器をさらに含むことができる。
【0013】
いくつかの実施例において、前記抽出器は、前記開閉型カバーが開放されるにつれて、前記挿入されたエアロゾル発生物品を押し出すように作動することができる。例えば、前記開閉型カバーは、回転運動により前記開口部を開放し、前記開閉型カバーは、前記回転運動を直線運動に変換する連動部材により前記抽出器と機械的に連動し、前記抽出器は、前記直線運動により前記挿入されたエアロゾル発生物品を押し出すように機械的に作動することができる。
【0014】
いくつかの実施例において、前記圧着されたエアロゾル発生基材部分は、平たい形状または傾斜した形状を有することができる。
【0015】
上述した技術的課題を解決するための本開示の他のいくつかの実施例によるエアロゾル発生装置は、エアロゾル発生基材が含まれたエアロゾル発生物品が挿入される物品挿入部を含み、一面に開口部が形成されたケースと、前記ケースの前記一面に位置して前記開口部に対する開閉機能を提供する開閉型カバーと、前記開閉型カバーが前記開口部を開放するにつれて、前記挿入されたエアロゾル発生物品を挿入方向の反対方向に押し出すように構成された抽出器と、前記挿入されたエアロゾル発生物品を加熱するヒーターと、を含むことができる。
【0016】
いくつかの実施例において、前記開閉型カバーは、前記開口部を閉鎖するにつれて、前記挿入されたエアロゾル発生物品のエアロゾル発生基材部分を機械的に圧着するように構成され得る。
【発明の効果】
【0017】
上述した本開示の多様な実施例によれば、エアロゾル発生基材部分が圧着されることによってエアロゾル発生基材の部位別の温度差異が最小化され、速やかに目標温度まで加熱され得る。これにより、エアロゾル発生装置の予熱時間が短縮され、初期の喫味および霧化量不足現象も改善され得る。
【0018】
また、圧着されたエアロゾル発生基材部分を両面で加熱するヒーター構造を採用することによって、エアロゾル発生装置の予熱時間がさらに短縮され得る。
【0019】
また、開閉型カバーと機械的に連動する抽出器がカバーの開放時にエアロゾル発生物品を押し出すように作動することによって、挿入されたエアロゾル発生物品が容易に除去され得る。
【0020】
本開示の技術的思想による効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及されていないさらに他の効果は、下記の記載から通常の技術者に明確に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】外部加熱構造を有する電気加熱式エアロゾル発生装置において予熱時間が増加する問題点を説明するための図である。
【
図2】本開示のいくつかの実施例によるエアロゾル発生装置を示す例示的な斜視図である。
【
図3】本開示のいくつかの実施例によるエアロゾル発生装置の内部構造を例示する図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施例によって開閉型カバーによりエアロゾル発生物品が圧着されることを例示する図である。
【
図5】本開示のいくつかの実施例によって開閉型カバーにより圧着されたエアロゾル発生物品の形状を例示する図である。
【
図6】本開示のいくつかの実施例によって開閉型カバーにより圧着されたエアロゾル発生物品の形状を例示する図である。
【
図7】本開示のいくつかの実施例によるヒーターの加熱構造を例示する図である。
【
図8】本開示のいくつかの実施例による開閉型カバーと抽出器の連動構造を例示する図である。
【
図9】本開示の多様な実施例によるエアロゾル発生装置を示す例示的なブロック図である。
【
図10】本開示の多様な実施例によるエアロゾル発生装置を示す例示的なブロック図である。
【
図11】本開示の多様な実施例によるエアロゾル発生装置を示す例示的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付の図面を参照して本開示の好ましい実施例を詳細に説明する。本開示の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述している実施例を参照すると明確になるだろう。しかしながら、本開示の技術的思想は、以下の実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態に具現され得、単に本実施例は、本開示の技術的しそうを完全にし、本開示の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本開示は、請求項の範疇によって定義されるのみである。
【0023】
各図面の構成要素に参照符号を付加するに際して、同じ構成要素に対しては、たとえ他の図面上に表示されても、できるだけ同じ符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本開示を説明するに際して、関連した公知構成または機能に対する具体的な説明が本開示の要旨を不明にすることができると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0024】
他の定義がないと、本明細書において使用されるすべての用語(技術および科学的用語を含む)は、本開示の属する技術分野における通常の知識を有する者に共通して理解され得る意味で使用され得る。また、一般的に使用される辞書に定義されている用語は、明白に特に定義されていない限り、理想的にまたは過度に解釈されない。本明細書で使用された用語は、実施例を説明するためのものであって、本開示を制限しようとするものではない。本明細書で、単数型は、文言において特に言及しない限り、複数型も含む。
【0025】
また、本開示の構成要素を説明するに際して、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を使用することができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語により当該構成要素の本質や手順または順序等が限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素は、当該他の構成要素に直接的に連結されるか、または接続され得るが、各構成要素の間にさらに他の構成要素が「連結」、「結合」または「接続」され得ると理解されなければならない。
【0026】
本開示で使用される「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は、言及された構成要素、段階、動作および/または素子は、1つ以上の他の構成要素、段階、動作および/または素子の存在または追加を排除しない。
【0027】
本開示の多様な実施例に関する説明に先立って、本明細書で使用されるいくつかの用語について明確にすることとする。
【0028】
本明細書で、「エアロゾル発生基材」は、エアロゾル(aerosol)を発生させることができる物質を意味し得る。エアロゾルは、揮発性化合物を含むことができる。エアロゾル発生基材は、固体または液状でありうる。
【0029】
例えば、固体のエアロゾル発生基材は、板状葉タバコ、刻みタバコ、再構成タバコ等タバコ原料を基礎とする固体物質を含むことができ、液状のエアロゾル発生基材は、ニコチン、タバコ抽出物および/または多様な香味剤を基礎とする液状組成物を含むことができる。しかしながら、本開示の範囲が前記列挙された例示に限定されるものではない。
【0030】
より具体的な例として、液状のエアロゾル発生基材は、プロピレングリコール(PG)およびグリセリン(GLY)のうち少なくとも1つを含むことができ、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールおよびオレイルアルコールのうち少なくとも1つをさらに含むこともできる。他の例として、エアロゾル発生基材は、ニコチン、水分および加香物質のうち少なくとも1つをさらに含むことができる。さらに他の例として、エアロゾル発生基材は、ケイヒ、カプサイシン等の多様な添加物質をさらに含むこともできる。エアロゾル発生基材は、流動性が大きい液体物質だけでなく、ゲルまたは固形分形態の物質を含むこともできる。このように、エアロゾル発生基材の組成成分は、実施例によって多様に選択され得、その組成比率も、実施例によって変わることができる。本明細書で、液状は、液状のエアロゾル発生基材を指すものでありうる。
【0031】
本明細書で、「エアロゾル発生装置」は、ユーザの口を通じてユーザの肺に直接的に吸入可能なエアロゾルを発生させるために、エアロゾル発生基材を用いてエアロゾルを発生させる装置を意味し得る。エアロゾル発生装置は、例えば液状蒸気化器を利用する液状型エアロゾル発生装置と、液状蒸気化器と巻きタバコを共に利用するハイブリッド型エアロゾル発生装置を含むことができる。ただし、その他にも、多様な類型のエアロゾル発生装置がさらに含まれ得るので、本開示の範囲が前記列挙された例示に限定されるものではない。エアロゾル発生装置のいくつかの例示については、
図9~
図11を参照することとする。
【0032】
本明細書で、「エアロゾル発生物品」は、エアロゾルを発生させることができる物品を意味し得る。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基材を含むことができる。エアロゾル発生物品は、例えば巻きタバコであってもよいが、本開示の範囲が前記例示に限定されるものではない。
【0033】
本明細書で、「パフ(puff)」は、ユーザの吸入(inhalation)を意味し、吸入とは、ユーザの口や鼻を通じてユーザの口腔内、鼻腔内または肺に引き寄せる状況を意味し得る。
【0034】
本明細書で、「上流」(upstream)または「上流方向」は、喫煙者の口部から遠ざかる方向を意味し、「下流」(downstream)または「下流方向」は、喫煙者の口部から近づく方向を意味し得る。
【0035】
以下、本開示の多様な実施例について添付の図面を参照して詳細に説明することとする。
【0036】
図2は、本開示のいくつかの実施例によるエアロゾル発生装置10を示す例示的な斜視図であり、
図3は、エアロゾル発生装置10の内部構造を示す例示図である。特に、
図3は、上部ケース11内部の構造を例示している。以下、
図2および
図3を参照して説明する。
【0037】
図2および
図3に示されたように、実施例によるエアロゾル発生装置10は、エアロゾル発生物品2が挿入される物品挿入部12を含む上部ケース11と、開閉型カバー14および下部ケース15を含むことができる。また、エアロゾル発生装置10は、ヒーター16および抽出器17をさらに含むことができる。ただし、
図2および
図3には、本開示の実施例に係る構成要素のみが示されている。したがって、本開示の属する技術分野における通常の技術者なら
図2および
図3に示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素がさらに含まれ得ることが分かる。例えば、図示されてはいないが、エアロゾル発生装置10は、バッテリー(不図示)と制御部(不図示)をさらに含むことができ、このような構成要素は、下部ケース15の内部に位置することができる。
【0038】
また、上記に言及されたすべての構成要素がエアロゾル発生装置10の必須構成要素ではなくてもよく、一部の構成要素が省略された形態でエアロゾル発生装置10が具現されることもできる。例えば、他のいくつかの実施例によるエアロゾル発生装置10は、抽出器17を除いて構成されることもできる。以下、エアロゾル発生装置10の各構成要素について説明することとする。
【0039】
上部ケース11は、エアロゾル発生装置10の上部外観を形成することができる。また、上部ケース11には、エアロゾル発生物品2が挿入される物品挿入部12が形成され、上部ケース11の一面(e.g.前面)には、開口部13が形成され得る。開口部13は、後述する開閉型カバー14により開放されたり閉鎖され得る。以下、説明の便宜上、開閉型カバー14をカバー14と略称することとする。
【0040】
物品挿入部12は、エアロゾル発生物品2が挿入される挿入領域を形成することができる。挿入領域は、エアロゾル発生物品2に相当する形態で形成され得る。例えば、エアロゾル発生物品2が円筒形の形状を有する場合、物品挿入部12も、円筒形の挿入領域を形成することができる。また、物品挿入部12は、エアロゾル発生物品2の少なくとも一部(e.g.エアロゾル発生基材部分21)が内部に配置されたヒーター16により加熱され得るように適切な深さで形成され得る。
【0041】
エアロゾル発生物品2は、エアロゾル発生基材部分21を含み、エアロゾル発生基材部分21は、エアロゾル発生物品2の上流に位置することができる。エアロゾル発生基材部分21は、物品挿入部12を通じてエアロゾル発生装置10の内部に挿入され、内部に位置するヒーター16により加熱されてエアロゾルを発生させることができる。発生したエアロゾルは、ユーザの口部を通じて吸入され得る。
【0042】
エアロゾル発生物品2は、円筒形の形状を有することができるが、本開示の範囲がこれに限定されるものではない。ただし、理解の便宜のために、エアロゾル発生物品2が円筒形の形状を有すると仮定して説明を継続することとする。
【0043】
次に、カバー14は、開口部13に対する開閉機能を提供することができる。開閉機能を具現する方式は多様である。例えば、カバー14は、手動開閉が可能な機械的構造で具現され得る。より具体的な例として、カバー14は、ヒンジ(hinge)、磁石、スプリング等を用いて手動開閉が可能に具現され得る。しかしながら、カバー14の具現方式がこれに限定されるものではない。
【0044】
図3は、ヒンジ部材181に基づくカバー14を例示しているが、例示されたカバー14は、ヒンジ部材181を回転軸として用いて開閉機能を提供することができる。また、カバー14は、ヒンジ部材181と連動部材18を通じて抽出器17と連動し得るが、これについては、
図8を参照して後述することとする。
【0045】
いくつかの実施例では、カバー14は、制御部(不図示)により制御され、センサーを通じてエアロゾル発生物品2の挿入が感知されると、これに応答して開口部13を閉鎖するように動作することができる。また、カバー14は、センサーを通じてエアロゾル発生物品2の喫煙終了時点が感知されたり特定ユーザの入力が感知されると、これに応答して開口部13を開放するように動作することもできる。
【0046】
また、いくつかの実施例において、カバー14は、開口部13を閉鎖するにつれて、挿入されたエアロゾル発生物品2を圧着するように構成され得る。より具体的に、
図3に示されたように、カバー14は、閉鎖動作時にヒーター16により加熱されるエアロゾル発生基材部分21を圧着するように構成され得る。それによって、エアロゾル発生基材部分21の中央部位がヒーター16に近づくことになり、ヒーター16に対するエアロゾル発生基材部分21の部位(e.g.中央、外郭)別の距離の差が最小化され得る。また、これにより、エアロゾル発生基材部分21が全体的に速やかに目標温度まで加熱され得るので、エアロゾル発生装置10の予熱時間が大きく短縮され、初期の喫味および霧化量不足現象も改善され得る。さらに理解の便宜を提供するために、
図4~
図6を参照して本実施例について詳細に説明することとする。
【0047】
図4は、カバー14の閉鎖動作に伴ってエアロゾル発生物品2が圧着されることを例示している。
【0048】
図4に例示されたように、カバー14が開口部13を閉鎖し、上部ケース11と締結されて、カバー14によりエアロゾル発生基材部分21が機械的に圧着され得る。
図4の最右側は、カバー14により開口部13がさらに開放されるときに見られる圧着状態のエアロゾル発生基材部分21を図示している。
【0049】
一方、カバー14がエアロゾル発生基材部分21を圧着する程度は、実施例によって変わることができるが、適切な強度でエアロゾル発生基材部分21を圧着することが重要である。カバー14がエアロゾル発生基材部分21を過度に弱く圧着すると、予熱時間短縮効果が低下し、過度に強く圧着すると、巻紙が破裂して固体エアロゾル発生基材があふれ出たり、カバー14が良好に閉まらなかったり、エアロゾル発生物品2の吸引抵抗が過度に大きくなり得るためである。
【0050】
いくつかの実施例において、カバー14は、エアロゾル発生物品2の直径の10%~50%の範囲でエアロゾル発生基材部分21を圧着することができる。例えば、エアロゾル発生物品2の直径が7.2mmである場合、エアロゾル発生基材部分21の直径が約3.6mm~6.5mmになるように圧着され得る。好ましくは、エアロゾル発生基材部分21の直径が、エアロゾル発生物品2の直径の15%~45%、20%~45%、15%~40%または20%~40%になるように圧着され得る。このような数値範囲内で、巻紙の破裂現象が緩和されて、予熱時間も大きく短縮され得る。
【0051】
また、エアロゾル発生基材部分21の圧着形状は多様であり、これも、実施例によって変わることができる。
【0052】
いくつかの実施例において、エアロゾル発生基材部分22は、全般的に平たい形状を有するように圧着され得る。または、
図5に示されたように、エアロゾル発生基材部分22は、上流部位が平たい形状であり、下流部位が緩やかに傾斜した形状を有するように圧着され得る。このような場合、エアゾル発生基材部分22全体が速やかに加熱され得るので、予熱時間短縮効果が最大化され得る。
【0053】
他のいくつかの実施例において、
図6に示されたように、エアロゾル発生基材部分23は、全般的に傾斜した形状を有するように圧着され得る。このような場合、巻紙が破裂される問題が緩和され得る。また、巻紙の破裂問題が緩和されるに従って、エアロゾル発生基材部分23をさらに強く圧着することができるので、予熱時間短縮効果がさらに向上することもできる。
【0054】
さらに
図2および
図3を参照してエアロゾル発生装置10の構成要素に関する説明を継続することとする。
【0055】
ヒーター16は、上部ケース11の内部に配置されて物品挿入部12を通じて挿入されたエアロゾル発生物品2を加熱することができる。より具体的に、ヒーター16は、挿入されたエアロゾル発生物品2のエアロゾル発生基材部分21を加熱してエアロゾルを発生させることができる。ヒーター16は、電気抵抗性ヒーターで具現され得るが、本開示の範囲がこれに限定されるものではない。
【0056】
いくつかの実施例において、
図7に示されたように、ヒーター16は、圧着されたエアロゾル発生基材部分21の一面を加熱する第1ヒーター161と、その反対面を加熱する第2ヒーター162と、を含むことができる。第1ヒーター161および第2ヒーター162は、圧着されたエアロゾル発生基材部分21を両面で加熱することによって、エアロゾル発生基材部分21全体が速やかに目標温度に達するようにすることができる。これにより、エアロゾル発生装置10の予熱時間がさらに短縮され、エアロゾル発生物品2の初期喫味と霧化量がさらに改善され得る。
【0057】
上述した実施例において、第1ヒーター161と第2ヒーター162は、
図7に例示されたように、平たい平面の形状を有することができ、エアロゾル発生基材部分21を包むことができるように曲率のある平面形状を有することもできる。ただし、本開示の範囲がこのような例示に限定されるものではなく、第1ヒーター161と第2ヒーター162の形状は、エアロゾル発生基材部分21の圧着形状に基づいて多様に設計され、変形され得る。
【0058】
【0059】
次に、抽出器17は、物品挿入部12を通じて挿入されたエアロゾル発生物品2の上流端部の周辺に配置されて、挿入されたエアロゾル発生物品2を挿入方向の反対方向(すなわち、除去/引出方向)に押し出すように作動することができる。抽出器17のこのような動作によってエアロゾル発生物品2がエアロゾル発生装置10から容易に且つきれいに除去され得る。
【0060】
いくつかの実施例において、
図8に示されたように、抽出器17は、連動部材18によりカバー14と機械的に連動し得る。連動部材18は、カバー14の回転軸として作用するヒンジ部材181を含むことができ、連動部材18によりカバー14の回転運動が直線往復運動に変換され得る。すなわち、カバー14が回転運動をするとき、抽出器17は、挿入されたエアロゾル発生物品2の長さ方向に往復運動をするように具現され得る。これにより、カバー14の開放動作(回転運動)と抽出器17の抽出動作(直線運動)が連動し得、エアロゾル発生物品2が容易に除去され得るので、ユーザ便宜性が大きく向上することができる。
【0061】
他のいくつかの実施例において、抽出器17は、電気的に動作するように具現されることもできる。例えば、抽出器17は、制御部(不図示)により制御され、カバー14の開放動作またはエアロゾル発生物品2の除去を要請するユーザ入力に応答して、エアロゾル発生物品2を押し出すように具現されることもできる。
【0062】
一方、
図2および
図3には示されていないが、エアロゾル発生装置10は、制御部(不図示)とバッテリー(不図示)をさらに含むことができる。
【0063】
バッテリーは、制御部に、またはエアロゾル発生装置10の他の構成要素(e.g.ヒーター16)に必要な電力を供給することができる。
【0064】
次に、制御部は、エアロゾル発生装置10の動作を全般的に制御することができる。例えば、制御部は、目標温度に基づいてヒーター16の加熱温度を制御することができる。目標温度は、エアロゾル発生物品2の温度プロファイルに基づいて決定され得る。
【0065】
いくつかの実施例において、制御部は、第1ヒーター161と第2ヒーター162を独立して制御することができる。例えば、制御部は、同じ目標温度に基づいて第1ヒーター161と第2ヒーター162の加熱温度を制御することができる。他の例として、制御部は、互いに異なる目標温度に基づいて第1ヒーター161と第2ヒーター162の加熱温度を制御することができる。より具体的な例として、エアロゾル発生基材の中心部から第1ヒーター161と第2ヒーター162までの距離が異なる場合(e.g.エアロゾル発生基材部分21が非対称構造で圧着される場合)、制御部は、さらに遠い距離に位置するヒーター161または162をさらに高い目標温度に基づいて制御することができる。
【0066】
上述した実施例において、制御部は、パルス幅変調(pulse width modulation)方式に基づいて各ヒーター161、162を制御できるが、制御方式がこれに限定されるものではない。
【0067】
一方、パルス幅変調方式で各ヒーター161、162を制御する場合、各ヒーター161、162のオンデューティ(on-duty)区間(すなわち、ヒーターのPWM制御信号のオンデューティ区間)が重なる場合が発生することができる。例えば、各ヒーター161、162を互いに異なる目標温度に基づいて制御する場合、各ヒーター161、162のデューティ比(duty ratio)またはデューティサイクル(duty cycle)が変わるに従ってオンデューティ区間が重なったり、デューティ比の合計が臨界値(e.g.100%)を超過する場合が発生することができるが、このような場合、瞬間的に過電流が流れてバッテリーに悪影響を与える恐れがある。この問題を防止するために、制御部は、ヒーター161、162のデューティ比の合計が臨界値未満であり、オンデューティ区間が重なる場合、オンデューティ区間が重ならないようにヒーター161、162のオンデューティ区間の位相を調整することができる。また、制御部は、デューティ比の合計が臨界値を超過する場合、特定ヒーター161、162のデューティ比を減少させることができる。この際、デューティ比が減少するに従って、特定ヒーター161、162に供給される電力が減少し得るが、これを補償するために、制御部は、昇圧型DC-DCコンバータを用いて減少した分だけの電力が特定ヒーター161、162に追加供給されるようにすることができる。
【0068】
以上、
図1~
図8を参照して本開示のいくつかの実施例によるエアロゾル発生装置10について説明した。上述したところによれば、カバー14が閉まるとき、エアロゾル発生基材部分21が圧着されることによってエアロゾル発生基材の部位別の温度差異が最小化され、速やかに目標温度まで加熱され得る。これにより、エアロゾル発生装置10の予熱時間が短縮され、初期の喫味および霧化量不足現象も改善され得る。また、圧着されたエアロゾル発生基材部分21を両面で加熱するヒーター構造を採用することによって、エアロゾル発生装置10の予熱時間がさらに短縮され得る。また、カバー14と機械的に連動した抽出器17がカバーの開放時にエアロゾル発生物品2を押し出すように作動することによって、挿入されたエアロゾル発生物品2が容易に除去され得る。
【0069】
以下では、
図9~
図11を参照して以上で説明した本開示の多様な実施例が適用され得る多様な類型のエアロゾル発生装置100-1~100-3について紹介することとする。
【0070】
図9~
図11は、エアロゾル発生装置100-1~100-3を示す例示的なブロック図である。ヒーター140は、
図2に例示されたヒーター16に対応することができる。
【0071】
図9は、巻きタバコ型エアロゾル発生装置100-1を例示しており、
図10および
図11は、液状と巻きタバコを共に利用するハイブリッド型エアロゾル発生装置100-2、100-3を例示している。以下、各エアロゾル発生装置100-1~100-3について説明することとする。
【0072】
図9に示されたように、エアロゾル発生装置100-1は、ヒーター140、バッテリー130および制御部120を含むことができる。ただし、これは、本開示の目的を達成するための好ましい実施例に過ぎず、必要に応じて一部の構成要素が追加されたり省略され得ることはもちろんである。また、
図9に示されたエアロゾル発生装置100-1のそれぞれの構成要素は、機能的に区分される機能要素を示すものであって、複数の構成要素が実際物理的環境では互いに統合される形態で具現されたり、単一の構成要素が複数の細部機能要素に分離される形態で具現されることもできる。以下、エアロゾル発生装置100-1の各構成要素について説明することとする。
【0073】
ヒーター140は、巻きタバコ150の周辺に配置されて巻きタバコ150を加熱することができる。巻きタバコ150は、固体エアロゾル発生基材を含み、加熱されるに従ってエアロゾルを発生させることができる。発生したエアロゾルは、ユーザの口部を通じて吸入され得る。ヒーター140は、例えば電気抵抗性ヒーターでありうるが、これに限定されるものではない。ヒーター140またはヒーター140の加熱温度は、制御部120により制御され得る。
【0074】
前述したように、ヒーター140は、圧着された巻きタバコ150を両面で加熱する構造を有することができ、これを通じてエアロゾル発生装置100-1の予熱時間が大きく短縮され得る。
【0075】
次に、バッテリー130は、エアロゾル発生装置100-1が動作するのに利用される電力を供給することができる。例えば、バッテリー130は、ヒーター140が巻きタバコ150に含まれたエアロゾル発生基材を加熱することができるように電力を供給することができ、制御部120が動作するのに必要な電力を供給することができる。
【0076】
また、バッテリー130は、エアロゾル発生装置100-1に設置されたディスプレイ(不図示)、センサー(不図示)、モーター(不図示)等の電気的構成要素が動作するのに必要な電力を供給することができる。
【0077】
次に、制御部120は、エアロゾル発生装置100-1の動作を全般的に制御することができる。例えば、制御部120は、ヒーター140およびバッテリー130の動作を制御することができ、エアロゾル発生装置100-1に含まれた他の構成要素の動作も制御することができる。制御部120は、バッテリー130が供給する電力、ヒーター140の加熱温度等を制御することができる。また、制御部120は、エアロゾル発生装置100-1の構成それぞれの状態を確認して、エアロゾル発生装置100-1が動作可能な状態であるか否かを判断することもできる。
【0078】
制御部120は、少なくとも1つのプロセッサ(processor)により具現され得る。前記プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイで具現されることもでき、汎用的なマイクロプロセッサと、このマイクロプロセッサで実行され得るプログラムが保存されたメモリーの組み合わせで具現されることもできる。また、本開示の属する技術分野における通常の知識を有する者なら、制御部120が他の形態のハードウェアで具現されることもできることを自明に理解することができる。
【0079】
以下では、
図10および
図11を参照してハイブリッド型エアロゾル発生装置100-2、100-3について簡略に説明することとする。
【0080】
図10は、蒸気化器1と巻きタバコ150が並列に配置されたエアロゾル発生装置100-2を例示しており、
図11は、蒸気化器1と巻きタバコ150が直列に配置されたエアロゾル発生装置100-3を例示している。しかしながら、エアロゾル生成装置の内部構造は、
図10および
図11に例示されたものに限定されるものではなく、設計方式によって構成要素の配置は変更され得る。
【0081】
図10および
図11で、蒸気化器1は、液状のエアロゾル発生基材を貯蔵する液状貯蔵槽と、エアロゾル発生基材を吸収するウィク(wick)と、吸収されたエアロゾル発生基材を加熱してエアロゾルを発生させる加熱要素と、を含むことができる。蒸気化器1で発生したエアロゾルは、巻きタバコ150を通過してユーザの口部を通じて吸入され得る。蒸気化器1の加熱要素も、制御部120により制御され得る。
【0082】
以上、
図9~
図11を参照して例示的なエアロゾル発生装置100-1~100-3について説明した。
【0083】
以上で、本開示の実施例を構成するすべての構成要素が1つで結合されたり、結合されて動作するものと説明されたといって、本開示の技術的思想が必ずこのような実施例に限定されるわけではない。すなわち、本開示の目的範囲内で、すべての構成要素が1つ以上で選択的に結合して動作することもできる。
【0084】
以上、添付の図面を参照して本開示の実施例を説明したが、本開示の属する技術分野における通常の知識を有する者は、その技術的思想や必須の特徴を変更することなく、本開示が他の具体的な形態で実施され得ることを理解することができる。したがって、以上で記述した実施例は、すべての面において例示的なものであり、限定的なものでないことを理解しなければならない。本開示の保護範囲は、下記の請求範囲により解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にあるすべての技術思想は、本開示により定義される技術的思想の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
[項目1]
エアロゾル発生基材が含まれたエアロゾル発生物品が挿入される物品挿入部を含み、一面に開口部が形成されたケースと、
上記ケースの上記一面に位置して上記開口部に対する開閉機能を提供し、且つ、上記開口部を閉鎖するにつれて、上記挿入されたエアロゾル発生物品のエアロゾル発生基材部分を機械的に圧着するように構成された開閉型カバーと、
上記挿入されたエアロゾル発生物品を加熱するヒーターと、を含む、エアロゾル発生装置。
[項目2]
上記ヒーターは、上記圧着されたエアロゾル発生基材部分の一面を加熱する第1ヒーターと、上記一面の反対面を加熱する第2ヒーターと、を含む、項目1に記載のエアロゾル発生装置。
[項目3]
上記ヒーターを制御する制御部をさらに含み、
上記制御部は、上記第1ヒーターおよび上記第2ヒーターを独立して制御する、項目2に記載のエアロゾル発生装置。
[項目4]
上記挿入されたエアロゾル発生物品を挿入方向の反対方向に押し出すように構成された抽出器をさらに含む、項目1から3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
[項目5]
上記抽出器は、
上記開閉型カバーと連動して作動し、
上記開閉型カバーが上記開口部を開放するにつれて、上記挿入されたエアロゾル発生物品を押し出すように作動する、項目4に記載のエアロゾル発生装置。
[項目6]
上記開閉型カバーは、
回転運動により上記開口部を開放し、
上記回転運動を直線運動に変換する連動部材により上記抽出器と機械的に連動し、
上記抽出器は、
上記直線運動により上記挿入されたエアロゾル発生物品を押し出すように機械的に作動する、項目5に記載のエアロゾル発生装置。
[項目7]
上記エアロゾル発生物品は、円筒形の形状を有し、
上記開閉型カバーは、上記エアロゾル発生物品の直径の10%~50%の範囲で上記エアロゾル発生基材部分を圧着させる、項目1から6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
[項目8]
上記圧着されたエアロゾル発生基材部分は、平たい形状を有する、項目1から7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
[項目9]
上記圧着されたエアロゾル発生基材部分は、傾斜した形状を有する、項目1から8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
[項目10]
エアロゾル発生基材が含まれたエアロゾル発生物品が挿入される物品挿入部を含み、一面に開口部が形成されたケースと、
上記ケースの上記一面に位置して上記開口部に対する開閉機能を提供する開閉型カバーと、
上記開閉型カバーが上記開口部を開放するにつれて、上記挿入されたエアロゾル発生物品を挿入方向の反対方向に押し出すように構成された抽出器と、
上記挿入されたエアロゾル発生物品を加熱するヒーターと、を含む、エアロゾル発生装置。
[項目11]
上記開閉型カバーは、上記開口部を閉鎖するにつれて、上記挿入されたエアロゾル発生物品のエアロゾル発生基材部分を機械的に圧着するように構成される、項目10に記載のエアロゾル発生装置。
[項目12]
上記開閉型カバーは、
回転運動により上記開口部を開放し、
上記回転運動を直線運動に変換する連動部材により上記抽出器と機械的に連動し、
上記抽出器は、
上記直線運動により上記挿入されたエアロゾル発生物品を押し出すように機械的に作動する、項目10または11に記載のエアロゾル発生装置。