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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】補助五徳
(51)【国際特許分類】
   F24C 15/10 20060101AFI20230704BHJP
【FI】
F24C15/10 V
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019014927
(22)【出願日】2019-01-31
(65)【公開番号】P2020122618
(43)【公開日】2020-08-13
【審査請求日】2022-01-21
(73)【特許権者】
【識別番号】301028071
【氏名又は名称】阪和ホーロー株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】502394221
【氏名又は名称】幸和金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085316
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 三雄
(72)【発明者】
【氏名】立川 功
(72)【発明者】
【氏名】高野 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】杉本 尚郎
(72)【発明者】
【氏名】大屋 準一
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3201501(JP,U)
【文献】特開2002-022187(JP,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2009-0010892(KR,U)
【文献】国際公開第2009/027411(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 15/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トッププレートに配設されたコンロバーナを備え、前記コンロバーナの周囲の前記トッププレート上に配設される五徳を備えたガスコンロであって、前記五徳が五徳爪と五徳爪の基端部が止着される五徳枠とから構成されており、前記五徳爪が、上方に延びる立ち上がり部と、立ち上がり部の上端から、平面視におけるコンロバーナの中心に向けて水平方向に延びる横引き部とを備える形態に構成されたガスコンロと共に用いられる補助五徳において、
当該補助五徳が、1つの直線上に配設されない3本以上の前記横引き部を含む前記横引き部に被嵌する位置決め部を備え、
前記位置決め部は、前記横引き部の側方に位置し、前記横引き部との水平方向の相対的な移動を規制する一対の規制壁を備え、
前記位置決め部の先端は、平面視において、前記規制壁が径方向外側に延出することにより、中心方向に向かって凹形状に形成されてなり、
前記五徳における平面視におけるコンロバーナの前記中心に向けて配設される前記横引き部の先端部より前記中心側に位置する補助載置部を備えることを特徴とするガスコンロと共に用いられる補助五徳。
【請求項2】
調理容器の底部に当接して、前記調理容器の底部の温度を検出する温度検出器が、平面視におけるコンロバーナの前記中心に配設されたガスコンロと共に用いられる補助五徳において、平面視における前記補助載置部の中心に、前記温度検出器が挿通可能な挿通孔を備えることを特徴とする請求項1に記載のガスコンロと共に用いられる補助五徳。
【請求項3】
前記位置決め部が、4本以上の前記横引き部に被嵌するように構成されると共に、前記横引き部の側方に位置し、前記横引き部との水平方向の相対的な移動を規制する一対の規制壁を備え、
前記4本以上の前記横引き部に被嵌する前記位置決め部のうちの所定の3本の前記横引き部に被嵌する前記位置決め部の前記一対の規制壁の離間距離が、前記所定の3本の前記横引き部に被嵌する前記位置決め部を除く前記位置決め部の前記一対の規制壁の離間距離がより狭く構成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガスコンロと共に用いられる補助五徳。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、五徳を具備するガスコンロと共に用いられる補助五徳に関する。
【背景技術】
【0002】
円環状のコンロバーナを備え、このコンロバーナの周囲に配設される五徳を備えたガスコンロが知られている。(例えば、特許文献1)
【0003】
特許文献1に記載のガスコンロでは、五徳が、五徳爪と五徳爪の基端部が止着される五徳枠とから構成されている。
【0004】
そして、五徳爪は、上方に延びる立ち上がり部と、立ち上がり部の上端から、平面視におけるコンロバーナの中心に向けて水平方向に延びる横引き部とを備える形態に構成されている。
【0005】
ガスコンロにて加熱される調理容器は、複数の五徳爪の横引き部に亘って、横引き部上に載置され、調理容器が、五徳によって安定して支持される。
【0006】
なお、特許文献1の図15には、平面視における調理容器の外径が、複数の五徳爪の先端部により囲繞された領域の外径より小さく、調理容器が、五徳上ではなく、五徳爪51の先端により囲繞された領域に嵌り込んだ状態が例示されている。
【0007】
この場合、平面視における調理容器の外径が、複数の五徳爪の先端部により囲繞された領域の外径より小さく、調理容器が、五徳上ではなく、五徳爪の先端により囲繞された領域に嵌り込んだ状態で、調理容器が安定して保持されるのであれば、特に問題は生じないと考えられる。
【0008】
しかしながら、調理容器の一部が、五徳爪の横引き部の先端状に位置した場合などには、調理容器が傾いてしまい、調理容器が安定して保持されないという不都合が生じることになり、改善が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2017-180868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、平面視における調理容器の外径が、複数の五徳爪の先端部により囲繞された領域の外径より小さい場合であっても、調理容器が傾いてしまうことが抑制され、調理容器が安定して保持されるように構成された、五徳を具備するガスコンロと共に用いられる補助五徳を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本願発明によるガスコンロと共に用いられる補助五徳は、トッププレートに配設されたコンロバーナを備え、前記コンロバーナの周囲の前記トッププレート上に配設される五徳を備えたガスコンロであって、前記五徳が五徳爪と五徳爪の基端部が止着される五徳枠とから構成されており、前記五徳爪が、上方に延びる立ち上がり部と、立ち上がり部の上端から、平面視におけるコンロバーナの中心に向けて水平方向に延びる横引き部とを備える形態に構成されたガスコンロと共に用いられる補助五徳において、当該補助五徳が、1つの直線上に配設されない3本以上の前記横引き部を含む前記横引き部に被嵌する位置決め部を備え、前記五徳における平面視におけるコンロバーナの前記中心に向けて配設される前記横引き部の先端部により前記中心側に位置する補助載置部を備える点を特徴とする。
【0012】
また、調理容器の底部に当接して、前記調理容器の底部の温度を検出する温度検出器が、前記補助載置部における平面視におけるコンロバーナの前記中心に配設されたガスコンロと共に用いられる補助五徳において、平面視における前記補助載置部の中心に、前記温度検出器が挿通可能な挿通孔を備えることが好ましい。
【0013】
本願発明によるガスコンロと共に用いられる補助五徳は、上記のように構成されているので、平面視における調理容器の外径が、複数の五徳爪の先端部により囲繞された領域の外径より小さい場合であっても、調理容器が傾いてしまうことが抑制され、調理容器が安定して保持されるように構成された、五徳を具備するガスコンロと共に用いられる補助五徳とすることができる。
【0014】
また、調理容器の底部に当接して、調理容器の底部の温度を検出する温度検出器が、補助載置部における平面視におけるコンロバーナの中心に配設されたガスコンロと共に用いられる補助五徳において、平面視における前記補助載置部の中心に、温度検出器が挿通可能な挿通孔を備えるように構成した場合、調理容器の底部の温度を検出する温度検出器が補助載置部と当接してしまうことが抑制され、温度検出器による調理容器の底部の温度の検出が適正に行うことが可能となる。
【0015】
また、前記位置決め部が、4本以上の前記横引き部に被嵌するように構成されると共に、前記横引き部の側方に位置し、前記横引き部との水平方向の相対的な移動を規制する一対の規制壁を備え、前記4本以上の前記横引き部に被嵌する前記位置決め部のうちの所定の3本の前記横引き部に被嵌する前記位置決め部の前記一対の規制壁の離間距離が、前記所定の3本の前記横引き部に被嵌する前記位置決め部を除く前記位置決め部の前記一対の規制壁の離間距離がより狭く構成されることが好ましい。
【0016】
このように構成した場合、所定の3本の横引き部に被嵌する位置決め部の一対の規制壁によって3本の横引き部を挟み込んで、五徳と補助五徳とが位置決めされることになり、4本以上の横引き部に被嵌する位置決め部の一対の規制壁によって4本以上の横引き部を挟み込んで、水平方向に位置決めされる場合と比較して、五徳と補助五徳との位置決めを容易に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によって、平面視における調理容器の外径が、複数の五徳爪の先端部により囲繞された領域の外径より小さい場合であっても、調理容器が傾いてしまうことが抑制され、調理容器が安定して保持されるように構成された、五徳を具備するガスコンロと共に用いられる補助五徳とすることができる。
【0018】
また、調理容器の底部に当接して、調理容器の底部の温度を検出する温度検出器が、平面視におけるコンロバーナの中心に配設されたガスコンロと共に用いられる補助五徳において、調理容器の底部の温度を検出する温度検出器が補助載置部と当接してしまうことが抑制され、温度検出器による調理容器の底部の温度の検出が適正に行うことが可能となる。
【0019】
また、五徳と補助五徳との位置決めを容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の補助五徳が用いられるガスコンロのトッププレートから上の部分を示し、(a)は斜め上方より見た斜視図であり、(b)は平面図である。
図2】本発明の補助五徳が用いられるガスコンロに具備する五徳を示し、(a)斜め上方より見た斜視図、(b)平面図である。
図3】本発明の補助五徳の底面図である。
図4】本発明の補助五徳の側断面図である。
図5】本発明の補助五徳が用いられるガスコンロに具備する五徳上に、本発明の補助五徳を載置した状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0022】
本発明による補助五徳05が用いられるガスコンロは、コンロバーナ11を備え、コンロバーナ11は、トッププレート01に配設されている。(図1参照。)
【0023】
コンロバーナ11の周囲の前記トッププレート01上には五徳04が載置される。(図1参照。)
【0024】
なお、五徳04は、五徳爪42と五徳爪42の基端部42kが止着される五徳枠41とから構成されている。(図2参照。)
【0025】
また、五徳爪42は、上方に延びる立ち上がり部42tと、立ち上がり部42tの上端から、平面視におけるコンロバーナ11の中心に向けて水平方向に延びる横引き部42yとを備える形態に構成されている。(図2参照。)
【0026】
そして、補助五徳05は、1つの直線上に配設されない3本以上の横引き部42yを含む横引き部42yに被嵌する位置決め部51を備えている。(図3図4図5参照。)
なお、本実施形態では、6本の横引き部42yに被嵌する位置決め部51を備えている。
【0027】
なお、ガスコンロにおいては一般的に五徳爪42にはコンロバーナ11に形成される火炎による加熱が軽減されるように、コンロバーナ11に設けられる炎孔の位置や炎孔からの燃料ガスの噴出量が設定されている場合が多く、位置決め部51は、コンロバーナ11に形成される火炎による加熱が軽減されることになる。
【0028】
また、五徳04における平面視におけるコンロバーナ11の平面視中心に向けて配設される前記横引き部の先端部よりコンロバーナ11の平面視中心側に位置する補助載置部06を備える。(図3図4図6参照。)
【0029】
補助五徳05はこのように構成されており、平面視における調理容器の外径が、複数の五徳爪の先端部により囲繞された領域の外径より小さい場合であっても、調理容器が傾いてしまうことが抑制され、調理容器が安定して保持されるようにすることが可能となる。
【0030】
なお、本実施形態においては、調理容器の底部に当接して、前記調理容器の底部の温度を検出する温度検出器が、平面視におけるコンロバーナ11の中心に配設されたガスコンロと共に用いられる場合を想定して、補助五徳05において、平面視における補助載置部06の中心に、上記温度検出器が挿通可能な挿通孔61を備える。本実施形態では、挿通孔61として直径30mmの孔を設けてある。
【0031】
本実施形態においては、このように構成されているので、調理容器の底部に当接して、調理容器の底部の温度を検出する温度検出器が、平面視におけるコンロバーナの中心に配設されたガスコンロと共に用いられる場合に、6か所の位置決め部51が、6本の横引き部42yに被嵌することで、温度検出器に対して挿通孔61が水平方向にずれてしまうことが確実に防止されるため、調理容器の底部の温度を検出する温度検出器が補助載置部と当接してしまうことが抑制され、温度検出器による調理容器の底部の温度の検出が適正に行うことが可能となる。
【0032】
なお、本実施形態においては、位置決め部51が、4本以上の横引き部42yに被嵌するように構成されており、横引き部42yの側方に位置し、横引き部42yとの水平方向の相対的な移動を規制する一対の規制壁51sを備え、4本以上の横引き部42yに被嵌する位置決め部51のうちの所定の3本の横引き部に被嵌する位置決め部51の一対の規制壁51sの離間距離L1が、所定の3本の横引き部42yに被嵌する位置決め部51を除く位置決め部51の一対の規制壁51sの離間距離L2がより狭く構成されている。
【0033】
このように構成することで、実質的に、所定の3本の横引き部42yに被嵌する位置決め部51の一対の規制壁51sによって五徳04と補助五徳05との水平方向の位置決めが行えることになり、4本以上の横引き部42yに被嵌する位置決め部51の一対の規制壁51s全てによって4本以上の横引き部42yを挟み込んで、水平方向に位置決めされる場合と比較して、五徳04と補助五徳05との位置決めを容易に行うことが可能となる。
【0034】
また、本実施形態においては、補助五徳05の位置決め部51を五徳爪42の横引き部42yに被嵌した状態で、横引き部42yが補助五徳05の上方から視認可能に構成してある。(図5参照。)
【0035】
補助五徳05の位置決め部51を五徳爪42の横引き部42yに被嵌した状態で、横引き部42yが補助五徳05の上方から視認可能となるように構成することとで、補助五徳05の位置決め部51を五徳爪42の横引き部42yに被嵌することを適正に、しかも、容易に行えるものとなっている。
【0036】
なお、補助五徳05は、耐熱ホーローによってコーティングされており、良好な外観を有する。
【0037】
なお、発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において種々の変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0038】
01 トッププレート
11 コンロバーナ
04 五徳
41 五徳枠
42 五徳爪
42k 基端部
42t 立ち上がり部
42y 横引き部
05 補助五徳
51 位置決め部
51s 側壁
06 補助載置部
61 挿通孔
L1 離間距離
図1
図2
図3
図4
図5