IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • -足場における楔緊結装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】足場における楔緊結装置
(51)【国際特許分類】
   E04G 7/32 20060101AFI20230704BHJP
   F16B 7/04 20060101ALI20230704BHJP
【FI】
E04G7/32 A
F16B7/04 301J
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022118589
(22)【出願日】2022-07-26
(62)【分割の表示】P 2018143211の分割
【原出願日】2018-07-31
(65)【公開番号】P2022160513
(43)【公開日】2022-10-19
【審査請求日】2022-07-26
(73)【特許権者】
【識別番号】315019894
【氏名又は名称】株式会社杉孝グループホールディングス
(73)【特許権者】
【識別番号】000101662
【氏名又は名称】アルインコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077791
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 収二
(72)【発明者】
【氏名】川久 亮裕
(72)【発明者】
【氏名】嶋岡 大介
【審査官】沖原 有里奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-150751(JP,A)
【文献】特開2001-055830(JP,A)
【文献】特開2008-280743(JP,A)
【文献】特開2011-140769(JP,A)
【文献】実開平6-24134(JP,U)
【文献】実開平6-018556(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 7/30-7/34
E04G 1/14
F16B 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱に固設されたフランジと連結部材に固設された顎金具を連結する緊結装置であり、
顎金具の上顎部と下顎部の間に形成された受入部にフランジを進入させた状態で、上下顎部の挿通孔とフランジの緊結孔に挿通された楔部材を打ち込んで緊結位置まで下動させ、該楔部材の楔部を緊結孔の接支縁部と挿通孔の受縁部の間に圧入することにより、顎金具の先端の当接部を支柱に当接させる構成において、
受入部(20)に対するフランジ(13)の進入を妨げないように楔部材(16)を受入部の上方に退避させた位置を退避位置(P0)として、楔部材を該退避位置で保持する弾発保持部(30)を備えたスプリング手段(26)を設けており、
前記スプリング手段(26)は、楔部材(16)の背部に向けて延びるアーム部(29)の先端部に固着した保持金具(33)により、楔部材の背部に弾接する押動部(34)と、該押動部(34)から楔部材の両側面に延びる保持片(35,35)を形成し、
前記押動部(34)により楔部材を弾発付勢して前記受縁部(21a)に弾接させた状態で、楔部材の自重による下降は阻止するが、外力による楔部材の上下動は許すように構成して成ることを特徴とする足場における楔緊結装置。
【請求項2】
前記保持金具(33)は、上顎部(18)の挿通孔(21)の内部に配置されて成ることを特徴とする請求項1に記載の足場における楔緊結装置。
【請求項3】
退避位置(P0)に位置する楔部材の側面に前記保持金具の保持片(35)に臨む突起(25a)が設けられた構成において、
前記保持片(35)は、楔部材が持ち上げられて退避位置(P0)に位置したとき、前記突起(25a)に当接して受止める受止め部(35a)を設けており、
突起を受止め部に当接した状態で退避位置(P0)に保持された楔部材の下端から前記受入部(20)の下面までの距離Lとフランジ(13)の厚さTをL>Tとするように構成されて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の足場における楔緊結装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮設足場等の足場において使用される楔緊結装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、構築と解体を行う仮設足場において、楔緊結装置が提供されている。例えば、図1に示すように、支柱1と横架材等の連結部材2を着脱自在に連結するための装置として、支柱1の長手方向に間隔をあけて固設したフランジ3に設けた緊結孔4に対して、連結部材2の端部に固設した顎金具5を楔部材6により緊結するように構成した楔緊結装置が公知である。
【0003】
顎金具5は、上下顎部5a、5bの間に受入部9形成すると共に、上下顎部5a、5bにそれぞれ上側の挿通孔7と下側の挿通孔8を設けており、受入部9にフランジ3を進入させたとき、フランジの緊結孔4と上下顎部の挿通孔7、8を上下方向に連通させるように形成されている。
【0004】
楔部材6は、前記の各孔に挿通自在な厚さの盤状体より形成され、腹部6aと背部6bの間の幅寸法を下方に向けて次第に幅狭とするように形成されている。
【0005】
そこで、楔部材6を上から下に向けて上顎5aの挿通孔7とフランジ3の緊結孔4と下顎5bの挿通孔8に挿通させた状態で、ハンマー等により殴打して下動させると、楔部材6が緊結孔4の接支縁部4aと挿通孔7、8の受縁部7a、8aの間に圧入され、接支縁部4aと受縁部7a、8aの間隔を押し広げながら、顎金具5を押動させることにより、上下顎部5a、5bの先端部を支柱の表面に圧接状態で当接する。これにより、フランジ3と楔部材6と顎部材5と支柱1の相互間における緊結状態が得られる。
【0006】
そして、この緊結状態において、下顎5bの挿通孔8から挿出された楔部材6の下端部をハンマー等により殴打して上動させると、緊結状態が解除される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2018-71196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の緊結作業を行うためには、先ず、顎金具5をフランジ3の側方に臨ませた状態からフランジ3に向けて横方向に移動させ、受入部9にフランジ3を進入させることが必要である。このとき、楔部材6が受入部9の内部に位置している場合は、フランジ3を受入部9に進入させることができない。このため、図1(A)に示すように、作業者の指先等で楔部材6を退避位置P0に持ち上げることにより受入部9を開放状態とし、楔部材6を保持した状態で顎部材5をフランジ3に向けて横方向に移動させなければならない。
【0009】
受入部9にフランジ3を進入させ、楔部材6をフランジの緊結孔4に臨ませた状態で、指先等による保持から解放すれば、楔部材6は、自重で下降して待機位置P1で停止するので、引き続きハンマー等による殴打により、緊結位置P2まで下動させれば良い。
【0010】
足場の構築は、多数の個所において、緊結作業を行うことが必要である。顎金具5は連結部材2と一体化された重量物を構成しているので、これをフランジ3に臨むように位置決めして横方向に移動させることは重労働であり、しかも、その作業中、楔部材6を退避位置P0に持ち上げた状態で保持し続けなければならないことを求めるのは、作業者に酷である。
【0011】
足場の解体の場合も同様であり、緊結状態が解除された楔部材6を退避位置P0に持ち上げ、顎部材5の受入部9からフランジ3が抜き出されるまで、持ち上げ状態を保持する必要がある。
【0012】
このため、本発明は、顎金具の受入部にフランジを進入させる際、その進入が妨げられないように受入部の上方に退避させた楔部材をその退避位置で保持できるように構成すると共に、フランジを受入部に進入させた後は、保持された状態の楔部材を緊結位置まで下動可能とするように構成した楔緊結装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そこで、本発明が手段として構成したところは、支柱に固設されたフランジと連結部材に固設された顎金具を連結する緊結装置であり、顎金具の上顎部と下顎部の間に形成された受入部にフランジを進入させた状態で、上下顎部の挿通孔とフランジの緊結孔に挿通された楔部材を打ち込んで緊結位置まで下動させ、該楔部材の楔部を緊結孔の接支縁部と挿通孔の受縁部の間に圧入することにより、顎金具の先端の当接部を支柱に当接させる構成において、受入部に対するフランジの進入を妨げないように楔部材を受入部の上方に退避させた位置を退避位置として、楔部材を該退避位置で保持する弾発保持部を備えたスプリング手段を設けており、前記スプリング手段は、楔部材の背部に向けて延びるアーム部の先端部に固着した保持金具により、楔部材の背部に弾接する押動部と、該押動部から楔部材の両側面に延びる保持片を形成し、前記押動部により楔部材を弾発付勢して前記受縁部に弾接させた状態で、楔部材の自重による下降は阻止するが、外力による楔部材の上下動は許すように構成して成る点にある。
【0014】
この際、前記保持金具は、上顎部の挿通孔の内部に配置されていることが好ましい。
【0015】
好ましくは、退避位置に位置する楔部材の側面に前記保持金具の保持片に臨む突起が設けられた構成において、前記保持片は、楔部材が持ち上げられて退避位置に位置したとき、前記突起に当接して受止める受止め部を設けており、突起を受止め部に当接した状態で退避位置に保持された楔部材の下端から前記受入部の下面までの距離Lとフランジの厚さTをL>Tとするように構成されている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、顎金具15の受入部20にフランジ13を進入させる際、受入部20が開放されるように楔部材16を退避位置P0に退避させれば、楔部材16は、スプリング手段26の弾発保持部30により退避位置P0に保持されるので、受入部20にフランジ13を進入させる作業が容易となる。そして、スプリング手段26による弾発保持部30の保持力は、楔部材16の自重による下降は阻止するが、外力による楔部材16の上下動は許すように構成されているので、楔部材16を保持状態のままハンマーの殴打等により緊結位置P2まで下動させ、簡単容易に緊結状態を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】従来技術を示しており、(A)は顎金具の受入部にフランジを進入させた状態を示す断面図、(B)は楔部材を打ち込んだ後の緊結状態を示す断面図である。
図2】本発明の実施形態に関して、相互に離間させられた支柱のフランジと、楔部材を備えた連結部材の顎金具を分離させた状態を示す斜視図である。
図3】フランジを顎金具の受入部に進入させ、楔部材を打ち込むことにより緊結させた状態を示す斜視図である。
図4】(A)は楔部材を示す斜視図、(B)はスプリング手段を示す斜視図である。
図5】顎金具と楔部材とスプリング手段を示す斜視図である。
図6】楔部材を退避位置に保持した状態で、顎金具の受入部をフランジに臨ませた状態を示す断面図である。
図7】楔部材を退避位置に保持した状態で、顎金具の受入部にフランジを進入させた状態を示す断面図である。
図8】顎金具の受入部にフランジを進入させた状態で、楔部材を下動させた状態を示す断面図である。
図9】顎金具の受入部にフランジを進入させた状態で、楔部材を緊結位置まで下動させた緊結状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を詳述する。
【0019】
図2ないし図9は、本発明の実施形態に係る楔緊結装置を示している。
【0020】
(基本的構成)
先ず、「基本的構成」を説明する。図示のように、楔緊結装置は、例えば仮設足場における支柱11と横架材等の連結部材12を着脱自在に連結するための装置であり、支柱11の長手方向に間隔をあけて固設したフランジ13に設けた緊結孔14に対して、連結部材12の端部に固設した顎金具15を楔部材16により緊結するように構成されている。
【0021】
顎金具15は、連結部材12に固設される筒部17から上顎部18と下顎部19を延設することにより、上下顎部の間に受入部20を形成しており、上下顎部にそれぞれ上側の挿通孔21と下側の挿通孔22を設けており、受入部20にフランジ13を進入させたとき、フランジの緊結孔14と上下顎部の挿通孔21、22を上下方向に連通させるように形成されている。尚、上顎部18と下顎部19の先端には、支柱11の周面に沿う円弧面により形成された当接部18a、19aが設けられている。
【0022】
楔部材16は、前記の各孔21、14、22に挿通自在な厚さの盤状体より形成され、上下方向の中間部により楔部23を構成し、該楔部23の上下に頭部24と脚部25を設けており、前記楔部23は、腹部23aと背部23bの間の幅寸法を下方に向けて次第に幅狭とするように形成されている。この際、腹部23aは、支柱11の軸線に平行となるように形成され、これに対して背部23bが傾斜するように形成されている。前記頭部24と脚部25の側面には、それぞれ、例えばリベットの頭部により形成された突起24a、25aが設けられている。
【0023】
図9に基づいて後述するように、顎金具15の受入部20にフランジ13を進入させ、フランジの緊結孔14の上下に上下顎部18、19の挿通孔21、22を臨ませ、これらの孔に楔部材16を上から下に向けて挿通させた状態で、ハンマー等により殴打して下動させると、楔部材16が緊結孔14の接支縁部14aと挿通孔21、22の受縁部21a、22aの間に圧入され、接支縁部4aと受縁部21a、22aの間隔を押し広げながら、顎金具15を支柱11に向けて前進移動させることにより、上下顎部18、19の当接部18a、19aを支柱11の表面に圧接状態で当接させる。これにより、フランジ13と楔部材16と顎部材15と支柱11の相互間における緊結状態が得られる。
【0024】
そして、この緊結状態から、ハンマーによる殴打等により楔部材16を上動させると、緊結状態が解除される。
【0025】
以上の「基本的構成」は、上述した従来技術の構成と概ね同様である。このような構成において、本発明は、顎金具15にスプリング手段26を設けている。
【0026】
(スプリング手段の構成)
スプリング手段26は、板バネを折曲することにより形成されており、顎金具15の筒部17の内側底部17aに固定される固定部27と、該固定部27から折曲され起立する起立部28と、該起立部28から折曲され上側の挿通孔21に向けて延びるアーム部29を備え、該アーム部29の先端に弾発保持部30を設けている。
【0027】
前記固定部27と起立部28とアーム部29により略コ字形に折曲されたスプリング手段26は、固定部27を筒部17の内側底部17aにボルト・ナット等の固着具31で固着することにより、筒部17の内部空間(図例の場合は、筒部の内部と連結部材の内部にまたがる空間)に収納された状態で固定されている。
【0028】
前記弾発保持部30は、アーム部29の先端部にボルト・ナット等の固着具32で固着された保持金具33により構成されている。図4(B)に示すように、保持金具33は、楔部材16の背部に当接させられる押動部34から楔部材16の側面に延びる縦板状の保持片35、35を延設しており、保持片35、35の間に楔部材16を挿通するための通路33aを形成し、通路33aの前方側(後述するX1方向の側)を開放している。そして、保持片35の下縁には、切欠き凹状の受止め部35aを形成している。
【0029】
上述のようにスプリング手段26を筒部17の内部空間に装着した状態で、弾発保持部30を構成する保持金具33は、上側の挿通孔21の内部に位置させられる。図示のように、上顎部18は、フランジ13の上面に載置可能な座面18bを備えた下向きの膨隆部と共に挿通孔21を形成しているので、保持金具33は、座面18bと挿通孔21の上部開口との間に収納された状態で設置される。
【0030】
従って、スプリング手段26及び保持金具33は、顎金具15の外部に露出することなく内部に保護された状態で装着され、しかも、フランジ13の進入を受ける受入部20の内部でフランジに干渉することがないように装着されている。
【0031】
そして、図示実施形態の場合、上側の挿通孔21から支柱11の中心に向かう前向き方向X1と、その反対方向となる後向き方向X2に関して、スプリング手段26は、保持金具33の保持片35、35の間の通路33aに楔部材16を挿通させた状態で、押動部34を楔部材16の背部に弾接することにより、楔部材16を前向き方向X1に弾発付勢し、該挿通孔21の受縁部21aに弾接させることにより保持する前進スプリング手段26Aを構成している。
【0032】
(作用)
図6ないし図9は、実施形態に係る楔緊結装置により緊結を行うための方法と作用を示している。
【0033】
図6は、顎金具15をフランジ13の側方に臨ませた状態を示している。この際、楔部材16は、退避位置P0に持ち上げられた状態で、スプリング手段26により保持されている。
【0034】
スプリング手段26は、保持金具33の保持片35、35の間の通路33aに楔部材16を挿通させた状態で、押動部34を楔部材16の背部に弾接することにより前向き方向X1に弾発付勢しており、楔部材16は、腹部を上側の挿通孔21の受縁部21aに弾接した状態で保持されている。
【0035】
スプリング手段26による保持金具33の弾発保持力は、楔部材16の自重による下降は阻止するが、外力による楔部材16の上下動は許すように構成されている。
【0036】
従って、保持された状態の楔部材16は、作業者が指先等で持ち上げることができ、その際、楔部材16の脚部25の突起25aが下方から保持金具33の受止め部35aに当接して受止められ、この位置が楔部材16の退避位置P0とされている。図示実施形態の場合、楔部材16は、脚部25の下端を受入部20の上面(座面18b)よりも受入部20の内部に突出させているが、該脚部25の下端から受入部20の下面(下顎部19の上面)までの距離Lは、フランジ13の厚さTよりも大きく、L>Tとするように設定されており、これによりフランジ13を受入部20に進入可能とするように構成している。
【0037】
このように、本発明において、楔部材16の退避位置P0とは、受入部20に対するフランジ13の進入を妨げないように上方に退避した楔部材16の位置のことであり、図6に示すように、フランジの進入を妨げない範囲で脚部25の下端が受入部20に進入している場合を含む意味であることを諒解されたい。
【0038】
そこで、図7に示すように、顎金具15をフランジ13の側方に臨ませた状態からフランジ13に向けて横方向に移動させると、フランジ13が受入部20に進入し、顎金具15の座面18bをフランジ13の上面に載置すると、楔部材16の脚部25の下端が緊結孔14に進入する。
【0039】
従って、顎金具15は、座面18bを載置することにより、フランジ13に位置決め状態で仮置きすることができる。この際、楔部材16の脚部25の下端が緊結孔14に進入させられ、座面18bがフランジ13から滑り落ちることを防止するので、安定した仮置き状態が可能となる。
【0040】
この状態から、楔部材16を下動すると、楔部材16は、図8に示す待機位置P1を経て、図9に示す緊結位置P2まで下降し、楔緊結を行う。楔部材16が下降するとき、図8に示すように、保持金具33は、楔部材16の背部23bにより押動され、スプリング手段26の弾性変形により後向き方向X2に後退する。
【0041】
楔部材16の下動は、退避位置P0に保持された楔部材16の頭部24をハンマーで殴打等することにより緊結位置P2まで下動させても良く、或いは、退避位置P0に保持された楔部材16を指先等で待機位置P1まで下降させ、その後に頭部24をハンマーで殴打等することにより緊結位置P2まで下動させても良い。
【0042】
退避位置P0から緊結位置P2まで下動させられる間、楔部材16は、スプリング手段26の保持金具33に弾発付勢された状態で所定姿勢を保持しており、ガタツキ等により傾くことはないので、ハンマーによる殴打を容易とする。
【0043】
図9に示すように、緊結位置P2まで下動させられた楔部材16は、楔部23を緊結孔14の接支縁部14aと挿通孔21、22の受縁部21a、22aの間に圧入することにより、顎金具15の当接部18a、19aを支柱11の表面に圧接状態で当接する。これにより、フランジ13と楔部材16と顎金具15と支柱11の相互における緊結状態が形成される。
【0044】
尚、足場の解体等に際しては、脚部25の下端をハンマー等により殴打して楔部材16を上動させれば、緊結状態を解除することができる。
【符号の説明】
【0045】
11 支柱
12 連結部材
13 フランジ
14 緊結孔
14a 接支縁部
15 顎金具
16 楔部材
17 筒部
17a 内側底部
18 上顎部
18a 当接部
18b 座面
19 下顎部
19a 当接部
20 受入部
21 上側の挿通孔
21a 受縁部
22 下側の挿通孔
22a 受縁部
23 楔部
23a 腹部
23b 背部
24 頭部
24a 突起
25 脚部
25a 突起
26 スプリング手段
26A 前進スプリング手段
27 固定部
28 起立部
29 アーム部
30 弾発保持部
31、32 固着具
33 保持金具
33a 通路
34 押動部
35 保持片
35a 受止め部
36 軸部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9