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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】防護柵
(51)【国際特許分類】
   E01F 15/08 20060101AFI20230704BHJP
【FI】
E01F15/08
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022180801
(22)【出願日】2022-11-11
(62)【分割の表示】P 2021069291の分割
【原出願日】2021-04-15
(65)【公開番号】P2023001348
(43)【公開日】2023-01-04
【審査請求日】2022-11-11
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1. 施工日: 令和2年4月22日 施工場所: 東名高速道路 大井松田IC~御殿場IC間(下り線) 施工者: 中日本高速道路株式会社及び株式会社丸治コンクリート工業所 2. 施工日: 令和2年8月25日 施工場所: 北陸自動車道 砺波C~小杉IC間(上り線) 施工者: 中日本高速道路株式会社及び株式会社丸治コンクリート工業所 3. 施工日: 令和2年12月4日 施工場所: 東名高速道路 清水IC~富士IC間(下り線) 施工者: 中日本高速道路株式会社及び株式会社丸治コンクリート工業所 4. 刊行物名: 製品説明用パンフレット 発行者名: 中日本高速道路株式会社及び株式会社丸治コンクリート工業所
(73)【特許権者】
【識別番号】505398952
【氏名又は名称】中日本高速道路株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】500573510
【氏名又は名称】株式会社丸治コンクリート工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100129676
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼荒 新一
(72)【発明者】
【氏名】石田 篤徳
(72)【発明者】
【氏名】大嶽 秀暢
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-84484(JP,A)
【文献】特開2010-222865(JP,A)
【文献】特開2018-62830(JP,A)
【文献】特開2019-70242(JP,A)
【文献】意匠登録第1618857(JP,S)
【文献】特開平11-001913(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0217029(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 15/00-15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリートで作製された側面と端面とを有し、前記側面と前記端面との間に面取部を有する防護柵部と、
前記防護柵部の端面に設けられた連結具と、
を備え、
前記連結具は、鈎状に形成された鈎部を有し、連結される同様の連結具の鈎部を上下方向にスライドさせることによって、隙間が設けられるように嵌合可能であり、
衝突によって回転変位した際に露出される隣接する防護柵部の端面が面取部の水平方向の長さに対して120%以内となるように連結具同士の隙間が形成されていることを特徴とする防護柵。
【請求項2】
前記防護柵部の回転変位の量は、面取部の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の防護柵。
【請求項3】
前記防護柵部の前記面取部は、前記端面の長さと正面の長さとの比が1:n(nは1.0以上)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の防護柵。
【請求項4】
前記連結具の上端は、路面から35cm以下となるように設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の防護柵。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防護柵に関する。
【背景技術】
【0002】
道路工事等において一時的に車道と工事区域との境界を構成する場合等のように、一時的に路面上に境界を形成しなければならない場合がある。このような場合に、一般的には、あらかじめ防護柵として機能可能な防護柵を隣接設置することによって、簡易的に境界を布設する場合がある。
【0003】
例えば、本権利者らは、防護柵に固定される取付用固定部と、前記取付用固定部の他端側に鈎状に形成された鈎部と、を有している連結具が両端面に設けられているコンクリート製防護柵を提供している(特許文献1)。
【0004】
かかるコンクリート製防護柵によれば、境界を構築したい路面に、連結具を有するコンクリート製防護柵を設置し、設置されたコンクリート製防護柵に対して、隣接配置する予定のコンクリート製防護柵をクレーン等で吊り上げ、位置を確認しつつ、設置されたコンクリート製防護柵に隣接するように移動し、そのまま吊り下げられたコンクリート製防護柵を降下させていくと、自動的に連結具の鈎部が互いに嵌合する位置に修正されつつ連結される。このように、かかるコンクリート製防護柵は、非常に容易かつ迅速に連結具で連結して、境界を構成することができる。
【0005】
しかし、かかるコンクリート製防護柵は、吊り下げたコンクリート製防護柵を降下させることで嵌合させること、設置させる路面に勾配があった場合等にかかる勾配に沿ってコンクリート製防護柵を設置する必要があること等の理由から、連結された連結具同士には、ある程度の隙間があることが好ましい。しかしながら、このような連結具同士に隙間があると、コンクリート製防護柵は車両が衝突した場合のように側面から大きな力が加わった際に、連結具に設けた隙間分回転変位する可能性があった。このように回転変位した場合、隣接するコンクリート製防護柵との境界で端面がずれて、一方のコンクリート製防護柵の端面がコンクリート製防護柵の側面から出っ張ることになる。この出っ張った端面に車両が衝突すると非常に大きな衝撃となる可能性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2020-84484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、車両等が防護柵に衝突した場合に、衝突された衝撃により防護柵が変位した場合であっても、隣接する防護柵の端面によって車両に与える衝撃を低減することができる防護柵を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
【0009】
本発明にかかる防護柵は、
コンクリートで作製された側面と端面とを有し、前記側面と前記端面との間に面取部を有する防護柵部と、
前記防護柵部の端面に設けられた連結具と、
を備え、
前記連結具は、鈎状に形成された鈎部を有し、連結される同様の連結具の鈎部を上下方向にスライドさせることによって、隙間が設けられるように嵌合可能であり、
衝突によって回転変位した際に露出される隣接する防護柵部の端面が面取部の水平方向に対して120%以内となるように連結具同士の隙間が形成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明にかかる防護柵は、車両等の衝突時には、防護柵部が回転変位することがある。この回転変位によって、防護柵部の端面が隣接する防護柵部の側面から露出する。この際に、変位によって露出する部分が、変位による水平方向のズレに対して120%以内となるように連結具と連結具の隙間によって規制されている。そのため、車両が側面に衝突して側面に沿って移動した場合であっても、防護柵部の端面に衝突することなく、面取部に沿って移動することで衝撃を低減することができる。
【0011】
また、本発明にかかる防護柵において、前記防護柵部の回転変位の量は、面取部の範囲内であることを特徴とするものであってもよい。
【0012】
かかる構成を採用することによって、車両が防護柵の端面に衝突することを確実に防止することができるので、さらに、車両の衝突の衝撃を軽減することができる。
【0013】
さらに、本発明にかかる防護柵において、前記防護柵部の面取部は、前記端面の長さと正面の長さとの比が1:n(nは1.0以上)であることを特徴とするものであってもよい。
【0014】
かかる構成を採用することによって、面取部に車両が衝突する角度が小さくなるので、さらに、車両の衝突の衝撃を軽減することができる。
【0015】
さらに、本発明にかかる防護柵において、前記連結具の上端は、路面から35cm以下となるように設けられていることを特徴とするものであってもよい。
【0016】
フロリダ型や単スロープ型とよばれる防護柵では、下方側の幅が肉厚になり、上方側の幅が肉細になる、そのため連結具を上方に配置すると、肉細の部分に配置されることになるが、路面から35cm以下となるように取り付けることによって、肉厚の部分に配置することができるため、連結具の取付強度を高く保つことができる。さらに、地面の横断や縦断の勾配変化によるブロック相互のずれが下方の方が小さくなるので、連結具同士のクリアランスを小さくすることができる。また、防護柵の低い位置に衝突した場合においては、防護柵は、回転運動が起こるが、衝突時における荷重に対してより高い衝撃に耐えることができる。
【0017】
さらに、本発明にかかる防護柵において、前記防護柵部の前記面取部は、前記連結具の高さ方向の中央よりも高い位置に形成され、上方にいくほど面取部の面積が大きくなっていることを特徴とするものであってもよい。
【0018】
かかる構成を採用することによって、出っ張りの大きい部分(側面から露出する部分)が大きいほど、大きい面取部が形成されているため効率的に車両等の衝撃の低減を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、実施形態にかかる連結具20を有する防護柵100の斜視図である。
図2図2は、実施形態にかかる連結具20の上面側の斜視図である。
図3図3は、実施形態にかかる連結具20の下面側の斜視図である。
図4図4は、実施形態にかかる連結具20の連結状態を示す上面図である。
図5図5は、実施形態にかかる連結具20の別実施形態を示す斜視図である。
図6図6は、実施形態にかかる防護柵100に車両が衝突した際の回転変位の状態を示す模式図である。
図7図7は、実施形態にかかる単スロープ型101、直壁型102タイプの防護柵100に車両が衝突した際の回転変位の状態を示す模式図である。
図8図8は、実施形態にかかる防護柵100を連結する方法を示す斜視図である。
図9図9は、実施形態にかかる防護柵100を連結した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態にかかる防護柵100について、図面に沿って詳細に説明する。以下に説明する実施形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。図1は、実施形態にかかる防護柵100の斜視図である。図2は、実施形態にかかる防護柵100の連結具20を示す図である。
【0021】
本発明にかかる防護柵100は、主としてコンクリート製の防護柵部10と、この防護柵部10の少なくとも一方の端面11に設けられる連結具20とを備えている。
【0022】
防護柵部10は、基本的には防護柵として機能させるための重量を確保するため、コンクリート製の壁面状に形成されているが、防護柵として機能すれば、樹脂製等その材料は限定するものではない。本実施形態においては、いわゆるプレキャスト型のコンクリートで作製され、土台底面側が厚く、上方側が薄く形成されたフロリダ型の防護柵を使用している。勿論、防護柵部10の形態は特に限定するものではなく、例えば、単スロープ型、直壁型、その他異型等であってもよい。
【0023】
また、本実施形態にかかる防護柵部10は、図1に示すように、端面11に連結具20が取り付けられる。端面11の上下中央又は上下中央近傍が上端又は下端に対して突出して形成されている。かかる構成を採用することによって、隣接する防護柵100に連結する際に、上方から下降させた際に、防護柵部10の端面11の上辺又は下辺が衝突して欠損させる可能性を低減することができる。また、防護柵部10を下降させつつ嵌合させる場合にそれぞれの連結具20の位置を確認しやすくすることができる。
【0024】
防護柵部10の端面11には、後述する連結具20の位置決め用板部27が挿入される溝12が形成されている。この溝12は、位置決め用板部27よりも幅広に形成されており、下方に向かうにしたがって幅が狭くなるように形成されている。そのため、溝12に位置決め用板部27を挿入しやすく、挿入された後は溝12に沿って下方へ移動させるのに伴って連結具20の位置が修正されて、自動的に他方の連結具20と嵌合する位置に修正され、連結しやすくなる。
【0025】
連結具20は、図1に示すように、境界を構成する防護柵部10の一方又は両方の端面11に設けられており、この連結具20同士を連結することによって、隣接する防護柵100が連結して配置され、長い境界を形成することができる。
【0026】
連結具20は、図1に示すように、防護柵部10の端面11から外部へ突出して形成され、図2に示すように、隣接配置される連結具20と連結する機能を有する鈎部21を有している。鈎部21は、上面視でJ字状となるように折り返された鉤状に形成されている。鈎部21の上端22から内側面23にかけてテーパー状に形成された上端側スライド用斜面24が設けられている。また、鈎部21の下端25側も同様に、図3に示すように、下端25から内側面23にかけてテーパー状に形成された下端側スライド用斜面26が設けられている。この上端側スライド用斜面24及び下端側スライド用斜面26は、隣接配置される防護柵100を上方から降下させる場合に、連結具20同士が多少ずれていた場合であっても、この斜面を滑ることによって位置を修正させることができる。なお、上端側スライド用斜面24及び下端側スライド用斜面26は、必ずしも両方設ける必要はなく、いずれか一方であっても構わない。また、上端側スライド用斜面24及び下端側スライド用斜面26の角度は、同一の角度となるように設けるとよい。同一の角度となるように設けることによって、隣接配置される防護柵100を上方から降下させる場合に面で当接しやすくなり、連結具20の損傷を低減することができる。また、鈎部21は、防護柵100を連結する際に多少のカーブや傾斜した道路に設置したりすることができるように、図4に示すように、嵌合した場合に互いに隙間29が設けられるように形成される。この隙間29は、特に限定するものではないが、隣接配置される防護柵100が、道路に沿った方向(縦断方向)に対して互いに3%以上の勾配又は2°以上の角度を有して布設することができる程度の隙間を設けるとよい。横断方向に対しては、図6に示すように面取部15の水平方向の長さαの120%以内の長さを有する範囲(斜線を有する範囲)で回転変位が最大となるように隙間が設けられる。
【0027】
また、鈎部21の端面側には、立板状に延設された位置決め用板部27を設けても良い。位置決め用板部27は、鈎部21に対して垂直に取り付けられている。位置決め用板部27は、図1図4に示すように、防護柵部10側に形成された溝12に嵌め込まれる。このときにより嵌め込みやすいように、位置決め用板部27は、図2又は図3に示すように、角が曲面となるようにR加工が施されている。
【0028】
連結具20は、防護柵部10の端面11に取り付けられる。取り付け方法は、例えば、図5に示すように、連結具20に取付用孔28を設けて、防護柵100の端面11に対してボルト等を利用して外部から直接取り付けられるようにしてもよいし、防護柵部10を作製する際に、連結具20の一部を防護柵100内に埋設させて一体成形してもよい。要するに防護柵100に対して外れることがない程度の強度で取り付けることができる構成であれば、特に限定するものではない。
【0029】
こうして作製された連結具20は、防護柵部10の高さの半分の高さよりも下方の位置となるように設けられる。これより上方に設けると、車両等が衝突した際に、ねじりモーメントが大きくなり、連結具20の強度を大きくする必要があるからである。好ましくは、連結具20の上端22は、路面から35cm以下の高さとなるように設けるとよい。このような位置に設けることによって、フロリダ型や単スロープ型とよばれる防護柵100では、下方側の幅が肉厚になり、上方側の幅が肉細になるため、連結具を上方に配置すると、肉細の部分に配置されることになるが、路面から35cm以下となるように取り付けることによって、肉厚の部分に配置することができるため、連結具20の取付強度を高く保つことができる。さらに、地面の横断や縦断の勾配変化によるブロック相互のずれが下方の方が小さくなるので、連結具同士のクリアランスを小さくすることができる。また、防護柵100の低い位置に衝突した場合においては、防護柵100は、回転運動が起こるが、衝突時における荷重に対してより高い衝撃に耐えることができることが実験によって示されている。
【0030】
さらに、防護柵部10には、端面11と側面13との角部に面取部15が設けられている。面取部15は、本発明にかかる防護柵100は、連結具20によって互いに連結されていることから、防護柵部10の端面11と対向する防護柵部10の端面11との間に隙間が空いており、連結している部材は鈎部21のみであること、かつ、この鈎部21は、前述したように、嵌合した場合に互いに隙間29が形成されるように設けられることから、車両が衝突した際には防護柵部10は回転変位することになる。すなわち、図6に示すように、左側から車両が追突した場合には、鈎部21の隙間29分だけ、例えば、衝突された側と反対側の底面と側面の稜線を中心に、又は鈎部21を中心に防護柵部10a(実線の防護柵部)のように回転変位することになる。
【0031】
よって、車両衝突時に防護柵100の防護柵部10が回転変位すると、端面側から視認した場合に、図6に示すように、側面13が隣接する防護柵100の側面13とずれて、隣接する防護柵100の端面11が露出することになる。このまま側面13に衝突した車両が防護柵部10に沿って移動すると、防護柵部10の端面11に衝突することになり、非常に大きな衝撃が発生することになる。そこで、防護柵部10が最大に回転変位した防護柵部10の露出した部分は、すべての高さの位置で面取部15の水平方向の長さαの120%以内の長さを有する範囲(斜線を有する範囲)で回転変位が最大となるように連結具同士の隙間が設定される。120%としたのは、必ずしも100%でなくても、大きく衝撃を低減することができることが、実験により得られているからである。勿論、好ましくは、100%以内の範囲で回転変位するように設計されていることが好ましい。面取部15の範囲は、鈎部21の上下中央よりも上方の範囲で設けられ、図1に示すように、上方に行くほど面取部15の範囲が大きくなるような三角形となるように設けるとよい。また、面取部15は、面取部15がなかったとした場合の端面側の長さβと側面側の長さγとの比が1:n(nは1.0以上)であるように設けることが好ましい。かかる範囲に設けることで、長手方向に対して、車両が衝突する面取部15の側面13との角度θが45°以下となるので、車両が衝突した際の損傷を小さくすることができ、また、衝突後の走行復元もしやすくなるからである。なお、テーパーの位置は、連結具20の下面より上方に設けることが好ましい。なお、フロリダ型によって説明したが、図7に示すように、単スロープ型101、直壁型102であっても考え方は同様である。
【0032】
以上のように作製された連結具20及び連結具20を有する防護柵100は、以下のようにして設置される。まず、境界を構築したい路面に、連結具20を有する防護柵100を設置する。この際に、防護柵100と路面との間に滑り止め用のゴム板等からなる滑り止め板を配置してもよい。設置された防護柵100に対して、図8に示すように、隣接配置する予定の防護柵100aをクレーン等で吊り上げ、位置を確認しつつ、設置された防護柵100に隣接するように移動する。そして、連結具20の位置決め用板部27が防護柵部10の溝12内に挿入されるように吊り下げていく。これにより、吊り下げられた防護柵100aは、位置決め用板部27が溝12内を下降していくにしたがって位置が修正されていく。そのまま吊り下げられた防護柵100aを降下させていくと、自動的に連結具20の鈎部21が互いに嵌合する位置に修正される。この際に嵌合初期では、連結具20が互いに多少ずれていたとしても、鈎部21の上端22及び下端25から内側面23に向けてテーパー状に形成されている上端側スライド用斜面24及び下端側スライド用斜面26に沿って降下させていくことでスライドしつつ自然と連結具20が嵌合する位置に修正される。そのまま下降することで連結具20は、図9に示すように、嵌合され連結される。このように本実施形態にかかる防護柵100によれば、位置決め用板部27を溝12に沿って下降させるだけで、自然と位置が調整されるため、隣接配置された防護柵100を連結しやすい。また、連結された防護柵100は、連結具20及び位置決め用板部27と溝12によって互いに相対位置が固定されるため、例えば自動車等が防護柵100に衝突した場合であっても互いが外れる可能性を低減することができる。
【0033】
なお、本発明は上述した各実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0034】
上述した実施の形態で示すように、路面上に簡易の防護柵を作製する場合に産業上利用することができる。
【符号の説明】
【0035】
10…防護柵部、10a…防護柵部、11…端面、12…溝、13…側面、15…面取部、20…連結具、21…鈎部、22…上端、23…内側面、24…上端側スライド用斜面、25…下端、26…下端側スライド用斜面、27…位置決め用板部、28…取付用孔、29…隙間、100…防護柵、100a…防護柵



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9