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特許7306657衝撃又は摩擦からレンズを保護する閉位置を有する眼鏡フレーム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】衝撃又は摩擦からレンズを保護する閉位置を有する眼鏡フレーム
(51)【国際特許分類】
   G02C 5/08 20060101AFI20230704BHJP
【FI】
G02C5/08
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020219254
(22)【出願日】2020-12-28
(62)【分割の表示】P 2017546267の分割
【原出願日】2015-11-23
(65)【公開番号】P2021056534
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2021-01-27
(31)【優先権主張番号】102014902311600
(32)【優先日】2014-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(31)【優先権主張番号】102015902323302
(32)【優先日】2015-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(31)【優先権主張番号】102015902343511
(32)【優先日】2015-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】517181151
【氏名又は名称】パリアッチ ジャンフィリッポ
(73)【特許権者】
【識別番号】517181162
【氏名又は名称】ポンツェット ディエゴ
(73)【特許権者】
【識別番号】517181173
【氏名又は名称】ピッツート ジュゼッペ
(73)【特許権者】
【識別番号】517181184
【氏名又は名称】フマガリ ダリオ マリア
(73)【特許権者】
【識別番号】517181195
【氏名又は名称】シルヴェストリ ルカ
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パリアッチ ジャンフィリッポ
(72)【発明者】
【氏名】ポンツェット ディエゴ
(72)【発明者】
【氏名】ピッツート ジュゼッペ
(72)【発明者】
【氏名】フマガリ ダリオ マリア
(72)【発明者】
【氏名】シルヴェストリ ルカ
【審査官】吉川 陽吾
(56)【参考文献】
【文献】特公昭52-020270(JP,B2)
【文献】特開2011-133628(JP,A)
【文献】米国特許第06257720(US,B1)
【文献】米国特許第02537248(US,A)
【文献】中国実用新案第200983038(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントフレームを備えるタイプの眼鏡フレームであって、
前記フロントフレームにはヒンジによって2つのテンプル(4、5)が接続され、
前記ヒンジは、前記眼鏡フレームを着用するための、前記フロントフレームに対して垂直な着用位置から、前記眼鏡フレームを片付けるための、前記フロントフレームに対して平行なホーム位置までの前記テンプル(4、5)の回動を可能にし、
前記フロントフレームは、レンズを支持する2つのリム(2、3)と、前記リムを接続するブリッジ(1)とを有し、回転軸(X-X)の周りでの前記リム(2、3)の少なくとも180度の相互回動を可能にするようになっている少なくとも1つの枢動手段(C)が設けられ、
前記少なくとも1つの枢動手段(C)は、前記ブリッジ(1)に形成されておらず、前記2つのリム(2、3)のうちの一方の少なくとも一部に含まれており、
前記回転軸(X-X)は、前記ブリッジ(1)を通らず、前記2つのリムのうちの一方の前記リム(2)の中心と他方の前記リム(3)の中心とを通る平面上にあり、前記平面は前記リム(2、3)に対して垂直であり、
前記テンプル(4、5)は、前記リム(2、3)に直接ヒンジ接続されることを特徴とする、
眼鏡フレーム。
【請求項2】
前記フロントフレームは、前記フロントフレーム領域に沿った分離面(T)に従って分割され、前記分離面(T)は、前記フロントフレームを2つの部品に分割し、
前記2つの部品のそれぞれは、前記リム(2、3)のうちの一方の少なくとも一部を含み、
前記少なくとも1つの枢動手段(C)は、ピンと、その支持座部とを有し、
前記少なくとも1つの枢動手段(C)は、前記分離面(T)に対応して設けられ、前記フロントフレームの前記2つの部品の接続および相互回転を可能にする、
請求項1に記載の眼鏡フレーム。
【請求項3】
前記フロントフレームを2つの部品に分割する前記分離面(T)は、前記眼鏡フレームの前記フロントフレームに対して垂直であり、平坦形状又は湾曲形状を有する、
請求項2に記載の眼鏡フレーム。
【請求項4】
前記分離面(T)は、前記回転軸(X-X)に交差しており、
前記分離面(T)は、前記回転軸(X-X)から一定寸法離れた位置までの部分が、前記回転軸(X-X)に関して対称的な形状を有する、
請求項3に記載の眼鏡フレーム。
【請求項5】
前記フロントフレームは、荷重支持フレーム(6)と、前記荷重支持フレーム(6)に締結された2つのリム(2、3)とからなり、
前記リム(2、3)のうちの少なくとも一方は、前記枢動手段(C)のうちの1つ又は複数によって前記荷重支持フレーム(6)に締結されることを特徴とする、
請求項1に記載の眼鏡フレーム。
【請求項6】
前記枢動手段(C)は、前記少なくとも1つの前記リム(2、3)の互いに反対側の位置合わせされた部分と協働する2つの枢動手段(C)を含む、
請求項5に記載の眼鏡フレーム。
【請求項7】
前記枢動手段(C)は、前記少なくとも1つの前記リム(2、3)の内側部分と協働する単一の枢動手段(C)を含む、
請求項5に記載の眼鏡フレーム。
【請求項8】
前記荷重支持フレーム(6)は、前記リム(2、3)の上方に延びる、
請求項5~7のいずれか1項に記載の眼鏡フレーム。
【請求項9】
前記荷重支持フレーム(6)は、前記リム(2、3)の下方に延びる、
請求項5~7のいずれか1項に記載の眼鏡フレーム。
【請求項10】
前記荷重支持フレーム(6)は、前記リム(2、3)を接続するブリッジからなる、請求項5~7のいずれか1項に記載の眼鏡フレーム。
【請求項11】
第1の着用位置における前記リム(2、3)の前記相互回動の安定停止位置を決定するようになっている位置決め手段を更に備え、
前記リム(2、3)は、通常使用位置及び第2のホーム位置において位置合わせされ、 前記リム(2、3)及び前記リム(2、3)にヒンジ接続された前記テンプル(4、5)は、前記第1の着用位置に対して、前記回転軸(X-X)の周りで180度回動される、
請求項1~10のいずれか1項に記載の眼鏡フレーム。
【請求項12】
前記位置決め手段は、前記第1の着用位置と前記第2のホーム位置との間の中間位置における第3の停止位置を更に有する、請求項11に記載の眼鏡フレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衝撃又は摩擦からレンズを保護する閉位置を有する眼鏡フレームに関する。
特に、本発明は、眼鏡が着用されておらず、ケースに入れずに支持体上で閉位置に配置さ
れている場合のレンズの優れた保護を提供することが可能な、完全に新しい概念による眼
鏡フレームに関する。
【背景技術】
【0002】
眼鏡の日常的な使用において、眼鏡は、サングラスであっても度付き眼鏡であっても、
使用条件又は環境条件に応じてしばしば掛け外しする必要があることが知られている。
【0003】
眼鏡を外すと、眼鏡は、例えば、家具又はテーブルの上、椅子又はベッドの上の使用可
能な最善の水平面に置かれることが多い。これに関して、眼鏡が閉じられ、すなわち折り
畳まれたテンプルが載置面に接触する状態にしても、そうではなく、眼鏡が開かれ、リム
の下縁部及びテンプル端部によって表面上に静置される状態、又はより安定するように、
上下逆さにしてフロントフレームの上縁部及びテンプルの上縁部によって静置される状態
にしても(いずれにしてもレンズが載置面と接触しないため損傷のリスクがない位置にお
いて)、優しくかつ正しく眼鏡を置く時間及び配慮を使用者が有することは稀である。
【0004】
実際、眼鏡は、急いでいたり、無関心又は不注意でいたりするために無造作に置かれる
ことがより多く、そのため、レンズが同じ載置面又は周囲の物体に対する衝突又は擦過に
よって損傷するリスクがしばしば生じる。
【0005】
レンズのいかなる損傷も確実に回避するために現在利用可能な唯一の方法は、眼鏡を外
した直後に、眼鏡を眼鏡ケースに戻すことである。しかしながら、ケースは常に即座に使
用可能であるわけではなく、また、眼鏡は使用条件に応じて素早く続けて何回も掛け外し
しなければならないことが多いので、少なくとも現代社会生活の性急な状況では、この種
の作業は複雑であり、その実行にかかる時間が長すぎる。したがって、これに対して、最
善の利用可能な表面上に直接置くことがより容易であることに鑑みて、より完全な保護を
断念することの方がより簡単である。
【0006】
特許文献1は、2つのリムを接続するブリッジに収容されたヒンジ手段を備える眼鏡フ
レームを開示している。そのようなヒンジ手段は、上記ブリッジを通る回転軸の周りでの
2つのフレームリム(及びこのリムにヒンジ接続されたテンプル)の相互回動を可能にし
、それにより、2つのリムのうちの一方を他方に対して回動させた後、2つのテンプルは
眼鏡の互いに反対側に配されることになり、したがってレンズに対する保護を提供するこ
とができるようになっている。
【0007】
しかしながら、この特許によって開示されている解決策は、原理の観点では興味深いも
のの、実際には満足に適用することができるものではない。実際、眼鏡において、2つの
リムの接続ブリッジは、使用者の鼻又は鼻の少し上方に接触して配置される必要があるの
で、上記リムの上弧部に実質的に位置合わせされてフロントフレームの上部に配置される
ことがよく知られている。したがって、上記ブリッジ内に形成された回転軸の周りで一方
のリムを他方のリムに対して180度回動させることにより、この回動が行われると2つ
のリムは完全に位置がずれ、これらのリムに関係するテンプルも位置がずれることになる
ことが明白である。
【0008】
したがって、リムの上下逆さ位置では、各テンプルは、(一方で従来の眼鏡でもそうで
あるように)そのヒンジに対して近位にあるレンズの内側部分を専ら保護するが、180
度の回動において、上記レンズを含むリムが、ブリッジに関して上下逆さに反転されるこ
とによって、他方のリムのテンプルの末端部がとる位置に対して完全に位置がずれること
により、(この特許に記載の意図におけるように)テンプルの末端部によってそのヒンジ
に対して遠位にあるレンズの外側部分を保護することには成功していないので、この特許
に記載の目的は達成されていない。結果として、レンズの外側部分は、上述した上下逆さ
位置においてテンプルの末端部による重大な保護を受けず、したがって、当該特許に開示
されている以前から存在する状況に対する改善は達成可能でない。
【0009】
これに加えて、2つのリムの上述した180度反転位置において、眼鏡は、眼鏡のノー
ズピースの周りで回転軸に関して2つのリムの中心が完全にずれる完全分解設計をとり、
したがって、関係するテンプルの末端部は、実質的に空虚な空間をとることも指摘してお
かなければならない。すなわち、2つのリムが延在する平面における眼鏡の嵩は、実質的
に2倍になり、眼鏡を片付ける又は扱う際の快適さの観点及び美的観点の双方から、明白
なマイナスの結果をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】米国特許第6257720号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の目的は、特許文献1に開示のフレームに関して提案されている性
能と同様であるが、上述した理由からこの特許に開示されている解決策によっては得られ
ない革新的性能を提供する眼鏡フレームを提案することである。したがって、特に、閉位
置の眼鏡を載置面に置く際のレンズの損傷リスクを非常に簡単かつ即座に回避することが
可能なフレームが提案される。
【0012】
本発明の別の目的は、フレームを構成する材料に関わらず、すなわち、特にプラスチッ
ク及び金属又は複合材料のフレームの場合でも、特殊な眼鏡モデルのフレームの場合でも
、そのような革新的性能を享受する眼鏡フレームを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
これらの目的は、フロントフレームを備えるタイプの眼鏡フレームであって、このフロ
ントフレームにはヒンジによって2つのテンプル4、5が接続され、このヒンジは、眼鏡
を着用するための、フロントフレームに対して実質的に垂直な着用位置から、眼鏡を片付
けるための、フロントフレームに対して実質的に平行なホーム位置までのテンプル4、5
の回動を可能にし、上記フロントフレームは、レンズを支持する2つのリム2、3と、場
合によってはこれらのリムを接続するブリッジ1とを有し、回転軸X-Xの周りでの上記
リム2、3の少なくとも180度の相互回動を可能にするようになっている少なくとも1
つのヒンジ手段Cが設けられ、上記回転軸X-Xは、上記リム2、3の2つの中心を含む
リムに対して垂直な平面に実質的に延在し、また、上記テンプル4、5は、リム2、3に
直接ヒンジ接続されることを特徴とする、眼鏡フレームによって達成される。このような
フレームの他の好ましい特徴は、従属請求項に記載されている。
【0014】
本発明に係るフレームの更なる特徴及び利点は、いずれの場合も、単なる非限定的な例
として与えられ添付図面に示されている本発明のいくつかの好ましい実施形態の以下の詳
細な説明からより明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1A】テンプルがフロントフレーム上に折り畳まれた、本発明の第1の実施形態の第1の変形形態に係る眼鏡フレームの正面図である。
図1B】テンプルが開位置にあるとともに、フレームの一部が他の部分に対して90度回動された、図1Aのフレームの図である。
図1C】上記フレームの一部が更には原位置から180度回動された、図1Bのフレームの図である。
図1D】テンプルが閉位置にある、図1Cのフレームの図である。
図2A】本発明の眼鏡フレームの第1の実施形態の第2の変形形態を示す、図1Aと同様の図である。
図2B】本発明の眼鏡フレームの第1の実施形態の第2の変形形態を示す、図1Bと同様の図である。
図2C】本発明の眼鏡フレームの第1の実施形態の第2の変形形態を示す、図1Cと同様の図である。
図2D】本発明の眼鏡フレームの第1の実施形態の第2の変形形態を示す、図1Dと同様の図である。
図3A】本発明の眼鏡フレームの第1の実施形態の第3の変形形態を示す、図1Aと同様の図である。
図3B】本発明の眼鏡フレームの第1の実施形態の第3の変形形態を示す、図1Bと同様の図である。
図3C】本発明の眼鏡フレームの第1の実施形態の第3の変形形態を示す、図1Cと同様の図である。
図3D】本発明の眼鏡フレームの第1の実施形態の第3の変形形態を示す、図1Dと同様の図である。
図4A】本発明の眼鏡フレームの第1の実施形態の第4の変形形態を示す、図1Aと同様の図である。
図4B】本発明の眼鏡フレームの第1の実施形態の第4の変形形態を示す、図1Bと同様の図である。
図4C】本発明の眼鏡フレームの第1の実施形態の第4の変形形態を示す、図1Cと同様の図である。
図4D】本発明の眼鏡フレームの第1の実施形態の第4の変形形態を示す、図1Dと同様の図である。
図5A】テンプルが標準開位置にある、本発明の第2の実施形態の第1の変形形態に係る眼鏡フレームの正面図である。
図5B】フレームの一部が他の部分に対して90度回動された、図5Aのフレームの図である。
図5C】上記フレームの一部が更には原位置から180度回動された、図5Bのフレームの図である。
図5D】テンプルが閉位置にある、図5Cのフレームの図である。
図6A】本発明の眼鏡フレームの第2の実施形態の第2の変形形態を示す、図5Aと同様の図である。
図6B】本発明の眼鏡フレームの第2の実施形態の第2の変形形態を示す、図5Bと同様の図である。
図6C】本発明の眼鏡フレームの第2の実施形態の第2の変形形態を示す、図5Cと同様の図である。
図6D】本発明の眼鏡フレームの第2の実施形態の第2の変形形態を示す、図5Dと同様の図である。
図7A】本発明の眼鏡フレームの第2の実施形態の第3の変形形態を示す、図5Aと同様の図である。
図7B】本発明の眼鏡フレームの第2の実施形態の第3の変形形態を示す、図5Bと同様の図である。
図7C】本発明の眼鏡フレームの第2の実施形態の第3の変形形態を示す、図5Cと同様の図である。
図7D】本発明の眼鏡フレームの第2の実施形態の第3の変形形態を示す、図5Dと同様の図である。
図8A】本発明の眼鏡フレームの第2の実施形態の第4の変形形態を示す、図5Aと同様の図である。
図8B】本発明の眼鏡フレームの第2の実施形態の第4の変形形態を示す、図5Bと同様の図である。
図8C】本発明の眼鏡フレームの第2の実施形態の第4の変形形態を示す、図5Cと同様の図である。
図8D】本発明の眼鏡フレームの第2の実施形態の第4の変形形態を示す、図5Dと同様の図である。
図9A】本発明の眼鏡フレームの第2の実施形態の第5の変形形態を示す、図5Aと同様の図である。
図9B】本発明の眼鏡フレームの第2の実施形態の第5の変形形態を示す、図5Bと同様の図である。
図9C】本発明の眼鏡フレームの第2の実施形態の第5の変形形態を示す、図5Cと同様の図である。
図9D】本発明の眼鏡フレームの第2の実施形態の第5の変形形態を示す、図5Dと同様の図である。
図10A】本発明の眼鏡フレームの第2の実施形態の第6の変形形態を示す、図5Aと同様の図である。
図10B】本発明の眼鏡フレームの第2の実施形態の第6の変形形態を示す、図5Bと同様の図である。
図10C】本発明の眼鏡フレームの第2の実施形態の第6の変形形態を示す、図5Cと同様の図である。
図10D】本発明の眼鏡フレームの第2の実施形態の第6の変形形態を示す、図5Dと同様の図である。
図11A】本発明の眼鏡フレームの第2の実施形態の第7の変形形態を示す、図5Aと同様の図である。
図11B】本発明の眼鏡フレームの第2の実施形態の第7の変形形態を示す、図5Bと同様の図である。
図11C】本発明の眼鏡フレームの第2の実施形態の第7の変形形態を示す、図5Cと同様の図である。
図11D】本発明の眼鏡フレームの第2の実施形態の第7の変形形態を示す、図5Dと同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面に示されているように、本発明に係る眼鏡フレームは、着用位置にある場合、市場
で現在使用されている他のフレームに似ているが、リム又はテンプルの特定の設計に限定
されない。したがって、このようなフレームは、従来の眼鏡の通例の構成部品を全て備え
、特に、中央でブリッジ1によって接続された2つのリム2、3からなり、これらのリム
の外側部分又はエンドピースにおいて2つのそれぞれのテンプル4及び5用のヒンジが挿
入されているフロントフレームを備える。
【0017】
本発明の包括的な解決策の概念によれば、上述した従来技術の欠点を克服し、したがっ
て2つのリムのうちのいずれか一方を他方のリムに対して180度回動させた場合のレン
ズの両側面の完全な保護という所望の目的を達成するために、上記リムの相互枢動手段C
はブリッジ1に形成されるのではなく、リム2、3のうちの一方の少なくとも一部にも影
響を及ぼすように、ブリッジ1に関して非対称な偏心領域に形成される。より正確には、
本発明の眼鏡フレームがレンズ保護に関して最高の性能を提供するためには、上記枢動手
段Cの位置は、関係する相互回転軸X-Xがリム2及び3の中心の可能な限り近くを通る
ように、又はすなわち、そのような軸がリム2及び3の中心を通る上記リムに対して垂直
な平面に存在するようになっていなければならない。
【0018】
上記リムが規則的な円形でない場合、リム2、3の「中心」の点は、リムの中央位置に
おいてリムの上側末端点及び下側末端点から等距離に配置されることが意図される。実際
、回転軸X-Xをフロントフレームのこの中央位置に配置することにより、リム3の18
0度の相互回動は、リム2に対するリム3の垂直方向の位置ずれを伴わず、これは、テン
プル4及び5によるリム内に配置されたレンズの完全な保護を享受することを可能にする
。同時に、この状態は、その延在平面において2つのリムが位置合わせされる(この平面
は、使用状態におけるリムの標準設計を基準とする場合は実質的に垂直である)とともに
、2つのリム及びそのレンズの反りが互いに反対側に向く場合、眼鏡のフロントが水平方
向に関して反対の弧設計(細長いS字形状)をとることにより、上下逆さ位置における眼
鏡の非常に小型な設計を維持することも可能にする。
【0019】
図1図4に4つの異なる形状変形形態で示されている、プラスチック材料製のフレー
ムに特に適した第1の実施形態において、本発明に係るフレームは、分離面Tを特徴とす
ることを認識することができる。この分離面は、平坦又は湾曲状とすることができ、フレ
ームを2つの部品に分割し、リム2及びそのテンプル5をリム3及びそのテンプル4から
分離する。これに対応して、フレームの上記2つの部品の接続及び相互回動を可能にする
ようになっている、本質的にピン及びその支持座部からなる枢動手段Cが設けられる。
【0020】
上述した従来技術において教示されているものとは異なり、表面Tは、リム2、3のう
ちの一方(図面ではリム3)の少なくとも一部にも影響を及ぼすように、ブリッジ1に関
して非対称な偏心位置において、リムの上述した中央位置に対応した2つのリム2及び3
の相互枢動手段Cの設置を可能にする範囲まで眼鏡のフロントを切断する。
【0021】
この回動可能性により、使用者が眼鏡を外して載置面等に置くことを望む場合、使用者
は、自身の頭から眼鏡を外すまさにそのときに、片手で一方のリムを把持するとともに他
方の手で他方のリムを把持することによって、一方のリムを軸X-Xの周りで他方のリム
に対して180度回動させることができる。
【0022】
そうすることにより、眼鏡フレームは、図1C図2C図3C及び図4Cに明確に見
て取ることができる最終位置をとる。このため、眼鏡の2つのテンプル4及び5がそれら
の通例の回動によって閉じられた場合、テンプル4及び5は、完全にレンズを中心にして
、フロントフレーム本体の両側においてレンズに重なる。すなわち、より正確には、テン
プル4は、リム3の後面及びリム2の前面に重なってこれらを保護し、テンプル5は、リ
ム2の後面及びリム3の前面に重なってこれらを保護する。
【0023】
この位置は、本明細書において「安全」位置として定義される。実際、使用者が眼鏡を
静置し得る又は更には落とし得る平面がどのようなものであれ、レンズは常に保護され、
テンプル4及び5によって載置面から或る距離を置いて維持される。その180度反転位
置に同様に維持されるテンプル4及び5は、リム2及び3が位置合わせされていることに
より、レンズに常に完全に重なる。実用試験により、眼鏡を不慮に落とした場合であって
も、この安全位置に閉じられていれば、レンズの損傷が回避されることが示されている。
実際、落下位置における衝撃は、フレームに影響を及ぼすだけでレンズには影響を及ぼさ
ないので、衝撃エネルギーを吸収し、衝撃エネルギーをレンズの周縁に分散させて、した
がってレンズに損傷を与えずに放散するのに、フレーム材料の一般的な弾性で十分である
【0024】
また、上述した実用試験において、眼鏡の静置位置が従来の静置位置に対して顕著に異
なり有利であることを発見することもできた。テンプルが従来のように折り畳まれる眼鏡
において、実際、眼鏡がテンプルの側部及びレンズの側部において静置される場合、静置
位置は実質的に水平である。これとは対照的に、本発明に係るフレームを使用する眼鏡に
おいて、眼鏡は、静置位置では、リム縁部と最も下のテンプルの後部によって静置される
ので、水平位置と垂直位置との間の中間位置において傾斜する。したがって、眼鏡は、載
置面上の眼鏡のかさが減ることを特徴とする、完全に同様かつ対称的な、安定に均衡した
2つの半垂直静置位置を有する。一方で、眼鏡のこれらの半垂直静置位置は、眼鏡の自由
把持面を増大させるので、使用者による眼鏡の正しい把持を顕著に容易にし、他方で、こ
のような位置は眼鏡の横滑りを容易にするので、物体が眼鏡上に不慮に当接又は落下した
場合でさえも眼鏡の破壊のリスクを大幅に低減させる。図1A図1Dには、本発明の眼
鏡フレームの第1の実施形態の第1の変形形態が示されている。分離面Tは、ブリッジ1
の側端に対応して配置される平面からなり、ここで、上記ブリッジはリム3に係合する。
したがってこの場合、分離面は、このようなリムの一部にも影響を及ぼす。このような平
面は、眼鏡のフロントフレームに対して垂直又は実質的に垂直であることが好ましい。そ
れにより、図1C及び図1Dに明確に見て取ることができるように、眼鏡の2つの部品の
180度の相互回動を完了した後、2つのリム2及び3は、これらのリムが標準使用位置
においてとるのと同じように、垂直方向に関する位置合わせ状態を維持し、その結果、テ
ンプル4及び5は、リム2及び3内に配置されたレンズの両面を最適にその中心で保護す
る。
【0025】
しかしながら、分離面Tの平坦構造は限定的ではなく、したがって、本発明は、このよ
うな表面が任意の湾曲形状を有するフレームにまで及ぶ。ここで、唯一の限定は、このよ
うな表面が、少なくとも回転軸X-Xの両側における均等な広がりを有する部分に限って
、回転軸X-Xに関して実質的に対称な形状を有し、180度回動された位置においても
、眼鏡の2つの部品が干渉せずに合致することを可能にすることである。このような表面
は、眼鏡のフロントフレームに対して実質的に垂直であることが好ましい。
【0026】
図2A図2Dに示されている本発明の第1の実施形態の第2の変形形態において、分
離面Tは、例えば円形断面を有する円筒形状であり、図3A図3Dに示されている本発
明の第1の実施形態の第3の変形形態において、分離面Tは、混合断面を有する円筒形状
、正確には、回転軸X-Xの近くでは矩形断面を有し、そのような軸からより遠位の領域
では円断面を有する円筒形状である。そのような実施形態では、分離面Tは、そのような
軸の両側において異なる広がりを有し、正確には、上部においてより大きい広がりを有す
ることを認識することができる。図4A図4Dに示されている本発明の第1の実施形態
の第4の変形形態において、分離面Tは、再び平坦な表面であり、フレームは、高い位置
にブリッジ1を備える。この場合、リム3は、反転位置において眼鏡の他の部分に対する
形状連続性を欠く。しかしながらここでも、2つのリム2、3は、垂直方向に関して完全
な位置合わせ状態を維持する。
【0027】
したがって、眼鏡の2つの部品を分離する表面Tの形状は、眼鏡の一方の部品を他方の
部品に対して反転させるための軸X-Xの中央位置と、枢動手段Cの挿入に十分な空間と
を得るように、眼鏡フレームの形状、特に、ブリッジ1、リム2及び3、並びにテンプル
4及び5の形状に応じて、任意の位置及び形状を有することができることが明白である。
【0028】
眼鏡の2つの部品の分離面がブリッジ1の中心線に関して偏心位置に配置される、図1
図2図3及び図4に示されている第1の実施形態の第4の変形形態において、枢動手
段Cの設置のために、水平方向よりも垂直方向により大きな空間が利用可能になっている
。これにより、本質的に既知のように、回動ピンに対して垂直方向に配置される小さな移
動円筒体と、そのようなピンの切子面部分に対するばね手段による推力とからなる、位置
決め手段も含む枢動手段Cの設置を可能にする。それにより、円筒体が安定した均衡位置
をとるピンの切子面部分の切子面の数に応じて、任意の数の停止位置を枢動手段Cに与え
ることが可能である。
【0029】
本発明に係るフレームの製造及び使用試験において、上述した着用位置と安全位置との
間に追加の停止位置を提供するように、上記回動ピンは90度毎に停止位置を有し、使用
者が本発明のフレームを安全に閉じることを容易にするとともに、その正しい方法を即座
に推測可能であることが、好ましいこととして確かめられている。この結果を得るために
は、上記ピンの切子面部分が正方形断面を有することで十分であることが明らかである。
【0030】
本発明の第1の実施形態の別の特徴によれば、回動ピンとともに、このピンのその座部
からの離脱を回避する更なる関連する保持手段、及び、2つのリムを互いに回動させた後
、使用者が2つのリムを解放したときに、2つのリム2、3を眼鏡の標準使用位置にして
相互接触させる推力を維持するための任意の弾性手段が存在する。
【0031】
金属眼鏡に特に適した第2の実施形態において、本発明の閉じた安全位置を有する眼鏡
フレームは、支持フレーム6と、支持フレーム6に締結された2つのリム2、3と、それ
ぞれのヒンジによって2つのリム2及び3の外側部分又はエンドピースに直接関節接続さ
れた2つのテンプル4及び5とからなるフロントフレームを備える。
【0032】
本発明の特有の特徴によれば、2つのリム2及び3のうちの少なくとも一方(図面では
リム3)は、この目的で支持フレーム6に形成された枢動手段Cの周りで支持フレーム6
に対して、ひいては他方のリム(図面ではリム2)に対して回動自在である。上記枢動手
段Cは、図5図8及び図10に示されている実施形態におけるように、リム3の両側に
おいて位置合わせされ対向するように2つとしてもよいし、図9及び図11に示されてい
る実施形態におけるように、リム3の内側に配置される1つのみとしてもよい。いずれの
場合も、枢動手段Cにより、リム2及び3は、リム2及び3を通るとともにリム2及び3
の2つの中心を含むリムに対して垂直な平面に実質的に延在する軸X-Xの周りで、互い
に対して回動することができる。テンプル4及び5はリム2及び3に直接ヒンジ接続され
るので、上記リムの相互回動は上記テンプルの回動も伴う。
【0033】
この回動可能性により、使用者は、眼鏡を外して載置面等に置くことを望む場合、自身
の頭から眼鏡を外すまさにそのときに、本発明のフレームの第1の実施形態に関して既に
記載した操作を繰り返し、同じプラスの効果を得ることができる。
【0034】
前述の説明では、「支持フレーム」6という用語によって、好ましくは薄肉かつ高耐久
性の構成要素、例えば、金属材料、炭素繊維又は複合材料からなる構成要素であって、長
時間所望の堅固さ及び安定性を保証するフレームの荷重支持要素を構成することが可能な
構成要素が意味されている。支持フレーム6は、好ましい設計又は義務的な設計を有せず
、したがって、リム2、3の上方又は下方に任意の形状で延在することができるだけでな
く、図9の実施形態の例に関して示したように上記リムを接続する単一のブリッジへと減
縮することができる。しかしながら、本発明の保護範囲は、このような材料の使用にいか
ようにも限定されず、そのため、支持フレーム6は、本発明の範囲から逸脱することなく
、アイウェアの分野で従来使用されている、場合によっては金属コアによって強化された
プラスチック材料で作製することもできる。
【0035】
前述の記載では、「リム」2、3という用語によって、概ね円形又は四角形、更には規
則的でない形状を有する構成要素であって、上述したように支持フレーム6に固定して又
は回動式に安定して締結され、処方眼鏡又はサングラス内に安定して収まるとともにテン
プル4、5を支持するヒンジを収容するようになっている構成要素が理解される。リム2
、3には、プラスチック又は金属又は複合材料のいずれであっても、任意の所望の材料を
用いることができる。図11の実施形態に示されているように、リム2、3が同じ処方レ
ンズ又はサングラスからなる場合も、本発明の保護範囲内に等しく含まれる。この場合、
それらのレンズは、眼鏡フレームのリム2、3に関して上述したものと同じ機能を果たす
、すなわち、支持フレーム6に締結され、まさにその本体内に枢動手段C及びテンプル4
及び5のヒンジを直接収容することが可能である。
【0036】
上述した枢動手段Cの形状及び構造は、支持フレーム6及びリム2、3の構築に用いら
れる材料に応じて、かなりの範囲までも変更することができる。上記枢動手段Cは、本発
明の第1の実施形態に関して記載したものと完全に同じようにして、リム3の回動の保持
装置及び回動の好ましい停止点を備えることが好ましい。
【0037】
上記説明から、本発明のフレームが、設定された目的、すなわち、フレームの構成材料
及びフレームの形状に関わらず、関係するリムが180度反転された位置にある場合に眼
鏡のレンズの両面の完全な保護を提供するという目的をいかに完全に満たすかが明らかで
ある。
【0038】
本発明は、本発明の単なる例示的な実施形態を構成する上記で示した特定の構成に限定
されるものとみなされるべきでなく、添付の特許請求の範囲のみによって規定される本発
明の保護範囲から逸脱することなく、特に、その目的に適していればいかなる構造もとる
ことができる枢動手段Cの設計に関して、当業者の到達範囲内の様々な変形が可能である
ことが理解される。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図9C
図9D
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図11C
図11D