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特許7306762知的財産情報管理システム、知的財産情報管理サーバ、情報処理端末、知的財産情報管理方法、および知的財産情報管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】知的財産情報管理システム、知的財産情報管理サーバ、情報処理端末、知的財産情報管理方法、および知的財産情報管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/18 20120101AFI20230704BHJP
【FI】
G06Q50/18 310
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022132944
(22)【出願日】2022-08-24
【審査請求日】2022-08-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520355334
【氏名又は名称】株式会社ジムウイン
(74)【代理人】
【識別番号】100210815
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 聡子
(72)【発明者】
【氏名】望月 俊一
(72)【発明者】
【氏名】西田 聡子
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-210691(JP,A)
【文献】特開2012-198941(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0323804(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0004922(US,A1)
【文献】特開2013-047993(JP,A)
【文献】特開2020-091608(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
知的財産に関する案件情報を管理する、異なる代理人がそれぞれ用いる複数の代理人端末と、
前記案件情報の管理を依頼した、異なる依頼人がそれぞれ用いる複数の依頼人端末と、
前記代理人端末および前記依頼人端末とネットワークを介して接続されるサーバと、
を備えるシステムであって、
前記サーバは、
前記代理人を識別する識別情報と関連付けられた前記案件情報を取得する取得部と、
前記依頼人端末からの申請に応じて、共有キーを生成する制御部と、
前記共有キーを送受信する通信部と、
前記通信部が前記依頼人端末へ送信した共有キーと、前記通信部が前記代理人端末から受信した共有キーとが一致すると判断したことに応じて、当該共有キーに係る代理人端末を用いる代理人が管理する前記案件情報と、当該共有キーに係る依頼人端末を用いる依頼人を識別する識別情報と、を関連付け、管理情報として記憶する記憶部と、
前記案件情報を、当該案件情報と前記識別情報が関連付けられた前記代理人または前記依頼人が用いる端末に提供する提供部と、を有し、
前記取得部は、前記依頼人端末から、前記案件情報と関連付けられた商品情報を取得し、
前記記憶部は、前記管理情報として、前記商品情報を記憶し、
前記提供部は、前記依頼人端末からの前記案件情報に対する閲覧要求に応じて、当該閲覧要求に係る案件情報を、前記商品情報と対応付けて当該依頼人端末に提供し、
前記記憶部は、前記異なる代理人が、前記異なる依頼人に関して、それぞれ管理する複数の前記案件情報を記憶し、
前記提供部は、前記代理人端末からの、自らが管理するすべての前記案件情報に対する閲覧要求に応じて、当該閲覧要求に係る案件情報を、当該代理人端末に提供する、知的財産情報管理システム。
【請求項2】
記提供部は、前記依頼人端末からの前記案件情報に対する閲覧要求に応じて、当該閲覧要求に係る、前記異なる代理人が管理する複数の案件情報を、当該依頼人端末に提供する、請求項1に記載の知的財産情報管理システム。
【請求項3】
前記提供部は、前記代理人端末からの前記案件情報に対する閲覧要求に応じて、当該案件情報を提供し、当該案件情報と関連付けられた前記商品情報は提供しない、請求項2に記載の知的財産情報管理システム。
【請求項4】
前記提供部は、前記商品情報と関連付けられた前記案件情報を、特許、実用新案、意匠、および商標のいずれかと対応付けて提供する、請求項3に記載の知的財産情報管理システム。
【請求項5】
前記取得部は、前記依頼人端末から、前記案件情報との関連付けが更新された商品情報を取得し、
前記記憶部は、前記管理情報として、前記更新された商品情報を記憶する、請求項4に記載の知的財産情報管理システム。
【請求項6】
前記識別情報は、前記代理人を識別する代理人識別情報と、前記依頼人を識別する依頼人情報とを含み、
前記提供部は、前記代理人端末からの前記案件情報に対する閲覧要求に応じて、当該代理人端末を用いる代理人を識別する代理人識別情報に関連付けられた案件情報を提供し、前記依頼人端末からの前記案件情報に対する閲覧要求に応じて、当該依頼人端末を用いる依頼人を識別する依頼人識別情報に関連付けられた案件情報を提供する、請求項5に記載の知的財産情報管理システム。
【請求項7】
前記取得部は、前記依頼人端末から、所定の手続が経過した案件情報を、新規に取得する、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の知的財産情報管理システム。
【請求項8】
前記取得部は、外部の知的財産情報データベースから、前記案件情報を取得する、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の知的財産情報管理システム。
【請求項9】
前記代理人端末または前記依頼人端末からの所定の指示に応じて、前記記憶部が記憶する管理情報に基づいて、前記案件情報と、当該案件情報に係る前記代理人識別情報が関連付けられた代理人管理情報と、前記案件情報と、当該案件情報に係る前記依頼人識別情報および商品情報とが関連付けられた依頼人管理情報とを生成するデータ生成部をさらに備え、
前記記憶部は、前記データ生成部が生成した、前記依頼人管理情報と、前記代理人管理情報と、を記憶し、
前記提供部は、前記依頼人端末からの閲覧要求に応じて、前記依頼人管理情報に基づき、当該閲覧要求に係る案件情報を、前記商品情報と対応付けて提供する、請求項6に記載の知的財産情報管理システム。
【請求項10】
前記提供部は、前記代理人端末からの閲覧要求に応じて、前記代理人管理情報に基づき、当該閲覧要求に係る案件情報を提供する、請求項9に記載の知的財産情報管理システム。
【請求項11】
知的財産に関する案件情報を、当該案件情報を管理する、異なる代理人がそれぞれ用いる複数の代理人端末および当該案件情報の管理を依頼した、異なる依頼人がそれぞれ用いる複数の依頼人端末に、ネットワークを介して提供する案件情報管理サーバであって、
前記代理人を識別する識別情報と関連付けられた前記案件情報を取得する取得部と、
前記依頼人端末からの申請に応じて、共有キーを生成する制御部と、
前記共有キーを送受信する通信部と、
前記通信部が前記依頼人端末へ送信した共有キーと、前記通信部が前記代理人端末から受信した共有キーとが一致すると判断したことに応じて、当該共有キーに係る代理人端末を用いる代理人が管理する前記案件情報と、当該共有キーに係る依頼人端末を用いる依頼人を識別する識別情報と、を関連付け、管理情報として記憶する記憶部と、
前記案件情報を、当該案件情報と前記識別情報が関連付けられた前記代理人または前記依頼人が用いる端末に提供する提供部と、を備え、
前記取得部は、前記依頼人端末から、前記案件情報と関連付けられた商品情報を取得し、
前記記憶部は、前記管理情報として、前記商品情報を記憶し、
前記提供部は、前記依頼人端末からの前記案件情報に対する閲覧要求に応じて、当該閲覧要求に係る案件情報を、前記商品情報と対応付けて当該依頼人端末に提供し、
前記記憶部は、前記異なる代理人が、前記異なる依頼人に関して、それぞれ管理する複数の前記案件情報を記憶し、
前記提供部は、前記代理人端末からの、自らが管理するすべての前記案件情報に対する閲覧要求に応じて、当該閲覧要求に係る案件情報を、当該代理人端末に提供する、知的財産情報管理サーバ。
【請求項12】
知的財産に関する案件情報を、当該案件情報の管理を異なる依頼人から依頼された、異なる代理人がそれぞれ用いる複数の代理人端末と、サーバを介して共有する前記依頼人がそれぞれ用いる情報処理端末であって、
前記サーバが生成した共有キーを送受信する通信部と、
前記案件情報と関連付けられた商品情報を、前記サーバに送信する管理部と、
前記案件情報に対する閲覧要求を、前記サーバに行う要求部と、
前記閲覧要求に係る案件情報を、前記サーバから取得する取得部と、
前記取得した案件情報を、前記商品情報と対応付けて表示する表示部と、を備え、
前記サーバは、前記情報処理端末へ送信した共有キーと、前記代理人端末から受信した共有キーとが一致すると判断したことに応じて、当該共有キーに係る代理人端末を用いる代理人が管理する前記案件情報と、当該共有キーに係る前記情報処理端末を用いる依頼人を識別する識別情報と、を関連付け、管理情報として記憶し、前記依頼人からの前記案件情報に対する閲覧要求に応じて、前記案件情報を、前記商品情報と対応付けて前記依頼人が用いる前記情報処理端末に提供し、
前記サーバは、前記異なる代理人が、前記異なる依頼人に関して、それぞれ管理する複数の前記案件情報を記憶し、前記代理人端末からの、自らが管理するすべての前記案件情報に対する閲覧要求に応じて、当該閲覧要求に係る案件情報を、当該代理人端末に提供する、情報処理端末。
【請求項13】
知的財産に関する案件情報を管理する、異なる代理人がそれぞれ用いる複数の代理人端末と、前記案件情報の管理を依頼した、異なる依頼人がそれぞれ用いる複数の依頼人端末と、前記代理人端末および前記依頼人端末とネットワークを介して接続されるサーバと、を備えるシステムにおける方法であって、
前記サーバは、
前記代理人を識別する識別情報と関連付けられた前記案件情報を取得するステップと、
前記依頼人端末からの申請に応じて、共有キーを生成するステップと、
前記共有キーを送受信するステップと、
前記依頼人端末へ送信した共有キーと、前記代理人端末から受信した共有キーとが一致すると判断したことに応じて、当該共有キーに係る代理人端末を用いる代理人が管理する前記取得した案件情報と、当該共有キーに係る依頼人端末を用いる依頼人を識別する識別情報と、を関連付け、管理情報として記憶するステップと、
前記案件情報を、当該案件情報と前記識別情報が関連付けられた前記代理人または前記依頼人が用いる端末に提供するステップと、を実行し、
前記取得するステップにおいて、前記サーバは、前記依頼人端末から、前記案件情報と関連付けられた商品情報を取得し、
前記記憶するステップにおいて、前記サーバは、前記管理情報として、前記商品情報を記憶し、
前記提供するステップにおいて、前記サーバは、前記依頼人端末からの前記案件情報に対する閲覧要求に応じて、当該閲覧要求に係る案件情報を、前記商品情報と対応付けて当該依頼人端末に提供し、
前記記憶するステップにおいて、前記サーバは、前記異なる代理人が、前記異なる依頼人に関して、それぞれ管理する複数の前記案件情報を記憶し、
前記提供するステップにおいて、前記代理人端末からの、自らが管理するすべての前記案件情報に対する閲覧要求に応じて、当該閲覧要求に係る案件情報を、当該代理人端末に提供する、知的財産情報管理方法。
【請求項14】
知的財産に関する案件情報を管理する、異なる代理人がそれぞれ用いる複数の代理人端末と、前記案件情報の管理を依頼した、異なる依頼人がそれぞれ用いる複数の依頼人端末と、ネットワークを介して接続されるサーバにおいて実行されるプログラムであって、
前記サーバは、制御部と、通信部と、記憶部とを備え、
前記制御部が、前記代理人を識別する識別情報と関連付けられた前記案件情報を取得するステップと、
前記制御部が、前記依頼人端末からの申請に応じて、共有キーを生成するステップと、
前記通信部が、前記共有キーを前記依頼人端末に送信するステップと、
前記通信部が、前記代理人端末から、前記共有キーを受信するステップと、
前記記憶部が、前記依頼人端末へ送信した共有キーと、前記代理人端末から受信した共有キーとが一致すると判断したことに応じて、当該共有キーに係る代理人端末を用いる代理人が管理する前記取得した案件情報と、当該共有キーに係る依頼人端末を用いる依頼人を識別する識別情報と、を関連付け、管理情報として記憶するステップと、
前記制御部が、前記案件情報を、当該案件情報と前記識別情報が関連付けられた前記代理人または前記依頼人が用いる端末に提供するステップと、を備え、
前記取得するステップにおいて、前記制御部は、前記依頼人端末から、前記案件情報と関連付けられた商品情報を取得し、
前記記憶するステップにおいて、前記記憶部は、前記管理情報として、前記商品情報を記憶し、
前記提供するステップにおいて、前記制御部は、前記依頼人端末からの前記案件情報に対する閲覧要求に応じて、当該閲覧要求に係る案件情報を、前記商品情報と対応付けて当該依頼人端末に提供し、
前記記憶するステップにおいて、前記記憶部は、前記異なる代理人が、前記異なる依頼人に関して、それぞれ管理する複数の前記案件情報を記憶し、
前記提供するステップにおいて、前記制御部は、前記代理人端末からの、自らが管理するすべての前記案件情報に対する閲覧要求に応じて、当該閲覧要求に係る案件情報を、当該代理人端末に提供する、知的財産情報管理プログラム。






【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、知的財産情報管理システム、知的財産情報管理サーバ、情報処理端末、知的財産情報管理方法、および知的財産情報管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
知的財産に関する手続きは、複雑な作業や高度な知識を必要とするため、知的財産の専門家である弁理士などの代理人によって行われることが多い。代理人は、例えば、特許庁などに対する手続きが完了すると、知的財産に関する専用の管理システムに手続き内容を入力するとともに、依頼人に対し手続きに関する通知を行う。依頼人は、代理人からの通知等に基づき、知的財産の管理を行うことになるが、中小企業や個人の依頼人にとっては、専用の管理システムを導入することは、負担が大きい。
【0003】
そこで、依頼人の負担を軽減すべく、例えば、特許文献1では、代理人等に手続きの代理や管理を依頼している依頼人自身が、独自の管理システムを導入することなく、簡単に自己の案件の状況を確認することができる手続管理システムが開示されている。このシステムによれば、依頼人は、ネットワークを介して、代理人が手続管理システムに入力した案件の情報について閲覧や指示をすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-47993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
企業活動において生み出される商品やサービスは、特許や商標などの様々な知的財産を含むものであり、商品ごとに関連する権利を管理できることが好ましい。しかしながら、特許文献1に記載の手続管理システムでは、依頼人は代理人が管理する案件の情報に関して閲覧や指示ができるのみであり、複数の案件について、商品やサービス等の事業活動と関連付けて管理するのが難しいという課題があった。
【0006】
そこで、本開示は、上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、知的財産に関する案件情報の管理を代理人に依頼した依頼人が、代理人が管理する案件情報を、商品情報と対応付けて確認できる知的財産情報管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本開示に係る知的財産情報管理システムは、知的財産に関する案件情報を管理する代理人が用いる代理人端末と、案件情報の管理を依頼した依頼人が用いる依頼人端末と、代理人端末および依頼人端末とネットワークを介して接続されるサーバと、を備えるシステムであって、サーバは、案件情報を取得する取得部と、取得した案件情報と、当該案件情報に係る代理人および依頼人を識別する識別情報と、を関連付け、管理情報として記憶する記憶部と、案件情報を、当該案件情報と識別情報が関連付けられた代理人または依頼人が用いる端末に提供する提供部と、を有し、取得部は、依頼人端末から、案件情報と関連付けられた商品情報を取得し、記憶部は、管理情報として、商品情報を記憶し、提供部は、依頼人端末からの案件情報に対する閲覧要求に応じて、当該閲覧要求に係る案件情報を、商品情報と対応付けて当該依頼人端末に提供する。
【0008】
また、上記目的を達成するため、本開示に係る知的財産情報管理サーバは、知的財産に関する案件情報を、当該案件情報を管理する代理人が用いる代理人端末および当該案件情報の管理を依頼した依頼人が用いる依頼人端末に、ネットワークを介して提供する案件情報管理サーバであって、案件情報を取得する取得部と、取得した案件情報と、当該案件情報に係る代理人および依頼人を識別する識別情報と、を関連付け、管理情報として記憶する記憶部と、案件情報を、当該案件情報と識別情報が関連付けられた代理人または依頼人が用いる端末に提供する提供部と、を備え、取得部は、依頼人端末から、案件情報と関連付けられた商品情報を取得し、記憶部は、管理情報として、商品情報を記憶し、提供部は、依頼人端末からの案件情報に対する閲覧要求に応じて、当該閲覧要求に係る案件情報を、商品情報と対応付けて当該依頼人端末に提供する。
【0009】
また、上記目的を達成するため、本開示に係る情報処理端末は、知的財産に関する案件情報を、当該案件情報の管理を依頼人から依頼された代理人が用いる代理人端末と、サーバを介して共有する依頼人が用いる情報処理端末であって、案件情報と関連付けられた商品情報を、サーバに送信する管理部と、案件情報に対する閲覧要求を、サーバに行う要求部と、閲覧要求に係る案件情報を、サーバから取得する取得部と、取得した案件情報を、商品情報と対応付けて表示する表示部と、を備え、サーバは、案件情報と、依頼人および代理人と、商品情報と、を関連付けて記憶し、依頼人からの案件情報に対する閲覧要求に応じて、案件情報を、商品情報と対応付けて依頼人が用いる情報処理端末に提供する。
【0010】
また、上記目的を達成するため、本開示に係る知的財産情報管理方法は、知的財産に関する案件情報を管理する代理人が用いる代理人端末と、案件情報の管理を依頼した依頼人が用いる依頼人端末と、代理人端末および依頼人端末とネットワークを介して接続されるサーバと、を備えるシステムにおける方法であって、サーバは、案件情報を取得するステップと、取得した案件情報と、当該案件情報に係る代理人および依頼人を識別する識別情報と、を関連付け、管理情報として記憶するステップと、案件情報を、当該案件情報と識別情報が関連付けられた代理人または依頼人が用いる端末に提供するステップと、を実行し、取得するステップにおいて、サーバは、依頼人端末から、案件情報と関連付けられた商品情報を取得し、記憶するステップにおいて、サーバは、管理情報として、商品情報を記憶し、提供するステップにおいて、サーバは、依頼人端末からの案件情報に対する閲覧要求に応じて、当該閲覧要求に係る案件情報を、商品情報と対応付けて当該依頼人端末に提供する。
【0011】
また、上記目的を達成するため、本開示に係る知的財産情報管理プログラムは、知的財産に関する案件情報を管理する代理人が用いる代理人端末と、案件情報の管理を依頼した依頼人が用いる依頼人端末と、ネットワークを介して接続されるサーバにおいて実行されるプログラムであって、サーバは、制御部と、記憶部とを備え、制御部が、案件情報を取得するステップと、記憶部が、取得した案件情報と、当該案件情報に係る代理人および依頼人を識別する識別情報と、を関連付け、管理情報として記憶するステップと、制御部が、案件情報を、当該案件情報と識別情報が関連付けられた代理人または依頼人が用いる端末に提供するステップと、を備え、取得するステップにおいて、制御部は、依頼人端末から、案件情報と関連付けられた商品情報を取得し、記憶するステップにおいて、記憶部は、管理情報として、商品情報を記憶し、提供するステップにおいて、制御部は、依頼人端末からの案件情報に対する閲覧要求に応じて、当該閲覧要求に係る案件情報を、商品情報と対応付けて当該依頼人端末に提供する。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、知的財産に関する案件情報の管理を代理人に依頼した依頼人が、代理人が管理する案件情報を、商品情報と対応付けて確認できる知的財産情報管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態に係る知的財産情報管理システム1の構成を示す図である。
図2】代理人端末100の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
図3】新規登録する案件情報を入力する画面の一例を示す図である。
図4】代理人が案件情報を閲覧する画面の一例を示す図である。
図5】知的財産情報管理サーバ200の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
図6】依頼人端末300の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
図7】知的財産情報管理システム1における処理の一例を示すシーケンス図である。
図8】新規登録する商品情報を入力する画面の一例を示す図である。
図9】案件情報に対する閲覧要求に応じて、依頼人端末に表示される画面の一例を示す図である。
図10】依頼人が案件情報を閲覧する画面の一例を示す図である。
図11】知的財産情報管理サーバ200のハードウェア構成を示すブロック図である。
図12】本実施形態に係る知的財産情報管理システム2の構成を示す図である。
図13】本実施形態に係る知的財産情報管理サーバ600の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。なお、以下の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。
【0015】
<実施形態1>
本実施形態に係る知的財産情報管理システムは、知的財産に関する案件情報を管理する代理人と、当該案件情報の管理を依頼した依頼人とが、ネットワークを介して知的財産情報管理サーバに記憶された案件情報を共有し、依頼人は、案件情報を商品情報ごとに対応付けて閲覧することができるシステムである。
【0016】
ここで、案件情報とは、代理人が受任した知的財産に関する案件の経過情報や、案件に関する所定の情報である。例えば、案件が特許出願の場合、案件の整理番号(代理人管理用、依頼人管理用など)、出願対象国、依頼人の氏名または名称、発明の名称、出願番号、出願日、出願公開番号、公開日、審査請求日、登録番号、登録日などが含まれる。また、審判情報や、年金情報として年金納付日と納付年分などが含まれる。また、特許庁に提出した書類や、特許庁からの発送書類の情報が含まれてもよい。また、出願前に、依頼人とやり取りする発明資料等を含んでもよい。なお、案件情報は、代理人と依頼人とが共有する情報である。依頼人と共有する目的ではなく、代理人自身のために入力した備忘録などのメモ等は含まれない。
【0017】
また、商品情報とは、依頼人が生産したり提供したりする商品に関する所定の情報である。例えば、商品の名称や画像、整理番号、担当者、メモなどが含まれる。なお、商品情報は、依頼人が入力し、代理人とは共有しない情報である。
【0018】
(知的財産情報管理システム1の構成)
【0019】
図1は、本実施形態に係る知的財産情報管理システム1の構成を示す図である。図1を参照して、実施形態1に係る知的財産情報管理システム1の構成について説明する。
【0020】
知的財産情報管理システム1は、代理人端末100-1,100-2,100-3と、知的財産情報管理サーバ200と、依頼人端末300-1,300-2と、を備える。図1において、代理人端末100-1,100-2,100-3と、知的財産情報管理サーバ200と、依頼人端末300-1,300-2とは、ネットワークNWを介して通信可能に接続される。ネットワークNWは、例えば、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、光回線網、イントラネット等であるが、任意のネットワークから構成されてもよい。
【0021】
以下の説明では、代理人端末100-1,100-2,100-3は、特に区別する必要のない限り、代理人端末100と記載する。なお、本実施形態においては、代理人端末100は、説明を簡単にするため、代理人端末100-1,100-2,100-3の3台であるが、台数に制限はなく、1台であっても、複数台であってもよい。同様に、依頼人端末についても、特に区別する必要のない限り、依頼人端末300と記載する。依頼人端末300についても、台数に制限はなく、1台であっても、複数台であってもよい。
【0022】
代理人端末100は、知的財産に関する案件情報を管理する代理人が用いる情報処理端末である。代理人端末100は、例えば、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末である。代理人は、例えば、案件情報を管理する弁理士や弁護士であるが、年金納付の管理を行う年金管理会社などであってもよい。図1において、代理人端末100-1,100-2,100-3は、依頼人が案件情報の管理を依頼した、異なる代理人(特許事務所など)がそれぞれ用いる情報処理端末である。これらの代理人は、例えば、異なる技術分野や法域を専門とする弁理士や弁護士である。
【0023】
知的財産情報管理サーバ200は、ネットワークNWを介して、例えば、代理人端末100から案件情報を取得し、記憶する。また、知的財産情報管理サーバ200は、代理人端末100や依頼人端末300から、案件情報に対する閲覧要求に応じて、当該閲覧要求に係る案件情報を提供する。
【0024】
依頼人端末300は、案件情報の管理を依頼した依頼人が用いる情報処理端末である。依頼人端末300は、例えば、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末である。依頼人は、例えば、特許等の出願人または権利者等としての企業や個人である。依頼人端末300-1と、依頼人端末300-2とは、異なる依頼人がそれぞれ用いる情報処理端末である。例えば、それぞれ異なる代理人に案件情報の管理を依頼している依頼人であってもよいし、ある案件について特定の代理人に管理を依頼している共同出願人であってもよい。
【0025】
知的財産情報管理システム1において、案件情報の入出力は、ウェブサイトを用いて行われてもよい。例えば、代理人は、代理人端末100を介して、本システムのウェブサイトへ接続し、ウェブページ上で案件情報を入力してもよい。また、依頼人は、依頼人端末300を介して、本システムのウェブサイトへ接続し、利用登録等を行って、代理人が入力した案件情報を閲覧してもよい。ウェブサイトを介した情報の共有により、依頼人は専用の管理システムを導入することなく、案件情報を容易に閲覧することができる。
【0026】
以下、上述した知的財産情報管理システム1を構成する端末やサーバの機能構成、処理について説明する。なお、各機能構成を示す機能ブロックや処理ブロックは、1つ、または複数の装置、コンピュータプロセッサ、コンピュータプロセッサの分散グループによって実現されてもよい。
【0027】
(代理人端末100の機能構成)
図2は、代理人端末100の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。図2を参照して、代理人端末100の機能構成の一例について説明する。
【0028】
代理人端末100は、制御部110と、通信部120と、記憶部130と、入力部140と、出力部150と、を備える。代理人端末100は、上述したように、例えば、知的財産に関する案件情報を管理する代理人が用いる端末であるが、当該代理人が所属する組織(特許事務所等)で用いられる端末であってもよい。
【0029】
制御部110は、代理人端末100の各機能を制御し、予め記憶部130に記憶されているプログラムに基づいて動作するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部110は、入力部140により入力された案件情報を、通信部120を介して知的財産情報管理サーバ200に送信する。
【0030】
通信部120は、代理人端末100がネットワークNWを介してサーバ等と所定の通信プロトコルに従って通信を行うための通信インタフェース回路を有する。所定の通信プロトコルは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等である。通信部120は、受信したデータを制御部110に送り、また、制御部110から受け取ったデータを、ネットワークNWを介してサーバ等に送信するが、通信部120は、代理人端末100内の制御部110以外の機能ブロックとデータのやり取りを行ってもよい。なお、通信部120は、ネットワークNWを介したサーバ等と、セキュリティが確保されたセキュアな通信チャンネルでデータを送受信する。セキュアな通信チャンネルの構築、通信方法は、共通鍵(セッション鍵など)や公開鍵等を用いた周知の技術であるため、説明を省略する。
【0031】
記憶部130は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、記憶部130は、代理人端末100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル、鍵等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から公知のセットアッププログラム等を用いて記憶部130にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)等である。コンピュータプログラムは、所定のサーバ等からインストールされてもよい。
【0032】
入力部140は、代理人端末100のユーザ入力を受け付けるインタフェースである。入力部140は、例えば、キーボードや、タッチパネル、音声入力を検出するマイクであるが、これらに限られない。代理人は、入力部140を介して、案件情報を入力することができる。通信部120は、入力された案件情報を、知的財産情報管理サーバ200に送信する。
【0033】
出力部150は、情報を出力してユーザに通知するインタフェースである。出力部150は、例えば、ディスプレイや、音声出力するスピーカであるが、これらに限られない。出力部150は、案件情報を、ディスプレイに表示する等してユーザ(代理人)に提供する。
【0034】
図3は、新規登録する案件情報を入力する画面の一例を示す図である。図3を参照して、代理人端末100から案件情報を入力する画面例について説明する。
【0035】
図3に示す画面1000は、例えば、代理人端末100から知的財産情報管理サーバ200にアクセスし、案件情報の新規登録を要求した際に、出力部150に表示される画面である。図3の例では、案件情報の新規登録の入力項目として、代理人の管理用の番号である「整理番号」、依頼人の管理用の番号である「顧客番号」、出願の対象国である「対象国」、出願する案件の種別(普通出願、分割出願、変更出願など。)を示す「案件種別」、案件の依頼人である「依頼人」、および発明の名称等を示す「発明の名称」が示されている。これらの項目は、案件情報を新規登録する際の必須項目としてよい。なお、「出願番号」、「出願日」、「公開番号」、「公開日」、「登録番号」、「登録日」、「放棄指示日」、「備考」は、任意項目としてよい。例えば、中途受任した場合などに入力するのに用いられる。また、「備考」の内容は、代理人自身のために入力する備忘録などのメモであって、依頼人とは共有しない情報である。
これらの入力項目は、キーボード等の入力部140を介して、入力される。対象国や案件種別は、予めシステム側で選択肢を設定しておき、プルダウンなどで、選択できるようにしておいてもよい。なお、案件情報を新規登録する際の入力項目は、一例であって、これらに限られない。また、案件情報の新規登録時に入力する項目は、代理人が予め設定しておいてもよい。登録ボタン1010をクリック等して登録する情報を確定することで、知的財産情報管理サーバ200において、案件情報と代理人識別情報とが関連付けられ、管理情報として記憶される。管理情報については、図5において詳述する。
【0036】
図4は、代理人が案件情報を閲覧する画面の一例を示す図である。図4を参照して、代理人端末100から案件情報を閲覧する画面例について説明する。
【0037】
図4に示す画面1100は、例えば、代理人端末100から知的財産情報管理サーバ200にアクセスし、案件情報の閲覧要求をした際に、出力部150に表示される画面である。画面1100において、例えば、案件の受任時が出願前であった場合は、「出願番号」、「出願日」、「公開番号」、「公開日」、「登録番号」、「登録日」という項目欄は、空欄である。案件について手続きが進み、これらの項目に情報を入力する必要が出てきた場合は、入力ボタン1110をクリック等で確定することで、入力モードに切り替えるようにしてもよい。入力モードにおいて、「出願番号」などの情報を入力し、登録することで、知的財産情報管理サーバ200において案件情報が更新される。
【0038】
なお、案件情報として表示される項目は、これらに限られず、上述したように、審判に関する情報、年金納付等に関する情報、関連する出願に関する情報、および特許庁との送受信書類の情報が項目として表示されてもよい。
【0039】
(知的財産情報管理サーバ200の機能構成)
【0040】
図5は、知的財産情報管理サーバ200の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。図5を参照して、知的財産情報管理サーバ200の機能構成の一例について説明する。
【0041】
知的財産情報管理サーバ200は、制御部210と、通信部220と、記憶部230と、を備える。なお、知的財産情報管理サーバ200は、入力部および出力部(不図示)を備えてもよいし、ネットワークを介して、またはローカルに接続された端末装置により入出力が行われるようにしてもよい。
【0042】
制御部210は、知的財産情報管理サーバ200の各機能を制御し、予め記憶部230に記憶されているプログラムに基づいて動作するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。
【0043】
通信部220は、知的財産情報管理サーバ200がネットワークNWを介して端末等と所定の通信プロトコルに従って通信を行うための通信インタフェース回路を有する。所定の通信プロトコルは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等である。通信部220は、受信したデータを制御部210に送り、また、制御部210から受け取ったデータを、ネットワークNWを介して端末等に送信するが、通信部220は、知的財産情報管理サーバ200内の制御部210以外の機能ブロックとデータのやり取りを行ってもよい。なお、通信部220は、ネットワークNWを介して接続される端末等と、セキュリティが確保されたセキュアな通信チャンネルでデータを送受信する。セキュアな通信チャンネルの構築、通信方法は、共通鍵(セッション鍵など)や公開鍵等を用いた周知の技術であるため、説明を省略する。
【0044】
記憶部230は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、記憶部230は、知的財産情報管理サーバ200の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル、鍵等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から公知のセットアッププログラム等を用いて記憶部230にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)等である。コンピュータプログラムは、所定のサーバ等からインストールされてもよい。
【0045】
記憶部230は、管理情報2300を記憶する。管理情報2300は、例えば、案件情報ごとに生成されてもよい。すなわち、記憶部230は、異なる代理人が管理する複数の案件情報について記憶する。管理情報2300は、代理人識別情報2310と、案件情報2320と、依頼人識別情報2330と、商品情報2340と、を含む。代理人識別情報2310は、知的財産情報管理システム1における代理人端末100を用いる代理人を識別するための識別子(ID)である。案件情報2320は、例えば、図4において説明したような案件情報である。依頼人識別情報2330は、知的財産情報管理システム1における依頼人端末300を用いる依頼人を識別するための識別子(ID)である。商品情報2340は、案件情報と関連付けられた商品情報である。商品情報の具体例については、図8において詳述する。管理情報2300は、案件情報2320と、代理人識別情報2310および依頼人識別情報2330とが少なくとも関連付けられて、記憶されている。これにより、代理人や依頼人から案件情報の閲覧請求があった場合には、閲覧請求をした代理人や依頼人の識別情報と関連付けられている案件情報を提供することができる。
【0046】
通信部220は、案件情報を取得する「取得部」としての機能を有する。例えば、通信部220は、代理人端末100から案件情報を取得し、制御部210へ送る。制御部210は、案件情報と、案件情報に係る代理人および依頼人を識別する識別情報と、を関連付け、管理情報として記憶するように記憶部230を制御する。案件情報と代理人および依頼人を識別する識別情報とを関連付ける処理については、図7において詳述する。
【0047】
また、通信部220は、依頼人端末300から、案件情報に関連付けられた商品情報を取得し、制御部210へ送る。制御部210は、管理情報として、商品情報を記憶するよう記憶部230を制御する。すなわち、管理情報は、案件情報と商品情報とを関連付けて記憶する。
【0048】
また、通信部220は、案件情報を、当該案件情報と識別情報が関連付けられた代理人または依頼人が用いる端末に提供する「提供部」としての機能を有する。例えば、通信部220は、代理人端末100から、案件情報に対する閲覧要求を受け付け、制御部210に閲覧要求を送る。制御部210は、例えば、記憶部230で記憶される管理情報2300のうち、閲覧要求を送信した代理人端末100を用いる代理人の識別情報が関連付けられている管理情報を検索し、閲覧要求に係る案件情報を記憶部230から読み出す。そして、読み出した管理情報の案件情報を、閲覧情報を送った代理人端末100に送信するよう通信部220を制御する。通信部220は、同様に、依頼人端末300からの閲覧要求に応じて、依頼人端末300を用いる依頼人の識別情報が関連付けられている案件情報を、依頼人端末300に送信する。
【0049】
ここで、通信部220が代理人端末100から受け付けた、閲覧要求に係る案件情報は、出願番号等で一意に特定できる特定の案件であってもよいし、閲覧要求を送った代理人が管理するすべての案件であってもよいし、所定の条件を満たす案件であってもよい。所定の条件とは、例えば、出願日が所定の年月日以降であったり、所定の依頼人であったり、出願国が所定の国であったりしてもよい。代理人は、代理人端末100を介して、案件を一意に特定する情報や、所定の条件が入力された閲覧要求を知的財産情報管理サーバ200に送ってもよい。
【0050】
また、通信部220は、「提供部」として、関連付けられた識別情報に係る依頼人が用いる依頼人端末300からの案件情報に対する閲覧要求に応じて、当該閲覧要求に係る案件情報を、商品情報と対応付けて提供する機能を有する。なお、案件情報とともに提供する商品情報は、閲覧要求に係る案件情報と関連付けられた1または複数の商品情報であってよい。ここで、通信部220が依頼人端末300から受け付けた、閲覧要求に係る案件情報は、依頼人の識別情報と関連付けられたすべての案件であるが、上述のような所定の条件を満たす案件であってもよい。通信部220は、依頼人の識別情報と関連付けられている、異なる代理人が管理する複数の案件情報を提供する。なお、閲覧要求に係る案件情報は、出願番号等で一意に特定できる特定の案件であることを妨げるものではない。なお、通信部220は、代理人端末100からの案件情報に対する閲覧要求に応じて、当該案件情報を提供し、当該案件情報と関連付けられた商品情報は提供しない。なぜなら、上述したように、商品情報は、依頼人が生産したり提供したりする商品に関する所定の情報であり、依頼人にとっては、外部に秘匿すべき情報であるからである。
【0051】
図6は、依頼人端末300の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。図6を参照して、依頼人端末300の機能構成の一例について説明する。
【0052】
依頼人端末300は、制御部310と、通信部320と、記憶部330と、入力部340と、出力部350と、を備える。依頼人端末300は、上述したように、例えば、特許等の出願人または権利者等としての個人(依頼人)が用いる情報処理端末であるが、企業において用いられる情報処理端末であってもよい。
【0053】
制御部310は、依頼人端末300の各機能を制御し、予め記憶部330に記憶されているプログラムに基づいて動作するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部310は、入力部340により入力された商品情報等を、知的財産情報管理サーバ200に送信するよう通信部320を制御する。
【0054】
通信部320は、依頼人端末300がネットワークNWを介してサーバ等と所定の通信プロトコルに従って通信を行うための通信インタフェース回路を有する。所定の通信プロトコルは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等である。通信部320は、受信したデータを制御部310に送り、また、制御部310から受け取ったデータを、ネットワークNWを介してサーバ等に送信するが、通信部320は、依頼人端末300内の制御部310以外の機能ブロックとデータのやり取りを行ってもよい。なお、通信部320は、ネットワークNWを介したサーバ等と、セキュリティが確保されたセキュアな通信チャンネルでデータを送受信する。セキュアな通信チャンネルの構築、通信方法は、共通鍵(セッション鍵など)や公開鍵等を用いた周知の技術であるため、説明を省略する。
【0055】
通信部320は、案件情報と関連付けられた商品情報を、知的財産情報管理サーバ200に送信する「管理部」としての機能を果たす。例えば、通信部320は、入力部340を介して入力された、案件情報と関連付けられた商品情報を取得し、知的財産情報管理サーバ200に送信する。
【0056】
また、通信部320は、案件情報に対する閲覧要求を、知的財産情報管理サーバ200に行う「要求部」としての機能を果たす。例えば、通信部320は、入力部340を介して入力された、閲覧要求を取得し、知的財産情報管理サーバ200に送信する。
【0057】
また、通信部320は、閲覧要求に係る案件情報を、知的財産情報管理サーバ200から取得する「取得部」としての機能を果たす。通信部320は、取得した案件情報を制御部310に送り、制御部310は、案件情報を記憶するよう記憶部330を制御してもよい。
【0058】
記憶部330は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、記憶部330は、依頼人端末300の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル、鍵等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から公知のセットアッププログラム等を用いて記憶部330にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)等である。コンピュータプログラムは、所定のサーバ等からインストールされてもよい。
【0059】
入力部340は、依頼人端末300のユーザ入力を受け付けるインタフェースである。入力部340は、例えば、キーボードや、タッチパネル、音声入力を検出するマイクであるが、これらに限られない。依頼人は、入力部340を介して、商品情報を入力することができる。通信部320は、入力された商品情報を、知的財産情報管理サーバ200に送信する。
【0060】
出力部350は、情報を出力してユーザに通知するインタフェースである。出力部350は、例えば、ディスプレイや、音声出力するスピーカであるが、これらに限られない。
【0061】
出力部350は、取得した案件情報を、商品情報と対応付けて表示する「表示部」としての機能を果たす。例えば、出力部350は、案件情報を商品情報に対応付けて、ディスプレイに表示する等してユーザ(依頼人)に提供する。
このように、依頼人は、依頼人端末300を用いて、知的財産に関する案件情報を、当該案件情報の管理を依頼人から依頼された代理人が用いる代理人端末100と、知的財産情報管理サーバ200を介して共有することができる。
【0062】
図7は、知的財産情報管理システム1における処理の一例を示すシーケンス図である。図7を参照して、知的財産情報管理システム1において、依頼人端末300が利用を申請してから、案件情報を閲覧するまでの処理の一例について説明する。なお、図7の例においては、知的財産情報管理サーバ200は、図3および図4で示したように、代理人端末100-1,100-2,100-3からそれぞれ案件情報を取得し、それぞれの代理人識別情報と関連付けて、管理情報として記憶しているものとする。また、説明を簡略にするために、図7の例においては、依頼人端末は1台として説明する。
【0063】
ステップS101において、依頼人端末300は、知的財産情報管理サーバ200に対し、知的財産情報管理システム1の利用申請を送信する。例えば、依頼人は、依頼人端末300を介して、知的財産情報管理システム1に係るウェブサイトにアクセスし、メールアドレスや名称等を入力して新規アカウントの申請を行う。
【0064】
ステップS103において、知的財産情報管理サーバ200は、ステップS101で入力された情報に基づいてアカウントを新規登録し、代理人と案件情報を共有するための共有キーを生成する。ステップS105において、知的財産情報管理サーバ200は、生成した共有キーを依頼人端末300に送信する。
【0065】
ステップS107において、依頼人端末300は、知的財産情報管理サーバ200から受信した共有キーを、案件情報の管理を依頼している各代理人の代理人端末100-1,100-2,100-3に送信する。ステップS109において、代理人端末100-1,100-2,100-3は、依頼人端末300から受信した共有キーを知的財産情報管理サーバ200に送信する。
【0066】
ステップS111において、知的財産情報管理サーバ200は、ステップS103においてアカウント登録した依頼人に対して生成した共有キーと、代理人端末100-1,100-2,100-3から受信した共有キーとが一致すると判断したことに応じて、各代理人識別情報と関連付けられている案件情報について、当該依頼人を識別する依頼人識別情報と関連付け、管理情報として記憶する。これにより、案件情報が、依頼人と代理人とで共有することができる。
【0067】
次いで、ステップS113において、依頼人端末300は、知的財産情報管理サーバ200に対し、商品情報の新規登録要求を行う。ステップS115において、知的財産情報管理サーバ200は、新規登録要求を送信した依頼人に関連付けられた案件情報を読み出し、ステップS117において、読み出した案件情報を依頼人端末300に送信する。
【0068】
ステップS119において、依頼人端末300は、商品情報を入力するとともに、受信した案件情報の中から、当該商品に関係する案件情報を関連付け、ステップS121において、知的財産情報管理サーバ200に、案件情報と関連付けられた商品情報を送信する。なお、商品情報の入力、および案件情報との関連付けについては、図8において説明する。ステップS123において、知的財産情報管理サーバ200は、取得した商品情報を、当該商品情報と関連付けられた案件情報を含む管理情報に含ませて更新(記憶)する。
【0069】
ステップS125において、依頼人端末300は、知的財産情報管理サーバ200に対し、案件情報に対する閲覧要求を行う。知的財産情報管理サーバ200は、閲覧要求に応じて、依頼人と関連付けられた案件情報を読み出し、ステップS127において、知的財産情報管理サーバ200は、閲覧要求に係る案件情報を、商品情報と対応付けて提供する。提供された案件情報には、代理人端末100-1,100-2,100-3を用いる各代理人と関連付けられている案件情報が含まれる。また、知的財産情報管理サーバ200は、商品情報と関連付けられた案件情報を、特許、実用新案、意匠および商標のいずれかと対応付けて提供する。
【0070】
一方、ステップS129において、代理人端末100が、知的財産情報管理サーバ200に対し、案件情報に対する閲覧要求を行うと、ステップS131において、知的財産情報管理サーバ200は、代理人と関連付けられた案件情報を提供する。この際、商品情報は提供されない。
【0071】
なお、商品情報を新規登録したときから、時間が経過し、商品と関係する案件情報に変更があった場合などは、依頼人端末300において、商品情報と案件情報との関連付けを更新し、知的財産情報管理サーバ200において、管理情報として、更新された商品情報を記憶するようにしてもよい。
また、案件情報の管理を依頼する代理人が増えた場合は、ステップS107~S111において説明したように、依頼人端末300から共有キーを、新たな代理人が用いる代理人端末100に送信し、代理人端末100から当該共有キーを知的財産情報管理サーバ200に送信させることで、知的財産情報管理サーバ200が依頼人と新たな代理人とを関連付け、管理情報として記憶することができる。
【0072】
なお、共有キーを用いて代理人と依頼人とを関連付ける方法は、一例であって、案件情報と、当該案件情報に係る代理人および依頼人とを関連付けるのであれば、どのような方法が用いられてもよい。
【0073】
以上で、知的財産情報管理システム1において、依頼人端末300が利用を申請してから、案件情報を閲覧するまでの処理についての説明を終了する。
【0074】
図8は、新規登録する商品情報を入力する画面の一例を示す図である。図8を参照して、依頼人端末300から商品情報を入力する画面例について説明する。
【0075】
図8に示す画面2000は、例えば、依頼人端末300から知的財産情報管理サーバ200にアクセスし、商品情報の新規登録を要求した際に、出力部350に表示される画面である。図8の例では、商品情報の新規登録の入力項目として、「知財担当者」、「商品コード」、「商品名称」、「メモ」が示されている。知財担当者欄には、知財担当者の氏名である「特許太郎」が入力されている。氏名以外にも、担当部署名やグループ名であってもよい。商品名称欄、商品コード欄には、商品の名称、商品の管理番号として「美容器具」、「ABC」が入力されているが、具体的な製品名などであってもよい。メモ欄には、商品に関する備忘などが記入されている。これらの入力項目の他にも、商品の画像や、関連資料などのファイルをアップロードできるようにしてもよい。これらの入力項目は、キーボード等の入力部340を介して、入力される。
【0076】
また、「管理中の案件」として、リスト2100には、知的財産情報管理サーバ200の記憶部230において、商品情報の新規登録を要求した依頼人の依頼人識別情報と関連付けられている案件情報を識別する情報が示されている。案件情報を識別する情報として、リスト2100では、例えば、顧客番号2120、出願番号2130、名称等2140、代理人2150などをカラム(列)としている。カラムの項目は、例えば、図4で示したような、案件情報の項目から抽出されたものであり、顧客番号2120は、依頼人の案件管理番号である。代理人2150には、案件情報を管理している代理人を示しており、案件情報と関連付けられた代理人識別情報を示すようにしてもよい。図8の例では、顧客番号「RP2101」は代理人「PT_1」、顧客番号「RD2203」は代理人「PT_2」、顧客番号「RT2210」は代理人「PT_N」に管理を依頼している案件であり、異なる代理人であっても、リストに一覧表示されるため、依頼人は容易に案件を把握することができる。なお、図8の例では、説明のため、代理人は「PT_1」のような記号で示されているが、代理人の氏名であったり、事務所名であったりしてもよい。
【0077】
依頼人は、登録する商品情報と関連する案件を、チェックボックス欄2110のチェックボックスを選択してチェックを入れることで、指定することができる。登録ボタン2010をクリック等して登録する情報を確定することで、知的財産情報管理サーバ200において、商品情報が、チェックボックス欄2110でチェックされた案件情報と関連付けられて記憶される。
【0078】
なお、入力項目や、リスト2100のカラムは、一例であって、これら以外の項目をシステム運営側や、依頼人が必要な項目を設定してもよい。
【0079】
図9は、案件情報に対する閲覧要求に応じて、依頼人端末に表示される画面の一例を示す図である。図9を参照して、閲覧要求に係る案件情報が、商品情報と対応付けて表示される画面例について説明する。
【0080】
画面3000は、商品について依頼人が入力した情報を示す商品情報領域3100と、出願情報を示す出願情報領域3200を含む。商品情報領域3100には、商品情報を作成した「作成日」、「知財担当」、「商品名」「メモ」、「商品画像」が示されている。商品情報領域3100には、例えば、図8において示した商品情報に関する入力項目が示される。入力ボタン3110をクリック等することにより、商品情報に関して、入力項目に対する追記や修正、および関連する案件情報の追加、削除などを行って更新することができる。
【0081】
出願情報領域3200には、特許、実用新案、意匠、および商標について商品情報と関連付けられた案件情報がリスト表示される。図9のリストの例では、「顧客番号」、「出願番号」、「名称等」、「代理人」がカラムとして示されているが、カラムに示される項目は、依頼人が任意に設定できるようにしてもよい。また、顧客番号に対して、案件情報の詳細(図10において後述)を示す情報とのリンクを適用し、各顧客番号をクリック等することで、案件情報の詳細が表示されるようにすることが好ましい。これにより、依頼人は、商品情報に関連する案件情報を容易に閲覧することができる。
【0082】
なお、図9の例のように、ある商品情報に関連する案件情報の一覧を表示する形式の他に、依頼人に関連付けられた案件情報の一覧において、各案件情報に関連付けられた商品情報をカラムの一つとして表示する形式にしてもよい。また、案件情報の詳細画面(図10参照)において、当該案件情報と関連付けられている商品情報を表示する形式にしてもよいし、それらの少なくとも一つを切り替えて表示するようにしてもよい。依頼人に関連付けられた案件情報の一覧については、全案件情報の一覧であってもよいし、所定の条件を満たす案件情報の一覧であってもよい。複数の商品情報を登録している場合などは、各案件がどの商品に関連しているか確認できて利便性が高まる。また、複数の商品に用いられる知的財産もあるため、案件情報は、複数の商品情報と関連付けられてもよい。
【0083】
図10は、依頼人が案件情報を閲覧する画面の一例を示す図である。図10を参照して、依頼人端末300から案件情報を閲覧する画面例について説明する。
【0084】
図10に示す画面4100は、図9の例において、案件情報の詳細にリンクが貼られた顧客番号をクリック等することで、依頼人端末300の出力部350に表示される画面である。図4の画面1100で示した、代理人端末100で表示される案件情報と同じ項目に加え、依頼人の入力した商品情報が示されている。
【0085】
画面4100では、入力ボタンがない点で画面1100とは異なる。すなわち、依頼人端末300からは、案件情報に対する変更は行うことができない。これは、案件情報の管理は代理人が行うものであって、依頼人が任意のタイミングで案件情報の更新を行うことで、データの誤入力、認識の相違などが発生し、代理人側で予期せぬミスにつながることを防ぐためである。
【0086】
また、画面4100には、備考欄がない点も画面1100とは異なる。備考欄は、代理人の備忘等を入力する欄であり、依頼人とは共有しない情報だからである。
【0087】
(ハードウェア構成図)
図11は、知的財産情報管理サーバ200のハードウェア構成を示すブロック図である。知的財産情報管理サーバ200は、コンピュータ9001に実装される。コンピュータ9001は、CPU9002と、主記憶装置9003と、補助記憶装置9004と、インタフェース9005と、を備える。
【0088】
知的財産情報管理サーバ200の各構成要素の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置9004に記憶されている。CPU9002は、プログラムを補助記憶装置9004から読み出して主記憶装置9003に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU9002は、プログラムに従って、記憶領域を主記憶装置9003に確保する。当該プログラムは、具体的には、コンピュータ9001に、データ処理を行わせるプログラムである。
【0089】
なお、補助記憶装置9004は、一時的でない有形の媒体の一例である。一時的でない有形の媒体の他の例としては、インタフェース9005を介して接続される磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等が挙げられる。また、このプログラムがネットワークを介してコンピュータ9001に配信される場合、配信を受けたコンピュータ9001が当該プログラムを主記憶装置9003に展開し、処理を実行してもよい。
【0090】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置9004に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。なお、図11に示したハードウェア構成は、代理人端末100、および依頼人端末300も同様の構成としてもよい。これらの装置における各構成要素の動作も、上述の知的財産情報管理サーバ200と同様に、補助記憶装置に記憶されたプログラムに従ったCPUにより実現する。
【0091】
(効果の説明) 上述したように、本実施形態に係る知財情報管理システムは、知的財産に関する案件を管理する代理人が用いる代理人端末と、当該案件情報の管理を依頼した依頼人が用いる依頼人端末と、代理人端末および依頼人端末とネットワークを介して接続される知的財産情報管理サーバと、を備える。依頼人は、知的財産情報管理サーバが記憶する、代理人が管理する案件情報を、依頼人が入力した商品情報に対応付けて閲覧することができる。これにより、依頼人は、独自の管理システムを導入することなく、商品ごとに関連する案件情報を容易に確認することがでる。
【0092】
また、本実施形態に係る知的財産情報管理システムは、依頼人が案件情報の管理を依頼した、異なる代理人の案件情報を、商品情報に対応付けて閲覧することができる。これにより、依頼人は、代理人ごとに案件情報の管理が別々になってしまう手間がなくなり、商品ごとに関連する案件情報を容易に確認することができる。
【0093】
また、本実施形態に係る知的財産情報管理システムは、代理人に対しては、案件情報と関連付けられた商品情報を提供しない。これにより、依頼人は、事業に係る情報を秘匿しつつ、商品に関連する知的財産の管理を容易に行うことができる。
【0094】
また、本実施形態に係る知的財産情報管理システムは、商品情報と関連付けられた案件情報を、特許、実用新案、意匠、および商標のいずれかと対応付けて依頼人に提供する。これにより、依頼人は、商品情報がどの知的財産に関する権利であるか容易に把握することができる。
【0095】
また、本実施形態に係る知的財産情報管理システムは、商品情報と、案件情報との関連付けを更新させ、依頼人に提供する。これにより、商品情報を常に最新の状態で依頼人は確認することができる。
【0096】
<実施形態2>
実施形態2は、知的財産情報管理サーバが案件情報を取得する取得元が、実施形態1とは異なる。すなわち、実施形態1では、知的財産情報管理サーバ200は、代理人端末100から、案件情報を取得していた。例えば、依頼人から、案件を新規に受任し、代理人が案件情報を入力する場合などが該当する。それに対し、実施形態2では、知的財産情報管理サーバ200は、案件情報を、依頼人端末や外部の知的財産情報データベースからも取得する。例えば、代理人が、依頼人から案件を中途受任する場合などが該当する。
【0097】
図12は、本実施形態に係る知的財産情報管理システム2の構成を示す図である。図12を参照して、実施形態2に係る知的財産情報管理システム2の構成について説明する。
【0098】
知的財産情報管理システム2は、知的財産管理システム1が備える知的財産情報管理サーバ200を知的財産情報管理サーバ500に代え、さらに、知的財産情報データベース400を備える以外は、知的財産情報管理システム1と構成は同じである。
【0099】
知的財産情報データベース400は、ネットワークNWを介して、代理人端末100、依頼人端末300、および知的財産情報管理サーバ500と接続されるが、知的財産情報管理サーバ500とローカルに接続されていてもよい。知的財産情報データベース400は、知的財産に関する情報を格納する外部の知的財産情報データベースであって、例えば、特許庁(日本、米国、欧州、中国など)のデータベースであるが、商用のデータベースであってもよい。これらのデータベースには、データベースの運用側が提供するAPI(Application Program Interface)を用いてアクセスしてもよい。
【0100】
知的財産情報管理サーバ500は、所定の手続が経過した案件情報を、依頼人端末300から新規に取得する。所定の手続とは、例えば、特許庁に対する出願や、中間対応、登録料等の納付などである。この際、案件情報の新規登録は、代理人端末100から行い、知的財産情報管理サーバ500が、案件情報と、代理人および依頼人とを関連付けて記憶したのちに、依頼人端末300から当該案件についての情報を知的財産情報管理サーバ500が取得するようにしてもよい。なお、中途受任の案件情報が、最新の情報に更新された後は、代理人が案件情報の更新を行い、依頼人は案件情報の更新はできないように設定されることが好ましい。実施形態1で述べたように、案件情報の管理は代理人が行うものであって、依頼人が任意のタイミングで案件情報の更新を行うことで、データの誤入力、認識の相違などが発生し、代理人側で予期せぬミスにつながることを防ぐためである。
【0101】
また、知的財産情報管理サーバ500は、案件情報を、知的財産情報データベース400から取得してもよい。例えば、案件情報の出願番号など、客観的に出願を特定する情報が新規登録の際に分かっている場合などに有用である。
【0102】
(効果の説明) 上述したように、本実施形態に係る知財情報管理システムは、所定の手続が経過した案件情報を、依頼人端末、ならびに外部の知的財産情報データベースから取得する。これにより、代理人は、案件を中途受任した場合でも、依頼人が保有している中途受任の案件情報を容易に依頼人と共有することができる。また、代理人が人手によって案件情報を入力する手間を省き、データの入力ミスを低減させることができる。
【0103】
<実施形態3>
実施形態3では、知的財産情報管理サーバは、代理人端末または依頼人端末からの所定の指示に応じて、知的財産情報管理サーバが記憶する管理情報に基づいて、依頼人管理情報と代理人管理情報とを生成する。依頼人が代理人に案件情報の管理を依頼している場合は、案件情報を共有していたが、代理人が辞任した場合には、もはや案件情報を共有する必要はなく、案件情報の関連付けを解消する。その一方で、これまで共有していた案件情報は、個別に保有すべきものであるため、依頼人と代理人とが別個にアクセスできるように、案件情報を複製する。
【0104】
図13は、本実施形態に係る知的財産情報管理サーバ600の構成を示す図である。図13を参照して、実施形態3に係る知的財産情報管理サーバ600の構成について説明する。
【0105】
知的財産情報管理サーバ600は、制御部610と、通信部220と、記憶部630と、を備える。
【0106】
制御部610は、制御部210と同様の動作を行うプロセッサである。制御部610は、「データ生成部」として機能し、代理人端末100または依頼人端末300からの所定の指示に応じて、記憶部630が記憶する管理情報2300に基づいて、案件情報2320と当該案件情報2320に係る代理人の識別情報2310が関連付けられた管理情報6300(「代理人管理情報」)と、案件情報2320と当該案件情報に係る依頼人の識別情報2330および商品情報2340とが関連付けられた管理情報6400(「依頼人管理情報」)とを生成する。所定の指示は、例えば、案件の辞任を示す指示や、管理不要の指示など、代理人と依頼人とで案件情報を共有する必要がなくなった旨を示す指示である。また、管理情報6300および6400が生成された後、制御部610は、管理情報2300を削除するよう記憶部630を制御する。
【0107】
記憶部630は、制御部610が生成した管理情報6300および6400を記憶する。
【0108】
通信部220は、依頼人端末300からの閲覧要求を受け付けると、制御部610に閲覧要求を送る。制御部610は、管理情報のうち、閲覧要求に係る依頼人の識別情報に関連付けられた管理情報6400を検索し、検索された案件情報2320を商品情報2340と対応付けて提供するよう通信部220を制御する。
【0109】
また、通信部220は、代理人端末100からの閲覧要求を受け付けると、制御部610に閲覧要求を送り、制御部610は、管理情報のうち、閲覧要求に係る代理人の識別情報に関連付けられた管理情報6300を検索し、検索された案件情報2320を提供するよう通信部220を制御する。代理人端末100には、商品情報は送信されない。
【0110】
(効果の説明)上述したように、本実施形態に係る知財情報管理システムは、代理人端末または依頼人端末からの所定の指示に応じて、管理情報に基づき、案件情報と代理人識別情報とが関連付けられた代理人管理情報と、案件情報と、依頼人識別情報および商品情報とが関連付けられた依頼人管理情報とを生成する。そして、依頼人からの案件情報の閲覧要求に対しては、依頼人管理情報に基づき、商品情報に関連付けられた案件情報を提供する。また、代理人からの案件情報の閲覧要求に対しては、代理人管理情報に基づき、案件情報を提供する。これにより、例えば、代理人の辞任や、代理人による案件情報の管理不要という所定の指示があった場合に、案件情報の共有を停止し、代理人や依頼人がそれぞれと関連付けられた案件情報に個別にアクセスすることができる。したがって、依頼人は、代理人への案件管理の依頼が終了した後も、個別の管理システムを導入することなく、容易に案件管理を行うことができる。
【0111】
上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0112】
1,2 知的財産管理システム、100 代理人端末、110,210,310,610 制御部、120,220,320 通信部、130,230,330,630 記憶部、140,340 入力部、150,350 出力部、200 知的財産情報管理サーバ、300 依頼人端末、400 知的財産情報データベース、500,600 知的財産情報管理サーバ、2300,6300,6400 管理情報、2310 代理人識別情報、2320 案件情報、2330 依頼人識別情報、2340 商品情報、9001 コンピュータ、9003 主記憶装置、9004 補助記憶装置、9005 インタフェース、NW ネットワーク。
【要約】
【課題】知的財産に関する案件情報の管理を代理人に依頼した依頼人が、代理人が管理する案件情報を、商品情報と対応付けて確認できる知的財産情報管理システムを提供すること。
【解決手段】
代理人端末および依頼人端末とネットワークを介して接続されるサーバを備えるシステムであって、サーバは、案件情報を取得する取得部と、取得した案件情報と、当該案件情報に係る代理人および依頼人を識別する識別情報と、を関連付け、管理情報として記憶する記憶部と、案件情報を、当該案件情報と識別情報が関連付けられた代理人または依頼人に提供する提供部と、を有し、取得部は、依頼人端末から、案件情報と関連付けられた商品情報を取得し、記憶部は、管理情報として、商品情報を記憶し、提供部は、依頼人端末からの案件情報に対する閲覧要求に応じて、当該閲覧要求に係る案件情報を、商品情報と対応付けて当該依頼人端末に提供する。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13