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特許73067742つの搭載パワーサブシステムを有し、それらの間に保護デバイスが配置された、特に電気車両用の、搭載パワーシステム
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  • 特許-2つの搭載パワーサブシステムを有し、それらの間に保護デバイスが配置された、特に電気車両用の、搭載パワーシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】2つの搭載パワーサブシステムを有し、それらの間に保護デバイスが配置された、特に電気車両用の、搭載パワーシステム
(51)【国際特許分類】
   H02H 3/20 20060101AFI20230704BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20230704BHJP
   B60L 58/20 20190101ALI20230704BHJP
   H02H 9/04 20060101ALI20230704BHJP
   H02J 1/00 20060101ALI20230704BHJP
【FI】
H02H3/20
B60L3/00 S
B60L58/20
H02H9/04 A
H02J1/00 309H
【請求項の数】 5
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021186631
(22)【出願日】2021-11-16
(65)【公開番号】P2022082447
(43)【公開日】2022-06-01
【審査請求日】2021-11-17
(31)【優先権主張番号】10 2020 130 784.5
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510238096
【氏名又は名称】ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Dr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Porscheplatz 1, D-70435 Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】ティム フィッツェンマイヤー
(72)【発明者】
【氏名】フロリアン マイヤー
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル シュペッサー
【審査官】下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-161721(JP,A)
【文献】特開平05-252643(JP,A)
【文献】特開昭62-025822(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02H 3/08 - 3/253
H02H 9/00 - 9/08
H02J 1/00 - 1/16
B60L 1/00 - 3/12
B60L 7/00 - 13/00
B60L 15/00 - 58/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の搭載電圧での動作のための第1の搭載パワーサブシステム(1)と、第2の搭載電圧での動作のための第2の搭載パワーサブシステム(2)とを有する、特に電気車両用の、搭載パワーシステムであって、前記第1の搭載パワーサブシステム(1)において電圧変換器(13)が提供され及び前記第1の搭載電圧を前記第1の搭載電圧よりも低い前記第2の搭載電圧に変換するように構成されており、前記搭載パワーシステムが、前記第1の搭載パワーサブシステム(1)と前記第2の搭載パワーサブシステム(2)との間に配置された保護デバイス(3)を有し、前記保護デバイス(3)が、
前記第1の搭載パワーサブシステム(1)の電圧出力(14)と前記第2の搭載パワーサブシステム(2)の同じ極性の電圧入力(22)との間に配置された少なくとも1つの第1のスイッチ(31)、及び/又は、
その抵抗値を可変的に調整することができる抵抗素子(33)であって、前記第2の搭載パワーサブシステム(2)の電圧入力(22、23)間に配置された抵抗素子(33)を有し、
前記保護デバイス(3)が、前記第2の搭載パワーサブシステム(2)の前記電圧入力(22、23)に印加される前記電圧をモニタすることと、前記電圧が限度値を超えた際に、前記少なくとも1つの第1のスイッチ(31)を開放すること及び/又は前記抵抗素子(33)の前記可変抵抗値を低減することとを行うように構成される、
搭載パワーシステム。
【請求項2】
前記保護デバイス(3)が、前記第1の搭載パワーサブシステム(1)の他方の電圧出力(15)と前記第2の搭載パワーサブシステム(2)の他方の電圧入力(23)との間に配置された第2のスイッチ(32)を有し、前記保護デバイス(3)が、前記第2の搭載パワーサブシステム(2)の前記電圧入力(22、23)に印加された前記電圧が前記限度値を超えている場合は、前記第2のスイッチ(32)を開放するように構成される、請求項1に記載の搭載パワーシステム。
【請求項3】
前記第2の搭載パワーサブシステム(2)が、トラクションバッテリ(21)を有する、請求項1又は2に記載の搭載パワーシステム。
【請求項4】
前記抵抗素子(33)が、第3のスイッチ及び抵抗器を含む直列回路を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の搭載パワーシステム。
【請求項5】
前記抵抗素子(33)が、サイリスタ及びバリスタを含む直列回路を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の搭載パワーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの搭載パワーサブシステムを有し、それらの間に保護デバイスが配置された、特に電気車両用の、搭載パワーシステムに関する。保護デバイスは、その搭載パワーサブシステムに対する電圧クラスに、より低い動作電圧で応じるように使用される。
【背景技術】
【0002】
車両(例えば、電気車両)の搭載パワーシステムには、異なる搭載パワーサブシステムがある。搭載パワーサブシステムの各々には、異なる電圧クラスを定義することができる。例えば、第1の搭載パワーサブシステムでは800Vの電圧が主流であり得るのに対して、第1の搭載パワーサブシステムに結合された別の搭載パワーサブシステムでは500Vの電圧が主流であり得る。
【0003】
機能上の信頼性を保証することを目的として、各搭載パワーサブシステムのコンポーネントは、過度に高い電圧から保護される必要がある。この事例では、通常、それぞれの搭載パワーサブシステムにおいて主流である動作電圧が使用される。例えば、特定の電圧クラスの搭載パワーサブシステムでは、その中で主流である電圧は、常に、関連限度値(例えば、500V)以下であるべきであると定めることができる。この搭載パワーサブシステムにおいて接続されるコンポーネントの端子における電圧がこの限度値を超える場合は、これらのコンポーネントが損傷を受けるリスクがある。このリスクは、数百ボルトの比較的大きな電圧差を有する搭載パワーサブシステム同士が互いに電気的に接触している際に、特に大きい。そのようなシナリオは、電気車両の車両側の充電インフラストラクチャにおいて起こり得、このインフラストラクチャは、例えば、本質的に、整流器と、中間回路コンデンサバンクと、トラクションバッテリを充電するために必要なDC電圧を最終的に提供するDC-DC変換器とを有する。この事例では、例えば、800VのDC電圧を中間回路コンデンサバンクに印加することができ、その電圧は、DC-DC変換器によって500Vに変換される。800Vが主流である搭載パワーサブシステムの機能障害が発生した場合は、この電圧は、最悪の事例のシナリオではDC-DC変換器の端子に印加され、それにより、高い確率でDC-DC変換器の欠陥が生じる恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明は、特に、搭載パワーサブシステムの異なる電圧クラスに応じるように、搭載パワーシステムにおける過電圧に対する保護を提供するという目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、独立請求項において特許請求されるような搭載パワーシステムによって達成される。さらなる実施形態は、従属請求項において定義される。
【0006】
本発明は、第1の搭載電圧(搭載パワーシステム電圧)での動作のための第1の搭載パワーサブシステムと、第2の搭載電圧での動作のための第2の搭載パワーサブシステムとを有する、特に電気車両用の、搭載パワーシステムを提供する。言い換えれば、2つの搭載パワーサブシステムは、異なる搭載電圧で動作するように設計される。この事例では、電圧変換器は、第1の搭載パワーサブシステムにおいて提供され、第1の搭載電圧を第2の搭載電圧に変換するように構成される。言い換えれば、第2の搭載パワーサブシステムは、第1の搭載パワーサブシステムの電圧変換器によって提供された電圧で動作する。この事例では、第1の搭載電圧は電圧変換器の入力端子に印加されるのに対して、第2の搭載電圧は電圧変換器の出力端子に印加される。第1の搭載電圧は、第2の搭載電圧より大きいものであり得る。
【0007】
本発明による搭載パワーシステムは、保護デバイスを有し、保護デバイスは、第1の搭載パワーサブシステムと第2の搭載パワーサブシステムとの間に配置され、第1の搭載パワーサブシステムの電圧出力と第2の搭載パワーサブシステムの同じ極性の電圧入力との間に配置された少なくとも1つの第1のスイッチ、及び/又は、その抵抗値を可変的に調整することができる抵抗素子であって、第2の搭載パワーサブシステムの電圧入力間に配置された抵抗素子を有する。第1の搭載パワーサブシステムと第2の搭載パワーサブシステムとの間に保護デバイスを配置することは、第2の搭載パワーサブシステムが保護デバイスを介して第1の搭載パワーサブシステムに電気的に結合されることを意味する。正常動作の間、保護デバイスは、まるで存在しないかのように挙動し、すなわち、DC-DC変換器の出力端子で提供された電圧は(ライン抵抗を考慮することなく)、第2の搭載パワーサブシステムの入力端子に印加される。過電圧の場合は、保護デバイスが起動され、2つの搭載パワーサブシステム間の電気的結合が中断されるか又は変化する。DC-DC変換器は、例えば、バック/ブースト変換器であり得る。
【0008】
具体的には、保護デバイスは、第2の搭載パワーサブシステムの電圧入力に印加される電圧をモニタすることと、上記電圧が限度値を超えた際に、少なくとも1つの第1のスイッチを開放すること及び/又は抵抗素子の可変抵抗値を低減することとを行うように構成される。
【0009】
保護デバイスは、少なくとも1つのスイッチ及び可変抵抗器を作動させるように構成された制御ユニットを有し得る。その上、保護デバイスは、例えば、第2の搭載パワーサブシステムの端子に印加された電圧を測定する電圧測定デバイスを有し得る。第2の搭載電圧(第2の搭載パワーサブシステムの動作電圧に相当する)が比較的高い場合は、第2の搭載電圧を測定するために使用することができる分圧器を提供することができる。限度値との比較は、比較器によって行うことができる。比較器の出力(作動回路に供給できるもの)に基づいて、その関数として保護回路が起動される。
【0010】
保護回路の非アクティブ状態では、上記保護回路は、第1の搭載パワーサブシステムと第2の搭載パワーサブシステムとの間の電流の流れに影響を及ぼさない。この状態は、過電圧が検出されない第2の回路の正常動作に相当する。この状態では、少なくとも第1のスイッチは閉鎖され、第1の搭載パワーサブシステムの出力端子と第2の搭載パワーサブシステムの入力端子との間の電気経路における抵抗が事実上無視できる程度であることを表す。少なくとも第1のスイッチの代替として又はそれに加えて提供される抵抗素子は、非常に高い抵抗を有し、従って、事実上、電流はその可変抵抗器を通過することはできず、電圧及び電流は事実上ゼロである。非常に高いか又は無限の抵抗は、例えば、開放スイッチによって実現することができる。
【0011】
過電圧の場合は、この過電圧が検出され、次いで、保護回路が起動される。この目的のため、既に説明したように、少なくとも1つの第1のスイッチが最初に開放される。その結果、第1の搭載パワーサブシステムと第2の搭載パワーサブシステムとの間の電流の流れが中断される。少なくとも第1のスイッチの代替として又はそれに加えて提供される可変抵抗を有する抵抗素子は、その抵抗が低減されるように作動される。従って、抵抗素子は、第2の搭載パワーサブシステムの入力端子間の高抵抗経路を表し、それにより、準横方向短絡回路が生じる。準横方向短絡回路が意味するものは、第2の搭載パワーサブシステムの入力端子間の短絡回路であるが、極めて低い抵抗を有する及び非常に高い電流の流れが可能な電気経路が形成され得る完全な短絡回路には相当しない。準横方向短絡回路は、高抵抗電気経路を提供し、高抵抗電気経路を通じて、限られた電流の流れを生み出すことができ、それにより、第2の搭載パワーサブシステムの入力端子における過電圧が低減制御される。特に、第2の搭載パワーサブシステムにコンデンサ又はバッテリさえもが設置される際は、これらのコンデンサ又はバッテリは、無制限の短絡によって損傷を受ける恐れがある。特に、アクティブ状態で可変抵抗を有する抵抗素子によって提供されるような高抵抗「過電圧低減経路」により、これらの容量性コンポーネントの過度の負荷を回避することができる。
【0012】
本発明による搭載パワーシステムのさらなる実施形態によれば、保護デバイスは、第1の搭載パワーサブシステムの他方の電圧出力と第2の搭載パワーサブシステムの他方の電圧入力との間に配置された第2のスイッチを有し得る。第2のスイッチは、原理上は第1のスイッチに相当し得るが、第1の搭載パワーサブシステムと第2の搭載パワーサブシステムとの間の第1の電気経路の代わりに第2の電気経路に接続することができる。従って、例えば、第1のスイッチは、正電気経路において(すなわち、2つの搭載パワーサブシステムの正接続部(HV+)間で)接続することができ、第2のスイッチは、負電気経路において(すなわち、2つの搭載パワーサブシステムの負接続部(HV-)間で)接続することができる。保護デバイスは、第2の搭載パワーサブシステムの電圧入力に印加された電圧が限度値を超えている場合は、第2のスイッチを開放するように構成することができる。結果的に、第2のスイッチは、第1のスイッチと対称的に又は類似的に作動する。
【0013】
本発明による搭載パワーシステムのさらなる実施形態によれば、第2の搭載パワーサブシステムは、トラクションバッテリを有し得る。そのような実施形態では、本発明による搭載パワーシステムは、車両側の充電インフラストラクチャを表し得、第1の搭載パワーシステムは、インバータ、中間回路コンデンサバンク及び上記DC-DC変換器を有する。この事例では、第1の搭載電圧は、充電電圧(例えば、800V)に相当し得、第2の搭載パワーサブシステムのトラクションバッテリを充電するために、DC-DC変換器によって、より低い第2の搭載電圧(例えば、500V)に変換することができる。
【0014】
本発明による搭載パワーシステムのさらなる実施形態によれば、抵抗素子は、第3のスイッチ及び抵抗器を含む直列回路を有し得る。第3のスイッチが起動され次第、原理上は電流経路が提供され、直列に接続された抵抗器によって、準横方向短絡回路を通過する電流の流れを制限することができる。
【0015】
本発明による搭載パワーシステムのさらなる実施形態によれば、抵抗素子は、サイリスタ及びバリスタを含む直列回路を有し得る。オンに切り替えることができる一方向コンポーネントとしてのサイリスタは、2つの安定状態を有し、一方は、高抵抗状態であり、他方は、低抵抗状態である。保護デバイスが起動されるか又はオンに切り替えられると、サイリスタは、低抵抗状態に変化し、横方向電流のための電流経路を起動する。電圧依存性抵抗器としてのバリスタは、許容横方向電流の大きさを決定する。事実上、バリスタの抵抗値は、印加電圧の増加と共に減少し、その結果、原理上は、電流の流れが大きいほど高い過電圧値が大幅に自動的に低減される。可変抵抗素子においてサイリスタが提供される際は、適切な作動回路も提供することができ、サイリスタの起動に必要な「点弧」が提供される。
【0016】
上記で言及される特徴及び未だ説明していない以下の特徴は、それぞれ述べられる組合せのみならず、本発明の範囲から逸脱することなく、他の組合せ又は単独でも使用できることは言うまでもない。
【0017】
本発明のさらなる利点及び構成は、説明及び添付の図面全体から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明による搭載パワーシステムの例示的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明による搭載パワーシステムの例示的な実施形態を示す。搭載パワーシステムは、互いに結合される第1の搭載パワーサブシステム1及び第2の搭載パワーサブシステム2を有し、保護デバイス3は、それらの間で接続される。示される例では、搭載パワーシステムは、車両側の充電インフラストラクチャを具体化する。第1の搭載パワーサブシステム1は、整流器11、中間回路コンデンサバンク12及びDC-DC変換器13を有する。整流器11上には3つの入力4が示されており、それらの入力4は、充電列の3つの充電相L1、L2、L3への整流器11(延いては第1の搭載パワーサブシステム)の接続を表すことが意図される。当然ながら、例えば、中性線用又は通信線用の、さらなる入力を提供することができる。しかし、これらのさらなる入力は、簡素化することを目的に省略されている。第1の搭載パワーサブシステム1の出力は、本質的には、DC-DC変換器13の出力に相当し得る。第2の搭載パワーサブシステム2は、本質的には、トラクションバッテリ21を有し、第2の搭載パワーサブシステム2の入力22、23は、トラクションバッテリ21の端子に相当し得る。
【0020】
保護デバイス3は、第1の搭載パワーサブシステム1の出力又は出力端子14、15と第2の搭載パワーサブシステム2の入力又は入力端子22、23との間に接続される。第1の出力14は、第1の搭載パワーサブシステム1の正極に相当し得、第2の出力15は、負極に相当し得る。第2の搭載パワーサブシステム2の入力22、23は、相応に構成される。
【0021】
保護デバイス3は、第1のスイッチ31及び第2のスイッチ32を有し、第1のスイッチ31及び第2のスイッチ32は、第1の搭載パワーサブシステム1の出力14、15と第2の搭載パワーサブシステム2の対応する入力22、23との間に配置される。その上、2つの搭載パワーサブシステム1、2の接続部を互いに接続する2つの電気経路間に提供された電気横方向経路があり、横方向経路は、本質的には、可変抵抗素子33によって形成される。入力22、23に印加される第2の搭載電圧に相当する電圧を測定するための電圧測定デバイス及び関連評価回路(例えば、比較器)は、図1では明示的に示されない。
【0022】
搭載パワーシステムの正常動作の間、保護回路3は、2つの搭載パワーサブシステム1、2間の電流の流れに影響を及ぼさないように構成される。すなわち、第1のスイッチ31及び第2のスイッチ32は、閉鎖され(通電し)、可変抵抗を有する抵抗素子33は、通電しないように非常に高い抵抗値を有し、横方向経路は事実上存在しない。
【0023】
入力22、23において過電圧が検出され次第、第1のスイッチ31及び第2のスイッチ32は開放され、その結果、第1の搭載パワーサブシステム1は、第2の搭載パワーサブシステム2から絶縁される。その上、可変抵抗素子33の抵抗値が低減され、搭載パワーサブシステム1と搭載パワーサブシステム2とを接続する2本のライン間(延いては第2の搭載パワーサブシステム2の入力22、23間)に高抵抗横方向経路が提供される。その結果、トラクションバッテリ21に過度の負荷を与えることなく、制御方式で、第2の搭載パワーサブシステム2の入力22、23に印加される過電圧を低減することができる。
【0024】
本発明による搭載パワーシステムの図1に示される例示的な実施形態では、2つのスイッチ31、32のうちの1つを省略できることを指摘すべきである。その上、変更された例示的な実施形態では、抵抗素子33のみ(すなわち、2つのスイッチ31、32なし)を提供することが可能である。
【符号の説明】
【0025】
1 第1の搭載パワーサブシステム
2 第2の搭載パワーサブシステム
3 保護デバイス
13 電圧変換器
14 電圧出力
22、23 電圧入力
31 第1のスイッチ
33 抵抗素子
図1