(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】作業機械
(51)【国際特許分類】
E02F 3/38 20060101AFI20230704BHJP
E02F 9/16 20060101ALI20230704BHJP
【FI】
E02F3/38 A
E02F9/16 A
(21)【出願番号】P 2019070415
(22)【出願日】2019-04-02
【審査請求日】2022-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】505236469
【氏名又は名称】キャタピラー エス エー アール エル
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼岡 哲士
(72)【発明者】
【氏名】宮田 尚紀
(72)【発明者】
【氏名】苧野 亮介
(72)【発明者】
【氏名】小林 政博
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-026908(JP,A)
【文献】特開2008-105669(JP,A)
【文献】特開2004-330807(JP,A)
【文献】特開2010-248846(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0290881(US,A1)
【文献】特開2008-291541(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 3/38
E02F 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体と、
機体に搭載されたキャブと、
機体にてキャブの側方の位置に軸連結されたブームと、
キャブ側に突出してブームに
板状に設けられ、
厚み方向と交差する方向にキャブの前部を引っ掛けることで荷重によるキャブの前方への変形を規制する規制部と
を具備したことを特徴とする作業機械
。
【請求項2】
ブームは、背面の少なくとも一部を構成する背面板を備え、
規制部は、背面板と一体に形成されている
ことを特徴とする請求項
1記載の作業機械。
【請求項3】
規制部は、背面板と面一な板状に形成されている
ことを特徴とする請求項
2記載の作業機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機体に搭載されたキャブを備える作業機械に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベルなどの作業機械においては、万一の転倒時にキャブに非常に大きな荷重が加わる場合がある。このような荷重によるキャブの変形を抑制する手段として、ブームの側部に設けたストッパが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1の構成の場合、ストッパは主としてキャブに対する側方からの荷重を受け止めるように形成される。しかしながら、ストレートブーム仕様などブームの形状によっては、荷重がキャブに加わる向きや荷重が加わった際のキャブの変形する方向が変化することがあるので、オペレータを確実に保護するために、ブームの形状などの仕様に応じて異なる補強を施したキャブを用意することが考えられる。このように複数の仕様にそれぞれ専用のキャブを用意することは費用的に負担となる。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、簡単な構造で荷重によるキャブの変形を抑制できる作業機械を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、機体と、機体に搭載されたキャブと、機体にてキャブの側方の位置に軸連結されたブームと、キャブ側に突出してブームに板状に設けられ、厚み方向と交差する方向にキャブの前部を引っ掛けることで荷重によるキャブの前方への変形を規制する規制部とを具備した作業機械である。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の作業機械におけるブームが、背面の少なくとも一部を構成する背面板を備え、規制部が、背面板と一体に形成されている作業機械である。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の作業機械における規制部が、背面板と面一な板状に形成されている作業機械である。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によれば、機体にてキャブの側方の位置に軸連結されたブームに、荷重によるキャブの前方への変形を規制する規制部をキャブ側に突出する板状に設けることで、荷重により前方に変形したキャブの前部が規制部に対し規制部の厚み方向と交差する方向に引っ掛かるので、簡単な構成で、荷重によりキャブがブームに沿って前方に変形しようとしたときに、規制部がキャブの変形を効果的に規制できる。
【0010】
請求項2記載の発明によれば、規制部を、ブームの背面の少なくとも一部を構成する背面板と一体に形成することで、背面板と一緒に規制部を形成することが可能になり、安価に製造できる。
【0011】
請求項3記載の発明によれば、規制部を、背面板と面一な板状に形成することで、背面板の切り出しの際に規制部を一緒に形成でき、より安価に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】(a)は本発明に係る作業機械の一実施の形態の作業機械の上方から荷重が加わった状態の一部を示す平面図、(b)は(a)の側面図、(c)は(a)の一部を示す斜視図である。
【
図2】(a)は同上作業機械の後方から荷重が加わった状態の一部を示す平面図、(b)は(a)の側面図、(c)は(a)の一部を示す斜視図である。
【
図3】(a)は同上作業機械の側方から荷重が加わった状態の一部を示す平面図、(b)は(a)の側面図、(c)は(a)の一部を示す斜視図である。
【
図4】(a)は同上作業機械の一部を示す平面図、(b)は(a)の側面図、(c)は(a)の一部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を、
図1乃至
図5に示された一実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0014】
図4(a)乃至
図4(c)および
図5において、11は作業機械であり、本実施の形態において、この作業機械11は、例えば油圧ショベル型の作業機械とする。
【0015】
作業機械11は、機体12を備えている。機体12は、履帯式の下部走行体13およびこの下部走行体13に旋回可能に設けられた上部旋回体14を備えている。上部旋回体14には、運転室であるキャブ15と、作業装置16とが搭載されている。また、上部旋回体14は、支持体としての旋回フレームであるアッパフレーム17を備えている。アッパフレーム17は、下部走行体13に対し、旋回可能に支持される。アッパフレーム17上にキャブ15が支持され、アッパフレーム17に対しキャブ15の側方に作業装置16が軸連結される。また、アッパフレーム17上のキャブ15の後方に、エンジンやポンプ、コントロールバルブなどが収容された機械室18が設けられ、作業装置16を挟んでキャブ15と反対側の側方に、作動油タンクや燃料タンクなどの各種タンクなどが設けられ、かつ、機械室18や各種タンクの後方に、カウンタウエイト19が搭載される。以下、前後左右方向は、キャブ15内の運転席に着座したオペレータから見た方向を基準とする。
【0016】
図4(a)乃至
図4(c)に示されるように、キャブ15は、アッパフレーム17の一側部である左側部の前部に、例えば防振装置などを介して支持される。キャブ15は、運転席21を囲むキャブフレーム22を備えている。キャブフレーム22は、前部の左右に位置するフロントピラー23,24と、後部の左右に位置するリアピラー25,26とを備えている。フロントピラー23,24は、前部から上部に亘り形成され、リアピラー25,26と上部で接続されている。フロントピラー23,24の上部間や、リアピラー25,26の下部間には、それぞれ適宜のパネル27,28が溶接されていてもよい。また、本実施の形態において、キャブフレーム22は、キャブ15の作業装置16と反対側の側部、つまり左側部に乗降用のドア29(
図5)を形成するためのBピラーとも呼ばれる中間ピラー30をフロントピラー23とリアピラー25との間に備えている。これらピラー23,24,25,26,30およびパネル27,28などにより、キャブ15が運転席21を囲む箱状に区画される。例えば、本実施の形態において、キャブ15は、幅方向に比較して、前後方向および上下方向に長い、幅狭の形状となっている。なお、キャブ15には、窓ガラスの保護用のガード体31,32が上部や前部に取り付けられていてもよい。ガード体31,32は、金属などにより形成された剛体の構造物である。ガード体31,32は、オペレータの視界を確保できるように、例えば格子状などに形成されているものとするが、この形状に限定されるものではない。
【0017】
作業装置16に対し反対側である左側のリアピラー25は、本実施の形態において、例えば上下方向に沿って形成されるリアピラー本体部25aと、リアピラー本体部25aの上下方向の中間部からその前方の中間ピラー30の下部に亘り傾斜状に形成された第1の連結部としての筋交い部25bと、これらリアピラー本体部25aと筋交い部25bとの下部を連結する第2の連結部としての連結部25cとを備えている。すなわち、左側のリアピラー25は、下半の部分が側方から見て三角形状に形成されている。このため、左側のリアピラー25は、下半の部分がキャブフレーム22における他の部分、つまり他のピラー23,24,26,30よりも高い強度となっている。また、リアピラー本体部25aと筋交い部25bとの連結位置は、キャブ15の後方に位置する機械室18(
図5)または機械室18(
図5)を構成する機械室フレーム(図示せず)の高さと略等しく設定されている。
【0018】
作業装置16は、アッパフレーム17の中央部の前部に軸支持され、アッパフレーム17から前方に突出する。作業装置16は、キャブ15に対し、側方である右側に離れた位置にある。
図5に示されるように、作業装置16は、複数のリンク部材を備えている。本実施の形態において、作業装置16は、リンク部材であるブーム33と、リンク部材であるアーム34と、リンク部材であるバケット35とを備えている。ブーム33の基端部がアッパフレーム17に軸連結され、ブーム33の先端部にアーム34が軸連結され、アーム34の先端部にバケット35が軸連結される。ブーム33、アーム34、および、バケット35は、それぞれブームシリンダ37、アームシリンダ38、バケットシリンダ39により回動される。シリンダ37,38,39は、オペレータのレバー操作に応じて作動油タンクに貯留された作動油がコントロールバルブを介して給排されることにより伸縮される油圧アクチュエータである。ブーム33は、機体12、すなわちアッパフレーム17に対して上下回動可能であり、アーム34は、ブーム33に対して前後回動可能であり、バケット35は、アーム34に対して前後回動可能である。なお、作業装置16の構成は、少なくともブーム33を備えていれば、この構成に限定されず、4以上のリンク部材を備えるように構成してもよいし、バケット35に代えて、適宜のアタッチメントが取り付けられてもよい。
【0019】
図4(a)乃至
図4(c)に示されるように、ブーム33は、機体12、すなわちアッパフレーム17に対し、基端部がキャブ15の前後幅の範囲に軸支持されている。本実施の形態において、ブーム33の基端部は、機体12、すなわちアッパフレーム17に対し、キャブ15の前後方向の後側寄りに軸支持されている。また、ブーム33は、左右の両側面42,43と、前面44と、背面45とを備え、断面四角形状に形成されている。なお、本実施の形態において、ブーム33には、ブームシリンダ37の先端部が両側面42,43にそれぞれ連結されているが、作業機械11のサイズによっては、1つのブームシリンダ37の先端部がブーム33の前面44に連結されていてもよい。また、ブーム33は、本実施の形態において、直線状に形成された、いわゆるストレートブームとするが、基端部から先端部に向かい、前方に屈曲する形状、いわゆるベンドブームであってもよい。
【0020】
キャブ15側である左側の側面42は、キャブ15に対し、右側に離れて位置している。また、本実施の形態において、両側面42,43には、機体12、すなわちアッパフレーム17に対する軸支持位置から、それぞれ幅方向に徐々に互いに接近するように傾斜した傾斜部42a,43a(
図4(a))が形成されている。つまり、キャブ15側である左側の側面42の傾斜部42aは、先端部に向かいキャブ15から離れる方向に傾斜し、キャブ15とは反対側である右側の側面43の傾斜部43aは、先端部に向かいキャブ15に接近する方向に傾斜している。また、両側面42,43は、傾斜部42a,43aよりも先端側が、基本的に傾斜しない非傾斜部42b,43bとなっている。このため、ブーム33は、基端部において、先端部よりも幅広に形成され、先端部に向かって徐々に幅狭となり、さらにその先端部の位置では略一定の幅を有するように形成されている。両側面42,43は、それぞれ平板状の金属板である側面板47,48により形成されている。側面板47,48は、1枚の板部材により形成されていてもよいし、複数の板部材が溶接により一体的に連結されて形成されていてもよい。
【0021】
前面44は、平板状の金属板である前面板50(
図4(c))により形成されている。前面板50は、1枚の板部材により形成されていてもよいし、複数の板部材が溶接により一体的に連結されて形成されていてもよい。前面板50は、左右の側面板47,48の前部に溶接されて連結されている。つまり、前面板50の背面側に側面板47,48のそれぞれの前部が溶接されている。前面板50の両側部は、側面板47,48よりも側方に延出されている。ブーム33がストレートブームである本実施の形態において、前面44は平面状に形成されている。
【0022】
背面45は、平板状の金属板である背面板52(
図4(c))により形成されている。背面板52は、1枚の板部材により形成されていてもよいし、複数の板部材が溶接により一体的に連結されて形成されていてもよい。背面板52は、左右の側面板47,48の後部に溶接されて連結されている。つまり、背面板52の前面側に側面板47,48のそれぞれの後部が溶接されている。背面板52の両側部は、側面板47,48よりも側方に延出されている。また、背面板52には、荷重によるキャブ15の前方への変形を規制するストッパである規制部54が形成されている。つまり、規制部54は、ブーム33に設けられている。規制部54は、背面板52と一体に形成され、背面板52と面一な板状に形成されている。規制部54は、背面板52の一部を翼状に突出させて形成されている。規制部54は、キャブ15側である左側の側面42をなす側面板47から突出する側部に延出されている。つまり、規制部54は、ブーム33からキャブ15側に突出して形成されている。規制部54は、背面板52の切り出し時に一緒に形成可能である。
【0023】
また、規制部54は、作業装置16のブーム33を前方に所定以上回動させた位置で、キャブ15に対して前方に離れる位置に形成されている。本実施の形態では、少なくとも作業装置16のブーム33を下方に最大に回動させた位置でキャブ15に対して前方に離れる位置に形成されている。また、本実施の形態において、規制部54は、ブーム33のキャブ15側である左側の側面42において、傾斜部42aと非傾斜部42bとが連なる位置に配置されている(
図4(a))。規制部54は、ブーム33の長手方向に対して交差または直交する方向である左右方向に沿って延びる引っ掛け辺部54aを備えている。引っ掛け辺部54aは、背面板52の側縁に対し円弧状に湾曲して連なっている。本実施の形態において、ブーム33の左側の側面42または側面板47からの規制部54または引っ掛け辺部54aの突出幅は、キャブ15のブーム33側である右側のフロントピラー24が引っ掛かる大きさとなっている。また、規制部54は、平常時においてキャブ15とブーム33との間の隙間内に収まり、通常のブーム動作時にキャブ15と干渉しないようになっている。
【0024】
次に、図示された実施の形態の作用を説明する。
【0025】
作業機械11のキャブ15は、左側のリアピラー25が、下半の部分が他のピラー23,24,26,30よりも高い強度となっているので、例えば作業機械11が万一転倒して上下逆さまとなり、キャブ15の上部が地面などと接触した場合、つまりキャブ15に対し上方からの荷重F1が加わった場合、左側のリアピラー25よりも他のピラー23,24,26,30が変形しやすく、キャブ15はブーム33に接近するように、つまり右斜め前へ向かって傾くように変形する。このとき、キャブ15の変形が所定以上進むと、一部のピラーが座屈してしまいキャブ15の形状が急激に崩れ、オペレータがいる空間を維持することが困難になるおそれがある。
【0026】
このような座屈変形となる場合、キャブ15は右前に傾きブーム33に接触し、その後ブーム33に沿って前方に傾いていく。そのままキャブ15の変形が進むとピラーが座屈してしまうので、キャブ15の変形が前方に進まないよう止める必要がある。
【0027】
そこで、本実施の形態によれば、機体12にてキャブ15の側方の位置に軸連結されたブーム33に、荷重によるキャブ33の前方への変形を規制する規制部54を設けたので、簡単な構成で、キャブ15がブーム33に沿って前方に変形しようとしたときに規制部54がキャブ15の前方への変形を抑制でき、荷重によるキャブ15の座屈変形を防止できる。このため、荷重によるキャブ15の過度の変形を防ぎ、オペレータがいる空間を維持できる。
【0028】
規制部54を、ブーム33からキャブ15側に突出して形成したので、
図1(c)に示されるように、荷重により前方に変形したキャブ15のブーム33側である右前部、すなわちキャブ15の右側のフロントピラー24が規制部54に直接、またはガード体32などの剛体を介して間接的に引っ掛かり、キャブ15の前方へのさらなる変形を効果的に食い止めることができる。
【0029】
特に、ブーム33が直線状である場合、ブーム33を下方に最大に回動させた状態でのブーム33の高さが屈曲状のブームよりも低く、荷重を受けたキャブ15の前方への変形をブーム33により規制しにくい位置となる。そこで、上記の規制部54を設けることにより、直線状のブームの場合であっても、キャブ15の前方への変形を規制部54によって効果的に規制し、キャブ15の前方への過度の変形を防ぐことができる。
【0030】
また、
図2(a)および
図2(b)に示されるように、作業機械11が万一転倒して上下逆さまとなり、かつ、カウンタウエイト19が下がってキャブ15のリアピラー25,26とカウンタウエイト19の上部とが地面などと接触した場合、つまりキャブ15に対し後方からの荷重F2が加わった場合、キャブ15は、左側のフロントピラー23とリアピラー25との上部が右前方に屈曲するように変形する。このとき、
図2(c)に示されるように、前方に変形したキャブ15の右前部、すなわちキャブ15の右側のフロントピラー24が規制部54の引っ掛け辺部54aに直接、またはガード体32などの剛体を介して間接的に引っ掛かることで、キャブ15の前方へのさらなる変形を効果的に食い止めることができる。
【0031】
なお、作業機械11の万一の横転などにより、
図3(a)および
図3(c)に示されるように、キャブ15の側部が地面などと接触した場合、つまり、キャブ15にブーム33と反対側である左側方から荷重F3が加わった場合には、キャブ15は、左側のフロントピラー23とリアピラー25との上部が右側すなわちブーム33側に屈曲するように変形する。このとき、
図3(c)に示されるように、規制部54の引っ掛け辺部54aがキャブ15のフロントピラー24よりも前方にあることから、規制部54は、キャブ15のフロントピラー24に直接、または間接的に接触しない。
【0032】
また、規制部54を、ブーム33の背面45を構成する背面板52と一体に形成したので、背面板52と一緒に規制部54を形成することが可能になり、安価に製造できる。
【0033】
特に、規制部54を背面板52と面一な板状に形成することで、背面板52の切り出しの際に規制部54を一緒に形成でき、より安価に製造できる。
【0034】
なお、上記一実施の形態において、キャブ15は、規制部54との接触により前方への変形が規制される構成であれば、ブーム33側である右側の最前部にあって規制部54と接触する部材は、フロントピラー24に限られず、ガード体32など、フロントピラー24の前方に位置するその他の任意の剛体であってもよい。
【0035】
また、規制部54は翼状に形成したが、引っ掛け辺部54aを備える形状であれば、同様の作用効果を奏することができる。
【0036】
さらに、規制部54は、ブーム33の背面板52やキャブ15側の側面板47にボルトなどにより固定されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、油圧ショベルなどの作業機械の製造業、販売業などに携わる事業者にとって産業上の利用可能性がある。
【符号の説明】
【0038】
11 作業機械
12 機体
15 キャブ
33 ブーム
45 背面
52 背面板
54 規制部