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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/55 20140101AFI20230704BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20230704BHJP
   A63F 13/577 20140101ALI20230704BHJP
【FI】
A63F13/55
A63F13/53
A63F13/577
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018235843
(22)【出願日】2018-12-17
(65)【公開番号】P2020096700
(43)【公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】313011434
【氏名又は名称】エヌエイチエヌ コーポレーション
【住所又は居所原語表記】(Sampyeong-dong),16,Daewangpangyo-ro 645 beon-gil,Bundang-gu,Seongnam-si,Gyeonggi-do Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】516164173
【氏名又は名称】NHN PlayArt株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】村上 春樹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 健太
【審査官】西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-146902(JP,A)
【文献】国際公開第2018/042467(WO,A1)
【文献】AirXonix Extreme,YouTube [online][video],2018年09月25日,https://www.youtube.com/watch?v=QshZeuyFxvk,[2022年10月24日検索]
【文献】Block Fortress 攻略,世界のウェブアーカイブ|国立国会図書館インターネット資料収集保存事業、iPhone AC [online],2018年06月19日,https://web.archive.org/web/20180619062707/https://iphoneac.com/blockfortress.html,[2023年05月31日検索]
【文献】ブロックの要塞を仲間と攻め落とす『Block Fortress Empires』発表。クラクラ+Block Fortress…ってこれは面白そう,GameCast[online],2017年09月18日,http://www.gamecast-blog.com/archives/65902284.html,[2023年05月31日検索]
【文献】Block Craft 3Dの評価とプレイレビュー,アプリサーチ[online],2016年10月30日,https://appli-search.com/blockcraft-3d,[2023年06月01日検索]
【文献】Cosmic Wars - Famicom Gameplay(コズミックウオーズ,kozumikku uozu),2010年11月06日,https://www.youtube.com/watch?v=5j1oo5T8wz4,[2019年3月29日検索]
【文献】3D陣取りゲーム「AirXonix」v1.21b,窓の杜NEWS[online],2000年07月28日,https://forest.watch.impress.co.jp/article/2000/07/28/airxonix.html,[2022年10月24日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24,13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間に配置された第1キャラクタの第1アクションを、プレイヤの操作に基づいて制御し、
所定の操作を検知したときに、前記仮想空間のうち前記第1キャラクタが移動可能な範囲に予め配置された第1オブジェクトであって前記第1キャラクタを通過させる第1オブジェクトに前記第1キャラクタが近接していると判定されると、当該第1オブジェクトを前記第1キャラクタに対応する前記第1キャラクタの移動を妨げる第2オブジェクトに変換する、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項2】
前記第1キャラクタが前記第1オブジェクトに近接しているとは、前記第1キャラクタが、前記第1オブジェクトから所定の範囲にあることである、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記第1キャラクタが前記第1オブジェクトに近接しているとは、前記第1キャラクタの動く部分が、前記第1オブジェクトと重畳することである、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第2オブジェクトに変換した後、前記第2オブジェクトと隣接する第1オブジェクトを連続的に第2オブジェクトに変換する、請求項2又は3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第2オブジェクトと隣接する第1オブジェクトを連続的に第2オブジェクトに変換する際に、前記仮想空間の一部であって、前記第1キャラクタを含む表示領域の大きさを変化させる、請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記第2オブジェクトの数が所定の数に到達すると、前記第1キャラクタは、前記第1アクションとは異なる第2アクションをする、請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記第1オブジェクトの総数に対する前記第2オブジェクトの数の割合によって、第1パラメータが変化する、請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記仮想空間に配置された第2キャラクタと、前記第2キャラクタに対応し、前記第1キャラクタ及び前記第2キャラクタの移動を妨げる第3オブジェクトを表示し、
所定の操作を検知したときに、前記第3オブジェクトと前記第1キャラクタとが所定の範囲にあると判定すると、前記第2オブジェクトに変換する、請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記第2オブジェクトに変換した後、前記第2オブジェクトと隣接する第3オブジェクトを連続的に第2オブジェクトに変換する、請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記第1オブジェクトの総数に対する前記第3オブジェクトの数の割合によって、第2パラメータが変化する、請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
所定の終了条件を満たした後に、前記第1パラメータと、前記第2パラメータとを比較して、比較した結果を表示する、請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記第1オブジェクトを前記第2オブジェクトに変換するときに、前記第1キャラクタの移動がないことを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、仮想空間内のキャラクタを制御するゲームを提供するプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、仮想空間内のキャラクタを制御することにより、仮想空間内の平面やオブジェクト等の描画領域に、プレイヤが操作する自キャラクタに対応する色を描画するゲームが知られている(特許文献1)。自キャラクタに対応する色が描画された領域と、敵キャラクタに対応する色が描画された領域とを比較することで、対戦判定がなされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-216971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のゲームでは、自キャラクタと相手キャラクタとで描画領域を奪い合う単なる陣取りゲームであった。
【0005】
そこで、本発明は、プレイヤの興味を向上させることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、仮想空間に配置された第1キャラクタの第1アクションを、プレイヤの操作に基づいて制御し、所定の操作を検知したときに、仮想空間に予め配置され、第1キャラクタを通過させる第1オブジェクトと第1キャラクタとの距離が所定の範囲にあると判定されると、第1オブジェクトを第1キャラクタに対応して第1キャラクタの移動を妨げる第2オブジェクトに変換する。
【0007】
上記プログラムにおいて、第1キャラクタが第1オブジェクトに近接しているとは、第1キャラクタが、第1オブジェクトから所定の範囲にあることである。
【0008】
上記プログラムにおいて、第1キャラクタが第1オブジェクトに近接しているとは、第1キャラクタの動く部分が、第1オブジェクトと重畳することである。
【0009】
上記プログラムにおいて、第2オブジェクトに変換した後、第2オブジェクトと隣接する第1オブジェクトを連続的に第2オブジェクトに変換する。
【0010】
上記プログラムにおいて、第2オブジェクトと隣接する第1オブジェクトを連続的に第2オブジェクトに変換する際に、仮想空間の一部であって、第1キャラクタを含む表示領域の大きさを変化させる。
【0011】
上記プログラムにおいて、第2オブジェクトの数が所定の数に到達すると、第1キャラクタは、第1アクションとは異なる第2アクションをする。
【0012】
上記プログラムにおいて、第1オブジェクトの総数に対する第2オブジェクトの数の割合によって、第1パラメータが変化する。
【0013】
上記プログラムにおいて、仮想空間に配置された第2キャラクタと、第2キャラクタに対応し、第1キャラクタ及び第2キャラクタの移動を妨げる第3オブジェクトを表示し、所定の操作を検知したときに、第3オブジェクトと第1キャラクタとが所定の範囲にあると判定すると、第2オブジェクトに変換する。
【0014】
上記プログラムにおいて、第2オブジェクトに変換した後、第2オブジェクトと隣接する第3オブジェクトを連続的に第2オブジェクトに変換する。
【0015】
上記プログラムにおいて、第1オブジェクトの総数に対する第3オブジェクトの数の割合によって、第2パラメータが変化する。
【0016】
上記プログラムにおいて、所定の終了条件を満たした後に、第1パラメータと、第2パラメータとを比較して、比較した結果を表示する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一実施形態によれば、プレイヤの興味を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る通信システムの構成を示す図。
図2】本発明の一実施形態に係るプログラムを実行するためのハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係るプログラムによって実現された表示領域の一例である。
図4】本発明の一実施形態に係るプログラムによって実現された表示領域の一例である。
図5】本発明の一実施形態に係るプログラムによって実現された表示領域の一例である。
図6】本発明の一実施形態に係るプログラムの機能構成を示すブロック図である。
図7】本発明の一実施形態に係るプログラムのフローチャートである。
図8】本発明の一実施形態に係るプログラムのフローチャートである。
図9】本発明の一実施形態に係るプログラムのフローチャートである。
図10A】本発明の一実施形態に係るプログラムによって実現された表示領域の一例である。
図10B】本発明の一実施形態に係るプログラムによって実現された表示領域の一例である。
図10C】本発明の一実施形態に係るプログラムによって実現された表示領域の一例である。
図10D】本発明の一実施形態に係るプログラムによって実現された表示領域の一例である。
図11】本発明の一実施形態に係るプログラムによって実現された表示領域の一例である。
図12】本発明の一実施形態に係るプログラムによって実現された表示領域の一例である。
図13】本発明の一実施形態に係るプログラムの機能構成を示すブロック図である。
図14】本発明の一実施形態に係るプログラムのフローチャートである。
図15】本発明の一実施形態に係るプログラムによって実現された表示領域の一例である。
図16A】本発明の一実施形態に係るプログラムによって実現された表示領域の一例である。
図16B】本発明の一実施形態に係るプログラムによって実現された表示領域の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1実施形態)
本実施形態では、本発明の一実施形態に係るプログラム及び情報処理方法について、図1乃至図10Dを参照して説明する。
【0020】
[通信システム]
図1は、本実施形態に係るプログラムを実行させるための通信システム10を表すブロック図である。通信システム10は、サーバ20、複数の電子機器30、及び通信回線などのネットワーク40、を備える。
【0021】
図1において、サーバ20は、ネットワーク40を介して、電子機器30にプログラムを提供する。また、サーバ20は、ネットワーク40を介して、電子機器30に各種のサービスを提供する。各種のサービスとして、例えば、SNS(Social Networking Service)が含まれていてもよい。なお、図1において、サーバ20を1つの装置として図示しているが、複数の装置で構成されていてもよい。
【0022】
電子機器30は、例えば、スマートフォンやタブレットなどの携帯端末、携帯型ゲーム機、又はパーソナルコンピュータなどである。また、電子機器30は、携帯型の端末に限らず、据え置き型の端末であってもよい。なお、複数の電子機器30は、互いに通信が可能である。本実施形態において、電子機器30はスマートフォンである。
【0023】
[プログラムを実行させるためのハードウェア構成]
図2は、本実施形態に係るプログラムを実行するためのハードウェア構成100を示す図である。ハードウェア構成100は、電子機器30に含まれる。ハードウェア構成100は、制御部101、記録媒体102、RAM103、表示部104、操作部105、及び通信部106を備える。
【0024】
制御部101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等であり、プログラムを実行する。制御部101は、例えば、記録媒体102に記録されているプログラムを読み出し、RAM103に展開して実行する。
【0025】
記録媒体102は、例えば、不揮発性メモリやHDD(Hard Disk Drive)等の恒久的な情報保持及び情報の書き換えが可能な記録装置である。記録媒体は、プログラム、及びプログラムの動作において必要となるパラメータ等の情報を格納する。
【0026】
RAM103は、例えば、揮発性メモリ等の一時的な情報保持に用いられる書き換え可能な記憶装置である。RAM103は、記録媒体に記録されているプログラムの展開領域、及びプログラムの動作において出力された中間データ等を記憶する格納領域として用いられる。ここで、中間データとは、後述するライフパラメータ及びオブジェクトパラメータなどである。
【0027】
表示部104は、電子機器30を構成する筐体内に一体となって接続された表示装置である。表示部104として、例えば、液晶表示パネル又はEL表示パネル等が用いられる。表示部104は、制御部101から出力された映像信号が入力されることで、仮想空間の一部である表示領域を表示する。また、表示部104は、電子機器30と接続された外部の表示装置であってもよい。
【0028】
操作部105は、例えば、ボタン、マウス、キーボード、タッチセンサ等のプレイヤインタフェースである。操作部105は、インターフェースに対してプレイヤの操作が入力されたことを検出すると、プレイヤの操作の入力に対応する制御信号を制御部101に出力する。本実施形態では、操作部105は、タッチセンサである。操作部105が検知するプレイヤの操作には、例えば、スライド操作、タップ操作、長押し操作などがある。スライド操作とは、プレイヤがタッチセンサに触れた指を、タッチセンサに触れた状態のままある方向に移動させる操作である。また、タップ操作とは、プレイヤがタッチセンサのある位置に指を触れたあと、すぐに指を離す操作である。また、長押し操作とは、プレイヤがタッチセンサのある位置に指を触れたあと、所定の時間以上同じ位置に指を接触させる操作である。
【0029】
通信部106は、電子機器30が有する通信インターフェースである。本実施形態では、電子機器30は通信部106を介することで、ネットワーク40を経由してサーバ20と接続し、サーバ20との間で情報の送受信を行う。また、電子機器30は通信部106を介して、ネットワーク40を経由してサーバ20と接続し、サーバ20からネットワーク40を経由して、他の電子機器30と接続してもよい。
【0030】
[ゲーム概要]
次に、本発明の一実施形態に係るプログラムの実行によって実現されるゲーム機能について、図面を参照して説明する。図3乃至図5は、プログラムによって実行された表示領域300の一例を示す。
【0031】
図3に示すように、表示領域300には、ゲーム空間としての2次元の仮想空間301に配置されたプレイヤキャラクタ302が表示される。また、図3に示す表示範囲305は、仮想空間301の一部であって、プレイヤキャラクタ302を含む領域である。仮想空間301には、第1オブジェクト321と、第2オブジェクト322とが配置されている。プレイヤキャラクタ302は、本体302Aと、本体302Aに付属して動く部分302Bとを含む。動く部分302Bは、例えば、プレイヤキャラクタ302が持っている武器である。また、図4に示すように、表示領域300Aには、仮想空間301に配置されたプレイヤキャラクタ302とともに、敵キャラクタ303が配置されてもよい。
【0032】
プレイヤキャラクタ302は、プレイヤの操作に基づいて動作が制御される。例えば、プレイヤのスライド操作に基づいて、プレイヤキャラクタ302の本体302Aを移動させたり、長押し操作に基づいて、第1オブジェクト321を第2オブジェクト322に変換させたり、タップ操作に基づいてプレイヤキャラクタ302の動く部分302Bで敵キャラクタ303を攻撃したりする。なお、プレイヤキャラクタ302が、第1オブジェクト321を第2オブジェクト322に変換させることを通常アクションという。また、プレイヤキャラクタ302は、敵キャラクタ303から受けたダメージ数に応じて変化するライフパラメータ311を有する。ライフパラメータ311の初期状態は、100%である。プレイヤキャラクタ302は、敵キャラクタ303に接触したり、攻撃を受けたりすると、ライフパラメータ311が減少する。
【0033】
第1オブジェクト321とは、仮想空間301に予め配置されたオブジェクトをいう。第1オブジェクト321は、仮想空間301内に予め複数配置されている。図3において、第1オブジェクト321は、点線の四角形状で示された領域である。第1オブジェクト321は、プレイヤキャラクタ302及び敵キャラクタ303を通過させる。
【0034】
プレイヤキャラクタ302は、通常アクションを行うことにより、第1オブジェクト321を第2オブジェクト322に変換させる。第2オブジェクト322は、プレイヤキャラクタ302及び敵キャラクタ303の移動を妨げる機能を有する。具体的には、プレイヤキャラクタ302は、第2オブジェクト322に対して、周囲から侵入することができない。言い換えると、図5の表示領域300Bに示すように、プレイヤキャラクタ302は、第2オブジェクト322上を移動できる。または、プレイヤキャラクタ302が、第2オブジェクト322に対して、周囲から侵入することができるが、第1オブジェクト321を通過する場合と比較して、移動速度が小さくなってもよい。ここで、第2オブジェクト322とは、プレイヤキャラクタ302に対応するオブジェクトをいう。プレイヤキャラクタ302に対応するとは、例えば、プレイヤキャラクタ302の色、模様、又はシンボルがオブジェクトの領域内に表示されることをいう。
【0035】
プレイヤキャラクタ302は、第2オブジェクト322の数に応じて変化するオブジェクトパラメータ312、313を有する。オブジェクトパラメータ312、313の初期状態は、0%である。オブジェクトパラメータ312は、第1オブジェクト321の総数に対する第2オブジェクトの数の割合である。図3において、オブジェクトパラメータ312は、第1オブジェクト321の総数に対する第2オブジェクト322の数の割合が、25%であることを示している。また、オブジェクトパラメータ313は、第2オブジェクト322の所定の数に対する第1オブジェクト321から第2オブジェクト322に変換した数の割合である。図3において、オブジェクトパラメータ313は、第2オブジェクト322の所定の数に対する第1オブジェクト321から第2オブジェクト322に変換した数の割合が、50%であることを示している。オブジェクトパラメータ313が100%に到達する(第2オブジェクト322が所定の数に到達する)と、プレイヤキャラクタ302は、プレイヤの操作に基づいて行う通常アクションとは異なる特殊アクションを行う。特殊アクションは、例えば、オブジェクトパラメータ313が表示されている領域を、プレイヤがタップ操作をすることで、発動させることができる。例えば、複数の敵キャラクタ303のライフパラメータ314を減少させたり、プレイヤキャラクタ302のライフパラメータ311が減少している場合には、100%に近づくように増加させたりする。オブジェクトパラメータ313が100%に到達した場合、100%に到達したと同時に、プレイヤキャラクタ302に特殊アクションを行わせてもよいし、オブジェクトパラメータ313が表示されている領域をプレイヤがタップ操作をすることで、特殊アクションを行わせてもよい。なお、プレイヤキャラクタ302に特殊アクションを行わせた後、オブジェクトパラメータ313を0%にする。
【0036】
図4に示すように、仮想空間301に配置された敵キャラクタ303が表示されてもよい。敵キャラクタ303は、プレイヤキャラクタ302に接触したり、攻撃をしたりすることで、プレイヤキャラクタ302のライフパラメータ311を減少させる。また、敵キャラクタ303は、プレイヤキャラクタ302から受けたダメージ数に応じて変化するライフパラメータ314を有する。ライフパラメータ314の初期状態は、100%である。敵キャラクタ303は、プレイヤキャラクタ302から攻撃を受けたりすると、ライフパラメータ314が減少する。また、ライフパラメータ314が0%になると、敵キャラクタ303は消滅する。図4では、敵キャラクタ303は、第2オブジェクト322上を移動している。
【0037】
プレイヤは、所定の終了条件を満たすまでゲーム機能を実行する。所定の終了条件とは、ゲーム機能を開始してから所定の時間が経過した場合、プレイヤキャラクタ302のライフパラメータ311が0%になった場合、オブジェクトパラメータ312が100%になった場合等が含まれる。プレイヤが所定の終了条件を満たすと、ゲームが終了となる。
【0038】
[プログラムの機能構成]
図6は、本発明の一実施形態に係るプログラムの機能構成200を示すブロック図である。機能構成200は、プレイヤキャラクタ制御部201と、ライフパラメータ制御部202と、オブジェクト制御部203と、オブジェクトパラメータ制御部204と、表示制御部205と、敵キャラクタ制御部206と、によって、ゲーム機能を実現する。
【0039】
プレイヤキャラクタ制御部201は、仮想空間301に配置されたプレイヤキャラクタ302をプレイヤの操作に基づいて制御する。
【0040】
プレイヤキャラクタ制御部201は、プレイヤの操作に基づいて、プレイヤキャラクタ302に、第1オブジェクト321を通過させたり、第2オブジェクト322への移動を妨げたりする。また、プレイヤキャラクタ制御部201は、プレイヤキャラクタ302が第2オブジェクト322に対して、周囲から侵入できないように制御する。なお、プレイヤキャラクタ制御部201は、プレイヤキャラクタ302に第2オブジェクト322の上を移動させる場合には、他の領域を移動する場合と比較して移動速度を大きくしてもよい。ここで、他の領域とは、第1オブジェクト321が配置された領域及びいずれのオブジェクトも配置されていない領域である。また、プレイヤキャラクタ制御部201は、プレイヤキャラクタ302が第2オブジェクト322の上面と接しているときに、プレイヤキャラクタ302を表示させるエフェクトを変化させてもよい。
【0041】
ライフパラメータ制御部202は、プレイヤキャラクタ302のダメージ数に対応するライフパラメータ311を制御する。ライフパラメータ制御部202は、プレイヤキャラクタ302が敵キャラクタ303に接触したり、攻撃を受けたりすると、ライフパラメータ311が減少するように制御する。また、ライフパラメータ制御部202は、敵キャラクタ303のダメージ数に対応するライフパラメータ314を制御する。ライフパラメータ制御部202は、敵キャラクタ303がプレイヤキャラクタ302から攻撃を受けると、ライフパラメータ314が減少するように制御する。
【0042】
オブジェクト制御部203は、操作部において所定の操作を検知したときに、第1オブジェクト321とプレイヤキャラクタ302と近接していると判定されると、第1オブジェクト321をプレイヤキャラクタ302に対応する第2オブジェクト322に変換させる。ここで、近接しているとは、第1オブジェクト321とプレイヤキャラクタ302の動く部分302Bとが、重畳することをいう。また、第1オブジェクト321と、プレイヤキャラクタ302とが、所定の範囲にあってもよい。ここで、所定の範囲とは、第1オブジェクト321とプレイヤキャラクタ302との距離が、例えば、第1オブジェクト321の2個分~6個分の距離をいう。オブジェクト制御部203は、隣接する第1オブジェクト321を、連続的に第2オブジェクト322に変換させてもよい。
【0043】
オブジェクトパラメータ制御部204は、第1オブジェクト321の数及び第2オブジェクト322の数を制御する。オブジェクトパラメータ制御部204は、例えば、第1オブジェクト321の総数に対する第2オブジェクト322の数の割合を算出して、オブジェクトパラメータ312に反映する。また、オブジェクトパラメータ制御部204は、第2オブジェクト322の所定の数に対する、第2オブジェクト322の数の割合を算出して、オブジェクトパラメータ313に反映してもよい。オブジェクトパラメータ制御部204は、オブジェクトパラメータ313が100%に到達する(第2オブジェクト322が所定の数に到達する)と、プレイヤキャラクタ302は、プレイヤの操作に基づいて行う通常アクションとは異なる特殊アクションを行う。
【0044】
敵キャラクタ制御部206は、仮想空間301に配置された敵キャラクタ303を制御する。
【0045】
表示制御部205は、仮想空間301の一部であって、プレイヤキャラクタ302を含む表示領域の大きさを変化させる。例えば、プレイヤキャラクタ302が、第1オブジェクト321を第2オブジェクト322に変換させる際に、仮想空間301の一部であって、プレイヤキャラクタ302を含む表示領域を徐々に拡大させる。
【0046】
[ゲームを実行する処理方法]
次に、本実施形態に係るプログラムにおいて、ゲーム機能を実行させるための情報処理方法について、図7乃至図10Dを参照して説明する。図7乃至図9は、本実施形態に係る情報処理方法のフローチャートである。図10A乃至図10Dは、各ステップに対応する表示領域の一例である。
【0047】
[ゲームの開始処理から終了処理まで]
プログラムが開始される(START)と、操作部105において、プレイヤの操作の受付を開始する(ステップS101)。その後、操作部105において、プレイヤの操作を検知する。プレイヤの操作とは、操作部105において、例えば、スライド操作することで、プレイヤキャラクタ302を移動させたり、タップ操作することで、敵キャラクタ303を攻撃させたり、長押し操作することで、第1オブジェクト321を第2オブジェクト322に変換させたりすることなどが含まれる。
【0048】
次に、オブジェクト変換操作を検知したか否か判定する(ステップS102)。プレイヤの長押し操作を検知してから所定の時間が経過したこと、及びプレイヤの長押し操作を検知した位置から移動がないことを満たしたときに、オブジェクト変換操作を検知したと判定する(ステップS102;Yes)。なお、プレイヤの長押し操作を検知してから所定の時間が経過したこと、及びプレイヤの長押し操作を検知した位置から移動がないことの少なくとも一方を満たさない場合は、オブジェクト変換操作を検知していないと判定する(ステップS102;No)。オブジェクト変換操作を検知した場合(ステップS102;Yes)は、ステップS103に進み、検知していない場合(ステップS102;No)はステップS107に進む。
【0049】
ステップS102において、操作部105がオブジェクト変換操作を検知しない場合、プレイヤキャラクタ制御部201は、プレイヤキャラクタ302に、当該操作に応じた通常アクションを実行させる(ステップS107)。例えば、操作部105において、操作部105においてスライド操作が検知されると、プレイヤキャラクタ302は移動し、操作部105においてタップ操作が検知されると、プレイヤキャラクタ302は敵キャラクタ303を攻撃する。プレイヤキャラクタ302が移動又は攻撃を実行すると、ステップS108に進む。
【0050】
次に、ゲーム機能の終了条件を満たすか否かを判定する(ステップS108)。ゲーム機能の終了条件を満たすと判定された場合(ステップS108;Yes)は、ゲーム機能を終了させる(END)。また、ゲーム機能の終了条件を満たさないと判定した場合(ステップS108;No)は、ステップS102に戻り、ステップS102以降の処理を繰り返す。
【0051】
ステップS102において、オブジェクト変換操作を検知した場合、プレイヤキャラクタ制御部201は、プレイヤキャラクタ302の動作を制限する(ステップS103)。ここで制限される動作とは、プレイヤキャラクタ302を移動させること、プレイヤキャラクタ302が敵キャラクタ303を攻撃すること、及びプレイヤキャラクタ302が特殊アクションを行うことなどが含まれる。プレイヤキャラクタ制御部201によって、これらの操作についてできなくなる。
【0052】
次に、オブジェクト制御部203は、オブジェクト変換開始条件を満たすか否かを判定する(ステップS104)。オブジェクト変換開始条件とは、プレイヤキャラクタ302の動く部分302Bが、第1オブジェクト321又は第2オブジェクト322に近接しているか否かである。プレイヤキャラクタ302の動く部分302Bが、第1オブジェクト321又は第2オブジェクト322に近接している場合は、オブジェクト変換開始条件を満たすと判定する(ステップS104;Yes)。また、プレイヤキャラクタ302の動く部分302Bが、第1オブジェクト321及び第2オブジェクト322に近接していない場合は、オブジェクト変換開始条件を満たしていないと判定する(ステップS104;No)。オブジェクト変換操作を満たす場合(ステップS104;Yes)は、ステップS105に進み、オブジェクト変換操作を満たさない場合(ステップS104;No)は、ステップS106に進む。
【0053】
オブジェクト変換開始条件を満たさない場合、プレイヤキャラクタ制御部201は、プレイヤキャラクタ302のアクションを解除する。プレイヤキャラクタ302を移動させること、プレイヤキャラクタ302が敵キャラクタ303を攻撃すること、及びプレイヤキャラクタ302が特殊アクションを行うための操作ができるようになる。
【0054】
オブジェクト変換開始条件を満たす場合、オブジェクト制御部203は、オブジェクト変換処理を実行する(ステップS105)。
【0055】
[オブジェクト変換処理]
次に、ステップS105におけるオブジェクト変換処理について、図8のフローチャートを参照して説明する。
【0056】
まず、オブジェクト変換終了条件処理を開始する(ステップS111)。オブジェクト変換終了条件処理については、後に詳細に説明する。
【0057】
オブジェクト制御部203は、プレイヤキャラクタ302の動く部分302Bが重畳する第1オブジェクト321又は第2オブジェクト322を基点に設定し、第2オブジェクト322に変換する処理を実行する(ステップS112)。ここで、基点とは、第2オブジェクト322に変換するための、基準となるオブジェクトをいう。図10Aの表示領域300Cでは、プレイヤキャラクタ302の動く部分302Bが重畳する第1オブジェクト321が基点331となる。次に、図10Bの表示領域300Dに示すように、基点331に設定された第1オブジェクト321は、第2オブジェクト322に変換される。ここで、オブジェクト制御部203は、一度の長押し操作で第2オブジェクトに変換できる第1オブジェクト321の個数を設定する。本実施形態では、例えば、連続的に第2オブジェクト322に変換できる第1オブジェクト321の上限の個数を20個として説明するが、上限の個数は特に限定されない。
【0058】
次に、オブジェクト制御部203は、基点331と隣接するオブジェクトがあるか否かを判定する(ステップS113)。基点331の上下左右において、隣接するオブジェクトがある場合(ステップS113;Yes)は、ステップS114に進む。
【0059】
基点331と隣接するオブジェクトがある場合、オブジェクト制御部203は、当該オブジェクトが第1オブジェクト321であるか否かを判定する(ステップS114)。図10Bに示すように、表示領域300Dでは、基点331の右側に第1オブジェクト321Aが隣接しており、上側に第1オブジェクト321Bが隣接している。基点331と隣接するオブジェクトが第1オブジェクト321である場合(ステップS114;Yes)は、ステップS115に進む。
【0060】
基点331と隣接するオブジェクトが第1オブジェクトである場合、隣接する第1オブジェクトに基点331を設定する(ステップS115)。図10Cの表示領域300Eに示すように、基点331の右側に第1オブジェクト321Aが隣接しており、上側に第1オブジェクト321Bが隣接している。この場合は、第1オブジェクト321Aに基点331Aに設定し、第1オブジェクト321Bに基点331Bを設定する。
【0061】
次に、オブジェクト制御部203は、基点に設定された第1オブジェクトを第2オブジェクトに変換する処理を実行する(ステップS116)。図10Dの表示領域300Fに示すように、基点331Aに設定された第1オブジェクト321Aは第2オブジェクト322Aに変換され、基点331Bに設定された第1オブジェクト321Aは第2オブジェクト322Aに変換される。
【0062】
次に、オブジェクト制御部203は、オブジェクト変換処理の上限の個数の条件を満たすか否かを判定する(ステップS117)。オブジェクト変換処理の個数の条件とは、一度のタップ操作で連続的に第2オブジェクト322に変換できる上限の個数を超えた場合である。オブジェクト変換処理の上限の個数の条件を満たす場合(ステップS117;Yes)は、オブジェクト制御部203は、オブジェクトの変換処理を終了(END)する。
【0063】
なお、ステップS113において、基点331と隣接する第1オブジェクト321がない場合(ステップS113;No)、及びステップS114において、基点331と隣接するオブジェクトが、第1オブジェクト321出ない場合(ステップS114;No)は、オブジェクト変換処理は終了する(END)。オブジェクト変換処理が終了すると、ステップS105の処理が終了し、ステップS106に進む。
【0064】
また、オブジェクト変換処理の終了条件の両方を満たさない場合は、ステップS113に戻り、ステップS113以降の処理を繰り返す。
【0065】
[オブジェクト変換終了条件処理]
次に、ステップS111におけるオブジェクト変換終了条件処理について、図9のフローチャートを参照して説明する。図9に示す処理は、図8に示す処理と並列して実行する。図8に示す処理が終了すると、図9に示す処理も終了する。
【0066】
オブジェクト制御部203は、オブジェクト変換終了条件処理を、オブジェクト変換処理と並列で開始する。まず、オブジェクト変換終了条件処理が開始されると、オブジェクト制御部203が、第1オブジェクト321を第2オブジェクト322に変換中であるか否かを判定する(ステップS121)。第1オブジェクト321を第2オブジェクト322に変換中である場合(ステップS121;Yes)、ステップS122に進む。
【0067】
第1オブジェクト321を第2オブジェクト322に変換中である場合、オブジェクト変換終了条件を満たすか否かを判定する(ステップS122)。ここで、オブジェクト変換終了条件処理とは、例えば、操作部105での操作の検知が終了した場合、操作部105での最初に検知した位置から移動したことを検知した場合、プレイヤキャラクタ302のライフパラメータ311が減少した場合、ゲーム機能の終了条件を満たした場合などが挙げられる。操作部105での操作の検知が終了とは、例えば、プレイヤがタッチセンサから指を離してしまった場合が挙げられる。プレイヤの操作を検知した位置から移動した場合とは、プレイヤキャラクタ302が移動してしまった場合が挙げられる。また、プレイヤキャラクタ302のライフパラメータ311が減少した場合とは、例えば、プレイヤキャラクタ302が敵キャラクタ303から攻撃を受けた場合などが挙げられる。オブジェクト変換終了条件のいずれか一つを満たす場合(ステップS122;Yes)は、ステップS123に進む。
【0068】
オブジェクト変換終了条件のいずれか一つを満たす場合、図8に示すオブジェクト変換処理を強制終了させる。オブジェクトの変換処理が強制終了すると、ステップS105の処理が終了し、ステップS106に進む。
【0069】
本発明の一実施形態に係るプログラムでは、プレイヤキャラクタ302を通過させる第1オブジェクト321を、プレイヤキャラクタ302に対応する第2オブジェクト322に変換する。また、プレイヤキャラクタ302は、第2オブジェクト322へ上下左右からの移動が妨げられる。つまり、プレイヤキャラクタ302が、第2オブジェクト322の上を移動できるようになる。これにより、プレイヤキャラクタ302が移動できる範囲を、プレイヤ自身によって拡大することができる。例えば、第1オブジェクト321から第2オブジェクト322へと変換しなければプレイヤキャラクタ302が移動できないような場所に、プレイヤキャラクタ302にとって有利な効果を発動するアイテムなどを配置する。プレイヤキャラクタ302は第2オブジェクト322上を移動してアイテムを取得することにより有利にゲームを進めることができる。プレイヤキャラクタ302は、複数の第1オブジェクト321のうち任意の箇所を選択して、第2オブジェクトに変換することで、より有利な地形を形成することが可能となる。よって、プレイヤがゲームの目的に応じて、第1オブジェクト321を第2オブジェクト322に変換させることで、プレイヤの興味を向上させることができる。また、敵キャラクタ303によって、プレイヤキャラクタ302のライフパラメータ311が減少しないように操作することが要求されるので、プレイヤの興味をさらに向上させることができる。
【0070】
(第2実施形態)
第1実施形態では、プレイヤが一人でプレイする場合について説明した。本実施形態では、プレイヤと他のプレイヤとが対戦する場合について説明する。また、本実施形態では、プレイヤが制御するキャラクタをプレイヤキャラクタ302とし、他のプレイヤが制御するキャラクタを相手キャラクタ304として説明する。なお、第1実施形態と同様の構成及び処理については、詳細な説明は省略する。
【0071】
[ゲーム概要]
次に、本実施形態に係るプログラムの実行によって実現されるゲーム機能について、図面を参照して説明する。図11及び図12は、プログラムによって実現された表示領域の一例を示す。
【0072】
図11に示すように、表示領域300Gには、ゲーム空間としての2次元の仮想空間301に配置されたプレイヤキャラクタ302と相手キャラクタ304が表示される。仮想空間301には、第1オブジェクト321と、第2オブジェクト322と、第3オブジェクト323とが配置されている。また、図4に示すように、仮想空間301に、敵キャラクタ303が配置されてもよい。
【0073】
本実施形態において、相手キャラクタ304は、他のプレイヤの操作に基づいて移動や動作が制御される。相手キャラクタ304が他のプレイヤの操作に基づいて行う動作とは、第1オブジェクト321及び第2オブジェクト322を相手キャラクタ304に対応する第3オブジェクト323に変換させたり、敵キャラクタ303を攻撃したりすることなどが含まれる。また、相手キャラクタ304は、プレイヤキャラクタ302又は敵キャラクタ303から受けたダメージ数に応じて変化するライフパラメータ315を有する。ライフパラメータ315の初期状態は、100%である。相手キャラクタ304は、敵キャラクタ303に接触したり、プレイヤキャラクタ302及び敵キャラクタから攻撃を受けたりすると、ライフパラメータ315が減少する。
【0074】
本実施形態において、プレイヤのタップ操作に基づいて、プレイヤキャラクタ302は、敵キャラクタ303だけでなく、相手キャラクタ304も攻撃する。また、プレイヤキャラクタ302のライフパラメータ311は、敵キャラクタ303及び相手キャラクタ304の接触又は攻撃によって減少する。
【0075】
複数の第1オブジェクト321は、仮想空間301に予め配置されている。図11において、第1オブジェクト321は、点線の四角形状で示された領域である。また、図11において、第2オブジェクト322は、プレイヤキャラクタ302に対応しており、第3オブジェクト323は、相手キャラクタ304に対応している。ここで、相手キャラクタ304に対応するとは、例えば、相手キャラクタ304の色、模様、又はシンボルがオブジェクトの領域内に表示されることをいう。第1オブジェクト321は、プレイヤキャラクタ302、相手キャラクタ304、及び敵キャラクタ303を通過させることができる。第2オブジェクト322及び第3オブジェクト323は、プレイヤキャラクタ302及び相手キャラクタ304の移動を妨げる。具体的には、プレイヤキャラクタ302及び相手キャラクタ304は、第2オブジェクト322及び第3オブジェクト323に対して、周囲から侵入することができない。
【0076】
また、図12の表示領域300Hに示すように、プレイヤキャラクタ302及び相手キャラクタ304は、第2オブジェクト322及び第3オブジェクト323の上を移動できる。または、プレイヤキャラクタ302が、第2オブジェクト322に対して、周囲から侵入することができるが、移動速度が小さくなるように制御してもよい。プレイヤキャラクタ302が第2オブジェクト322上を移動する場合は、プレイヤキャラクタ302の移動速度を大きくすることができ、相手キャラクタ304が第2オブジェクト322上を移動する場合は、相手キャラクタ304の移動速度を小さくすることができる。また、相手キャラクタ304が、第2オブジェクト322上を移動する場合は、相手キャラクタ304の移動速度を小さくすることができ、第3オブジェクト323上を移動する場合は、相手キャラクタ304の移動速度を大きくすることができる。
【0077】
相手キャラクタ304は、第3オブジェクト323の数に応じて変化するオブジェクトパラメータ316、317を有する。オブジェクトパラメータ316、317の初期状態は、0%である。オブジェクトパラメータ316は、第1オブジェクト321の総数に対する第3オブジェクト323の数の割合である。オブジェクトパラメータ317は、第3オブジェクト323の所定の数に対する、第3オブジェクト323の数の割合である。また、オブジェクトパラメータ317が100%に到達する(第3オブジェクト323の数が所定の数に到達する)と、相手キャラクタ304は、他のプレイヤの操作に基づいて行う通常アクションとは異なる特殊アクションを行う。例えば、複数の敵キャラクタ303のライフパラメータ314を減少させたり、プレイヤキャラクタ302のライフパラメータ311が減少している場合には、100%に近づくように増加させたりする。オブジェクトパラメータ317が100%に到達した場合、100%に到達したと同時に、相手キャラクタ304に特殊アクションを行わせてもよいし、他のプレイヤの操作に基づいて、特殊アクションを行わせてもよい。なお、オブジェクトパラメータ制御部204は、相手キャラクタ304に特殊アクションを行わせた後、オブジェクトパラメータ317を0%にする。そして、第1オブジェクト321及び第2オブジェクト322から第3オブジェクト323に変換させると、オブジェクトパラメータ317は増加する。
【0078】
本実施形態では、第2オブジェクト322の数及び第3オブジェクト323の数が変動すると、オブジェクトパラメータ312、316に直ちに反映される。例えば、プレイヤキャラクタ302によって、第3オブジェクト323が第2オブジェクト322に変換されると、オブジェクトパラメータ316は減少し、オブジェクトパラメータ312が増加する。
【0079】
各プレイヤは、所定の条件を満たすまでゲーム機能を実行する。所定の条件とは、所定の時間が経過した場合、プレイヤキャラクタ302のライフパラメータ311又は相手キャラクタ304のライフパラメータ315が0%になった場合、プレイヤキャラクタ302又は相手キャラクタ304のいずれかのオブジェクトパラメータが100%になった場合等が含まれる。各プレイヤのうち少なくとも一つが所定の条件を満たすと、ゲームが終了となる。
【0080】
ゲームが終了すると、オブジェクトパラメータ312とオブジェクトパラメータ316とを比較して、どちらが大きいかを判定することで、勝敗を決定する。
【0081】
[プログラムの機能構成]
図13は、本発明の一実施形態に係るプログラムの機能構成200Aを示すブロック図である。機能構成200Aは、プレイヤキャラクタ制御部201と、ライフパラメータ制御部202と、オブジェクト制御部203と、オブジェクトパラメータ制御部204と、表示制御部205と、敵キャラクタ制御部206と、相手キャラクタ制御部207と、判定部208と、によって、ゲーム機能を実現する。図13において、第1実施形態と同様の箇所については詳細な説明は省略する。また、本実施形態においては、敵キャラクタ制御部206はなくてもよい。
【0082】
相手キャラクタ制御部207は、仮想空間301に配置された相手キャラクタ304の通常アクションを他のプレイヤの操作に基づいて制御する。通常アクションとは、例えば、仮想空間301内で、相手キャラクタ304を移動させたり、第1オブジェクト321を第3オブジェクト323に変換させたり、プレイヤキャラクタ302及び敵キャラクタ303を攻撃したりすること等が含まれる。
【0083】
相手キャラクタ制御部207は、他のプレイヤの操作に基づいて、相手キャラクタ304に、第1オブジェクト321を通過させたり、第2オブジェクト322又は第3オブジェクト323への移動を妨げたりする。また、相手キャラクタ制御部207は、相手キャラクタ304に、第2オブジェクト322又は第3オブジェクト323の上を移動させる。なお、相手キャラクタ制御部207は、相手キャラクタ304に、第3オブジェクト323を移動させる場合には、他の領域を移動させる場合と比較して、移動速度を大きくしてもよい。ここで、他の領域とは、第2オブジェクト322が配置された領域及びいずれのオブジェクトも配置されていない領域である。
【0084】
プレイヤキャラクタ制御部201は、プレイヤのタップ操作に基づいて、敵キャラクタ303だけでなく、相手キャラクタ304を攻撃させること以外は、第1実施形態と同様である。
【0085】
ライフパラメータ制御部202は、相手キャラクタ304のダメージ数に対応するライフパラメータ315を制御する。ライフパラメータ制御部202は、相手キャラクタ304が敵キャラクタ303に接触したり、敵キャラクタ303及びプレイヤキャラクタ302から攻撃を受けたりすると、ライフパラメータ315が減少するように制御する。
【0086】
また、ライフパラメータ制御部202は、プレイヤキャラクタ302が敵キャラクタ303に接触したり、敵キャラクタ303及び相手キャラクタ304から攻撃を受けたりすると、ライフパラメータ311が減少するように制御する。
【0087】
オブジェクト制御部203は、仮想空間301に予め設定された第1オブジェクト321及び第2オブジェクト322に、相手キャラクタ304が通常アクションを実行すると、第1オブジェクト321を相手キャラクタ304に対応する第3オブジェクト323に変換させる。第3オブジェクト323とは、相手キャラクタ304に対応するオブジェクトをいう。オブジェクト制御部203は、隣接する第1オブジェクト321及び第2オブジェクト322を、連続的に第3オブジェクト323に変換させる。
【0088】
オブジェクト制御部203は、プレイヤキャラクタ302の通常アクションに応じて、第1オブジェクト321及び第3オブジェクト323を第2オブジェクト322に変換する。オブジェクト制御部203は、隣接する第1オブジェクト321及び第3オブジェクト323を、連続的に第2オブジェクト322に変換させる。
【0089】
オブジェクトパラメータ制御部204は、第1オブジェクト321の数、第2オブジェクト322の数、第3オブジェクト323の数を制御する。オブジェクトパラメータ制御部204は、例えば、第1オブジェクト321の総数に対する第3オブジェクト323の数の割合を算出して、オブジェクトパラメータ316に反映する。また、オブジェクトパラメータ制御部204は、第3オブジェクトの所定の数に対する、第3オブジェクトの数の割合を算出して、オブジェクトパラメータ317に反映する。本実施形態において、第2オブジェクト322の数及び第3オブジェクト323の数が変動すると、オブジェクトパラメータ312、316に直ちに反映される。オブジェクトパラメータ制御部204は、オブジェクトパラメータ317が100%に到達する(第3オブジェクト323が所定の数に到達する)と、相手キャラクタ304は、通常アクションとは異なる特殊アクションを行う。例えば、相手キャラクタ304にとって有利な効果を発動させる。具体的には、複数の敵キャラクタ303のライフパラメータ314を減少させたり、相手キャラクタ304のライフパラメータ315が減少している場合には、100%に近づくように増加させたりする。オブジェクトパラメータ317が100%に到達した場合、100%に到達したと同時に、相手キャラクタ304に特殊アクションを行わせてもよいし、他のプレイヤの操作に基づいて、特殊アクションを行わせてもよい。なお、オブジェクトパラメータ制御部204は、相手キャラクタ304に特殊アクションを行わせた後、オブジェクトパラメータ317を0%にする。
【0090】
判定部208は、オブジェクトパラメータ312とオブジェクトパラメータ316とを比較する。判定部208は、比較した結果を用いて、プレイヤキャラクタ302と相手キャラクタ304との勝敗を決定する。
【0091】
[ゲームを実行する処理方法]
次に、本実施形態に係るプログラムにおいて、ゲーム機能を実行させるための情報処理方法について、図14及び図15を参照して説明する。図14は、本実施形態に係る情報処理方法のフローチャートを示す。図15は、ステップS110に対応する表示領域の一例である。本実施形態と第1実施形態と異なる点は、第2オブジェクト322に変換できる対象が、第1オブジェクト321だけでなく、第3オブジェクト323も含まれる点である。以下の説明において、異なる点について詳細に説明する。
【0092】
ゲームの開始処理から終了処理までは、図7で説明したステップS101~ステップS108の処理と概ね同様である。本実施形態では、ステップS104のオブジェクト変換開始条件において、プレイヤキャラクタ302の動く部分302Bが、第1オブジェクト321乃至第3オブジェクト323に近接しているか否かを判定する。
【0093】
オブジェクト変換処理についは、図8で説明したステップS111~ステップS117の処理と概ね同様である。本実施形態では、ステップS114において、基点331と隣接するオブジェクトが、第1オブジェクト321又は第3オブジェクト323であるか否かを判定する。なお、オブジェクト変換終了条件処理については、図9で説明したステップS121~123の処理と概ね同様である。本実施形態では、ステップS122において、オブジェクト変換終了条件として、第1実施形態で説明した条件に加えて、相手キャラクタ304が変換した第3オブジェクト323と、プレイヤキャラクタ302が変換した第2オブジェクト322とが、衝突した場合も含まれる。
【0094】
[判定処理]
ゲームの開始処理から終了処理までが終了すると、判定処理を開始(START)する。判定処理とは、オブジェクトパラメータ312とオブジェクトパラメータ316とを比較することをいう。判定部208は、プレイヤキャラクタ302のオブジェクトパラメータ312と相手キャラクタ304のオブジェクトパラメータ316とを比較する(ステップS109)。このとき、判定部208は、オブジェクトパラメータ316のデータを、サーバ20から受信してもよいし、相手プレイヤの電子機器30から受信してもよい。
【0095】
次に、ステップS108で得られた比較結果を、表示領域に表示する(ステップS109)。図15は、比較結果を示す表示領域300Iである。図15に示すように、プレイヤキャラクタ302と、プレイヤキャラクタ302に対応するオブジェクトパラメータ312及び第2オブジェクト322と、相手キャラクタ304と、相手キャラクタ304に対応するオブジェクトパラメータ316及び第3オブジェクト323と、が表示領域300Iに表示される。判定結果を表示した後、ゲーム機能を終了させる(END)。
【0096】
本発明の一実施形態に係るプログラムでは、複数のキャラクタが、第1オブジェクトを、各々に対応するオブジェクトに変換することによって、対戦型のゲーム機能を実現することができる。これにより、複数のキャラクタは、オブジェクトの上を移動して、移動範囲を拡大するだけでなく、陣取りゲームとしてプレイすることができる。また、第1オブジェクト321から第2オブジェクト322又は第3オブジェクト323へと変換しなければキャラクタが移動できないような場所に、キャラクタにとって有利な効果を発動するアイテムなどを配置する。キャラクタは第2オブジェクト322又は第3オブジェクト323上を移動してアイテムを取得することにより有利にゲームを進めることができる。複数のキャラクタは、複数の第1オブジェクト321のうち、任意の箇所を選択して、各々に対応するオブジェクトに変換することで、より有利な地形を形成することが可能となる。よって、複数のプレイヤが、各々に対応するオブジェクトに変換させることで、プレイヤの興味を向上させることができる。また、複数のキャラクタが互いに攻撃し合うことで、キャラクタのライフパラメータが減少しないように操作することが要求されるので、プレイヤの興味をさらに向上させることができる。
【0097】
<変形例1>
本発明の一実施形態において、複数の第1オブジェクト321を連続的に第2オブジェクト322に変換する場合について、図16A及び図16Bを参照して説明する。図16A及び図16Bは、ステップS105に対応する表示領域の一例である。
【0098】
図8に示すステップS105において、操作部105が、第1操作を検知している時間に応じて、第1オブジェクト321又は第3オブジェクト323から第2オブジェクト322に連続的に変換されている間、表示制御部205は表示領域を変化させてもよい。例えば、表示制御部205は、仮想空間301の一部であって、プレイヤキャラクタ302を含む表示範囲305を徐々に拡大してもよい。図3に示す表示領域300Fの表示範囲305は、表示部104に表示される基準の表示範囲である。表示制御部205は、図16Aに示す表示領域300Jの表示範囲305A、及び図16Bに示す表示領域300Kの表示範囲305Aの順で、仮想空間301の一部である表示範囲を徐々に拡大する。第1オブジェクト321又は第3オブジェクト323から第2オブジェクト322への変換が終了した後、表示制御部205は、表示領域300を基準のサイズに戻す。
【0099】
また、図示しないが、表示制御部205は、プレイヤキャラクタ302が、プレイヤの操作に基づいて行う通常アクションとは異なる特殊アクションを行う際に、仮想空間301の一部であって、プレイヤキャラクタ302を含む表示領域を縮小させてもよい。
【0100】
以上説明した通り、表示制御部205によれば、多彩な演出が可能となり、高い演出効果が得られる。
【0101】
<変形例2>
本発明の一実施形態において、第1オブジェクト321、第2オブジェクト322、及び第3オブジェクト323の形状は、四角形状である場合について説明したが、形状については限定されず、例えば、三角形、六角形、八角形であってもよい。プレイヤキャラクタ302及び敵キャラクタ303は、第2オブジェクト322及び第3オブジェクト323の上を移動するため、第2オブジェクト322及び第3オブジェクト323の上側は平らになることが好ましい。
【0102】
<変形例3>
本発明の一実施形態において、プレイヤキャラクタ302と相手キャラクタ304とが一対一で対戦する場合について説明したが、プレイヤキャラクタ302を含む複数のキャラクタ、対相手キャラクタ304を含む複数のキャラクタで対戦してもよい。つまり、プレイヤキャラクタ302とその仲間のキャラクタを含むプレイヤチームと、相手キャラクタ304とそのキャラクタを含む相手チームとで、対戦してもよい。プレイヤチーム及び相手チームを構成するキャラクタは、例えば、AIによるマッチングによって決定される。
【0103】
プレイヤチーム及び相手チームで対戦する場合、プレイヤチームに属する複数のキャラクタは、第1オブジェクト321を、プレイヤチームに対応する第2オブジェクト322に変換する。また、相手チームに属する複数のキャラクタは、第1オブジェクト321を、相手チームに対応する第3オブジェクト323に変換する。
【0104】
また、プレイヤチームに属する複数のキャラクタ及び相手チームに属する複数のキャラクタは、それぞれライフパラメータを有する。よって、複数のキャラクタが互いに攻撃を行うことによって、ライフパラメータが減少する。キャラクタは、ライフパラメータが0%になると、対戦から外れることになる。
【0105】
複数のプレイヤの各々は、所定の終了条件を満たすまでゲーム機能を実行する。所定の終了条件とは、ゲーム機能を開始してから所定の時間が経過した場合、いずれかのチームにおいて、チームに属する全てのキャラクタのライフパラメータが0%になった場合、第2オブジェクト322又は第3オブジェクト323のオブジェクトパラメータが100%になった場合などが挙げられる。
【0106】
また、対戦するチームは2つに限定されず、3つ以上であってもよい。この場合は、それぞれのチームに対応するように、キャラクタの移動を妨げるオブジェクトの数を第4オブジェクト、第5オブジェクト等のように増加させてもよい。
【0107】
プレイヤチームと相手チームとで対戦を行うことで、プレイヤは自身のチームが勝利となるように、仲間のプレイヤと協力することになる。これにより、プレイヤに積極的にゲームをプレイする動機付けを与えることができるため、プレイヤの興味をさらに向上させることができる。
【符号の説明】
【0108】
10:通信システム、20:サーバ、30:電子機器、40:ネットワーク、100:ハードウェア構成、101:制御部、102:記録媒体、104:表示部、105:操作部、106:通信部、200、200A:機能構成、201:プレイヤキャラクタ制御部、202:ライフパラメータ制御部、203:オブジェクト制御部、204:オブジェクトパラメータ制御部、205:表示制御部、206:敵キャラクタ制御部、207:相手キャラクタ制御部、208:判定部、300、300A~300K:表示領域、301:仮想空間、302:プレイヤキャラクタ、302A:本体、302B:動く部分、303:敵キャラクタ、304:相手キャラクタ、305、305A、305B:表示範囲、311:ライフパラメータ、312:オブジェクトパラメータ、313:オブジェクトパラメータ、314:ライフパラメータ、315:ライフパラメータ、316:オブジェクトパラメータ、317:オブジェクトパラメータ、321:第1オブジェクト、322:第2オブジェクト、323:第3オブジェクト、331:基点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B