(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
F24C 15/00 20060101AFI20230704BHJP
F24C 3/12 20060101ALI20230704BHJP
【FI】
F24C15/00 M
F24C3/12 E
(21)【出願番号】P 2019093228
(22)【出願日】2019-05-16
【審査請求日】2022-04-25
(73)【特許権者】
【識別番号】301071893
【氏名又は名称】株式会社ハーマン
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】浦谷 伸一
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-132200(JP,A)
【文献】特開2019-037003(JP,A)
【文献】特開2015-130261(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0209028(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 15/00
F24C 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱調理を行うための燃焼装置と、
加熱調理に関する情報が表示される表示面を有する表示部と、
前記表示面を照らすバックライトと、
電池が収容される電池収容部と、
前記電池から供給される電力を用いて前記燃焼装置、前記表示部、及び前記バックライトを制御する制御部と、
加熱調理に関する指示が入力される入力操作部と、を備え、
前記制御部は、
前記入力操作部への指示の入力が所定時間なかった場合には前記バックライトを消灯させる
とともに、前記バックライトが消灯した状態で前記入力操作部に指示が入力されたタイミングで前記バックライトが再度点灯してその指示内容に基づいた制御が行われるように構成されており、かつ、加熱調理中において、前記バックライトが消灯した状態で前記入力操作部に指示が入力されたときには、その指示の内容に基づいた制御は行わず、前記バックライトを点灯させるように構成されている
加熱調理器。
【請求項2】
加熱調理を行うための燃焼装置と、
加熱調理に関する情報が表示される表示面を有する表示部と、
前記表示面を照らすバックライトと、
電池が収容される電池収容部と、
前記電池から供給される電力を用いて前記燃焼装置、前記表示部、及び前記バックライトを制御する制御部と、
加熱調理に関する指示が入力される入力操作部と、を備え、
前記制御部は、
前記入力操作部への指示の入力が所定時間なかった場合には前記バックライトを消灯させるように構成されており、かつ、加熱調理中において、前記バックライトが消灯した状態で前記入力操作部に指示が入力されたときには、その指示の内容に基づいた制御は行わず、前記バックライトを点灯させるように構成されており、
加熱調理中において前記バックライトが消灯した状態であっても、指示の内容が消火指示である場合には、その指示の内容に基づいて消火を実行するように構成されている
加熱調理器。
【請求項3】
前記制御部は、
加熱調理中において、前記バックライトが点灯した状態で前記入力操作部に指示が入力されたときに、その指示の内容に基づいた制御を行うように構成されている
請求項1又は2の加熱調理器。
【請求項4】
前記制御部は、
加熱調理の前段階において、前記表示面に点火促し情報を表示している間は、前記バックライトを点灯させるように構成されている
請求項1から3のいずれか一項の加熱調理器。
【請求項5】
前記制御部は、
加熱調理の前段階において、前記表示面に点火促し情報を表示している間に、前記バックライトを点滅させるように構成されている
請求項1から3のいずれか一項の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼装置を備えた加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
燃焼装置を備えた加熱調理器において、メニュー等を表示する画面とこれを照らすバックライトを備えることが、従来提案されている(特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来の加熱調理器では、入力操作のない状態が所定時間だけ継続すると自動的にバックライトを消灯させることも可能である。しかし、バックライトが消灯された状態では表示内容を見づらいので、表示内容を十分に理解しない又は勘違いした状態で、使用者が入力操作を行うおそれがある。
【0005】
本発明は、電池式の加熱調理器において、指示入力が所定時間なかったときにはバックライトを消灯して消費電力を抑制し、かつ、表示内容を見づらい状態で入力操作が行われることを防止することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る加熱調理器は、加熱調理を行うための燃焼装置と、加熱調理に関する情報が表示される表示面を有する表示部と、前記表示面を照らすバックライトと、電池が収容される電池収容部と、前記電池から供給される電力を用いて前記燃焼装置、前記表示部、及び前記バックライトを制御する制御部と、加熱調理に関する指示が入力される入力操作部と、を備える。
【0007】
前記制御部は、前記入力操作部への指示の入力が所定時間なかった場合には前記バックライトを消灯させるように構成されており、かつ、加熱調理中において、前記バックライトが消灯した状態で前記入力操作部に指示が入力されたときには、その指示の内容に基づいた制御は行わず、前記バックライトを点灯させるように構成されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、電池式の加熱調理器において、指示入力が所定時間なかったときにはバックライトを消灯して消費電力を抑制し、かつ、表示内容を見づらい状態で入力操作が行われることを防止するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態の加熱調理器を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、同上の加熱調理器の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、同上の加熱調理器が備える燃焼装置を示す概略図である。
【
図4】
図4は、同上の加熱調理器が備える操作ブロックを示す図である。
【
図5】
図5は、同上の操作ブロックの表示面に表示されるトップ画面を示す図である。
【
図6】
図6は、同上の表示面に表示される大メニュー選択画面を示す図である。
【
図7】
図7は、同上の表示面に表示されるメニュー選択画面を示す図である。
【
図8】
図8は、同上の表示面に表示される火加減選択画面を示す図である。
【
図9】
図9は、同上の表示面に表示されるタイマー選択画面を示す図である。
【
図10】
図10は、同上の表示面に表示される点火促し画面を示す図である。
【
図11】
図11は、同上の表示面に表示される調理中画面を示す図である。
【
図12】
図12は、同上の表示面に表示される調理終了画面を示す図である。
【
図13】
図13は、同上の加熱調理器におけるバックライトの点灯制御を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(一実施形態)
添付図面に基づいて、一実施形態の加熱調理器について説明する。
【0011】
一実施形態の加熱調理器は、電池式のグリル付きガスこんろであるが、ガスこんろを備えないグリル庫で構成されてもよいし、グリル庫を備えないガスこんろで構成されてもよい。また、ガスこんろの代わりにIH(誘導加熱)調理器を備えてもよい。
【0012】
また、一実施形態の加熱調理器は、キッチンカウンターに形成された開口部に上方より挿入されて設置されるドロップイン方式の加熱調理器であるが、特にドロップイン方式に限定されない。
【0013】
一実施形態の加熱調理器は、略箱状の本体ケーシング90を備える。本体ケーシング90には、
図2、
図3にも示す燃焼装置1と、調理メニュー等の加熱調理に関する情報が表示される表示面20を有する表示部2と、表示面20をその背後から照らすように配置されたバックライト3と、使用者が加熱調理に関する指示を入力することのできる入力操作部6と、入力操作部6に入力された指示に従った条件で燃焼装置1を制御し、所望の加熱調理を実行させる制御部5を備える。
【0014】
更に、一実施形態の加熱調理器は、電池8が着脱自在に収容される電池収容部4を備える。電池8は市販の乾電池である。電池収容部4は制御部5に対して電気的に接続されている。電池8の電力は、電池収容部4を介して、加熱調理器が備える燃焼装置1、表示部2、バックライト3等の各構成を駆動する電力として制御部5に供給される。
【0015】
ここで、一実施形態の加熱調理器における前後左右の各方向を定義する。
図1に示すように、設計上、加熱調理器に対して使用者が位置すると想定される方を前方Fと定義し、その反対を後方Bと定義する。左右方向については、使用者が後方Bを向いているときを基準として左方Lと右方Rを定義する。
【0016】
燃焼装置1について、詳しく説明する。
【0017】
燃焼装置1は、こんろ用の複数のバーナ111,112,113と、グリル用の複数のバーナ131,132を備える(
図3参照)。こんろ用の複数のバーナ111,112,113は、具体的には左バーナ111、奥バーナ112及び右バーナ113である。グリル用の複数のバーナ131,132は、具体的には下バーナ131と上バーナ132である。
【0018】
本体ケーシング90は、複数のバーナ挿通口925が形成された天板92を備える。
各バーナ111,112,113は、対応するバーナ挿通口925を通じて、その上部を露出させている。天板92の各バーナ挿通口925の周囲には、調理容器(図示略)を支持するための五徳93が設置される。
【0019】
各バーナ111,112,113は、五徳93に載置される調理容器の底部の温度を検知する温度センサ121,122,123を備えている。温度センサ121,122,123により検知された温度に基づいて、マイクロコンピュータを有する制御部5が、設定された調理メニューに従って自動調理等を実行する。
【0020】
本体ケーシング90の前面には、こんろ用の入力操作部96が配置されている。入力操作部96は、バーナ111,112,113の点火/消火の切り替えや火力調節に関する指示を与えるように構成されている。入力操作部96の操作を受けて、制御部5がバーナ111,112,113の燃焼を制御する。
【0021】
本体ケーシング90内には、前方Fに開口したグリル庫98が設けられており、グリル庫98の開口にはグリル扉99が開閉自在に設けられている。グリル庫98の内部に、下バーナ131と上バーナ132が設置されている。
【0022】
下バーナ131は、グリル庫98に収納されたグリル皿、グリル鍋等の調理容器(図示略)をその下方から加熱するように設けられたバーナである。上バーナ132は、調理容器あるいは調理容器に載置された加熱調理対象を、その上方から加熱するように設けられた面状のバーナである。
【0023】
下バーナ131は、こんろ用の各バーナ111,112,113と同様の構造を有し、調理容器の温度を検知する温度センサ124を備えている。温度センサ124は、下バーナ131の上部の中央部分から上方に突出し、調理容器の底壁に対して下方から当接するように構成されている。
【0024】
燃焼装置1は、こんろ用の各バーナ111,112,113とグリル用の各バーナ131,132に燃料ガスを供給する供給路14を、更に備えている。供給路14は、元ガス供給路140と、複数(一実施形態では四つ)のガス供給路141,142,143,144を含む。
【0025】
複数のガス供給路141,142,143,144は、元ガス供給路140の下流端から分岐した流路である。元ガス供給路140には元ガス電磁弁150が設けられている。各ガス供給路141,142,143,144には、電磁弁からなる安全弁151,152,153,154がそれぞれ設けられ、それらの下流側には、ステッピングモータで駆動される流量調節弁161,162,163,164が設けられている。
【0026】
都市ガス等の燃料ガスは、ガス供給路141を介して左バーナ111に供給され、ガス供給路142を介して奥バーナ112に供給され、ガス供給路143を介して右バーナ113に供給され、ガス供給路144を介して下バーナ131と上バーナ132に供給される。
【0027】
グリル用のガス供給路144は、その下流側においてガス供給路1441とガス供給路1442に分岐しており、燃料ガスは、ガス供給路1441を介して下バーナ131に供給され、ガス供給路1442を介して上バーナ132に供給される。ガス供給路1442には電磁弁155が設けられている。
【0028】
制御部5は、上記した燃焼装置1の各機器を制御することで、各種の加熱調理を実行するように構成されている。
【0029】
例えば、制御部5は、元ガス電磁弁150を開弁させ、安全弁151,152,153,154のうち対応するものを開弁させることで、こんろ用のバーナ111,112,113やグリル用のバーナ131,132に燃料ガスを流入させることができ、更に、対応するバーナ111,112,113,131,132の点火プラグ171,172,173,174,175,176でスパークを生じさせることで、点火を実行することができる。
【0030】
次に、表示部2とバックライト3と入力操作部6が設置された操作ブロック95について、説明する。
【0031】
一実施形態の加熱調理器は、いわゆるカンガルーポケット式の操作ブロック95を備える。操作ブロック95は、
図1に示す状態では、表示部2と入力操作部6を本体ケーシング90内に隠すように位置するが、この状態の操作ブロック95を後方Bに押し込むとこれに連動して前方Fに倒れるように所定角度だけ回転し、表示部2と入力操作部6を正面に露出させる姿勢となる。
【0032】
図4に示すように、一実施形態の加熱調理器において表示部2と入力操作部6は、操作ブロック95の一面950上において互いに隣接する位置に設けられているが、表示部2と入力操作部6の形態はこれに限定されない。例えば、表示部2と入力操作部6の両方または一方が、操作ブロック95ではない箇所に設けられてもよい。例えば、表示部2が天板92に設けられてもよいし、本体ケーシング90の前面の適宜箇所に設けられてもよい。入力操作部6が天板92に設けられてもよいし、本体ケーシング90の前面の適宜箇所に設けられてもよい。
【0033】
表示部2は、文字、数字、イラストレーション等の各種の情報を表示することができる液晶の表示面20を有する。なお、表示面20は液晶に限定されず、有機EL(エレクトロルミネッセンス)等の他の方式の画面を用いることも可能である。表示面20がタッチパネルである場合は、表示面20の一部が入力操作部6を兼ねることも可能である。
【0034】
図4に示すように、入力操作部6は、トップ画面を表示するためのスイッチ61と、直前の画面に戻るためのスイッチ62と、選択対象を変更するためのスイッチ63,64と、選択対象を決定するためのスイッチ65と、点火及び消火を行うためのスイッチ66を有する。スイッチ66は、点火スイッチ67と消火スイッチ68を兼ねるスイッチであるが、点火スイッチ67と消火スイッチ68を別々に設けることも可能である。
【0035】
使用者が入力操作部6を用いて加熱調理を行う手順は、例えば以下に述べるとおりである。
【0036】
図5には、表示面20に表示されるトップ画面を示している。使用者は、「TOP画面」と記されたスイッチ61を操作することで、表示面20にトップ画面を表示させることが可能である。トップ画面には、複数の選択肢が示されている。一例として、複数の選択肢には、過去の履歴から調理メニューを選択する選択肢と、調理容器を選択するための複数の選択肢と、設定変更を行う選択肢が含まれている。
【0037】
トップ画面において、スイッチ63,64を操作する等して、複数の選択肢のうち一つ(この例では、調理容器のうちグリル皿を意味する「プレートパン」)を選択し、更に「決定」と記されたスイッチ65を操作すると、
図6に示す大メニュー選択画面が表示面20に表示される。
【0038】
大メニュー選択画面には、大メニューに関する複数の選択肢が示され、このうち一つの選択肢(この例では「調理モード」)を選択して「決定」のスイッチ65を操作すると、
図7に示すメニュー選択画面が表示面20に表示される。
【0039】
メニュー選択画面には、メニューに関する複数の選択肢が示され、このうち一つの選択肢(この例では「焼く」)を選択して「決定」のスイッチ65を操作すると、
図8に示す火加減選択画面が表示面20に表示される。
【0040】
火加減選択画面には、火加減に関する選択肢が変更可能に示され、このうち一つの選択肢(この例では「中」)を選択して「決定」のスイッチ65を操作すると、
図9に示すタイマー選択画面が表示面20に表示される。
【0041】
タイマー選択画面には、調理時間に関する選択肢が変更可能に示され、このうち一つの選択肢(この例では「10分」)を選択して「決定」のスイッチ65を操作すると、
図10に示す点火促し画面が表示面20に表示される。
【0042】
点火促し画面には、これより以前の各画面を経て選択された調理メニュー(この例では「プレートパン」「焼く」「中」「10分」の調理メニュー)の文字情報が表示され、加えて、使用者に対して点火を促す情報として「右端の点火キーを押してください」の文字情報が表示される。
【0043】
使用者は、現時点で選択されている調理メニューを、表示面20を見て確認したうえで、点火用のスイッチ66(点火スイッチ67)を押して加熱調理の開始の指示を入力する。点火用のスイッチ66が操作されると、スイッチ66の操作信号を受けた制御部5は、選択された調理メニューに対応する燃焼条件にしたがって燃焼装置1を駆動し、グリル庫98での加熱調理を実行していく。
【0044】
加熱調理中において、表示面20には、
図11に示す調理中画面が表示される。調理中画面には、選択された調理メニューの情報に加えて、現在調理中であることを示す情報として「調理中」の文字情報が表示される。ここでの加熱調理中には、バーナ131,132で火炎を生じている最中に加えて、余熱や蒸らしの最中も含まれる。
【0045】
選択された調理メニューでの一連の加熱調理が終了すると、
図12に示す調理終了画面が表示される。調理終了画面には、調理終了を示す情報として「調理が終了しました」の文字情報が表示される。
【0046】
ところで、一実施形態の加熱調理器においては、商用電源ではなく電池8からの電力で各構成を駆動させるので、消費電力を抑えるために、バックライト3を常時点灯させるのではなく、所定条件に基づいて消灯し、入力操作部6への入力があったときに点灯させるように設定している。
【0047】
具体的には、バックライト3が点灯してから、所定時間(例えば10秒)だけ入力操作部6に指示が入力されなかったときにはバックライト3を自動的に消灯させるように、制御部5を構成している。バックライト3が消灯した状態において、入力操作部6に何らかの指示が入力されたタイミング(つまりスイッチ61,62,63,64,65,66のいずれかが操作されたタイミング)で、バックライト3は再度点灯し、その指示の内容に基づいた制御がなされる。
【0048】
但し、加熱調理中においては、バックライト3がいったん消灯すると、入力操作部6に指示が入力された場合に、消灯状態での1回目の指示の入力に対してはバックライト3を点灯させるだけとし、バックライト3が点灯した状態で入力された2回目以降の指示の入力に対しては、その指示に基づいた制御を実行するように設けている(
図13参照)。
【0049】
つまり、一実施形態の加熱調理器では、加熱調理中でありかつバックライト3が消灯した状態においては、入力操作部6に指示が入力されてもその指示の内容に基づいた制御を行わず、バックライト3を点灯させるだけの制御を行うように設けている。これにより使用者は、バックライト3に照らされた表示面20を見て、まず、調理メニュー等の表示内容を確認することができる。
【0050】
使用者は、バックライト3で照明された表示面20を見て調理内容等を確認したうえで、引き続いて通常の入力操作の作業を行うことができる。例えば、入力操作部6を操作して2回目以降の入力操作を行うことで、調理時間の変更等を行うことができる。
【0051】
以上のように、加熱調理中かつ消灯時の入力操作に対しては通常の応答をせずにバックライト3を点灯するに留めることで、調理内容を十分に確認しない状態での使用者のスイッチ操作に基づいて加熱調理が進められるという事態が、抑えられる。
【0052】
なお、消火の入力操作に対しては、1回目の入力操作に対して通常の応答がなされる。つまり、加熱調理中かつ消灯時において、消火のスイッチ66(消火スイッチ68)が押されたときには、バックライト3を点灯させることに加えて、その入力操作に基づいて消火を実行する。これにより、使用者は、消火の作業に関してはこれを速やかに実行することができる。
【0053】
一実施形態の加熱調理器では、表示部2と入力操作部6はグリルでの加熱調理用に構成されているが、これに限定されず、こんろでの加熱調理用に構成されてもよいし、グリルとこんろの両方の加熱調理用に構成されてもよい。
【0054】
(変形例)
一実施形態の加熱調理器の変形例1,2について、以下に説明する。なお、上記した構成と同様の構成については、同一符号を付して詳しい説明を省略する。
【0055】
まず、一実施形態の加熱調理器の変形例1について説明する。
【0056】
変形例1において、制御部5は、表示面20に点火促し画面(
図10参照)が表示されている間は、時間が経過してもバックライト3を消灯させないように構成されている。つまり、上記したようにバックライト3を点灯させる電力が電池8から供給されるので、原則的には入力操作部6への指示の入力が所定時間なかった場合にはバックライト3を消灯させるのだが、表示面20に点火促し情報が表示されているときは、所定時間を経過してもバックライト3を継続的に点灯させるように設定している。
【0057】
これにより、使用者に対して点火促し情報をより効果的に視認させ、点火直前の状態で操作が放置されることを抑えることができる。
【0058】
次に、一実施形態の加熱調理器の変形例2について説明する。
【0059】
変形例2において、制御部5は、表示面20に点火促し画面が表示されている間に、バックライト3を点滅させるように構成されている。このように、表示面20に点火促し情報が表示されているときに、表示面20の照明が繰り返しオンオフされることで、使用者に対して点火促し情報をより効果的に視認させ、点火直前の状態で操作が放置されることを抑えることができる。バックライト3の点滅は、点火促し画面が表示されている期間の全部で行ってもよいし、点火促し画面の表示が開始されてから一定時間が経過してから行ってもよい。或いは、バックライト3の点灯と点滅を、点火促し画面が表示されている期間において交互に行ってもよい。
【0060】
(作用効果)
一実施形態及びこれの変形例に基づいて説明したように、本発明の加熱調理器は、第1の特徴として以下の構成を備える。本発明の加熱調理器は、加熱調理を行うための燃焼装置1と、加熱調理に関する情報が表示される表示面20を有する表示部2と、表示面20を照らすバックライト3と、電池8が収容される電池収容部4と、電池8から供給される電力を用いて燃焼装置1、表示部2、及びバックライト3を制御する制御部5と、加熱調理に関する指示が入力される入力操作部6と、を備える。
【0061】
制御部5は、入力操作部6への指示の入力が所定時間なかった場合にはバックライト3を消灯させるように構成されており、かつ、加熱調理中において、バックライト3が消灯した状態で入力操作部6に指示が入力されたときには、その指示の内容に基づいた制御は行わず、バックライト3を点灯させるように構成されている。
【0062】
第1の特徴を備える本発明の加熱調理器によれば、電池式の加熱調理器において、指示入力が所定時間なかったときにはバックライト3を消灯して消費電力を抑制し、かつ、表示面20の表示内容を見づらい状態で入力操作部6が操作されることは防止される。
【0063】
本発明の加熱調理器は、第2の特徴として、第1の特徴に加えて以下の構成を備えることが好ましい。本発明の加熱調理器において、制御部5は、加熱調理中において、前記バックライトが点灯した状態で前記入力操作部に指示が入力されたときに、その指示の内容に基づいた制御を行うように構成されている。
【0064】
第2の特徴を備える本発明の加熱調理器によれば、1回目の指示入力によってバックライト3を点灯させたうえで、2回目以降の指示入力によって入力操作部6を操作することができる。
【0065】
本発明の加熱調理器は、第3の特徴として、第1または第2の特徴に加えて以下の構成を備えることが好ましい。本発明の加熱調理器において、制御部5は、加熱調理中においてバックライト3が消灯した状態であっても、指示の内容が消火指示である場合には、その指示の内容に基づいて消火を実行するように構成されている。
【0066】
第3の特徴を備える本発明の加熱調理器によれば、消火については速やかに実行することができる。
【0067】
本発明の加熱調理器は、第4の特徴として、第1から第3のいずれか一つの特徴に加えて以下の構成を備えることが好ましい。本発明の加熱調理器において、制御部5は、加熱調理を開始する前段階において、表示面20に点火促し情報を表示している間は、バックライト3を点灯させるように構成されている。
【0068】
第4の特徴を備える本発明の加熱調理器によれば、原則的には、指示入力が所定時間なかったときにバックライト3を消灯して消費電力を抑制し、例外的に、点火を促す場面においてはバックライト3を継続的に点灯させて効果的に点火を促すことができる。
【0069】
本発明の加熱調理器は、第5の特徴として、第1から第3のいずれか一つの特徴に加えて以下の構成を備えることが好ましい。本発明の加熱調理器において、制御部5は、加熱調理を開始する前段階において、表示面20に点火促し情報を表示している間に、バックライト3を点滅させるように構成されている。
【0070】
第5の特徴を備える本発明の加熱調理器によれば、原則的には、指示入力が所定時間なかったときにバックライト3を消灯して消費電力を抑制し、例外的に、点火を促す場面においてはバックライト3を点滅させて効果的に点火を促すことができる。
【符号の説明】
【0071】
1 燃焼装置
2 表示部
20 表示面
3 バックライト
4 電池収容部
5 制御部
6 入力操作部