(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】梱包体
(51)【国際特許分類】
B65D 85/671 20060101AFI20230704BHJP
B65D 81/05 20060101ALI20230704BHJP
【FI】
B65D85/671
B65D81/05
(21)【出願番号】P 2019174017
(22)【出願日】2019-09-25
【審査請求日】2022-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000005359
【氏名又は名称】富士紡ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】後藤 駿樹
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3218575(JP,U)
【文献】特開2015-160660(JP,A)
【文献】特開2007-084972(JP,A)
【文献】特開平10-273885(JP,A)
【文献】特開2002-125736(JP,A)
【文献】特開2009-234654(JP,A)
【文献】特開2011-213361(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/671
B65D 81/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状に巻回された保持パッドが包装箱に収容された梱包体であって、
前記包装箱は、
底板と、
前記底板から起立して前記保持パッドを囲繞する側板と、
弛みをもたせて前記側板の一側から他側へ架け渡されており、前記底板から離間した宙吊りの状態で前記保持パッドを保持する伸縮性シートと、を備え、
前記伸縮性シートは、
20%引張強度に異方性があり、前記保持パッドの軸方向よりも巻回方向の方が20%引張強度の小さくなる向きに固定されて前記保持パッドの周面に面接触し、該周面に沿って伸縮可能に構成され
、かつ、前記伸縮性シートは、前記軸方向に間隔をあけて設けられた複数の固定箇所において前記側板に固定され、
前記複数の固定箇所において前記伸縮性シートにしわがある一方、前記保持パッドとの接触部位において前記伸縮性シートにしわがないように構成されている、
梱包体。
【請求項2】
前記伸縮性シートの20%引張強度は、前記保持パッドの巻回方向において、0.03kgf/mm
2以上であり1kgf/mm
2未満である、
請求項
1に記載の梱包体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保持パッドをロール状に巻回し、包装容器に梱包した梱包体に関する。
【背景技術】
【0002】
フラットパネルディスプレイ用基板、半導体デバイス用シリコンウエハ等の表面は、化学機械研磨(CMP)等によって極めて平滑に加工される。化学機械研磨には、砥粒をアルカリ溶液等に分散させた研磨液(スラリー)、被研磨物(ワーク)を保持する保持パッド、被研磨物に押し当てられる研磨パッド等が用いられる。保持パッドとして、湿式成膜法により形成されたウレタン樹脂等からなる弾性樹脂シートが知られている。そのような保持パッドは、低硬度で柔軟性が高く変形しやすい。
【0003】
柔軟性の高い保持パッドを積み重ねて運搬する場合、枚数が増えるにつれて、上方に積み重ねられたシートの重みが下方のシートにかかってしまう。その結果、下方のシートが押しつぶされて変形するおそれがある。さらに、重ねられたシート同士の位置関係がずれた場合には、はみ出した縁部が反るように変形するおそれもある。そのため、ロール状に巻回された状態でシートを運搬する運搬用具が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0004】
特許文献1に記載の運搬用具は、可撓性を有するとともに非伸縮性のポリエチレンテレフタレート製のフィルムが容器の隔壁の間に架け渡されている。PET製フィルム等のシート部材は、隔壁の間の弛み部分に保持パッドを載置して運搬するとき弛み形状が変形しない程度の強度を有している。特許文献1に記載の運搬用具は、シート部材がロール状の保持パッドの下側に沿って面で接触する。
【0005】
ロール状のシートを運搬する場合、特許文献1に記載されたように、応力が広く分散するように支持されることが好ましい。特許文献2に記載の自動ラッシング装置は、ブラケットに架け渡された網状又は平帯状のナイロンスリングを用いて紙ロール等の嵩高重量物を支持する。嵩高重量物は、ナイロンスリング等の可撓吊持体に沈みこむ形で支持される。特許文献2に記載の自動ラッシング装置は、可撓吊持体が嵩高重量物に対して線で接触するため、嵩高重量物に作用する応力が可撓吊持体との接触部位に集中してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2009-137644号公報
【文献】実願昭62-19720号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかるに、特許文献1に記載のシート部材は、非伸縮性であって隙間なく連続した一枚のPET製フィルムであるため、特許文献2に記載の不連続な網目のナイロンスリングに比べてしわが生じやすい。例えば、シート部材をステープラの針等で容器の隔壁に固定すると、当該固定箇所を起点にしてシート部材にしわが生じやすい。そのようなしわの起伏が保持パッドに転写して凹陥が生じることがある。また、シート部材が非伸縮性であると、保持パッドの外周端の段差がシート部材の弛みに吸収されずに保持パッドに転写して凹陥が生じることがある。
【0008】
被研磨面の加工精度が非常に高い場合、そのような僅かな凹陥であっても電子機器の歩留まりに影響するおそれがある。そこで、本発明は、保持パッドに凹陥が生じることを抑制できる梱包体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る梱包体は、ロール状に巻回された保持パッドが包装箱に収容されたものである。包装箱は、底板と、底板から起立して保持パッドを囲繞する側板と、弛みをもたせて側板の一側から他側へ架け渡されており、底板から離間した宙吊りの状態で保持パッドを保持する伸縮性シートと、を備えている。伸縮性シートは、保持パッドの周面に面接触し、該周面に沿って伸縮可能に構成されている。
【0010】
この態様によれば、梱包体の運搬時において、ロール状の保持パッドの下面が伸縮性シートに支持される。このとき、包装箱の側板に固定された固定箇所の近傍で伸縮性シートにしわが生じても、他の部位の伸縮性シートが伸縮するため、保持パッドとの接触部位では伸縮性シートのしわが抑制される。保持パッドの外周端において該保持パッドの周面に段差があっても、伸縮性シートが伸縮して応力が分散される。
【0011】
上記態様において、伸縮性シートは、20%引張強度に異方性があってもよい、伸縮性シートは、保持パッドの軸方向よりも径方向の方が20%引張強度の小さくなる向きに固定されていてもよい。
【0012】
この態様によれば、上記態様と同様に、包装箱の側板に固定された固定箇所の近傍で伸縮性シートにしわが生じても、他の部位の伸縮性シートが伸縮するため、保持パッドとの接触部位では伸縮性シートのしわが抑制される。しかも、伸縮性シートは、保持パッドの軸方向よりも巻回方向の方が小さな力で伸縮する。つまり、巻回方向において伸縮しやすい。車両で運搬される際の振動は、主に鉛直方向に作用する。保持パッドに鉛直方向の加速度が作用したとき、伸縮性シートが巻回方向に伸縮するため応力を広く分散できる。一方、伸縮性シートの伸縮に追従して保持パッドが動くことがあるが、保持パッドの軸方向において伸縮性シートが伸縮しにくいため、包装箱の長手方向のいずれか一方に保持パッドが片寄ることを抑制できる。
【0013】
上記態様において、伸縮性シートの20%引張強度は、保持パッドの巻回方向において、例えば0.03kgf/mm2以上であってもよい。例えば1kgf/mm2未満であってもよい。
【0014】
この態様によれば、伸縮性シートが十分に伸長できるため、保持パッドに作用する応力を分散できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、保持パッドに凹陥が生じることを抑制できる梱包体を提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態の梱包体の内部構造を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示された保持パッドの断面構造の一例を示す断面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示された梱包体の断面構造の一例を示す断面図である。
【
図4】
図4は、20%引張強度試験に供する試験片の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。本発明の梱包体1は、ロール状に巻回された保持パッド2が包装箱3に収容されたものである(
図1参照)。保持パッド2は、低硬度で柔軟性が高いため、とりわけ変形しやすいシートである(
図2参照)。包装箱3は、底板31から離間した宙吊りの状態で保持パッド2を支持する伸縮性シート33を備えている(
図3参照)。本発明は、伸縮性シート33が、保持パッド2の周面に面接触し、該周面に沿って僅かに伸縮可能に構成されていることが特徴の一つである。以下、
図1から
図3を参照して各構成について詳しく説明する。
【0018】
図1は、梱包体1の蓋体34を外して内部構造を示す斜視図である。
図2に示すように、包装箱3には、ロール状に巻回された保持パッド2が収容されている。
図1に示す例では、梱包体1が、独立した複数の包装箱3を含んでいる。各々の包装箱3には、保持パッド2が一つずつ収容されている。複数の包装箱3は、後述する稜線が平行になるように並べられ、互いに連結されている。一枚の蓋体34は、複数の包装箱3の上部を覆っている。
【0019】
図2は、保持パッド2の断面構造の一例を示す断面図である。
図2に示すように、保持パッド2は、ポリウレタンシート21を含んでいる。ポリウレタンシート21は、100%モジュラスが20MPa以下のポリウレタン樹脂で形成され、被研磨物を定盤に保持させるときに被研磨物に当接する保持面21Aを有している。保持面21Aとは反対側の裏面21Bには、ポリウレタンシート21の厚さが一様となるようにバフ処理が施されている。
【0020】
保持面21Aの近傍には、緻密な微多孔を有するスキン層211が形成されている。スキン層211よりも下層には、気泡212が並んでいる。気泡212は、保持面21Aに向かうに従い先細りに形成されている。隣接する気泡212は、図示しない気泡によって立体網目状に繋がっている。気泡212の少なくとも一部は、裏面21Bに向かって開孔している。裏面21Bには、剥離紙23を有した両面テープ22が貼着されている。両面テープ22は、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の材料から形成された基材222と、基材222の両面に形成された接着剤層221,223と、を含んでいる。
【0021】
ポリウレタンシート21は、例えば、湿式成膜法によって製造できる。ポリウレタン樹脂を有機溶媒に溶解させたポリウレタン樹脂溶液を成膜基材に連続的に塗布し、水系凝固液に浸漬するとポリウレタン樹脂がシート状に凝固再生される。洗浄して乾燥させた後に裁断すればポリウレタンシート21を得られる。保持パッド2は、保持面21Aを内側にし、剥離紙23を外側にして、保持面21Aを損傷させないように巻回される。保持面21Aを損傷させないために、巻き芯を使用しない方が好ましい。保持パッド2の内径は、例えば120~180mm程度である。
【0022】
図3は、梱包体1の断面構造の一例を示す断面図である。
図3に示すように、ロール状に巻回された保持パッド2は、伸縮性シート33によって宙吊りにされた状態で包装箱3に収容されている。各々の包装箱3は、直接又は他の包装箱3を介してパレットや床面等に支持される底板31と、底板31から上方に向かって起立した側板32と、を備えた有底の箱形に構成されている。包装箱3の一例は、底板31及び側板32が段ボールで構成された段ボール箱である。
【0023】
なお、包装箱3は、段ボール箱に限られず、段ボール以外の板紙から構成された紙箱であってもよい。板紙以外の材料(例えば、プラスチック段ボール)から構成されていてもよい。ロール状に巻回された保持パッド2の軸方向Dzは、当該保持パッド2の巻回方向Dθに交差している。側板32は、保持パッド2の軸方向Dzに沿って平行に延びる一対の左側板322及び右側板324を含んでいる。
【0024】
図1及び
図3に示すように、側板32は、四方から保持パッド2を囲繞している。具体的には、前述の左側板322及び右側板324は、伸縮性シート33を介して保持パッド2の周面に対向している。側板32は、左側板322及び右側板324に加えて、前側板321及び後側板323をさらに含んでいる。
【0025】
前側板321及び後側板323は、互いに平行に配置され、ロール状に巻回された保持パッド2の端面に対向している。なお、前側板321及び後側板323と保持パッド2との間に発泡スチロール板やウレタンフォームクッション等の緩衝材が介在していてもよい。
【0026】
伸縮性シート33は、可撓性及び伸縮性を有した材料から形成され、弛みをもたせて左側板322の上端部322Eから右側板324の上端部324Eへ架け渡されている。図示した例において、左側板322が位置する左側は、側板32の一側の一例であり、右側板324が位置する右側は、側板32の一側とは反対側に位置する他側の一例である。伸縮性シートに用いる材料は、不織布であってもよいし、織布であってもよいし、ゴム弾性を有した樹脂シートであってもよい。伸縮性を有したシートであれば、種々の材料を選択できる。
【0027】
なお、本発明の梱包体1は、保持パッド2の軸方向Dzに沿って平行に延びる側板32によって大型の段ボール箱の内部空間を複数の気室に仕切り、単一の段ボール箱に複数の保持パッド2を収容するように構成してもよい。その場合、保持パッド2を一つずつ収容できる各々の気室が本発明の包装箱3の一例であり、気室の一側から他側に伸縮性シート33が架け渡される。
【0028】
伸縮性シート33は、各々の包装箱3の左側板322及び右側板324にステープラの針等で固定されている。伸縮性シート33を針で固定する場合、固定箇所は、保持パッド2の軸方向Dzに等間隔をあけて複数設けられる。
図3に示す例では、一枚の伸縮性シート33が、複数の包装箱3に亘って連続している。なお、各々の包装箱3に一枚ずつ伸縮性シート33を設けてもよい。
【0029】
伸縮性シート33の弛み部分は、上端部322E,324Eよりも下側に位置し、底板31に接地しないハンモック状(釣床)に形成されている。伸縮性シート33は、可撓性を有し、保持パッド2の周面に倣う形状に撓んでいる。伸縮性シート33は、保持パッド2の周面に面で接触し、該周面に沿って僅かに伸縮可能に構成されている。
【0030】
包装箱3に収容された保持パッド2は、弛み部分に支えられ、運搬中の衝撃から保護される。弛み部分の垂下端33Eは、略一定の高さを保って底板31から離間している。垂下端33Eを結んだ稜線は、保持パッド2の軸方向Dzと略同一方向に延在している。
【0031】
伸縮性シート33は、伸縮性に異方性があり、保持パッド2の軸方向Dzよりも巻回方向Dθの方が小さな力で伸縮する向きに固定されている。伸縮性シート33の伸縮性は、例えば20%引張強度で評価できる。20%引張強度の測定方法については、後述する実施例で説明する。
【0032】
伸縮性シート33は、保持パッド2の軸方向Dzよりも巻回方向Dθの方が20%引張強度の小さくなる向きに固定されている。保持パッド2の巻回方向Dθにおける伸縮性シート33の20%引張強度は、例えば0.03kgf/mm2以上であり、例えば1kgf/mm2未満である。これに対し、保持パッド2の軸方向Dzにおける伸縮性シート33の20%引張強度は、例えば0.3kgf/mm2以上であり、例えば10kgf/mm2未満である。なお、従来の梱包体で用いられていた非伸縮性シートの20%引張強度は、例えば10kgf/mm2以上である。
【0033】
以上のように構成された本発明の梱包体1によれば、左右側板322,324に固定された固定箇所の近傍で伸縮性シート33にしわが生じても、他の部位の伸縮性シート33が伸縮するため、保持パッド2との接触部位では伸縮性シート33のしわが抑制される。保持パッド2の外周端において該保持パッド2の周面に段差があっても、伸縮性シート33が伸縮して応力を分散させる。そのため、保持パッド2の保持面21Aに凹陥が生じることを抑制できる。
【0034】
伸縮性シート33は、伸縮性に異方性があり、保持パッド2の軸方向Dzよりも巻回方向Dθの方が小さな力で伸縮する向きに固定されている。巻回方向Dθにおいて伸縮性シート33が伸縮しやすいため、主に鉛直方向に作用する車両の振動を広く分散できる。一方、軸方向Dzにおいて伸縮性シート33が伸縮しにくい。伸縮性シート33の伸縮に追従して保持パッド2が動くことを抑制し、包装箱3の長手方向のいずれか一方に保持パッド2が片寄りにくい。
【実施例1】
【0035】
続いて、本発明をその実施例及び比較例に基づいてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0036】
[実施例1]
伸縮性シートとして不織布を用いて梱包体を評価した。不織布の20%引張強度を日本工業規格であるJIS-K6550に基づき測定した。具体的には、
図4に示されたダンベル形状の試験片を作製し、引張伸度測定器(株式会社エー・アンド・デイ製、テンシロン万能試験機RTC)を用いて長さ50mmの試料を60mmの長さまで伸長させた際の引張応力を測定し、下記式:
20%引張強度=20%引張応力÷(試料厚み×試料幅)
により算出した。なお、20%引張応力の値は5回の測定値の平均とし、また試料厚みの値は試料の5箇所を厚み計で測定した値の平均とした。第1方向において、不織布の20%引張強度は、0.04kgf/mm
2だった。第1方向に直交する第2方向において、不織布の20%引張強度は、0.57kgf/mm
2だった。
【0037】
不織布の第1方向と包装箱の幅方向とが一致するように配置し、
図1に示すように、包装箱に弛みをもたせて不織布を架け渡した。包装箱の長手方向において80cm間隔でステープラの針を不織布に打ち込んで側板に不織布を固定した。保持パッドのロールを不織布に載置し、不織布のしわの有無を目視で観察した。ステープラの針に固定された箇所で生じたしわは、保持パッドのロールに到達する前に消失し目視で確認できなかった。
【0038】
[比較例1]
非伸縮性シートとして引張強度に異方性がないPET製フィルムを用いて梱包体を評価した。実施例1と同様にしてPET製フィルムの20%引張強度を測定した。PET製フィルムの20%引張強度は、14.9kgf/mm2だった。実施例1と同様にしてPET製フィルムのしわの有無を目視で観察した。ステープラの針に固定された箇所で生じたしわは、目視で明らかに確認できる形状で保持パッドのロールまで到達していた。
【0039】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0040】
1…梱包体、2…保持パッド、3…包装箱、21…ポリウレタンシート、21A…保持面、21B…裏面、22…両面テープ、23…剥離紙、31…底板、32…側板、33…伸縮性シート、33E…垂下端、34…蓋体、211…スキン層、212…気泡、221,223…接着剤層、222…基材、321…前側板、322…左側板、322E,324E…上端部、323…後側板、324…右側板、Dz…軸方向、Dθ…巻回方向。