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特許7307008蓄エネルギ設備の制御システム及び制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】蓄エネルギ設備の制御システム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/46 20060101AFI20230704BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20230704BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20230704BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20230704BHJP
   H02J 3/00 20060101ALI20230704BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20230704BHJP
   H02J 9/06 20060101ALI20230704BHJP
【FI】
H02J3/46
H02J3/38 130
H02J3/38 160
H02J3/32
H02J7/35 K
H02J3/00 130
H02J3/00 170
H02J7/34 G
H02J9/06 120
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020026847
(22)【出願日】2020-02-20
(65)【公開番号】P2021132472
(43)【公開日】2021-09-09
【審査請求日】2022-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 竜之佑
(72)【発明者】
【氏名】村上 正人
(72)【発明者】
【氏名】中川 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 康子
(72)【発明者】
【氏名】進 博正
(72)【発明者】
【氏名】犬飼 道彦
(72)【発明者】
【氏名】浅野 直樹
【審査官】清水 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-164334(JP,A)
【文献】特開2005-227017(JP,A)
【文献】国際公開第2012/131867(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/00 - 7/12
H02J 7/34 - 11/00
G06Q 50/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主力発電設備と、
自然エネルギである再生可能エネルギに由来して発電する再エネ発電設備と、
前記再エネ発電設備により発電された電力をエネルギとして蓄積する蓄エネルギ設備と、
前記主力発電設備が要求する要求電力量に相当する要求エネルギ量を前記蓄エネルギ設備が蓄積するように、前記主力発電設備の運転状況及び天候に応じて前記蓄エネルギ設備へのエネルギの蓄積を制御し、更に、前記主力発電設備の状態、並びに天候予測、電力需要予測及び電力取引状況を含む外部要因に応じて、前記蓄エネルギ設備に蓄積されたエネルギを前記主力発電設備または外部電力系統へどの程度放出させるかを制御する制御手段と、を有して構成され、
前記制御手段は、前記天候予測に応じて前記再エネ発電設備の発電量を予測し、この発電量の予測により前記蓄エネルギ設備への十分な蓄電が見込めるときには、前記蓄エネルギ設備から、前記蓄エネルギ設備に蓄電されたエネルギ量が前記主力発電設備の要求電力量に相当する要求エネルギ量を下回る程度までエネルギを放出させ、この放出時期を、前記電力需要予測及び前記電力取引状況に応じて決定することを特徴とする蓄エネルギ設備の制御システム。
【請求項2】
前記制御手段は、主力発電設備が外部電源喪失時に蓄エネルギ設備に蓄積されたエネルギを使用する際には、使用先の負荷に対する優先順位に基づいてエネルギを放出し使用させるよう制御することを特徴とする請求項1に記載の蓄エネルギ設備の制御システム。
【請求項3】
前記制御手段は、主力発電設備の運転状況によって変化する前記主力発電設備の要求電力量をそれぞれの運転状況毎に求め、前記主力発電設備の運転状況に応じた前記要求電力量に相当する要求エネルギ量を蓄エネルギ設備に蓄積させるよう制御することを特徴とする請求項1または2に記載の蓄エネルギ設備の制御システム。
【請求項4】
前記制御手段は、主力発電設備の停止時で且つこの主力発電設備が必要な電力を外部電力系統から夕方以降の時間帯に購入する場合に、再エネ発電設備の発電量を天候予測に応じて予測し、この予測結果に基づいて蓄エネルギ設備からのエネルギの放出を制御して前記主力発電設備に供給することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の蓄エネルギ設備の制御システム。
【請求項5】
再エネ発電設備が、自然エネルギである再生可能エネルギに由来して発電し、
蓄エネルギ設備が、前記再エネ発電設備により発電された電力をエネルギとして蓄積し、
制御手段が、主力発電設備が要求する要求電力量に相当する要求エネルギ量を前記蓄エネルギ設備が蓄積するように、前記主力発電設備の運転状況及び天候に応じて前記蓄エネルギ設備へのエネルギの蓄積を制御し、
次に、前記制御手段が、前記主力発電設備の状態、並びに天候予測、電力需要予測及び電力取引状況を含む外部要因に応じて、前記蓄エネルギ設備に蓄積されたエネルギを前記主力発電設備または外部電力系統へどの程度放出させるかを制御し、
特に、前記制御手段が、前記天候予測に応じて前記再エネ発電設備の発電量を予測し、この発電量の予測により前記蓄エネルギ設備への十分な蓄電が見込めるときには、前記蓄エネルギ設備から、前記蓄エネルギ設備に蓄電されたエネルギ量が前記主力発電設備の要求電力量に相当する要求エネルギ量を下回る程度までエネルギを放出させ、この放出時期を、前記電力需要予測及び前記電力取引状況に応じて決定することを特徴とする蓄エネルギ設備の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、蓄エネルギ設備の制御システム及び蓄エネルギ設備の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
国内の原子力発電プラントでは、東北地方太平洋沖地震後に制定された新規制基準により非常用電源の多重化が義務付けられ、それに対応すべく、国内の事業者は再稼働する原子力発電所に非常用電源設備を追設している。これらの非常用電源設備は外部電源喪失時に備え待機しており、待機中は定期的なサーベイランス試験を除き、これらの電源が使用されることはない。従って、これらの電源の追設はプラントの経済性が悪化する要因となっている。
【0003】
更に、国内の事業者は新規制基準に対応するだけでなく、原子力の自主的安全性向上と称して、新規制基準に対応した後も残るリスクに対し、新規制基準における安全対策に加え、自主的に安全対策を追及する義務を負っている。これらの活動もプラントの経済性が悪化する要因になっている。
【0004】
従って、再稼働若しくは新設する原子力発電プラントでは、安全性向上と経済性が両立する電源の需要が要請される。ここで、新規制基準に対応する電源は一般的に、設置コストが高く且つ通常時に発電が使用できる用途とはなっていないことから、売電によるコストの回収は見込めない。一方、自主的安全性向上に資する電源の場合には、新規制基準の縛りがないため、設置コストを安く抑え且つ通常時に売電を行うことで収益を上げることが可能になる。
【0005】
なお、特許文献1には、原子力発電プラントの外部電源が喪失した場合でも、原子力発電プラントの発電を支障なく継続できる風力発電プラントの技術が提案されている。この技術では、風力発電装置を通常時には商用電力とし、外部電源喪失時等には蓄電池と併用して原子力発電プラントの非常用発電としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2004-44508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
原子力発電プラントに対して制定された新規制基準で要求される非常用電源とは別に、自主的安全性向上に資する設備として、外部電源喪失時等に使用でき且つそれ以外では売電可能若しくは所内に電力を供給可能な補助電源を、原子力発電プラントの敷地内に設けることで、原子力発電プラントの安全性向上と経済性向上の両立を図ることが期待されている。
【0008】
また、上述のような新規制基準への対策として原子力発電プラントの再稼動に数千億円規模の投資が必要となっており、投資回収ができないとの判断から廃炉となる原子力発電プラントも増加している。しかしながら、原子力発電プラントの廃炉にも数千億円規模の費用が必要であり、事業者の経営を圧迫することが想定される。更に、廃炉には30年程度の工期が必要になることから、原子炉建屋が解体されるまでの間、原子炉建屋内の燃料プールに貯蔵された燃料の冷却に要する電源が必要になる。このため、廃炉プラントに対しても上記補助電源の有効な活用が求められる。
【0009】
本発明の実施形態は、上述の事情を考慮してなされたものであり、主力発電設備の運転時及び停止時に必要な電力量を確保できると共に、外部電力系統への電力供給等による経済的メリットを最大化できる蓄エネルギ設備の制御システム及び制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態における蓄エネルギ設備の制御システムは、主力発電設備と、自然エネルギである再生可能エネルギに由来して発電する再エネ発電設備と、前記再エネ発電設備により発電された電力をエネルギとして蓄積する蓄エネルギ設備と、前記主力発電設備が要求する要求電力量に相当する要求エネルギ量を前記蓄エネルギ設備が蓄積するように、前記主力発電設備の運転状況及び天候に応じて前記蓄エネルギ設備へのエネルギの蓄積を制御し、更に、前記主力発電設備の状態、並びに天候予測、電力需要予測及び電力取引状況を含む外部要因に応じて、前記蓄エネルギ設備に蓄積されたエネルギを前記主力発電設備または外部電力系統へどの程度放出させるかを制御する制御手段と、を有して構成され、前記制御手段は、前記天候予測に応じて前記再エネ発電設備の発電量を予測し、この発電量の予測により前記蓄エネルギ設備への十分な蓄電が見込めるときには、前記蓄エネルギ設備から、前記蓄エネルギ設備に蓄電されたエネルギ量が前記主力発電設備の要求電力量に相当する要求エネルギ量を下回る程度までエネルギを放出させ、この放出時期を、前記電力需要予測及び前記電力取引状況に応じて決定することを特徴とするものである。
【0011】
本発明の実施形態における蓄エネルギ設備の制御方法は、再エネ発電設備が、自然エネルギである再生可能エネルギに由来して発電し、蓄エネルギ設備が、前記再エネ発電設備により発電された電力をエネルギとして蓄積し、制御手段が、主力発電設備が要求する要求電力量に相当する要求エネルギ量を前記蓄エネルギ設備が蓄積するように、前記主力発電設備の運転状況及び天候に応じて前記蓄エネルギ設備へのエネルギの蓄積を制御し、次に、前記制御手段が、前記主力発電設備の状態、並びに天候予測、電力需要予測及び電力取引状況を含む外部要因に応じて、前記蓄エネルギ設備に蓄積されたエネルギを前記主力発電設備または外部電力系統へどの程度放出させるかを制御し、特に、前記制御手段が、前記天候予測に応じて前記再エネ発電設備の発電量を予測し、この発電量の予測により前記蓄エネルギ設備への十分な蓄電が見込めるときには、前記蓄エネルギ設備から、前記蓄エネルギ設備に蓄電されたエネルギ量が前記主力発電設備の要求電力量に相当する要求エネルギ量を下回る程度までエネルギを放出させ、この放出時期を、前記電力需要予測及び前記電力取引状況に応じて決定することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の実施形態によれば、主力発電設備の運転時及び停止時に必要な電力量を確保できると共に、外部電力系統への電力供給等による経済的メリットを最大化できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態に係る蓄エネルギ設備の制御システムが適用される発電プラントの構成を示す概略縦断面図。
図2図1の発電プラントを、制御システムの制御手段等と共に示す概略平面図。
図3】天候が晴れの場合における太陽光発電設備の発電量と蓄電設備の蓄電量等との関係を示し、(A)が天候予測なしの場合を、(B)が天候予測ありの場合をそれぞれ示すグラフ。
図4図1及び図2の原子力発電設備の運転中と停止中のそれぞれにおける外部電源喪失時等に要求される要求電力量を比較して示すグラフ。
図5図2の制御手段が実行する蓄電設備等への制御手順を示すフローチャート。
図6図1及び図2の原子力発電設備の運転中と停止中のそれぞれにおける要求電力量に相当する蓄電設備の要求蓄電量を決定する手順を示すフローチャート。
図7】第2実施形態に係る蓄エネルギ設備の制御システムにおける制御手段が、外部電源喪失時等の非常時に電力を受電する電源を選択する等の手順を示すフローチャート。
図8】第3実施形態に係る蓄エネルギ設備の制御システムにおける制御手段が、原子力発電設備の停止時に電力を受電する電源を選択する手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態を、図面に基づき説明する。
[A]第1実施形態(図1図6
図1は、第1実施形態に係る蓄エネルギ設備の制御システムが適用される発電プラントの構成を示す概略縦断面図である。図1及び図2に示す発電プラント10は、メイン電源となる主力発電設備(本実施形態では原子力発電設備11)と、自然エネルギである再生可能エネルギに由来して発電しサブ電源となる再エネ発電設備(本実施形態では太陽光発電設備12及び風力発電設備13)と、再エネ発電設備にて発電された電力をエネルギとして蓄積する蓄エネルギ設備(本実施形態では蓄電設備14)と、モニタ装置15と、制御手段16と、を有して構成される。このうちのモニタ装置15及び制御手段16が、蓄エネルギ設備としての蓄電設備14の制御システム17を構成する。
【0015】
ここで、主力発電設備は、原子炉建屋18及びタービン建屋19を有する原子力発電設備11のほかに火力発電設備等であってもよい。また、再エネ発電設備は、原子力発電設備11の近傍に設置された太陽光発電設備12及び風力発電設備13のほかに、潮力発電設備や水力発電設備などを含めてもよい。また、蓄エネルギ設備は、再エネ発電設備(太陽光発電設備12、風力発電設備13)にて発電された電力を蓄積(蓄電)することで、再エネ発電設備による発電量の平準化を図るものである。この蓄エネルギ設備は、蓄電設備14のほかに、電力を水素により蓄える等のようなエネルギ貯蔵設備であってもよい。
【0016】
太陽光発電設備12及び風力発電設備13により発電された電力と蓄電設備14にて蓄電された電力は、原子力発電設備11の外部電源喪失時などの非常時には原子力発電設備11へ供給され、原子力発電設備11の通常運転時または停止時には原子力発電設備11へ供給されるほか、外部電力系統へ供給されて売電される。なお、発電プラント10が災害時に避難所として使用される場合には、太陽光発電設備12、風力発電設備13及び蓄電設備14は避難所の電源として活用されてもよい。
【0017】
モニタ装置15は、原子力発電設備11、太陽光発電設備12、風力発電設備13及び蓄電設備14の状態を監視する。つまり、モニタ装置15は、原子力発電設備11の運転及び停止を監視し、更に外部電源喪失などの非常事象の発生を監視する。また、モニタ装置15は、太陽光発電設備12、風力発電設備13のそれぞれの運転及び停止を監視すると共に、太陽光発電設備12、風力発電設備13のそれぞれの発電量を監視する。更に、モニタ装置15は、蓄電設備14に蓄電されている蓄電量を監視する。
【0018】
制御手段16は、第1の機能として、原子力発電設備11が外部電源喪失時等の非常時に要求する要求電力量に相当する要求蓄電量を蓄電設備14が蓄電するように、原子力発電設備11の運転状況及び天候に応じて蓄電設備14への電力の蓄積(蓄電)を制御する。蓄電設備14に蓄電される蓄電量は図3に曲線Cで表示され、その最大蓄電量が直線Dで表示され、更に、原子力発電設備11における外部電源喪失時等の非常時に要求される要求電力量に相当する要求蓄電量が曲線Eで表示されている。蓄電設備14は、この要求蓄電量Eを確保する必要がある。
【0019】
原子力発電設備11の要求電力量は、図4に示すように、原子力発電設備11の運転時と停止時とで異なる。つまり、原子力発電設備11は、運転中と停止中とで、外部電源喪失時等の非常時に使用する負荷の量が異なる。原子力発電設備11の運転中の非常時に最優先される負荷は、緊急停止時の炉心の冷却に使用される機器であるが、停止中の非常時に最優先される負荷は、燃料プール内の燃料の冷却に使用する機器である。このことから、原子力発電所11の停止時には運転時に比べて一般的に負荷量が減少するため、原子力発電設備11の要求電力量は、原子力発電設備11の運転時に比べて停止時に低くなる。従って、原子力発電設備11の要求電力量に相当する蓄電設備14の要求蓄電量Eは、原子力発電設備11の運転時に比べて停止時に低く設定されることになる。
【0020】
また、蓄電設備14に蓄電される電力は、太陽光発電設備12及び風力発電設備13により発電された電力であり、この太陽光発電設備12及び風力発電設備13は、天候(晴れ、曇り、雨、大気圧差など)により発電量が変化する。これらのことから、制御手段16は、原子力発電設備11の運転状況(運転、停止)及び天候に応じて蓄電設備14への蓄電量を制御して、蓄電設備14に要求蓄電量Eを確保させる。
【0021】
また、制御手段16は、第2の機能として、原子力発電設備11の状態及び天候予測を含む外部要因に応じて、蓄電設備14に蓄電された電力を原子力発電設備11または外部電力系統へどの程度放出(供給)させるかを制御する。ここで、原子力発電設備11の状態は、原子力発電設備11の運転中、停止中、または外部電源喪失などの非常事象の発生などである。また、外部要因は、太陽光発電設備12及び風力発電設備13の発電量が変動する天候(晴れ、曇り、雨、大気圧差など)の予測のほか、1日の時間帯によって変化する電力需要の予測、1日の時間帯等により電気料金が変化する電力取引状況である。
【0022】
具体的に、制御手段16は、天候予測に応じて太陽光発電設備12及び風力発電設備13による発電量を予測する。この発電量が十分である場合に、制御手段16は、蓄電設備14から原子力発電設備11または外部電力系統へ、蓄電設備14の蓄電量が原子力発電設備11の要求電力量に相当する要求蓄電量Eを下回る程度になるまで蓄電電力を放出(供給)させる。蓄電設備14からの蓄電量を外部電力系統へ供給して売電させる場合、制御手段16は、蓄電設備14からの蓄電量の放出時期を、電力需要予測に基づき電力需要が多く電力が不足する時間帯で、且つ電力取引状況に基づき電気料金が高い時間帯に決定する。なお、上述の蓄電設備14からの蓄電電力の放出及び放出時期の決定は、制御手段16が具備する人工知能(AI)により実施されるのが好ましい。
【0023】
図3は、(A)が天候予測なしの場合、(B)が天候予測ありの場合のそれぞれ、太陽光発電設備12の発電量と蓄電設備14の蓄電量等との関係を示すグラフである。この図3では、太陽光発電設備12の発電電力量が曲線Aで表示され、使用電力量(電力需要量)が曲線Bで表示され、蓄電設備14の蓄電量が曲線Cで表示されている。蓄電設備14の要求蓄電量Eは、最大蓄電量Dよりも低く設定され、前述の如く原子力発電設備11の運転、停止により変化する。制御手段16が天候予測を実施しない場合には、図3(A)に示すように、蓄電設備14の要求蓄電量Eと蓄電量C及び発電電力量Aとで囲まれた領域(ハッチング領域)が外部電力系統へ供給し得る売電可能な範囲となる。
【0024】
上述の売電可能な範囲を拡大させることで、売電による収益アップによって経済的メリットを増大させることが可能になる。例えば、太陽光発電設備12の場合で、日の出後に蓄電設備14への蓄電が十分に見込めるときには、図3(B)に示すように、日の出前に蓄電設備14に蓄電された蓄電電力を、蓄電量Cが要求蓄電量Eを下回る程度まで放出して売電することが可能になる。つまり、制御手段16は、天候予測に基づく太陽光発電設備12の発電量(発電電力量A)を予測し、これにより、日の出前に蓄電設備14の蓄電量Cが要求蓄電量Eに対して一時的に下回るように蓄電電力を放出させる。この場合でも、太陽光発電設備12による日の出後の発電によって蓄電設備14に蓄電がなされ、原子力発電設備11の外部電源喪失時等の非常時に要求される要求電力量Eを蓄電設備14が確保し、太陽光発電設備12により補うことが可能になる。
【0025】
このため、夜間に蓄電設備14に対して、蓄電量Cが要求蓄電量Eを下回る程度まで蓄電電力を放出させて、外部電力系統への売電量を増大させることが可能になる。このときの外部電力系統へ供給し得る売電可能な範囲を、図3(B)のハッチング領域に示す。
【0026】
また、太陽光発電の導入拡大に伴い、昼間に電力供給が過剰になるが、夕方以降の電力需要が多くなる時間帯に電力が不足するという「ダックカーブ」と呼称される現象が生じる。現状では、昼間の電気料金が最も高額であるが、「ダックカーブ」現象下では逆転が生じ、昼間の電気料金が最も安価になり、夕方以降の電気料金が高額になる。従って、蓄電設備14の運用としては、昼間に蓄電し、夕方以降に放出(売電)するのが経済的メリットが大きい。制御手段16は、上述の事情を考慮した電力需要予測及び電力取引状況に応じて、蓄電設備14に蓄電された蓄電電力を、電力需要が多く且つ電気料金が高い時間帯(例えば夜間)に放出する。
【0027】
更に、制御手段16は、第1の機能に属する機能として、まず図4に示すように、原子力発電設備11の運転状況(運転、停止)によって変化する原子力発電設備11の非常時(例えば外部電源喪失時など)に要求される要求電力量をそれぞれの運転状況毎に予め求める。次に、制御手段16は、原子力発電設備11の運転状況に応じた要求電力量Eに相当する要求蓄電量Eを蓄電設備14に、原子力発電設備11の運転状況毎に設定し蓄電させる。
【0028】
例えば、蓄電設備14の要求蓄電量Eは、原子力発電設備11の停止中の方が運転中よりも少ない。従って、制御手段16は、原子力発電設備11が運転から停止に切り替わり、燃料が炉心から燃料プールに搬送された後に、蓄電設備14の要求蓄電量Eを、原子力発電設備11の運転中の要求蓄電量Eよりも低い原子力発電設備11停止中の要求蓄電量Eに変更させる。これにより、原子力発電設備11の停止中には、要求蓄電量が低くなった分の蓄電量を、外部電力系統へ供給して売電することが可能になる。
【0029】
上述のように構成された制御手段16の機能を、図5及び図6のフローチャートを用いて更に説明する。
図5に示すように、制御手段16は、夜間において、日の出後の天候予測に基づいて、太陽光発電設備12及び風力発電設備13の発電量を予測する(S1)。次に、制御手段16は、日の出後の天候が良い(例えば晴れ)か否かを判断し(S2)、晴れでない場合には、日の出後の蓄電設備14への蓄電量の増加が見込めないので、蓄電設備14に蓄電された蓄電量の夜間における使用(放出)を抑える(S3)。
【0030】
ステップS2において日の出後の天候が晴れである場合には、日の出後に蓄電設備14への蓄電が見込めので、制御手段16は、蓄電設備14に蓄電された蓄電電力を夜間に使用(放出)させる(S4)。ステップS4の結果、蓄電設備14では、日の出前の時点での蓄電量は、原子力発電設備11の外部電源喪失時等の非常時に備えておくべき要求電力量に相当する要求蓄電量Eを一時的に下回る蓄電量になる(S5)。
【0031】
次に、制御手段16は、日の出前に原子力発電設備11に外部電源喪失等の非常事象が発生したか否かを判断する(S6)。このステップS6で非常事象が発生していないと判断したときには、制御手段16は、日の出後に太陽光発電設備12及び風力発電設備13にて発電された電力を、蓄電設備14に蓄電させる(S7)。このステップS7により、蓄電設備14の蓄電量が要求蓄電量Eを上回る程度まで回復する。
【0032】
ステップS6において、制御手段16は、原子力発電設備11に非常事象が発生したと判断したときには、日の出前に、蓄電設備14に残存する蓄電量を原子力発電設備11へ非常時電源として供給する(S8)。引き続き制御手段16は、蓄電設備14における蓄電量がなくなる前に、日の出に伴い発電した太陽光発電設備12及び風力発電設備13の発電電力を非常時電源として原子力発電設備11へ供給する(S9)。
【0033】
図5に示す制御手順を実行する前または途中で、制御手段16は、図6に示すように、まず、原子力発電設備11の運転時を基準とした蓄電設備14の要求蓄電量Eと売電量を設定する(S11)。次に、制御手段16は、原子力発電設備11が現在運転中であるか否かを判断する(S12)。原子力発電設備11が運転中である場合に制御手段16は、蓄電設備14の要求蓄電量Eが、運転中の原子力発電設備11が外部電源喪失時などの非常時に要求する要求電力量に相当する要求蓄電量Eに確保されると判断する(S13)。
【0034】
制御手段16は、ステップS12において原子力発電設備11が現在運転中ではなく停止中であると判断したときに、電力蓄電設備14の要求蓄電量Eと売電量の設定を、原子力発電設備11の停止中を基準としたものに変更する(S14)。これにより、制御手段16は、蓄電設備14の要求蓄電量Eが、停止中の原子力発電設備11が外部電源喪失時などの非常時に要求する要求電力量に相当した要求蓄電量Eに確保されると判断する(S15)。
【0035】
ステップS13とS15で確保される蓄電設備14の要求蓄電量Eは、原子力発電設備11の運転中の場合が停止中の場合に比べて大きく設定される(S16)。このため、太陽光発電設備12及び風力発電設備13による発電電力並びに蓄電設備14の蓄電電力を外部電力系統へ供給することによる売電量は、原子力発電設備11の停止中の方が運転中よりも大きくなる(S17)。
【0036】
以上のように構成されたことから、本第1実施形態によれば、次の効果(1)~(3)を奏する。
(1)図2に示すように、制御手段16は、原子力発電設備11が外部電源喪失時等の非常時に要求する要求電力量に相当する要求蓄電量Eを、蓄電設備14が蓄電することを前提としている。このため、原子力発電設備11は、外部電源喪失時などの非常時を含めた運転時及び停止時に必要な電力を蓄電設備14から確保でき、更に、太陽光発電設備12及び風力発電設備13から補うことができる。これにより、原子力発電設備11の安全性向上を実現できる。
【0037】
(2)図2及び図3に示すように、制御手段16は、原子力発電設備11の状態(運転、停止、非常事象発生)及び外部要因(天候予測、電力需要予測、電力取引状況)に応じて、蓄電設備14に蓄電された蓄電電力を、原子力発電設備11または外部電力系統へどの程度放出させるかを制御している。従って、例えば日の出後の天候予測が晴れである場合には、日の出後の太陽光発電設備12の発電電力を十分に見込め、この十分な発電電力を蓄電設備14に蓄電することができる。このため、蓄電設備14の蓄電量が日の出前に一時的に、原子力発電設備11の要求電力量に相当する要求蓄電量Eを下回る程度になるまで蓄電電力を放出して、外部電力系統へ供給(売電)することができる。これにより、安全性向上を保持しつつ、経済的メリットの最大化を実現できる。
【0038】
(3)図4及び図5の示すように、制御手段16は、原子力発電設備11の運転状況(運転、停止)によって変化する原子力発電設備11の要求電力量に相当する蓄電設備14の要求蓄電量Eを、原子力発電設備11の運転状況に応じて変化させている。この蓄電設備14の要求蓄電量Eは、原子力発電設備11の停止中方が運転中よりも低く設定される。このため、制御手段16は、蓄電設備14の蓄電電力を、原子力発電設備11の停止時において運転中よりも多く外部電力系統へ供給して売電できるので、経済的メリットを増大させることができる。
【0039】
[B]第2実施形態(図7
図7は、第2実施形態に係る蓄エネルギ設備の制御システムにおける制御手段が、外部電源喪失時等の非常時に電力を受電する電源を選択する等の手順を示すフローチャートである。この第2実施形態において第1実施形態と同様な部分については、第1実施形態と同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
【0040】
本第2実施形態における蓄エネルギ設備としての蓄電設備14の制御システム20(図2参照)が第1実施形態と異なる点は、原子力発電設備11が外部電源喪失時等の非常時に蓄電設備14に蓄電された蓄電電力を使用する際に、制御手段21(図2参照)が、使用先の負荷の優先順位に基づいて蓄電電力を放出させて使用させるよう構成された点である。なお、制御手段21は、上述の機能のほか、第1実施形態の制御手段16と同様な機能も果たす。
【0041】
原子力発電設備11の外部電源喪失時などの非常時における蓄電設備14の使用用途は、炉心の冷却以外に、非常時に用いられるエリアへの照明や空調などのインフラへの給電などがある。このうちで最優先とされるものは炉心冷却である。蓄電設備14は、上述の非常時の期間が想定以上に長期に及ぶ場合であっても、太陽光発電設備12及び風力発電設備13から給電を受けることで蓄電電力が枯渇することがない。
【0042】
その場合でも、炉心冷却以外の負荷への給電を遮断することで、蓄電設備14が電力枯渇するリスクを確実に減少させることが可能になる。この観点から制御手段21は、原子力発電設備14の外部電源喪失時等の非常時に使用される負荷に対して優先順位を設定し、この使用先の負荷の優先順位に基づいて蓄電設備14の蓄電電力を使用先負荷に順次供給することで、蓄電設備14の蓄電電力枯渇のリスクを低減させる。
【0043】
次に、第2実施形態における制御手段21の非常時の制御手順を、図7に基づいて説明する。
まず、制御手段21は、原子力発電設備11が外部電源喪失時などの非常時であると判断する(S20)。このとき、制御手段21は、原子力発電設備11の非常用電源が使用可能であるか否かを判断し(S21)、使用可能であれば原子力発電設備11に対し非常用電源から受電させる(S22)。
【0044】
ステップS21において非常用電源の使用が不可能である場合に、制御手段21は、原子力発電設備11に対し太陽光発電設備12及び風力発電設備13からの受電を開始させる(S23)。このステップS23の後、制御手段21は、太陽光発電設備12及び風力発電設備13が現時点で発電可能であるか否かを常時判断し(S24)、発電可能である場合には、原子力発電設備11に対し太陽光発電設備12及び風力発電設備13からの受電を継続させる(S25)。
【0045】
ステップS24において太陽光発電設備12及び風力発電設備13の発電が不可能になった場合に、制御手段21は、原子力発電設備11に対し蓄電設備14からの受電を開始させる(S26)。このとき、制御手段21は、現時点で蓄電設備14の蓄電量が原子力発電設備11への電力供給が必要な一定の蓄電量(例えば要求蓄電量E)以上であるか否かを判断する(S27)。
【0046】
ステップS27において蓄電設備14の蓄電量が一定の蓄電量以上であれば、制御手段21は、原子力発電設備11に対し蓄電設備14からの受電を継続させる(S28)。制御手段21は、ステップS27において蓄電設備14の蓄電量が一定の蓄電量未満であるときには、原子力発電設備11の外部電源喪失時などの非常時に使用される負荷に対し優先順位を設定し、この優先順位の高い使用先負荷に対して順次、蓄電設備14からの蓄電電力を受電させる(S29)。
【0047】
以上のように構成されたことから、本第2実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)~(3)と同様な効果を奏するほか、次の効果(4)を奏する。
【0048】
(4)制御手段21は、原子力発電設備14の外部電源喪失時等の非常時に使用される負荷に対して優先順位を設定し、この使用先の負荷の優先順位に基づいて蓄電設備14の蓄電電力を使用先負荷に順次供給している。この結果、蓄電設備14の蓄電量が、原子力発電設備11の外部電源喪失時などの非常時における最優先の負荷、例えば炉心冷却に使用される負荷への給電枯渇のリスクを回避して、最優先の負荷への長期間の給電を確実に実現できる。
【0049】
[C]第3実施形態(図8
図8は、第3実施形態に係る蓄エネルギ設備の制御システムにおける制御手段が、原子力発電設備の停止時に電力を受電する電源を選択する手順を示すフローチャートである。この第3実施形態において第1実施形態と同様な部分については、第1実施形態と同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
【0050】
本第3実施形態における蓄エネルギ設備としての蓄電設備14の制御システム30(図2参照)が第1実施形態と異なる点は、原子力発電設備11の停止時で且つこの原子力発電設備11が必要な電力を外部電力系統から購入して受電する際の購入費が高額な場合(例えば夕方以降の時間帯)に、制御手段31(図2参照)が太陽光発電設備12及び風力発電設備13の発電量を天候予測に応じて予測し、この発電量の予測結果に基づいて蓄電設備14から蓄電電力を放出させるよう制御し、この放出した蓄電電力を原子力発電設備11に受電させるよう構成された点である。なお、制御手段31は、上記機能のほか、第1実施形態の制御手段16と同様な機能も果たす。
【0051】
原子力発電設備11は、通常運転時には、設備内で消費する電力量を差し引いた電力量を外部電力系統へ供給して売電している。これに対し、定期点検などの停止時には、原子力発電設備11は、運転時ほどではないものの、設備内で消費する電力量を受電する必要がある。原子力発電設備11の停止時に制御手段31は、原子力発電設備11に対し、太陽光発電設備12及び風力発電設備13から受電させる。太陽光発電設備12及び風力圧電設備13からの受電が不可能になったときに、制御手段31は原子力発電設備11に対し、外部電力系統または蓄電設備14から充電させる。蓄電設備14からの受電は、外部電力系統の電気料金が高額な場合(例えば夕方以降の時間帯)に実施される。
【0052】
原子力発電設備11の蓄電設備14からの受電に際し、制御手段31は、天候を予測して太陽光発電設備12及び風力発電設備13の発電量を予測する。これは、例えば、太陽光発電設備12の日の出後の発電量を予測して、この日の出後の発電量が十分に見込める場合に、日の出前に原子力発電設備11が蓄電設備14から要求蓄電量Eを下回るほどの蓄電量を受電し得るようにするためである。
【0053】
上述の制御手段31の制御手順を、図8を用いて説明する。
まず、制御手段31は、原子力発電設備11が停止時であると判断する(S30)。原子力発電設備11の停止時に制御手段31は、原子力発電設備11に対して太陽光発電設備12及び風力発電設備13から受電を開始させる(S31)。
【0054】
次に、制御手段31は、太陽光発電設備12及び風力発電設備13が現時点で発電可能であるか否かを常時判断する(S32)。太陽光発電設備12及び風力発電設備13が発電可能である場合に、制御手段31は原子力発電設備11に対し、太陽光発電設備12及び風力発電設備13からの受電を継続させる(S33)。
【0055】
ステップS32において太陽光発電設備12及び風力発電設備13の発電が不可能になった場合に、制御手段31は、外部電力系統から購入する電気料金が高額な時間帯(例えば夕方以降の時間帯)であるか否かを判断する(S34)。このステップS34において電気料金が高額な時間帯でない場合に、制御手段31は、原子力発電設備11に対し外部電力系統から受電させる(S35)。
【0056】
ステップS34において電気料金が高額な時間帯である場合には、制御手段31は、原子力発電設備11に対し蓄電設備14から受電させる(S36)。この原子力発電設備11の蓄電設備14からの受電に際し、制御手段31は、天候予測に基づいて太陽光発電設備12及び風力発電設備13の発電量を予測し、例えば太陽光発電設備12の日の出後の発電量が十分に見込める場合に、日の出前に蓄電設備14から要求蓄電量Eを下回る蓄電電力を放出させて原子力発電設備11に受電させる。
【0057】
以上のように構成されたことから、本第3実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)~(3)と同様な効果を奏するほか、次の効果(5)を奏する。
【0058】
(5)原子力発電設備11の停止中に、この原子力発電設備11が外部電力系統から購入する電気料金が高額な場合、制御手段31は、蓄電設備14の蓄電電力を原子力発電設備11へ供給させて原子力発電設備11に受電させる。これにより、原子力発電設備11の経済的負担が低減されて、経済的メリットの最大化を図ることができる。
【0059】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができ、また、それらの置き換えや変更は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0060】
例えば、原子力発電設備を廃止(廃炉)する際に、廃炉作業時間が長期間に及ぶことから、この廃炉対象の原子力発電設備の燃料プールを長期間冷却するために、本実施形態における原子力発電設備の停止時の運用を、廃炉対象の原子力発電設備、太陽光発電設備、風力発電設備及び蓄電設備を含む発電プラントに適用してもよい。
【符号の説明】
【0061】
11…原子力発電設備(主力発電設備)、12…太陽光発電設備(再エネ発電設備)、13…風力発電設備(再エネ発電設備)、14…蓄電設備(蓄エネルギ設備)、16…制御手段、17…制御システム、20…制御システム、21…制御手段、30…制御システム、31…制御手段、E…要求蓄電量(要求エネルギ量)
図1
図2
図3
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図7
図8