(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】面状照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20230704BHJP
F21V 7/00 20060101ALI20230704BHJP
F21V 7/09 20060101ALI20230704BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20230704BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230704BHJP
F21Y 105/18 20160101ALN20230704BHJP
【FI】
F21S2/00 482
F21V7/00 510
F21V7/09 500
F21S2/00 250
G02F1/13357
F21Y115:10
F21Y105:18
(21)【出願番号】P 2020030444
(22)【出願日】2020-02-26
【審査請求日】2022-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 銀河
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-49865(JP,A)
【文献】特開2012-256572(JP,A)
【文献】特開2013-143239(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 7/00
F21V 7/09
G02F 1/13357
F21Y 115/10
F21Y 105/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形以外の外形の発光面を有する面状照明装置において、
該発光面に沿った一の方向に配列される光源と、
前記光源の周囲から傾斜して延在し前記光源の各々を囲む反射面を備える反射部を有し、前記光源が略中央部に配置される区分された複数の領域を有するリフレクタと、を備え、
前記発光面の端部に配置される前記光源に対応して設けられる前記反射部の形状は、前記端部の位置に応じて調整される、
面状照明装置。
【請求項2】
矩形以外の外形の発光面を有する面状照明装置において、
該発光面に沿った一の方向に配列される光源と、
前記光源の周囲から傾斜して延在し前記光源の各々を囲む反射面を備える反射部を有し、前記光源が略中央部に配置される区分された複数の領域を有するリフレクタと、を備え、
前記発光面の端部に配置される前記光源の位置は、前記端部の位置に応じて調整される、
面状照明装置。
【請求項3】
矩形以外の外形の発光面を有する面状照明装置において、
該発光面に沿った一の方向に配列される光源と、
前記光源の周囲から傾斜して延在し前記光源の各々を囲む反射面を備える反射部を有し、前記光源が略中央部に配置される区分された複数の領域を有するリフレクタと、を備え、
前記発光面の端部に配置される前記光源について光量が増加され、他の光源について光量を一定とされる、
面状照明装置。
【請求項4】
前記一の方向に配列される光源は、
前記一の方向に所定のピッチで前記発光面内に収められる第1種の行と、
該行に対して前記一の方向と直交する方向に並べられるとともに前記ピッチの半分だけ行方向にずらされ、前記一の方向に前記所定のピッチで前記発光面内に収められる第2種の行と、に配列される、
請求項1~3のいずれか一つに記載の面状照明装置。
【請求項5】
前記第1種の行と前記第2種の行とが、前記一の方向と直交する方向に並べられており、
前記発光面の前記一の方向と直交する方向に延びる中心線から前記一の方向における前記発光面の端部までの距離に応じ、前記第1種の行による端部の前記光源の位置と、前記第2種の行による端部の前記光源の位置とのうち、前記光源の位置が前記発光面の端部に近い行が配置される、
請求項4に記載の面状照明装置。
【請求項6】
前記一の方向と直交する方向に並べられた隣接する複数の前記行により構成される領域を単位とした前記光源の点灯または点灯の制御が行われる、
請求項4または5に記載の面状照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面状照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置のバックライト等に用いられる面状照明装置として、LED(Light Emitting Diode)等による複数の光源が2次元的に配置され、光の出射面側に光学シート等が配置された、いわゆる直下型の面状照明装置が知られている。面状照明装置の発光面が矩形である場合、発光面の横方向と縦方向とに等ピッチで光源が配列されるのが一般的である。
【0003】
上述したように、面状照明装置は矩形状の外形を有するものが多いが、装着される箇所に応じ、矩形以外の例えば円形のものも提案されている(例えば、特許文献1等を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、矩形以外の例えば円形の発光面を有する面状照明装置において、設計や製造が容易な一般的な光源の配列、すなわち発光面の横方向と縦方向とに等ピッチでの光源の配列が行われる場合、端部(外周部)での輝度の均一性が損なわれるという問題があった。すなわち、発光面の湾曲等する端部において、光源の配置が不均一となり、明るい部分と暗い部分とが生じてしまい、面状照明装置としての性能が充分なものでなくなってしまう場合がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、矩形以外の外形の発光面を有する面状照明装置において、端部における輝度の均一性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る面状照明装置は、矩形以外の外形の発光面を有する面状照明装置であって、光源と、リフレクタとを備える。前記光源は、該発光面に沿った一の方向に配列される。前記リフレクタは、前記光源の周囲から傾斜して延在し前記光源の各々を囲む反射面を備える反射部を有し、前記光源が略中央部に配置される区分された複数の領域を有する。前記発光面の端部に配置される前記光源に対応して設けられる前記反射部の形状は、前記端部の位置に応じて調整される。
【0008】
本発明の一態様に係る面状照明装置は、矩形以外の外形の発光面を有する面状照明装置において、端部における輝度の均一性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態にかかる面状照明装置の構成例を示す平面図である。
【
図3】
図3は、面状照明装置における光源の配置の例を示す図である。
【
図4】
図4は、比較例における光源の配置の例を示す図である。
【
図5】
図5は、
図1の実施形態による輝度のシミュレーション結果の例を示す図である。
【
図6】
図6は、ローカルディミングにより水平方向に延びる領域を単位に点灯・消灯を行う場合の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態に係る面状照明装置について図面を参照して説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面における各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、1つの実施形態や変形例に記載された内容は、原則として他の実施形態や変形例にも同様に適用される。
【0011】
以下では、矩形以外の外形の発光面を有する面状照明装置として、円形の外形の発光面を有する面状照明装置を例として説明するが、発光面の外形は円形に限らず、矩形以外の外形の発光面を有するものであればよい。例えば、楕円形の外形の発光面を有する場合や、平行四辺形の外形の発光面を有する場合であってもよい。
【0012】
図1は、一実施形態にかかる面状照明装置1の構成例を示す平面図であり、出射面側から見た図である。また、
図2は、
図1におけるY-Y断面図である。
図1および
図2において、面状照明装置1の発光面の外形は円形となっており、図における横方向(発光面に沿った一の方向)に行L1~L16が延在し、図における上端から下方向(一の方向と直交する方向)に、行L1~L16が左右対称に並べられたものとなっている。
【0013】
各行L1~L16は、発光面に沿った一の方向(図における左右方向)に所定のピッチで光源3が配列され、これらの光源3が発光面内に収められる第1種の行である行L3、L5、L7~L10、L12、L14と、これらの第1種の行に対してピッチの半分(ハーフピッチ)だけ行方向にずらされ、一の方向に所定のピッチで光源3が配列され、これらの光源3が発光面内に収められる第2種の行である行L1、L2、L4、L6、L11、L13、L15、L16とに分けられる。第1種の行は、発光面の一の方向(図における左右方向)と直交する方向に延びる中心線C上に光源がなく(隣接する光源間に中心線Cが配置され)、第2種の行は中心線C上に光源が配置されている。
【0014】
標準のピッチとハーフピッチとの2種類の行が用いられることで、端部(外周部)における輝度の均一性を保ちやすくなり、設計や製造を容易にすることができる。第1種の行とされるか第2種の行とされるかは、中心線Cから一の方向における発光面の端部までの距離に応じて決められる。より詳しくは後述する。
【0015】
各光源3は基板2上に配置され、各光源3は、リフレクタ4に設けられた複数(多数)の反射部の中央部に配置されている。各反射部は、光源3を中心にした、傾斜した4つの反射面4aから構成されている。リフレクタ4により、必要な方向へ光を反射させ、各光源3が担う発光面の輝度均一性を高めることができる。なお、各光源3の光量は一定となるようにしている。
【0016】
なお、各行L1~L16の端部の光源3については、必要に応じて位置(図の縦方向および/または横方向の位置)が調整されている。例えば、
図1における光源31~34と、これらと上下左右の対称位置にある光源は、所定のピッチから位置がずらされている。また、
図1における反射部41~46と、これらと上下左右の対称位置にある反射部は、他と形状が変えられている。これらの光源の位置の調整や、反射部の形状の調整は、発光面の端部の位置に応じて行われる。具体的には、端部における輝度のシミュレーションにより、輝度の均一性が増すように調整が行われる。なお、発光面の端部の光源や反射部についてだけ調整が行われ、大部分の光源や反射部については規則的なものとすることができるため、設計や製造に及ぼす影響は少なくて済む。
【0017】
なお、製品としての面状照明装置1には、発光面の出射面側に拡散シートや輝度向上シート等の光学シートが配置され、面状照明装置1の全体は出射面に開口が設けられた筐体フレームに収納されるのが一般的である。
【0018】
図3は、面状照明装置1における光源3の配置の例を示す図であり、
図1における光源3の配置に対応している。
図3中における小さな白抜きの四角は光源3を示している。縦軸・横軸の目盛は、中心からの距離(単位は「mm」)を示している。実線の円は、発光面の有効エリアを示している。破線の円は、光源3の配置範囲を示している。
【0019】
図3において、例えば、行L8については、標準となる第1種の行とした場合に、端部の光源3を破線で示される配置範囲内の最も端部側に置いた場合に、ハーフピッチの場合よりも端部の光源3が破線に近い位置となるため、そのまま第1種の行とされる。行L7、L5や対称位置の行についても同様である。また、端部の光源3を破線で示される配置範囲内の最も端部側に置く場合に、光源3の位置の調整のための所定の許容範囲を併せて設け、光源3の位置の調整を行う。行L3や対称位置の行が該当する。
【0020】
一方、例えば、行L6については、標準となる第1種の行とした場合に、端部の光源3を破線で示される配置範囲内の最も端部側に置いた場合に、ハーフピッチの場合よりも端部の光源3が破線に遠い位置となるため、第2種の行とされる。行L4や対称位置の行についても同様である。また、端部の光源3を破線で示される配置範囲内の最も端部側に置く場合に、光源3の位置の調整のための所定の許容範囲を併せて設け、光源3の位置の調整を行う。行L2、L1や対称位置の行が該当する。
【0021】
図4は、比較例における光源3’の配置の例を示す図であり、同じピッチの行を配置し、端部の光源の位置だけを調整したものである。標記は
図3と同様である。
図4において、図からも明らかなように、端部の光源3’の周囲の配置密度が不均一となり、端部(外周部)における輝度が不均一となってしまう。この点、
図1~
図3の実施形態では、端部の光源3の周囲の配置密度が均一になり、輝度が均一となる。
【0022】
図5は、
図1の実施形態による輝度のシミュレーション結果の例を示す図であり、円形の発光面のうち右上の1/4の領域について示している。
図5において、発光面は、端部(外周部)を含めて輝度が均一となっていることがわかる。
【0023】
なお、上記の実施形態では、各光源3の光量を一定としていたが、発光面の端部に配置される光源3について、光量を増加させるようにしてもよい。すなわち、端部以外では、直下の光源3からの光に周囲の光源3からの光が重畳することとなるが、端部の光源3については、端部側から重畳される光がなく、輝度が不足する場合があるため、それを補うためである。
【0024】
また、昨今では、光源3の個々の点灯を制御するローカルディミングが行われ、一連の領域を単位にローカルディミングが行われる場合もある。特に、上述した実施形態では、各行L1~L16の方向に延在する領域(隣接する行をまとめた領域)を単位にローカルディミングが行われる場合に、消灯している領域と点灯している領域との境界の見栄えがよくなるという利点がある。これは、光源3の配列の方向と、ローカルディミングが行われる領域の境界の方向とが一致するためである。
【0025】
図6は、ローカルディミングにより水平方向に延びる領域を単位に点灯・消灯を行う場合の例を示す図である。
図6において、A
OFFは消灯される領域、A
ONは点灯される領域を示している。領域A
OFFと領域A
ONとの境界において、領域A
OFF側の行は消灯され、領域A
ON側の行は点灯されるため、境界が直線状に表れ、見栄えがよくなる。
【0026】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0027】
以上のように、実施形態に係る面状照明装置は、矩形以外の外形の発光面を有する面状照明装置において、発光面は、この発光面に沿った一の方向に所定のピッチで光源が配列され、光源が発光面内に収められる第1種の行と、この行に対してピッチの半分だけ行方向にずらされ、一の方向に所定のピッチで光源が配列され、光源が発光面内に収められる第2種の行とが、一の方向と直交する方向に並べられている。これにより、矩形以外の外形の発光面を有する面状照明装置において、端部における輝度の均一性を向上させることができる。また、一の方向に延在する領域を単位に光源の発光が制御される場合に、境界の見栄えがよくなる。
【0028】
また、発光面の一の方向と直交する方向に延びる中心線から一の方向における発光面の端部までの距離に応じ、第1種の行と第2種の行とが配置される。これにより、端部における輝度の均一性を向上させることができる。
【0029】
また、第1種の行または第2種の行における発光面の端部に配置される光源の位置は、端部の位置に応じて調整される。これにより、端部における輝度の均一性をいっそう向上させることができる。
【0030】
また、第1種の行および第2種の行における光源の各々を囲む反射部を有するリフレクタを備える。これにより、必要な方向へ光を反射させ、各光源が担う発光面の輝度均一性を高めることができる。
【0031】
また、第1種の行または第2種の行における発光面の端部に配置される光源に対応して設けられる反射部の形状は、端部の位置に応じて調整される。これにより、端部における輝度の均一性をいっそう向上させることができる。
【0032】
また、第1種の行または第2種の行における発光面の端部に配置される光源について光量が増加され、他の光源について光量を一定とされる。これにより、端部における輝度不足を補い、端部における輝度の均一性をいっそう向上させることができる。
【0033】
また、一の方向と直交する方向に並べられた隣接する複数の行により構成される領域を単位とした光源の点灯または点灯の制御が行われる。これにより、領域の境界の見栄えを向上させることができる。
【0034】
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0035】
1 面状照明装置,2 基板,3、31~34 光源,4 リフレクタ,4a 反射面,41~46 反射部,L1~L16 行,C 中心線