(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】グループ通信システムにおけるMBMSベアラセットアップ
(51)【国際特許分類】
H04W 76/45 20180101AFI20230704BHJP
H04W 4/06 20090101ALI20230704BHJP
H04W 4/10 20090101ALI20230704BHJP
【FI】
H04W76/45
H04W4/06 150
H04W4/10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020101657
(22)【出願日】2020-06-11
(62)【分割の表示】P 2018512257の分割
【原出願日】2016-04-04
【審査請求日】2020-07-02
(32)【優先日】2015-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オーケソン、ヨアキム
(72)【発明者】
【氏名】トレンク、マグヌス
【審査官】石原 由晴
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0170501(US,A1)
【文献】国際公開第2014/193959(WO,A1)
【文献】特表2010-529761(JP,A)
【文献】NSN,Generic Pre-established MBMS bearer for GCSE[online],SA WG2 Meeting ♯101 S2-140245,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_101_Taipei/Docs/S2-140245.zip>,2014年01月14日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グループ通信システム(100)における予め確立されたグループ通信セッションについてのマルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)ベアラのセットアップのための、クライアントノード(300b)により実行される方法であって、
いかなる個別のクライアントノード(300a,300b)のグループにも非依存であるMBMSベアラのサービスアナウンスメントを制御ノード(200)から取得すること(S202)と、
グループ呼のための呼セットアップメッセージを
他のクライアントノード(300
a)が前記制御ノード(200)へ提供したことに応じて、以前にアナウンスされた前記MBMSベアラを介して前記制御ノード(200)からブロードキャストされる、グループ呼についての接続メッセージを取得すること(S204)であって、前記接続メッセージは、前記グループ呼についてのクライアントノードの特定のグループのグループ識別子と、前記予め確立されたグループ通信セッションの、前記グループ呼のために使用されるメディアストリームの識別子と、を含み、前記MBMSベアラ上のどのネットワークリソースが前記グループ呼についてのクライアントノードの前記特定のグループ向けのメディアの送信のために使用されることになるかを通知する、前記取得することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記サービスアナウンスメントは、前記MBMSベアラ上で送信されるべきメディアストリームのパラメータを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記制御ノード(200)から、フロアが確保され
前記他のクライアントノード(300a)からのメディア送信が開始し得ることを前記クライアントノード(300b)へ通知するフロア確保メッセージを受信すること(S207)、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記フロア確保メッセージは、前記他のクライアントノード(300a)のアイデンティティ及びグループアイデンティティを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記グループ通信システム(100)は、PTT(push to talk)システムである、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
グループ通信システム(100)における予め確立されたグループ通信セッションについてのマルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)ベアラのセットアップのためのクライアントノード(300b)であって、前記クライアントノード(300b)は、前記クライアントノード(300b)に動作のセットを実行させるように構成される処理回路(310)を備え、前記動作のセットは、前記クライアントノード(300b)に、
いかなる個別のクライアントノード(300a,300b)のグループにも非依存であるMBMSベアラのブロードキャストされるサービスアナウンスメントを制御ノード(200)から取得することと、
グループ呼のための呼セットアップメッセージを
他のクライアントノード(300
a)が前記制御ノード(200)へ提供したことに応じて、以前にアナウンスされた前記MBMSベアラを介して前記制御ノード(200)からブロードキャストされる、グループ呼についての接続メッセージを取得することであって、前記接続メッセージは、前記グループ呼についてのクライアントノードの特定のグループのグループ識別子と、前記予め確立されたグループ通信セッションの、前記グループ呼のために使用されるメディアストリームの識別子と、を含み、前記MBMSベアラ上のどのネットワークリソースが前記グループ呼についてのクライアントノードの前記特定のグループ向けのメディアの送信のために使用されることになるかを通知する、前記取得することと、
を行わせる、クライアントノード(300b)。
【請求項7】
動作のセットを記憶する記憶媒体(320)、をさらに備え、前記処理回路は、前記記憶媒体から前記動作のセットを読み出して前記動作のセットを前記クライアントノード(300b)に実行させる、ように構成される、請求項6に記載のクライアントノード(300b)。
【請求項8】
前記サービスアナウンスメントは、前記MBMSベアラ上で送信されるべきメディアストリームのパラメータを含む、請求項6に記載のクライアントノード(300b)。
【請求項9】
前記動作のセットは、前記クライアントノード(300b)に、
前記制御ノード(200)から、フロアが確保され
前記他のクライアントノード(300a)からのメディア送信が開始し得ることを前記クライアントノード(300b)へ通知するフロア確保メッセージを受信すること(S207)、
をさらに行わせる、請求項6に記載のクライアントノード(300b)。
【請求項10】
前記フロア確保メッセージは、前記他のクライアントノード(300a)のアイデンティティ及びグループアイデンティティを含む、請求項9に記載のクライアントノード(300b)。
【請求項11】
前記グループ通信システム(100)は、PTT(push to talk)システムである、請求項6~10のいずれか1項に記載のクライアントノード(300b)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここで提示される実施形態は、グループ通信システムにおけるマルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)ベアラセットアップのための制御ノード、クライアントノード、コンピュータプログラム及びコンピュータプログラムプロダクトに関連する。
【背景技術】
【0002】
通信システムにおいて、所与の通信プロトコル、そのパラメータ、及び当該通信システムが配備される物理環境について、良好な性能とキャパシティとを獲得するという課題が存在し得る。
【0003】
例えば、いくつかの通信システムにおいて利用可能なアプリケーションの1つの例は、グループ通信サービスである。一般的な用語において、グループ通信は、同じ情報が複数のクライアントへと伝達されることを要する。グループ通信システム(例えば、PTT(Push-To-Talk)システム)では、同じメディアを受信する複数のクライアントがクライアントのグループを構成する。それらクライアントは、様々なロケーションに位置し得る。多くのクライアントが同じエリア内に位置している場合、例えばマルチキャストブロードキャストマルチメディアサービス(MBMS)を用いたマルチキャスト又はブロードキャストベースの送信が効率的である。
【0004】
グループ通信システムにおいてMBMSが使用される場合、クライアントは、グループ呼に先立って、ブロードキャストされるメディアについてどの無線リソースが使用されることになるのか、及びそれらリソースにおいてクライアントがいかにしてその特定のグループ呼を受信すべきかを通知される必要がある。MBMS上でグループ呼を受信するための情報をクライアントへ通知する処理は、サービスアナウンスメント処理と表記される。
【0005】
グループ通信システム(例えば、PTT(Push-To-Talk)システム)では、フロア制御機能が不可欠である。フロア制御機能は、グループ通信システム内の他のクライアントへメディアを送信するために使用される共有リソースのあるキャパシティを要求する能力を、クライアントに与える。フロア制御機能を効率的に使用する目的で、どのクライアントがメディアを送信することを許容されるかを刻一刻と決定するフロア調停者(floor arbitrator)についてのニーズが存在する。フロア制御プロセスは、メディアを送信することを希望するクライアントがフロア調停者へフロア要求メッセージ(floor request message)を送信することから開始される。利用可能なリソースがあれば、フロア調停者は、クライアントへフロア許可メッセージ(floor grant message)を送信することにより、送信を行う権利をそのクライアントに認める。また、フロア調停者は、特定の通信グループに参加してメディアを交換することへの関心をアナウンスした全てのクライアントへ、フロア確保メッセージ(floor taken message)を送信する。
【0006】
図10は、従来技術に係るセルラー通信システム上でグループ通信のためにMBMSベアラを利用するためのシグナリング図である。
【0007】
少なくとも1つのグループ通信セッションが予め確立され、それにより、実行されるべき通信のタイプについてのメディア記述パラメータがハンドシェイクされる(ステップS301)。
【0008】
グループ通信のためにMBMSベアラが使用される場合、MBMSベアラがアクティブ化されること、及びMBMSベアラがクライアントへアナウンスされることを要する(ステップS302)。そのアナウンスメントは、メディアの送信先となるIP(Internet Protocol)アドレス及びポートを含むメディア記述、メディアコーデック及び暗号化鍵を含む。さらに、上記アナウンスメントはグループ固有である。
【0009】
最初のフロア要求により、呼セットアップ手続がトリガされる(ステップS303)。呼セットアップの前にサービスアナウンスメント処理(上のステップS302の通り)が実行されなければならず、なぜならその処理に掛かる時間が長過ぎるからである。そのうえ、フロア制御メッセージは、メディアと同じベアラ上で送信される。これは、メディアパケット及び制御パッケージの双方が同じMBMSベアラ上で送信されることを意味する。
【0010】
フロア要求メッセージに対して、フロア許可メッセージで応答が返され、それにより、フロア要求を送信したクライアントに、その特定のグループ向けのメディア送信のためにアナウンス済みのMBMSベアラを使用することが許可される(ステップS305)。
【0011】
メディア送信のためにMBMSベアラが使用されるであろうことを他のクライアントへ通知するために、フロア確保メッセージがそれらクライアントへブロードキャストされる(ステップS305)。
【0012】
通常のネットワーク条件下では、全てのグループが同時に進行中の呼を有するわけではない。従って、グループ通信のためにMBMSベアラを使用する全てのグループについて、グループ固有のMBMSベアラをアクティブ化し及びそれらリソースをアナウンスすることは、非効率的であり得る。なぜなら、多くのグループはサイレントであるかもしれないからである(即ち、その時点でクライアント間で送信中のメディアの無いグループ)。
【0013】
よって、効率的なグループ通信のために利用可能なネットワークリソースの、改善された利用についてのニーズが依然として存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ここでの実施形態の目的は、効率的なグループ通信のために利用可能なネットワークリソースを効率的に利用することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第1の観点によれば、グループ通信システムにおけるマルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)ベアラのセットアップのための方法が提示される。上記方法は、制御ノードにより実行される。上記方法は、いかなる個別のクライアントノードのグループにも非依存であるMBMSベアラをアクティブ化し及び上記クライアントノードへアナウンスすること、を含む。上記方法は、上記クライアントノードのうちの第1のクライアントノードから、グループ呼のための呼セットアップメッセージを取得すること、を含む。上記方法は、上記呼セットアップメッセージを受信したことに応じて、上記クライアントノードのうちの少なくとも1つの他のクライアントノードへ、上記グループ呼についての接続メッセージをブロードキャストすること、を含む。
【0016】
有利なこととして、これは、グループ通信システムにおけるMBMSベアラについての効率的なセットアップ手続を提供する。
【0017】
有利なこととして、これは、効率的なサービスアナウンスメント処理を提供する。これは、無線リソースを効率的かつ動的な手法で利用することを可能にする。
【0018】
有利なこととして、これは、各グループ内のクライアントの数に基づいてどのグループ呼がブロードキャストされるべきかを制御ノードが決定することを可能にする。
【0019】
第2の観点によれば、グループ通信システムにおけるマルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)ベアラのセットアップのための制御ノードが提示される。上記制御ノードは、処理回路を備える。上記処理回路は、上記制御ノードに動作のセットを実行させるように構成される。上記処理回路は、上記制御ノードに、いかなる個別のクライアントノードのグループにも非依存であるMBMSベアラをアクティブ化し及び上記クライアントノードへアナウンスすること、を行わせるように構成される。上記処理回路は、上記制御ノードに、上記クライアントノードのうちの第1のクライアントノードから、グループ呼のための呼セットアップメッセージを取得すること、を行わせるように構成される。上記処理回路は、上記制御ノードに、上記呼セットアップメッセージを受信したことに応じて、上記クライアントノードのうちの少なくとも1つの他のクライアントノードへ、上記グループ呼についての接続メッセージをブロードキャストすること、を行わせるように構成される。
【0020】
第3の観点によれば、グループ通信システムにおけるマルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)ベアラのセットアップのためのコンピュータプログラムが提示され、上記コンピュータプログラムは、制御ノードの処理回路上で稼働する場合に、上記制御ノードに上記第1の観点に係る方法を実行させるコンピュータプログラムコード、を含む。
【0021】
第4の観点によれば、グループ通信システムにおけるマルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)ベアラのセットアップのための方法が提示される。上記方法は、クライアントノードにより実行される。上記方法は、いかなる個別のクライアントノードのグループにも非依存であるMBMSベアラのブロードキャストされるサービスアナウンスメントを制御ノードから取得すること、を含む。上記方法は、上記制御ノードへグループ呼についての呼セットアップメッセージを提供すること、を含む。
【0022】
第5の観点によれば、グループ通信システムにおけるマルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)ベアラのセットアップのためのクライアントノードが提示される。上記クライアントノードは、処理回路を備える。上記処理回路は、上記クライアントノードに動作のセットを実行させるように構成される。上記処理回路は、上記クライアントノードに、いかなる個別のクライアントノードのグループにも非依存であるMBMSベアラのブロードキャストされるサービスアナウンスメントを制御ノードから取得すること、を行わせるように構成される。上記処理回路は、上記クライアントノードに、上記制御ノードへグループ呼についての呼セットアップメッセージを提供すること、を行わせるように構成される。
【0023】
第6の観点によれば、グループ通信システムにおけるマルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)ベアラのセットアップのためのコンピュータプログラムが提示され、上記コンピュータプログラムは、クライアントノードの処理回路上で稼働する場合に、上記クライアントノードに上記第4の観点に係る方法を実行させるコンピュータプログラムコード、を含む。
【0024】
第7の観点によれば、上記第3の観点及び上記第6の観点のうちの少なくとも一方に係るコンピュータプログラムと、上記コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読取可能な手段と、を含むコンピュータプログラムプロダクトが提示される。
【0025】
留意すべきこととして、第1、第2、第3、第4、第5、第6及び第7の観点のいずれの特徴も、適切である場合には他の観点に適用されてよい。同様に、第1の観点のいかなる利点も、第2、第3、第4、第5、第6及び/又は第7の観点にそれぞれ等しく当てはまり、逆もまたしかりであり得る。以下の詳細な開示から、別添の実施形態のリストから、及び図面から、包含されている実施形態の他の目的、特徴及び利点が明らかとなるであろう。
【0026】
概して、本開示において使用されている全ての用語は、ここで別段の明示的な言及の無い限り、本技術分野におけるそれらの通常の意味に従って解釈されるものとする。“エレメント、装置、コンポーネント、手段、ステップなど”への全ての言及は、別段の明示的な記述の無い限り、そのエレメント、装置、コンポーネント、手段、ステップなどの少なくとも1つの実例へのオープンな言及として解釈されるものとする。ここで開示されるいかなる方法のステップも、明示的な記述の無い限り、開示された厳密な順序で実行されなくてよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
次の添付図面を参照しながら、提案される解決策が例示の手段で以下に説明される:
【0028】
【
図1】実施形態に係る通信システムを示す概略図である。
【
図2a】一実施形態に係る制御ノードの機能ユニットを示す概略図である。
【
図2b】一実施形態に係る制御ノードの機能モジュールを示す概略図である。
【
図3a】一実施形態に係るクライアントノードの機能ユニットを示す概略図である。
【
図3b】一実施形態に係るクライアントノードの機能モジュールを示す概略図である。
【
図4】一実施形態に係るコンピュータ読取可能な手段を含むコンピュータプログラムプロダクトの1つの例を示している。
【
図5】実施形態に係る方法のフローチャートである。
【
図6】実施形態に係る方法のフローチャートである。
【
図7】実施形態に係る方法のフローチャートである。
【
図8】実施形態に係る方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
これ以降、ある実施形態が示されている添付図面を参照しながら、提案される解決策がより充分に説明されるであろう。しかしながら、それら提案される解決策は、多くの異なる形式で具現化されてよく、ここで説示される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、それら実施形態は、本開示を綿密且つ完結したものとするように例示の手段で提供されており、提案される解決策のスコープを当業者に充分に伝えるであろう。類似の番号は、本説明を通じて類似の要素への言及である。破線で示されたいかなるステップ又は特徴も、オプション的なものとして見なされるべきである。
【0030】
図1は、ここで提示される実施形態が適用され得る通信システム100を示す概略図である。通信システム100は、グループ通信のためのサービスを提供するものと想定され、よってグループ通信システムであると見なされてよい。グループ通信システム100は、PTT(push to talk)システムであってもよい。
【0031】
通信システム100は、少なくとも1つの制御ノード200と、少なくとも2つのクライアントノード300a、300bとを含む。少なくとも1つの制御ノード200は、無線アクセスネットワークノード110若しくは無線アクセスネットワーク120内の他のエンティティ若しくはデバイス、コアネットワーク130のエンティティ若しくはデバイス、又は、サービスネットワーク140のエンティティ若しくはデバイス内に提供され、若しくはそこにインストールされ得る。各クライアントノードは、それぞれのワイヤレスデバイス150a、150b内に提供され、又はそこにインストールされ得る。
【0032】
ワイヤレスデバイス150a、150bの例は、限定ではないものの、移動局、モバイルフォン、ハンドセット、ワイヤレスローカルループフォン、ユーザ機器(UE)、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、及びタブレットコンピュータを含む。無線アクセスネットワークノード110の例は、限定ではないものの、無線基地局、基地送受信局、ノードB、拡張ノードB、及びアクセスポイントを含む。当業者が理解する通り、通信システム100は、各々が複数のワイヤレスデバイス150a、150bへネットワークアクセスを提供する複数の無線アクセスネットワークノード110を含んでよい。ここで開示される実施形態は、無線アクセスネットワークノード110又はワイヤレスデバイス150a、150bのどういった具体的な数にも限定されない。この点において、少なくとも1つの制御ノード200及び少なくとも2つのクライアントノード300a、300bが存在すると想定される。
【0033】
よって、ここで開示される実施形態は、グループ通信システムにおけるマルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)ベアラのセットアップのための仕組みに関連する。そうした仕組みを獲得するために、制御ノード200、制御ノード200により実行される方法、制御ノード200の処理回路上で稼働する場合に制御ノード200に上記方法を実行させる例えばコンピュータプログラムプロダクトの形式のコードを含むコンピュータプログラム、が提供される。さらに、そうした仕組みを獲得するために、クライアントノード300a、300b、クライアントノード300a、300bにより実行される方法、及び、クライアントノード300a、300bの処理回路上で稼働する場合にクライアントノード300a、300bに上記方法を実行させる例えばコンピュータプログラムプロダクトの形式のコードを含むコンピュータプログラム、が提供される。
【0034】
図2aは、一実施形態に係る制御ノード200のコンポーネントを、複数の機能ユニットの観点で概略的に示している。処理回路210は、適したCPU(central processing unit)、マルチプロセッサ、マイクロコントローラ、DSP(digital signal processor)、ASIC(application specific integrated circuit)、FPGA(field
programmable gate arrays)などのうちの1つ以上の任意の組合せを用いて提供され、例えば記憶媒体230の形式のコンピュータプログラムプロダクト410a(
図4の通り)において記憶されるソフトウェア命令を実行可能である。
【0035】
具体的には、処理回路210は、制御ノード200に動作セット又はステップ群S101~S105を実行させるように構成される。これら動作又はステップ群S101~S105は、以下に開示されるであろう。例えば、記憶媒体230が動作セットを記憶してもよく、処理回路210は記憶媒体230から動作セットを読み出して制御ノード200にその動作セットを実行させるように構成され得る。動作セットは、実行可能な命令のセットとして提供されてもよい。よって、処理回路210は、そのようにしてここで開示される通りの方法を実行するように構成される。
【0036】
記憶媒体230は、永続的なストレージをも含んでよく、例えばそれは、磁気メモリ、光学メモリ、ソリッドステートメモリ、又は遠隔的にマウントさえされてよいメモリ、のうちのいずれか1つ又は複数の組合せであり得る。
【0037】
制御ノード200は、少なくともクライアントノード300a、300bとの通信のための通信インタフェース220をさらに含み得る。そして、通信インタフェース220は、アナログコンポーネント及びデジタルコンポーネントとワイヤレス通信のために適した数のアンテナとを含む1つ以上の送信機及び受信機と、有線通信のためのポートとを含み得る。
【0038】
処理回路210は、例えば通信インタフェース220及び記憶媒体230へデータ及び制御信号を送信し、通信インタフェース220からデータ及びレポートを受信し、並びに記憶媒体230からデータ及び命令を読み出すことにより、制御ノード200の一般的な動作を制御する。制御ノード200の他のコンポーネント及び関連する機能性は、ここで提示される概念を曖昧にしないために省略されている。
【0039】
図2bは、一実施形態に係る制御ノード200のコンポーネントを、複数の機能モジュール210a~210cの観点で概略的に示している。
図2bの制御ノード200は、複数の機能モジュールを備え:アクティブ化モジュール210aは、以下のステップS102を実行するように構成され、アナウンスモジュール210bは、以下のステップS102を実行するように構成され、取得モジュール210cは、以下のステップS103、S105を実行するように構成され、ブロードキャストモジュール210dは、以下のステップS104を実行するように構成される。
図2bの制御ノード200は、さらに、以下のステップS101を実行するように構成される事前確立モジュール210eのうちの任意のものなど、複数のオプション的な機能モジュールを含んでもよい。各機能モジュール210a~210eの機能性は、当該機能モジュール210a~210eが使用され得る文脈において以下にさらに開示されるであろう。概して言うと、各機能モジュール210a~210eは、ハードウェアで実装されてもよく、又はソフトウェアで実装されてもよい。好適には、1つ以上の又は全ての機能モジュール210a~210eは、恐らくは機能ユニット220及び/又は230と協調する処理回路210により実装され得る。よって、処理回路210は、機能モジュール210a~210eにより提供される通りの命令を記憶媒体230との間でやり取りして、それら命令を実行するように構成されてよく、それによりこれ以降で開示される通りの任意のステップが実行される。
【0040】
制御ノード200は、スタンドアローンのデバイスとして、又は少なくとも1つのさらなるデバイスの一部として提供されてよい。例えば、制御ノード200は、無線アクセスネットワークのノード内に、又はコアネットワークのノード内に提供されてもよい。代替的に、制御ノード200の機能性は、少なくとも2つのデバイス又はノードの間で分散されてもよい。それら少なくとも2つのノード又はデバイスは、(無線アクセスネットワーク又はコアネットワークなどの)同じネットワーク部分の一部であるか、又は少なくとも2つのそうしたネットワーク部分の間に拡散しているかのいずれかであってもよい。制御ノード200が提供され得る通信システム100内の場所のいくつかの例が
図1に示されている。
【0041】
制御ノード200の機能性は、プロトコルスタックのサービスレイヤに実装され得る。概して言うと、リアルタイムで実行されることを要する命令は、リアルタイムで実行されることを要しない命令よりも、運用上で無線アクセスネットワークにより近いデバイス又はノードにおいて実行され得る。この点において、制御ノード200の少なくとも一部は、ここで開示される実施形態がリアルタイムで実行されるケースについて、無線アクセスネットワークノード内など、無線アクセスネットワークの中に所在し得る。
【0042】
そのため、制御ノード200により実行される命令の第1の部分が第1のデバイスにおいて実行され、及び制御ノード200により実行される命令の第2の部分が第2のデバイスにおいて実行されてもよく、ここで開示される実施形態は、制御ノード200による実行対象の命令が実行されるデバイスの何らの具体的な数にも限定されない。よって、ここで開示される実施形態に係る方法は、クラウドコンピューティング環境に所在する制御ノード200による実行に適している。従って、
図2aには単一の処理回路210が示されているものの、処理回路210は、複数のデバイス又はノードの間で分散されてもよい。同じことが、
図2bの機能モジュール210a~210e及び
図4のコンピュータプログラム420aに当てはまる(下記参照)。
【0043】
図3aは、一実施形態に係るクライアントノード300a、300bのコンポーネントを、複数の機能ユニットの観点で概略的に示している。処理回路310は、適したCPU(central processing unit)、マルチプロセッサ、マイクロコントローラ、DSP(digital signal processor)、ASIC(application specific integrated circuit)、FPGA(field programmable gate arrays)などのうちの1つ以上の任意の組合せを用いて提供され、例えば記憶媒体330の形式のコンピュータプログラムプロダクト410b(
図4の通り)において記憶されるソフトウェア命令を実行可能である。
【0044】
具体的には、処理回路310は、クライアントノード300a、300bに動作セット又はステップ群S201~S205を実行させるように構成される。これら動作又はステップ群S201~S205は、以下に開示されるであろう。例えば、記憶媒体330が動作セットを記憶してもよく、処理回路310は記憶媒体330から動作セットを読み出してクライアントノード300a、300bにその動作セットを実行させるように構成され得る。動作セットは、実行可能な命令のセットとして提供されてもよい。よって、処理回路310は、そのようにしてここで開示される通りの方法を実行するように構成される。
【0045】
記憶媒体330は、永続的なストレージをも含んでよく、例えばそれは、磁気メモリ、光学メモリ、ソリッドステートメモリ、又は遠隔的にマウントさえされてよいメモリ、のうちのいずれか1つ又は複数の組合せであり得る。
【0046】
クライアントノード300a、300bは、少なくとも制御ノード200との通信のための通信インタフェース320をさらに含み得る。そして、通信インタフェース320は、アナログコンポーネント及びデジタルコンポーネントとワイヤレス通信のために適した数のアンテナとを含む1つ以上の送信機及び受信機と、有線通信のためのポートとを含み得る。
【0047】
処理回路310は、例えば通信インタフェース320及び記憶媒体330へデータ及び制御信号を送信し、通信インタフェース320からデータ及びレポートを受信し、並びに記憶媒体330からデータ及び命令を読み出すことにより、クライアントノード300a、300bの一般的な動作を制御する。クライアントノード300a、300bの他のコンポーネント及び関連する機能性は、ここで提示される概念を曖昧にしないために省略されている。
【0048】
図3bは、一実施形態に係るクライアントノード300a、300bのコンポーネントを、複数の機能モジュール310a~310cの観点で概略的に示している。
図3bのクライアントノード300a、300bは、以下のステップS201、S202を実行するように構成される取得モジュールと、以下のステップS203、S205を実行するように構成される提供モジュールとを備える。
図3bのクライアントノード300a、300bは、さらに、ここでは機能モジュール310cにより代表されるような、ある数のオプション的な機能モジュールを含んでもよい。各機能モジュール310a~310bの機能性は、当該機能モジュール310a~310bが使用され得る文脈において以下にさらに開示されるであろう。概して言うと、各機能モジュール310a~310bは、ハードウェアで実装されてもよく、又はソフトウェアで実装されてもよい。好適には、1つ以上の又は全ての機能モジュール310a~310bは、恐らくは機能ユニット320及び/又は330と協調する処理回路310により実装され得る。よって、処理回路310は、機能モジュール310a~310bにより提供される通りの命令を記憶媒体330との間でやり取りして、それら命令を実行するように構成されてよく、それによりこれ以降で開示される通りの任意のステップが実行される。
【0049】
クライアントノード300a、300bは、スタンドアローンのデバイスとして、又は少なくとも1つのさらなるデバイスの一部として提供されてよい。例えば、クライアントノード300a、300bは、ワイヤレスデバイス150a、150b内に提供されてもよい。よって、ワイヤレスデバイス150a、150bの何らかの処理回路、通信インタフェース及び記憶媒体が、クライアントノード300a、300bの処理回路310、通信インタフェース320及び記憶媒体330と共用されてもよい。そのため、ワイヤレスデバイス150a、150bの処理回路、通信インタフェース及び記憶媒体がここで開示されるクライアントノード300a、300bの機能性を実装するように構成される限り、クライアントノード300a、300bが独自の処理回路310、通信インタフェース320及び記憶媒体330を有することは必須ではない。
【0050】
図4は、コンピュータ読取可能な手段430を含むコンピュータプログラムプロダクト410a、410bの1つの例を示している。このコンピュータ読取可能な手段430上にコンピュータプログラム420aを記憶可能であり、そのコンピュータプログラム420aは、処理回路210並びにそこに動作可能に連結される通信インタフェース220及び記憶媒体230といったエンティティ及びデバイスに、ここで説明される実施形態に係る方法を実行させることができる。コンピュータプログラム420a及び/又はコンピュータプログラムプロダクト410aは、よって、ここで開示される通りの制御ノード200の何らかのステップを実行するための手段を提供し得る。このコンピュータ読取可能な手段430上にコンピュータプログラム420bを記憶可能であり、そのコンピュータプログラム420bは、処理回路310並びにそこに動作可能に連結される通信インタフェース320及び記憶媒体330といったエンティティ及びデバイスに、ここで説明される実施形態に係る方法を実行させることができる。コンピュータプログラム420b及び/又はコンピュータプログラムプロダクト410bは、よって、ここで開示される通りのクライアントノード300a、300bの何らかのステップを実行するための手段を提供し得る。
【0051】
図4の例において、コンピュータプログラムプロダクト410a、410bは、CD(compact disc)、DVD(digital versatile disc)又はBlu-Ray(登録商標)ディスクといった光学ディスクとして示されている。コンピュータプログラムプロダクト410a、410bは、RAM(random access memory)、ROM(read-only memory)、EPROM(erasable programmable read-only memory)又はEEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)といったメモリとして具現化されることもでき、より具体的には、USB(Universal Serial Bus)メモリなどの外部メモリ又はコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリなどのフラッシュメモリ内のデバイスの不揮発性記憶媒体として具現化されることもできる。よって、コンピュータプログラム420a、420bがここでは図示された光学ディスク上のトラックとして概略的に示されているものの、コンピュータプログラム420a、420bは、コンピュータプログラムプロダクト410a、410bに適したいかなる手法で記憶されることもできる。
【0052】
図5及び
図6は、制御ノード200により実行される、MBMSベアラのセットアップのための方法の実施形態を示すフローチャートである。
図7及び
図8は、クライアントノード300aにより実行される、MBMSベアラのセットアップのための方法の実施形態を示すフローチャートである。これら方法は、有利なこととして、コンピュータプログラム420a、420bとして提供される。
【0053】
次に、一実施形態に係る制御ノード200により実行されるMBMSベアラのセットアップのための方法を示す
図5を参照する。
【0054】
グループ通信トラフィックのために、MBMSベアラが、そのMBMSベアラへのいかなるグループの割り当ても指し示すことなく、アクティブ化され及びアナウンスされる。よって、制御ノード200は、ステップS102において、MBMSベアラをアクティブ化し及びクライアントノード300a、300bへアナウンスする、ように構成され、そのMBMSベアラは、クライアントノード300a、300bのいかなる個別のグループにも非依存である。そのようにして、上記MBMSベアラは、そのMBMSベアラへのクライアントノード300a、300bのいかなる個別のグループの割り当ても指し示すことなくアナウンスされる。この点において、アクティブ化モジュール210a及びアナウンスモジュール210bは、制御ノード200により実行された場合に、制御ノード200がステップS101を実行するために、処理回路210に恐らくは通信インタフェース220及び記憶媒体230と連携してMBMSベアラをアクティブ化させ及びアナウンスさせる命令、を含み得る。
【0055】
特定のグループ呼のためにMBMSベアラのどのリソースが使用されることになるかを指し示す呼セットアップメッセージが、フロア要求メッセージに先行するであろう。よって、制御ノード200は、ステップS103において、クライアントノード300a、300bのうちの第1のクライアントノード300aから、グループ呼のための呼セットアップメッセージを取得する、ように構成される。この点において、取得モジュール210cは、制御ノード200により実行された場合に、制御ノード200がステップS103を実行するために、処理回路210に恐らくは通信インタフェース220及び記憶媒体230と連携して呼セットアップメッセージを取得させる命令、を含み得る。
【0056】
さらに、制御ノード200は、ステップS103において呼セットアップメッセージを受信したことに応じて、ステップS104において、クライアントノード300a、300bのうちの少なくとも1つの他のクライアントノード300bへ、グループ呼についての接続メッセージ(connect message)をブロードキャストする、ように構成される。この点において、ブロードキャストモジュール210dは、制御ノード200により実行された場合に、制御ノード200がステップS104を実行するために、処理回路210に恐らくは通信インタフェース220及び記憶媒体230と連携して接続メッセージをブロードキャストさせる命令、を含み得る。
【0057】
上記グループ通信セッション及びサービスアナウンスメントは、グループにとらわれない。グループ呼のセットアップが実行される際、全てのダウンリンク(制御ノードからクライアントノードへ)の通信がMBMSベアラ上で行われてよい。
【0058】
制御ノード200により実行されるMBMSベアラのセットアップのさらなる詳細に関連する実施形態が、次に開示されるであろう。
【0059】
上記アナウンスメントは、MBMSベアラ上で送信されるべきメディアストリームのパラメータを含んでもよい。
【0060】
上記呼セットアップメッセージは、上記グループ呼のためのクライアントノード300a、300bの特定のグループのグループ識別子を含んでもよい。制御ノード200は、クライアントノード300a、300bについてのグループ識別子へのアクセスを有し、よって各グループの参加者を知っている。制御ノード200は、ユニキャストが使用されるべきか又はブロードキャストが使用されるべきかを決定し得る。ブロードキャストが決定された場合、制御ノード200は、ベアラ内でどのストリームを使用すべきかを決定する。
【0061】
例えば、制御ノード200は、それにより、各グループ内のクライアントノード300a、300bの数に基づいて、どのグループ呼がブロードキャストされるべきかを決定してもよい。例えば、N1個の参加クライアントノードを伴う第1のグループ呼がMBMSベアラ上で進行中であり、第2のグループ呼がN2(>N1)個の参加クライアントノードを伴う第2のグループ呼として開始されることを想定されたい。制御ノード200は、より大規模なグループ(即ち、本例では第2のグループ)にMBMSベアラのリソースを使用させ、よって第1のグループをユニキャスト送信へ移行させる、ように構成され得る。
【0062】
次に、さらなる実施形態に係る制御ノード200により実行されるMBMSベアラのセットアップのための方法を示す
図6を参照する。
【0063】
一実施形態によれば、制御ノード200は、ステップS101において、少なくともグループ通信セッションを予め確立する、ように構成される。その事前確立は、制御ノード200がMBMSベアラをアクティブ化し及びブロードキャストすることに先立って、行われ得る。よって、グループ通信セッション及びサービスアナウンスメントは、いかなるグループ呼のセットアップにも先立って行われ得る。但し、これは要件ではなく;代替的に、ステップS102がステップS101に先立って実行される。MBMSベアラのアクティブ化及びグループ通信セッションの事前確立は、双方がステップS103の通りに呼セットアップメッセージが取得される前に実行される限り、いかなる順序で行われてもよい。ステップS101における事前確立は、クライアントノード300a、300bとの間でメディア記述パラメータ及び通信パラメータを交換すること、を含んでもよい。
【0064】
ステップS104においてブロードキャストされる接続メッセージは、ベアラ上のどのリソースがクライアントノードの特定のグループ向けのメディアのために使用されることになるかを通知し得る。制御ノード200は、それにより、(複数の利用可能なMBMSベアラの形式の)リソースのプールからリソースをグループ呼に割り当て、割り当てたリソースをクライアントノードへ通知し得る。
【0065】
制御ノード200は、グループ通信システム100におけるフロア制御をハンドリングする、ように構成され得る。一実施形態によれば、制御ノード200は、ステップS105において、呼セットアップメッセージを取得した後に、第1のクライアントノード300aからグループ呼についてのフロア要求メッセージを取得する、ように構成される。フロア要求メッセージは、ステップS103においてグループ呼のための呼セットアップメッセージを取得した後に取得され得る。代替的に、フロア要求メッセージ及び(ステップs103において取得される通りの)呼セットアップメッセージは、1つのメッセージへ結合される。
【0066】
次に、一実施形態に係るクライアントノード300aにより実行されるMBMSベアラのセットアップのための方法を示す
図7を参照する。
【0067】
上で注記したように、制御ノード200は、ステップS102において、MBMSベアラをアナウンスする。クライアントノード300aは、従って、ステップS202において、制御ノード200からブロードキャストされるMBMSベアラのサービスアナウンスメントを取得する、ように構成され得る。そのMBMSベアラは、いかなる個別のクライアントノード300a、300bのグループにも非依存である。この点において、取得モジュール310aは、クライアントノード300aにより実行された場合に、クライアントノード300aがステップS202を実行するために、処理回路310に恐らくは通信インタフェース320及び記憶媒体330と連携してブロードキャストされる上記サービスアナウンスメントを取得させる命令、を含み得る。
【0068】
クライアントノード300aは、次いで、ステップS203において、制御ノード200へグループ呼についての呼セットアップメッセージを提供する、ように構成され得る。この点において、提供モジュール310bは、クライアントノード300aにより実行された場合に、クライアントノード300aがステップS203を実行するために、処理回路310に恐らくは通信インタフェース320及び記憶媒体330と連携して呼セットアップメッセージを提供させる命令、を含み得る。
【0069】
グループ呼についての呼セットアップメッセージは、クライアントノード300aがブロードキャストされるサービスアナウンスメントを取得することに応じて、クライアントノード300aにより提供され得る。但し、クライアントノード300aは、呼セットアップメッセージを提供する前に、ブロードキャストされるサービスアナウンスメントを受信しなくてもよい。MBMSベアラが存在しない場合には、制御ノード200は、呼セットアップメッセージの受信後に、ユニキャストを使用するという決定をするであろう。
【0070】
クライアントノード300aにより実行されるMBMSベアラのセットアップのさらなる詳細に関連する実施形態が、次に開示されるであろう。
【0071】
次に、さらなる実施形態に係るクライアントノード300aにより実行されるMBMSベアラのセットアップのための方法を示す
図8を参照する。
【0072】
上で開示したように、制御ノード200は、ステップS102において、少なくともグループ通信セッションを予め確立する。従って、一実施形態によれば、クライアントノード300aは、ステップS201において、制御ノード200から少なくともグループ通信セッションの事前確立情報を取得する、ように構成される。上で開示したように、ステップS101における事前確立は、MBMSベアラをアナウンスするステップS102に先立って行われ得る。よって、事前確立情報は、制御ノード200からMBMSベアラのブロードキャストされるサービスアナウンスメントを取得することに先立って、クライアントノード300aにより取得され得る。但し、やはり上で開示したように、ステップS101及びステップS102の順序は逆であってもよく、よってステップS201及びステップS202の順序もまた逆であってもよい。
【0073】
上で開示したように、制御ノード200は、ステップS103において呼セットアップメッセージを受信したことに応じて、ステップS104において、クライアントノード300a、300bのうちの少なくとも1つの他のクライアントノード300bへ、MBMSベアラ上でグループ呼についての接続メッセージをブロードキャストする。一方、呼セットアップメッセージは、ステップS203においてクライアントノード300aにより提供されたものである。クライアントノード300aは、一実施形態によれば、ステップS203において呼セットアップメッセージを提供した後に、次いで、ステップS205において、制御ノード200へグループ呼についてのフロア要求メッセージを提供する、ようにさらに構成される。
【0074】
上で開示した実施形態の少なくともいくつかに基づくMBMSベアラセットアップのための1つの具体的な実施形態が、
図9のシグナリング図を参照しながら次に詳細に開示されるであろう。並行して
図1~
図8への参照が継続される。
【0075】
この具体的な実施形態は、ここで開示した制御ノード200に代表されるような、フロア調停者機能を含むグループ通信サーバと、ユニキャスト及びブロードキャストの双方に基づく送信をサポートするセルラーネットワークと、ワイヤレスデバイス150a、150bにインストールされ得るクライアントノード300a、300bと、を含む(PTTシステムなどの)グループ通信システムに関わる。
【0076】
ステップS101,S201:グループ通信が開始可能となる前に、制御ノード200及びクライアントノード300a、300bは、少なくとも1つのグループ通信セッションを予め確立し、それにより実行されるべき通信のタイプについてのメディア記述パラメータをハンドシェイクする。これは、IPアドレス、ポート、メディアコーデック及び暗号化鍵を含み得る。さらに、各グループ通信セッションは、1つ以上のメディアストリームを含み得る。それにより、同じメディア記述パラメータを伴う任意のグループにより使用可能な、1つ以上のグループ通信セッションにおける1つ以上のメディアストリームが確立される。
【0077】
ステップS102,S202:少なくとも1つのMBMSベアラがアクティブ化され、いかなる個別のクライアントノードのグループも指し示すことなくアナウンスされる。サービスアナウンスメントは、それにより、あるリソース上でアクティブな1つ以上のMBMSベアラが存在することを、クライアントノード300a、300bへ通知する。
【0078】
ステップS103,S203:第1のクライアントノード300aは、(ユニキャストベアラ上で)呼セットアップメッセージを送信して、メディア送信のために予め確立されているセッションのうちの1つを要求することを制御ノード200へ通知する。これは、クライアントノード300aと制御ノード200とがメディア記述パラメータを再交渉する必要性を軽減する。呼セットアップメッセージの1つの目的は、予め確立されるセッションのうちの1つを用いてグループ呼をセットアップすることである。
【0079】
ステップS104,S204:制御ノード200は、特定のグループにおける少なくとも1つの第2のクライアントノード300b(即ち、受信側のクライアントノード)のロケーションを知っており、少なくとも1つの第2のクライアントノード300bのうちの少なくともいくつかが同じエリア内に位置する場合には、制御ノード200は、送信のモードとしてMBMSを使用することを決定し得る。それを達成するために、制御ノード200は、アクティブ化されたMBMSリソース及び特定のメディアストリームのためのメディア記述パラメータ上で特定のグループのためにグループ呼が開始することになるという接続メッセージを、少なくとも1つの第2のクライアントノード300bのエリア内でブロードキャストチャネル上で送信する。呼接続メッセージは、以前にアクティブ化されているMBMSベアラ上で、そのMBMSベアラ上でグループ呼のメッセージを受信することになる全てのクライアントノード300bへ送信されてもよい。呼接続メッセージは、そのグループ呼について使用される、グループアイデンティティ及び予め確立されたセッション内のメディアストリームの識別子を含んでもよい。
【0080】
ステップS105,S205:第1のクライアントノード300aが制御ノード200へフロア要求メッセージを送信することにより、グループ呼が開始する。そのメッセージは、ユニキャストベアラ上で送信されてもよい。
【0081】
ステップS106,S206:制御ノード200は、フロア要求メッセージに対し、第1のクライアントノード300aへフロア許可メッセージで応答し、それにより、特定のグループ向けの送信を第1のクライアントノード300aに許可する。そのメッセージは、ユニキャストベアラ上で送信されてもよい。
【0082】
ステップS107,S207:制御ノード200は、少なくとも1つの第2のクライアントノード300bへフロア確保メッセージを送信して、少なくとも1つの第2のクライアントノード300bに、フロアが確保され他のクライアントノード300aからのメディア送信が開始し得ることを通知する。そのメッセージは、送信側のクライアントノード300aのアイデンティティと共にグループアイデンティティを含んでもよい。当該メッセージは、MBMSベアラ上で、そのMBMSベアラ上の呼を受信するように以前にセットアップ済みの全てのクライアントデバイス300bへ送信され得る。
【0083】
一方ではステップS106、S206、他方ではステップS107、S207は、逆の順序で実行されてもよく、即ち、同じグループ通信セッションについて、ステップS107、S207がステップS106、S206の実行よりも前に実行されてもよい。
【0084】
次に、
図10に示したような(及び上述したような)従来技術に従ってセルラー通信システム上でのグループ通信についてMBMSベアラを利用するための処理に対する比較を行う。従来技術によれば、MBMSベアラは、呼のセットアップに先立ってアクティブ化され及びアナウンスされる。従来技術によれば、クライアントノード300a、300bは、MBMSベアラのどのリソースが特定のグループについてのフロア要求へ割り当てられているかを既に知得している。
【0085】
ここで開示した仕組みと従来技術との間のいくつかの相異として、MBMSベアラを使用する際、従来技術によれば呼セットアップメッセージも接続メッセージも送信されない。さらに、従来技術におけるサービスアナウンスメントは、MBMSリソースを特定のグループに割り当てる。ここで開示した仕組みでは、任意のグループへMBMSリソースを動的に割り当てることができる。
【0086】
本提案される解決策が主として若干の実施形態を参照しながら上で説明されている。しかしながら、当業者によって容易に理解されるように、上で開示したもの以外の他の実施形態もまた、本開示のスコープの範囲内で同等に可能であり、その範囲は別添の列挙された実施形態のリストにより示される通りである。
【0087】
[1]
グループ通信システム(100)におけるマルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)ベアラのセットアップのための、制御ノード(200)により実行される方法であって、
いかなる個別のクライアントノード(300a,300b)のグループにも非依存であるMBMSベアラをアクティブ化し及び前記クライアントノード(300a,300b)へアナウンスすること(S102)と、
前記クライアントノード(300a,300b)のうちの第1のクライアントノード(300a)から、グループ呼のための呼セットアップメッセージを取得すること(S103)と、
前記呼セットアップメッセージを受信したことに応じて、前記クライアントノード(300a,300b)のうちの少なくとも1つの他のクライアントノード(300b)へ、前記グループ呼についての接続メッセージをブロードキャストすること(S104)と、
を含む方法。
[2]
前記アナウンスすることは、前記MBMSベアラ上で送信されるべきメディアストリームのパラメータを含む、項番1に記載の方法。
[3]
前記呼セットアップメッセージは、メディアの送信のために使用されるべき前記グループ呼のためのクライアントノードの特定のグループのグループ識別子を含む、項番1に記載の方法。
[4]
前記接続メッセージは、前記ベアラ上のどのリソースがクライアントノードの特定のグループ向けのメディアの送信のために使用されることになるかを通知する、項番1に記載の方法。
[5]
前記呼セットアップメッセージを取得した後に、前記第1のクライアントノード(300a)から前記グループ呼についてのフロア要求メッセージを取得すること(S105)、
をさらに含む、項番1に記載の方法。
[6]
前記フロア要求メッセージは、前記グループ呼について前記接続メッセージをブロードキャストした後に取得される、項番4及び5に記載の方法。
[7]
前記フロア要求メッセージ及び前記呼セットアップメッセージは、1つのメッセージへ結合される、項番6に記載の方法。
[8]
前記MBMSベアラをアクティブ化し及びブロードキャストすることに先立って、少なくとも前記グループ通信セッションを予め確立すること(S101)、
をさらに含む、項番1に記載の方法。
[9]
前記予め確立することは、前記クライアントノード(300a,300b)との間でメディア記述パラメータ及び通信パラメータを交換すること、を含む、項番8に記載の方法。
[10]
グループ通信システム(100)におけるマルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)ベアラのセットアップのための、クライアントノード(300a)により実行される方法であって、
いかなる個別のクライアントノード(300a,300b)のグループにも非依存であるMBMSベアラのサービスアナウンスメントを制御ノード(200)から取得すること(S202)と、
それに応じて、前記制御ノード(200)へグループ呼についての呼セットアップメッセージを提供すること(S203)と、
を含む方法。
[11]
前記サービスアナウンスメントは、前記MBMSベアラ上で送信されるべきメディアストリームのパラメータを含む、項番10に記載の方法。
[12]
前記接続メッセージは、前記グループ呼のためのクライアントノードの特定のグループのグループ識別子を含み、メディアの送信のために使用されるべき1つ以上の前記MBMSベアラのうちの1つのMBMSベアラ上での固有のメディアストリームを要求する、項番10に記載の方法。
[13]
前記呼セットアップメッセージを提供した後に、前記制御ノード(200)へ前記グループ呼についてのフロア要求メッセージを提供すること(S205)、
をさらに含む、項番10に記載の方法。
[14]
前記制御ノード(200)から前記MBMSベアラのブロードキャストされる前記サービスアナウンスメントを取得することに先立って、前記制御ノード(200)から少なくとも前記グループ通信セッションの事前確立情報を取得すること(S201)、
をさらに含む、項番10に記載の方法。
[15]
前記制御ノード(200)は、前記グループ通信システム(100)におけるフロア制御をハンドリングする、項番1~14のいずれかに記載の方法。
[16]
前記グループ通信システム(100)は、PTT(push to talk)システムである、項番1~15のいずれかに記載の方法。
[17]
グループ通信システム(100)におけるマルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)ベアラのセットアップのための制御ノード(200)であって、前記制御ノード(200)は、前記制御ノード(200)に動作のセットを実行させるように構成される処理回路(210)を備え、前記動作のセットは、前記制御ノード(200)に、
いかなる個別のクライアントノード(300a,300b)のグループにも非依存であるMBMSベアラをアクティブ化し及び前記クライアントノード(300a,300b)へアナウンスすることと、
前記クライアントノード(300a,300b)のうちの第1のクライアントノード(300a)から、グループ呼のための呼セットアップメッセージを取得することと、
前記呼セットアップメッセージを受信したことに応じて、前記クライアントノード(300a,300b)のうちの少なくとも1つの他のクライアントノード(300b)へ、前記グループ呼についての接続メッセージをブロードキャストすることと、
を行わせる、制御ノード(200)。
[18]
動作のセットを記憶する記憶媒体(220)、をさらに備え、前記処理回路は、前記記憶媒体から前記動作のセットを読み出して前記動作のセットを前記制御ノード(200)に実行させる、ように構成される、項番17に記載の制御ノード(200)。
[19]
グループ通信システム(100)におけるマルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)ベアラのセットアップのためのクライアントノード(300a)であって、前記クライアントノード(300a)は、前記クライアントノード(300a)に動作のセットを実行させるように構成される処理回路(310)を備え、前記動作のセットは、前記クライアントノード(300a)に、
いかなる個別のクライアントノード(300a,300b)のグループにも非依存であるMBMSベアラのブロードキャストされるサービスアナウンスメントを制御ノード(200)から取得することと、
前記制御ノード(200)へグループ呼についての呼セットアップメッセージを提供することと、
を行わせる、クライアントノード(300a)。
[20]
動作のセットを記憶する記憶媒体(320)、をさらに備え、前記処理回路は、前記記憶媒体から前記動作のセットを読み出して前記動作のセットを前記クライアントノード(300a)に実行させる、ように構成される、項番19に記載のクライアントノード(300a)。
[21]
グループ通信システム(100)におけるマルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)ベアラのセットアップのためのコンピュータプログラム(420a)であって、前記コンピュータプログラムは、制御ノード(200)の処理回路(210)上で稼働する場合に、前記制御ノード(200)に、
いかなる個別のクライアントノード(300a,300b)のグループにも非依存であるMBMSベアラをアクティブ化し及び前記クライアントノード(300a,300b)へアナウンスすること(S102)と、
前記クライアントノード(300a,300b)のうちの第1のクライアントノード(300a)から、グループ呼のための呼セットアップメッセージを取得すること(S103)と、
前記呼セットアップメッセージを受信したことに応じて、前記クライアントノード(300a,300b)のうちの少なくとも1つの他のクライアントノード(300b)へ、前記グループ呼についての接続メッセージをブロードキャストすること(S104)と、
を行わせるコンピュータコード、を含む、コンピュータプログラム。
[22]
グループ通信システム(100)におけるマルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)ベアラのセットアップのためのコンピュータプログラム(420b)であって、前記コンピュータプログラムは、クライアントノード(300a)の処理回路(310)上で稼働する場合に、前記クライアントノード(300a)に、
いかなる個別のクライアントノード(300a,300b)のグループにも非依存であるMBMSベアラのブロードキャストされるサービスアナウンスメントを制御ノード(200)から取得すること(S202)と、
前記制御ノード(200)へグループ呼についての呼セットアップメッセージを提供すること(S203)と、
を行わせるコンピュータコード、を含む、コンピュータプログラム。
[23]
項番21及び22のうちの少なくとも1項に記載のコンピュータプログラム(420a,420b)と、前記コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読取可能な手段(430)と、を含むコンピュータプログラムプロダクト(410a,410b)。