(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】視覚的に異なるシャシーおよびウェストバンドを有する吸収性物品
(51)【国際特許分類】
A61F 13/49 20060101AFI20230704BHJP
A61F 13/496 20060101ALI20230704BHJP
【FI】
A61F13/49 311Z
A61F13/49 312Z
A61F13/496
(21)【出願番号】P 2020528033
(86)(22)【出願日】2017-12-19
(86)【国際出願番号】 US2017067362
(87)【国際公開番号】W WO2019125415
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2020-05-20
【審判番号】
【審判請求日】2021-09-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】310007106
【氏名又は名称】キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロス・ティー・カウフマン
(72)【発明者】
【氏名】ケリー・ディー・ファーマー
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・ディー・コーネン
(72)【発明者】
【氏名】ジェリー・エル・ハメイスター
【合議体】
【審判長】一ノ瀬 覚
【審判官】八木 誠
【審判官】筑波 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-56156(JP,A)
【文献】特開2012-192165(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0118689(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15-13/84
A61L15/16-15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向および横方向に延びる吸収性物品であって、前記吸収性物品が、
前部ウェスト縁部を有し、弾性前部シャシー領域および弾性前部ウェストバンド領域を含む前部領域と、
後部ウェスト縁部を有する後部領域と、
前記前部領域と前記後部領域との間に延びる股ぐり領域と、
前記股ぐり領域内に少なくとも部分的に配置される吸収体と、を含み、
前記弾性前部シャシー領域が、第1の前部シャシーウェブ材料と第2の前部シャシーウェブ材料との間に配置された複数の弾性ストランドを含み、
前記第1の前部シャシーウェブ材料が、前記横方向に対して角度を有する第1の辺部を有する複数の別個の接合物によって前記第2の前部シャシーウェブ材料に接合され、前記別個の接合物の少なくとも一部が、前記弾性前部シャシー領域の前記複数の弾性ストランドの
各弾性ストランドの両側に配置され、前記長手方向に、前記
各弾性ストランドの非張力の直径よりも小さい距離だけ離間する接合物対を形成し、
前記弾性前部シャシー領域の前記複数の弾性ストランドが、前記長手方向に第1の距離だけ離間し、
前記弾性前部ウェストバンド領域が、第1の前部ウェストバンドウェブ材料と第2の前部ウェストバンドウェブ材料との間に配置された複数の弾性ストランドを含み、
前記第1の前部ウェストバンドウェブ材料は、前記横方向に対して角度を有する第1の辺部を有する複数の別個の接合物によって前記第2の前部ウェストバンドウェブ材料に接合され、前記別個の接合物の少なくとも一部が、前記弾性前部ウェストバンド領域の前記複数の弾性ストランドの
各弾性ストランドの両側に配置され、前記長手方向に、前記
各弾性ストランドの非張力の直径よりも小さい距離だけ離間する接合物対を形成し、
前記弾性前部ウェストバンド領域の前記複数の弾性ストランドが、前記長手方向に、第2の距離だけ離間し、前記第2の距離が前記第1の距離より小さく、
前記第1の前部シャシーウェブ材料を前記第2の前部シャシーウェブ材料に接合する前記複数の接合物が、ジグザグパターンの一連のシャシー接合物列を形成し、
前記第1の前部ウェストバンドウェブ材料を前記第2の前部ウェストバンドウェブ材料に接合する前記複数の接合物が、ジグザグパターンの一連のウェストバンド接合物列を形成し、
前記弾性前部ウェストバンド領域の前記複数の弾性ストランドが、前記弾性前部シャシー領域の前記複数の弾性ストランドよりも小さな又は大きな設置された伸長を有し、
前記弾性前部シャシー領域および前記弾性前部ウェストバンド領域の前記複数の接合物の前記第1の辺部が、所定数の前記接合物毎に前記横方向に対する角度を変えることにより前記シャシー接合物列および前記ウェストバンド接合物列の前記ジグザグパターンが形成され、
前記弾性前部シャシー領域および前記弾性前部ウェストバンド領域
に前記弾性前部シャシー領域および前記弾性前部ウェストバンド領域の前記複数の弾性ストランドによって
外力がかかっていない状態において、前記シャシー接合物列の前記ジグザグパターンと前記ウェストバンド接合物列の前記ジグザグパターンとは互いに同一の形状を有する、
吸収性物品。
【請求項2】
前記第2の距離が8mm未満である、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記第2の距離が6.5mm未満である、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記第1の距離が、
少なくとも1mm前記第2の距離より大きい、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記弾性前部ウェストバンド領域の前記複数の弾性ストランドが、前記弾性前部シャシー領域の前記複数の弾性ストランドよりも小さな設置された伸長を有する、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記弾性前部ウェストバンド領域の前記複数の弾性ストランドの前記設置された伸長が200%以上である、請求項5に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記弾性前部シャシー領域の前記複数の弾性ストランドの前記設置された伸長が、前記弾性前部ウェストバンド領域の前記複数の弾性ストランドの前記設置された伸長よりも
少なくとも50%大きい、請求項6に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記弾性前部ウェストバンド領域の前記複数の弾性ストランドが、前記弾性前部シャシー領域の前記複数の弾性ストランドよりも大きい設置された伸長を有する、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記弾性前部シャシー領域の前記複数の弾性ストランドの前記設置された伸長が200%以上である、請求項8に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記弾性前部ウェストバンド領域の前記複数の弾性ストランドの前記設置された伸長が、前記弾性前部シャシー領域の前記複数の弾性ストランドの前記設置された伸長より
少なくとも50%大きい、請求項9に記載の吸収性物品。
【請求項11】
第1の接合物列内の複数の接合物が、前記横方向に対して第1の角度を形成する長手方向に延びる前記第1の辺部を含み、
第2の接合物列内の複数の接合物が、前記横方向に対して第2の角度を形成する長手方向に延びる前記第1の辺部を含み、
前記第1の角度が前記第2の角度と異なる、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項12】
前記第2の角度が、180マイナス前記第1の角度の値である、角度の値を有する、請求項11に記載の吸収性物品。
【請求項13】
前記弾性前部ウェストバンド領域の前記複数の弾性ストランドの前記設置された伸長が150%以上、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項14】
前記弾性前部ウェストバンド領域の前記複数の弾性ストランドの前記設置された伸長が200%以上、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項15】
前記弾性前部ウェストバンド領域の前記複数の弾性ストランドの前記設置された伸長が、前記弾性前部シャシー領域の前記複数の弾性ストランドの前記設置された伸長より
少なくとも50%異なる、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項16】
前記弾性前部ウェストバンド領域の前記複数の弾性ストランドのデシテックスが、前記弾性前部シャシー領域の前記複数の弾性ストランドのデシテックスよりも大きい、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項17】
前記第2の距離が6.5mm未満である、請求項1に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、弾性のシャシーおよびウェストバンドを含む着用可能な物品、およびより具体的には視覚的に異なるパターンを有する弾性のシャシーおよびウェストバンドを含む着用可能な物品に関連する。
【背景技術】
【0002】
弾性材料は、さまざまな着用可能な衣類および吸収性物品内を含む、多くの異なる用途で使用される。こうした弾性材料は、有益なフィット特性を提供するために、シャシー、ウェストバンド、脚カフ、バリアカフ、または衣類および吸収性物品のその他の構成要素の一部として使用されてもよく、または体滲出物の漏れの防止、またはその他の利益を与える。
【0003】
多くの現在の衣服衣類および吸収性物品は、材料の層の間に位置付けられ、接着剤を用いて材料の層に貼り付けられた弾性ストランドを含む弾性材料を含む。一部の従来技術の弾性材料は、個別の個々の接合物を使用して材料の層に弾性ストランドを貼り付けることに有利な接着剤を取り除くように試みられている。これらの従来技術の材料は、弾性ストランドの非張力の直径よりも小さい距離で接合物を弾性ストランドにわたって位置付ける。いくつかの例示的な従来技術材料は、Cera France Compagnie d’Equipment Robotique Appliqueeによる「Ruffling Slide and Method for Making Same」と題された米国特許6,291,039号にみることができる。この特定の構造構成は、弾性ストランドを接合物の間で弾性材料内に保持する。これらの接着剤のない弾性材料は、弾性材料内の弾性ストランドを貼り付けるために接着剤を必要としないため、コスト利点を有する。従って、接着剤を含まない追加的な弾性材料は、機能的または審美的な利益を有することに加えて、吸収性物品の全体的なコストを減少させるのに役立ち得る。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、弾性のシャシーおよびウェストバンドを含む吸収性物品、およびより具体的には、視覚的に異なるパターンを有する弾性のシャシーおよびウェストバンドを含む吸収性物品に関連する。一般に、本開示の物品のシャシーおよびウェストバンドは、接着剤なしで、シャシーおよびウェストバンドの一つまたは複数の特性がウェストバンドとシャシーとの間の視覚的に異なるパターンを生成するように異なるように構成される。例えば、本開示の物品のシャシー領域は、複数の弾性ストランドを含んでもよく、また比較的区別がつかないパターン形成された構造を生成するように構成されてもよく、一方で物品のウェストバンドは複数の弾性ストランドを含んでもよいが、着用者が物品の異なる部分を簡単に識別できるように、よく画定されたパターン形成された構造を生成するように構成されている。
【0005】
第1の実施形態では、吸収性物品は、長手方向および横方向に延びてもよく、吸収性物品は、前部ウェスト縁部を有し、かつ弾性前部シャシー領域、弾性前部ウェストバンド領域を含む前部領域と、後部ウェスト縁部を含む後部領域と、前部領域と後部領域との間に延びる股ぐり領域と、股ぐり領域内に少なくとも部分的に配置された吸収体とを含んでもよい。弾性前部シャシー領域は、第1の前部シャシーウェブ材料と第2の前部シャシーウェブ材料との間に配置された複数の弾性ストランドをさらに含んでもよく、第1の前部シャシーウェブ材料は、横方向に対して角度を有する第1の辺部を有する複数の別個の接合物によって第2の前部シャシーウェブ材料に接合され、別個の接合物の少なくとも一部が、弾性前部シャシー領域の複数の弾性ストランドの各弾性ストランドの両側に配置され、長手方向に、各弾性ストランドの非張力の直径よりも小さい距離だけ離間する接合物対を形成する。さらに、弾性前部シャシー領域の複数の弾性ストランドが、長手方向に第1の距離だけ離間し得る。次に、弾性前部ウェストバンド領域は、第1の前部ウェストバンドウェブ材料と第2の前部ウェストバンドウェブ材料との間に配置された複数の弾性ストランドをさらに含んでもよく、一方で、第1の前部ウェストバンドウェブ材料は、横方向に対して角度を有する第1の辺部を有する複数の別個の接合物によって第2の前部ウェストバンドウェブ材料に接合され、別個の接合物の少なくともいくつかが、弾性前部ウェストバンド領域の複数の弾性ストランドの各弾性ストランドの両側に配置され、長手方向に、各弾性ストランドの非張力の直径よりも小さい距離だけ離間する接合物対を形成する。最後に、弾性前部ウェストバンド領域の複数の弾性ストランドが、長手方向に、第2の距離だけ離間してもよく、第2の距離が第1の距離より小さい。前記第1の前部シャシーウェブ材料を前記第2の前部シャシーウェブ材料に接合する前記複数の接合物が、ジグザグパターンの一連のシャシー接合物列を形成する。前記第1の前部ウェストバンドウェブ材料を前記第2の前部ウェストバンドウェブ材料に接合する前記複数の接合物が、ジグザグパターンの一連のウェストバンド接合物列を形成する。前記弾性前部ウェストバンド領域の前記複数の弾性ストランドが、前記弾性前部シャシー領域の前記複数の弾性ストランドよりも小さな又は大きな設置された伸長を有する。前記弾性前部シャシー領域および前記弾性前部ウェストバンド領域の前記複数の接合物の前記第1の辺部が、所定数の前記接合物毎に前記横方向に対する角度を変えることにより前記シャシー接合物列および前記ウェストバンド接合物列の前記ジグザグパターンが形成される。前記弾性前部シャシー領域および前記弾性前部ウェストバンド領域に前記弾性前部シャシー領域および前記弾性前部ウェストバンド領域の前記複数の弾性ストランドによって外力がかかっていない状態において、前記シャシー接合物列の前記ジグザグパターンと前記ウェストバンド接合物列の前記ジグザグパターンとは互いに同一の形状を有する。
【0006】
第2の実施形態では、第1の実施形態の第2の距離は、8mm以下であり得る。
【0007】
第3の実施形態では、第1または第2の実施形態のいずれかの第2の距離は6.5mm以下であり得る。
【0008】
第4の実施形態では、第1~第3の実施形態のいずれかの第1の距離は、少なくとも1mm第2の距離より大きくてもよい。
【0009】
第5の実施形態では、第1~第4の実施形態のいずれかの弾性前部ウェストバンド領域の複数の弾性ストランドは、弾性前部シャシー領域の複数の弾性ストランドよりも小さい設置された伸長を有し得る。
【0010】
第6の実施形態では、第5の実施形態の弾性前部ウェストバンド領域の複数の弾性ストランドの設置された伸長は、200%未満であり得る。
【0011】
第7の実施形態では、第6の実施形態の弾性前部シャシー領域の複数の弾性ストランドの設置された伸長は、弾性前部ウェストバンド領域の複数の弾性ストランドの設置された伸長よりも少なくとも50%大きくてもよい。
【0012】
第8の実施形態では、第1~第7の実施形態のいずれかの弾性前部ウェストバンド領域の複数の弾性ストランドは、弾性前部シャシー領域の複数の弾性ストランドよりも大きい設置された伸長を有し得る。
【0013】
第9の実施形態では、第8の実施形態の弾性前部シャシー領域の複数の弾性ストランドの設置された伸長は、200%未満であり得る。
【0014】
第10の実施形態では、第9の実施形態の弾性前部ウェストバンド領域の複数の弾性ストランドの設置された伸長は、弾性前部シャシー領域の複数の弾性ストランドの設置された伸長より少なくとも50%大きくてもよい。
【0015】
第11の実施形態では、第1の前部シャシーウェブ材料を第2の前部シャシーウェブ材料に接合する第1~第10の実施形態のいずれかの複数の別個の接合物は、一連の列の接合物を形成してもよく、また前部シャシー領域内の接合物の長手方向に隣接した列の接合物間の平均距離は6mm未満である。
【0016】
第12の実施形態では、第1の前部シャシーウェブ材料を第2の前部シャシーウェブ材料に接合する第1~第11の実施形態のいずれかの複数の接合物は、一連の接合物列を形成してもよく、第1の接合物列内の複数の接合物は、横方向に対して第1の角度を形成する長手方向に延在する辺部を含んでもよく、第2の接合物列内の複数の接合物は、第1の角度が第2の角度と異なる横方向に対して第2の角度を形成する長手方向に延在する辺部を含んでもよい。
【0017】
第13の実施形態では、第12の実施形態の第2の角度は、180マイナス第1の角度の値である、度の値を有し得る。
【0018】
第14の実施形態では、吸収性物品は、長手方向および横方向に延びてもよく、前部ウェスト縁部を有し、かつ弾性前部シャシー領域、弾性前部ウェストバンド領域を含む前部領域と、後部ウェスト縁部を含む後部領域と、前部領域と後部領域との間に延びる股ぐり領域と、股ぐり領域内に少なくとも部分的に配置された吸収体とを含んでもよい。さらに、弾性前部シャシー領域は、第1の前部シャシーウェブ材料と第2の前部シャシーウェブ材料との間に配置された複数の弾性ストランドをさらに含んでもよく、第1の前部シャシーウェブ材料は、複数の別個の接合物によって第2の前部シャシーウェブ材料に接合され、別個の接合物の少なくとも一部が、弾性前部シャシー領域の複数の弾性ストランドの弾性ストランドの両側に配置され、長手方向に、弾性ストランドの非張力の直径よりも小さい距離だけ離間する接合物対を形成する。さらに、弾性前部シャシー領域の複数の弾性ストランドが、長手方向に第1の距離だけ離間し得る。弾性前部ウェストバンド領域は、第1の前部ウェストバンドウェブ材料と第2の前部ウェストバンドウェブ材料との間に配置された複数の弾性ストランドをさらに含んでもよく、第1の前部ウェストバンドウェブ材料は、複数の別個の接合物によって第2の前部ウェストバンドウェブ材料に接合され、別個の接合物の少なくともいくつかが、弾性前部ウェストバンド領域の複数の弾性ストランドの弾性ストランドの両側に配置され、長手方向に、弾性ストランドの非張力の直径よりも小さい距離だけ離間する接合物対を形成する。弾性前部ウェストバンド領域の複数の弾性ストランドは、長手方向に第2の距離だけ離間してもよく、第2の距離は、第1の距離よりも小さく、弾性前部ウェストバンド領域の複数の弾性ストランドの設置された伸長は、弾性前部シャシー領域の複数の弾性ストランドの設置された伸長よりも大きくてもよい。
【0019】
第15の実施形態では、第14の実施形態の弾性前部ウェストバンド領域の複数の弾性ストランドの設置された伸長は、150%より大きくてもよい。
【0020】
第16の実施形態では、第14または15の実施形態のいずれかの弾性前部ウェストバンド領域の複数の弾性ストランドの設置された伸長は、200%より大きくてもよい。
【0021】
第17の実施形態では、第14~第16の実施形態のいずれかの弾性前部ウェストバンド領域の複数の弾性ストランドの設置された伸長は、弾性前部シャシー領域の複数の弾性ストランドの設置された伸長と少なくとも50%異なってもよい。
【0022】
第18の実施形態では、第14~第17の実施形態のいずれかの弾性前部ウェストバンド領域の複数の弾性ストランドのデシテックスは、弾性前部シャシー領域の複数の弾性ストランドのデシテックスより大きくてもよい。
【0023】
第19実施形態では、第14~第18の実施形態のいずれかの第2の距離は6.5mm以下であり得る。
【0024】
第20の実施形態では、吸収性物品のアレイは、第1の前部ウェスト縁部を有し、かつ弾性の第1の前部シャシー領域を含む前部領域と、第1の後部ウェスト縁部を有する第1の後部領域と、第1の前部領域と第1の後部領域との間に延在する第1の股ぐり領域と、第1の股ぐり領域内に少なくとも部分的に配置される第1の吸収体とを含む、第1の一連の吸収性物品を含み得る。弾性の第1の前部シャシー領域が、弾性の第1の前部シャシー領域の第1の前部シャシーウェブ材料と第2の前部シャシーウェブ材料との間に配置された第1の複数の弾性ストランドを含んでもよく、弾性の第1の前部シャシー領域の第1の前部シャシーウェブ材料は、複数の別個の接合物によって弾性の第1の前部シャシー領域の第2の前部シャシーウェブ材料に接合され、別個の接合物の少なくとも一部が、弾性の第1の前部シャシー領域の複数の弾性ストランドの弾性ストランドの両側に配置され、長手方向に、弾性ストランドの非張力の直径よりも小さい距離だけ離間する接合物対を形成する。さらに、弾性の第1の前部シャシー領域の複数の弾性ストランドは、長手方向に第1の距離だけ離間し得る。アレイは、第2の前部ウェスト縁部を有し、かつ弾性の第2の前部シャシー領域を含む第2の前部領域と、第2の後部ウェスト縁部を有する第2の後部領域と、第2の前部領域と第2の後部領域との間に延在する第2の股ぐり領域と、第2の股ぐり領域内に少なくとも部分的に配置される第2の吸収体とを含む、第2の一連の吸収性物品をさらに含んでもよい。弾性の第2の前部シャシー領域が、弾性の第2の前部シャシー領域の第1の前部シャシーウェブ材料と第2の前部シャシーウェブ材料との間に配置された複数の弾性ストランドを含んでもよく、弾性の第2の前部シャシー領域の第1の前部シャシーウェブ材料は、複数の別個の接合物によって弾性の第2の前部シャシー領域の第2の前部シャシーウェブ材料に接合され、別個の接合物の少なくとも一部が、弾性の第2の前部シャシー領域の複数の弾性ストランドの弾性ストランドの両側に配置され、長手方向に、弾性ストランドの非張力の直径よりも小さい距離だけ離間する接合物対を形成する。弾性の第2の前部シャシー領域の複数の弾性ストランドは、長手方向に第2の距離だけ離間してもよく、第2の距離は第1の距離よりも少なくとも2mm大きくてもよい。
【0025】
本開示の上記の概要は、各実施形態または本開示の実施全てを説明することを意図していない。本開示のより完全な理解とともに、利点および達成は、添付図面と併せて行われる以下の詳細な説明および請求項を参照することによって明らかになり、認識される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本開示は、添付図面に関連してさまざまな実施形態の以下の詳細な説明を考慮してより完全に理解され得る。
【0027】
【
図1】
図1は、本開示の態様による、閉鎖構成における例示的な着用可能な物品の斜視図である。
【
図2】
図2は、完全に開いたかつ平坦な構成の
図1の物品の平面図である。
【0028】
本開示は、さまざまな修正および代替形態に変更可能であるが、その詳細は、図面の例として示され、詳細に説明される。しかしながら、本開示は、記載された特定の実施形態に本開示の態様を限定するものではないことを理解されたい。むしろ、本開示の範囲内に入る全ての修正、等価物、および代替物をカバーすることを意図するものである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示は、一般に可視的に異なるパターンを有する弾性シャシーおよびウェストバンドを含む吸収性および衣類の物品などの着用可能な物品に関する。本開示のこうした物品のシャシーおよびウェストバンドは、接着剤なしで物品に貼り付けられる弾性ストランドを含み得る。シャシーおよびウェストバンドの特性の一つまたは複数は、シャシーとウェストバンドの間で視覚的に異なるパターンを生成するために異なるように選択される。潜在的な購入用の物品を評価するための潜在的な着用者は、視覚的に異なるパターンの通知を受け、それによって製品が弾性のシャシーおよび弾性のウェストバンドの両方を有することを容易に理解し得る。潜在的なユーザは、このような物品が、弾性のシャシーおよび弾性のウェストバンドの両方は持たない、または二つの物品領域間の視覚的な差異がない他の製品よりも良好にフィットするというより大きな確信を有し得る。本開示は、弾性ストランドを貼り付けるために接着剤を使用しない材料で視覚的に異なるパターンを生成し得るいくつかの異なる方法を詳述する。
【0030】
それぞれの例および実施形態は、限定ではなく、説明の目的で提供されている。例えば、一つの実施形態または図の一部として図示または記述された特徴は、別の実施形態または図とともに使用して、またさらなる実施形態を生じ得る。従って、本開示の態様はこのような修正および変形を網羅することが意図されている。
【0031】
いくつかの適切な寸法、範囲および/またはさまざまな構成要素、特徴および/または仕様に関する範囲および/または値が開示されているが、当業者であれば、本開示によって引用されるのは、所望の寸法、範囲および/または値が明示的に開示されたものから逸脱し得ることを理解するであろう。
【0032】
本開示またはその好適実施形態の要素を紹介する時、冠詞「a」、「an」、「the」および「said(前述の)」は要素の一つまたは複数があることを意味する。「含む」、「含む」および「有する」という用語は包括的であることを意図し、記載された要素よりも他の追加的要素があり得ることを意味する。本開示の精神および範囲を逸脱することなく、本開示の多くの変更および変形をなし得る。従って、上述の例示的実施形態は本発明の範囲を制限するために使用されるべきでない。
【0033】
用語の定義
「吸収性物品」という用語は本明細書で使用する場合、身体から排出されるさまざまな液体、固体、および半固体の滲出物を吸収および包含するために、着用者の身体に接触して、または着用者の身体に近接して(すなわち、身体と隣接して)配置し得る物品をさす。このような吸収性物品は、再使用のために洗濯またはその他の方法で復元するのではなく、限定された使用期間後は廃棄することが意図されている。本開示は、オムツ、オムツパンツ、トレーニングパンツ、幼児用おむつ、水泳パンツ、生理用パッドまたはパンツを含むがこれに限定されない女性用衛生用品、失禁用製品、大人用おむつ、医療用衣類、手術用パッドおよび包帯、その他のパーソナルケアまたはヘルスケア衣類などを含むがこれらに限定されないさまざまな使い捨て吸収性物品に、本開示の範囲から逸脱することなく適用されることを理解すべきである。
【0034】
「接合」、「付着」、「連結」という用語は本明細書で使用する場合、二つの要素の接合、接着、接続、付着などをさす。二つの要素は、それらが互いに直接的に、または各々が中間要素に直接接合しているときのように互いに間接的に、接合、接着、接続、付着などしているとき、ともに接合、付着、連結されているとみなされるであろう。一つの要素の別の要素との接合、付着、または連結は、連続的または断続的な接合物を介して起こり得る。
【0035】
「カーデッドウェブ」という用語は本明細書で使用する場合、典型的には約100mm未満の繊維長さを有する、天然または合成の繊維長の繊維を含むウェブをさす。ステープル繊維の梱は繊維を分離するための開繊プロセスを受け、カーディングプロセスに送られるが、繊維を分離して梳き、縦方向に整列させた後、さらなる処理のために繊維を移動ワイヤー上に堆積する。このようなウェブは通常、熱および/または圧力を使用する熱接合などの、一部のタイプの接合プロセスを受ける。それに加えて、またはその代わりに、繊維は、粉末接着剤の使用などにより繊維を一緒に接合する接着プロセスを受け得る。カーデッドウェブは、繊維をさらに絡み合わせ、水分交絡などの流体交絡を受けることができ、それによってカーデッドウェブの完全性を改善する。カーデッドウェブは縦方向の繊維整列のために、一旦接合されると典型的には、幅方向強さよりも大きな縦方向強さを有する。
【0036】
「フィルム(film)」という用語は、本明細書において、キャストフィルム押出またはブローンフィルム押出プロセスなどの押出および/または成形プロセスを使用して作られる熱可塑性フィルムをさす。本用語は、液体移動フィルムを構成する有孔フィルム、スリットフィルム、およびその他の多孔性フィルム、ならびにバリアフィルム、充填フィルム、通気性フィルム、および配向フィルムなどであるがこれらに限定されない流体を移動しないフィルムを含む。
【0037】
「gsm」という用語は、本明細書において、平方メートルあたりのグラム数をさす。
【0038】
「親水性(hydrophilic)」という用語は、本明細書において、繊維と接触している水性液体によって濡れる繊維または繊維の表面をさす。材料の濡れの程度は、関与する液体および材料の接触角および表面張力に関して説明され得る。特定の繊維材料または繊維材料の混合物の濡れ性を計測する適切な機器とギ技術は、Cahn SFA-222表面力分析システム、または実質的に同等なシステムによって提供され得る。このシステムで測定する時、90度未満の接触角を有する繊維は「濡れ性」または親水性と呼ばれ、90度より大きな接触角を有する繊維は「非濡れ性(nonwettable)」または疎水性と呼ばれる。
【0039】
本明細書で使用する時、「メルトブローン」という用語は、溶融熱可塑性材料を溶融糸またはフィラメントとして、通常は円形の複数の細いダイスキャピラリーを通して、高速な収束速度の加熱ガス(例えば空気)流中に押出すことによって形成された繊維を意味するが、高速ガス流は溶融熱可塑性材料のフィラメントを希釈して、場合によってはマイクロ繊維の直径までその直径を小さくする。その後、メルトブローン繊維は、高速度ガス流により運ばれ、収集表面上に積層されて不定期に分散されるメルトブローン繊維のウェブを形成する。かかるプロセスは、例えば、Butinらの米国特許第3,849,241号で開示されており、参照により本明細書に組み込まれる。メルトブローン繊維は連続的または断続的であり得るミクロ繊維であり、一般に約0.6デニールよりも小さく、収集表面上に積層された時、粘着性で自己接合し得る。
【0040】
「不織布」という用語は本明細書で使用する場合、織物製織または編組プロセスの助けなしに形成される材料およびウェブ材料をさす。材料およびウェブ材料は、間に差し込むことができるが、編物でのように識別可能な様式ではない個別の繊維、フィラメント、または糸(まとめて「繊維」と呼ばれる)の構造を有し得る。不織布材料またはウェブは、メルトブローンプロセス、スパンボンドプロセス、カーデッドウェブプロセス、水分交絡プロセスなどであるがこれらに限定されない多くのプロセスで形成し得る。
【0041】
「スパンボンド」という用語は本明細書で使用する場合、円形またはその他の形状を有する紡糸口金の複数の細かいキャピラリーからフィラメントとして溶融熱可塑性材料を押出すことによって形成され、次に押出されたフィラメントの直径は、例えば抽出引出しなどの従来型プロセス、および米国特許第4,340,563号(Appelら)、米国特許第3,692,618号(Dorschnerら)、米国特許第3,802,817号(Matsukiら)、米国特許第3,338,992号および第3,341,394号(Kinney)、米国特許第3,502,763号(Hartmann)、米国特許第3,502,538号(Peterson)、および米国特許第3,542,615号(Doboら)に記述されるプロセスによって急激に減少し、これらのそれぞれは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。スパンボンド繊維は一般に連側的であり、しばしば約0.3より大きな平均デニールを有し、一実施形態では約0.6、5、および10~約15、20、および40の間の平均デニールを有する。スパンボンド繊維は、収集表面上に堆積したとき、一般に粘着性はない。
【0042】
材料または物品の一部を描写するため本明細書で使用される場合、「弾性」という用語は、材料または物品が、材料または物品が弾性特性を示すように、弾性材料(例えば、一つまたは複数の弾性バンドまたはストランド)に接合された非弾性シート材料で作製されることを意味する。
【0043】
「熱可塑性(thermoplastic)」という用語は、本明細書において、熱に曝された時に軟化して成形することができ、室温に冷却された時、実質的に非軟化状態に戻る材料をさす。
【0044】
「ユーザ(user)」または「介護者(caregiver)」という用語は、本明細書において、これらの吸収性物品のうちの一つの着用者の周りの、おむつ、おむつパンツ、トレーニングパンツ、幼児用おむつ、失禁用製品、またはその他の吸収性物品などであるがこれらに限定されない吸収性物品に適合する人を指す。ユーザと着用者は、一人の同一人物とすることができる。
【0045】
図1は、本開示による、着用構成に配置された例示的な着用可能な物品10の斜視図である。物品10は、前部ウェストバンド22を含む前部ウェストバンド領域12、前部シャシー領域14、後部シャシー領域18(
図2に見られるような)、および後部ウェストバンド28を含む後部ウェストバンド領域20、ならびに股ぐり領域8を含む。図示されるように、前部および後部シャシー領域14、18は、前部および後部ウェストバンド領域12、20とは視覚的に異なるパターンを含む。例えば、前部および後部ウェストバンド領域12、20は、比較的鮮明な、明確なパターンを含んでもよいが、前部および後部シャシー領域14、18は、比較的区別がつかない、大ざっぱなパターンを含んでもよい。こうした視覚的な差異は、物品10上の別個のシャシー14、18、およびウェストバンド22、28の構成要素の存在を潜在的な着用者に強調表示し得る。両方のこうした構成要素の存在は、物品10が、個別のウェストバンド構成要素を持たない、またはシャシーとウェストバンドの間に視覚的識別がほとんどない物品(従って、ウェストバンド構成要素がこうした物品の一部であるかどうかを識別することが困難な物品)よりも安全におよび/または快適にフィットするという確信を着用者に与え得る。
【0046】
シャシー領域14、18、およびウェストバンド領域12、20は、着用者にとって安全かつ快適なフィットを提供するために弾力性がある。領域12、14、18、および20の弾性特性は、シャシー領域14、18、およびウェストバンド領域12、20全体に配置された弾性ストランド23、24によって形成される。物品10のこれらの弾性ストランド23、24は、接着剤を使用することなく物品10内に固定される。代わりに、弾性ストランド23、24は、前部および後部シャシー領域14、18、および前部および後部ウェストバンド領域12、20全体に形成された接合物の間に閉じ込められる。例えば、弾性ストランド23、24は、前部および後部シャシー領域14、18、および前部および後部ウェストバンド領域12、20の一つまたは複数のウェブ材料の間に延伸された方法で配置され得る。次いで、接合物対は、弾性ストランド23、24に近いが、ストランド23、24の両側に形成される。弾性ストランド23、24が弛緩されると、その直径が非張力の直径に増加する。しかしながら、接合物対の間に配置された弾性ストランド23、24の部分は、直径が増加することが防止され、それによって接合物対の間に捕捉される。弾性ストランド23、24のこれらの閉じ込められた部分は、前部および後部ウェストバンド領域12、20、および前部および後部シャシー領域14、18内の弾性ストランド23、24を貼り付ける。弾性ストランド23、24の閉じ込めは、以下により詳細に説明される。
【0047】
本開示の態様によれば、シャシー領域14、18、および/または前部および後部ウェストバンド領域12、20の一つまたは複数のパラメータを変化させることによって、異なる区別性の視覚的パターンが形成され得ることが分かっている。例えば、隣接する弾性ストランド23、24の間の特定の間隔は、ストランド23、24の異なる設置された伸長が、領域12、14、18、および20の材料、ストランド23、24のデシテックス、および領域12、14、18、および20の材料を接合する接合物のパラメータとともに、任意の視覚パターンの区別性に影響を及ぼすように、任意の視覚パターンの区別性に影響を及ぼすことが分かっている。従って、両方のこうした製品の特徴の存在を潜在的な着用者に強調表示するために、前部および後部シャシー領域14、18と前部および後部ウェストバンド領域12、20との間の異なる視覚的パターンを生成するために、これらのパラメータの変形を組み合わせる本開示の例示的な物品10が、以下に記述される。
【0048】
図1は、考えられる一つの例示的な吸収性物品10のみを描写することを理解するべきである。本開示の意図されたその他の物品は、比較的鮮明な、明確なパターンを含む前部および後部シャシー領域14、18を有してもよく、一方で前部および後部ウェストバンド領域12、20は区別がつかない、大ざっぱなパターンを含む。さらに意図された実施形態は、比較的鮮明な、明確なパターンを含む前部シャシー領域14と区別がつかない、大ざっぱなパターンを含む前部ウェストバンド領域12を有することができ、一方でパターンは後部シャシー領域18、および後部ウェストバンド領域20に対して逆になる。別の方法として、前部ウェストバンド領域12が比較的鮮明な、明確なパターンを含む一方で、前部シャシー領域14は、区別がつかない、大ざっぱなパターンを含んでもよく、またこれらのパターンは、後部シャシー領域18、および後部ウェストバンド領域20に対して逆になってもよい。
【0049】
図2は、完全に開いた、または平坦な構成の
図1の例示的吸収性物品10の真上からの図である。物品10は、長手方向4、および横方向6に延びることができ、前部領域7、股ぐり領域8、および後部領域9に分解することができる。各領域7、8、9は、物品10の全長の3分の1を含み得る。前部領域7、および後部領域9は、前部シャシー領域14、および前部ウェストバンド領域12の少なくとも一部、および後部シャシー領域18、および後部ウェストバンド領域20の少なくとも一部をそれぞれ含んでもよい。異なる領域12、14、18、および20の詳細は、
図3A、および
図3Bに関して以下に詳述する。
【0050】
物品10は、身体に面する表面42、および衣類に面する表面43をさらに含む。物品10が吸収性物品を含む場合、身体に面する表面42は、特に股ぐり領域7全体にわたり、身体側ライナー材料を一般的に含み得る。こうした身体側ライナー材料は、着用者の皮膚を物品10によって保持された液体廃棄物から分離するために使用され得る。一般に、身体側ライナー材料は、合成繊維(例えば、ポリエステルまたはポリプロピレン繊維)、天然繊維(例えば、木または綿の繊維)、天然繊維と合成繊維の組み合わせ、多孔質フォーム、網状フォーム、穴あきプラスチックフィルムなどの材料の幅広い選択から製造できる。適切な材料の例には、レーヨン、木、綿、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、またはその他の熱接着可能繊維、ポリプロピレンおよびポリエチレンの共重合体、直鎖低密度ポリエチレンを含むがこれらに限定されないポリオレフィン、およびポリ乳酸などの脂肪酸エステル、細かい孔の空いたフィルムウェブ、ネット材料、および同種のもの、ならびにこれらの組み合わせが含まれるがこれらに限定されない。
【0051】
さまざまな織布および不織布を身体側ライナー材料に使用できる。身体側ライナー材料は、織布、不織布、ポリマーフィルム、フィルム布積層物、またはこれに類するもの、またこれらの組み合わせを含むことができる。不織布の例には、スパンボンド織物、メルトブローン織物、コフォーム織物、カーデッドウェブ、接合カーデッドウェブ、複合スパンボンド織物、スパンレース、または同種のもの、ならびにこれらの組み合わせが含まれ得る。身体側ライナー材料は単一層構造である必要はなく、従って、織物、フィルム、および/またはウェブの複数の層、ならびにそれらの組み合わせを含み得る。例えば、身体側ライナー材料は、支持層および水分交絡可能な突起層を含み得る。突起層は、USPN9,474,660(Kirbyら)に開示されるものなどの中空突起部を含むことができる。
【0052】
例えば、身体側材料は、ポリオレフィン繊維から構成されるメルトブローンウェブまたはスパンボンドウェブから構成され得る。別の方法として、身体側ライナー材料は、天然繊維および/または合成繊維から構成される接合カーデッドウェブであり得る。身体側ライナー材料は、実質的に疎水性材料から構成されることができ、疎水性材料は、随意に界面活性剤で処理、またはその他の方法で処理して、所望のレベルの濡れ性および親水性を付与し得る。界面活性剤は、スプレー、印刷、はけ塗りまたは同種のものなど、任意の従来的手段で適用することができる。界面活性剤を身体側ライナー材料全体に塗布することも、身体側ライナー材料の特定のセクションに選択的に適用することもできる。
【0053】
さまざまな実施形態で、身体側ライナー材料は不織布の複合ウェブで構成され得る。不織布複合ウェブはスパンボンド複合ウェブまたはボンデッドカーデッド複合ウェブであり得る。複合ステープル繊維の例には、ポリエチレン/ポリプロピレン複合繊維が含まれる。この特定の複合繊維では、ポリプロピレンがコアを形成しポリエチレンが繊維のシースを形成する。本開示の範囲を逸脱することなく、マルチローブ、サイドバイサイド、またはエンドツーエンドなどのその他の配向を有する繊維を使用し得る。一実施形態では、身体側ライナー材料は、約10gsmまたは12gsm~約15gsmまたは20gsmの坪量を有するスパンボンド基材とすることができる。一実施形態では、身体側ライナー材料は、二つのスパンボンド層の間に塗布された10%のメルトブローン含有量を有する12gsmスパンボンド-メルトブローン-スパンボンド基材とすることができる。
【0054】
衣類に面する表面43は一般に、外側カバー材料によって形成され得る。外側カバー材料は、部分的または全体に、通気性および/または液体不透過性であってもよく、また少なくとも一部の部分は、異なる実施形態では弾性的、延伸性、または非延伸性であり得る。外側カバー材料は、一部の実施形態では、単一層で、他の実施形態では、複数の層で構成されてもよく、例えば、外側カバー材料が一つまたは複数の材料の積層体を含む。外側カバー材料は、弾性またはポリマー材料によって提供されるスパンボンド織物、フィルム、メルトブローン織物、弾性ネッティング、マイクロ多孔性ウェブ、接合カーデッドウェブ、および/またはフォームを含み得る。
【0055】
一部の意図された実施形態では、外側カバー材料は、ポリマーフィルムなどの液体不透過性材料の単一層であり得る。さらなる実施形態では、外側カバー材料は、層の少なくとも一つが液体不透過性である多層積層物とすることができる。いくつかの実施形態では、外側カバー材料が、積層接着剤によって一緒に接合され得る外層(図示せず)および内層(図示せず)を含む二層構造であり得る。適切な積層接着剤は、ビーズ、スプレー、平行渦または同種のものとして連続的または断続的に塗布できるが、超音波接合、熱接合、圧力接合などを含むがこれに限定されない他の結合方法によって、内層を外層に接合できることが理解されるべきである。
【0056】
外側カバー材料が複数の層を含む実施形態では、外側カバー材料の外層は、任意の適切な材料とすることができ、また着用者に対して一般的に布状の質感または外観を提供するものとし得る。このような材料の例は、30gsm Sawabond 4185(登録商標)または同等物など、Sandler A.G.(ドイツ)から入手可能であるひし形接合物パターンを有する100%ポリプロピレン接合カーデッドウェブであり得る。外側カバー18の外層としての使用に適した材料の別の例は、20gsmスパンボンドポリプロピレン不織布ウェブであり得る。外層はまた、本明細書で説明したように、身体側ライナー材料を構成することができる同一材料で構成されてもよく、また内層が蒸気浸透性である場合には、尿の蒸発を高めるために開口し得る。いくつかの実施形態では、外側カバー材料、または外側カバー材料が多層構造である外側カバー材料の少なくとも外層は、エンボス加工および/またはマット仕上がりで、より布様の質感または外観を提供することができる。
【0057】
外側カバー材料の内層(または外側カバー材料が単層構造である液体不透過性の外側カバー材料)の少なくとも一つは、液体不透過性であり、蒸気透過性(すなわち「通気性」)または蒸気不透過性のいずれかであり得る。液体不透過性の内層(または外側カバー材料が単一層構造の液体不透過性の外側カバー材料)は、薄いプラスチックフィルムから製造され得る。液体不透過性の内層(または外側カバー材料が単層構造である液体不透過性の外側カバー材料)は、液体身体滲出物が、吸収性物品10、および湿潤物品(ベッドシート、および衣類など)ならびに着用者および介護者から漏出するのを阻害することができる。一部の特定の例として、外側カバー材料は、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどの微孔性ポリマーフィルム、または被覆されたまたは別の方法で処理されて望ましいレベルの液体不透過性を与えるように構成され得る不織布材料から構成される。
【0058】
物品10が使い捨て吸収性物品である実施形態では、物品10はさらに、身体に面する表面42と衣類に面する表面43との間に配置された吸収体16を含む。吸収体16は、一般的に圧縮性、適合性、柔軟性、着用者の皮膚への無刺激性、および液体身体滲出物を吸収および保持する能力を有するように構築され得る。吸収体16は、幅広いサイズおよび形状(例えば、長方形、台形、T字形状、I字形状、砂時計形状など)および幅広い材料から製造できる。吸収体16のサイズおよび吸収容量は、意図される着用者(乳児から成人)のサイズ、および吸収性物品10の意図された使用によって与えられる液体負荷と互換性があるべきである。吸収体16は、吸収性物品10の長さおよび幅と同じかまたはそれと等しい長さおよび幅を有し得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、吸収体16は、親水性繊維、セルロース系繊維(例えば、木材パルプ繊維)、天然繊維、合成繊維、織布または不織布シート、スクリム・ネットまたは他の安定化構造材、超吸収性材料、結合材料、界面活性剤、選択された疎水性および親水性材料、顔料、ローション、香り制御剤、または類似品、ならびに、これらの組み合わせのウェブ材料から構成され得る。少なくとも一つの実施形態では、吸収体16は、セルロース系の綿毛および超吸収性材料のマトリックスであり得る。さまざまな実施形態では、吸収体16は、材料の単一層で構成されてもよく、または代替的に、材料の二つ以上の層で構成され得る。
【0060】
さまざまなタイプの濡れ性のある親水性繊維を、吸収体16に使用できる。適切な繊維の例には、天然繊維、セルロース繊維、レーヨン繊維などのセルロースまたはセルロース誘導体で構成されている合成繊維、ガラス繊維などの本質的に濡れ性材料で構成される無機繊維、特定のポリエステルまたはポリアミド繊維などの本質的に濡れ性の熱可塑性ポリマーから作られた、または適切な手段で親水化されたポリオレフィン繊維などの非濡れ性熱可塑性ポリマーで構成されている合成繊維を含む。繊維は、例えば、界面活性剤による処理、シリカによる処理、適切な親水性部分を有し、繊維から容易に除去されない材料による処理によって、または繊維の形成中または形成後に、非濡れ性の疎水性繊維を親水性ポリマーで被覆することにより、親水化されていてもよい。超吸収性材料は、天然、合成、および改質天然ポリマーおよび材料とすることができる。さらに、超吸収性材料は、シリカゲルなどの無機材料、または架橋ポリマーなどの有機化合物とすることができる。一実施形態では、吸収体16は、超吸収性材料を含まないことができ、または代替の実施形態では、全て超吸収性材料からなることができる。
【0061】
図1、および
図2に図示した物品10は、三片構造構成を含む。例えば、前部シャシー領域14、および前部ウェストバンド領域12は、前部ウェストパネルを形成し、一方で後部シャシー領域18、および後部ウェストバンド領域20は、後部ウェストパネルを形成する。物品10はさらに、前部ウェストパネルと後部ウェストパネルとの間に延びる吸収性パネル40を含む。吸収性パネル40は、第1横側縁部51、および第2横側縁部52を有してもよく、前部ウェストパネル、および後部ウェストパネルに重なり得る。吸収性パネル40は、前部ウェストパネルおよび後部ウェストパネルに接着されて、三片構造を画定することができる。しかしながら、前部ウェストパネルおよび後部ウェストパネルが、吸収性パネル40を包み、または吸収性パネル40の衣類側を単にカバーすることができる、身体側ライナーおよび/または外側カバーなどウェストパネルを形成する通常接続された構成要素によって、互いに統合されるので、吸収性物品は、ときどき、一片構造(図示せず)とも称される、三片構造衣類でないCDプロセスで製造できることが意図されている。しかし、本開示によって意図される異なる視覚パターンを有する記述された弾性領域を有する物品は、任意の適切な方法に従って形成され得る。CDプロセスは、本開示のそのような物品10を形成するための一つの意図された方法にすぎない。
【0062】
図3Aは、前部ウェストバンド領域12、および前部シャシー領域14にわたり、線3-3に沿って見た
図1の物品10の例示的な断面図を示す。
図3Aの実施形態では、前部シャシー領域14は、長手方向4に延在することがわかり、外側前部シャシーウェブ材料31、および内側前部シャシーウェブ材料33を含み、その間に配置された弾性ストランド23を有する。
図3Aの実施形態では、前部ウェストバンド領域12は、同じ外側前部シャシーウェブ材料31、および同じ内側前部シャシーウェブ材料33を含むが、その間に配置された弾性ストランド24を有する。図示しないが、後部シャシー領域18、および後部ウェストバンド領域20は、以下に説明するように、それぞれ前部シャシー領域14、および前部ウェストバンド領域12と同様の方法で構成され得る。
【0063】
図3Aの実施形態では、前部ウェスト縁部13は、外側前部シャシーウェブ材料31が、長手方向寸法において内側前部シャシーウェブ材料33より長く、内側前部シャシーウェブ材料33上に折り畳まれ、取り付け領域19にわたり内側前部シャシーウェブ材料33の内側表面34に接合されている折り畳み17によって形成される。取り付け領域19は、接着剤によって、または例えば熱、圧力、および/または超音波エネルギーによって、外側前部シャシーウェブ材料31の内側前部シャシーウェブ材料33への直接接合によって、形成され得る。しかしながら、その他の実施形態では、内側前部シャシーウェブ材料33は、外側前部シャシーウェブ材料31よりも長くてもよく、また折り畳み17は、内側前部シャシーウェブ材料33を外側前部シャシーウェブ材料31の上に折り畳み、内側前部シャシーウェブ材料33を外側前部シャシーウェブ材料31の外側表面32に接合することによって形成され得ることが理解されるべきである。さらに他の実施形態では、前部ウェスト縁部13は任意の折り畳みで形成されなくてもよい。むしろ、外側前部シャシーウェブ材料31、および内側前部シャシーウェブ材料33は、長さにおいてほぼ等しくてもよく、内側前部シャシーウェブ材料33の外側表面36は、例えば、接着剤によって、または熱、圧力、および/または超音波エネルギーによって、外側前部シャシーウェブ材料31の内側表面35に接合され得る。
【0064】
一般に、外側前部シャシーウェブ材料31、および内側前部シャシーウェブ材料33は、シャシー、およびウェストバンド、または衣類、および吸収性物品のその他任意の身体接触部分での使用に適した任意の材料で構成され得る。一部の特定の実施形態では、ウェブ材料31、33は、身体側ライナー材料および/または外側カバー材料に関連して上述した任意の適切なウェブ材料を含み得る。ウェブ材料31、33は、同じ材料または異なる材料で構成され得る。さらに、
図3Aおよび
図3Bにおいて単一層として示されているが、ウェブ材料31、33のそれぞれは、異なる意図された実施形態において、単一層、複数層、積層体などを含み得る。
【0065】
ウェブ材料31、33の例示的な適切なクラスの材料は、合成繊維(例えば、ポリエステルまたはポリプロピレン繊維)、天然繊維(例えば、木または綿繊維)、天然繊維と合成繊維の組み合わせ、多孔質フォーム、網状フォーム、穴あきプラスチックフィルム、または同種のものなどを含む。適切な材料の例には、レーヨン、木、綿、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、またはその他の熱接着可能繊維、ポリプロピレンおよびポリエチレンの共重合体、直鎖低密度ポリエチレンを含むがこれらに限定されないポリオレフィン、およびポリ乳酸などの脂肪酸エステル、細かい孔の空いたフィルムウェブ、ネット材料、および同種のもの、ならびにこれらの組み合わせが含まれるがこれらに限定されない。
【0066】
さらに、ウェブ材料31、33にさまざまな織布および不織布を使用できる。ウェブ材料31、33は、織布、不織布、ポリマーフィルム、フィルム布積層物またはこれに類するもの、ならびにそれらの組み合わせを含み得る。不織布の例には、スパンボンド織物、メルトブローン織物、コフォーム織物、カーデッドウェブ、接合カーデッドウェブ、複合スパンボンド織物、スパンレース、または同種のもの、ならびにこれらの組み合わせが含まれ得る。
【0067】
例えば、ウェブ材料31、33は、ポリオレフィン繊維のメルトブローンウェブまたはスパンボンドウェブから構成され得る。別の方法として、ウェブ材料31、33は、天然繊維および/または合成繊維から構成される接合カーデッドウェブであり得る。ウェブ材料31、33は、実質的に疎水性材料から構成されることができ、疎水性材料は、随意に界面活性剤で処理それともまたはその他の方法で処理して、所望のレベルの濡れ性および親水性を付与し得る。界面活性剤は、スプレー、印刷、はけ塗りまたは同種のものなど、任意の従来的手段で適用することができる。界面活性剤は、ウェブ材料31、33の全体に適用、またはウェブ材料31、33の特定部分に選択的に適用することができる。ウェブ材料31、33に適した一部の特定の例示的材料は、5~150gsmの範囲の100%ポリプロピレン接合カーデッドウェブを含む。その他の例示的な適切な材料には、5~150gsmの範囲のスパンボンドポリプロピレン不織布ウェブが含まれる。特に優先的な実施形態では、坪量は5~30gsmの範囲内であり得る。さらに他の例示的材料は、150gsmを超える坪量を有し得る。
【0068】
一実施形態では、ウェブ材料31、33は、不織布の複合ウェブで構成され得る。不織布複合ウェブはスパンボンド複合ウェブまたはボンデッドカーデッド複合ウェブであり得る。複合ステープル繊維の例には、ポリエチレン/ポリプロピレン複合繊維が含まれる。この特定の複合繊維では、ポリプロピレンがコアを形成しポリエチレンが繊維のシースを形成する。本開示の範囲を逸脱することなく、マルチローブ、サイドバイサイド、またはエンドツーエンドなどのその他の配向を有する繊維を使用し得る。一実施形態では、ウェブ材料31、33は、約8~約50gsmの坪量でスパンボンド基材とすることができる。一実施形態では、ウェブ材料31、33は12gsmスパンボンド-メルトブローン-スパンボンド基材とすることができる。別の実施形態では、ウェブ材料31、33は、8gsmスパンボンド-メルトブローン-スパンボンド基材であり得る。
【0069】
弾性ストランド23、24の適切な弾性材料には、スパンデックス弾性ストランド、天然ゴムまたは合成ゴムのストランド、熱可塑性弾性材料、または熱活性化弾性材料が含まれ得るが、これらに限定されない。弾性ストランド23、24は、少なくとも約50パーセント、望ましくは約350パーセント伸長することができ、および約300パーセントの伸長後に元の長さの少なくとも約250パーセント以内に回復可能であり、望ましくは約150パーセント以内に回復できる任意の弾性材料であり得る。弾性ストランド23、24は、スパンデックス弾性ストランド、またはLYCRAなどのポリウレタン系合成繊維であり得る。あるいは、弾性ストランド23、24は、熱可塑性エラストマ、または天然もしくは合成ゴム、またはさらに、弾性ストランド23、24がウェブ材料31、33の間に配置され、ウェブ材料31、33は互いに接合された後、熱処理で活性化できる熱活性化弾性材料で構成され得る。一般に、任意の適切な弾性材料は、ストランド23、24のために使用され得る。少なくとも一部の実施形態では、弾性ストランドは、約10デニール~約1500デニールの範囲の直径を有し得る。
【0070】
前部シャシー領域14、および前部ウェストバンド領域12は、物品10の前部領域7内の弾性ストランド23、24の数、および位置によって画定され得る。本開示の実施形態では、前部ウェストバンド領域12は、弾性ストランド24として標識される前部ウェスト縁部13に長手方向において最も近くに配置された四つの弾性ストランドを含む。前部シャシー領域14は、弾性ストランド23として標識される吸収性物品10の前部領域7内に配置された弾性ストランドの残りの部分を含む。これらの定義は、後部シャシー領域18、および後部ウェストバンド領域20にも同様である。
【0071】
前述のように、前部ウェストバンド領域12と前部シャシー領域14との間で視覚的に区別するために、一つまたは複数のパラメータが二つの領域12、14間で異なってもよい。
図3Aの実施例では、領域12、14の間で異なる一つのパラメータが、各領域12、14内のストランド23、24の長手方向の間隔であることがわかる。例えば、前部シャシー領域14は、第1の長手方向の間隔37を有する弾性ストランド23を含み、一方で前部ウェストバンド領域12は、第1の長手方向の間隔37とは異なる第2の長手方向の間隔38を有する弾性ストランド24を含む。こうした実施形態では、前部ウェストバンド領域12は、より鮮明な、より明確なパターンを含んでもよく、一方で前部シャシー領域14はより区別がつかない、大ざっぱなパターンを含む。領域12、14内のストランド23、24のそれぞれの間の間隔は、同じである必要はないことが理解されるべきである。むしろ、第1の長手方向の間隔37、および第2の長手方向の間隔38は、領域12、14のそれぞれ内のストランド23、24の間の長手方向の間隔の全ての平均を表し得る。例えば、長手方向の間隔測定値は、前部ウェストバンド領域12の中の各隣接するストランド24の間に取られてもよい。次に、第2の長手方向の間隔パラメータ38は、これらの集合された長手方向の測定値の平均とし得る。この第2の長手方向の間隔パラメータ38は、前部シャシー領域14と同じ方法で形成される第1の長手方向の間隔パラメータ37と比較され得る。
【0072】
より鮮明な、より明確なパターンは、弾性ストランド間の間隔が、8mm未満、または、より好ましくは7.5mm未満、より好ましくは7mm未満、より好ましくは6.5mm未満、より好ましくは6mm未満、より好ましくは5.5mm未満、より好ましくは5mm未満、より好ましくは4.5mm未満、およびさらにより好ましくは4mm未満であるとき製造されることが分かっている。従って、前部ウェストバンド領域12がより鮮明で、より明確なパターンを含む実施形態では、第2の長手方向の間隔38は上述の間隔のいずれかであり得る。さらに、領域12、14の間のより大きな視覚的区別を生成するために、第1の長手方向の間隔37は、第2の長手方向の間隔38よりも、少なくとも1mm、または、より好ましくは少なくとも1.5mm、または、より好ましくは少なくとも2mm、または、より好ましくは少なくとも2.5mm、または、より好ましくは少なくとも3mm、または、より好ましくは少なくとも3.5mm、または、より好ましくは少なくとも4mm、または、さらにより好ましくは少なくとも4.5mm、大きくなければならないことが見出される。
【0073】
ストランド23、24の間の変動した長手方向の間隔を有する代替として、ストランド23、24の設置された伸長は、領域12、14の間の視覚的に異なるパターンを生成するために変化し得る。設置された伸長は、ストランドが物品10、または物品10の前駆体構成要素に適用された時にストランドが歪んでいる歪量の測定値である。例えば、150mmまで延伸された弾性ストランドの100mmの長さは、50%(((150/100)-1)×100%)の設置された伸長を有する。ストランド23、24などの弾性ストランドのより大きい設置された伸長は、区別がつかない、大ざっぱな視覚パターンを生成することが分かっている。従って、前部ウェストバンド領域12がより鮮明でより明確なパターンを含む場合、弾性ストランド24は、より区別がつかない、大ざっぱなパターンを含む前部シャシー領域14の弾性ストランド23よりも小さい設置された伸長を有し得る。
【0074】
より区別がつかない、大ざっぱなパターンは、少なくとも150%以上、またはより好ましくは少なくとも175%以上、またはより好ましくは少なくとも200%以上、またはより好ましくは少なくとも225%以上またはより好ましくは少なくとも250%以上、またはさらにより好ましくは少なくとも300%以上、の設置された伸長を有するストランドを用いて達成することができることが分かっている。従って、前部シャシー領域14が、より鮮明で、より明確なパターンを含む場合、弾性ストランド23は、上述の設置された伸長のいずれかを有し得る。さらに、前部ウェストバンド領域12と前部シャシー領域14との間のより視覚的な識別を生成するために、前部シャシー領域14の弾性ストランド23は、弾性ストランド24の設置された伸長よりも、少なくとも25%、よりも好ましくは少なくとも50%、よりも好ましくは少なくとも75%、よりも好ましくは少なくとも100%、よりも好ましくは少なくとも125%、よりも好ましくは少なくとも150%、よりも好ましくは少なくとも200%、大きい設置された伸長を有し得る。また、弾性ストランド23、24のそれぞれは、領域12、14内の他のストランド23、24のそれぞれと同じ設置された伸長を有する必要はないことも理解されるべきである。むしろ、領域12、14の間のストランド23、24の設置された伸長値を比較するとき、平均的な設置された伸長指標が使用され得る。例えば、前部ウェストバンド領域12内のストランド24のそれぞれの設置された伸長が、平均化されてもよく、また前部シャシー領域14内のストランド23のそれぞれの設置された伸長が、平均化され得る。次に、これらの平均化された設置された伸長は、領域12、14のどちらが、より大きいまたは小さい平均的な設置された伸長を有するかを決定するために比較され得る。
【0075】
もちろん、前部ウェストバンド領域12がより鮮明で、より明確なパターンを含む少なくとも一部の意図された実施形態では、前部ウェストバンド領域12のストランド24は、ストランド23の長手方向の間隔37よりも小さい長手方向の間隔38、およびストランド23の設置された伸長よりも小さい設置された伸長の両方を有し得る。しかしながら、さらなる実施形態では、ストランド24は、ストランド23の間隔37よりも小さいストランド間隔38であるが、大きい設置された伸長、またはストランド間隔37よりも大きいストランド間隔38であるが、より小さい設置された伸長を有し得る。このような実施形態では、ストランド間隔37、38およびストランド23、24の設置された伸長の間の差の量は、より鮮明な、より明確なパターンを有する前部ウェストバンド領域12、およびより区別がつかない、大ざっぱなパターンを有する前部シャシー領域14の望ましい視覚的効果を生成するように選択され得る。
【0076】
ストランド23、24の間の変動した長手方向の間隔または設置された伸長を有する代替として、ストランド23、24のデシテックスは、領域12、14の間の視覚的に異なるパターンを生成するために変化し得る。他のパラメータが一定に保持される場合、より大きいデシテックスが、より鮮明で、より明確なパターンを許容することが分かっている。従って、前部ウェストバンド領域12が、より鮮明で、より明確なパターンを含んでいる場合、弾性ストランド24は、所与のストランド間隔と設置された伸長でより鮮明で、より明確なパターンを生成するため、比較的大きいデシテックスを有してもよく、一方、ストランド23は、所与のストランド間隔と設置された伸長で、より区別がつかない、大ざっぱなパターンを生成する比較的小さいデシテックスを有する。
【0077】
より鮮明で、より明確なパターンが、約470より大きい、より好ましくは約545より大きい、より好ましくは約620より大きい、より好ましくは約695より大きい、より好ましくは約770より大きい、より好ましくは約845より大きい、より好ましくは約920より大きい、さらにより好ましくは約995より大きい、デシテックスを有するストランドで達成できることが分かっている。従って、前部ウェストバンド領域12がより鮮明で、より明確なパターンを含む場合、弾性ストランド24は、上述のデシテックスのいずれかを有し得る。さらに、前部ウェストバンド領域12と前部シャシー領域14との間のより視覚的な区別を生成するために、前部シャシー領域14の弾性ストランド23は、ストランド24のデシテックスよりも、少なくとも50、または、より好ましくは少なくとも100、または、より好ましくは少なくとも150、または、より好ましくは少なくとも200、または、より好ましくは少なくとも250、または、より好ましくは少なくとも300、または、より好ましくは少なくとも350、または、より好ましくは少なくとも400、または、さらにより好ましくは少なくとも450、大きいデシテックス有し得る。また、弾性ストランド23、24のそれぞれは、領域12、14内の他のストランド23、24のそれぞれと同じデシテックスを有する必要はないことも理解されるべきである。むしろ、領域12、14の間のストランド23、24のデシテックス値を比較するとき、平均デシテックス値が各領域に使用され得る。領域12、14のこれらの平均デシテックス値は、前部ウェストバンド領域12内の全てのストランド24のデシテックス値の平均と、前部シャシー領域14内の全てのストランド23のデシテックス値の平均とを含み得る。
【0078】
もちろん、前部ウェストバンド領域12がより鮮明で、より明確なパターンを含む少なくとも一部の考えられる実施形態では、前部ウェストバンド領域12のストランド24は、領域14におけるストランド23の長手方向の間隔37よりも小さい長手方向の間隔38、ストランド23の設置された伸長よりも小さい設置された伸長の全てを有してもよく、ストランド24は、ストランド23よりも大きいデシテックスを有し得る。しかしながら、さらなる実施形態において、ストランド24は、ストランド23よりも大きい設置された伸長であるが、より大きいデシテックス、またはより小さいデシテックスであるが、より小さい設置された伸長を有し得る。さらなる実施形態において、ストランド24は、ストランド23のストランド間隔37よりも小さいストランド間隔38であるが、より小さいデシテックス、またはストランド23よりもより大きいストランド間隔38であるが、より大きいストランドデシテックスを有し得る。さらに他の意図された実施形態では、ストランド24は、ストランド23の間隔37よりも大きい間隔38、ストランド23よりも大きい設置された伸長であるが、またより大きいデシテックスを有し得る。別の方法として、ストランド24は、ストランド23の間隔37よりも大きい間隔38、ストランド23よりも小さいデシテックスであるが、ストランド23よりも小さい設置された伸長を有し得る。さらにより代替的な実施形態では、ストランド24は、ストランド23の間隔37よりも小さい間隔38であるが、ストランド23よりもより大きい設置された伸長、およびより小さいデシテックスを有し得る。これらの実施形態のいずれかにおいて、ストランド23、24のストランド間隔37、38、設置された伸長、およびデシテックスの間の差の量は、より鮮明で、より明確なパターンを有する前部ウェストバンド領域12、およびより区別がつかない、大ざっぱなパターンを有する前部シャシー領域14の望ましい視覚的効果を生成するように選択され得る。
【0079】
本開示の一部の意図された実施形態では、前部シャシー領域14が、より鮮明な、より明確なパターンを含み、および前部ウェストバンド領域12が、より区別がつかない、大ざっぱなパターンを含むことがより好ましくてもよい。そのような実施形態では、前部ウェストバンド領域12が、より鮮明で、より明確なパターンを含み、前部シャシー領域14が、より区別がつかない、大ざっぱなパターンを含む実施形態に関連して前述したストランド間隔37、38、設置された伸長、および/またはデシテックスの構成全てが逆転され得る。例えば、前部シャシー領域14は、比較的より鮮明な、より明確なパターンを生成するストランド間隔37、38、設置された伸長、および/またはストランドデシテックスの上記の構成のいずれかを含み得る。一方、前部ウェストバンド領域12は、より区別がつかない、大ざっぱなパターンを生成するストランド間隔37、38、設置された伸長、および/またはストランドデシテックスの上記の構成のいずれかを含み得る。さらに別の実施形態では、
図1に関して説明したように、前部シャシー領域14が、より鮮明で、より明確なパターンを含み、後部シャシー領域18が、より区別がつかない、大ざっぱなパターンを含むように、前部シャシー領域14のストランド間隔37、38、設置された伸長、および/またはストランドデシテックスの構成は、後部シャシー領域18と異なってもよい。逆は、他の実施形態において当てはまることができる。さらに、前部ウェストバンド領域12が、より鮮明で、より明確なパターンを含み、後部ウェストバンド領域20が、より区別がつかない、大ざっぱなパターンを含むように、前部ウェストバンド領域12のストランド間隔37、38、設置された伸長、および/またはストランドデシテックスの構成は、後部ウェストバンド領域20とは異なり得る。逆は、他の実施形態において当てはまることができる。前部ウェストバンド領域12、前部シャシー領域14、後部シャシー領域18、および後部ウェストバンド領域20のどれが、より鮮明で、より明確なパターンを含み、どれが、より区別がつかない、大ざっぱなパターンを含むかの全ての組み合わせが、本開示によって意図される。
【0080】
図3Bは、前部ウェストバンド領域12、および前部シャシー領域14にわたり、線3-3に沿って見た
図1の物品10の代替的な例示的断面図を示す。
図3Aの実施形態とは対照的に、
図3Bの実施形態は、前部シャシー領域14とは別個に形成される前部ウェストバンド構成要素21を含む前部ウェストバンド領域12を示す。ウェストバンド構成要素21は、前部ウェストバンド構成要素21を内側ウェブ材料33の内側表面34に取り付ける取り付け領域19にわたり、前部シャシー領域14に結合される。取り付け領域19は、接着剤を含んでもよく、または前部ウェストバンド構成要素21は、取り付け領域19を形成するために、熱、圧力、または超音波エネルギーを使用して内側ウェブ材料33に直接取り付けられてもよい。
【0081】
別個の構成要素として、前部ウェストバンド構成要素21は、
図3Bに示すように、弾性ストランド24をサンドイッチするために折り畳まれた単一の前部ウェストバンドウェブ材料25から成り得る。別の方法として、前部ウェストバンド構成要素21は、内側前部ウェストバンドウェブ材料および第2の前部ウェストバンド材料から成り得る。これらの実施形態のいずれにおいても、前部ウェストバンド構成要素21は、前述のとおり、弾性ストランド24がその間に配置され、弾性ストランド24を接合物で閉じ込めた状態で、例えば、単一の前部ウェストバンドウェブ材料25をそれ自体に接合することにより(または内側前部ウェストバンドウェブ材料と第2の前部ウェストバンド材料を接着する)、接着剤を使用することなく形成され得る。従って、前部ウェストバンド領域12、および前部シャシー領域14(および後部シャシー領域18、および後部ウェストバンド領域20)は、
図3Aに関連して前述した実施形態のいずれかと同じ方法で視覚的に異なるパターンを有するように構成され得る。
【0082】
図4は、後部シャシー領域18、および後部ウェストバンド20の
図2の領域44の拡大図を示し、
図1、および
図2に示される視覚的パターンを生成するために使用できる一つの特定の接合物パターンを詳述する。
図1~
図3Bに関連して上述したように、後部シャシー領域18、および後部ウェストバンド領域20の構造は、前部シャシー領域14、および前部ウェストバンド領域12に類似または鏡像関係にあり得る。従って、
図4は、ストランド23、24の非閉じ込められた部分81、および閉じ込められた部分82を含む、領域18、20にわたって延在し、その領域に弾性特性を提供する弾性ストランド23、24を示す。
【0083】
シャシー、およびウェストバンド領域12、14、18、および20を形成するために、弾性ストランド23、24が、ストランド23、24が内側、および外側ウェブ材料31、33、および/または71、73の間に位置付けられる前に、またはそのときに延伸され得る。弾性ストランド23、24は、非張力の外径を有してもよく、また弾性ストランド23、24の外径は、ストランド23、24が延伸されると減少し得る。従って、ストランド23、24が、内側および外側ウェブ材料31、33および/または71、73との間に配置される前または配置される時点では、弾性ストランド23、24は、非張力の外径より小さい外径を有し得る。
【0084】
この延伸状態において、接合物50の少なくとも一部は、延伸弾性ストランド23、24の両側に配置され、弾性ストランド23、24にわたって、長手方向距離57だけ長手方向4に離間し得る。いくつかの実施形態では、長手方向距離57は、接合物50が、延伸弾性ストランド23、24の両側に形成される時点でのストランド23、24の外径とほぼ等しくてもよい。その他の実施形態では、長手方向距離57は、接合物50が延伸弾性ストランド23、24の両側に形成される時点でストランド23、24の外径よりも大きいが、弾性ストランド23、24の非張力の直径の外径より小さくてもよい。延伸弾性ストランド23、24の両側に形成される接合物50の対は、本明細書では接合物対と呼ばれるものを形成し得る。こうした接合物対は、ストランド23、24のうちの一つがその間に延在する接合物50の長手方向に隣接する接合物を含む。これらの接合物対は、ストランド23、24を「閉じ込める」接合物を形成し、それによってそれらをウェブ材料71、73(および前部領域7の31、33)に貼り付ける。
【0085】
弾性ストランド23、24が弛緩することができるので、弾性ストランド23、24の外径は一般的に、非張力の外径に向かって戻り増加する。しかしながら、
図4でわかるように、この膨張は、接合物対を形成する接合物50の対によって、弾性ストランド23、24の閉じ込められた部分82に抑制され、故に接合物対の接合物50が、ストランド23、24の非張力の直径より小さい長手方向距離だけ、ストランド23、24にわたって位置付けられる。弾性ストランド23、24が延伸状態から弛緩し収縮すると、弾性ストランド23、24の非閉じ込められた部分81は、長手方向4内で拡張(例えば、弾性ストランド23、24の外径が増加する)し、非閉じ込められた部分81内の拡張した外径83を有する弾性ストランド23、24を有する
図4に示される構造を得る。
【0086】
いくつかの実施形態において、拡張直径83は、弾性ストランド23、24の非張力の直径と同じであり得るが、その他の実施形態ではそうではなくてもよい。例えば、弾性ストランド23、24を形成するために使用される弾性材料のタイプの特定の構成、成形プロセス中の弾性ストランド23、24の伸長量、および接合物対の接合物50間の長手方向距離57において、および横方向に隣接した接合物50間の横方向距離において、細長く延びた弾性ストランド23、24に関係した接合物対の接合物50の位置は、弾性ストランド23、24の直径が、非閉じ込められた部分81において、それらの非張力の直径までもどって、伸長することを防止し得る。従って、いくつかの実施形態では、弾性ストランド23、24の少なくとも幾つかの非閉じ込められた部分81の拡張直径83は、非張力の直径よりも小さくてもよい。
【0087】
接合物50は、熱/加熱接合、超音波接合、圧力接合、またはその他の公知の接合技術など、任意の適切な接合技術を通して形成され得る。一般に、以下でより詳細に説明されるように、接合物50は、パターン構成要素および滑らかな構成要素を使用することで形成され得る。接合物50を形成するために、ウェブ材料31、33、および/または71、73は、その間に配置された弾性ストランド23、24とともに、パターン構成要素と弾性ストランド23、24の任意の特徴との間の適切な整列を有するパターン構成要素と滑らかな構成要素との間に位置付けられる。例えば、弾性ストランド23、24は、パターン構成要素の隆起した突出部の間に位置付けられ得る。
【0088】
熱接合、圧力接合、または回転式超音波接合技術が接合物50を形成するために使用される場合、パターン構成要素および滑らかな構成要素はそれぞれパターンロールおよび滑らかなロールであり得る。こうした実施形態では、パターンロールは、パターンロールの表面から突出するいくつかの隆起部分を含み得る。隆起部分は、本開示の弾性材料の異なる実施形態に示されるように、接合物50の形状およびパターンロールの表面上に整列されて、接合物50の長手方向および緯度整列を生成し得る。滑らかなロールは、一般に滑らかな外側表面を有する固体ロールであり得る。
【0089】
接合物50を形成するために使用され得る熱接合技術は、パターンロールの隆起部分を約70℃~約340℃に加熱することを含み得る。一般に、接合物50が形成されたとき、加熱レベルは弾性ストランド23、24の溶融をもたらす加熱未満であるべきである。隆起部分は適切な温度でありつつ、パターンロールは、層31、33/およびまたは71、73、および弾性ストランド23、24がロールの間に位置付けられた状態で、滑らかなロール上に押し付けられ得る。いくつかの実施例として、このような実施形態において、接合物50を形成するために使用されるニップ圧力(ヘルツ接触圧力)は、約500Kpa~約2,750Kpaでありえ、層31、33/およびまたは71、73、および弾性ストランド23、24は、約100リニアメートル/分(mpm)~約350(mpm)の間のパターンおよびアンビルロールを通過し得る。もちろん、他の実施形態では、その他の適切な値を使用し得る。
【0090】
接合物50を形成するために使用され得る回転式超音波接合技術は、接合物50を形成するために超音波エネルギーを使用し得る。例えば、層31、33/およびまたは71、73、および弾性ストランド23、24が、回転式超音波接合機のパターンロールと滑らかなロールの間を通過する場合、滑らかなロールは約20,000Hz~約50,000Hzの周波数で振動され、層31、33/およびまたは71、73の内部加熱を、層31、33/およびまたは71、73がともに溶融して接合物50を形成する範囲であるようにする。
【0091】
接合物50を形成するために使用され得る圧力接合技術は、パターンロールの隆起部分に外部熱を適用する必要がないことを除いて、上述の熱接合技術と類似し得る。しかしながら、隆起部分を周囲温度でのみ補正するために、接合物50を形成するためにパターンロールおよび滑らかなロールにかけられるニップ圧力(ヘルツ接触圧力)が大きく増大する必要がある。いくつかの実施例では、ニップ圧力(ヘルツ接触圧力)は、約500MPa~約1500MPaであってもよく、一方で層31、33/およびまたは71、73、および弾性ストランド23、24は、約150mpm~450mpmでパターンロールとアンビルロールの間を通過する。もちろん、他の実施形態では、その他の適切な値を使用し得る。
【0092】
接合物50を形成するために使用され得る非回転式超音波接合技術では、パターン要素およびアンビル要素は、滑らかな超音波ホーンおよびパターンアンビルであり得る。こうした実施形態では、アンビル構成要素は隆起部分を有する一方、超音波ホーンは概して滑らかな表面を有する。回転式超音波技術と同様に、超音波ホーンは、層31、33/およびまたは71、73、および弾性ストランド23、24が超音波ホーンとパターンアンビルの間を通過するとき、約20,000Hz~約50,000Hzの周波数で振動され得る。この超音波エネルギー印加により、層31、33/およびまたは71、73の内部加熱を、層31、33/およびまたは71、73が共に溶融し、接合物50を形成する範囲に生じさせる。
【0093】
一般に、こうした熱接合技術、超音波接合技術、および圧力接合技術は公知の技術である。異なる技術について説明したパラメータは、例示的な適切なパラメータにすぎないことが理解されるべきである。記述された技術は、当技術分野で公知の、その他の適切なパラメータで動作するこうした技術を使用して、接合物50を形成するために使用され得る。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる「METHOD AND APPARATUS FOR BONDING」と題された国際出願WO2010/068150は、多くの異なるパラメータを使用して本開示に記載される接合物パターンの接合物50を形成するために使用され得る圧力接合を実施するための方法および装置を詳述する。さらに、接合物50が形成される異なる方法は、接合物の異なる強さをもたらす可能性があることは別として、結果として得られる弾性材料の構造には明確に影響を与えない。しかしながら、こうした公知の技術の全ては、破壊することなく接合物間に位置付けられた弾性ストランドの拡張に抵抗するのに十分強い接合物を生成することができる。従って、接合物50は、本開示の範囲から逸脱することなく、任意の公知の接合技術に従って形成され得る。
【0094】
図4は、外側後部シャシーウェブ材料71と内側後部シャシーウェブ材料73を一緒に接合し、またストランド23、24をウェブ材料71、73間に閉じ込める接合物50の詳細をさらに図示する。例えば、接合物50はそれぞれ、第1の辺部61、第1の辺部61の反対側の第2の辺部62、上部分63、および上部分63の反対側の底部64を含み得る。接合物50が一般的に直線的に延びる辺部61、および62を有する実施形態では、これらの辺部61、62は、少なくとも部分的に長手方向4に延在し得る。
【0095】
一般に、接合物50は、任意の適切なサイズまたは形状を有し得る。しかしながら、少なくとも一部の実施形態では、接合物50は、約50平方マイクロメートル~約20平方ミリメートル、または約70平方マイクロメートル~約10平方ミリメートル、または約250平方マイクロメートル~約5平方ミリメートルの範囲であり得る。さらに、一部の実施形態では、弾性ストランド23、24に対して一般に平行な方向における接合物50の寸法、例えば、上部および底部63、64の寸法は、接合部50の辺部61、62の寸法の約二倍~約六倍であり得る。例えば、
図4の実施形態では、上部または底部63、64の長さは、辺部61または62の長さより約二倍~約六倍大きくてもよい。
【0096】
一般に長方形として示されるが、より具体的には平行四辺形として示されるが、接合物50は任意の適切な形状であり得る。例えば、接合物50は、円形、半円形、楕円形、半楕円形、三角形、正方形、長方形、台形、菱形、またはこれに類するものであり得る。いくつかの実施形態では、接合物50は、三つの辺、四つの辺、五つの辺、六つの辺、またはその他任意の適切な数の辺を有し得る。
【0097】
接合物50は、ストランド23、24が延在する方向に延びる一連の概して平行な列55に配置され得る。いくつかの実施形態では、長手方向に隣接した列55は、長手方向4において、距離56だけ離間し得る。一部の特定の実施形態では、列55のそれぞれは、同じ距離56だけ離間してもよく、距離56は、ストランド23、24の非張力の直径より小さくてもよい。従って、ストランド23、24は、列55のいずれかの間に閉じ込められることができ、ストランド23、24が間に延在する長手方向に隣接した列55の接合物50の長手方向に隣接する接合物は、接合物対を形成する。しかし、その他の実施形態では、列55の一部は、距離56だけ離間してもよく、一方で列55の他方は、距離56とは異なる距離57だけ離間し得る。このような実施形態では、距離56は、ストランド23、24の非張力の直径よりも大きくてもよく、一方で距離57はストランド23、24の非張力の直径より小さくてもよい。そのような実施形態では、ストランド23、24は、ストランド23、24が領域18、20内に閉じ込められることを確実にするために、距離57だけ離間する列55の間にのみ配置され得る。
【0098】
しかし、距離56がストランド23、24の非張力の直径よりも大きい場合、距離56が大きすぎないようにすることが重要である。距離56が、一部の実施形態では約2mmよりも大きい、または一部の実施形態では約1.5mmより大きい、または一部の実施形態では約1mmより大きい、または一部の実施形態では約0.75mmより大きい、または、一部の実施形態では約0.5mmより大きい場合、任意のパターンの視覚的な鮮明さおよび明確さは、距離56が上記の値のいずれかより小さい実施形態に対して低減され得る。従って、領域12、14、18、および20のうちの一つまたは複数が、比較的鮮明で、明確なパターンを有することが望ましい場合、こうした領域の隣接する列55(例えば、ストランド23、24の一つがその間に延びない隣接する列55)の間の間隔56は、さまざまな異なる実施形態において、2mm未満、または1.5mm未満、または1mm未満、または0.75mm未満、または0.5mm未満であり得る。逆に、領域12、14、18、および20のうちの一つまたは複数が、比較的区別がつかない、大ざっぱなパターンを有することが望ましい場合、こうした領域の隣接する列55(例えば、ストランド23、24のうちの一つが延びない隣接する列55)の間の間隔56は、さまざまな異なる実施形態において、0.5mmより大きいか、または0.75mmより大きいか、または1mmより大きいか、または1.5mmより大きいか、または2mmより大きくてもよい。領域12、14、18、20の第2のもののパターンに対する領域12、14、18、20の第1のもののパターンにおける視覚的な差異を生成することが望ましい特定の実施形態では、領域12、14、18、20の第1のものにおける列55の間の間隔56は、領域12、14、18、20の第2のものにおける列55の間の間隔56より約0.5mmだけ、または約0.75mmだけ、または約1mmだけ、または約1.25mmだけ、または約1.5mmだけ、または約1.75mmだけ、または約2mmだけ、または約2.25mmだけ、またはその他任意の適切な値だけ、大きくてもよい。さらに、領域12、14、18、20の第1または第2の領域内の間隔56のそれぞれが同じである必要はない。むしろ、領域12、14、18、20のうちの第1の領域および領域12、14、18、20のうちの第2の領域の間間隔56を比較するとき、第1、および第2の領域のそれぞれにおける間隔56の平均値をこのような比較で使用し得る。
【0099】
例えば、間隔56、57、または、領域12、14、18、20のうちの同じ領域ないの列55の間の異なる間隔56などの、列55の間の異なる長手方向の間隔を有することに加えて、所与の列55内の横方向6における接合物50の間の間隔は、列55内、および異なる列55の間の両方において異なってもよい。例えば、同じ列内の隣接する接合物間の横方向の間隔は、ストランド23、24のうちの一つに隣接している列55と、ストランド23、24のうちの一つに隣接していない列55との間で異なってもよい。別の方法として、または追加的に、その他の実施形態は、横方向に隣接した接合物間の横方向の間隔が列55内で変化する接合物50を有する列55を有し得る。例えば、所与の列55内の接合物50間の横方向の間隔は、所望のパターン(またはその欠如)または柔らかさを与えるために、衣服の異なる横方向領域全体にわたって変化し得る。
【0100】
上述のもののいずれかに対する追加的または代替的な実施形態において、接合物50の第1の辺部61は、弾性ストランド23、24が例えば
図4の横方向6に延在する方向に対して角度がついていてもよい。接合物50cの第1の辺部61は、
図4の横方向6に対して角度66を形成することができる。接合物50の第1の辺部61の角度づけは、接合物50をより効果的に形成するため、および/または望ましい延伸特性を有するシャシーおよび/またはウェストバンド領域12、14、18、20を提供するために有益であり得る。こうした実施形態では、角度66は、約0度~約180度の範囲であり得る。一部のより具体的な実施形態では、角度66は、約15度~約90度、または約30度~約89度、または約50度~約88度の範囲であり得る。その他の実施形態では、角度66は、約105度~約180度、または約120度~約179度、または約140度~約178度の範囲であり得る。
【0101】
少なくとも一部の接合物50の第1の辺部61が、弾性ストランド23、24が延在する方向に対して角度66を形成するいくつかの実施形態では、接合物50の全てまたは実質的に全てが、弾性ストランド23、24が延在する方向に対して角度66を形成し得る。しかしながら、
図4に示すように、他の実施形態では第1の数の接合物50は、弾性ストランド23、24が延在する方向に対して角度66を形成する第1の辺部61を有することができる。一方、第2の数の接合物50は、弾性ストランド23、24が延在する方向に対して、(例えば、接合物50dで示されるように)角度65を形成する第1の辺部61を有することができる。こうした実施形態では、角度66は角度65とは異なってもよい。角度65は、角度66に関して前述した可能性のある値のいずれかを有してもよく、一部の特定の実施形態では、角度65は、180マイナス角度66の値(度)に等しくてもよい。例えば、角度66が60度の場合、角度65は120度である。
【0102】
特定の実施形態では、領域12、14、18、および/または20は、ストランド23、24が延在する(
図4に示すように)方向に関して、交互角度65、および66を形成する第1の辺部61を有する接合物50を有する一連の列55を含んでもよい。このように、
図1~
図4に図示したジグザグパターンが形成され得る。しかしながら、本開示によって他のパターンが形成され得ることが理解されるべきである。例えば、形成される特定のパターンは、領域12、14、18、および20のサイズ、形状および位置など、接合物のパラメータによって一般的に指定される。しかしながら、領域12、14、18、および20の相対的視覚的な鮮明さおよび明確さ、もしくは大ざっぱさおよび区別のなさは、ストランド間隔、設置された伸長、デシテックスなどの前述のパラメータに従って決定される。従って、図示されたジグザグパターンは、本開示による視覚的な差異が形成され得る多くの一つにすぎない。
【0103】
詳細な説明に引用されている全ての文書は、該当部分において、参照により本明細書に組み込まれる。いかなる文書の引用も、本発明に関して先行技術であることを承認するものとして解釈されるべきではない。本文書に記載された用語の任意の意味または定義が、参照により本明細書に組み込まれる文書のいずれかの意味または定義と矛盾する範囲において、本文書の用語に割り当てられた意味または定義を適用するものとする。
【0104】
当業者であれば、本開示は、本明細書に記載および意図された特定の実施形態以外のさまざまな形態で現れることを認識するであろう。具体的には、さまざまな実施形態および図面に関連して説明したさまざまな特徴は、それらの実施形態および/または図のみに適用されると解釈されるべきではない。むしろ、それぞれの記述された特徴は、それらの特徴と併せて説明される他の特徴のいずれかを有それともまたは有さないさまざまな意図された実施形態のその他任意の特徴と組み合わされ得る。従って、添付の請求項に記載される本開示の範囲から逸脱することなく、形態および詳細における逸脱がなされえる。
【0105】
特許請求の範囲に記載の数値限定に「約」が記載されているか否かにかかわらず、本発明の技術思想に鑑みて、実質的に同一の範囲を含むものである。