(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】車両測位方法及び装置、車両、記憶媒体並びにコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/30 20060101AFI20230704BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20230704BHJP
G06T 7/70 20170101ALI20230704BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20230704BHJP
【FI】
G01C21/30
G06T7/00 650B
G06T7/70 A
G08G1/09 F
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021053278
(22)【出願日】2021-03-26
【審査請求日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】202010754296.1
(32)【優先日】2020-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521208273
【氏名又は名称】阿波▲羅▼智▲聯▼(北京)科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】APOLLO INTELLIGENT CONNECTIVITY(BEIJING)TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】101, 1st Floor, Building 1, Yard 7, Ruihe West 2nd Road, Beijing Economic and Technological Development Zone, Beijing 100176, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ, フォ
(72)【発明者】
【氏名】フー, シン
【審査官】高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109739236(CN,A)
【文献】特表2020-505678(JP,A)
【文献】特開2018-206359(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-21/36
G06T 7/00
7/70
G08G 1/00-99/00
G09B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
路側感知装置が採集した物体分布情報を取得し、前記路側感知装置が採集した物体分布情報に基づいて路側物体分布情報を確定するステップと、
測位すべき目標車両により検出された周辺物体の分布情報である車両側物体分布情報を取得し、前記路側物体分布情報と前記車両側物体分布情報とをマッチングするステップと、
マッチング結果に基づいて前記目標車両の位置情報を確定するステップと、を含む車両測位方法。
【請求項2】
前記の、前記路側物体分布情報と前記車両側物体分布情報とをマッチングするステップは、
前記車両側物体分布情報における物体間の第1位置関係、及び前記路側物体分布情報における物体間の第2位置関係を抽出することと、
前記第1位置関係と前記第2位置関係とをマッチングすることと、を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記の、前記車両側物体分布情報における物体間の第1位置関係、及び前記路側物体分布情報における物体間の第2位置関係を抽出することは、
前記車両側物体分布情報における前記目標車両と周辺物体との位置関係を抽出するとともに、該関係を前記第1位置関係とすることと、
前記路側物体分布情報における一車両を候補車両とし、前記路側物体分布情報における前記候補車両と他の物体との位置関係を抽出するとともに、該関係を前記第2位置関係とすることと、を含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記の、マッチング結果に基づいて前記目標車両の位置情報を確定するステップは、
マッチング結果に基づいて、前記路側物体分布情報に関連付けられた車両から前記目標車両を確定することと、
前記路側物体分布情報に基づいて、前記目標車両の位置情報を確定することと、を含む請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記の、前記路側感知装置が採集した物体分布情報に基づいて、路側物体分布情報を確定するステップは、
前記路側感知装置が採集した物体分布情報から目標関心領域内に位置する物体分布情報を抽出して、前記路側物体分布情報を得ることを含み、
前記目標関心領域とは、前記目標車両の検出範囲である請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記方法はさらに、
前記目標車両が第1時刻に検出した周辺物体の数が所定閾値以下である場合に、第2時刻の路側物体分布情報と前記第2時刻の車両側物体分布情報とのマッチング結果に基づいて、前記第2時刻の路側物体分布情報から前記目標車両を確定するステップであって、前記目標車両の前記第2時刻に検出した周辺物体の数が前記所定閾値よりも大きいステップと、
前記目標車両を追跡するとともに、追跡結果と、前記第1時刻に路側感知装置が採集した物体分布情報とに基づいて、前記目標車両の前記第1時刻における位置情報を確定するステップと、を含む請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記の、追跡結果と、前記第1時刻に路側感知装置が採集した物体分布情報とに基づいて、前記目標車両の前記第1時刻における位置情報を確定するステップは、
追跡結果に基づいて前記目標車両の所在位置にある路側感知装置を確定することと、
該路側感知装置の前記第1時刻に採集した物体分布情報に基づいて、前記目標車両の位置情報を確定することと、を含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記方法が前記目標車両により実行される請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
路側感知装置が採集した物体分布情報を取得し、前記路側感知装置が採集した物体分布情報に基づいて路側物体分布情報を確定するための情報確定モジュールと、
測位すべき目標車両により検出された周辺物体の分布情報である車両側物体分布情報を取得し、前記路側物体分布情報と前記車両側物体分布情報とをマッチングするための情報マッチングモジュールと、
マッチング結果に基づいて前記目標車両の位置情報を確定するための車両測位モジュールと、を含む車両測位装置。
【請求項10】
前記情報マッチングモジュールは、
前記車両側物体分布情報における物体間の第1位置関係、及び前記路側物体分布情報における物体間の第2位置関係を抽出するための関係抽出ユニットと、
前記第1位置関係と前記第2位置関係とをマッチングするための関係マッチングユニットと、を含む請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記関係抽出ユニットは、
前記車両側物体分布情報における前記目標車両と周辺物体との位置関係を抽出するとともに、該関係を前記第1位置関係とし、
前記路側物体分布情報における一車両を候補車両とし、前記路側物体分布情報における前記候補車両と他の物体との位置関係を抽出するとともに、該関係を前記第2位置関係とするように構成される請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記車両測位モジュールは、
マッチング結果に基づいて、前記路側物体分布情報に関連付けられた車両から前記目標車両を確定するための車両確定ユニットと、
前記路側物体分布情報に基づいて、前記目標車両の位置情報を確定するための車両測位ユニットと、を含む請求項9~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記情報確定モジュールは、
前記路側感知装置が採集した物体分布情報から目標関心領域内に位置する物体分布情報を抽出して、前記路側物体分布情報を得るための情報抽出ユニットを含み、
前記目標関心領域とは、前記目標車両の検出範囲である請求項9~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記装置はさらに、
前記目標車両が第1時刻に検出した周辺物体の数が所定閾値以下である場合に、第2時刻の路側物体分布情報と前記第2時刻の車両側物体分布情報とのマッチング結果に基づいて、前記第2時刻の路側物体分布情報から前記目標車両を確定するための車両確定モジュールであって、前記目標車両の前記第2時刻に検出した周辺物体の数が前記所定閾値よりも大きい車両確定モジュールと、
前記目標車両を追跡するとともに、追跡結果と、前記第1時刻に路側感知装置が採集した物体分布情報とに基づいて、前記目標車両の前記第1時刻における位置情報を確定するための車両追跡モジュールと、を含む請求項9~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記車両追跡モジュールは、
追跡結果に基づいて前記目標車両の所在位置にある路側感知装置を確定するための感知装置確定ユニットと、
該路側感知装置の前記第1時刻に採集した物体分布情報に基づいて、前記目標車両の位置情報を確定するための位置確定ユニットと、を含む請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記車両測位装置は前記目標車両に位置する請求項9~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
路側感知装置が採集した物体分布情報を受信するための車載受信ユニットと、
車両の周辺物体の分布情報を検出するための検出装置と、
前記車載受信ユニットを介して前記路側感知装置が採集した物体分布情報を取得し、前記検出装置を介して前記車両の周辺物体の分布情報を取得するとともに、前記路側感知装置が採集した物体分布情報と、前記検出装置が検出した前記車両の周辺物体の分布情報とをマッチングし、マッチング結果に基づいて前記車両の位置情報を確定するための車両測位装置と、を含む車両。
【請求項18】
前記車両はさらに、
測位システムを用いて前記車両を測位するための車載測位ユニットを含み、
前記車両測位装置は、
前記車載測位ユニットの第1時刻における測位精度が設定精度閾値よりも小さく、前記検出装置の該第1時刻に検出した前記車両の周辺物体の数が所定閾値よりも大きい場合に、
前記車載受信ユニットを介して前記路側感知装置が採集した物体分布情報を取得し、前記検出装置を介して前記車両の周辺物体の分布情報を取得し、
前記路側感知装置が採集した物体分布情報と前記検出装置が検出した前記車両の周辺物体の分布情報とをマッチングする動作と、
マッチング結果に基づいて前記車両の位置情報を確定するとともに、確定した位置情報を前記車載測位ユニットに送信し、前記車載測位ユニットの測位結果を差し替える動作と、を実行する請求項17に記載の車両。
【請求項19】
前記車両は、
前記車載測位ユニットの第1時刻における測位精度が設定精度閾値よりも小さく、前記検出装置の該第1時刻に検出した前記車両の周辺物体の数が所定閾値よりも小さい場合に、前記路側感知装置の第2時刻に採集した物体分布情報と前記検出装置の第2時刻に検出した前記車両の周辺物体の分布情報とのマッチング結果に基づいて、前記車両を確定するとともに、前記車両を追跡するための目標追跡ユニットをさらに含み、
前記車両測位装置は、
追跡結果と、前記路側感知装置の第1時刻に採集した物体分布情報とに基づいて、前記車両の第1時刻における位置情報を確定するとともに、該位置情報を前記車載測位ユニットに送信し、前記車載測位ユニットの測位結果を差し替えるように構成される、請求
項18に記載の車両。
【請求項20】
コンピュータに請求項1~8のいずれか一項に記載の方法を実行させるためのコンピュータ指令が記憶されている非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項21】
プロセッサにより実行されると、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法を実現する、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、画像処理の技術分野に関し、特に自動運転、スマート交通システム等の技術に関し、具体的に車両測位方法及び装置、車両、記憶媒体並びにコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スマート交通システムの発展は、インフラのスマート化改造を推し進める。一部のスマートシティにおいて、路側感知装置は既に道路インフラとなっている。
【0003】
しかし、現在の測位技術は、悪天候、トンネル、密集した都市道路状況などの場合に、ナビゲーション測位システムの信号の視認性及びマルチパス効果の影響を受けるため、車両に対する測位の信頼性がよくなく、使用可能性が不十分であるという問題がある。
【0004】
路側感知装置に基づいて上記問題をどのように解決するかは、スマート交通システムの分野における重要な研究方向の一つとなっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願は、車両測位方法及び装置、車両、記憶媒体並びにコンピュータプログラムを提供している。
【0006】
本出願の一態様によれば、路側感知装置が採集した物体分布情報を取得し、前記路側感知装置が採集した物体分布情報に基づいて路側物体分布情報を確定するステップと、測位すべき目標車両により検出された周辺物体の分布情報である車両側物体分布情報を取得し、前記路側物体分布情報と前記車両側物体分布情報とをマッチングするステップと、マッチング結果に基づいて前記目標車両の位置情報を確定するステップと、を含む車両測位方法を提供している。
【0007】
本出願の他の態様によれば、路側感知装置が採集した物体分布情報を取得し、前記路側感知装置が採集した物体分布情報に基づいて路側物体分布情報を確定するための情報確定モジュールと、測位すべき目標車両により検出された周辺物体の分布情報である車両側物体分布情報を取得し、前記路側物体分布情報と前記車両側物体分布情報とをマッチングするための情報マッチングモジュールと、マッチング結果に基づいて前記目標車両の位置情報を確定するための車両測位モジュールと、を含む車両測位装置を提供している。
【0008】
本出願の更なる態様によれば、路側感知装置が採集した物体分布情報を受信するための車載受信ユニットと、車両の周辺物体の分布情報を検出するための検出装置と、前記車載受信ユニットを介して前記路側感知装置が採集した物体分布情報を取得し、前記検出装置を介して前記車両の周辺物体の分布情報を取得するとともに、前記路側感知装置が採集した物体分布情報と、前記検出装置が検出した前記車両の周辺物体の分布情報とをマッチングし、マッチング結果に基づいて前記車両の位置情報を確定するための車両測位装置と、を含む車両を提供している。
【0009】
本出願の更なる態様によれば、コンピュータに本出願の実施例のいずれかに記載の方法を実行させるためのコンピュータ指令が記憶されている非一時的コンピュータ可読記憶媒体を提供している。
【0010】
本出願の更なる態様によれば、プロセッサにより実行されると、本出願の実施例のいずれかに記載の方法を実現する、コンピュータプログラムを提供する。
【0011】
本出願の技術的手段によれば、路側感知装置に基づく車両の測位を実現し、車両測位の信頼性及び可用性を向上させる。
【0012】
本明細書に記述した内容は、本出願の実施例の肝要又は重要な特徴を識別することを意図しておらず、本出願の範囲を限定するものでもないことを理解されたい。本出願の他の特徴は、以下の明細書を通して容易に理解されるであろう。
【0013】
図面は、本実施形態をより良く理解するために用いられ、本出願を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本出願の実施例に係る車両測位方法のフローチャートである。
【
図2】
図2は、本出願の実施例に係る他の車両測位方法のフローチャートである。
【
図3】
図3は、本出願の実施例に係る位置関係マッチングを示す概略図である。
【
図4】
図4は、本出願の実施例に係る他の位置関係マッチングを示す概略図である。
【
図5】
図5は、本出願の実施例に係る別の車両測位方法のフローチャートである。
【
図6】
図6は、本出願の実施例に係る別の車両測位方法のフローチャートである。
【
図7】
図7は、本出願の実施例に係る別の位置関係マッチングを示す概略図である。
【
図8】
図8は、本出願の実施例に係る別の車両測位方法のフローチャートである。
【
図9】
図9は、本出願の実施例に係る車両測位装置の概略図である。
【
図10】
図10は、本出願の実施例に係る車両測位システムの概略図である。
【
図11】
図11は、本出願の実施例に係る他の車両測位システムの概略図である。
【
図12】
図12は、本出願の実施例に係る別の車両測位システムの概略図である。
【
図13】
図13は、本出願の実施例に係る車両測位方法の電子機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下は、理解を容易にするために本出願の実施例の様々な詳細を含む添付図面を参照して、本出願の例示的な実施例を説明し、それらは単なる例示として見なされるべきである。したがって、当業者は、本出願の範囲及び精神から逸脱することなく、本明細書に記載された実施例に対して様々な変更及び修正を行うことができることを認識するであろう。同様に、以下の説明では、明確かつ簡潔にするために、周知の機能及び構造についての記述を省略する。
【0016】
図1は本出願の実施例に係る車両測位方法のフローチャートである。本出願の実施例は、路側感知装置が設けられる道路上に位置する車両を正確に測位する場合に適用できる。該方法は、車両測位装置によって実行されてもよい。該装置は、ソフトウェア及び/又はハードウェアの形態で実現されてもよい。該車両測位装置は、測位すべき車両に設けられてもよいし、測位すべき車両から離れて独立に設けられてもよい。
図1に示すように、本出願の実施例に係る車両測位方法は、ステップS110、ステップS120及びステップS130を含む。
【0017】
S110:路側感知装置が採集した物体分布情報を取得し、前記路側感知装置が採集した物体分布情報に基づいて路側物体分布情報を確定する。
【0018】
該路側感知装置とは、道路上の物体の位置分布を採集するための装置であり、測位すべき目標車両が該路側感知装置の採集範囲内に位置することである。オプションとして、路側感知装置は、カメラ、赤外線感知センサ等の任意の種類の路側感知装置であってもよい。
【0019】
物体分布情報とは、物体の位置分布を記述した情報である。オプションとして、物体分布情報は、物体の分布画像であってもよいし、物体の分布位置データであってもよい。
【0020】
該物体とは、自然界に客観的に存在するあらゆる形をもつ物質である。典型的に、該物体は車両であってもよい。オプションとして、該物体は、歩行者、道路標識などであってもよい。
【0021】
路側物体分布情報とは、路側感知装置を介して採集した物体分布情報である。
【0022】
一実施例において、路側感知装置が採集した物体分布情報に基づいて、路側物体分布情報を確定するステップは、
路側感知装置が採集した物体分布情報を路側物体分布情報とすることを含む。
【0023】
S120:測位すべき目標車両により検出された周辺物体の分布情報である車両側物体分布情報を取得し、前記路側物体分布情報と前記車両側物体分布情報とをマッチングする。
【0024】
目標車両とは、測位すべき車両である。目標車両には、周辺物体の分布情報を検出するための検出装置が搭載されている。
【0025】
S130:マッチング結果に基づいて前記目標車両の位置情報を確定する。
【0026】
該位置情報とは、目標車両のワールド座標系における位置情報である。
【0027】
本出願の実施例は、路側物体分布情報と車両側物体分布情報とをマッチングし、マッチング結果に基づいて目標車両の位置情報を確定することで、路側感知装置が採集した物体分布情報を用いた車両の補助測位を実現し、車両の測位の精度を向上させ、現在の測位技術が悪天候、トンネル、密集した都市道路などの状況において、測位システムの信号の視認性及びマルチパス効果の影響を受けるため、車両に対する測位の信頼性がよくなく、可用性が不十分である問題を解決した。
【0028】
なお、本出願の各実施例に係る車両測位方法は、測位すべき車両又は測位すべき車両における車両測位装置によって実行されてもよいし、測位すべき車両から離れて独立に設けられた車両測位装置によって実行されてもよい。理解を容易にするために、本出願の各実施例は、様々な面から実施形態全体を記述し、互いに補足し合うことができる。
【0029】
図2は本出願の実施例に係る他の車両測位方法のフローチャートである。本実施形態は、上記実施形態をベースに、「前記路側物体分布情報と前記車両側物体分布情報とをマッチングする」ステップを具体的に最適化したものである。
図2に示すように、本出願の実施例に係る車両測位方法は、ステップS210、ステップS220、ステップS230及びステップS240を含む。
【0030】
S210:路側感知装置が採集した物体分布情報を取得し、前記路側感知装置が採集した物体分布情報に基づいて路側物体分布情報を確定する。
【0031】
S220:車両側物体分布情報を取得し、車両側物体分布情報における物体間の第1位置関係、及び前記路側物体分布情報における物体間の第2位置関係を抽出する。
【0032】
車両側物体分布情報は、測位すべき目標車両により検出された周辺物体の分布情報である。
【0033】
第1位置関係とは、車両側物体分布情報における物体間の位置関係である。
【0034】
第2位置関係とは、路側物体分布情報における物体間の位置関係である。
【0035】
一実施例において、第1位置関係とは、各物体間の位置関係である。第2位置関係とは、路側物体分布情報における各物体間の位置関係である。
【0036】
S230:前記第1位置関係と前記第2位置関係とをマッチングする。
【0037】
一実施例において、第1位置関係及び第2位置関係をトポロジーマップに変換することができ、トポロジーマップに基づいて、前記第1位置関係及び前記第2位置関係をマッチングする。
【0038】
S240:マッチング結果に基づいて前記目標車両の位置情報を確定する。
【0039】
図3に示すように、一実施例において、路側物体分布情報における各物体301間の位置関係からなるトポロジーマップと、車両側物体分布情報における各物体302間の位置関係からなるトポロジーマップとをマッチングすることにより、路側物体分布情報と車両側物体分布情報とのマッチングを実現することができる。
【0040】
本実施形態は、車両側物体分布情報における物体間の第1位置関係、及び前記路側物体分布情報における物体間の第2位置関係を抽出して、第1位置関係と第2位置関係とをマッチングすることにより、路側物体分布情報と車両側物体分布情報とのマッチングを実現する。
【0041】
目標車両の路側物体分布情報における確定精度を向上させるために、前記の、前記車両側物体分布情報における物体間の第1位置関係、及び前記路側物体分布情報における物体間の第2位置関係を抽出するステップは、
前記車両側物体分布情報における前記目標車両と周辺物体との位置関係を抽出するとともに、該関係を前記第1位置関係とすることと、
前記路側物体分布情報における一車両を候補車両とし、前記路側物体分布情報における前記候補車両と他の物体との位置関係を抽出するとともに、該関係を前記第2位置関係とすることと、を含む。
【0042】
図4に示すように、一実施例において、路側物体分布情報における目標車両と周辺物体301との位置関係からなるトポロジーマップと、車両側物体分布情報における候補車両と他の物体302との位置関係からなるトポロジーマップとをマッチングすることにより、路側物体分布情報と車両側物体分布情報とのマッチングを実現することができる。
【0043】
該技術的特徴に基づいて、本出願の実施例は、路側物体分布情報における目標車両と周辺物体との位置関係を利用することで、路側物体分布情報と車両側物体分布情報とのマッチングを実現する。目標車両と周辺物体との位置関係は、目標車両の位置関係をより正確に記述することができるため、本出願の実施例は、目標車両の路側物体分布情報における測位精度を向上させることができる。
【0044】
図5は本出願の実施例に係る別の車両測位方法のフローチャートである。本実施例は上記の実施例をベースに、「マッチング結果に基づいて前記目標車両の位置情報を確定する」ステップを具体的に最適化したものである。
図5に示すように、本出願の実施例に係る車両測位方法は、ステップS310、ステップS320、ステップS330及びステップS340を含む。
【0045】
S310:路側感知装置が採集した物体分布情報を取得し、前記路側感知装置が採集した物体分布情報に基づいて路側物体分布情報を確定する。
【0046】
S320:測位すべき目標車両により検出された周辺物体の分布情報である車両側物体分布情報を取得し、前記路側物体分布情報と前記車両側物体分布情報とをマッチングする。
【0047】
S330:マッチング結果に基づいて、前記路側物体分布情報に関連付けられた車両から前記目標車両を確定する。
【0048】
路側物体分布情報に関連付けられた車両とは、路側物体分布情報に含まれる車両、即ち路側感知装置の採集範囲内に位置する車両である。
【0049】
S340:前記路側物体分布情報に基づいて、前記目標車両の位置情報を確定する。
【0050】
一実施例において、前記路側物体分布情報に基づいて、前記目標車両の位置情報を確定するステップは、
目標車両の路側物体分布情報における位置情報を、前記目標車両の位置情報とすることを含む。
【0051】
本実施形態は、マッチング結果に基づいて、路側物体分布情報に関連付けられた車両から目標車両を確定し、路側物体分布情報に基づいて、目標車両の位置情報を確定することにより、マッチング結果に基づいた目標車両の位置情報の確定を実現できる。
【0052】
図6は本出願の実施例に係る別の車両測位方法のフローチャートである。本実施例は上記の実施例をベースに、「前記路側感知装置が採集した物体分布情報に基づいて、路側物体分布情報を確定する」ステップを具体的に最適化したものである。
図6に示すように、本出願の実施例に係る車両測位方法は、ステップS410、ステップS420、ステップS430及びステップS440を含む。
【0053】
S410:路側感知装置が採集した物体分布情報を取得し、前記路側感知装置が採集した物体分布情報を目標車両の車両座標系に変換して、新たな物体分布情報を得る。
【0054】
S420:前記新たな物体分布情報から目標関心領域内に位置する物体分布情報を抽出して、前記路側物体分布情報を得る。
【0055】
前記目標関心領域とは、前記目標車両の検出範囲である。
【0056】
S430:測位すべき目標車両により検出された周辺物体の分布情報である車両側物体分布情報を取得し、前記路側物体分布情報と前記車両側物体分布情報とをマッチングする。
【0057】
S440:マッチング結果に基づいて前記目標車両の位置情報を確定する。
【0058】
本実施形態における路側物体分布情報と車両側物体分布情報とのマッチングについて、
図7を参照する。
【0059】
本実施形態は路側物体分布情報と車両側物体分布情報との座標系を統一することにより、目標車両の検出範囲に基づいて路側感知装置が採集した物体分布情報から車両側物体分布情報に対応する領域を抽出する。通常、路側感知装置の採集範囲が目標車両の検出範囲よりも大きいため、該実施形態に基づいて路側感知装置の採集範囲における関心領域を抽出して非関心領域をフィルタリングし、目標車両の測位効率を向上させることができる。
【0060】
図8は本出願の実施例に係る別の車両測位方法のフローチャートである。本実施例は、上述した実施例をベースに提供されたオプション的な実施形態である。
図8に示すように、本出願の実施例に係る車両測位方法は、ステップS510、ステップS520、ステップS530、ステップS540及びステップS550を含む。
【0061】
S510:目標車両により第1時刻に検出された周辺物体の数が所定閾値よりも大きい場合に、路側感知装置が第1時刻に採集した物体分布情報に基づいて、路側物体分布情報を確定する。
【0062】
所定閾値は、必要に応じて設定すればよく、典型的には0であってもよい。
【0063】
第1時刻が任意の時刻であってもよい。例示的に、第1時刻は、現在の時刻であってもよいし、過去のある時刻であってもよい。
【0064】
S520:測位すべき目標車両により第1時刻に検出された周辺物体の分布情報である車両側物体分布情報と、前記路側物体分布情報とをマッチングする。
【0065】
S530:マッチング結果に基づいて前記目標車両の第1時刻における位置情報を確定する。
【0066】
S540:前記目標車両が第1時刻に検出した周辺物体の数が所定閾値以下である場合に、第2時刻の路側物体分布情報と前記第2時刻の車両側物体分布情報とのマッチング結果に基づいて、前記第2時刻の路側物体分布情報から前記目標車両を確定する。
【0067】
第2時刻が任意の時刻であってもよい。例示的に、第2時刻は、現在の時刻であってもよいし、過去のある時刻であってもよい。
【0068】
第1時刻は、第2時刻よりも前に発生してもよいし、その後に発生してもよい。
【0069】
典型的には、第1時刻が現在の時刻であり、第2時刻が過去のある時刻である。
【0070】
目標車両の第2時刻に検出された周辺物体の数が所定閾値よりも大きい。
【0071】
S550:前記目標車両を追跡するとともに、追跡結果と、前記第1時刻に路側感知装置が採集した物体分布情報とに基づいて、前記目標車両の前記第1時刻における位置情報を確定する。
【0072】
一実施例において、追跡結果と、前記第1時刻に路側感知装置が採集した物体分布情報とに基づいて、前記目標車両の前記第1時刻における位置情報を確定するステップは、
追跡結果に基づいて前記目標車両の所在位置にある路側感知装置を確定することと、
該路側感知装置の前記第1時刻に採集した物体分布情報に基づいて、前記目標車両の位置情報を確定することと、を含む。
【0073】
本実施例は、上記ステップの実行順序を限定しない。オプションとして、S540及びS550は、S510、S520及びS530に先立って実行されてもよい。
【0074】
一実施例において、目標車両が測位システムに基づいて確定された測位結果の精度が設定精度閾値よりも低い場合に、車両の補助測位を実現するために、上述した測位ロジックの実行をトリガーする。
【0075】
例示的に、目標車両がトンネルに進入したことを検出すると、上述した測位ロジックの実行をトリガーするとともに、確定された測位結果を車両の最終位置とする。
【0076】
本実施形態は、目標車両が検出した周辺物体の数に応じて異なる測位ロジックをトリガーすることによって、路側感知装置を用いた車両の補助測位を実現できる。
【0077】
図9は本出願の実施例に係る車両測位装置の概略図である。
図9に示すように、本出願の実施例に係る車両測位装置900は、情報確定モジュール901、情報マッチングモジュール902及び車両測位モジュール903を含む。
【0078】
情報確定モジュール901は、路側感知装置が採集した物体分布情報を取得し、前記路側感知装置が採集した物体分布情報に基づいて路側物体分布情報を確定するように構成され、
情報マッチングモジュール902は、測位すべき目標車両により検出された周辺物体の分布情報である車両側物体分布情報を取得し、前記路側物体分布情報と前記車両側物体分布情報とをマッチングするように構成され、
車両測位モジュール903は、マッチング結果に基づいて前記目標車両の位置情報を確定するように構成される。
【0079】
本出願の実施例は、路側物体分布情報と車両側物体分布情報とをマッチングし、マッチング結果に基づいて目標車両の位置情報を確定することで、路側感知装置が採集した物体分布情報を用いた車両の補助測位を実現でき、車両の測位精度が向上され、現在の測位技術が悪天候、トンネル、密集した都市道路などの状況において、測位システムの信号の視認性及びマルチパス効果の影響を受けるため、車両に対する測位の信頼性がよくなく、可用性が不十分である問題を解決した。
【0080】
さらに、前記情報マッチングモジュールは、
前記車両側物体分布情報における物体間の第1位置関係、及び前記路側物体分布情報における物体間の第2位置関係を抽出するための関係抽出ユニットと、
前記第1位置関係と前記第2位置関係とをマッチングするための関係マッチングユニットと、を含む。
【0081】
さらに、前記関係抽出ユニットは、具体的には、
前記車両側物体分布情報における前記目標車両と周辺物体との位置関係を抽出するとともに、該関係を前記第1位置関係とし、
前記路側物体分布情報における一車両を候補車両とし、前記路側物体分布情報における前記候補車両と他の物体との位置関係を抽出するとともに、該関係を前記第2位置関係とするように構成される。
【0082】
さらに、前記車両測位モジュールは、
マッチング結果に基づいて、前記路側物体分布情報に関連付けられた車両から前記目標車両を確定するための車両確定ユニットと、
前記路側物体分布情報に基づいて、前記目標車両の位置情報を確定するための車両測位ユニットと、を含む。
【0083】
さらに、前記情報確定モジュールは、前記路側感知装置が採集した物体分布情報から目標関心領域内に位置する物体分布情報を抽出して、前記路側物体分布情報を得るための情報抽出ユニットを含み、前記目標関心領域とは、前記目標車両の検出範囲である。
【0084】
さらに、前記装置はさらに、
前記目標車両が第1時刻に検出した周辺物体の数が所定閾値以下である場合に、第2時刻の路側物体分布情報と前記第2時刻の車両側物体分布情報とのマッチング結果に基づいて、前記第2時刻の路側物体分布情報から前記目標車両を確定するための車両確定モジュールであって、前記目標車両の前記第2時刻に検出した周辺物体の数が前記所定閾値よりも大きい車両確定モジュールと、
前記目標車両を追跡するとともに、追跡結果と、前記第1時刻に路側感知装置が採集した物体分布情報とに基づいて、前記目標車両の前記第1時刻における位置情報を確定するための車両追跡モジュールと、を含む。
【0085】
さらに、前記車両追跡モジュールは、
追跡結果に基づいて前記目標車両の所在位置にある路側感知装置を確定するための感知装置確定ユニットと、
該路側感知装置の前記第1時刻に採集した物体分布情報に基づいて、前記目標車両の位置情報を確定するための位置確定ユニットと、を含む。
【0086】
さらに、前記車両測位装置が前記目標車両に位置する。
【0087】
本出願の実施例は、車両をさらに提供し、該車両は、
路側感知装置が採集した物体分布情報を受信するための車載受信ユニットであって、該分布情報は、路側通信ユニットを介して該路側感知装置から受信されたものである車載受信ユニットと、
車両の周辺物体の分布情報を検出するための検出装置と、
前記車載受信ユニットを介して前記路側感知装置が採集した物体分布情報を取得し、前記検出装置を介して前記車両の周辺物体の分布情報を取得するとともに、前記路側感知装置が採集した物体分布情報と、前記検出装置が検出した前記車両の周辺物体の分布情報とをマッチングし、マッチング結果に基づいて前記車両の位置情報を確定するための車両測位装置と、を含む。
【0088】
オプションとして、本実施例における車両測位装置は、本出願の実施例に係る車両測位装置のいずれかであってもよく、該装置が本出願の実施例に係る車両測位方法のいずれかを実行する。
【0089】
本出願の実施例は、車両測位装置を介して路側物体分布情報と車両側物体分布情報とをマッチングし、マッチング結果に基づいて目標車両の位置情報を確定することで、路側感知装置が採集した物体分布情報を用いた車両の補助測位を実現でき、車両の測位の精度が向上され、現在の測位技術が悪天候、トンネル、密集した都市道路などの状況において、測位システムの信号の視認性及びマルチパス効果の影響を受けるため、車両に対する測位の信頼性がよくなく、可用性が不十分である問題を解決した。
【0090】
さらに、前記車両はさらに、
測位システムを用いて前記車両を測位するための車載測位ユニットを含む。
【0091】
前記車両測位装置は、前記車載測位ユニットの第1時刻における測位精度が設定精度閾値よりも小さく、前記検出装置の該第1時刻に検出した前記車両の周辺物体の数が所定閾値よりも大きい場合に、
前記車載受信ユニットを介して前記路側感知装置が採集した物体分布情報を取得し、前記検出装置を介して前記車両の周辺物体の分布情報を取得し、
前記路側感知装置が採集した物体分布情報と前記検出装置が検出した前記車両の周辺物体の分布情報とをマッチングし、
マッチング結果に基づいて前記車両の位置情報を確定するとともに、確定した位置情報を前記車載測位ユニットに送信し、前記車載測位ユニットの測位結果を差し替える動作を実行するように構成される。
【0092】
さらに、前記車両は、
前記車載測位ユニットの第1時刻における測位精度が設定精度閾値よりも小さく、前記検出装置の該第1時刻に検出した前記車両の周辺物体の数が所定閾値よりも小さい場合に、前記路側感知装置の第2時刻に採集した物体分布情報と前記検出装置の第2時刻に検出した前記車両の周辺物体の分布情報とのマッチング結果に基づいて、前記車両を確定するとともに、前記車両を追跡するための目標追跡ユニットをさらに含む。
【0093】
したがって、前記車両測位装置は、追跡結果と、前記路側感知装置の第1時刻に採集した物体分布情報とに基づいて、前記車両の第1時刻における位置情報を確定するとともに、該位置情報を前記車載測位ユニットに送信し、前記車載測位ユニットの測位結果を差し替えるように構成される。
【0094】
ここで、上記実施形態における名称と同じなら特徴の意味も同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0095】
図10は本出願の実施例に係る車両測位システムの概略図である。
図10に示すように、本出願の実施例に係る車両測位システムは、少なくとも1つの路側感知装置、路側通信ユニット及び車両を備え、該車両には上記実施例のいずれかに記載の車両測位装置が配置されている。
【0096】
少なくとも1つの路側感知装置は、道路の両側に設けられ、道路上の物体分布情報を採集するように構成され、
路側通信ユニットは、路側感知装置が採集した物体分布情報を送信するように構成され、
前記車両における車載受信ユニットは、路側通信ユニットが放送した物体分布情報を受信するように構成され、
前記車両における検出装置は、前記車両の周辺物体の分布情報を検出するように構成され、
前記車両における車両測位装置は、前記路側感知装置が採集した物体分布情報と、前記検出装置が検出した前記車両の周辺物体の分布情報とをマッチングするとともに、マッチング結果に基づいて前記車両の位置情報を確定するように構成される。
【0097】
オプションとして、本実施例における車両測位装置は、本出願の実施例に係る車両測位装置のいずれかであってもよく、該装置が本出願の実施例に係る車両測位方法のいずれかを実行する。
【0098】
本出願の実施例は、路側物体分布情報と車両側物体分布情報とをマッチングし、マッチング結果に基づいて目標車両の位置情報を確定することで、路側感知装置が採集した物体分布情報を用いた車両の補助測位を実現でき、車両の測位の精度が向上され、現在の測位技術が悪天候、トンネル、密集した都市道路などの状況において、測位システムの信号の視認性及びマルチパス効果の影響を受けるため、車両に対する測位の信頼性がよくなく、可用性が不十分である問題を解決した。
【0099】
図11に示すように、車両の補助測位を実現するために、前記車両はさらに、
車両自体の測位システムを用いて測位するための車載測位ユニットを含む。
【0100】
したがって、前記車両測位装置は、車載測位ユニットの第1時刻における測位精度が設定精度閾値よりも小さく、検出装置の該第1時刻に検出した周辺物体の数が所定閾値よりも大きい場合に、
路側感知装置が採集した物体分布情報と検出装置が検出した車両の周辺物体の分布情報とをマッチングする動作と、
マッチング結果に基づいて前記目標車両の位置情報を確定するとともに、確定した位置情報を前記車載測位ユニットに送信し、前記車載測位ユニットの測位結果を差し替える動作と、を実行するように構成される。
【0101】
図12に示すように、車両の補助測位を実現するために、前記車両測位システムはさらに、
車載測位ユニットの第1時刻における測位精度が設定精度閾値よりも小さく、検出装置の該第1時刻に検出した周辺物体の数が所定閾値よりも小さい場合に、路側感知装置の第2時刻に採集した物体分布情報と検出装置の第2時刻に検出した車両の周辺物体の分布情報とのマッチング結果に基づいて、前記車両を確定するとともに、前記車両を追跡するための目標追跡ユニットを含む。
【0102】
したがって、前記車両測位装置は、追跡結果と、路側感知装置の第1時刻に採集した物体分布情報とに基づいて、前記車両の第1時刻における位置情報を確定するとともに、車載測位ユニットの測位結果を差し替えるために、該位置情報を前記車両における車載測位ユニットに送信するように構成される。
【0103】
ここで、上記実施形態における名称と同じなら特徴の意味も同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0104】
本出願の実施例によれば、本出願は電子機器及び可読記憶媒体をさらに提供する。
【0105】
図13に示すように、本出願の実施例に係る車両測位方法の電子機器のブロック図である。電子機器は、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワークステーション、携帯情報端末、サーバ、ブレードサーバ、メインフレームコンピュータ、及び他の適切なコンピュータなどの様々な形態のデジタルコンピュータを表すことが意図される。電子機器はさらに、パーソナルデジタルアシススタント、携帯電話、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、及び他の同様のコンピューティングデバイスなどの様々な形態のモバイルデバイスを表すことができる。本明細書に示される構成要素、それらの接続及び関係、並びにそれらの機能は、単に例示的なものに過ぎず、本明細書に記載され、及び/又は特許請求される本出願の実施を限定することを意図するものではない。
【0106】
図13に示すように、該電子機器は、1つ又は複数のプロセッサ1301と、メモリ1302と、各コンポーネントに接続されるための、高速インタフェース及び低速インタフェースを含むインタフェースとを含む。各コンポーネントは、異なるバスにより相互に接続されており、共通のマザーボード上に実装されてもよいし、又は必要に応じて他の形態で実装されてもよい。プロセッサは、電子機器内で実行する指令を処理することができ、その指令には、インタフェースに結合される表示デバイスなどの外部入出力装置上にGUIのグラフィック情報を表示するための指令、又はメモリに記憶された指令が含まれる。他の実施形態では、必要に応じて、複数のプロセッサ及び/又は複数のバスを複数のメモリとともに使用することができる。同様に、複数の電子機器を接続することができ、各機器は、(例えば、サーバアレイ、ブレードサーバのグループ、又はマルチプロセッサシステムとして)必要な動作の一部を提供する。
図13において、プロセッサ1301を例としている。
【0107】
メモリ1302は、本出願に係る非一時的コンピュータ可読記憶媒体である。前記メモリは、本出願に係る車両測位方法を前記少なくとも1つのプロセッサによって実行させるために、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な指令を記憶している。本出願の非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータに本出願に係る車両測位方法を実行させるためのコンピュータ指令を記憶する。
【0108】
メモリ1302は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体として、非一時的なソフトウェアプログラム、非一時的なコンピュータ実行可能なプログラム、及び本出願の実施例における車両測位方法に対応するプログラム指令/モジュール(例えば、
図9に示す情報確定モジュール901、情報マッチングモジュール902及び車両測位モジュール903を含む)のようなモジュールを記憶するように構成されてもよい。プロセッサ1301は、メモリ1302に記憶された非一時的なソフトウェアプログラム、指令及びモジュールを実行することにより、サーバの様々な機能アプリケーション及びデータ処理を実行し、即ち上記の方法の実施例における車両測位方法を実現する。
【0109】
メモリ1302は、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションプログラムを記憶することができるプログラム記憶領域と、車両測位方法を実行する電子機器の使用によって作成されたデータなどを記憶することができるデータ記憶領域とを含むことができる。なお、メモリ1302は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、さらに、少なくとも1つの磁気ディスクメモリデバイス、フラッシュメモリデバイス、又は他の非一時的なソリッドステートメモリデバイスなどの、非一時的メモリを含んでもよい。いくつかの実施例において、メモリ1302は、オプションとして、プロセッサ1301に対して遠隔に設けられるメモリを含んでもよく、これらの遠隔メモリは、車両測位の電子機器にネットワークを介して接続されてもよい。上記ネットワークの例としては、インターネット、企業イントラネット、ローカルエリアネットワーク、移動体通信ネットワーク及びこれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。
【0110】
車両測位方法を実行する電子機器はさらに、入力装置1303及び出力装置1304を含むことができる。プロセッサ1301、メモリ1302、入力装置1303及び出力装置1304はバスで接続されていてもよいし、他の方式で接続されていてもよいが、
図13ではバスで接続されている例を示している。
【0111】
入力装置1303は、入力された数字又は文字情報を受信し、タッチパネル、キーパッド、マウス、トラックパッド、タッチパッド、ポインティングスティック、1つ又は複数のマウスボタン、トラックボール、ジョイスティックなどの入力装置からの、車両測位方法を実行する電子機器のユーザ設定及び機能制御に関するキー信号入力を生成することができる。出力装置1304は、表示デバイス、LEDのような補助照明装置及び振動モータのような触覚フィードバック装置などを含むことができる。該表示デバイスは、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ及びプラズマディスプレイを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、表示デバイスはタッチスクリーンであってもよい。
【0112】
本明細書で説明されるシステム及び技術の様々な実施形態は、デジタル電子回路システム、集積回路システム、特定用途向けASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はそれらの組み合わせにおいて実装することができる。これらの様々な実施形態は、記憶システム、少なくとも1つの入力装置、及び少なくとも1つの出力装置からデータ及び指令を受信し、該記憶システム、該少なくとも1つの入力装置、及び該少なくとも1つの出力装置にデータ及び指令を送信することができる、専用又は汎用のプログラマブルプロセッサであり得る、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステム上で実行及び/又は解釈可能な1つ以上のコンピュータプログラムで実装することを含むことができる。
【0113】
これらの計算プログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、又はコードとも呼ばれる)は、プログラマブルプロセッサの機械命令を含み、高度なプロセス及び/又はオブジェクト指向プログラミング言語、及び/又はアセンブリ/機械言語で実装されてもよい。本明細書で使用されるように、用語「機械可読媒体」及び「コンピュータ可読媒体」とは、機械可読信号として機械命令を受信する機械可読媒体を含む、プログラマブルプロセッサに機械命令及び/又はデータを提供するための任意のコンピュータプログラム製品、デバイス、及び/又は装置(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブルロジックデバイス(PLD))を指す。「機械可読信号」という用語は、機械命令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに提供するために使用される任意の信号を指す。
【0114】
ユーザとのインタラクションを提供するために、本明細書に記載されたシステム及び技術は、ユーザに情報を表示するための表示装置(例えば、CRT(陰極線管)又はLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)と、ユーザがコンピュータに入力を提供することができるキーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウス又はトラックボール)とを有するコンピュータ上で実装されてもよい。他の種類の装置はさらに、ユーザとのインタラクションを提供するために用いられてもよく、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック)であってもよく、ユーザからの入力は、音響入力、音声入力又は触覚入力を含む任意の形態で受信されてもよい。
【0115】
バックグラウンドコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、データサーバとして)、ミドルウェアコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、アプリケーションサーバ)、又はフロントエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、グラフィカルユーザインタフェース又はウェブブラウザを有するユーザコンピュータであって、ユーザは、該グラフィカルユーザインタフェース又は該ウェブブラウザを介して、本明細書で説明するシステム及び技術の実施形態と対話することができる)、又はそのようなバックグラウンドコンポーネント、ミドルウェアコンポーネント、又はフロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせを含むコンピューティングシステムに、本明細書で説明するシステム及び技術を実装することができる。システムの構成要素を、任意の形式又は媒体のデジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)を介して相互接続することができる。通信ネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネット及びブロックチェーンネットワークを含む。
【0116】
コンピュータシステムは、クライアント及びサーバを含むことができる。クライアント及びサーバは、一般的に互いに離れており、通常、通信ネットワークを介して対話する。クライアントとサーバとの関係は、対応するコンピュータ上で動作され、互いにクライアントーサーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生成される。サーバは、クラウドサーバであってもよく、クラウドコンピューティングサーバ又はクラウドホストとも呼ばれ、クラウドコンピューティングサービスモデルにおけるホスト製品の1つであり、従来の物理ホスト及びVPSサービスにおいて、存在する管理の困難さが大きく、サービス拡張性が弱いという欠点を解決する。
【0117】
本出願の技術的手段によれば、路側感知装置に基づく車両の測位を実現し、車両測位の信頼性及び可用性を向上できる。
【0118】
なお、上述した様々な形態のフローを用いて、ステップを改めて並び替え、追加または削除を行うことができる。例えば、本出願に記載された各ステップは、本出願に開示された技術案の所望の結果が達成できる限り、並行して実行されてもよいし、順次に実行されてもよいし、異なる順序で実行されてもよい。本明細書はここで制限しない。
【0119】
上記具体的な実施形態は、本出願の保護範囲を限定するものではない。設計要件および他の要因に従って、様々な修正、組み合わせ、副次的な組み合わせ、および置換を行うことができることを当業者は理解すべきである。本出願の趣旨および原理を逸脱せずに行われたあらゆる修正、均等置換および改善などは、いずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。