(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】保管容器を搬送するためのロボット
(51)【国際特許分類】
B60L 53/80 20190101AFI20230704BHJP
B65G 1/04 20060101ALI20230704BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20230704BHJP
B60L 53/30 20190101ALI20230704BHJP
B60L 58/12 20190101ALI20230704BHJP
B60L 58/16 20190101ALI20230704BHJP
B60L 58/18 20190101ALI20230704BHJP
B60L 3/00 20190101ALI20230704BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20230704BHJP
H02J 7/34 20060101ALI20230704BHJP
H02J 9/06 20060101ALI20230704BHJP
【FI】
B60L53/80
B65G1/04 551A
B60L50/60
B60L53/30
B60L58/12
B60L58/16
B60L58/18
B60L3/00 S
H02J7/00 P
H02J7/00 302C
H02J7/34 G
H02J9/06 110
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021072436
(22)【出願日】2021-04-22
(62)【分割の表示】P 2016546031の分割
【原出願日】2015-01-06
【審査請求日】2021-05-21
(32)【優先日】2014-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(73)【特許権者】
【識別番号】317005527
【氏名又は名称】アウトストア・テクノロジー・エーエス
【氏名又は名称原語表記】AUTOSTORE TECHNOLOGY AS
【住所又は居所原語表記】Stokkastrandvegen 85,N-5578 Nedre Vats,Norway
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】ホグナラン,イングヴァル
【審査官】清水 康
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-211020(JP,A)
【文献】実開平02-013007(JP,U)
【文献】特開平03-037967(JP,A)
【文献】特開平05-104957(JP,A)
【文献】特開2011-234599(JP,A)
【文献】特開2000-318462(JP,A)
【文献】国際公開第1998/049075(WO,A1)
【文献】米国特許第07381022(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0282472(US,A1)
【文献】特開2003-212125(JP,A)
【文献】特開平05-181528(JP,A)
【文献】特公昭47-046984(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00 - 3/12
B60L 7/00 - 13/00
B60L 15/00 - 58/40
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H02J 9/06
B65G 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方に置かれた保管システム(3)から保管容器(2)を取り上げるための遠隔操作車両組立体(1)であり、
前記保管システム(3)内の保管容器(2)を受け入れるための空洞(7)を有する車両本体(4)と、
前記車両本体(4)に少なくとも間接的に接続され、前記下方に置かれた保管システム(3)から前記空洞(7)内へ保管容器(2)を垂直方向に上昇させるための車両昇降装置(9)と、
前記車両本体(4)に接続され、前記保管システム(3)内の前記遠隔操作車両組立体(1)の遠隔制御移動を可能にする駆動手段(10、11)と、
前記遠隔操作車両組立体(1)と遠隔制御ユニットとの間の無線通信を提供するための無線通信手段(75)と、
前記駆動手段(10、11)に電力を供給する主電源(6)と、
前記駆動手段(10、11)に電力を供給するための補助電源(21)と、
前記主電源(6)を前記車両本体(4)に、解除可能に結合するための車両結合手段(22)であって、前記遠隔制御ユニットから少なくとも1つの通信信号を受信した後、静止した充電ステーション(20、20’)に対する前記主電源(6)の交換を可能にするように構成される車両結合手段(22)と、を備え、
前記主電源(6)は、充電ステーション(20、20’)に配置された対応する充電ステーション接続手段(25)との解除可能な接続を可能にする受け入れ手段(23)を備え、
前記充電ステーション(20、20’)は、対応する前記車両結合手段(22)との解除可能な接続を可能にする
充電ステーション開口部を備えることを特徴とする、遠隔操作車両組立体(1)。
【請求項2】
前記遠隔操作車両組立体(1)は、前記主電源及び前記補助電源(6、21)の少なくとも1つを管理する管理システム(19)を更に備え、
前記管理システム(19)は、
電圧、温度、充電状態(SOC)、放電深度(DOD)、劣化状態(SOH)、冷却剤流、および電流のうちの少なくとも1つを監視する手段と、
前記主電源及び前記補助電源(6、21)の少なくとも1つの再充電に関する少なくとも1つのパラメータを制御する再充電制御手段と
を備えることを特徴とする、請求項1に記載の遠隔操作車両組立体(1)。
【請求項3】
前記遠隔操作車両組立体(1)の動作中に、前記補助電源(21)に蓄えられる電力の最小量は、1つの充電ステーション(20)から隣接する充電ステーション(20’)へ前記遠隔操作車両組立体(1)を移動させるために必要な電力と等しいことを特徴とする、請求項2に記載の遠隔操作車両組立体(1)。
【請求項4】
前記補助電源(21)と前記主電源(6)とは、前記主電源(6)が前記遠隔操作車両組立体(1)に動作的に接続されたときに、前記主電源(6)が前記補助電源(21)を充電可能であるように互いに接続されることを特徴とする、請求項2または3に記載の遠隔操作車両組立体(1)。
【請求項5】
前記主電源及び前記補助電源(6、21)の少なくとも1つは蓄電器であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の遠隔操作車両組立体(1)。
【請求項6】
前記主電源及び前記補助電源(6、21)の少なくとも1つは充電式電池であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の遠隔操作車両組立体(1)。
【請求項7】
前記遠隔操作車両組立体(1)は、前記主電源及び前記補助電源(6、21)の少なくとも1つを管理する電池管理システム(BMS)(19)を備えることを特徴とする、請求項6に記載の遠隔操作車両組立体(1)。
【請求項8】
前記受け入れ手段(23)の少なくとも1つはフック受け入れ手段であることを特徴とする、請求項1に記載の遠隔操作車両組立体(1)。
【請求項9】
前記車両結合手段(22)は、
前記車両本体(4)に枢動可能に接続され、前記主電源(6)と前記車両本体(4)との間の解除可能な接続を可能にする少なくとも1つの電池フック(22)、
を更に備えることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の
遠隔操作車両組立体(1)。
【請求項10】
容器(2)の保管のための保管システム(3)であって、
請求項1から9のいずれかに記載の遠隔操作車両組立体(1)と、
充電ステーション(20、20’)と、
車両支持体(14)と、
前記車両支持体(14)を支持する容器保管構造(15)であって、前記容器保管構造(15)は複数の保管柱(8、8a、8b)を備える、容器保管構造(15)と
を備え、
各保管柱(8、8a、8b)は、保管容器(2)の垂直な積み重ねを収容するように構成されることを特徴とする、保管システム(3)。
【請求項11】
遠隔操作車両組立体(1)に配置される主電源(6、6’)を充電するための方法であって、前記方法は、以下の
(a)前記主電源(6)を収容する上昇位置の前記遠隔操作車両組立体(1)を充電ステーション(20、20’)に接近させるステップと、
(b)前記遠隔操作車両組立体(1)が前記充電ステーション(20、20’)に対して横方向移送位置にあるとき、充電ステーション接続手段(25)を、対応する前記主電源(6)の受け入れ手段(23)内へ誘導するステップと、
(c)前記遠隔操作車両組立体(1)を、下方に位置する車両支持体(14)に向かって所定の距離だけ下降させ、これにより、車両結合手段(22)を前記主電源(6)から解除するステップと、
(d)前記遠隔操作車両組立体(1)を、下降位置にあるまま、補助電源(22)を使用して前記充電ステーション(20、20’)から離れて後退させるステップと、
(e)前記遠隔操作車両組立体(1)を前記上昇位置に復帰させ、前記下方に位置する車両支持体(14)に沿って、十分に充電された主電源(6)を備えた充電ステーション(20’)へ移動させるステップと
を備え
、
前記方法のステップは、制御ユニットと前記遠隔操作車両組立体(1)内の無線通信手段(75)との間で通信信号を伝達することで制御されることを特徴とする、方法。
【請求項12】
前記
遠隔操作車両組立体(1)の下降および上昇は、駆動手段(10、11)に接続されたまたは前記駆動手段(10、11)の一体的な部分である伸長手段によって達成されること
を特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記遠隔操作車両組立体(1)は、請求項1から9のいずれかに記載されたものであることを特徴とする、請求項
11または12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の序文に定義される保管システムから保管容器を取り上げるための遠隔操作車両、容器の保管のための保管システム、および電源を交換するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
保管システムから保管容器を取り上げるための遠隔操作車両が知られている。関連する従来技術の保管システムの詳細な説明は、WO98/49075に提示され、このような保管システムに適した従来技術の車両の詳細は、ノルウェー国特許NO317366に開示されている。このような従来技術の保管システムは、ある高さまで積み重ねられた保管容器を収容する3次元的な保管グリッドを備える。保管グリッドは、通常、上部レールによって互いに接続されたアルミニウムの柱(column)として構成され、いくつかの遠隔操作車両、またはロボット、が、これらのレール上を横方向に移動するように配置される。各ロボットは、保管グリッドに保管された容器を取り上げ、運搬し、配置するための昇降機と、ロボットに内蔵されたモータに電気的効果を供給するための充電式電池とを備える。ロボットは、典型的には、無線リンクを介して制御システムと通信し、充電ステーションにおいて、必要に応じて、典型的は夜間に、再充電される。
【0003】
従来技術の保管システムの例が、
図1に示される。保管システム3は、専用の支持レール13上を移動し、容器保管グリッド15内の保管柱8から保管容器2を受け取るように構成される複数のロボット1を含む。従来技術の保管システム3は、専用の容器昇降装置50も含み得、後者は、保管システム3の最上位でロボット1から保管容器2を受け取り、保管容器2を垂直方向下方に、配送ステーションまたは出入口60へ運送するように構成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この既知のシステムには、再充電の必要性に起因するロボットの望まれない活動休止があり、保管システム3の動作サイクルを、全体として、典型的には1日当たり16時間に減少させている。
【0005】
したがって、本発明の目的は、全体的な動作サイクルの著しい増加、好適には1日当たり24時間に近い動作サイクルを可能にする解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、主クレームにおいて説明され、特徴づけられる一方、従属クレームは、本発明の他の特徴について説明する。
特には、本発明は、保管システムから保管容器を取り上げるための遠隔操作車両組立体に関し、遠隔操作車両組立体は、保管システム内のどこかに位置する保管容器を受け入れるための空洞を有する車両本体と、車両本体に少なくとも間接的に接続され、空洞内へ保管容器を上昇させるための車両昇降装置と、車両本体に接続され、保管システム内の車両組立体の遠隔制御移動を可能にする駆動手段と、車両組立体とコンピュータなどの遠隔制御ユニットとの間の無線通信を提供するための無線通信手段と、駆動手段に電力を供給する1つまたは複数の主電源と、主電源の車両本体への動作的および解除可能な結合のための車両結合手段と、を備える。動作的な結合とは、電源と駆動手段との間での電力流れを保証する結合と定義される。
【0007】
好適な実施形態において、結合手段は、制御ユニットから少なくとも1つの通信信号を受信した後、充電ステーションに対する主電源の自動的な交換/移送、すなわち人間が関与する必要なく行われる移送、を可能にするように構成される。
【0008】
別の好適な実施形態において、車両組立体は、駆動手段に電力を供給するための1つまたは複数の補助電源を更に備える。このまたはこれらの補助電源は、1つの、いくつかのまたは全ての主電源に加えて、またはそれらがないときに動作し得る。
【0009】
別の好適な実施形態において、車両組立体は、電源の少なくとも1つを管理する管理システムを更に備える。このような管理システムは、電圧、温度、充電状態(state of charge)、放電深度(depth of discharge)、劣化状態(state of health)、冷却剤流(coolant flow)、および電流のうちの少なくとも1つを監視する手段、および/または、上記の監視パラメータの1つまたは複数などの、電源の少なくとも1つの再充電に関する少なくとも1つのパラメータを制御する再充電制御手段、を備える。
【0010】
別の好適な実施形態において、補助電源に蓄えられる電力の最小量は、動作中に、1つの充電ステーションから隣接する充電ステーションへ車両組立体を移動させるために必要な電力と等しい。
【0011】
別の好適な実施形態において、1つまたは複数の補助電源と1つまたは複数の主電源とは、主電源が車両に電力を供給する間に、主電源が補助電源を充電可能であるように互いに接続される。
【0012】
別の好適な実施形態において、電源の少なくとも1つ、すなわち、主電源の少なくとも1つおよび/または補助電源の少なくとも1つは、蓄電器、例えば、二重層蓄電器、疑似蓄電器、および/またはハイブリッド蓄電器などのスーパー蓄電器である。
【0013】
別の好適な実施形態において、電源の少なくとも1つ、すなわち、主電源の少なくとも1つおよび/または補助電源の少なくとも1つは、充電式電池である。充電式電池の例として、リチウムイオン電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池(Nickel-Metal Hydride battery)、リチウムイオンポリマー電池、リチウム硫黄電池、薄膜電池、スマート電池カーボン発泡体ベースの鉛電池(Smart battery Carbon Foam-based Lead Acid battery)、カリウムイオン電池、ナトリウムイオン電池、またはこれらの組合せがある。少なくとも1つの電源の動作を監視し制御するために、車両組立体は、電池管理システム(battery management system)(BMS)を、例えば電源の少なくとも1つに対する充電を管理/制御するプリント回路基板の形態で、更に備え得る。有利には、このBMSは、主電源にまたは主電源内に動作可能に配置される。
【0014】
別の好適な実施形態において、主電源は、充電ステーションに配置された対応する充電ステーション接続手段との解除可能な接続を可能にする受け入れ手段を備え、受け入れ手段の少なくとも1つは、有利には、凹部、開口部または環状部(hank)などのフック受け入れ手段であり得、充電ステーションに配置された枢動可能な対応する充電ステーションフックとの解除可能な接続を可能にする。
【0015】
別の好適な実施形態において、車両接続手段は、車両本体に枢動可能に接続され、主電源と車両本体との間の解除可能な接続を可能にする少なくとも1つの電池フックを更に備える。
【0016】
本発明は、容器の保管のための保管システム、例えばノルウェー国特許出願NO20121488に詳細に開示される構造と類似の構造を有する保管システムにも関する。システムは、
1つまたは複数の、上記に開示される車両に従った遠隔操作車両と、
1つまたは複数の充電ステーションと、
複数の支持レールを備える車両支持体と、
車両支持体を支持し、複数の保管柱を含む容器保管構造であって、各保管柱は、保管容器の垂直な積み重ねを収容するように構成される、容器保管構造と、を備える。容器保管構造の主要部分は、車両支持体上の支持レールが交差する位置に一致する。
【0017】
本発明は更に、遠隔操作車両内に、またはその近傍に、またはその上に配置される電源を充電するための方法に関する。このような方法は、以下の
(a)遠隔操作車両組立体を、第1の充電ステーションに隣接する充電位置へ移動するステップと、
(b)車両組立体の車両本体に接続された第1の主電源を、第1の充電ステーションへ移送するステップと、
(c)駆動手段に補助電力を供給する補助電源を使用して、車両組立体を第2の充電ステーションへ移動するステップと、
(d)第2の充電ステーションに接続された第2の主電源を車両本体へ移送するステップであって、第2の主電源は、第2の充電ステーションによってある期間の間充電されたものである、ステップと、を備える。
充電ステーションは、好適には、車両組立体がその上を移動する、下方に置かれた支持体上に配置される。
【0018】
好適な実施形態において、方法は、
ステップ(b)の間およびステップ(d)の間に、車両本体を下方に置かれた車両支持体に向けて下降させ、それによって主電源を車両本体から分離するステップと、
ステップ(b)の後およびステップ(d)の後に、車両本体を下方に置かれた車両支持体から離れるように上昇させ、それによって主電源(6)の充電ステーションへの接続を可能にするステップと、を更に備える。
車両本体の下降および上昇は、駆動手段に接続されたまたは駆動手段の一体的な部分である伸長手段によって達成される。
【0019】
別の好適な実施形態において、方法のステップは、制御ユニットと車両内の無線通信手段との間で通信信号を伝達することで制御される。
方法において使用される車両組立体は、有利には、上記において開示された種類のものでよい。
【0020】
以下の説明において、特許請求される車両、システムおよび方法の実施形態の完全な理解を提供するために、多くの特定の詳細が提示される。しかしながら、これらの実施形態は1つまたは複数の特定の詳細がなくても、または他の構成要素、システムなどとともに実施され得ることを、当業者は認識するであろう。他の場合において、開示される実施形態の態様を曖昧することを避けるために、周知の構造または動作は示されない、または詳細には説明されない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2】本発明による遠隔操作車両の下方斜視図である。
【
図3】本発明による遠隔操作車両の上方斜視図である。
【
図4】容器保管グリッド、車両支持体およびロボットを含む本発明による保管システムの一部分の側方斜視図である。
【
図5】容器保管グリッド、車両支持体、ロボットおよび複数の充電ステーションを含む本発明による保管システムの一部分の側方斜視図である。
【
図6】主電源および補助電源を図示するロボットのブロック図であり、
図6(a)および
図6(b)は、ロボットに動作的に接続された主電源と、ロボットから分離された主電源とをそれぞれ示す。
【
図7】ロボットおよび充電ステーションの断面図である。
【
図8】
図8(a)~
図8(d)は、ロボットおよび充電ステーションの断面図であり、
図8(a)は、上昇位置にあって、その充電位置から距離のあるバッテリを含むロボットを図示し、
図8(b)および
図8(c)は、それぞれ、上昇位置および下降位置にあって、その充電位置に隣接するバッテリを含むロボットを図示し、
図8(d)は、バッテリを充電ステーションに移送した後の、下降位置にあってその充電位置から距離のあるロボットを図示する。
【
図9】
図9(a)~
図9(c)は、
図8(b)~
図8(d)の接続機構の更なる詳細を提供する断面切り欠き図であり、
図9(a)および
図9(b)は、それぞれ、上昇位置および下降位置にあるロボットおよび充電ステーションの接続フックを図示し、
図9(c)は、バッテリの充電ステーションへの接続が成功した後の、接続フックを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図2および
図3は、中央に配置された空洞7を有する矩形の車両本体またはフレームワーク4と、本体4の上部を覆う上蓋72と、空洞7の内側に取り付けられた第1の組の4つの車輪10と、本体4の外壁に取り付けられた第2の組の4つの車輪11と、を備えるロボット1を、2つの異なる角度から見た斜視図である。第1の組および第2の組の車輪10、11は、互いに対して垂直な方向に向けられている。明確化のために、矩形の車両本体4の主方向に沿ってX、YおよびZ軸が配列された直交座標が図示されている。空洞7の大きさは、昇降装置9(
図4を参照)のための必要部品を収容し、かつロボット1によって取り上げられることを意図される最も大きな保管容器2を収容するように構成される。
【0023】
図4は、保管システム2の一部分を図示し、そこでは、ロボット1は、支持容器保管構造15内の保管柱8の真上の、車両支持体14上における昇降位置にある。車両昇降装置9は、柱8内の任意の保管容器2をフックで引っ掛けて上昇させるために、保管柱8内へある距離だけ下降されている。
【0024】
ロボット1の全ての動作は、無線通信手段19および遠隔制御ユニットによって制御される。これは、ロボットの移動の制御、車両昇降装置9の制御、および任意の車両位置測定の制御を含む。
【0025】
図4と同様に、
図5において、ロボット1は、複数の支持レール13で構成される車両支持体14上に配置されて図示され、車両支持体14は、複数の保管柱8を形成する容器保管構造15上に支持される。
図5のロボット1は、主電池6と、動作中に主電池6を保持するとともにロボット1へ必要な電力が流れることを可能にする電池保持手段22~24と、駆動手段10、11と、ハンドル74を有する閉鎖カバー73と、制御パネル75と、を備える。主電池6の充電を可能にするために、本発明の保管システム3は、主電池6および/またはロボット接続手段22~24を含む車両本体4の部分がアクセス可能な位置において車両支持体14に固定された、いくつかの充電ステーション20、20’を更に備える。各充電ステーション20、20’は、主電池6の移送を助けるとともに安定した接続および電気充電を保証する、対応するステーション接続手段
25を備える。
図5は、ほぼ放電された主電池6を電池が装填されていない充電ステーション20へ移送するために、ロボット1が充電ステーション20に接近しつつある特定の状況を図示する。移送が成功した後、ロボット1は、別の充電ステーション20’、典型的には完全な動作レベルまで充電された主電池6を収容する最も近くの充電ステーション20’へ移動される。車両支持体14に沿った第1の充電ステーション20から第2の充電ステーション20’へのこのような移動は、
図6のブロック図に概略的に示される補助電源または電池21によって行われ得る。
図6において、
図6(a)および
図6(b)は、それぞれ、接続および分離された主電池を有するロボット1を図示する。接続されたとき、主電池6の端子は、回路基板19に電気的に接続される。回路基板19もまた、駆動手段10、11への電力流れを制御している。駆動手段10、11は、車輪、モータ、歯車などの、少なくとも横方向の移動を保証するロボット1内の全ての機構および/または部品を含むことに留意されたい。更に、
図6(a)および
図6(b)の両者ともに、上述の補助電池21を図示し、その端子は、主電池6と同じ回路基板19に電気的に接続される。この結果、主電池6が(物理的におよび/または電気的に)完全に欠けていたとしても(
図6(b))、このような構成を有するロボット1は、ロボット1の動作(横方向移動、昇降移動、昇降装置9の動作)を可能にするのに十分な電力を駆動手段10、11に供給し得る。主電池6が接続されたとき、補助電池21は、電気的に分離されたままとなってもよく、または、ロボット1の連続的な動作の間の追加的な電源として機能してもよい。
【0026】
図7は、ロボット1および車両支持体14の上部に配置された充電ステーション20の断面図であり、本実施形態においては専用の主電池用空洞24内に配置された主電池6と、ロボット1側のロボット保持手段22、23および充電ステーション20側のステーション保持手段
25とを構成する部品との配置を更に詳細に示す。ロボット接続手段22、23は、主電池用空洞24の側壁に枢動可能に固定されて主電池6を所定位置に固定する少なくとも1つのロボットフック22と、主電池6の充電ステーション20、20’に対向する側にある少なくとも1つのロボット開口部23として図示されている。同様に、充電ステーション20、20’のロボット1に対向する側には、ロボット開口部23に解除可能に固定され得る少なくとも1つの枢動可能な充電ステーションフック25と、枢動可能なロボットフック22を解除可能に受け入れ得る少なくとも1つの充電ステーション開口
部とが備えられる。ロボットおよび充電ステーションフック22、25のそれぞれのロボット
開口部23および充電ステーション開口
部への確実で容易な固定を保証するために、ロボット1は、垂直方向すなわち車両支持体14に垂直な方向において調整可能な、
図7に図示される横方向位置にある。この移動は、ロボット1から充電ステーション20、20’への主電池移送プロセスの4つの異なる段階(a)~(d)を図示する
図8に更に詳細に示される。第1段階(
図8(a))において、主電池6を収容するロボット1は、上昇位置にある充電ステーション20、20’に接近しつつある。ロボット1が、充電ステーション20、20’に対して横方向移送位置にあるとき(
図8(b))、充電ステーションに配置された充電ステーションフック25は、対応する主電池に配置されたロボット開口部23内へ誘導されている。続いて、ロボット1は、下方に位置する車両支持体14に向かって所定の距離だけ下降され(
図8(c))、結果として、ロボットフック22が主電池6から解除される。最後に、ロボット1は、下降位置にあるまま、補助電源22を使用して充電ステーション20、20’から離れて後退する(
図8(d))。ロボット1は、次いで、上昇位置に復帰し得、車両支持体14に沿って、十分に充電された主電池6を備えた充電ステーション20’へ移動し得る。
【0027】
図9(a)~
図9(c)は、ロボット1から充電ステーション20への主電池移送プロセスを更に詳細に提示する。
図9(a)は、
図8(b)に示される状態、すなわち、上昇されたロボット1が充電ステーション20に対して移送位置へ移動され、充電ステーションフック25が、対応するロボット開口部23に首尾よく誘導され引っ掛けられたときの状態に対応する。更に、
図9(b)は、
図8(c)に示される、ロボット1が下降され、それによってロボットフック22を主電池6から解除したときの状態に対応する。最後に、
図9(c)は、
図8(d)に示される、主電池を充電ステーション20に充電接続した
まま、ロボット1が補助電源21によって充電ステーション20から後退したときの状態に対応する。
【0028】
上述の説明において、本発明による装置の様々な態様が例示的な実施形態を参照して説明された。説明の目的で、装置とその働きの完全な理解を提供するために、特定の数字、システムおよび構成が示された。しかしながら、本説明は限定的な意味で解釈されることを意図しない。開示される主題が関連する技術分野の当業者には明らかであるような、例示的な実施形態の様々な修正および変更、および装置の他の実施形態は、本発明の範囲内にあるものとみなされる。
【符号の説明】
【0029】
1 遠隔操作車両組立体/ロボット
2 保管容器
3 保管システム
4 車両本体/フレームワーク
6 主電源/主電池
7 空洞
8 保管柱
9 車両昇降装置
10 第1組目の車両回転手段/第1組目の車輪/駆動手段
11 第2組目の車両回転手段/第2組目の車輪/駆動手段
13 支持レール
14 車両支持体
15 容器保管構造/容器保管グリッド
19 回路基板/管理システム/電池管理システム
20 充電ステーション/第1の充電ステーション
20’ 隣接する充電ステーション/第2の充電ステーション
21 補助電源/補助電池
22 車両接続手段/ロボットフック
23 受け入れ手段/ロボット開口部
24 主電池用空洞
25 充電ステーション接続手段/充電ステーションフック
50 容器昇降装置
60 配送ステーション/出入口
72 上蓋
73 閉鎖カバー
74 ハンドル
75 無線通信手段/制御パネル