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特許7307131課税情報作成装置、課税情報作成方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】課税情報作成装置、課税情報作成方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20120101AFI20230704BHJP
【FI】
G06Q50/26
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021147414
(22)【出願日】2021-09-10
(62)【分割の表示】P 2019181300の分割
【原出願日】2018-12-07
(65)【公開番号】P2021185541
(43)【公開日】2021-12-09
【審査請求日】2021-11-12
(73)【特許権者】
【識別番号】312017455
【氏名又は名称】勝井 英行
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(72)【発明者】
【氏名】勝井 英行
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-125729(JP,A)
【文献】特開2015-088030(JP,A)
【文献】特開2018-049475(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
法務局が管理する登記電子データを取得する取得部と、
前記登記電子データに基づいて、課税標準額の算出に用いられる課税情報を、土地を特定するための土地特定情報又は家屋を特定するための家屋特定情報に関連付けて作成する情報作成部と、
前記土地特定情報又は前記家屋特定情報に関連付けて前記課税情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された複数の前記課税情報のうち、前記取得部が前記登記電子データを取得したにもかかわらず更新されなかった前記登記電子データに対応する非更新課税情報の少なくともいずれかを情報端末に一覧表示させる表示制御部と、
を備える課税情報作成装置。
【請求項2】
コンピュータが実行する、
法務局が管理する登記電子データを取得するステップと、
前記登記電子データに基づいて、課税標準額の算出に用いられる課税情報を、土地を特定するための土地特定情報又は家屋を特定するための家屋特定情報に関連付けて作成するステップと、
前記土地特定情報又は前記家屋特定情報に関連付けて前記課税情報を記憶する記憶部に記憶された複数の前記課税情報のうち、前記登記電子データを取得したにもかかわらず更新されなかった前記登記電子データに対応する非更新課税情報の少なくともいずれかを情報端末に一覧表示させるステップと、
有する課税情報作成方法。
【請求項3】
コンピュータを、
法務局が管理する登記電子データを取得する取得部、
前記登記電子データに基づいて、課税標準額の算出に用いられる課税情報を、土地を特定するための土地特定情報又は家屋を特定するための家屋特定情報に関連付けて作成する情報作成部、及び
前記土地特定情報又は前記家屋特定情報に関連付けて前記課税情報を記憶する記憶部に記憶された複数の前記課税情報のうち、前記取得部が前記登記電子データを取得したにもかかわらず更新されなかった前記登記電子データに対応する非更新課税情報の少なくともいずれかを情報端末に一覧表示させる表示制御部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、課税標準額の算出に用いられる課税情報を作成するための課税情報作成装置、課税情報作成方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
課税標準額の算出に用いられる課税情報を管理する装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。当該装置においては、登記の異動が発生したことを示す異動情報に基づいて課税情報が更新され、更新された課税情報に基づいて課税標準額が算出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5465809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された装置を用いることにより、課税標準額を管理する役所等は、登記に異動が発生した場合に、異動が発生した後の課税標準額を容易に算出することができる。しかしながら、算出された課税標準額が適正であるか否かを確認することが困難であり、装置又は職員の処理の誤り等に起因して、課税標準額の算出に使用される課税情報が適正でない場合に、役所等が誤った課税標準額や税額を通知し続けてしまうという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、課税標準額の算出に用いられる課税情報が適正であるか否かを確認しやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の課税情報作成装置は、法務局が管理する登記電子データを取得する取得部と、前記登記電子データに基づいて、課税標準額の算出に用いられる課税情報を、土地を特定するための土地特定情報又は家屋を特定するための家屋特定情報に関連付けて作成する情報作成部と、前記土地特定情報又は前記家屋特定情報に関連付けて前記課税情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された複数の前記課税情報のうち、前記取得部が前記登記電子データを取得したことに応じて更新された一以上の更新課税情報を情報端末に一覧表示させる表示制御部と、を備える。
【0007】
前記表示制御部は、前記記憶部に記憶された複数の前記課税情報のうち、前記登記電子データに基づいて更新され、かつ前記取得部が取得した前記登記電子データと異なる内容の前記一以上の更新課税情報を前記情報端末に一覧表示させてもよい。
【0008】
前記表示制御部は、前記記憶部に記憶された複数の前記課税情報のうち、前記取得部が前記登記電子データを取得したことに応じて更新されなかった非更新課税情報の少なくともいずれかを情報端末に一覧表示させてもよい。
【0009】
前記表示制御部は、前記複数の課税情報それぞれに含まれる複数の項目から一以上の項目を選択する操作を受け付け、前記複数の課税情報それぞれに含まれ、かつ選択された前記一以上の項目に対応する複数の項目別課税情報のうち、前記取得部が前記登記電子データを取得したことに応じて更新された更新項目別課税情報を前記情報端末に一覧表示させてもよい。
【0010】
前記表示制御部は、前記登記電子データに含まれる複数の項目に対応する複数の項目別登記情報のうち、前記更新項目別課税情報に対応する更新項目別登記情報を、前記更新項目別課税情報に関連付けて前記情報端末に一覧表示させてもよい。
【0011】
前記取得部は、現地調査結果をさらに取得し、前記表示制御部は、前記記憶部に記憶された複数の前記課税情報のうち、前記現地調査結果に基づいて更新された前記一以上の更新課税情報を前記情報端末に一覧表示させてもよい。
【0012】
本発明の第2の態様の課税情報作成装置は、土地又は家屋の現地調査データを取得する取得部と、前記現地調査データに基づいて、課税標準額の算出に用いられる課税情報を、土地を特定するための土地特定情報又は家屋を特定するための家屋特定情報に関連付けて作成する情報作成部と、前記土地特定情報又は前記家屋特定情報に関連付けて前記課税情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された複数の前記課税情報のうち、前記取得部が前記現地調査データを取得したことに応じて更新された一以上の更新課税情報を情報端末に一覧表示させる表示制御部と、を備える。
【0013】
本発明の第3の態様の課税情報作成方法は、法務局が管理する登記電子データを取得するステップと、前記登記電子データに基づいて、課税標準額の算出に用いられる課税情報を、土地を特定するための土地特定情報又は家屋を特定するための家屋特定情報に関連付けて作成するステップと、前記土地特定情報又は前記家屋特定情報に関連付けて前記課税情報を記憶する記憶部に記憶された複数の前記課税情報のうち、前記登記電子データを取得したことに応じて更新された一以上の更新課税情報を情報端末に一覧表示させるステップと、を備える。
【0014】
本発明の第4の態様の課税情報作成方法は、土地又は家屋の現地調査データを取得するステップと、前記現地調査データに基づいて、課税標準額の算出に用いられる課税情報を、土地を特定するための土地特定情報又は家屋を特定するための家屋特定情報に関連付けて作成するステップと、前記土地特定情報又は前記家屋特定情報に関連付けて前記課税情報を記憶する記憶部に記憶された複数の前記課税情報のうち、前記現地調査データを取得したことに応じて更新された一以上の更新課税情報を情報端末に一覧表示させるステップと、を備える。
【0015】
本発明の第5の態様のプログラムは、コンピュータを、法務局が管理する登記電子データを取得する取得部、前記登記電子データに基づいて、課税標準額の算出に用いられる課税情報を、土地を特定するための土地特定情報又は家屋を特定するための家屋特定情報に関連付けて作成する情報作成部、及び前記土地特定情報又は前記家屋特定情報に関連付けて前記課税情報を記憶する記憶部に記憶された複数の前記課税情報のうち、前記取得部が前記登記電子データを取得したことに応じて更新された一以上の更新課税情報を情報端末に一覧表示させる表示制御部、として機能させる。
【0016】
本発明の第6の態様のプログラムは、コンピュータを、土地又は家屋の現地調査データを取得する取得部、前記現地調査データに基づいて、課税標準額の算出に用いられる課税情報を、土地を特定するための土地特定情報又は家屋を特定するための家屋特定情報に関連付けて作成する情報作成部、及び前記土地特定情報又は前記家屋特定情報に関連付けて前記課税情報を記憶する記憶部に記憶された複数の前記課税情報のうち、前記取得部が前記現地調査データを取得したことに応じて更新された一以上の更新課税情報を情報端末に一覧表示させる表示制御部、として機能させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、課税標準額の算出に用いられる課税情報が適正であるか否かを確認しやすくすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】課税情報管理システムSの概要を示す図である。
図2】登記電子データに含まれる登記情報の一例を示す表である。
図3】土地に関する課税情報の一例を示す表である。
図4】家屋に関する課税情報の一例を示す表である。
図5】課税情報作成装置1の構成を示す図である。
図6】記憶部12に記憶されている課税情報の一例を示す図である。
図7】取得部131が取得した登記電子データに含まれる登記情報の一例を示す図である。
図8図7に示す登記電子データに基づいて情報作成部132が更新した後の課税情報を示す図である。
図9】表示制御部133が情報端末2に表示させる更新課税情報の一覧表示例を示す図である。
図10】表示制御部133が情報端末2に表示させる更新課税情報の一覧表示例の他の例を示す図である。
図11】制御部13の動作フローチャートを示す図である。
図12】課税情報管理システムSの変形例である課税情報管理システムS1の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[課税情報管理システムSの概要]
図1は、課税情報管理システムSの概要を示す図である。課税情報管理システムSは、市区町村等の地方自治体が課税標準額を管理するためのシステムであり、課税情報作成装置1と、一以上の情報端末2とを備える。課税情報管理システムSは、例えば地方自治体の役所及び役場に設置されている。
【0020】
課税情報作成装置1は、ネットワークN1を介して接続された法務局等が管理するサーバ3から登記電子データを取得し、取得した登記電子データに含まれる各種の登記情報に基づいて課税情報を生成するサーバである。課税情報作成装置は、生成した課税情報に基づいて課税標準額を算出する。
【0021】
課税情報作成装置1は、生成した課税情報が登録された課税情報データベースを記憶媒体に記憶しており、ネットワークN2を介して接続された一以上の情報端末2からの要求に応じて、情報端末2に課税情報を表示させる。情報端末2は、例えば地方自治体の職員が使用するコンピュータである。ネットワークN1は例えばインターネットであり、ネットワークN2は例えばイントラネットであるが、ネットワークN2がインターネットであってもよい。
【0022】
図2は、登記電子データに含まれる登記情報の一例を示す表である。図2(a)は、土地の登記情報を示しており、図2(b)は、家屋の登記情報を示している。図3は、土地に関する課税情報の一例を示す表である。図4は、家屋に関する課税情報の一例を示す表である。図3及び図4に示す課税情報は、同一の土地又は家屋に対応する各項目の内容が関連付けられた課税情報データベースにおいて管理されている。
【0023】
図2図3及び図4とを比較すると、課税情報には登記情報よりも多くの項目が含まれている。課税情報の一部の項目は登記情報の項目と同一であり、登記情報の内容がそのまま課税情報に反映される。課税情報の他の一部の項目は登記情報に含まれておらず、当該項目の内容は、登記情報における他の項目の内容に基づいて生成されたり、地方自治体の職員により入力されたりする。
【0024】
課税情報作成装置1が情報端末2から新たな登記電子データを取得した場合、課税情報作成装置1は、新たな登記電子データに含まれる更新用の登記情報に基づいて、課税情報データベース内の課税情報の少なくとも一部の項目の内容を更新する。ただし、登記電子データに含まれる登記情報が現況に合っていない場合も生じ得る。例えば、登記情報に含まれている地目が「畑」であるにもかかわらず、実際には倉庫が建っている場合、課税情報作成装置1は、現地調査結果に基づいて、課税情報に含まれる地目を「宅地」とする。
【0025】
このように、課税情報作成装置1が、新たな登記電子データを取得した場合、課税標準額を管理する地方自治体の職員は、新たな登記電子データに基づいて更新された課税情報の内容を確認する必要がある。本実施の形態に係る課税情報作成装置1は、地方自治体の職員が大量の課税情報のうち、確認するべき課税情報に容易にアクセスできるように、新たな登記電子データを取得したことに応じて更新された一以上の更新課税情報を情報端末2に一覧表示させるという特徴を有する。
【0026】
[課税情報作成装置1の構成]
図5は、課税情報作成装置1の構成を示す図である。課税情報作成装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を有する。制御部13は、取得部131と、情報作成部132と、表示制御部133と、を有する。
【0027】
通信部11は、ネットワークN1を介してサーバ3との間でデータを送受信したり、ネットワークN2を介して情報端末2との間でデータを送受信したりするための通信コントローラを含む。通信部11は、受信したデータを制御部13に通知する。また、通信部11は、制御部13から受けたデータを送信する。通信部11は、例えば取得部131から受けた表示用データを情報端末2に表示させるべく、表示用データを情報端末2に送信する。
【0028】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等の記憶媒体を含む。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶している。また、記憶部12は、通信部11がサーバ3から受信した登記電子データに含まれている登記情報、及び情報作成部132が作成した課税情報を記憶している。記憶部12は、土地を特定するための土地特定情報、又は家屋を特定するための家屋特定情報に関連付けて課税情報を記憶する。土地特定情報は、例えば登記電子データに含まれる土地の所在を示す情報、又は土地の地番である。家屋特定情報は、例えば登記電子データに含まれる家屋の所在を示す情報、又は家屋番号である。
【0029】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部131、情報作成部132及び表示制御部133として機能する。
【0030】
取得部131は、通信部11を介して、法務局等が管理する登記電子データを取得する。取得部131は、取得した登記電子データに含まれている登記情報を情報作成部132に通知する。また、取得部131は、登記情報を記憶部12に記憶させる。
【0031】
情報作成部132は、登記電子データに基づいて、課税標準額の算出に用いられる課税情報を土地特定情報又は家屋特定情報に関連付けて作成する。具体的には、情報作成部132は、取得部131から通知された登記情報に含まれている項目の所在、地番を特定し、特定した所在、地番に関連付けて記憶部12に記憶されている課税情報を読み出す。続いて、情報作成部132は、読み出した課税情報に含まれている複数の項目のうち、取得部131から通知された登記情報に含まれている項目に対応する項目の内容を、登記情報の内容に一致させるように更新する。
【0032】
表示制御部133は、記憶部12に記憶された複数の課税情報のうち、取得部131が登記電子データを取得したことに応じて更新された課税情報である一以上の更新課税情報を情報端末2に一覧表示させる。図6から図9は、情報端末2に一覧表示される更新課税情報について説明するための図である。
【0033】
図6は、記憶部12に記憶されている課税情報の一例を示す図である。図6においては、課税情報に含まれる多数の項目のうち、地番、登記地目、登記地積、所有者、所有者住所が示されている。
【0034】
図7は、取得部131が取得した登記電子データに含まれる登記情報の一例を示す図である。図7における下線は、異動が発生したデータであることを示している。図7においては、図6に示す課税情報と同じ形式で登記電子データを示しているが、登記電子データの形式は任意であり、図7に示す項目以外の項目を含んでもよい。
【0035】
図8は、図7に示す登記電子データに基づいて情報作成部132が更新した後の課税情報を示す図である。図8においては、記憶部12に記憶されている多数の課税情報のうち、図6に示した課税情報に対応する課税情報のみを示している。
【0036】
図9は、表示制御部133が情報端末2に表示させる更新課税情報の一覧表示例を示す図である。図9においては、図8に示した複数の課税情報のうち、図7に示した登記電子データに基づいて更新された課税情報のみが示されている。情報端末2を利用する地方自治体の職員は、図8に示す課税情報一覧を見た場合、どの課税情報が更新されたのかを把握することが困難である。これに対して、図9に示した更新課税情報の一覧が情報端末2に表示された場合、職員は、登記電子データに基づいて更新された課税情報を容易に把握することができるので、更新された課税情報のチェックを行いやすい。
【0037】
図10は、表示制御部133が情報端末2に表示させる更新課税情報の一覧表示例の他の例を示す図である。図10においては、登記電子データに基づいて更新された課税情報が、更新される前の課税情報と併記されている。このように、表示制御部133が、更新前後の課税情報を併記して情報端末2に表示させることにより、職員が更新された課税情報のチェックをさらに行いやすくなる。
【0038】
一方、地方自治体の職員は、登記電子データを受けたことに応じて更新されなかった課税情報(以下、非更新課税情報という)を確認し、更新されていないことが適切であるかどうかをチェックしたいという場合がある。そこで、表示制御部133は、記憶部12に記憶された複数の課税情報のうち、取得部131が登記電子データを取得したことに応じて更新されなかった非更新課税情報の少なくともいずれかを情報端末2に一覧表示させてもよい。表示制御部133がこのように動作することで、職員は、非更新課税情報のみを効率良くチェックすることができる。
【0039】
ところで、課税情報を管理する地方自治体においては、登記電子データを受けた後に、登記電子データが示している登記情報に基づいて、登記情報が示していない項目の課税情報を作成する場合がある。
【0040】
地方自治体の職員は、登記情報と異なる課税情報を効率良く確認する必要がある。そこで、表示制御部133は、記憶部12に記憶された複数の課税情報のうち、登記電子データに基づいて更新され、かつ取得部131が取得した登記電子データと異なる内容の一以上の更新課税情報を情報端末2に一覧表示させてもよい。表示制御部133がこのように動作することにより、職員が、登記電子データの内容と異なる状態になっている更新課税情報を容易に確認することができる。
【0041】
[一覧表示する対象項目の設定方法]
図3及び図4に示したように、課税情報には多数の項目が含まれている。したがって、表示制御部133が更新課税情報又は非更新課税情報を一覧表示させる際に、全ての項目を含む状態で表示すると、地方自治体の職員が必要な情報を確認しづらい。そこで、表示制御部133は、複数の課税情報それぞれに含まれる複数の項目から一以上の項目を選択する操作を受け付けてもよい。
【0042】
表示制御部133は、複数の課税情報それぞれに含まれ、かつ選択された一以上の項目に対応する複数の項目別課税情報のうち、取得部131が登記電子データを取得したことに応じて更新された更新項目別課税情報を情報端末2に一覧表示させてもよい。例えば、職員が、複数の項目から所在、地番、登記地目、登記地積、所有者、所有者住所を選択した場合、表示制御部133は、図9に示したように、選択された項目に関連付けて更新課税情報を情報端末2に一覧表示させる。
【0043】
表示制御部133は、現地調査が行われた所在、地番に対応する課税情報を選択する操作を受け付けてもよい。この場合、表示制御部133は、複数の所在、地番に対応する複数の課税情報のうち、現地調査が行われた所在、地番に関連付けて記憶部12に記憶された一以上の課税情報を情報端末2に一覧表示させる。この際、表示制御部133は、取得部131が最新の登記電子データを取得した後に現地調査が行われた所在、地番に対応する課税情報を一覧表示させてもよい。表示制御部133がこのように動作することで、新たな登記電子データが発行された後に行われた現地調査の結果が課税情報に適切に反映されているか否かを確認しやすくなる。
【0044】
表示制御部133は、現地調査が行われた所在、地番に対応する課税情報を選択する操作を受け付ける際に、現地調査が行われた期間を設定する操作をさらに受け付けてもよい。この場合、表示制御部133は、設定された期間内に現地調査が行われた所在、地番に対応する一以上の課税情報を情報端末2に一覧表示させる。表示制御部133がこのように動作することで、職員が、確認が必要な期間に行われた現地調査の結果が課税情報に適切に反映されているか否かを確認しやすくなる。
【0045】
なお、取得部131が現地調査結果を取得し、取得部131が取得した現地調査結果に基づいて、情報作成部132が課税情報を更新してもよい。この場合、表示制御部133は、記憶部12に記憶された複数の課税情報のうち、取得部131が取得した現地調査結果に基づいて更新された一以上の更新課税情報を情報端末2に一覧表示させてもよい。取得部131、情報作成部132及び表示制御部133がこのように動作することで、職員が、現地調査が行われたタイミングで、現地調査の結果が課税情報に適切に反映されているか否かを確認しやすくなる。したがって、課税情報作成装置1は、課税情報が現地調査結果に基づいて更新されていないにもかかわらず職員が無駄な確認をしてしまうことを防止できる。
【0046】
表示制御部133は、登記電子データに含まれる複数の項目に対応する複数の項目別登記情報のうち、更新項目別課税情報に対応する更新項目別登記情報を、更新項目別課税情報に関連付けて情報端末2に表示させてもよい。更新項目別登記情報は、課税情報においてデータが更新された項目に対応する登記情報である。
【0047】
表示制御部133は、例えば、図9に示した更新課税情報を一覧表示させる際に、更新された項目(例えば5番の地番に対応する登記地目)の欄に、登記情報と課税情報とを併記した状態で表示させる。表示制御部133がこのような態様で更新課税情報を一覧表示させることで、どの項目が更新されたかを職員等が把握しやすく、かつ登記情報と課税情報とが整合しているかどうかを容易に確認することができる。
【0048】
[動作フローチャート]
図11は、制御部13の動作フローチャートを示す図である。取得部131が登記電子データを取得すると(S11)、情報作成部132が、登記電子データに基づいて課税情報を更新する(S12)。
【0049】
その後、表示制御部133は、一覧表示を行うための操作が情報端末2において行われるかどうかを監視する(S13)。表示制御部133は、一覧表示を行うための操作が行われたと判定した場合(S13においてYES)、情報作成部132により更新された課税情報を抽出する(S14)。表示制御部133は、抽出した更新課税情報を情報端末2に一覧表示させる(S15)。
【0050】
[第1変形例]
図12は、課税情報管理システムSの変形例である課税情報管理システムS1の構成を示す図である。図1に示した課税情報管理システムSにおいては、課税情報作成装置1が、課税情報を生成するとともに、生成した課税情報に基づいて課税標準額を算出する場合を例示した。これに対して、図12に示す課税情報管理システムS1は、課税情報を生成する課税情報作成装置1aと、課税情報作成装置1aが生成した課税情報に基づいて課税標準額を算出する課税標準額算出装置4とを個別に有している。この場合、課税情報作成装置1aが、図5に示した制御部13の各部の機能を有していてもよく、課税標準額算出装置4が、図5に示した制御部13の各部の機能を有していてもよい。
【0051】
[第2変形例]
以上の説明においては、取得部131が法務局等から登記電子データを取得し、表示制御部133が、記憶部12に記憶された複数の課税情報のうち、取得部131が登記電子データを取得したことに応じて更新された一以上の更新課税情報を情報端末2に一覧表示させた。これに対して、取得部131が、土地又は家屋の現地調査の結果を示す現地調査データを取得し、表示制御部133が、記憶部12に記憶された複数の課税情報のうち、取得部131が現地調査データを取得したことに応じて更新された一以上の更新課税情報を情報端末2に一覧表示させてもよい。課税情報作成装置1がこのように構成されていることにより、法務局等に登記されていない土地又は家屋に対する課税情報が更新された場合に、更新された課税情報を職員が確認しやすくすることができる。
【0052】
[課税情報作成装置1による効果]
以上説明したように、表示制御部133は、記憶部12に記憶された複数の課税情報のうち、取得部131が登記電子データを取得したことに応じて更新された一以上の更新課税情報を情報端末2に一覧表示させる。表示制御部133がこのように動作することで、課税情報作成装置1を利用する地方自治体の職員が、課税標準額の算出に用いられる課税情報が適正であるか否かを確認しやすくなる。
【0053】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。
【符号の説明】
【0054】
1 課税情報作成装置
2 情報端末
3 サーバ
4 課税標準額算出装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 取得部
132 情報作成部
133 表示制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12