(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】4つの共面アンテナ素子を有する、無線送電のための近接場アンテナ
(51)【国際特許分類】
H01Q 9/16 20060101AFI20230704BHJP
H02J 50/20 20160101ALI20230704BHJP
H01Q 19/10 20060101ALI20230704BHJP
H01Q 21/00 20060101ALI20230704BHJP
H01Q 1/22 20060101ALI20230704BHJP
【FI】
H01Q9/16
H02J50/20
H01Q19/10
H01Q21/00
H01Q1/22 Z
(21)【出願番号】P 2021500097
(86)(22)【出願日】2018-12-06
(86)【国際出願番号】 US2018064289
(87)【国際公開番号】W WO2020005310
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2021-12-01
(32)【優先日】2018-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514160238
【氏名又は名称】エナージャス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ホッセイニ,アリスター
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0166924(US,A1)
【文献】特開2002-319816(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0187422(US,A1)
【文献】特表2013-501461(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/12- 1/26
H01Q 3/00-11/20
H01Q 15/00-25/04
H02J 50/00-50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射器と、
前記反射器からオフセットされた4つの別個の共面アンテナ素子であって、前記4つの別個の共面アンテナ素子のそれぞれは、それぞれの蛇行パターンに従い、
前記4つの
別個の共面アンテナ素子のうちの2つのアンテナ素子は、第1の軸に沿った第1のダイポールアンテナを形成し、
前記4つの
別個の共面アンテナ素子のうちの
他の2つのアンテナ素子は、前記第1の軸に対して垂直な第2の軸に沿った第2のダイポールアンテナを形成する、4つの別個の共面アンテナ素子と、
前記第1及び第2のダイポールアンテナの少なくとも1つに電磁気信号を供給するように構成された電力増幅器と、
前記第1及び第2のダイポールアンテナの少なくとも1つのインピーダンスを調整するように構成されたインピーダンス調整部品と、
前記電力増幅器、前記インピーダンス調整部品並びに前記第1及び第2のダイポールアンテナに結合された切り替え回路系であって、
(i)前記第1のダイポールアンテナを前記電力増幅器に、且つ前記第2のダイポールアンテナを前記インピーダンス調整部品に切り替え可能に結合するか、又は
(ii)前記第2のダイポールアンテナを前記電力増幅器に、且つ前記第1のダイポールアンテナを前記インピーダンス調整部品に切り替え可能に結合するように構成される切り替え回路系と、を備える近接場アンテナ。
【請求項2】
前記近接場アンテナの第1の動作モードでは、前記切り替え回路系は、(i)前記第1のダイポールアンテナを前記電力増幅器に、且つ(ii)前記第2のダイポールアンテナを前記インピーダンス調整部品に結合し、
前記近接場アンテナの第2の動作のモードでは、前記切り替え回路系は、(i)前記第2のダイポールアンテナを前記電力増幅器に、且つ(ii)前記第1のダイポールアンテナを前記インピーダンス調整部品に結合する、請求項1に記載の近接場アンテナ。
【請求項3】
前記近接場アンテナの前記第1の動作モードでは、前記第1のダイポールアンテナは、前記電力増幅器から電磁波を受信し、且つ第1の偏極を有する前記受信された電磁波を放射し、
前記近接場アンテナの前記第2の動作のモードでは、前記第2のダイポールアンテナは、前記電力増幅器から電磁波を受信し、且つ前記第1の偏極と異なる第2の偏極を有する前記受信された電磁波を放射する、請求項2に記載の近接場アンテナ。
【請求項4】
前記近接場アンテナからの閾値距離内に位置する無線受電装置は、前記放射された電磁波を収集し、且つ前記無線受電装置に結合された電子装置に給電するか又はそれを充電するために、前記収集された電磁波を使用するように構成される、請求項3に記載の近接場アンテナ。
【請求項5】
前記切り替え回路系及び前記電力増幅器の動作を制御するように構成されたコントローラをさらに備える、請求項1に記載の近接場アンテナ。
【請求項6】
前記コントローラは、前記切り替え回路系及び前記電力増幅器の動作を、(i)無線受電装置の位置、(ii)前記無線受電装置の受電アンテナの偏極、及び(iii)前記無線受電装置の空間的配向の1つ又は複数に基づいて制御するように構成される、請求項5に記載の近接場アンテナ。
【請求項7】
前記第1のダイポールアンテナの前記2つのアンテナ素子の第1のもの及び前記切り替え回路系に接続された第1のフィードであって、前記電力増幅器が前記切り替え回路系によって前記第1のダイポールアンテナに切り替え可能に結合されると、前記電力増幅器に由来する電磁気信号を前記第1のダイポールアンテナの前記第1のアンテナ素子に供給するように構成される、第1のフィードと、
前記第2のダイポールアンテナの前記他の2つのアンテナ素子の第1のもの及び前記切り替え回路系に接続された第2のフィードであって、前記電力増幅器が前記切り替え回路系によって前記第2のダイポールアンテナに切り替え可能に結合されると、前記電力増幅器に由来する電磁気信号を前記第2のダイポールアンテナの前記第1のアンテナ素子に供給するように構成される、第2のフィードと、をさらに備える、請求項1に記載の近接場アンテナ。
【請求項8】
前記4つの別個の共面アンテナ素子の第1のアンテナ素子は、前記第1のダイポールアンテナの第1のポールであり、
前記4つの別個の共面アンテナ素子の第2のアンテナ素子は、前記第1のダイポールアンテナの第2のポールであり、
前記4つの別個の共面アンテナ素子の第3のアンテナ素子は、前記第2のダイポールアンテナの第1のポールであり、及び
前記4つの別個の共面アンテナ素子の第4のアンテナ素子は、前記第2のダイポールアンテナの第2のポールである、請求項1に記載の近接場アンテナ。
【請求項9】
前記第1のダイポールアンテナを形成する前記2つのアンテナ素子は、前記第1の軸に対して垂直な2つのセグメントをそれぞれ含み、
前記第2のダイポールアンテナを形成する前記他の2つのアンテナ素子は、前記第1の軸に対して平行な2つのセグメントをそれぞれ含む、請求項1に記載の近接場アンテナ。
【請求項10】
前記4つの別個のアンテナ素子のそれぞれによって従われる前記それぞれの蛇行パターンの第1の端部は、前記近接場アンテナの同じ中央部に接し、
前記4つの別個のアンテナ素子のそれぞれによって従われる前記それぞれの蛇行パターンの第2の端部は、前記近接場アンテナの別個の縁に接し、
前記4つの別個のアンテナ素子のそれぞれによって従われる前記それぞれの蛇行パターンの最長寸法
を有する部分は、前記近接場アンテナの前記同じ中央部より前記近接場アンテナの前記別個の縁に近い、請求項1に記載の近接場アンテナ。
【請求項11】
前記4つの別個のアンテナ素子のそれぞれによって従われる前記それぞれの蛇行パターンの最短寸法
を有する部分は、前記近接場アンテナの前記別個の縁より前記近接場アンテナの前記同じ中央部に近い、請求項10に記載の近接場アンテナ。
【請求項12】
前記反射器は、銅又は銅合金の固体金属シートである、請求項1に記載の近接場アンテナ。
【請求項13】
前記反射器は、前記第1又は第2のダイポールアンテナによって放射される前記電磁気信号の少なくとも一部を反射するように構成される、請求項1に記載の近接場アンテナ。
【請求項14】
前記4つの別個の共面アンテナ素子は、基板上又はその中に形成される、請求項1に記載の近接場アンテナ。
【請求項15】
前記基板は、所定の透磁率又は誘電率のメタマテリアルを含む、請求項14に記載の近接場アンテナ。
【請求項16】
前記それぞれの蛇行パターンは、すべて同じである、請求項1に記載の近接場アンテナ。
【請求項17】
前記第1のダイポールアンテナを形成する前記2つのアンテナ素子は、前記2つのアンテナ素子のそれぞれによって従われる前記それぞれの蛇行パターンが互いの鏡像であるように前記第1の軸に沿ってアライメントされる、請求項16に記載の近接場アンテナ。
【請求項18】
前記第2のダイポールアンテナを形成する前記他の2つのアンテナ素子は、前記他の2つのアンテナ素子のそれぞれによって従われる前記それぞれの蛇行パターンが互いの鏡像であるように前記第2の軸に沿ってアライメントされる、請求項17に記載の近接場アンテナ。
【請求項19】
受信装置を無線で充電する方法であって、
反射器と、
前記反射器からオフセットされた4つの別個の共面アンテナ素子であって、前記4つの別個の共面アンテナ素子のそれぞれは、それぞれの蛇行パターンに従い、(i)前記4つの
別個の共面アンテナ素子のうちの2つのアンテナ素子は、第1の軸とアライメントされた第1のダイポールアンテナを形成し、(ii)前記4つの
別個の共面アンテナ素子のうちの別の2つのアンテナ素子は、前記第1の軸に対して垂直な第2の軸とアライメントされた第2のダイポールアンテナを形成する、4つの別個の共面アンテナ素子と、
前記4つの
別個の共面アンテナ素子の少なくとも2つに結合された切り替え回路系と、
前記切り替え回路系に結合された電力増幅器と、
前記切り替え回路系に結合されたインピーダンス調整部品と、を備える近接場アンテナを提供することと、
(i)前記第1のダイポールアンテナを前記電力増幅器に、且つ(ii)前記第2のダイポールアンテナを前記インピーダンス調整部品に結合するように前記切り替え回路系に指示することと、
前記切り替え回路系を介して電磁気信号を前記第1のダイポールアンテナに供給するように前記電力増幅器に指示することと、を含み、
前記電磁気信号は、前記第1のダイポールアンテナに供給されると、前記近接場アンテナからの閾値距離内に位置する無線受電装置によって受信される電磁気信号を前記第1のダイポールアンテナに放射させ、
前記第2のダイポールアンテナのインピーダンスは、前記第2のダイポールアンテナの前記インピーダンスが前記第1のダイポールアンテナのインピーダンスと異なるように前記インピーダンス調整部品によって調整される、方法。
【請求項20】
請求項2~18のいずれか1項に記載の近接場アンテナをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
反射器、4つの別個の共面アンテナ素子、前記4つの
別個の共面アンテナ素子の少なくとも2つに結合された切り替え回路系、前記切り替え回路系に結合された電力増幅器及び前記切り替え回路系に結合されたインピーダンス調整部品を有する近接場アンテナの1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、前記近接場アンテナに、
(i)第1のダイポールアンテナを前記電力増幅器に、且つ(ii)第2のダイポールアンテナを前記インピーダンス調整部品に結合するように前記切り替え回路系に指示すること、
前記切り替え回路系を介して電磁気信号を前記第1のダイポールアンテナに供給するように前記電力増幅器に指示すること
を行わせる実行可能命令を格納する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、
前記電磁気信号は、前記第1のダイポールアンテナに供給されると、前記近接場アンテナからの閾値距離内に位置する無線受電装置によって受信される電磁気信号を前記第1のダイポールアンテナに放射させ、
前記第2のダイポールアンテナのインピーダンスは、前記第2のダイポールアンテナの前記インピーダンスが前記第1のダイポールアンテナのインピーダンスと異なるように前記インピーダンス調整部品によって調整される、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項22】
1つ又は複数のプログラムは、請求項2~18のいずれか1項に記載の近接場アンテナを実施するための命令をさらに含む、請求項21に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
[0001] 本明細書における実施形態は、概して、近接場無線送電システム(例えば、このようなシステムにおいて使用されるアンテナ、ソフトウェア及び装置)に関し、より具体的には、それぞれの蛇行パターンにそれぞれ従う4つの共面アンテナ素子を有する、無線送電のための近接場アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
[0002] 従来の充電パッドは、装置を充電するために使用される磁場を生成するために誘導コイルを利用する。ユーザは、通常、充電パッド上の特定の位置に装置を置かなければならず、したがって装置の充電を遮断又は終了することなく装置をパッド上の様々な位置に移動することができない。多くのユーザは、自らの装置の充電を開始するためのパッド上の正確な位置に装置を配置することができない可能性があるため、これは、多くのユーザにとって苛立たしい体験になる。多くの場合、ユーザは、ユーザの装置が正しく配置されたと考え得るが、次に数時間後、ごく僅かな(又は零の)エネルギーが転送されたことが分かって失望することがある。
【0003】
[0003] 従来の充電パッドは、複数の異なる集積回路にわたって分散される部品も利用する。このような構成は、これらの充電パッドをそのユーザによって望まれるものより遅く動作させる処理遅延を生じる(例えば、無線充電及び無線充電中になされる調整に長い時間がかかる)。
【発明の概要】
【0004】
概要
[0004] したがって、上で同定された問題に対処する無線充電システム(例えば、RF充電パッド)の必要性がある。この目的を達成するために、単一集積回路上に効率的に配置される部品を含むRF充電パッドについてここで説明する。ここで、単一集積回路は、RF充電パッドの表面上に位置する受信装置への無線電力の送信に使用するための効率的アンテナ区域を見つけ出すために、アンテナ区域(例えば、グループにまとめられるRF充電パッドの1つ又は複数のアンテナ又はユニットセルアンテナ:本明細書ではアンテナグループとも呼ぶ)を選択的又は連続的に活性化することにより、RF充電パッドのアンテナを管理する。このようなシステム及びその使用方法は、従来の充電パッドに伴うユーザ不満足を解消することを促進する。例えば、アンテナ区域を選択的に活性化する一方で転送されたエネルギーを監視することにより、このようなシステム及びその使用方法は、装置がRF充電パッド上に置かれ得る任意の時点及び任意の位置においてエネルギー転送が最大化されることを保証することにより、浪費されるRF送電をなくすことを促進し、したがって効率的に受信されない可能性がある無駄な送信をなくす。
【0005】
[0005] 以下に続く説明では、様々なアンテナ区域を含むRF充電パッドについて言及される。この説明の目的のために、アンテナ区域はRF充電パッドの1つ又は複数の送信アンテナを含み、各アンテナ区域は、いずれのアンテナ区域が無線電力を受信器に最も効率的に転送することができるかを判断するために各アンテナ区域の選択的活性化を可能にする制御集積回路(例えば、RF送電器集積回路160(
図1A~
図1B))によって個々にアドレス指定可能であり得る。RF充電パッドは、本明細書では相互交換可能に近接場充電パッド又はより単純に充電パッドとも呼ばれる。
【0006】
[0006] (A1)いくつかの実施形態では、方法は、無線通信部品(例えば、通信部品204、
図1A)、それぞれが少なくとも1つのアンテナ素子(例えば、例示的アンテナ区域を
図1Bに示す)をそれぞれ含む複数のアンテナ区域及び1つ又は複数のプロセッサ(例えば、CPU202、
図1B、
図2A)を含む近接場充電パッドにおいて行われる。本方法は、無線電力受信器が近接場充電パッドの閾値距離内に存在していることを、無線通信部品を介して検出することと、無線電力受信器が近接場充電パッドの閾値距離内に存在していることを検出することに応答して、無線電力受信器が近接場充電パッド上に置かれたかどうかを判断することとを含む。本方法は、無線電力受信器が近接場充電パッド上に置かれたことを判断することに従って、複数のアンテナ区域の少なくとも1つの特定のアンテナ区域により、それぞれの試験送電信号の送信に関連付けられる特定の電力配送パラメータが電力配送判断基準を満たすという判断がなされるまで、第1の組の伝送特性を有するそれぞれの試験送電信号を複数のアンテナ区域内に含まれるそれぞれのアンテナ素子によって選択的に送信することをさらに含む。特定の電力配送パラメータが電力配送判断基準を満たすことを1つ又は複数のプロセッサが判断すると、本方法は、少なくとも1つの特定のアンテナ区域を使用して複数の追加の送電信号を無線電力受信器に送信することであって、複数の追加の送電信号の各追加の送電信号は第1の組と異なる第2の組の伝送特性を有して送信されることをさらに含む。
【0007】
[0007] (A2)A1の方法のいくつかの実施形態では、無線電力受信器が近接場充電パッドの表面上に置かれたかどうかを判断することは(i)複数のアンテナ区域の各アンテナ区域を使用して試験送電信号を送信すること、(ii)試験送電信号を送信しながら近接場充電パッドにおける反射電力量を監視すること、(iii)反射電力量が装置検出閾値を満たすと無線電力受信器が近接場充電パッド上に置かれたことを判断することとを含む。
【0008】
[0008] (A3)A2の方法のいくつかの実施形態では、反射電力量は複数のアンテナ区域の各アンテナ区域において測定される。
【0009】
[0009] (A4)A2~A3の方法のいくつかの実施形態では、装置検出閾値は近接場充電パッドの較正プロセス中に規定される。
【0010】
[0010] (A5)A4の方法のいくつかの実施形態では、装置検出閾値は、無線電力受信器と結合されるあるタイプの装置に固有であり、近接場充電パッドの近傍の無線電力受信器を検出した後に1つ又は複数のプロセッサによって選択される(例えば、無線電力受信器は情報のパケットを近接場充電パッドに送信し、この情報のパケットは無線電力受信器と結合される装置のタイプを識別する情報を含む)。
【0011】
[0011] (A6)A1~A5の方法のいくつかの実施形態では、それぞれの試験送電信号を選択的に送信することは複数のアンテナ区域の各アンテナ区域を使用して行われる。加えて、本方法は、複数のアンテナ区域の少なくとも1つの特定のアンテナ区域により、それぞれの試験送電信号の送信に関連付けられる電力配送パラメータが電力配送判断基準を満たすという判断が行われる前に、(i)各アンテナ区域による送信に基づいて各それぞれのアンテナ区域によるそれぞれの試験送電信号の送信に関連付けられるそれぞれの電力配送パラメータを更新することと、(ii)無線電力を無線電力受信器に送信するために、それらの関連付けられたそれぞれの電力配送パラメータに基づき、少なくとも1つの特定のアンテナ区域を含む2つ以上のアンテナ区域を選択することとをさらに含む。
【0012】
[0012] (A7)A6の方法のいくつかの実施形態では、本方法は、第1の組の伝送特性を有する追加の試験送電信号を送信するために2つ以上のアンテナ区域のそれぞれを使用することをさらに含む。さらに、特定の電力配送パラメータが電力配送判断基準を満たすという判断は、特定のアンテナ区域が2つ以上のアンテナ区域の他のアンテナ区域と比較して無線電力を無線電力受信器によって効率的に送信していることを特定の電力配送パラメータが示していることを判断することを含む。
【0013】
[0013] (A8)A6~A7の方法のいくつかの実施形態では、特定の電力配送パラメータが電力配送判断基準を満たすという判断はまた、第1の閾値電力量が少なくとも1つの特定のアンテナ区域によって無線電力受信器に転送されることを特定の電力配送パラメータが示すことと、少なくとも1つの特定のアンテナ区域は第1の閾値電力量が無線電力受信器に転送されることを示すそれぞれの電力配送パラメータを有する2つ以上のアンテナ区域の1つのみのアンテナ区域であることとを判断することを含む。
【0014】
[0014] (A9)A6~A8の方法のいくつかの実施形態では、特定の電力配送パラメータが電力配送判断基準を満たすという判断はまた、(i)いかなるアンテナ区域も第1の閾値電力量を無線電力受信器に転送していないことと、(ii)2つ以上のアンテナ区域の追加のアンテナ区域に関連付けられた追加の電力配送パラメータが電力配送判断基準を満たすこととを判断する。加えて、特定の電力配送パラメータは、特定のアンテナ区域によって無線電力受信器に転送される第1の電力量が第2の閾値電力量より大きく且つ第1の閾値電力量未満であることを示し、追加の電力配送パラメータは、追加のアンテナ区域によって無線電力受信器に転送される第2の電力量が第2の閾値電力量より大きく且つ第1の閾値電力量未満であることを示す。
【0015】
[0015] (A10)A9の方法のいくつかの実施形態では、特定のアンテナグループと追加のアンテナグループとの両方は無線電力受信器に電力を供給するために追加の複数の送電信号を同時に送信するために使用される。
【0016】
[0016] (A11)A1~A10の方法のいくつかの実施形態では、電力配送パラメータを判断するために使用される情報が、近接場充電パッドの無線通信部品を介して無線電力受信器によって近接場充電パッドに提供される。
【0017】
[0017] (A12)A1~A11の方法のいくつかの実施形態では、第2の組の伝送特性は、特定のアンテナグループによって無線電力受信器に転送される電力の量を増加するために第1の組の伝送特性内の少なくとも1つの特性を調整することによって判断される。
【0018】
[0018] (A13)A12の方法のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの調整された特性は周波数又はインピーダンス値である。
【0019】
[0019] (A14)A1~A13の方法のいくつかの実施形態では、追加の複数の送電信号を送信する間、近接場充電パッドによって無線電力受信器に無線で配送される電力のレベルを判断するために使用される無線電力受信器から受信される情報に基づいて第2の組の伝送特性内の少なくとも1つの特性を調整する。
【0020】
[0020] (A15)A1~A14の方法のいくつかの実施形態では、1つ又は複数のプロセッサは近接場充電パッドの動作を制御するために使用される単一集積回路の部品である。例えば、ここで説明される方法のいかなるものも、
図1Bに示す高周波(RF)送電器集積回路160の例などの単一集積回路によって管理される。
【0021】
[0021] (A16)A1~A15の方法のいくつかの実施形態では、各それぞれの電力配送メトリックは、複数のアンテナグループのそれぞれのアンテナグループによるそれぞれの試験送電信号の送信に基づいて無線電力受信器によって受信される電力量に対応する。
【0022】
[0022] (A17)A1~A16の方法のいくつかの実施形態では、本方法は、試験送電信号を送信する前に、無線電力受信器が近接場充電パッドから無線で配送される電力を受信する権限を与えられることを判断することをさらに含む。
【0023】
[0023] (A18)別の態様では、近接場充電パッドが提供される。いくつかの実施形態では、近接場充電パッドは、無線通信部品、それぞれが少なくとも1つのアンテナ素子をそれぞれ含む複数のアンテナ区域、1つ又は複数のプロセッサ及び1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、近接場充電パッドにA1~A17のいずれか一項に記載の方法を行わせる1つ又は複数のプログラムを格納するメモリを含む。
【0024】
[0024] (A19)さらに別の態様では、近接場充電パッドが提供され、近接場充電はA1~A17のいずれか一項に記載の方法を行う手段を含む。
【0025】
[0025] (A20)さらに別の態様では、非一時的コンピュータ可読格納媒体が提供される。非一時的コンピュータ可読格納媒体は、1つ又は複数のプロセッサ/コアを有する近接場充電パッド(無線通信部品と、それぞれが少なくとも1つのアンテナ素子をそれぞれ含む複数のアンテナ区域とを含む)によって実行されると、近接場充電パッドにA1~A17のいずれか一項に記載の方法を行わせる実行可能命令を格納する。
【0026】
[0026] 上述のように、無線電力の送信を管理するための部品であって、そのすべてが単一集積回路上に集積化される部品を含む集積回路の必要性もある。このような集積回路及びその使用方法は、従来の充電パッドに伴うユーザ不満足を解消することを促進する。すべての部品(
図1A、1Bを参照して以下にさらに詳細に論述される)を単一チップ上に含むことにより、このような集積回路は、集積回路における動作をより効率的且つ迅速に(且つとより低遅延で)管理することができ、これにより、これらの集積回路によって管理される充電パッドに伴うユーザ満足感を改善することを促進する。
【0027】
[0027] (B1)いくつかの実施形態では、集積回路は、(i)集積回路の動作を制御するように構成された処理ユニット、(ii)処理ユニットに作動可能に結合された電力変換器であって入力電流を高周波エネルギーに変換するように構成された電力変換器、(iii)処理ユニットに作動可能に結合された波形発生器であって高周波エネルギーを使用することにより、複数の送電信号を生成するように構成された波形発生器、(iv)集積回路と集積回路の外側にある複数の電力増幅器とを結合する第1のインターフェース、及び(v)第1のインターフェースと異なる第2のインターフェースであって集積回路と無線通信部品とを結合する第2のインターフェースを含む。処理ユニットは、(i)集積回路によって制御される近接場充電パッドの送信範囲内に無線電力受信器が存在するという指標を第2のインターフェースを介して受信し、(ii)指標を受信することに応答して、第1のインターフェースを介して、複数の送電信号の少なくとも一部を複数の電力増幅器の少なくとも1つに提供するようにも構成される。
【0028】
[0028] (B2)B1の集積回路のいくつかの実施形態では、処理ユニットは、CPU、ROM、RAM及び暗号化部(例えば、CPU下位システム170、
図1B)を含む。
【0029】
[0029] (B3)B1~B1のいずれか一項に記載の集積回路のいくつかの実施形態では、入力電流は直流である。代替的に、いくつかの実施形態では、入力電流は交流である。これらの実施形態では、電力変換器は高周波DC/DCコンバータ又は高周波AC/AC変換器である。
【0030】
[0030] (B4)B1~B1のいずれか一項に記載の集積回路のいくつかの実施形態では、無線通信部品は、近接場充電パッドの表面上に置かれる装置から通信信号を受信するように構成されるBluetooth又はWi-Fi無線である。
【0031】
[0031] 上述の問題に対処することを促進し、これにより、ユーザの必要性を満たす充電パッドを提供するために、上述のアンテナ区域は、充電パッドが充電パッドの上の任意の位置に置かれる装置を充電することができるようにエネルギー送信特性(例えば、それぞれのアンテナ素子の導電線のインピーダンス及び周波数)を調整することができる適応型アンテナ素子を含み得る(例えば、RF充電パッド100のアンテナ区域290(
図1B)はそれぞれ、
図3A~
図6E及び
図8を参照して以下に説明されるアンテナ120の1つ又は複数を含み得る)。
【0032】
[0032] いくつかの実施形態によると、本明細書で説明される高周波(RF)充電パッドのアンテナ区域は、電子装置のRF受信器にRF信号を送信するための1つ又は複数のプロセッサと通信する1つ又は複数のアンテナ素子を含み得る。いくつかの実施形態では、各それぞれのアンテナ素子は、(i)蛇行線パターンを形成する導電線、(ii)1つ又は複数のプロセッサによって制御される周波数で導電線を貫流する電流を受信するための導電線の第1の端部における第1の端子、(iii)導電線の第2の端部における第1の端子と異なる第2の端子であって、少なくとも1つのプロセッサによって制御され、第2の端子におけるインピーダンス値を修正することを可能にする部品と結合される第2の端子を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、1つ又は複数のアンテナ素子から電子装置のRF受信器に転送されるエネルギーの量を最適化するために周波数及び/又はインピーダンス値を適応的に調整するように構成される。
【0033】
[0033] 充電パッドがその上の任意の位置に置かれる装置を充電することができるように、エネルギー送信特性(例えば、それぞれのアンテナ素子の導電線のインピーダンス及び周波数)を調整することができる適応型アンテナ素子を含む無線充電システム(例えば、RF充電パッド)の必要性がある。いくつかの実施形態では、これらの充電パッドは、送信アンテナ素子(本明細書ではRFアンテナ素子又はアンテナ素子とも呼ぶ)から、充電される電子装置の受信器に転送されるエネルギーを監視する1つ又は複数のプロセッサを含み、1つ又は複数のプロセッサは、充電パッド上の任意の位置におけるエネルギー転送を最大化するようにエネルギー送信特性を最適化する。いくつかの実施形態は、受信器において受信された電力を1つ又は複数のプロセッサに報告するためのフィードバックループも含み得る。
【0034】
[0034] (C1)いくつかの実施形態によると、高周波(RF)充電パッドが提供される。RF充電パッドは、RF充電パッドから電子装置のRF受信器に転送されるエネルギーの量を監視するための少なくとも1つのプロセッサを含む。RF充電パッドは、電子装置のRF受信器にRF信号を送信するための1つ又は複数のプロセッサと通信する1つ又は複数のアンテナ素子も含む。いくつかの実施形態では、各それぞれのアンテナ素子は、(i)蛇行線パターンを形成する導電線、(ii)1つ又は複数のプロセッサによって制御される周波数で導電線を貫流する電流を受信するための導電線の第1の端部における第1の端子、及び(iii)導電線の第2の端部における第1の端子と異なる第2の端子であって、少なくとも1つのプロセッサによって制御され、第2の端子におけるインピーダンス値を修正することを可能にする部品と結合される第2の端子を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、1つ又は複数のアンテナ素子から電子装置のRF受信器に転送されるエネルギーの量を最適化するために周波数及び/又はインピーダンス値を適応的に調整するように構成される。
【0035】
[0035] (C2)いくつかの実施形態によると、高周波(RF)送電を介して電子装置を充電するために使用される方法も提供される。本方法は、少なくとも1つのRFアンテナを含む送信器を提供することを含む。本方法はまた、少なくとも1つのRFアンテナを介して1つ又は複数のRF信号を送信することと、1つ又は複数のRF信号を介して少なくとも1つのRFアンテナからRF受信器に転送されるエネルギーの量を監視することとを含む。本方法は追加的に、少なくとも1つのRFアンテナからRF受信器に転送されるエネルギーの量を最適化するために送信器の特性を適応的に調整することを含む。いくつかの実施形態では、特性は、(i)1つ又は複数のRF信号の周波数、(ii)送信器のインピーダンス、並びに(iii)(i)及び(ii)の組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRFアンテナはRFアンテナのアレイの一部分である。
【0036】
[0036] (C3)いくつかの実施形態によると、高周波(RF)充電パッドが提供される。RF充電パッドは、RF充電パッドから電子装置のRF受信器に転送されるエネルギーの量を監視するための1つ又は複数のプロセッサを含む。RF充電パッドは、電子装置のRF受信器にRF信号を送信するための1つ又は複数のプロセッサと通信するように構成された1つ又は複数の送信アンテナ素子も含む。いくつかの実施形態では、各それぞれのアンテナ素子は、(i)蛇行線パターンを形成する導電線、(ii)1つ又は複数のプロセッサによって制御される周波数で導電線を貫流する電流を受信するための導電線の第1の端部における入力端子、及び(iii)導電線の複数の位置における、入力端子と異なり且つ互いに異なる複数の適応型負荷端子であって、複数の適応型負荷端子の各それぞれの適応型負荷端子は、1つ又は複数のプロセッサによって制御されるように構成されそれぞれの適応型負荷端子におけるそれぞれのインピーダンス値を修正することを可能にするように構成されたそれぞれの部品と結合される、複数の適応型負荷端子を含む。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のプロセッサは、1つ又は複数の送信アンテナ素子から電子装置のRF受信器に転送されるエネルギーの量を最適化するために複数の適応型負荷端子の1つ又は複数において周波数とそれぞれのインピーダンス値の少なくとも1つを適応的に調整するように構成される。
【0037】
[0037] (C4)いくつかの実施形態によると、高周波(RF)送電を介して電子装置を充電するために使用される方法も提供される。本方法は、1つ又は複数のRFアンテナを含む送信器を含む充電パッドを提供することを含む。いくつかの実施形態では、各RFアンテナは、(i)蛇行線パターンを形成する導電線、(ii)1つ又は複数のプロセッサによって制御される周波数で導電線を貫流する電流を受信するための導電線の第1の端部における入力端子、及び(iii)導電線の複数の位置における、入力端子と異なり且つ互いに異なる複数の適応型負荷端子であって、複数の適応型負荷端子の各それぞれの適応型負荷端子は、1つ又は複数のプロセッサによって制御されそれぞれの適応型負荷端子におけるそれぞれのインピーダンス値を修正することを可能にするそれぞれの部品と結合される、複数の適応型負荷端子を含む。本方法はまた、1つ又は複数のRFアンテナを介して、1つ又は複数のRF信号を送信することと、1つ又は複数のRF信号を介して少なくとも1つ又は複数のRFアンテナからRF受信器に転送されるエネルギーの量を監視することとを含む。本方法は追加的に、1つ又は複数のRFアンテナからRF受信器に転送されるエネルギーの量を最適化するために送信器の1つ又は複数のプロセッサを使用して送信器の特性を適応的に調整することを含む。いくつかの実施形態では、特性は、(i)1つ又は複数のRF信号の周波数、(ii)送信器のインピーダンス、並びに(iii)(i)及び(ii)の組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、送信器のインピーダンスは、送信器の1つ又は複数のプロセッサを使用することにより、1つ又は複数のRFアンテナの複数の適応型負荷端子のそれぞれの1つ又は複数の端子において適応的に調整される。
【0038】
[0038] (C5)いくつかの実施形態によると、非一時的コンピュータ可読記憶媒体が提供される。非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、1つ又は複数の送信アンテナ素子を含む高周波(RF)充電パッドに結合される1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、1つ又は複数のプロセッサに、RF充電パッドから電子装置のRF受信器に転送されるエネルギーの量を監視させ、且つRF信号を電子装置のRF受信器に送信するための1つ又は複数の送信アンテナ素子と通信させる実行可能命令を含む。いくつかの実施形態では、それぞれの送信アンテナ素子は、蛇行線パターンを形成する導電線、1つ又は複数のプロセッサによって制御される周波数で導電線を貫流する電流を受信するための導電線の第1の端部における入力端子及び導電線の複数の位置における、入力端子と異なり且つ互いに異なる複数の適応型負荷端子であって、複数の適応型負荷端子の各それぞれの適応型負荷端子は、1つ又は複数のプロセッサによって制御されるように構成されるとともに各それぞれの適応型負荷端子におけるそれぞれのインピーダンス値を修正することを可能にするように構成されるそれぞれの部品と結合される、複数の適応型負荷端子を含む。1つ又は複数のプロセッサは、1つ又は複数の送信アンテナ素子から電子装置のRF受信器に転送されるエネルギーの量を最適化するために複数の適応型負荷端子の1つ又は複数において周波数とそれぞれのインピーダンス値の少なくとも1つを適応的にさらに調整する。
【0039】
[0039] (C6)C1~G5のいずれか一項のいくつかの実施形態では、周波数は第1の周波数帯内にあり、1つ又は複数の送信アンテナ素子の少なくとも1つは、1つ又は複数のプロセッサによる少なくとも1つの送信アンテナ素子の複数の適応型負荷端子の1つ又は複数の端子におけるそれぞれのインピーダンス値への適応調整に基づいて第2の周波数帯で動作するように構成される。
【0040】
[0040] (C7)C1~G6のいずれか一項のいくつかの実施形態では、RF充電パッドは、1つ又は複数のプロセッサと結合される入力回路であって導電線の第1の端部における入力端子に電流を供給するように構成される入力回路を含み、1つ又は複数のプロセッサは、入力回路にその周波数と異なる新しい周波数を有する電流を生成するように指示することにより、その周波数を適応的に調整するように構成される。
【0041】
[0041] (C8)C1~G7のいずれか一項のいくつかの実施形態では、1つ又は複数のプロセッサは、所定の増分を使用することによって判断される複数の異なる周波数を有する電流を生成させるように給電素子に指示することにより、周波数を適応的に調整するように構成される。
【0042】
[0042] (C9)C1~G8のいずれか一項のいくつかの実施形態では、1つ又は複数の送信アンテナ素子の少なくとも1つの送信アンテナ素子のそれぞれの導電線は、その周波数及び/又は新しい周波数を有するRF信号を少なくとも1つの送信アンテナ素子が効率的に送信することを可能にするそれぞれの蛇行線パターンを有し、それぞれの蛇行線パターンを有するそれぞれの導電線の少なくとも2つの隣接セグメントは互いに異なる幾何学的寸法を有し、それぞれの導電線は、少なくとも1つの送信アンテナ素子がその周波数及び/又は新しい周波数を有するRF信号を送信するように構成される場合には同じままである長さを有する。
【0043】
[0043] (C10)C1~G9のいずれか一項のいくつかの実施形態では、1つ又は複数の送信アンテナ素子の少なくとも1つの送信アンテナ素子は、入力端子を含む第1のセグメントと第2のセグメントとを有し、少なくとも1つの送信アンテナ素子は、第1のセグメントが第2のセグメントと結合されていない間、その周波数で動作し、第1のセグメントが第2のセグメントと結合されている間、新しい周波数で動作するように構成され、1つ又は複数のプロセッサは、給電素子にその周波数と異なる新しい周波数を有する電流を生成するように指示することと併せて第1のセグメントと第2のセグメントを結合するように構成される。
【0044】
[0044] (C11)C1~G10のいずれか一項のいくつかの実施形態では、1つ又は複数のプロセッサは、第1の送信アンテナ素子を第1の周波数帯で動作させるために周波数及び/又は1つ又は複数の送信アンテナ素子の第1の送信アンテナ素子に関連付けられたそれぞれのインピーダンス値を適応的に調整し、第2の送信アンテナ素子を第1の周波数帯と異なる第2の周波数帯で動作させるために周波数及び/又は1つ又は複数の送信アンテナ素子の第2の送信アンテナ素子に関連付けられたそれぞれのインピーダンス値を適応的に調整するように構成される。
【0045】
[0045] (C12)C1~G11のいずれか一項のいくつかの実施形態では、電子装置はRF充電パッドの上面と接触して又はその近くに置かれる。
【0046】
[0046] (C13)C1~G12のいずれか一項のいくつかの実施形態では、それぞれの部品は、それぞれの適応型負荷端子を開放状態と短絡状態との間で切り替えるためのそれぞれの適応型負荷端子と結合される機械式リレーであり、インピーダンス値は、開放回路と短絡回路との間で切り替えるために機械式リレーを開放又は短絡することにより、それぞれの送信アンテナ素子のそれぞれの適応型負荷端子においてそれぞれ適応的に調整される。
【0047】
[0047] (C14)C1~G13のいずれか一項のいくつかの実施形態では、それぞれの部品は特定用途向け集積回路(ASIC)であり、それぞれのインピーダンス値は、ASICにより、ある範囲の値内に適応的に調整される。
【0048】
[0048] (C15)C1~G14のいずれか一項のいくつかの実施形態では、1つ又は複数のプロセッサは、電子装置のRF受信器に転送されるエネルギーの極大量を判断するために、周波数と、複数の適応型負荷端子の1つ又は複数におけるそれぞれのインピーダンス値とを適応的に調整することにより、周波数及び/又はそれぞれのインピーダンス値を適応的に調整し、且つ最大量のエネルギーが判断されると、RF受信器に転送される最大量のエネルギーを生じたそれぞれのインピーダンス値を使用することにより、1つ又は複数の送信アンテナ素子のそれぞれにそれぞれの周波数でRF信号をそれぞれ送信させるように構成される。
【0049】
[0049] (C16)C1~G15のいずれか一項のいくつかの実施形態では、1つ又は複数のプロセッサはRF受信器に転送されるエネルギーの量を、電子装置から受信される情報であってRF信号からRF受信器において受信されるエネルギーを識別する情報に少なくとも部分的に基づいて監視する。
【0050】
[0050] (C17)C1~G16のいずれか一項のいくつかの実施形態では、受信されたエネルギーを識別する電子装置から受信された情報は無線通信プロトコルを使用することによって送信される。
【0051】
[0051] (C18)C1~G17のいずれか一項のいくつかの実施形態では、無線通信プロトコルはBluetoothローエネルギー(BLE)である。
【0052】
[0052] (C19)C1~G18のいずれか一項のいくつかの実施形態では、1つ又は複数のプロセッサは、それぞれの適応型負荷端子において検出されるエネルギーの量に少なくとも部分的に基づき、転送されるエネルギーの量を監視する。
【0053】
[0053] したがって、本明細書で説明される原理に従って構成される無線充電システムは、RF充電パッド上の任意の位置に置かれる電子装置を充電することができ、エネルギー転送が絶えず最適化されることを保証することにより、エネルギーを浪費することを回避することができる。
【0054】
[0054] 加えて、本明細書で説明される原理に従って構成される無線充電システムは、同じ充電送信器上の様々な周波数又は周波数帯においてチューニングされる様々な電子装置を充電することができる。いくつかの実施形態では、単一アンテナ素子を有する送信器は同時に又は異なる時間に複数の周波数又は周波数帯において動作し得る。いくつかの実施形態では、複数のアンテナ素子を有する送信器は同時に複数の周波数又は周波数帯において動作し得る。これは、受信装置内に含まれるアンテナのタイプとサイズのより大きい柔軟性を可能にする。
【0055】
[0055] 別の態様では、動的調整可能送信アンテナが提供される。受信装置がパッド上の任意の位置に置かれることを可能にする充電パッドの設計では、無線周波数ベースの解決策が有望である。無線周波数ベースの解決策において使用される受信アンテナは、様々な偏極を有し得るため、様々な偏極時に送信することができる送信アンテナも、送信アンテナから受信アンテナへの電力の効率的転送を保証するために設計されなければならない。したがって、様々な偏極を使用してエネルギーを送信するように動的に調節され得る送信アンテナの必要性があり、本明細書で論述される実施形態は、この必要性に対処する(例えば、近接場アンテナ2500に関連する説明及び図面を参照されたい)。
【0056】
[0056] (D1)いくつかの実施形態によると、近接場アンテナが提供される。近接場アンテナ(例えば、近接場アンテナ2500、
図25A)は、反射器と、反射器からオフセットされた4つの別個の共面アンテナ素子であって、4つの別個のアンテナ素子のそれぞれは、それぞれの蛇行パターンに従う、4つの別個の共面アンテナ素子とを含む。さらに、4つの共面アンテナ素子の2つのアンテナ素子は、第1の軸に沿った第1のダイポールアンテナを形成し、及び4つの共面アンテナ素子の別の2つのアンテナ素子は、第1の軸に対して垂直な第2の軸に沿った第2のダイポールアンテナを形成する。近接場アンテナは、(i)第1及び第2のダイポールアンテナの少なくとも1つに電磁気信号を供給するように構成された電力増幅器、(ii)第1及び第2のダイポールアンテナの少なくとも1つのインピーダンスを調節するように構成されたインピーダンス調整部品、及び(iii)電力増幅器、インピーダンス調整部品並びに第1及び第2のダイポールアンテナに結合された切り替え回路系をさらに含む。切り替え回路系は、(A)第1のダイポールアンテナを電力増幅器に、且つ第2のダイポールアンテナをインピーダンス調整部品に切り替え可能に結合するか、又は(B)第2のダイポールアンテナを電力増幅器に、且つ第1のダイポールアンテナをインピーダンス調整部品に切り替え可能に結合するように構成される。
【0057】
[0057] (D2)いくつかの実施形態によると、近接場アンテナを使用することにより、無線周波数(RF)送電を介して電子装置を充電するために使用される方法も提供される。本方法は、D1の近接場アンテナを提供することを含む。例えば、近接場アンテナは、(i)反射器、(ii)反射器からオフセットされた4つの別個の共面アンテナ素子であって、4つの別個の共面アンテナ素子のそれぞれは、それぞれの蛇行パターンに従い、(A)4つの共面アンテナ素子の2つのアンテナ素子は、第1の軸とアライメントされた第1のダイポールアンテナを形成し、及び(B)4つの共面アンテナ素子の別の2つのアンテナ素子は、第1の軸に対して垂直な第2の軸とアライメントされた第2のダイポールアンテナを形成する、4つの別個の共面アンテナ素子、(iii)4つの共面アンテナ素子の少なくとも2つに結合された切り替え回路系、(iv)切り替え回路系に結合された電力増幅器、及び(v)切り替え回路系に結合されたインピーダンス調整部品を含む。本方法は、(i)第1のダイポールアンテナを電力増幅器に、且つ(ii)第2のダイポールアンテナをインピーダンス調整部品に結合するように切り替え回路系に指示することをさらに含む。本方法は、切り替え回路系を介して電磁気信号を第1のダイポールアンテナに供給するように電力増幅器に指示することをさらに含む。そうする際、電磁気信号は、第1のダイポールアンテナに供給されると、近接場アンテナからの閾値距離内に位置する無線受電装置によって受信される電磁気信号を第1のダイポールアンテナに放射させる。加えて、第2のダイポールアンテナのインピーダンスは、第2のダイポールアンテナのインピーダンスが第1のダイポールアンテナのインピーダンスと異なるようにインピーダンス調整部品によって調整される。
【0058】
[0058] (D3)いくつかの実施形態によると、非一時的コンピュータ可読記憶媒体が提供される。非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、D1の近接場アンテナに結合される1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、D1の近接場アンテナに、(A)(i)第1のダイポールアンテナを電力増幅器に、且つ(ii)第2のダイポールアンテナをインピーダンス調整部品に結合するように切り替え回路系に指示すること、及び(B)切り替え回路系を介して電磁気信号を第1のダイポールアンテナに供給するように電力増幅器に指示することを行わせる実行可能命令を含む。そうする際、電磁気信号は、第1のダイポールアンテナに供給されると、近接場アンテナからの閾値距離内に位置する無線受電装置によって受信される電磁気信号を第1のダイポールアンテナに放射させる。加えて、第2のダイポールアンテナのインピーダンスは、第2のダイポールアンテナのインピーダンスが第1のダイポールアンテナのインピーダンスと異なるようにインピーダンス調整部品によって調整される。
【0059】
[0059] (D4)D1~D3のいずれかのいくつかの実施形態において、近接場アンテナの第1の動作モードでは、切り替え回路系は、(i)第1のダイポールアンテナを電力増幅器に、且つ(ii)第2のダイポールアンテナをインピーダンス調整部品に結合する。さらに、近接場アンテナの第2の動作のモードでは、切り替え回路系は、(i)第2のダイポールアンテナを電力増幅器に、且つ(ii)第1のダイポールアンテナをインピーダンス調整部品に結合する。
【0060】
[0060] (D5)D1~D4のいずれかのいくつかの実施形態において、近接場アンテナの第1の動作モードでは、第1のダイポールアンテナは、電力増幅器から電磁波を受信し、且つ第1の偏極を有する受信された電磁波を放射し、及び近接場アンテナの第2の動作のモードでは、第2のダイポールアンテナは、電力増幅器から電磁波を受信し、且つ第1の偏極と異なる第2の偏極を有する受信された電磁波を放射する。
【0061】
[0061] (D6)D1~D5のいずれかのいくつかの実施形態では、近接場アンテナからの閾値距離内に位置する無線受電装置は、放射された電磁波を収集し、且つ無線受電装置に結合された電子装置に給電するか又はそれを充電するために、収集された電磁波を使用するように構成される。
【0062】
[0062] (D7)D1~D6のいずれかのいくつかの実施形態では、近接場アンテナは、切り替え回路系及び電力増幅器の動作を制御するように構成されたコントローラをさらに含む。
【0063】
[0063] (D8)D1~D7のいずれかのいくつかの実施形態では、コントローラは、切り替え回路系及び電力増幅器の動作を、(i)無線受電装置の位置、(ii)無線受電装置の受電アンテナの偏極、及び(iii)無線受電装置の空間的配向の1つ又は複数に基づいて制御するように構成される。
【0064】
[0064] (D9)D1~D8のいずれかのいくつかの実施形態では、近接場アンテナは、第1のフィード及び第2のフィードをさらに含む。第1のフィードは、第1のダイポールアンテナの2つのアンテナ素子の第1のもの及び切り替え回路系に接続され、第1のフィードは、電力増幅器が切り替え回路系によって第1のダイポールアンテナに切り替え可能に結合される(例えば、近接場アンテナは、第1の動作モードにある)と、電力増幅器に由来する電磁気信号を第1のダイポールアンテナの第1のアンテナ素子に供給するように構成される。第2のフィードは、第2のダイポールアンテナの他の2つのアンテナ素子の第1のもの及び切り替え回路系に接続され、第2のフィードは、電力増幅器が切り替え回路系によって第2のダイポールアンテナに切り替え可能に結合される(例えば、近接場アンテナは、第2の動作モードにある)と、電力増幅器に由来する電磁気信号を第2のダイポールアンテナの第1のアンテナ素子に供給するように構成される。
【0065】
[0065] (D10)D1~D9のいずれかのいくつかの実施形態では、4つの別個の共面アンテナ素子の第1のアンテナ素子は、第1のダイポールアンテナの第1のポールであり、及び4つの別個の共面アンテナ素子の第2のアンテナ素子は、第1のダイポールアンテナの第2のポールである。加えて、4つの別個の共面アンテナ素子の第3のアンテナ素子は、第2のダイポールアンテナの第1のポールであり、及び4つの別個の共面アンテナ素子の第4のアンテナ素子は、第2のダイポールアンテナの第2のポールである。
【0066】
[0066] (D11)D1~D10のいずれかのいくつかの実施形態では、第1のダイポールアンテナを形成する2つのアンテナ素子は、第1の軸に対して垂直な2つのセグメントをそれぞれ含み、及び第2のダイポールアンテナを形成する他の2つのアンテナ素子は、第1の軸に対して平行な2つのセグメントをそれぞれ含む。別の言い方をすると、第1のダイポールアンテナを形成する2つのアンテナ素子は、第2の軸に対して平行な2つのセグメントをそれぞれ含み、及び第2のダイポールアンテナを形成する他の2つのアンテナ素子は、第2の軸に対して垂直な2つのセグメントをそれぞれ含む。
【0067】
[0067] (D11.1)D1~D11のいずれかのいくつかの実施形態では、4つの別個のアンテナ素子のそれぞれは、(i)それぞれの第1の複数のセグメント、及び(ii)第1の複数のセグメントのそれぞれの間に散在されたそれぞれの第2の複数のセグメントを含む。
【0068】
[0068] (D12)D1~D11.1のいずれかのいくつかの実施形態では、第1の複数のセグメント内のセグメントの第1の長さは、アンテナ素子の第1の端部からアンテナ素子の第2の端部まで増加し、及び第2の複数のセグメント内のセグメントの第2の長さは、アンテナ素子の第1の端部からアンテナ素子の第2の端部まで増加する。
【0069】
[0069] (D13)D1~D12のいずれかのいくつかの実施形態では、第1の複数のセグメント内のセグメントの第1の長さは、第2の複数のセグメント内のセグメントの第2の長さと異なる。
【0070】
[0070] (D14)D1~D13のいずれかのいくつかの実施形態では、第1の複数のセグメント内のセグメントの第1の長さは、第2の複数のセグメント内のセグメントの第2の長さと異なる。
【0071】
[0071] (D15)D1~D14のいずれかのいくつかの実施形態では、アンテナ素子の第2の端部方向への、第1の複数のセグメント内のセグメントの第1の長さは、アンテナ素子の第2の端部方向への、第2の複数のセグメント内のセグメントの第2の長さより長い。
【0072】
[0072] (D16)D1~D15のいずれかのいくつかの実施形態では、反射器は、銅又は銅合金の固体金属シートである。
【0073】
[0073] (D17)D1~D16のいずれかのいくつかの実施形態では、反射器は、第1又は第2のダイポールアンテナによって放射される電磁気信号の少なくとも一部を反射するように構成される。
【0074】
[0074] (D18)D1~D17のいずれかのいくつかの実施形態では、4つの別個の共面アンテナ素子は、基板上又はその中に形成される。
【0075】
[0075] (D19)D18のいくつかの実施形態では、基板は、所定の透磁率又は誘電率のメタマテリアルを含む。
【0076】
[0076] (D20)D1~D19のいずれかのいくつかの実施形態では、それぞれの蛇行パターンは、すべて同じである。
【0077】
[0077] (D21)D1~D20のいずれかのいくつかの実施形態では、第1のダイポールアンテナを形成する2つのアンテナ素子は、2つのアンテナ素子のそれぞれによって従われるそれぞれの蛇行パターンが互いの鏡像であるように第1の軸に沿ってアライメントされる。
【0078】
[0078] (D22)D1~D21のいずれかのいくつかの実施形態では、第2のダイポールアンテナを形成する他の2つのアンテナ素子は、他の2つのアンテナ素子のそれぞれによって従われるそれぞれの蛇行パターンが互いの鏡像であるように第2の軸に沿ってアライメントされる。
【0079】
[0079] (D23)D1~D22のいずれかのいくつかの実施形態では、4つの別個のアンテナ素子のそれぞれによって従われるそれぞれの蛇行パターンの第1の端部は、近接場アンテナの同じ中央部に接し、及び4つの別個のアンテナ素子のそれぞれによって従われるそれぞれの蛇行パターンの第2の端部は、近接場アンテナの別個の縁に接する。さらに、4つの別個のアンテナ素子のそれぞれによって従われるそれぞれの蛇行パターンの最長寸法は、近接場アンテナの同じ中央部より近接場アンテナの別個の縁に近い。
【0080】
[0080] (D24)D1~D23のいずれかのいくつかの実施形態では、4つの別個のアンテナ素子のそれぞれによって従われるそれぞれの蛇行パターンの最短寸法は、近接場アンテナの別個の縁より近接場アンテナの同じ中央部に近い。
【0081】
[0081] (E1)いくつかの実施形態によると、近接場アンテナが提供される。近接場アンテナ(例えば、近接場アンテナ2500、
図25A)は、4つの別個の共面アンテナ素子を含み、各アンテナ素子は、近接場アンテナの別個の象限(例えば、象限2570-A~2570-Dの1つ)を占有する。さらに、4つの別個のアンテナ素子のそれぞれのアンテナ素子の幅は、近接場アンテナの中央部から近接場アンテナのそれぞれの縁まで蛇行的な方式で増加する。4つの別個のアンテナ素子のそれぞれの最長寸法は、近接場アンテナのそれぞれの縁に近く(すなわち隣接する/接する)、逆に4つの別個のアンテナ素子のそれぞれの最短寸法は、近接場アンテナの中央部に近い(すなわち隣接する/接する)。
【0082】
[0082] (E2)E1のいくつかの実施形態では、4つの共面アンテナ素子の2つのアンテナ素子は、第1の軸に沿った第1のダイポールアンテナを形成し、及び4つの共面アンテナ素子の別の2つのアンテナ素子は、第1の軸に対して垂直な第2の軸に沿った第2のダイポールアンテナを形成する。
【0083】
[0083] (E3)E1、E2のいずれかのいくつかの実施形態では、第1のダイポールアンテナを形成する2つのアンテナ素子は、2つのアンテナ素子のそれぞれによって従われるそれぞれの蛇行パターンが互いの鏡像であるように第1の軸に沿ってアライメントされる。
【0084】
[0084] (E4)E1~E3のいずれかのいくつかの実施形態では、第2のダイポールアンテナを形成する2つのアンテナ素子は、他の2つのアンテナ素子のそれぞれによって従われるそれぞれの蛇行パターンが互いの鏡像であるように第2の軸に沿ってアライメントされる。
【0085】
[0085] 上述の様々な実施形態は本明細書で説明される任意の他の実施形態と組み合わされ得ることに留意されたい。本明細書において説明される特徴と利点はすべてが包括的であるというわけではない。特に、添付図面、本明細書及び特許請求の範囲に照らして多くの追加機能と利点が当業者には明らかになる。また、本明細書で使用される言語は読み易さと教示的目的のために主として選択されたものであり、本発明の主題を束縛又は制限するように意図されていないことに留意するべきである。
【0086】
図面の簡単な説明
[0086] 本開示がより詳細に理解され得るように、そのいくつかが添付図面に示される様々な実施形態の特徴を参照してより具体的な説明がなされ得る。しかし、添付図面は、本開示の適切な特徴を単に示しており、したがって制限するものと見なされてはならず、本明細書は他の効果的な特徴を認め得る。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【
図1A】[0087]いくつかの実施形態によるRF無線送電システムのブロック図である。
【
図1B】[0088]いくつかの実施形態によるRF送電器集積回路及びアンテナ区域を含む例示的RF充電パッドの部品を示すブロック図である。
【
図1C】[0089]いくつかの実施形態によるスイッチに結合されるRF送電器集積回路を含む例示的RF充電パッドの部品を示すブロック図である。
【
図2A】[0090]いくつかの実施形態による例示的RF充電パッドを示すブロック図である。
【
図2B】[0091]いくつかの実施形態による例示的受信装置を示すブロック図である。
【
図3A】[0092]いくつかの実施形態によるRF充電パッドの高位ブロック図である。
【
図3B】[0093]いくつかの実施形態によるRF充電パッドの一部を示す高位ブロック図である。
【
図3C】[0093]いくつかの実施形態によるRF充電パッドの一部を示す高位ブロック図である。
【
図3D】[0094]いくつかの実施形態によるRF信号を送信しているアンテナ素子のセクション内のエネルギー流れを示す単純化回路のブロック図である。
【
図4】[0095]いくつかの実施形態による2つの端子を有する送信アンテナ素子の概略図である。
【
図5】[0096]高周波(RF)送電を介して電子装置を充電する方法のフローチャートである。
【
図6A】[0097]いくつかの実施形態によるRF充電パッド内の個々のアンテナ素子の様々な構成を示す概略図である。
【
図6B】[0097]いくつかの実施形態によるRF充電パッド内の個々のアンテナ素子の様々な構成を示す概略図である。
【
図6C】[0097]いくつかの実施形態によるRF充電パッド内の個々のアンテナ素子の様々な構成を示す概略図である。
【
図6D】[0097]いくつかの実施形態によるRF充電パッド内の個々のアンテナ素子の様々な構成を示す概略図である。
【
図6E】[0097]いくつかの実施形態によるRF充電パッド内の個々のアンテナ素子の様々な構成を示す概略図である。
【
図7A】[0098]いくつかの実施形態によるRF受信器のアンテナ素子の概略図である。
【
図7B】[0098]いくつかの実施形態によるRF受信器のアンテナ素子の概略図である。
【
図7C】[0098]いくつかの実施形態によるRF受信器のアンテナ素子の概略図である。
【
図7D】[0098]いくつかの実施形態によるRF受信器のアンテナ素子の概略図である。
【
図8】[0099]いくつかの実施形態による複数の送信アンテナ素子(又はユニットセル)を有するRF充電パッドの概略図である。
【
図9A】[00100]いくつかの実施形態による近接場充電パッド内の1つ又は複数のアンテナ区域を選択的に活性化する方法900を示す流れ図である。
【
図9B】[00100]いくつかの実施形態による近接場充電パッド内の1つ又は複数のアンテナ区域を選択的に活性化する方法900を示す流れ図である。
【
図10】[00101]いくつかの実施形態による近接場充電パッド内の1つ又は複数のアンテナ区域を選択的に活性化するプロセスを示す概要である。
【
図11A】[00102]いくつかの実施形態による近接場充電パッド内の1つ又は複数のアンテナ区域を選択的に活性化する様々な態様を示す流れ図である。
【
図11B】[00102]いくつかの実施形態による近接場充電パッド内の1つ又は複数のアンテナ区域を選択的に活性化する様々な態様を示す流れ図である。
【
図11C】[00102]いくつかの実施形態による近接場充電パッド内の1つ又は複数のアンテナ区域を選択的に活性化する様々な態様を示す流れ図である。
【
図11D】[00102]いくつかの実施形態による近接場充電パッド内の1つ又は複数のアンテナ区域を選択的に活性化する様々な態様を示す流れ図である。
【
図11E】[00102]いくつかの実施形態による近接場充電パッド内の1つ又は複数のアンテナ区域を選択的に活性化する様々な態様を示す流れ図である。
【
図12】[00103]いくつかの実施形態によるRF充電パッドの複数の適応型負荷を有する送信アンテナ素子の概略図である。
【
図13】[00104]いくつかの実施形態による複数の適応型負荷を有する少なくとも1つのRFアンテナを使用することにより、高周波(RF)送電を介して電子装置を充電する方法のフローチャートである。
【
図14A】[00105]いくつかの実施形態によるRF充電パッド内の複数の周波数又は周波数帯において動作し得る個々のアンテナ素子の様々な構成を示す概略図である。
【
図14B】[00105]いくつかの実施形態によるRF充電パッド内の複数の周波数又は周波数帯において動作し得る個々のアンテナ素子の様々な構成を示す概略図である。
【
図14C】[00105]いくつかの実施形態によるRF充電パッド内の複数の周波数又は周波数帯において動作し得る個々のアンテナ素子の様々な構成を示す概略図である。
【
図14D】[00105]いくつかの実施形態によるRF充電パッド内の複数の周波数又は周波数帯において動作し得る個々のアンテナ素子の様々な構成を示す概略図である。
【
図15】[00106]いくつかの実施形態によるアンテナ素子の長さを調整することにより、複数の周波数又は周波数帯において動作し得る個々のアンテナ素子の例示的構成を示す図である。
【
図16A】[00107]一実施形態による例示的システムの概略図である。
【
図16B】[00107]一実施形態による例示的システムの概略図である。
【
図17A】[00108]一実施形態による例示的システムの概略図である。
【
図17B】[00108]一実施形態による例示的システムの概略図である。
【
図17C】[00108]一実施形態による例示的システムの概略図である。
【
図17D】[00108]一実施形態による例示的システムの概略図である。
【
図18】[00109]一実施形態による例示的システムの概略図である。
【
図19】[00110]一実施形態による例示的システムの概略図である。
【
図20】[00111]一実施形態による例示的システムの概略図である。
【
図21】[00112]一実施形態による例示的システムの概略図である。
【
図22】[00113]一実施形態による例示的システムの概略図である。
【
図23】[00114]一実施形態による例示的システムの概略図である。
【
図24A】[00115]一実施形態による例示的システムの概略図である。
【
図24B】[00115]一実施形態による例示的システムの概略図である。
【
図25A】[00116]いくつかの実施形態による近接場アンテナの等角図を示す。
【
図25B】[00117]いくつかの実施形態による近接場アンテナの別の等角図を示す。
【
図25C】[00118]いくつかの実施形態による近接場アンテナの異なる側面図を示す。
【
図25D】[00118]いくつかの実施形態による近接場アンテナの異なる側面図を示す。
【
図25E】[00119]いくつかの実施形態による近接場アンテナの別の側面図を示す。
【
図25F】[00120]いくつかの実施形態による蛇行パターンに従う代表的放射素子を示す。
【
図25G】[00121]いくつかの実施形態による近接場アンテナの上面図を示す。
【
図25H】[00122]いくつかの実施形態による近接場アンテナの別の上面図を示す。
【
図26】[00123]いくつかの実施形態による近接場アンテナの動作を制御するために使用される制御システムのブロック図である。
【
図27】[00124]
図25Aの反射器を有する近接場アンテナによって生成された放射パターンを示す。
【
図28A】[00125]
図25Aの近接場アンテナによって生成された追加放射パターンを示す。
【
図28B】[00125]
図25Aの近接場アンテナによって生成された追加放射パターンを示す。
【
図28C】[00125]
図25Aの近接場アンテナによって生成された追加放射パターンを示す。
【
図29A】[00126]いくつかの実施形態による近接場アンテナのダイポールアンテナによって放射及び吸収されたエネルギーの集中を示す。
【
図29B】[00126]いくつかの実施形態による近接場アンテナのダイポールアンテナによって放射及び吸収されたエネルギーの集中を示す。
【
図30】[00127]いくつかの実施形態による無線送電の方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0088】
[00128] 慣習に従って、添付図面に示される様々な特徴は原寸に比例して描かれないことがある。したがって、様々な特徴の寸法は明瞭性のために任意に拡張又は縮小され得る。加えて、添付図面のいくつかは所与のシステム、方法又は装置の部品のすべてを描写しないことがある。最後に、同様の参照符号が本明細書及び図面を通して同様の特徴を表すために使用され得る。
【0089】
実施形態の説明
[00129] その例が添付図面に示される実施形態を次に詳細に参照する。以下の詳細な説明では、様々な説明される実施形態を十分に理解するために多くの具体的詳細が記載される。しかし、様々な説明される実施形態がこれらの特定の詳細無しに実行され得ることは当業者により明らかになる。他の例では、周知の方法、手順、部品、回路及びネットワークは実施形態の態様を不必要に曖昧にしないように詳細に説明されなかった。
【0090】
[00130]
図1Aは、いくつかの実施形態によるRF無線送電システムのブロック図である。いくつかの実施形態では、RF無線送電システム150はRF充電パッド(本明細書では近接場(NF)充電パッド100又はRF充電パッド100とも呼ばれる)を含む。いくつかの実施形態では、RF充電パッド100はRF送電器集積回路160(以下にさらに詳細に説明する)を含む。いくつかの実施形態では、RF充電パッド100は、
図2Aを参照してより詳細に論述される1つ又は複数の通信部品204(例えば、Wi-Fi無線又はBluetooth無線などの無線通信部品)を含む。いくつかの実施形態では、RF充電パッド100は、外部TXアンテナアレイ210を駆動する際に1つ又は複数の電力増幅器ユニット108-1、...108-nの動作を制御するために1つ又は複数の電力増幅器ユニット108-1、...108-nにも接続する。いくつかの実施形態では、RF電力は、RF無線送電システムがTXアンテナアレイ210を介してRF電力を1つ又は複数の無線受信装置に送信することを可能にするように切り替え回路を介してRF充電パッド100において制御及び変調される。例示的電力増幅器ユニットが
図3Aを参照して以下にさらに詳細に論述される。
【0091】
[00131] いくつかの実施形態では、通信部品(群)204がRF充電パッド100と1つ又は複数の通信ネットワーク間の通信を可能にする。いくつかの実施形態では、通信部品(群)204は、多様なカスタム又は標準無線プロトコル(例えば、IEEE802.15.4、Wi-Fi、ZigBee、6LoWPAN、Thread、Z-Wave、Bluetooth Smart、ISA100.11a、WirelessHART、MiWiなど)、カスタム又は標準有線プロトコル(例えば、Ethernet、HomePlugなど)及び/又は本明細書の出願日の時点で依然として開発されていない通信プロトコルを含む任意の他の好適な通信プロトコルの任意のものを使用することにより、データ通信することができる。
【0092】
[00132]
図1Bは、いくつかの実施形態によるRF送電器集積回路160(「集積回路」)のブロック図である。いくつかの実施形態では、集積回路160は、CPU下位システム170、外部装置制御インターフェース、DC/RF電力変換器のRF下位セクション及びバス又は相互接続ファブリックブロック171などの相互接続部品を介して相互接続するアナログ及びデジタル制御インターフェースを含む。いくつかの実施形態では、CPU下位システム170は、CPU下位システムランダムアクセスメモリ(RAM)174(例えば、メモリ206、
図2A)内にロードされる又はFLASHから直接実行されるCPU実行可能コードを含む外部FLASHにデジタル制御インターフェース(例えば、I
2Cポート)を介してブートする装置プログラムのための関連読み取り専用メモリ(ROM)172を有するマイクロプロセッサユニット(CPU)202を含む。いくつかの実施形態では、CPU下位システム170は、RF充電パッド100から無線で配送される電力を受信しようとする無線電力受信器などの外部装置との通信交換を認証及び保証するために暗号化モジュール又はブロック176も含む。
【0093】
[00133] いくつかの実施形態では、CPU(
図2Aのメモリ206内に示され以下に説明されるものなど)上で走る実行可能命令は、RF充電パッド100の動作を管理するために、且つ制御インターフェース(例えば、SPI制御インターフェース175及びRF送電器集積回路160内に含まれる他のアナログ及びデジタルインターフェース)を介して外部装置を制御するために使用される。いくつかの実施形態では、CPU下位システムは、RF局部発振器(LO)177及びRF送信器(TX)178を含むRF送電器集積回路160のRF下位セクションの動作も管理する。いくつかの実施形態では、RF LO 177は、CPU下位システム170からの命令に基づいて調整され、これにより様々な所望の周波数の動作に設定される一方、TXは、実現可能RF電力レベルを生成するために必要に応じてRF出力を変換、増幅、変調する。
【0094】
[00134] いくつかの実施形態では、RF送電器集積回路160は実現可能RF電力レベルを(例えば、RF TX 178を介して)任意選択的ビーム形成集積回路(IC)109に提供し、任意選択的ビーム形成集積回路(IC)109は次に、位相シフトされた信号を1つ又は複数の電力増幅器108に提供する。いくつかの実施形態では、ビーム形成IC109は、特定の無線電力受信器に送信される電力が最大化される(例えば、送電信号が特定の無線電力受信器において同相で到達する)ことを保証するために特定の無線電力受信器に2つ以上のアンテナ210(例えば、各アンテナ210は異なるアンテナ区域290に関連付けられ得るか、又はそれぞれが単一アンテナ区域290に属し得る)を使用することによって送信される送電信号が適切な特性(例えば、位相)を有して送信されることを保証するために使用される。いくつかの実施形態では、ビーム形成IC109はRF送電器IC160の一部を形成する。
【0095】
[00135] いくつかの実施形態では、RF送電器集積回路160は、実現可能RF電力レベルを1つ又は複数の電力増幅器108に(例えば、RF TX 178を介して)直接提供し、したがって位相シフトが必要とされなければ(送電信号を無線電力受信器に送信するために単一アンテナ210のみが使用されるときなど)ビーム形成IC109を使用しない(すなわちビーム形成ICをバイパスする)。
【0096】
[00136] 次に、いくつかの実施形態では、1つ又は複数の電力増幅器108は、RF充電パッド100から無線で配送される電力を受信する権限を与えられた無線電力受信器への送信のためのRF信号をアンテナ区域290に提供する。いくつかの実施形態では、各アンテナ区域290はそれぞれのPA108と結合される(例えば、アンテナ区域290-1はPA108-1と結合され、アンテナ区域290-NはPA108Nと結合される)。いくつかの実施形態では、複数のアンテナ区域がそれぞれ同じ一組のPA108と結合される(例えば、すべてのPA108が各アンテナ区域290と結合される)。アンテナ区域290に対するPA108の様々な配置及び結合は、無線電力を無線電力受信器に送信するために使用するのに最も効効率的なアンテナ区域290を判断するためにRF充電パッド100が様々なアンテナ区域を連続的又は選択的に活性化することを可能にする(
図9A~
図9B、
図10及び
図11A~
図11Eを参照して以下にさらに詳細に説明されるように)。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の電力増幅器108は、PA108によってRF充電パッド100のアンテナ区域に提供される出力電力をCPU202が測定することを可能にするためにCPU下位システム170とも通信する。
【0097】
[00137]
図1Bは、いくつかの実施形態では、RF充電パッド100のアンテナ区域290が1つ又は複数のアンテナ210ANを含み得ることも示す。いくつかの実施形態では、複数のアンテナ区域の各アンテナ区域は1つ又は複数のアンテナ210を含む(例えば、アンテナ区域290-1は1つのアンテナ210-Aを含み、アンテナ区域290Nは複数のアンテナ210を含む)。いくつかの実施形態では、アンテナ区域のそれぞれに含まれるアンテナの数は、RF充電パッド100上の無線電力受信器の位置などの様々なパラメータに基づいて動的に規定される。いくつかの実施形態では、アンテナ区域は、以下にさらに詳細に説明される蛇行線アンテナの1つ又は複数を含み得る。いくつかの実施形態では、各アンテナ区域290は、様々なタイプのアンテナ(例えば、蛇行線アンテナ及びループアンテナ)を含み得る一方、他の実施形態では、各アンテナ区域290は同じタイプの単一アンテナを含み得る(例えば、すべてのアンテナ区域290が1つの蛇行線アンテナを含む)一方、さらに他の実施形態では、アンテナ区域は、同じタイプの単一アンテナを含むいくつかのアンテナ区域と、様々なタイプのアンテナを含むいくつかのアンテナ区域とを含み得る。アンテナ区域は、以下でもさらに詳細に説明される。
【0098】
[00138] いくつかの実施形態では、RF充電パッド100は、「RF充電パッド100が許容可能温度範囲内に留まる」ことを保証するためにCPU下位システム170と通信する温度監視回路も含み得る。例えば、RF充電パッド100が閾値温度に達したという判断がなされれば、RF充電パッド100の動作はRF充電パッド100が閾値温度を下回るまで一時的に中断され得る。
【0099】
[00139] RF送電器回路160の示された部品(
図1B)を単一チップ上に含むことにより、このような集積回路は、集積回路における動作をより効率的及び迅速に(且つより低い遅延で)管理することができ、これにより、これらの集積回路によって管理される充電パッドに伴うユーザ満足感を改善することを促進する。例えば、RF送電器回路160は、構築するのがより安価であり、より小さい物理的フットプリントを有し、設置するのがより簡単である。さらに且つ
図2Aを参照して以下にさらに詳細に説明されるように、RF送電器回路160は、権限を与えられた受信器のみがRF充電パッド100(
図1B)から無線で配送される電力を受信することができることを保証するために、セキュア素子モジュール282(
図2B)又は受信器104と併せて使用されるセキュア素子モジュール234(例えば、
図1Bに示す暗号化ブロック176内に含まれる)も含み得る。
【0100】
[00140]
図1Cは、いくつかの実施形態による充電パッド294のブロック図である。充電パッド294は、充電パッド100(
図1A)の一例であるが、充電パッド100に含まれる1つ又は複数の部品は、論述及び図解を簡単にするために充電パッド294に含まれない。
【0101】
[00141] 充電パッド294は、RF送電器集積回路160、1つ又は複数の電力増幅器108及び複数のアンテナ区域を有する送信機アンテナアレイ290を含む。それぞれのこれらの部品のそれぞれは、
図1A、1Bを参照して上に詳細に説明された。加えて、充電パッド294は、電力増幅器108とアンテナアレイ290との間に配置されると共に、複数のスイッチ297-A、297-B、...297-Nを有するスイッチ295を含む。スイッチ295は、RF送電器集積回路160によって提供される制御信号に応答して、1つ又は複数の電力増幅器108と、アンテナアレイ290の1つ又は複数のアンテナ区域とを切り替え可能に接続するように構成される。
【0102】
[00142] 上記を達成するために、各スイッチ297は、アンテナアレイ290の異なるアンテナ区域と結合される(例えば、アンテナアレイ290の異なるアンテナ区域への信号経路を提供する)。例えば、スイッチ297-Aは、アンテナアレイ290の第1のアンテナ区域290-1(
図1B)と結合され得、スイッチ297-Bは、アンテナアレイ290の第2のアンテナ区域290-2と結合され得る等である。複数のスイッチ297-A、297-B、...297-Nのそれぞれは、閉じられると、それぞれの電力増幅器108(又は複数の電力増幅器108)とアンテナアレイ290のそれぞれのアンテナ区域との間の独自の経路を生成する。スイッチ295を通るそれぞれの独自の経路は、RF信号をアンテナアレイ290の特定のアンテナ区域に選択的に提供するために使用される。複数のスイッチ297-A、297-B、...297-Nの2つ以上は、同時に閉じられ得、これにより同時に使用され得るアンテナアレイ290への複数の独自の経路を生成することに留意するべきである。
【0103】
[00143] いくつかの実施形態では、RF送電器集積回路160は、スイッチ295に結合され、且つ複数のスイッチ297-A、297-B、...297-Nの動作を制御するように構成される(
図1A、1Cでは「制御出力」信号として示される)。例えば、RF送電器集積回路160は、他のスイッチを開放に維持する一方、第1のスイッチ297-Aを閉じ得る。別の例では、RF送電器集積回路160は、第1のスイッチ297-A及び第2のスイッチ297-Bを閉じ、他のスイッチを開放に維持し得る(様々な他の組み合わせ及び構成が可能である)。さらに、RF送電器集積回路160は、1つ又は複数の電力増幅器108に結合され、且つ好適なRF信号(例えば、「RF出力」信号)を生成して、このRF信号を1つ又は複数の電力増幅器108に提供するように構成される。1つ又は複数の電力増幅器108は、したがって、スイッチ295内のいずれのスイッチ297がRF送電器集積回路160によって閉じられるかに依存して、スイッチ295を介してRF信号をアンテナアレイ290の1つ又は複数のアンテナ区域に提供するように構成される。
【0104】
[00144] さらに例示すると、以下のいくつかの実施形態において説明されるように、充電パッドは、様々なアンテナ区域を使用することにより、試験送電信号及び/又は通常送電信号を(例えば、充電パッド上の受信器の位置に依存して)送信するように構成される。したがって、特定のアンテナ区域が試験信号又は通常送電信号を送信するために選択されると、制御信号が少なくとも1つのスイッチ297を閉じさせるためにRF送電器集積回路160からスイッチ295に送信される。そうする際、少なくとも1つの電力増幅器108からのRF信号は、現在閉じられている少なくとも1つのスイッチ297によって生成された独自の経路を使用して特定のアンテナ区域に提供され得る。
【0105】
[00145] いくつかの実施形態では、スイッチ295は、アンテナアレイ290の(例えば、内部の)一部であり得る。代替的に、いくつかの実施形態では、スイッチ295は、アンテナアレイ290から分離されている(例えば、スイッチ295は、別個の部品であり得るか、又は別の部品(電力増幅器108など)の一部であり得る)。上記を達成することができる任意のスイッチ設計が使用され得ることに留意するべきであり、
図1Cに示されたスイッチ295の設計は、単に一例である。
【0106】
[00146]
図2Aは、いくつかの実施形態によるRF充電パッド100のいくつかの部品を示すブロック図である。いくつかの実施形態では、RF充電パッド100は、RF送電器IC160(及びその中に含まれる
図1A~
図1Bを参照して上に説明したものなどの部品)、メモリ206(CPU下位システム170の一部である非揮発性メモリ206などRF送電器IC160の一部として含まれ得る)及びこれらの部品(時に、チップセットと呼ばれる)を相互接続するための1つ又は複数の通信バス208を含む。いくつかの実施形態では、RF充電パッド100は1つ又は複数のセンサ212(以下に論述される)を含む。いくつかの実施形態では、RF充電パッド100は、1つ又は複数の指示灯、サウンドカード、スピーカ、テキスト情報及びエラーコードを表示するための小型ディスプレイなどの1つ又は複数の出力装置を含む。いくつかの実施形態では、RF充電パッド100は、RF充電パッド100の位置を判断するためのGPS(全地球測位衛星)又は他の地理的位置受信器などの位置検出装置を含む。
【0107】
[00147] いくつかの実施形態では、1つ又は複数のセンサ212は、1つ又は複数の熱放射センサ、環境温度センサ、湿度センサ、IRセンサ、占有センサ(例えば、RFIDセンサ)、環境光センサ、動き検出器、加速度計及び/又はジャイロスコープを含む。
【0108】
[00148] メモリ206は、DRAM、SRAM、DDR SRAM又は他のランダムアクセス固体メモリ装置などの高速ランダムアクセスメモリを含み、且つ任意選択的に、1つ又は複数の磁気ディスク記憶装置、1つ又は複数の光ディスク記憶装置、1つ又は複数のフラッシュメモリ装置又は1つ又は複数の他の不揮発性固体記憶装置などの不揮発性メモリを含む。メモリ206(又は代替的にメモリ206内の不揮発性メモリ)は非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含む。いくつかの実施形態では、メモリ206(又はメモリ206の非一時的コンピュータ可読記憶媒体)は、以下のプログラム、モジュール及びデータ構造又はその下位集合又は上位集合を格納する:
・様々な基本システムサービスを扱うための手順とハードウェア依存タスクを行うための手順とを含む動作論理、
・無線通信部品(群)204と協力して遠隔装置(例えば、リモートセンサ、送信器、受信器、サーバ、マッピングメモリなど)と結合及び/又は通信するための通信モジュール218、
・例えば、RF充電パッド100の近傍の物体の有無、速度及び/又は位置決めを判断するためにセンサデータを(例えば、センサ212と協力して)取得及び処理するためのセンサモジュール220、
・送電信号を生成する(限定しないが、所与の位置にエネルギーのポケットを形成することを含む)及び送信する(例えば、アンテナ区域290及びそれぞれに含まれるアンテナ210と協力して)ための電力波生成モジュール222。電力波生成モジュール222は、個々のアンテナ区域により、送電信号を送信するために使用される伝送特性を修正するためにも使用され得る、
・限定しないが以下のものを含むデータベース224:
・1つ又は複数のセンサ(例えば、センサ212及び/又は1つ又は複数のリモートセンサ)によって受信、検出及び/又は送信されるデータを格納及び管理するためのセンサ情報226、
・RF充電パッド100及び/又は1つ又は複数の遠隔装置の動作セッティングを格納するための装置セッティング228、
・1つ又は複数のプロトコルのプロトコル情報を格納及び管理するための通信プロトコル情報230(例えば、ZigBee、Z-Waveなどのカスタム又は標準無線プロトコル及び/又はイーサーネットなどのカスタム又は標準有線プロトコル)、
・マッピングデータを格納及び管理する(例えば、1つ又は複数の送信フィールドをマッピングする)ためのマッピングデータ232、
・無線で配送された電力をRF充電パッド100から受信する権限を無線電力受信器が与えられるかどうかを判断するためのセキュア素子モジュール234、
・様々な無線電力受信器に電力を無線で配送するためにいずれのアンテナ区域又は区域群が使用されなければならないかを判断するために、試験送電信号を送信するプロセスと様々なアンテナ区域とを連携させるためのアンテナ区域選択及びチューニングモジュール237(
図9A~
図9B、
図100及び
図11A~
図11Eを参照して以下にさらに詳細に説明されように)。
【0109】
[00149] 上記識別された素子(例えば、RF充電パッド100のメモリ206内に格納されるモジュール)のそれぞれは、前述のメモリ装置の1つ又は複数内に任意選択的に格納され、上述の機能(群)を行うための一組の命令に対応する。様々な実施形態では、上記識別されたモジュール又はプログラム(例えば、命令の組)は、別個のソフトウェアプログラム、手順又はモジュールとして実現される必要は無く、したがって、これらのモジュールの様々な下位集合が任意選択的に組み合わされるか又はそうでなければ再配置される。いくつかの実施形態では、メモリ206は上に識別されたモジュール及びデータ構造の下位集合を任意選択的に格納する。
【0110】
[00150]
図2Bは、いくつかの実施形態による代表的受信装置104(時に、受信器、電力受信器又は無線電力受信器と呼ばれる)を示すブロック図である。いくつかの実施形態では、受信装置104は、1つ又は複数の処理ユニット(例えば、CPU、ASIC、FPGA、マイクロプロセッサなど)252、1つ又は複数の通信部品254、メモリ256、アンテナ(群)260、電力収集回路259及びこれらの部品(時に、チップセットと呼ばれる)を相互接続するための1つ又は複数の通信バス258を含む。いくつかの実施形態では、受信装置104は、
図2Aを参照して上に説明した1つ又は複数のセンサ212などの1つ又は複数のセンサ262を含む。いくつかの実施形態では、受信装置104は、電力収集回路259を介して収集されるエネルギーを格納するためのエネルギー貯蔵装置261を含む。様々な実施形態では、エネルギー貯蔵装置261は、1つ又は複数の電池、1つ又は複数のキャパシタ、1つ又は複数のインダクタなどを含む。
【0111】
[00151] いくつかの実施形態では、電力収集回路259は1つ又は複数の整流回路及び/又は1つ又は複数の電力変換器を含む。いくつかの実施形態では、電力収集回路259は、電力波からのエネルギー及び/又はエネルギーポケットからのエネルギーを電気エネルギー(例えば、電気)に変換するように構成された1つ又は複数の部品(例えば、電力変換器)を含む。いくつかの実施形態では、電力収集回路259は、ラップトップ又は電話などの結合された電子装置に電力を供給するようにさらに構成される。いくつかの実施形態では、結合された電子装置に電力を供給することは、電気エネルギーをAC形式からDC形式(例えば、電子装置によって使用可能な)に変換することを含む。
【0112】
[00152] いくつかの実施形態では、アンテナ(群)260は以下にさらに詳細に説明される蛇行線アンテナの1つ又は複数を含む。
【0113】
[00153] いくつかの実施形態では、受信装置104は、1つ又は複数の指示灯、サウンドカード、スピーカ、テキスト情報及びエラーコードを表示するための小型ディスプレイなどの1つ又は複数の出力装置を含む。いくつかの実施形態では、受信装置104は、受信装置103の位置を判断するためのGPS(全地球測位衛星)又は他の地理的位置受信器などの位置検出装置を含む。
【0114】
[00154] 様々な実施形態では、1つ又は複数のセンサ262は、1つ又は複数の熱放射センサ、環境温度センサ、湿度センサ、IRセンサ、占有センサ(例えば、RFIDセンサ)、環境光センサ、動き検出器、加速度計及び/又はジャイロスコープを含む。
【0115】
[00155] 通信部品(群)254は受信器104と1つ又は複数の通信ネットワーク間の通信を使用可能にする。いくつかの実施形態では、通信部品(群)254は、多様なカスタム又は標準無線プロトコル(例えば、IEEE 802.15.4、Wi-Fi、ZigBee、6LoWPAN、Thread、Z-Wave、Bluetooth Smart、ISA100.11a、WirelessHART、MiWiなど)、カスタム又は標準規格有線プロトコル(例えば、Ethernet、HomePlugなど)の任意のもの及び/又は本明細書の出願日の時点で依然として開発されていない通信プロトコルを含む任意の他の好適な通信プロトコルを使用することにより、データ通信することができる。
【0116】
[00156] 通信部品(群)254は、例えば、多様なカスタム又は標準無線プロトコル(例えば、IEEE 802.15.4、Wi-Fi、ZigBee、6LoWPAN、Thread、Z-Wave、Bluetooth Smart、ISA100.11a、WirelessHART、MiWiなど)及び/又は多様なカスタム又は標準有線プロトコル(例えば、Ethernet、HomePlugなど)の任意のもの又は本明細書の出願日の時点で依然として開発されていない通信プロトコルを含む任意の他の好適な通信プロトコルを使用することによってデータ通信することができるハードウェアを含む。
【0117】
[00157] メモリ256は、DRAM、SRAM、DDR SRAM又は他のランダムアクセス固体メモリ装置などの高速ランダムアクセスメモリを含み、任意選択的に、1つ又は複数の磁気ディスク記憶装置、1つ又は複数の光ディスク記憶装置、1つ又は複数のフラッシュメモリ装置又は1つ又は複数の他の不揮発性固体記憶装置などの不揮発性メモリを含む。メモリ256又は代替的にメモリ256内の不揮発性メモリは非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含む。いくつかの実施形態では、メモリ256(又はメモリ256の非一時的コンピュータ可読記憶媒体)は、以下のプログラム、モジュール及びデータ構造又はその下位集合又は上位集合を格納する:
・様々な基本システムサービスを扱うための手順とハードウェア依存タスクを行うための手順とを含む動作論理266、
・通信部品(群)254と協力して遠隔装置(例えば、リモートセンサ、送信器、受信器、サーバ、マッピングメモリなど)と結合及び/又は通信するための通信モジュール268、
・例えば、受信器103、RF充電パッド100又は受信器103の近傍の物体の有無、速度及び/又は位置決めを判断するためにセンサデータを(例えば、センサ262と協力して)取得及び処理するためのセンサモジュール270、
・電力波からのエネルギー及び/又はエネルギーポケットからのエネルギーを(例えば、アンテナ(群)260及び/又は電力収集回路259と協力して)受信し、エネルギーを(例えば、直流に)任意選択的に変換し(例えば、電力収集回路259と協力して)、結合された電子装置にエネルギーを転送し、エネルギーを任意選択的に格納する(例えば、エネルギー貯蔵装置261と協力して)ための無線電力受信モジュール272、
・限定しないが以下のものを含むデータベース274:
・1つ又は複数のセンサ(例えば、センサ262及び/又は1つ又は複数のリモートセンサ)によって受信、検出及び/又は送信されるデータを格納及び管理するためのセンサ情報276、
・受信器103、結合された電子装置278及び/又は1つ又は複数の遠隔装置の動作セッティングを格納するための装置セッティング、
・1つ又は複数のプロトコルのプロトコル情報を格納及び管理するための通信プロトコル情報280(例えば、ZigBee、Z-Waveなどのカスタム又は標準無線プロトコル及び/又はイーサーネットなどのカスタム又は標準有線プロトコル)、
・識別情報をRF充電パッド100に提供するためのセキュア素子モジュール282(例えば、RF充電パッド100は、無線電力受信器104が無線で配送された電力を受信する権限を与えられるべきであるかどうかを判断するために識別情報を使用する)。
【0118】
[00158] 上に識別された素子(例えば、受信器104のメモリ256内に格納されたモジュール)のそれぞれは、前述のメモリ装置の1つ又は複数のメモリ装置内に任意選択的に格納され、上述の機能を行うための一組の命令に対応する。上記識別されたモジュール又はプログラム(例えば、命令の組)は、別個のソフトウェアプログラム、手順又はモジュールとして実装される必要は無く、したがって、これらのモジュールの様々な下位集合が任意選択的に組み合わされるか又はそうでなければ様々な実施形態で再配置される。いくつかの実施形態では、メモリ256は任意選択的に、上に識別されたモジュール及びデータ構造の下位集合を格納する。さらに、メモリ256は任意選択的に、接続装置の装置タイプ(例えば、受信器104と結合される電子装置の装置タイプ)を識別するためのモジュールを識別するなどの上に述べなかった追加のモジュール及びデータ構造を格納する。
【0119】
[00159] 次に
図3A~
図8に移ると、RF充電パッド100の様々なアンテナにおいてインピーダンス値(例えば、負荷ピック)を修正するための部品を含むRF充電パッド100の実施形態が示され、蛇行線パターンを形成する導電線を含むアンテナの説明も、これらの図を参照して提供される。
【0120】
[00160]
図3Aに示すように、いくつかの実施形態は、RF充電パッド100の様々なアンテナにおけるインピーダンス値を修正することを可能にする負荷ピック106を含むRF充電パッド100を含む。いくつかの実施形態では、RF充電パッド100は、それぞれが第1の端部におけるそれぞれの電力増幅器切り替え回路103と第2の端部におけるそれぞれの適応型負荷端子102とによって給電される1つ又は複数のアンテナ素子を含む(1つ又は複数のアンテナ素子の追加の詳細及び説明は
図3B~
図3Cを参照して以下に提供される)。
【0121】
[00161] いくつかの実施形態では、RF充電パッド100は、中央処理ユニット110(本明細書ではプロセッサ110とも呼ばれる)も含む(又はそれと通信する)。いくつかの実施形態では、プロセッサ110は、
図1Bに示されRF送電器集積回路160の部品として含まれるCPU202などのRF充電パッド100の動作を管理する責任を負う単一集積回路の部品である。いくつかの実施形態では、プロセッサ110は、(例えば、様々なインピーダンス値を生成するために特定用途向け集積回路(ASIC)又は可変抵抗器であり得る負荷ピック又は適応型負荷106と通信することにより)RF信号周波数を制御するとともに適応型負荷端子102のそれぞれにおけるインピーダンス値を制御するように構成される。いくつかの実施形態では、負荷ピック106は、開放又は短絡された状態のいずれかに置かれる電気機械スイッチである。
【0122】
[00162] いくつかの実施形態では、電子装置(例えば、ストリーミングメディア装置又はプロジェクタの筐体内に集積化され得る充電パッド100の上に置かれるリモコンなどの内部又は外部接続部品として受信器104を含む装置)は、電池を充電する及び/又は電子装置を直接給電するための充電パッド100の1つ又は複数のRFアンテナ素子から受信器104に転送されるエネルギーを使用する。
【0123】
[00163] いくつかの実施形態では、RF充電パッド100は、(
図3Aの電力増幅器(PA)108から)電力を受信するための2つ以上の入力端子と2つ以上の出力又は適応型負荷端子102とによって構成される。いくつかの実施形態では、RF充電パッド100の特定の区域(例えば、充電される電子装置(内部又は外部接続RF受信器104を有する)が、充電パッド上に置かれる場所の下に位置するアンテナ素子を含む区域)における適応型負荷端子102が、受信器104によって受信される電力を最大化するために最適化される。例えば、内部又は外部接続RF受信器104を有する電子装置が特定の区域105(特定の区域105は一組のアンテナ素子を含む)内のパッド100上に置かれたという指標が受信されると、CPU110は、RF受信器104に転送される電力を最大化するために一組のアンテナ素子を適合化する。一組のアンテナ素子を適合化することは、CPU110が、負荷ピック106に、一組のアンテナ素子に関連付けられる適応型負荷端子102の様々なインピーダンス値を試みるように命令することを含み得る。例えば、アンテナ素子における特定の導電線のインピーダンス値はZ=A+jBの複素数値によって与えられる(ここで、Aは、インピーダンス値の実部であり、Bは、虚部であり、例えば0+j0、1000+j0、0+50j、25+j75などである)、且つ負荷ピックは、一組のアンテナ素子からRF受信器104に転送されるエネルギーの量を最大化するためにインピーダンス値を調整する。いくつかの実施形態では、一組のアンテナ素子を適合化することは、同様に又は代替的に、最大量のエネルギーがRF受信器104に転送される周波数が見出されるまで様々な周波数におけるRF信号をCPU110が一組のアンテナ素子に送信させることを含む。いくつかの実施形態では、インピーダンス値及び/又は一組のアンテナ素子が送信する周波数を調整することは、RF受信器104に転送されるエネルギーの量に対する変更を生じさせる。このようにして、RF受信器104に転送されるエネルギーの量が、最大化され(例えば、パッド100のアンテナ素子によって受信器104に送信されるエネルギーの少なくとも75%を転送するために、いくつかの実施形態では、インピーダンス値及び/周波数を調整することは、送信されるエネルギーの最大98%が受信器104によって受信され得るようにする)、RF受信器104が置かれる可能性があるパッド100上の任意の特定の点において受信され得る。
【0124】
[00164] いくつかの実施形態では、電力増幅器108を含む入力回路は追加的に、入力信号の周波数を変更し得る装置又は同時に複数の周波数で動作し得る発振器又は周波数変調器などの装置を含み得る。
【0125】
[00165] いくつかの実施形態では、CPU110は、RF受信器104に転送されるエネルギーの量が所定の閾値を横切る(例えば、送信されたエネルギーの75%以上(最大98%など)が受信される)と、最大量のエネルギーがRF受信器104に転送されていることを判断するか、又は多くのインピーダンス及び/又は周波数値によって送信を試験し、次に、RF受信器104に転送される最大エネルギーを生じるインピーダンス及び周波数の組み合わせを選択することにより(以下の適応化方式を参照して説明されるように)、最大量のエネルギーがRF受信器104に転送されていることを判断する。
【0126】
[00166] いくつかの実施形態では、周波数とインピーダンスとのいずれの組み合わせがRF受信器104への最大エネルギー転送を生じるかを判断するために、インピーダンス値及び/又は充電パッド100のRFアンテナ(群)120から発射されるRF信号の周波数を適応的に調整する適応化方式が採用される。例えば、充電パッド100に接続されるプロセッサ110は、より良い性能のために適応的に最適化することを試みるために、RF充電パッド100の所与の場所(例えば、RF信号を送信するための1つ又は複数のRFアンテナ素子を含むRF充電パッド100の
図3Aの区域105などの区域又は領域)において様々な周波数(すなわち許容された動作周波数範囲又は範囲群内の)を試みる。例えば、単純な最適化が、各負荷端子をアースに対して開放/切り離す又は閉じる/短絡するかのいずれかを行い(いくつかの実施形態では、これらの状態間を切り替えるためにリレーが使用される)、また、区域内のRFアンテナに様々な周波数で送信させ得る。いくつかの実施形態では、リレー状態(開放又は短絡された)と周波数との組み合わせ毎に、受信器104に転送されるエネルギーは、監視され、且つ他の組み合わせを使用する際に転送されるエネルギーと比較される。受信器104への最大エネルギー転送を生じる組み合わせが、選択され、且つ1つ又は複数のRF信号を受信器104に送信し続けるために使用される。いくつかの実施形態では、上述の適応化方式は、RF充電パッド100によって受信器104に転送されるエネルギーの量を最大化することを促進するために、
図9A~
図9B、
図10、
図11A~
図11Eを参照して以下に説明される方法の一部として行われる。
【0127】
[00167] 別の例として、ISM帯内の5つの周波数が高周波を送信するためにパッド100によって利用され、負荷ピック106が開放状態と短絡状態との間で切り替わるための電気機械式リレーであれば、適応化方式を採用することは、アンテナ素子120毎に又はアンテナ素子群120の区域に関し周波数とインピーダンス値との10個の組み合わせを試みることと、最良性能を生じる(すなわち受信器104において受信される最大電力又はパッド100からRF受信器104に転送される最大電力を生じる)組み合わせを選択することとを含むであろう。
【0128】
[00168] 工業、科学及び医療無線バンド(ISM帯)は、通信よりもむしろ科学、医療及び工業要件に向けられた高周波(RF)エネルギーの使用のために国際的に予約された無線帯のグループ又は無線スペクトルの一部を指す。いくつかの実施形態では、すべてのISM帯(例えば、40MHz、900MHz、2.4GHz、5.8GHz、24GHz、60GHz、122GHz及び245GHz)が適応化方式の一部として採用され得る。1つの具体例として、充電パッド100が5.8GHz帯において動作していれば、適応化方式を採用することは、RF信号を送信することと次に所定の増分で周波数を調整することとを含むであろう(例えば、50MHz増分、したがって5.75GHz、5.755GHz、5.76GHz等々の周波数)。いくつかの実施形態では、所定の増分は、5、10、15、20、50MHz増分又は任意の他の好適な増分であり得る。
【0129】
[00169] いくつかの実施形態では、パッド100のアンテナ素子120は2つの異なる周波数帯(例えば、915MHzの中心周波数を有する第1の周波数帯と5.8GHzの中心周波数を有する第2の周波数帯)において動作するように構成され得る。これらの実施形態では、適応化方式を採用することは、RF信号を送信することと、次に第1の周波数帯の第1の閾値に到達するまで第1の所定の増分で周波数を調整することと、次に、第2の周波数帯の第2の閾値に到達するまで第2の所定の増分(第1の所定の増分と同じであっても又はなくてもよい)で周波数を調整することとを含む。例えば、アンテナ素子120は、(第1の周波数帯内の)902MHz、915MHz、928MHZで、且つ次に(第2の周波数帯内の)5.795GHz、5.8GHz、5.805GHzで送信するように構成され得る。複数の周波数で動作することができるアンテナ素子に関するさらなる詳細は
図14A~
図14D、
図15を参照して以下に提供される。
【0130】
[00170] 次に
図3B~
図3Cに移ると、いくつかの実施形態によるRF充電パッドの一部を示す高位ブロック図が示される。
【0131】
[00171]
図3Bは、単一TXアンテナ120(すべてが
図3Aに示す充電パッド100を形成するこのようなアンテナ120のアレイを含むアンテナ区域の一部であり得る)の概略図を示す。いくつかの実施形態では、TXアンテナ120はTXアンテナ素子120とも呼ばれる。いくつかの環境では、RF受信ユニット/アンテナ(RX)(又は内部又は外部接続部品として受信ユニット104を含む装置)が、TXアンテナ120(
図3Bに示すように蛇行線配置を形成する導電線を含む)を含むパッド100の一部の上に置かれる。
【0132】
[00172] いくつかの実施形態では、受信器104は、単一TXアンテナ120の金属導電線へのダイレクトコンタクトを有さず、TXアンテナ120に単に結合される(すなわち近接場区域内で)。
【0133】
[00173] いくつかの実施形態では、TXアンテナ120は
図3Bの121(
図3Aの端子102のそれぞれの1つであり得る)及び123(
図3AのPA切り替え回路103のそれぞれの1つに接続され得る)のラベル付きの2つ以上の端子(又はポート)を有する。いくつかの実施形態では、電力源(電力増幅器又はPAからの)は端子123に接続され、適応型負荷(例えば、電気機械スイッチ又はASIC)は端子121に接続される。いくつかの実施形態では、適応型負荷は、一般的には実部と虚部との両方を有し得る複素インピーダンスとして形成される(すなわち、複素適応型負荷は、能動装置(例えば、トランジスタで作られる集積回路又はチップ)又はインダクタ/キャパシタ及び抵抗器によって形成される受動装置を使用して形成され得る)。いくつかの実施形態では、複素インピーダンスは上に論述したように式Z=A+jB(例えば、0+j0、100+j0、0+50jなど)によって与えられる。
【0134】
[00174] いくつかの実施形態では、受信器104も第3の端子と見なされ得る。浪費エネルギーをなくすために、受信器104は、端子123から端子121方向に移動する誘起電力の最大量(例えば、98%など75%以上)を吸収するように構成されるべきである。いくつかの実施形態では、プロセッサ110はフィードバックループを介して受信器104に接続される(例えば、メッセージを交換するためにBluetoothローエネルギー(BLE)によるなど短距離通信プロトコルを使用することにより)。いくつかの代替実施形態では、送信器における受信器からCPUへのフィードバックループは、別個の通信プロトコル及び/又は異なる周波数帯を使用するのではなく、むしろパッド100によって送信される送電信号と同じ周波数帯を利用し得る。
【0135】
[00175] いくつかの実施形態では、フィードバックループ及び交換されるメッセージは、受信されるエネルギーの量を示すために使用され得るか、又は代替的に又は追加的に受信されるエネルギーの量を前の測定結果と比較した増加又は減少を示し得る。いくつかの実施形態では、プロセッサ110は、ある時点で受信器104によって受信されるエネルギーの量を監視し、端子123から端子121に転送される電力を最大化するために適応型負荷を制御/最適化する。いくつかの実施形態では、転送されるエネルギーの量を監視することは、(i)ある時点で受信器104によって受信されるエネルギーの量を示す情報を受信器104(又は受信器104が位置する電子装置の部品)から受信することと、(ii)端子121における導電線内に留まる(受信器104によって吸収されるのではなく)エネルギーの量を監視することとの1つ又は両方を含む。いくつかの実施形態では、これらの監視技術の両方が利用される。一方、他の実施形態では、これらの監視技術の一方又は他方が利用される。
【0136】
[00176] いくつかの実施形態では、受信器104(すなわち内部又は外部接続部品として受信器104を含む電子装置)は、充電パッド100(すなわちそれぞれのアンテナ素子120上の蛇行パターンを形成する導電線を部分的又は完全に覆う)の上の任意の位置に置かれ得、プロセッサ110は、転送されるエネルギーの量を監視し、受信器104に転送されるエネルギーを最大化するために必要な調整(例えば、インピーダンス及び/又は周波数に対する)を行い続けることになる。
【0137】
[00177] アンテナ素子120とその中に含まれる充電パッド100との動作を示すことを促進するために、
図3Bに示す送信アンテナ素子120は次の2つのセクションに分割される:1)セクション125はアンテナ素子120の端子123で始まり、受信器104の端部に伸びる、2)セクション127は送信アンテナ素子120の残りと端子121とによって形成される。これらのブロックは
図3Cに関し以下により詳細に説明される。セクション125、127は、説明の目的のために使用される機能表現であり、アンテナ素子を別個のセクションに区分化する特定の実装形態を指定するようには意図されていないことを理解するべきである。
【0138】
[00178] 次に
図3Cに移ると、TXアンテナ120のブロック図が示される。いくつかの実施形態では、セクション125、127を分割する点から始まり適応型負荷106(例えば、端子121)へのTXアンテナ120の接続で終わる実効インピーダンス値(Z
effective)は、TXアンテナ120上の受信器104の位置と、端子121において適応型負荷106によって提供される選択された負荷とに基づいて変化することになる。いくつかの実施形態では、選択された負荷は、端子123と受信器104間で転送されるエネルギーが最大値に達する(例えば、パッド100のアンテナ素子によって送信されたエネルギーの75%以上(98%など)がRF受信器104によって受信される)一方、端子123から端子121へのエネルギー転送がまた最小値のままである(例えば、パッド100のアンテナ素子によって送信されるエネルギーの25%未満(2%程度も含む)が、RF受信器104によって受信されず、端子121に到達して終わる又は後方反射されて終わる)方法でZ
effectiveをチューニングするように適応型負荷106(
図3Aのプロセッサ110と協力して)によって最適化される。
【0139】
[00179] 電気機械スイッチ(例えば、機械式リレー)が開放状態と短絡状態との間で切り替わるために使用される実施形態では、スイッチを特定のアンテナ素子120の開放状態から短絡状態(例えば、接地面に短絡される)に移動することは、それぞれの端子121におけるその特定のアンテナ素子120のインピーダンス値Z
effectiveを0に近い値まで降下させる(又は短絡状態から開放状態に切り替えることは無限大に近い値近くまでインピーダンス値をジャンプさせる)。いくつかの実施形態では、
図3Aを参照して上に論述された周波数適応化方式は、RF受信器(例えば、
図3A~
図3Cの受信器104)に転送されるエネルギーを最大化するためにインピーダンス値とRF信号周波数との様々な組み合わせを試験するために採用される。いくつかの実施形態では、集積回路(IC又はチップ)が適応型負荷106として電気機械スイッチの代わりに使用され得る。このような実施形態では、適応型負荷106は、ある範囲の値(0と無限大間など)に沿ってインピーダンス値を調整するように構成される。いくつかの実施形態では、ICは、ICのファームウェア(及び/又はICの動作を制御するCPU110上で実行するファームウェア)によって制御される適応型/再構成可能RF能動及び/又は受動素子(例えば、トランジスタ及び伝送線路)によって形成され得る。いくつかの実施形態では、ICによって生成され、ファームウェアを介して、且つフィードバックループ(
図3Aを参照して上に論述された)からの情報に基づいて制御されるインピーダンスは、スミスチャートから選択される任意の負荷値をカバーするように変更され得る(又はICは、スミスチャートからの値の一部をカバーするいくつかの負荷を生成するように設計され得る)。いくつかの実施形態では、このICはパッド100の動作全体を管理するために使用されるRF送電器集積回路160(
図1B)と異なる。この他のICは、RF送電器集積回路160と通信して、回路160がインピーダンス値に対する調整を制御することも可能にする。スミスチャートは、サンプリングされ得、プロセッサ110によってアクセス可能なメモリ内に(例えば、参照テーブルとして)格納され得る、プロセッサ110は、試験される様々なインピーダンス値を判断するために、格納されたスミスチャートを使用して参照を行い得る。例えば、集積回路は、受信器104に転送されるエネルギーを最適化する値の組み合わせを見つけ出すために、様々なRF伝送周波数と組み合わせて、試験されるインピーダンス値の所定数の複素数値(例えば、5j~10j、100+0j又は0+50j)を選択するように構成され得る(最大化されたエネルギー転送の例は上に論述された)。
【0140】
[00180] いくつかの他の実施形態では、1つの適応型負荷106を有する
図1Bの2つ以上のアンテナ素子120を有する送信器又は充電パッドが2つ以上の異なる周波数帯内でそれぞれに同時に動作するように構成され得る。例えば、第1のアンテナ素子は第1の周波数又は周波数帯において動作し、第2のアンテナ素子は第2の周波数又は周波数帯において動作し、第3のアンテナ素子は第3の周波数又は周波数帯において動作し、第4のアンテナ素子は第4の周波数又は周波数帯において動作し、4つの周波数帯は互いに異なる。したがって、2つ以上のアンテナ素子120を有する送信器がマルチバンド送信器として使用され得る。
【0141】
[00181]
図3Dは、いくつかの実施形態によるRF信号を送信しているアンテナ素子のセクション内のエネルギー流れを示す単純化回路のブロック図である。
図3D内の部分1及び部分2への参照は
図3B、3Cに示したセクションを指し、特に、部分1はセクション125に対応し、部分2はセクション127に対応する。
【0142】
[00182]
図3Dに示すように、送信アンテナ素子120の実効インピーダンス(Z
effective)は、受信器104の後ろにある導電線の一部(いくつかの実施形態では、以下にさらに詳細に論述されるように蛇行線パターンを形成する)と適応型負荷(
図3B、3Cにおけるセクション127としてラベル付けされた)とによって形成される。いくつかの実施形態では、最適化することにより、負荷Z
effectiveはPAから受信器104に転送されるエネルギーが最大化されるようにチューニングされ、導電線内に留まるエネルギーは適応型負荷に到達する時までに最小化される(上に論述したように)。
【0143】
[00183]
図4はいくつかの実施形態による2つの端子を有するアンテナ素子の概略図である。
図4に示すように、アンテナ素子120の入力すなわち第1の端子(上記
図3B~
図3Dを参照して端子123としても説明した)が電力増幅器108に接続され、出力すなわち第2の端子(上記
図3B~
図3Dを参照して端子121として説明した)は、適応型負荷を構成することを可能にする負荷ピック106と接続される。別の言い方をすれば、いくつかの実施形態では、アンテナ素子120は第1の端子から電力増幅器108によって給電され、アンテナ素子120は、適応型負荷(例えば、短絡状態と開放状態との間で切り替わる機械式リレー)における第2の端子においても終端される。
【0144】
[00184] いくつかの実施形態では、充電パッド100(
図3A)は、蛇行線パターンを形成する導電線を有する単一層又は多層銅アンテナ素子120で作られる。いくつかの実施形態では、これらの層のそれぞれは、その層の1つ(例えば、最下層)として頑強接地面を有する。頑強接地面の一例が、示され、且つ
図4に示す送信アンテナ素子用にラベル付けされる。
【0145】
[00185] いくつかの実施形態では、RF充電パッド100(及びその中に含まれる個々のアンテナ素子120)は、プロジェクタ、ラップトップ又は(ネットワークストリーミングメディアプレーヤ(例えば、ストリーミングテレビ番組及び他のコンテンツを視るためのテレビに接続されるROKU装置)などの)デジタルメディアプレーヤなどの民生電子装置内に埋め込まれる。例えば、RF充電パッド100を民生電子装置内に埋め込むことにより、ユーザは、プロジェクタ又はストリーミングメディアプレーヤのリモコンなどの周辺装置をプロジェクタ又はストリーミングメディアプレーヤの上に単純に置くことができ(例えば、プロジェクタ又はストリーミングメディアプレーヤのリモコンはそれぞれの受信器104(
図7A~
図7Dに示される受信器104の例示的構造など)を含む)、その中に含まれる充電パッド100は、リモコンに内部又は外部に接続される受信器104にエネルギーを送信することができるようになり、このエネルギーはリモコンの充電のために受信器104によって収集される。
【0146】
[00186] いくつかの実施形態では、RF充電パッド100は、充電される装置が置かれるスタンドアロン充電装置としてUSBドングル内に含まれ得る。いくつかの実施形態では、アンテナ素子120は、充電される装置が、USBドングルと接触する様々な位置に置かれ得るようにUSBドングルの上面、側面及び/又は底面近くに置かれ得る(例えば、充電されているヘッドホンは、USBドングルの上若しくはその下に位置するか又はUSBドングルの上に張り出す可能性があり、埋め込まれたRF充電パッド100からRF送信を受信することが依然としてできるであろう)。
【0147】
[00187] いくつかの実施形態では、RF充電パッド100は、机、椅子、調理台などの家具に一体化され、これにより一体化されたRF充電パッド100を含む表面の上に容易にRF充電パッド100を置くことにより、ユーザが自らの装置(例えば、内部又は外部接続部品としてそれぞれの受信器104を含む装置)を容易に充電することを可能にする。
【0148】
[00188] 次に
図5に移ると、高周波(RF)送電を介して電子装置を充電する方法500のフローチャートが提供される。当初、1つ又は複数のRF信号又は波を送信するための少なくとも1つのRFアンテナ(すなわちRF電磁波を送信することができるように設計されたアンテナ)(例えば、
図3B~
図3D及び
図4のアンテナ素子120)を含む送信器が提供される(502)。いくつかの実施形態では、RFアンテナ素子のアレイ120が、単一面内に互いに隣接して、積層で又はこれらの組み合わせで配置され、こうしてRF充電パッド100を形成する。いくつかの実施形態では、RFアンテナ素子120はそれぞれ、アンテナ入力端子(例えば、
図4を参照して上に論述された第1の端子123)とアンテナ出力端子(例えば、
図4を参照して上に論述された第2の端子121)とを含む。
【0149】
[00189] いくつかの実施形態では、受信器(例えば、
図3A~
図3Dの受信器104)も提供される(504)。受信器は、RF信号310を受信するための1つ又は複数のRFアンテナも含む。いくつかの実施形態では、受信器は、内部又は外部接続部品として受信器104を含む装置を充電するために1つ又は複数のRF信号を利用可能電力に変換する(318)少なくとも1つのレクテナを含む。使用中、受信器104は、少なくとも1つのアンテナの近接場高周波距離内に置かれる(506)。例えば、受信器は、少なくとも1つのRFアンテナ又は少なくとも1つのRFアンテナに隣接する表面(充電パッド100の表面など)の上に置かれ得る。
【0150】
[00190] 1つ又は複数のRF信号が次に少なくとも1つのRFアンテナを介して送信される(508)。次に、本システムは、1つ又は複数のRF信号を介して少なくとも1つのアンテナからRF受信器に転送されるエネルギーの量を判断するために監視される(512/514)(上に論述されたように)。いくつかの実施形態では、この監視すること(512)は送信器において発生する一方、他の実施形態では、監視すること(514)は、バックチャネルを介してデータを送信器に送り返す受信器において発生する(例えば、Wi-Fi又はBluetoothを使用することによって無線データ接続全体にわたって)。いくつかの実施形態では、送信器及び受信器はバックチャネルを介してメッセージを交換し、これらのメッセージは、工程516においてなされる調整を通知するために送信及び/又は受信されるエネルギーを示し得る。
【0151】
[00191] いくつかの実施形態では、送信器の特性が、少なくとも1つのRFアンテナから受信器に転送されるエネルギーの量を最適化することを試みるために工程516において適応的に調整される。いくつかの実施形態では、この特性は1つ又は複数のRF信号の周波数及び/又は送信器のインピーダンスである。いくつかの実施形態では、送信器のインピーダンスは調整可能負荷のインピーダンスである。またいくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサも適応型負荷のインピーダンスを制御するように構成される。インピーダンス及び周波数の調整に関するさらなる詳細及び例は上に提供された。
【0152】
[00192] いくつかの実施形態では、送信器は、電源に電気的に結合されるように構成された電力入力と、アンテナに送信される少なくとも1つの電気信号を制御するように構成された少なくとも1つのプロセッサ(例えば、
図3A~
図3Bのプロセッサ110)とを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、アンテナに送信される少なくとも1つの信号の周波数を制御するようにも構成される。
【0153】
[00193] いくつかの実施形態では、送信器は、電力入力とアンテナ入力端子間で電気的に結合された電力増幅器(例えば、
図3A、3B、3D及び
図4のPA108)をさらに含む。いくつかの実施形態は、アンテナ出力端子(例えば、
図3A~
図3C及び
図4の端子121)に電気的に結合された適応型負荷も含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つのアンテナからRF受信器に転送されるエネルギーの監視された量に基づいて適応型負荷のインピーダンスを動的に調節する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサはアンテナに送信される少なくとも1つの信号の周波数を同時に制御する。
【0154】
[00194] いくつかの実施形態では、送信器の各RFアンテナは、蛇行線パターンを形成する導電線と、1つ又は複数のプロセッサによって制御される周波数で導電線を貫流する電流を受信するための導電線の第1の端部における第1の端子(例えば、端子123)と、導電線の第2の端部における第1の端子と異なる第2の端子(例えば、端子121)であって、1つ又は複数のプロセッサによって制御される部品(例えば、適応型負荷106)に結合され、導電線のインピーダンス値を修正することを可能にする第2の端子とを含む。いくつかの実施形態では、導電線は多層基板の第1のアンテナ層の上に又はその層内に配置される。またいくつかの実施形態では、第2のアンテナは、多層基板の第2のアンテナ層の上に又はその層内に配置される。最後に、いくつかの実施形態は、多層基板の接地面層の上に又はその層内に配置される接地面も提供する。
【0155】
[00195] いくつかの実施形態では、
図5を参照して上に説明した方法は、
図9A~
図9B、
図10、
図11A~
図11Eを参照して以下に説明される方法と連携して行われる。例えば、インピーダンス値を修正/調整する動作は、無線電力を受信器に送信するためにいずれのアンテナ区域(「判断されたアンテナ区域」)を使用するべきかを判断した後に行われ、且つ次に判断されたアンテナ区域におけるインピーダンス値は、判断されたアンテナ区域内のアンテナにより、最大電力量が受信器に無線で転送されることを保証するように調整される。
【0156】
[00196]
図6A~
図6Eは、いくつかの実施形態によるRF充電パッド内の個々のアンテナ素子の様々な構成を示す概略図である。
図6A~
図6Eに示すように、RF充電パッド100(
図3A)は様々な構造を使用して作られるアンテナ素子120を含み得る。
【0157】
[00197] 例えば、
図6A~
図6Bは、それぞれが蛇行線パターンに形成された導電線を含む複数層を含むアンテナ素子120の構造の例を示す。各それぞれの層における導電線は、多層アンテナ素子120内の他の導電線に対して同じ(
図6B)幅又は異なる(
図6A)幅(又は長さ、若しくはトレース寸法、若しくはパターン、若しくは各トレース間隔など)を有し得る。いくつかの実施形態では、蛇行線パターンは、パッド100(又は個々のアンテナ素子120)の様々な位置において可変長及び/又は幅で設計され得、蛇行線パターンは、個々のアンテナ素子120又はパッド100の2つ以上の基板上に印刷され得る。蛇行線パターンのこれらの構成はより多くの自由度を可能にし、したがって、個々のアンテナ素子120及びRF充電パッド100のより広い動作帯域幅及び/又は結合範囲を可能にするより複雑なアンテナ構造が構築され得る。
【0158】
[00198] 追加の例示的構造が
図6C~
図6Eに提供される。
図6Cは、スライドカバレッジも有する蛇行線パターンを形成する導電線の複数層を含むアンテナ素子120の構造の例を示す(いくつかの実施形態では、それぞれの蛇行線パターンは、それぞれの基板の第1の蛇行線パターンの一部のみが異なる基板の第2の蛇行線パターンと重なる相異なる基板内に置かれ得(すなわちスライドカバレッジ)、この構成は、アンテナ構造の幅全体にわたってカバレッジを拡大することを促進する)。
図6Dは、蛇行線パターン内の各折り返し点で相異なる長さを有する導電線を含むアンテナ素子120の構造の例を示す(いくつかの実施形態では、各折り返し点で相異なる長さを使用することは、アンテナ素子120の結合範囲を拡大することを促進し、及び/又はRF充電パッド100の動作帯域幅を増すことを促進する)。
図6Eは、2つの隣接蛇行線パターンを形成する導電線を含むアンテナ素子120の構造の例を示す(いくつかの実施形態では、2つの隣接蛇行線パターンを形成する導電線を有することが、アンテナ素子120の幅を拡大することを促進する)。これらの例のすべては非限定的であり、任意数の組み合わせ及び多層構造が、上述の例構造を使用することによって可能である。
【0159】
[00199]
図7A~
図7Dは、いくつかの実施形態によるRF受信器のアンテナ素子の概略図である。特に、
図7A~
図7Dは、(i)
図7A(単極受信器)及び
図7B(二極受信器)に示す蛇行線パターンを形成する導電線を有する受信器(導電線は頑強接地面又は反射器によって裏付けされても又はされなくてもよい)を含むRF受信器(例えば、
図3A~
図3D及び
図4の受信器104)の構造の例を示す。
図7C~
図7Dは、二極と蛇行線パターンを形成する導電線とを有するRF受信器の構造の追加例を示す。
図7A~
図7Dに示す構造のそれぞれは、それぞれのRF受信器の様々な結合範囲、結合配向及び/又は帯域を提供するために使用され得る。非限定的例として、
図7Aに示すアンテナ素子が受信器において使用される場合、パッド100と一方向にのみ結合する非常に小さい受信器が設計/構築され得る。別の非限定的な例として、
図7B~
図7Dに示すアンテナ素子が受信器において使用される場合、受信器はパッド100と任意の配向で結合され得る。
【0160】
[00200] アンテナ素子の蛇行線パターンの他の例及び説明が以下に提供される。
図8は、いくつかの実施形態による、RF充電/送信パッドを形成する複数の送信アンテナ素子(又はユニットセル)を有するRF充電パッドの概略図である。いくつかの実施形態では、RF充電パッド100は隣接アンテナ素子120のアレイとして形成される(電池間の距離が最良カバレッジのために最適化され得る)。いくつかの実施形態では、受信器が隣接アンテナ素子120間の領域/間隙内に置かれる場合、エネルギー転送を最適化する試み(例えば、
図3Aを参照して上に論述された適応化方式による)は許容可能閾値レベルを越えるエネルギー転送の増加(例えば、75%以上)を生じない可能性がある。したがって、これらの環境では、隣接アンテナ素子は両方とも、RF充電パッドの表面上に及び隣接アンテナ素子120間のある位置に置かれた受信器に追加のエネルギーを転送するようにRF波を同時に全電力で送信するように構成され得る。
【0161】
[00201] いくつかの実施形態による1つの可能な構成として、ポート(又は端子)グループ#1は電力を供給し、ポート(又は端子)グループ#2、#3は適応型負荷(例えば、短絡回路状態と開回路状態との間で移動する電気機械式リレー)を提供する。好適な構成の別の例として、ポート(又は端子)グループ#1、#2、#3は、(同時に又は必要に応じて一度に1つのグループが切り替えられて)電力増幅器を介して電力を充電パッド100に供給するためにも使用され得る。
【0162】
[00202] いくつかの実施形態では、RF充電パッド100の各送信アンテナ素子120は、上に詳細に説明したように、適応型負荷を支援するために給電(PA)端子及び1つ又は複数の端子によって制御される別個のアンテナ区域を形成する。いくつかの実施形態では、受信器からのフィードバックが、受信器が置かれるアンテナ区域を判断することを促進し、この判断がその区域を活性化する(例えば、
図1Cのスイッチ295を使用して)。受信器が2つ以上の区域間に(例えば、隣接アンテナ素子120間にある領域/間隙に)置かれる環境では、追加の隣接区域が、受信器への十分なエネルギーの転送を保証するために活性化される可能性がある。無線電力を受信器に送信するために使用される区域を判断することに関する追加の詳細は、
図9A~
図9B、
図10及び
図11A~
図11Eを参照して以下に提供される。
【0163】
[00203]
図9A~
図9Bは、いくつかの実施形態による近接場充電パッド内の1つ又は複数のアンテナ区域を選択的に活性化する(例えば、それに関連するアンテナを活性化する)方法900を示す流れ図である。方法900の動作は、近接場充電パッド(例えば、
図1B及び
図2AのRF充電パッド100)又はその1つ又は複数の部品(例えば、
図1A~
図1B及び
図2Aを参照して上に説明したもの)によって行われる。いくつかの実施形態では、方法900は、コンピュータメモリ又はコンピュータ可読記憶媒体(例えば、
図2AのRF充電パッド100のメモリ206)内に格納される命令に対応する。
【0164】
[00204] 近接場充電パッドは、1つ又は複数のプロセッサ(例えば、
図1BのCPU202)、無線通信部品(例えば、
図1A及び
図2Aの通信部品(群)204)及びそれぞれが少なくとも1つのアンテナ素子(例えば、アンテナ210の1つ(
図3A~
図6Eを参照して説明したアンテナ120の1つであり得る)をそれぞれ含む複数のアンテナ区域(例えば、
図1Bのアンテナ区域290-1、290-N)を含む(902)。いくつかの実施形態では、近接場充電パッドは、それぞれのアンテナ区域内にそれぞれが含まれる異なるアンテナ(又は本明細書ではアンテナ素子とも呼ぶアンテナを含むユニットセル)を含む。例えば、
図1Bに示すように、アンテナ区域290-1はアンテナ210-Aを含む。別の例では、
図1Bにも示すように、アンテナ区域290-Nは複数のアンテナを含む。アンテナ区域は、近接場充電パッドが複数のアンテナ区域又はグループを含み、各それぞれの区域/グループが異なるアンテナ素子の少なくとも1つ(例えば、少なくとも1つのアンテナ210)を含むように、アンテナグループとも呼ばれ得る。アンテナ区域が任意数のアンテナを含み得ることと、特定のアンテナ区域に関連付けられたアンテナの数が修正又は調整され得ることと(例えば、以下にさらに詳細に論述されるように、近接場充電パッド100の動作を管理する責任を負うRF送電器集積回路160のCPU下位システム170は、様々な時点において各アンテナ区域を動的に規定すること)に留意するべきである。いくつかの実施形態では、各アンテナ区域は同数のアンテナ含む。
【0165】
[00205] いくつかの実施形態では、1つ又は複数のプロセッサは、近接場充電パッドの動作を制御するために使用される単一集積回路(例えば、
図1BのRF送電器集積回路160)の部品である。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のプロセッサ(近接場充電パッドが埋め込まれている装置の1つ又は複数のプロセッサなど)及び/又は近接場充電パッドの無線通信部品は近接場充電パッドの外側にある。いくつかの実施形態では、無線通信部品は無線送受信器(例えば、無線電力受信器と通信信号を交換するためのBluetooth無線、Wi-Fi無線など)である。
【0166】
[00206] いくつかの実施形態では、本方法は、近接場充電パッドの較正プロセス中に1つ又は複数の装置検出閾値を規定すること(904)を含む。いくつかの例では、較正プロセスは、近接場充電パッドを製造した後に行われ、近接場充電パッド上に様々なタイプの装置(例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、接続装置など)を置くことと、試験送電信号を様々なタイプの装置に送信する間にアンテナ区域において検出される最小量の反射電力を測定することとを含む。いくつかの例では、第1の装置固有閾値は、最小量の反射電力の5%以下に対応する値において規定される。いくつかの実施形態では、第2の装置固有閾値は、1つのアンテナ区域も第1の閾値を満たすことができなければ(例えば、無線電力受信器はアンテナ区域間の境界に位置するため)、第2のより高い閾値が、電力を無線電力受信器に送信するために使用される2つ以上のアンテナ区域を見つけ出すために使用され得るようにも(以下にさらに詳細に論述されるように)規定される。いくつかの実施形態では、複数の第1及び第2の装置固有検出閾値は様々なタイプの装置のタイプ毎に規定され、これらの複数の第1及び第2の装置固有検出閾値は、RF送電器集積回路160に関連付けられるメモリ(例えば、
図2Aのメモリ206)内に格納され得る。
【0167】
[00207] 方法900は、無線電力受信器が近接場充電パッドの閾値距離内に存在していることを、無線通信部品を介して検出すること(906)も含む。いくつかの例では、この検出は近接場充電パッドがオンされた(例えば、電源を入れられた)後に発生し得る。これらの例では、近接場充電パッドは、無線電力受信器がNF充電パッド100の閾値距離内に存在しているかどうかを判断するために(例えば、NF充電パッド100から離れた閾値距離内(例えば、1~1.5メートル内)に位置する無線電力受信器を走査するために)近接場充電パッド周囲の領域を走査する。近接場充電パッドは、無線電力受信器に関連付けられた無線通信部品(例えば、
図2Bの通信部品254)によって同報通信される信号の走査を行うために無線通信部品(例えば、Bluetooth無線など
図2Aの通信部品(群)204)を使用し得る。いくつかの実施形態では、装置検出閾値は、近接場充電パッドの閾値距離内の無線電力受信器を検出した後に1つ又は複数のプロセッサによって(上に論述された複数の第1及び第2の装置検出閾値の中から)選択される。例えば、無線電力受信器の無線通信部品は、装置のタイプを識別する情報(この情報を含むBluetooth又はBluetoothローエネルギー広告信号など)を近接場充電パッドに提供するために使用される。いくつかの実施形態では、エネルギーを節約して近接場充電パッド及びその部品の寿命を延ばすために、無線電力は、無線電力受信器が近接場充電パッドの閾値距離内で検出されるまで送信されない(且つ本明細書で論述される装置検出及びアンテナ選択ンアルゴリズムは開始されない)。
【0168】
[00208] いくつかの実施形態では、検出すること(906)は、無線電力受信器が近接場充電パッドから無線で配送される電力を受信する権限を与えられることを保証するために権限ハンドシェークを(例えば、
図2A、
図2Bのセキュア素子モジュール234、282を使用することによって)行うことも含み、本方法は「無線電力受信器がそのように権限を与えられた」ことを判断する場合に限り動作908に進む。このようにして、近接場充電パッドは、権限を与えられた無線電力受信器のみが無線で配送された電力を受信することができることといかなる装置も近接場充電パッドによって送信される電力を食い物にすることができないこととを保証する。
【0169】
[00209] 方法900は、「無線電力受信器が近接場充電パッドの閾値距離内に存在する」ことを検出することに応答して、無線電力受信器が近接場充電パッド上に置かれたかどうかを判断すること(912)をさらに含む。いくつかの実施形態では、これは、複数のアンテナ区域の各アンテナ区域を使用して試験送電信号を送信すること(908)と、試験送電信号を送信しながら近接場充電パッドにおける反射電力量を監視すること(910)とによって達成される。
【0170】
[00210] いくつかの実施形態では、反射電力量が装置検出閾値を満足しなければ(例えば、反射電力量が試験送電信号によって送信された電力の20%より大きければ)、無線電力受信器が近接場充電パッドの表面上に置かれていないという判断が行われる(912において「いいえ」)。この判断に従って、近接場充電パッドは、工程914において複数のアンテナ区域の各アンテナ区域を使用して試験送電信号を送信し続ける(すなわち工程908に進む)。いくつかの実施形態では、908、910における動作は、装置検出閾値が満足されたことが判断されるまで行われる。
【0171】
[00211] いくつかの実施形態では、反射電力量は複数のアンテナ区域の各アンテナ区域において測定される(例えば、各アンテナ区域は、
図1Bに示されるものようにそれぞれのADC/DAC/電力検出器に関連付けられ得る)一方、他の実施形態では、反射電力量はRF送電器集積回路160の単一部品(例えば、ADC/DAC/電力検出器)を使用することによって測定され得る。反射電力量が装置検出閾値を満たすと(912の「はい」)、無線電力受信器は近接場充電パッド上に置かれたと判断される。例えば、反射電力量は、反射電力量が試験送電信号によって送信される電力の量の20%以下であると装置検出閾値を満足し得る。このような結果は、試験送電信号によって送信される十分な電力量が無線電力受信器によって吸収/捕捉されたことを示す。
【0172】
[00212] いくつかの実施形態では、他のタイプのセンサ(例えば、
図2Aのセンサ212)が、いつ無線電力受信器が近接場充電パッド上に置かれたかを判断することを促進するために近接場充電パッド内に含まれる又はその充電パッドと通信する。例えば、いくつかの実施形態では、1つ又は複数の光センサ(例えば、光がパッドの一部から阻止されると、これは、無線電力受信器がパッド上に置かれたという指標を提供し得る)、1つ又は複数の振動センサ(例えば、振動がパッドにおいて検出されると、これは、無線電力受信器がパッド上に置かれたという指標を提供し得る)、1つ又は複数の歪みゲージ(例えば、パッドの表面における歪みレベルが増加すると、これは、無線電力受信器が表面上に置かれたという指標を提供し得る)、1つ又は複数の熱センサ(例えば、パッドの表面における温度が上昇すると、これは無線電力受信器が表面上に置かれたという指標を提供し得る)及び/又は1つ又は複数の秤量センサ(例えば、パッドの表面上で測定された重量の量が増加すると、これは無線電力受信器が表面上に置かれたという指標を提供し得る)がこの判断を行うことを促進するために利用される。
【0173】
[00213] いくつかの実施形態では、試験送電信号を送信する前に、本方法は、無線電力受信器が近接場充電パッドから無線で配送される電力を受信する権限を与えられることを判断することを含む。例えば、
図2A~
図2Bに示すように、無線電力受信器104及び近接場充電パッド100は、この権限付与プロセスを行うために使用されるセキュア素子モジュール282、234をそれぞれ含み得、これにより権限を与えられた受信器のみが近接場充電パッドから無線で配送された電力を受信することができることを保証する。
【0174】
[00214] 方法900は、無線電力受信器が近接場充電パッド上に置かれたことを判断することに従って、第1の組の伝送特性を有するそれぞれの試験送電信号を複数のアンテナ区域内に含まれるそれぞれのアンテナ素子によって選択的に送信すること(916)をさらに含む。いくつかの実施形態では、選択的に又は順次送信することは、複数のアンテナ区域の各アンテナ区域を使用すること(918)によって行われる。選択的に又は順次送信することは、個々のアンテナ区域に関連付けられた1つ又は複数のアンテナに試験送電信号を一度に送信させるためにアンテナ区域を選択的に活性化するプロセスを指す(例えば、RF送電器集積回路160は、様々なアンテナ区域を選択的に活性化するために1つ又は複数の制御信号をスイッチ295に提供する)。
【0175】
[00215] 次に
図9Bを参照すると、方法900は、複数のアンテナ区域の少なくとも1つの特定のアンテナ区域による(916及び/又は918における連続的又は選択的送信動作中の)それぞれの試験送電信号の送信に関連付けられる特定の給電パラメータが電力配送判断基準を満たすかどうか(例えば、閾値を越える電力量が少なくとも1つの特定のアンテナ区域によって無線電力受信器に転送されることを特定の電力配送パラメータが示すかどうか)を判断すること(920)をさらに含む。いくつかの実施形態では、各それぞれの電力配送パラメータは、複数のアンテナグループのそれぞれのアンテナグループによるそれぞれの試験送電信号の送信に基づいて無線電力受信器によって受信される電力の量に対応する。
【0176】
[00216] 特定の電力配送パラメータが電力配送判断基準を満たすことを1つ又は複数のプロセッサが判断すると(920の「はい」)、本方法は、少なくとも1つの特定のアンテナ区域を使用することによって複数の追加の送電信号を無線電力受信器に送信すること(922)をさらに含み、ここで、複数の追加の送電信号の各追加の送電信号は第1の組と異なる第2の組の伝送特性を有して送信される。いくつかの実施形態では、第2の組の伝送特性は、特定のアンテナグループによって無線電力受信器に転送される電力の量を増加するために第1の組の伝送特性内の少なくとも1つの特性を調整することによって判断される。さらに、いくつかの実施形態では、少なくとも1つの調整された特性は周波数又はインピーダンス値である(且つ周波数及びインピーダンス値は、上に論述された適応化方式を使用することによって調整され得る)。
【0177】
[00217] 上に論述された試験送電信号は、無線電力を無線電力受信器に配送するためにいずれのアンテナ区域が使用されるかを判断することを促進するために使用される。いくつかの実施形態では、これらの試験送電信号は、無線電力受信器又はそれと関連付けられた装置に電力を供給する又はそれを充電するために無線電力受信器によって使用されない。その代りに、複数の追加の送電信号が、電力又は無線電力受信器に電力を供給する又はそれを充電するために使用される。このようにして、近接場充電パッドは、複数の追加の送電信号を送信するのに好適なアンテナ区域が見つけ出されるまで、装置検出段階中(例えば、試験送電信号を送信している間)に資源を節約することができる。したがって、方法900は、試験信号(すなわち第1の組の伝送特性を有する試験送電信号)を使用することによって無線電力受信器の位置を見つけ出すことができ、次に、近接場充電パッド上の無線電力受信器の位置を所与として送電信号を提供するのに最も適したアンテナ区域からのアンテナを使用することによって送信することができる。
図10を参照して以下にさらに詳細に論述されるように、このプロセスは、アンテナ区域の粗探索(例えば、粗探索は動作908~918を含み得る)と密探索とを含み得る(例えば、密探索は動作920~934を含み得る)。
【0178】
[00218] いくつかの実施形態では、電力制御プロセス(
図11E)がまた、選択されたアンテナ区域を使用することによって無線電力受信器に配送される電力のレベルを最適化することを促進するために使用される(例えば、電力制御は、方法900中に選択されたアンテナ区域を使用することによって無線電力の送信をチューニングするために動作922、930又は934後に行われ得る)。電力制御プロセスの一部として、近接場充電パッドは、追加の複数の送電信号を送信する間、近接場充電パッドによって無線電力受信器に無線で配送される電力のレベルを判断するために使用される無線電力受信器から受信される情報に基づいて第2の組の伝送特性内の少なくとも1つの特性を調整する。
【0179】
[00219] 動作920に戻ると、916(及び任意選択的に918)における連続的又は選択的送信動作中の試験送電信号の送信に関連付けられる電力配送パラメータのいずれも電力配送判断基準を満足しないことを判断すること(920の「いいえ」)に応答して、方法900は、関連付けられたそれぞれの電力配送パラメータに基づいて2つ以上のアンテナ区域(本明細書では又2+アンテナ区域として交換可能に参照される)を選択すること(924)をさらに含む。これは、無線電力受信器がいかなる特定のアンテナ区域にわたる中心にも来ないと生じ得る(例えば、受信器は2つ以上のアンテナ区域にわたって存在し得る)。例えば、最大電力量をそれぞれの電力配送パラメータに基づいて916(及び任意選択的に918)において連続的又は選択的送信動作中に無線電力受信器に転送した2つ以上のアンテナ区域が動作924において選択される。このようにして、いくつかの実施形態では、最も効率的なアンテナ区域の密探索は、他のアンテナ区域の電力配送パラメータより高い電力配送パラメータとのそれぞれの関連性に基づいて電力を916/918において動作中に無線電力受信器に最も効率的に送信した2つ以上のアンテナ区域を選択することによって開始される。これらの実施形態では、それぞれの電力配送パラメータはアンテナ区域毎に監視され得(動作916/918と連携して)、次に、これらの電力配送パラメータ同士は、無線電力の送信に使用する2つ以上のアンテナ区域として複数のアンテナ区域のいずれを選択するべきかを判断するために比較される。
【0180】
[00220] 2つ以上のアンテナ区域を選択した後、本方法は、(i)前の送信に基づいて(例えば、無線電力受信器によって受信された電力のレベルに関する無線電力受信器から受信されたフィードバックに基づいて又は送信後の各アンテナグループにおいて測定された反射電力量に基づいて)、試験送電信号の少なくとも1つの特性(例えば、周波数、インピーダンス、振幅、段階、利得など)を修正することによって試験送電信号を更新すること、及び(ii)2つ以上のアンテナ区域のそれぞれを使用して、更新された試験送電信号を送信すること(926)をさらに含む(例えば、RF送電器集積回路160は、2つ以上のアンテナ区域を活性化するために1つ又は複数の制御信号をスイッチ295に提供し得る)。
【0181】
[00221] 方法900は、2つ以上のアンテナ区域の1つの区域によって更新されたそれぞれの試験送電信号の送信に関連付けられる特定の電力配送パラメータが電力配送判断基準を満たすかどうかを判断すること(928)をさらに含む。2つ以上のアンテナ区域の1つの区域によって更新されたそれぞれの試験送電信号の送信に関連付けられる特定の電力配送パラメータが電力配送判断基準を満たすことを判断すること(928の「はい」)に応答して、方法900は、2つ以上のアンテナ区域の1つの区域を使用することにより、複数の追加の送電信号を無線電力受信器に送信すること(930)をさらに含み、ここで、複数の追加の送電信号の各追加の送電信号は第1の組と異なる第2の組の伝送特性を有して送信される(例えば、RF送電器集積回路160は、制御信号をスイッチ295に提供し得る)。複数の追加の送電信号は電力を無線電力受信器(又は無線電力受信器と結合される電子装置)に無線で配送するために使用される。
【0182】
[00222] いくつかの実施形態では、特定の電力配送パラメータが動作920、928において電力配送判断基準を満たすという判断は、「第1の閾値電力量が無線電力受信器に転送されることをそれぞれの電力配送パラメータ(少なくとも1つの特定の区域及び/又は2つ以上のアンテナ区域の1つの区域に関連付けられた)が示す」ことを判断することを含み得る。このような判断が動作928において行われれば、これは、「区域は、第1の閾値電力量が動作926と併せて区域によって無線電力受信器に転送されることを示すそれぞれの電力配送パラメータを有する2つ以上のアンテナ区域の1つのみのアンテナ区域である」ことを示す。
【0183】
[00223] いくつかの実施形態では、電力の第1の閾値量は無線電力受信器によって受信される電力量に対応する(いくつかの環境では、電力の第1の閾値量は代替的に、近接場充電パッドにおいて検出される反射電力量に対応する可能性がある)。上に論述したように、いくつかの実施形態では、較正プロセスは、近接場充電パッドを製造した後に行われ、様々なタイプの装置(例えば、それぞれが無線電力受信器と結合されるスマートフォン、タブレット、ラップトップ、接続装置など)を近接場充電パッド上に置くことと、次に、アンテナグループによる試験信号の様々なタイプの装置への送信後に受信器(又はそれに結合する装置)において受信される最大電力量を測定することとを含む。いくつかの例では、第1の閾値は、最大量の受信電力のある割合に対応する値で規定される(例えば、特定のアンテナ区域によって送信される電力の約85%以上が受信器によって受信される)。
【0184】
[00224] 上に説明したように、較正プロセスの具現化中、1つのアンテナ区域も第1の閾値を満たすことができなければ(例えば、無線電力受信器がアンテナグループ間の境界に位置し得るため)、第2の閾値がまた、無線電力を無線電力受信器に送信する2つ以上のアンテナ区域を見つけ出すために利用され得るように(以下に論述されるように)、規定される。この第2の閾値は、較正プロセス中に測定される反射電力の最大量の別の割合(例えば、65%)であり得る。いくつかの実施形態では、第1及び第2の閾値は、較正プロセスを経験する装置の装置毎のそれぞれの装置固有第1及び第2の閾値として判断される。
【0185】
[00225] いくつかの実施形態では、方法900は(i)2つ以上のアンテナ区域のいずれのアンテナ区域も第1の閾値電力量を無線電力受信器に転送していないことと、(ii)2つ以上のアンテナ区域の追加のアンテナ区域に関連付けられた追加の電力配送パラメータが電力配送判断基準を満たすこととを判断すること(928の「いいえ」)を含む。例えば、それぞれの電力配送パラメータは、2つ以上の区域の1つの区域によって無線電力受信器に転送される第1の電力量が第2の閾値電力量より大きく且つ第1の閾値電力量未満あることを示し、追加の電力配送パラメータは、追加のアンテナ区域によって無線電力受信器に転送される第2の電力量が第2の閾値電力量より大きく且つ第1の閾値電力量未満であることも示す。換言すれば、2つ以上のアンテナ区域のいずれのアンテナ区域も、第1の閾値電力量を満たすために十分な電力を無線電力受信器に転送することができなければ、本方法は、第2の下側閾値電力量を満たすために十分な電力をアンテナグループの2つが無線電力受信器に転送したかどうかを判断することに進む。例えば、無線電力受信器は2つのアンテナグループ間の境界に位置し得るため、1つのアンテナグループも第1の閾値を満たすことができないが、これらの2つのアンテナグループは第2の閾値電力量を個々に満たすことができる可能性がある。
【0186】
[00226] 2つ以上のアンテナ区域によって更新された試験送電信号の送信に関連付けられる電力配送パラメータが電力配送判断基準を満たす(932の「はい」)ことを近接場充電パッドの1つ又は複数のプロセッサが判断すると、本方法は、2つ以上のアンテナ区域を使用して複数の追加の送電信号を無線電力受信器に送信すること(934)をさらに含む。このような状況は無線電力受信器が2つの隣接アンテナ区域間に置かれると生じ得る。いくつかの実施形態では、2つ以上のアンテナ区域がそれぞれ、電力を無線電力受信器に提供するために追加の複数の送電信号を同時に送信する。
【0187】
[00227]
図9Bにも示すように、2つ以上の区域が、電力配送判断基準を満たす電力配送パラメータを有しなければ(932の「いいえ」)、方法900は、無線電力を受信器に効率的に転送する可能性のあるいかなるアンテナ区域も見つけ出されなかったため、受信器(すなわち再び異なる受信器)の探索を開始するために動作906に戻る。いくつかの実施形態では、方法900は代替的に、様々な特性を有する試験送電信号を送信し始め、次に、2つ以上のアンテナ区域が電力配送判断基準を満たすために十分な無線電力を受信器に配送することをそれらの特性が許容することができるかどうかどうかを判断するために動作924に戻り得る。いくつかの実施形態では、方法900は動作924に所定回数(例えば、2回)戻り、2つ以上の区域が、電力配送判断基準を満たす電力配送パラメータを依然として有しなければ、本方法はこの時点で、新しい受信器を探索し始めるために動作906に戻る。
【0188】
[00228] いくつかの実施形態では、電力を受信器に無線で配送する(例えば、動作922、930、934において)ために使用されるアンテナ区域を成功裡に見つけ出した後、方法900は新しい受信器を探索し始めるために動作906に戻る。近接場充電パッドは、いくつかの実施形態では、無線電力を複数の受信器に任意の特定の時点で同時に配送することができ、したがって、方法900全体を再び繰り返すことは、無線電力をこれらの複数の受信器のそれぞれに送信するためにいずれのアンテナ区域を使用するべきかを近接場充電パッドが適切に判断し得るようにする。
【0189】
[00229] いくつかの実施形態では、近接場充電パッドのアンテナ区域のアンテナ区域毎のそれぞれの電力配送パラメータを判断するために使用される情報は、近接場充電パッドの無線通信部品を介して無線電力受信器によって近接場充電パッドに提供される(例えば、受信器は、上に論述された試験送電信号から受信器によって受信される電力の量を判断するために使用される情報を送信する)。いくつかの実施形態では、この情報は近接場充電パッドの無線通信部品と無線電力受信器との間の接続を介して送信され、この接続は、無線電力受信器が近接場充電パッド上に置かれたことを判断すると確立される。
【0190】
[00230] 加えて、いくつかの実施形態では、近接場充電パッドはアンテナ区域を動的に生成又は規定する。例えば、
図1Bを参照すると、近接場充電パッドは、単一アンテナ210-Aを含むように第1のアンテナ区域290-1を規定し得、2つ以上のアンテナ210を含むように別のアンテナ区域290-Nを規定し得る。いくつかの実施形態では、上に論述された方法900の様々な段階で、アンテナ区域は再規定され得る。例えば、電力配送判断基準を満たす電力配送パラメータを2つ以上のアンテナ区域が有しないという判断に従って(932の「いいえ」)、近接場充電パッドは、それぞれが複数のアンテナを含むようにアンテナ区域を再規定し得る(各アンテナ区域に単一アンテナを含ませる代わりに)。このようにして、方法900は、近接場充電パッド上に置かれた受信器に無線電力を送信するために使用され得る適切なアンテナ区域が見つけ出されることを保証することを促進するためにアンテナ区域を動的に規定することができる。
【0191】
[00231]
図10は、いくつかの実施形態による近接場充電パッド内の1つ又は複数のアンテナグループを選択的に活性化するプロセス1000を示す概要である。プロセス1000における動作のいくつかは
図9A~
図9Bの方法900を参照して上に説明した動作に対応する又はそれを補完する。
図10に示すように、プロセス1000は、近接場充電パッド(例えば、RF充電パッド100、
図1A~
図1B、
図2A)が近接場充電パッドの範囲内の、且つその後、近接場充電パッド上の無線電力受信器(例えば、無線電力受信器104、
図12B)を検出すること(1002)で始まる(動作1002は
図9Aの動作906から動作912の「はい」までに対応する)。プロセス1000は、粗探索を行うこと(1004)、密探索を行うこと(1006)、且つ電力制御ルーチンを実行すること(1008)をさらに含む。プロセス1000内の各工程は、
図11A~
図11Eを参照して以下にさらに詳細に説明される。プロセス1000は、いくつかの実施形態では、近接場充電パッドが近接場充電パッド上の、且つその後、近接場充電パッドの範囲内の無線電力受信器を検出すること(1002)で始まることに留意するべきである。
【0192】
[00232]
図11Aは、近接場充電パッドの範囲内の、且つその後、近接場充電パッド上(又はいくつかの実施形態では、近接場充電パッド上の、且つその後、近接場充電パッドの範囲の)の無線電力受信器を検出するためのプロセス1002を詳述するフローチャートである。プロセス1002は、近接場充電パッドを使用可能にする(1102)こと(すなわち近接場充電パッドの電源をオンすること)を含む。その後、近接場充電パッドは、無線電力受信器を走査し(1104)、受信信号強度指標(RSSI)に少なくとも部分的に基づいて近接場充電パッドの範囲内の無線電力受信器を検出する(1106)。RSSIを取得するために、近接場充電パッドは、無線電力受信器に関連付けられた無線通信部品によって同報通信される信号(例えば、Bluetooth広告信号)を走査するために無線通信部品(例えば、Bluetooth無線などの通信部品(群)204、
図2A)を使用し得る。近接場充電パッドの範囲内の無線電力受信器を検出することは、方法900の動作906を参照して上にさらに詳細に論述された。
【0193】
[00233] 次に、近接場充電パッドは近接場充電パッド上の無線電力受信器を検出する(1108)。いくつかの実施形態では、近接場充電パッドは、無線電力受信器が近接場充電パッド上に置かれたことを判断するまでは無線電力受信器は近接場充電パッド上にあることを動作908~914を参照して上に論述されたプロセスを使用して確定する。いくつかの実施形態では、動作(1108)は、動作(1102)前に発生する。
【0194】
[00234] 続いて、近接場充電パッドは、近接場充電パッド上で無線電力受信器を検出することに応答して無線電力受信器との通信チャネルを確定する(1110)。
【0195】
[00235] 次に
図11Bに移ると、本方法は、近接場充電パッドが粗探索(1004)を行うプロセス1004に進む。粗探索1004を行う際、近接場充電パッドはアンテナ区域(例えば、アンテナ区域290-1、
図1B)の電力を使用可能にする(1122)ことで始まる。粗探索1004を行う際、近接場充電パッドは、アンテナ区域(例えば、アンテナ区域290-1、
図1B)の電力を使用可能にする(1122)ことで始まる。いくつかの実施形態では、アンテナ区域の電力を使用可能にすることは、第1の組の伝送特性(例えば、位相、利得、方向、振幅、偏極及び/又は周波数)を有する試験送電信号を、アンテナ区域に含まれるアンテナ素子によって送信する(例えば、RF送電器集積回路160がアンテナ区域を活性化するために1つ又は複数の制御信号をスイッチ295に提供した後に)ことを含む。試験送電信号を送信することは、方法900の工程916~918を参照して上にさらに詳細に論述された。
【0196】
[00236] 粗探索1004を続けることにより、近接場充電パッドは、無線電力受信器によって受信される電力量(「報告された電力」)を記録する(1124)。いくつかの実施形態では、報告された電力は、動作1110において確定された通信チャネルを介して無線電力受信器によって近接場充電パッドに伝達される。
【0197】
[00237] 近接場充電パッドは、近接場充電パッドのために規定されたすべてのアンテナ区域に関し上記工程(1122)、(1124)を繰り返す(1126)(例えば、RF送電器集積回路160は、すべてのアンテナ区域を選択的に活性化するために1つ又は複数の制御信号をスイッチ295に提供する)。その後、いくつかの実施形態では、近接場充電パッドは、報告された電力(例えば、環境に依存して2つ又は3つの区域又はそれより大きい又は少ない数の区域)と設定された閾値(例えば、電力配送判断基準)とに基づいて一組のアンテナ区域を選択する(1128)。論述を簡単にするために、一組のアンテナ区域内の各アンテナ区域(例えば、アンテナ区域290-1、
図1B)は単一アンテナ210を含む。しかし、一組のアンテナ区域を選択する代わりに、近接場充電パッドは、複数のアンテナ210を含む単一アンテナ区域を選択する可能性があることも理解するべきである。例えば、
図1Bに示すように、アンテナ区域290-Nは複数のアンテナ210を含む。加えて、一組のアンテナ区域内の各アンテナ区域は、環境に依存して複数のアンテナも含む可能性がある。
【0198】
[00238] 次に
図11Cに移ると、報告された電力に基づいて一組のアンテナ区域を選択した後、近接場充電パッドは密探索プロセスを行う(1006)。いくつかの実施形態では、密探索1006は、いずれのアンテナ区域(群)が電力を無線電力受信器に無線で配送するのに最も適するかを近接場充電パッド上の無線電力受信器の位置に基づいて判断するために使用される。密探索を行う(1006)際、近接場充電パッドは、粗探索を使用することによって選択された一組のアンテナ区域から少なくとも1つのアンテナ区域を選択し(1132)、且つ少なくとも1つのアンテナ区域に関して、近接場充電パッドは、利用可能周波数及び/又はインピーダンス全体にわたって掃引する(1134)(すなわち少なくとも1つのアンテナ区域によって送電信号の送信をチュ-ニングする)。その後、近接場充電パッドは、無線電力受信器によって報告される受信された電力の量を最大化することを生じるそれらの特性を記録する(1136)。いくつかの実施形態では、動作1134、1136は一組のアンテナ区域内のアンテナ区域毎に繰り返され(1138)、近接場充電パッドは、最大電力量を無線電力受信器に配送するアンテナ区域(Z1)を選択する(1140)。加えて、近接場充電パッドは、無線電力受信器への最大電力量の配送を実現するためにアンテナ区域Z1による周波数(及び他の伝送特性)並びにリレー位置も記録する。
【0199】
[00239] いくつかの環境又は状況では、アンテナ区域Z1によって無線電力受信器に配送される電力の量は電力の閾値量を満足しない。これらの環境又は状況では、近接場充電パッドは
図11Dに示される隣接区域探索を行う(1007)。いくつかの実施形態では、隣接区域探索1007は、無線受電器に配送される電力の量を増加するために活性化され得る(例えば、RF送電器集積回路160は、1つ又は複数の制御信号をスイッチ295に提供する)、選択されたアンテナ区域Z1の1つ又は複数の隣接区域を識別するために使用される。例えば、これは、無線電力受信器が近接場充電パッドの隣接アンテナ区域間の境界に位置する(例えば、2つのアンテナ区域、3つのアンテナ区域又は4つのアンテナ区域間の交差部に位置する)と、発生し得る。隣接区域探索を行う(1007)際、近接場充電パッドは選択されたアンテナ区域Z1の隣接アンテナ区域(ZA)を識別する(1142)。いくつかの実施形態では、隣接区域(ZA)を識別することは最大5つの隣接区域を識別することを含む。
【0200】
[00240] 次に、近接場充電パッドは、選択されたアンテナ区域Z1と各識別された隣接区域とを対にし(1144)、すべてのアンテナチューニング組み合わせにわたって掃引し(1146)、すべての利用可能周波数(及び恐らく他の伝送特性)にわたって掃引する(1148)。その後、近接場充電パッドは、隣接区域(ZA)の中からアンテナ区域の組み合わせを選択する(1150)。例えば、近接場充電パッドは、「選択されたアンテナ区域Z1が、これらのアンテナ区域のいずれかが無線電力受信器に個々に配送することができるものより高い電力量を無線電力受信器に配送する」ことを判断し得る。別の例では、近接場充電パッドは、選択されたアンテナ区域Z1及び2つ(又は3つ)の他の隣接区域が最大電力量を無線電力受信器に配送することを判断し得る。所望の組み合わせのアンテナ区域を選択する際、近接場充電パッドは、無線電力受信器に配送される最大電力量を生成するために使用される伝送特性を記録する。密探索及び隣接区域探索を行うことも、方法900の工程924~932を参照して上により詳細に論述された。
【0201】
[00241] 密探索1006(及び必要に応じ隣接区域探索1007)を行った後、近接場充電パッドはその例が
図11Eに示される電力制御ルーチン(1008)を実行する。いくつかの実施形態では、電力制御ルーチンは、無線電力受信器と近接場充電パッドとの両方が無線電力受信器に配送されている電力の量を連続的に監視することを可能にする。このようにして、無線送電に対する調整は無線電力受信器から受信されたフィードバックに基づいてなされ得る。例えば、配送された電力が設定閾値未満であれば、無線電力受信器は近接場充電パッドから電力増加を要求し得る。
図11Eは、受信器に配送される無線電力の量の増加又は低減を受信器に要求させ得るように使用され得る様々な動作と、配送される無線電力の量の増加又は低減の受信器の要求に応答して、受信器に配送される無線電力の量をいずれの時点で増加又は低減するべきかを判断するために近接場充電パッドによって実行されるプロセスとを示す。
【0202】
[00242] 上述のアンテナ素子120(例えば、
図1Bを参照されたい)は、それぞれのアンテナ素子120に沿った様々な場所に結合される複数の適応型負荷端子(例えば、複数の適応型負荷端子121)を有するようにも構成され得る。複数の適応型負荷端子を有するアンテナ素子120の例は
図12を参照して以下に提供される。
図12は、いくつかの実施形態による、RF充電パッドの複数の適応型負荷(
図3~
図8を参照して上に説明したようなこのようなアンテナのアレイの一部であり得る)を有する送信アンテナ素子(ユニットセル)を示す概略図である。いくつかの実施形態では、RF充電パッド1200は1つ又は複数のアンテナ素子1201(
図3B、
図4、
図6A~
図6E、
図7A~
図7D及び
図8に示すようなアンテナ素子の任意のものであり得る)を含む。各アンテナ素子1201は、電力増幅器1208に又はアンテナ素子1201の第1の端部におけるそれぞれの電力源に接続され得るそれぞれの電力増幅器(PA)切り替え回路1208(
図3AのPA切り替え回路103のそれぞれの1つものであり得る)によって給電される。
【0203】
[00243] いくつかの実施形態では、電力増幅器1208を含む入力回路は追加的に、入力信号の周波数を変更し得る装置又は同時に複数の周波数で動作し得る装置(発振器又は周波数変調器など)を含み得る。
【0204】
[00244] いくつかの実施形態では、RF充電パッド1200の各アンテナ素子1201は、それぞれのアンテナ素子1201内の複数の場所に複数のそれぞれの適応型負荷端子1202(例えば、1202a、1202b、1202c、...1202n)を含む。いくつかの実施形態では、アンテナ素子1201は蛇行線パターン(
図3、
図4、
図6~
図8を参照して上に論述したような)を形成する導電線を含む。いくつかの実施形態では、アンテナ素子1201の複数の適応型負荷端子1202の各適応型負荷端子は、
図12に示すようにアンテナ素子1201の導電性蛇行線上の様々な場所に配置される。
【0205】
[00245] いくつかの実施形態では、蛇行線アンテナ素子1201は、1平面内に複数の曲がり角を有する導電線を含む。いくつかの実施形態では、複数の曲がり角は、
図12のアンテナ素子1201に示すような方形曲がり角であり得る。いくつかの実施形態では、複数の曲がり角は先の丸い曲がり角であり得る。導電線は、可変幅のセグメント(例えば、第1の幅を有するセグメント1206、第1の幅未満である第2の幅を有する短い長さのセグメント1207)も有し得る。いくつかの実施形態では、適応型負荷端子1202aの少なくとも1つは短長セグメント(例えば、短長セグメント1207)の1つに配置され、別の適応型負荷端子は第1の幅を有するセグメント1206の1つのいずれかの箇所に配置される。いくつかの実施形態では、適応型負荷端子1202の少なくとも1つは、例えば、幅セグメント上のいずれかの箇所(例えば、蛇行線アンテナ素子1201の幅セグメントの中央)に配置される又は接続される。いくつかの実施形態では、最後の適応型負荷端子1202nは導電線の第2の端部(
図3、
図4、
図6~
図8を参照して上に説明したアンテナ素子1201の入力端子1203における第1の端と反対側)に配置される。いくつかの実施形態では、ある設計及び最適化では、適応型負荷端子は蛇行線アンテナ素子1201の第2の端部に必ずしも配置されないが、アンテナ素子1201の任意の位置に配置され得る。
【0206】
[00246] いくつかの実施形態では、RF充電パッド1200は、中央処理ユニット1210(本明細書ではプロセッサ1210とも呼ばれる)も含む(又はそれと通信する)。いくつかの実施形態では、プロセッサ1210は、例えば、適応型負荷端子1202の各適応型負荷端子の複数の負荷ピック又は適応型負荷1212(例えば、1212a、1212b、1212c、...1212n)と通信することにより、RF信号周波数を制御するように、且つ適応型負荷端子1202のそれぞれにおけるインピーダンス値を制御するように構成される(
図3A、3Bの負荷ピック又は適応型負荷106を参照して上に論述したように)。
【0207】
[00247] いくつかの実施形態では、電子装置(例えば、ストリーミングメディア装置又はプロジェクタの筐体内に一体化され得る充電パッド1200の上に置かれるリモコンなどの内部又は外部接続部品として受信器1204を含む装置)は、電池を充電する及び/又は電子装置を直接給電するために充電パッド1200の1つ又は複数のRFアンテナ素子1201から受信器1204に転送されるエネルギーを使用する。
【0208】
[00248] いくつかの実施形態では、アンテナ素子1201の特定の区域(例えば、充電される電子装置(内部又は外部接続RF受信器1204を有する)が充電パッド上に置かれる場所の下に位置するアンテナ素子1201上の区域)又は選択された位置における適応型負荷端子1202が、受信器1204によって受信される電力を最大化するために最適化される。例えば、CPU1210は、内部又は外部接続RF受信器1204を有する電子装置がアンテナ素子1201上の特定の区域内のパッド1200上に置かれたという指標を受信すると、RF受信器1204に転送される電力を最大化するために、RF適応端子1202にそれぞれ結合される複数の適応型負荷1212(例えば、適応型負荷1212a、1212b、1212c、...1212n)を適合化し得る。一組の適応型負荷1212を適合化することは、「CPU1210が、適応型負荷の1つ又は複数の適応型負荷に、アンテナ素子1201の様々な位置に結合される適応型負荷端子1202の1つ又は複数の適応型負荷端子の様々なインピーダンス値を試みるように命令する」ことを含み得る。適応型負荷の適合化に関する追加の詳細は、上に提供されたため、簡潔性のために、本明細書では繰り返さない。
【0209】
[00249] アンテナ素子1201の導電線の特定の位置/部分における実効インピーダンス値(Zeffective)は、多くの変数によって影響されるため、アンテナ素子1201上の様々な場所に結合される適応型負荷端子1212の構成を調整することによって操作され得る。いくつかの実施形態では、セクション1225(アンテナ素子1201の端子1203で始まり受信器1204の端まで伸びる)とセクション1227(送信アンテナ素子1201の残りと端末1202nとによって形成される)とを分割する点から始まりTXアンテナ1201の適応型負荷1212nへの接続(例えば、端子1202n)において終了する実効インピーダンス値(Zeffective)は、TXアンテナ1201上の受信器1204の位置に基づいて、且つセクション1227内の様々な位置において適応型負荷1212によって提供される一組の選択された負荷に基づいて変化することになる。いくつかの実施形態では、選択された負荷は、次のような方法でZeffectiveをチューニングするために適応型負荷1212(プロセッサ1210と協力して)によって最適化される:端子1203と受信器1204間で転送されるエネルギーが最大値に達する(例えば、パッド1200のアンテナ素子によって送信されるエネルギーの75%以上(98%など)がRF受信器1204によって受信される)一方、エネルギー転送がまた、端子1203から端子1202nまで最小値のままであり得る(例えば、パッド1200のアンテナ素子によって送信されたエネルギーの25%未満(2%程度も含む)が、RF受信器1204によって受信されず、セクション1227内に位置する端子まで到達して終わる又は後方反射されて終わる)。
【0210】
[00250] いくつかの実施形態では、複数の適応型負荷1212の選択されたいくつかの適応型負荷1212は、アンテナ素子1201のインピーダンス及び/又は周波数を調整するためにアンテナ素子1201上で使用される(プロセッサにより1210)。一例では、
図12を参照すると、適応型負荷端子1202a、1202cのみが特定の時点に適応型負荷1212a、1212cにそれぞれ接続される一方、適応型負荷端子1202b、1202nは特定の時点に切り離される。別の例では、
図12を参照すると、適応型負荷端子1202a、1202nのみが特定の時点に適応型負荷1212a、1212nにそれぞれ接続される一方、適応型負荷端子1202b、1202cは特定の時点に切り離される。いくつかの実施形態では、適応型負荷端子1202のすべてが特定の時点にそれぞれの適応型負荷1212に接続される。いくつかの実施形態では、適応型負荷端子1202のいずれも特定の時点にそれぞれの適応型負荷1212に接続されない。いくつかの実施形態では、選択された適応型負荷端子1212に接続される適応型負荷1212のそれぞれのインピーダンス値はエネルギー転送を最適化するために個々に調整される。
【0211】
[00251] 蛇行線アンテナがマルチバンド動作用に最適化される実施形態では、単一アンテナ素子内の複数の適応型負荷構成がまた、上の
図3Bにおいて説明したように単一アンテナ素子内の単一適応型負荷構成と比較してより広い周波数帯調整を可能にする。単一アンテナ素子内の複数の適応型負荷構成は、単一アンテナ素子上の複数の周波数帯動作をさらに強化する。例えば、複数の適応型負荷端子を有する単一アンテナ素子1201は、1つの適応型負荷端子によって構成されるそのアンテナ素子より広い周波数帯で動作することができる。
【0212】
[00252] いくつかの実施形態では、一組の適応型負荷1212を調整することは、同様に又は代替的に、最大量のエネルギーがRF受信器1204に転送される周波数が見出されるまで様々な周波数でRF信号をCPU1210が一組のアンテナ素子に送信させることを含む。いくつかの実施形態では、例えば、アンテナ素子の1つが第1の周波数でRF信号を送信し、アンテナ素子の別のものは第1の周波数と異なる第2の周波数でRF信号を送信する。いくつかの実施形態では、インピーダンス値及び/又は一組のアンテナ素子が送信する周波数を調整することは、RF受信器1204に転送されるエネルギーの量に対する変更を生じる。このようにして、最大化されるRF受信器1204に転送されるエネルギーの量(例えば、パッド1200のアンテナ素子によって受信器1204に送信されるエネルギーの少なくとも75%を転送するために、且ついくつかの実施形態ではインピーダンス値及び/周波数を調整することが、送信されるエネルギーの最大98%が受信器1204によって受信され得るようにする)は、RF受信器1204が置かれる可能性があるパッド1200上の任意の特定の点において受信され得る。
【0213】
[00253] いくつかの実施形態では、CPU1210は、RF受信器1204に転送されるエネルギーの量が所定の閾値を横切る(例えば、送信されたエネルギーの75%以上(最大98%など)が受信される)と、又は多くのインピーダンス及び/又は周波数値によって送信を試験し、次に、RF受信器1204に転送される最大エネルギーを生じるインピーダンス及び周波数の組み合わせを選択することにより(上の
図3A~
図3Dの適応化方式を参照しても説明されたように)、最大量のエネルギーがRF受信器1204に転送されていると判断する。いくつかの実施形態では、プロセッサ1210はフィードバックループを介して受信器1204に接続される(例えば、メッセージを交換するためにBluetoothローエネルギー(BLE)、Wi-Fi、ZigBee、赤外線ビーム、近接電磁界などの無線通信プロトコルを使用してメッセージを交換することにより)。いくつかの実施形態では、適応化方式は、RF受信器1204に転送されるエネルギーを最大化するために適応型インピーダンス負荷1212のインピーダンス値とRF周波数との様々な組み合わせを試験するために採用される。このような実施形態では、適応型負荷1212のそれぞれはある範囲の値(0~無限大間でなど)に沿ってインピーダンス値を調整するように構成される。いくつかの実施形態では、適応化方式は、1つ又は複数のRF受信器がアンテナ素子1201の1つの上に置かれる場合に採用される。
【0214】
[00254] いくつかの実施形態では、周波数とインピーダンスとのいずれの組み合わせがRF受信器1204への最大エネルギー転送を生じるかを判断するために、インピーダンス値及び/又は充電パッド1200のRFアンテナ1201から発射されるRF信号の周波数を適応的に調整する適応化方式が採用される。例えば、充電パッド1200に接続されるプロセッサ1210は、アンテナ素子1201の様々な位置において様々な選択された組の適応型負荷1212を使用することにより(例えば、いくつかの適応型負荷1212がより良い性能のために適応的に最適化することを試みることを可能又は無効化することにより)、様々な周波数(すなわち許容された動作周波数範囲又は範囲内の)を試みる。例えば、単純な最適化が、各負荷端子をアースに対して開放する/切り離す又は閉じる/短絡するかのいずれかを行い(いくつかの実施形態では、これらの状態間を切り替えるためにリレーが使用される)、また、RFアンテナ素子1201を様々な周波数で送信させ得る。いくつかの実施形態では、リレー状態(開放又は短絡された)と周波数との組み合わせ毎に、受信器1204に転送されるエネルギーは、監視され、且つ他の組み合わせを使用する際に転送されるエネルギーと比較される。受信器1204への最大エネルギー転送を生じる組み合わせが、選択され、且つ1つ又は複数のアンテナ素子1201を使用して1つ又は複数のRF信号を受信器1204に送信し続けるために使用される。
【0215】
[00255] いくつかの実施形態では、パッド1200の複数の適応型負荷1212を有する単一アンテナ素子1201は、2つ以上の異なる周波数帯(上述のISM帯など)(例えば、915MHzの中心周波数を有する第1の周波数帯と5.8GHzの中心周波数を有する第2の周波数帯)において動作するように構成され得る。これらの実施形態では、適応化方式を採用することは、RF信号を送信し、次に第1の周波数帯の第1の閾値に到達するまで第1の所定の増分で周波数を調整することと、次に、第2の周波数帯の第2の閾値に到達するまで第2の所定の増分(第1の所定の増分と同じであっても又はなくてもよい)で周波数を調整することとを含み得る。いくつかの実施形態では、単一アンテナ素子は1つ又は複数の周波数帯内の複数の異なる周波数で動作し得る。例えば、単一アンテナ素子1201は、902MHz、915MHz、928MHZ(第1の周波数帯内の)において、且つ次に5.795GHz、5.8GHz、5.805GHz(第2の周波数帯内の)において送信するように構成され得る。単一アンテナ素子1201は、マルチバンドアンテナとして2つ以上の周波数帯において動作し得る。少なくとも1つのアンテナ素子1201を有する送信器がマルチバンド送信器として使用され得る。
【0216】
[00256] いくつかの実施形態では、それぞれが複数の適応型負荷1212を有する複数のアンテナ素子1201は、特定の送信パッドが同時に2つ以上の異なる周波数帯においてそれぞれ動作することを可能にするように特定の送信パッド内で構成され得る。例えば、特定の送信パッドの第1のアンテナ素子1201は第1の周波数又は周波数帯において動作し、特定の送信パッドの第2のアンテナ素子1201は第2の周波数又は周波数帯において動作し、特定の送信パッドの第3のアンテナ素子1201は第3の周波数又は周波数帯において動作し、特定の送信パッドの第4のアンテナ素子1201は第4の周波数又は周波数帯において動作し、4つの周波数帯は互いに異なる。このようにして、特定の送信パッドは複数の異なる周波数帯において動作するように構成される。
【0217】
[00257] いくつかの実施形態では、本明細書で説明される送信器は、1つの周波数又は周波数帯において無線電力を送信し、別の周波数又は周波数帯においてデータを送信しこのデータを受信器と交換し得る。
【0218】
[00258] 様々な周波数で動作する様々なアンテナ素子は、小型装置がより高い周波数によって充電され、大型装置が同じ充電パッド上でより低い周波数によって充電されると、エネルギー転送効率を最大化し得る。例えば、移動式電話などのより高い電力量を必要とする装置は、より大きいアンテナを含むためにより多くの空間も有し得、したがって900MHzのより低い周波数を好適な周波数帯にする。比較として、イヤホンなどの小型装置は、小電力量を必要とし、したがってより長いアンテナに利用可能なより小さい空間も有し得、したがって2.4又は5.8GHzのより高い周波数を好適な周波数帯にする。この構成は、受信装置内に含まれるアンテナのタイプ及びサイズのより大きい柔軟性を可能にする。
【0219】
[00259] 次に
図13に移ると、いくつかの実施形態に従って、複数の適応型負荷を有する少なくとも1つのRFアンテナを使用することにより、高周波(RF)送電を介して電子装置を充電する方法1300のフローチャートが提供される。当初、1つ又は複数のRF信号又は波を送信するための少なくとも1つのRFアンテナ(例えば、
図3~
図8をさらに含む上の
図12に関して説明したアンテナ素子1201)(すなわちRF電磁波を送信するように設計され送信することができるアンテナ)を含む送信器を含む充電パッドが工程1302において提供される。いくつかの実施形態では、RFアンテナ素子のアレイ1201が、単一面内に互いに隣接して、積層で又はこれらの組み合わせで配置され、こうしてRF充電パッド1200(
図6A~
図6E、
図7A~
図7D及び
図8を参照して説明したような)を形成する。いくつかの実施形態では、RFアンテナ素子1201はそれぞれ、アンテナ入力端子(例えば、
図12を参照して上に論述された第1の端子1203)及び複数のアンテナ出力端子(例えば、
図12を参照して上に論述された複数の適応型負荷端子1202)を含む。いくつかの実施形態では、アンテナ素子1201は蛇行線配置を形成する導電線(
図3~
図4及び
図6~
図12に示すような)を含む。複数の適応型負荷端子1202はアンテナ素子1201の導電線の様々な場所に配置される。
【0220】
[00260] いくつかの実施形態では、送信器は、電力入力とアンテナ入力端子間に電気的に結合された電力増幅器(例えば、
図12のPA1208)をさらに含む。いくつかの実施形態は、複数のアンテナ出力端子に電気的に結合されたそれぞれの適応型負荷1212a、1212b、1212c、...1212n(例えば、
図12の適応型負荷端子1202)も含む。いくつかの実施形態では、送信器は、電源に電気的に結合されるように構成された電力入力と、アンテナに送信される少なくとも1つの電気信号を制御するように構成された少なくとも1つのプロセッサ(例えば、
図12のプロセッサ1210、
図3A~
図3Bのプロセッサ110)とを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、アンテナに送信される少なくとも1つの信号の周波数及び/又は振幅を制御するようにも構成される。
【0221】
[00261] いくつかの実施形態では、送信器の各RFアンテナは、蛇行線パターンを形成する導電線と、1つ又は複数のプロセッサによって制御される周波数で導電線を貫流する電流を受信するための導電線の第1の端部における第1の端子(例えば、端子1203)と、導電線の複数の場所において第1の端子と異なる複数の適応型負荷端子(例えば、端子1202)であって、1つ又は複数のプロセッサによって制御されるそれぞれの部品(例えば、
図12の適応型負荷1212)に結合され、導電線のインピーダンス値を修正することを可能にする、複数の適応型負荷端子とを含む。いくつかの実施形態では、導電線は多層基板の第1のアンテナ層の上に又はその層内に配置される。またいくつかの実施形態では、第2のアンテナは、多層基板の第2のアンテナ層の上に又はその層内に配置される。最後に、いくつかの実施形態は、多層基板の接地面層の上に又はその層内に配置される接地面も提供する。
【0222】
[00262] いくつかの実施形態では、受信器(例えば、
図12を参照した受信器1204)も提供される(
図3も参照して説明したように)。受信器は、RF信号を受信するための1つ又は複数のRFアンテナも含む。いくつかの実施形態では、受信器は、1つ又は複数のRF信号を、内部又は外部接続部品として受信器1204を含む装置を充電するために利用可能な電力に変換する少なくとも1つのレクテナを含む(
図5を参照した工程504、506、510、514、518も参照されたい)。使用中、受信器1204は、送信器又は充電パッドの少なくとも1つのアンテナの近接場高周波距離内に置かれる。例えば、受信器は、少なくとも1つのRFアンテナ1201又は少なくとも1つのRFアンテナ1201に隣接する表面(充電パッド1200の表面など)の上に置かれ得る。
【0223】
[00263] 工程1304において、次に、1つ又は複数のRF信号が少なくとも1つのRFアンテナ1201を介して送信される。
【0224】
[00264] 次に、本システムは、1つ又は複数のRF信号を介して少なくとも1つのアンテナ1201から1つ又は複数のRF受信器に転送されるエネルギーの量を判断するために工程1306において監視される(上に論述されたように)。いくつかの実施形態では、この監視すること(1306)は送信器において発生する一方、他の実施形態では、監視すること(1306)は、バックチャネルを介してデータを送信器に送り返す受信器において発生する(例えば、Wi-Fi又はBluetoothを使用することによって無線データ接続全体にわたって)。いくつかの実施形態では、送信器及び受信器はバックチャネルを介してメッセージを交換し、これらのメッセージは、工程1308においてなされた調整を通知するために、送信及び/又は受信されるエネルギーを示し得る。
【0225】
[00265] いくつかの実施形態では、工程1308では、送信器の特性が、少なくとも1つのRFアンテナ1201から受信器に転送されるエネルギーの量を最適化することを試みるように適応的に調整される。いくつかの実施形態では、この特性は1つ又は複数のRF信号の周波数及び/又は送信器のインピーダンスである。いくつかの実施形態では、送信器のインピーダンスは調整可能負荷のインピーダンスである。またいくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサがまた、選択された一組の複数の適応型負荷1212のインピーダンスを制御するように構成される。インピーダンス及び周波数の調整に関するさらなる詳細及び例は上に提供された。
【0226】
[00266] いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサ(例えば、
図12のCPU1210)が、少なくとも1つのアンテナ1201からRF受信器に転送されるエネルギーの監視された量に基づいて適応型負荷のインピーダンスを動的に調節する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサが、アンテナに送信される少なくとも1つの信号の周波数を同時に制御する。
【0227】
[00267] いくつかの実施形態では、パッド1200の複数の適応型負荷1212を有する単一アンテナ素子1201は、同時に又は相異なる時間に2つ以上の異なる周波数帯(上述のISM帯など)(例えば、915MHzの中心周波数を有する第1の周波数帯と5.8GHzの中心周波数を有する第2の周波数帯)において動作するように1つ又は複数のプロセッサによって動的に調整され得る。これらの実施形態では、適応化方式を採用することは、RF信号を送信し、次に第1の周波数帯の第1の閾値に到達するまで第1の所定の増分で周波数を調整することと、次に、第2の周波数帯の第2の閾値に到達するまで第2の所定の増分(第1の所定の増分と同じであっても又はなくてもよい)で周波数を調整することとを含む。例えば、単一アンテナ素子1201は、902MHz、915MHz、928MHZ(第1の周波数帯内の)において、且つ次に5.795GHz、5.8GHz、5.805GHz(第2の周波数帯内の)において送信するように構成され得る。単一アンテナ素子1201はマルチバンドアンテナとして2つ以上の周波数帯において動作し得る。少なくとも1つのアンテナ素子1201を有する送信器がマルチバンド送信器として使用され得る。
【0228】
[00268] いくつかの実施形態では、充電パッド又は送信器は、
図12において説明したような複数の適応型負荷を有するアンテナ素子1201の1つ又は複数のアンテナ素子と、
図3A~
図3Dに説明したような1つの適応型負荷を有する1つ又は複数のアンテナ素子120とを含み得る。
【0229】
[00269]
図14A~
図14Dは、いくつかの実施形態によるRF充電パッド内の複数の周波数又は周波数帯において動作し得る個々のアンテナ素子の様々な構成を示す概略図である。
図14A~
図14Dに示すように、RF充電パッド100(
図3A~
図3B)又はRF充電パッド1200(
図12)は、可変物理的寸法を有する導電線素子を有するように構成されたアンテナ素子120(
図3B)又は1201(
図12)を含み得る。
【0230】
[00270] 例えば、
図14A~
図14Dは、アンテナ素子の様々な部分において様々な蛇行線パターンに形成された導電線をそれぞれが含むアンテナ素子の構造の例を示す。アンテナ素子の様々な部分又は場所における導電線は、アンテナ素子内の他の導電線と異なる幾何学的寸法(幅、長さ又はトレース寸法若しくはパターン、各トレース間隔など)を有し得る。いくつかの実施形態では、蛇行線パターンは、パッド(又は個々のアンテナ素子)の様々な位置において可変長及び/又は幅で設計され得る。蛇行線パターンのこれらの構成はより多くの自由度を可能にし、したがって、個々のアンテナ素子及びRF充電パッドのより広い動作帯域幅及び/又は結合範囲を可能にする、より複雑なアンテナ構造が構築され得る。
【0231】
[00271] いくつかの実施形態では、本明細書で説明されたアンテナ素子120、1201は、
図14A~
図14Dに示された形状の任意のものを有し得る。いくつかの実施形態では、
図14A~
図14Dに示すアンテナ素子のそれぞれは、導電線の一端に入力端子(
図1Bの123又は
図12の1203)を、且つ導電線の別の端又は複数の場所に上述のような適応型負荷(
図1Bの106又は
図12の1212a-n)を有する少なくとも1つの適応型負荷端子(
図1Bの121又は
図12の1202a-n)を有する。
【0232】
[00272] いくつかの実施形態では、
図14A~
図14Dに示すアンテナ素子のそれぞれは2つ以上の異なる周波数で又は2つ以上の異なる周波数帯で動作し得る。例えば、単一アンテナ素子は、いずれの周波数がアンテナ素子のそれぞれの入力端子において提供されるかに依存して、第1の時点に915MHzの中心周波数を有する第1の周波数帯で、且つ第2の時点に5.8GHzの中心周波数を有する第2の周波数帯で動作し得る。さらに、
図14A~
図14Dに示す蛇行線パターンの形状はアンテナ素子が複数の異なる周波数で効率的に動作することを可能にするように最適化される。
【0233】
[00273] いくつかの実施形態では、
図14A~
図14Dに示すアンテナ素子のそれぞれは、重畳され得る3つ以上の異なる周波数を入力端子が供給されると、同時に2つ以上の異なる周波数又は2つ以上の異なる周波数帯において動作し得る。例えば、単一アンテナ素子は、915MHzの第1の中心周波数を有する周波数帯と5.8GHzの中心周波数を有する第2の周波数帯との両方が導電線の入力端子において提供されると915MHzの中心周波数を有する第1の周波数帯と5.8GHzの中心周波数を有する第2の周波数帯とにおいて同時に動作し得る。さらに別の例では、単一アンテナ素子は1つ又は複数の周波数帯内の複数の異なる周波数で動作し得る。
【0234】
[00274] いくつかの実施形態では、アンテナ素子の動作周波数は、受信器アンテナ寸法、周波数又は受信器負荷及び充電パッド上の適応型負荷に従って、上に説明したように1つ又は複数のプロセッサ(
図3A~
図3Bの110又は
図12の1210)によって適応的に調整され得る。
【0235】
[00275] いくつかの実施形態では、導電線の様々な部分において様々な蛇行パターンを有する
図14A~
図14Dに示すアンテナ素子のそれぞれは、より対称的な蛇行線構造(例えば、
図3B、
図4、
図6A~
図6B又は
図8)と比較して複数の周波数でより効率的に動作し得る。例えば、導電線の様々な部分において様々な蛇行パターンを有する
図14A~
図14Dに示すアンテナ素子の様々な動作周波数におけるエネルギー転送効率は、より対照的な対称蛇行線構造素子より少なくとも約5%、いくつかの例では少なくとも60%だけ改善され得る。例えば、より対照的な蛇行線構造アンテナ素子は、より対照的な蛇行線構造アンテナ素子が設計された周波数以外の新しい周波数で動作する一方、送信されたエネルギーの60%以下を受信装置に転送することができる可能性がある(例えば、より対照的な蛇行線構造アンテナ素子が900MHzで動作するように設計され、次に5.8GHzの周波数を有する信号を送信すれば、より対照的な蛇行線構造アンテナ素子は60%のエネルギー転送効率を実現することができる可能性がある)。対照的に、様々な蛇行パターンを有するアンテナ素子(例えば、
図14A~
図14Dに示すもの)は、様々な周波数で動作する一方で80%以上のエネルギー転送効率を実現することができる可能性がある。このようにして、
図14A~
図14Dに示すアンテナ素子の設計は、単一アンテナ素子が様々な周波数でより効率的な動作を実現することができることを保証する。
【0236】
[00276]
図15は、いくつかの実施形態によるアンテナ素子の長さを調整することにより、複数の周波数又は周波数帯において動作し得る個々のアンテナ素子の例示的構成を示す図である。
【0237】
[00277]
図15に示すようないくつかの実施形態では、RF充電パッド1500の1つ又は複数の送信アンテナ素子の少なくとも1つの送信アンテナ素子1502(
図3~
図8と
図13~
図14に説明したような)は、第1の導電性セグメント1504(アンテナ素子120、1201の上に説明したもの任意のものなどの蛇行導電線の第1の部分)と、第2の導電性セグメント1506(アンテナ素子120、1201の上に説明したもの任意のものなどの蛇行導電線の第2の部分)とを有する。いくつかの実施形態では、第1の導電性セグメントは入力端子(
図3Bの123又は
図12の1203)を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの送信アンテナ素子1502は、第1の導電性セグメント1504が第2の導電性セグメント1506と結合されていない間、第1の周波数(例えば、2.4GHz)において動作するように構成される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの送信アンテナ素子1502は、第1の導電性セグメントが第2の導電性セグメントと結合されている間、第1の周波数と異なる第2の周波数(例えば、900MHz)において動作するように構成される。
【0238】
[00278] いくつかの実施形態では、1つ又は複数のプロセッサ(
図3A~
図3Bの110又は
図12の1210)は、給電素子(
図3A~
図3Bでは108として且つ
図12では1208として説明したような)に第1の周波数(例えば、2.4GHz)と異なる第2の周波数(例えば、900MHz)を有する電流を生成するように指示することと連携して第1のセグメントと第2のセグメントとの結合を引き起こすように構成され、これによりアンテナ素子1502が第2の周波数でより効率的に動作することを可能にする。1つ又は複数のプロセッサは、給電素子に第2の周波数の代わりに第1の周波数を有する電流を生成するように指示することと連携して、第1の導電性セグメントからの第2の導電性セグメントの減結合を引き起こすようにも構成され得、これによりアンテナ素子1502が再び第1の周波数でより効率的に動作することを可能にする。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のプロセッサは、受信器(例えば、RX104又は1204)から受信された情報(受信器が動作するように構成された周波数を識別する)に基づいてこれらの導電性セグメントの結合(又は減結合)を引き起こすべきかどうかを判断するように構成される(例えば、より長い受信アンテナを有する大型装置に関し、この周波数は900MHzであり得る一方、小型受信アンテナを有する小型装置に関し、この周波数は2.4GHzであり得る)。
【0239】
[00279] いくつかの実施形態では、
図15で説明した結合は、2つの接続点の間又は2つの異なるセグメントの間に位置する導電線をバイパスする一方、単一アンテナ素子1502の2つの異なるセグメント同士を直接接続することによって実施され得る。いくつかの実施形態では、結合は、アンテナ素子1502の3つ以上の異なるセグメント間で実施され得る。単一蛇行線アンテナ素子1502の様々な部分又はセグメント同士の結合は、アンテナ素子1502の導電線のサイズ又は長さを実効的に変更し、したがって単一アンテナ素子1502が様々な周波数で動作することを可能にし得る。単一アンテナ素子1502は、マルチバンドアンテナとして2つ以上の周波数帯でも動作し得る。
【0240】
[00280]
図16Aは、例示的近接場電力転送システム1600の概略図の上面斜視図を示す。
図16Bは、例示的近接場電力転送システム1600の概略図の底面斜視図を示す。電力転送システム1600は、上面1601、底面1602及び側壁1603を含み得る。いくつかの実施形態では、電力転送システム1600の部品を含む筐体は、電磁波が通過するための最小の妨害を生成する材料で構築され得る。他の実施形態では、筐体の様々な部分は、透磁率及び誘電率などの様々な電磁的性質を有する材料によって構築され得る。例えば、上面1601は、電磁波が最小の妨害で通過することを許容し得る一方、側壁1603は、減衰、吸収、反射又は当技術分野で知られた他の技術によって電磁波を妨害し得る。
【0241】
[00281] 電力転送システム1600は、第2の電力転送システム(図示せず)に隣接する場合にRFエネルギーを放射し、したがって電力を転送し得る。したがって、電力転送システム1600は、送電器として機能するように「送信側」にあり得るか、又は受電器として機能するように「受信側」にあり得る。電力転送システム1600が送信器に関連付けられるいくつかの実施形態では、電力転送システム1600(又は電力転送システム1600の下位部品)は、送信器装置内に組み込まれ得るか、又は送信器装置に外的に有線接続され得る。同様に、電力転送システム1600が受信器に関連付けられるいくつかの実施形態では、電力転送システム1600(又は電力転送システム1600の下位部品)は、受信器装置内に組み込まれ得るか、又は受信器装置に外的に有線接続され得る。
【0242】
[00282] 基板1607は、上面1601、側壁1603及び底面1602間に画定される空間内に配置され得る。いくつかの実施形態では、電力転送システム1600は、筐体を含まない可能性があり、基板1607は、上面1601、側壁1603及び底面1602を含み得る。基板1607は、吸収、反射、絶縁することができるか又はそうでなければ電流を通す電線路を収容することができる任意の材料(メタマテリアルなど)を含み得る。メタマテリアルは、望ましい透磁率及び誘電率を生じるように設計される広範なクラスの合成材料であり得る。透磁率及び誘電率の少なくとも一方は、電力転送要求及び/又は政府規則の準拠制約に基づき得る。本明細書において開示されるメタマテリアルは、放射を受信又は生成し得、且つ薄い反射器としての役割を果たし得る。
【0243】
[00283] アンテナ1604は、上面1601上又はその下に構築され得る。電力転送システム1600が送電器に関連付けられる場合、アンテナ1604は、電磁波を送信するために使用され得る。代替的に、電力転送システム1600が受電器に関連付けられる場合、アンテナ1604は、電磁波を受信するために使用され得る。いくつかの実施形態では、電力転送システム1600は、送受信器として動作し得、アンテナ1604は、電磁波を送信することと受信することとの両方を行い得る。アンテナ1604は、金属、合金、メタマテリアル及び合成物などの材料で構築され得る。例えば、アンテナ1604は、銅又は銅合金で作製され得る。アンテナ1604は、電力転送要件に基づいて様々な形状を有するように構築され得る。
図16A、
図16Bに示される例示的システム1600では、アンテナ1604は、互いに密接して配置されるアンテナセグメント1610を含む螺旋形状で構築される。アンテナセグメント1610を貫流する電流は、互いに反対方向であり得る。例えば、アンテナセグメント1610b内の電流が
図16Aの左から右に流れていれば、アンテナセグメント1610a、1610cのそれぞれのアンテナセグメントの電流は、右から左に流れ得る。電流の反対方向流れは、電力転送システム1600の遠距離場における電磁放射の相互相殺を生じる。換言すれば、仮想線1615の左側の1つ又は複数のアンテナセグメント1610によって生成される遠距離場電磁放射は、仮想線1615の右側の1つ又は複数のアンテナセグメント1610によって生成される遠距離場電磁放射によって相殺される。したがって、電力転送システム1600の遠距離場において、電力の漏洩がない可能性がある。しかし、このような相殺は、電力転送システム1600の電力の転送が発生し得る近接場活性区域内で発生しない可能性がある。
【0244】
[00284] 電力転送システム1600は、底面1602に又はその上に接地面1606を含み得る。接地面1606は、金属、合金及び合成物などの材料によって形成され得る。一実施形態では、接地面1606は、銅又は銅合金によって形成され得る。いくつかの実施形態では、接地面1606は、固体シートの材料で構築され得る。他のいくつかの実施形態では、接地面1606は、ループ、螺旋、メッシュなどの形状で配置された材料ストリップを使用して構築され得る。電力供給線(図示せず)をアンテナに運ぶビア1605は、接地面1606を貫通し得る。電力供給線は、電流をアンテナ1604に供給し得る。いくつかの実施形態では、接地面1606は、アンテナ1604に電気的に接続され得る。いくつかの実施形態では、接地面1606は、アンテナ1604に電気的に接続されない可能性がある。このような実装のために、接地面1606からビア1605を絶縁する絶縁領域1608は、ビア1605と接地面1606との間に構築され得る。いくつかの実施形態では、接地面1606は、アンテナ1604によって生成される電磁波の反射器としての役割を果たし得る。換言すれば、接地面は、電力転送システム1600の底面を越える電磁気伝搬を、底面を越えて形成される透過像を相殺及び/又は反射することによって許容しない可能性がある。接地面によって電磁波を反射することは、上面1601から又はそれに向かってアンテナ1604によって送信される電磁波を強化し得る。したがって、底面1602からの電磁力の漏洩がない可能性がある。
【0245】
[00285] したがって、アンテナ1604及び接地面1606の結果として、電力転送システム1600によって送信又は受信される電磁波は、システム1600の近接場内に蓄積する。システム1600の遠距離場への漏洩が最小化される。
【0246】
[00286]
図17Aは、本開示の一実施形態による例示的近接場電力転送システム1700の上面斜視図を概略的に示す。いくつかの実施形態では、電力転送システム1700は、送電器の一部であり得るか又はそれに関連付けられ得る。他のいくつかの実施形態では、電力転送システム1700は、受電器の一部であり得るか又はそれに関連付けられ得る。電力転送システム1700は、上面1701、底面(図示せず)及び側壁1703によって画定される筐体を含み得る。いくつかの実施形態では、筐体は、電磁波が通過するための最小の妨害を生成する材料で構築され得る。他のいくつかの実施形態では、筐体の様々な部分は、透磁率及び誘電率などの様々な電磁的性質を有する材料によって構築され得る。例えば、上面1701は、電磁波が最小の妨害で通過することを可能にし得る一方、側壁1703は、減衰、吸収、反射又は当技術分野で知られた他の技術によって電磁波を妨害し得る。
【0247】
[00287] 基板1707は、上面1701、側壁1703及び底面1702間に画定される空間内に配置され得る。いくつかの実施形態では、電力転送システム1700は、筐体を含まない可能性があり、基板1707は、上面1701、側壁1703及び底面1702を含み得る。基板1707は、吸収、反射、絶縁することができるか又はそうでなければ電流を通す電線路を収容することができる任意の材料(メタマテリアルなど)を含み得る。メタマテリアルは、望ましい透磁率及び誘電率を生じるように設計される広範なクラスの合成材料であり得る。透磁率及び誘電率の少なくとも一方は、電力転送要求及び/又は政府規則の準拠制約に基づき得る。本明細書において開示されるメタマテリアルは、放射を受信し得るか若しくは放射を生成し得るか又は薄い反射器としての役割を果たし得る。
【0248】
[00288] アンテナ1704は、上面1701上又はその下に構築され得る。電力転送システム1700が送電器の一部であるか又はそれに関連付けられる場合、アンテナ1704は、電磁波を送信するために使用され得る。代替的に、電力転送システム1700が受電器の一部であるか又はそれに関連付けられる場合、アンテナ1704は、電磁波を受信するために使用され得る。いくつかの実施形態では、電力転送システム1700は、送受信器として動作し得、アンテナ1704は、電磁波を送信することと受信することとの両方を行い得る。アンテナ1704は、金属、合金、メタマテリアル及び合成物などの材料で構築され得る。例えば、アンテナ1704は、銅又は銅合金で作製され得る。アンテナ1704は、電力転送要件に基づいて様々な形状を有するように構築され得る。
図17Aに示される例示的システム1700では、アンテナ1704は、互いに密接して配置されるアンテナセグメントを含む螺旋形状で構築される。信号供給線(図示せず)は、ビア1705を介してアンテナ1704に接続され得る。
【0249】
[00289]
図17Bは、例示的送電システム1700の側面図を概略的に示す。示されるように、上側金属層は、アンテナ1704を形成し得、下側金属層は、接地面1706を形成し得る。基板1707は、上側金属層と下側金属層との間に配置され得る。基板1707は、FR4、メタマテリアル又は当技術分野で知られた任意の他の材料などの材料を含み得る。メタマテリアルは、望ましい透磁率及び誘電率を生じるように設計される広範なクラスの合成材料であり得る。透磁率及び誘電率の少なくとも一方は、電力転送要求及び/又は政府規則の準拠制約に基づく必要があり得る。本明細書において開示されるメタマテリアルは、放射を受信し得るか若しくは又は放射を生成し得るか又は薄い反射器としての役割を果たし得る。
【0250】
[00290]
図17Cは、アンテナ1704の上面斜視図を概略的に示す。アンテナ1704は、ビア1705を通り抜ける供給線(図示せず)の接続点1709を含む。
図17Dは、接地面1706の側面斜視図を概略的に示す。一実施形態では、接地面1706は、固体金属層を含む。他のいくつかの実施形態では、接地面1706は、ストライプ、メッシュ及び格子などの構造を含み得、完全には固体ではない可能性がある。接地面1706は、ビア1705が貫通するソケット1709も含み得る。ソケット1709の周囲で、接地面1706は、ソケット1709を接地面1706の残りから絶縁するために絶縁領域1710も含み得る。いくつかの実施形態では、接地面は、ビアを通り抜ける線への電気的接続を有し得、絶縁領域1710は、必要とされない可能性がある。
【0251】
[00291]
図18は、本開示の一実施形態による例示的近接場電力転送システム1800の上面斜視図を概略的に示す。いくつかの実施形態では、電力転送システム1800は、送電器の一部であり得るか又はそれに関連付けられ得る。他のいくつかの実施形態では、電力転送システム1800は、受電器の一部であり得るか又はそれに関連付けられ得る。電力転送システム1800は、上面1801、底面(図示せず)及び側壁1803によって画定される筐体を含み得る。いくつかの実施形態では、筐体は、電磁波が通過するための最小の妨害を生成する材料で構築され得る。他のいくつかの実施形態では、筐体の様々な部分は、透磁率及び誘電率などの様々な電磁的性質を有する材料によって構築され得る。例えば、上面1801は、電磁波が最小の妨害で通過することを可能にし得る一方、側壁1803は、減衰、吸収、反射又は当技術分野で知られた他の技術によって電磁波を妨害し得る。
【0252】
[00292] 基板1807は、上面1801、側壁1803及び底面1802間に画定される空間内に配置され得る。いくつかの実施形態では、電力転送システム1800は、筐体を含まない可能性があり、基板1807は、上面1801、側壁1803及び底面1802を含み得る。基板1807は、吸収、反射、絶縁することができるか又はそうでなければ電流を通す電線路を収容することができる任意の材料(メタマテリアルなど)を含み得る。メタマテリアルは、望ましい透磁率及び誘電率を生じるように設計される広範なクラスの合成材料であり得る。透磁率及び誘電率の少なくとも一方は、電力転送要求及び/又は政府規則の準拠制約に基づき得る。本明細書において開示されるメタマテリアルは、放射を受信又は送信し得、且つ薄い反射器としての役割を果たし得る。
【0253】
[00293] アンテナ1804は、上面上又はその下に構築され得る。電力転送システム1800が送電器の一部であるか又はそれに関連付けられる場合、アンテナ1804は、電磁波を送信するために使用され得る。代替的に、電力転送システム1800が受電器の一部又はそれに関連付けられる場合、アンテナ1804は、電磁波を受信するために使用され得る。いくつかの実施形態では、電力転送システム1800は、送受信器として動作し得、アンテナ1804は、電磁波を送信することと受信することとの両方を行い得る。アンテナ1804は、金属、合金、メタマテリアル及び合成物などの材料で構築され得る。例えば、アンテナ1804は、銅又は銅合金で作製され得る。アンテナ1804は、電力転送要件に基づいて様々な形状を有するように構築され得る。
図18に示す例示的システム1800では、アンテナ1804は、第1の蛇行ポール1809a及び第2の蛇行ポール1809bを含むダイポールの形状で構築される。第1の蛇行ポール1809aへの第1の電力供給線(図示せず)は、第1のビア1805aによって運ばれ得る。第2の蛇行ポール1809bへの第2の電力供給線(図示せず)は、第2のビア1805bによって運ばれ得る。第1の電力供給線は、電流を第1の蛇行ポール1809aに供給し得、第2の電力供給線は、電流を第2の蛇行ポール1809bに供給し得る。第1の蛇行ポール1809aは、互いに密接して配置されたアンテナセグメント1810を含み、第2の蛇行ポール1809bは、互いに密接して配置されたアンテナセグメント1811を含む。隣接アンテナセグメント1810、1811を貫流する電流は、互いに反対方向であり得る。例えば、アンテナセグメント1810b内の電流が
図18の左から右に流れていれば、アンテナセグメント1810a、1810cのそれぞれの電流は、右から左に流れ得る。電力転送システム1800の任意数のアンテナセグメント1810にわたる電流の反対方向流れは、電力転送システム1800によって生成される遠距離場電磁放射の相互相殺を生じる。追加的に又は代わりに、第1のポール1809aのアンテナセグメント1810によって生成される遠距離場電磁放射は、第2のポール1809bのアンテナセグメント1811によって生成される電磁放射によって相殺され得る。遠距離場相殺は、任意数のセグメント1810、1811にわたって及び/又は任意数のポール1809にわたって発生し得ることを理解するべきである。したがって、電力転送システム1800の遠距離場において、電力の漏洩がない可能性がある。しかし、このような相殺は、電力転送システム1800の電力の転送が発生し得る近接場活性区域内で発生しない可能性がある。
【0254】
[00294] 電力転送システム1800は、底面又はその上に接地面(図示せず)を含み得る。接地面は、金属、合金及び合成物などの材料によって形成され得る。一実施形態では、接地面は、銅又は銅合金によって形成され得る。いくつかの実施形態では、接地面は、固体シートの材料で構築され得る。他のいくつかの実施形態では、接地面は、ループ、螺旋、メッシュなどの形状で配置された材料ストリップを使用して構築され得る。電力供給線をアンテナに運ぶビア1805は、接地面を貫通し得る。いくつかの実施形態では、接地面は、アンテナに電気的に接続され得る。いくつかの実施形態では、接地面は、アンテナ1804に電気的に接続されない可能性がある。このような実装のために、接地面からビア1805を絶縁する絶縁領域がビア1805と接地面との間に構築され得る。いくつかの実施形態では、接地面は、アンテナ1804によって生成される電磁波の反射器としての役割を果たし得る。換言すれば、接地面は、電力転送システム1800の底面を越える電磁気伝搬を、底面を越えて形成される透過像を相殺及び/又は反射することによって許容しない可能性がある。接地面によって電磁波を反射することは、上面1801から又はそれに向かってアンテナ1804によって送信される電磁波を強化し得る。したがって、底面からの電磁力の漏洩がない可能性がある。
【0255】
[00295]
図19は、本開示の一実施形態による例示的近接場電力転送システム1900の上面斜視図を概略的に示す。いくつかの実施形態では、電力転送システム1900は、送電器の一部であり得るか又はそれに関連付けられ得る。他のいくつかの実施形態では、電力転送システム1900は、受電器の一部であり得るか又はそれに関連付けられ得る。電力転送システム1900は、上面1901、底面(図示せず)及び側壁1903によって画定される筐体を含み得る。いくつかの実施形態では、筐体は、電磁波が通過するための最小の妨害を生成する材料で構築され得る。他のいくつかの実施形態では、筐体の様々な部分は、透磁率及び誘電率などの様々な電磁的性質を有する材料によって構築され得る。例えば、上面1901は、電磁波が最小の妨害で通過することを可能にし得る一方、側壁1903は、減衰、吸収、反射又は当技術分野で知られた他の技術によって電磁波を妨害し得る。
【0256】
[00296] 基板1907は、上面1901、側壁1903及び底面1902間に画定される空間内に配置され得る。いくつかの実施形態では、電力転送システム1900は、筐体を含まない可能性があり、基板1907は、上面1901、側壁1903及び底面1902を含み得る。基板1907は、吸収、反射、絶縁することができるか又はそうでなければ電流を通す電線路を収容することができる任意の材料(メタマテリアルなど)を含み得る。メタマテリアルは、望ましい透磁率及び誘電率を生じるように設計される広範なクラスの合成材料であり得る。透磁率及び誘電率の少なくとも一方は、電力転送要求及び/又は政府規則の準拠制約に基づき得る。本明細書において開示されるメタマテリアルは、放射を受信し得るか若しくは放射を生成し得るか又は薄い反射器としての役割を果たし得る。
【0257】
[00297] アンテナ1904は、上面1901上又はその下に構築され得る。電力転送システム1900が送電器の一部であるか又はそれに関連付けられる場合、アンテナ1904は、電磁波を送信するために使用され得る。代替的に、電力転送システム1900が受電器の一部であるか又はそれに関連付けられる場合、アンテナ1904は、電磁波を受信するために使用され得る。いくつかの実施形態では、電力転送システム1900は、送受信器として動作し得、アンテナ1904は、電磁波を送信することと受信することとの両方を行い得る。アンテナ1904は、金属、合金及び合成物などの材料で構築され得る。例えば、アンテナ1904は、銅又は銅合金で作製され得る。アンテナ1904は、電力転送要件に基づいて様々な形状を有するように構築され得る。
図19に示す例示的システム1900では、アンテナ1904は、互いに密接して配置されるループセグメント1910を含むループの形状で構築される。隣接ループセグメント1910を貫流する電流は、互いに反対方向であり得る。例えば、第1のループセグメント1910a内の電流が
図19の左から右に流れていれば、第2のループセグメント1910b内の電流は、右から左に流れ得る。電流の反対方向流れは、電力転送システム1900の遠距離場における電磁放射の相互相殺を生じる。したがって、電力転送システム1900の遠距離場において、電力の漏洩がない可能性がある。しかし、このような相殺は、電力転送システム1900の電力の転送が発生し得る近接場活性区域では発生しない可能性がある。
【0258】
[00298] 電力転送システム1900は、底面又はその上に接地面(図示せず)を含み得る。接地面は、金属、合金、メタマテリアル及び合成物などの材料によって形成され得る。一実施形態では、接地面は、銅又は銅合金によって形成され得る。いくつかの実施形態では、接地面は、固体シートの材料で構築され得る。他のいくつかの実施形態では、接地面は、ループ、螺旋、メッシュなどの形状で配置された材料ストリップを使用して構築され得る。アンテナに電力供給線(図示せず)を運ぶビア1905は、接地面を貫通し得る。電力供給線は、アンテナ1904に電流を提供し得る。いくつかの実施形態では、接地面106は、アンテナに電気的に接続され得る。いくつかの実施形態では、接地面は、アンテナ1904に電気的に接続されない可能性がある。このような実装のために、接地面からビア1905を絶縁する絶縁領域がビア305と接地面との間に構築され得る。いくつかの実施形態では、接地面は、アンテナ1904によって生成される電磁波の反射器としての役割を果たし得る。換言すれば、接地面は、電力転送システム300の底面を越える電磁気伝搬を、底面を越えて形成される透過像を相殺及び/又は反射することによって許容しない可能性がある。接地面によって電磁波を反射することは、上面1901から又はそれに向かってアンテナ1904によって送信される電磁波を強化し得る。したがって、底面からの電磁力の漏洩がない可能性がある。
【0259】
[00299]
図20は、本開示の一実施形態による例示的近接場電力転送システム2000の上面斜視図を概略的に示す。いくつかの実施形態では、電力転送システム2000は、送電器の一部であり得るか又はそれに関連付けられ得る。他のいくつかの実施形態では、電力転送システム2000は、受電器の一部であり得るか又はそれに関連付けられ得る。他のいくつかの実施形態では、電力転送システム2000は、電力送受信器の一部であり得るか又はそれに関連付けられ得る。電力転送システム2000は、上面2001、底面(図示せず)及び側壁2003によって画定される筐体を含み得る。いくつかの実施形態では、筐体は、電磁波が通過するための最小の妨害を生成する材料で構築され得る。他のいくつかの実施形態では、筐体の様々な部分は、透磁率及び誘電率などの様々な電磁的性質を有する材料によって構築され得る。例えば、上面2001は、電磁波が最小の妨害で通過することを可能にし得る一方、側壁2003は、減衰、吸収、反射又は当技術分野で知られた他の技術によって電磁波を妨害し得る。
【0260】
[00300] 基板2007は、上面2001、側壁2003及び底面2002間に画定される空間内に配置され得る。いくつかの実施形態では、電力転送システム2000は、筐体を含まない可能性があり、基板2007は、上面2001、側壁2003及び底面2002を含み得る。基板2007は、吸収、反射、絶縁することができるか又はそうでなければ電流を通す電線路を収容することができる任意の材料(メタマテリアルなど)を含み得る。メタマテリアルは、望ましい透磁率及び誘電率を生じるように設計される広範なクラスの合成材料であり得る。透磁率及び誘電率の少なくとも一方は、電力転送要求及び/又は政府規則の準拠制約に基づき得る。本明細書において開示されるメタマテリアルは、放射を受信若しくは送信し得るか又は薄い反射器としての役割を果たし得る。
【0261】
[00301] アンテナ2004は、上面2001上又はその下に構築され得る。電力転送システム2000が送電器の一部であるか又はそれに関連付けられる場合、アンテナ2004は、電磁波を送信するために使用され得る。代替的に、電力転送システム2000が受電器の一部であるか又はそれに関連付けられる場合、アンテナ2004は、電磁波を受信するために使用され得る。いくつかの実施形態では、電力転送システム2000は、送受信器として動作し得、アンテナ2004は、電磁波を送信することと受信することとの両方を行い得る。アンテナ2004への電力供給線(図示せず)は、ビア2005によって運ばれ得る。電力供給線は、電流をアンテナ2004に提供し得る。アンテナ2004は、金属、合金、メタマテリアル及び合成物などの材料で構築され得る。例えば、アンテナ2004は、銅又は、銅合金で作製され得る。アンテナ2004は、電力転送要件に基づいて様々な形状を有するように構築され得る。
図20に示す例示的システム2000では、アンテナ2004は、互いに密接して配置されるアンテナセグメント2010を含む同心ループの形状で構築される。
図20に示すように、単一同心ループは、アンテナセグメント2010の2つを含み得る。例えば、最内ループは、ループを2つの半分にほぼ分割する仮想線2012の右に第1のアンテナセグメント2010cを、且つ対応する第2のアンテナセグメント2010c’を仮想線2012の左に含み得る。隣接アンテナセグメント2010を貫流する電流は、互いに反対方向であり得る。例えば、アンテナセグメント2010a’、2010b’、2010c’内の電流が
図20の左から右に流れていれば、アンテナセグメント2010a、2010b、2010cのそれぞれのアンテナセグメント内の電流は、右から左に流れ得る。電流の反対方向流れは、電力転送システム2000の遠距離場において電磁放射の相互相殺を生じる。したがって、電力転送システム2000の遠距離場への電力の転送がない可能性がある。しかし、このような相殺は、電力転送システム2000の電力の転送が発生し得る近接場活性区域内で発生しない可能性がある。当業者は、遠距離場における電磁放射の相殺及び近接場内のこのような相殺の欠如が、互いに反対方向に流れる電流によって生成される時変電場及び磁場のマクスウェル方程式の1つ又は複数の解によって決定付けられることを理解することになる。当業者は、近接場活性区域が電力転送システム2000の極近傍内の電磁力の存在によって画定されることをさらに理解するべきである。
【0262】
[00302] 電力転送システム2000は、底面又はその上に接地面(図示せず)を含み得る。接地面は、金属、合金及び合成物などの材料によって形成され得る。一実施形態では、接地面は、銅又は銅合金によって形成され得る。いくつかの実施形態では、接地面は、固体シートの材料で構築され得る。他のいくつかの実施形態では、接地面は、ループ、螺旋、メッシュなどの形状で配置された材料ストリップを使用して構築され得る。アンテナに電力供給線を運ぶビア2005は、接地面を貫通し得る。いくつかの実施形態では、接地面は、アンテナに電気的に接続され得る。いくつかの実施形態では、接地面は、アンテナ2004に電気的に接続されない可能性がある。このような実装のために、接地面からビア2005を絶縁する絶縁領域がビア2005と接地面との間に構築され得る。いくつかの実施形態では、接地面は、アンテナ2004によって生成される電磁波の反射器としての役割を果たし得る。換言すれば、接地面は、電力転送システム2000の底面を越える電磁気伝搬を、底面を越えて形成される透過像を相殺及び/又は反射することによって許容しない可能性がある。接地面によって電磁波を反射することは、上面2001から又はそれに向かってアンテナ2004によって送信される電磁波を強化し得る。したがって、底面からの電磁力の漏洩がない可能性がある。
【0263】
[00303]
図21は、本開示の一実施形態による例示的近接場電力転送システム2100の上面斜視図を概略的に示す。いくつかの実施形態では、電力転送システム2100は、送電器の一部であり得るか又はそれに関連付けられ得る。他のいくつかの実施形態では、電力転送システム2100は、受電器の一部であり得るか又はそれに関連付けられ得る。電力転送システム2100は、上面2101、底面(図示せず)及び側壁2103によって画定される筐体を含み得る。いくつかの実施形態では、筐体は、電磁波が通過するための最小の妨害を生成する材料で構築され得る。他のいくつかの実施形態では、筐体の様々な部分は、透磁率及び誘電率などの様々な電磁的性質を有する材料によって構築され得る。例えば、上面2101は、電磁波が最小の妨害で通過することを可能にし得る一方、側壁2103は、減衰、吸収、反射又は当技術分野で知られた他の技術によって電磁波を妨害し得る。
【0264】
[00304] 基板2107は、上面2101、側壁2103及び底面2102間に画定される空間内に配置され得る。いくつかの実施形態では、電力転送システム2100は、筐体を含まない可能性があり、基板2107は、上面2101、側壁2103及び底面2102を含み得る。基板2107は、吸収、反射、絶縁することができるか又はそうでなければ電流を通す電線路を収容することができる任意の材料(メタマテリアルなど)を含み得る。メタマテリアルは、望ましい透磁率及び誘電率を生じるように設計される広範なクラスの合成材料であり得る。透磁率及び誘電率の少なくとも一方は、電力転送要求及び/又は政府規則の準拠制約に基づき得る。本明細書において開示されるメタマテリアルは、放射を受信若しくは送信し得るか又は薄い反射器としての役割を果たし得る。
【0265】
[00305] アンテナ2104は、上面2101上又はその下に構築され得る。電力転送システム2100が送電器の一部であるか又はそれに関連付けられる場合、アンテナ2104は、電磁波を送信するために使用され得る。代替的に、電力転送システム2100が受電器の一部であるか又はそれに関連付けられる場合、アンテナ2104は、電磁波を受信するために使用され得る。いくつかの実施形態では、電力転送システム2100は、送受信器として動作し得、アンテナ2104は、電磁波を送信することと受信することとの両方を行い得る。アンテナ2104は、金属、合金及び合成物などの材料で構築され得る。例えば、アンテナ2104は、銅又は銅合金で作製され得る。アンテナ2104は、電力転送要件に基づいて様々な形状を有するように構築され得る。
図21に示す例示的システム2100では、アンテナ2104は、モノポールの形状で構築される。ビア2105は、電力供給線(図示せず)をアンテナ2104に運び得る。電力供給線は、電流をアンテナ2104に提供し得る。
【0266】
[00306] 電力転送システム2100は、底面又はその上に接地面(図示せず)を含み得る。接地面は、金属、合金及び合成物などの材料によって形成され得る。一実施形態では、接地面は、銅又は銅合金によって形成され得る。いくつかの実施形態では、接地面は、固体シートの材料で構築され得る。他のいくつかの実施形態では、接地面は、ループ、螺旋、メッシュなどの形状で配置された材料ストリップを使用して構築され得る。電力供給線をアンテナ2104に運ぶビア2105は、接地面を貫通し得る。いくつかの実施形態では、接地面は、アンテナに電気的に接続され得る。いくつかの実施形態では、接地面は、アンテナ2104に電気的に接続されない可能性がある。このような実装のために、接地面からビア2105を絶縁する絶縁領域がビア2105と接地面との間に構築され得る。いくつかの実施形態では、接地面は、アンテナ2104によって生成される電磁波の反射器としての役割を果たし得る。換言すれば、接地面は、電力転送システム2100の底面を越える電磁気伝搬を、底面を越えて形成される透過像を相殺及び/又は反射することによって許容しない可能性がある。接地面によって電磁波を反射することは、上面2101から又はそれに向かってアンテナ2104によって送信される電磁波を強化し得る。したがって、底面からの電磁力の漏洩がない可能性がある。
【0267】
[00307]
図22は、本開示の一実施形態による例示的近接場電力転送システム2200の上面斜視図を概略的に示す。いくつかの実施形態では、電力転送システム2200は、送電器の一部であり得るか又はそれに関連付けられ得る。他のいくつかの実施形態では、電力転送システム2200は、受電器の一部であり得るか又はそれに関連付けられ得る。電力転送システム2200は、上面2201、底面(図示せず)及び側壁2203によって画定される筐体を含み得る。いくつかの実施形態では、筐体は、電磁波が通過するための最小の妨害を生成する材料で構築され得る。他のいくつかの実施形態では、筐体の様々な部分は、透磁率及び誘電率などの様々な電磁的性質を有する材料によって構築され得る。例えば、上面2201は、電磁波が最小の妨害で通過することを可能にし得る一方、側壁2203は、減衰、吸収、反射又は当技術分野で知られた他の技術によって電磁波を妨害し得る。
【0268】
[00308] 基板2207は、上面2201、側壁2203及び底面2202間に画定される空間内に配置され得る。いくつかの実施形態では、電力転送システム2200は、筐体を含まない可能性があり、基板2207は、上面2201、側壁2203及び底面2202を含み得る。基板2207は、吸収、反射、絶縁することができるか又はそうでなければ電流を通す電線路を収容することができる任意の材料(メタマテリアルなど)を含み得る。メタマテリアルは、望ましい透磁率及び誘電率を生じるように設計される広範なクラスの合成材料であり得る。透磁率及び誘電率の少なくとも一方は、電力転送要求及び/又は政府規則の準拠制約に基づき得る。本明細書において開示されるメタマテリアルは、放射を受信若しくは送信し得るか又は薄い反射器としての役割を果たし得る。
【0269】
[00309] アンテナ2204は、上面2201上又はその下に構築され得る。電力転送システム2200が送電器の一部であるか又はそれに関連付けられる場合、アンテナ2204は、電磁波を送信するために使用され得る。代替的に、電力転送システム2200が受電器の一部であるか又はそれに関連付けられる場合、アンテナ2204は、電磁波を受信するために使用され得る。いくつかの実施形態では、電力転送システム2200は、送受信器として動作し得、アンテナ2204は、電磁波を送信することと受信することとの両方を行い得る。アンテナ2204は、金属、合金及び合成物などの材料で構築され得る。例えば、アンテナ2204は、銅又は銅合金で作製され得る。ビア2205は、電力供給線(図示せず)をアンテナに運び得る。電力供給線は、電流をアンテナ2204に提供し得る。アンテナ2204は、電力転送要件に基づいて様々な形状を有するように構築され得る。
図22に示す例示的システム2200では、アンテナ2204は、互いに密接して置かれたアンテナセグメント2210を含むモノポールの形状で構築される。隣接アンテナセグメント2210を貫流する電流は、互いに反対方向であり得る。例えば、アンテナセグメント2210b内の電流が
図22の左から右に流れていれば、アンテナセグメント2210a、2210cのそれぞれのアンテナセグメントの電流は、右から左に流れ得る。電流の反対方向流れは、電力転送システム2200の遠距離場における電磁放射の相互相殺を生じる。したがって、電力転送システム2200の遠距離場において、電力の転送がない可能性がある。しかし、このような相殺は、電力転送システム2200の電力の転送が発生し得る近接場活性区域内で発生しない可能性がある。当業者は、遠距離場における電磁放射の相殺及び近接場内のこのような相殺の欠如が、互いに反対方向に流れる電流によって生成される時変電場及び磁場のマクスウェル方程式の1つ又は複数の解によって決定付けられることを理解することになる。当業者は、近接場活性区域が電力転送システム2200の極近傍内の電磁力の存在によって画定されることをさらに理解するべきである。電力転送システム2200は、底面又はその上に接地面(図示せず)を含み得る。接地面は、金属、合金及び合成物などの材料によって形成され得る。一実施形態では、接地面は、銅又は銅合金によって形成され得る。いくつかの実施形態では、接地面は、固体シートの材料で構築され得る。他のいくつかの実施形態では、接地面は、ループ、螺旋、メッシュなどの形状で配置された材料ストリップを使用して構築され得る。アンテナに電力供給線を運ぶビア2205は、接地面を貫通し得る。いくつかの実施形態では、接地面は、アンテナに電気的に接続され得る。いくつかの実施形態では、接地面は、アンテナ2204に電気的に接続されない可能性がある。このような実装のために、接地面からビア2205を絶縁する絶縁領域がビア2205と接地面との間に構築され得る。いくつかの実施形態では、接地面は、アンテナ2204によって生成される電磁波の反射器としての役割を果たし得る。換言すれば、接地面は、電力転送システム2200の底面を越える電磁気伝搬を、底面を越えて形成される透過像を相殺及び/又は反射することによって許容しない可能性がある。接地面によって電磁波を反射することは、上面2201から又はそれに向かってアンテナ2204によって送信される電磁波を強化し得る。したがって、底面からの電磁力の漏洩がない可能性がある。
【0270】
[00310]
図23は、本開示の一実施形態による例示的近接場電力転送システム2300の上面斜視図を概略的に示す。いくつかの実施形態では、電力転送システム2300は、送電器の一部であり得るか又はそれに関連付けられ得る。他のいくつかの実施形態では、電力転送システム2300は、受電器の一部であり得るか又はそれに関連付けられ得る。電力転送システム2300は、上面2301、底面(図示せず)及び側壁2303によって画定される筐体を含み得る。いくつかの実施形態では、筐体は、電磁波が通過するための最小の妨害を生成する材料で構築され得る。他のいくつかの実施形態では、筐体の様々な部分は、透磁率及び誘電率などの様々な電磁的性質を有する材料によって構築され得る。例えば、上面2301は、電磁波が最小の妨害で通過することを可能にし得る一方、側壁2303は、減衰、吸収、反射又は当技術分野で知られた他の技術によって電磁波を妨害し得る。
【0271】
[00311] 基板2307は、上面2301、側壁2303及び底面2302間に画定される空間内に配置され得る。いくつかの実施形態では、電力転送システム2300は、筐体を含まない可能性があり、基板2307は、上面2301、側壁2303及び底面2302を含み得る。基板2307は、吸収、反射、絶縁することができるか又はそうでなければ電流を通す電線路を収容することができる任意の材料(メタマテリアルなど)を含み得る。メタマテリアルは、望ましい透磁率及び誘電率を生じるように設計される広範なクラスの合成材料であり得る。透磁率及び誘電率の少なくとも一方は、電力転送要求及び/又は政府規則の準拠制約に基づき得る。本明細書において開示されるメタマテリアルは、放射を受信若しくは送信し得るか又は薄い反射器としての役割を果たし得る。
【0272】
[00312] アンテナ2304は、上面2301上又はその下に構築され得る。電力転送システム2300が送電器の一部であるか又はそれに関連付けられる場合、アンテナ2304は、電磁波を送信するために使用され得る。代替的に、電力転送システム2300が受電器の一部であるか又はそれに関連付けられる場合、アンテナ2304は、電磁波を受信するために使用され得る。いくつかの実施形態では、電力転送システム2300は、送受信器として動作し得、アンテナ2304は、電磁波を送信することと受信することとの両方を行い得る。アンテナ2304は、金属、合金及び合成物などの材料で構築され得る。例えば、アンテナ2304は、銅又は銅合金で作製され得る。アンテナ2304は、電力転送要件に基づいて様々な形状を有するように構築され得る。
図23に示す例示的システム2300では、アンテナ2304は、第1の螺旋状ポール2320a及び第2の螺旋状ポール2320bを含むハイブリッドダイポールとして構築される。第1の螺旋状ポール2320aに電流を供給する第1の電力供給線は、第1のビア2305aを介して設けられ得、第2の螺旋状ポール2320bに電流を供給する第2の電力供給線は、第1のビア2305bを介して設けられ得る。螺旋状ポール2320のそれぞれの螺旋状ポール内のアンテナセグメントは、螺旋状ダイポール2320によって生成される遠距離場における電磁放射を互いに相殺し得、これにより遠距離場への電力の転送を低減する。例えば、第1の螺旋状ポール2320a内のアンテナセグメントは、互いに生成される遠距離場電磁放射を相殺し得る。加えて又は選択的に、第1の螺旋状ポール2320aの1つ又は複数のアンテナセグメントによって生成される遠距離場放射は、第2の螺旋状ポール2320bの1つ又は複数のアンテナセグメントによって生成される遠距離場放射によって相殺され得る。当業者は、遠距離場における電磁放射の相殺及び近接場内のこのような相殺の欠如が、互いに反対方向に流れる電流によって生成される時変電場及び磁場のマクスウェル方程式の1つ又は複数の解によって決定付けられることを理解することになる。
【0273】
[00313] 電力転送システム2300は、底面又はその上に接地面(図示せず)を含み得る。接地面は、金属、合金及び合成物などの材料によって形成され得る。一実施形態では、接地面は、銅又は銅合金によって形成され得る。いくつかの実施形態では、接地面は、固体シートの材料で構築され得る。他のいくつかの実施形態では、接地面は、ループ、螺旋、メッシュなどの形状で配置された材料ストリップを使用して構築され得る。アンテナに電力供給線を運ぶビア2305は、接地面を貫通し得る。いくつかの実施形態では、接地面は、アンテナに電気的に接続され得る。いくつかの実施形態では、接地面は、アンテナ2304に電気的に接続されない可能性がある。このような実装のために、接地面からビア2305を絶縁する絶縁領域がビア2305と接地面との間に構築され得る。いくつかの実施形態では、接地面は、アンテナ2304によって生成される電磁波の反射器としての役割を果たし得る。換言すれば、接地面は、電力転送システム2300の底面を越える電磁気伝搬を、底面を越えて形成される透過像を相殺及び/又は反射することによって許容しない可能性がある。接地面によって電磁波を反射することは、上面2301から又はそれに向かってアンテナ2304によって送信される電磁波を強化し得る。したがって、底面からの電磁力の漏洩がない可能性がある。
【0274】
[00314] ハイブリッドアンテナ2304が広帯域及び/又は多周波帯設計のために必要とされ得る。例えば、非ハイブリッド構造は、第1の周波数において且つ送信器と受信器との間の第1の距離において高効率であり得るが、他の周波数及び距離では非効率であり得る。ハイブリッドアンテナ2304などのより複雑な構造を取り込むことで、一定範囲の周波数及び距離に沿った高効率を可能にし得る。
【0275】
[00315]
図24A、24Bは、本開示の一実施形態による例示的近接場電力転送システム2400の上面斜視図及び側面斜視図をそれぞれ概略的に示す。いくつかの実施形態では、電力転送システム2400は、送電器の一部であり得るか又はそれに関連付けられ得る。他のいくつかの実施形態では、電力転送システム100は、受電器の一部であり得るか又はそれに関連付けられ得る。電力転送システム2400は、上面2401、底面2402及び側壁2403によって画定される筐体を含み得る。いくつかの実施形態では、筐体は、電磁波が通過するための最小の妨害を生成する材料で構築され得る。他のいくつかの実施形態では、筐体の様々な部分は、透磁率及び誘電率などの様々な電磁的性質を有する材料によって構築され得る。例えば、上面2401は、電磁波が最小の妨害で通過することを可能にし得る一方、側壁2403は、減衰、吸収、反射又は当技術分野で知られた他の技術によって電磁波を妨害し得る。
【0276】
[00316] 基板2407は、上面2401、側壁2403及び底面2402間に画定される空間内に配置され得る。いくつかの実施形態では、電力転送システム2400は、筐体を含まない可能性があり、基板2407は、上面2401、側壁2403及び底面2402を含み得る。基板2407は、吸収、反射、絶縁することができるか又はそうでなければ電流を通す電線路を収容することができる任意の材料(メタマテリアルなど)を含み得る。メタマテリアルは、望ましい透磁率及び誘電率を生じるように設計される広範なクラスの合成材料であり得る。透磁率及び誘電率の少なくとも一方は、電力転送要求及び/又は政府規則の準拠制約に基づき得る。本明細書において開示されるメタマテリアルは、放射を受信若しくは送信し得るか又は薄い反射器としての役割を果たし得る。
【0277】
[00317] 電力転送システムは、上面2401上又はその下に構築され得る階層アンテナ2404を含み得る。電力転送システム2400が送電器の一部であるか又はそれに関連付けられる場合、アンテナ2404は、電磁波を送信するために使用され得る。代替的に、電力転送システム2400が受電器の一部であるか又はそれに関連付けられる場合、アンテナ2404は、電磁波を受信するために使用され得る。いくつかの実施形態では、電力転送システム2400は、送受信器として動作し得、アンテナ2404は、電磁波を送信することと受信することとの両方を行い得る。アンテナ2404は、金属、合金及び合成物などの材料で構築され得る。例えば、アンテナ2404は、銅又は銅合金で作製され得る。アンテナ2404は、電力転送要件に基づいて様々な形状を有するように構築され得る。
図24A、24Bに示される例示的システム2400では、アンテナ2404は、レベル0階層アンテナ2404a及びレベル1階層アンテナ2404bを有する階層的螺旋構造で構築される。階層アンテナ2404のそれぞれは、アンテナセグメントを含み得、アンテナセグメントは、遠距離場放射を相殺するために反対方向に流れる電流を有する。例えば、レベル_0階層アンテナ2404a内のアンテナセグメントは、互いに生成される遠距離場電磁放射を相殺し得る。加えて又は別の方法では、レベル_0階層アンテナ2404aの1つ又は複数のアンテナセグメントによって生成される遠距離場放射は、レベル_1階層アンテナ2404bの1つ又は複数のアンテナセグメントによって生成される遠距離場放射によって相殺され得る。アンテナへの電力供給線(図示せず)は、ビア2405を介して運ばれる。電力供給線は、電流をアンテナ2404に供給し得る。
【0278】
[00318] 電力転送システム2400は、底面2402に又はその上に接地面2406を含み得る。接地面2406は、金属、合金及び合成物などの材料によって形成され得る。一実施形態では、接地面2406は、銅又は銅合金によって形成され得る。いくつかの実施形態では、接地面2406は、固体シートの材料で構築され得る。他のいくつかの実施形態では、接地面2406は、ループ、螺旋、メッシュなどの形状で配置された材料ストリップを使用して構築され得る。アンテナに電力供給線を運ぶビア2405は、接地面2406を貫通し得る。いくつかの実施形態では、接地面2406は、アンテナ2404の1つ又は複数に電気的に接続され得る。いくつかの実施形態では、接地面2406は、アンテナ2404に電気的に接続されない可能性がある。このような実装のために、接地面2406からビア2405を絶縁する絶縁領域2408がビア2405と接地面2406との間に構築され得る。いくつかの実施形態では、接地面2406は、アンテナ2404によって生成される電磁波の反射器としての役割を果たし得る。換言すれば、接地面は、電力転送システム2400の底面を越える電磁気伝搬を、底面を越えて形成される透過像を相殺及び/又は反射することによって許容しない可能性がある。接地面によって電磁波を反射することは、上面2401から又はそれに向かってアンテナ2404によって送信される電磁波を強化し得る。したがって、底面2402からの電磁力の漏洩がない可能性がある。いくつかの実施形態では、複数の接地面(階層アンテナ2404毎の接地面)が存在し得る。いくつかの実施形態では、階層アンテナは、複数のビアを介して運ばれる様々な電力供給線を有する。
【0279】
[00319] 階層アンテナ2404は、広帯域及び/又は多周波帯設計のために必要とされ得る。例えば、非階層構造は、第1の周波数において且つ送信器と受信器との間の第1の距離において高効率であり得るが、他の周波数及び距離では非効率であり得る。階層アンテナ2404などのより複雑な構造を取り込むことで、一定範囲の周波数及び距離に沿った高効率を可能にし得る。
【0280】
[00320]
図25A~
図25Hは、いくつかの実施形態による代表的近接場アンテナ2500の様々な図を示す。代表的近接場アンテナ2500及びその様々な部品は、原寸に比例して描かれない可能性があることに留意するべきである。さらに、いくつか特徴例が示されるが、様々な他の特徴は、簡潔性のために且つ本明細書において開示される実施例の適切な態様を曖昧にしないように示されない。いくつかの例では、近接場アンテナ2500は、「クワッドポールアンテナ素子」と呼ばれる。いくつかの実施形態では、近接場アンテナ2500は、充電パッド100の一部である、例えば、近接場アンテナ2500の1つ又は複数がアンテナ区域290(
図1B)のそれぞれに含まれる。いくつかの実施形態では、近接場アンテナ2500は、アンテナ区域のそれぞれに含まれる1つのみのアンテナであるが、他のいくつかの実施形態では、近接場アンテナ2500は、本明細書において説明される他のアンテナと共にそれぞれのアンテナ区域に含まれ得る。さらに他の実施形態では、近接場アンテナ2500は、アンテナ区域のいくつかのアンテナ区内に1つのみのアンテナとして含まれ得る一方、他のアンテナ区域は、本明細書において説明される他のタイプのアンテナのみを含み得る。
【0281】
[00321]
図25Aは、いくつかの実施形態による近接場アンテナ2500の等角図を示す。示されるように、近接場アンテナ2500は、反射器2504からオフセットされた(例えば、Z軸に沿ってオフセットされた)基板2506を含み、したがってギャップが反射器2504と基板2506との間に形成される。このような配置では、反射器2504は、第1の面(例えば、第1の水平面:底面)を画定し、基板2506は、第1の面からオフセットされた第2の面(例えば、第2の水平面:上面)を画定する。いくつかの実施形態では、基板2506は、誘電体で作製されるが、他の実施形態では、基板2506は、絶縁、反射、吸収することができるか又はそうでなければ電流を通す電線路を収容することができる他の材料で作製される。メタマテリアルは、望ましい透磁率及び誘電率を生じるために設計される広範なクラスの合成材料である。透磁率及び誘電率の少なくとも一方は、電力転送要求及び/又は政府規則の準拠制約に基づき得る。様々な実施形態では、本明細書において開示されるメタマテリアルは、放射を受信及び送信するために及び/又は反射器として使用され得る。
【0282】
[00322] いくつかの実施形態では、反射器2504は、金属板(例えば、銅、銅合金など)であるが、他のいくつかの実施形態では、反射器2504は、メタマテリアルである。反射器2504は、近接場アンテナ2500によって放射されるいくつか電磁気信号を反射するように構成される。換言すれば、反射器2504は、近接場アンテナ2500の底面を越える電磁気伝搬を、近接場アンテナ2500によって放射される電磁気信号を反射することによって許容しない可能性がある。加えて、反射器2504によって電磁気信号を反射することは、基板2506から又はそれに向かって近接場アンテナ2500のアンテナ素子によって送信される電磁気信号のいくつかの電磁気信号を方向転換し得る。いくつかの例では、反射器2504は、近接場アンテナ2500の遠距離場利得を低減する。いくつかの実施形態では、反射器2504は、近接場アンテナ2500によって放射されるいくつか電磁気信号も相殺する。
【0283】
[00323] 基板2506は、4つの別個の共面アンテナ素子(本明細書では「放射素子」とも呼ぶ)をさらに含み、4つの別個のアンテナ素子のそれぞれは、それぞれの蛇行パターンに従う。4つの別個の共面アンテナ素子は、それぞれ基板の別個の象限を占有し得る。共面アンテナ素子は、共面アンテナ素子のそれぞれの第1の面が基板2506の上面と共面となり、共面アンテナ素子のそれぞれの第2の表面(それぞれの第1の面と反対側の)が基板2506の底面と共面となるように基板2506内に埋め込まれ得る。それぞれの蛇行パターンは、4つの別個の共面アンテナ素子のそれぞれの実効長を増加するために使用され、したがってアンテナ2500の外形寸法を低減する一方、アンテナ2500のより低い共振周波数を生じる。
【0284】
[00324] いくつかの実施形態では、それぞれの蛇行パターンは、すべて同じであるが、他のいくつかの実施形態では、それぞれの蛇行パターンの1つ又は複数は、異なる。4つの別個の共面アンテナ素子のそれぞれは、複数の連続(及び/又は隣接)セグメントを含み、これについて
図25Fを参照して以下に論述される。いくつかの実施形態では(図示せず)、複数のセグメント内の各セグメントの形状は、ほぼ同じである(例えば、それぞれは、長方形又は他の形状である)。代替的に、いくつかの他の実施形態では、複数のセグメント内の少なくとも1つのセグメントの形状は、複数のセグメント内の他のセグメントの形状と異なる。様々な組み合わせの形状がそれぞれのアンテナ素子のセグメントを形成するために使用され得、
図25Aに示される形状は、単に例示であることに留意するべきである。さらに、いくつかの実施形態では、基板2506は、含まれず、4つの別個の共面アンテナ素子は、型打ち金属で作製される(すなわち、放射素子は、反射器2504の上の開放空間内に着座する)。
【0285】
[00325] 4つの別個の共面アンテナ素子は、第1の放射素子2502-A、第2の放射素子2502-B、第3の放射素子2502-C及び第4の放射素子2502-Dとして
図25Aに示される。第1の放射素子2502-A及び第2の放射素子2502-Bは、併せて、第1の軸(例えば、X軸)に沿って配置された(例えば、第1の軸を中心とする)第1のダイポールアンテナ2501-Aを構成(すなわち形成)する。換言すれば、第1の放射素子2502-Aは、第1のダイポールアンテナ2501-Aの第1のポールであり、第2の放射素子2502-Bは、第1のダイポールアンテナ2501-Aの第2のポールである。第1のダイポールアンテナ2501-Aは、点線によって指示される。
【0286】
[00326] 加えて、第3の放射素子2502-C及び第4の放射素子2502-Dは、併せて、第1の軸に対して垂直な第2の軸(例えば、Y軸)に沿って配置された第2のダイポールアンテナ2501-Bを構成(すなわち形成)する。換言すれば、第3の放射素子2502-Cは、第2のダイポールアンテナ2501-Bの第1のポールであり、第4の放射素子2502-Dは、第2のダイポールアンテナ2501-Bの第2のポールである。第2のダイポールアンテナ2501-Bは、一点鎖線によって指示される。
【0287】
[00327]
図25Bは、いくつかの実施形態による近接場アンテナ2500の別の等角図(例えば、等角底面図)を示す。簡単に示すために、反射器2504は、
図25Bに示されない。
【0288】
[00328] 示されるように、近接場アンテナ2500は、基板2504の中央領域に取り付けられる第1のフィード2508-A及び第2のフィード2508-Bをさらに含む。第1のフィード2508-Aは、第1のダイポールアンテナ2501-Aを形成する第1及び第2の放射素子2502-A、2502-Bに接続される。具体的には、第1のフィード2508-Aは、コネクタ2512-Aを介して第2の放射素子2502-Bに、且つ内部ダイポールコネクタ2510-Aを介して第1の放射素子2502-Aに接続される(
図25C)。第1のフィード2508-Aは、電力増幅器(例えば、電力増幅器108、
図26)に由来する電磁気信号を第1及び第2の放射素子2502-A、2502-Bに供給するように構成される。
【0289】
[00329] 第2のフィード2508-Bは、第2のダイポールアンテナ2501-Bを形成する第3及び第4の放射素子2502-C、2502-Dに接続される。具体的には、第2のフィード2508-Bは、コネクタ2512-Bを介して第4の放射素子2502-Dに、且つ内部ダイポールコネクタ2510-Bを介して第3の放射素子2502-Cに接続される(
図25C)。第2のフィード2508-Bは、電力増幅器に由来する電磁気信号を第3及び第4の放射素子2502-C、2502-Dに供給するように構成される。4つの放射素子は、無線受電装置に給電するか又はそれを充電するために使用される供給された電磁気信号(例えば、無線周波電力波)を放射するように構成される。
【0290】
[00330] いくつかの実施形態では、以下に詳細に説明するように、4つの放射素子は、同時に放射しない。代わりに、無線受電装置に関する情報に基づき、第1のダイポールアンテナ2501-Aが電磁気信号を供給されるか、又は第2のダイポールアンテナ2501-Bが電磁気信号を供給されるかのいずれかである。
【0291】
[00331] 第1のダイポールアンテナ2501-Aによって放射される電磁気信号は、第1の偏極を有し、第2のダイポールアンテナ2501-Bによって放射される電磁気信号は、第1の偏極に対して垂直な第2の偏極を有する。偏極の差異は、第1及び第2のダイポールアンテナ2501-A、2501-Bの配向に少なくとも部分的に起因する。例えば、第1のダイポールアンテナ2501-Aは、第1の軸(例えば、X軸)に沿って配置され、第2のダイポールアンテナ2501-Bは、第1の軸に対して垂直である第2の軸(例えば、Y軸)に沿って配置される。したがって、いくつかの例では、電磁気信号は、その偏極が無線受電装置の受電アンテナの偏極に整合するダイポールアンテナに供給される。ダイポールアンテナの1つを電磁気信号供給源(すなわち電力増幅器108)に選択的に結合する過程は、方法3000において(
図30)説明される。
【0292】
[00332] 以下の論述を簡単にするために、基板2506及び放射素子2502-A~2502-Dは、適切な場合、「放射器2507」とまとめて呼ばれる。
【0293】
[00333]
図25C~
図25Dは、近接場アンテナ2500の様々な側面図を示す。ここで、
図25Dの側面図は、
図25Cの側面図に対して90度回転される。いくつかの実施形態又は状況では、第1のフィード2508-Aは、コネクタ2512-Aによって第2の放射素子2502-Bに、且つ内部ダイポールコネクタ2510-Aによって第1の放射素子2502-Aに接続される(
図25Bは、内部ダイポールコネクタ2510-Aも示す)。いくつかの実施形態又は状況では、第2のフィード2508-Bは、コネクタ2512-Bによって第4の放射素子2502-Cに、且つ内部ダイポールコネクタ2510-Bによって第3の放射素子2502-Cに接続される(
図25Bは、内部ダイポールコネクタ2510-Bも示す)。
【0294】
[00334]
図25Eは、いくつかの実施形態による近接場アンテナ2500の別の側面図を示す。示されるように、第1及び第2のフィード2508-A、2508-Bは、放射器2507に対してほぼ垂直である。例えば、フィード2508-A、2508-Bのそれぞれは、それぞれの垂直軸に沿って配置されるが、アンテナ2507は、水平軸/面に沿って配置される。さらに、第1及び第2のフィード2508-A、2508-Bは、第1の端部においてアンテナ2507に接続され、第1の端部に対向する第2の端部においてプリント回路基板2514及び接地面2516に接続される。いくつかの実施形態では、プリント回路基板2514及び接地板2516は、反射器2504を構成する。代替的に、いくつかの実施形態では、反射器2504は、プリント回路基板2514及び接地面2516からオフセットされる(例えば、アンテナ2507とプリント回路基板2514との間に配置される)別個の部品である。この配置では、反射器2504は、開口(図示せず)を画定し得、第1及び第2のフィード2508-A、2508-Bは、前記開口を貫通し得る。
【0295】
[00335] 拡大
図2520に示すように、第1のフィード2508-Aは、シールド2522-Aによって収容された(すなわち囲まれた)供給線2524-A(例えば、導電性金属線)を含む。供給線2524-Aは、金属蒸着2526-Aによってプリント回路基板2514の金属トレース(例えば、通信バス208(
図26))に接続される。さらに、シールド2522-Aは、接地面2516と接触し、これにより第1のダイポール2501-Aを接地する。
【0296】
[00336] 同様に、第2のフィード2508-Bは、シールド2522-Bによって収容された供給線2524-Bを含む。供給線2524-Bは、金属蒸着2526-Bによってプリント回路基板2514の金属トレース(図示せず)に接続される。さらに、シールド2522-Bは、接地面2516と接触し、これにより第2のダイポール2501-Bを接地する。
図26を参照して以下に説明するように、プリント回路基板2514の金属トレースは、1つ又は複数の電力増幅器108、インピーダンス調整部品2620及びスイッチ(本明細書では「切り替え回路系」とも呼ぶ)2630を含む近接場アンテナ2500の1つ又は複数の追加部品(
図25A~
図25Hに図示せず)に接続され得る。
【0297】
[00337]
図25Eに示さないが、誘電体が各フィード内のシールドから供給線を分離(例えば、2つの部品を電気的に絶縁)し得る。加えて、別の誘電体は、シールドを保護するために各フィード内のシールドを囲み得る(すなわち、第1及び第2のフィード2508-A、2508-Bは、同軸ケーブルであり得る)。金属蒸着2526-A、2526-Bの特定の形状は、いくつかの実施形態では変わり得ることにも留意するべきであり、
図25Eに示す形状は、簡単に示すために使用される例である。
【0298】
[00338]
図25Fは、いくつかの実施形態による蛇行パターンに従う代表的放射素子2550を示す。示されるように、代表的放射素子2550は、(i)第1の複数のセグメント2560-A~2560-D、及び(ii)第1の複数のセグメント2560-A~2560-D間に散在された第2の複数のセグメント2562-A~2562-C(点線によって分離される)を含む。いくつかの実施形態では、第1の複数のセグメント2560-A~2560-D及び第2の複数のセグメント2562-A~2562-Cは、連続セグメントである。代替的に、他のいくつかの実施形態では、第1の複数のセグメント2560-A~2560-D及び第2の複数のセグメント2562-A~2562-Cは、隣接セグメントである(例えば、隣接セグメントの端部が互いに当接する)。
図25Fのセグメントを分離する図示された境界(例えば、点線)は、例示目的のためにのみ使用される1つの例示的組の境界に過ぎず、当業者は、(本開示を読むと)他の境界(及びセグメント描写)が本開示の範囲内であることを認識することになる。
【0299】
[00339] 示されるように、第1の複数のセグメント2560-A~2560-D内のセグメントの長さは、放射素子2550の第1の端部2564から放射素子2550の第2の端部2566まで増加する。いくつかの実施形態では、示されないが、第2の複数のセグメント2562-A~2562-C内のセグメントの長さは、放射素子2550の第1の端部2564から放射素子2550の第2の端部2566まで増加する。代替的に、いくつかの他の実施形態では、第2の複数のセグメント2562-A~2562-C内のセグメントの長さは、放射素子2550の第1の端部2564から放射素子2550の第2の端部2566までほぼ同じままである。示された実施形態では、第1の複数のセグメント2560-A~2560-Dの長さは、第2の複数のセグメント2562-A~2562-Cの長さと異なる。さらに、放射素子2550の第2の端部2566に向かう第1の複数のセグメント2560-A~2560-Dの長さは、放射素子2550の第2の端部2566に向かう第2の複数のセグメント2562-A~2562-Cの長さより長い。
【0300】
[00340] いくつかの実施形態では、放射素子の形状は、いくつかの重要な利点を提供する。例えば、
図25Fに示す代表的放射素子2550の特定の形状は、以下の利点を提供する:(i)形状は、2つの垂直方向に配置されたダイポールが小領域に嵌り、且つ基板2506の4象限(各対の象限は、互いに垂直である)を占有することを可能にし、及び(ii)隣接放射素子のセグメント間の幅及びギャップ(すなわち象限間の間隔)は、放射素子の小型形状因子を依然として維持する一方、近接場アンテナ2500を所望の周波数にチューニングするために変更され得る。上記(i)を示すために、
図25Aを参照すると、第1及び第2の放射素子2502-A、2502-Bは、Y軸に沿った近接場アンテナの側部を含む第1の対の象限を占有する。さらに、第3及び第4の放射素子2502-C、2502-Dは、X軸に沿った近接場アンテナの側部を含む第2の対の象限を占有する。したがって、基板2506の第1及び第2の対の象限は、互いに垂直なNFアンテナの側部を含む(例えば、この特徴は、各放射素子の幅が近接場アンテナ2500の中央部から近接場アンテナ2500のそれぞれの側まで増加することによって部分的に容易にされる)。
【0301】
[00341]
図25Gは、いくつかの実施形態による代表的近接場アンテナ2500の上面図を示す。近接場アンテナ2500の寸法は、NFアンテナ2500の他の特徴の中でも、近接場アンテナ2500の動作周波数、近接場アンテナ2500の放射効率及び近接場アンテナ2500によって生成される結果として得られる放射パターン(例えば、放射パターン2800、
図28A)に影響を与え得る。一例として、約918MHzで動作する近接場アンテナ2500以下の寸法(約)を有する:D1=9.3mm、D2=12.7mm、D3=23.7mm、D4=27mm、D5=32mm、D6=37.5mm、D7=10.6mm、D8=5.1mm、D9=10.6mm、D10=5.5mm、D11=2.1mm及びD12=28mm。さらに、反射器2504は、幅65mm、高さ65mm及び0.25mmの厚さを有し得る。
【0302】
[00342]
図25Hは、いくつかの実施形態による代表的近接場アンテナ2500の別の上面図を示す。示されるように、4つの別個の共面アンテナ素子は、それぞれ基板2506の別個の象限を占有する(例えば、一点鎖線によって区切られた象限2570-A~2570-Dの1つを占有する)。さらに、(i)4つの別個のアンテナ素子のそれぞれによって従われるそれぞれの蛇行パターンの第1の端部2564は、近接場アンテナ2500の中央部2574(点線)に接し、(ii)4つの別個のアンテナ素子のそれぞれによって従われるそれぞれの蛇行パターンの第2の端部2566は、近接場アンテナ2500の縁2572A~2572Dの1つに接する。このような配置では、4つの別個のアンテナ素子のそれぞれ(例えば、セグメント2560-D)によって従われるそれぞれの蛇行パターンの最長寸法は、近接場アンテナ2500の中央部2574より近接場アンテナの別個の縁2572に近い。さらに、4つの別個のアンテナ素子のそれぞれによって従われるそれぞれの蛇行パターンの最短寸法は、近接場アンテナ2500の別個の縁2572より近接場アンテナ2500の中央部2574に近い。したがって、4つの別個のアンテナ素子の各アンテナ素子の幅は、近接場アンテナ2500の中央部2574から近接場アンテナ2500のそれぞれの縁2572まで蛇行的な方式で増加する。さらに、いくつかの実施形態では、それぞれの蛇行パターンの最長寸法は、別個の縁2572と平行する。
【0303】
[00343]
図27に示すように、近接場アンテナ2500(反射器を含む場合)は、最小遠距離場利得を有するほぼ一様な放射パターン2700を生成する。上に提供される寸法は、専ら例示的目的のために使用され、当業者は、(本開示を読むと)様々な他の寸法が状況により受容可能放射特性を取得するために使用される可能性があることを理解することになる。
【0304】
[00344]
図26は、いくつかの実施形態による近接場アンテナ2500のいくつかの部品の動作を制御するために使用される制御システム2600のブロック図である。制御システム2600は、充電パッド100(
図1A)の一例であり得るが、充電パッド100に含まれる1つ又は複数の部品は、論述及び図解を簡単にするために制御システム2600に含まれない。
【0305】
[00345] 制御システム2600は、RF送電器集積回路160、1つ又は複数の電力増幅器108、インピーダンス調整部品2620及び第1及び第2のダイポールアンテナ2501-A、2501-Bを含む近接場アンテナ2500を含む。これらの部品のそれぞれは、上に詳細に説明され、インピーダンス調整部品2620は、以下にさらに詳細に説明される。
【0306】
[00346] インピーダンス調整部品2620は、RF終端器又は負荷であり得、第1及び第2のダイポールアンテナ2501-A、2501-Bの少なくとも1つのダイポールアンテナのインピーダンスを調整するように構成される。別の言い方をすると、インピーダンス調整部品2620は、ダイポールアンテナのインピーダンスを変更し、これにより2つのダイポールアンテナ間のインピーダンス不整合を生成するように構成される。2つのダイポールアンテナ間のインピーダンス不整合を生成することにより、2つのダイポールアンテナ間の相互結合は、実質的に低減される。インピーダンス調整部品2620は、アンテナを調整する部品の一例であることに留意するべきである。様々な他のアンテナ調整部品は、2つのダイポールの一方が他のダイポールの伝送周波数にチューニングされないことを保証するためにアンテナの様々な他の特徴(例えば、各ダイポールのそれぞれのアンテナ素子の長さなど)を調整するために(例えば、放射素子のいずれかの放射素子の実効長を変更するために)使用される可能性がある。
【0307】
[00347] 制御システム2600は、その中に1つ又は複数のスイッチ(図示せず)を有するスイッチ2630(本明細書では「切り替え回路系」とも呼ぶ)も含む。スイッチ2630は、RF送電器集積回路160から電気信号(例えば、「制御出力」信号)の形式で1つ又は複数の命令を受信したことに応答して、第1及び第2のダイポールアンテナ2501-A、2501-Bをインピーダンス調整部品2620及び少なくとも1つの電力増幅器108にそれぞれ(逆も同様)切り替え可能に結合するように構成される。例えば、スイッチ2630は、1つ又は複数のスイッチを介して第1のダイポールアンテナ2501-Aをインピーダンス調整部品2620に、且つ第2のダイポールアンテナ2501-Bを少なくとも1つの電力増幅器108に結合し得る(又は逆も同様)。
【0308】
[00348] 上に論述された切り替えを達成するために、スイッチ2630は、別個の信号経路を(例えば、その中の1つ又は複数のスイッチを介して)第1及び第2のダイポールアンテナ2501-A、2501-Bに提供する。スイッチのそれぞれは、閉じられると、i)それぞれの電力増幅器108(又は複数の電力増幅器108)とそれぞれのダイポールアンテナとの間、又は(ii)インピーダンス調整部品2620とそれぞれのダイポールアンテナとの間のいずれかに独自の経路を生成する。別の言い方をすると、スイッチ2630を通る独自の経路のいくつかは、RF信号をダイポールアンテナ2501-A、2501-Bの1つに選択的に提供するために使用され、スイッチ2630を通る独自の経路のいくつかは、ダイポールアンテナ2501-A、2501-Bの1つのダイポールアンテナのインピーダンスを調整する(すなわちダイポールアンテナ2501-A、2501-Bを離調する)ために使用される。切り替え回路系の2つ以上のスイッチが同時に閉じられ得、これにより同時に使用され得る近接場アンテナ2500への複数の独自の経路を生成することに留意するべきである。
【0309】
[00349] 示されるように、RF送電器集積回路160は、バス208を介してスイッチ2630に結合される。RF送電器集積回路160は、その中の1つ又は複数のスイッチの動作を制御するように構成される(
図1A、1C、26では「制御出力」信号として示される)。例えば、RF送電器集積回路160は、それぞれの電力増幅器108と第1のダイポールアンテナ2501-Aとを接続するスイッチ2630内の第1のスイッチを閉じ得、且つインピーダンス調整部品2620と第2のダイポールアンテナ2501-Bとを接続するスイッチ2630内の第2のスイッチを閉じ得、逆も同様である。さらに、RF送電器集積回路160は、1つ又は複数の電力増幅器108に結合され、且つ好適なRF信号(例えば、「RF出力」信号)の生成を引き起こすと共に、このRF信号を1つ又は複数の電力増幅器108に提供することを引き起こすように構成される。1つ又は複数の電力増幅器108は、したがって、切り替え回路系2630内のいずれのスイッチ(又はスイッチ群)が閉じられるかに依存して、スイッチ2630を介してRF信号をダイポールアンテナの1つに(例えば、RF送電器集積回路160からの受信された命令に基づいて)提供するように構成される。
【0310】
[00350] いくつかの実施形態では、RF送電器集積回路160コントローラは、スイッチ2630及び1つ又は複数の電力増幅器108の1つの電力増幅器の動作を、(i)近接場アンテナ2500の近くの(又はその上の)無線受電装置の位置、(ii)無線受電装置の受電アンテナの偏極、及び(iii)無線受電装置の空間的配向の1つ又は複数に基づいて制御するように構成される。いくつかの実施形態では、RF送電器集積回路160は、RF送電器集積回路160が、(i)無線受電装置の位置、(ii)無線受電装置の受電アンテナの偏極、及び(iii)無線受電装置からの無線受電装置の空間的配向を判断することを可能にする情報を受信する。例えば、無線受電装置は、上記のそれぞれを指示する(例えば、1つ又は複数の通信信号内のデータは無線受電装置の位置、偏極及び/又は配向を指示する)1つ又は複数の通信信号を近接場アンテナ2500の通信ラジオに送信し得る。さらに、
図1Aに示すように、無線通信部品204(すなわち近接場アンテナ2500の通信ラジオ)がRF送電器集積回路160に接続される。したがって、無線通信部品204によって受信されたデータがRF送電器集積回路160に運ばれ得る。
【0311】
[00351] いくつかの実施形態では、第1のダイポールアンテナ2501-Aは、第1の偏極を有する電磁気信号(例えば、水平方向に偏極された電磁気信号)を放射するように構成され得、第2のダイポールアンテナ2501-Bは、第2の偏極を有する電磁気信号(例えば、垂直方向に偏極された電磁気信号)を放射するように構成され得る(逆も同様)。さらに、無線受電装置の受電アンテナが、第1の偏極を有する電磁気信号を受信するように構成されれば、RF送電器集積回路160は、第1のダイポールアンテナ2501-Aを1つ又は複数の電力増幅器108に接続し、且つスイッチ2630を介してインピーダンス調整部品2620と第2のダイポールアンテナ2501-Bとを接続する。このようにして、近接場アンテナ2500によって放射される電磁気信号は、標的装置の偏極に整合する偏極を有し、これにより無線受電装置に転送されるエネルギーの効率を増加させる。
【0312】
[00352] いくつかの実施形態では、スイッチ2630は、近接場アンテナ2500の(例えば、内部の)一部分であり得る。代替的に、いくつかの実施形態では、スイッチ2630は、近接場アンテナ2500から分離されている(例えば、スイッチ2630は、別個の部品であり得るか、別の部品(電力増幅器108など)の一部であり得る)。上記を達成することができる任意のスイッチ設計が使用され得ることに留意するべきである。
【0313】
[00353]
図27は、後方反射器2504を含む(すなわち放射アンテナ素子の後ろに金属反射器がある)場合に近接場アンテナ2500によって生成される放射パターン2700を示す。図示された放射パターン2700は、(i)第1のダイポールアンテナ2501-Aが1つ又は複数の電力増幅器108によって電磁気信号を供給され、且つ(ii)近接場アンテナ2500が反射器2504を含む場合に近接場アンテナ2500によって生成される。示されるように、放射パターン2700は、X軸及びY軸に沿って生成されたより高集中のEMエネルギーを有し(且つZ軸に沿った放射零を有し)、全体的トーラス形状を形成する。したがって、電磁場集中は、NFアンテナ2500に近いところにあり、遠距離場利得は、最小化される(例えば、EM場集中は、放射器2507及び反射器2504(
図25E)に近いところに位置する)。示さないが、放射パターン2700は、X軸とアライメントされた方向に偏極される。
【0314】
[00354] したがって、反射器2504を取り込むことにより、放射パターン2700は、放射パターン2800に対してX軸を中心として90度回転される(
図28A、以下に論述される)。加えて、反射器2504を取り込むことにより、遠距離場利得を大幅に低減する放射零がZ軸に沿って形成され、近接場アンテナ2500によって放射されるエネルギーは、近接場アンテナ2500から近接場距離内に集中される。再び、第2のダイポールアンテナ2501-Bは、第1のダイポールアンテナ2501-Aが電磁気信号を供給される場合にインピーダンス調整部品2620に接続され得る。
【0315】
[00355]
図28A~
図28Cは、反射器2504を含まない近接場アンテナ2500の実施形態によって生成される様々な放射パターンを示す。
図28Aに示す放射パターン2800は、第1のダイポールアンテナ2501-Aが1つ又は複数の電力増幅器108によって電磁気信号を供給された場合に近接場アンテナ2500によって生成される。示されるように、放射パターン2800は、Z軸及びX軸に沿って生成されるより高集中のEMエネルギーを有し(且つY軸に沿って放射零を有し)、且つ全般的トーラス形状を形成する。このパターン2800は、アンテナ素子が反射器なしに近接場アンテナ2500の外方に/それに対して垂直方向に放射することを示す。示さないが、放射パターン2800は、第1の方向に偏極(例えば、X軸とアライメント)される。さらに、第2のダイポールアンテナ2501-Bは、第1のダイポールアンテナ2501-Aが1つ又は複数の電力増幅器108によって電磁気信号を供給される場合にインピーダンス調整部品2620に接続され得る。
【0316】
[00356]
図28Bに示す放射パターン2810は、第2のダイポールアンテナ2501-Bが1つ又は複数の電力増幅器108によって電磁気信号を供給される場合に近接場アンテナ2500によって生成される(すなわち、第1のダイポールアンテナ2501-Aは、電磁気信号を供給されず、代わりにインピーダンス調整部品2620に接続され得る)。
図28Bは、Z軸及びY軸に沿って生成されるより高集中のEMエネルギーを有し(且つX軸に沿って放射零を有し)、且つまた全般的トーラス形状を形成する放射パターン2810を示す。示さないが、放射パターン2810は、第2の方向に偏極(例えば、X軸とアライメント)される。したがって、第1のダイポールアンテナ2501-Aは、第1の方向に偏極された放射パターン2800を生成するように構成され、第2のダイポールアンテナ2501-Bは、第1の方向に対して垂直な第2の方向に偏極された放射パターン2810を生成するように構成される。このようにして、第1のダイポールアンテナ2501-Aは、第1のダイポールアンテナ2501-Aによって生成される電磁気信号の偏極が無線受電装置の受電アンテナの偏極に整合する場合に供給される。代替的に、第2のダイポールアンテナ2501-Dは、第2のダイポールアンテナ2501-Bによって生成される電磁気信号の偏極が無線受電装置の受電アンテナの偏極に整合する場合に供給される。
【0317】
[00357]
図28Cは、第1及び第2両方のダイポールアンテナが1つ又は複数の電力増幅器108によって電磁気信号を供給されどちらのダイポールアンテナもインピーダンス調整部品2620に接続されない場合に生成された放射パターン2820を示す。示されるように、放射パターン2820は、Z軸、X軸及びY軸に沿って生成される(且つ放射零がX軸とY軸との間に形成される)より高集中のEMエネルギーを有し、全般的トーラス形状を形成する。
【0318】
[00358]
図29A、29Bは、いくつかの実施形態による近接場アンテナ2500のダイポールアンテナによって放射され、且つ吸収されたエネルギーの集中を示す。
【0319】
[00359] 特に、
図29Aは、第1のダイポールアンテナ2501-Aのインピーダンスが第2のダイポールアンテナ2501-Bのインピーダンスにほぼ整合する場合のダイポールアンテナ2501-A、2501-Bによって放射され、且つ吸収された結果として得られるエネルギーの集中を示す。
図29Bは、第1のダイポールアンテナ2501-Aのインピーダンスが第2のダイポールアンテナ2501-Bのインピーダンスと異なる場合(ダイポールアンテナの1つをインピーダンス調整部品2620に接続することによって実現される)の近接場アンテナ2500のダイポールアンテナ2501-A、2501-Bによって放射され、且つ吸収された結果として得られるエネルギーの集中を示す。別の言い方をすると、第1及び第2のダイポールアンテナ2501-A、2501-Bは、ダイポールアンテナの1つがインピーダンス調整部品2620に接続された結果として意図的に離調される。
【0320】
[00360] 隣接アンテナ素子間のインピーダンス不整合の欠如は、隣接アンテナ素子間の実質的相互結合に至る。「相互結合」は、1つのアンテナ素子(又は1つのアンテナダイポール)が放射している場合にエネルギーが別の直近のアンテナ素子(又はアンテナダイポール)によって吸収されていることを指す。密集したアンテナ素子を有するアンテナ(又はアンテナアレイ)は、通常、隣接アンテナ素子間の望ましくない相互結合(放射効率に対するアンテナの能力を制限する)に直面する(この問題は、アンテナ素子が直近に一緒に置かれる場合及びアンテナ素子が小型である場合に特に深刻である)。
【0321】
[00361] 例えば、
図29Aを参照すると、第2のダイポールアンテナ2501-Bは、1つ又は複数の電力増幅器108によって電磁気信号を供給され、第2のダイポールアンテナ2501-Bに沿った彩色は、第2のダイポールアンテナ2501-Bによって放射されたエネルギーの様々な集中を表す。ここで、赤は、高集中に対応し、緑は、中間集中に対応し、及び青は、低集中に対応する。
図29Aの第1のダイポールアンテナ2501-Aは、独立に放射していないが、第2のダイポールアンテナ2501-Bによって放射されたある量のエネルギーは、2つのダイポールアンテナ間の相互結合の結果として第1のダイポールアンテナ2501-Aにおいて吸収される。この相互結合のために、近接場アンテナ2500の放射効率は、最適化されない(例えば、NFアンテナ2500は、送信しようとするエネルギーの50%以下を転送することができるのみであり得る)。
【0322】
[00362] 対照的に、
図29Bを参照すると、第2のダイポールアンテナ2501-Bは、1つ又は複数の電力増幅器108によって電磁気信号を供給される。加えて、第1のダイポールアンテナ2501-Aは、インピーダンス調整部品2620に結合され、これにより2つのダイポールアンテナ間の意図的インピーダンス不整合を生成する。このような構成では、
図29Bの第1のダイポールアンテナ2501-Aは、第2のダイポールアンテナ2501-Bによって放射されるエネルギーよりはるかに少ない(第1のダイポールアンテナ2501-Aが、
図29Aにおいて吸収していたエネルギーの量と比較して)エネルギーを吸収する。したがって、
図29Bの近接場アンテナ2500の放射効率は、
図29Aの近接場アンテナ2500の放射効率より高い(例えば、NFアンテナ2500は、現在送信しようとするエネルギーの90%以上のエネルギーを放射することができ得る)。
【0323】
操作方法
[00363]
図30は、いくつかの実施形態による無線送電の方法3000を示す流れ図である。方法3000の操作(例えば、工程)は、近接場アンテナ(例えば、近接場アンテナ2500、
図25A)に関連付けられたコントローラ(例えば、RF送電器集積回路160、
図1A、26)によって行われ得る。
図30に示す操作の少なくともいくつかは、コンピュータメモリ又はコンピュータ可読記憶媒体(例えば、充電パッド100のメモリ206、
図2A)内に格納される命令に対応する。
【0324】
[00364] 方法3000は、反射器(例えば、反射器2504、
図25A)と、反射器からオフセットされた4つの別個の共面アンテナ素子(例えば、放射素子2502-A~2502-D、
図25A)とを含む近接場アンテナを提供すること(3002)を含む。4つの別個のアンテナ素子は、それぞれの蛇行パターン(
図25Fに示す蛇行パターンなど)に従う。さらに、(i)4つの共面アンテナ素子の2つのアンテナ素子は、第1の軸(例えば、X軸、
図25A)とアライメントされた第1のダイポールアンテナ(例えば、ダイポールアンテナ2501-A、
図25A)を形成し、(ii)4つの共面アンテナ素子の別の2つのアンテナ素子(例えば、ダイポールアンテナ2501-B、
図25A)は、第1の軸に対して垂直な第2の軸(例えば、Y軸、
図25A)とアライメントされた第2のダイポールアンテナを形成する。いくつかの実施形態では、それぞれの蛇行パターンは、すべて同じである。
【0325】
[00365] いくつかの実施形態では、4つの別個の共面アンテナ素子の第1のアンテナ素子(例えば、第1の放射素子2502-A)は、第1のダイポールアンテナの第1のポールであり、4つの別個の共面アンテナ素子の第2のアンテナ素子(例えば、第2の放射素子2502-B)は、第1のダイポールアンテナの第2のポールである。さらに、4つの別個の共面アンテナ素子の第3のアンテナ素子(例えば、第3の放射素子2502-C)は、第2のダイポールアンテナの第1のポールであり得、4つの別個の共面アンテナ素子の第4のアンテナ素子(例えば、第4の放射素子2502-D)は、第2のダイポールアンテナの第2のポールであり得る。第1のダイポールアンテナを形成する2つのアンテナ素子は、第1の軸に対して垂直な2つのセグメントをそれぞれ含み得、第2のダイポールアンテナを形成する他の2つのアンテナ素子は、第1の軸に平行な2つのセグメントをそれぞれ含み得る。例えば、
図25Aを参照すると、第1及び第2の放射素子2502-A、2502-Bは、X軸に対して垂直な2つのセグメント(例えば、セグメント2560-C、2560-D、
図25F)をそれぞれ含み、第3及び第4の放射素子2502-C、2502-Dは、X軸に対して平行な2つのセグメント(例えば、セグメント2560-C、2560-D、
図25F)をそれぞれ含む。このような配置では、第1のダイポールアンテナを形成する2つのアンテナ素子は、第1の偏極を有する電磁気信号を放射するように構成され、第2のダイポールアンテナを形成する2つのアンテナ素子は、第1の偏極に対して垂直な第2の偏極を有する電磁気信号を放射するように構成される。
【0326】
[00366] いくつかの実施形態では、4つの別個のアンテナ素子のそれぞれは、(i)第1の複数のセグメント、及び(ii)第1の複数のセグメントのそれぞれの間に散在された第2の複数のセグメントを含む。例えば、
図25Gを参照すると、第2の複数のセグメント2562A~2562Cは、第1の複数のセグメント2560A~2560D間に散在される。このような実施形態では、
図25F、25Gに示すように、第1の複数のセグメント内のセグメントの第1の長さは、アンテナ素子の第1の端部からアンテナ素子の第2の端部まで増加する。各アンテナ素子の「第1の端部」は、
図25Fに示す第1の端部2564に対応し、各アンテナ素子の第1の端部は、近接場アンテナ2500の中央部2574(
図25H)に近いことに留意するべきである。さらに、各アンテナ素子の「第2の端部」は、
図25Fに示す第2の端部2566に対応し、各アンテナ素子の第2の端部2566は、近接場アンテナ2500の縁2572(
図25H)方向に延伸する。したがって、簡単に言えば、4つの別個のアンテナ素子のそれぞれのアンテナ素子の幅は、近接場アンテナ2500の中央部から近接場アンテナ2500のそれぞれの縁まで蛇行的な方式で増加する。
【0327】
[00367] いくつかの実施形態では、第2の複数のセグメント内のセグメントの第2の長さもアンテナ素子の第1の端部からアンテナ素子の第2の端部まで増加する一方、他の実施形態では、第2の複数のセグメント内のセグメントの第2の長さは、
図25Fに示すようにほぼ同じままである。加えて、第1の複数のセグメント内の1つ又は複数のセグメントの第1の長さは、第2の複数のセグメント内のセグメントの第2の長さと異なる。いくつかの実施形態では、アンテナ素子の第2の端部に向かう第1の複数のセグメントの第1の長さは、アンテナ素子の第2の端部に向かう第2の複数のセグメントの第2の長さより長い。例えば、セグメント2560-C、2560-Dの長さは、セグメント2562-B、2562-Cの長さよりかなり長い。放射素子のセグメントは、
図25F、25Gを参照して上にさらに詳細に論述された。
【0328】
[00368] いくつかの実施形態では、4つの別個のアンテナ素子のそれぞれによって従われるそれぞれの蛇行パターンの第1の端部は、近接場アンテナの同じ中央部(例えば、中央部2574、
図25H)に接し、4つの別個のアンテナ素子のそれぞれによって従われるそれぞれの蛇行パターンの第2の端部は、近接場アンテナの別個の縁(例えば、縁2572の1つ、
図25H)に接する。さらに、4つの別個のアンテナ素子のそれぞれによって従われるそれぞれの蛇行パターンの最長寸法は、近接場アンテナの同じ中央部よりも近接場アンテナの別個の縁に近い可能性がある。加えて、4つの別個のアンテナ素子のそれぞれによって従われるそれぞれの蛇行パターンの最短寸法は、近接場アンテナの別個の縁より近接場アンテナの同じ中央部に近い可能性がある。
【0329】
[00369] いくつかの実施形態では、4つの別個の共面アンテナ素子は、基板上又はその中に形成される。例えば、
図25Aと25Bに示すように、4つの別個の共面アンテナ素子の対向する第1及び第2の面は、基板2506の対向する第1及び第2の面に曝され且つそれと共面をなす。アンテナ素子が保護されるように誘電体(例えば、熱可塑性又は熱硬化性重合体)が4つの別個の共面アンテナ素子の上に蒸着され得る(誘電体の特性に依存して可視であってもなくてもよい)ことに留意するべきである。いくつかの実施形態では、基板は、所定の透磁率又は誘電率のメタマテリアルを含み得る。メタマテリアル基板は、近接場アンテナの性能を全体として増加させ得る(例えば、普通の誘電体で作製される基板と比較して放射効率を増加させ得る)。
【0330】
[00370] 近接場アンテナは、4つの共面アンテナ素子の少なくとも2つに結合された切り替え回路系(例えば、スイッチ2630、
図26)をさらに含む。例えば、近接場アンテナは、対向する第1及び第2の端を有する第1のフィード(例えば、フィード2508-A)を含み得、第1のフィードの第1の端は、第1のダイポールアンテナを構成する2つのアンテナ素子の第1のアンテナ素子に接続され、第1のフィードの第2の端は、切り替え回路系に(例えば、プリント回路基板2514上に蒸着される金属トレースを介して)接続される(
図25E)。加えて、近距離場アンテナは、対向する第1及び第2の端を有する第2のフィード(例えば、フィード2508-B)を含み得、第2のフィードの第1の端は、第2のダイポールアンテナを構成する2つのアンテナ素子の第1のアンテナ素子に接続され、第2のフィードの第2の端は、切り替え回路系に(例えば、プリント回路基板2514上に蒸着される金属トレース(例えば、バス208)を介して)接続される。フィード及びプリント回路基板は、
図25Eを参照して上にさらに詳細に論述された。
【0331】
[00371] 近距離場アンテナは、切り替え回路系に(例えば、金属トレースを介して)結合された電力増幅器(例えば、電力増幅器108、
図26)及び切り替え回路系に(例えば、金属トレースを介して)結合されたインピーダンス調整部品(例えば、部品2520、
図26)も含む。近距離場アンテナは、切り替え回路系及び電力増幅器の動作を制御するように構成されたコントローラ(例えば、RF送電器集積回路160、
図1A、26)も含み得る。コントローラは、金属トレースを介して切り替え回路系及び電力増幅器に接続され得る。電力増幅器、インピーダンス調整部品及びコントローラは、
図26を参照して上にさらに詳細に論述された。
【0332】
[00372] 方法3000は、(i)第1のダイポールアンテナを電力増幅器に、且つ(ii)第2のダイポールアンテナをインピーダンス調整部品に結合する(逆も同様)ことを切り替え回路系に指示すること(3004)をさらに含む。例えば、
図26を参照すると、RF送電器集積回路160は、切り替え回路系2630内の1つ又は複数の第1のスイッチを閉じてそれぞれの電力増幅器108と第1のダイポールアンテナ2501-Aとを接続させる「制御出力」信号を切り替え回路系2630に送信し得る。「制御出力」信号はまた、切り替え回路系2630内の1つ又は複数の第2のスイッチを閉じて、インピーダンス調整部品2620と第2のダイポールアンテナ2501-Bとを接続させる。いくつかの実施形態では、切り替え回路系2630は、第1及び第2の切り替え回路を含むことに留意するべきである。このような実施形態では、第1の切り替え回路は、第1のダイポールアンテナを電力増幅器に、且つ第2のダイポールアンテナインピーダンス調整部品に接続するために閉じられる。さらに、第2の切り替え回路は、第1のダイポールアンテナをインピーダンス調整部品に、且つ第2のダイポールアンテナを電力増幅器に接続するために閉じられる。切り替え回路系2630の制御動作は、
図26を参照して上にさらに詳細に論述された。
【0333】
[00373] コントローラによって生成され提供される1つ又は複数の信号は、無線受電装置(例えば、受信器104、
図2B)から受信される情報に基づき得る。例えば、コントローラは、それぞれが無線受電装置から受信され得る無線受電装置の位置情報、(ii)無線受電装置の受電アンテナの偏極情報、及び/又は(iii)無線受電装置の配向情報を受信し得る。さらに、1つ又は複数の電気信号は、この受信情報に基づき得る。別の言い方をすると、コントローラは、(i)無線受電装置の位置(位置情報によって指示される)、(ii)無線受電装置の受電アンテナの偏極(偏極情報によって指示される)、及び(iii)無線受電装置の配向(配向情報によって指示される)の1つ又は複数に基づいて切り替え回路系及び電力増幅器の動作を制御するように構成され得る。
【0334】
[00374]
図26を参照して上に説明したように、切り替え回路系は、RF送電器集積回路160から1つ又は複数の電気信号(例えば、「制御出力」信号)を受信することに応答して、第1及び第2のダイポールアンテナ2501-A、2501-Bをインピーダンス調整部品2620及び電力増幅器108のそれぞれに切り替え可能に結合するように構成される(逆も同様)。さらに、いくつかの実施形態では、切り替え回路系は、近接場アンテナが第1の動作モードにある場合、第1のダイポールアンテナを電力増幅器に、且つ第2のダイポールアンテナをインピーダンス調整部品に切り替え可能に結合するように構成され得る。さらに、切り替え回路系は、近接場アンテナが第1の動作モードと異なる第2の動作モードにある場合、第2のダイポールアンテナを電力増幅器に、且つ第1のダイポールアンテナをインピーダンス調整部品に切り替え可能に結合するように構成され得る。
【0335】
[00375] 方法3000は、切り替え回路系を介して電磁気信号を第1のダイポールアンテナに供給するように電力増幅器に指示すること(3006)をさらに含む。例えば、
図26を参照すると、RF送電器集積回路160は、「RF出力」信号を電力増幅器に送信する。電力増幅器は、受信された「RF出力」信号を増幅し(必要に応じて)、次に増幅されたRF信号を、切り替え回路系を介して第1のダイポールアンテナに提供し得る。電磁気信号は、第1のダイポールアンテナに供給されると、近接場アンテナからの閾値距離内に位置する無線受電装置によって受信される電磁気信号を第1のダイポールアンテナに放射させる。無線受電装置は、受信されると、無線受電装置に結合された電子装置に給電するか又はそれを充電するために、放射された電磁気信号からのエネルギーを使用し得る。加えて、第2のダイポールアンテナは、インピーダンス調整部品に接続されており、第1のダイポールアンテナは、接続されていないため、第2のダイポールアンテナのインピーダンスは、第1のダイポールアンテナのインピーダンスと異なるように調整される(インピーダンス調整部品により)。このような配置では、第1のダイポールアンテナ及び第2のダイポールアンテナは、離調される(例えば、第1のダイポールアンテナの動作周波数は、第2のダイポールアンテナの動作周波数と異なる)。
【0336】
[00376] いくつかの実施形態では、方法3000は、第1のダイポールアンテナによって放射された電磁気信号の少なくとも一部を反射器によって反射することをさらに含む。加えて、いくつかの実施形態では、方法3000は、第1のダイポールアンテナによって放射された電磁気信号の少なくとも一部を反射器によって相殺することをさらに含む。
【0337】
[00377] これらの例のすべては非限定的であり、任意数の組み合わせ及び多層構造が、上述の例構造を使用することによって可能である。
【0338】
[00378] 当業者が本開示を読みながら容易に理解するように、別の実施形態は、様々な実施形態において組み合わされる又はそうでなければ再配置される
図1~
図30の実施形態を含む上記実施形態の様々な下位集合も含む。
【0339】
[00379] 本明細書における本発明の説明に使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とするものであり、本発明を制限するようには意図されていない。本発明の説明と添付の特許請求の範囲において使用されるように、文脈が明示しない限り単数形の定冠詞と不定冠詞は複数形も同様に含むように意図されている。本明細書で使用される用語「及び/又は」は、関連リストアイテムの1つ又は複数のリストアイテムの全ての可能な組み合わせに言及し且つ包含することも理解されることになる。用語「含む」は、本明細書で使用される場合、記載された機能、工程、動作、素子及び/又は部品の存在を明示するが、1つ又は複数の他の機能、工程、動作、素子、部品及び/又はこれらのグループの存在又は追加を排除するものではないこともさらに理解されることになる。
【0340】
[00380] 第1、第2などの用語は様々な素子を説明するために本明細書で使用されるが、これらの素子はこれらの用語によって限定されるべきではないことも理解されることになる。これらの用語は1つの素子を別の素子から区別するためにのみ使用される。例えば、「第1の領域」のすべての発生が一貫して改称され且つ第2の領域のすべての発生が一貫して改称される限り、本明細書の意味を変更することなく、第1の領域は第2の領域と称せられる可能性があり、同様に第2の領域は第1の領域と称せられる可能性がある。第1の領域と第2の領域は両方とも領域であるが同じ領域ではない。
【0341】
[00381] これまでの説明は、説明を目的として、特定の実施形態を参照して行われた。しかし、上記例示的論述は、網羅的であること又は本発明を開示された正確な形式に限定することを意図するものではない。上記教示を考慮することによって多くの修正形態及び変形形態が可能である。実施形態は、本発明の原理及び実用化について最も良く説明するために、及びこれにより当業者が本発明及び企図される特定の使用に適するような様々な修正を有する様々な実施形態を最も良く利用できるようにするために選択され説明された。