(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置及びそれを含むエアロゾル生成システム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20230704BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20230704BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/465
(21)【出願番号】P 2021518765
(86)(22)【出願日】2020-12-08
(86)【国際出願番号】 KR2020017844
(87)【国際公開番号】W WO2021125665
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2021-04-05
(31)【優先権主張番号】10-2019-0168999
(32)【優先日】2019-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【氏名又は名称】森山 正浩
(72)【発明者】
【氏名】ユン,スンウク
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨンファン
(72)【発明者】
【氏名】イ,スンウォン
(72)【発明者】
【氏名】ハン,デナム
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-529324(JP,A)
【文献】国際公開第2019/053268(WO,A1)
【文献】特表2016-534730(JP,A)
【文献】特表2019-526247(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/40-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成物品を収容するように形成される開口を有するハウジングと、
前記開口を介して挿入される前記エアロゾル生成物品を収容するように形成される収容空間と、
前記収容空間を形成する内部壁、及び前記内部壁を取り囲む外部壁を含み、前記内部壁と前記外部壁との間に内部空間が形成される放熱構造体と、
前記外部壁と前記ハウジングとの間に配置されて誘導磁場を発生させるように形成されるコイルと、を含み、
前記内部壁は、前記誘導磁場に基づいて熱を生成するように形成され、
前記放熱構造体は、前記外部壁と前記内部壁とを連結する上部壁及び下部壁を有し、
前記放熱構造体は、一側に閉鎖された底を有するカップ状であり、
前記下部壁は、前記放熱構造体の前記底から前記内部壁と前記外部壁との間隙を覆うように形成され
、
前記下部壁の内部に真空の空間が形成され、前記内部壁から生成される熱が前記下部壁を通じてバッテリに伝達されることを抑制する、エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記内部壁から前記外部壁に熱が伝達されることを遮断するように、前記放熱構造体の前記内部空間は、真空空間である、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記内部壁は、前記上部壁及び前記下部壁それぞれの内部に延びる延長部を含む、請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記延長部は、前記上部壁及び前記下部壁の円周方向に沿って形成される、請求項3に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記延長部は、前記エアロゾル生成物品の挿入方向である長手方向に沿って延びる一部を含む、請求項4に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記放熱構造体の前記外部壁は、非金属材料によって形成される、請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
エアロゾル生成物品を収容するように形成される開口を有するハウジングと、
前記開口を介して挿入される前記エアロゾル生成物品を収容するように形成される収容空間と、
内部壁と、前記内部壁を取り囲む外部壁とを含み、前記内部壁と前記外部壁との間に内部空間が形成される放熱構造体と、
前記放熱構造体に配置され、誘導磁場を発生させるように形成されるコイルと、
前記誘導磁場に基づいて熱を生成するように形成されるサセプタと、を含み、
前記サセプタと前記内部壁との間に前記コイルが配置されるように、前記サセプタが前記収容空間を取り囲むように配置され、
前記放熱構造体は、前記外部壁と前記内部壁とを連結する上部壁及び下部壁を有し、
前記放熱構造体は、一側に閉鎖された底を有するカップ状であり、
前記下部壁は、前記放熱構造体の前記底から前記内部壁と前記外部壁との間隙を覆うように形成され
、
前記下部壁の内部に真空の空間が形成され、前記サセプタから前記下部壁を通じてバッテリに熱が伝達されることを抑制する、エアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記内部壁から前記外部壁に熱が伝達されることを遮断するように、前記放熱構造体の前記内部空間は、真空空間である、請求項7に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記下部壁には、ワイヤが通過する通孔が形成され、
前記コイルは、前記ワイヤを通じて前記エアロゾル生成装置の制御部と電気的に連結される、請求項7に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項10】
前記放熱構造体は、常磁性体金属を含み、前記コイルから発生する前記誘導磁場を遮蔽するように形成される、請求項7に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項11】
請求項1~10のうち、いずれか1項に記載のエアロゾル生成装置と、
前記エアロゾル生成装置に収容されるエアロゾル生成物品と、を含む、エアロゾル生成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、放熱構造体を含むエアロゾル生成装置及びそれを含むエアロゾル生成システムに関し、さらに詳細には、エアロゾル生成物品を加熱する間に装置の外部に熱が伝達されて発生する被害を防止することができる放熱構造体を含むエアロゾル生成装置及びそれを含むエアロゾル生成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法に係わる需要が増加している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではない、エアロゾル生成物質が加熱されることにより、エアロゾルが生成される方法に係わる需要が増加している。これにより、加熱式シガレットまたは、加熱式エアロゾル生成装置に係わる研究が活発に進められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
エアロゾル生成装置は、ヒータを通じてエアロゾル生成物品を加熱し、ユーザは、加熱されたエアロゾル生成物品を通じてエアロゾルを吸い込む。ユーザは、エアロゾル生成装置を手で把持して使用することができる。この際、エアロゾル生成装置のヒータから放出された熱がユーザに安全ではなく伝達されうる。
【0004】
従来のエアロゾル生成装置は、ヒータから放出された熱がユーザに伝達されることを防止する放熱構造体を含まないか、ハウジングの一部を放熱構造体で構成して効率的な熱遮断が困難であった。これにより、適切な断熱がない場合、エアロゾル生成装置のヒータから放出された熱が、エアロゾル生成装置を把持しているユーザの手に安全ではなく伝達され、ユーザが熱感を感じてしまうという問題点があった。
【0005】
本開示は、上述した従来のエアロゾル生成装置の問題点を解決するために、放熱構造体を含むエアロゾル生成装置及びエアロゾル生成システムを提供する。
【0006】
本開示を通じて解決しようとする課題は、上述した課題に制限されるものではなく、言及されていない課題は、本明細書及び添付図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物品を収容するように形成される開口を有するハウジング;前記開口を介して挿入される前記エアロゾル生成物品を収容するように形成される収容空間;前記収容空間を形成する内部壁、及び前記内部壁を取り囲む外部壁を含み、前記内部壁と前記外部壁との間に内部空間が形成される放熱構造体;及び前記外部壁と前記ハウジングとの間に配置されて誘導磁場を発生させるように形成されるコイル;を含み、前記内部壁は、前記コイルから発生した前記誘導磁場によって熱を生成するように形成される。
【0008】
本開示のエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物品を収容するように形成される開口を有するハウジング;前記開口を介して挿入される前記エアロゾル生成物品を収容するように形成される収容空間;内部壁と、前記内部壁を取り囲む外部壁を含み、前記内部壁と前記外部壁との間に内部空間が形成される放熱構造体;前記放熱構造体に配置され、誘導磁場を発生させるように形成されるコイル;及び前記誘導磁場に基づいて熱を生成するように形成されるサセプタ;を含み、前記サセプタと前記内部壁との間に前記コイルが配置されるように、前記サセプタが前記収容空間を取り囲むように配置される。
【発明の効果】
【0009】
本開示のエアロゾル生成装置の放熱構造体は、内部壁と外部壁とを含むが、放熱構造体の内部壁は、サセプタとして形成されてエアロゾル生成物品を加熱することができる。本開示は、放熱構造体の内部壁をサセプタとして構成することで、別途の追加ヒータなしにエアロゾル生成物品を加熱することができる。これにより、エアロゾル生成装置の内部空間を効率的に活用することができる。
【0010】
放熱構造体は、内部壁と外部壁との間に真空の内部空間を形成してもよい。内部壁と外部壁との間に形成された真空の内部空間は、熱が内部壁から外部壁に伝達されることを効果的に遮断することができる。これにより、エアロゾル生成装置を使用するユーザにサセプタから放出された熱が伝達されることを効果的に防止することができる。
【0011】
本開示による効果が上述した効果に制限されるものではなく、言及されていない効果は、本明細書及び添付図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施例に係わるエアロゾル生成装置にエアロゾル生成物品が挿入された一例を示す図面である。
【
図2】エアロゾル生成物品の一例を示す図面である。
【
図3】他の実施例に係わるエアロゾル生成装置の断面斜視図である。
【
図4】
図3に示された放熱構造体の一態様に関する断面斜視図である。
【
図5】他の実施例に係わる放熱構造体の断面斜視図である。
【
図6】他の実施例に係わるエアロゾル生成装置の放熱構造体に関する断面斜視図である。
【
図7A】一実施例に係わる放熱構造体の例示的斜視図である。
【
図7B】さらに他の実施例に係わる放熱構造体の他の例示的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
一実施例によるエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物品を収容するように形成される開口を有するハウジング;前記開口を介して挿入される前記エアロゾル生成物品を収容するように形成される収容空間;前記収容空間を形成する内部壁、及び前記内部壁を取り囲む外部壁を含み、前記内部壁と前記外部壁との間に内部空間が形成される放熱構造体;及び前記外部壁と前記ハウジングとの間に配置されて誘導磁場を発生させるように形成されるコイル;を含み、前記内部壁は、前記コイルから発生した前記誘導磁場によって熱を生成するように形成される。
【0014】
前記放熱構造体は、前記外部壁と前記内部壁とを連結する上部壁及び下部壁を有し、前記内部壁から前記外部壁に熱が伝達されることを遮断するように、前記放熱構造体の前記内部空間は、真空空間でもある。
【0015】
前記内部壁は、前記上部壁及び前記下部壁それぞれの内部に延びる延長部を含んでもよい。
【0016】
前記延長部は、前記上部壁及び前記下部壁の円周方向に沿って形成されてもよい。
【0017】
前記延長部は、前記エアロゾル生成物品の挿入方向である長手方向に沿って延びる一部を含んでもよい。
【0018】
前記下部壁は、前記放熱構造体の底から前記内部壁と前記外部壁との間隔を覆うことができる。
【0019】
前記下部壁内部には、真空の空間が形成され、前記内部壁から生成された熱が前記下部壁を通じて伝達されることを遮断することができる。
【0020】
前記放熱構造体の前記外部壁は、非金属材料によって形成されてもよい。
【0021】
他の実施例に係わるエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物品を収容するように形成される開口を有するハウジング;前記開口を介して挿入される前記エアロゾル生成物品を収容するように形成される収容空間;内部壁と、前記内部壁を取り囲む外部壁を含み、前記内部壁と前記外部壁との間に内部空間が形成される放熱構造体;前記放熱構造体に配置され、誘導磁場を発生させるように形成されるコイル;及び前記誘導磁場に基づいて熱を生成するように形成されるサセプタ;を含み、前記サセプタと前記内部壁との間に前記コイルが配置されるように、前記サセプタが前記収容空間を取り囲むように配置される。
【0022】
前記放熱構造体は、前記外部壁と前記内部壁とを連結する上部壁及び下部壁を有し、前記内部壁から前記外部壁に熱が伝達されることを遮断するように、前記放熱構造体の前記内部空間は、真空空間でもある。
【0023】
前記下部壁は、前記放熱構造体の底から前記内部壁と前記外部壁との間隔を覆うことができる。
【0024】
前記下部壁内部には、真空の空間が形成され、前記内部壁から生成された熱が前記下部壁を通じて伝達されることを遮断することができる。
【0025】
前記下部壁には、ワイヤが通過する通孔が形成され、前記コイルは、前記ワイヤを通じて前記エアロゾル生成装置の制御部と電気的に連結されうる。
【0026】
前記放熱構造体は、常磁性体金属を含み、前記コイルから発生した誘導磁場を遮蔽するように形成されてもよい。
【0027】
他の実施例によれば、エアロゾル生成システムが上述したエアロゾル生成装置と、前記エアロゾル生成装置に収容されるエアロゾル生成物品と、を含んでもよい。
【0028】
実施例において使用される用語は、本発明の多様な実施例の機能を考慮しつつ、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは、当業者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合、通常使用されていない用語が選択された場合もあり、その場合、当該発明の説明部分でその意味が詳細に記載されるであろう。したがって、本開示の多様な実施例で使用される用語は、ここで提供される用語の意味と説明に基づいて定義されるものである。
【0029】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載された「…部」、「…モジュール」というような用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたは、ソフトウェアによって具現されるか、あるいは、ハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0030】
ここで、使用される要素リストの前に位置する「少なくとも1つの」のような表現は、要素の全体リストを修飾するものであり、リストの個別要素を修飾するものではない。例えば、「a、b、及びcの少なくとも1つ」は、ただa、ただb、ただc、aとbの両方、aとcの両方、bとcの両方、またはa、b、及びcをいずれも含むと理解されねばならない。
【0031】
1つの要素や層が他の要素や層の「上に」、「上方に」、「上部に」、「連結された」、「結合された」と言及する時、1つの要素や層が他の要素や層のすぐ上に、直上に、上部に、連結されるか、または結合されてもよい。逆に、1つの要素が他の要素や層の「すぐ上に」、「直上に」、「すぐ上部に」、「直接連結された」、または「直接結合された」と言及するときには、中間に介在された要素や層が存在しないことを意味する。全体として同一番号は、同一要素を指す。
【0032】
以下、当該技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施可能なように添付図面を参考にして、本開示の実施例についてさらに詳細に説明する。しかし、本開示は、様々な異なる形として具現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
【0033】
以下、図面を参照して本開示の実施例を詳細に説明する。
【0034】
図1は、エアロゾル生成装置にエアロゾル生成物品が挿入された一例を示す図面である。
【0035】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置100は、コイル140、サセプタ150、バッテリ160及び制御部170を含む。また、エアロゾル生成装置100の内部空間には、エアロゾル生成物品200が挿入されてもよい。
【0036】
図1に示されたエアロゾル生成装置100には、本実施例と係わる一部構成要素だけが示されている。したがって、
図1に示された構成要素以外に他の構成要素がエアロゾル生成装置100にさらに含まれるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0037】
図1には、バッテリ160、制御部170、及びサセプタ150が一列に配置されたと示されているが、それに限定されない。すなわち、エアロゾル生成装置100の設計によって、バッテリ160、制御部170、及びサセプタ150の配置は、変更されてもよい。
【0038】
エアロゾル生成物品200がエアロゾル生成装置100に挿入されれば、エアロゾル生成装置100は、エアロゾル生成物品200を誘導加熱(induction heating)方式で加熱することができる。エアロゾル生成物品200内のエアロゾル生成物質は、加熱されたサセプタ150によって温度が上昇し、これにより、エアロゾルが生成されうる。生成されたエアロゾルは、後述するエアロゾル生成物品200のフィルタロッド220を通じてユーザに伝達される。必要に応じて、エアロゾル生成物品200がエアロゾル生成装置100に挿入されない場合にも、エアロゾル生成装置100は、サセプタ150を加熱することができる。
【0039】
誘導加熱方式は、外部磁場によって発熱する磁性体に周期的に方向が変わる交番磁場(alternating magnetic field)を印加して磁性体から熱を生成する方式を意味する。外部磁場によって発熱する磁性体は、サセプタ(susceptor)でもある。サセプタは、切片、薄片または、ストリップなどの形状でエアロゾル生成物品の内部に含まれてもよい。また、前述したように、サセプタは、エアロゾル生成物品の内部に含まれる代りに、エアロゾル生成装置100に配置されてもよい。
【0040】
図1に示される実施例において、エアロゾル生成装置100のコイル140は、エアロゾル生成物品200が収容される空間の周りに巻線されて誘導磁場を発生させ、サセプタ150は、コイル140の位置に対応する位置に配置されてコイル140から発生した誘導磁場によって発熱することができる。
【0041】
磁性体に交番磁場が印加される場合、磁性体には、渦流損(eddy current loss)及びヒステリシス損(hysteresis loss)によるエネルギー損失が発生し、損失エネルギーが熱エネルギーとして磁性体から放出されうる。磁性体に印加される交番磁場の振幅または周波数が大きいほど、磁性体から多くの熱エネルギーが放出される。エアロゾル生成装置100は、磁性体に交番磁場を印加することで、磁性体から熱エネルギーを放出させ、磁性体から放出される熱エネルギーをエアロゾル生成物品200に伝達することができる。
【0042】
実施例によれば、サセプタ150は、金属または炭素を含んでもよい。サセプタ150は、フェライト(ferrite)、強磁性合金(ferromagnetic alloy)、ステンレス鋼(stainles ssteel)及びアルミニウム(Al)のうち、少なくとも1つを含んでもよい。また、サセプタ150は、黒鉛(graphite)、モリブデン(molybdenum)、シリコンカーバイド(silicon carbide)、ニオブ(niobium)、ニッケル合金(nickel alloy)、金属フィルム(metal film)、ジルコニア(zirconia)のようなセラミック、ニッケル(Ni)やコバルト(Co)のような遷移金属、ホウ素(B)やリン(P)のような準金属のうち、少なくとも1つを含んでもよい。
【0043】
サセプタ150がエアロゾル生成物品の内部ではないエアロゾル生成装置100に備えられることにより、多様な利点がある。例えば、サセプタ物質がシガレット内部に均一に分布しない場合に、エアロゾルと香味が不均一に発生する問題点が解決されうる。また、サセプタ150は、エアロゾル生成装置100に備えられるので、誘導加熱によって発熱するサセプタ150の温度が直接測定されてエアロゾル生成装置100に提供され、それにより、サセプタ150の温度に対する精巧な制御が行われうる。
【0044】
後述するように、コイル140は、バッテリ160から電力を供給されうる。エアロゾル生成装置100の制御部170は、コイル140に流れる電流を制御することで、磁場を発生させ、該磁場の影響でサセプタ150に誘導電流が発生しうる。そのような誘導加熱現象は、ファラデーの誘導法則(Faraday's Law of induction)及びオームの法則(Ohm's Law)によって説明される公知の現象であって、伝導体が交番磁場に位置する場合、交番電場が生成される現象を意味する。
【0045】
上記のように電場が伝導体内に生成されれば、渦電流がオームの法則によって伝導体内に流れ、渦電流は、電流密度及び伝導体抵抗に比例する熱を発生させる。
【0046】
すなわち、コイル140に電力が供給される場合、コイル140の内部に磁場が形成されてもよい。コイル140にバッテリ160から交流電流が印加される場合、コイル140の内部に形成される磁場は、周期的に方向が変わる。サセプタ150がコイル140の内部に形成されて周期的に方向が変わる交番磁場に露出される場合、サセプタ150が発熱してエアロゾル生成装置100に収容されるエアロゾル生成物品200が加熱されうる。
【0047】
コイル140によって形成される交番磁場の振幅または周波数が変わる場合、エアロゾル生成物品200を加熱するサセプタ150の温度も変わる。制御部170は、コイル140に供給される電力を制御してコイル140によって形成される交番磁場の振幅または周波数を調整し、それにより、サセプタ150の温度が制御されうる。
【0048】
一例示として、コイル140は、ソレノイド(solenoid)としても具現される。ソレノイドを構成する導線の材質は、銅(Cu)でもある。但し、それに限定されるものではなく、低い比抵抗値を有し、高い電流が流れる材質として銀(Ag)、金(Au)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、亜鉛(Zn)及びニッケル(Ni)のうち、いずれか1つ、または、少なくとも1つを含む合金がソレノイドを構成する導線の材質にもなる。
【0049】
バッテリ160は、エアロゾル生成装置100の動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ160は、サセプタ150が加熱されるようにコイル140に電力を供給し、制御部170の動作に必要な電力を供給する。また、バッテリ160は、エアロゾル生成装置100に設けられたディスプレイ、センサー、モータなどの動作に必要な電力を供給する。
【0050】
制御部170は、エアロゾル生成装置100の動作を全般的に制御する。例えば、制御部170は、コイル140に供給される電力を制御することができる。また、制御部170は、バッテリ160だけではなく、エアロゾル生成装置100に含まれた他の構成の動作を制御する。また、制御部170は、エアロゾル生成装置100の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置100が動作可能な状態であるか否かを判断しうる。
【0051】
制御部170は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイとしても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリの組合わせによっても具現される。また、他の形態のハードウェアによっても具現されるということを、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0052】
図1では、サセプタ150がエアロゾル生成物品200の内部に挿入されるように配置されると示されているが、それに限定されない。例えば、サセプタ150は、管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素、または棒状加熱要素を含み、加熱要素の形状によってエアロゾル生成物品200の内部または外部を加熱することができる。
【0053】
また、エアロゾル生成装置100には、サセプタ150が複数個配置されてもよい。この際、複数個のサセプタ150は、エアロゾル生成物品200の内部に挿入されるように配置されてもよく、エアロゾル生成物品200の外部に配置されてもよい。また、複数個のサセプタ150のうち、一部は、エアロゾル生成物品200の内部に挿入されるように配置され、残りは、エアロゾル生成物品200の外部に配置されてもよい。また、サセプタ150の形状は、
図1に示された形状に限定されず、多様な形状にも作製される。
【0054】
一方、エアロゾル生成装置100は、コイル140、バッテリ160、制御部170及びサセプタ150以外に他の要素をさらに含んでもよい。例えば、エアロゾル生成装置100は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ及び/または触覚情報の出力のためのモータを含んでもよい。また、エアロゾル生成装置100は、少なくとも1つのセンサー(例えば、パフ感知センサー、温度感知センサー、シガレット(エアロゾル生成物品)挿入感知センサーなど)を含んでもよい。
【0055】
また、エアロゾル生成装置100は、エアロゾル生成物品200がエアロゾル生成装置100に挿入された状態でも、外部空気が流入されるか、内部気体が流出される構造にも作製される。
【0056】
図1には、示されていないが、エアロゾル生成装置100は、別途のクレードルと共に、システムを構成してもよい。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置100のバッテリ160の充電に用いられる。また、クレードルとエアロゾル生成装置100が結合された状態でサセプタ150が加熱されてもよい。
【0057】
エアロゾル生成物品200は、一般シガレットのような一般的な燃焼型シガレットと類似してもいる。例えば、エアロゾル生成物品200は、エアロゾル生成物質を含む第1部分210とフィルタなどを含む第2部分220に区分されてもよい。または、エアロゾル生成物品200の第2部分220にもエアロゾル生成物質が含まれる。例えば、顆粒またはカプセルの形態に作られたエアロゾル生成物質が第2部分220に挿入されてもよい。
【0058】
エアロゾル生成装置100の内部には、第1部分210全体が挿入され、第2部分220は、外部に露出されうる。または、エアロゾル生成装置100の内部に第1部分210の一部だけ挿入されてもよく、第1部分210及び第2部分220の一部が挿入されてもよい。ユーザは、第2部分220を口にした状態でエアロゾルを吸い込むことができる。この際、エアロゾルは、外部空気が第1部分210を通過することで生成され、生成されたエアロゾルは、第2部分220を通過してユーザの口に伝達される。
【0059】
一例として、外部空気は、エアロゾル生成装置100に形成された少なくとも1つの空気通路を通じても流入される。例えば、エアロゾル生成装置100に形成された空気通路の開閉及び/または空気通路の大きさは、ユーザによって調節されうる。これにより、霧化量、喫煙感などがユーザによって調節されうる。他の例として、外部空気は、エアロゾル生成物品200の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を通じてエアロゾル生成物品200の内部に流入されてもよい。
【0060】
以下、
図2を参照して、エアロゾル生成物品200の一例について説明する。
【0061】
図2は、エアロゾル生成物品の一例を示す図面である。
【0062】
図2を参照すると、エアロゾル生成物品200は、タバコロッド210及びフィルタロッド220を含む。
図1を参照して上述した第1部分210は、タバコロッド210を含み、第2部分220は、フィルタロッド220を含む。
【0063】
図2には、フィルタロッド220が単一セグメントとして示されているが、それに限定されない。すなわち、フィルタロッド220は、複数のセグメントで構成されてもよい。例えば、フィルタロッド220は、エアロゾルを冷却する第1セグメント及びエアロゾル内に含まれた所定の成分をフィルタリングする第2セグメントを含んでもよい。また、必要に応じて、フィルタロッド220には、他の機能を遂行する少なくとも1つのセグメントをさらに含んでもよい。
【0064】
エアロゾル生成物品200は、少なくとも1枚のラッパ240によっても包装される。ラッパ240には、外部空気が流入されるか、あるいは内部気体が流出される少なくとも1つの孔(hole)が形成されてもよい。一例として、エアロゾル生成物品200は、1枚のラッパ240によっても包装される。他の例として、エアロゾル生成物品200は、2以上のラッパ240によって重畳的に包装されてもよい。例えば、第1ラッパによってタバコロッド210が包装され、第2ラッパによってフィルタロッド220が包装される。そして、個別ラッパによって包装されたタバコロッド210及びフィルタロッド220が結合され、第3ラッパによってエアロゾル生成物品200全体が再包装されてもよい。もし、タバコロッド210またはフィルタロッド220それぞれが複数のセグメントで構成されているならば、それぞれのセグメントが個別ラッパによっても包装される。そして、個別ラッパによって包装されたセグメントが結合されたエアロゾル生成物品200全体が他のラッパによっても再包装される。
【0065】
タバコロッド210は、エアロゾル生成物質を含む。例えば、エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち、少なくとも1つを含むが、それらに限定されない。また、タバコロッド210は、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含んでもよい。また、タバコロッド210には、メントールまたは保湿剤などの加香液が、タバコロッド210に噴射されることによって添加される。
【0066】
タバコロッド210は、多様に作製されてもよい。例えば、タバコロッド210は、シート(sheet)によっても作製され、ストランド(strand)によっても作製される。また、タバコロッド210は、タバコシートが細かく切られた刻みタバコによっても作製される。また、タバコロッド210は、熱伝導物質によっても覆い包まれる。例えば、熱伝導物質は、アルミニウムホイルのような金属ホイルでもあるが、それに限定されない。一例として、タバコロッド210を取り囲む熱伝導物質は、タバコロッド210に伝達される熱を押し並べて分散させ、タバコロッドに加えられる熱伝導率を向上させ、これにより、タバコ風味を向上させうる。また、タバコロッド210を取り囲む熱伝導物質は、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタとしての機能が行える。この際、図面に示されていないが、タバコロッド210は、外部を覆い包む熱伝導物質以外にも追加のサセプタをさらに含んでもよい。
【0067】
フィルタロッド220は、酢酸セルロースフィルタでもある。一方、フィルタロッド220の形状には、制限がない。例えば、フィルタロッド220は、円柱状ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ状ロッドでもある。また、フィルタロッド220は、リセス状ロッドでもある。もし、フィルタロッド220が複数のセグメントで構成された場合、複数のセグメントのうち、少なくとも1つが異なる形状にも作製される。
【0068】
フィルタロッド220は、香味が発生するように作製されてもよい。一例として、フィルタロッド220に加香液が噴射されてもよく、加香液が塗布された別途の繊維がフィルタロッド220の内部に挿入されてもよい。
【0069】
また、フィルタロッド220には、少なくとも1つのカプセル230が含まれてもよい。ここで、カプセル230は、香味を発生させる機能を行ってよく、エアロゾルを発生させる機能を行ってもよい。例えば、カプセル230は、香料を含む液体を被膜で覆い包む構造でもある。カプセル230は、球状または、円筒状を有するが、それに制限されない。
【0070】
もし、フィルタロッド220にエアロゾルを冷却するセグメントが含まれる場合、冷却セグメントは、高分子物質または生分解性高分子物質によっても製造される。例えば、冷却セグメントは、純粋なポリ乳酸(polylactic acid)だけでも作製されるが、それに限定されない。または、冷却セグメントは、複数の孔が形成された酢酸セルロースフィルタによっても作製される。しかし、冷却セグメントは、上述した例に限定されず、エアロゾルが冷却される機能が行えるならば、制限なしに該当しうる。
【0071】
図3は、他の実施例に係わるエアロゾル生成装置の断面斜視図である。以下では、上述した説明と重複する範囲における詳細な説明は省略する。
【0072】
図3を参照すれば、エアロゾル生成装置100は、ハウジング110、収容空間120、放熱構造体130、及びコイル140を含んでいる。
【0073】
エアロゾル生成装置100のハウジング110は、エアロゾル生成物品200が挿入される開口111を含む。ハウジング110の内部には、開口111を介して挿入されたエアロゾル生成物品200を収容する収容空間120が形成されている。
【0074】
図3に示される実施例において放熱構造体130は、円筒状であり、エアロゾル生成物品200が収容空間120に収容されれば、放熱構造体130は、エロゾル生成物品200の周囲を取り囲むように配置されている。但し、放熱構造体130の形状は、上述したところによって制限されず、エアロゾル生成物品200の収容に適した他の形状を有してもよい。例えば、放熱構造体130は、断面が多角形であるか、断面が楕円形である管状でもある。
【0075】
放熱構造体130は、内部壁131及び外部壁132を有する二重壁構造でもある。但し、放熱構造体130の壁構造は、それに限定されず、実施例によって多重壁の互いに異なる形状でもある。
図3を参照すれば、放熱構造体130は、収容空間120を形成する内部壁131及び内部壁131の外側に配置される外部壁132を含んでもよい。これにより、放熱構造体130の内部壁131と外部壁132との間には、内部空間133が形成されてもよい。
【0076】
コイル140は、ハウジング110と外部壁132との間に配置されており、前述したように、コイル140は、制御部170の制御によってバッテリ160から交流電流が印加されて交番磁場を発生させうる。
【0077】
図4は、
図3に示された放熱構造体の断面斜視図である。
【0078】
図4を参照して、一実施例に係わるエアロゾル生成装置100の放熱構造体130をさらに詳細に説明する。
【0079】
図4に示される実施例において、放熱構造体130の内部壁131は、コイル140から発生した誘導磁場によって熱を生成するサセプタ150でもある。したがって、内部壁131は、エアロゾル生成物品200を加熱することができる。例えば、放熱構造体130の内部壁131は、エアロゾル生成物品200が収容されれば、エアロゾル生成物品200の外部と接触し、内部壁131は、コイル140から発生した誘導磁場によって熱を生成することで収容されたエアロゾル生成物品200を加熱することができる。
【0080】
前述したように、内部壁131は、サセプタ150として機能するために、金属または炭素を含んでもよく、望ましくは、強磁性体金属を含んでもよい。
【0081】
また、外部壁132は、非金属材料によって形成されてもよい。もし、外部壁132が強磁性体金属によって形成される場合には、問題が発生しうるが、これは、外部壁132の外部に配置されたコイル140によって外部壁132が内部壁131と共に発熱してしまう。また、もし外部壁が常磁性体金属によって形成される場合には、外部壁132がコイル140から発生する誘導磁場を遮蔽するので、内部壁131が適切に発熱しない問題が発生しうる。したがって、そのような問題が発生することを防止するために、外部壁132は、非金属材料によっても形成され、プラスチックのように誘導磁場に影響を受けない材料でもある。
【0082】
また、放熱構造体130は、内部壁131と外部壁132とを連結する上部壁134及び下部壁135を含んでもよい。放熱構造体130の内部壁131、外部壁132、上部壁134、及び下部壁135によって形成される内部空間133は、真空でもある。したがって、内部空間133を介した熱伝達がほとんどなされないので、内部壁131から生成された熱が外部壁132が外部に伝達されることが遮断されうる。
【0083】
放熱構造体130の内部空間133の真空を保持するために、放熱構造体130の内部壁131、外部壁132、上部壁134、及び下部壁135は、それぞれ気密に結合されうる。例えば、外部壁132、上部壁134、及び下部壁135が一体に形成され、内部壁131に気密に結合されうる。但し、上述したところによって制限されるものではない。例えば、内部壁131、外部壁132、上部壁134、及び下部壁135がそれぞれ形成された後、それぞれが気密に結合されうる。
【0084】
以下では、放熱構造体130それぞれの壁を気密に製造する工程を例示的に説明する。まず、内部壁131を形成し、外部壁132、上部壁134、及び下部壁135を射出によって一体型に成形する。次いで、一体型として成形された外部壁132、上部壁134、及び下部壁135を内部壁131と焼結によって結合させることで、放熱構造体130を形成することができる。但し、放熱構造体130の製造工程は、上述したところによって制限されるものではなく、通常の技術者は、内部壁131、外部壁132、上部壁134、及び下部壁135それぞれの素材に基づいて変形させうる。
【0085】
図5は、他の実施例による放熱構造体の断面斜視図である。
【0086】
図5を参照すれば、放熱構造体130の内部壁131は、上部壁134、及び下部壁135それぞれの内部に延びる延長部136を含んでもよい。延長部136は、内部壁131から外側に延びて上部壁134及び下部壁135それぞれの内部に挿入される形態に形成されてもよい。
【0087】
それぞれの延長部136は、上部壁134と内部壁131との間、下部壁135と内部壁131との間の結合をさらに気密にすることができる。例えば、内部壁131から外側に延びた延長部136が形成された後、外部壁132、上部壁134、及び下部壁135が形成され、次いで、上部壁134及び下部壁135それぞれは、焼結によって内部壁131と気密に結合されうる。
【0088】
例えば、内部壁131に延長部136が形成された後、外部壁132、上部壁134、及び下部壁135が射出によって形成され、結合部位は、気密に結合されうる。
【0089】
延長部136は、エアロゾル生成物品200の挿入方向である長手方向に沿って延びる一部を有することができる。すなわち、上部壁134、及び下部壁135それぞれの内部に形成された延長部136は、エアロゾル生成物品200の挿入方向である長手方向に沿って延びてもよい。この際、延長部136は、内部壁131の内部で所定長を有し、所定長は、設計及び必要によって変更されてもよい。
【0090】
延長部136は、上部壁134、及び下部壁135の内側表面に上部壁134及び下部壁135の円周方向に沿って形成されてもよい。すなわち、延長部136は、内部壁131の外部から内部壁131を取り囲むように形成されてもよい。また、延長部136は、内部壁131の内部で内部壁131の円周全体を取り囲むか、内部壁131の円周の一部のみを取り囲むように形成されてもよい。例えば、延長部136が内部壁131の円周の一部を取り囲むように、延長部136が内部壁131の一部に配置されてもよい。
【0091】
一方、延長部136の形状は、上述したところによって制限されない。例えば、
図5に図示されていないが、延長部136の一側端部には、折曲げ部が形成され、延長部136は、互いに対向する対向壁を有する。これにより、延長部136の長い部分は、折曲げ部及び対向壁を通じて上部壁134及び下部壁135の内部に延び、内部壁131と上部壁134及び下部壁135が互いにさらに堅く結合されうる。延長部136の折曲げ部及び対向壁の配置及び長さは、それに制限されず、実施例によっても変更される。
【0092】
図6は、他の実施例によるエアロゾル生成装置の放熱構造体の断面斜視図である。
【0093】
図6を参照すれば、放熱構造体130の内部にコイル140及びサセプタ150が配置されてもよい。サセプタ150の内部には、エアロゾル生成物品200を収容することができる収容空間120が形成されており、サセプタ150は、エアロゾル生成物品200が収容空間120に収容されれば、エアロゾル生成物品200の周囲を取り囲むように配置されてもよい。放熱構造体130の内部壁131とサセプタ150との間には、コイル140が配置されてもよい。したがって、サセプタ150は、エアロゾル生成物品200が収容空間に収容されれば、エアロゾル生成物品200と接触し、サセプタ150は、コイル140から発生した誘導磁場によって熱を生成することで収容されたエアロゾル生成物品200を加熱することができる。
図6に示される実施例の場合には、コイル140とサセプタ150が隣接して配置されるので、加熱効率が増加することができる。
【0094】
放熱構造体130は、内部壁131と外部壁132とを連結する上部壁134及び下部壁135を含んでもよい。放熱構造体130の内部壁131、外部壁132、上部壁134、及び下部壁135によって形成される内部空間133は、真空でもある。したがって、内部空間133を通じる熱伝達が制限されるので、サセプタ150から生成された熱が放熱構造体130が外部に伝達されることが遮断されうる。
【0095】
放熱構造体130の内部空間133の真空を保持するために、放熱構造体130の内部壁131、外部壁132、上部壁134、及び下部壁135は、それぞれ気密に結合されうる。例えば、放熱構造体130の内部壁131、外部壁132、上部壁134、及び下部壁135は、一体に形成されてもよい。
【0096】
例えば、放熱構造体130の内部壁131、外部壁132、上部壁134、及び下部壁135は、ステンレス、アルミニウム、カリウム、ナトリウム、白金などを含む常磁性体金属に形成されてもよい。したがって、放熱構造体130は、サセプタ150で生成される熱が放熱構造体130の外部への伝達を遮断すると共に、コイル140から発生した誘導磁場の放熱構造体130の外部への伝達も遮蔽させうる。また、放熱構造体130全体を常磁性体の金属で形成する場合には、放熱構造体130が非金属材料によって形成される場合よりも剛性が大きいので、外部衝撃に有利である。
【0097】
図7Aは、一実施例に係わる放熱構造体の斜視図である。
【0098】
図7Aを参照すれば、放熱構造体130は、一側に閉鎖された底を有するカップ状でもある。例えば、放熱構造体130の下部壁135は、エアロゾル生成物品200が挿入される開口の反対側の底において内部壁131と外部壁132との間隔を閉鎖することができる。
【0099】
図7Aには、示されていないが、放熱構造体130の下部壁135は、多重壁構造でもある。例えば、下部壁135は、二重壁構造によって形成され、下部壁135の内部には、真空の空間が形成されてサセプタ150から発生する熱が下部壁135を通じて伝達されることを遮断することができる。これにより、下部壁135は、エアロゾル生成装置100の内部部品(例えば、バッテリ160及び制御部170)への熱伝達を防止することができるので、作動信頼性を向上させうる。
【0100】
図7Bは、さらに他の実施例に係わる放熱構造体の他の例示的斜視図である。
【0101】
図7Bを参照すれば、カップ状の放熱構造体130の下部壁135には、通孔137が形成されてもよい。下部壁135の通孔を通じてワイヤが通過することができる。したがって、放熱構造体130の内部壁の内部に配置される素子(例えば、コイル140)は、ワイヤを通じて制御部170と電気的に連結され、ワイヤを通じて電力を供給されうる。
【0102】
一方、
図7Bには、示されていないが、
図7Aの実施例と同様に、下部壁135の内部には、真空の空間が形成されてサセプタ150から発生する熱が下部壁135を通過することを遮断することができる。そのような場合、下部壁135内部の真空空間は、通孔137が形成された領域を除いた残りの領域に形成されてもよい。例えば、通孔137が下部壁135の中心領域に形成される場合、下部壁135内部の真空空間は、環状に形成され、通孔137が下部壁135のいずれか一側に偏って形成される場合には、下部壁135内の真空空間は、他側に偏って形成されうる。
【0103】
図面で制御部170のようにブロックで表示される構成要素、要素、モジュール、またはユニット(現在段落において「構成要素」と通称する)の少なくとも1つは、例示的な実施例によって上述したそれぞれの機能を行う多様な個数のハードウェア、ソフトウェア及び/またはファームウェア構造体によっても具現される。例えば、それら構成要素の少なくとも1つは、1つ以上のマイクロプロセッサまたは他の制御装置の制御を通じてそれぞれの機能を行うことができるメモリ、プロセッサ、論理回路、ルックアップテーブルのような直接的な回路構造体を利用することができる。また、それら構成要素の少なくとも1つは、特定論理機能を行うための1つ以上の実行可能な命令を含む1つのモジュール、1つのプログラム、またはコードの一部によって特別に具現され、1つ以上のマイクロプロセッサまたはその他制御装置によって実行されてもよい。さらに、それら構成要素の少なくとも1つは、それぞれの機能を行う中央処理装置(CPU)、1つのマイクロプロセッサのようなプロセッサを含むか、それらによって具現されてもよい。そのような構成要素の二以上は、二以上の併合された構成要素の機能または全ての動作を遂行する1つの要素に併合されてもよい。また、それら構成要素の少なくとも1つの機能の少なくとも一部は、それら構成要素の他の1つによっても実行される。さらに、前記ブロックダイヤグラムには、バスが示されていないが、構成要素間の通信がバスを通じて実行されてもよい。上述した例示的な実施例の機能的な側面は、1つ以上のプロセッサを作動させるアルゴリズムによっても具現される。また、ブロックや処理段層によって表示された構成要素は、電子的構成、信号処理及び/または制御、データ処理のような関連技術をいずれも採用することができる。
【0104】
本開示に係わる技術分野で通常の知識を有する者は、前記記載の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態として具現可能であるということを理解することができるあろう。したがって、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばなりません。本開示の範囲は、前述した説明ではなく、請求範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての相違点は、本開示に含まれるものと解釈されねばないのである。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本開示は、エアロゾル生成物品を加熱する間に装置の外部に熱が伝達されて発生する被害を防止することができる放熱構造体を含むエアロゾル生成装置及びそれを含むエアロゾル生成システムに好適に適用されうる。